(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】熱力学的CO2ボイラおよび熱圧縮機
(51)【国際特許分類】
F24D 3/18 20060101AFI20230711BHJP
F24D 3/08 20060101ALI20230711BHJP
F24H 1/50 20220101ALI20230711BHJP
F04B 35/04 20060101ALI20230711BHJP
F04B 35/00 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
F24D3/18
F24D3/08 Z
F24H1/50
F04B35/04
F04B35/00 Z
(21)【出願番号】P 2019556796
(86)(22)【出願日】2018-04-12
(86)【国際出願番号】 FR2018050925
(87)【国際公開番号】W WO2018193188
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-04-09
(32)【優先日】2017-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513203060
【氏名又は名称】ブーストヒート
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-マルク・ジョフロワ
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-068577(JP,A)
【文献】実開昭50-021763(JP,U)
【文献】特開昭59-012255(JP,A)
【文献】特開2001-280733(JP,A)
【文献】実開昭51-130965(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0121321(KR,A)
【文献】特表2016-520185(JP,A)
【文献】特開昭61-096374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/18
F24D 3/08
F24H 1/50
F04B 35/04
F04B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を使用する熱ポンプ型ループ(31、34)の圧縮機能を形成する少なくとも1つの圧縮機(M1)を備え、少なくとも前記冷媒に熱を送達する燃料燃焼器(11)をさらに備える、少なくとも1つの暖房回路(30)内に少なくとも熱を送達するための熱力学的ボイラであって、前記燃料燃焼器が、前記圧縮機の下流で前記冷媒に前記熱を送達
し、
前記圧縮機が、往復するピストン(71)を含む少なくとも1つの圧縮段を備える熱圧縮機であり、前記燃料燃焼器(11)が、前記圧縮機の熱源をさらに形成し、前記暖房回路が、前記圧縮機の低温源を形成することを特徴とする、熱力学的ボイラ。
【請求項2】
前記冷媒が、タイプR744、すなわち二酸化炭素の圧縮性流体である、請求項1に記載の熱力学的ボイラ。
【請求項3】
家庭用温水回路(15、16)を備える、
請求項1または2に記載の熱力学的ボイラ。
【請求項4】
前記圧縮機の前記燃料燃焼器(11)が、前記熱力学的ボイラの唯一の燃焼器を形成する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の熱力学的ボイラ。
【請求項5】
前記燃料燃焼器においてまたは前記燃料燃焼器のすぐ近くで前記冷媒を過熱するための回路(38)と、前記冷媒が前記過熱回路内を循環することを選択的に可能にするためのブースタ制御弁(75)と、を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の熱力学的ボイラ。
【請求項6】
前記圧縮機の前記燃料燃焼器(11)が、前記熱力学的ボイラの全ての出力を送達することを可能にする、
請求項1から5のいずれか一項に記載の熱力学的ボイラ。
【請求項7】
前記冷媒の回路(31)と前記暖房回路(30)との間の本質的な熱界面を形成する交換器(5)を備え、前記交換器(5)が、高温交換器(50)および低温交換器(51)を含み、前記高温交換器が、前記家庭用温水回路(15、16)に結合される、
請求項3に記載の、または
請求項3を引用した場合の
請求項4から6のいずれか一項に記載の熱力学的ボイラ。
【請求項8】
前記熱ポンプ型ループが、カスケードの2つの回路、すなわち、R744圧縮性ガスの動作回路(31、M1、5、7、6)と、グリコール化水の回路(34、4、6)と、を備える、
請求項1から7のいずれか一項に記載の熱力学的ボイラ。
【請求項9】
前記圧縮機の回転速度を調整する、すなわち上げるかつ/または下げるために、調節ユニットおよびモータ(17)が設けられている、
請求項1から8のいずれか一項に記載の熱力学的ボイラ。
【請求項10】
前記圧縮機が、連続した少なくとも2つの圧縮段、すなわち、第1の圧縮段(U1)および第2の圧縮段(U2)を備える、
