(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】スピニング加工装置およびスピニング加工方法
(51)【国際特許分類】
B21D 22/16 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
B21D22/16 B
B21D22/16 E
(21)【出願番号】P 2020039478
(22)【出願日】2020-03-09
【審査請求日】2022-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000229047
【氏名又は名称】日本スピンドル製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【氏名又は名称】駒井 慎二
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【氏名又は名称】井上 彰文
(72)【発明者】
【氏名】檜垣 孝二
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-176425(JP,A)
【文献】特開2002-70902(JP,A)
【文献】特開平11-90545(JP,A)
【文献】実開昭57-165318(JP,U)
【文献】米国特許第4606206(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 22/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状をなし、中心側よりも硬化した外縁硬化部を有する母材を支持する支持部と、
前記支持部によって前記母材を支持した状態で、前記外縁硬化部を加圧して、該外縁硬化部が分布する分布範囲を前記母材の厚さ方向に分ける第1成形部と、
前記支持部によって前記母材を支持した状態で、前記母材を加圧して、該母材を筒状に成形する第2成形部とを備えることを特徴とするスピニング加工装置。
【請求項2】
前記第1成形部および前記第2成形部として、共通のローラを用いる請求項1に記載のスピニング加工装置。
【請求項3】
前記支持部は、前記母材を前記厚さ方向と平行な回転軸回りに回転可能に支持し、
前記ローラは、前記回転軸を介して、一対配置されている請求項2に記載のスピニング加工装置。
【請求項4】
前記第1成形部は、前記外縁硬化部を前記中心側に向かって押圧して変形させる請求項1~3のいずれか1項に記載のスピニング加工装置。
【請求項5】
前記第1成形部は、前記外縁硬化部に対し、前記厚さ方向の両側で前記分布範囲が大となる高分布部を形成し、該各高分布部の間に前記分布範囲が小となる低分布部を形成する請求項4に記載のスピニング加工装置。
【請求項6】
前記第1成形部によって成形される以前の状態の前記母材は、前記外縁硬化部よりも前記中心側が非硬化部となっており、
前記第1成形部による成形後、前記非硬化部は、前記低分布部から露出する請求項5に記載のスピニング加工装置。
【請求項7】
板状をなし、中心側よりも硬化した外縁硬化部を有する母材を支持する支持工程と、
前記支持工程を維持した状態で、前記外縁硬化部を加圧して、該外縁硬化部が分布する分布範囲を前記母材の厚さ方向に分ける第1成形工程と、
前記支持工程を維持した状態で、前記母材を加圧して、該母材を筒状に成形する第2成形工程とを有することを特徴とするスピニング加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピニング加工装置およびスピニング加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車を構成する自動車部品には、例えば、エンジンをクランキングするドライブプレートがある。ドライブプレートは、円板状をなし、その縁部に、スタータピニオンが噛み合わされる噛合歯(歯部)が形成されている。
このドライブプレートは、厚さが一定の母材(円板状素材)から得られる。母材は、まず、成形装置(例えば、特許文献1参照)により、外周部に、厚さが増大した厚肉部が形成される。そして、厚肉部の縁部に噛合歯を形成することにより、ドライブプレートが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、特許文献1に記載の成形装置の他に、板状の母材を筒状の成形品に成形する装置も知られている。この装置を用いて筒状の成形品を得る際、例えば母材の表面状態(表面の硬さ等)によっては、成形品の縁部に割れ等の損傷が生じる場合があった。
【0005】
本発明の目的は、母材を成形して得られる成形品に割れ等の損傷が生じるを防止することができるスピニング加工装置およびスピニング加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスピニング加工装置の一つの態様は、板状をなし、中心側よりも硬化した外縁硬化部を有する母材を支持する支持部と、
前記支持部によって前記母材を支持した状態で、前記外縁硬化部を加圧して、該外縁硬化部が分布する分布範囲を前記母材の厚さ方向に分ける第1成形部と、
