(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】ゲーム装置、ゲームシステムおよびゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20230711BHJP
A63F 13/213 20140101ALI20230711BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20230711BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20230711BHJP
A63F 13/655 20140101ALI20230711BHJP
【FI】
A63F9/30 501D
A63F13/213
A63F13/30
A63F13/53
A63F13/655
(21)【出願番号】P 2020506488
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2019009499
(87)【国際公開番号】W WO2019176813
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2018049066
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】511242904
【氏名又は名称】株式会社マーベラス
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】土手 真悟
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-259216(JP,A)
【文献】特許第6119943(JP,B1)
【文献】特開2009-011713(JP,A)
【文献】TRYPOD(TM),月刊アミューズメント・ジャーナル 2017年11月号,株式会社アミューズメント・ジャーナル,2017年10月30日,第17巻第11号通巻199号,第034~037頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/30
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品を開口から景品取出空間に落下させて前記景品を獲得するゲーム装置であって、
前記開口を規定する規定部と、
前記景品取出空間の上方で前記規定部に設けられ、前記景品を支持する景品支持部と、
前記景品支持部の動作を制御する動作制御部と、
前記開口の上方に、前記景品を撮影するための撮像部と、
前記規定部から立設する支柱部と、前記支柱部から水平方向に沿って前記開口の上方まで延びる分岐部とを有する支持部と、を含み、
前記撮像部は、前記開口の直上で前記分岐部に設けられた第1の撮像装置と、前記規定部の上方で前記支柱部に設けられた第2の撮像装置とを有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記開口に対して鉛直方向に延びる仮想鉛直線と、前記仮想鉛直線に対して所定の角度に傾いた仮想線とを規定したとき、
前記撮像部は、前記開口の直上で前記仮想鉛直線上に設けられた前記第1の撮像装置と、前記規定部の上方で前記仮想線上に設けられた前記第2の撮像装置とを含む請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記規定部は、前記開口を取り囲み、前記景品支持部に対応する映像を表示するための操作指示領域と、前記操作指示領域以外の非操作指示領域とを有する請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記操作指示領域は、クロマキー合成のために所定の色で構成されている請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記動作制御部は、プレイヤからの入力情報により、前記景品支持部を変位するように構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
景品を開口から景品取出空間に落下させて前記景品を獲得するゲーム装置と、
前記ゲーム装置とネットワークを介して接続される端末装置と、を含むゲームシステムであって、前記ゲーム装置は、
前記開口を規定する規定部と、
前記景品取出空間の上方で前記規定部に設けられ、前記景品を支持する景品支持部と、
前記景品支持部の動作を制御する動作制御部と、
前記開口の上方に、前記景品を撮影するための撮像部と、
前記規定部から立設する支柱部と、前記支柱部から水平方向に沿って前記開口の上方まで延びる分岐部とを有する支持部と、を含み、
前記撮像部は、前記開口の直上で前記分岐部に設けられた第1の撮像装置と、前記規定部の上方で前記支柱部に設けられた第2の撮像装置とを有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
前記開口に対して鉛直方向に延びる仮想鉛直線と、前記仮想鉛直線に対して所定の角度に傾いた仮想線とを規定したとき、
前記撮像部は、前記開口の直上で前記仮想鉛直線上に設けられた前記第1の撮像装置と、前記規定部の上方で前記仮想線上に設けられた前記第2の撮像装置とを含む請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記規定部は、前記開口を取り囲み、前記景品支持部に対応する映像を表示するための操作指示領域と、前記操作指示領域以外の非操作指示領域とを有する請求項6または7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記操作指示領域は、クロマキー合成のための所定の色で構成されている請求項8に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記動作制御部は、前記端末装置からの入力情報により、前記景品支持部を変位するように構成されている請求項6ないし9のいずれかに記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記端末装置は、前記クロマキー合成により、前記操作指示領域の前記映像に操作指示画像を合成する請求項9に記載のゲームシステム。
【請求項12】
ゲームフィールドに形成された開口を介して、景品を支持する景品支持部から景品取出空間に、前記景品を落下させるゲームを提供する請求項1から5のいずれかに記載のゲーム装置と、
ネットワークを介して前記ゲーム装置と接続される端末装置と、を有するゲームシステムに用いられるゲームプログラムであって、
前記撮像部で撮影された前記ゲームフィールドの映像を表示する表示制御手段と、
前記ゲームフィールドの前記映像の少なくとも一部に所定の映像パターンを合成する映像合成手段と、
をコンピューターに実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項13】
前記映像パターンは、前記景品支持部と対応している請求項
12に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
プレイヤからの入力情報を受ける情報取得手段と、
前記入力情報に基づいて、前記景品支持部の変位を指示する指示手段と、をさらに前記コンピューターに実行させる請求項
12または13に記載のゲームプログラム。
【請求項15】
前記プレイヤからの前記入力情報を受けるタイミングの難易度を設定する難易度設定手段をさらに前記コンピューターに実行させる請求項14に記載のゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲームシステムおよびゲームプログラムに関し、特に、景品を獲得するゲーム装置、ゲームシステムおよびそれに使用されるゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、景品を獲得するゲーム装置として、ショッピングモール等に配置されるクレーンゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1)。このようなクレーンゲーム装置は、クレーンアームが景品台の上方を移動するように構成されている。そのため、クレーンゲーム装置は、景品台の上方の空間、すなわち、筐体内のスペースを有効に活用することが難しい。これは、クレーンゲーム装置が限られたスペースに配置される場合に、特に問題となる。
【0003】
一方、スマートフォンの急速な普及に伴い、スマートフォンを利用して、クレーンゲーム装置を遠隔操作するゲーム、いわゆるネットクレーンゲームが知られている(例えば、非特許文献1)。このようなネットクレーンゲームは、現実のクレーンゲーム装置をスマートフォンで遠隔操作しているため、スマートフォン上の動作映像と、現実のクレーンゲーム装置の動作との間にタイムラグが生じるという問題がある。