請求項1から9のいずれか一項に記載の熱力学的ボイラ。
【請求項11】
第3の圧縮段(U3)をさらに備える、
請求項10に記載の熱力学的ボイラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラと呼ばれるデバイスを含む暖房システムに関する。詳細には、本発明は、熱ポンプ(「HP」と略される)と呼ばれるデバイスを利用する、熱力学的ボイラに関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラとの関連で熱ポンプデバイスを実装するためのいくつかの技術的解決法がすでに存在する。
【0003】
第1に、熱伝達作動流体を圧縮しかつ循環させるための電気圧縮機の使用が知られている。「電気HP」という用語も使用される。
【0004】
ガス機関熱ポンプ(「ガス機関HP」)も知られている。このシステムは、騒音が大きくかつ定期的なメンテナンスを必要とする内燃機関の使用を伴う。
【0005】
ペアとされた水/アンモニアまたは水/ゼオライトを使用するものなどの、脱着/吸着ガス熱ポンプ(desorption/adsorption gas heat pump)も知られている。しかし、それらのデバイスは、複雑かつ高価である。さらに、それらのデバイスは、汚染するかまたは害を及ぼす可能性のある材料を使用する。
【0006】
さらに、このタイプのボイラは、出力調節可能であること、また、需要に応じて家庭用温水(「DHW」)を提供できることが、一般に好ましい。
【0007】
さらに、一般に、熱ポンプループの性能は、外部温度が低いとき、特に空気熱エネルギーシステムにおいてはとりわけ0℃未満であるときに大幅に低下し、また、外部からの熱エネルギーの収集は、-10℃未満の外部温度においてはほとんど無視できる程度になるかゼロにすらなることが、よく知られている。
【0008】
これが、多くのボイラが熱ポンプの圧縮機とは別体のブースタ燃焼器(または「バックアップ」燃焼器)を備える理由であり、このブースタ燃焼器は、例えば特許文献1によって教示されているように、暖房回路内に熱を送達する。これらのボイラは、熱ポンプ回路と従来のバックアップ燃焼器を組み合わせるので、「ハイブリッド」と呼ばれる。しかし、これらの「ハイブリッド」ボイラは、比較的複雑かつ高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開第2014/083440号パンフレット
【文献】国際公開第2014/202885号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、このような状況からすれば、熱ポンプ効果を伴う熱力学的ボイラシステムにより最適化された解決法を提供する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のために、少なくとも1つの暖房回路(30)内に熱を送達するための熱力学的ボイラが提案され、このボイラは、冷媒を使用する熱ポンプ型ループ(31、34)の圧縮機能を形成する少なくとも1つの圧縮機(M1)を備え、ボイラは、少なくとも冷媒内に熱を送達する燃料燃焼器(11)をさらに備え、燃料燃焼器は、圧縮機の下流において冷媒内に熱を送達する。
【0012】
これらの構成によれば、「ブースタ」または「バックアップ」熱は、冷媒回路内に送達され、これは、ボイラのアーキテクチャを単純化し、かつ、HP機能および「バックアップ」機能のための暖房回路とともに好ましくは単一の熱交換器を使用することを可能にする。
【0013】
有利には、タイプR744(言い換えれば、基本的にCO2)の圧縮性流体が、冷媒として選択される。
【0014】
注記1:タイプR744の圧縮性流体を含む上述の熱ポンプ型ループにおいては、蒸発現象が、1つの交換器において利用され、冷却/凝縮現象が、別の交換器において利用される。本発明によれば、R744のものに近い物理的性質を有する任意のタイプの冷媒を使用することが同様に可能であることが、留意されるべきである。
【0015】
注記2:本明細書において使用される語彙に関して、ここで「暖房回路」と呼ばれるものは、ほとんどの場合建物である対象となる実体との熱の交換のための主要回路として広義に解釈され、その目的は建物を暖めることであるが、場合により、特に熱ポンプが可逆であるときには、システムは建物を冷やすために使用され得ることが、留意されるべきである。
【0016】
本発明の様々な実施形態において、以下の構成のうちの1つまたは複数も使用され得る。
【0017】
本発明の1つの態様によれば、圧縮機は、往復するピストンを含む少なくとも1つの圧縮段を備える熱圧縮機であり、燃料燃焼器が圧縮機の熱源をさらに形成し、暖房回路が圧縮機の低温源を形成する。これらの条件の下では、熱効率の観点から、燃焼器において生成される全てのエネルギーは、圧縮のために直接使用されるか、または、圧縮性流体内に直接拡散され、排出ガスの形態の一部分が、暖房回路内に拡散され得る。
【0018】
本発明の1つの態様によれば、熱力学的ボイラは、家庭用温水回路を備える。有利には、相当な大きさの貯蔵槽を必要とせずに、家庭用温水のほぼ即時的な利用可能性を有するのに十分な出力を送達することが可能である。
