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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】リードフレーム
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/50 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
H01L23/50 N
H01L23/50 R
H01L23/50 K
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019182463
(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公開番号】P2021061266
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】517363861
【氏名又は名称】大口マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001405
【氏名又は名称】弁理士法人篠原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100065824
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100104983
【弁理士】
【氏名又は名称】藤中 雅之
(74)【代理人】
【識別番号】100166394
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和弘
(72)【発明者】
【氏名】久保田 覚史
(72)【発明者】
【氏名】福崎 潤
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-047004(JP,A)
【文献】特開2016-082222(JP,A)
【文献】特開2012-109459(JP,A)
【文献】特開2019-047061(JP,A)
【文献】特開2019-021812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器と接続する側の面及び側面に露出する外部接続用端子を複数備える半導体パッケージに用いられるリードフレームであって、
前記外部接続用端子となる端子部を有するリードの該外部接続用端子となる端子部がダムバーに接続されて、個々のリードフレームが多列配置され、
前記半導体パッケージにおける外部機器と接続する側の面において、
前記ダムバーにおける前記外部接続用端子となる端子部と交差しない位置での全領域と、前記リードにおける前記外部接続用端子となる端子部を除いた領域と、を有する第1の領域が、ハーフエッチング加工された薄肉部をなすとともに、
前記外部接続用端子となる端子部と、前記ダムバーにおける前記外部接続用端子となる端子部と交差する位置での全領域と、を合わせてなる第2の領域の内側に、前記ダムバーを跨り、且つ、個々の半導体パッケージに切断するための切断領域の境界線よりも前記ダムバーから離れた所定位置に及ぶ所定形状の開口を有する凹部が形成され、
少なくとも一つの前記凹部の開口が、
前記ダムバーを跨いで前記外部接続用端子となる端子部の前記切断領域の境界線よりも前記ダムバーから離れた所定位置に端部を有する第1の矩形部分と、
前記切断領域の境界線を跨いで前記第1の矩形部分と垂直に交差する第2の矩形部分と、
により形成されるT字形状又は略十文字形状の輪郭を有していることを特徴とするリードフレーム。
【請求項2】
個々の前記凹部における前記第1の矩形部分の前記ダムバーを跨いで前記第2の矩形部分との境界近傍の所定位置に及ぶ領域の板厚が、当該凹部における前記第2の矩形部分の板厚に比べて厚いことを特徴とする請求項1に記載のリードフレーム。
【請求項3】
個々の前記凹部における、前記第2の矩形部分の、前記ダムバーの長手方向に対して平行な辺同士の間隔が、前記第1の矩形部分の、前記ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔に比べて短くなっていることを特徴とする請求項1に記載のリードフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裏面側の外部接続用端子がプリント基板等の外部機器と接続されるタイプの半導体パッケージの製造に用いられるリードフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージの外部機器への組み込みに際し、半導体パッケージと、外部機器との半田接続状態の良・不良を目視で検査できるように、半田接続部分の可視化が求められている。
【0003】
しかるに、従来、外周部にアウターリードがない、例えば、QFN(Quad-Flat No-leaded)タイプの半導体パッケージは、半導体パッケージの裏面側に外部接続用端子が配列され、半導体パッケージの裏面側に露出している複数の外部接続用端子をプリント基板等の外部機器と接続する構造となっていたため、正常に半田接続されているか否かを目視検査することが困難であった。
【0004】
しかし、半田接続部分の目視検査ができないと、半田接続作業時に内在する接続不良が見逃され、その後の通電検査等で接続不良が発見されるまでの作業コストが余計にかかってしまう。また、半田接続部分は、X線装置を用いて透視検査することは可能ではあるが、それでは、X線装置の設備コストが増大してしまう。
【0005】
そこで、従来、QFNタイプの半導体パッケージの半田接続部分における半田接続状態の良・不良を目視検査できるようにするための技術として、例えば、次の特許文献1には、リードフレームにおけるリードの裏面側の外部接続用端子となる端子部の切断位置に、リードを横断する溝を形成することで、個々に切断されたときの半導体パッケージの裏面に露出する外部接続用端子に、端縁部にかけて空間部を設け、空間部に半田を介在させるようにして、半導体パッケージの側面に露出した外部接続用端子から半田接続部分を目視可能にすることが提案されている。
【0006】
また、例えば、次の特許文献2には、リードフレームの裏面に凹部を設け、表面側を樹脂封止後に、凹部を含む所定領域を封止樹脂側からハーフカット加工を施すことで、凹部を設けていた部位にスルーホールを形成し、次に、ハーフカット加工の幅より狭い幅でフルカット加工を施すことで、外部接続用端子を側方に突出させ、側方の突出部に、半田接続部分を目視可能にするためのスルーホールやスリットを設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2000-294715号公報
【文献】特開2011-124284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載のリードを横断する溝を形成する技術では、樹脂封止の際に溝に樹脂が入り込み、半田接続部分を目視可能にするための空間部が形成されず、半導体パッケージ製品の歩留まりが悪くなる虞がある。
【0009】
また、特許文献2に記載の技術では、樹脂封止後に、ブレードを用いたハーフカットとフルカットの2回の切断工程が必要となり、生産効率が悪くなる。また、外部接続用端子が側方へ突出する形態となるため、半導体パッケージの小型化に不利となる。
【0010】
このように、裏面側に露出している複数の外部接続用端子をプリント基板等の外部機器と接続するタイプの半導体パッケージにおける、半田接続部分を目視可能とするための従来技術には、半導体パッケージ製品の歩留まりや、生産効率、製品の小型化の点で問題があった。
【0011】
そこで、本発明者らは、これらの問題を解決しうる半田接続部分を目視可能とするための技術について試行錯誤を重ね、特許文献1に記載の技術を改良し、リードフレームにおけるリードの裏面側の外部接続用端子となる端子部における、ダムバー近傍の、個々の半導体パッケージに切断するための切断領域に及ぶ位置に凹部を形成し、半導体素子を搭載し樹脂で封止後に切断して個々の半導体パッケージを製造した際に、半導体パッケージの側面に露出している外部接続用端子の端縁部が門形状に形成され、門形状の端縁部に囲まれた領域から半田付け部分を目視確認できるようにすることを着想し、検討を行った。
【0012】
また、本発明者らが検討する過程において、この種のリードフレームにおいては、外部接続用端子を有するリードの樹脂との密着性や、個々の半導体パッケージに切断するブレードの寿命についての課題があることが判明した。
【0013】
また、近年、小型化が求められている半導体パッケージにおいては、半田接続部分の目視検査をし易くするために、リードフレームにおける半田接続部分を目視可能とする部位の幅や高さを極力増大させることが望まれる。
【0014】
そこで、本発明者らが、外部接続用端子を有するリードの樹脂との密着性や、個々の半導体パッケージに切断するブレードの寿命についての課題も含めた上記課題を解決しうる半田接続部分を目視可能とするための技術について、更なる試行錯誤を重ねたところ、半田接続部分の目視検査をし易くするために、半田接続部分を目視可能とする部位の幅や高さを極力増大させたリードフレームをエッチング加工により形成しようとした場合、ダムバーの強度が低下してリードフレームが変形する虞や、リードフレームが貫通してしまう虞があることが判明した。
【0015】
