IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライフスタイル株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/06 20060101AFI20230711BHJP
   F25D 21/14 20060101ALI20230711BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20230711BHJP
   F25D 23/08 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
F25D23/06 H
F25D23/06 W
F25D21/14 Q
F25D23/00 305D
F25D23/08 Y
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020210326
(22)【出願日】2020-12-18
(62)【分割の表示】P 2019038585の分割
【原出願日】2009-12-03
(65)【公開番号】P2021047008
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2020-12-18
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 友康
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】平城 俊雅
【審判官】槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-125804(JP,A)
【文献】特開2005-48979(JP,A)
【文献】特開2002-90048(JP,A)
【文献】特開2007-303791(JP,A)
【文献】特開2005-106350(JP,A)
【文献】特開2007-56974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00-23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内箱と外箱との間に断熱壁体を挟んだ冷蔵庫本体を有する冷蔵庫において、
前記断熱壁体の背面に設けられた背面断熱パネルと、
前記断熱壁体の底面に設けられた底面断熱パネルと、
前記背面断熱パネルと前記底面断熱パネルとの間に設けられた離間部と、
前記離間部を通る接続手段と、
を備え、
前記接続手段は、水受け部の底部から下方へ延ばすように配置した排水経路であり、
前記離間部において、前記底面断熱パネルの先端部は、前記内箱に接触しているとともに底面の前記外箱から離れるように突出しており、
前記底面断熱パネルは、前記外箱に接触している部分を有しており、
前記底面断熱パネルと前記背面断熱パネルとの間に発泡断熱材が設けられており、
前記排水経路を通る断面において、前記発泡断熱材のうち前記排水経路よりも前側である庫内側に位置する部分は、前記発泡断熱材のうち前記排水経路よりも後側である庫外側に位置する部分よりも厚くなった領域を有しており、
前記底面断熱パネルの先端部は、前記排水経路を通る断面において、前記発泡断熱材のうち前記排水経路よりも前側である庫内側に位置する部分に接触しており、
前記排水経路を通る断面において、前記発泡断熱材のうち前記排水経路よりも前側である庫内側に位置する部分の上端は、前記発泡断熱材のうち前記排水経路よりも後側である庫外側に位置する部分の上端よりも低い冷蔵庫。
【請求項2】
前記背面断熱パネルは、前記内箱の左右の角部に近接している請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記底面断熱パネルは、機械室に対応する部分が内方に折れ曲がっている請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記接続手段は、前記離間部を通って前記機械室に導入されている請求項3に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱パネルを冷蔵庫本体の断熱壁として使用するように構成された冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の冷蔵庫の一例が特許文献1に記載されている。この冷蔵庫では、内箱と外箱との間の空間部に真空断熱パネルを配設すると共に、ウレタンフォームを充填している。即ち、冷蔵庫本体の断熱壁を真空断熱パネルとウレタンフォームを併用して構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-90048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成の場合、真空断熱パネルとウレタンフォームを併用するので、ウレタンフォーム部分の断熱性能が劣るので、真空断熱パネルを使用しているにもかかわらず、期待するほど断熱性能を高くすることができなかった。例えば、断熱性能が劣るウレタンフォーム部分の断熱壁の厚み寸法を厚くしなければならないため、断熱壁全体の厚み寸法が厚くなってしまうという問題点があった。しかし、冷蔵庫本体の断熱壁を真空断熱パネルだけで構成しようとしても、断熱壁の形状が複雑であるのに対して、真空断熱パネルはほぼ矩形状のパネル程度しか製造できないため、その実現はかなり困難であった。特に、冷蔵庫本体の庫内と庫外を貫通するように配設する接続手段、例えば電気配線、排水経路、または、冷凍サイクルの冷媒パイプ等を、従来構成では、ウレタンフォーム中に埋設していたが、これらの部品を真空断熱パネルだけで構成する断熱壁体に対してどのように配設するかが課題となっており、実現はかなり困難であった。
