(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】内視鏡処置用装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
A61B17/072
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018202830
(22)【出願日】2018-10-29
【審査請求日】2021-10-28
(32)【優先日】2017-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ダブリュー. ビアーズリー
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エム. ファラシオニ
【審査官】永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-083436(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0249909(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03821819(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/205162(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107787204(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0367256(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00ー17/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対して可動なステープルカートリッジアセンブリ及びアンビルアセンブリを含むリロードと、
細長いシャフト及び関節運動遠位端を有するアダプタアセンブリであって、取付け部材が前記遠位端に配置されかつ前記細長いシャフトに枢動可能に装着され、前記取付け部材は、前記リロードを前記アダプタアセンブリに装着するための接続特徴部を有する、アダプタアセンブリと、
前記アダプタアセンブリ内の駆動機構であって、前記駆動機構は、前記取付け部材を通って延在するバーを含み、前記バーの遠位端にビームを有し、前記バーは可撓性でかつ一対のバーガイドによって支持され、前記バーガイドの一方は前記バーの第1の側面に沿い、前記バーガイドの他方は前記バーの第2の側面に沿い、前記バーは一対の吹出しプレートによってさらに支持され、前記吹出しプレートの一方は前記バーの前記第1の側面に沿い、前記吹出しプレートの他方は前記バーの前記第2の側面に沿い、前記一対の吹出しプレートは前記一対のバーガイドの遠位にあり、前記バーは開口を有する支持ブロックによってさらに支持され、前記バー及び前記一対の吹出しプレートは前記支持ブロックの前記開口内に配置され、前記バー、前記一対のバーガイド、前記一対の吹出しプレート、及び前記支持ブロックは前記アダプタアセンブリの中心線に沿った位置から前記アダプタアセンブリの前記中心線
に沿っていない中心外位置まで枢動可能であり、前記一対のバーガイド
は、第1の方向に枢動するように構成され、前記取付け部材は、
前記第1の方向と反対
の第2の方向に枢動するように構成されている、駆動機構と、を備える、外科用ステープリング器具。
【請求項2】
前記支持ブロックは湾曲している、請求項1に記載の外科用ステープリング器具。
【請求項3】
前記取付け部材は湾曲スロットを有し、前記支持ブロックは前記湾曲スロット内に配置され、前記支持ブロックは前記湾曲スロット内で可動である、請求項1に記載の外科用ステープリング器具。
【請求項4】
前記細長いシャフト内に延在する関節運動リンクと、前記関節運動リンク及び前記取付け部材に枢動可能に接続された第2のリンクと、をさらに備える、請求項1に記載の外科用ステープリング器具。
【請求項5】
前記第2のリンクは湾曲している、請求項4に記載の外科用ステープリング器具。
【請求項6】
前記バーは、互いに積み重ねられた複数の層を有する、請求項1に記載の外科用ステープリング器具。
【請求項7】
前記ビームは上方フランジ及び下方フランジを有する、請求項6に記載の外科用ステープリング器具。
【請求項8】
前記バーは、ねじ山付き駆動部材の遠位端に装着されているプッシャに接続されている、請求項7に記載の外科用ステープリング器具。
【請求項9】
前記ねじ山付き駆動部材は内ねじ山を有する内管に螺合により係合する、請求項8に記載の外科用ステープリング器具。
【請求項10】
前記接続特徴部はキー溝を画定する、請求項1に記載の外科用ステープリング器具。
【請求項11】
前記リロードはタブを画定する、請求項10に記載の外科用ステープリング器具。
【請求項12】
請求項1に記載の外科用ステープル器具と、
電池、モータ、ならびにコンピュータ及びメモリ構成要素を有する手持ち型器具ハンドルと、
第1のエンドエフェクタを有する第1の外科用リニアステープリングリロードであって、前記アダプタアセンブリに取外し可能かつ交換可能に装着可能である第1の外科用リニアステープリングリロードと、
第2のエンドエフェクタを有し、前記アダプタアセンブリに取外し可能かつ交換可能に装着可能である第2の外科用リニアステープリングリロードと、を備え、
前記第1の外科用リニアステープリングリロード及び前記第2の外科用リニアステープリングリロードの各々はステープルカートリッジアセンブリ及びアンビルアセンブリを有
し、前記第2の外科用リニアステープリングリロードは、
前記第2の外科用リニアステープリングリロードの前記アンビルアセンブリの遠位端上の切開先端、または、
前記第2の外科用リニアステープリングリロードの前記アンビルアセンブリ及び前記ステープルカートリッジアセンブリの各々上のステープリングバットレス
を有する、外科用ステープリングシステム。
【請求項13】
前記アダプタアセンブリは前記第1の外科用リニアステープリングリロード及び前記第2の外科用リニアステープリングリロードに対応する、請求項12に記載の外科用ステープリングシステム。
【請求項14】
前記ハンドルは、滅菌可能であり、所定数の処置のために再使用される、請求項12に記載の外科用ステープリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月30日に出願された米国仮特許出願第62/578,673号の利益を主張し、その全内容を参照により本明細書に包含するものとする。
【0002】
本開示は、外科内視鏡処置を実施するための外科用装置、デバイス、及び/またはシステム、ならびにその使用方法に関する。より具体的には、本開示は、組織を挟持、切断、及び/またはステープル留めするための取外し可能な使い捨て装填ユニット及び/または単回使用装填ユニットと共に使用するように構成された外科用の手動、電気機械、ロボット、及び/または手持ち型の装置、デバイス、及び/またはシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの外科用デバイス製造業者が、外科用電気機械デバイスを動作させる及び/または操作するための独自の駆動システムを備えた製品ラインを開発してきた。多くの場合、外科用電気機械デバイスは、再使用可能なハンドルアセンブリと、使用に先立ちハンドルアセンブリに選択的に接続され、処分されるかまたは場合によっては再使用のために滅菌されるべく使用後にハンドルアセンブリから取外される使い捨て装填ユニット及び/または単回使用装填ユニットなどとを含む。
【0004】
回転、枢動、挟持、留め具射出などを行うべく、1つ以上のモータを含む再使用可能なハンドルアセンブリから使い捨て装填ユニットに動力を伝達するために様々な電気機械リンケージが利用される。動力伝達機構の複雑な構造及び動作に起因し、これらの機構の不注意な作動は、使い捨て装填ユニットの意図しない動作をまねき、それが外科用デバイスの損傷及び/または患者の負傷をまねく可能性がある。低侵襲手術を行うためのロボットシステムも知られている。例えば、国際出願公開第WO2000/051486号は、外科用遠隔制御器具を有するシステムを開示している。
【0005】
これらの外科用電気機械デバイスの多くは、製造、購入、及び/または運用するのが比較的高価である。製造、購入、及び/または運用するのが比較的安価で、なお必要な安全機能を伴いかなりの操作性を提供する外科用電気機械デバイスを開発することが、製造業者及びエンドユーザによって常に望まれている。したがって、使い捨てユニット及び安全ロックアウトアセンブリを作動させるための有効な電気機械伝達システムを含む外科用電気機械装置、デバイス、及び/またはシステムの必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様において、外科用ステープリング器具は、互いに対して可動なステープルカートリッジアセンブリ及びアンビルアセンブリを含むリロードを備える。アダプタアセンブリは細長いシャフトと関節運動遠位端とを有し、取付け部材が遠位端に配置されかつ細長いシャフトに枢動可能に装着され、取付け部材は、リロードをアダプタアセンブリに装着するための接続特徴部を有する。駆動機構がアダプタ内にあり、駆動機構は、取付け部材を通って延在するバーを含みかつバーの遠位端にビームを有し、バーは可撓性でかつ一対のバーガイドによって支持され、バーガイドの一方はバーの第1の側部に沿い、バーガイドの他方はバーの第2の側部に沿い、バーは一対の吹出しプレートによってさらに支持され、吹出しプレートの一方はバーの第1の側部に沿い、吹出しプレートの他方はバーの第2の側に沿い、一対の吹出しプレートは一対のバーガイドの遠位にあり、バーは開口を有する支持ブロックによってさらに支持され、バー及び一対の吹出しプレートは支持ブロックの開口内に配置され、バー、一対のバーガイド、一対の吹出しプレート、及び支持ブロックは、アダプタアセンブリ内の中心位置からアダプタアセンブリ内の中心外位置まで枢動可能である。
【0008】
支持ブロックは湾曲し得る。取付け部材は湾曲スロットを有することができ、支持ブロックは、湾曲スロット内で可動であるように湾曲スロット内に配置することができる。
【0009】
関節運動リンクは、細長いシャフト内に延在し、第2のリンクが関節運動リンク及び取付け部材に枢動可能に接続されている。第2のリンクは湾曲し得る。
【0010】
バーは、互いに積み重ねられた複数の層を有し得る。ビームは上方フランジ及び下方フランジを有し得る。バーは、ねじ山付き駆動部材に装着され得る。ねじ山付き駆動部材は、内ねじ山を有する内管の内側に配置されてもよい。接続特徴部はキー溝を画定し得る。リロードは、キー溝内に受容されるタブを画定してもよい。
【0011】