本発明は、上記従来の課題を鑑みてなされたものであり、半導体パッケージ製品の歩留まりや、生産効率が向上し、小型化にも対応でき、半田接続部分における半田接続状態の良・不良を目視検査可能であり、しかも、リードの樹脂との密着性を向上させ、個々の半導体パッケージに切断するブレードの寿命を延ばし、且つ、ダムバーの強度低下によるリードフレームの変形やリードフレームの貫通を防止すると同時に、半田接続部分を目視可能とする部位の幅や高さを極力増大させることが可能なリードフレームを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明によるリードフレームは、外部機器と接続する側の面及び側面に露出する外部接続用端子を複数備える半導体パッケージに用いられるリードフレームであって、前記外部接続用端子となる端子部を有するリードの該外部接続用端子となる端子部がダムバーに接続されて、個々のリードフレームが多列配置され、前記半導体パッケージにおける外部機器と接続する側の面において、前記ダムバーにおける前記外部接続用端子となる端子部と交差しない位置での全領域と、前記リードにおける前記外部接続用端子となる端子部を除いた領域と、を有する第1の領域が、ハーフエッチング加工された薄肉部をなすとともに、前記外部接続用端子となる端子部と、前記ダムバーにおける前記外部接続用端子となる端子部と交差する位置での全領域と、を合わせてなる第2の領域の内側に、前記ダムバーを跨り、且つ、個々の半導体パッケージに切断するための切断領域の境界線よりも前記ダムバーから離れた所定位置に及ぶ所定形状の開口を有する凹部が形成され、少なくとも一つの前記凹部の開口が、前記ダムバーを跨いで前記外部接続用端子となる端子部の前記切断領域の境界線よりも前記ダムバーから離れた所定位置に端部を有する第1の矩形部分と、前記切断領域の境界線を跨いで前記第1の矩形部分と垂直に交差する第2の矩形部分と、により形成されるT字形状又は略十文字形状の輪郭を有していることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のリードフレームにおいては、個々の前記凹部における前記第1の矩形部分の前記ダムバーを跨いで前記第2の矩形部分との境界近傍の所定位置に及ぶ領域の板厚が、当該凹部における前記第2の矩形部分の板厚に比べて厚いのが好ましい。
【0018】
また、本発明のリードフレームにおいては、個々の前記凹部における、前記第2の矩形部分の、前記ダムバーの長手方向に対して平行な辺同士の間隔が、前記第1の矩形部分の、前記ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔に比べて短くなっているのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、半導体パッケージ製品の歩留まりや、生産効率が向上し、小型化にも対応でき、半田接続部分における半田接続状態の良・不良を目視検査可能であり、しかも、リードの樹脂との密着性を向上させ、個々の半導体パッケージに切断するブレードの寿命を延ばし、且つ、ダムバーの強度低下によるリードフレームの変形やリードフレームの貫通を防止すると同時に、半田接続部分を目視可能とする部位の幅や高さを極力増大させることが可能なリードフレームが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係るリードフレームの要部構成を示す説明図で、(a)は外部機器と接続する側からみた図、(b)は(a)のリードフレームにおける外部接続用端子となる端子部を示すI-I断面図、(c)は(a)のリードフレームにおける外部接続用端子となる端子部を示すJ-J断面図である。
図2図1のリードフレームにおける個々のリードの外部接続用端子となる端子部に形成された凹部の説明図で、(a)はダムバーに接続した一部のリードを外部機器と接続する側からみた、凹部の開口形状の一例を示す図、(b)は(a)のK-K断面図、(c)は(a)の開口形状における第1の矩形部分を示す図、(d)は(a)の開口形状における第2の矩形部分を示す図、(e)は凹部の開口形状の他の例を示す図、(f)は凹部の開口形状のさらに他の例を示す図である。
図3】本発明者らが本発明を導出する前段階の試行段階のリードフレームと、本発明のリードフレームとにおける、外部接続用端子となる端子部に形成された凹部の長さ方向及び幅方向の夫々の方向に沿う各位置でのエッチング深さを示す説明図で、(a-1)は本発明を導出する前段階の試行段階のリードフレームにおける、外部接続用端子となる端子部に形成された凹部の開口形状を示す図、(a-2)は(a-1)に示す凹部の長さ方向に沿う各位置でのエッチング深さを示すグラフ、(a-3)は(a-1)に示す凹部の幅方向に沿う各位置でのエッチング深さを示すグラフ、(b-1)は本発明の実施形態のリードフレームにおける、外部接続用端子となる端子部に形成された凹部の開口形状を示す図、(b-2)は(b-1)に示す凹部の長さ方向に沿う各位置でのエッチング深さを示すグラフ、(b-3)は(b-1)に示す凹部の幅方向に沿う各位置でのエッチング深さを示すグラフである。
図4図1のリードフレームの製造手順の一例を図1(a)のJ-J断面で示す説明図である。
図5図1のリードフレームの製造手順の一例を図1(a)のI-I断面で示す説明図である。
図6図4及び図5の製造手順によって製造されたリードフレームを用いたパッケージの製造手順の一例を示す説明図である。
図7図6の製造手順によって製造された半導体パッケージの外部接続用端子を外部機器に半田接続した状態を示す、図6(e)と同じ側からみた側面図である。
図8】半導体パッケージの半田接続部分を目視可能にするための従来技術の一例を示す説明図で、(a)は半導体パッケージに用いるリードフレームの外部機器と接続する側からみた図、(b)は(a)のリードフレームを用いて組み立てた半導体パッケージにおける(a)のA-A断面図、(c)は(b)の半導体パッケージの外部接続用端子を外部機器に半田接続した状態を示す図、(d)は(a)のリードフレームにおける外部接続用端子となる端子部を示すB-B断面図である。
図9】本発明者らが本発明を導出する前段階において検討した、リードフレームの要部構成の一例を示す説明図で、(a)は外部機器と接続する側からみた図、(b)は(a)のリードフレームにおける外部接続用端子となる端子部を示すC-C断面図、(d)は(a)のリードフレームにおける外部接続用端子となる端子部を示すD-D断面図である。
図10図9のリードフレームにおける個々のリードの外部接続用端子となる端子部に形成された凹部の説明図で、(a)はダムバーに接続した一部のリードを外部機器と接続する側からみた、凹部の開口形状の一例を示す図、(b)は(a)のE-E断面図である。
図11】本発明者らが本発明を導出する前段階において、図9に示すリードフレームの検討後の次の段階で検討した、リードフレームの要部構成の一例を示す説明図で、(a)は外部機器と接続する側からみた図、(b)は(a)のリードフレームにおける外部接続用端子となる端子部を示すF-F断面図、(d)は(a)のリードフレームにおける外部接続用端子となる端子部を示すG-G断面図である。
図12図11のリードフレームにおける個々のリードの外部接続用端子となる端子部に形成された凹部の説明図で、(a)はダムバーに接続した一部のリードを外部機器と接続する側からみた、凹部の開口形状の一例を示す図、(b)は(a)のH-H断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施形態の説明に先立ち、本発明を導出するに至った経緯及び本発明の作用効果について説明する。
まず、本発明者らは、半導体パッケージの半田接続部分を目視可能にするための従来技術である特許文献1に記載の技術について検討・考察した。
特許文献1に記載の技術について図8を用いて説明する。
【0022】
図8(a)に示すリードフレームは、リードの裏面側の外部接続用端子となる端子部51の切断位置(図8(a)における一点鎖線上の位置)に、リードを横断する溝51bが形成されている。
そして、リードフレームのパッド部52に半導体素子60を搭載し、内部接続用端子となる端子部と半導体素子60とをボンディングワイヤ61で接続し、樹脂70で封止した状態の半導体パッケージを切断位置に沿って切断することによって、図8(b)に示すように、個々に切断された半導体パッケージの裏面に露出するリードの外部接続用端子51に、端縁部にかけて空間部51aが設けられる。
このように形成された半導体パッケージは、図8(c)に示すように、半田90は外部接続用端子51の裏面から端縁部にかけて形成されている空間部51aに介在する。このため、半導体パッケージの外部機器80との半田接続状態の良・不良を目視検査できる。
【0023】
しかし、図8に記載の技術のように、リードを横断する溝51bを形成すると、樹脂封止の際に、端子部の溝51bに樹脂が入り込み、半田接続部分を目視可能にするための空間部51aが形成されない虞がある。
一般に、リードフレームの半導体素子搭載側を樹脂封止する際には、リードフレームの裏面に樹脂が入り込まないようにするためにリードフレームの裏面には、シート状のテープを貼り付ける。しかし、図8に記載の技術では、樹脂封止する際にシート状のテープと溝51bの面との隙間から樹脂が回り込んで、端子部51の溝51bに樹脂が入り込み、半田接続部分を目視検査可能にするための空間部が形成されず、半導体パッケージ製品の歩留まりが悪くなる虞がある。
【0024】
次に、特許文献2に記載の技術では、上述したように、樹脂封止後に、ブレードを用いてハーフカットとフルカットの2回の切断工程が必要となり、生産効率が悪くなり、しかも、外部接続用端子が横方向へ突出する形態となるため、半導体パッケージの小型化に不利となる。
【0025】
ここで、本発明者らは、外部接続用端子となる端子部の切断位置に凹部を形成したリードフレームを用いて、半導体素子を搭載し樹脂で封止後に切断して、個々の半導体パッケージを製造した際に、半導体パッケージの側面に露出している外部接続用端子の端縁部が門形状に形成され、半田付け部分を目視確認できるようにすることについて検討を行った。
【0026】
また、本発明者らは、上記の検討過程において、この種のリードフレームには、外部接続用端子となる端子部を有するリードの樹脂との密着性や、個々の半導体パッケージに切断するブレードの寿命についての課題があることが判明した。
