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特許7311432使い捨て着用物品の製造方法および製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】使い捨て着用物品の製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20230711BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20230711BHJP
   B26D 1/40 20060101ALI20230711BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
A61F13/15 380
A61F13/15 351A
A61F13/15 371
A61F13/15 393
A61F13/49 410
B26D1/40 502G
B26D1/40 502J
B26D7/18 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019566423
(86)(22)【出願日】2019-01-08
(86)【国際出願番号】 JP2019000180
(87)【国際公開番号】W WO2019142691
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】P 2018004844
(32)【優先日】2018-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】100102060
【弁理士】
【氏名又は名称】山村 喜信
(74)【代理人】
【識別番号】110001265
【氏名又は名称】弁理士法人山村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 大輔
(72)【発明者】
【氏名】宇谷 晃司
(72)【発明者】
【氏名】藤田 英生
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/190065(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/006834(WO,A1)
【文献】特開2013-255624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15
A61F 13/49
B26D 1/40
B26D 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性本体に外装材を重ねた使い捨て着用物品の製造方法であって、
搬送方向に連続し吸収性本体20となる連続積層体Sを導入速度V1でアンビルロール2に導入する導入工程と、
前記導入速度V1よりも大きいドラム速度V2で回転する前記アンビルロール2の周面2fで前記連続積層体Sの先端部S1を吸着しながら、かつ、前記アンビルロール2の前記周面2fに対し前記連続積層体Sの前記先端部S1をスリップさせながら前記連続積層体Sを前記導入速度V1で搬送するスリップ工程と、
前記アンビルロール2上において前記連続積層体Sの前記先端部S1を次々に切断して前記吸収性本体20を次々に得る切断工程と、
前記切断工程において切断された前記吸収性本体20を前記アンビルロール2の前記周面2fに沿って前記ドラム速度V2で搬送することにより前記連続積層体Sから前記吸収性本体20を前記搬送方向に離間させる離間工程と、
前記離間工程において離間された前記各吸収性本体20を前記アンビルロール2からターンドラムDの各保持パッドPに次々に受け渡す第1受け渡し工程と、
前記ターンドラムDの前記各保持パッドPが前記ターンドラムDの軸線DLのまわりに一定の前記ドラム速度V2で回転しながら、前記ターンドラムD上において前記各保持パッドPが前記ターンドラムDの法線Lのまわりに旋回して前記各保持パッドPと共に前記各吸収性本体20の姿勢を変更する姿勢変更工程と、
受取位置R1において前記各吸収性本体20を前記ターンドラムDの前記各保持パッドPから変速ローラ3の各変速パッド30A,30Bに前記ドラム速度V2で移送する第2受け渡し工程と、
前記変速ローラ3が前記受取位置R1から渡し位置R2に至るまでに前記ドラム速度V2から配置速度V3に変速する変速工程と、
外装材21を搬送装置4が前記配置速度V3で搬送する搬送工程と、
前記渡し位置R2において前記吸収性本体20を前記搬送装置4で搬送される前記外装材21に次々に配置する配置工程と、
を備え、
ここにおいて、前記導入速度V1および前記配置速度V3は、各々、前記着用物品のサイズに応じた速度に設定され、
前記ターンドラムDの前記各保持パッドPの前記ドラム速度V2は、前記サイズに拘わらず一定速度に設定される、製造方法。
【請求項2】
請求項1において、前記ドラム速度V2は着用物品のサイズに拘わらず前記導入速度V1および前記配置速度V3よりも大きい一定速度に設定される、製造方法。
【請求項3】
請求項1の方法において、第1サイズの着用物品および前記第1サイズの着用物品よりも前記搬送方向の長さが小さい第2サイズの着用物品を製造する方法であって、
前記第1サイズの着用物品N1を製造する際には、前記導入速度V1が高速の第1導入速度V11に設定され、前記配置速度V3が高速の第1配置速度V31に設定され、