別の態様では、外科用ステープリングシステムは、電池、モータ、ならびにコンピュータ及びメモリ構成要素を有する手持ち型器具ハンドルと、取外し可能かつ交換可能なアダプタアセンブリと、第1のエンドエフェクタを有する第1の外科用リニアステープリングリロードであって、アダプタアセンブリに取外し可能かつ交換可能に装着可能である第1の外科用リニアステープリングリロードと、第2のエンドエフェクタを有し、アダプタアセンブリに取外し可能かつ交換可能に装着可能である第2の外科用リニアステープリングリロードとを備え、第2の外科用リニアステープリングリロードは特徴部を有し、第1のリニアステープリングリロードは特徴部を有さず、第1の外科用リニアステープリングリロード及び第2の外科用リニアステープリングリロードの各々はステープルカートリッジアセンブリ及びアンビルアセンブリを有する。
【0012】
アダプタアセンブリは、第1の外科用リニアステープリングリロード及び第2の外科用リニアステープリングリロードに対応する。特徴部は、第2の外科用リニアステープリングリロードのアンビルアセンブリの遠位端上の切開先端であり得る。
【0013】
特徴部は、第2の外科用リニアステープリングリロードのアンビルアセンブリ及びステープルカートリッジアセンブリの各々のステープリングバットレスであり得る。
【0014】
ハンドルは、滅菌可能であり、所定数の処置のために再使用し得る。
【0015】
本発明の例示的な実施形態のさらなる詳細及び態様を添付の図面を参照して以下により詳細に説明する。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
互いに対して可動なステープルカートリッジアセンブリ及びアンビルアセンブリを含むリロードと、
細長いシャフト及び関節運動遠位端を有するアダプタアセンブリであって、取付け部材が遠位端に配置されかつ前記細長いシャフトに枢動可能に装着され、前記取付け部材は、前記リロードを前記アダプタアセンブリに装着するための接続特徴部を有するアダプタアセンブリと、
前記アダプタ内の駆動機構であって、前記取付け部材を通って延在するバーを含み、前記バーの遠位端にビームを有し、前記バーは可撓性でかつ一対のバーガイドによって支持され、前記バーガイドの一方は前記バーの第1の側面に沿い、前記バーガイドの他方は前記バーの第2の側面に沿い、前記バーは一対の吹出しプレートによってさらに支持され、前記吹出しプレートの一方は前記バーの前記第1の側面に沿い、前記吹出しプレートの他方は前記バーの前記第2の側面に沿い、前記一対の吹出しプレートは前記一対のバーガイドの遠位にあり、前記バーは開口を有する支持ブロックによってさらに支持され、前記バー及び前記一対の吹出しプレートは前記支持ブロックの前記開口内に配置され、前記バー、前記一対のバーガイド、前記一対の吹出しプレート、及び前記支持ブロックは前記アダプタアセンブリ内の中心位置から前記アダプタアセンブリ内の中心外位置まで枢動可能である駆動機構と、を備える、外科用ステープリング器具。
(項目2)
前記支持ブロックは湾曲している、上記項目に記載の外科用ステープリング器具。
(項目3)
前記取付け部材は湾曲スロットを有し、前記支持ブロックは前記湾曲スロット内に配置され、前記支持ブロックは前記湾曲スロット内で可動である、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング器具。
(項目4)
前記細長いシャフト内に延在する関節運動リンクと、前記関節運動リンク及び前記取付け部材に枢動可能に接続された第2のリンクと、をさらに備える、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング器具。
(項目5)
前記第2のリンクは湾曲している、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング器具。
(項目6)
前記バーは、互いに積み重ねられた複数の層を有する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング器具。
(項目7)
前記ビームは上方フランジ及び下方フランジを有する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング器具。
(項目8)
前記バーはねじ山付き駆動部材に装着されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング器具。
(項目9)
前記ねじ山付き駆動部材は内ねじ山を有する内管の内部に配置される、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング器具。
(項目10)
前記接続特徴部はキー溝を画定する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング器具。
(項目11)
前記リロードはタブを画定する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリング器具。
(項目12)
電池、モータ、ならびにコンピュータ及びメモリ構成要素を有する手持ち型器具ハンドルと、
取外し可能かつ交換可能なアダプタアセンブリと、
第1のエンドエフェクタを有する第1の外科用リニアステープリングリロードであって、前記アダプタアセンブリに取外し可能かつ交換可能に装着可能である第1の外科用リニアステープリングリロードと、
第2のエンドエフェクタを有し、前記アダプタアセンブリに取外し可能かつ交換可能に装着可能である第2の外科用リニアステープリングリロードと、を備え、前記第2の外科用リニアステープリングリロードは特徴部を有し、前記第1のリニアステープリングリロードは前記特徴部を有さず、前記第1の外科用リニアステープリングリロード及び前記第2の外科用リニアステープリングリロードの各々はステープルカートリッジアセンブリ及びアンビルアセンブリを有する、外科用ステープリングシステム。
(項目13)
前記アダプタアセンブリは前記第1の外科用リニアステープリングリロード及び前記第2の外科用リニアステープリングリロードに対応する、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリングシステム。
(項目14)
前記特徴部は、前記第2の外科用リニアステープリングリロードの前記アンビルアセンブリの遠位端上の切開先端である、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリングシステム。
(項目15)
前記特徴部は、前記第2の外科用リニアステープリングリロードの前記アンビルアセンブリ及び前記ステープルカートリッジアセンブリの各々上のステープリングバットレスである、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリングシステム。
(項目16)
前記ハンドルは、滅菌可能であり、所定数の処置のために再使用される、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープリングシステム。
(摘要)
外科用デバイスは、ジョーアセンブリ、関節運動アセンブリ、及び駆動シャフトを含む。ジョーアセンブリは第1及び第2のジョーを含む。関節運動アセンブリはジョーアセンブリの近位端に取外し可能に連結され、遠位継手部材、近位継手部材、及び枢軸ピンを含む。枢軸ピンは、遠位継手部材に固定的に連結され、近位継手部材に回転可能に連結されている。ジョーアセンブリ及び遠位継手部材は一緒に第1の長手方向軸を画定する。近位継手部材は第2の長手方向軸を画定する。駆動シャフトは、枢軸ピンに固定的に連結された枢動歯車要素と噛合により係合する歯車要素を含む。第1の駆動シャフトの長手方向の動きは、ジョーアセンブリを、枢軸ピンによって画定される枢軸の周りを近位継手部材に対して枢動させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の実施形態を添付の図面を参照して本明細書で説明する。
【0017】
【
図1】本開示に従う、外科用器具、アダプタアセンブリ、及びエンドエフェクタを含む外科用電気機械システムの分解斜視図である。
【
図2】本開示に従う、
図1の外科用器具の斜視図である。
【
図3】本開示に従う、
図1の外科用器具の分解斜視図である。
【
図4】本開示に従う、
図1の外科用器具の電池の斜視図である。
【
図5】本開示に従う、
図1の外科用器具の部分分解上面図である。
【
図6】本開示に従う、細長い部材がそこから分離された
図1の外科用器具の正面斜視図である。
【
図7】本開示に従う、
図1の7-7に沿った
図1の外科用器具の側断面図である。
【
図8】本開示に従う、
図1の8-8に沿った
図1の外科用器具の上面断面図である。
【
図9】本開示に従う、
図1の外科用器具の制御アセンブリの分解斜視図である。
【
図10】本開示に従う、関節運動ネックアセンブリを有する
図1のアダプタアセンブリの斜視図である。
【
図11】本開示に従う、
図1のアダプタアセンブリの部分断面斜視図である。
【
図12】本開示に従う、線形無関節運動向きに配向された
図1のアダプタアセンブリの遠位端に接続されたエンドエフェクタの斜視図である。
【
図13】本開示に従う、
図12のエンドエフェクタの分解図である。
【
図14】本開示に従う、
図12のエンドエフェクタの断面斜視図である。
【
図15】本開示に従う、
図12のエンドエフェクタの拡大側断面図である。
【
図16】本開示に従う、関節運動ネックアセンブリから切り離された
図12のエンドエフェクタの拡大側断面図である。
【
図17A】本開示に従う関節運動ネックアセンブリの分解図である。
【
図17B】本開示に従う関節運動ネックアセンブリの一部の斜視図である。
【
図18】本開示に従う関節運動ネックアセンブリの部分分解上面斜視図である。
【
図19】本開示に従う関節運動ネックアセンブリの部分分解底面斜視図である。
【
図20】本開示に従う関節運動ネックアセンブリの部分分解側面斜視図である。
【
図21】本開示に従う関節運動ネックアセンブリの部分分解上面斜視図である。
【
図22】本開示に従う関節運動ネックアセンブリの上面斜視図である。
【
図23】本開示に従う、関節運動向きの関節運動ネックアセンブリの側面図である。
【
図24】本開示に従う、関節運動ネックアセンブリに接続された
図12のエンドエフェクタの拡大側断面図である。
【
図25】本開示に従う、線形無関節運動向きに配向された関節運動ネックアセンブリに接続された
図12のエンドエフェクタの側断面図である。
【
図26】本開示に従う、第1の関節運動向きに配向された関節運動ネックアセンブリに接続された
図12のエンドエフェクタの側断面図である。
【
図27】本開示に従う、第2の関節運動向きに配向された関節運動ネックアセンブリに接続された