詳しくは、本発明者らが検討したこの種のリードフレームにおいて、外部接続用端子となる端子部を有するリードは、両側面と半導体素子を搭載する側の面を樹脂に囲まれた状態で樹脂と接しているが、半導体素子を封止する封止樹脂との密着性が弱く離脱し易いことが判明した。また、本発明者らが検討したこの種のリードフレームにおいて、リードを接続するダムバーの厚さが厚くなっていると、個々の半導体パッケージに切断する対象となる金属の量(ダムバーの体積)が増えて、ブレードの寿命が短くなってしまうことが懸念された。
【0027】
そこで、本発明者らは、リードの樹脂との密着性や、個々の半導体パッケージに切断するブレードの寿命についての課題も含めて、上記課題を解決しうる半田接続部分を目視可能とするための技術について、更なる検討を行った。
【0028】
図9は本発明者らが本発明を導出する前段階において検討した、リードフレームの要部構成の一例を示す説明図である。
【0029】
図9のリードフレームは、半導体パッケージにおける外部機器と接続する側の面において、ダムバー13における外部接続用端子となる端子部11-2と交差しない位置での全領域と、リードにおける外部接続用端子となる端子部11-2を除いた領域11-1と、を有する第1の領域が、ハーフエッチング加工された薄肉部となっている。図9の例では、パッド部14の周縁部及びサポートリード15も半導体パッケージにおける外部機器と接続する側の面において、第1の領域をなし、ハーフエッチング加工された薄肉部となっている。
また、外部接続用端子となる端子部11-2と、ダムバー13における外部接続用端子となる端子部11-2と交差する位置での全領域と、を合わせてなる第2の領域の内側に、ダムバー13を跨り、且つ、個々の半導体パッケージに切断するための切断領域の境界線(図9(a)においては、二点鎖線で示してある。)よりもダムバー13から離れた所定位置に及ぶ、外部接続用端子となる端子部11-2の幅の50%程度で一定の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を有する矩形形状の開口を有する凹部11-2b’が形成されている。
凹部11-2b’は、周囲を外部接続用端子となる端子部11-2及びダムバー13に囲まれている。そして、図9(a)において、二点鎖線の位置で切断されることによって半導体パッケージの側面に露出する外部接続用端子11-2の断面形状(即ち、外部接続用端子11-2の端縁部11-2a’の端面形状)は、図9(b)に示すように、門形状に形成されるようになっている。
【0030】
図9に示すリードフレームは、図8に示したリードフレームとは異なり、凹部11-2b’の周囲を外部接続用端子となる端子部11-2又はダムバー13を構成する金属材料が囲んでおり、凹部11-2b’の周囲を囲む金属材料の面は平坦となっている。
このため、凹部11-2b’の周囲の金属材料の面を、シート状のテープに密着させることができ、リードフレームの半導体素子搭載側を樹脂封止する際に、樹脂の凹部11-2b’への入り込みを防止することができる。
【0031】
また、図9に示すリードフレームは、ダムバー13における外部接続用端子となる端子部11-2と交差しない位置での全領域と、リードにおける外部接続用端子となる端子部11-2を除いた領域11-1と、(さらには、パッド部14の周縁部及びサポートリード15)を有する第1の領域が、ハーフエッチング加工された薄肉部となっているため、リードフレームの半導体素子搭載側を樹脂封止する際に、樹脂を第1の領域における外部接続側の空間領域に入り込ませることができる。その結果、多列型半導体パッケージ製造段階においては、樹脂が第1の領域を上下左右の方向から包囲して固化し、個々の半導体パッケージの製造段階においても、樹脂がリードにおける外部接続用端子となる端子部11-2を除いた領域11-1を上下左右の方向から包囲して固化した状態を保つため、個々の半導体パッケージ製品における外部接続用端子を有するリードの樹脂との密着性が格段と向上し、樹脂からの離脱を防止できる。
【0032】
また、図9に示すリードフレームは、ダムバー13における外部接続用端子となる端子部11-2と交差しない位置での全領域が、ハーフエッチング加工された薄肉部となっており、また、外部接続用端子となる端子部11-2と、ダムバー13における外部接続用端子となる端子部11-2と交差する位置での全領域と、を合わせてなる第2の領域の内側に、凹部11-2b’が形成されているため、個々の半導体パッケージに切断する際の切断対象となる金属の量(ダムバー13の体積)を格段に減らすことができ、ブレードの寿命を格段に延ばすことができる。
【0033】
しかし、本発明者らが、更に検討を重ねたところ、図9に示すリードフレームにおいて、図10(a)に示すように、凹部11-2b’が、外部接続用端子となる端子部11-2の幅の50%程度で一定の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を有する矩形形状の開口を有している構成では、図10(b)に示すように、全体的にエッチングの深さが深くなり難く、しかも、開口の端部に近づくにしたがってエッチングの深さが浅くなってエッチング面が傾斜し易いというエッチングの特性の影響を受けて、端部近傍に位置する、切断領域の境界線上の位置における凹部11-2b’の深さが浅くなってしまい易いことが判明した。
切断領域の境界線上の位置における凹部11-2b’の深さが浅いと、図9(a)において、二点鎖線の位置で切断されることによって半導体パッケージの側面に露出する外部接続用端子11-2の断面形状(即ち、外部接続用端子11-2の端縁部11-2a’の端面形状)における端縁部11-2a’の高さが低くなり、その分、半田接続状態を視認するための面積が小さくなってしまう。
【0034】
そこで、本発明者らは、次に、半田接続部分の目視検査をし易くするために、図9に示したリードフレームにおける凹部11-2b’の、ダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔と、切断領域の境界線上の位置における深さと、を増大させた図11に示すリードフレームについて、検討した。
【0035】
図11のリードフレームは、外部接続用端子となる端子部11-2と、ダムバー13における外部接続用端子となる端子部11-2と交差する位置での全領域と、を合わせてなる第2の領域の内側に、ダムバー13を跨り、且つ、個々の半導体パッケージに切断するための切断領域の境界線(図11(a)においては、二点鎖線で示してある。)よりもダムバー13から離れた所定位置に及ぶ、外部接続用端子となる端子部11-2の幅の50%超(図11の例では60%程度)で一定の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を有する矩形形状の開口を有する凹部11-2b’’が形成されている。その他の構成は、図9のリードフレームと略同じである。
【0036】
図11のリードフレームのように、凹部11-2b’’が外部接続用端子となる端子部11-2の幅の50%超で一定の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を有する矩形形状の開口を有している構成にすると、図11(a)において、二点鎖線の位置で切断されることによって半導体パッケージの側面に露出する外部接続用端子11-2の断面形状(即ち、外部接続用端子11-2の端縁部11-2a’’の端面形状)における端縁部11-2a’’の内側の空間領域を形成する凹部端面の水平方向の長さが増大し、その分、半田接続状態を視認するための面積が増大して、半田接続部分の目視検査がし易くなる。
【0037】
しかし、図11のリードフレームにした場合、図12(b)に示すように、凹部11-2b’’におけるダムバー13と交差する領域部分のエッチングが深くなり過ぎ、当該部位における金属材料の厚さが薄くなり過ぎてしまい易い。凹部11-2b’’におけるダムバー13と交差する領域部分における金属材料の厚さが薄くなり過ぎると、ダムバー13における他の薄肉部と相俟って、ダムバー13の強度が低下し、それに伴い、リードフレームにおけるダムバー13と接続する、外部接続用端子となる端子部を有するリード等の変形が生じる虞がある。
さらには、図12(b)に示す、凹部11-2b’’におけるダムバー13と交差する領域部分のエッチングが深くなり過ぎて、(外部接続用端子となる端子部11-2と、ダムバー13における外部接続用端子となる端子部11-2と交差する位置での全領域と、を合わせてなる)第2の領域を貫通してしまう虞がある。
【0038】
図9図11に示すリードフレームにおける、凹部11-2b’、11-2b’’は、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔が狭い矩形形状の開口を有する凹部を形成対象としたハーフエッチング加工ではエッチングの深さが浅く形成され、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔が広い矩形形状の開口を有する凹部を形成対象としたハーフエッチング加工ではエッチングの深さが深く形成され易い。
また、ハーフエッチング加工を施すことにより凹部を形成する場合、凹部の端部近傍はエッチングの深さが浅くなり易い。
このため、凹部の端部近傍に位置する、切断領域の境界線上の位置における深さを、半田接続部分の目視検査をし易くする程度、確保するためには、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔が一定の矩形形状の開口をなす凹部におけるダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を相当程度増大するように設計する必要がある。
そして、図11に示すリードフレームは、凹部11-2b’’のダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔が、図9に示すリードフレームの凹部11-2b’に比べて大きいため、ハーフエッチング加工によるエッチングの進行度が矩形形状の中央領域で大きくなる。その結果、ダムバーの強度を維持できなくなったり、第2の領域を貫通したりする虞が大きくなる。
