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特許7311345データベース生成方法、データベース生成装置、データベース生成プログラム、データ解析方法、データ解析装置及びデータ解析プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】データベース生成方法、データベース生成装置、データベース生成プログラム、データ解析方法、データ解析装置及びデータ解析プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230711BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20230711BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALN20230711BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALN20230711BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/13
G08G1/00 Z
G06Q30/0251
G06Q50/10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019137962
(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公開番号】P2021022132
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】田崎 信昭
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-081054(JP,A)
【文献】特開2015-076079(JP,A)
【文献】特開2006-053132(JP,A)
【文献】特開2011-038943(JP,A)
【文献】国際公開第2018/012506(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
G08G 1/13
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースを生成するデータベース生成装置におけるデータベース生成方法であって、
出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得し、
移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得し、
前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成
前記所定の場所は、前記モビリティが前記目的地に到着する前に立ち寄った停止場所を含み、
前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったか否かを判断し、前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったと判断した場合、前記モビリティが停止している前記停止場所を識別するための停止場所識別情報と、前記停止場所に停止した日時と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成し、
前記ユーザによって入力された前記出発地と前記目的地とを含む予約情報を取得し、
前記出発地から前記目的地までの移動ルートを予測し、
前記移動ルートの近傍に存在する前記停止場所を前記データベースから抽出し、
抽出した前記停止場所を宣伝する広告を配信しなかった場合に前記停止場所で停止した第1確率と、前記広告を配信した場合に前記停止場所で停止した第2確率とを算出し、
前記第1確率と前記第2確率との差分値を算出し、
前記差分値に基づいて前記広告を送信する、
データベース生成方法。
【請求項2】
前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったか否かの判断は、前記位置情報に基づいて前記モビリティが所定の時間以上停止しているか否かで判断する、
請求項に記載のデータベース生成方法。
【請求項3】
前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったか否かの判断は、前記モビリティが前記目的地に到着する前に、前記モビリティが施錠されたか否かで判断する、
請求項に記載のデータベース生成方法。
【請求項4】
前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったか否かの判断は、前記モビリティが前記目的地に到着する前に、前記モビリティの電源オフ操作又はエンジン停止操作が実行されたか否かで判断する、
請求項に記載のデータベース生成方法。
【請求項5】
前記停止場所識別情報は、地図情報を分割した複数の領域のうち、前記停止場所を含む領域を識別するための領域識別情報を含む、
請求項のいずれか1項に記載のデータベース生成方法。
【請求項6】
前記停止場所は、複数の停止場所を含み、
前記複数の停止場所のうち、前記差分値が最も高い前記停止場所の前記広告を送信する、
請求項記載のデータベース生成方法。
【請求項7】
出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得するユーザ属性情報取得部と、
移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成する生成部と、
を備え
前記所定の場所は、前記モビリティが前記目的地に到着する前に立ち寄った停止場所を含み、
前記生成部は、前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったか否かを判断し、前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったと判断した場合、前記モビリティが停止している前記停止場所を識別するための停止場所識別情報と、前記停止場所に停止した日時と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成し、
前記ユーザによって入力された前記出発地と前記目的地とを含む予約情報を取得する予約情報取得部と、
前記出発地から前記目的地までの移動ルートを予測する予測部と、
前記移動ルートの近傍に存在する前記停止場所を前記データベースから抽出する抽出部と、
抽出した前記停止場所を宣伝する広告を配信しなかった場合に前記停止場所で停止した第1確率と、前記広告を配信した場合に前記停止場所で停止した第2確率とを算出する確率算出部と、
前記第1確率と前記第2確率との差分値を算出する差分値算出部と、
前記差分値に基づいて前記広告を送信する送信部と、
をさらに備えるデータベース生成装置。
【請求項8】
出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得し、
移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得し、
前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成するようにコンピュータを機能させ
前記所定の場所は、前記モビリティが前記目的地に到着する前に立ち寄った停止場所を含み、
前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったか否かを判断し、前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったと判断した場合、前記モビリティが停止している前記停止場所を識別するための停止場所識別情報と、前記停止場所に停止した日時と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成し、
前記ユーザによって入力された前記出発地と前記目的地とを含む予約情報を取得し、
前記出発地から前記目的地までの移動ルートを予測し、
前記移動ルートの近傍に存在する前記停止場所を前記データベースから抽出し、
抽出した前記停止場所を宣伝する広告を配信しなかった場合に前記停止場所で停止した第1確率と、前記広告を配信した場合に前記停止場所で停止した第2確率とを算出し、
前記第1確率と前記第2確率との差分値を算出し、
前記差分値に基づいて前記広告を送信するようにさらに前記コンピュータを機能させる、
データベース生成プログラム。
【請求項9】
出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得し、移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成するデータベース生成方法によって生成された前記データベースから抽出条件を満たす前記所定の場所を抽出するデータ解析装置におけるデータ解析方法であって、
前記抽出条件を取得し、
前記抽出条件を満たす前記所定の場所を前記データベースから抽出し、
抽出した前記所定の場所を含む解析結果情報を出力
前記所定の場所は、前記モビリティが通過した道路を含み、
前記データベースは、前記道路を識別するための道路識別情報と、前記道路を通過した日時と、前記ユーザ属性情報と、前記モビリティの種類とを対応付けており、
前記抽出条件は、前記ユーザ属性情報に含まれる職業、年齢及び性別が全ての種類の職業、全ての種類の年齢及び全ての種類の性別であること、前記道路を通過した日時が特定の期間内であること、及び前記モビリティの種類が特定の種類であることを含み、
前記抽出条件を満たす複数の道路を前記データベースから抽出し、
抽出した前記複数の道路毎に数を集計し、集計した数が最も多い道路から順に所定の数の前記道路を含む前記解析結果情報を出力する、
データ解析方法。
【請求項10】
出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得し、移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成するデータベース生成方法によって生成された前記データベースから抽出条件を満たす前記所定の場所を抽出するデータ解析装置におけるデータ解析方法であって、
前記抽出条件を取得し、
前記抽出条件を満たす前記所定の場所を前記データベースから抽出し、
抽出した前記所定の場所を含む解析結果情報を出力し、
前記所定の場所は、前記モビリティが所定の時間以上停止した停止場所を含み、
前記データベースは、前記停止場所を識別するための停止場所識別情報と、前記停止場所に停止した日時と、前記ユーザ属性情報と、前記モビリティの種類とを対応付けており、