【0004】
そこで、このような従来のクレーンゲーム装置およびネットクレーンゲームの問題点を改善する、全く新しい景品獲得ゲーム装置およびネットクレーンゲームが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】https://shuushuugirl.com/articles/FleLv
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、筐体内のスペースを有効に活用することができ、高い趣向性を備えたゲーム装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、現実のゲーム装置の動作と、端末装置上のゲーム処理との間にタイムラグがないゲームシステムおよびゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)~(13)の本発明により達成される。
(1)景品を開口から景品取出空間に落下させて前記景品を獲得するゲーム装置であって、
前記開口を規定する規定部と、
前記景品取出空間の上方で前記規定部に設けられ、前記景品を支持する景品支持部と、
前記景品支持部の動作を制御する動作制御部と、を含むことを特徴とするゲーム装置。
【0009】
(2)前記規定部および/または景品支持部の上方に、前記景品を撮影するための撮像部をさらに含む上記(1)に記載のゲーム装置。
【0010】
(3)前記開口に対して鉛直方向に延びる仮想鉛直線と、前記仮想鉛直線に対して所定の角度に傾いた仮想線とを規定したとき、
前記撮像部は、前記規定部の上方で前記仮想鉛直線上に設けられた第1の撮像装置と、前記規定部の上方で前記仮想線上に設けられた第2の撮像装置とを含む上記(2)に記載のゲーム装置。
【0011】
(4)前記規定部は、前記開口を取り囲み、前記景品支持部に対応する映像を表示するための操作指示領域と、前記操作指示領域以外の非操作指示領域とを有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0012】
(5)前記操作指示領域は、クロマキー合成のために所定の色で構成されている上記(4)に記載のゲーム装置。
【0013】
(6)前記動作制御部は、プレイヤからの入力情報により、前記景品支持部を変位するように構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0014】
(7)景品を開口から景品取出空間に落下させて前記景品を獲得するゲーム装置と、
前記ゲーム装置とネットワークを介して接続される端末装置と、を含むゲームシステムであって、前記ゲーム装置は、
前記開口を規定する規定部と、
前記景品取出空間の上方で前記規定部に設けられ、前記景品を支持する景品支持部と、
前記景品支持部の動作を制御する動作制御部と、を含むことを特徴とするゲームシステム。
【0015】
(8)前記ゲーム装置は、前記規定部および/または前記景品支持部の上方に、前記景品を撮影するための撮像部をさらに含む上記(7)に記載のゲームシステム。
【0016】
(9)前記開口に対して鉛直方向に延びる仮想鉛直線と、前記仮想鉛直線に対して所定の角度に傾いた仮想線とを規定したとき、
前記撮像部は、前記規定部の上方で前記仮想鉛直線上に設けられた第1の撮像装置と、前記規定部の上方で前記仮想線上に設けられた第2の撮像装置とを含む上記(8)に記載のゲームシステム。
【0017】
(10) 前記規定部は、前記開口を取り囲み、前記景品支持部に対応する映像を表示するための操作指示領域と、前記操作指示領域以外の非操作指示領域とを有する上記(7)ないし(9)のいずれかに記載のゲームシステム。
【0018】
(11)前記操作指示領域は、クロマキー合成のための所定の色で構成されている上記(10)に記載のゲームシステム。
【0019】
(12)前記動作制御部は、前記端末装置からの入力情報により、前記景品支持部を変位するように構成されている上記(7)ないし(11)のいずれかに記載のゲームシステム。
【0020】
(13)前記端末装置は、前記クロマキー合成により、前記操作指示領域の前記映像に操作指示画像を合成する上記(11)に記載のゲームシステム。
【0021】
また、上記目的は、下記(1)~(4)の本発明により達成されることもできる。
(1)ゲームフィールドに形成された開口を介して、景品を支持する景品支持部から景品取出空間に、前記景品を落下させるゲームを提供するゲーム装置と、
ネットワークを介して前記ゲーム装置と接続される端末装置と、を有するゲームシステムに用いられるゲームプログラムであって、
前記ゲームフィールドの映像を表示する表示制御手段と、
前記ゲームフィールドの前記映像の少なくとも一部に所定の映像パターンを合成する映像合成手段と、
をコンピューターに実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【0022】
(2)前記映像パターンは、前記景品支持部と対応している上記(1)に記載のゲームプログラム。
【0023】
(3)1プレイヤからの入力情報を受ける情報取得手段と、
前記入力情報に基づいて、前記景品指示部の変位を指示する指示手段と、をさらに前記コンピューターに実行させる上記(1)または(2)に記載のゲームプログラム。
【0024】
(4)前記プレイヤからの前記入力情報を受けるタイミングの難易度を設定する難易度設定手段をさらに前記コンピューターに実行させる上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のゲームプログラム。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、筐体内のスペースを有効に活用でき、高い趣向性を備えたゲーム装置を提供することができる。また、現実のゲーム装置の動作と、端末装置上のゲーム処理像との間にタイムラグがないゲームシステム、ゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態にかかるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態にかかるゲームシステムのゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の開口を模式的に示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の連結部を模式的に示す斜視拡大図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部の取付け状態を模式的に示す図である。(a)は全ての景品支持部が第1の状態であり、(b)は4本の景品支持部が第1の状態であることを示す。
【
図8】
図8は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部の取付け状態を模式的に示す斜視拡大図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の撮像部による撮影画像を模式的に示す図である。
【
図10】
図10は、本発明のゲームシステムのサーバー装置の構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、本発明のゲームシステムのサーバー装置に記憶される実行情報テーブルである。
【
図12】
図12は、本発明のゲームシステムのサーバー装置に記憶されるゲーム装置の情報テーブルである。
【
図13】
図13は、本発明のゲームシステムのサーバー装置に記憶される映像パターンテーブルである。
【
図14】
図14は、本発明のゲームシステムのサーバー装置に記憶される対応表である。
【
図15】
図15は、本発明のゲームシステムの端末装置を模式的に示す図である。(a)は16分割の映像パターン、(b)は32分割の映像パターンを示す。
【
図16】
図16は、本発明のゲームシステムの端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、本発明のゲームシステムの初期状態の設定処理を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、本発明のゲームシステムのゲーム全体の処理を示すフローチャートであ。
【
図19】
図19は、本発明の第2実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す図である。
【
図20】