しかし、半導体パッケージを製造する顧客からは、凹部端面の水平方向の長さを外部接続用端子となる端子部の幅の50%超とすることが要求されている。このため、切断領域の境界線上での凹部の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を端子部の幅の50%以下とすることはできない。
【0039】
この問題を解決するために、本発明者らは、更なる試行錯誤を重ね、半導体パッケージ製品の歩留まりや、生産効率が向上し、小型化にも対応でき、半田接続部分における半田接続状態の良・不良を目視検査可能であり、しかも、外部接続用端子を有するリードの樹脂との密着性を向上させ、個々の半導体パッケージに切断するブレードの寿命を延ばし、且つ、ダムバーの強度低下によるリードフレームの変形やリードフレームの貫通を防止すると同時に、半田接続部分を目視可能とする部位の幅や高さを極力増大させることを可能にする本発明のリードフレームを導出するに至った。
【0040】
本発明のリードフレームは、外部機器と接続する側の面及び側面に露出する外部接続用端子を複数備える半導体パッケージに用いられるリードフレームであって、外部接続用端子となる端子部を有するリードの外部接続用端子となる端子部がダムバーに接続されて、個々のリードフレームが多列配置され、半導体パッケージにおける外部機器と接続する側の面において、ダムバーにおける外部接続用端子となる端子部と交差しない位置での全領域と、リードにおける外部接続用端子となる端子部を除いた領域と、を有する第1の領域が、ハーフエッチング加工された薄肉部をなすとともに、外部接続用端子となる端子部と、ダムバーにおける外部接続用端子となる端子部と交差する位置での全領域と、を合わせてなる第2の領域の内側に、ダムバーを跨り、且つ、個々の半導体パッケージに切断するための切断領域の境界線よりもダムバーから離れた所定位置に及ぶ所定形状の開口を有する凹部が形成され、少なくとも一つの凹部の開口が、ダムバーを跨いで外部接続用端子となる端子部の切断領域の境界線よりもダムバーから離れた所定位置に端部を有する第1の矩形部分と、切断領域の境界線を跨いで第1の矩形部分と垂直に交差する第2の矩形部分と、により形成されるT字形状又は略十文字形状の輪郭を有している。
【0041】
本発明のリードフレームのように、第2の領域の内側に、ダムバーを跨り、且つ、個々の半導体パッケージに切断するための切断領域の境界線よりもダムバーから離れた所定位置に及ぶ所定形状の開口を有する凹部が形成された構成にすれば、外部接続用端子となる端子部の断面形状が門形状となり、半導体パッケージを外部機器に半田接続したときの半田接続部分を、外部接続用端子における門形状の端面の側から目視確認でき、半導体パッケージの外部機器との半田接続状態の良・不良を目視検査できる。
【0042】
また、本発明のリードフレームのように、第2の領域の内側に形成された第1の矩形部分と、第2の矩形部分と、により形成されるT字形状又は略十文字形状の輪郭を有した構成にすれば、第1の矩形部分と第2の矩形部分とが交差する領域において、ハーフエッチング加工によるエッチングの進行度が大きくなる。しかるに、第2の矩形部分は、長手方向が外部接続用端子となる端子部の幅の制約を受けて、大部分の領域で第1の矩形部分と交差する形態となり易い。このため、第1の矩形部分と垂直に交差する第2の矩形部分により、切断領域の境界線上に位置する金属を深くエッチングすることができる。
また、第2の矩形部分と交差しない、第1の矩形部分の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を増大させずに済む。
そして、第2の矩形部分と交差しない、第1の矩形部分の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を増大させずに済むことから、当該領域において、エッチングの深さを浅くすることができる。その結果、ダムバーの強度を保持でき、ダムバーと交差する領域における凹部の貫通を防止することが可能となる。
また、ダムバーと交差する領域における第1の矩形部分の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を狭めることで、当該領域の形状安定性が向上する。このため、第2の矩形部分におけるダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を増大させて、第2の矩形部分の側方の、ダムバーの長手方向に対して平行な方向に残存する部位の肉厚を薄くしても、第2の矩形部分におけるダムバーの長手方向に対して平行な辺同士の間隔を増大させないことによって、リードにおける第2の矩形部分が形成された部位の形状安定性を保つことができる。
このため、本発明のリードフレームのようにすれば、ダムバーの強度低下によるリードフレームの変形やリードフレームの貫通を防止しながら、半田接続部分を目視可能とする部位の幅や高さを極力増大させることが可能となる。
例えば、第1の矩形部分における、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を、外部接続用端子となる端子部の幅の50%以下(例えば、40%程度)にするとともに、第2の矩形部分における、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を、外部接続用端子となる端子部の幅の75%程度にすることが可能となる。
【0043】
また、本発明のリードフレームのように、第1の領域が、ハーフエッチング加工された薄肉部をなす構成にすれば、リードフレームの半導体素子搭載側を樹脂封止する際に、樹脂を第1の領域の外部接続側の空間領域に入り込ませることができる。その結果、多列型半導体パッケージ製造段階においては、樹脂が第1の領域を上下左右の方向から包囲して固化し、また、個々の半導体パッケージの製造段階においても、樹脂がリードにおける外部接続用端子となる端子部11-2を除いた領域11-1を上下左右の方向から包囲して固化した状態を保つため、個々の半導体パッケージ製品における外部接続用端子を有するリードの樹脂との密着性が格段と向上し、樹脂からの離脱を防止できる。
【0044】
また、本発明のリードフレームにおいて、ダムバーにおける外部接続用端子となる端子部と交差しない位置での全領域が、ハーフエッチング加工された薄肉部をなし、また、第2の領域の内側に、凹部が形成された構成にすれば、個々の半導体パッケージに切断する際の切断対象となる金属の量(ダムバーの体積)を格段に減らすことができ、ブレードの寿命を格段に延ばすことができる。
【0045】
また、本発明のリードフレームにおいて、好ましくは、外部接続用端子となる端子部を有する全てのリードにおける、第2の領域の内側に形成された凹部の開口が、第1の矩形部分と、切断領域の境界線を跨いで第1の矩形部分と垂直に交差する第2の矩形部分と、により形成されるT字形状又は略十文字形状の輪郭を有している。
このようにすれば、リードフレームに備わる全てのリードに対して、ダムバーの強度を保持でき、ダムバーと交差する領域における凹部の貫通を防止すると同時に半田接続部分を目視可能とする部位の幅や高さを極力増大させることが可能となる本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0046】
また、本発明のリードフレームにおいて、好ましくは、第2の領域の内側に形成された凹部の開口は、第2の矩形部分が、第1の矩形部分における、端部よりもダムバーに近い所定位置からダムバーとの境界近傍の所定位置にかけて、第1の矩形部分と垂直に交差することにより形成される略十文字形状の輪郭を有している。
このようにすれば、半導体パッケージにおいて外部接続用端子に形成される凹部が、切断領域近傍部では半田接続状態を目視確認できる最大限の幅と高さ(深さ)を有し、切断領域から離れた部位に断続的又は連続的に、深さが浅くなるか又は幅が狭くなる領域を有するようになる。
その結果、凹部に半田付けしたときに、半田が凹部の内部の空間領域に一様には濡れ広がらず、凹部において深さが相対的に深く、幅が相対的に広い切断領域近傍に濡れ広がり易くなる一方、深さが相対的に浅く、幅が相対的に狭い領域に濡れ広がり難くなる。
その結果、本発明のリードフレームを用いて製造した半導体パッケージを、半田を介して外部機器へ接続した際に、凹部の内部の空間領域の半田が切断領域近傍に偏って濡れ広がり、外部接続用端子の切断面での目視検査しうる半田のはみ出し量を増加させることができ、しかも、切断領域とは反対側の領域での半田ブリードが生じ難くなり、外部接続用端子のショート不良を防止することができる。
【0047】
なお、本発明のリードフレームにおいては、第2の領域の内側に形成された凹部の開口は、第2の矩形部分が、第1の矩形部分における、端部の位置からダムバーとの境界近傍の所定位置にかけて、第1の矩形部分と垂直に交差することにより形成されるT字形状の輪郭を有していてもよい。
【0048】
また、本発明のリードフレームにおいて、好ましくは、個々の凹部における第1の矩形部分のダムバーを跨いで第2の矩形部分との境界近傍の所定位置に及ぶ領域の板厚が、当該凹部における第2の矩形部分の板厚に比べて厚い。
このようにすれば、ダムバーの強度を保持でき、ダムバーと交差する領域における凹部の貫通を防止すると同時に半田接続部分を目視可能とする部位の幅や高さを極力増大させることが可能となる本発明の効果を十分に発揮することができる。
【0049】
また、本発明のリードフレームにおいて、好ましくは、個々の凹部における、第2の矩形部分の、ダムバーの長手方向に対して平行な辺同士の間隔が、第1の矩形部分の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔に比べて短くなっている。
