(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】金属プラスチック複合管複合設備及び複合工程
(51)【国際特許分類】
B29C 63/34 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
B29C63/34
(21)【出願番号】P 2022546693
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(86)【国際出願番号】 CN2021132230
(87)【国際公開番号】W WO2022121676
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】202011444948.8
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522304442
【氏名又は名称】湖南振輝管業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】肖 和飛
(72)【発明者】
【氏名】尹 希偉
(72)【発明者】
【氏名】張 新愛
(72)【発明者】
【氏名】羅 安明
【審査官】清水 研吾
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107097443(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111526620(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送り装置(1)と、作業台(2)と、前記作業台(2)に取り付けられた支持装置、クランプアセンブリ及び加熱冷却装置を含み、
前記クランプアセンブリは、前記作業台(2)上を移動可能であり、
前記送り装置(1)は、被加工管(7)を前記支持装置に搬出入し、
前記支持装置は、前記被加工管(7)を支持して前記被加工管(7)を上昇又は下降させ、
前記クランプアセンブリは、前記被加工管(7)の両端を挟持して密封し、
前記クランプアセンブリは、前記被加工管(7)を前記加熱冷却装置に貫通させ
、
前記送り装置(1)は、送り駆動モータと、平行に設けられた2組の投入ラック(11)と、2組の前記投入ラック(11)を連結した伝動軸(12)と、を含み、
前記送り駆動モータは、前記伝動軸(12)に接続して回転駆動し、
前記伝動軸(12)は、2組の前記投入ラック(11)を動作させ、
前記投入ラック(11)は、ベース(111)と、前記ベース(111)に取り付けられたスプロケットアセンブリ(112)、連結板(114)及び前記被加工管(7)を担持する管支えアセンブリ(113)を含み、
前記スプロケットアセンブリ(112)は、前記ベース(111)に伝動可能に取り付けられ、
前記管支えアセンブリ(113)は、前記ベース(111)に摺動可能に取り付けられ、
前記連結板(114)の両端は、それぞれ前記スプロケットアセンブリ(112)、前記管支えアセンブリ(113)に連結され、
前記伝動軸(12)は、前記スプロケットアセンブリ(112)に連結して伝動させ、
前記スプロケットアセンブリ(112)は、前記連結板(114)を介して前記管支えアセンブリ(113)を摺動させ、
前記スプロケットアセンブリ(112)は、チェーン(1121)と2つの伝動ホイール(1122)とを含み、
2つの前記伝動ホイール(1122)は、離間して回転可能に前記ベース(111)に取り付けられ、
前記チェーン(1121)は、2つの前記伝動ホイール(1122)に外嵌され、
前記伝動軸(12)は、1つの前記伝動ホイール(1122)に連結して回転させ、
前記伝動ホイール(1122)は、それに連結された前記チェーン(1121)を伝動させ、
前記管支えアセンブリ(113)は、管支えホルダ(1131)と、前記管支えホルダ(1131)の底部に取り付けられた少なくとも1つのスライダ(1133)と、を含み、
前記連結板(114)は、一端が前記チェーン(1121)の上部に連結され、他端が前記スライダ(1133)又は前記管支えホルダ(1131)に連結され、
前記ベース(111)にガイドレール(1111)が設けられ、
前記スライダ(1133)は、前記ガイドレール(1111)に係合して前記ガイドレール(1111)に沿って摺動し、
前記ガイドレール(1111)は、前記チェーン(1121)と平行に設けられ、
前記管支えホルダ(1131)は、前記被加工管(7)を担持するための管支え部(11311)と、前記スライダ(1133)を連結するためのスライダ連結部(11312)と、を含み、
前記管支え部(11311)の底部には、複数の管搬送ホイール(1132)が離間して設けられ、
前記管搬送ホイール(1132)は、前記ベース(111)に沿って転動し、
前記スライダ連結部(11312)は、前記管支え部(11311)に連結し、
前記スライダ(1133)は、前記スライダ連結部(11312)の底部に設けられている、
ことを特徴とする金属プラスチック複合管複合設備。
【請求項2】
前記投入ラック(11)には、2つの第1の近接スイッチ(115)が離間して設けられ、
前記管支えアセンブリ(113)が所定の開始位置に位置する場合、一方の前記第1の近接スイッチ(115)は、前記管支えアセンブリ(113)を検知することができ、
前記管支えアセンブリ(113)が所定の動作終点位置に位置する場合、他方の前記第1の近接スイッチ(115)は、前記管支えアセンブリ(113)を検知することができる、
ことを特徴とする請求項
1に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【請求項3】
前記支持装置は、離間して設けられた複数の支持ローラ群(31)と、離間して設けられた複数の支持板と、を含み、
前記支持ローラ群(31)は、前記被加工管(7)を支持するための支持ローラ(311)と、前記支持ローラ(311)に連結されたエアシリンダ(312)と、を含み、
前記エアシリンダ(312)は、前記支持ローラ(311)に連結して上昇又は下降させるように駆動する、
ことを特徴とする請求項
2に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【請求項4】
前記支持装置は、複数の第2の近接スイッチ(32)を更に含み、
各々の前記支持ローラ群(31)の両側には、前記第2の近接スイッチ(32)が1つずつ設けられている、
ことを特徴とする請求項
3に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【請求項5】
前記クランプアセンブリは、離間して設けられた2つのクランプ構造と、2つの前記クランプ構造を連結する締付ケーブル(42)と、を含み、
前記クランプ構造は、クランプベース(415)と、前記クランプベース(415)に取り付けられたチャックホルダ(411)、チャック昇降調整装置(412)、チャック(413)及び油圧装置(414)を含み、