図12のエンドエフェクタの側断面図である。
【
図28】本開示に従う、線形無関節運動向きに配向された
図1のアダプタアセンブリの遠位端に接続されたエンドエフェクタを伴う関節運動ネックアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【
図29】本開示に従う
図28の関節運動ネックアセンブリの分解斜視図である。
【
図30】本開示に従う
図28の関節運動ネックアセンブリの部分分解上面斜視図である。
【
図31】本開示に従う、線形無関節運動向きに配向された
図28の関節運動ネックアセンブリに接続されたエンドエフェクタの側断面図である。
【
図32】本開示に従う、第1の関節運動向きに配向された
図28の関節運動ネックアセンブリに接続されたエンドエフェクタの側断面図である。
【
図33】本開示に従う、第2の関節運動向きに配向された
図28の関節運動ネックアセンブリに接続されたエンドエフェクタの側断面図である。
【
図34】本開示の別の態様に従う外科用ステープリング器具の斜視図である。
【
図34A】エンドエフェクタリロード及びアダプタアセンブリの遠位端の立面図である。
【
図35】外科用ステープリング器具のためのアダプタアセンブリ及びエンドエフェクタリロードの斜視図である。
【
図36】
図34~
図35の外科用ステープリング器具のためのアダプタアセンブリの断面図である。
【
図37】アダプタアセンブリの関節運動部分の斜視図である。
【
図38】アダプタアセンブリの関節運動部分の断面図である。
【
図39】アダプタアセンブリの関節運動部分の斜視図である。
【
図39A】アダプタアセンブリの近位端の断面図である。
【
図39B】アダプタアセンブリの送りねじの斜視図である。
【
図40】外科用ステープリング器具のためのI形ビームの斜視図である。
【
図40A】外科用ステープリング器具のためのI形ビーム及びスレッドの斜視図である。
【
図40B】外科用ステープリング器具のためのI形ビーム及びスレッドの斜視図である。
【
図41】アダプタアセンブリの近位端における関節運動機構の斜視図である。
【
図42】アダプタアセンブリの近位端における関節運動機構の断面図である。
【
図43】アダプタアセンブリの遠位端における関節運動機構の平面図である。
【
図44】アダプタアセンブリの遠位端における関節運動機構の平面図である。
【
図45】アダプタアセンブリの遠位端における関節運動機構の斜視図である。
【
図45A】アダプタアセンブリ内の歯車アセンブリの斜視図である。
【
図46】エンドエフェクタリロード及びアダプタアセンブリの遠位端の斜視図である。
【
図47】エンドエフェクタリロードの近位端の斜視図である。
【
図48】エンドエフェクタリロード及びアダプタアセンブリの遠位端の平面図である。
【
図48A】エンドエフェクタリロード及びアダプタアセンブリの遠位端の断面図である。
【
図49】アダプタアセンブリに装着されていないリロードを示すアダプタアセンブリ及びエンドエフェクタリロードの斜視図である。
【
図50】ステープルカートリッジアセンブリ及びアンビルアセンブリの分解図である。そして
【
図51】アダプタアセンブリの遠位端における関節運動機構の異なる例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の外科用電気機械システム、装置、及び/またはデバイスの実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図中、同様の参照符号は、いくつかの図の各々において同一または対応する要素を示す。本明細書で使用される用語「遠位」は、外科用電気機械システム、装置、及び/もしくはデバイスまたはそれらの構成要素の使用者からより遠い部分を指し、用語「近位」は、外科用電気機械システム、装置、及び/もしくはデバイスまたはそれらの構成要素の使用者により近い部分指す。用語「左」及び「右」は、外科用システム、装置、及び/またはデバイスが非回転構成に配向されているとして、外科用電気機械システム、装置、及び/またはデバイスの遠位端の方を向いた使用者が近位端から見たとき、外科用電気機械システム、装置、及び/もしくはデバイスまたはそれらの構成要素の左側及び右側にある部分をそれぞれ指す。
【0019】
典型的な外科用手持ち型電動電気機械器具100の構造及び動作の詳細説明については、国際出願公開第WO2009/039506号、米国特許第9,775,610号、及び米国特許出願公報第US2011/0121049号を参照することができ、それらの各々の全内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0020】
最初に
図1~
図8を参照すると、本開示の一実施形態に従う、外科用手持ち型電動電気機械システムが示され、全体として10で示されている。外科用電気機械システム10は、複数の異なるエンドエフェクタ300をアダプタアセンブリ(例えば、細長い本体)200を介してそれに選択的に装着するように構成された、外科用手持ち型電動電気機械器具100の形態の外科用装置またはデバイスを含む。エンドエフェクタ300及びアダプタアセンブリ200は、外科用手持ち型電動電気機械器具100による作動及び操作のために構成される。特に、外科用器具100、アダプタアセンブリ200、及びエンドエフェクタ300は互いに分離可能であって、外科用器具100はアダプタアセンブリ200との選択的接続のために構成され、そしてアダプタアセンブリ200は複数の異なるエンドエフェクタ300のいずれか1つとの選択的接続のために構成される。
【0021】
エンドエフェクタ及び/またはアダプタは、本明細書に開示された実施形態のいずれにおいても一体的なユニットとして構成され得る。エンドエフェクタ及び/またはアダプタは、本明細書に開示された実施形態のいずれにおいても、電動ハンドル、コンソール、及び/または外科用ロボットと共に使用するように構成され得る。
【0022】
図1~
図3に示すように、外科用手持ち型器具100は、下側ハウジング部分104と、下側ハウジング部分104から延在する及び/または下側ハウジング部分104に支持される中間ハウジング部分106と、中間ハウジング部分106から延在する及び/または中間ハウジング部分106に支持される上側ハウジング部分108とを有するハンドルハウジング102を含む。中間ハウジング部分106及び上側ハウジング部分108は、下側部分104と一体的に形成されかつ下側部分104から延在する遠位側半分110aと、遠位側半分110aに複数の留め具によって接続可能な近位側半分110bとに分離される。結合されると、遠位側及び近位側半分110a、110bは、内部に空洞102aを有しその中に回路基板150及び駆動機構160が配置されるハンドルハウジング102を画定する。
【0023】
図2及び
図3を参照すると、遠位側及び近位側半分110a、110bは、上側ハウジング部分108の長手方向軸「A-A」を横切る垂直平面に沿って分割される(
図2)。ハンドルハウジング102は、遠位側半分及び/または近位側半分110a、110bの周縁全部に延在しかつ遠位側半分110a及び近位側半分110bの間に置かれたガスケット112を含む。ガスケット112は、遠位側半分110a及び近位側半分110bの周囲を封止する。ガスケット112は、回路基板150及び駆動機構160が滅菌及び/または洗浄処理から保護されるように、遠位側半分110aと近位側半分110bとの間に気密封止を確立するよう機能する。
【0024】
こうすると、ハンドルハウジング102の空洞102aは、遠位側半分110a及び近位側半分110bの周囲に沿って封止されるし、しかもハンドルハウジング102内の回路基板150及び駆動機構160のより簡単でより効率的なアセンブリを可能にするように構成される。
【0025】
ハンドルハウジング102の中間ハウジング部分106は、その中に回路基板150が位置するハウジングを提供する。回路基板150は、以下でさらに詳細に説明するように、外科用器具100の様々な動作を制御するように構成される。
【0026】
外科用器具100の下側ハウジング部分104は、その上面に形成され中間ハウジング部分106の下または中に位置する開口部(図示せず)を画定する。
図3及び
図4に示すように、下側ハウジング部分104の開口部は、下側ハウジング部分104内に位置する電気構成要素、例えば電池156及び回路基板154を、中間ハウジング部分106及び/または上側ハウジング部分108内に位置する電気構成要素、例えば回路基板150、駆動機構160などに電気的に相互接続するためにその中をワイヤ152が通る通路を提供する。
【0027】
ハンドルハウジング102は、下側ハウジング部分104の開口部内に配置されたガスケット107を含み、これにより、ワイヤ152を通過させつつ下側ハウジング部分104の開口部を閉塞または封止する(
図3参照)。ガスケット107は、回路基板150及び駆動機構160が滅菌及び/または洗浄処理から保護されるように、下側ハウジング部分106と中間ハウジング部分108との間に気密封止を確立するよう機能する。
【0028】
引き続き
図3及び
図4を参照すると、ハンドルハウジング102の下側ハウジング部分104は、その中に電池156が取外し可能に配置されるハウジングを提供する。電池156は、充電式電池(例えば、鉛ベース、ニッケルベース、リチウムイオンベースなど)でもよい。電池156は、単回使用の非充電式電池でもよいことも想定される。電池156は、外科用器具100の電気構成要素のいずれにも電力を供給するように構成される。下側ハウジング部分104は、その中に電池156が挿入される空洞(図示せず)を画定する。下側ハウジング部分104は、下側ハウジング部分104の空洞を閉じ、その中に電池156を保持するために、そこに枢動可能に接続されたドア105を含む。
【0029】
引き続き
図3及び
図5を参照すると、上側ハウジング部分108の遠位側半分110aは、ノーズまたは接続部分108aを画定する。ノーズコーン114は、上側ハウジング部分108のノーズ部分108a上に支持される。ノーズコーン114は、透明な光透過性材料から製造される。照明部材116がノーズコーン114内に、それを通して照明部材116が視認されるように配置されている。ノーズコーン114は、照明部材116が活性化されたときにそれが視認されるように、着色されていてもよい。
【0030】
図5を参照すると、照明部材116は、長手方向軸「A-A」を横切る垂直面内に配置されたプリント回路基板(LED PCB)116a上に配置された発光ダイオード(LED)などの複数の任意の適切な発光デバイスを含み得る。照明部材116は、固有の離散事象に付随する特定の色彩パターンの複数の色で照明するように構成される。実施形態では、LEDは、単色LEDまたは多色LEDであってよい。
【0031】
ハンドルハウジング102の上側ハウジング部分108は、その中に駆動機構160が位置するハウジングを提供する。