前記第2サイズの着用物品N2を製造する際には、前記導入速度V1が前記第1導入速度V11よりも低速の第2導入速度V12に設定され、前記配置速度V3が前記第1配置速度V31よりも低速の第2配置速度V32に設定され、
前記ドラム速度V2は前記サイズに拘わらず一定速度に設定される、着用物品の製造方法。
【請求項4】
請求項3において、前記第2サイズの着用物品よりも前記搬送方向の長さが更に小さい第3サイズの着用物品N3を製造する方法であって、
前記第3サイズの着用物品N3を製造する際には、
前記導入速度V1が前記第2導入速度V12よりも更に低速の第3導入速度V13に設定され、
前記ドラム速度V2は前記サイズに拘わらず一定速度に設定され、
前記配置速度V3が前記第2配置速度V32よりも更に低速の第3配置速度V33に設定される、着用物品の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項において、前記受取位置R1から前記渡し位置R2に至る区間において、各サーボモータ31の回転速度が変化されることによって前記変速ローラ3の前記各変速パッド30を減速または加速させる、製造方法。
【請求項6】
吸収性本体に外装材を重ねた使い捨て着用物品の製造装置であって、
搬送方向に連続し吸収性本体20となる連続積層体Sを導入速度V1で搬送する第1搬送装置5と、
前記導入速度V1よりも大きいドラム速度V2で回転し、周面2fで前記連続積層体Sの先端部S1を吸着しながら、かつ、前記周面2fに対し前記連続積層体Sの前記先端部S1をスリップさせながら前記連続積層体Sを前記導入速度V1で搬送すると共に前記連続積層体Sの前記先端部S1が次々に切断されて生成された前記吸収性本体20を前記周面2fに沿って前記導入速度V1よりも大きい前記ドラム速度V2で搬送することにより前記連続積層体Sから前記吸収性本体20を前記搬送方向に離間させるアンビルロール2と、
前記アンビルロール2上の前記連続積層体Sの前記先端部S1を次々に切断して前記吸収性本体20を次々に生成するカッタ1と、
前記各吸収性本体20を前記アンビルロール2から複数の各保持パッドPで次々と受け取り、前記各保持パッドPが一定の前記ドラム速度V2で前記吸収性本体20を搬送しながら、前記保持パッドPが法線Lのまわりに旋回して前記保持パッドPと共に前記吸収性本体20の姿勢を変更するターンドラムDと、
配置速度V3を有し、外装材21を搬送する第2搬送装置4と、
受取位置R1において前記各吸収性本体20を前記ターンドラムDの前記保持パッドPから各変速パッド30A,30Bに受け取り、かつ、渡し位置R2において前記各吸収性本体20を前記第2搬送装置4で搬送される前記外装材21に配置する変速ローラ3と、
を備え、
ここにおいて、前記各保持パッドPの前記ドラム速度V2は着用物品のサイズに拘わらず前記導入速度V1および前記配置速度V3よりも大きい一定速度に設定されている、製造装置。
【請求項7】
請求項6において、前記各保持パッドPを前記ターンドラムD上において、各々、独立して旋回させる旋回機構6を前記ターンドラムDが備える、製造装置。
【請求項8】
請求項6もしくは7において、前記変速ローラ3は前記吸収性本体20のうちの先行の吸収性本体20の長手方向の両端部を保持する一対の第1変速パッド30Aと、前記吸収性本体20のうちの後続の吸収性本体20の長手方向の両端部を保持する一対の第2変速パッド30Bとを備える、製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使い捨て着用物品の製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の着用物品の製造においては、いわゆる、カットアンドスリップにより、連続シートからシート片を切断し、切断した各シート片同士の間隔を拡げて連続ウェブ上に配置する方法が知られている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】JP2007-260875 A
【文献】WO2005/075163 A
【文献】WO2014/006834 A
【発明の概要】
【0004】
また、シート片を回転するドラム上の保持パッドで受取り、保持パッドの回転速度を加速することで、シート片の間隔を拡げる方法も知られている(特許文献2,3)。
【0005】
しかし、この方法では保持パッドを加速する機構が必要となる。また、保持パッド上でシートを切断するためにアンビルを保持パッド上に設けているため、イナーシャ(Inertia)が大きくなり、制御が困難となる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、製品サイズの変更に伴うドラムの変更が不要で、かつ、制御も容易な使い捨て着用物品の製造方法および製造装置を提供することである。
【0007】
本発明の製造方法は、吸収性本体に外装材を重ねた使い捨て着用物品の製造方法であって、
搬送方向に連続し吸収性本体20となる連続積層体Sを導入速度V1でアンビルロール2に導入する導入工程と、
前記導入速度V1よりも大きいドラム速度V2で回転する前記アンビルロール2の周面2fで前記連続積層体Sの先端部S1を吸着しながら、かつ、前記アンビルロール2の前記周面2fに対し前記連続積層体Sの前記先端部S1をスリップさせながら前記連続積層体Sを前記導入速度V1で搬送するスリップ工程と、