このようにすれば、第2の矩形部分と交差しない、ダムバーと交差する領域における第1の矩形部分の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を狭めるとともに、第2の矩形部分におけるダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を増大させて、外部接続用端子となる端子部における第2の矩形部分の側方の、ダムバーの長手方向に対して平行な方向に残存する部位の肉厚を薄くした場合において、リードにおける第2の矩形部分が形成された部位の形状安定性を保つことができる。
また、外部接続用端子となる端子部における半田接続領域を端子接続部から極力遠ざけることができ、切断領域とは反対側の領域での半田ブリードによる半田の侵入を抑えて、外部接続用端子のショート不良をより確実に防止できる。
例えば、第1の矩形部分における、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を、外部接続用端子となる端子部の幅の50%以下(例えば、40%程度)にするとともに、第2の矩形部分における、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を、外部接続用端子となる端子部の幅の75%程度にするような場合に、上記構成は有効である。
【0050】
そして、このような本発明のリードフレームは、金属板の一方の面に、全面を覆う第1のエッチング用レジストマスクを形成するとともに、金属板の他方の面における、外部接続用端子となる端子部と、ダムバーにおける外部接続用端子となる端子部と交差する位置での全領域と、を合わせてなる第2の領域に対応する部位の内側に、ダムバーを跨いで外部接続用端子となる端子部の個々の半導体パッケージに切断するための切断領域の境界線よりもダムバーから離れた所定位置に端部を有する第1の矩形部分と、切断領域の境界線を跨いで第1の矩形部分と垂直に交差する第2の矩形部分と、により形成されるT字形状又は略十文字形状の開口を有し、それ以外の部位を覆う第1のエッチング用レジストマスクを形成する工程と、金属板の他方の面側からハーフエッチングを施し、金属板における第1のエッチング用レジストマスクの開口から露出する部位に、T字形状又は略十文字形状の開口を有する凹部を形成する工程と、金属板に形成した第1のエッチング用レジストマスクを除去する工程と、金属板の一方の面におけるリードフレームを構成する部位を覆い、それ以外の部位を露出させた第2のエッチング用レジストマスクを形成するとともに、金属板の他方の面における、ダムバーにおける外部接続用端子となる端子部と交差しない位置での全領域と、リードにおける外部接続用端子となる端子部を除いた領域と、を有する第1の領域に対応する部位に開口を有し、それ以外の部位を覆う第2のエッチング用レジストマスクを形成する工程と、金属板の両方の面側からエッチングを施し、金属板における第2のエッチング用レジストマスクの開口から露出する部位を薄肉化するとともに、個々のリードフレームの領域がダムバーに連結される多列型リードフレームを、個々の半導体パッケージに切断されたときの外部接続用端子となる端子部の断面形状が門形状となるように形成する工程と、金属板に形成した第2のエッチング用レジストマスクを除去する工程と、を有することによって製造できる。
【0051】
従って、本発明によれば、半導体パッケージ製品の歩留まりや、生産効率が向上し、小型化にも対応でき、半田接続部分における半田接続状態の良・不良を目視検査可能であり、しかも、外部接続用端子を有するリードの樹脂との密着性を向上させ、個々の半導体パッケージに切断するブレードの寿命を延ばし、且つ、ダムバーの強度低下によるリードフレームの変形やリードフレームの貫通を防止すると同時に、半田接続部分を目視可能とする部位の幅や高さを極力増大させることが可能なリードフレームが得られる。
【0052】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行うこととする。
【0053】
第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態に係るリードフレームの図である。
なお、便宜上、図9及び図11の構成と異なる部分について説明することとする。
【0054】
第1実施形態のリードフレーム1は、図1(a)に示すように、外部接続用端子となる端子部11-2と、ダムバー13における外部接続用端子となる端子部11-2と交差する位置での全領域と、を合わせてなる第2の領域の内側に形成された凹部11-2bを有している。
凹部11-2bの開口は、図2(a)~図2(c)に示すように、ダムバー13を跨いで外部接続用端子となる端子部11-2の切断領域の境界線よりもダムバー13から離れた所定位置に端部を有する第1の矩形部分11-2b1と、第1の矩形部分11-2b1における、端部よりもダムバー13に近い所定位置からダムバー13との境界近傍の所定位置にかけて、切断領域の境界線を跨いで第1の矩形部分11-2b1と垂直に交差する第2の矩形部分11-2b2とにより形成される略十文字形状の輪郭を有している。
また、第1実施形態のリードフレーム1は、図2(b)に示すように、個々の凹部11-2bにおける第1の矩形部分11-2b1のダムバー13を跨いで第2の矩形部分11-2b2との境界近傍の所定位置に及ぶ領域の板厚が、当該凹部11-2bにおける第2の矩形部分11-2b2の板厚に比べて厚くなっている。
また、図2(a)に示すように、個々の凹部11-2bにおける、第2の矩形部分11-2b2の、ダムバー13の長手方向に対して垂直な方向の辺の長さが、第1の矩形部分11-2b1の、ダムバー13の長手方向に対して平行な方向の辺の長さに比べて短くなっている。
その他の構成は、図9及び図11の構成と略同じである。
【0055】
なお、凹部11-2bの開口は、第2の矩形部分11-2b2が、第1の矩形部分11-2b1における、端部の位置からダムバーとの境界近傍の所定位置にかけて、図2(e)、図2(f)に示すように、第1の矩形部分11-2b1と垂直に交差することにより形成されるT字形状の輪郭を有する構成であってもよい。
また、図1(a)に示したリードフレームにおいては、全ての凹部11-2bの開口が、第1の矩形部分11-2b1と、第2の矩形部分11-2b2と、により形成される略十文字形状の輪郭を有する構成としたが、少なくとも一つの凹部11-2bの開口が、略十文字形状の輪郭を有する構成であってもよい。
また、凹部の開口を形成する第1の矩形部分11-2b1、第2の矩形部分11-2b2の角部は、丸みを帯びていても良い。
【0056】
次に、図1のように構成される本実施形態のリードフレームの製造工程の一例を、図4図5を用いて説明する。
なお、図4及び図5では、説明の便宜上、主に外部機器と接続する側について示すこととし、半導体素子を搭載する側については一部を省略して示すこととする。
まず、銅または銅合金の金属板10をリードフレーム材料として準備する(図4(a)、図5(a)参照)。
次に、金属板10にハーフエッチング加工を施すことで、凹部11-2bを形成する。詳しくは、金属板10の両面にドライフィルムレジスト等の第1のレジスト層R1を形成する(図4(b)、図5(b)参照)。次いで、金属板10の一方の側の第1のレジスト層R1を露光するとともに、金属板10の他方の面における、外部接続用端子となる端子部と、ダムバーにおける外部接続用端子となる端子部と交差する位置での全領域と、を合わせてなる第2の領域に対応する部位の内側に、外部接続用端子となる端子部の個々の半導体パッケージに切断するための切断領域の境界線よりもダムバーから離れた所定位置に端部を有する第1の矩形部分と、切断領域の境界線を跨いで第1の矩形部分と垂直に交差する第2の矩形部分と、により形成される略十文字形状の開口に対応するパターンが描画されたガラスマスクを用いて、金属板10の他方の側の第1のレジスト層R1を露光し、現像を行い、第2の領域に対応する部位の内側に、略十文字形状の開口を有し、それ以外の部位を覆う第1のエッチング用レジストマスク31を形成する(図4(c)、図5(c)参照)。次いで、エッチング液を用いてハーフエッチング加工を施し、金属板10の他方の側に凹部11-2bを形成する(図4(d)、図5(d)参照)。このとき、ハーフエッチング加工を施すことにより形成された凹部11-2bの深さは、図2(b)に示した第2の矩形部分11-2b2の底面が、凹部11-2bにおける第1の矩形部分11-2b1のダムバー13を跨いで第2の矩形部分11-2b2との境界近傍の所定位置に及ぶ領域の面に比べて深くなる。次いで、第1のエッチング用レジストマスク31を除去する(図4(e)、図5(e)参照)。
【0057】
次に、リードフレームにおけるリードの内部接続用端子となる端子部の面、半導体素子を搭載するパッド部の面、外部接続用端子となる端子部の面及び外部接続用端子となる端子部の内側に形成した凹部11-2bの面に、めっき加工を施す。詳しくは、金属板10の両面にドライフィルムレジスト等の第2のレジスト層R2を形成する(図4(f)、図5(f)参照)。次いで、リードの外部接続用端子となる端子部、内部接続用端子となる端子部、パッド部に対応するパターンが描画されたガラスマスクを用いて、金属板10の両側の第2のレジスト層R2を露光し、現像を行い、リードの外部接続用端子となる端子部、内部接続用端子となる端子部、パッド部に対応する部位を開口し、それ以外の部位を覆っためっき用レジストマスク32を形成する(図4(g)、図5(g)参照)。次いで、めっき用レジストマスク32から露出した部位に、例えば、Ni、Pd、Auの順でめっきを施す(図4(h)、図5(h)参照)。これにより、リードの内部接続用端子となる端子部の面、パッド部の面にNi/Pd/Auめっき層(不図示)が形成されるとともに、外部接続用端子となる端子の面及び凹部の面にNi/Pd/Auめっき層12が形成される。
なお、めっき層の表面は、粗化処理を施すのが良い。めっき層の表面を粗化処理する場合、例えば、めっき層の形成をNiめっきで終えて、Niめっき層を粗化めっきで形成しても良い。また、例えば、平滑なNiめっき層を形成した後に、Niめっき層の表面をエッチングにて粗化処理しても良い。また、例えば、めっき層の形成をCuめっきで終えて、Cuめっき層の表面を陽極酸化処理又はエッチングにて粗化処理してもよい。さらに、例えば、粗化めっき層形成後に、順に、Pd/Auめっき層を積層してもよい。