図20は、本発明のその他の構成例1にかかるゲーム装置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明のゲーム装置およびゲームシステムを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。説明の都合上、図中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面手前側を「前」、紙面奥側を「後」として説明する。
【0028】
<<第1実施形態>>
A.ゲームシステム
図1は、本発明の第1実施形態にかかるゲームシステムの構成を示すブロック図である。本発明のゲームシステム100は、端末装置40を操作することで、ネットワーク30を介して、プレイヤと異なる場所に設置してあるゲーム装置1を操作できるゲームシステムである。
図1に示すように、ゲームシステム100は、ネットワーク30を介して通信可能に接続された、複数のゲーム装置1と、サーバー装置20と、複数の端末装置40とを有する。ユーザー(以下、「プレイヤ」ともいう)は、自己の端末装置40にゲームのアプリケーションをインストールし、登録を行う。これにより、ゲームを実行することができる。
【0029】
以下、ゲームシステム100の各部の構成を順に説明する。なお、このゲームシステム100は複数のゲーム装置1および複数の端末装置40を含むことができるが、説明の簡略化のために、以下では、1つのみのゲーム装置1および端末装置40を説明する。
【0030】
1.ゲーム装置
図2は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図4は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の開口を模式的に示す斜視図である。
図5は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の連結部を模式的に示す斜視拡大図である。
図6は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部を模式的に示す図である。
【0031】
図2は、2つのゲーム装置1が互いに隣接して設けられた1セットのゲーム装置を示している。1セットのゲーム装置は、1つの制御部で制御されるため、ゲーム装置1全体の大きさを小型化することができる。ゲーム装置1の数は特に限定されず、3つ以上の複数のゲーム装置1が1セットになっていてもよい。以下では、1つのゲーム装置1を説明する。
【0032】
このゲーム装置1は、景品支持部5(結合部422)を、景品を支持可能な状態(第1の状態)から、景品の支持を解除した状態(第2の状態)に変位させることで、景品を獲得する装置である。このようなゲーム装置1は、
図2、3に示すように、筺体2と、規定部4と、景品支持部5と、撮像部6と、入力部7とを有する。また、本発明のゲーム装置1は、筐体2内に、記憶部8と、制御部9と、通信部10と、検知部11と、を有する。以下、各部の構成を説明する。
【0033】
<筐体>
筺体2は、箱状に形成され、ゲーム装置1の各部材を設置または収納する機能を有している。筐体2の形状は、特に限定されず、三角柱状、楕円柱状、円柱状などに変更できる。筐体2は、筐体上部21と、筐体下部22とで構成されている。
【0034】
(筐体上部)
筐体上部21は、コの字状に形成された板材で形成されている。板材は、プレイヤがゲーム空間を視認できるように、実質的に透明(無色透明、着色透明、半透明)であっても、着色されていてもよい。また、板材に、広告文などを直接表示してもよく、看板等を貼り付けてもよい。筐体上部21によって画成された空間が、景品を獲得するゲーム空間となっている。
【0035】
本発明のゲーム装置1は、従来のクレーンゲーム装置のようにクレーンを有さないため、筐体上部21は省略されてもよい。しかし、
図2のように、複数のゲーム装置1を連続して設置する場合、筐体上部21は設置されることが好ましい。これにより、筐体上部21は、隣接するゲーム装置1との仕切板として機能し、隣接するゲーム装置1におけるプレイを妨害しない。
【0036】
筐体上部21は、板材の中央部から突出するように設けられた支持部211を有する。支持部211は、筐体下部22の上面から立設するように構成された支柱部212と、支柱部212の先端から水平方向に沿って景品支持部5の上方まで延びる分岐部213とで構成されている。この支持部211は、景品を照らすLEDを設けていてもよい。
【0037】
(筐体下部)
筐体下部22は、その上面上で筐体上部21と接続されている。筐体下部22は、記憶部8や制御部9を収納することができ、景品取出口221と、景品取出空間(景品取出部)223とを有する。
【0038】
景品取出口221は、筐体下部22の前面に、ゲーム装置1に対応して設けられている。景品取出口221は、景品取出空間223から景品を取り出す機能を有し、矩形の形状に形成されている。なお、景品取出口221には、景品取出口221を塞ぐように遮蔽板が設けられていてもよい。
【0039】
景品取出空間223は、筐体下部22の内部に設けられ、後述する規定部4の開口41を介してゲーム空間と連通する。この景品取出空間223は、
図4に示されるように、平面視で、開口41よりも大きく、開口41を包含するように形成されている。このように形成されることで、景品を確実に景品取出空間223に誘導することができる。逆に、平面視で、開口41が景品取出空間223を包含するように形成されていてもよい。
【0040】
なお、景品取出空間223は、筐体下部22の内部の側面と、底面とで構成される空間である。この底面は、後述する景品支持部5が第2の状態になった時、景品支持部5と接触しないようになっている。これにより、景品取出空間223に落下した景品が景品支持部5に妨害されず、景品を確実に取り出すことができる。
【0041】
<規定部>
規定部4は、筐体下部22の上面を構成し、ゲームフィールドとして機能する。また、規定部4は、景品を落下させる開口41を規定する機能を有する。規定部4は、開口41を取り囲む円環状の操作指示領域43と、前記操作指示領域43以外の非操作指示領域44とを有する。
図2に示されるように、操作指示領域43は、非操作指示領域44に対して、鉛直上方に隆起していてもよい。
【0042】
操作指示領域43および非操作指示領域44は、後述するクロマキー合成のために、所定の色(青や緑等)で配色されている。また、操作指示領域43は、所定の数の領域に分割されていてもよい。この場合、各領域の境界は、白色で配色される。
図2では、操作指示領域43が4つの領域に分割されている。しかし、領域の数はこれに限定されず、設置される景品支持部5の数と同じ数であっても、景品支持部5の最大設置数の16であってもよい。操作指示領域43が分割されていることにより、どの領域がどの景品支持部5に対応するのか容易に認識することができる。
【0043】
規定部4は、その一部が切り抜かれた開口41と、開口41を構成する内周面に設けられた複数の連結部42とを有する。
開口41は、
図4に示すように、円形状に形成されている。この開口41は、ゲーム空間と景品取出空間223とを連通するよう構成され、景品が落下するようになっている。開口41の数は、特に限定されず、2以上の複数であってもよい。本実施形態のゲーム装置1では、規定部4は、1つの開口41を有する。開口41の形状は、特に限定されず、楕円形状、多角形状、矩形状、または湾曲形状等であってもよい。また、開口41の大きさは、規定部4の大きさよりも小さければ特に限定されない。開口41が円形である場合、その直径は、40~120cmであることが好ましく、50~100cmであることがより好ましい。
【0044】
連結部42は、後述する景品支持部5を取り付ける機能を有する。
図5に示すように、複数の連結部42は、開口41を構成する内周面に沿って連続して設けられている。本実施形態では、連結部42は、16個の連結部42で構成されているが、1つの連結部42で構成されていてもよい。
【0045】
各連結部42は、前記内周面に向かって凹没する凹部421と、当該凹部421に収容される結合部422と、結合部422を係止する係止部423と、結合部422(景品支持部5)の第1の状態と第2の状態とを切り替えるスイッチ424とを有する。
【0046】
凹部421は、開口41に直面するとともに、景品取出空間223にも直面している。すなわち、凹部421は、
図5に示すように、正面視で「П」字状に形成されている。凹部421は、その底部に緩衝材(図示しない)が設けられている。緩衝材の材料は、例えば、ウレタン、ゴム、樹脂等の弾性体等が挙げられるが、特に限定されない。この緩衝材は、結合部422が第1の状態から第2の状態に移行して、結合部422が凹部421の底面に衝突したときのショックを和らげることができる。なお、本実施形態では、規定部4は複数の連結部42を有するので、
図5に示すように、凹部421は前記内周面に間欠的に設けられるように構成される。