前記アンビルロール2上において前記連続積層体Sの前記先端部S1を次々に切断して前記吸収性本体20を次々に得る切断工程と、
前記切断工程において切断された前記吸収性本体20を前記アンビルロール2の前記周面2fに沿って前記ドラム速度V2で搬送することにより前記連続積層体Sから前記吸収性本体20を前記搬送方向に離間させる離間工程と、
前記離間工程において離間された前記各吸収性本体20を前記アンビルロール2からターンドラムDの各保持パッドPに次々に受け渡す第1受け渡し工程と、
前記ターンドラムDの前記各保持パッドPが前記ターンドラムDの軸線DLのまわりに一定の前記ドラム速度V2で回転しながら、前記ターンドラムD上において前記各保持パッドPが前記ターンドラムDの法線Lのまわりに旋回して前記各保持パッドPと共に前記各吸収性本体20の姿勢を変更する姿勢変更工程と、
受取位置R1において前記各吸収性本体20を前記ターンドラムDの前記各保持パッドPから変速ローラ3の各変速パッド30A,30Bに前記ドラム速度V2で移送する第2受け渡し工程と、
前記変速ローラ3が前記受取位置R1から渡し位置R2に至るまでに前記ドラム速度V2から配置速度V3に変速する変速工程と、
外装材21を搬送装置4が前記配置速度V3で搬送する搬送工程と、
前記渡し位置R2において前記吸収性本体20を前記搬送装置4で搬送される前記外装材21に次々に配置する配置工程とを備える。
【0008】
一方、本発明の製造装置は、吸収性本体に外装材を重ねた使い捨て着用物品の製造装置であって、
搬送方向に連続し吸収性本体20となる連続積層体Sを導入速度V1で搬送する第1搬送装置5と、
前記導入速度V1よりも大きいドラム速度V2で回転し、周面2fで前記連続積層体Sの先端部S1を吸着しながら、かつ、前記周面2fに対し前記連続積層体Sの先端部S1をスリップさせながら前記連続積層体Sを前記導入速度V1で搬送すると共に前記連続積層体Sの前記先端部S1が次々に切断されて生成された前記吸収性本体20を前記周面2fに沿って前記導入速度V1よりも大きい前記ドラム速度V2で搬送することにより前記連続積層体Sから前記吸収性本体20を前記搬送方向に離間させるアンビルロール2と、
前記アンビルロール2上の前記連続積層体Sの前記先端部S1を次々に切断して前記吸収性本体20を次々に生成するカッタ1と、
前記各吸収性本体20を前記アンビルロール2から複数の各保持パッドPで次々と受け取り、一定の前記ドラム速度V2で前記吸収性本体20を搬送しながら、前記保持パッドPが法線Lのまわりに旋回して前記保持パッドPと共に前記吸収性本体20の姿勢を変更するターンドラムDと、
配置速度V3を有し、外装材21を搬送する第2搬送装置4と、
受取位置R1において前記各吸収性本体20を前記ターンドラムDの前記保持パッドPから各変速パッド30A,30Bに受け取り、かつ、渡し位置R2において前記各吸収性本体20を前記第2搬送装置4で搬送される前記外装材21に配置する変速ローラ3と、
を備える。
【0009】
本発明において、第1サイズの着用物品および前記第1サイズの着用物品よりも前記搬送方向の長さが小さい第2サイズの着用物品を製造する際には例えば以下のように設定される。
前記第1サイズの着用物品N1を製造する際には前記導入速度V1が高速の第1導入速度V11に設定され、前記配置速度V3が高速の第1配置速度V31に設定され、
前記第2サイズの着用物品N2を製造する際には、前記導入速度V1が前記第1導入速度V11よりも低速の第2導入速度V12に設定され、前記配置速度V3が前記第1配置速度V31よりも低速の第2配置速度V32に設定され、
前記ドラム速度V2は前記サイズに拘わらず一定速度に設定される。
【0010】
更に、前記第2サイズの着用物品よりも前記搬送方向の長さが更に小さい第3サイズの着用物品N3を製造する際には、例えば以下のように設定される。
すなわち、前記第3サイズの着用物品N3を製造する際には、
前記導入速度V1が前記第2導入速度V12よりも更に低速の第3導入速度V13に設定され、
前記ドラム速度V2は前記サイズに拘わらず一定速度に設定され、
前記配置速度V3が前記第2配置速度V32よりも更に低速の第3配置速度V33に設定される。
【0011】
このように、本発明によれば、前記導入速度V1および配置速度V3は、各々、前記着用物品のサイズに応じた速度に設定され、
前記ターンドラムDのドラム速度V2は、前記サイズに拘わらず一定速度に設定される。
【0012】
そのため、複数の保持パッドPを有しているターンドラムDのイナーシャが小さい上、ターンドラムDのドラム速度V2を加減速する必要もない。
【0013】
したがって、本発明によると、製造サイズの変更に伴うドラムの変更が不要で、かつ、制御も容易な使い捨て着用物品の製造方法および製造装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1Aは本発明にかかる着用物品の一例を示す展開図、図1Bは同着用物品の製造方法の一例を示す平面図である。
図2図2は着用物品の製造装置を示す概略レイアウト図である。
図3図3Aはターンドラムの概略断面図、図3Bは同ドラムの概略一部断面図である。
図4図4Aは変速ローラの一例を示す断面図、図4B図4Dは、それぞれ、同ローラの動作図である。
図5図5は変速ローラの別の例を示す断面図である。
図6図6は第2サイズの着用物品を製造する場合を示す概略レイアウト図である。
