IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ツィンファ ユニバーシティの特許一覧 ▶ 鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-太陽電池の製造方法 図1
  • 特許-太陽電池の製造方法 図2
  • 特許-太陽電池の製造方法 図3
  • 特許-太陽電池の製造方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】太陽電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
H01L31/04 260
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020033012
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2021077848
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2020-02-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】201911090236.8
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598098331
【氏名又は名称】ツィンファ ユニバーシティ
(73)【特許権者】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HON HAI PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】66,Chung Shan Road,Tu-Cheng New Taipei,236(TW)
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 金
(72)【発明者】
【氏名】魏 洋
(72)【発明者】
【氏名】▲ハン▼ 守善
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】吉野 三寛
【審判官】金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-198313(JP,A)
【文献】特開2018-6754(JP,A)
【文献】特開2005-116618(JP,A)
【文献】特開2004-171903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/0392
H01L 31/08-31/119
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面電極、半導体構造体及び前面電極を含み
前記半導体構造体は互いに対向する第一表面及び第二表面を有し、前記半導体構造体はn型半導体層及びp型半導体層を含み、前記n型半導体層及び前記p型半導体層は積層されて設置され、
前記背面電極は前記半導体構造体の第一表面に設置され、前記背面電極は一本の第一カーボンナノチューブからなり、
前記前面電極は前記半導体構造体の第二表面に設置され、前記前面電極は一本の第二カーボンナノチューブからなり、
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは交差して設置され、前記第一カーボンナノチューブ、前記半導体構造体及び前記第二カーボンナノチューブは順に積層して設置されて、多層構造体が形成され、
前記太陽電池の有効部分を構成するp-nヘテロ接合が前記第一カーボンナノチューブと前記第二カーボンナノチューブの交差点に点状に、前記半導体構造体に形成され、
前記p-nヘテロ接合における前記p型半導体層と前記n型半導体層とが積層される方向が、前記第一表面に垂直であり、
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは内殻カーボンナノチューブである太陽電池の製造方法であって、
長さが150ミクロン以上の超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブの両端を伸ばすことによって前記内殻カーボンナノチューブを得るステップであり、具体的に、長さが150ミクロン以上の超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブの両端を伸ばして、超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブの外壁はすべて破損しており、超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブの中央部にある最も内側の一層のカーボンナノチューブのみが残され、最も内側の一層のカーボンナノチューブが内殻カーボンナノチューブであるステップと、
前記内殻カーボンナノチューブを用いて前記太陽電池を製造するステップと、
を備えることを特徴とする太陽電池の製造方法
【請求項2】