図5に示すように、駆動機構160は、外科用器具100の様々な動作を行うためにシャフト及び/または歯車構成要素を駆動するように構成される。特に、駆動機構160は、エンドエフェクタ300のツールアセンブリ304をアダプタアセンブリに対して選択的に動かすため、エンドエフェクタ300を長手方向軸「A-A」(
図2)の周りでハンドルハウジング102に対して回転させるため、アンビルアセンブリ306をエンドエフェクタ300のカートリッジアセンブリ308に対して動かすため、及び/またはエンドエフェクタ300のカートリッジアセンブリ308内のステープリング及び切断カートリッジを発射させるために、シャフト及び/または歯車構成要素を駆動するように構成される。
【0032】
駆動機構160は、アダプタアセンブリ200に対して直近に位置するセレクタギアボックスアセンブリ162を含む。セレクタギアボックスアセンブリ162の近位には、セレクタギアボックスアセンブリ162内の歯車要素を選択的に動かして第2の(例えば、駆動)モータ166を有する入力駆動構成要素165と係合させるよう機能する第1の(例えば、セレクタ)モータ164を有する機能選択モジュール163がある。
【0033】
図1~
図4に示すように、上側ハウジング部分108の遠位側半分110aは、アダプタアセンブリ200の対応するシャフト連結アセンブリ214を受容するように構成された接続部分108aを画定する。
【0034】
図6~
図8に示すように、外科用器具100の接続部分108aは、アダプタアセンブリ200が外科用器具100に嵌合するときにアダプタアセンブリ200を受容する円筒形凹部108bを有する。接続部分108aは、3つの回転可能駆動コネクタ118,120,122を収容する。
【0035】
図6を参照すると、アダプタアセンブリ200が外科用器具100に嵌合すると、外科用器具100の回転可能駆動コネクタ118、120、122の各々が、アダプタアセンブリ200の対応する回転可能コネクタスリーブ218,220,222と連結する。これに関して、対応する第1の駆動コネクタ118と第1のコネクタスリーブ218との間の接合面、対応する第2の駆動コネクタ120と第2のコネクタスリーブ220との間の接合面、及び対応する第3の駆動コネクタ122と第3のコネクタスリーブ222との間の接合面はキー止めされ、外科用器具100の駆動コネクタ118、120、122の各々の回転が、アダプタアセンブリ200の対応するコネクタスリーブ218、220、222の対応する回転を引き起こす。
【0036】
上述の実施形態では、外科用手持ち型器具100は、セレクタギアボックスアセンブリ162の歯車を選択的に動かして第2の(例えば、駆動)モータを有する入力駆動構成要素と係合させるよう機能する第1の(例えば、セレクタ)モータ164を含んでもよい。実施形態では、他のモータ構成を使用してもよく、例えばコネクタスリーブの各々を駆動するために異なるモータを使用してもよい。さらなる実施形態では、限定はされないが、空気圧及び/または油圧ドライバ、ソレノイド、付勢部材、及びそれらの組み合わせを含む、コネクタスリーブを作動させるための他の駆動機構を使用してもよい。
【0037】
外科用器具100の駆動コネクタ118、120、122とアダプタアセンブリ200のコネクタスリーブ218、220、222との嵌合により、回転力が3つのそれぞれのコネクタ接合面の各々を介して独立に伝達され得る。外科用器具100の駆動コネクタ118、120、122は、駆動機構160によって独立して回転されるように構成される。これに関して、駆動機構160の機能選択モジュール163は、外科用器具100のどの1つまたは複数の駆動コネクタ118、120、122が駆動機構160の入力駆動構成要素165によって駆動されるかを選択する。セレクタギアボックスアセンブリ162及び機能選択モジュール163は、共同所有の米国特許出願第13/280,898号により詳細に開示されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0038】
外科用器具100の駆動コネクタ118、120、122の各々は、アダプタアセンブリ200のそれぞれのコネクタスリーブ218、220、222とキー止めされ及び/または実質的に回転不能な接合面を有するので、アダプタアセンブリ200が外科用器具100に連結されると、回転力は、外科用器具100の駆動機構160からアダプタアセンブリ200に選択的に伝達される。
【0039】
外科用器具100の駆動コネクタ118、120、及び/または122の選択的回転により、外科用器具100はエンドエフェクタ300の異なる機能を選択的に作動させることができる。以下により詳細に説明するように、外科用器具100の第1の駆動コネクタ118の選択的かつ独立した回転は、選択的かつ独立した、エンドエフェクタ300のツールアセンブリ304の開閉及びエンドエフェクタ300のツールアセンブリ304のステープリング/切断構成要素の駆動に対応する。また、外科用器具100の第2の駆動コネクタ120の選択的かつ独立した回転は、長手方向軸「A-A」(
図2)を横切るピン505によって画定される関節運動軸「B-B」(
図12)の周りのエンドエフェクタ300のツールアセンブリ304の選択的かつ独立した関節運動に対応する。特に、エンドエフェクタ300は、第2の長手方向軸「C-C」を画定し、第2の長手方向軸「C-C」(
図12)が第1の長手方向軸「A-A」と実質的に整列する第1の位置から第2の長手方向軸「C-C」が第1の長手方向軸「A-A」に対して非ゼロの角度で配置される少なくとも第2の位置まで可動である。加えて、外科用器具100の第3の駆動コネクタ122の選択的かつ独立した回転は、外科用器具100のハンドルハウジング102に対する長手方向軸「A-A」の周りのエンドエフェクタ300の選択的かつ独立した回転に対応する。
【0040】
図5及び
図8に示すように、駆動機構160は、セレクタギアボックスアセンブリ162と、セレクタギアボックスアセンブリ162に近接して配置され、セレクタギアボックスアセンブリ162内の歯車要素を第2のモータ166と係合するように選択的に動かすよう機能する機能選択モジュール163とを含む。したがって、駆動機構160は、所与の時間に外科用器具100の駆動コネクタ118、120、122の1つを選択的に駆動する。
【0041】
図1~
図3及び
図9に示すように、ハンドルハウジング102は、中間ハウジング部分108の遠位面または側部に制御アセンブリ103を支持する。制御アセンブリ103は、中間ハウジング部分108と協働して、一対の指作動制御ボタン124、126及びロッカーデバイス128、130を支持する。特に、制御アセンブリ103は、第1の制御ボタン124を摺動可能に受容するための上方開口部124aと、第2の制御ボタン126を摺動可能に受容するための下方開口部126bとを画定する。
【0042】
制御ボタン124、126及びロッカーデバイス128、130の各々は、オペレータの作動によって動かされるそれぞれの磁石(図示せず)を含む。加えて、回路基板150は、制御ボタン124、126及びロッカーデバイス128、130の各々について、制御ボタン124、126及びロッカーデバイス128、130内の磁石の動きによって作動させるそれぞれのホール効果スイッチ150a~150dを含む。特に、制御ボタン124の直近には、オペレータが制御ボタン124を作動させたときに制御ボタン124内の磁石が動くと作動される第1のホール効果スイッチ150a(
図3及び
図7)が位置している。制御ボタン124に対応する第1のホール効果スイッチ150aの作動により、回路基板150は、駆動機構160の機能選択モジュール163及び入力駆動構成要素165に適切な信号を提供して、エンドエフェクタ300のツールアセンブリ304を閉じ、及び/またはエンドエフェクタ300のツールアセンブリ304内のステープリング/切断カートリッジを発射させる。
【0043】
また、ロッカーデバイス128の直近には、オペレータがロッカーデバイス128を作動させたときにロッカーデバイス128内の磁石(図示せず)が動くと作動される第2のホール効果スイッチ150b(
図3及び
図7)が位置している。ロッカーデバイス128に対応する第2のホール効果スイッチ150bの作動により、回路基板150は駆動機構160の機能選択モジュール163及び入力駆動構成要素165に適切な信号を供給して、ツールアセンブリ304をアダプタアセンブリ200に対して関節運動させる。有利には、ロッカーデバイス128の第1の方向の動きは、ツールアセンブリ304をアダプタアセンブリ200に対して第1の方向に関節運動させ、ロッカーデバイス128の反対の、例えば第2の方向の動きは、ツールアセンブリ304をアダプタアセンブリ200に対して反対の、例えば第2の方向に関節運動させる。
【0044】
さらに、制御ボタン126の直近には、オペレータが制御ボタン126を作動させたときに制御ボタン126内の磁石(図示せず)が動くと作動される第3のホール効果スイッチ150c(
図3及び
図7)が位置している。制御ボタン126に対応する第3のホール効果スイッチ150cの作動により、回路基板150は、駆動機構160の機能選択モジュール163及び入力駆動構成要素165に適切な信号を提供して、エンドエフェクタ300のツールアセンブリ304を開く。
【0045】
加えて、ロッカーデバイス130の直近には、オペレータがロッカーデバイス130を作動させたときにロッカーデバイス130内の磁石(図示せず)のが動くと作動される第4のホール効果スイッチ150d(
図3及び
図7)が位置している。ロッカーデバイス130に対応する第4のホール効果スイッチ150dの作動により、回路基板150は駆動機構160の機能選択モジュール163及び入力駆動構成要素165に適切な信号を提供して、エンドエフェクタ300を外科用器具100のハンドルハウジング102に対して回転させる。具体的には、ロッカーデバイス130の第1の方向の動きは、エンドエフェクタ300をハンドルハウジング102に対して第1の方向に回転させ、ロッカーデバイス130に対して反対の、例えば第2の方向の動きは、エンドエフェクタ300をハンドルハウジング102に対して反対の、例えば第2の方向に回転させる。
【0046】
ここで
図1及び
図10を参照し、アダプタアセンブリ200を詳細に示し説明する。アダプタアセンブリ200は、外科用器具100の第1、第2、及び第3の回転可能駆動コネクタ118、120、及び122の回転力をエンドエフェクタ300に伝達するように構成される。上述したように、アダプタアセンブリ200は、外科用器具100への選択的接続のために構成される。
【0047】
図1、
図6、
図10、及び