図7図7は第3サイズの着用物品を製造する場合を示す概略レイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明方法において更に好ましくは、前記ドラム速度V2は着用物品のサイズに拘わらず前記導入速度V1および配置速度V3よりも大きい一定速度に設定される。
【0016】
この場合、ドラム速度V2が大きい。そのため、前記ドラム速度V2よりも小さい速度の範囲で前記導入速度V1を吸収性本体20の長手方向の長さに応じて変化させ、前記配置速度V3を外装材21の胴回り方向の長さに応じて変化させるだけで、各サイズの着用物品の製造が可能となるであろう。
【0017】
本発明装置において、好ましくは、前記変速ローラ3は前記吸収性本体20のうちの先行の吸収性本体20の長手方向の両端部を保持する一対の第1変速パッド30Aと、前記吸収性本体20のうちの後続の吸収性本体20の長手方向の両端部を保持する一対の第2変速パッド30Bとを備える。
すなわち、一対の第1(第2)変速パッドのうちの1つのパッドで前記吸収性本体の長手方向の一端を保持し、かつ、前記一対の変速パッドうちの別のパッドで同吸収性本体の他端を保持する。
【0018】
この場合、各一対の変速パッド30A,30Bが、それぞれ、各吸収性本体20の長手方向の両端部を保持する。そのため、ターンドラムDの保持パッドPが前記各変速パッド30A,30Bに沿い易く、受け渡しがスムースになるであろう。
【0019】
1つの前記各実施態様または下記の実施例に関連して説明および/または図示した特徴は、1つまたはそれ以上の他の実施態様または他の実施例において同一または類似な形で、および/または他の実施態様または実施例の特徴と組み合わせて、または、その代わりに利用することができる。
【実施例
【0020】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかし、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【0021】
以下、本発明の実施例が図面にしたがって説明される。
まず、本製造方法および装置の説明に先立って、本製造方法により製造が可能な着用物品の一例が説明される。
【0022】
図1Aに示すように、本オムツは、吸収性本体20、該本体20が接合された一対の外装材21,21を備えている。
前記本体20は、着用時に着用者の前胴回り域の一部、股下域および後胴回り域の一部を覆う。
【0023】
前記本体20は、たとえば、着用者の表面に接触する一対のカフ(防漏壁。図示は省略。)と、液透過性を有するトップシートと、液を吸収する吸収性コア24と、液不透過性を有するバックシートなどを備えていてもよい。前記トップシートと前記バックシートとの間にコア24が挟まれていてもよい。
【0024】
図1Aの例において、吸収性本体20は前胴回り部材22と後胴回り部材22との間に架設されている。すなわち、前記吸収性本体20のフロント部の縦方向(長手方向)の端部は、前記前胴回り部材22に貼り付けられている。一方、吸収性本体2のバック部の前記縦方向の端部は、前記後胴回り部材22に貼り付けられている。
【0025】
前記前後の各胴回り部材22は、外装材21を構成し連続積層体が切断されてなる。前記各胴回り部材22は、それぞれ、弾性部材および複数の不織布が互いに積層された積層体であってもよい。
なお、外装材21は前後の胴回り部材22,22に分かれていなくてもよい。いわゆるT字型のオムツであってもよい。
【0026】
つぎに、製造装置の一例が説明される。
図2に示すように、本製造装置は、コンベヤ5(第1搬送装置の一例)、カッタ1、アンビルロール2、ターンドラムD、変速ローラ3および搬送ローラ4(第2搬送装置の一例)を備える。
【0027】
前記コンベヤ5は搬送方向Y(図1B)に連続した連続積層体Sの一部を吸着部50で吸着しながら前記連続積層体Sを導入速度V1で搬送する。
なお、本明細書において、速度とは、ワーク(加工対象物)の搬送速度、各ロールやパッド表面の周速度を意味する。
【0028】
前記コンベヤ5の下流の前記アンビルロール2は、前記コンベヤ5の導入速度V1よりも大きいドラム速度V2で回転している。前記アンビルロール2は、周面2fで前記連続積層体Sの先端部S1を吸着しながら、かつ、周面2fに対し前記連続積層体Sの先端部S1をスリップさせながら前記連続積層体Sを前記コンベヤ5の導入速度V1で搬送する。
【0029】
すなわち、前記アンビルロール2は、前記連続積層体Sの先端部S1を保持バキューム2bにより吸着すると共にコンベヤ5からアンビルロール2に前記連続積層体Sが供給される前記導入速度V1よりも大きい一定のドラム速度V2で回転している。
前記導入速度V1で同アンビルロール2に導入される前記連続積層体Sの先端部S1は連続積層体に連なっているため同アンビルロール2の周面2fにおいてスリップする。そのため、前記連続積層体Sをアンビルロール2に導入する際、同アンビルロール2上において連続積層体Sが搬送される速度は前記コンベヤ5の導入速度V1となる。
【0030】
前記カッタ1は搬送方向Yに連続する連続積層体Sのアンビルロール2上に導入された前記先端部S1を前記搬送方向Yの所定の間隔で次々に切断して複数の吸収性本体20を次々に生成する。