前記抽出条件は、前記ユーザ属性情報に含まれる職業が特定の職業であること、前記停止場所に停止した日時が特定の時間帯であること、及び前記モビリティの種類が特定の種類であることを含み、
前記抽出条件を満たす複数の停止場所を前記データベースから抽出し、
抽出した前記複数の停止場所毎に数を集計し、集計した数が最も多い停止場所から順に所定の数の前記停止場所を含む前記解析結果情報を出力する、
ータ解析方法。
【請求項11】
出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得し、移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成するデータベース生成方法によって生成された前記データベースから抽出条件を満たす前記所定の場所を抽出するデータ解析装置であって、
前記抽出条件を取得する抽出条件取得部と、
前記抽出条件を満たす前記所定の場所を前記データベースから抽出する抽出部と、
抽出した前記所定の場所を含む解析結果情報を出力する出力部と、
を備え
前記所定の場所は、前記モビリティが通過した道路を含み、
前記データベースは、前記道路を識別するための道路識別情報と、前記道路を通過した日時と、前記ユーザ属性情報と、前記モビリティの種類とを対応付けており、
前記抽出条件は、前記ユーザ属性情報に含まれる職業、年齢及び性別が全ての種類の職業、全ての種類の年齢及び全ての種類の性別であること、前記道路を通過した日時が特定の期間内であること、及び前記モビリティの種類が特定の種類であることを含み、
前記抽出部は、前記抽出条件を満たす複数の道路を前記データベースから抽出し、
前記出力部は、抽出した前記複数の道路毎に数を集計し、集計した数が最も多い道路から順に所定の数の前記道路を含む前記解析結果情報を出力する、
データ解析装置。
【請求項12】
出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得し、移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成するデータベース生成方法によって生成された前記データベースから抽出条件を満たす前記所定の場所を抽出するデータ解析プログラムであって、
前記抽出条件を取得し、
前記抽出条件を満たす前記所定の場所を前記データベースから抽出し、
抽出した前記所定の場所を含む解析結果情報を出力するようにコンピュータを機能させ
前記所定の場所は、前記モビリティが通過した道路を含み、
前記データベースは、前記道路を識別するための道路識別情報と、前記道路を通過した日時と、前記ユーザ属性情報と、前記モビリティの種類とを対応付けており、
前記抽出条件は、前記ユーザ属性情報に含まれる職業、年齢及び性別が全ての種類の職業、全ての種類の年齢及び全ての種類の性別であること、前記道路を通過した日時が特定の期間内であること、及び前記モビリティの種類が特定の種類であることを含み、
前記抽出条件を満たす複数の道路を前記データベースから抽出し、
抽出した前記複数の道路毎に数を集計し、集計した数が最も多い道路から順に所定の数の前記道路を含む前記解析結果情報を出力するようにさらに前記コンピュータを機能させる、
データ解析プログラム。
【請求項13】
出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得し、移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成するデータベース生成方法によって生成された前記データベースから抽出条件を満たす前記所定の場所を抽出するデータ解析装置であって、
前記抽出条件を取得する抽出条件取得部と、
前記抽出条件を満たす前記所定の場所を前記データベースから抽出する抽出部と、
抽出した前記所定の場所を含む解析結果情報を出力する出力部と、
を備え、
前記所定の場所は、前記モビリティが所定の時間以上停止した停止場所を含み、
前記データベースは、前記停止場所を識別するための停止場所識別情報と、前記停止場所に停止した日時と、前記ユーザ属性情報と、前記モビリティの種類とを対応付けており、
前記抽出条件は、前記ユーザ属性情報に含まれる職業が特定の職業であること、前記停止場所に停止した日時が特定の時間帯であること、及び前記モビリティの種類が特定の種類であることを含み、
前記抽出部は、前記抽出条件を満たす複数の停止場所を前記データベースから抽出し、
前記出力部は、抽出した前記複数の停止場所毎に数を集計し、集計した数が最も多い停止場所から順に所定の数の前記停止場所を含む前記解析結果情報を出力する、
データ解析装置。
【請求項14】
出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得し、移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成するデータベース生成方法によって生成された前記データベースから抽出条件を満たす前記所定の場所を抽出するデータ解析プログラムであって、
前記抽出条件を取得し、
前記抽出条件を満たす前記所定の場所を前記データベースから抽出し、
抽出した前記所定の場所を含む解析結果情報を出力するようにコンピュータを機能させ、
前記所定の場所は、前記モビリティが所定の時間以上停止した停止場所を含み、
前記データベースは、前記停止場所を識別するための停止場所識別情報と、前記停止場所に停止した日時と、前記ユーザ属性情報と、前記モビリティの種類とを対応付けており、
前記抽出条件は、前記ユーザ属性情報に含まれる職業が特定の職業であること、前記停止場所に停止した日時が特定の時間帯であること、及び前記モビリティの種類が特定の種類であることを含み、
前記抽出条件を満たす複数の停止場所を前記データベースから抽出し、
抽出した前記複数の停止場所毎に数を集計し、集計した数が最も多い停止場所から順に所定の数の前記停止場所を含む前記解析結果情報を出力するようにさらに前記コンピュータを機能させる、
データ解析プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データベースを生成する技術及びデータベースから抽出条件を満たす所定のデータを抽出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動運転システム及びMaaS(Mobility as a service)の発展に伴い、より詳細で精度の高いモビリティの利用状況の収集が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1におけるモバイルネットワーク中の移動挙動を推定する方法は、ユーザ機器の位置を示すイベントデータを受信し、受信したイベントデータを前処理して前処理済みデータを生成し、人口のうちの1人又は複数の個人の前処理済みデータに対して直線補間(straight line interpolation)を実施して、1人又は複数の個人それぞれの第1の位置から第2の位置までの軌跡の中間位置を推定し、所与の時間及び所与のエリアにおける人口のうちの個人の人数をカウントする。
【0004】
また、例えば、特許文献2における車両運行システムは、利用実績情報に基づいて、需要の多い時間帯である集中需要時間帯と、車両利用の需要の多い停留所区間である集中需要区間との組み合わせに対する集中需要を抽出し、抽出結果に基づいて集中需要に対応する集中需要対応運行計画を作成し、乗降地点、乗車人数及び乗車希望時刻を含む乗合車両の新たな利用要求情報に対応して、集中需要対応運行計画をそのまま取り込みつつ、現在の運行計画を更新し、最適化された新たな運行計画を作成し、新たな運行計画に基づいて、車両ごとに運行時刻順に乗降地点を抽出し、該当する車両の車載装置へ送信する。
【0005】
また、例えば、特許文献3におけるサービス提供サーバは、車両のプローブ情報を取得して記憶装置に蓄積し、蓄積されているプローブ情報に基づいて、車両の走行計画に含まれる連続する2つの停車地点間の交通情報を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-142916号公報
【文献】特開2009-301078号公報
【文献】特開2019-20928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の技術では、出発地から目的地まで任意の経路を移動可能なモビリティの利用状況をより詳細かつ高い精度で収集することが困難であり、更なる改善が必要とされていた。
【0008】
本開示は、上記の問題を解決するためになされたもので、出発地から目的地まで任意の経路を移動可能なモビリティの利用状況をより詳細かつ高い精度で収集することができる技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係るデータベース生成方法は、データベースを生成するデータベース生成装置におけるデータベース生成方法であって、出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得し、移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、出発地から目的地まで任意の経路を移動可能なモビリティの利用状況をより詳細かつ高い精度で収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施の形態におけるモビリティ管理システムの全体構成を示す図である。
図2】本開示の実施の形態におけるモビリティの構成の一例を示す図である。
図3】本開示の実施の形態における端末装置の構成の一例を示す図である。
図4】本実施の形態におけるモビリティの移動経路について説明するための模式図である。
図5】本開示の実施の形態におけるサーバ装置の構成の一例を示す図である。
図6】、本実施の形態において、ユーザ属性情報記憶部に記憶されるユーザ属性情報の一例を示す図である。
図7】本実施の形態において、予約情報記憶部に記憶される予約情報の一例を示す図である。
図8】本実施の形態におけるリンクIDデータベースの一例を示す図である。
図9】本実施の形態におけるリンク情報の一例を示す図である。
図10】本実施の形態において、地図情報を複数のエリアに分割したエリア群について説明するための図である。
図11】本実施の形態において、地図情報を矩形状の複数のエリアに分割した第1エリア群及び第2エリア群について説明するための図である。
図12】本実施の形態において、地図情報を円形状の複数のエリアに分割した第1エリア群及び第2エリア群について説明するための図である。
図13】本実施の形態におけるエリアIDデータベースの一例を示す図である。
図14】本実施の形態におけるエリア情報の一例を示す図である。
図15】本開示の実施の形態におけるサーバ装置のデータベース生成動作について説明するための第1のフローチャートである。
図16】本開示の実施の形態におけるサーバ装置のデータベース生成動作について説明するための第2のフローチャートである。