【0047】
結合部422は、景品支持部5を嵌合する機能を有する。そのため、結合部422は、景品支持部5が第1の状態にあるとき、凹部421から突出するように構成され(
図5の真中)、景品支持部5が第2の状態にあるとき、凹部421に収容されるように構成されている(
図5の左側)。結合部422は、本体4221と、本体4221の先端面の両端から突出する2つの第1嵌合部4222と、第1嵌合部4222の間に位置する板状の第2嵌合部4223と、を有する。
【0048】
本体4221は、その基端で後述する係止部423に係止される。
第1嵌合部4222は、その先端からさらに伸びる突起を有する。この突起は、結合部422と景品支持部5とが嵌合された時、後述するスリット部511に挿通される。そのため、第1嵌合部4222は、景品支持部5と分離されることを防止するストッパーとしての機能を有する。これにより、景品支持部5を確実に結合部422に固定することができる。
【0049】
第2嵌合部4223は、2つの第1嵌合部4222の間で、本体4221の先端面から突出する。第2嵌合部4223は、その下面に3つ(複数)のリブが形成されている。このリブは、第2嵌合部4223の突出方向に沿って形成されている。リブは、結合部422と景品支持部5とが嵌合された時、後述する窓部512に挿通される。そのため、第2嵌合部4223は、景品支持部5と分離されることを防止するストッパーとしての機能を有する。これにより、景品支持部5を確実に結合部422に固定することができる。
【0050】
係止部423は、凹部421の上部に設けられ、結合部422を所定の角度で係止する機能を有する。係止部423は、鉛直軸Z(凹部421の底面)に対して0~90°の範囲で本体4221の基端を係止する。これにより、結合部422の取付角度により、景品支持部5の景品取出空間223からの高さや、凹部421の底面に対する景品支持部5の角度を変更することができる。
【0051】
係止部423が結合部422を係止すると、結合部422は、
図5に示すように、凹部421から突出するように構成される(第1の状態)。結合部422の係止を解除すると、結合部422は、
図5に示すように、凹部421に収容されるように構成される(第2の状態)。すなわち、結合部422は、係止部423を中心軸として、鉛直軸Zに対して90°回転し、凹部421に収容される。これにより、結合部422は、鉛直下方を向くことになる。係止部423の解除は、スイッチ424や制御部9により、手動または自動で行ってもよい。
【0052】
スイッチ424は、連結部42同士の間に設けられている。スイッチ424をONにすることで、結合部422を第1の状態で係止することができる。一方、スイッチ424をOFFにすることで、係止を解除し、結合部422を凹部421に収容することができる。スイッチ424は、手動でオン・オフしてもよく、自動でオン・オフしてもよい。
【0053】
<景品支持部>
景品支持部5は、規定部4に設けられ、景品を支持するよう機能する。景品支持部5の数は特に限定されず、1つでも複数であってもよい。本実施形態では、景品支持部5の数は、規定部4の連結部42の数に対応して16本となっている。景品支持部5の形状は、特に限定されず、棒状、長尺状、平板状、プレート状、半円状、円状などいずれの形状であってもよい。景品支持部5の長さも特に限定されず、同一でも、異なっていてもよい。
【0054】
また、景品支持部5の外径(幅および/または厚み)は、その基端から先端にかけて漸減していてもよい。これにより、第1の状態において、景品支持部5同士の間隙が大きくなり、景品が落下するイメージをプレイヤに与えることができる。
【0055】
また、景品支持部5は、規定部4に対して、レイアウトを変更可能(取り外し可能)に設けられている。これにより、連結部42に対して、景品支持部5の取付位置を変更することができる。例えば、長さ、外径、形状の異なる景品支持部5、様々な演出部材(例えば、複数の棘部)を備える景品支持部5を交換して取り付けることができる。したがって、景品の載置方法の種類や、ゲームの難易度を変更することができる。
【0056】
景品支持部5は、
図6に示すように、取付部51と、外径漸減部52と、載置部53と、を有する。
【0057】
取付部51は、
図6(a)の斜視図に示すように、箱状に形成され、連結部42の結合部422に対応する大きさに形成されている。取付部51は、結合部422を包含する(受け取る)ように取り付けられる。このため、取付部51は、
図6(b)の側面図に示すように、後述する傾斜面522が上方(後述する一つの平面が下方)を向いた状態(以下、「通常状態」)のまま、結合部422に取り付けられる。また、取付部51は、
図6(c)の側面図に示すように、傾斜面522が下方(一つの平面が上方)を向いた状態、すなわち通常状態を反転した状態(以下、「反転状態」)で、結合部422に取り付けられる。
【0058】
取付部51は、
図6(a)に示すように、その底に、2つのスリット部511と、当該スリット部511の間に設けられた窓部512とを有する。スリット部511は、
図5に示す結合部422の第1嵌合部4222の突起を挿通できる大きさに構成されている。このスリット部511に、第1嵌合部4222の突起が挿通されることで、第1嵌合部4222がスリット部511に係止される。
【0059】
窓部512は、結合部422の第2嵌合部4223を挿通できる大きさに構成されている。この窓部512に、第2嵌合部4223が挿通されることで、第2嵌合部4223のリブにより、第2嵌合部4223が窓部512に係止される。これにより、景品支持部5は連結部42の結合部422に確実に連結される。
【0060】
外径漸減部52は、取付部51と連結されている。外径漸減部52は、
図6(b)、(c)の側面図および
図6(d)の上面図に示すように、上面(第1の面)521と、上面521から傾斜した傾斜面(第2の面)522と、2つの側面(第3の面)523と、底面(第1の対向面)524とで構成された角柱状に形成されている。外径漸減部52の上面521と、取付部51の上面とは、連続して一つの面を構成するように形成されている。傾斜面522は、上面521から底面524に向かって傾斜している。これにより、外径漸減部52は、徐々に漸減した外径(高さ)を有する。また、
図6(d)に示すように、傾斜面522だけでなく、側面523も先端に向けてテーパー付けされている。これにより、外径漸減部52において、景品との接触面積が減少するので、景品の支持が不安定になる。その結果、景品支持部5が第1の状態から第2の状態へと変位した際、景品が予想外に動く可能性が高まり、プレイヤを楽しませることができる。
【0061】
載置部53は、
図6(b)、(c)の側面図および
図6(d)の上面図に示すように、外径漸減部52に連結し、外径漸減部52から直線状に延在する。載置部53の上面(載置面)は、外径漸減部52の傾斜面522と連続して形成されている。載置部53は、景品を載置する機能を有する。
図6に示すように、載置部53は、長尺の角柱状に形成されているが、棒状、平板状、長尺板状、半円状、円状などの形状であってもよい。載置部53の径は、特に限定されないが、景品を載置できるよう、所定の径を有する。当該径は、載置部53の基端から先端にかけて一定であってもよく、外径漸減部52からテーパー付けられていても良い。載置部53の長さは、特に限定されず、対向する連結部42に届くような長さであってもよく、開口41の半径に相当するような長さでもよく、外径漸減部52と同程度の長さでも良い。
【0062】
載置部53は、景品が安定して載置部53に載置できるよう滑り止め部材を設けていてもよい。このような滑り止め部材は、載置部53や外径漸減部52の全体または上面などの一部にわたって設けられていてもよい。これにより、例えば、小さな景品を1つずつ載置部53に載置する際に、景品が滑ることを抑制または防止できるので、景品を確実に支持することができる。
【0063】
以上のような景品支持部5は、
図6(b)の側面図で示されるように、外径漸減部52の底面524と載置部53の下面(第2の対向面)とが連続して一つの平面を構成している。また、取付部51が箱状に形成されているため、
図6(b)の通常状態、
図6(c)の反転状態でも連結部42に取り付けることができる。これにより、景品支持部5を結合部422に取り付けたときに、通常状態では取付部51の下面から載置部53の上面までの高さはh1となり(
図6(b))、反転状態では取付部51の下面から載置部53の上面までの高さはh2となる。このように、景品支持部5の取り付け方によって、取付部51の下面から載置部53の上面までの距離(以下、「景品支持部5の高さ」ともいう)を変更することができる。その結果、景品支持部5を結合部422に取り付けたときに、景品支持部5の載置部53が不規則に整列する。
【0064】