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは金属性のカーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池の製造方法
【請求項3】
前記多層構造体の横方向断面の面積は1nm~100nmであることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池の製造方法
【請求項4】
前記第一カーボンナノチューブの延伸方向と前記第二カーボンナノチューブの延伸方向とは互いに垂直であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、半導体材料の光起電原理を使用して作られる。半導体光電変換材料の種類に応じて、太陽電池はシリコンベース太陽電池、ヒ化ガリウム太陽電池、及び有機薄膜太陽電池に分類できる。現在、太陽電池は主にシリコンベース太陽電池である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の太陽電池の前面電極と背面電極の材料は、ほとんどが金属、導電性ポリマー、または酸化インジウムスズである。これらの材料は光を著しく吸収または反射し、太陽電池の光電変換効率にさらに影響して、太陽電池の光電変換効率は低くなる。
【0004】
したがって、優れた光電変換効率を有するナノサイズの太陽電池の製造方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
背面電極、半導体構造体及び前面電極を含む太陽電池において、前記半導体構造体は互いに対向する第一表面及び第二表面を有し、前記半導体構造体はn型半導体層及びp型半導体層を含み、前記n型半導体層及び前記p型半導体層は積層されて設置され、前記背面電極は前記半導体構造体の第一表面に設置され、前記背面電極は一本の第一カーボンナノチューブからなり、前記前面電極は前記半導体構造体の第二表面に設置され、前記前面電極は一本の第二カーボンナノチューブからなり、前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは交差して設置され、前記第一カーボンナノチューブ、前記半導体構造体及び前記第二カーボンナノチューブは順に積層して設置されて、多層構造体が形成される。
【0006】
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは金属性のカーボンナノチューブである。
【0007】
前記第一カーボンナノチューブ及び前記第二カーボンナノチューブは内殻カーボンナノチューブである。
【0008】
前記多層構造体の横方向断面の面積は1nm~100nmである。
【0009】
前記第一カーボンナノチューブの延伸方向と前記第二カーボンナノチューブの延伸方向とは互いに垂直である
【発明の効果】
【0010】
従来技術と比べて、本発明の一態様の太陽電池は、2本のカーボンナノチューブが交差して2次元半導体構造体を挟み込んで形成される。2本のカーボンナノチューブの直径はそれぞれナノスケールであり、2本のカーボンナノチューブの交差部では、2本のカーボンナノチューブと半導体構造体とが重なり合ってナノメートルの多層構造体が形成される。これにより、ナノサイズのpn接合が形成され、太陽電池のサイズをナノスケールに縮小でき、太陽電池の応用分野がより広範になる。さらに、太陽電池における二つの電極は、それぞれ一本のカーボンナノチューブのみからなる。従来の電極と比較して、カーボンナノチューブが光を吸収または反射することは無視でき、且つカーボンナノチューブがよい光透過率を持つ。これにより、本発明の一態様の太陽電池は、従来の電極を用いた太陽電池に比べて光電変換効率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第一実施例の太陽電池の構造を示す図である。
図2】本発明の第一実施例の太陽電池の側面を示す図である。
図3】本発明の第二実施例の太陽電池の構造を示す図である。
図4】本発明の第二実施例の太陽電池の側面を示す図である。
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0013】
図1を参照すると、本発明の第一実施例は、太陽電池100を提供する。太陽電池100は、背面電極102、半導体構造体104及び前面電極106を含む。半導体構造体104は、互いに対向する第一表面(図示せず)および第二表面(図示せず)を有する。 背面電極102は、半導体構造体104の第一表面に設置され、且つ第一表面と直接に接触される。前面電極106は、半導体構造体104の第二表面に設置され、第二表面と直接に接触される。半導体構造体104は、背面電極102と前面電極106との間に設置される。背面電極102は一本の第一カーボンナノチューブからなり、前面電極106は一本の第二カーボンナノチューブからなる。第一カーボンナノチューブの延伸方向と第二カーボンナノチューブの延伸方向とは交差して設置される。半導体構造体104は、n型半導体層1042とp型半導体層1044を含む。n型半導体層1042及びp型半導体層1044は、積層されて半導体構造体104を形成する。