図17】本実施の形態において、抽出したエリアIDのエリア内の立ち寄り地を宣伝する広告を配信しなかった場合に当該エリアで停止した第1確率の一例を示す図である。
図18】本実施の形態において、抽出したエリアIDのエリア内の立ち寄り地を宣伝する広告を配信した場合に当該エリアで停止した第2確率の一例を示す図である。
図19】本実施の形態において、第1確率と第2確率との差分値の一例を示す図である。
図20】本開示の実施の形態におけるサーバ装置のデータ解析動作について説明するためのフローチャートである。
図21】本実施の形態において、所定の抽出条件に基づいて抽出された目的地を順位付けて並べた解析結果の一例を示す図である。
図22】本実施の形態において、所定の抽出条件に基づいて抽出されたリンク通過量を順位付けて並べた解析結果の一例を示す図である。
図23】本実施の形態において、所定の抽出条件に基づいて抽出された立ち寄り地を順位付けて並べた解析結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の基礎となった知見)
特許文献1の方法では、モビリティの位置ではなく、ユーザ機器の位置を示すイベントデータを受信している。そのため、ユーザが公共交通機関を利用した場合、公共交通機関は予め決められた経路を移動するので、ユーザは出発地から目的地まで任意の経路を移動することができず、モビリティの利用状況を収集することが困難である。
【0013】
また、特許文献2の車両運行システムは、バスなどの公共交通機関の運行計画を作成している。公共交通機関は、予め決められた乗降地点を経由する必要があり、ユーザは出発地から目的地まで任意の経路を移動することができず、モビリティの利用状況を高い精度で収集することが困難である。
【0014】
また、特許文献3のサービス提供サーバは、車両のプローブ情報に基づいて、車両の走行計画に含まれる連続する2つの停車地点間の交通情報を生成している。しかしながら、交通情報は、連続する2つの停車地点間の移動所要時間であり、モビリティの利用状況を高い精度で収集することが困難である。
【0015】
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係るデータベース生成方法は、データベースを生成するデータベース生成装置におけるデータベース生成方法であって、出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得し、移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成する。
【0016】
この構成によれば、出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティの位置を示す位置情報に基づいて特定される、モビリティの出発地と目的地との間に存在する所定の場所と、モビリティに乗車するユーザの属性を示すユーザ属性情報とを対応付けたデータベースが生成される。したがって、出発地から目的地まで任意の経路を移動可能なモビリティの利用状況をより詳細かつ高い精度で収集することができる。
【0017】
また、上記のデータベース生成方法において、前記所定の場所は、前記モビリティが通過する道路を含み、前記位置情報に基づいて特定される前記道路を識別するための道路識別情報と、前記道路を通過した日時と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成してもよい。
【0018】
この構成によれば、位置情報に基づいて特定される道路を識別するための道路識別情報と、道路を通過した日時と、ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースが生成されるので、モビリティが通過する道路のユーザによる利用状況をより高い精度で収集することができる。
【0019】
また、上記のデータベース生成方法において、前記所定の場所は、前記モビリティが前記目的地に到着する前に立ち寄った停止場所を含み、前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったか否かを判断し、前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったと判断した場合、前記モビリティが停止している前記停止場所を識別するための停止場所識別情報と、前記停止場所に停止した日時と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成してもよい。
【0020】
この構成によれば、モビリティが目的地に到着する前に立ち寄った停止場所を識別するための停止場所識別情報と、停止場所に停止した日時と、ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースが生成されるので、モビリティすなわちユーザが立ち寄った場所をより高い精度で収集することができる。
【0021】
また、上記のデータベース生成方法において、前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったか否かの判断は、前記位置情報に基づいて前記モビリティが所定の時間以上停止しているか否かで判断してもよい。
【0022】
この構成によれば、モビリティが目的地に到着する前に所定の時間以上停止した場合、モビリティが目的地に到着する前に停止場所に立ち寄ったと判断することができるので、モビリティが所定の時間以上停止した場所をモビリティが立ち寄った停止場所として収集することができる。
【0023】
また、上記のデータベース生成方法において、前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったか否かの判断は、前記モビリティが前記目的地に到着する前に、前記モビリティが施錠されたか否かで判断してもよい。
【0024】
この構成によれば、モビリティが目的地に到着する前に、モビリティが施錠された場合、モビリティが目的地に到着する前に停止場所に立ち寄ったと判断することができるので、モビリティが施錠された場所をモビリティが立ち寄った停止場所として収集することができる。
【0025】
また、上記のデータベース生成方法において、前記モビリティが前記目的地に到着する前に前記停止場所に立ち寄ったか否かの判断は、前記モビリティが前記目的地に到着する前に、前記モビリティの電源オフ操作又はエンジン停止操作が実行されたか否かで判断してもよい。
【0026】
この構成によれば、モビリティが目的地に到着する前に、モビリティの電源オフ操作又はエンジン停止操作が実行された場合、モビリティが目的地に到着する前に停止場所に立ち寄ったと判断することができるので、モビリティの電源オフ操作又はエンジン停止操作が実行された場所をモビリティが立ち寄った停止場所として収集することができる。
【0027】
また、上記のデータベース生成方法において、前記停止場所識別情報は、地図情報を分割した複数の領域のうち、前記停止場所を含む領域を識別するための領域識別情報を含んでもよい。
【0028】
この構成によれば、モビリティが所定の時間以上停止した停止場所が、地図情報を分割した複数の領域単位で管理されるので、位置情報の精度が低い場合であっても、ユーザが立ち寄った場所を特定することができる。
【0029】
また、上記のデータベース生成方法において、さらに、前記ユーザによって入力された前記出発地と前記目的地とを含む予約情報を取得し、さらに、前記出発地から前記目的地までの移動ルートを予測し、さらに、前記移動ルートの近傍に存在する前記停止場所を前記データベースから抽出し、さらに、抽出した前記停止場所を宣伝する広告を配信しなかった場合に前記停止場所で停止した第1確率と、前記広告を配信した場合に前記停止場所で停止した第2確率とを算出し、さらに、前記第1確率と前記第2確率との差分値を算出し、さらに、前記差分値に基づいて前記広告を送信してもよい。
【0030】
この構成によれば、広告を配信しなかった場合に停止場所で停止した第1確率と、広告を配信した場合に停止場所で停止した第2確率との差分値は、広告を配信することによりどれだけ人が停止場所に立ち寄るようになるかを示している。そのため、より宣伝効果が高くなる停止場所の広告を送信することができる。
【0031】
また、上記のデータベース生成方法において、前記停止場所は、複数の停止場所を含み、前記複数の停止場所のうち、前記差分値が最も高い前記停止場所の前記広告を送信してもよい。
【0032】
この構成によれば、複数の停止場所のうち、差分値が最も高い停止場所の広告が送信されるので、最も宣伝効果が高くなる停止場所の広告を送信することができる。
【0033】
本開示の他の態様に係るデータベース生成装置は、出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得するユーザ属性情報取得部と、移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成する生成部と、を備える。
【0034】
この構成によれば、出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティの位置を示す位置情報に基づいて特定される、モビリティの出発地と目的地との間に存在する所定の場所と、モビリティに乗車するユーザの属性を示すユーザ属性情報とを対応付けたデータベースが生成される。したがって、出発地から目的地まで任意の経路を移動可能なモビリティの利用状況をより詳細かつ高い精度で収集することができる。
【0035】
本開示の他の態様に係るデータベース生成プログラムは、出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティに乗車する前記ユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得し、移動中の前記モビリティの位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて特定される、前記モビリティの前記出発地と前記目的地との間に存在する所定の場所と、前記ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成するようにコンピュータを機能させる。
【0036】
この構成によれば、出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティの位置を示す位置情報に基づいて特定される、モビリティの出発地と目的地との間に存在する所定の場所と、モビリティに乗車するユーザの属性を示すユーザ属性情報とを対応付けたデータベースが生成される。したがって、出発地から目的地まで任意の経路を移動可能なモビリティの利用状況をより詳細かつ高い精度で収集することができる。