【0019】
本発明の1つの態様によれば、圧縮機燃焼器は、ボイラの唯一の燃焼器を形成する。この単一の燃焼器により、ピーク時(温水を引き込んで、別荘を常温にする)中の急上昇を含むエネルギー要求を満たすことができる。
【0020】
1つの態様によれば、熱力学的ボイラは、圧縮機燃焼器内を循環する圧縮性流体を過熱するための回路(38)と、圧縮性流体の制御された部分が前述の過熱回路内を循環することを可能にするブースタ制御弁(75)と、を備え、それにより、ボイラは、ブースタ制御弁の位置に応じて、調節されたブーストを伴ってまたはブーストを伴わずに動作し得る。さらに、ブースタ出力は、有利には、燃焼器内に噴射されるガスの量およびブースタ制御弁が開く度合いに従って調節可能である。
【0021】
1つの態様によれば、圧縮機燃焼器は、ボイラの全ての出力を送達することを可能にし、また、好ましくは、20kWから25kWの間の出力を有する。この出力は、例えば100m2で4/6人の典型的な家屋には十分である。
【0022】
1つの態様によれば、熱力学的ボイラは、圧縮性流体回路(31)と暖房回路(30)との間の本質的な熱界面を形成する交換器(5)を備えることができ、この交換器(5)は、高温交換器(50)および低温交換器(51)を含み、高温交換器は、家庭用温水回路に結合されており、これは、ほぼ即時的に利用可能な、高温で作られた温水を有することを可能にする。
【0023】
1つの態様によれば、熱ポンプ型ループは、CO2回路での作業を必要とする最終的な現場での据え付けを行う配管工がいなくてもCO2回路がボイラ内に閉じ込められ得るように、カスケードの2つの回路、すなわち、圧縮性R744ガスの動作回路(31、M1、5、7、6)と、グリコール化水の回路(34、4、6)と、を備え得る。
【0024】
1つの態様によれば、圧縮機の回転速度を調整する、すなわち上げるかつ/または下げるために、調節ユニットおよびモータ(17)が設けられていてもよく、したがって、圧縮機の回転速度を暖房および温水に対する需要にリアルタイムで適応させることが可能である。
【0025】
1つの態様によれば、圧縮機は、連続した少なくとも2つの圧縮段、すなわち、第1の圧縮段(U1)および第2の圧縮段(U2)を備えることができ、それにより、CO2タイプの流体(R744)は、大きい圧力スイングと加熱されるべき水回路の温度に従って適応されたCO2流体温度を有して使用され得る。したがって、良好な全体的な熱力学的効率が得られる。
【0026】
1つの態様によれば、圧縮機は、3つの段を備えることができ、それにより、圧力上昇の段階分け、ならびに、加熱されるべき水回路の温度および送達されるべき熱出力に従って適応されるCO2流体温度の適切さが、最適化される。
【0027】
1つの態様によれば、段は、有利には独立している。これは、サイジングを促進し、かつ、各段の調節可能性を高める。
【0028】
1つの態様によれば、圧縮機は、平行な少なくとも2つの圧縮段を備えることができる。これは、連続的な構成に代わる構成となる。
【0029】
1つの態様によれば、熱力学的ボイラは、第1の燃焼器の入口に空気予熱器(9)を含み得る。したがって、熱エネルギーは、燃焼排ガスから回収されて、燃焼器のための空気に注入される。これは、全体的な成績係数を向上させる。
【0030】
暖房と呼ばれる1つの構成によれば、熱力学的ボイラは、暖房回路に熱エネルギーを供給し(「暖房」または「冬季」モード)、可逆熱ポンプ型ループは、外部ユニットから熱を獲得する。
【0031】
空気調節と呼ばれる別の構成によれば、熱力学的ボイラは、暖房回路30から熱を獲得して、この熱を家庭用温水回路DHWまたは外部ユニット4のどちらかに送達する(夏季モード)。したがって、ボイラは、空気調節機能を提供することができ、さらに、エネルギーに関してフリーの家庭用温水を提供することができる。
【0032】
本発明の他の特徴、目的、および利点は、非限定的な例として与えられた本発明の1つの実施形態に関する以下の説明を読めば明らかになるであろう。本発明はまた、添付の図面を参照することでより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明によるボイラを備える暖房システムを概略的に示す図である。
【
図2】ボイラが熱圧縮機を備える、
図1に類似したシステムの図である。
【
図3】ブーストが熱圧縮機の高温部分内に直接送達される、
図2に類似したシステムの図である。
【
図9】調節システムのダイヤグラムを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
様々な図において、同じ参照記号は、一致するまたは類似の要素を示す。
【0035】
図1は、産業用建物または個人住宅もしくは集合住宅を暖めるために典型的に提供される暖房システムの概観を示す。暖房システムは、以下で説明されるボイラ10を備える。
【0036】