すなわち、アンビルロール2上に導入された連続積層体の先端部を切断して先行の吸収性本体20を生成した後、新たにアンビルロール2上に導入された連続積層体の先端部を切断して後続の吸収性本体20を生成する。
【0031】
前記アンビルロール2は、前記連続積層体Sの先端部S1が切断されて生成された吸収性本体20(図1B)を前記周面2fに沿って前記ドラム速度V2で搬送することにより前記連続積層体Sから前記吸収性本体20を搬送方向Yに離間させる。
【0032】
すなわち、図1Bに示すように、連続積層体Sから先端部S1が切断により解放されることで同先端部S1(吸収性本体20)が前記アンビルロール2のドラム速度V2で搬送され、後続の切断前の先端部S1との距離が拡がる。換言すれば、導入速度V1でアンビルロール上で搬送される前記連続積層体Sと前記導入速度V1よりも大きな前記ドラム速度V2で搬送される切断後の先端部S1との間の距離が拡がる。
【0033】
図2において、前記アンビルロール2は保持バキューム2bを備える。前記保持バキューム2bは前記個分けカッタ1で切断される前の前記連続積層体Sの先端部S1を前記アンビルロール2に保持する。更に、前記先端部S1を前記カッタ1で切断して得られた前記吸収性本体20を、前記ターンドラムDの保持パッドPに渡すまでの間、前記アンビルロール2に保持し続ける。
周知の構造であるが、前記保持バキューム2bによりアンビルロール2の所定のエリアにおいて、連続積層体Sまたは吸収性本体20を吸引するバキュームエリアを有する。
【0034】
前記アンビルロール2の下流のターンドラムDは、前記アンビルロール2から前記個分けされた吸収性本体20を受け取る。前記ターンドラムDのドラム速度V2と前記アンビルロール2のドラム速度V2とは同じ速度に設定されている。
図2に示すように、前記ターンドラムDは複数の保持パッドPを備える。この保持パッドPは、前記アンビルロール2から前記吸収性本体20を受け取り、前記ターンドラムDの法線Lのまわりに旋回することで、前記受け取った吸収性本体20の姿勢を変更する。
【0035】
すなわち、ターンドラムDは前記各吸収性本体20を前記アンビルロール2から複数の保持パッドPで次々と受け取る。その後、ターンドラムDは一定の前記ドラム速度V2で前記吸収性本体20を搬送しながら、前記保持パッドPが前記ターンドラムDの法線Lのまわりに90°旋回する。この結果、前記保持パッドPと共に前記吸収性本体20の姿勢が90°変更される。
前記吸収性本体20は、前記姿勢変更後、前記ターンドラムDから下流の変速ローラ4に渡される。
【0036】
前記保持パッドPは図示しない吸着装置を備えていてもよい。吸着装置は例えばパッドの表面に開孔した多数の吸引孔からバキュームにより吸収性本体20を吸着する。
【0037】
図3Aおよび図3Bに示すように、前記ターンドラムDは、周知のように、前記各保持パッドPを前記ターンドラムD上において、各々、独立して旋回させる旋回機構6を備える。
【0038】
前記旋回機構6は例えば、ターンドラムDの固定ドラム60の周面に形成されたカム溝61とカムフォロア62で構成されていてもよい。前記各保持パッドPは回転ドラム63に対し、法線Lのまわりに旋回自在に支持されている。
回転ドラム63は固定ドラム60の回りを軸線DLを中心に回転自在に支持されている。
なお、図2図3A図3B図6および図7においてカム溝61はグレーに着色されている。
【0039】
前記ターンドラムDから吸収性本体20を受け取る前記変速ローラ3よりも下流に配置された図2の前記搬送ローラ4は配置速度V3を有し、外装材21を搬送する。
前記変速ローラ3は前記搬送ローラ4と前記ターンドラムDとの間に配置されている。前記変速ローラ3は、受取位置R1において前記吸収性本体20を前記ターンドラムDの保持パッドPから変速パッド30(30A,30B)に受け取る。その後、前記変速パッド30A,30Bは渡し位置R2において前記吸収性本体20を前記搬送ローラ4で搬送される外装材21に配置する。
【0040】
すなわち、前記変速パッド30が前記吸収性本体20を介して保持パッドPに接する受取位置R1において、前記変速ローラ3(変速パッド30)は前記吸収性本体20を前記ターンドラムDから受け取る。
その後、変速パッド30が吸収性本体20を介して搬送ローラ4に接する渡し位置R2において、前記変速パッド30は前記吸収性本体20を搬送ローラ4(搬送装置の一例)で搬送される着用物品の外装材21に配置する。
前記外装材21は長手方向が搬送方向Yに沿っており、搬送方向Yに互いに連続している。なお、搬送ローラ4は搬送コンベヤであってもよい。
前記搬送ローラ4の配置速度V3は前記ターンドラムDのドラム速度V2よりも小さくなるように設定されていてもよい。
【0041】
つぎに、前記変速ローラ3の詳細な構成について説明する。
図4Aに示すように、前記変速ローラ3はたとえば2個(複数)の変速パッド30と、各パッド30に連結された一対のサーボモータ31とを有する。
図2の前記変速ローラ3の下流の前記搬送ローラ4の配置速度V3が前記ターンドラムDのドラム速度V2よりも小さく設定されている場合、前記サーボモータ31は、前記受取位置R1から前記渡し位置R2までの区間において、前記変速ローラ3の各パッド30の速度を前記ターンドラムDのドラム速度V2から前記搬送ローラ4の配置速度V3に減速させてもよい。
前記渡し位置R2において、前記搬送ローラ4で搬送される前記外装材21上に前記変速ローラ3のパッド30から前記本体20が配置される。