【0005】
本発明の目的は、冷蔵庫本体の断熱性能を高くすることができ、また、その構成を比較的容易に実現することができる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の冷蔵庫は、内箱と外箱との間に断熱壁体を挟んだ冷蔵庫本体を有する冷蔵庫において、前記断熱壁体の背面に設けられた背面断熱パネルと、前記断熱壁体の底面に設けられた底面断熱パネルと、前記背面断熱パネルと前記底面断熱パネルとの間に設けられた離間部と、前記離間部を通る接続手段と、を備え、前記接続手段は、水受け部の底部から下方へ延ばすように配置した排水経路であり、前記離間部において、前記底面断熱パネルの先端部は、前記内箱に接触しているとともに底面の前記外箱から離れるように突出しており、前記底面断熱パネルは、前記外箱に接触している部分を有しており、前記底面断熱パネルと前記背面断熱パネルとの間に発泡断熱材が設けられており、前記排水経路を通る断面において、前記発泡断熱材のうち前記排水経路よりも前側である庫内側に位置する部分は、前記発泡断熱材のうち前記排水経路よりも後側である庫外側に位置する部分よりも厚くなった領域を有しており、前記底面断熱パネルの先端部は、前記排水経路を通る断面において、前記発泡断熱材のうち前記排水経路よりも前側である庫内側に位置する部分に接触しており、前記排水経路を通る断面において、前記発泡断熱材のうち前記排水経路よりも前側である庫内側に位置する部分の上端は、前記発泡断熱材のうち前記排水経路よりも後側である庫外側に位置する部分の上端よりも低い
【発明の効果】
【0007】
本発明の冷蔵庫によれば、冷蔵庫本体の断熱性能を高くすることができ、また、その構成を比較的容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態を示す冷蔵庫本体の斜視図
図2】冷蔵庫本体の部分断面図
図3】箱状断熱壁体の斜視図
図4】箱状断熱壁体の分解斜視図
図5】真空断熱パネルの部分断面図
図6】冷蔵庫の下部の縦断側面図
図7】冷蔵庫の機械室の背面側からみた部分斜視図
図8】箱状断熱壁体の下部の背面側からみた部分斜視図
図9】離間部にウレタンフォームを配設した図8相当図
図10】冷蔵庫本体の庫内側の下部の分解斜視図
図11】冷蔵庫本体の庫内側の下部の斜視図
図12】冷蔵庫本体のうちの冷媒パイプの熱交換部を配設した部分の縦断側面図
図13】断熱材と冷媒パイプの熱交換部を示す分解斜視図
図14】断熱材で冷媒パイプの熱交換部を覆った状態を示す斜視図
図15】冷蔵庫本体のうちの排水経路を配設した部分の縦断側面図
図16】本発明の第2実施形態を示す図12相当図
図17図10相当図
図18】本発明の第3実施形態を示す図12相当図
図19】本発明の第4実施形態を示す図15相当図
図20】本発明の第5実施形態を示す図19相当図
図21】本発明の第6実施形態を示す図8相当図
図22図9相当図
図23】真空断熱パネルの上面図
図24】本発明の第7実施形態を示す図4相当図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図16を参照して説明する。まず、図1は本実施形態の冷蔵庫本体1の全体構成を概略的に示す斜視図、図2は冷蔵庫本体1の部分縦断面図である。冷蔵庫本体1は、金属板(鋼板やSUS板等)製の外箱2と、樹脂製の内箱3と、これら内箱3と外箱2との間に挟むように配置された箱状断熱壁体4とから構成されている。
【0010】
図3は、箱状断熱壁体4単体の全体構成を示す斜視図である。この箱状断熱壁体4は、図4にも示すように、2枚以上である例えば5枚の真空断熱パネル5、6、7、8、9を組み合わせて構成されている。各真空断熱パネル5~9は、ほぼ矩形板状に形成されており、その厚み寸法は例えば10~20mm程度である。尚、真空断熱パネル5、6の形状は下端部後部が斜めにカットされたほぼ台形状になっており、真空断熱パネル9の形状は中間部でほぼ「く」字状に折れ曲がった形状になっている。
【0011】
上記5枚の真空断熱パネル5~9を箱状に組み立てるに際しては、各真空断熱パネル5~9の外面及び内面に、予め外箱2及び内箱3を接着剤を介して接着しておく。この場合、外箱2及び内箱3は、真空断熱パネル5~9の大きさよりも少し大きい程度の大きさに形成されており、その上下左右の端部には、真空断熱パネル5~9を連結するための連結片部や真空断熱パネル5~9の端面部を覆うカバー片部等が形成されている。
【0012】