システムは、符号30で示された暖房回路を備える。最初に述べたように、「暖房回路」という用語は、回路が熱を奪うことを排除しないが、示されたような第1の例では、暖房回路は、暖められるべき建物の空間に配置される、ラジエータ/コンベクタ3および/または床下暖房の形態の受熱体(heat-receiving entity)3を含む。
【0037】
いくつかの受熱体が存在する場合があり、例えば、1つの受熱体は低温におけるもの(床下暖房)であり、別の受熱体はより高い温度におけるもの(対流放熱器、家庭用温水)である。循環機M3が、暖房回路30内に水を循環させる。
【0038】
受熱体がプールまたは温室である状況も対処され得る。同様に、暖房システムは、産業プロセス設備の形態をした受熱体を含む産業的状況において使用され得る。
【0039】
それ自体周知でありそのため本明細書では詳細には説明されない家庭用温水のための貯蔵槽16を用いる、家庭用温水(「DHW」)の生成が提供される。この貯蔵槽内の水は、水がDHW交換器15を通過する間に流体の循環部36によって加熱される。
【0040】
有利には、本発明においては、貯蔵槽16の容積は、例えば5リットル、一般には10リットル未満と、非常に小さくされ得る。
【0041】
このDHW交換器15内には、暖房回路30のバイパス枝路33が循環する。このバイパス枝路は、符号50で示された高温熱交換器(HT)から熱を取り込んで、DHW交換器15を介してその熱を家庭用温水に伝達する。
【0042】
バイパス枝路33内の流体の流量は、それ自体周知のDHW制御弁78によって制御され得る。この流量は、家庭用温水貯蔵槽の調節システムの要件に準じて決定される。
【0043】
ボイラ10は、熱ポンプ回路の駆動構成要素を構成する圧縮機M1を備える。示された例では、符号4で示された外部ユニットのみが、建物(ビル、住居、など)の外側に配置され、他の主要構成要素は、建物内に配置されるか、さらにはボイラ10のケーシング内に配置される。
【0044】
図では、管は象徴的に表されていることに留意されたい。
【0045】
熱ポンプデバイスは、外部ユニット4内を循環するグリコール化水回路34、および、圧縮機M1を通過する作動流体回路31を備える。示された例では、作動流体は、R744、言い換えればCO2であるが、類似した性質を有する別の流体が選択されてもよい。この流体を他の流体と区別するために、回路31の作動流体は、以下、「圧縮性」流体と呼ばれる(また、当技術分野では「冷媒」と呼ばれる)。これは、外部ユニット(回路34)内を外向きに流れる主に水をベースとする流体(グリコール化水)とは対照的であり、また、同じく主に水をベースとししたがって非圧縮性である、すでに述べられた暖房回路30内を流れる流体とは対照的である。
【0046】
回路30、31、34内で使用される種々の流体は、圧縮性のものであるか否かを問わず伝熱流体であり、それら流体は、主に外部ユニット4から受熱体3にカロリーを伝達することを可能にするが、燃焼器11から受熱体3にカロリーを伝達することも可能にする。
【0047】
同じく可能とされる空気調節モードが、以下でさらに説明される。
【0048】
外部ユニット4は空気熱ユニットまたは地熱ユニットであり得ることが、留意されるべきである。
【0049】
熱ポンプ効果による外部熱の捕捉は、好ましくは直交流である、界面交換器6と呼ばれる交換器6によって相互作用される一連の2つの流体の回路を使用することが、留意されるであろう。グリコール化水回路34は、循環機M4を備え、外部ユニット4から熱を回収し、この熱を界面交換器6に送達する。圧縮性流体回路31全体、すなわちCO2回路は、製造プラントにおいて用意されるボイラ10の内側に閉じ込められ、グリコール化水回路34のみが、対象の施設において専門家によって実装されなければならないことが分かる。
【0050】
さらに、熱ポンプデバイスは、圧力に関して圧縮機とは反対の役割を果たすそれ自体周知の逃がし弁7、および、圧縮機から出る圧縮性流体回路31と暖房回路30とを熱的に結合する交換器5を備える。
【0051】
ここでは、交換器5は、CO2回路31上に直列に配置された2つの交換器、すなわち、家庭用温水を加熱するように構成されたバイパス33が循環する「高温HT」交換器50と、CO2回路31と暖房回路30との主要な結合を形成する「低温LT」交換器51と、を備える。
【0052】
主要交換器5はまた、家庭用温水回路33に結合された第1の部分と暖房回路30に結合された第2の部分とを含む単一の交換器を形成し得る。
【0053】
圧縮性流体回路31は、界面交換器6から熱を回収し(2相流体が液相状態から気相状態になる「蒸発器」側)この熱を主要交換器5に送達する(2相流体が冷える「凝縮器」側)、2相の形態の流体を含む。圧縮性流体は、交換器5内で冷えるが、本質的に気相のままである。圧縮性流体が本質的に液相に変わるのは、膨張弁7における膨張を受けることによるものである。
【0054】
図1の構成では、圧縮機M1は、電動機を含む圧縮機であり得る。その場合、圧縮機の下流には、ブースタ燃焼器11が設けられ、このブースタ燃焼器11は、暖房回路および/または家庭用温水回路におけるエネルギー需要に十分な被変調出力で圧縮機の下流の圧縮性流体に直接熱を送達する。
【0055】