前記支持部によって前記母材を支持した状態で、前記母材を加圧して、該母材を筒状に成形する第2成形部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のスピニング加工方法の一つの態様は、板状をなし、中心側よりも硬化した外縁硬化部を有する母材を支持する支持工程と、
前記支持工程を維持した状態で、前記外縁硬化部を加圧して、該外縁硬化部が分布する分布範囲を前記母材の厚さ方向に分ける第1成形工程と、
前記支持工程を維持した状態で、前記母材を加圧して、該母材を筒状に成形する第2成形工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1成形部による成形(第1成形工程)を省略した場合、母材は、外縁硬化部がそのまま成形品の開口部の縁部なる。外縁硬化部は、硬化された部分であることと、第2成形部による成形(第2成形工程)で厚さが薄く変形していくこととが相まって、当該変形による破断限界を超えると、割れ等の損傷が生じる傾向にある。結果、成形品は、損傷が生じた不良品となるおそれがある。
【0009】
これに対し、本発明によれば、成形品は、第1成形部による成形(第1成形工程)を経て得られる。この場合、損傷が生じ易い外縁硬化部を、成形品の開口部の縁部から外すことができる。これにより、母材を成形して得られる成形品に割れ等の損傷が生じるを防止することができ、良品としての成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のスピニング加工装置の作動状態(ローラ離間状態)を順に示す部分垂直断面側面図である。
【
図2】本発明のスピニング加工装置の作動状態(第1成形状態)を順に示す部分垂直断面側面図である。
【
図3】本発明のスピニング加工装置の作動状態(ローラ離間状態)を順に示す部分垂直断面側面図である。
【
図4】本発明のスピニング加工装置の作動状態(第2成形状態)を順に示す部分垂直断面側面図である。
【
図5】
図2中の二点鎖線で囲まれた領域[A]の拡大詳細図である。
【
図6】本発明のスピニング加工装置の主要部を示すブロック図である。
【
図7】本発明のスピニング加工方法が有する工程を順に示す図である。
【
図8】良品となった成形品の一例を示す斜視図である。
【
図9】不良品となった成形品の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、
図1~
図9を参照して、本発明のスピニング加工装置およびスピニング加工方法の実施形態について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸を設定する。一例として、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直となっている。また、
図1~
図5、
図8および
図9中の上側を「上(または上方)」、下側を「下(または下方)」と言うことがある。
【0012】
図1~
図4に示すように、スピニング加工装置1は、回転支持部(支持部)2と、成形部4と、第1移動機構部6と、第2移動機構部7とを備える。スピニング加工装置1は、母材9を成形して、その母材9から成形品9Aを得ることができる。そして、後述するように、成形品9Aは、例えば、自動車部品として用いられる。
また、
図6に示すように、スピニング加工装置1は、制御部8を備える。
【0013】
図7に示すように、スピニング加工装置1は、本発明のスピニング加工方法、すなわち、回転工程(支持工程)と、第1成形工程と、第2成形工程とを順に実行することができる。回転工程は、回転支持部2により行われる。第1成形工程および第2成形工程は、成形部4により行われる。
【0014】
母材9は、本実施形態では平面視での形状、すなわち、Z軸方向から見たときのが円形をなす板部材である。母材9は、厚さが一定である。また、母材9の中心部には、貫通孔91が形成されている。
なお、母材9の平面視での形状は、円形に限定されない。また、母材9は、アルミニウムやステンレス鋼等の金属材料で構成される。
【0015】
図1に示すように、成形部4によって成形される以前の状態の母材9は、硬さが互いに異なる外縁硬化部92と非硬化部93とを有する。
外縁硬化部92は、母材9の外縁部に設けられる。外縁硬化部92は、中心側よりも硬化した部分である。本実施形態では、母材9は、帯状をなす板部材に対して、ブランキング(打ち抜き加工)やレーザ光による加工を行うことにより形成される。外縁硬化部92は、ブランキング時やレーザ光照射時に生じる熱により、母材9の外縁部が焼入れ硬化してなる。
【0016】
そして、外縁硬化部92よりも中心側が非硬化部93となっている。ブランキング時の熱は、外縁硬化部92よりも中心側にも伝わるが、非硬化部93は、焼入れ硬化するまでには至らなかった部分である。
【0017】
回転支持部2は、母材9を支持して、当該母材9を回転させる回転工程を行うことができる。回転支持部2は、軸部材21と、モータ22とを有する。
軸部材21は、上下方向に配置された2つの円柱状をなす部分を有する。2つの柱状をなす部分のうち、下側の部分を「第1部分(第1柱状部)211」と言い、上側の部分を「第2部分(第2柱状部)212」と言う。軸部材21は、Z軸方向と平行に配置され、自身の中心軸を回転中心(回転軸O21)として回転することができる。
【0018】