例えば、図2に示すように、2枚の真空断熱パネル5、7を連結する際には、真空断熱パネル5の外箱2の上端部の連結片部2aと真空断熱パネル5の外箱2の左端部の連結片部2bとをねじや溶接等により連結すると共に、真空断熱パネル5の内箱3の上端部の連結片部3aと、真空断熱パネル5の内箱3の左端部の連結片部3bとをねじや溶接等により連結する。そして、5枚の真空断熱パネル5~9を、ほぼ同様にして、連結することにより、図1に示す冷蔵庫本体1を製造する。尚、図2において、2枚の真空断熱パネル5、7の合せ部(即ち、接合部分)に生ずる空間部10については、この空間部10の体積ができるだけ小さくなるように、即ち、真空断熱パネル5、7ができるだけ近接するように、両パネル5、7の大きさ及び配置を設計することが好ましい。また、上記空間部10には、ウレタンフォーム等の断熱材(図示しない)を充填することが好ましい。
【0013】
ここで、真空断熱パネル5~9の具体的構成について、図5を参照して、簡単に説明する。真空断熱パネル5~9は、心材11と、熱溶着用のプラスチック層を有すると共にガスバリア性を有する金属箔ラミネートフィルム等から成る外包材12とから構成されている。上記心材11は、無機繊維の積層体13と、内袋14とから構成されている。上記内袋14は、例えば厚さ20μmの材質ポリエチレンフィル等の合成樹脂フィルムから成る袋で構成されている。無機繊維の積層体13には、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維或いは本綿等の天然繊維が用いられている。心材11は、ロール状で厚さ100mm~150mmに予め作られた無機繊維の積層体13を設定寸法にカットし、2つ折或いは3つ折りして内袋14(肉厚20μm前後のポリエチレン製の合成樹脂フィルム)内に収納した後、その無機繊維の積層体をプレス機等を使って、圧縮し、次いで内袋14内を減圧し、次いで熱溶着機を使って内袋14の開口部を熱溶着密封して作られている。尚、上記無機繊維の積層体20は、圧縮工程(減圧工程)前の原綿の状態では厚み寸法が例えば200~300mmあったものが、圧縮(減圧)工程により、例えば8~15mm程度に圧縮される。
【0014】
上記した構成の心材11を外包材12(金属箔ラミネートフィルム)内に収納し、外包材12内を減圧して溶着密封すると、図7(a)に示す構成となる。尚、上記外包材12は、プラスチック-金属箔ラミネートフィルムで構成されており、外包材12の開口部を溶着、密封する際には、このプラスチック部を溶して溶着する。
【0015】
このようにして作られた真空断熱パネル5~9は、最後に内袋14の耳部14aを含む耳部12aが例えば図5(b)に示すように耳部の根元を基点として上面側に折り込まれテープ等(図示せず)で固定される。この場合、芯材11の端部が丸みをおびていることより、その丸みに沿って上記耳部12aが折り込まれ、耳部12aと外包材12との間に対流空間を作ることなく折り込める。これにより、真空断熱パネル5~9の外包材12のもつ金属部(バリア層)を通して伝導される熱移動に従来プラスされていた熱の対流空間の形成を最小限に押えられる。
【0016】
上記した構成の真空断熱パネル5~9は、折り曲げ加工程度が可能である。本実施形態の場合、冷蔵庫本体1の底板部及び背面部下部に相当する真空断熱パネル9は、断面がほぼ「く」字状をなすように折り曲げられている。
【0017】
さて、冷蔵庫本体1の内部である庫内には、図6に示すように、庫内を冷却する冷却器15と、冷却用のファン装置16が配設されており、これら冷却器15とファン装置16はカバー17で覆われている。冷却器15の近傍には除霜ヒータ(図示しない)が配設され、冷却器15の下方には除霜水を受ける水受け部19が配設されている。尚、冷蔵庫本体1の内部には、庫内を複数の部屋(冷凍室、冷蔵室、野菜室等)に仕切る仕切り壁20や仕切り板(図示しない)等が配設されている。
【0018】
また、冷蔵庫本体1の外部である庫外、特には、下部の機械室21には、図7にも示しように、コンプレッサ22と、放熱器23と、放熱用のファン装置24と、除霜水を蒸発させる蒸発皿25と、制御基板26とが配設されている。
【0019】
そして、図6及び図8に示すように、冷蔵庫本体1の背面部の隣接する2枚の真空断熱パネル8、9の接合部分には、両パネル8、9が所定距離(例えば数cm程度)離れた離間部27が設けられている。この離間部27には、冷蔵庫本体1の庫内と庫外を貫通するように配設された接続手段28が配置されている。この場合、接続手段28として、電気配線29と、排水経路30と、冷凍サイクルの連結用の冷媒パイプ31とが配設されている。また、離間部27には、図9に示すように、発泡断熱手段として例えばウレタンフォーム32が配設されている。
【0020】
電気配線29は、庫内の各種の電気部品(ファン装置16や除霜等)と、庫外の制御基板26とを接続するものであり、図中には、電気配線の束を覆うパイプ状の配線カバーが示されている。排水経路30は、庫内の水受け部19の底部に接続された排水パイプで構成されており、この排水パイプは庫外において鉛直方向に延びて、その下端部は庫外の蒸発皿25内に臨むように配設されている。水受け部19内の除霜水は、上記排水経路30を通って蒸発皿25内へ送られる構成となっている。冷凍サイクルの冷媒パイプ31は、冷却器15の入口に連結される細い入口連結パイプ31a(図7参照)と、冷却器15の出口に連結される太い出口連結パイプ31bとを接合して構成されている。入口連結パイプ31aと出口連結パイプ31bは、図7に示すように、庫外において分岐し、出口連結パイプ31bはコンプレッサ22の入力部に接続され、入口連結パイプ31aは冷凍サイクルを構成する所定の部品(図示しない)に接続されている。