バックアップ熱は、圧縮性流体において送達され、暖房回路に直接結合された交換器においては送達されないことに留意されたい。
【0056】
図2の構成では、圧縮機M1は、ガス機関によって駆動されるタイプの圧縮機であり得る。ガス機関は、符号11aで示された燃焼器を使用する。ガス機関は、前述の圧縮機M1を駆動し、別の燃焼器11bが、前述の場合におけるように圧縮性流体回路において、言い換えれば圧縮機M1の下流において、熱ブースタを形成する。
【0057】
図3の構成では、圧縮機M1は、熱圧縮機であり、つまり、圧縮機M1は、熱源として熱エネルギーを使用し、また、低温源を使用して、ピストンを作動させ、ピストンの往復運動および逆止め弁の使用が、圧縮機を形成する。このタイプの熱圧縮機の例が、特許文献2において、また、本明細書の
図6において、詳細に開示されている。
【0058】
図3の構成では、1つの燃焼器11のみが存在し、この燃焼器11は、有利には、圧縮段の出口においてR744圧縮性流体が圧縮機の燃焼器環境に向けられて、燃焼器から(この場所での追加の圧縮を伴わずに)熱エネルギーを獲得するために燃焼器環境で循環するので、熱圧縮機M1の熱源および熱ブースタの両方を形成する。
図3、
図4、
図6、
図8では、この圧縮機の高温セクションにおける循環のための回路は、符号38で示されている。この回路はまた、本明細書の他の部分では、「過熱回路」38と呼ばれる。過熱回路38は、上流部分38aとも呼ばれる第1の部分、および、下流部分38bとも呼ばれる第2の部分を備える。
【0059】
圧縮機の高温セクションにおける循環がブースタ制御弁75によって決定され、このブースタ制御弁75は、2つの位置の間で、つまり、全てのCO2が圧縮機の高温セクションに向けられる(ブースタが必要とされる場合の)第1の最終位置と全てのCO2が圧縮機の高温セクションを通過することなしに暖房回路を含む主熱交換器5に直接向けられる第2の(全て閉じられた)最終位置との間で任意の程度まで開かれることに、気づくであろう。
【0060】
圧縮機M1が稼働しており、かつ、選択弁75が完全に閉じた位置にあるときに、過熱回路38内に停滞する作動流体が存在し、過熱回路38において、作動流体の温度が、典型的には600℃から700℃の間(下記参照)である燃焼器の温度に近い温度まで上昇することに、気づくであろう。しかし、選択された流体、言い換えればCO2の物理的性質により、高度の過圧または爆発の危険性はない。
【0061】
圧縮機が稼働しており、かつ、選択弁が第1の位置にある場合、再循環回路の下流部分38bでは、CO2圧縮性流体の温度は、燃焼器において供給されるブースト出力に応じて、100℃から300℃の間である。
【0062】
図3の構成では、単一の燃焼器11に送達される出力は、0kWから20kWの間で調節され得る。ブーストが必要とされずに圧縮機が稼働している場合、送達される出力は、具体的には3kWから6kWの間である。ブーストが必要である場合、圧縮機は稼働しており(3kWから6kWを示す)、出力の残りの部分(2kWから15kWを示す)は、燃焼器から過熱回路38内を再循環している作動流体に直接供給される。
【0063】
関係する出力間の平衡は、
図5に示されている。符号95をつけられた曲線「ブースタなしで利用可能な出力」は、圧縮機によって供給される出力と外部環境におけるエネルギーの自由な収集の和を表す。曲線96a、96b、96cは、定常状態における3つのタイプの住居のための暖房に対する需要を表す。
【0064】
「ブースタが必要とされる」状況は、外部温度が約-5℃から0℃の閾値未満の領域内である場合に生じる。
【0065】
さらに、このダイヤグラムは、シャワー、トイレ、台所用の器具、などを使用する人数に依存する家庭用温水の生成などの需要の急上昇を表わしていない。このダイヤグラムはまた、まれにしか使用されない住居をその通常の温度に戻すときの需要の急上昇を表わしていない。
【0066】
図2および
図3の構成では、暖房回路30の帰路が、最初に主要熱交換器5、51を通過し、次いで暖房回路の流体が圧縮機M1を冷やす圧縮機の低温ゾーンに向かうことに、気づくであろう。
【0067】
全ての構成において、暖房回路30の帰路は、燃焼器11からの燃焼ガスのための出口回路(符号32で示される)が、暖房回路に結合された交換器21の内側を通り、交換器21において(燃焼に由来する)排出ガスがそれらの熱エネルギーを主要暖房回路30の流体に伝達するように、配置され得る。
【0068】
反対に、全ての構成において、符号9で示された空気取入れ口予熱交換器が設けられてもよく、この空気取入れ口予熱交換器は、燃焼器11から離れるガス中に存在する熱エネルギーを使用して、燃焼器火炎に提供される新鮮空気35を予熱する。ここで、予熱交換器9は、示された例では直交流で使用される、それ自体周知の空気対空気交換器である。
【0069】
したがって、燃焼器11のノズルに入る空気は、100℃から200℃の範囲内の温度である。
【0070】
導入されて燃焼器11によって燃焼されるガスの量は、制御ユニット1(