【0037】
本開示の他の態様に係るデータ解析方法は、上記のデータベース生成方法によって生成された前記データベースから抽出条件を満たす前記所定の場所を抽出するデータ解析装置におけるデータ解析方法であって、前記抽出条件を取得し、前記抽出条件を満たす前記所定の場所を前記データベースから抽出し、抽出した前記所定の場所を含む解析結果情報を出力する。
【0038】
この構成によれば、モビリティの出発地と目的地との間に存在する所定の場所と、モビリティに乗車するユーザの属性を示すユーザ属性情報とを対応付けたデータベースから、抽出条件を満たす所定の場所が抽出され、抽出された所定の場所を含む解析結果情報が出力される。したがって、所望の抽出条件がオペレータによって入力されることにより、所望の抽出条件を満たす所定の場所が得られるので、データベースをデータ解析に利用することができる。
【0039】
また、上記のデータ解析方法において、前記所定の場所は、前記モビリティが通過した道路を含み、前記データベースは、前記道路を識別するための道路識別情報と、前記道路を通過した日時と、前記ユーザ属性情報と、前記モビリティの種類とを対応付けており、前記抽出条件は、前記ユーザ属性情報に含まれる職業、年齢及び性別が全ての種類の職業、全ての種類の年齢及び全ての種類の性別であること、前記道路を通過した日時が特定の期間内であること、及び前記モビリティの種類が特定の種類であることを含み、前記抽出条件を満たす複数の道路を前記データベースから抽出し、抽出した前記複数の道路毎に数を集計し、集計した数が最も多い道路から順に所定の数の前記道路を含む前記解析結果情報を出力してもよい。
【0040】
この構成によれば、抽出条件を満たす道路が特定され、特定された道路が通過数の多い順に出力されるので、例えば、バス停を設置する場合に利用者の多い道路を特定することができる。
【0041】
また、上記のデータ解析方法において、前記所定の場所は、前記モビリティが所定の時間以上停止した停止場所を含み、前記データベースは、前記停止場所を識別するための停止場所識別情報と、前記停止場所に停止した日時と、前記ユーザ属性情報と、前記モビリティの種類とを対応付けており、前記抽出条件は、前記ユーザ属性情報に含まれる職業が特定の職業であること、前記停止場所に停止した日時が特定の時間帯であること、及び前記モビリティの種類が特定の種類であることを含み、前記抽出条件を満たす複数の停止場所を前記データベースから抽出し、抽出した前記複数の停止場所毎に数を集計し、集計した数が最も多い停止場所から順に所定の数の前記停止場所を含む前記解析結果情報を出力してもよい。
【0042】
この構成によれば、抽出条件を満たす停止場所が特定され、特定された停止場所が多い順に出力されるので、例えば、特定の時間帯に特定の職業の人物が利用する場所を特定することができる。
【0043】
本開示の他の態様に係るデータ解析装置は、上記のデータベース生成方法によって生成された前記データベースから抽出条件を満たす前記所定の場所を抽出するデータ解析装置であって、前記抽出条件を取得する抽出条件取得部と、前記抽出条件を満たす前記所定の場所を前記データベースから抽出する抽出部と、抽出した前記所定の場所を含む解析結果情報を出力する出力部と、を備える。
【0044】
この構成によれば、モビリティの出発地と目的地との間に存在する所定の場所と、モビリティに乗車するユーザの属性を示すユーザ属性情報とを対応付けたデータベースから、抽出条件を満たす所定の場所が抽出され、抽出された所定の場所を含む解析結果情報が出力される。したがって、所望の抽出条件がオペレータによって入力されることにより、所望の抽出条件を満たす所定の場所が得られるので、データベースをデータ解析に利用することができる。
【0045】
本開示の他の態様に係るデータ解析プログラムは、上記のデータベース生成方法によって生成された前記データベースから抽出条件を満たす前記所定の場所を抽出するデータ解析プログラムであって、前記抽出条件を取得し、前記抽出条件を満たす前記所定の場所を前記データベースから抽出し、抽出した前記所定の場所を含む解析結果情報を出力するようにコンピュータを機能させる。
【0046】
この構成によれば、モビリティの出発地と目的地との間に存在する所定の場所と、モビリティに乗車するユーザの属性を示すユーザ属性情報とを対応付けたデータベースから、抽出条件を満たす所定の場所が抽出され、抽出された所定の場所を含む解析結果情報が出力される。したがって、所望の抽出条件がオペレータによって入力されることにより、所望の抽出条件を満たす所定の場所が得られるので、データベースをデータ解析に利用することができる。
【0047】
以下添付図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0048】
(実施の形態)
図1は、本開示の実施の形態におけるモビリティ管理システムの全体構成を示す図である。
【0049】
図1に示すモビリティ管理システムは、モビリティ1、端末装置2、サーバ装置3及び情報処理装置4を備える。
【0050】
モビリティ1は、例えば、電気自動車、電動バイク又は電動自転車であり、移動中は個人が占有して利用可能である。モビリティ1は、ユーザによって運転される。モビリティ1は、出発地から目的地までユーザの指示に従って移動する。モビリティ1は、任意の場所で貸し出され、任意の場所で返却される。モビリティ1は、任意の場所に立ち寄ることが可能である。モビリティ1は、サーバ装置3とネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク5は、例えばインターネットである。
【0051】
なお、モビリティ1は、電気自動車又は電動バイクに限定されず、内燃機関を備える自動車又はバイクであってもよい。また、モビリティ1は、ユーザが移動経路を任意に決定することができ、かつ任意の場所で乗降することが可能であれば、自動運転車両であってもよい。
【0052】
端末装置2は、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ又はパーソナルコンピュータであり、モビリティ1に乗車するユーザにより利用される。端末装置2は、モビリティ1の利用を予約するための予約情報のユーザによる入力を受け付ける。予約情報は、例えば、ユーザを識別するためのユーザID、出発地、目的地、予約開始日時、予約終了日時及びモビリティの種類を含む。端末装置2は、サーバ装置3とネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。
【0053】
モビリティ1は、予約開始日時までに出発地に届けられる。モビリティ1が電動バイク又は電動自転車である場合、例えば、トラックが、出発地にモビリティ1を運搬するとともに、目的地でモビリティ1を回収する。また、モビリティ1が電気自動車又は電動バイクである場合、運転手が、モビリティ1を運転し、予約開始日時までに出発地にモビリティ1を届けてもよい。さらに、モビリティ1は、自動運転により、予約開始日時までに出発地に移動してもよい。
【0054】
サーバ装置3は、例えば、Webサーバである。サーバ装置3は、データベース生成装置及びデータ解析装置の一例である。サーバ装置3は、モビリティ1、端末装置2及び情報処理装置4から種々の情報を受信するとともに、モビリティ1、端末装置2及び情報処理装置4へ種々の情報を送信する。サーバ装置3は、モビリティ1から受信した情報に基づいて、モビリティ1の利用状況を示すデータベースを生成する。また、サーバ装置3は、情報処理装置4から抽出条件を受信し、受信した抽出条件を満たすデータをデータベースから抽出し、抽出したデータを解析結果情報として情報処理装置4へ送信する。
【0055】
情報処理装置4は、例えば、パーソナルコンピュータである。情報処理装置4は、抽出条件をサーバ装置3へ送信し、解析結果情報をサーバ装置3から受信し、受信した解析結果情報を提示する。
【0056】
図2は、本開示の実施の形態におけるモビリティの構成の一例を示す図である。
【0057】
図2に示すモビリティ1は、入力部11、プロセッサ12、GPS(Global Positioning System)受信部13、通信部14、駆動部15及び電子錠16を備える。
【0058】
入力部11は、ユーザによるモビリティ1の運転操作を受け付ける。また、入力部11は、ユーザによるモビリティ1の解錠操作、施錠操作及び返却操作を受け付ける。例えば、入力部11は、テンキー、解錠ボタン、施錠ボタン及び返却ボタンを含む。テンキーは、モビリティ1を解錠するためのパスワードの入力を受け付ける。解錠ボタンは、パスワードの入力後にユーザによるモビリティ1の解錠操作を受け付ける。施錠ボタンは、ユーザによるモビリティ1の施錠操作を受け付ける。返却ボタンは、施錠後にユーザによるモビリティ1の返却操作を受け付ける。
【0059】
なお、モビリティ1の施錠操作及び解錠操作は、2次元バーコード又はICカードリーダ等によって行われてもよい。
【0060】
GPS受信部13は、モビリティ1の現在位置を取得する。現在位置は、緯度及び経度で表される。
【0061】
電子錠16は、電気的に施錠及び解錠する。
【0062】
プロセッサ12は、例えば、CPU(中央演算処理装置)であり、解錠部121、施錠部122、位置情報送信制御部123、運転制御部124及び返却部125を備える。
【0063】
解錠部121は、ユーザによりパスワードが入力されるとともに、解錠ボタンが押下されると、入力されたパスワード及びモビリティ1を識別するためのモビリティIDを、通信部14を介してサーバ装置3へ送信する。また、解錠部121は、通信部14によって解錠信号が受信された場合、モビリティ1の電子錠16を解錠する。
【0064】
施錠部122は、ユーザにより施錠ボタンが押下されると、モビリティ1の電子錠16を施錠する。
【0065】
位置情報送信制御部123は、GPS受信部13によって受信されたモビリティ1の位置を示す位置情報を、通信部14を介してサーバ装置3へ送信する。位置情報送信制御部123は、位置情報を定期的にサーバ装置3へ送信する。
【0066】
運転制御部124は、入力部11によるユーザの運転操作に応じて駆動部15を制御し、モビリティ1を移動させる。
【0067】
返却部125は、ユーザにより返却ボタンが押下されると、モビリティ1の運転を終了してモビリティ1を返却することを示す返却信号を、通信部14を介してサーバ装置3へ送信する。なお、返却信号が送信された後、新しいパスワードが発行されない限り、モビリティ1の電子錠16は、解錠されない。
【0068】
通信部14は、種々の情報をサーバ装置3へ送信するとともに、種々の情報をサーバ装置3から受信する。通信部14は、パスワード及びモビリティIDをサーバ装置3へ送信する。通信部14は、サーバ装置3によって送信された解錠信号を受信する。通信部14は、位置情報をサーバ装置3へ送信する。また、通信部14は、返却信号をサーバ装置3へ送信する。