【0021】
上記冷媒パイプ31は、図10に示すように、長さが3m程度の冷媒パイプを細長なコイル状に巻回して形成された熱交換部33を有している。この熱交換部33においては、入口連結パイプ31aを流れる高温の冷媒と、出口連結パイプ31bを流れる低温の冷媒との間で熱交換が実行される。上記熱交換部33は、冷蔵庫本体1の庫内の後面部における冷却器15の右側に配設されている。
【0022】
そして、図10及び図11に示すように、冷媒パイプ31の熱交換部33は、断熱材34で覆われている。この断熱材34には、図13及び図14に示すように、熱交換部33を収容する凹部33aと、電気配線29を収容する凹部33bとが形成されており、熱交換部33及び電気配線29は上記断熱材34の凹部33a、33bに収容されて該断熱材34で覆われている。即ち、接続手段28(熱交換部33及び電気配線29)は、冷蔵庫本体1の庫内側において断熱材34で覆われている。尚、図12は、上記断熱材34周辺の縦断側面図である。
【0023】
また、図15は、離間部27に配置された排水経路30と、水受け部19とを示す縦断面図である。この図15に示すように、排水経路30は、水受け部19の下部から斜め下方に導出され、離間部27内に挿入され、該離間部27に配設されたウレタンフォーム32で覆われている。
【0024】
上記構成の本実施形態によれば、内箱3と外箱2との間に挟む箱状断熱壁体4を2枚以上の真空断熱パネル5~9を組み合わせて構成したので、真空断熱パネルとウレタンフォームを併用する構成に比べて、断熱性能を高くすることができる。そして、隣接する2枚の真空断熱パネル8、9の接合部分に設けられた離間部27に、冷蔵庫本体1の庫内と庫外を貫通するように配設された接続手段、具体的には、電気配線29、排水経路30、冷媒パイプ31を配置した。これにより、箱状断熱壁体4を2枚以上の真空断熱パネル5~9を組み合わせて構成する冷蔵庫本体1を、比較的容易に実現することができる。
【0025】
また、上記実施形態では、離間部27にウレタンフォーム32を配設したので、離間部27部分の断熱性能を十分高く保持することができる。更に、上記実施形態では、冷蔵庫本体1の庫内において、冷媒パイプ31の熱交換部33を断熱材34で覆うように構成したので、熱交換部33の温度が庫内の温度に比べて高くなることがあっても、熱交換部33からの熱が庫内に漏れることを極力防止できる。
【0026】
図16及び図17は、本発明の第2実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。この第2実施形態では、内箱3に庫内へ突出する凸部36を設け、この凸部36の内部に冷媒パイプ31の熱交換部33及び電気配線29(即ち、接続手段)を配設し、熱交換部33及び電気配線29を内箱3と真空断熱パネル8との間に配置した。そして、内箱3の凸部36を断熱材34で覆うように構成した。
【0027】
尚、上述した以外の第2実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第2実施形態においても、第1実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0028】
図18は、本発明の第3実施形態を示すものである。尚、第2実施形態と同一構成には、同一符号を付している。この第3実施形態では、図18に示すように、凸部36よりも一回り大きい凸部37を内箱3に設け、この凸部37の内面と熱交換部33との間に断熱材34を配設するように構成した。上述した以外の第3実施形態の構成は、第2実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第3実施形態においても、第2実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0029】
図19は、本発明の第4実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。この第4実施形態では、図19に示すように、冷蔵庫本体1の背面部に上下に隣接するように配置された2枚の真空断熱パネル8、9の離間部27を、上部の真空断熱パネル8の前面に沿って配設された水受け部19の真下に配設した。そして、排水経路30を水受け部19の底部から真っすぐ下方へ延ばすように配置した。
【0030】
尚、上述した以外の第4実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第4実施形態においても、第1実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第4実施形態によれば、排水経路30を水受け部19の底部から真っすぐ下方へ延ばすように配置する構成としたので、除霜水が排水経路30内をより一層スムーズに流れるようになる。また、排水経路30の長さ寸法を短くすることができる。
【0031】