図9参照)によって制御され、この制御ユニット1は、圧縮機M1の高温部の温度を目標温度(典型的には600℃から700℃の間)に維持するための少なくとも1つのサーボループを含む。制御ユニット1は、燃焼器11に送達されるガスの量を(豊富度の制御により)制御するだけでなく、DHW制御弁78を、また必要であれば以下で論じられる調整モータ17の回転速度をも制御する。制御ユニットはまた、ブースタ加熱の必要性に対処することに加えて、過熱回路38を作動させるかまたは作動させない選択弁75の位置を制御する。
【0071】
具体的には、圧縮機燃焼器を収容するハウジング110の温度を捕らえる温度センサ61が設けられる(
図6参照)。制御ユニットはまた、家庭用温水回路、使用者が温度を設定するために使用する、住居内の暖房を制御するための汎用サーモスタット66、などから、種々の温度および流量の情報62、63を受信することができる。
【0072】
現在の構成および温度に応じて、この制御は、燃焼器における流量、ブースタ制御弁75、およびDHW制御弁78に対して、全か無かの決定(オン/オフサイクリング)および/または連続的なサーボ制御を引き起こす。
【0073】
より具体的には、圧縮機M1の構成に関して、
図6を参照すると、圧縮機M1は、熱エネルギーを供給するためのゾーン(高温ゾーン)、冷却ゾーン(低温ゾーン)、2つの逆止め弁すなわち入口弁41(取入れ)および出口弁42(排出)を通じて外部と連通する閉じたチャンバ8を含む、「再生式」熱圧縮機である。
【0074】
図4および
図6の例では、符号U1で示された1つの圧縮段のみが存在するが、
図8の例では、圧縮段は、3段の圧縮、言い換えれば3つの圧縮ユニットU1、U2、U3を含む構成である。
【0075】
密閉されたチャンバ8内では、圧縮性流体は、ほぼ一定の体積を占め、変位するピストン71が、圧縮性流体の体積の大部分を高温ゾーンへまたは低温ゾーンへ移動させるために、示された例では頂部から底部まで、その移動を交互に行うように構成される。ピストンは、以下で分かる自己駆動システム内の連接ロッドおよびクランク軸システムに接続される。
【0076】
図6に示されるように、圧縮機は、軸方向Xの周りに設計され、この軸方向Xは、好ましくは垂直に配置されるが、他の配置が排除される訳ではない。円筒形ジャケット90内で移動するように取り付けられたピストン71は、この軸に沿って移動することができる。前述のピストンは、第1のチャンバ81および第2のチャンバ82を分離し、これら2つのチャンバは、作動チャンバ8内に含まれており、それらの体積の和V1+V2は、実質的に一定である。ピストン71は、ドーム形状の、例えば半球状の上方部分を有する。
【0077】
作動チャンバ8は、断熱リング97が挿入された高温ケーシング96と低温シリンダヘッド95とによって形成された組立体内に構造的に収容される。
【0078】
「高温チャンバ」とも呼ばれる第1のチャンバ81は、ピストンの上方に配置され、かつ、ガス状流体に直接熱を供給する熱源11(燃料燃焼器11)に熱的に結合される。第1のチャンバは、ピストンの直径D1に対応する直径を有する円筒形部分と頂部における半球状部分とを含む回転体であり、半球状部分は、圧縮性流体の出入りのための中央開口部83を備える。熱源11は、高温チャンバ81の全周に配置されるキャップ110を形成し、燃焼器ノズルが中央に位置する。
【0079】
「低温チャンバ」とも呼ばれる第2のチャンバ82は、ピストンの下方に配置され、かつ、低温源(ここでは、暖房回路91の帰路)に熱的に結合され、したがって、圧縮性流体から暖房回路に熱を伝達する。第2のチャンバは、直径D1の円筒形であり、かつ、圧縮性流体の出入りのために、ピストンの下方で軸を中心とした円に配置されたいくつかの開口部84を備える。
【0080】
円筒形ジャケット90の壁の周りには、スターリング型熱力学的機関において従来使用されるタイプの再生式熱交換器19が配置される。この交換器19(以下では、単純に「再生器」とも呼ばれる)は、小断面積の流体チャネルと、熱エネルギー貯蔵要素および/または金属線の密なメッシュと、を備える。この再生器19は、チャンバの上端部と下端部との間の中間の高さに配置され、かつ、頂部に向かう高温側19a、および底部に向かう低温側19bを有する。
【0081】
再生器内では、高温側と低温側との間の強い温度勾配が認められ、高温側は、燃焼器キャップの温度、すなわち700℃に近い温度を有しており、低温側は、暖房回路の温度、すなわち暖房回路上に存在する実体に応じて30℃から70℃の間の温度に近い温度を有している。
【0082】
高温ケーシング96の内表面に向かい合って配置された環状の循環間隙24が、第1のチャンバの開口部83を再生器の高温側19aに接続する。
【0083】
シリンダヘッド95内のチャネル25が、第2のチャンバの開口部84を再生器の低温側19bに接続する。
【0084】
したがって、ピストンが上昇するときに、圧縮性ガスは、第1のチャンバ81から、循環間隙24、再生器19、およびチャネル25を介して、低温の第2のチャンバ82に向かって推進される。反対に、ピストンが下降するときに、圧縮性ガスは、低温の第2のチャンバ82から、チャネル25、再生器19、および循環間隙24を介して、第1のチャンバ81に向かって推進される。