第1部分211の上部には、外径が縮径した縮径部213が設けれている。縮径部213は、母材9の貫通孔91を挿通している。そして、母材9は、厚さ方向が回転軸O21と平行となるように、第1部分211と第2部分212の間で支持される。このとき、母材9は、軸部材21と同心的に支持された状態となる。これにより、母材9を軸部材21ごと回転軸O21回りに回転させることができる。
【0019】
軸部材21には、例えば減速機(図示せず)を介して、モータ22が連結されている。モータ22が作動することにより、軸部材21ごと母材9を回転軸O21回りに回転させることができる。なお、スピニング加工装置1では、モータ22に対する印加電圧を調整することにより、モータ22の回転数を変更することができる。
【0020】
第1移動機構部6は、成形部4が有する各ローラ41をX軸方向(水平方向)に移動させる部分である。第1移動機構部6は、直動部61と、モータ62とを有する。
直動部61は、ローラ41と連結され、ローラ41をX軸方向に沿って直進移動させる部分であり、例えば、リニアガイド、ボールねじ等で構成される。
【0021】
モータ62は、直動部61と連結されている。モータ62が作動することにより、その動力が直動部61を介してローラ41に伝達される。これにより、ローラ41をX軸方向に移動させることができる。
【0022】
第2移動機構部7は、各ローラ41をZ軸方向(鉛直方向)に移動させる部分である。第2移動機構部7は、直動部71と、モータ72とを有する。
直動部71は、ローラ41と連結され、ローラ41をZ軸方向に沿って直進移動させる部分であり、例えば、リニアガイド、ボールねじ等で構成される。
【0023】
モータ72は、直動部71と連結されている。モータ72が作動することにより、その動力が直動部71を介してローラ41に伝達される。これにより、ローラ41をZ軸方向に移動させることができる。
そして、第1移動機構部6の作動と、第2移動機構部7の作動とを適宜組み合わせることにより、
図1~
図4に示すように、ローラ41を母材9に対して接近、離間させたり、ローラ41による母材9への成形を行うことができる。
【0024】
図6に示すように、制御部8は、回転支持部2、第1移動機構部6および第2移動機構部7と電気的に接続されており、これらの作動を制御することができる。制御部8は、CPU81と、記憶部82とを有する。CPU81は、例えば、記憶部82に予め記憶されている制御プログラムを実行することができる。制御プログラムには、例えば、回転支持部2、第1移動機構部6および第2移動機構部7の作動条件(作動タイミング)を制御して、母材9を成形するためのプログラム等が含まれる。
【0025】
成形部4は、回転支持部2によって母材9を回転させた状態で、すなわち、回転工程を維持した状態で、母材9に対して第1成形工程および第2成形工程を順に行う部分である。第1成形工程は、外縁硬化部92を加圧して、外縁硬化部92が分布する分布範囲を母材9の厚さ方向、すなわち、Z軸方向に分ける工程である。第2成形工程は、母材9を加圧して、母材9を筒状に成形する工程である。後述するように、成形部4は、第1成形工程では第1成形部4Aとして機能し、第2成形工程では第2成形部4Bとして機能する。
【0026】
成形部4は、アイドルローラである一対のローラ41と、各ローラ41を回転可能に支持する軸部材42とを有する。
一対のローラ41は、軸部材21(回転軸O21)を介して、X軸方向に配置されている。これにより、第1成形工程および第2成形工程を行う際、母材9に対し、X軸方向正側と負側とからローラ41で力を加えることができ、よって、各成形工程を迅速かつ安定して行うことができる。
【0027】
本実施形態では、各ローラ41は、短径方向がZ軸方向と平行に配置されている。また、各ローラ41は、その外周部のうち、曲率が大きい大曲率部411が母材9に押し付けられる。
軸部材42は、ローラ41をZ軸と平行な回転軸O42回りに回転可能に支持する。
【0028】
次に、スピニング加工装置1により、母材9が成形されていく過程について説明する。
[1] まず、
図1に示すように、回転支持部2によって母材9が支持された状態とするとともに、ローラ41同士の間に母材9が配置された状態とする。また、各ローラ41は、母材9から離間している。
そして、この状態で、回転支持部2を作動させて、母材9を回転させる。母材9の回転は、母材9に対する成形が完了するまで維持される。
【0029】
[2] 次いで、第1移動機構部6を作動させて、
図2に示すように、各ローラ41を母材9に接近させる。そして、一方のローラ41の大曲率部411をX軸方向正側から母材9の外縁硬化部92に押し付けるとともに、他方のローラ41の大曲率部411をX軸方向負側から母材9の外縁硬化部92に押し付ける。これにより、外縁硬化部92は、回転軸O21側(母材9の中心側)に向かって押圧されて(加圧されて)、Z軸方向正側と負側に広がりつつ変形する。なお、このとき、各ローラ41は、回転支持部2からの回転力が母材9を介して伝達されて、回転軸O42回りに回転する。
【0030】
外縁硬化部92の変形により、