次いで、めっき用レジストマスク32を除去する(図4(i)、図5(i)参照)。
【0058】
次に、金属板10にハーフエッチング加工を施すことで、ダムバーにおける外部接続用端子となる端子部と交差しない位置での全領域と、リードにおける外部接続用端子となる端子部を除いた領域と、を有する第1の領域に薄肉部を形成する。詳しくは、金属板の両面にドライフィルムレジスト等の第3のレジスト層R3を形成する(図4(j)、図5(j)参照)。次いで、リードフレームを構成するパターンが描かれたガラスマスクを用いて金属板10の一方の側の第3のレジスト層R3を露光し、現像を行い、金属板10の一方の側の面に、ダムバー、外部接続用端子となる端子部を有するリード、内部接続用端子となる端子部を有するリード、パッド部、その他のリードフレームを構成するリードに対応する部位を覆い、それ以外の部位を露出させた第2のエッチング用レジストマスク33を形成するとともに、金属板10の他方の面における、ダムバーにおける外部接続用端子となる端子部と交差しない位置での全領域と、リードにおける外部接続用端子となる端子部を除いた領域と、を有する第1の領域に対応するパターンが描画されたガラスマスクを用いて、金属板10の他方の側の第3のレジスト層R3を露光し、現像を行い、金属板10の他方の側の面に、第1の領域に対応する部位に開口を有し、それ以外の部位を覆う第2のエッチング用レジストマスク33を形成する(図4(k)、図5(k)参照)。次いで、エッチング液を用いて金属板10の両方の面側からエッチングを施し、金属板10における第2のエッチング用レジストマスク33の開口から露出する部位を薄肉化するとともに、個々のリードフレームの領域がダムバーに連結される多列型リードフレームを、個々の半導体パッケージに切断されたときの外部接続用端子となる端子部11の断面形状が門形状となるように形成する(図4(l)、図5(l)参照)。
次いで、第2のエッチング用レジストマスク33を除去する(図4(m)、図5(m)参照)。
これにより、本発明の実施形態のリードフレーム1が出来上がる。
【0059】
なお、めっき工程(図4(f)~図4(i)、図5(f)~図5(i)参照)は、外部接続用端子となる端子部の面及び外部接続用端子となる端子部の内側に形成した凹部の面やパッド部の面に対し、省略することも可能である。
また、エッチング加工を施すことによるリードフレーム1の形成時には、リードの中間部分やその他の必要箇所にハーフエッチング加工を施しても良い。
【0060】
次に、本実施形態のリードフレームを用いた半導体装置の製造手順を、図6を用いて説明する。なお、説明の便宜上、後述する、半導体素子搭載側の内部接続用端子部、半田ボール、半導体素子は、図示を省略する。
まず、ダイボンドを介してパッド部に半導体素子を搭載するとともに、半導体素子の電極と所定の内部接続用端子部とをワイヤーボンディング接続する(図示省略)。
次に、外部機器との接続側にシート状のマスキングテープm1を貼り付け(図6(a)参照)、図示しないモールド金型をセットし、半導体素子搭載側を樹脂21で封止する(図6(b)参照)、このとき、凹部11-2bは、周囲を外部接続用端子となる端子部11-2と、ダムバー13における外部接続用端子となる端子部11-2と交差する位置での全領域と、を合わせてなる第2の領域の外縁部に囲まれており、外部機器との接続側の第2の領域の外縁部がシート状のマスキングテープm1に密着し、凹部11-2bの内部は密閉された状態となる。このため、封止樹脂形成時に、凹部11-2bには、樹脂21が浸入することがなく、凹部11-2bは、外部機器との接続側の外部接続用端子となる端子部11-2と同様、露出した状態に仕上がる。
次に、マスキングテープm1を除去し(図6(c)参照)、所定の半導体装置40の寸法に切断する(図6(d)参照)。これにより、本実施形態のリードフレームを用いた半導体装置40が完成する(図6(e)参照)。
【0061】
第1実施形態のリードフレームによれば、第2の領域の内側に、ダムバー13を跨り、且つ、個々の半導体パッケージに切断するための切断領域の境界線よりもダムバー13から離れた所定位置に及ぶ所定形状の開口を有する凹部11-2bが形成された構成にしたので、外部接続用端子となる端子部11-2の断面形状(例えば、図1(b)に示す端縁部11-2aの形状)が門形状となり、図7に示すように、半導体パッケージ40の外部接続用端子11-2を外部機器80の端子81に半田接続したときの半田90の接続部分を、外部接続用端子11-2における門形状の端縁部11-2aの側から目視確認でき、半導体パッケージの外部機器との半田接続状態の良・不良を目視検査できる。
【0062】
また、本実施形態のリードフレームによれば、第2の領域の内側に形成された第1の矩形部分11-2b1と、第2の矩形部分11-2b2と、により形成される略十文字形状の輪郭を有した構成にしたので、半田接続部分を目視可能とする部位(例えば、図1(b)に示す外部接続用端子となる端子部11-2の端縁部11-2a)の幅や高さを極力増大させることが可能となる。
また、第2の矩形部分11-2b2と交差しない、第1の矩形部分11-2b1の、ダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を増大させずに済み、当該領域において、エッチングの深さを浅くすることができる。その結果、ダムバー13の強度を保持でき、ダムバー13と交差する領域における凹部11-2bの貫通を防止することが可能となる。
【0063】
この点に関し、図3を用いて補足説明する。
図3は本発明者らが本発明を導出する前段階の試行段階のリードフレームと、本発明のリードフレームとにおける、外部接続用端子となる端子部に形成された凹部の長さ方向及び幅方向の夫々の方向に沿う各位置でのエッチング深さを示している。
【0064】
上述したように、一定幅の矩形形状の開口を有する凹部を形成対象としてハーフエッチングを行う場合、狭い幅の矩形形状の開口を有する凹部を形成対象としたハーフエッチング加工ではエッチングの深さが浅く形成され、広い幅の矩形形状の開口を有する凹部を形成対象としたハーフエッチング加工ではエッチングの深さが深く形成され易い。
また、ハーフエッチング加工を施すことにより凹部を形成する場合、凹部の端部近傍はエッチングの深さが浅くなり易い。
【0065】
そして、図11に示したリードフレームのように、図3(a-1)に示す矩形形状の開口を有する凹部11-2b’’の、ダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を、切断領域の境界線上の位置で半田接続部分の目視検査をし易くできるエッチング深さが得られるように広げると、図3(a-2)に示すように、切断領域の境界線上の位置P1、P2間において、ハーフエッチング加工によるエッチングの進行度が長さ方向の中央領域で大きくなり、半田接続部分の目視検査をし易くすることの可能な深さを超える。その結果、ダムバーの強度を維持できなくなってダムバーに接続するリードフレーム(のリード)が変形したり、第2の領域を貫通したりする虞が大きくなる。
【0066】
これに対し、本実施形態のリードフレームのように、凹部11-2bの開口を、第1の矩形部分11-2b1と、第2の矩形部分11-2b2と、により形成される略十文字形状の輪郭を有した構成にした場合、第1の矩形部分11-2b1と第2の矩形部分11-2b2とが交差する領域において、ハーフエッチング加工によるエッチングの進行度が大きくなる。このため、第1の矩形部分11-2b1と垂直に交差する第2の矩形部分11-2b2により、切断領域の境界線上に位置する金属を深くエッチングすることができる。そして、図3(b-2)に示すように、切断領域の境界線上の位置P1、P2でのエッチングの深さを、リードフレームの変形や貫通の虞なく、半田接続部分の目視検査をし易くすることの可能な深さにすることができる。また、第2の矩形部分11-2b2により、切断領域の境界線上に位置する金属をエッチングするダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔が広がる。
一方、第1の矩形部分11-2b1は、第2の矩形部分11-2b2により、切断領域の境界線上に位置する金属を深くエッチングすることができることから、ダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を広くする必要がない。このため、第2の矩形部分11-2b2と交差しない、第1の矩形部分11-2b1の、ダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を増大させずに済み、図3(b-1)に示すように、図3(a-1)に示したリードフレームにおける凹部11-2b’’のダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔よりも狭い、ダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔にすることができる。第2の矩形部分11-2b2と交差しない第1の矩形部分11-2b1の、ダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を狭くすれば、その分、エッチングの進行が抑えられて、エッチングの深さが浅くなる。その結果、図3(b-2)に示すように、切断領域の境界線上の位置P1、P2間におけるエッチングの深さを、リードフレームの変形や貫通の虞なく、半田接続部分の目視検査をし易くすることの可能な深さよりも浅くすることができる。