【0014】
背面電極102は一本の第一カーボンナノチューブからなる。半導体構造体104の第一表面に一本の第一カーボンナノチューブのみが設置される。第一カーボンナノチューブが金属性のカーボンナノチューブである。第一カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、または多層カーボンナノチューブであってもよい。第一カーボンナノチューブの直径は制限されず、0.5nm~100nmであってもよい。一つの例において、第一カーボンナノチューブの直径は0.5nm~10nmである。 好ましくは、第一カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブであり、その直径が0.5nm~2nmである。本実施例において、第一カーボンナノチューブの直径が1nmである。
【0015】
本実施例において、カーボンナノチューブは内殻カーボンナノチューブである。内殻カーボンナノチューブとは、二層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブの最も内側のカーボンナノチューブを指す。内殻カーボンナノチューブは、超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブから引き抜くことにより得られる。超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブとは、二層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブの長さが150ミクロン以上のものである。好ましくは、二層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブの長さは150ミクロン~300ミクロンである。具体的に、超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブの両端を伸ばして、超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブの外壁はすべて破損しており、超長二層カーボンナノチューブまたは超長多層カーボンナノチューブの中央部にある最も内側の一層のカーボンナノチューブ(すなわち、内殻カーボンナノチューブ)のみが残される。内殻カーボンナノチューブの表面はきれいであり、その表面に不純物がないため、第一カーボンナノチューブ102は半導体構造体104と良好に接触することができる。もちろん、第一カーボンナノチューブ102は内殻カーボンナノチューブに制限されず、他の単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブであってもよい。
【0016】
前面電極106は一本の第二カーボンナノチューブからなる。半導体構造体104の第二表面に一本の第二カーボンナノチューブのみが設置される。第二カーボンナノチューブが金属性のカーボンナノチューブである。第二カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、または多層カーボンナノチューブであってもよい。第二カーボンナノチューブの直径は制限されず、0.5nm~100nmであってもよい。一つの例において、第二カーボンナノチューブの直径は0.5nm~10nmである。好ましくは、第二カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブであり、その直径が0.5nm~2nmである。本実施例において、第二カーボンナノチューブの直径が1nmである。本実施例において、第二カーボンナノチューブは内殻カーボンナノチューブである。内殻カーボンナノチューブの表面はきれいであり、その表面に不純物がないため、第二カーボンナノチューブは半導体構造体104と良好に接触することができる。もちろん、第二カーボンナノチューブ106は内殻カーボンナノチューブに制限されず、他の単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブであってもよい。第二カーボンナノチューブの直径と第一カーボンナノチューブの直径とは同じでも異なってもよい。
【0017】
第一カーボンナノチューブの延伸方向と第二カーボンナノチューブの延伸方向とは交差して角度が形成される。この角度は、0°~90°(0°は含まず)である。本実施例において、第一カーボンナノチューブの延伸方向と第二カーボンナノチューブの延伸方向とは互いに垂直であり、すなわち、角度は90°である。
【0018】
p型半導体層1044及びn型半導体層1042が積層して設置され、半導体構造体104に垂直な方向にpn接合が形成される。p型半導体層1044及びn型半導体層1042がそれぞれ二次元材料である。二次元材料とは、電子がナノメートルスケール(1~100nm)の二次元のみで自由に移動(平面移動)できる材料を指す。例えば、二次元材料は、ナノフィルム、超格子、量子井戸などであってもよい。半導体構造体104は、ナノメートル厚の二次元層状構造体である。好ましくは、半導体構造体104の厚さが1ナノメートル~200ナノメートルである。好ましくは、n型半導体層1042の厚さが0.5ナノメートル~100ナノメートルである。好ましくは、p型半導体層1044の厚さが0.5ナノメートル~100ナノメートルである。さらに好ましくは、n型半導体層1042の厚さが0.5ナノメートル~50ナノメートルであり、p型半導体層1044の厚さが0.5ナノメートル~50ナノメートルである。