前記油圧装置(414)は、前記チャックホルダ(411)に取り付けられ、
前記油圧装置(414)は、前記チャック(413)に連結して水平方向に移動させ、
前記チャック昇降調整装置(412)は、前記油圧装置(414)と前記チャック(413)とに接続して水平方向と直交する方向に移動させ、
前記クランプベース(415)は、前記作業台(2)に摺動可能に取り付けられ、
2つの前記クランプ構造の2つの前記チャック(413)は、互いに対向するように設けられ、
前記作業台(2)は、平行で離間した2本のレールを含み、
前記クランプベース(415)は、2本の前記レールに跨って設けられて2本の前記レールに沿って移動する、
ことを特徴とする請求項
4に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【請求項6】
前記加熱冷却装置は、
2つの前記クランプ構造の間に位置し、
前記加熱冷却装置は、加熱冷却ラック(54)と、前記加熱冷却ラック(54)に取り付けられた誘導加熱コイル(51)及びシャワーリング(53)を含み、
前記誘導加熱コイル(51)及び前記シャワーリング(53)は、離間して設けられ、
前記誘導加熱コイル(51)の内径及び前記シャワーリング(53)の内径は、前記被加工管(7)の外径よりも大きく、
前記クランプアセンブリは、前記被加工管(7)を前記誘導加熱コイル(51)及び前記シャワーリング(53)に貫通させる、
ことを特徴とする請求項
5に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【請求項7】
前記第1の近接スイッチ(115)、前記第2の近接スイッチ(32)、前記エアシリンダ(312)、前記送り駆動モータが電気的に接続されたコントローラを更に含む、
ことを特徴とする請求項
6に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【請求項8】
請求項
7に記載の金属プラスチック複合管複合設備に基づく金属プラスチック複合管複合工程であって、
順次行われる投入工程、挟持工程、加熱冷却工程及び排出工程を含み、ここで、
前記投入工程:前記送り装置(1)を作動させ、前記送り装置(1)は、担持している前記被加工管(7)を前記支持装置の前記支持板上に移動させ、その後、複数組の前記支持ローラ群(31)の複数の前記エアシリンダ(312)は、前記被加工管(7)が持ち上げられて前記送り装置(1)から離れるように、複数の前記支持ローラ(311)をそれぞれ上昇させ、前記送り装置(1)を再び作動させ、前記送り装置(1)は、前記支持板から離れて開始位置に戻る;
前記挟持工程:前記油圧装置(414)を作動させ、2つの前記クランプ構造の2組の前記油圧装置
(414)は、前記被加工管(7)の両端を挟持するように、2つの前記チャック(413)を向かい合って移動させる;
前記加熱冷却工程:気体供給装置は、前記チャック(413)に気体を供給して前記被加工管(7)のプラスチック管の両端を密封し、前記被加工管(7)のプラスチック管の内部に気体を供給してプラスチック管を膨張させ、2つの前記クランプ構造は、順に前記誘導加熱コイル(51)及び前記シャワーリング(53)に貫通させるように前記被加工管(7)を移動させる;
前記排出工程:前記チャック(413)の気圧及び前記被加工管(7)の内部の気圧を解放し、前記油圧装置(414)を作動させ、2つの前記クランプ構造が前記被加工管(7)から離れるようにし、前記送り装置(1)を作動させ、前記送り装置(1)は、前記被加工管(7)の下方の前記支持板に移動し、複数の前記エアシリンダ(312)を作動させ、複数の前記エアシリンダ(312)は、前記被加工管(7)が前記送り装置(1)に支持されるように、それぞれ複数の前記支持ローラ(311)を下降させ、前記送り装置(1)を作動させ、前記被加工管(7)を前記支持板から離れるように移動させる、
ことを特徴とする金属プラスチック複合管複合工程。
【請求項9】
前記投入工程で前記送り装置(1)を作動させる前に、前記被加工管(7)の両端は、2つの前記投入ラック(11)の2つの前記管支え部(11311)にそれぞれ支持され、かつ前記被加工管(7)は、前記レールの長さ方向に平行である、
ことを特徴とする請求項
8に記載の金属プラスチック複合管複合工程。
【請求項10】
前記投入工程で、前記送り駆動モータを作動させ、前記送り駆動モータは、前記管支えホルダ(1131)を移動させ、
前記管支え部(11311)が前記支持板上に移動すると、一方の前記第1の近接スイッチ(115)は、前記管支え部(11311)の後方の前記スライダ(1133)を検知し、
前記第1の近接スイッチ(115)は、検知した情報を前記コントローラに送信し、
前記コントローラは、前記第1の近接スイッチ(115)の情報を受信すると、前記送り駆動モータを停止制御し、
前記管支え部(11311)は、前記支持板上に停止する、
ことを特徴とする請求項
9に記載の金属プラスチック複合管複合工程。
【請求項11】
前記管支え部(11311)が前記支持板上に位置する場合、前記送り駆動モータを逆方向に作動させ、前記送り駆動モータは、前記管支えホルダ(1131)を移動させ、
前記管支え部(11311)は、前記支持板から離れて前記ベース(111)に移動し、
他方の前記第1の近接スイッチ(115)が前記スライダ(1133)を検知すると、前記第1の近接スイッチ(115)は、検知した情報を前記コントローラに送信し、
前記コントローラは、前記第1の近接スイッチ(115)の情報を受信すると、前記送り駆動モータを停止制御し、
前記管支え部(11311)は、所定の開始位置に停止する、
ことを特徴とする請求項
10に記載の金属プラスチック複合管複合工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管複合工程の技術分野に関し、特に金属プラスチック複合管複合設備及び複合工程に関する。
【背景技術】
【0002】
金属プラスチック複合管は、外層を金属管、内層をプラスチック管として、一定の工程で複合成形した管材であり、金属管と非金属管との長所を有する。金属管とプラスチック管とを複合して接着するには、プラスチック管を加熱溶融してプラスチック管と金属管内壁とを接着させ、その後冷却して接着部分を冷却固化させる必要がある。しかし、管径の大きい金属プラスチック複合管は、複合ラインへの流入出が容易ではなく、また、その体積が大きいため、複合化が難しく、複合効率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術に存在する上記問題点に鑑みてなされたもので、金属プラスチック複合管複合設備及び複合工程を提供することを目的とし、前記複合設備により投入工程、挟持工程、加熱冷却工程、排出工程を順次行うことができる。前記設備は、構造がコンパクトであり、床面積が小さく、バッチ式の複合生産ラインに適し、管径の大きい金属プラスチック複合管の複合に適し、複合加工効率が高く、複合性能が高い。投入工程で投入と排出とを自動で行うことができる。挟持工程でプラスチック管の密封とプラスチック管の内部加圧とを行うことができる。クランプ構造によれば、金属プラスチック複合管を加熱冷却装置に貫通させて一体的に複合化させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術手段を採用する。