すなわち、前記受取位置R1において、前記変速ローラ3の各パッド30は、前記ドラム速度V2で前記ターンドラムDから前記吸収性本体20を受け取る。その後、前記各パッド30は前記渡し位置R2まで回転するまでの間に前記配置速度V3まで減速する。前記各パッド30は前記渡し位置R2において、前記配置速度V3で前記本体20を前記搬送ローラ4上の前記外装材21に配置する。前記配置後、前記各パッド30は前記ドラム速度V2まで速度を上げながら前記受取位置R1まで回転する。
【0042】
図4Aの前記変速ローラ3は軸方向に長い1本の支持軸32を備える。この支持軸32のまわりを例えば一対の変速パッド30が回転する。
【0043】
前記各変速パッド30は前記支持軸32の各端部において、軸受34を介して第1および第2軸受部35,36が支持されている。これにより、一対の変速パッド30が支持軸32のまわりを互いに拘束されることなく回転することができる。
【0044】
前記第1軸受部35には、前記支持軸32に沿って延びる前記変速パッド30が連なっている。前記パッド30の長手方向における表面は前記支持軸32に向かって凹となる形状であってもよい。この場合、前記ターンドラムDの円弧状の保持パッドP等の形状に沿い易いだろう。
また、図4Bに示すように、前記パッド30の側面は例えば円弧状であってもよい。
【0045】
前記各軸受部35には、それぞれ、ギヤ38を介してサーボモータ31が連結されている。したがって、前記各パッド30は前記サーボモータ31の回転速度が変化することにより、加減速される。
【0046】
前記両サーボモータ31,31は制御装置39によって回転の制御がなされる。
前記制御装置39はパッド30の基準点(たとえば受取位置R1)に対する位相(回転位置)とサーボモータ31の回転速度やパッド30の周速度との関係を記憶する記憶装置を備えている。この記憶装置には、後述する標準サイズ(Mサイズ)の他にLサイズおよび/またはXLサイズごとに前記関係が記憶されている。
【0047】
つぎに、図2の搬送ローラ4の配置速度V3が前記ターンドラムDのドラム速度V2よりも小さい場合における前記一対のサーボモータ31の変速による前記パッド30の動作の一例について説明する。このサーボモータ31の動作は前記制御装置39により制御される。
【0048】
図4B図4Dに示すように、一対のパッド30,30は各サーボモータ31(図4A)がパッド30の1回転につき少なくとも1回減速し、1回加速することにより、周期変速する。
すなわち、パッド30の速度は、パッド30がターンドラムDに接する受取位置R1(図2)およびその近傍ではターンドラムDのドラム速度V2と同じ速度となる。一方、前記パッド30の速度は、パッド30が搬送ローラ4と接する渡し位置R2(図2)およびその近傍では搬送ローラ4の配置速度V3と同じ速度となる。前記配置速度V3は前記ドラム速度V2よりも遅い速度に設定されている。
前記受取位置R1から前記渡し位置R2までの間の位置においては、パッド30は前記ドラム速度V2と配置速度V3の間の速度で減速しながら回転する。これにより、周知のように、先行の吸収性本体20と後続の吸収性本体20との間の距離が縮まる。
【0049】
換言すれば、前記パッド30は前記受取位置R1から1周して再び受取位置R1まで戻るまでの間に、前記受取位置R1およびその近傍では前記ターンドラムDのドラム速度V2と同じ速度であり、その後、減速して前記ドラム速度V2よりも小さな速度となり、前記渡し位置R2の近傍の区間に入ると前記搬送ローラ4の配置速度V3と同じ速度まで減速される。
【0050】
図2および図4B図4Dに示すように、前記パッド30は渡し位置R2において吸収性本体20を前記外装材21に配置した後、前記渡し位置R2の近傍の区間を過ぎると、前記搬送ローラ4の配置速度V3よりも大きな速度に加速される。その後、受取位置R1の近傍の区間に入ると前記ターンドラムDのドラム速度V2まで更に加速する。
前記ドラム速度V2まで加速した前記パッド30は、前記受取位置R1において、同じく前記ドラム速度V2で回転している前記ターンドラムDから前記吸収性本体20を受け取る。
なお、図4B図4Dにおいて吸収性本体20の図示は省略されている。
【0051】
つぎに、本使い捨て着用物品の製造方法の一例について説明する。
まず、第1サイズの着用物品の一例としてXLサイズ(大きいサイズ)の着用物品を製造する方法について説明する。本製造方法は、以下に説明する導入工程、スリップ工程、切断工程、離間工程、第1受け渡し工程、姿勢変更工程、第2受け渡し工程、変速工程、搬送工程および配置工程を備える。
【0052】
図2において、導入工程では、搬送方向Y(図1B)に連続し吸収性本体20となる連続積層体Sを導入速度V1(V11)でコンベヤ5からアンビルロール2に導入する。
前記導入後のスリップ工程では、前記導入速度V1よりも大きいドラム速度V2で回転する前記アンビルロール2の周面2fにおいて前記連続積層体Sの先端部S1を保持バキューム2bで吸着しながら、かつ、前記アンビルロール2の周面2fに対し前記連続積層体Sの先端部S1をスリップさせながら前記連続積層体Sを前記導入速度V1で搬送する。
【0053】
切断工程では、前記アンビルロール2上において前記導入速度V1で導入される前記連続積層体Sの先端部S1をカッタ1により次々に切断して前記吸収性本体20を次々に得る。