図20は、本発明の第5実施形態を示すものである。尚、第4実施形態と同一構成には、同一符号を付している。この第5実施形態では、図20に示すように、真空断熱パネル8の下端部を下方へ延長し、この延長した真空断熱パネル8の下端部の前面に排水経路30を沿わせるように配置した。そして、離間部27には、ウレタンフォーム32を図示するように配設した。上述した以外の第5実施形態の構成は、第4実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第5実施形態においても、第4実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第5実施形態によれば、真空断熱パネル8の下端部を下方へ延長し、この延長した部分の前面に排水経路30を沿わせるように配置し、離間部27にウレタンフォーム32を配設したので、離間部27部分の断熱性能をより一層高くすることができる。
【0032】
図21ないし図23は、本発明の第6実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。この第6実施形態では、真空断熱パネル9の代わりに、図23に示すように、真空断熱パネル38の接合側の端部のコーナー部に斜めに欠けた形状の傾斜部として例えばC面形状部38aを形成した真空断熱パネル38を用いた。このC面形状部38aを、図21に示すように、離間部39とした。そして、図22に示すように、この離間部39に、電気配線29、排水経路30および冷媒パイプ31を配設した。
【0033】
尚、真空断熱パネル38に上記C面形状部38aを形成するに際しては、真空断熱パネルの心材を圧縮するときに、心材を変形させることにより、C面形状部38aを形成することが好ましい。勿論、他の方法でC面形状部38aを形成しても良い。また、C面形状部38aを形成した部分の真空断熱パネルの外包材12の耳部12aの面積は、他の部分の耳部12aの面積よりも大きくなっているが、この大きくなった耳部12aもC面形状部38aの斜面に沿って折り曲げて接着している。
【0034】
尚、上述した以外の第6実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第6実施形態においても、第1実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第6実施形態では、真空断熱パネル38のC面形状部38aを、離間部39とし、この離間部39に電気配線29、排水経路30、冷媒パイプ31を配設したので、離間部39の大きさを小さくすることができ、真空断熱パネル8、38の接合部分の断熱性能をより一層高くすることができる。
【0035】
図24は、本発明の第7実施形態を示すものである。尚、第1実施形態と同一構成には、同一符号を付している。この第7実施形態では、箱状断熱壁体4を、図24にも示すように、2枚の真空断熱パネル40、41を組み合わせて構成した。真空断熱パネル40は、断面形状が「コ」字状に形成され、箱状断熱壁体4の左右の側壁部と天井壁部とを一体化したパネルである。真空断熱パネル41は、2か所で鈍角状に折曲され、箱状断熱壁体4の背壁部と底壁部とを一体化したパネルである。
【0036】
上記真空断熱パネル41のうちの、箱状断熱壁体4の背壁部の下部に相当する部分の左右方向の長さ寸法が他の部分よりも短くなるように形成されている。これにより、2枚の真空断熱パネル40、41を組み合わせて箱状断熱壁体4を構成したときに、箱状断熱壁体4の背壁部の下部の両側辺部に離間部42が形成される。この離間部42に電気配線29、排水経路30、冷媒パイプ31を配設する。
【0037】
尚、上述した以外の第7実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じ構成となっている。従って、第7実施形態においても、第1実施形態とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第7実施形態では、2枚の真空断熱パネル40、41を組み合わせて箱状断熱壁体4を構成したので、接合箇所が少なくなることから、断熱性能を向上できる。また、部品点数が少なくなるから、部品の管理等が容易になる。尚、上記した各形状の真空断熱パネル40、41は、実際に製造することが可能である。
【0038】
また、上記した各実施形態においては、接続手段としての冷媒パイプ31の熱交換部33を、冷蔵庫本体1の庫内側に配設したが、これに代えて、庫外側(例えば機械室内)に配設すると共に、断熱材で覆うように構成しても良い。
【符号の説明】
【0039】
図面中、1は冷蔵庫本体、2は外箱、3は内箱、4は箱状断熱壁体、5、6、7、8、9は真空断熱パネル、11は芯材、12は外包材、15は冷却器、16はファン装置、19は水受け部、21は機械室、22はコンプレッサ、23は放熱器、24はファン装置、25は蒸発皿、26は制御基板、27は離間部、28は接続手段、29は電気配線、30は排水経路、31は冷媒パイプ、32はウレタンフォーム(発泡断熱手段)、33は熱交換部、34は断熱材、36は凸部、37は凸部、38は真空断熱パネル、39は離間部、40、41は真空断熱パネル、42は離間部を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24