【0005】
金属プラスチック複合管複合設備であって、送り装置と、作業台と、作業台に取り付けられた支持装置、クランプアセンブリ及び加熱冷却装置を含む。クランプアセンブリは、作業台上を移動可能である。送り装置は、被加工管を支持装置に搬出入する。支持装置は、被加工管を支持して被加工管を上昇又は下降させる。クランプアセンブリは、被加工管の両端を挟持して密封する。クランプアセンブリは、被加工管を加熱冷却装置に貫通させる。
【0006】
上記技術手段には、以下のさらなる改良がある。
【0007】
送り装置は、送り駆動モータと、平行に設けられた2組の投入ラックと、2組の投入ラックを連結した伝動軸と、を含む。送り駆動モータは、伝動軸に接続して回転駆動する。伝動軸は、2組の投入ラックを動作させる。
【0008】
投入ラックは、ベースと、ベースに取り付けられたスプロケットアセンブリ、連結板及び被加工管を担持する管支えアセンブリを含む。スプロケットアセンブリは、ベースに伝動可能に取り付けられる。管支えアセンブリは、ベースに摺動可能に取り付けられる。連結板の両端は、それぞれスプロケットアセンブリ、管支えアセンブリに連結される。伝動軸は、スプロケットアセンブリに連結して伝動させる。スプロケットアセンブリは、連結板を介して管支えアセンブリを摺動させる。
【0009】
スプロケットアセンブリは、チェーンと2つの伝動ホイールとを含む。2つの伝動ホイールは、離間して回転可能にベースに取り付けられる。チェーンは、2つの伝動ホイールに外嵌される。伝動軸は、1つの伝動ホイールに連結して回転させる。伝動ホイールは、それに連結されたチェーンを伝動させる。
【0010】
管支えアセンブリは、管支えホルダと、管支えホルダの底部に取り付けられた少なくとも1つのスライダと、を含む。連結板は、一端がチェーンの上部に連結され、他端がスライダ又は管支えホルダに連結される。
【0011】
ベースにガイドレールが設けられる。スライダは、ガイドレールに係合してガイドレールに沿って摺動する。ガイドレールは、チェーンと平行に設けられる。
【0012】
管支えホルダは、被加工管を担持するための管支え部と、スライダを連結するためのスライダ連結部と、を含む。管支え部の底部には、複数の管搬送ホイールが離間して設けられる。管搬送ホイールは、ベースに沿って転動する。スライダ連結部は、管支え部に連結する。スライダは、スライダ連結部の底部に設けられている。
【0013】
投入ラックには、更に2つの第1の近接スイッチが離間して設けられている。管支えアセンブリが所定の開始位置に位置する場合、一方の第1の近接スイッチは、管支えアセンブリを検知することができる。管支えアセンブリが所定の動作終点位置に位置する場合、他方の第1の近接スイッチは、管支えアセンブリを検知することができる。
【0014】
支持装置は、離間して設けられた複数の支持ローラ群と、離間して設けられた複数の支持板と、を含む。支持ローラ群は、被加工管を支持するための支持ローラと、支持ローラに連結されたエアシリンダと、を含む。エアシリンダは、支持ローラに連結して上昇又は下降させるように駆動する。
【0015】
支持装置は、複数の第2の近接スイッチを更に含む。各々の支持ローラ群の両側には、第2の近接スイッチが1つずつ設けられている。
【0016】
支持板は、管支えアセンブリの底部と面一である。投入ラックは、支持板に接続される。管支えアセンブリは、ベースから支持板上に動作し、又は支持板から逆方向にベース上に動作する。
【0017】
クランプアセンブリは、離間して設けられた2つのクランプ構造と、2つのクランプ構造を連結する締付ケーブルと、を含む。クランプ構造は、クランプベースと、クランプベースに取り付けられたチャックホルダ、チャック昇降調整装置、チャック及び油圧装置を含む。油圧装置は、チャックホルダに取り付けられる。油圧装置は、チャックに連結して水平方向に移動させる。チャック昇降調整装置は、油圧装置とチャックに接続して水平方向と直交する方向に移動させる。クランプベースは、作業台に摺動可能に取り付けられる。2つのクランプ構造の2つのチャックは、互いに対向するように設けられる。
【0018】
2つのチャックは、被加工管のプラスチック管の両端をそれぞれ挟持して密封する。チャックには、可撓性のパッキングが設けられている。パッキングは、圧縮されて被加工管のプラスチック管の内壁の1周分に接触して圧接する。チャックには、パッキングにガス圧を供給するパッキング用ガス管が設けられ、一方のチャックには、被加工管のプラスチック管の内部にガス圧を供給する管用ガス管が設けられている。
【0019】
作業台は、平行で離間した2本のレールを含む。クランプベースは、2本のレールに跨って設けられて2本のレールに沿って移動する。
【0020】
油圧装置は、チャックに接続してレールに平行な方向に移動させる。チャックホルダは、レールに直交する方向に摺動可能で、任意の位置に固定可能である。チャックホルダの摺動方向は、チャック昇降調整装置が油圧装置を移動させる方向に直交する。
【0021】
支持板は、2本のレールの間に位置し、レールの上面と面一となる。
【0022】
送り装置は、2組設けられている。2組の送り装置は、離間して設けられている。2組の送り装置は、それぞれ投入、排出に用いられる。
【0023】
支持ローラ群は、2本のレールの間に位置する。複数の支持ローラ群は、レールの長さ方向に沿って離間して設けられる。エアエアシリンダは、支持板の高さを超えるか、又は支持板の高さよりも低くなるように、支持ローラに接続して移動させる。
【0024】
加熱冷却装置は、2つのクランプ構造の間に位置する。加熱冷却装置は、加熱冷却ラックと、加熱冷却ラックに取り付けられた誘導加熱コイル及びシャワーリングを含む。誘導加熱コイル及びシャワーリングは、離間して設けられる。誘導加熱コイルの内径及びシャワーリングの内径は、被加工管の外径よりも大きい。クランプアセンブリは、被加工管を誘導加熱コイル及びシャワーリングに貫通させる。
【0025】
誘導加熱コイルとシャワーリングは、水平方向に直交する方向に摺動可能で、任意の位置に固定可能であり、レールに直交する水平方向に摺動可能で、任意の位置に固定可能である。
【0026】
シャワーリングには、シャワー水孔が複数設けられている。複数のシャワー水孔の吐水方向は、シャワーリングの中心線に向っている。
【0027】
加熱冷却装置は、誘導加熱コイルに接続される中間周波数設備を更に含む。
【0028】
前記複合設備は、第1の近接スイッチ、第2の近接スイッチ、エアシリンダ、送り駆動モータが電気的に接続されたコントローラを更に含む。
【0029】
上記複合設備に基づく金属プラスチック複合管複合工程であって、順次行われる投入工程、挟持工程、加熱冷却工程及び排出工程を含む。ここで、