図11に見られるように、アダプタアセンブリ200は、近位端210a及び遠位端210bを有する細長い、実質的に剛性の細長い本体部分210と、細長い本体部分210の近位端210aに接続され、外科用器具100への選択的接続のために構成されたトランスミッションハウジング212とを含む。アダプタアセンブリ200は、エンドエフェクタ300に連結するために遠位端210bに配置された関節運動アセンブリ230も含む。
【0048】
実施形態では、トランスミッションハウジング212は、外科用器具100の第1、第2、及び/または第3の回転可能駆動コネクタ118、120、及び/または122の回転(例えば、増加または減少)の速度/力を、かかる回転速度/力がエンドエフェクタ300に伝達する前に変化させるための1つ以上の歯車列システムをその中に含んでもよい。
【0049】
アダプタアセンブリ200のトランスミッションハウジング212は、外科用器具100の上側ハウジング部分108の接続部分108aに接続するように構成及び適合される。
図1及び
図6に見られるように、アダプタアセンブリ200のトランスミッションハウジング212は、近位端210aに支持されたシャフト連結アセンブリ214を含む。
【0050】
アダプタアセンブリ200は、各々がトランスミッションハウジング212及び細長い本体部分210内に配置される第1歯車列システム及び第2歯車列システムを含んでもよい。各歯車列システムは、外科用器具100の第1及び第2の回転可能駆動コネクタ118及び120の回転(例えば、増加または減少)の速度/力を、かかる回転の速度/力がエンドエフェクタ300に伝達される前に変化させるように構成及び適合される。複数の歯車列を有するアダプタアセンブリが、共同所有の米国特許出願第13/280,898号により詳細に開示されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0051】
図11に見られるように、アダプタアセンブリ200は、トランスミッションハウジング212、すなわち対応する回転可能コネクタスリーブ218、220、222に接続された近位端を含む第1、第2、及び第3の駆動シャフト218a、220a、222aを回転可能に支持してもよい。駆動シャフト218a、220a、222aの各々は、以下により詳細に説明されるように、関節運動アセンブリ230まで延在しかつ関節運動アセンブリ230に動作可能に接続された遠位端も含む。アダプタアセンブリ200の細長い本体部分210は、本体部分210を通る少なくとも3つの長手方向に延在するチャネルを含む。チャネルは、それぞれの歯車システム(図示せず)に接続されてもよい駆動シャフト218a、220a、222aを回転可能に受容しかつ支持するように構成及び寸法決めされている。駆動シャフト218a、220a、222aの各々は細長く、以下にさらに詳細に説明されるように、エンドエフェクタ300を駆動するために使用される、トランスミッションハウジング212から関節運動アセンブリ230への回転力を伝達するのに十分に剛性である。
【0052】
図12~
図16はエンドエフェクタ300の構成要素及び動作を示す。エンドエフェクタ300は、カートリッジアセンブリ308及びアンビル306を含む一対のジョー部材を含む。カートリッジアセンブリ308は、その内部に配置される1つ以上の留め具433(
図13)を収容し、器具100の発射時に留め具433を展開するように構成されている。アンビル306は、エンドエフェクタ300に可動に(例えば、枢動可能に)取付けられ、カートリッジアセンブリ308から離間した開き位置と、それによって組織を挟持するための、アンビル306がカートリッジアセンブリ308と緊密協調的に整列する閉じ位置との間で可動である。
【0053】
図13を参照すると、エンドエフェクタ300の分解図が示されている。エンドエフェクタ300は、カートリッジアセンブリ308及びアンビル306を支持するための、細長いチャネル411と、ベース412と、ノッチ439などいくつかの取付け構造を含む2つの平行な直立壁414及び416とを有するキャリア431も含む。長手方向スロット413が細長いチャネル411を通って延在する。
【0054】
キャリア431は、その底面に配置されたプレートカバー415も含む。プレートカバー415は、キャリア431のチャネル411と摩擦係合するように構成され、キャリア431の外部に沿って可動部分から組織を保護するように機能する。キャリア431は、それぞれの壁414,416の近位端に配置され、エンドエフェクタ300のハウジング部分410に連結するように構成された一対のタブ407及び409も含む。
【0055】
キャリア431は、その上面に配置されたホルダプレート402も含む。ホルダプレート402は、キャリア431及びカートリッジアセンブリ308と摩擦係合して、留め具433及びプッシャ437をその中に固定するように構成される。ホルダプレート402は、カートリッジアセンブリ308の遠位タブ436a及び近位タブ436bとそれぞれ係合するように構成された一対の遠位ウイング402a及び一対の近位ウイング402bを含む。ホルダプレート402の遠位ウイング402aもまた、キャリア431の遠位端に配置されたスロット439aと係合し、それによってカートリッジアセンブリ308をキャリア431に固定するように構成及び寸法決めされる。
【0056】
引き続き
図13を参照すると、チャネル411の遠位部分は、複数の外科用留め具433及び複数の対応するエジェクタまたはプッシャ437を含むカートリッジアセンブリ308を支持する。エンドエフェクタ300は、以下でより詳細に説明するように、カートリッジアセンブリ308から留め具433を押し出すプッシャ437に留め具推進力を与えるように構成された直立カムウェッジ444を有する作動スレッド440を含む。カートリッジアセンブリ308は、チャネル壁414及び416の上面に形成された対応するノッチ439に摩擦係合する横方向ストラット436によってチャネル411内に維持される。これらの構造は、チャネル411内のカートリッジアセンブリ308の横方向、長手方向、及び高さ方向の動きを制限する働きをする。本明細書に開示された実施形態のいずれにおいても、カートリッジアセンブリ308は取外し可能かつ交換可能であり得るので、エンドエフェクタ300が特定の手術内で再使用され、単一のエンドエフェクタ300の複数の発射を可能とする。
【0057】
間隔を置いて配置された複数の長手方向スロット(図示せず)がカートリッジアセンブリ308を通して延在し、作動スレッド440の直立カムウェッジ444を収容する。スロットは、その中に複数の留め具443及び複数のプッシャ437がそれぞれ支持される複数のポケット442と連通する。プッシャ437は、作動スレッド440によるその係合に先立ちプッシャ437を支持及び整列させる、カートリッジアセンブリ308の下方に配置されたプッシャリテーナ(図示せず)によって固定される。動作中、作動スレッド440がカートリッジアセンブリ308を通って並進すると、カムウェッジ444の傾斜した前縁がプッシャ437に順次接触し、プッシャをスロット446内で垂直に並進させ、そこから留め具306を促す。カートリッジアセンブリ308は、以下でより詳細に説明するように、ナイフブレード474がそこを通して進めるように長手方向スロット485も含む。
【0058】
引き続き
図13及び
図14を参照すると、エンドエフェクタ300は、アンビル306上に配置されたアンビルカバー435を含む。アンビルカバー435は、アンビル306の外側に沿って組織を可動部品から保護する。アンビルカバー435は、アンビル306の戻り止め454、456にそれぞれ係合するように寸法決め及び構成された対向取付けウイング450及び452を含む。取付けウイング450及び452は、閉じている間アンビル306をカートリッジアセンブリ308と整列させるよう機能する。アンビル306及びカバー435は、以下でより詳細に説明するように、閉じられるまでは開いた構成のままであるように構成される。
【0059】
アンビル306は、キャリア431に枢動可能に連結されている。キャリア431は、それぞれのタブ407、409に形成された一対の開口421、422を含む。アンビルカバー435は、その中に見られる一対の対向開口457及び459も含む。枢軸ピン417または一対のピンが開口421、422、457、及び459を貫通し、アンビル306をキャリア431及びカートリッジアセンブリ308に枢動可能に連結させる。
【0060】
図13及び
図14に見られるように、エンドエフェクタ300は、以下でより詳細に説明するように、第2の駆動シャフト220aによって与えられる回転駆動力を、ステープリング処置中に作動スレッド440に伝達するための軸方向駆動ねじ460をさらに含む。駆動ねじ460は、キャリア431内に回転可能に支持され、ねじ山付き部分460a及び近位係合部分460bを含む。駆動ねじ460は、駆動ねじ460がキャリア431に対して回転されてもよいように、遠位ハウジング部材410内のスラストプレート410bによって回転可能に取付けられる。エンドエフェクタ300の遠位ハウジング部材410は、枢軸ピン417を介してキャリア431の近位端に連結されている。ハウジング部材410は、その中に係合部分460bを収容する、そこを通して画定される孔414(
図14)を含む。駆動ねじ460の遠位先端は、キャリア431のチャネル411内に画定された凹部内に置かれる。
【0061】
図13~
図15に示すように、駆動ねじ460は、以下でさらに詳細に説明するように、第2の駆動シャフト220aとエンドエフェクタ300の駆動ねじ460とを機械的に係合する駆動リンケージ600に連結されている。ハウジング部分410内に配置された駆動リンケージ600は、駆動ねじ460に対して軸外にある。特に、駆動リンケージ600によって画定される長手方向軸は、駆動ねじ460によって画定される長手方向軸に対して非平行(例えば、非ゼロの角度)の角度にある。実施形態では、駆動リンケージ600は、駆動ねじ460と同じ長手方向軸に沿って配置されてもよい。
【0062】
図15を参照すると、駆動リンケージ600は、近位係合部分601及び遠位係合部分603を含む。近位係合部分601は、連結部材515によって係合されるように構成され、遠位係合部分603は、駆動ねじ460の近位係合部分460bに係合するように寸法決め及び構成される。特に、係合部分601は、対応するファセット面を有する結合部材515のソケット516と接合するように構成及び寸法決めされたファセット面を含む。係合部分603は、対応するファセット面を有する係合部分460bのソケット460cと接合するように構成及び寸法決めされたファセット面も含む。係合部分601及び603とソケット516及び460cとのそれぞれの機械的連結は、係合部分601及び603の雄型ファセット面の、対応する雌型ファセットソケット516及び460cとの当接を介してそれぞれ行われ、連結部材515の回転運動が駆動リンケージ600へ、ひいては駆動ねじ460へ伝達される。実施形態では、駆動リンケージ600は、任意の他の適切な機械的連結、例えば、ピン留めを使用して、駆動ねじ460及び連結部材515と機械的に接合してもよい。
