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特許7311463ID推定システム、装置、方法およびプログラム
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  • 特許-ID推定システム、装置、方法およびプログラム 図1
  • 特許-ID推定システム、装置、方法およびプログラム 図2
  • 特許-ID推定システム、装置、方法およびプログラム 図3
  • 特許-ID推定システム、装置、方法およびプログラム 図4
  • 特許-ID推定システム、装置、方法およびプログラム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】ID推定システム、装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/00 20090101AFI20230711BHJP
   H04W 76/11 20180101ALI20230711BHJP
   H04W 4/46 20180101ALI20230711BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20230711BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
H04W8/00 110
H04W76/11
H04W4/46
H04W64/00 130
G08G1/09 H
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020095852
(22)【出願日】2020-06-02
(65)【公開番号】P2021190906
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】小森田 賢史
(72)【発明者】
【氏名】田坂 和之
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/147622(WO,A1)
【文献】特開2019-133216(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0132477(US,A1)
【文献】国際公開第2016/031720(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1移動体が第2移動体のIDを推定するID推定システムにおいて、
第1移動体において第2移動体の位置を検知する手段と、
第1移動体においてカメラ撮影の指定時刻を記述したID要求をブロードキャストする手段と、
第1移動体において前記指定時刻で周囲画像を撮影する手段と、
ID要求を受信した移動体において当該ID要求に記述された指定時刻で他の周囲画像を撮影する手段と、
ID要求を受信した移動体において前記他の周囲画像、その撮影時刻および自身のIDを登録したID応答を送信する手段と、
前記ID応答を受信した第1移動体において自身で撮影した周囲画像および当該ID応答に登録された他の周囲画像に基づいて第1移動体とID応答した移動体との相対位置を識別する手段と、
第1移動体において前記検知した第2移動体の位置前記相対位置に基づいて計算される前記ID応答した移動体の位置とが同一または実質同一であると当該ID応答に登録されたIDを前記第2移動体のIDとして推定する手段とを具備したことを特徴とするID推定システム。
【請求項2】
前記第1移動体が第2移動体と前記推定されたIDに基づいてコミュニケーションを実行することを特徴とする請求項1に記載のID推定システム。
【請求項3】
第1移動体が第2移動体のIDを推定するID推定方法において、
第1移動体が第2移動体の位置を検知し、
第1移動体がカメラ撮影の指定時刻を記述したID要求をブロードキャストし、
第1移動体が前記指定時刻で周囲画像を撮影し、
ID要求を受信した移動体が当該ID要求に記述された指定時刻で他の周囲画像を撮影し、
ID要求を受信した移動体が前記他の周囲画像、その撮影時刻および自身のIDを登録したID応答を送信し、
ID応答を受信した第1移動体が自身で撮影した周囲画像および当該ID応答に登録された他の周囲画像に基づいて第1移動体とID応答した移動体との相対位置を識別し、
前記検知した第2移動体の位置前記相対位置に基づいて計算される前記ID応答した移動体の位置とが同一または実質同一であると当該ID応答に登録されたIDを前記第2移動体のIDとして推定することを特徴とするID推定方法。
【請求項4】
前記第1移動体が第2移動体と前記推定されたIDに基づいてコミュニケーションを実行することを特徴とする請求項3に記載のID推定方法。
【請求項5】
第1移動体において第2移動体のIDを推定するID推定装置において、
第2移動体の位置を検知する手段と、
カメラ撮影の指定時刻を記述したID要求をブロードキャストする手段と、
指定時刻で周囲画像を撮影する手段と、
指定時刻で撮影された他の周囲画像、その撮影時刻およびIDが登録されたID応答を受信する手段と、
第1移動体が撮影した周囲画像およびID応答に登録された他の周囲画像に基づいて第1移動体とID応答した移動体との相対位置を識別する手段と、