【0069】
駆動部15は、例えば、走行モータ及びトランスミッションであり、運転制御部124による制御に従って、モビリティ1を移動させる。
【0070】
図3は、本開示の実施の形態における端末装置の構成の一例を示す図である。
【0071】
図3に示す端末装置2は、制御部21、入力部22、表示部23及び通信部24を備える。
【0072】
制御部21は、例えば、CPUであり、端末装置2全体を制御する。
【0073】
入力部22は、例えば、タッチパネルであり、ユーザによる種々の情報の入力を受け付ける。入力部22は、ユーザによるユーザ属性情報の入力を受け付ける。ユーザ属性情報は、ユーザを識別するためのユーザID、ユーザの名前、ユーザの性別、ユーザの年齢(生年月日)及びユーザの職業を含む。また、入力部22は、ユーザによる予約情報の入力を受け付ける。
【0074】
通信部24は、種々の情報をサーバ装置3へ送信するとともに、種々の情報をサーバ装置3から受信する。通信部24は、入力部22によって入力されたユーザ属性情報をサーバ装置3へ送信する。また、通信部24は、入力部22によって入力された予約情報をサーバ装置3へ送信する。また、通信部24は、サーバ装置3によって送信された広告情報を受信する。また、通信部24は、モビリティ1の電子錠16を解錠するためのパスワードをサーバ装置3から受信する。
【0075】
表示部23は、例えば、液晶表示装置であり、種々の情報を表示する。表示部23は、ユーザ属性情報の入力を受け付けるための表示画面を表示する。また、表示部23は、予約情報の入力を受け付けるための表示画面を表示する。また、表示部23は、通信部24によって受信された広告情報を表示する。また、表示部23は、通信部24によって受信されたパスワードを表示する。
【0076】
ここで、モビリティ1の移動経路について説明する。
【0077】
図4は、本実施の形態におけるモビリティの移動経路について説明するための模式図である。
【0078】
図4に示すようにモビリティ1は、出発地61から目的地62まで移動する。出発地61と目的地62との間には、モビリティ1が所定の時間以上停止する立ち寄り地63がある。また、交差点はノードとも呼ばれ、2つのノード間の道路はリンクとも呼ばれる。図4において、リンク81は、ノード71とノード72との間にあり、リンク82は、ノード72とノード73との間にあり、リンク83は、ノード73とノード74との間にあり、リンク84は、ノード74とノード75との間にある。出発地61はリンク81上にあり、目的地62はリンク84上にあり、立ち寄り地63はリンク82上にある。各リンクには、リンクを識別するためのリンクIDが付与されている。モビリティ1は、出発地61から目的地62まで移動する間に、リンク81,82,83,84を通過している。
【0079】
図5は、本開示の実施の形態におけるサーバ装置の構成の一例を示す図である。
【0080】
図5に示すサーバ装置3は、通信部31、メモリ32及びプロセッサ33を備える。
【0081】
通信部31は、端末装置2によって送信されたユーザ属性情報を受信する。通信部31は、受信したユーザ属性情報をユーザ属性情報記憶部321に記憶する。また、通信部31は、端末装置2によって送信された予約情報を受信する。通信部31は、受信した予約情報を予約情報記憶部322に記憶する。また、通信部31は、広告情報を端末装置2へ送信する。
【0082】
また、通信部31は、モビリティ1の電子錠16を解錠するためのパスワードを端末装置2へ送信する。通信部31は、モビリティ1によって送信されたパスワード及びモビリティIDを受信する。通信部31は、解錠信号をモビリティ1へ送信する。通信部31は、モビリティ1によって送信された返却信号を受信する。
【0083】
また、通信部31は、モビリティ1によって送信された位置情報を受信する。通信部31は、受信した位置情報を位置情報取得部332へ出力する。
【0084】
また、通信部31は、情報処理装置4によって送信された抽出条件を受信する。通信部31は、解析結果情報を情報処理装置4へ送信する。
【0085】
メモリ32は、例えば、半導体メモリ又はハードディスクドライブであり、ユーザ属性情報記憶部321、予約情報記憶部322、リンクIDデータベース323、エリアIDデータベース324、リンク情報記憶部325、エリア情報記憶部326及び地図情報記憶部327を備える。
【0086】
プロセッサ33は、例えば、CPUであり、ユーザ属性取得部331、位置情報取得部332、データベース生成部333、予約情報取得部334、移動ルート予測部335、立ち寄り地抽出部336、確率算出部337、差分値算出部338、広告情報生成部339、収集対象抽出部340、解析結果生成部341、パスワード発行部342、解錠制御部343及び返却制御部344を備える。
【0087】
ユーザ属性情報記憶部321は、ユーザ属性情報を記憶する。
【0088】
図6は、本実施の形態において、ユーザ属性情報記憶部に記憶されるユーザ属性情報の一例を示す図である。
【0089】
図6に示すように、ユーザ属性情報は、ユーザを識別するためのユーザIDと、ユーザの名前と、ユーザの性別と、ユーザの年齢と、ユーザの職業とを含む。なお、ユーザの年齢は、ユーザの生年月日であってもよい。ユーザ属性情報は、予めユーザによって登録される。
【0090】
予約情報記憶部322は、予約情報を記憶する。
【0091】
図7は、本実施の形態において、予約情報記憶部に記憶される予約情報の一例を示す図である。
【0092】
図7に示すように、予約情報は、予約を識別するための予約IDと、ユーザIDと、予約開始日時と、予約終了日時と、出発地と、目的地と、ユーザが予約したモビリティの種別を示すモビリティ種別と、モビリティを識別するためのモビリティIDと、予約時にユーザに提示した広告を識別するための広告IDと、モビリティ1の電子錠16を解錠するためのパスワードとを含む。モビリティ種別は、例えば、電動自転車、電動バイク及び電気自動車のいずれかを示す。通信部31は、端末装置2から予約情報を受信すると、受信した予約情報に予約IDを付与する。そして、通信部31は、予約IDが付与された予約情報を含むレコードを予約情報記憶部322のテーブルに追加する。出発地及び目的地は、エリアIDで表される。エリアIDについては、後述する。
【0093】
ユーザ属性取得部331は、出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティ1に乗車するユーザの属性を示すユーザ属性情報を取得する。
【0094】
位置情報取得部332は、移動中のモビリティ1の位置を示す位置情報を取得する。
【0095】
データベース生成部333は、位置情報に基づいて特定される、モビリティ1の出発地と目的地との間に存在する所定の場所と、ユーザ属性情報とを対応付けたデータベースを生成する。所定の場所は、モビリティ1が通過する道路を含む。また、所定の場所は、モビリティ1が目的地に到着する前に立ち寄った立ち寄り地(停止場所)を含む。
【0096】
データベース生成部333は、リンクIDデータベース生成部351及びエリアIDデータベース生成部352を備える。
【0097】
リンクIDデータベース生成部351は、位置情報に基づいて特定されるリンク(道路)を識別するためのリンクID(道路識別情報)と、リンク(道路)を通過した日時と、ユーザ属性情報とを対応付けたリンクIDデータベースを生成する。
【0098】
リンクIDデータベース323は、リンクIDデータベース生成部351によって生成されたリンクIDデータベースを記憶する。
【0099】
図8は、本実施の形態におけるリンクIDデータベースの一例を示す図である。
【0100】
図8に示すように、リンクIDデータベース323は、モビリティ1が通過したリンクを識別するためのリンクIDと、リンクIDで示されるリンクをモビリティ1が通過した日時を示す通過日時と、予約IDとを対応付けて記憶している。なお、図7に示すように予約IDにはユーザIDが対応付けられており、図6に示すようにユーザIDにはユーザ属性情報が対応付けられているため、リンクIDデータベース323は、リンクIDと、通過日時と、ユーザ属性情報とを対応付けて記憶している。
【0101】
リンクIDデータベース生成部351は、モビリティ1の位置情報に基づいて、モビリティ1が新たなリンクを通過したと判断した場合、新たに通過したリンクを示すリンクIDと、通過日時と、予約IDとを対応付けたレコードをリンクIDデータベース323に追加する。
【0102】
リンク情報記憶部325は、各リンクの地図上の位置を示すリンク情報を記憶する。
【0103】
図9は、本実施の形態におけるリンク情報の一例を示す図である。
【0104】
図9に示すように、リンク情報記憶部325は、リンクIDと、端点座標と、距離とを対応付けたリンク情報を記憶している。端点座標は、リンクの2つの端点である2つのノードの地図上の座標を表している。リンク情報が参照されることにより、リンクIDデータベース323のリンクIDに対応する地図上の位置が特定される。
【0105】
エリアIDデータベース生成部352は、モビリティ1が目的地に到着する前に立ち寄り地(停止場所)に立ち寄ったか否かを判断する。エリアIDデータベース生成部352は、モビリティ1が目的地に到着する前に立ち寄り地(停止場所)に立ち寄ったと判断した場合、モビリティ1が停止している立ち寄り地(停止場所)を識別するための停止場所識別情報と、立ち寄り地(停止場所)に停止した日時と、ユーザ属性情報とを対応付けたエリアIDデータベースを生成する。停止場所識別情報は、地図情報を分割した複数の領域のうち、立ち寄り地(停止場所)を含む領域を識別するためのエリアID(領域識別情報)を含む。
【0106】
なお、本実施の形態において、エリアIDデータベース生成部352は、位置情報に基づいてモビリティ1が所定の時間以上停止しているか否かを判断することにより、モビリティ1が目的地に到着する前に立ち寄り地(停止場所)に立ち寄ったか否かを判断する。エリアIDデータベース生成部352は、モビリティ1が所定の時間以上停止していると判断した場合、モビリティ1が停止している立ち寄り地(停止場所)を識別するための停止場所識別情報と、立ち寄り地(停止場所)に停止した日時と、ユーザ属性情報とを対応付けたエリアIDデータベースを生成する。
【0107】
なお、エリアIDデータベース生成部352は、モビリティ1が目的地に到着する前に、モビリティ1が施錠されたか否かを判断することにより、モビリティ1が目的地に到着する前に立ち寄り地(停止場所)に立ち寄ったか否かを判断してもよい。この場合、エリアIDデータベース生成部352は、モビリティ1が目的地に到着する前に、モビリティ1が施錠されたと判断した場合、モビリティ1が停止している立ち寄り地(停止場所)を識別するための停止場所識別情報と、立ち寄り地(停止場所)に停止した日時と、ユーザ属性情報とを対応付けたエリアIDデータベースを生成してもよい。