【0063】
図13及び
図14を参照すると、エンドエフェクタ300は、キャリア431内に配置された駆動ビーム462をさらに含む。駆動ビーム462は、垂直支持ストラット472及び当接面476を含み、当接面476はナイフブレード474と係合し、ひいては駆動スレッド440と係合する。駆動ビーム462は、垂直支持ストラット472上に配置されたカム部材480も含む。カム部材480は、発射中に体組織に対してアンビル306を徐々に挟持するために、アンビル306の外側カム面482と係合しかつそれに対して並進するように寸法決め及び構成されている。
【0064】
長手方向スロット484が、アンビル306を通って延在し、垂直ストラット472の並進を取り込む。これにより、発射中にカム部材480はカバー435とアンビル306との間を進むことができる。実施形態では、アンビルカバー435は、その下面に形成された対応する長手方向スロット(図示せず)を含んでもよく、アンビル306の上面に固定されてそれらの間にチャネルを形成する。
【0065】
駆動ビーム462は、そこを通して画定されるねじ孔489を有する保持部分488を含む。駆動ねじ460が孔489を通して保持部分480に螺合され、駆動ねじ460が回転すると、駆動ビーム462が駆動ねじ460によって画定される長手方向軸に沿って長手方向に進む。
【0066】
使用時、駆動ねじ460が時計回り方向に回転されると、カム部材480がそのカム面482を押し下げるので、駆動ビーム462はアンビル306を閉じる遠位方向に進む。駆動ビーム462はスレッド440も遠位方向に押し、それが次いでカムウェッジ444を介してプッシャ437と係合し、留め具433を射出する。駆動ビーム462は、プラスチック、金属、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な第1の材料から作製されてもよい。第1及び第2の材料は同じであっても異なっていてもよい。
【0067】
ナイフブレード474は、ステープリング処置中に作動スレッド440のわずかに後ろを進み、留め具体組織の列間に切開を形成する。駆動ビーム462が遠位方向に駆動されると、垂直ストラット472の当接面476がナイフブレード474を押し、それが次いでスレッド440を遠位方向に押し、留め具433を射出し、同時にナイフブレード474で組織を切開する。ナイフブレード474及び駆動ビーム462は、長手方向スロット484及び485を通って進む。駆動ビーム462は、遠位方向に駆動されるときにアンビルを閉じ、さらにスレッド440を押し、それがひいてはナイフブレード474の前方に留め具433を射出する。留め具433が射出されると、それらは変形し、再び、複数のアンビルポケット(図示せず)を有するアンビル306の組織接触(例えば、下側)面。
【0068】
図11、
図12、及び
図14~17Aを参照すると、関節運動アセンブリ230が示されている。アセンブリ230は、エンドエフェクタ300の近位端に連結するための遠位継手部材232と、本体部分210の遠位端210bに連結された近位継手部材234とを含む。
【0069】
図13及び
図16~21を参照すると、エンドエフェクタ300のハウジング部分410は、ソケット580内の1つ以上の対応する孔580aに挿入するための1つ以上のポスト410aを含む。ソケット580は、継手部材232内に回転可能に配置されている。特に、ソケット580は、スペーサ232a内に配置され、その外面に配置されたテクスチャ加工リング232bを含む。これにより、ソケット580は、以下でさらに詳細に説明するように、継手部材232内に長手方向に配置されたシャフト513によって長手方向軸「C-C」(
図12)の周りを回転することができる。
【0070】
シャフト513は1つ以上のファセット513aを含み、シャフト513はソケット580の中心孔580bにキー止めされる。これにより、ソケット580はシャフト513と共に回転できる。
図16に示すように、挿入中、駆動リンケージ600の近位係合部分601は、以下にさらに詳細に説明するように、駆動ねじ460を作動させる連結部材515のソケット516とも係合する。
【0071】
図17A~
図19を参照すると、近位継手部材234及び遠位継手部材232は、ピン505と接合するためのクレビスとして構成及び寸法決めされている。ピン505は、ピン505の少なくとも一部分に沿って1つ以上の長手方向ファセット505aを含む。ネックアセンブリ230の近位継手部材234は、一対の対向円形孔235a、237aをそれぞれ含む一対の対向アーム235、237を含み、それにより、ピン505は対向アーム235、237の孔235a、237a内で回転可能に連結され得る。
図17A~Bを参照すると、アセンブリ230の継手部材232は、一対の対向孔239a、241aを含む一対の対向アーム239、241も含む。
図17Bを参照すると、孔239a、241aの各々は、ピン505が孔235a、237a、239b、241bに挿入されると、ピン505が孔235a、237a内で自由に回転できるように、ファセット239b、241bを含む。これにより、ピン505のファセット505aとファセット239b、241bとの嵌合を介して孔239a、241aの周りでピン505に対して継手部材232が固定される。ピン505は、継手部材232の孔239a、241aにキー止めされ、近位継手部材234の孔235a、237a内で自由浮動性であるので、継手部材232は、エンドエフェクタ300と共に、
図22に示され以下にさらに詳細に説明されるように、ピン505によって画定される関節運動軸「B-B」(
図12)の周りで近位継手部材234に対して自由に回転してもよい。
【0072】
図17A及び
図18を参照すると、アセンブリ230は、本体部分210内で軸回転可能であり得る第2の(例えば、作動/発射)駆動シャフト220aも含む。駆動シャフト220aは、そこに連結され駆動シャフト220aによって画定される長手方向軸の周りにそれと共に回転するように構成された第2の歯車要素502を含む。歯車要素502は、第1の伝達歯車要素504に噛合により係合している。歯車要素504は、ピン505によって所定位置に保持され、ピン505の周りを回転するように構成されている。
【0073】
歯車要素504はまた、継手部材232内の歯車要素506と噛合により係合している。歯車要素502、504、506は、継手部材232及びエンドエフェクタ300が本体部分210に対して枢動されても、それらの噛合による係合を可能にするかさ歯車である。歯車要素502は軸「A-A」と平行な長手方向軸の周りを回転する。歯車要素504は軸「B-B」(
図12)の周りを回転し、歯車要素506は軸「C-C」(
図2及び
図10)に平行な長手方向軸の周りを回転する。歯車要素506はシャフト508によって歯車要素510に接続されている。歯車要素506、歯車要素510、及びシャフト508は、継手部材232内で、シャフト508の中心軸によって画定される長手方向軸の周りを回転する。歯車要素510は、ひいては、継手部材232内に長手方向に配置されたシャフト513の周りを回転する歯車要素512と噛合により係合している。歯車要素512は、連結部材515の歯車要素514に噛合により係合している。連結部材515は、上述のように駆動リンケージ600に連結されたソケット516まで遠位側に延在するシャフト部分を含む。駆動シャフト220aの回転は、歯車要素502、504、506、510、512、514、及びソケット516の回転をもたらし、それがひいては駆動リンケージ600を介して駆動ねじ460を回転させ、それによって、上述したような発射プロセスを作動させる。
【0074】
引き続き
図16~21を参照すると、アセンブリ230は、本体部分210内で軸回転可能であり得る第3の(例えば、回転)駆動シャフト222aも含む。駆動シャフト222aは、それに連結され、駆動シャフト222aによって画定される長手方向軸の周りをそれと共に回転するように構成された第3の歯車要素552を含む。歯車要素552は、第2の伝達歯車要素554と噛合により係合している。歯車要素554は、ピン505によって所定の位置に保持され、ピン505の周りを回転するように構成される。
【0075】
歯車要素554は、継手部材232内の歯車要素556とも噛合により係合している。歯車要素552、554、556は、継手部材232及びエンドエフェクタ300が本体部分210に対して枢動されても、それらの噛合による係合を可能にするかさ歯車である。歯車要素552は軸「A-A」と平行な長手方向軸の周りを回転する。歯車要素554は軸「B-B」の周りを回転し、歯車要素556は軸「C-C」と平行な長手方向軸の周りを回転する。かさ歯車、すなわち歯車要素502、504、506、552、554、556の使用により、継手部材234に対して枢動する継手部材232を示す
図23に示すように、アダプタアセンブリ200の本体部分210に対して関節運動中の継手部材232には最もきつい屈曲角度90°が可能となる。
【0076】
引き続き
図16~
図21を参照すると、歯車要素556は、シャフト558によって歯車要素560に接続されている。歯車要素556、歯車要素560、及びシャフト558は、継手部材232内で、シャフト558の中心軸によって画定される長手方向軸の周りを回転する。歯車要素560は、ひいては、シャフト513に固定的に連結された歯車要素562と噛合により係合し、歯車要素562の回転がシャフト513の回転をもたらす。上述したように、ソケット580はシャフト513にしっかりと連結され、シャフト513が長手方向軸「C-C」の周りを時計回りまたは反時計回り方向に回転すると、ソケット580も同じ方向に回転する。エンドエフェクタ300がソケット580に上述のように係合しているので、エンドエフェクタ300もシャフト513によって同様に回転する。エンドエフェクタ300は、このようにして自身の長手方向軸の周りを回転するように構成されている。
【0077】
本開示は、発射中にエンドエフェクタ300の回転を防止するための回転ロックアウトアセンブリ700も提供する。これにより、さもなければネックアセンブリ230内の歯車を逆送りし、エンドエフェクタを不注意に回転させることになる発射プロセス中に生成されるトルクによる組織損傷の防止が可能となる。
【0078】
図13、
図15、及び
図17Aを参照すると、ハウジング410は、それを通して画定される孔423a(
図13)を有するボルト429によって相互接続された遠位部分427a及び近位部分427bを含んでもよい。継手部材232内に配置されたシャフト513は、それを通して画定される孔423b(
図17A)を含む。孔423a及び423bは長手方向に整列している。
【0079】