投入工程:送り装置を作動させる。送り装置は、担持している被加工管を支持装置の支持板上に移動させる。その後、複数組の支持ローラ群の複数のエアシリンダは、被加工管が持ち上げられて送り装置から離れるように、複数の支持ローラをそれぞれ上昇させる。送り装置を再び作動させる。送り装置は、支持板から離れて開始位置に戻る。
挟持工程:油圧装置を作動させる。2つのクランプ構造の2組の油圧装置は、被加工管の両端を挟持するように、2つのチャックを向かい合って移動させる。
加熱冷却工程:気体供給装置は、チャックに気体を供給して被加工管のプラスチック管の両端を密封し、被加工管のプラスチック管の内部に気体を供給してプラスチック管を膨張させる。2つのクランプ構造は、順に誘導加熱コイル及びシャワーリングに貫通させるように被加工管を移動させる。
排出工程:チャックの気圧及び被加工管の内部の気圧を解放し、油圧装置を作動させ、2つのクランプ構造が被加工管から離れるようにする。送り装置を作動させる。送り装置は、被加工管の下方の支持板に移動する。複数のエアシリンダを作動させる。複数のエアシリンダは、被加工管が送り装置に支持されるように、それぞれ複数の支持ローラを下降させる。送り装置を作動させ、被加工管を支持板から離れるように移動させる。
【0030】
投入工程で送り装置を作動させる前に、被加工管の両端は、2つの投入ラックの2つの管支え部にそれぞれ支持され、かつ被加工管は、レールの長さ方向に平行である。
【0031】
投入工程で、送り駆動モータを作動させる。送り駆動モータは、管支えホルダを移動させる。管支え部が支持板上に移動すると、一方の第1の近接スイッチは、管支え部の後方のスライダを検知する。第1の近接スイッチは、検知した情報をコントローラに送信する。コントローラは、第1の近接スイッチの情報を受信すると、送り駆動モータを停止制御する。管支え部は、支持板上に停止する。
【0032】
管支え部が支持板上に位置する場合、送り駆動モータを逆方向に作動させる。送り駆動モータは、管支えホルダを移動させる。管支え部は、支持板から離れてベースに移動する。他方の第1の近接スイッチがスライダを検知すると、第1の近接スイッチは、検知した情報をコントローラに送信する。コントローラは、第1の近接スイッチの情報を受信すると、送り駆動モータを停止制御する。管支え部は、所定の開始位置に停止する。
【0033】
投入工程が終了した後、被加工管は、1つのチャックと誘導加熱コイルとの間に位置する。
【0034】
挟持工程で油圧装置を作動させる前に、チャックの中心線と被加工管の中心線とが一致するように、チャック昇降調節装置とチャックホルダとを調整する。
【0035】
挟持工程で油圧装置を作動させる前に、誘導加熱コイルの中心線と、シャワーリングの中心線と、被加工管の中心線とが一致するように、加熱冷却ラックを調整する。
【0036】
加熱冷却工程で被加工管は、移動中に支持ローラ群に支持されたままにする。
【0037】
加熱冷却工程で1つの支持ローラ群の両側の2つの第2の近接スイッチが共に被加工管を検知できることから、一方の第2の近接スイッチが被加工管を検知できないことになる場合、コントローラは、情報を受信して、それに対応するエアエアシリンダを制御して支持ローラを下降させる。
【0038】
加熱冷却工程で1つの支持ローラ群の両側の2つの第2の近接スイッチが共に被加工管を検知できないことから、一方の第2の近接スイッチが被加工管を検知できることになる場合、コントローラは、情報を受信して、それに対応するエアエアシリンダを制御して支持ローラを上昇させる。
【0039】
排出工程で被加工管の最下部よりも送り装置の最上部の方が高い場合には、複数のエアエアシリンダによって、それに接続された支持ローラを、被加工管が持ち上げられる高さまで上昇させ、被加工管の最下部の高さを、送り装置の最上部の高さよりも高くする。
【発明の効果】
【0040】
本発明は、前記複合設備により投入工程、挟持工程、加熱冷却工程、排出工程を順次行うことができる。前記設備は、構造がコンパクトであり、床面積が小さく、バッチ式の複合生産ラインに適し、管径の大きい金属プラスチック複合管の複合に適し、複合加工効率が高く、複合性能が高い。投入工程で投入と排出とを自動で行うことができる。挟持工程でプラスチック管の密封とプラスチック管の内部加圧とを行うことができる。クランプ構造によれば、金属プラスチック複合管を加熱冷却装置に貫通させて一体的に複合化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図2】本発明の一実施形態の別角度から見た構造図である。
【
図3】本発明の一実施形態の送り装置の構造図である。
【
図4】本発明の一実施形態の投入ラックの構造図である。
【
図5】本発明の一実施形態の投入ラックの、スプロケットアセンブリを除いた構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書に記載の具体的な実施形態は、本発明を例示及び説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0043】
説明を容易にするために、本明細書では、図に示されるような1つのデバイス又は特徴の他のデバイス又は特徴に対する空間的位置関係を説明するために、「……より上」、「……の上方」、「……の上面」、「上」などの空間的相対用語を使用する。なお、空間的に相対的な用語は、図に示されたデバイスの向きに加えて、使用又は動作における異なる向きを含むことを意図している。例えば、図面のデバイスが反転される場合、「他のデバイス又は構成の上方に」又は「他のデバイス又は構成より上に」と記載されるデバイスは、その後、「他のデバイス又は構成の下方に」又は「他のデバイス又は構成より下に」と位置決めされることになる。従って、例示的な用語の「……より上」は、「……より上」及び「……より下」の両方の位置を含む。このデバイスは、他の異なる方法で(90度回転又は他の方向)位置決めされてもよく、本明細書で使用される空間的相対記述をそれに応じて解釈する。
【0044】
金属プラスチック複合管複合設備は、
図1~
図5に示すように、送り装置1と、作業台2と、作業台2に取り付けられた支持装置、クランプアセンブリ、加熱冷却装置、コントローラ及びトロリー6を含む。
【0045】
作業台2は、平行で離間した2本のレールを含む。
【0046】
送り装置1は、作業台2に当接する。送り装置1は、作業台2上の支持装置に対して被加工管7を搬出入する。送り装置1は、送り駆動モータと、平行に設けられた2組の投入ラック11と、2組の投入ラック11を連結する伝動軸12と、を含む。送り駆動モータは、伝動軸12を駆動する。伝動軸12は、2組の投入ラック11を動作させる。
【0047】
被加工管7は、金属管とプラスチック管とを含む。プラスチック管は、金属管内に嵌設される。即ち、プラスチック管は、内張りプラスチックである。プラスチック管の両端は、それぞれ金属管の両端(図示せず)から突出して、クランプアセンブリによる挟持を容易にする。プラスチック管と金属管とは、接着されていない。