本発明の景品支持部5は、上述した構成に限らず、載置部53が棒状体を含む構成、取付部51が底面を有しない構成、外径漸減部52を有しない構成、載置部53がイカ型の平板部を有する構成、載置部53が外径漸減部52とほぼ同じ大きさで形成され、略半円状の平板部が設けられている構成、略半円状の平板部のみの構成など、種々の構成を利用することができる。
【0065】
以上のような景品支持部5が規定部4に取り付けられることにより、景品を載置する方法、景品支持部5の取付状態のバリエーションを増やすことができ、ゲームの趣向性を高めることができる。次に、景品支持部5が規定部4に連結された構成を
図7に示す。
【0066】
図7(a)に示すように、景品支持部5は、取付部51で、規定部4の連結部42に取り付けられている。景品支持部5は、開口41の中心に向かって、開口41の径方向に沿って延在している。これにより、景品支持部5は、景品を支持可能な状態(第1の状態)となっている。換言すると、連結部42の結合部422は、凹部421から突出した状態(第1の状態)となっている。
【0067】
また、
図7(b)に示すように、結合部422の係止が解除されると、景品支持部5は、景品取出空間223に向かって、鉛直下方向に沿って延在する。これにより、景品支持部5は、景品の支持を解除した状態(第2の状態)となっている。換言すると、連結部42の結合部422は、凹部421に収容された状態(第2の状態)となっている。
【0068】
結合部422の係止を解除すると、連結部42の結合部422は、係止部423を支軸として下方に回動する。これにより、景品支持部5は、第1の状態から、第2の状態に変化する。
図7(b)では、16本の景品支持部5(結合部)のうち、12本の景品支持部5が第2の状態となっている。このように、景品支持部5は、第1の状態から第2の状態に変位可能に構成されている。
【0069】
また、
図7(a)に示すように、各景品支持部5は、互いに所定の間隔を介して、規定部4の連結部42に対応して、開口41の周方向に沿って連続的に設けられている。これにより、第1の状態において、景品支持部5の先端同士は、開口41の中心付近で対向している。
【0070】
なお、
図7(b)に示すように、ゲーム管理者が、4本の景品支持部5を第1の状態にし、その他の景品支持部5を予め第2の状態にしてゲームを実行することもできる。これにより、管理者は、ゲームの難易度を調整することができる。このように、景品支持部5は、そのレイアウトを変更可能に構成されている。
【0071】
本発明のゲーム装置1では、第1の状態において、景品取出空間223を構成する底面からの、景品支持部5の載置部53の上面の高さ(以下、「景品支持部5の高さ」という)を変更可能に構成されている。
図8では、複数の景品支持部5が上下反転して連結部42に取り付けられている。
【0072】
景品支持部5を通常状態で連結部42に取り付けると、景品支持部5の高さは、景品取出空間223を構成する底面から取付部51の下面までの距離と、取付部51の下面から載置部53の上面までの高さh1とを加えた高さである(以下、「第1の高さ」という)。一方、景品支持部5を反転状態で連結部42に取り付けると、景品支持部5の高さは、景品取出空間223を構成する底面から取付部51の下面までの距離と、取付部51の下面から載置部53の上面までの距離h2とを加えた高さである(以下、「第2の高さ」という)。
【0073】
したがって、第1の高さと第2の高さとは、取付部51の下面から載置部53の上面までの高さ、すなわち、高さh1とh2分で異なることになる。このように、景品支持部5を連結部42にどのように取り付けるかによって、景品支持部5の高さを第1の高さと第2の高さとで変更可能に配置することができる。なお、景品支持部5の第1の高さは載置部53の厚さにほぼ等しく、景品支持部5の第2の高さは外径漸減部52の厚さに等しい。
【0074】
図8に示されるように、第1、第3、第5景品支持部5a、5c、5eは反転状態で、第2、第4、第6景品支持部5b、5d、5fは通常状態で、連結部42に交互に取り付けられている。これにより、第2、第4、第6景品支持部5b、5d、5fの高さと、第1、第3、第5景品支持部5a、5c、5eの高さが異なる。したがって、例えば、第3景品支持部5cが第1の状態から第2の状態へと変位した際、景品が第2景品支持部5bに傾き易くなり、さらには、景品が予想外に動く可能性が高まり、景品を獲得できるイメージをプレイヤに与えることができる。景品支持部5は、通常状態および反転状態の交互に取り付けられることに限定されず、ランダムに取り付けられることもできる。
【0075】
<撮像部>
撮像部6は、支持部211に設けられ、景品支持部5上に設置された景品を撮影する機能を有する。撮像部6は、カメラなどの撮像装置で構成されている。撮像装置の数は特に限定されないが、本実施形態では2つ設けられている。すなわち、撮像部6は、開口41や景品支持部5の上方で、分岐部213の先端に設けられた上部カメラ(第1の撮像装置)61と、筐体上部21の板材の直上で、支柱部212の略中央に設けられた前面カメラ(第2の撮像装置)62とを有する。
【0076】
また、撮像部6の位置は特に限定されず、筐体上部21の側面や背面に設けられてもよく、ゲーム装置1の前後、左右の位置に設けられてもよい。端末装置40を用いてゲームを楽しむことを考慮すると、撮像部6は、少なくとも異なる2方向から景品支持部5上の景品を撮影できるように設けられることが好ましい。
【0077】
具体的に、開口41に対して鉛直上方に延びる仮想鉛直線L1と、前記仮想鉛直線に対して所定の角度θに傾いた仮想線L2とを規定したとき、上部カメラ61は、仮想鉛直線L1上に設けられ、前面カメラ62は、仮想線L2上に設けられる。この時の角度は、0~90°であることが好ましく、10~80°であることがより好ましく、20~70°であることが最も好ましい。これにより、景品を斜め上方から視認することができるので、プレイヤはどの景品支持部5を動作させればよいか適切に把握することができる。
【0078】
上部カメラ61は、
図9(a)に示すように、開口41の鉛直上方からの映像を提供する。一方、前面カメラ62は、
図9(b)に示すように、開口41に対して斜め上方からの映像を提供する。このように、開口41に対する景品の位置を正確に把握することができ、どの景品支持部5が景品と接触しているかを把握することができる。
【0079】
<入力部>
入力部7は、ゲームの設定に関する入力情報を受ける機能を有する。入力部7は、ゲーム管理者が操作できる限り、ゲーム装置1のどこに設けられていてもよい。例えば、筐体下部22の側面や景品取出口221付近に設けられている。入力部7は、ボタンで構成されている。ゲームの設定に関する入力情報は、後述する初期状態を登録するための登録情報、初期状態を確認するための確認情報、初期状態を再設定するための再設定情報等を含む。なお、入力部7は設けられていなくてもよい。
【0080】
<記憶部>
記憶部8は、CPUが実行するゲームプログラムや、音情報等を保存するROMと、CPUが実行する演算結果を一時的に記憶するRAMとを備えている。具体的に、記憶部8は、ゲームに使用するための、第1の状態にある景品支持部5を初期状態として記憶する。また、記憶部8は、第1の状態にある景品支持部5や第2の状態にある景品支持部5を記憶することもできる。さらにまた、記憶部8は、撮像部6で撮像した映像や画像を一時的に記憶することもある。
【0081】
<通信部>
通信部10は、ネットワーク30を介してサーバー装置20および端末装置40と通信を行う機能を有する。すなわち、通信部10は、サーバー装置20および端末装置40から送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、制御部9の指令に応じて各種データや信号をサーバー装置20や端末装置40へ送信する送信部としての機能とを有している。通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)、TCP/IP等の通信プロトコルを有するネットワークインターフェース等によって実現される。
【0082】
<検知部>
検知部11は、ゲーム装置1の各部材の動作を検知する機能を有する。検知部11は、部材の動作を検知できれば、設置場所は限定されない。また、検知部11は、特に限定されないが、カメラ、加速度センサー、重量センサー、感圧センサー、赤外線センサー、光電センサー等の各種センサーで構成される。なお、検知部11を省略し、撮像部6が検知部11の役割を担っていてもよい。
【0083】
ゲーム装置1は、第1の検知部と、第2の検知部111とを有する。第1の検知部は、連結部42の結合部422(景品支持部5)が第2の状態にあることを検知する。そのため、第1の検知部は、連結部42付近で、図示しない連結部駆動機構に設けられている。これにより、後述する動作制御部93が適切に動作することができる。