【0108】
また、エリアIDデータベース生成部352は、モビリティ1が目的地に到着する前に、モビリティ1の電源オフ操作又はエンジン停止操作が実行されたか否かを判断することにより、モビリティ1が目的地に到着する前に立ち寄り地(停止場所)に立ち寄ったか否かを判断してもよい。この場合、エリアIDデータベース生成部352は、モビリティ1が目的地に到着する前に、モビリティ1の電源オフ操作又はエンジン停止操作が実行されたと判断した場合、モビリティ1が停止している立ち寄り地(停止場所)を識別するための停止場所識別情報と、立ち寄り地(停止場所)に停止した日時と、ユーザ属性情報とを対応付けたエリアIDデータベースを生成してもよい。
【0109】
図10は、本実施の形態において、地図情報を複数のエリアに分割したエリア群について説明するための図である。
【0110】
図10に示すように、エリア群65は、地図情報を矩形状の複数のエリアに分割している。複数のエリアは、それぞれ同じ大きさである。各エリアの縦方向及び横方向の長さは、例えば、30メートルである。各エリアには、エリアを識別するためのエリアIDが付与されている。図10における“A[1,1]”及び“A[1,2]”等が、エリアIDである。エリアIDデータベース生成部352は、位置情報に基づいてモビリティ1が所定の時間以上停止している立ち寄り地(停止場所)を含むエリアのエリアIDを特定する。例えば、立ち寄り地63は、エリアIDが“A[2,2]”であるエリア内に存在している。
【0111】
なお、本実施の形態において、地図情報は、矩形状の複数のエリアに分割されているが、本開示は特にこれに限定されず、円形状の複数のエリアに分割されてもよい。
【0112】
また、エリアIDデータベース生成部352は、地図情報を矩形状の複数のエリアに分割した第1エリア群と、地図情報を矩形状の複数のエリアに分割するとともに、複数のエリアを第1エリア群とは異なる位置に配置した第2エリア群とを用いて、モビリティ1が所定の時間以上停止している立ち寄り地(停止場所)を含むエリアのエリアIDを特定してもよい。第1エリア群内の立ち寄り地が存在するエリアのエリアIDと、第2エリア群内の立ち寄り地が存在するエリアのエリアIDとが、エリアIDデータベース324に記憶される。
【0113】
図11は、本実施の形態において、地図情報を矩形状の複数のエリアに分割した第1エリア群及び第2エリア群について説明するための図である。
【0114】
図11に示すように、第1エリア群651は、地図情報を矩形状の複数のエリアに分割しており、第2エリア群652は、地図情報を矩形状の複数のエリアに分割しており、第1エリア群651に対して縦方向及び横方向にずれている。エリアIDデータベース生成部352は、第1エリア群651の中から、モビリティ1が所定の時間以上停止している立ち寄り地(停止場所)を含むエリアのエリアIDを特定するとともに、第2エリア群652の中から、モビリティ1が所定の時間以上停止している立ち寄り地(停止場所)を含むエリアのエリアIDを特定する。立ち寄り地が第1エリア群651内のエリアと第2エリア群652内のエリアとに重複して存在している場合、第1エリア群651内の立ち寄り地が存在するエリアのエリアIDと第2エリア群652内の立ち寄り地が存在するエリアのエリアIDとの両方が、エリアIDデータベース324に記憶される。
【0115】
このように、エリアIDデータベース生成部352は、エリアが互いにずれて配置された第1エリア群651と第2エリア群652とを用いて立ち寄り地が存在するエリアを特定することにより、エリアの端と中心とで立ち寄り地のカウント数が偏らないようにすることができる。
【0116】
図12は、本実施の形態において、地図情報を円形状の複数のエリアに分割した第1エリア群及び第2エリア群について説明するための図である。
【0117】
図12に示すように、第1エリア群653は、地図情報を円形状の複数のエリアに分割しており、第2エリア群654は、地図情報を円形状の複数のエリアに分割しており、第1エリア群653に対して縦方向及び横方向にずれている。エリアIDデータベース生成部352は、第1エリア群653の中から、モビリティ1が所定の時間以上停止している立ち寄り地(停止場所)を含むエリアのエリアIDを特定するとともに、第2エリア群654の中から、モビリティ1が所定の時間以上停止している立ち寄り地(停止場所)を含むエリアのエリアIDを特定する。立ち寄り地が第1エリア群653内のエリアと第2エリア群654内のエリアとに重複して存在している場合、第1エリア群653内の立ち寄り地が存在するエリアのエリアIDと第2エリア群654内の立ち寄り地が存在するエリアのエリアIDとの両方が、エリアIDデータベース324に記憶される。
【0118】
エリアIDデータベース324は、エリアIDデータベース生成部352によって生成されたエリアIDデータベースを記憶する。
【0119】
図13は、本実施の形態におけるエリアIDデータベースの一例を示す図である。
【0120】
図13に示すように、エリアIDデータベース324は、モビリティ1が立ち寄ったエリアを識別するためのエリアIDと、エリアIDで示されるエリアをモビリティ1が立ち寄った日時を示す立ち寄り日時と、予約IDとを対応付けて記憶している。なお、図7に示すように予約IDにはユーザIDが対応付けられており、図6に示すようにユーザIDにはユーザ属性情報が対応付けられているため、エリアIDデータベース324は、エリアIDと、立ち寄り日時と、ユーザ属性情報とを対応付けて記憶している。
【0121】
エリアIDデータベース生成部352は、モビリティ1の位置情報から、モビリティ1が所定の時間以上停止している場合、立ち寄り地を含むエリアのエリアIDと、立ち寄り日時と、予約IDとを対応付けたレコードをエリアIDデータベース324に追加する。
【0122】
エリア情報記憶部326は、各エリアの地図上の位置を示すエリア情報を記憶する。
【0123】
図14は、本実施の形態におけるエリア情報の一例を示す図である。
【0124】
図14に示すように、エリア情報記憶部326は、エリアIDと、エリアの中心座標とを対応付けたエリア情報を記憶している。中心座標は、複数に分割された各エリアの地図上の中心座標を表している。エリア情報が参照されることにより、エリアIDデータベース324のエリアIDに対応する地図上の位置が特定される。
【0125】
地図情報記憶部327は、地図情報を予め記憶している。
【0126】
予約情報取得部334は、ユーザによって入力された出発地と目的地とを含む予約情報を取得する。予約情報取得部334は、予約情報記憶部322から最新の予約IDに対応する予約情報を取得する。
【0127】
移動ルート予測部335は、出発地から目的地までの移動ルートを予測する。移動ルート予測部335は、最良優先探索アルゴリズムを用いて移動ルートを予測する。最良優先探索アルゴリズムは、例えば、ダイクストラ法、A*アルゴリズム又は均一コスト探索である。なお、移動ルート予測部335は、予約情報に含まれる予約開始日時及び予約終了日時からユーザがモビリティ1を利用する利用時間帯を特定し、予約情報に含まれるユーザIDから予約したユーザの性別、年齢及び職業を特定してもよい。そして、移動ルート予測部335は、出発地と目的地との間のリンクのうち、特定した利用時間帯に通過するとともに、特定した性別、年齢及び職業と同じ性別、年齢及び職業であるユーザのリンクIDをリンクIDデータベース323から抽出してもよい。移動ルート予測部335は、抽出したリンクIDを移動コストに変換し、移動コストを最良優先探索アルゴリズムに用いて移動ルートを予測してもよい。
【0128】
立ち寄り地抽出部336は、移動ルートの近傍に存在する立ち寄り地(停止場所)をエリアIDデータベース324から抽出する。すなわち、立ち寄り地抽出部336は、エリアIDデータベース324に記憶されている複数のエリアIDの中から、移動ルートが通過するエリアと同じエリアIDを全て抽出する。
【0129】
確率算出部337は、抽出した立ち寄り地(停止場所)を宣伝する広告を配信しなかった場合に立ち寄り地(停止場所)で停止した第1確率と、広告を配信した場合に立ち寄り地(停止場所)で停止した第2確率とを算出する。エリアIDデータベース324から抽出したエリアIDには予約IDが対応付けられており、予約IDに対応する予約情報には、広告IDが含まれている。広告IDは、配信した広告を識別するための情報である。広告が配信された場合は、広告IDのフィールドに、配信した広告の広告IDが格納され、広告が配信されなかった場合は、広告IDのフィールドには、広告IDが格納されない。そのため、広告IDの有無によって、広告が配信されたか否かを判断することができる。
【0130】
差分値算出部338は、確率算出部337によって算出された第1確率と第2確率との差分値を算出する。
【0131】
広告情報生成部339は、差分値算出部338によって算出された差分値に基づいて広告情報を生成する。広告情報生成部339は、複数の立ち寄り地(停止場所)のうち、差分値が最も高い立ち寄り地(停止場所)の広告情報を生成する。通信部31は、広告情報生成部339によって生成された広告情報を端末装置2へ送信する。
【0132】
収集対象抽出部340は、通信部31によって受信された抽出条件を取得する。収集対象抽出部340は、抽出条件を満たす所定の場所をリンクIDデータベース323又はエリアIDデータベース324から抽出する。
【0133】
所定の場所は、モビリティ1が通過したリンク(道路)を含む。抽出条件は、ユーザ属性情報に含まれる職業、年齢及び性別が全ての種類の職業、全ての種類の年齢及び全ての種類の性別であること、リンク(道路)を通過した日時が特定の期間内であること、及びモビリティ1の種類が特定の種類であることを含む。収集対象抽出部340は、抽出条件を満たす複数のリンク(道路)をリンクIDデータベース323から抽出する。
【0134】
また、所定の場所は、モビリティ1が所定の時間以上停止した立ち寄り地(停止場所)を含む。抽出条件は、ユーザ属性情報に含まれる職業が特定の職業であること、立ち寄り地(停止場所)に停止した日時が特定の時間帯であること、及びモビリティ1の種類が特定の種類であることを含む。収集対象抽出部340は、抽出条件を満たす複数の立ち寄り地(停止場所)をエリアIDデータベース324から抽出する。
【0135】
解析結果生成部341は、収集対象抽出部340によって抽出された所定の場所を含む解析結果情報を通信部31へ出力する。解析結果生成部341は、収集対象抽出部340によって抽出された複数のリンク(道路)毎に数を集計し、集計した数が最も多いリンク(道路)から順に所定の数のリンク(道路)を含む解析結果情報を通信部31へ出力する。また、解析結果生成部341は、収集対象抽出部340によって抽出された複数の立ち寄り地(停止場所)毎に数を集計し、集計した数が最も多い立ち寄り地(停止場所)から順に所定の数の立ち寄り地(停止場所)を含む解析結果情報を通信部31へ出力する。