【0048】
投入ラック11は、ベース111と、ベース111に取り付けられたスプロケットアセンブリ112と、連結板114と、2つの第1の近接スイッチ115と、被加工管7を担持する管支えアセンブリ113と、を含む。ベース111にはガイドレール1111が設けられている。ガイドレール1111は、ベース111から突出する。ガイドレール1111の横断面は、両端が大きく、中間が小さい砂時計型である。
【0049】
スプロケットアセンブリ112は、ベース111上に伝動可能に取り付けられる。スプロケットアセンブリ112は、チェーン1121と、2つの伝動ホイール1122と、を含む。2つの伝動ホイール1122は、離間して回転可能にベース111に取り付けられている。チェーン1121は、2つの伝動ホイール1122に外嵌される。伝動軸12は、1つの伝動ホイール1122に連結して回転させる。伝動ホイール1122は、それに連結されたチェーン1121を伝動させる。ガイドレール1111は、チェーン1121と平行に設けられている。
【0050】
管支えアセンブリ113は、ベース111に摺動可能に取り付けられている。管支えアセンブリ113は、管支えホルダ1131と、管支えホルダ1131の底部に取り付けられた少なくとも1つのスライダ1133と、を含む。具体的には、管支えホルダ1131は、被加工管7を担持するための管支え部11311と、スライダ1133を連結するためのスライダ連結部11312と、を含む。管支え部11311の底部には、離間して複数の管搬送ホイール1132が設けられている。複数の管搬送ホイール1132は、1列又は複数列に設けられている。管搬送ホイール1132は、ベース111に沿って転動する。スライダ連結部11312は、ガイドレール1111に係合してガイドレール1111に沿って摺動する。干渉を防止するために、管搬送ホイール1132は、ガイドレール1111の片側又は両側に位置する。管搬送ホイール1132の設置により、管支えホルダ1131の摺動抵抗を減少させる。本実施において、2つのスライダ1133が設けられている。
【0051】
連結板114は、一端がチェーン1121の上部に連結され、他端がスライダ1133又は管支えホルダ1131に連結される。伝動軸12は、スプロケットアセンブリ112のチェーン1121に連結されて伝動させる。チェーン1121は、連結板114を介して管支えアセンブリ113を摺動させる。
【0052】
2つの第1の近接スイッチ115は、離間して設けられている。第1の近接スイッチ115は、管支えアセンブリ113の位置を検知するためのものであり、管支えアセンブリ113の開始位置と動作終点との2つの位置が設定される。管支えアセンブリ113が所定の開始位置に位置する場合、一方の第1の近接スイッチ115は、管支えアセンブリ113を検知することができる。管支えアセンブリ113が所定の動作終点位置に位置する場合、他方の第1の近接スイッチ115は、管支えアセンブリ113を検知することができる。又は、管支えアセンブリ113が他の位置から開始位置まで動作すると、一方の第1の近接スイッチ115は、管支えアセンブリ113の位置情報を検知することができる。管支えアセンブリ113が他の位置から動作終点まで動作すると、他方の第1の近接スイッチ115は、管支えアセンブリ113の位置情報を検知することができる。第1の近接スイッチ115は、上述した要求を満たすことができれば、柔軟に配置可能である。本実施形態において、2つの第1の近接スイッチ115は、それぞれベース111の両端に配置されている。第1の近接スイッチ115は、スライダ1133を検知することによって位置情報をフィードバックする。
【0053】
本実施形態において、送り装置1は、2組設けられている。2組の送り装置1は、離間して設けられている。2組の送り装置1は、それぞれ投入、排出に用いられる。2組の送り装置1は、レールの同じ側に位置している。管支え部11311は、スライド連結部11312よりもレールに近い。
【0054】
支持装置は、離間して設けられた複数の支持ローラ群31と、離間して設けられた複数の支持板と、複数の第2の近接スイッチ32と、を含む。支持ローラ群31は、作業台2の2本のレールの間に位置する。複数の支持ローラ群31は、レールの長さ方向に沿って離間して設けられる。支持板は、2本のレールの間に位置し、レールの上面と面一となる。支持ローラ群31は、被加工管7を支持するための支持ローラ311と、支持ローラ311に連結されたエアエアシリンダ312と、を含む。エアエアシリンダ312は、支持ローラ311に接続されて上昇又は下降させる。
図2に破線で示すように、支持ローラ311が上昇駆動される状態である。支持ローラ311は、ローラ本体とローラフレームとを含む。ローラ本体は、ローラフレームに回転可能に取り付けられている。エアエアシリンダ312は、ローラフレームに接続されて上昇又は下降させる。エアエアシリンダ312は、支持板の高さを超えるか、又は支持板の高さよりも低くなるように、支持ローラ311に接続して移動させる。第2の近接スイッチ32は、各支持ローラ群3の両側に1つずつ設けられている。
【0055】
支持板は、投入ラック11に当接する。各支持板が1つの投入ラック11に当接することが好ましい。本実施形態において、2組の送り装置1の4つの投入ラック11にそれぞれ対応するように、4つの支持板が設けられている。具体的には、支持板は、管支えアセンブリ113の底部と面一である。管支えアセンブリ113がガイドレール1111に沿ってベース111上を運動するとき、管支え部11311は、ベース111から離れ、管支え部11311は、ベース111から離れて支持板上に移動する。送り駆動モータが逆回転すると、管支え部11311は、支持板上から逆方向にベース111まで動作する。
【0056】
以上の構成により、支持ローラ311の最上部が支持板よりも低い場合には、管支え部11311は、被加工管7を支持板上に移動させ、被加工管7が支持板上に到達すると、エアシリンダ312は、被加工管7に接触して持ち上げるように支持ローラ311を上昇駆動し、被加工管7を管支え部11311から離し、管支え部11311が支持板から離れることを容易にし、投入を実現する。排出が必要な場合、エアシリンダ312は、被加工管7が管支え部11311に接触して支持されるようにローラ311を下降駆動し、支持ローラ311は、被加工管7から離れる。
【0057】
クランプアセンブリは、作業台2上を移動可能である。クランプアセンブリは、被加工管7の両端を挟持して封止するとともに、被加工管7を加熱冷却装置に貫通させるためのものである。クランプアセンブリは、離間して設けられた2つのクランプ構造と、2つのクランプ構造を連結する締付ケーブル42と、を含む。締付ケーブル42は、設備の動作に影響を与えないように、クランプ構造の先端に連結される。
【0058】