また、ダムバー13と交差する領域における第1の矩形部分11-2b1の、ダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を狭めることで、当該領域の形状安定性が向上する。このため、第2の矩形部分11-2b2におけるダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を増大させて、第2の矩形部分11-2b2の側方の、ダムバー13の長手方向に対して平行な方向に残存する部位の肉厚を薄くしても、第2の矩形部分11-2b2におけるダムバー13の長手方向に対して平行な辺同士の間隔を増大させないことによって、リードにおける第2の矩形部分11-2b2が形成された部位の形状安定性を保つことができる。
したがって、本実施形態のリードフレームによれば、半田接続部分を目視可能とする部位(例えば、図1(b)に示す外部接続用端子となる端子部11-2の端縁部11-2a)の幅や高さを極力増大させ、同時に、ダムバー13の強度を保持でき、第2の矩形部分11-2b2と交差しない、ダムバー13と交差する領域における凹部11-2bの貫通を防止し、さらにはリードフレームの変形を防止することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態のリードフレームによれば、第1の領域が、ハーフエッチング加工された薄肉部をなす構成にしたので、リードフレームの半導体素子搭載側を樹脂封止する際に、樹脂を第1の領域の外部接続側の空間領域に入り込ませることができる。その結果、多列型半導体パッケージ製造段階においては、樹脂が第1の領域を上下左右の方向から包囲して固化し、また、個々の半導体パッケージの製造段階においても、樹脂がリードにおける外部接続用端子となる端子部11-2を除いた領域11-1を上下左右の方向から包囲して固化した状態を保つため、個々の半導体パッケージ製品における外部接続用端子を有するリードの樹脂との密着性が格段と向上し、樹脂からの離脱を防止できる。
【0068】
また、本実施形態のリードフレームによれば、ダムバー13における外部接続用端子となる端子部11-2と交差しない位置での全領域が、ハーフエッチング加工された薄肉部をなし、また、第2の領域の内側に、凹部11-2bが形成された構成にしたので、個々の半導体パッケージに切断する際の切断対象となる金属の量(ダムバーの体積)を格段に減らすことができ、ブレードの寿命を格段に延ばすことができる。
【0069】
また、本実施形態のリードフレームによれば、外部接続用端子となる端子部11-2を有する全てのリードにおける、第2の領域の内側に形成された凹部11-2bの開口が、第1の矩形部分11-2b1と、切断領域の境界線を跨いで第1の矩形部分11-2b1と垂直に交差する第2の矩形部分11-2b2と、により形成される略十文字形状の輪郭を有した構成としたので、リードフレームに備わる全てのリードに対して、ダムバー13の強度を保持でき、ダムバー13と交差する領域における凹部11-2bの貫通を防止すると同時に半田接続部分を目視可能とする部位(例えば、図1(b)に示す外部接続用端子となる端子部11-2の端縁部11-2a)の幅や高さを極力増大させることが可能となる本発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0070】
また、本実施形態のリードフレームによれば、第2の領域の内側に形成された凹部の開口は、第2の矩形部分11-2b2が、第1の矩形部分11-2b1における、端部よりもダムバー13に近い所定位置からダムバー13との境界近傍の所定位置にかけて、第1の矩形部分11-2b1と垂直に交差することにより形成される略十文字形状の輪郭を有した構成としたので、半導体パッケージにおいて外部接続用端子に形成される凹部が、切断領域近傍部では半田接続状態を目視確認できる最大限の幅と高さ(深さ)を有し、切断領域から離れた部位に断続的又は連続的に、深さが浅くなるか又は幅が狭くなる領域を有するようになる。
その結果、凹部に半田付けしたときに、半田が凹部の内部の空間領域に一様には濡れ広がらず、凹部において深さが相対的に深く、幅が相対的に広い切断領域近傍に濡れ広がり易くなる一方、深さが相対的に浅く、幅が相対的に狭い領域に濡れ広がり難くなる。
その結果、本実施形態のリードフレームを用いて製造した半導体パッケージを、半田を介して外部機器へ接続した際に、凹部の内部の空間領域の半田が切断領域近傍に偏って濡れ広がり、外部接続用端子の切断面での目視検査しうる半田のはみ出し量を増加させることができ、しかも、切断領域とは反対側の領域での半田ブリードが生じ難くなり、外部接続用端子のショート不良を防止することができる。
【0071】
また、本実施形態のリードフレームによれば、個々の凹部における第1の矩形部分11-2b1のダムバー13を跨いで第2の矩形部分11-2b2との境界近傍の所定位置に及ぶ領域の板厚が、当該凹部における第2の矩形部分11-2b2の板厚に比べて厚い構成としたので、ダムバー13の強度を保持でき、ダムバー13と交差する領域における凹部11-2bの貫通を防止すると同時に半田接続部分を目視可能とする部位(例えば、図1(b)に示す外部接続用端子となる端子部11-2の端縁部11-2a)の幅や高さを極力増大させることが可能となる本発明の効果を十分に発揮することができる。
【0072】
また、本実施形態のリードフレームによれば、個々の凹部における、第2の矩形部分11-2b2の、ダムバー13の長手方向に対して平行な辺同士の間隔が、第1の矩形部分11-2b1の、ダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔に比べて短くなっている構成としたので、第2の矩形部分11-2b2と交差しない、ダムバー13と交差する領域における第1の矩形部分11-2b1のダムバー13の長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を狭めるとともに、第2の矩形部分11-b2におけるダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を増大させて、外部接続用端子となる端子部11-2における第2の矩形部分11-2b2の側方の、ダムバー13の長手方向に対して平行な方向に残存する部位の肉厚を薄くした場合において、リードにおける第2の矩形部分11-2b2が形成された部位の形状安定性を保つことができる。
また、外部接続用端子となる端子部11-2における半田接続領域を端子接続部から極力遠ざけることができ、切断領域とは反対側の領域での半田ブリードによる半田の侵入を抑えて、外部接続用端子のショート不良をより確実に防止できる。
【0073】
従って、本実施形態によれば、半導体パッケージ製品の歩留まりや、生産効率が向上し、小型化にも対応でき、半田接続部分における半田接続状態の良・不良を目視検査可能であり、しかも、外部接続用端子を有するリードの樹脂との密着性を向上させ、個々の半導体パッケージに切断するブレードの寿命を延ばし、且つ、ダムバーの強度低下によるリードフレームの変形やリードフレームの貫通を防止すると同時に、半田接続部分を目視可能とする部位の幅や高さを極力増大させることが可能なリードフレームが得られる。
【実施例
【0074】
次に、本発明のリードフレームとその製造方法の実施例を説明する。
実施例1
まず、金属板10として、厚さ0.2mmの銅系材料を準備し(図4(a)、図5(a)参照)、両面に第1のレジスト層R1として、ドライフィルムレジストをラミネートした(図4(b)、図5(b)参照)。
次に、所定のパターンが描画されたガラスマスクを用いて両面に露光を行い、現像して、一方の面を覆い、他方の面における、第2の領域に対応する部位の内側に、外部接続用端子となる端子部の幅の50%の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を有する第1の矩形部分11-2b1と、切断領域の境界線を跨いで第1の矩形部分と垂直に交差する、外部接続用端子となる端子部の幅の75%の、ダムバーの長手方向に対して垂直な辺同士の間隔を有する第2の矩形部分11-2b2と、を重ね合わせることにより形成される略十文字形状の開口を有し、それ以外の部位を覆う第1のエッチング用レジストマスク31を形成した(図4(c)、図5(c)参照)。なお、実施例1では、外部接続用端子となる端子部は、幅0.40mm、長さ1.15mm、第1の矩形部分11-2b1は、幅0.16mm、長さ0.62mm、第2の矩形部分11-2b2は、幅0.15mm、長さ0.30mmに設計した。次に、エッチング液を用いて金属板10の他方の面側から深さ0.150mmのハーフエッチング加工を施し、金属板10の他方の側に凹部11-2bを形成した(図4(d)、図5(d)参照)。なお、エッチング液は、塩化第二鉄液を使用した。このとき、ハーフエッチング加工を施すことにより形成された凹部11-2bの深さは、図2(b)に示した第2の矩形部分11-2b2の底面が、凹部11-2bにおける第1の矩形部分11-2b1のダムバー13を跨いで第2の矩形部分11-2b2との境界近傍の所定位置に及ぶ領域の面に比べて深くなった。
次に、第1のエッチング用レジストマスク31を剥離した(図4(e)、図5(e)参照)。
【0075】
次に、金属板10の両面に第2のレジスト層R2として、ドライフィルムレジストをラミネートした(図4(f)、図5(f)参照)。
次に、図1(a)のリードフレームに対応する所定のパターンが描画されたガラスマスクを用いて両面に露光を行い、現像して、リードの外部接続用端子となる端子部、内部接続用端子となる端子部、パッド部に対応する部位を開口し、それ以外の部位を覆っためっき用レジストマスク32を形成した(図4(g)、図5(g)参照)。次に、めっき用レジストマスク32から露出した部位に、Niを1.0μm、Pdを0.03μm、Auを0.01μmの設定厚さで順次めっきを施し、めっき層12を形成した(図4(h)、図5(h)参照)。
次に、めっき用レジストマスク32を剥離した(図4(i)、図5(i)参照)。
【0076】
次に、金属板10の両面に第3のレジスト層R3として、ドライフィルムレジストをラミネートした(図4(j)、図5(j)参照)。