【0136】
パスワード発行部342は、通信部31によって予約情報が受信された場合、モビリティ1の電子錠16を解錠するためのパスワードを発行する。パスワード発行部342は、発行したパスワードを予約IDに対応付けて予約情報記憶部322に記憶する。
【0137】
解錠制御部343は、通信部31によって受信されたパスワード及びモビリティIDに基づいて、モビリティ1の電子錠16を解錠するか否かを判断する。解錠制御部343は、予約情報記憶部322に記憶されている予約情報を参照し、通信部31によって受信されたモビリティIDに対応付けられているパスワードが、通信部31によって受信されたパスワードと同じである場合、モビリティ1の電子錠16を解錠すると判断する。一方、解錠制御部343は、予約情報記憶部322に記憶されている予約情報を参照し、通信部31によって受信されたモビリティIDに対応付けられているパスワードが、通信部31によって受信されたパスワードと同じではない場合、モビリティ1の電子錠16を解錠しないと判断する。解錠制御部343は、モビリティ1の電子錠16を解錠すると判断した場合、解錠信号を通信部31へ出力する。
【0138】
返却制御部344は、通信部31によって返却信号が受信された場合、返却信号に含まれるモビリティIDに対応付けられているパスワードを、予約情報記憶部322に記憶されている予約情報から削除する。また、返却制御部344は、返却完了を通知するメールを、通信部31を介して端末装置2へ送信してもよい。
【0139】
続いて、本開示の実施の形態におけるサーバ装置3のデータベース生成動作について説明する。
【0140】
図15は、本開示の実施の形態におけるサーバ装置のデータベース生成動作について説明するための第1のフローチャートであり、図16は、本開示の実施の形態におけるサーバ装置のデータベース生成動作について説明するための第2のフローチャートである。
【0141】
まず、ステップS1において、予約情報取得部334は、予約情報記憶部322から最新の予約IDに対応する予約情報を取得する。
【0142】
次に、ステップS2において、移動ルート予測部335は、最良優先探索アルゴリズムを用いて、出発地から目的地までの移動ルートを予測する。
【0143】
次に、ステップS3において、立ち寄り地抽出部336は、移動ルート予測部335によって予測された移動ルートの近傍に存在する立ち寄り地に対応するエリアIDをエリアIDデータベース324から抽出する。このとき、立ち寄り地抽出部336は、エリアIDデータベース324に記憶されている複数のエリアIDの中から、移動ルートが通過するエリアと同じエリアIDを全て抽出する。
【0144】
次に、ステップS4において、確率算出部337は、抽出したエリアIDのエリア内の立ち寄り地を宣伝する広告を配信しなかった場合に当該エリアで停止した第1確率と、広告を配信した場合に当該エリアで停止した第2確率とを算出する。
【0145】
図17は、本実施の形態において、抽出したエリアIDのエリア内の立ち寄り地を宣伝する広告を配信しなかった場合に当該エリアで停止した第1確率の一例を示す図であり、図18は、本実施の形態において、抽出したエリアIDのエリア内の立ち寄り地を宣伝する広告を配信した場合に当該エリアで停止した第2確率の一例を示す図である。
【0146】
図17及び図18に示す例では、立ち寄り地として抽出された複数のエリアIDのうち、確率が高い順に3つのエリアIDを示している。
【0147】
図17に示すように、エリアID“A[1,3]”に含まれる立ち寄り地の広告を配信しなかった場合に、エリアID“A[1,3]”に含まれる立ち寄り地にモビリティ1が立ち寄った第1確率は20%である。エリアID“A[2,3]”に含まれる立ち寄り地の広告を配信しなかった場合に、エリアID“A[2,3]”に含まれる立ち寄り地にモビリティ1が立ち寄った第1確率は15%である。エリアID“A[4,3]”に含まれる立ち寄り地の広告を配信しなかった場合に、エリアID“A[4,3]”に含まれる立ち寄り地にモビリティ1が立ち寄った第1確率は10%である。
【0148】
また、図18に示すように、エリアID“A[1,3]”に含まれる立ち寄り地の広告を配信した場合に、エリアID“A[1,3]”に含まれる立ち寄り地にモビリティ1が立ち寄った第2確率は25%である。エリアID“A[2,3]”に含まれる立ち寄り地の広告を配信した場合に、エリアID“A[2,3]”に含まれる立ち寄り地にモビリティ1が立ち寄った第2確率は30%である。エリアID“A[4,3]”に含まれる立ち寄り地の広告を配信した場合に、エリアID“A[4,3]”に含まれる立ち寄り地にモビリティ1が立ち寄った第2確率は20%である。
【0149】
図15に戻って、次に、ステップS5において、差分値算出部338は、確率算出部337によって算出された第1確率と第2確率との差分値を算出する。
【0150】
次に、ステップS6において、差分値算出部338は、抽出された全ての立ち寄り地に対応するエリアIDの差分値を算出したか否かを判断する。ここで、抽出された全ての立ち寄り地に対応するエリアIDの差分値を算出していないと判断された場合(ステップS6でNO)、ステップS4に処理が戻る。
【0151】
一方、抽出された全ての立ち寄り地に対応するエリアIDの差分値を算出したと判断された場合(ステップS6でYES)、ステップS7において、差分値算出部338は、抽出された立ち寄り地に対応するエリアIDを、差分値が高い順に並べる。
【0152】
図19は、本実施の形態において、第1確率と第2確率との差分値の一例を示す図である。
【0153】
図19に示す例では、立ち寄り地として抽出された複数のエリアIDのうち、第2確率から第1確率を減算した差分値が高い順に3つのエリアIDを示している。
【0154】
図19に示すように、エリアID“A[2,3]”の差分値は15%であり、エリアID“A[4,3]”の差分値は10%であり、エリアID“A[1,3]”の差分値は5%である。差分値が大きいほど、宣伝効果が高いと言える。
【0155】
このように、広告を配信しなかった場合に立ち寄り地で停止した第1確率と、広告を配信した場合に立ち寄り地で停止した第2確率との差分値は、広告を配信することによりどれだけ人が立ち寄り地に立ち寄るようになるかを示している。そのため、より宣伝効果が高くなる立ち寄り地の広告を送信することができる。
【0156】
なお、サーバ装置3は、差分値に応じて、広告料を決定してもよい。例えば、サーバ装置3は、差分値が大きくなるほど、広告料を高くしてもよい。
【0157】
図15に戻って、次に、ステップS8において、広告情報生成部339は、差分値が最も高いエリアIDに含まれる立ち寄り地の広告、差分値が2番目に高いエリアIDに含まれる立ち寄り地の広告及び差分値が3番目に高いエリアIDに含まれる立ち寄り地の広告を含む広告情報を生成する。なお、本実施の形態では、広告情報生成部339は、3つの広告を含む1つの広告情報を生成しているが、本開示は特にこれに限定されず、3つの広告をそれぞれ含む3つ広告情報を生成してもよい。
【0158】
次に、ステップS9において、通信部31は、広告情報生成部339によって生成された広告情報を端末装置2へ送信する。端末装置2の通信部24は、サーバ装置3によって送信された広告情報を受信する。表示部23は、通信部24によって受信された広告情報を表示する。
【0159】
このように、予約した時点又は予約してからモビリティ1に乗車するまでの間に、広告情報がユーザに提示される。
【0160】
次に、ステップS10において、解錠制御部343は、通信部31がパスワード及びモビリティIDを受信したか否かを判断する。ここで、パスワード及びモビリティIDを受信していないと判断された場合(ステップS10でNO)、パスワード及びモビリティIDが受信されるまで、ステップS10の処理が行われる。
【0161】
一方、パスワード及びモビリティIDを受信したと判断された場合(ステップS10でYES)、ステップS11において、解錠制御部343は、通信部31によって受信されたパスワードが、予約情報記憶部322に記憶されている予約情報に含まれる、通信部31によって受信されたモビリティIDに対応付けられているパスワードと一致するか否かを判断する。ここで、受信されたパスワードが、予約情報のパスワードと一致しないと判断された場合(ステップS11でNO)、ステップS10に処理が戻る。
【0162】
なお、受信されたパスワードが、予約情報のパスワードと一致しないと判断された場合、解錠制御部343は、パスワードが間違っていることを示す情報をモビリティ1又は端末装置2へ送信してもよい。
【0163】
一方、受信されたパスワードが、予約情報のパスワードと一致すると判断された場合(ステップS11でYES)、ステップS12において、解錠制御部343は、通信部31を介して解錠信号をモビリティ1へ送信する。モビリティ1の通信部14は、サーバ装置3によって送信された解錠信号を受信する。モビリティ1の解錠部121は、解錠信号が受信されると、電子錠16を解錠する。
【0164】
次に、ステップS13において、通信部31は、モビリティ1によって送信された位置情報及びモビリティIDを受信する。モビリティ1の通信部14は、GPS受信部13によって受信された位置情報をモビリティIDとともに定期的にサーバ装置3へ送信する。
【0165】
なお、モビリティ1の通信部14は、モビリティ1の現在位置を示す位置情報を、解錠中だけでなく施錠中にも定期的にサーバ装置3へ送信してもよい。また、通信部14は、モビリティ1の現在位置を示す位置情報を、解錠中だけ定期的にサーバ装置3へ送信してもよい。
【0166】
次に、ステップS14において、リンクIDデータベース生成部351は、モビリティ1の現在位置を示す位置情報に基づいて、モビリティ1が現在存在しているリンクを特定し、モビリティ1が新たなリンクを通過したか否かを判断する。リンクIDデータベース生成部351は、例えば、モビリティ1の位置の1分間の移動平均を算出し、算出した移動平均に最も近いリンクを、モビリティ1が現在通過しているリンクとして特定する。
【0167】
ここで、モビリティ1が新たなリンクを通過していないと判断された場合(ステップS14でNO)、ステップS16に処理が移行する。
【0168】
一方、モビリティ1が新たなリンクを通過したと判断された場合(ステップS14でYES)、ステップS15において、リンクIDデータベース生成部351は、新たなリンクのリンクID、リンクの通過日時及び予約IDをリンクIDデータベース323に追加する。なお、通過日時は、モビリティ1が新たなリンクに到達した日時である。これにより、モビリティ1が新たなリンクに到達する毎に、リンクIDデータベース323にリンクID、通過日時及び予約IDが追加されることになる。
【0169】