【0084】
第2の検知部111は、景品が景品取出空間223に存在するか否かを検知する。第2の検知部111は、景品取出空間223を構成する両側面に設けられている。第2の検知部111は、例えば、発光部と受光部とを含む光電センサーで構成されている。本実施形態では、第2の検知部111は、
図4に示すように、景品取出空間223を構成する一方の側面に設けられた5つの受光部と、他方の側面に設けられた5つの発光部とで構成されている。発光部と受光部とは、それぞれ等間隔に設けられている。
【0085】
景品が景品取出空間223に落下すると、景品で光が遮られ、第2の検知部111が景品を検知する。これにより、1つの景品のみを景品支持部5にセットしたとき、制御部9はこれ以上ゲームを実行しないように制御することができる。
【0086】
ここで、第2の検知部111は、景品支持部5が第2の状態になった時、第2の検知部111からの光が景品支持部5と接触しないように構成されている。すなわち、第2の検知部111は、景品取出空間223において、第2の状態の景品支持部5よりも景品取出空間223を構成する底面に低い位置に設けられている。これにより、景品のみを確実に検知することができる。
【0087】
<制御部>
制御部9は、ゲームプログラムを実行するCPUを含み、ゲーム装置1全体を制御する。制御部9は、情報取得部91と、情報処理部92と、動作制御部93と、情報設定部94と、報知部95とを有する。以下、制御部9の各部の構成を説明する。
【0088】
(情報取得部)
情報取得部91は、各種情報を取得する機能を有している。具体的に、情報取得部91は、端末装置40からの入力情報、各景品支持部5の状態(第1の状態や第2の状態)の情報、検知部11が検知した情報、サーバー装置20からの入力情報などを取得する。取得された情報は、情報処理部92に提供される。
【0089】
(情報処理部)
情報処理部92は、ゲーム全体を処理する機能を有する。特に、情報処理部92は、情報取得部91が取得した情報を処理して動作制御部93に指示する機能を有している。具体的に、情報処理部92は、端末装置40への入力により特定された指示領域と対応する景品支持部5の動作を、動作制御部93に指示する。
【0090】
例えば、
図14の対応表を参照して、映像パターン3において、端末装置40への入力時に特定された指示領域が2番の第1非指示領域である場合、情報処理部92は動作制御部93に動作を指示しない。また、例えば、端末装置40への入力時に特定された指示領域が1番の第1指示領域である場合、情報取得部91は対応する景品支持部5が1番の第1景品支持部5である情報を取得する。情報処理部92は、当該第1景品支持部5の動作を、動作制御部93に指示する。
【0091】
(動作制御部)
動作制御部93は、景品支持部5、撮像部6および検知部11や図示しない点灯装置などの動作を制御する機能を有している。
【0092】
動作制御部93は、情報処理部92が指示した番号の景品支持部5を第1の状態から第2の状態へ変位するよう制御する。すなわち、景品支持部5が取り付けられている連結部42の結合部422を第1の状態から第2の状態へ変位するように制御する。このような変位は、映像パターンにより、結合部422(景品支持部5)ごとになされてもよく、複数の景品支持部5で同時になされてもよい。これにより、景品支持部5を1つずつまたは複数変更することができるので、ゲームの難易度を変更することができる。
【0093】
動作制御部93は、上部カメラ61や前面カメラ62の回転動作、可動動作、オン・オフ動作を制御する。これにより、景品支持部5上に設けられた景品を種々の角度から見ることができる。このような動作は、上部カメラ61および前面カメラ62毎になされてもよく、同時になされてもよい。これにより、景品を種々の角度から視認することができるので、景品獲得のインセンティブをプレイヤに与えることができる。
【0094】
また、動作制御部93は、検知部11のオン・オフ動作を制御することもできる。例えば、ゲーム装置1が使用されていない時に、検知部11をオフに制御することができる。これにより、ゲーム装置1の消費電力を低く抑えることができる。
【0095】
(情報設定部)
情報設定部94は、入力部7からの入力情報に基づいてゲームを設定する機能を有する。情報設定部94は、入力部7からの入力情報に基づいて、ゲームに使用するための、第1の状態にある景品支持部5を初期状態として設定する。具体的に、ゲーム管理者が
図7(b)に示すように、4つの景品支持部5を第1の状態に設定した場合、第2の検知部111は、当該景品支持部5が第1の状態にあることを検知する。この状態で、ゲーム管理者が入力部7に入力動作を行うと、情報設定部94は、当該景品支持部5を初期状態として、ゲームに使用する景品支持部5に設定する。
【0096】
(報知部)
報知部95は、情報設定部94が設定した情報を報知する機能を有する。特に、報知部95は、ゲームに使用する景品支持部5を初期状態として報知する。また、報知部95は、景品支持部5が第2の状態に変位したことを報知する。このような報知は、変位した景品支持部5に対応する、連結部42や、操作指示領域43に内蔵された図示しない点灯装置を点滅または点灯させることにより実行してもよい。また報知は、ゲームに使用する景品支持部5を図示しないスピーカーによる音声や振動装置による振動などにより実行してもよい。これにより、ゲームに使用する景品支持部5を視聴覚的に認知することができる。
【0097】
報知部95は、初期状態に設定された景品支持部5を報知し続けてもよいが、入力部7が入力情報を受けたときにのみ、初期状態に設定された景品支持部5を報知することができる。したがって、ゲーム管理者は、景品支持部5を初期状態に迅速に設定することができる。
【0098】
このように、情報処理部92は、景品支持部5の設定された初期状態に基づき、動作制御部93に景品支持部5の動作を制御させる。具体的に、入力部7からの入力に基づいて、動作制御部93は、初期状態に設定された景品支持部5に対応する前記点灯装置を点灯させることができる。これにより、プレイヤの操作により景品支持部5が第2の状態になったとしても、ゲーム管理者は、初期状態にあった景品支持部5を容易に特定することができる。その結果、各ゲーム装置1の初期設定を迅速かつ円滑に行うことができる。
【0099】
以上のように、本発明のゲーム装置1は、クレーンアームを有しないゲーム装置である。そのため、ゲーム空間を、景品支持部5に設置される景品の大きさに合わせた大きさのゲーム空間に変更できるので、ゲーム装置1を小型化することができる。また、
図2に示すように、ゲーム空間に分岐部213を存在させることができるし、景品展示台やモニタ等の他の構造物を設置することもできる。
【0100】
2.サーバー装置
図10は、本発明のゲームシステムのサーバー装置の構成を示すブロック図、
図11は、本発明のゲームシステムのサーバー装置に記憶される実行情報テーブル、
図12は、本発明のゲームシステムのサーバー装置に記憶されるゲーム装置の情報テーブル、
図13は、本発明のゲームシステムのサーバー装置に記憶される映像パターンテーブル、
図14は、本発明のゲームシステムのサーバー装置に記憶される対応表である。
【0101】
サーバー装置20は、システム管理者等がゲームサービスを運営・管理する際に利用する情報処理装置である。このサーバー装置20は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータで構成される。サーバー装置20は、ネットワーク30を介して、端末装置40から送信された各種コマンド(リクエスト)に応じて、端末装置40やゲーム装置1に対して各種情報を配信することができる。本実施形態におけるサーバー装置20は、ネットワーク30を介して端末装置40からゲーム情報の配信要求があった場合に、それに対応したゲーム情報を提供することができる。そのようなゲーム情報は、例えば、本発明のゲームプログラム、端末装置40上のアプリケーションを動作させるために必要なパラメータや動作可能なゲームプログラム、端末装置40の規格に合わせたマークアップ言語(HTML等)で作成されたWebページ等が挙げられる。
【0102】
サーバー装置20は、
図10に示すように、処理部201と、ストレージ202と、入力部203と、表示部204と、通信部205とを備える。これらの各部は、データバスによって相互に通信可能に接続されている。
【0103】
(処理部201)
処理部201は、サーバー装置20を制御する機能を有する。処理部201は、サーバー装置20を制御するための制御プログラムを保存するROMと、データを一時保存するためのRAMと、ROM内の制御プログラムを実行するCPUとを備える。処理部201は、必要に応じて、ROM内の制御プログラムを実行することにより、サーバー装置20の各部を制御する。