次に、所定のパターンが描画されたガラスマスクを用いて両面に露光を行い、現像して、金属板10の一方の側の面に、ダムバー、外部接続用端子となる端子部を有するリード、内部接続用端子となる端子部を有するリード、パッド部、その他のリードフレームを構成するリードに対応する部位を覆い、それ以外の部位を露出させた第2のエッチング用レジストマスク33を形成するとともに、金属板10の他方の側の面に、第1の領域に対応する部位に開口を有し、それ以外の部位を覆う第2のエッチング用レジストマスク33を形成した(図4(k)、図5(k)参照)。
次に、エッチング液を用いて金属板10の両方の面側からエッチングを施し、金属板10における第2のエッチング用レジストマスク33の開口から露出する部位を薄肉化するとともに、個々のリードフレームの領域がダムバーに連結される多列型リードフレームを、個々の半導体パッケージに切断されたときの外部接続用端子となる端子部11の断面形状が門形状となるように形成した(図4(l)、図5(l)参照)。
次に、第2のエッチング用レジストマスク33を剥離した(図4(m)、図5(m)参照)。なお、エッチング液は、塩化第二鉄液を使用した。
これにより、実施例1のリードフレームを得た。
【0077】
次に、ダイボンドし(図示省略)、外部機器との接続側に、シート状のマスキングテープm1として耐熱性の接着剤付きポリイミドフィルムを貼付け(図6(a)参照)、図示しないモールド金型をセットし、半導体素子搭載側を樹脂21で封止した(図6(b)参照)。
【0078】
このとき、凹部11-2bは、第2の領域の外縁部に囲まれており、外部機器との接続側の第2の領域の外縁部がシート状のマスキングテープm1に密着し、凹部11-2bの内部は密閉された状態となるため、封止樹脂形成時には、凹部11-2bは、外部機器との接続側の外部接続用端子となる端子部11-2と同様、樹脂21が浸入することなく露出した状態に仕上がった。
次に、マスキングテープm1を除去し(図6(c)参照)、所定の半導体パッケージ40の寸法に切断した(図6(d)参照)。これにより、本実施例のリードフレーム1を用いた半導体パッケージ40を得た(図6(e)参照)。
次に、本実施例のリードフレーム1を用いた半導体パッケージ40の外部接続用端子11をプリント基板80の端子81に半田接続して、プリント基板に装着した。このとき、半田90は外部接続用端子11-2の裏面から門形状に端縁部11-2aにかけて形成されている空間部に濡れ広がり、半導体パッケージ40の側面に露出した外部接続用端子11-2の半田接続部分を目視確認でき、半導体パッケージ40の外部機器80との半田接続状態の良・不良を目視検査できる状態となった。
【0079】
比較例1
まず、金属板として、厚さ0.2mmの銅系材料を準備し、両面に第1のレジスト層として、ドライフィルムレジストをラミネートした。
次に、図9(a)に対応する所定のパターンが描画されたガラスマスクを用いて両面に露光を行い、現像して、一方の面を覆い、他方の面における、第2の領域に対応する部位の内側に、外部接続用端子となる端子部の幅の50%の一定幅を有する矩形形状の開口を有し、それ以外の部位を覆う第1のエッチング用レジストマスクを形成した。なお、比較例1では、外部接続用端子となる端子部は、幅0.40mm、長さ1.15mm、矩形形状の開口は、幅0.24mm、長さ0.62mmに設計した。次に、エッチング液を用いて金属板の他方の面側から深さ0.150mmのハーフエッチング加工を施し、金属板の他方の側に凹部11-2b’を形成した。なお、エッチング液は、塩化第二鉄液を使用した。このとき、ハーフエッチング加工を施すことにより形成された凹部11-2b’の深さは、図10(b)に示すように、端部近傍に位置する、切断領域の境界線上の位置において浅くなった。
次に、第1のエッチング用レジストマスクを剥離した。以降、実施例1と略同様の内容及び手順で、比較例1のリードフレームを得た。
【0080】
比較例2
まず、金属板として、厚さ0.2mmの銅系材料を準備し、両面に第1のレジスト層として、ドライフィルムレジストをラミネートした。
次に、図11(a)に対応する所定のパターンが描画されたガラスマスクを用いて両面に露光を行い、現像して、一方の面を覆い、他方の面における、第2の領域に対応する部位の内側に、外部接続用端子となる端子部の幅の60%の一定幅を有する矩形形状の開口を有し、それ以外の部位を覆う第1のエッチング用レジストマスクを形成した。なお、比較例2では、外部接続用端子となる端子部は、幅0.40mm、長さ1.15mm、矩形形状の開口は、幅0.30mm、長さ0.62mmに設計した。次に、エッチング液を用いて金属板の他方の面側から深さ0.150mmのハーフエッチング加工を施し、金属板の他方の側に凹部11-2b’’を形成した。なお、エッチング液は、塩化第二鉄液を使用した。このとき、ハーフエッチング加工を施すことにより形成された凹部11-2b’’の深さは、図12(b)に示すように、凹部11-2b’’におけるダムバー13と交差する領域部分のエッチングが深くなり過ぎ、当該部位における金属材料の厚さが薄くなり過ぎてしまった。
次に、第1のエッチング用レジストマスクを剥離した。以降、実施例1と略同様の内容及び手順で、比較例2のリードフレームを得た。
【0081】
凹部の深さの測定
実施例1及び比較例1、2のリードフレームの夫々における、設計値0.15mmでのハーフエッチングにより、夫々のリードフレームに備わる、複数のリードの外部接続用端子となる端子部11に形成された凹部11-2b、11-2b’、11-2b’’の深さを、切断領域の境界線上の位置と、ダムバーを跨いで切断領域の境界線近傍に及ぶ領域とにおいて測定した。
測定結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
表1に示すように、実施例1のリードフレームは、凹部11-2bの深さが、第2の矩形部分11-2b2における切断領域の境界線上で0.15mm、第1の矩形部分11-2b1におけるダムバー13を跨いで第2の矩形部分11-2b2との境界近傍の所定位置に及ぶ領域で0.12mm~0.14mmとなり、リードフレームにおける半田接続部分を目視可能とする部位(例えば、図1(b)に示す外部接続用端子となる端子部11-2の端縁部11-2a)の幅や高さが極力増大したことが認められるとともに、ダムバーの強度低下によるリードフレームの変形やリードフレームの貫通の虞がないことが認められる結果となった。
【0084】
これに対し、比較例1のリードフレームは、凹部11-2b’の深さが、切断領域の境界線上で0.12mm、ダムバー13を跨いで切断領域の境界線近傍の所定位置に及ぶ領域で0.12mm~0.14mmとなり、ダムバーの強度低下によるリードフレームの変形やリードフレームの貫通の虞がないことは認められたものの、リードフレームにおける半田接続部分を目視可能とする部位(例えば、図9(b)に示す外部接続用端子となる端子部11-2の端縁部11-2a’)の幅や高さを増大させることができないことが認められる結果となった。
【0085】
また、比較例2のリードフレームは、凹部11-2b’’の深さが、切断領域の境界線上で0.15mmに留まる一方、ダムバー13を跨いで切断領域の境界線近傍の所定位置に及ぶ領域で0.15mmを大きく超え、ダムバー13の幅方向中央位置では0.18mmにも及び、リードフレームにおける半田接続部分を目視可能とする部位(例えば、図11(b)に示す外部接続用端子となる端子部11-2の端縁部11-2a’’)の高さを増大させ難いことが認められ、また、ダムバーの強度低下によるリードフレームの変形やリードフレームの貫通の虞が懸念される結果となった。
【0086】
リードフレームの変形、貫通の有無検査
実施例1、比較例1、2の夫々のリードフレームに関し、夫々縦10個、横40個配列された多列型リードフレームのシートを1000枚作製し、各シートに形成されたリードフレームの変形、貫通の有無を検査した。
リードフレームの変形の有無は、20倍の実体顕微鏡を用いて行った。
また、リードフレームの貫通の有無は、200倍の金属顕微鏡を用いて行った。
検査結果を表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】
表2に示すように、実施例1、比較例1のリードフレームにおいては、変形、貫通の認められたものは0個であった。
これに対し、比較例2のリードフレームにおいては、変形の認められたものが225個、貫通の認められたものが161個あり、製品としての歩留まりが著しく低下することが認められる結果となった。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0090】
例えば、上記の実施形態及び実施例では、パッド部やパッド部を支持するサポートリードを備えたタイプのリードフレームを示したが、パッド部やサポートリードを備えずに、ダムバーと外部接続用端子となる端子部を有するリードとを備え、リードの半導体素子搭載側で半導体素子とフリップチップ接続するタイプのリードフレームにおいても本発明の構成は適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 リードフレーム
10 金属板
11 外部接続用端子となる端子部を有するリード
11-1 リードにおける外部接続用端子となる端子部11-2を除いた領域
11-2、51 外部接続用端子となる端子部(または外部接続用端子)
11-2a、11-2a’、11-2a’’ 門形状の端縁部
11-2b、11-2b’、11-2b’’ 凹部
11-2b1 第1の矩形部分
11-2b2 第2の矩形部分
12 めっき層
13 ダムバー
14 パッド部
15 サポートリード
21 封止樹脂
31 第1のエッチング用レジストマスク
32 めっき用レジストマスク
33 第2のエッチング用レジストマスク
40 半導体パッケージ
51a 空間部
51b 溝
52 パッド部
53 ダムバー
60 半導体素子
61 ボンディングワイヤ
70 封止樹脂
80 外部機器
81 端子
90 半田
m1 マスキングテープ
R1 第1のレジスト層
R2 第2のレジスト層
R3 第3のレジスト層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12