図5に示すように、外縁硬化部92が分布する分布範囲を、母材9の厚さ方向、すなわち、Z軸方向に分けることができる(第1成形工程)。これにより、外縁硬化部92のZ軸方向両側には、外縁硬化部92の分布範囲が大となる高分布部921が形成される。また、高分布部921同士の間には、外縁硬化部92の分布範囲が小となる低分布部922が形成される。
【0031】
このように、第1成形工程では、ローラ41(成形部4)は、外縁硬化部92が分布する分布範囲をZ軸方向に分ける第1成形部4Aとして機能する。
そして、ローラ41による押圧力の程度にもよるが、本実施形態では、ローラ41による成形後、非硬化部93の縁部931が低分布部922から露出する。これにより、外縁硬化部92をできる限りZ軸方向両側に寄せることができ、よって、後述する外縁硬化部92で生じ得る割れを防止することができる。
なお、高分布部921が厚さ方向に対して片側に形成されてもよい。この場合も非硬化部93の縁部931が露出するため、外縁硬化部92で生じ得る割れを防止することができる。
【0032】
[3] 次いで、第1移動機構部6および第2移動機構部7を適宜作動させて、
図3に示すように、各ローラ41を母材9の上方に離間させた状態とする。
【0033】
[4] 次いで、第1移動機構部6および第2移動機構部7を適宜作動させて、
図4に示すように、各ローラ41で母材9を下方、すなわち、Z軸方向負側に向かって加圧して絞り加工を行う。これにより、母材9は、軸部材21の第1部分211の外周部に沿って薄く延ばされて変形することとなり、徐々に円筒状に成形されていく(第2成形工程)。
【0034】
このように、第2成形工程では、ローラ41(成形部4)は、母材9を加圧して、母材9を筒状に成形する第2成形部4Bとして機能する。
そして、第2成形工程が完了すると、
図8に示すような、成形品9Aが得られる。
【0035】
また、スピニング加工装置1では、第1成形部4Aおよび第2成形部4Bとして、共通のローラ41を用いている。これにより、例えば、成形部4が第1成形工程用のローラと、第2成形工程用のローラとをそれぞれ有する場合に比べて、スピニング加工装置1の装置構成が簡単となる。
【0036】
ところで、第1成形工程を省略した場合、
図9に示すような成形品9Bが得られる。
成形品9Aと成形品9Bとは、いずれも、板状の底部94と、円筒状の側壁部95とを有し、板状の底部94と反対側が開口した開口部96が形成されている。また、側壁部95の厚さは、底部94の厚さよりも薄い。成形品9Aと成形品9Bとの相違点は、成形品9Bには、割れ(亀裂)等の損傷97が生じている点である。損傷97が生じる原因としては、以下のことが考えられる。
【0037】
第1成形工程を省略して、回転工程から第2成形工程に移行すると、母材9は、外縁硬化部92がそのまま成形品9Bの開口部96の上端縁部98となる。この場合、外縁硬化部92は、硬化された部分であることと、第2成形工程で厚さが薄く変形していくこととが相まって、当該変形による破断限界を超えると、割れ等の損傷97が生じる傾向にある。結果、成形品9Bは、損傷97が生じた不良品となるおそれがある。
【0038】
これに対し、成形品9Aは、回転工程から、第1成形工程を経て、第2成形工程に移行して得られる。この場合、第1成形工程では、非硬化部93の縁部931が外縁硬化部92の低分布部922から露出する。この縁部931は、成形品9Aの開口部96の上端縁部98となる。縁部931は、外縁硬化部92ほど硬化されていない。そのため、縁部931の厚さを薄く変形していっても、縁部931が破断限界を超える前に、成形品9Aが完成する。これにより、成形品9Aに損傷97が生じるを防止することができる。
【0039】
以上、本発明のスピニング加工装置およびスピニング加工方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、スピニング加工装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0040】
また、スピニング加工装置1は、前記実施形態では母材9を回転させた状態で成形を行うよう構成されているが、これに限定されず、例えば、母材9を固定した状態で成形を行うよう構成されていてもよい。
また、前記実施形態では、第1成形部4Aおよび第2成形部4Bとして、共通のローラ41を用いているが、これに限定されない。例えば、第1成形部4Aおよび第2成形部4Bとして、それぞれ、別のローラを用いてもよい。
【0041】
また、ローラ41の配置数は、前記実施形態では2つであるが、これに限定されず、例えば、1つまたは3つ以上であってもよい。
また、成形品9Aは、側壁部95の内周部に歯部が形成されていてもよい。この場合、成形品9Aは、内歯歯車として用いられる。
【符号の説明】
【0042】
1 スピニング加工装置
2 回転支持部(支持部)
21 軸部材
211 第1部分(第1柱状部)
212 第2部分(第2柱状部)
213 縮径部
22 モータ
4 成形部
41 ローラ
411 大曲率部
6 第1移動機構部
61 直動部
62 モータ
7 第2移動機構部
71 直動部
72 モータ
8 制御部
81 CPU
82 記憶部
9 母材
9A 成形品
9B 成形品
91 貫通孔
92 外縁硬化部
921 高分布部
922 低分布部
93 非硬化部
931 縁部
94 底部
95 側壁部
96 開口部
97 損傷
98 上端縁部
O21 回転軸
O42 回転軸