図15~17Aを参照すると、ロックアウトアセンブリ700は、孔423a内に配置されたプッシュロッド702と、継手部材232内に配置されたロッキング部材704とを含む。ロッキング部材704は、孔423b内に配置されたロッド706を含む。ロッド706の遠位端はプッシュロッド702の近位端と接触しており、プッシュロッド702またはロッキング部材704の長手方向の動きはそれらの間で伝達される。ロッキング部材704は、歯車要素562と噛合により係合するように構成及び寸法決めされた1つ以上のロック突起707も含む。ロッキング機構700は、継手部材232に連結されロッキング部材704を遠位方向に押すばね708も含む。
【0080】
図16を参照すると、エンドエフェクタ300が継手部材232内に挿入される前は、ロッキング部材704がそのロック突起707と係合して、連結部材515の作動を防止している。
図15及び
図18に示すように、エンドエフェクタ300が挿入されると、駆動ビーム462は、発射されておらずそのためにプッシュロッド702の遠位端に当接しているので、最も近位の位置にある。これがプッシュロッド702を近位側に動かし、それがロッキング部材704も近位方向に動かして、ロック突起707を歯車要素562の歯から係合解除する。ロッキング部材704の係合解除により、シャフト513、ソケット580、及びひいてはエンドエフェクタ300の、長手方向軸「C-C」の周りの時計回りまたは反時計回り方向の回転が可能となる。
【0081】
所望の回転位置に達すると、上述したように発射を開始してよい。発射により駆動ビーム462が遠位側に動き、それにより、
図24に示すように、ばね708の付勢力のために、プッシュロッド702はロッキング部材704と共に遠位側に進むことができる。これがロッキング部材704のロック突起707を動かして歯車要素562と係合させ、発射プロセス中のエンドエフェクタ300の回転を防止する。
【0082】
図17A、
図18、及び
図25~
図27を参照すると、アセンブリは、本体部分210内で軸回転可能であり得る第1の(例えば、枢動)駆動シャフト218aも含む。駆動シャフト218aは、ウォームギアとして構成された第1の歯車要素570をその遠位端に含む。歯車要素570は、ウォームホイール駆動装置として構成された枢動歯車要素572と噛合により係合している。歯車要素572は、それを貫き、ファセット574bを有する孔574aを含む。歯車要素572は、歯車要素504、554の間に配置され、キー止め関係にあるピン505のファセット505aと歯車要素572の孔574aのファセット574bとの噛合を介して、孔574aの周りでピン505に固定される。したがって、歯車要素572は、継手部材232と共にピン505に固定され、それによって、以下により詳細に説明されるように、継手部材232はエンドエフェクタ300と共に、ピン505によって画定される関節運動軸「B-B」の周りを本体部210に対して回転することができる。
【0083】
図25~
図27に示すように、継手部材232の関節運動軸「B-B」周りの関節運動は、駆動シャフト218aのその長手方向軸周りの回転と、それと同時に起こる、駆動シャフト218aのその長手方向軸に沿った長手方向動きとがひいては歯車要素570を介して歯車要素572を回転させることによって与えられる。同時におこる駆動シャフト218aの回転及び長手方向動きは、その近位端にある相補的なウォームギア機構を介して達成されてもよい。歯車要素572がピン505にしっかりと連結されているので、歯車要素572の回転は、ピン505と、上述のようにやはりそこにしっかりと連結されている継手部材232とを回転させる。駆動シャフト218aは、駆動シャフト218aの長手方向動きが所定の点を越えないよう防止し、ひいては継手部材232及びエンドエフェクタ300の回転が所望の停止点を超ないよう防止する停止部材として作用するスラストプレート218bを含む。実施形態では、継手部材232は、関節運動軸「B-B」の周りを、第2の長手方向軸「C-C」が第1の長手方向軸「A-A」と実質的に整列する第1の整列位置からいずれの方向にも約150°として約300°まで回転してもよい。さらなる実施形態では、継手部材232は、関節運動軸「B-B」の周りを、第1の整列位置からいずれの方向にも約90°として約180°まで回転してもよい。
【0084】
歯車要素570及び572の間の歯車関係により、アダプタアセンブリ200に対するエンドエフェクタ300の正確な枢動が可能となる。加えて、歯車要素570及び572は、ウォームギア/ウォームホイール駆動関係による歯車減速を提供し、それにより、アダプタアセンブリ200の近位端における追加の歯車減速機構の必要性を回避する。
【0085】
図28~
図30を参照すると、長手方向並進駆動シャフト1218aを含む、本開示に従って提供される関節運動アセンブリ1230の別の実施形態が示されている。関節運動アセンブリ1230は、関節運動アセンブリ230と実質的に同様であり、関節運動アセンブリ230の構成要素のほとんどを含み、それらは繰り返しを避けるために以下では説明しない。駆動シャフト1218aは本体部分210内に動作可能に配置される。駆動シャフト1218aは、枢動歯車要素572と係合する第1の歯車要素1570を含む。実施形態では、歯車要素1570は、
図30に最もよく示されているように、ラックアンドピニオン関係で枢動歯車要素572と係合する鋸歯状ラックとして構成されてもよい。
【0086】
図31~
図33を参照すると、継手部材232の関節運動軸「B-B」(
図28)周りの関節運動は、長手方向軸「A-A」(
図10)に平行な、その長手方向軸に沿った駆動シャフト1218aの長手方向並進によって与えられる。駆動シャフト1218aの長手方向の動きは、ひいては第1の歯車要素1570を介して枢動歯車要素572を回転させる。駆動シャフト1218aの長手方向並進は、駆動シャフト218aに関して上述した駆動機構を介して達成されてもよい。第1歯車要素1570は、第1歯車要素1570の一部が駆動シャフト1218aの近位端に隣接するように、駆動シャフト1218aに沿って延在してもよい。枢動歯車要素572はピン505にしっかりと結合されているので、枢動歯車要素572の回転は、ピン505と、上述のようにそれにまたしっかりと連結された継手部材232とを回転させる。
【0087】
駆動シャフト1218aは、駆動シャフト1218aの長手方向並進が所定の限界(例えば、近位限界1219aまたは遠位限界1219b)を超えないよう防止する、ひいては継手部材232及びエンドエフェクタ300の回転が所望の点を越えないよう防止する停止部材として作用するスラストプレート1218bも含む。実施形態では、継手部材232は、関節運動軸「B-B」の周りを、第2の長手方向軸「C-C」(
図28)が第1の長手方向軸「A-A」(
図10)と実質的に整列する第1の整列位置からいずれかの方向にも第1及び第2の枢動位置まで枢動してもよい。第1及び第2の枢動位置は、第1の整列位置からいずれの方向にも約150°の枢動として約300°までとしてよい。さらなる実施形態では、継手部材232は、関節運動軸「B-B」の周りを、第1の整列位置からいずれの方向にも約90°の枢動として約180°まで枢動してもよい。
【0088】
歯車要素1570及び572の間の歯車関係により、アダプタアセンブリ200に対するエンドエフェクタ300の正確な枢動が可能となる。加えて、歯車要素1570及び572の相互作用は、関節運動ネックアセンブリ1230に装着されたエンドエフェクタに枢軸周りでかかる外力が、完全停止に達する(すなわち、スラストプレート1218bが近位または遠位限界1219a、1219bに達する)までモータを逆駆動することを容認する逆駆動機構を提供してもよい。完全停止は、エンドエフェクタ300の第1または第2の回転位置に対応してもよい。逆駆動機構は、モータにかかる力を逆駆動機構によって低減するように構成された力乗数を含んでもよい。力乗数は約1から約40でよく、実施形態では約5から約20でよい。
【0089】
上述の例では、手持ち型器具ハンドルは、取外し可能かつ交換可能及び/または充電式の電池と、モータならびにコンピュータ及びメモリ構成要素とを収容していた。取外し可能かつ交換可能なアダプタアセンブリは、1つ以上のエンドエフェクタ構成に対応し、エンドエフェクタは取外し可能かつ交換可能である。例えば、アダプタは、吸引及び潅注、可視化といった様々な他の特徴部を伴うまたは伴わない、様々なサイズの円形ステープリングリロードエンドエフェクタと共に使用されるように構成される。その他のアダプタが、様々なサイズ、構成で登場し、切開先端及び/またはプレロードされた外科用バットレス材料といった他の特徴部を有する場合もある外科用リニアステープリングリロードと共に使用するために入手可能である。上述の例では、ハンドルは、使い捨てであってもよいし、単一処置用でもよいし、または滅菌可能で所定数の処置用に再使用されてもよい。
【0090】
図34に示す別の例では、外科用ステープリングハンドル2010は、取外し可能かつ再使用可能なモータ及び電池(図示せず)を含み、ハンドルハウジング2012自体が開閉してそれらの構成要素を受容する。これは、ハンドルハウジング内に密閉状態で収容され得るモータの有効寿命を延ばし、モータ、電池等を滅菌する必要性を回避する。ハンドルハウジング2012は、図示のように貝殻のように開くことができ、再滅菌可能である。ハンドルハウジングは、一連のボタン2014を担持し、関節運動、組織の挟持、組織のステープリング、及び組織の切断を作動するための制御を行う。これらのボタン、ならびに様々なインジケータ(ライト、画面など)は、上で議論されたものまたはそれに類似するものであり得る。コントローラは、望ましくは、器具の使用に関する情報を記録し、エンドエフェクタリロード、アダプタ、ステープルカートリッジアセンブリなどの他の構成要素に設けられたセンサと相互作用することができるマイクロプロセッサ及びメモリ構成要素を含む。
【0091】
アダプタアセンブリ2016は、上述のように取外し可能であり得るか、またはハンドルに永久的に装着され得ると考えられる。アダプタアセンブリは、関節運動、ジョーの開閉など、エンドエフェクタ(
図34A)を操作するための機械構成要素を有する駆動機構を含む。
図35に示すように、アダプタアセンブリ2016は、ノブ2020を備えた近位端部2018と、外科用ステープリングエンドエフェクタリロード3010に装着され得る遠位端2022とを有する。近位端2018は、アダプタアセンブリ2016の近位端2018でアクセス可能な近位端2028を備えた送りねじ2026を有する。内管2030は、送りねじ2026の回転が近位方向または遠位方向に内管2030を並進させるように螺旋形ねじ山も有する送りねじと螺合により係合する(すなわち、螺旋溝を有する)。ノブ2020に取付けられるように、送りねじの近位端にスラスト軸受2032(