前記切断後の離間工程では、前記吸収性本体20を前記アンビルロール2の前記周面2fに沿って前記ドラム速度V2で搬送することにより前記連続積層体Sから前記吸収性本体20を前記搬送方向に離間させる。すなわち、切断された前記連続積層体Sの先端部S1が切断により前記連続積層体Sから解放され、前記導入速度V1よりも大きい前記ドラム速度V2で搬送される。そのため、切断された先端部S1(吸収性本体20)と前記導入速度V1で搬送される切断前の前記連続積層体Sの後続の先端部S1との間の距離が拡がる。
【0054】
前記離間後の第1受け渡し工程では、前記離間された各吸収性本体20を前記アンビルロール2からターンドラムDの各保持パッドPに次々に受け渡す。すなわち、前記アンビルロール2において前記ドラム速度V2で搬送される前記吸収性本体20は、同じく前記ドラム速度V2で回転する前記ターンドラムDの前記保持パッドPに渡される。
【0055】
前記第1受け渡し工程後の姿勢変更工程では、前記吸収性本体20を受け取った前記ターンドラムDの各保持パッドPが前記ターンドラムDの軸線DL(図3B)のまわりに一定の前記ドラム速度V2で回転しながら、前記ターンドラムD上において前記各保持パッドPが前記ターンドラムDの法線Lのまわりに90°旋回する。前記旋回により、前記各保持パッドPと共に前記各吸収性本体20の姿勢が変更される。
【0056】
前記姿勢変更後の第2受け渡し工程では、受取位置R1において姿勢が変更された前記吸収性本体20を前記ターンドラムDの各保持パッドPから変速ローラ3の各変速パッド30A,30Bに前記ドラム速度V2で移送する。
すなわち、前記第1受け渡し工程から前記第2受け渡し工程までの間に、前記吸収性本体20を保持した前記ターンドラムの保持パッドPが前記ターンドラムDの法線Lのまわりに90°旋回し、前記吸収性本体20の姿勢が変更された後、吸収性本体20が前記受取位置R1において前記変速ローラ3のパッドに移送される。
【0057】
前記第2受け渡し工程後の変速工程では、前記変速ローラ3が前記受取位置R1から渡し位置R2に至るまでに前記ドラム速度V2から配置速度V3に変速する。
すなわち、前記変速ローラ3の前記変速パッド30は受取位置R1において前記ドラム速度V2で前記吸収性本体20を受け取った後、前記渡し位置R2に至るまでの間に前記ドラム速度V2よりも遅い前記配置速度V3まで減速する。
【0058】
一方、搬送工程では、前記外装材21を搬送装置4が前記配置速度V3(V31)で搬送する。
配置工程では、前記渡し位置R2において前記吸収性本体20が前記搬送装置4で搬送される前記外装材21に次々に配置される。
すなわち、前記ドラム速度V2から前記配置速度V3まで減速した前記変速ローラ3の前記各変速パッド30は、前記渡し位置R2において、同じく前記配置速度V3で搬送される前記外装材21に対し、前記吸収性本体20を次々に配置する。
【0059】
ここにおいて、前記導入速度V1および配置速度V3は、各々、前記着用物品のサイズに応じた速度に設定される。また、前記導入速度V1は前記配置速度V3よりも大きくてもよい。一方、前記ターンドラムDのドラム速度V2は、前記サイズに拘わらず一定速度に設定される。
【0060】
本例の場合、前記ドラム速度V2は着用物品のサイズに拘わらず前記導入速度V1および配置速度V3よりも大きい一定速度に設定される。
【0061】
つぎに、図2の第1サイズの着用物品および第1サイズの着用物品よりも前記搬送方向の長さが小さい図6の第2サイズ(たとえばLサイズ)の着用物品を製造する方法について説明する。
【0062】
前記第1サイズの着用物品N1を製造する際には、前記導入速度V1が高速の第1導入速度V11に設定され、前記配置速度V3が高速の第1配置速度V31に設定される。
一方、前記第1サイズの着用物品N1よりも小さい前記第2サイズの着用物品N2を製造する際には、前記導入速度V1が前記第1導入速度V11よりも低速の第2導入速度V12に設定され、前記配置速度V3が前記第1配置速度V31よりも低速の第2配置速度V32に設定される。
前記ドラム速度V2は前記サイズの違いに拘わらず一定速度に設定される。
【0063】
ここで、ドラム速度V2は着用物品のサイズに拘わらず一定速であるから、サイズに拘わらず周方向に互いに隣り合うターンドラムD上の吸収性本体20のピッチ(間隔)P1(図1B)も一定のままである。
一方、サイズが小さくなると、吸収性本体20の搬送方向Yの長さLy(図1B)も小さくなる。したがって、前記第2サイズの着用物品N2の先行の吸収性本体20の後端と後続の吸収性本体20の先端との間の距離Dy(図6)は、前記第1サイズの着用物品N1の前記距離Dyに比べ大きくなる。
【0064】
また、サイズが小さくなったにもかかわらず、ターンドラムD上の吸収性本体20のピッチP1が一定のままである。そのため、図6の外装材21上に配置される吸収性本体20のピッチ(間隔)は小さくする必要がある。
したがって、図6の第2サイズの着用物品の製造の場合は第1サイズの着用物品の製造の場合に比べ受取位置R1から渡し位置R2に向う変速パッド30の減速度が大きく、姿勢変更後の先行の吸収性本体20の後端と姿勢変更後の後続の吸収性本体20の先端との間の距離Dxは小さくなる(前記ピッチが小さくなる)。
前記第2サイズの着用物品の製造において、前記第2搬送装置4は前記第2配置速度V32に設定されている。