クランプ構造は、クランプベース415と、クランプベース415に取り付けられたチャックホルダ411、チャック昇降調整装置412、チャック413及び油圧装置414を含む。油圧装置414は、チャックホルダ411に取り付けられている。油圧装置414は、チャック413に連結して水平方向に移動させる。具体的には、チャック413の移動方向は、レール長手方向に平行である。チャック昇降調整装置412は、油圧装置414とチャック413とに接続して水平方向に直交する方向に移動させる。チャック昇降調整装置412は、スクリューナット機構や、それ以外の、チャック413を水平方向に直交する方向に移動させることを実現可能な従来技術であり、ここでは繰り返して記載しない。チャックホルダ411は、レールに直交する方向に摺動可能で、任意の位置に固定可能であり、従来の技術手段によって実現可能である。例えば、チャックホルダ411の底部は、クランプベース415上のレールに沿って移動し、任意の位置まで移動すると、ナットで締め付ける。上述した構造により、チャック413の三次元空間内での位置を調整可能となっている。
【0059】
クランプベース415は、作業台2に摺動可能に取り付けられている。具体的には、クランプベース415は、2本のレールに跨って設けられて2本のレールに沿って移動する。2つのクランプ構造の2つのチャック413は、対向して設けられている。クランプベース415の移動によって、2つのチャック413の間の距離を制御することができる。
【0060】
2つのチャック413は、被加工管7の両端をそれぞれ挟持して密封する。具体的には、2つのチャック413は、被加工管7の金属管に内嵌されたプラスチック管の両端を挟持して密封する。チャック413には、可撓性のパッキングが設けられている。パッキングは、圧縮されてプラスチック管の内壁の1周分に接触して圧接する。チャック413には、パッキングにガス圧を供給するパッキング用ガス管4131が設けられ、一方のチャック413には、プラスチック管の内部にガス圧を供給する管用ガス管4132が設けられている。
【0061】
チャック413は、本出願人による出願番号2020114357607、2020114354596等の特許文献に詳細な構成が開示されているが、ここでは重複する説明は行わない。
【0062】
加熱冷却装置は、中間周波設備52と、水槽55と、冷却塔56と、加熱冷却ラック54と、加熱冷却ラック54に取り付けられた誘導加熱コイル51及びシャワーリング53を含む。中間周波設備52は、誘導加熱コイル51に接続される。誘導加熱コイル51とシャワーリング53とは、離間して設けられている。誘導加熱コイル51の内径及びシャワーリング53の内径は、被加工管7の外径より大きく、かつ、チャック413の外径より大きい。加熱冷却ラック54、誘導加熱コイル51及びシャワーリング53は、2つのチャック413の間に位置する。誘導加熱コイル51が位置する平面とシャワーリング53が位置する平面とは、いずれもレールに直交する。
【0063】
誘導加熱コイル51とシャワーリング53とは、水平方向に直交する方向に摺動可能で、任意の位置に固定可能であり、レールに直交する水平方向に摺動可能で、任意の位置に固定可能である。誘導加熱コイル51とシャワーリング53との位置は、それらの中心線が被加工管7の中心線と一致するように調整されている。
【0064】
シャワーリング53には、シャワー水孔が複数設けられている。複数のシャワー水孔の吐水方向は、シャワーリング53の中心線に向っている。シャワーリング53は、水槽55に接続されている。
【0065】
第1の近接スイッチ115、第2の近接スイッチ32、エアエアシリンダ312、送り駆動モータは、それぞれコントローラに電気的に接続されている。
【0066】
トロリー6は、前記複合設備に接続されたケーブルを巻き付けて整理するためのものである。トロリー6は、作業台2の底部に位置する。移動する設備と共にケーブルが移動すると、トロリー6は、ケーブルの動的な整理を可能にする。
【0067】
上記複合設備に基づく金属プラスチック複合管複合工程は、順次行われる投入工程、挟持工程、加熱冷却工程、排出工程を含む。
【0068】
投入工程:送り装置1を作動させる。送り装置1は、担持している被加工管7を支持装置の支持板上に移動させる。その後、複数組の支持ローラ群31の複数のエアシリンダ312は、被加工管7が持ち上げられて送り装置1から離れるように、複数の支持ローラ311をそれぞれ上昇させる。送り装置1を再び作動させる。送り装置1は、支持板から離れて開始位置に戻る。
【0069】
送り装置1を作動させる前に、被加工管7の両端は、送り装置1の2つの投入ラック11の2つの管支え部11311にそれぞれ支持され、かつ被加工管7は、レールの長さ方向に平行である。送り駆動モータを作動させ、送り駆動モータは、管支えホルダ1131を移動させる。管支え部11311が支持板上に移動すると、レールに近い方の第1の近接スイッチ115は、管支え部11311の後方のスライダ1133を検知する。第1の近接スイッチ115は、検知した情報をコントローラに送信する。コントローラは、第1の近接スイッチ115の情報を受信すると、送り駆動モータを停止制御する。管支え部11311は、支持板上に停止する。
【0070】
投入工程が終了した後、被加工管7は、1つのチャック413と誘導加熱コイル51との間に位置する。
【0071】
挟持工程:油圧装置414を作動させる。2つのクランプ構造の2組の油圧装置は、被加工管7のプラスチック管の両端を挟持するように、2つのチャック413を向かい合って移動させる。
【0072】
油圧装置414を作動させる前に、チャック413の中心線と被加工管7の中心線とが一致するように、チャック昇降調節装置412とチャックホルダ411とを調整する。次に、誘導加熱コイル51の中心線と、シャワーリング53の中心線と、被加工管7の中心線と、が一致するように、加熱冷却ラック54を調整する。
【0073】
挟持工程で他方のチャック413は、被加工管7のプラスチック管の一端を挟持するには、シャワーリング53と誘導加熱コイル51とに順次貫通させる必要がある。
【0074】
加熱冷却工程:気体供給装置は、チャック413に気体を供給してプラスチック管の両端を密封し、被加工管7のプラスチック管の内部に気体を供給してプラスチック管を膨張させ、2つのクランプ構造は、順に誘導加熱コイル51及びシャワーリング53に貫通させるように被加工管7を移動させる。
【0075】
加圧ガスによりプラスチック管が膨張して被加工管7の内壁に密着し、その後の加熱溶融物の内壁への接着を容易にし、複合効果を確保する。プラスチック管の両端を密封することにより、加圧の有効性を確保することができる。
【0076】
加熱冷却工程で被加工管7は、移動中に支持ローラ群31に支持されたままであり、チャック413により被加工管7を動作させる。
【0077】
1つの支持ローラ群31の両側の2つの第2の近接スイッチ32が共に被加工管7を検知でき、ある瞬間に一方の第2の近接スイッチ32が被加工管7を検知できない場合、被加工管7がこの支持ローラ群31から離れる直前であり、この支持ローラ群31が被加工管7を支持しなくなることを示す。クランプベース415の動作との干渉を避けるために、コントローラは、この支持ローラ群31のエアエアシリンダ312を制御して支持ローラ311を下降させる。