前記検知した第2移動体の位置と前記相対位置に基づいて計算される前記ID応答した移動体の位置とが同一または実質同一であると当該ID応答に登録されたIDを前記第2移動体のIDとして推定する手段とを具備したことを特徴とするID推定装置。
【請求項6】
カメラ撮影の指定時刻が記述されたID要求を受信する手段と、
前記指定時刻で他の周囲画像を撮影する手段と、
前記他の周囲画像、その撮影時刻および移動体のIDを登録したID応答を送信する手段とを具備したことを特徴とする請求項5に記載のID推定装置。
【請求項7】
前記第1移動体が第2移動体と前記推定されたIDに基づいてコミュニケーションを実行することを特徴とする請求項5または6に記載のID推定装置。
【請求項8】
第1移動体に実装されたコンピュータが第2移動体のIDを推定するID推定プログラムにおいて、
第2移動体の位置を検知する手順と、
カメラ撮影の指定時刻を記述したID要求をブロードキャストする手順と、
指定時刻で周囲画像を撮影する手順と、
指定時刻で撮影された他の周囲画像、その撮影時刻およびIDが登録されたID応答を受信する手順と、
第1移動体が撮影した周囲画像およびID応答に登録された他の周囲画像に基づいて第1移動体とID応答した移動体との相対位置を識別する手順と、
前記検知した第2移動体の位置と前記相対位置に基づいて計算される前記ID応答した移動体の位置とが同一または実質同一であると当該ID応答に登録されたIDを前記第2移動体のIDとして推定する手順とを含むことを特徴とするID推定プログラム。
【請求項9】
カメラ撮影の指定時刻が記述されたID要求を受信する手順と、
前記指定時刻で他の周囲画像を撮影する手順と、
前記他の周囲画像、その撮影時刻および移動体のIDを登録したID応答を送信する手順とを更に含むことを特徴とする請求項8に記載のID推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ID推定システム、装置、方法およびプログラムに係り、特に、コミュニケーションを図りたい移動体のIDを推定するID推定システム、装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像とレーダとを組み合わせて効率的に車両を識別する技術が開示されている。
【0003】
特許文献2には、発光部を用いた光通信により通りすがりの特定の車両との通信を可能にする技術が開示されている。
【0004】
特許文献3には、自車両の位置情報と周囲の移動体の位置情報とを周囲の車と共有する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-002818号公報
【文献】特開2019-175376号公報
【文献】特開2013-092932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車両を検知する方式は多数提案されているが、車両を検知できても当該車両のIDが不明であると宛先が必須となる車車間通信等によるコミュニケーションが図れない。
【0007】
また、カメラなどのセンサで物体を検知しても車のように類似した物体は固有のIDを知ることが難しい。車の場合はナンバープレートが識別子となり得るが、並走する車両のナンバープレートを認識することはできない。
【0008】
さらに、移動体間でIDを交換する方式として自身の位置とIDを通知する方法が考えられるが、位置精度の信頼性が低いために目標とする移動体に対して正確に通知することは難しい。
【0009】
本発明の目的は、上記の技術課題を解決し、コミュニケーションを図りたい移動体のIDを正確に推定できるID推定システム、装置、方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は第1移動体が第2移動体のIDを推定するID推定装置およびシステムにおいて、以下の構成を具備した点に特徴がある。
【0011】
(1) 第1移動体において第2移動体の位置を検知する手段と、第1移動体においてカメラ撮影の指定時刻を記述したID要求をブロードキャストする手段と、第1移動体において前記指定時刻で周囲画像を撮影する手段と、ID要求を受信した移動体において当該ID応答に登録されている指定時刻で他の周囲画像を撮影する手段と、ID要求を受信した移動体において前記他の周囲画像、その撮影時刻および自身のIDを登録したID応答を送信する手段と、前記ID応答を受信した第1移動体において自身で撮影した周囲画像および当該ID応答に登録されている他の周囲画像に基づいて第1移動体とID応答した移動体との相対位置を識別する手段と、第1移動体において前記第2移動体の位置および前記相対位置に基づいて、前記第2移動体に前記ID応答に登録されているIDを割り当てる手段とを具備した。
【0012】
(2)第1移動体が第2移動体と前記IDに基づいてコミュニケーションを実行するようにした。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば以下のような効果が達成される。
【0014】
(1) 存在及びその位置を検知できた移動体のIDを取得できるようになる。
【0015】
(2) 存在及びその位置を検知できた移動体のIDを取得できるので当該移動体とのコミュニケーションが可能になる。
【0016】