【0085】
圧縮機の動作は、下死点BDCと上死点TDCとの間でのピストン71の往復運動、ならびに、入口上の吸込み弁41の作用および出口上の排出逆止め弁42の作用によって提供される。以下で説明される種々のステップA、B、C、Dは、
図6および
図7に表わされている。
【0086】
ステップA。
最初は頂部にあるピストンは下方に移動し、第1のチャンバ81の体積が増大する一方で、第2のチャンバ82の体積が減少する。そのため、流体は、再生器19を通して底部から頂部へと押され、この過程において加熱される。それと同時に圧力Pwが上昇する。
【0087】
ステップB。
圧力Pwが特定の値を超えると、出口弁42が開き、圧力Pwは、圧縮流体出口圧力P2に落ち着き、流体は、出口へ放出される(この間、入口弁41は、当然ながら閉じたままである)。これは、ピストンが下死点に到達するまで継続する。
【0088】
ステップC。
そして、ピストンは底部から頂部へと移動し、第1のチャンバの体積が減少するにつれて、第2のチャンバの体積が増大する。その結果、流体は、再生器19を通して頂部から底部へと押され、この過程において冷える。それと同時に圧力Pwが低下する。出口弁42は、この上方移動の開始時に閉じられる。
【0089】
ステップD。
圧力Pwが特定の値未満に下がる場合、入口弁41が開き、圧力Pwは、流体入口圧力P1に落ち着き、流体は、入口に吸い込まれる(この間、出口弁42は、当然ながら閉じたままである)。これは、ピストンが上死点に到達するまで継続する。入口弁41は、ピストンがその下降を始めるときに閉じる。
【0090】
ロッド18の運動は、ロッドの一方の端部に作用する自己駆動デバイス14によって制御される。この自己駆動デバイスは、軸Y1の周りで回転するように取り付けられたはずみ車142と、例えば転がり軸受143であるピボット接続部により前述のはずみ車に接続された連接ロッド141と、を備える。連接ロッド141は、例えばころ軸受144である別のピボット接続部により、ロッドに接続される。
【0091】
ブースタチャンバ88は、Paで示された圧力のガス状作動流体で満たされる。デバイスが動作しているとき、ブースタチャンバ88内の圧力Paは、最小圧力P1と最大圧力P2の和の半分に実質的に等しい平均圧力に収束する。実際には、動的モードにおいては、リング118とロッド18との間の減少した機能的クリアランスにより、この微量の漏れは動作に影響せず、ごくわずかなままである。
【0092】
はずみ車が1回転だけ回転するときに、ピストンは、直径D1を乗じた中立点と下死点との間の距離に対応する体積を通る。
【0093】
熱力学的サイクルは、
図7に示されたように、自己駆動デバイスに正の仕事を供給する。
【0094】
しかし、初始動のために、また、回転速度を調節することができるようにするために、はずみ車142に結合されるモータ17が設けられる。
【0095】
このモータは、有利には、ブースタチャンバ88内に収容されるか、または、壁への磁気結合によりブースタチャンバ88の外側に位置し得る。
【0096】
モータ17は、図に示されていない制御ユニットによって制御される。モータは、はずみ車の回転速度を速くするかまたは遅くするように制御可能であり、交換される熱流量は、はずみ車の回転速度とほぼ比例関係にある。モータ17により、制御ユニットは、回転速度を典型的には100rpmから500rpmの間で、好ましくは[200rpm~300rpm]の範囲内で調節することができる。
【0097】
モータ17が自己駆動デバイス14を起動する働きをすることに気づくであろう。
【0098】
ピストン71は(内燃機関または従来のスターリング機関とは違って)受動ピストンではなく、単純に変位ピストンであることに留意されたい。動力は、動作ガスの圧力の上昇の形で供給される。
【0099】
ロッド18の体積の変化を無視し、V1が第1のチャンバの体積であり、V2が第2のチャンバの体積であり、Vchannelが導管24、25の体積である場合、V1+V2+Vchannel=Vtotalであることに気づくであろう。それは、例えばVchannel<10%V1+V2が得られる、より小さな断面積の管により、可能な限り少ないデッドボリュームを有するように配置されることが好ましい。
【0100】
図8は、相補的な特性、すなわち、3つの圧縮段、言い換えれば3つの圧縮ユニットU1、U2、U3を含む構成を示す。
【0101】
第2の段U2および第3の段U3は、あらゆる点で第1の段U1に類似または相似しており、それぞれは、吸い込まれた空気と混合されたガスの燃焼が起こる場所である燃焼器12、13と、第1の段のものに類似しておりかつその運動および回転速度が第1の段のものとは独立している変位ピストン72、73と、を備える。
【0102】
有利には、段は、独立して動作する。回転速度は、段ごとに異なり得る。
【0103】
暖房回路が一連のチャネル93、92、および91を介して圧縮機の3つの低温ゾーンを冷やすことに気づくであろう。
【0104】