【0078】
1つの支持ローラ群31の両側の2つの第2の近接スイッチ32が共に被加工管7を検知できず、ある瞬間に一方の第2の近接スイッチ32が被加工管7を検知できた場合、被加工管7がこの支持ローラ群31に進入する直前であり、この支持ローラ群31が被加工管7を支持する必要があることを示す。コントローラは、この支持ローラ群31のエアエアシリンダ312を制御して支持ローラ311を上昇させる。
【0079】
排出工程:チャック413の気圧及び被加工管7の内部の気圧を解放し、油圧装置414を作動させ、2つのクランプ構造が被加工管7から離れるようにする。送り装置1を作動させる。送り装置1は、被加工管7の下方の支持板に移動する。複数のエアシリンダ312を作動させる。複数のエアシリンダ312は、被加工管7が送り装置1に支持されるように、それぞれ複数の支持ローラ311を下降させる。送り装置1を作動させる。被加工管7を支持板から離れるように移動させる。
【0080】
排出工程で被加工管7の最下部よりも送り装置1の最上部の方が高い場合には、複数のエアエアシリンダ312によって、それに接続された支持ローラ311を、被加工管7が持ち上げられる高さまで上昇させ、被加工管7の最下部の方が送り装置1の最上部よりも高くなるようにし、支持板上に管支え部11311が入り込むようにする。
【0081】
被加工管7が管支え部11311に支持されている場合、送り駆動モータを逆方向に作動させる。送り駆動モータは、管支えホルダ1131を移動させる。管支え部11311は、支持板から離れてベース111に移動する。レールから離れた方の第1の近接スイッチ115がスライダ1133を検知すると、第1の近接スイッチ115は、検知した情報をコントローラに送信する。コントローラは、第1の近接スイッチ115の情報を受信すると、送り駆動モータを停止制御する。管支え部11311は、所定の開始位置に停止する。
【0082】
最後に、以上の実施形態は、本発明の技術手段を更に詳しく説明するためのものであり、本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではなく、本発明の上記内容から当業者が為した非本質的な改良、調整等も本発明の範囲に含まれる。
【0083】
(付記)
(付記1)
送り装置(1)と、作業台(2)と、前記作業台(2)に取り付けられた支持装置、クランプアセンブリ及び加熱冷却装置を含み、
前記クランプアセンブリは、前記作業台(2)上を移動可能であり、
前記送り装置(1)は、被加工管(7)を前記支持装置に搬出入し、
前記支持装置は、前記被加工管(7)を支持して前記被加工管(7)を上昇又は下降させ、
前記クランプアセンブリは、前記被加工管(7)の両端を挟持して密封し、
前記クランプアセンブリは、前記被加工管(7)を前記加熱冷却装置に貫通させる、
ことを特徴とする金属プラスチック複合管複合設備。
【0084】
(付記2)
前記送り装置(1)は、送り駆動モータと、平行に設けられた2組の投入ラック(11)と、2組の投入ラック(11)を連結した伝動軸(12)と、を含み、
前記送り駆動モータは、前記伝動軸(12)に接続して回転駆動し、
前記伝動軸(12)は、2組の前記投入ラック(11)を動作させる、
ことを特徴とする付記1に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【0085】
(付記3)
前記投入ラック(11)は、ベース(111)と、前記ベース(111)に取り付けられたスプロケットアセンブリ(112)、連結板(114)及び前記被加工管(7)を担持する管支えアセンブリ(113)を含み、
前記スプロケットアセンブリ(112)は、前記ベース(111)に伝動可能に取り付けられ、
前記管支えアセンブリ(113)は、前記ベース(111)に摺動可能に取り付けられ、
前記連結板(114)の両端は、それぞれ前記スプロケットアセンブリ(112)、前記管支えアセンブリ(113)に連結され、
前記伝動軸(12)は、前記スプロケットアセンブリ(112)に連結して伝動させ、
前記スプロケットアセンブリ(112)は、前記連結板(114)を介して前記管支えアセンブリ(113)を摺動させる、
ことを特徴とする付記2に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【0086】
(付記4)
前記スプロケットアセンブリ(112)は、チェーン(1121)と2つの伝動ホイール(1122)とを含み、
2つの前記伝動ホイール(1122)は、離間して回転可能に前記ベース(111)に取り付けられ、
前記チェーン(1121)は、2つの前記伝動ホイール(1122)に外嵌され、
前記伝動軸(12)は、1つの前記伝動ホイール(1122)に連結して回転させ、
前記伝動ホイール(1122)は、それに連結された前記チェーン(1121)を伝動させ、
前記管支えアセンブリ(113)は、管支えホルダ(1131)と、前記管支えホルダ(1131)の底部に取り付けられた少なくとも1つのスライダ(1133)と、を含み、
前記連結板(114)は、一端が前記チェーン(1121)の上部に連結され、他端が前記スライダ(1133)又は前記管支えホルダ(1131)に連結され、
前記ベース(111)にガイドレール(1111)が設けられ、
前記スライダ(1133)は、前記ガイドレール(1111)に係合して前記ガイドレール(1111)に沿って摺動し、
前記ガイドレール(1111)は、前記チェーン(1121)と平行に設けられ、
前記管支えホルダ(1131)は、前記被加工管(7)を担持するための管支え部(11311)と、前記スライダ(1133)を連結するためのスライダ連結部(11312)と、を含み、
前記管支え部(11311)の底部には、複数の管搬送ホイール(1132)が離間して設けられ、
前記管搬送ホイール(1132)は、前記ベース(111)に沿って転動し、
前記スライダ連結部(11312)は、前記管支え部(11311)に連結し、
前記スライダ(1133)は、前記スライダ連結部(11312)の底部に設けられている、
ことを特徴とする付記3に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【0087】
(付記5)
前記投入ラック(11)には、2つの第1の近接スイッチ(115)が離間して設けられ、
前記管支えアセンブリ(113)が所定の開始位置に位置する場合、一方の前記第1の近接スイッチ(115)は、前記管支えアセンブリ(113)を検知することができ、
前記管支えアセンブリ(113)が所定の動作終点位置に位置する場合、他方の前記第1の近接スイッチ(115)は、前記管支えアセンブリ(113)を検知することができる、
ことを特徴とする付記4に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【0088】