すなわち、前記第2サイズの着用物品の製造の場合、前記変速パッド30が前記ドラム速度V2で吸収性本体20を前記受取位置R1で受け取り、前記第1配置速度V31よりも速度の小さい第2配置速度V32で前記吸収性本体20を前記外装材21に配置する。そのため、第2サイズの着用物品の製造では、前記第1サイズの着用物品の製造の場合における先行と後続の吸収性本体20との前記距離Dxに比べ、吸収性本体同士の前記距離Dxが狭くなって配置される。これにより、サイズ変更に対応できる。
【0065】
つぎに、図6の前記第2サイズの着用物品よりも前記搬送方向の長さが更に小さい図7の第3サイズ(たとえばMサイズ)の着用物品N3を製造する方法について説明する。
前記第3サイズの着用物品N3を製造する際には、前記導入速度V1が前記第2導入速度V12よりも更に低速の第3導入速度V13に設定される。また、前記配置速度V3は前記第2配置速度V32よりも更に低速の第3配置速度V33に設定される。
一方、前記ドラム速度V2は前記サイズに拘わらず一定速度に設定される。
【0066】
ここで、ドラム速度V2は着用物品のサイズに拘わらず一定速であるから、サイズに拘わらずターンドラムD上の吸収性本体20のピッチ(間隔)P1も一定のままである。
一方、サイズが更に小さくなると、吸収性本体20の搬送方向の長さLy(図1B)も更に小さくなる。したがって、先行の吸収性本体20の後端と後続の吸収性本体20の先端との間の距離Dyは更に大きくなる。
【0067】
また、サイズが更に小さくなったにもかかわらず、ターンドラムD上の吸収性本体20のピッチが一定のままである。そのため、図7の外装材21上に配置される吸収性本体20のピッチ(間隔)は更に小さくする必要がある。
したがって、図7の第3サイズの着用物品の製造の場合は前記第2サイズの着用物品の製造の場合に比べ受取位置R1から渡し位置R2に向う変速パッド30の減速度が更に大きく、姿勢変更後の先行の吸収性本体20の後端と姿勢変更後の後続の吸収性本体20の先端との間の距離Dxは更に小さくなる(前記ピッチは更に小さくなる)。
前記第3サイズの着用物品の製造において、前記第2搬送装置4は前記第3配置速度V33に設定されている。
すなわち、前記第3サイズの着用物品の製造の場合、前記変速パッド30が前記ドラム速度V2で吸収性本体20を前記受取位置R1で受け取り、前記第2配置速度V12よりも速度の小さい第3配置速度V33で前記吸収性本体20を前記外装材21に配置する。そのため、第3サイズの着用物品の製造では、前記第2サイズの着用物品の製造における先行と後続の吸収性本体20との前記距離Dxに比べ、吸収性本体同士の前記距離Dxが狭くなって配置される。
【0068】
つぎに、図5の変速ローラ3の他の例を説明する。
図5において、前記変速ローラ3は1つの前記吸収性本体20の長手方向の両端部を保持する一対の第1変速パッド30Aと、別の前記吸収性本体20の長手方向の両端部を保持する一対の第2変速パッド30Bとを備える。
すなわち、前記一対の第1(第2)変速パッド30A(30B)のうちの1つのパッドが前記吸収性本体の一端を保持し、前記一対の変速パッドのうちの別のパッドが同吸収性本体の他端を保持する。
【0069】
図5に示すように、各変速パッド30A,30Bは各々ギヤ38およびタイミングベルトTを介してサーボモータ31で回転されてもよい。
前記変速パッド30Bは支持軸32のまわりに配置され、当該変速パッド30Bのまわりに前記変速パッド30Aが配置されてもよい。前記変速パッド30Aおよび30Bのプーリ部分の径は同じであってもよい。
前記吸収性本体20の両端部を保持する一対の変速パッド30A(30B)の各パッドは支持軸32のまわりを回転し、前記第2搬送装置4に搬送されている前記外装材21上に前記吸収性本体20を配置する。
前記各パッドは図示しない吸着装置を備えていてもよい。吸着装置は例えば各パッドの表面に開孔した多数の吸引孔からバキュームにより吸収性本体20の端部を吸着する。
【0070】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、前記受取位置R1から前記渡し位置R2に至る区間において、各サーボモータ31の回転速度が変化されることによって前記各変速ローラ3の変速パッド30を減速させたが、加速させてもよい。
したがって、以上のような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は使い捨て着用物品の吸収性コアの製造装置に利用できる。
【符号の説明】
【0072】
1:カッタ
2:アンビルロール 2b:保持バキューム 2f:周面
20:吸収性本体 21:外装材 22:胴回り部材 24:吸収性コア
3:変速ローラ 30:変速パッド 30A:第1変速パッド 30B:第2変速パッド 31:サーボモータ 32:支持軸 34:軸受 35:第1被軸受部 36:第2被軸受部 38:ギヤ 39:制御装置
4:第2搬送装置(搬送ローラ)
5:第1搬送装置(コンベヤ) 50:吸着部
6:旋回機構 60:固定ドラム 61:カム溝 62:カムフォロア 63:回転ドラム
D:ターンドラム Dy:距離 Dx:距離
P:保持パッド R1:受取位置 R2:渡し位置
V1:導入速度 V2:ドラム速度 V3:配置速度
S:連続積層体 S1:先端部
L:法線 DL:軸線 Y:搬送方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7