【0104】
処理部201は、ゲームで用いられるゲーム情報をストレージ202、端末装置40、ゲーム装置1に付与する。具体的に、処理部201は、ゲーム装置1が撮影した映像や映像パターンを端末装置40に付与することができる。また、処理部201は、端末装置40からの入力により、動作させるべき景品支持部5の情報をゲーム装置1に付与することができる。また、処理部201は、ゲームを実行することにより、ゲーム実行情報をストレージ202の実行情報テーブルに付与することができる。このように、処理部201が端末装置40やゲーム装置1にゲーム情報を付与することにより、端末装置40にゲーム映像が表示され、景品支持部5が動作されるようになっている。
【0105】
また、処理部201は、ネットワーク30を介して、ユーザーからの入力情報およびゲーム装置1からの映像情報を取得する機能を有する。このような入力情報は、ユーザー情報と、ゲームに関連する情報とを含む。ユーザー情報は、ID、名前、住所、誕生日等のユーザー自身の情報を含む。また、ゲームに関連する情報は、取得した景品リスト、利用したゲーム装置、景品獲得率などの情報を含む。
【0106】
ユーザーは、本発明のゲームシステム100を利用するに際し、自身のデータ(ユーザー情報)を端末装置40に入力する。それによって、処理部201は、ユーザー情報を端末装置40から取得する。取得されたデータは、後述するストレージ202に保存されてもよい。これにより、ユーザー登録がなされる。
【0107】
(ストレージ202)
ストレージ202は、読み取り専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを有している。ストレージ202は、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性記憶装置によって実現される。ストレージ202は、前述したユーザー情報、ゲームに関連する情報等を記憶する機能を有する。
【0108】
例えば、ストレージ202は、ユーザーIDと対応付けてユーザーが実行したゲーム実行情報を記憶する。すなわち、ストレージ202は、
図11に示すように、処理部201が取得したゲーム実行情報を実行情報テーブルにまとめて記憶する。この実行情報テーブルは、処理部201が実行情報を取得する度にアップデートされる。
【0109】
図11を参照すると、例えば、ストレージ202は、IDに対応して、獲得景品、獲得総数、獲得率、最終景品獲得日、最終ゲーム実行日等の実行情報を記憶する。この実行情報テーブルは、ID「10001」のプレイヤが2個のぬいぐるみ(獲得率100%)を獲得したことを表し、最終ゲーム実行日(2017年12月20日)と同日に景品を獲得したことを示している。
【0110】
また、ストレージ202は、ゲーム装置1を店舗毎、景品毎、その他の情報毎に記憶する。具体的に、
図12(a)に示すように、ストレージ202は、店舗毎に複数のゲーム装置1を記憶する。また、
図12(b)に示すように、ストレージ202は、ゲーム装置1内に設置される景品毎にゲーム装置1を記憶する。例えば、景品「ぬいぐるみ」のゲーム装置1は、店舗Aの1番~3番のゲーム装置と対応している。さらにまた
図12(c)に示すように、ストレージ202は、その他の情報毎にゲーム装置1を記憶する。例えば、新しく設置されたゲーム装置(新着)1は、店舗Zの1番~4番のゲーム装置と対応している。また、無料でできるゲーム装置(無料)1は、店舗A~店舗Dの0番のゲーム装置と対応している。
【0111】
さらにまた、ストレージ202は、ゲーム装置1の操作指示領域43に対応する複数の映像パターンを記憶する。映像パターンは、リング状、方形状、三角形状、楕円状等、種々の形状を含む。そのような形状の映像パターンは、種々の指示領域に分割されていてもよい。
図13を参照すると、例えば、リング状の映像パターンは、4、16、32の指示領域に分割されている。その分割された指示領域は、所定の間隔で、その内側の領域を異なる色に変更するようにしてもよい(
図13のNo.10)。その他、指示領域に文字や絵を表示する、指示領域毎に色を変更するなど、種々のエフェクトを加えることができる。
【0112】
またさらに、ストレージ202は、複数の景品支持部5と映像パターンの指示領域との対応関係を示す対応表を記憶する。
図14を参照すると、番号1~32と、第1~第16景品支持部5と、映像パターンとが対応して記憶されている。特に、奇数番号に第1~第16景品支持部5が対応している。映像パターン1(4分割)の場合、番号1~8と、第1~第4景品支持部5と、第1指示領域とが対応している。また、映像パターン2(16分割)の場合、番号1~2と、第1景品支持部5と、第1指示領域とが対応している。映像パターン3(32分割)の場合、番号1と、第1景品支持部5と、第1指示領域とが1対1で対応するとともに、番号2と、景品支持部5が存在しない部分と、第1非指示領域とが1対1で対応している。このように、映像パターンの番号1と、領域に対応して、景品支持部5が記憶されている。
【0113】
その他、ストレージ202は、
図7(b)に示すように、ゲームに使用される景品支持部5の番号および指示領域の番号、第1の状態にある景品支持部5の番号および指示領域の番号、第2の状態にある景品支持部5の番号および指示領域の番号、指示領域の色の変化速度や、順次変化する方向(時計回り)等を記憶する。
【0114】
(入力部203)
入力部203は、サーバー装置20の管理者がデータの入力を行うための入力デバイスである。入力部203は、サーバー装置20の管理者がデータを入力することができれば如何なる様態でもよく、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力デバイス、USBバスや赤外線ポート等のデータ受信モジュールであってもよい。サーバー装置20の管理者は、入力部203を介してサーバー装置20にデータを入力することにより、ストレージ202内に記憶されている情報を変更、追加、削除することができる。
【0115】
(表示部204)
表示部204は、処理部201からの指令に基づいてシステム管理者用の操作画面を表示する。また、表示部204は、ストレージ202に記憶されている情報や、端末装置40の表示手段404側に表示される情報も表示することができる。表示部204は、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。
【0116】
(通信部205)
通信部205は、ネットワーク30を介してゲーム装置1および端末装置40と通信を行う機能を有する。すなわち、通信部205は、ゲーム装置1および端末装置40から送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、処理部201の指令に応じて各種データや信号をゲーム装置1および端末装置40へ送信する送信部としての機能とを有している。通信部205は、例えば、NIC(Network Interface Card)、TCP/IP等の通信プロトコルを有するネットワークインターフェース等によって実現される。
【0117】
3.ネットワーク
ネットワーク30は、インターネットやLAN(Local Area Network)、VAN(Value Added Network)などで構成される。また、ネットワーク30は、有線ネットワーク、無線ネットワークまたはこれらの組み合わせのいずれであってもよい。ネットワーク30は、例えば、イーサネット(登録商標)や公衆電話回線網、無線通信網、携帯電話回線網などにより構築される。
【0118】
4.端末装置
図15は、本発明のゲームシステムの端末装置を模式的に示す図、
図16は、本発明のゲームシステムの端末装置の構成を示すブロック図である。
【0119】
端末装置40は、ユーザーがゲームを行う際に利用する情報処理装置である。端末装置40は、例えば、携帯電話端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、ゲーム機などで構成される。端末装置40は、ネットワーク30を介して、サーバー装置20およびゲーム装置1に対して、ゲームに関する各種情報の提供を要求することができる。
【0120】
端末装置40は、
図15、16に示すように、制御手段401と、記憶手段402と、入力手段403と、表示手段404と、通信手段405とを備える。これらの各部は、データバスによって相互に通信可能に接続されている。
【0121】
(制御手段401)
制御手段401は、各部間のデータの受け渡しを行うとともに、端末装置40全体の制御を行う機能を有する。すなわち、制御手段401は、ゲームサイトにアクセスするための各種処理や、サーバー装置20やゲーム装置1に対してリクエストするための各種処理など、ゲームシステム100に関する各種制御、情報処理を実行する機能を有している。制御手段401は、端末装置40を制御するための制御プログラムを保存するROMと、データを一時保存するためのRAMと、ROM内の制御プログラムを実行するCPUとを備える。制御手段401は、必要に応じて、ROM内の制御プログラムを実行することにより、端末装置40の各部を制御する。