(3) 自律走行する車両間や自律歩行するロボット間でのID取得が可能となり、相互のコミュニケーションが可能となるので、IDを事前登録することなく自律走行/歩行する移動体間での協調動作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るID推定装置およびシステムの構成を示したブロック図である。
図2】各移動体に搭載されたID推定装置が協調動作して移動体のIDを推定する手順を示したシーケンスフローである。
図3】移動体が他の移動体の位置を検知する例を示した図である。
図4】移動体が車両周辺を撮影して周辺画像を取得する例を示した図である。
図5】ID推定の動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るID推定装置およびシステムの構成を示したブロック図であり、ここでは自律走行車両Aが自律走行車両BのIDを推定する場合を例にして説明する。
【0019】
車両A,Bは自律走行車両として一般的な構成および機能を有するが、ここでは本発明に係るID推定装置の構成のみに注目して説明する。また、本実施形態では各車両に同一構成のID推定装置100が搭載されるが、説明の便宜上、IDを推定する車両Aに必須の構成には添字aを付し、IDを推定される車両Bに必須の構成には添字bを付して両者を区別する場合もある。
【0020】
本発明のID推定装置100は、車両周辺を撮影するカメラ1と、車両周辺の物体の相対位置を検知するセンサ2と、他車両のIDを推定するID推定部3と、他車両に自車両のIDを推定させるID被推定部4とを主要な構成としている。前記カメラ1およびセンサ2は、プリクラッシュブレーキやクルーズコントロール等の他の制御で用いられるカメラやセンサで代用しても良い。
【0021】
車両AのID推定部3aにおいて、物体検知部301aはセンサ2aの出力信号に基づいて自車両の近傍に存在するコミュニケーション対象車両Xの位置を検知する。ID要求部302aはカメラ撮影の指定時刻tiを記述したID要求をブロードキャストする。周辺画像取得部303aは前記指定時刻tiにおいて自車両Aの周辺をカメラ1aで撮影した周辺画像Iaを取得する。
【0022】
車両BのID被推定部4bにおいて、ID要求受信部401bは車両AがブロードキャストしたID要求を受信する。周辺画像取得部402bは前記ID要求に記述されている指定時刻tiにおいて自車両Bの周辺をカメラ1bで撮影した周辺画像Ibを取得する。ID応答部403bは周辺画像Ib、その撮影時刻tiおよび車両Bの移動体ID(IDb)を登録したID応答を、前記受信したID要求から知り得るIPアドレスやMACアドレスに基づくユニキャストまたはブロードキャストで要求元へ送信(これ以降、ユニキャスト送信を単に「返信」と表現する場合もある)する。
【0023】
車両AのID推定部3aにおいて、ID応答受信部304aは車両Bが送信したID応答を受信する。相対位置識別部305aは受信したID応答に登録されている前記指定時刻tiで撮影された周辺画像Ibと自車両Aが指定時刻tiで撮影した周辺画像Iaとを照合して車両Aと車両Bとの相対位置を識別する。このとき、前記指定時刻tiと異なる時刻で撮影された周辺画像Ibは位置照合に不適なので無視する。
【0024】
ID割当部306aは前記物体検知部301aが検知したコミュニケーション対象車両Xの位置と前記相対位置の識別結果に基づいて計算される車両Bの位置とが同一または実質同一であれば当該車両Xを車両Bとみなす。そして、前記ID応答に登録されている移動体ID(IDb)を前記コミュニケーション対象車両XのIDとして割り当てる。
【0025】
なお、車両Bが車両AのIDを推定する場合は、上記とは逆に車両BのID推定部3bと車両AのID被推定部4aとが上記と同様に協調動作することになる。
【0026】
このようなID推定装置100は、CPU、メモリ、入出力インタフェースおよびバス等を備えた1台以上の汎用のコンピュータやサーバに、上記の各機能を実現するアプリケーション(プログラム)を実装することで構成できる。あるいはアプリケーションの一部がハードウェア化またはROM化された専用機や単能機として構成することもできる。
【0027】
図2は、各車両に搭載されたID推定装置100が協調動作して相手車両のIDを推定する手順を示したシーケンスフローであり、ここでは3台の車両A,B,Cが相互にブロードキャスト通信の範囲内で、相対的に図3,4に示したような位置関係において、車両Aが車両Bを検知して、そのIDbを推定する場合を例にして説明する。
【0028】
時刻t1では、図3に示したように、車両Aの物体検知部301aがセンサ2aの出力信号に基づいて、この段階ではIDが未知の車両Bをコミュニケーション対象として検知する。時刻t2では、車両AのID要求部302aがカメラ撮影の指定時刻t3を記述したID要求をブロードキャストする。当該ID要求は車両BのID要求受信部401bおよび車両CのID要求受信部401c(図示省略)で受信される。
【0029】
時刻t3では、図4に示したように、車両Aの周辺画像取得部303aが車両周辺をカメラ1aで撮影することで周辺画像Iaを取得する。同様に、車両Bでは周辺画像取得部402bが車両周辺をカメラ1bで撮影することで周辺画像Ibを取得し、車両Cでは周辺画像取得部402c(図示省略)が車両周辺をカメラ1cで撮影することで周辺画像Icを取得する。
【0030】