第1の段の出口、言い換えれば弁42は、第2の段の入口、言い換えれば弁43に接続される。第2の段の出口、言い換えれば弁44は、第3の段の入口、言い換えれば弁45に接続される。弁46の出口は、圧縮機1の全体的な出口を形成する。
【0105】
圧力の段階分けは、典型的には以下の通りとされ得る。第1の段U1の入口圧力は、約20バールである。第1の段の排出圧力(第2の段の入口)は、約40バールである。第2の段U2の排出圧力(第3の段の入口)は、約60バールである。第3の段U3の出力は、約80バールであり得る。
【0106】
それは、3つの段Ul、U2、U3の3つの低温ゾーンが、低温シリンダヘッドと呼ばれる単一の部品を形成するように、配置され得る。
【0107】
当然ながら、2段の構成U1、U2を有することも可能である。
【0108】
さらに、上述のものに類似した2つの(または、それより多くの)段が平行に配置される構成を提供することが可能である。
【0109】
一般に、燃焼器において使用される燃料は、天然ガス、または植物もしくは動物起源のバイオガス、または産業用石油処理からの軽質炭化水素廃棄物であり得ることに、気づくであろう。
【0110】
家庭用温水の場合は別として、時折の居住者が到着するときに常温にされなければならない別荘の場合に、大出力の必要性が存在する。提示された構成は、住居を暖めるかまたは冷やすために、比較的長時間にわたって20kW超を送達することを可能にする。
【0111】
図10に示されるように、上述の熱圧縮機1は、
図1から
図3のダイヤグラムとの関連で、当然ながら暖房モードで使用され得るが、その可逆性により空気調節のためにも使用され得る。
【0112】
その場合、空気調節モードでは、熱は、(例えば、床下暖房において)暖房回路30から取り込まれ、集められた熱は、家庭用温水回路15、16に、または外部ユニット4に向けられる。
【0113】
この結果は、圧縮性ガスループ31上の蒸発および凝縮交換器5’、6’の役割を逆転させることによって得られ得る。
【0114】
明瞭性のために、流体の流れの方向を逆転させることを可能にする四方弁77は、
図1から
図3には示されていないが、原理は
図10に表わされており、ここでは、四方弁77は、暖房モードと呼ばれる通常位置、および、空気調節モードと呼ばれる(逆転した)特別位置を有し、特別位置は、それ自体周知のように符号5’および6’で示された交換器の役割を反対にする。
【0115】
明瞭性のために、ボイラシステムにおけるいくつかの構成要素は示されていなかったが、それらの構成要素も存在し得る。それらの構成要素には、
- 水回路34、30上の膨張容器(expansion vessel)、
- 暖房回路の充填およびパージのためのコック、
- CO2回路の充填およびパージのためのコック、
- システムを制御するために制御ユニットに必要な種々のマノメータおよび温度センサ
が含まれる。
【0116】
回路の概要
30:暖房回路
31:CO2圧縮性流体
32:燃焼ガス
33:DHWのためのバイパス
34:グリコール化水(外部との交換)
35:加熱される吸気
36:DHW特定回路
【符号の説明】
【0117】
1 制御ユニット
3 受熱体
4 外部ユニット
5 交換器、蒸発および凝縮交換器
6 界面交換器、蒸発および凝縮交換器
7 逃がし弁、膨張弁
8 チャンバ、作動チャンバ
9 空気取入れ口予熱交換器、予熱交換器
10 ボイラ
11 燃焼器、ブースタ燃焼器、燃料燃焼器
11a 燃焼器
11b 燃焼器
12 燃焼器
13 燃焼器
14 自己駆動デバイス
15 DHW交換器、家庭用温水回路
16 貯蔵槽、家庭用温水回路
17 調整モータ
18 ロッド
19 再生式熱交換器、再生器
19a 高温側
19b 低温側
21 交換器
24 循環間隙、導管
25 チャネル、導管
30 暖房回路
31 熱ポンプ型ループ、圧縮性流体回路、作動流体回路、CO2回路、圧縮性ガスループ
32 出口回路
33 バイパス枝路、家庭用温水回路、バイパス
34 熱ポンプ型ループ、グリコール化水回路、水回路
35 新鮮空気
36 流体の循環
38 過熱回路
38a 上流部分
38b 下流部分
41 入口弁、吸込み弁
42 出口弁、排出逆止め弁
43 弁
44 弁
45 弁
46 弁
50 高温交換器
51 低温交換器
61 温度センサ
62 温度情報
63 流量情報
66 汎用サーモスタット
71 ピストン
72 変位ピストン
73 変位ピストン
75 ブースタ制御弁、選択弁
77 四方弁
78 DHW制御弁
81 第1のチャンバ、高温チャンバ
82 第2のチャンバ、低温チャンバ
83 中央開口部
84 開口部
88 ブースタチャンバ
90 円筒形ジャケット
91 暖房回路、チャネル
92 チャネル
93 チャネル
95 低温シリンダヘッド
96 高温ケーシング
97 断熱リング
110 ハウジング、キャップ
118 リング
141 連接ロッド
142 はずみ車
143 転がり軸受
144 ころ軸受
D1 ピストンの直径
M1 圧縮機
M3 循環機
M4 循環機
P1 流体入口圧力、最小圧力
P2 圧縮流体出口圧力、最大圧力
Pa 圧力
Pw 圧力
U1 第1の圧縮段
U2 第2の圧縮段
U3 第3の圧縮段
X 軸方向
Y1 軸