次に、ステップS16において、エリアIDデータベース生成部352は、位置情報に基づいて、モビリティ1が所定の時間以上停止しているか否かを判断する。所定の時間は、例えば10分間である。ここで、モビリティ1が所定の時間以上停止していないと判断された場合(ステップS16でNO)、ステップS13に処理が戻る。
【0170】
なお、モビリティ1は、モビリティ1が施錠されたことを示す施錠信号をサーバ装置3へ送信してもよい。この場合、エリアIDデータベース生成部352は、施錠信号を受信してからの経過時間を計測し、計測した経過時間が所定の時間以上であるか否かを判断してもよい。そして、エリアIDデータベース生成部352は、施錠信号を受信してからの経過時間が所定の時間以上である場合、モビリティ1が所定の時間以上停止していると判断する。
【0171】
一方、モビリティ1が所定の時間以上停止していると判断された場合(ステップS16でYES)、ステップS17において、エリアIDデータベース生成部352は、位置情報に基づいて、現在位置が目的地であるか否かを判断する。ここで、現在位置が目的地ではないと判断された場合(ステップS17でNO)、ステップS18において、エリアIDデータベース生成部352は、モビリティ1の現在位置を含むエリアのエリアID、立ち寄り日時及び予約IDをエリアIDデータベース324に追加する。
【0172】
現在位置が目的地であると判断された場合(ステップS17でYES)、ステップS19において、返却制御部344は、通信部31が返却信号を受信したか否かを判断する。ここで、返却信号を受信していないと判断された場合(ステップS19でNO)、返却信号が受信されるまでステップS19の処理が行われる。一方、返却信号を受信したと判断された場合(ステップS19でYES)、処理が終了する。このとき、返却制御部344は、予約IDに対応付けられているパスワードを予約情報から削除する。
【0173】
このように、出発地から目的地までユーザの指示に従って移動するモビリティ1の位置を示す位置情報に基づいて特定される、モビリティ1の出発地と目的地との間に存在する所定の場所と、モビリティ1に乗車するユーザの属性を示すユーザ属性情報とを対応付けたデータベース(リンクIDデータベース323又はエリアIDデータベース324)が生成される。したがって、出発地から目的地まで任意の経路を移動可能なモビリティ1の利用状況をより詳細かつ高い精度で収集することができる。
【0174】
続いて、本開示の実施の形態におけるサーバ装置3のデータ解析動作について説明する。
【0175】
図20は、本開示の実施の形態におけるサーバ装置のデータ解析動作について説明するためのフローチャートである。
【0176】
まず、ステップS31において、通信部31は、収集対象及び抽出条件を情報処理装置4から受信する。情報処理装置4は、オペレータによる収集対象及び抽出条件の入力を受け付け、入力された収集対象及び抽出条件をサーバ装置3へ送信する。
【0177】
収集対象は、例えば、出発地、目的地、立ち寄り地、リンク毎の通過量、又は隣接する複数のリンクをつなぎ合わせたリンク群の通過量を示す。また、抽出条件は、例えば、ユーザ属性(性別、年齢又は職業)、時間単位(時間帯、曜日又は期間)、又はモビリティ種別を示す。
【0178】
次に、ステップS32において、収集対象抽出部340は、通信部31によって受信された収集対象の中から、通信部31によって受信された抽出条件を満たす収集対象を抽出する。
【0179】
次に、ステップS33において、解析結果生成部341は、収集対象抽出部340によって抽出された収集対象を順位付けて並べる。
【0180】
図21は、本実施の形態において、所定の抽出条件に基づいて抽出された目的地を順位付けて並べた解析結果の一例を示す図である。
【0181】
図21において、収集対象は目的地であり、抽出条件は、職業が学生であり、期間が1年間であり、モビリティ種別が全種別であることである。収集対象抽出部340は、予約情報の目的地の中から、抽出条件を満たす目的地を抽出する。解析結果生成部341は、抽出された目的地を、数の多い順に並べる。なお、予約情報の目的地はエリアIDで表される。そのため、収集対象抽出部340は、エリアIDで示されるエリア内に含まれる施設を地図情報から特定し、特定した施設を目的地として特定してもよい。例えば、エリアID“A[1,3]”のエリア内に存在する施設が“ZZZ大学”である場合、“ZZZ大学”が目的地として特定される。なお、エリア内に複数の施設が存在する場合、複数の施設が目的地として特定されてもよい。
【0182】
このように、学生が利用する目的地を、数の多い順に並べることにより、例えば、バス停として設置すべき場所を特定することができる。
【0183】
図22は、本実施の形態において、所定の抽出条件に基づいて抽出されたリンク通過量を順位付けて並べた解析結果の一例を示す図である。
【0184】
図22において、収集対象はリンク通過量であり、抽出条件は、ユーザ属性が全ての種類の属性であり、期間が1年間であり、モビリティ種別が電動バイク及び電気自動車であることである。収集対象抽出部340は、リンクIDデータベース323の中から、抽出条件を満たすリンクIDを抽出する。解析結果生成部341は、抽出されたリンクIDを、数の多い順に並べる。なお、リンクIDの通過量は、1日あたりの通過量に換算してもよい。
【0185】
このように、電動バイク及び電気自動車を利用する全ての種類の属性の人が通過するリンクを、数の多い順に並べることにより、例えば、充電ステーションとして設置すべき場所を特定することができる。
【0186】
図23は、本実施の形態において、所定の抽出条件に基づいて抽出された立ち寄り地を順位付けて並べた解析結果の一例を示す図である。
【0187】
図23において、収集対象は立ち寄り地であり、抽出条件は、職業が学生であり、期間が1年間であり、時間帯が11時30分~13時30分であり、モビリティ種別が電動バイク及び電気自動車であることである。収集対象抽出部340は、エリアIDデータベース324の中から、抽出条件を満たすエリアIDを抽出する。解析結果生成部341は、抽出されたエリアIDを、数の多い順に並べる。なお、収集対象抽出部340は、エリアIDで示されるエリア内に含まれる施設を地図情報から特定し、特定した施設を立ち寄り地として特定してもよい。例えば、エリアID“A[1,3]”のエリア内に存在する施設が“レストランAAA”である場合、“レストランAAA”が立ち寄り地として特定される。なお、エリア内に複数の施設が存在する場合、複数の施設が立ち寄り地として特定されてもよい。
【0188】
このように、電動バイク及び電気自動車を利用する学生が11時30分~13時30分に立ち寄る立ち寄り地を、数の多い順に並べることにより、例えば、昼食を提供する店舗を設置すべき場所を特定することができる。
【0189】
図20に戻って、次に、ステップS34において、通信部31は、順位付けて並べられた収集対象を含む解析結果情報を情報処理装置4へ送信する。情報処理装置4は、サーバ装置3によって送信された解析結果情報を受信する。そして、情報処理装置4は、受信した解析結果情報を表示する。これにより、情報処理装置4は、オペレータに対して解析結果情報を提示することができる。
【0190】
このように、モビリティ1の出発地と目的地との間に存在する所定の場所と、モビリティ1に乗車するユーザの属性を示すユーザ属性情報とを対応付けたデータベース(リンクIDデータベース323又はエリアIDデータベース324)から、抽出条件を満たす所定の場所が抽出され、抽出された所定の場所を含む解析結果情報が出力される。したがって、所望の抽出条件がオペレータによって入力されることにより、所望の抽出条件を満たす所定の場所が得られるので、データベース(リンクIDデータベース323又はエリアIDデータベース324)をデータ解析に利用することができる。
【0191】
なお、本実施の形態において、収集対象が、リンク群の通過量である場合、抽出条件は、リンク群の距離、時間単位、ユーザ属性及びモビリティ種別が入力される。この場合、収集対象抽出部340は、リンクIDデータベース323の各行から、抽出条件を満たしかつ同じ予約IDの出発地と目的地との間のリンクをつなぎ合わせて抽出条件の距離になるリンク群を抽出してもよい。このとき、リンク群は、通過順に並べたリンクIDで表される。そして、解析結果生成部341は、収集対象抽出部340によって抽出されたリンク群の数(通過量)を順位付けて並べてもよい。また、収集対象抽出部340は、リンクIDデータベース323の各行から、抽出条件を満たしかつ同じ予約IDの出発地と目的地との間のリンクをつなぎ合わせて抽出条件の距離以上になるリンク群を抽出してもよい。
【0192】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0193】
本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0194】
また、本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0195】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。
【0196】
また、上記フローチャートに示す各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、同様の効果が得られる範囲で上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0197】
本開示に係る技術は、出発地から目的地まで任意の経路を移動可能なモビリティの利用状況をより詳細かつ高い精度で収集することができるので、データベースを生成する技術に有用である。
【符号の説明】
【0198】
1 モビリティ
2 端末装置
3 サーバ装置
4 情報処理装置
5 ネットワーク
11 入力部
12 プロセッサ
13 GPS受信部
14 通信部
15 駆動部
16 電子錠
21 制御部
22 入力部
23 表示部
24 通信部
31 通信部
32 メモリ
33 プロセッサ
121 解錠部
122 施錠部
123 位置情報送信制御部
124 運転制御部
125 返却部
321 ユーザ属性情報記憶部
322 予約情報記憶部
323 リンクIDデータベース
324 エリアIDデータベース
325 リンク情報記憶部
326 エリア情報記憶部
327 地図情報記憶部
331 ユーザ属性取得部
332 位置情報取得部
333 データベース生成部
334 予約情報取得部
335 移動ルート予測部
336 立ち寄り地抽出部
337 確率算出部
338 差分値算出部
339 広告情報生成部
340 収集対象抽出部
341 解析結果生成部
342 パスワード発行部
343 解錠制御部
344 返却制御部
351 リンクIDデータベース生成部
352 エリアIDデータベース生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23