図36)がある。プッシャ2034は、送りねじの遠位端2026aに装着され、ピン、ねじなどを介してバー2036に接続される。内管2030、スラスト軸受2032、及びプッシャ2034は、
図39A及び39Bにも見ることができる
【0092】
アダプタアセンブリは、関節運動する細長いシャフトの内部に駆動機構を有する。
図37に示すように、アダプタアセンブリ2016の遠位端2022は、バー2036の両側にそれぞれ1つずつ一対のバーガイド2038を有し、バーガイドに隣接して、バーガイドに隣り合うがそれらより遠位に一対の吹出しプレート2046がある。バー自体は、互いに積み重ねられた複数の層、すなわちステンレス鋼または同等の材料で作られている。バーの遠位端2040において、ビームがバーに装着されている。図示されたビームは上方フランジ2042aを有するI形ビーム2042であり、下方フランジ2042bが装着されている。バーは、バー及び吹出しプレート2046を包囲するように開口2046を有する支持ブロック2044によってさらに支持される。支持ブロックは湾曲した形状であり、支持ブロックの凸側が近位に面しており、ステンレス鋼のような強靭な材料で作られている。
図37に見られるように、吹出しプレートは各々、取付け部材2050のスロットに受容されるためのフランジ2048を形成する遠位端2046aを有する。取付け部材2050は、アダプタアセンブリ2016の遠位端を形成し、エンドエフェクタリロードに装着され得る。取付け部材2050は、支持ブロック2044を受容かつ支持するため、及びエンドエフェクタリロードがアダプタに対して関節運動して枢動するときに(
図38を参照)アセンブリ(バー、吹出しプレート、支持ブロック)がアダプタアセンブリに対して中心外に動くように支持ブロック2044が動けるための弓形スロットも有する。そのような動きにおいて、バーガイド2038も同様に動かされる。(
図39参照)。バー、一対のバーガイド、一対の吹出しプレート、及び支持ブロックは、アダプタアセンブリ内の中心位置からアダプタアセンブリ内の中心外位置に枢動可能である。
【0093】
デバイスが関節運動すると、バーガイドの遠位端部は、中心外に枢動し、吹出しプレート及びバーを形成する複数の層を支持する。ガイドが中心外に枢動すると、バーが駆動される半径が大きくなり、バー及びバーを構成する層にかかる応力が低減される。バーガイドは別個の部材であるが、一緒に枢動する。反対方向に関節運動するとき、アセンブリは同様に動作する。
【0094】
I形ビーム2042及びバー2036は内管2030によって遠位方向に動かされ、エンドエフェクタジョー部材を組織上に閉じさせ、ステープルを発射して組織を切断する。(
図39A及び39B)。エンドエフェクタリロード3010は、アンビルアセンブリ3012と、カートリッジアセンブリ3014と、カートリッジアセンブリを受容するためのチャネル3016とを有する。エンドエフェクタリロード3010全体をアダプタアセンブリ2016に装着し、使用後に取外して交換することができる。(
図46)。アンビルアセンブリ3012は機械加工及び/または合わせて溶接された1つ以上の部品であり得、アンビルプレート3012aに対して駆動されたときにステープルを閉じ形状に成形するような形状の凹部を有するアンビルプレート3012aを有する。ステープルカートリッジアセンブリ3014は、チャネル3016に装着され、未成形ステープルを収容し、それらをカートリッジアセンブリ3014から組織へ射出させるスロット(
図50にも見られる)を備えた上面を有する。
【0095】
アンビルアセンブリ3012、ステープルカートリッジアセンブリ3014、及びチャネル3016は、I形ビーム2042及びバー2036を通過させるスロットを有する。バー2036の層は、アンビルアセンブリ3012のスロットとチャネル3016のスロットの両方に延在するように寸法決めされる。ステープルカートリッジアセンブリ3014は、スレッド上に回転可能に支持されたナイフ3020を担持するスレッド3018を有する。ナイフは、組織を切断するための上向き位置に付勢することができ、もしくは組織にアクセスしない下向き位置に付勢することができ、及び/またはナイフ3020はI形ビーム2042の特徴部によって動かされ得る。
図40に示すように、I形ビームの特徴部は、ナイフ3020上の突起3024をカム運動させるためのスロット3022とすることができる。バー及びI形ビームが遠位側に動かされると、I形ビームのフランジ2042a及び2042bとアンビルアセンブリ及びチャネルとの係合により、組織に係合するためにアンビルアセンブリ、ステープルカートリッジアセンブリ、及びチャネルを接近させる。遠位側へのさらなる動きにおいて、I形ビーム2042はスレッド3018及びナイフ3020を遠位側に押す。(
図40及び
図40A)。スレッドは、ステープルカートリッジアセンブリ内のプッシャと相互作用して、ステープルをスロットから押し出す。他の例では、ナイフはI形ビーム2042上に直接形成することができる。
【0096】
アダプタアセンブリ2016の関節運動機構3030の近位端3030aを
図41に示す。近位端3034にねじ山を有する円筒形関節運動ナット3032。対応するねじ山を有する入力シャフト3036は、ナット3032のねじ山と噛合している。回転シャフト3036は、ねじの動作によってナット3032を回転させる。ナット3032の内部は中空であり、螺旋溝3038も有する。溝3038は、ナット3032の内側に配置されたねじ3042(
図42)の外側の溝3040と係合する。ナット3032が回転すると、ねじは遠位側または近位側に動いて関節運動リンク3044を動かす。このようにして、リンクの遠位側への動きは、エンドエフェクタを一方の方向に関節運動または枢動させ、リンク3044の近位側への動きは、エンドエフェクタを他方の方向に関節運動または枢動させる。
【0097】
アダプタアセンブリ2016の関節運動機構3030の遠位端3030bを
図43に示す。関節運動リンク3044は、ピンを介した短いリンク3048である第2のリンクへの接続で終わる。短いリンクは湾曲しており、中心外位置で取付け部材2050にピン留めされている。(
図44)。取付け部材2050は、ピン3050aでアダプタアセンブリ2016に接続され、取付け部材2050は、リンク3044、3048が動かされたときにピン3050の周りを枢動する。(
図44及び
図45参照)。
【0098】
アダプタアセンブリ2016の近位端2018のノブ2020は、それ自身の長手方向軸「A」の周りでアダプタアセンブリ全体を回転させるための機構を収容する。回転入力シャフト3052は、リングギア3055に噛合している歯車3054を回転させる。入力シャフトが回転すると、ノブ2020、外管2021、及びそれに装着されたものすべてが回転する。(
図45A)。
【0099】
図46は、エンドエフェクタリロード3010のアダプタアセンブリへの装着を示す。アンビルアセンブリ3012は、組織停止部3060を形成する半円筒形近位端3012aを有する。組織停止部3060は、リロード3010の各側に1つずつ、壁を形成する。各組織停止部3060の内面には、ロッキングタブ3062が画定されている。ロッキングタブは各々、取付け部材の接続特徴部に受容される延長部3062aを有する。取付け部材の接続特徴部は、取付け部材2050内に画定された一対のキー溝2051である。(
図46、
図47、
図48)。キー溝は各々、アダプタアセンブリ上にリロードをロックするための延長部3062aを受容するスロットを形成する。キー溝スロットは上方に開いており、エンドエフェクタリロードは、リロードの下方への動きによってアダプタアセンブリ上にロックされる。(
図47及び
図48)。ばねフィンガ2051aがロッキングタブ延長部に係合する。(
図48A)。
【0100】
上述の例は、エンドエフェクタリロード3010において取外し及び交換されることが意図されていないステープルカートリッジアセンブリを有する。さらなる例では、アダプタアセンブリ2016及びエンドエフェクタリロード3010は、エンドエフェクタリロードが取外し可能かつ交換可能なステープルカートリッジアセンブリを有することを除いて、上述した通りである。
図49及び
図50に示すように、ステープルカートリッジアセンブリ3014”は、ステープルカートリッジ本体4015のに後方向き開口3014a”と支持トレイの対応開口3018a”とによって形成されるスナップ嵌め構成を近位端に有する。これらの開口は、スナップ嵌め関係でチャネル3016”内のボス3016a”と係合する。このようにして、エンドエフェクタリロード、アダプタアセンブリ、及びステープラハンドルは、エンドエフェクタリロードを交換することなく再使用して別のステープルセットを発射することができる。ステープル線の長さは、エンドエフェクタリロードの選択に依存するので、組織内に形成されるステープル線の長さを変更するためには、その構成要素は交換せねばならない。しかし、ステープルのサイズ及びステープルの構成(複数のステープルサイズまたはすべて同じサイズのステープル)は、プレロードされたバットレスまたは湾曲した先端またはその他の特徴部があるかどうかにかかわらず、ステープルカートリッジアセンブリ3014”の選択を変更することによって変更することができる。取外し可能かつ交換可能なステープルカートリッジアセンブリを有する器具における手動作動ステープラハンドルが米国特許第9,016,539号に開示されており、その全開示が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0101】
アダプタアセンブリにおける関節運動機構のさらなる代替例では、
図51は、アダプタアセンブリ8016の遠位部分にねじ山付き係合部を有する関節運動機構を示す。関節運動機構は上述した通りであり、ピン8046によって互いに連結された関節運動リンク8044と短いリンク8048とを有する。駆動シャフト8049は、アダプタアセンブリ8016の遠位端まで延在し、その遠位端に一連のねじ山8050を形成する。ねじ山8050は、関節運動リンク上のねじ山と係合し、駆動シャフト8049が回転するときに関節運動リンク8044を並進させるために使用される。
【0102】
本明細書で開示された実施形態に様々な修正がされてもよいことが理解されるであろう。例えば、外科用器具100及び/またはエンドエフェクタ300は、ステープルを適用する必要はなく、当技術分野で知られているように、2部構成留め具を適用してもよい。さらに、ステープルまたは留め具の線形列の長さは、特定の外科処置の要件を満たすように変更されてもよい。したがって、ステープルカートリッジアセンブリ内のステープル及び/または留め具の線形列の長さはそれに応じて変更されてもよい。そのために、上述の説明は、限定するものではなく、単に好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲及び趣旨内での他の修正を想定するであろう。