(付記6)
前記支持装置は、離間して設けられた複数の支持ローラ群(31)と、離間して設けられた複数の支持板と、を含み、
前記支持ローラ群(31)は、前記被加工管(7)を支持するための支持ローラ(311)と、前記支持ローラ(311)に連結されたエアシリンダ(312)と、を含み、
前記エアシリンダ(312)は、前記支持ローラ(311)に連結して上昇又は下降させるように駆動する、
ことを特徴とする付記5に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【0089】
(付記7)
前記支持装置は、複数の第2の近接スイッチ(32)を更に含み、
各々の前記支持ローラ群(31)の両側には、前記第2の近接スイッチ(32)が1つずつ設けられている、
ことを特徴とする付記6に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【0090】
(付記8)
前記クランプアセンブリは、離間して設けられた2つのクランプ構造と、2つの前記クランプ構造を連結する締付ケーブル(42)と、を含み、
前記クランプ構造は、クランプベース(415)と、前記クランプベース(415)に取り付けられたチャックホルダ(411)、チャック昇降調整装置(412)、チャック(413)及び油圧装置(414)を含み、
前記油圧装置(414)は、前記チャックホルダ(411)に取り付けられ、
前記油圧装置(414)は、前記チャック(413)に連結して水平方向に移動させ、
前記チャック昇降調整装置(412)は、前記油圧装置(414)と前記チャック(413)とに接続して水平方向と直交する方向に移動させ、
前記クランプベース(415)は、前記作業台(2)に摺動可能に取り付けられ、
2つの前記クランプ構造の2つの前記チャック(413)は、互いに対向するように設けられ、
前記作業台(2)は、平行で離間した2本のレールを含み、
前記クランプベース(415)は、2本の前記レールに跨って設けられて2本の前記レールに沿って移動する、
ことを特徴とする付記7に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【0091】
(付記9)
前記加熱冷却装置は、前記2つのクランプ構造の間に位置し、
前記加熱冷却装置は、加熱冷却ラック(54)と、前記加熱冷却ラック(54)に取り付けられた誘導加熱コイル(51)及びシャワーリング(53)を含み、
前記誘導加熱コイル(51)及び前記シャワーリング(53)は、離間して設けられ、
前記誘導加熱コイル(51)の内径及び前記シャワーリング(53)の内径は、前記被加工管(7)の外径よりも大きく、
前記クランプアセンブリは、前記被加工管(7)を前記誘導加熱コイル(51)及び前記シャワーリング(53)に貫通させる、
ことを特徴とする付記8に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【0092】
(付記10)
前記第1の近接スイッチ(115)、前記第2の近接スイッチ(32)、前記エアシリンダ(312)、前記送り駆動モータが電気的に接続されたコントローラを更に含む、
ことを特徴とする付記9に記載の金属プラスチック複合管複合設備。
【0093】
(付記11)
付記10に記載の金属プラスチック複合管複合設備に基づく金属プラスチック複合管複合工程であって、
順次行われる投入工程、挟持工程、加熱冷却工程及び排出工程を含み、ここで、
投入工程:前記送り装置(1)を作動させ、前記送り装置(1)は、担持している前記被加工管(7)を前記支持装置の前記支持板上に移動させ、その後、複数組の前記支持ローラ群(31)の複数の前記エアシリンダ(312)は、前記被加工管(7)が持ち上げられて前記送り装置(1)から離れるように、複数の前記支持ローラ(311)をそれぞれ上昇させ、前記送り装置(1)を再び作動させ、前記送り装置(1)は、前記支持板から離れて開始位置に戻る;
挟持工程:前記油圧装置(414)を作動させ、2つの前記クランプ構造の2組の前記油圧装置は、前記被加工管(7)の両端を挟持するように、2つの前記チャック(413)を向かい合って移動させる;
加熱冷却工程:気体供給装置は、前記チャック(413)に気体を供給して前記被加工管(7)のプラスチック管の両端を密封し、前記被加工管(7)のプラスチック管の内部に気体を供給してプラスチック管を膨張させ、2つの前記クランプ構造は、順に前記誘導加熱コイル(51)及び前記シャワーリング(53)に貫通させるように前記被加工管(7)を移動させる;
排出工程:前記チャック(413)の気圧及び前記被加工管(7)の内部の気圧を解放し、前記油圧装置(414)を作動させ、2つの前記クランプ構造が前記被加工管(7)から離れるようにし、前記送り装置(1)を作動させ、前記送り装置(1)は、前記被加工管(7)の下方の前記支持板に移動し、複数の前記エアシリンダ(312)を作動させ、複数の前記エアシリンダ(312)は、前記被加工管(7)が前記送り装置(1)に支持されるように、それぞれ複数の前記支持ローラ(311)を下降させ、前記送り装置(1)を作動させ、前記被加工管(7)を前記支持板から離れるように移動させる、
ことを特徴とする金属プラスチック複合管複合工程。
【0094】
(付記12)
投入工程で前記送り装置(1)を作動させる前に、前記被加工管(7)の両端は、2つの前記投入ラック(11)の2つの前記管支え部(11311)にそれぞれ支持され、かつ前記被加工管(7)は、前記レールの長さ方向に平行である、
ことを特徴とする付記11に記載の金属プラスチック複合管複合工程。
【0095】
(付記13)
投入工程で、前記送り駆動モータを作動させ、前記送り駆動モータは、前記管支えホルダ(1131)を移動させ、
前記管支え部(11311)が前記支持板上に移動すると、一方の前記第1の近接スイッチ(115)は、前記管支え部(11311)の後方の前記スライダ(1133)を検知し、
前記第1の近接スイッチ(115)は、検知した情報を前記コントローラに送信し、
前記コントローラは、前記第1の近接スイッチ(115)の情報を受信すると、前記送り駆動モータを停止制御し、
前記管支え部(11311)は、前記支持板上に停止する、
ことを特徴とする付記12に記載の金属プラスチック複合管複合工程。
【0096】
(付記14)
前記管支え部(11311)が前記支持板上に位置する場合、前記送り駆動モータを逆方向に作動させ、前記送り駆動モータは、前記管支えホルダ(1131)を移動させ、
前記管支え部(11311)は、前記支持板から離れて前記ベース(111)に移動し、
他方の前記第1の近接スイッチ(115)が前記スライダ(1133)を検知すると、前記第1の近接スイッチ(115)は、検知した情報を前記コントローラに送信し、
前記コントローラは、前記第1の近接スイッチ(115)の情報を受信すると、前記送り駆動モータを停止制御し、
前記管支え部(11311)は、所定の開始位置に停止する、
ことを特徴とする付記13に記載の金属プラスチック複合管複合工程。