時刻t4では、車両BのID応答部403bが周辺画像Ib、その撮影時刻t3および自車両のID(IDb)を登録したID応答を要求元へ返信またはブロードキャストする。時刻t5では、車両CのID応答部403c(図示省略)が周辺画像Ic、その撮影時刻t3および自車両のID(IDc)を登録したID応答を要求元へ返信またはブロードキャストする。各ID応答は車両AのID応答受信部304aで受信される。
【0031】
時刻t6では、車両Aの相対位置識別部305aが、車両Bから受信したID応答に登録されている前記時刻t3で撮影された周辺画像Ibと自車両で同時刻に撮影した周辺画像Iaとを照合することで車両Aと車両Bとの相対位置を識別する。同様に、車両Cから受信したID応答に登録されている前記時刻t3で撮影された周辺画像Icと自車両で同時刻に撮影した周辺画像Iaとを照合することで車両Aと車両Cとの相対位置を識別する。
【0032】
前記周辺画像に基づく相対位置の計算にはエピポーラ幾何等を用いることができる。画像比較には各周辺画像から抽出した画像特徴を用いても良いし、セマンティックベースの特徴を用いても良い。
【0033】
時刻t7では、時刻t1で検知された車両の位置と前記各相対位置から推定される車両B,Cの位置とが比較される。本実施形態では、センサで検知された車両の位置が車両Aの左後方(図3)である一方、前記相対位置からは車両Bの位置が左後方と推定され、車両Cの位置が右後方と推定されるので、ID割当部306bは時刻t1で検知したコミュニケーション対象の車両を車両BとみなしてIDbを割り当てる。時刻t8では、車両Aの各機能がIDbを用いて車両Bとのコミュニケーションを図る。
【0034】
図5は、前記ID推定装置100の動作を示したフローチャートであり、ステップS1~S7は主にID推定部3の動作を示し、ステップS8~S12は主にID被推定部4の動作を示している。
【0035】
ステップS1では、物体検知部301がセンサ2の出力信号に基づいてコミュニケーション対象車両Xの位置を検知したか否かが判断される。コミュニケーション対象車両Xの位置が検知されるとステップS2へ進み、ID要求部302がカメラ撮影の指定時刻tiを記述したID要求をブロードキャストする。
【0036】
ステップS3では指定時刻tiであるか否かが判断され、指定時刻tiを待ってステップS4へ進む。ステップS4では、周辺画像取得部303が車両周辺をカメラ1で撮影することで周辺画像Iaを取得する。ステップS5では、前記ブロードキャストしたID要求に対して周囲の移動体が返信したID応答がID応答受信部304で受信される。
【0037】
ステップS6では、相対位置識別部305が前記受信したID応答に登録されている前記指定時刻tiで撮影された周辺画像Ibと前記周辺画像Iaとを照合することで自車両とID応答した車両との相対位置を識別する。
【0038】
ステップS7では、ID割当部306が前記物体検知部301による検知結果および前記相対位置に基づいて、前記ID応答した車両と前記物体検知部301が検知したコミュニケーション対象車両とが同一であるか否かを判断し、同一であればコミュニケーション対象車両に前記ID応答に登録されているIDを割り当てる。
【0039】
一方、前記ステップS1においてコミュニケーション対象車両が検知されていなければステップS8へ進み、他車両がブロードキャストしたID要求を受信したか否かが判断される。ID要求が受信されるとステップS9へ進み、当該ID要求に記述されているカメラ撮影の指定時刻tiが抽出される。
【0040】
ステップS10では指定時刻tiであるか否かが判断され、指定時刻tiを待ってステップS11へ進む。ステップS11では、周辺画像取得部402が車両周辺をカメラ1で撮影することで周辺画像Ibを取得する。ステップS12では、ID応答部403が周辺画像Ib、その撮影時刻tiおよび自車両のID(IDb)を登録したID応答を要求元へ返信またはブロードキャストする。
【0041】
なお、上記の実施形態では本発明を自律走行する車両間でのID推定を例にして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、自律歩行するロボット間や自律走行する車両と自律歩行するロボットとの間でのID推定にも適用できる。
【0042】
さらに、自律走行しない車両等の移動体に実装し、あるいは人が携帯するスマートフォンなどのモバイル端末に実装すれば、これらのデバイス間でのID推定にも適用できる。
【0043】
本実施形態によれば、存在及びその位置を検知できたコミュニケーション対象車両XのIDを取得できるようになり、その結果、当該IDを宛先とすることでコミュニケーション対象車両Xとのコミュニケーションが可能になる。
【0044】
また、本実施形態によれば自律走行する車両間や自律歩行するロボット間でのID取得が可能となり、相互のコミュニケーションが可能となるので、IDを事前登録することなく自律走行/歩行する移動体間での協調動作が可能になる。
【符号の説明】
【0045】
1…カメラ,2…センサ,3…ID推定部,4…ID被推定部,100…ID推定装置,301…物体検知部,302…ID要求部,303…周辺画像取得部,304…ID応答受信部,305…相対位置識別部,306…ID割当部,401…ID要求受信部,402…周辺画像取得部,403…ID応答部
図1
図2
図3
図4
図5