【0019】
本実施例において、n型半導体層1042は前面電極106と直接に接触され、p型半導体層1044は背面電極102と直接に接触される。他の実施例では、n型半導体層1042は背面電極102と直接に接触され、p型半導体層1044は前面電極106と直接に接触される。p型半導体層1044及びn型半導体層1042の材料は制限されず、無機化合物半導体、元素半導体、有機半導体又はこれらの材料がドープされた材料でもよい。本実施例において、p型半導体層1044の材料がセレン化タングステン(WSe)であり、その厚さが14ナノメートルであり、n型半導体層1042の材料が硫化モリブデン(M)であり、その厚さが16ナノメートルである。もう一つの例において、p型半導体層1044の材料がセレン化タングステン(WSe)であり、その厚さが76ナノメートルであり、n型半導体層1042の材料が硫化モリブデン(M)であり、その厚さが76ナノメートルである。
【0020】
図2を参照して、第一カーボンナノチューブと第二カーボンナノチューブの交差点で、半導体構造体104に垂直な方向で、第一カーボンナノチューブ、半導体構造体104、及び第二カーボンナノチューブが積層して設置されて、多層構造体108が形成される。多層構造体108は、横方向断面及び縦方向断面を定義して、横方向断面が半導体構造体104の表面に平行する断面であり、縦方向断面が半導体構造体104の表面に垂直する断面である。半導体構造体104に対する第一カーボンナノチューブ及び第二カーボンナノチューブのサイズは小さく、半導体構造体104の表面には第一カーボンナノチューブ及び一つの第二カーボンナノチューブのみが設置されるため、横方向断面の面積が第一カーボンナノチューブ又は第二カーボンナノチューブの直径によって決まる。第一カーボンナノチューブ及び第二カーボンナノチューブの直径は両方ともナノメートルであるため、多層構造体108の横方向断面の面積もナノメートルである。縦方向断面の面積は、第一カーボンナノチューブ、第二カーボンナノチューブの直径および半導体構造体104の厚さによって決定される。第一カーボンナノチューブ及び第二カーボンナノチューブの直径はともにナノスケールであり、半導体構造体104の厚さもナノスケールであるため、多層構造体108の縦方向断面の面積もナノスケールである。好ましくは、多層構造体108の横方向断面の面積は1nm~100nmである。第一カーボンナノチューブと第二カーボンナノチューブと半導体構造体104とは、多層構造体108に垂直p-nヘテロ接合を形成する。p-nヘテロ接合はファンデルワールスヘテロ接合である。
【0021】
太陽電池10が応用される時には、n型半導体層1042とp型半導体層1044との接触面にp-n接合が形成される。複数の電子-正孔対を生成するとき、複数の電子-正孔対は内部電界の作用によって分離した後、n型半導体層1042の電子は前面電極106に向かって移動し、p型半導体層1044の正孔は背面電極102に向かって移動する。n型半導体層1042の電子は前面電極106によって収集され、p型半導体層1044の正孔は背面電極102によって収集され、電流が形成される。電流経路は、多層構造体108を通る断面であり、太陽電池100の有効部分は多層構造体108である。太陽電池100の全体サイズは、多層構造体108の体積よりも大きくなるように確保するだけでよい。太陽電池100は多層構造体108を含むことを確保するだけでよい。したがって、太陽電池100は小さなサイズを有することができる。太陽電池100は、ナノスケールの太陽電池であってもよい。太陽電池100は、ナノスケールのサイズ及びより高い集積度を有する。
【0022】
本発明の太陽電池は以下の効果がある。第一に、太陽電池は、2本のカーボンナノチューブが交差して2次元半導体構造体を挟み込んで形成される。2本のカーボンナノチューブチューブの直径はそれぞれナノスケールであり、2本のカーボンナノチューブチューブの交差部では、2本のカーボンナノチューブと半導体構造体が重なり合ってナノメートルの多層構造体(ナノサイズのpn接合)が形成される。これにより、太陽電池のサイズをナノスケールに縮小でき、太陽電池の応用分野がより広範になる。第二に、太陽電池における二つの電極は、それぞれ一本のカーボンナノチューブのみからなる。従来の電極と比較して、カーボンナノチューブが光を吸収しまたは反射することは無視でき、且つカーボンナノチューブがよい光透過率を持つ。これにより、本発明の太陽電池は、従来の電極を用いた太陽電池に比べて光電変換効率が高まる。第三に、カーボンナノチューブは優れた導電性と機械的特性を備えるため、太陽電池の光電変換効率及び耐久性を高め、抵抗が均一にさせることができ、太陽電池の性能を向上させる。
【0023】
図3を参照すると、本発明の第二実施例は、太陽電池200を提供する。太陽電池200は、第一電極202、第二電極204、太陽電池ユニット206、ゲート電極208及び絶縁層210を含む。太陽電池ユニット206の構造が第一実施例の太陽電池100の構造と同じであり、ここでは詳しく説明しない。即ち、第一実施例の太陽電池100と比べて、本実施例の太陽電池200は、更に第一電極202、第二電極204、ゲート電極208及び絶縁層210を含む。具体的には、太陽電池ユニット206が絶縁層210を通じて、ゲート電極208と絶縁して設置され、第一電極202が背面電極102と電気的に接続され、第二電極204が前面電極106と電気的に接続され、ゲート電極208が絶縁層210を通じて、背面電極102、半導体構造体104、前面電極106、第一電極202及び第二電極204と絶縁して設置される。
【0024】
太陽電池200において、ゲート電極208及び絶縁層210が積層して設置され、太陽電池ユニット206が絶縁層210の表面に設置され、絶縁層210をゲート電極208と太陽電池ユニット206との間に位置させる。太陽電池200において、背面電極102としての第一カーボンナノチューブが絶縁層210の表面に直接的に設置され、半導体構造体104が第一カーボンナノチューブの上方に設置され、第一カーボンナノチューブを半導体構造体104と絶縁層210との間に位置させ、前面電極106としての第二カーボンナノチューブが半導体構造体104の上方に位置する。本実施例において、第一カーボンナノチューブは、絶縁層210の表面に直接的に設置され、ゲート電極208に接近して、ゲート電極208が太陽電池ユニット206を制御することができる。また、第二カーボンナノチューブがゲート電極208から離れるので、第二カーボンナノチューブは半導体構造体104及びゲート電極208に遮蔽効果を生成することができず、太陽電池200が作動できないことを防止できる。本実施例において、第二カーボンナノチューブがn型半導体層1042の表面に設置され、第一カーボンナノチューブがp型半導体層1044の表面に設置され、p型半導体層1044は、厚さが14ナノメートルであるWSeであり、n型半導体層1042は、厚さが16ナノメートルであるMoSである。
【0025】
第一電極202及び第二電極204が導電材料からなり、導電材料が金属、ITO、ATO、導電銀テープ、導電性ポリマー又は導電カーボンナノチューブ等である。金属材料がアルミニウム、銅、タングステン、モリブデン、金、チタン、パラジウム又は任意の組み合わせの合金である。第一電極202及び第二電極204も導電フィルムであってもよく、導電フィルムの厚さが2ナノメートル~100マイクロメートルである。本実施例において、第一電極202及び第二電極204が金及びチタンからなる金属複合構造体である。具体的には、金属複合構造体が銅層及びチタン層からなり、銅層がチタン層の表面に設置される。チタン層の厚さが5ナノメートルであり、銅層の厚さが60ナノメートルである。本実施例において、第一電極202は、第一カーボンナノチューブと電気的に接続され、第一カーボンナノチューブの一端に設置され、第一カーボンナノチューブの表面と緊密に接触される。チタン層が第一カーボンナノチューブの表面に設置され、銅層がチタン層の表面に設置される。第二電極204は、第二カーボンナノチューブと電気的に接続され、第二カーボンナノチューブの一端に設置され、第二カーボンナノチューブの表面と緊密に接触される。チタン層が第二カーボンナノチューブの表面に設置され、銅層がチタン層の表面に設置される。
【0026】
絶縁層210の材料が絶縁材料であり、例えば、窒化ケイ素や酸化シリコンなどの硬質材料、またはベンゾシクロブテン(BCB)、ポリエステル、アクリル樹脂などの可撓性材料であってもよい。絶縁層210の厚さが2ナノメートル~100マイクロメートルである。本実施例において、絶縁層の材料が酸化シリコンであり、その厚さは50ナノメートルである。
【0027】
ゲート電極208が導電材料からなり、導電材料が金属、ITO、ATO、導電銀テープ、導電性ポリマー又は導電カーボンナノチューブ等である。金属材料がアルミニウム、銅、タングステン、モリブデン、金、チタン、パラジウム又は任意の組み合わせの合金である。本実施例において、ゲート電極208が層状の構造体であり、絶縁層210がゲート電極208の表面に設置され、第一電極202、第二電極204及び太陽電池ユニット206が絶縁層210に設置され、ゲート電極208及び絶縁層210に支持される。
【0028】
本実施例の太陽電池200が応用される時には、半導体構造体104に照射され、半導体構造体104と、第一カーボンナノチューブと、第二カーボンナノチューブとは、ファンデルワールスヘテロ接合構造を形成するので、光起電力効果を生成して、光エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【符号の説明】
【0029】
100 太陽電池
102 背面電極
104 半導体構造体
1042 n型半導体層
1044 p型半導体層
106 前面電極
108 多層構造体
200 太陽電池
202 第一電極
204 第二電極
206 太陽電池ユニット
208 ゲート電極
210 絶縁層
図1
図2
図3
図4