【0122】
制御手段401は、情報取得手段406と、映像合成手段407と、表示制御手段408と、判定手段409と、指示手段410と、難易度設定手段411と、を有する。
【0123】
情報取得手段406は、ネットワーク30を介して、サーバー装置20からゲーム情報、ゲーム装置1からゲーム装置1の映像情報、プレイヤから入力情報を取得する機能を有する。ゲーム情報は、前述したゲームに関連する情報、ゲーム実行情報、映像パターン等を含む。入力情報は、後述する入力手段403が受ける情報、すなわち、表示手段404上における位置情報や入力のタイミング情報等を含む。
【0124】
映像合成手段407は、ゲーム装置1の撮像部6が撮影した映像のうち、操作指示領域43の映像に対応する領域に所定の映像パターンを合成する機能を有する。すなわち、映像合成手段407は、クロマキー合成により、端末装置40の表示手段404側の操作指示領域43に、
図13に示される映像パターンを合成する。この時の映像パターンは、映像パターンテーブルからランダムに提供されても、プレイヤからの入力情報に基づいて提供されてもよい。
【0125】
例えば、映像合成手段407は、プレイヤからの入力情報に基づいて、撮像部6が撮影した操作指示領域43の映像に相当する位置に、16分割された映像パターン2を合成する(
図15(a)、
図13のNo.4)。同様に、映像合成手段407は、32分割された映像パターン3を合成する(
図15(b)、
図13のNo.10)。これにより、映像パターンの内側(すなわち、景品支持部5、開口41、景品取出空間223)のみが実際の映像となり、操作指示領域43に相当する部分は合成された映像となる。また、端末装置40上で映像パターンを合成しているので、ゲーム装置1との通信による映像の遅延を防止することができる。
【0126】
なお、
図15(b)は、等間隔に配置された8つの指示領域において、その内側の色がその外側の色と異なっている映像パターンを示している。このように、ユーザーに操作入力のタイミングを分かり易くすることもできる。
【0127】
表示制御手段408は、ゲームに関する映像や画像、ゲーム装置1(特に、ゲームフィールド)の映像の表示を制御する機能を有する。例えば、表示制御手段408は、
図15に示されるように、ゲーム装置1の開口41部分の実際の映像と、操作指示領域43に合成された映像パターンとの表示を制御する。また、表示制御手段408は、映像パターンの指示領域の色を時計回りまたは反時計回りに変化させるよう指示領域の表示を制御する。これにより、指示領域が時計まわりに回転移動しているように感じることができる。
【0128】
図14を参照して、映像パターン1の場合、表示制御手段408は、第1指示領域~第4指示領域の色を順次変更するように表示を制御することもできる。これにより、第1指示領域の色が変更した時に入力を受けると、第1~第4景品支持部5が同時に変位するので、当たりを引いたような感覚をプレイヤに与えることができる。
【0129】
その他、表示制御手段408は、ゲームの開始ボタン(START)、停止ボタン(STOP)や各種ゲームに関連する表示を制御することができる。
【0130】
判定手段409は、情報取得手段406が取得した入力情報と、サーバー装置20のストレージ202に記憶されている対応表(
図14)とから、当該入力情報を判定する。例えば、
図14の映像パターン2の場合、第1指示領域で入力情報を受けた場合、判定手段409は、入力情報は1番の第1景品支持部5と対応していると判定する。また、映像パターン3において、第1非指示領域で入力情報を受けた場合、判定手段409は、入力情報は景品支持部5と対応していないと判定する。さらに、映像パターン1において、第2指示領域で入力情報を受けた場合、判定手段409は、入力情報は9番、11番、13番、15番の第5~第8景品支持部5と対応していると判定する。
【0131】
指示手段410は、判定手段409が判定した番号の景品支持部5を第1の状態から第2の状態へ変位するようゲーム装置1に指示する機能を有する。すなわち、景品支持部5が取り付けられている連結部42の結合部422を第1の状態から第2の状態へ変位するように指示する。このような変位は、結合部422(景品支持部5)ごとになされてもよく、映像パターンにしたがって複数の景品支持部5で同時になされてもよい。これにより、ゲーム装置1の動作制御部93が景品支持部5を第1の状態から第2の状態に動作させることができ、景品を獲得することができるようになる。
【0132】
難易度設定手段411は、ゲームの難易度を設定、変更する機能、プレイヤからの入力情報を受けるタイミングの難易度を設定、変更する機能を有する。例えば、難易度設定手段411は、指示領域の色の変更速度、変更方向を変更することができる。これは、ランダムに実行されても、所定のプログラムにしたがって実行されてもよい。例えば、難易度設定手段411は、
図14の映像パターン2の場合、第1~第16指示領域の色が順次変更する速度を変更することができる。
【0133】
また、難易度設定手段411は、
図11の実行情報テーブルを参照し、プレイヤが長期間景品を獲得していない場合や獲得率が悪い場合など、映像パターンを映像パターン2から映像パターン1に変更することや、指示領域の色の変更速度を遅くすることもできる。これにより、ゲームの難易度が低下し、プレイヤを満足させることができる。
【0134】
さらに、難易度設定手段411は、指示領域に一部重なるまたは指示領域を覆うように、所定の映像や画像(キャラクター等)を表示させてもよい。これにより、ゲームの難易度が向上し、プレイヤを楽しませることができる。
【0135】
その他、制御手段401は、ゲーム実行日がプレイヤの誕生日である場合や特別の記念日である場合に、所定のボーナスを提供する手段を有してもよい(ボーナス提供手段)。このようなボーナスは、1プレイの付与、一定時間全ての指示領域の色が変更、一定時間指示領域の色が変更しない等のボーナスを含んでいる。
【0136】
(記憶手段402)
記憶手段402は、端末装置40上の情報を記憶する。記憶手段402は、ROMと、RAMとを有する。ROMは、端末装置40におけるシステムプログラムを記憶する。一方、RAMは、制御手段401で生成される各種データ(システムプログラムで使用するフラグや演算した値)を記憶するとともに、制御手段401の演算処理のワーク領域として使用される。記憶手段402は、ユーザーのID、名前、住所、誕生日等のユーザー情報や、サーバー装置20から送信されたゲーム情報、本発明のゲームプログラム、ゲームプログラム等のゲームコンテンツを記憶する。
【0137】
(入力手段403)
入力手段403は、端末装置40のユーザーがデータの入力、ゲーム操作などの各種操作を行うための入力デバイスである。入力手段403は、ユーザーがデータを入力することができれば如何なる様態であってもよく、操作ボタンやタッチパネルなどで構成されている。ユーザーは、入力手段403を介して端末装置40にデータを入力することにより、記憶手段402内に記憶されている情報を変更、追加、削除することができる。
【0138】
(表示手段404)
表示手段404は、記憶手段402に記憶されている情報やゲーム情報に基づいて生成されたゲーム画面(ゲームプレイ画像や映像パターン)を表示する。また、表示手段404は、サーバー装置20のストレージ202に記憶されている情報を表示することもできる。表示手段404は、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。
【0139】
(通信手段405)
通信手段405は、ネットワーク30を介してサーバー装置20やゲーム装置1と通信を行う機能を有する。また、通信手段405は、サーバー装置20やゲーム装置1から送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、制御手段401の指令に応じて各種データや信号をサーバー装置20やゲーム装置1へ送信する送信部としての機能を有している。通信手段405は、例えば、NIC(Network Interface Card)、TCP/IP等の通信プロトコルを有するネットワークインターフェース等によって実現される。
【0140】
B.ゲームシステムの動作方法
次に、本実施形態のゲームシステムの初期状態の設定処理について詳細に説明する。
図17は、発明のゲームシステムの初期状態の設定処理を示すフローチャート、
図18は、本発明のゲームシステムのゲーム全体の処理を示すフローチャートである。
【0141】
まず、ゲーム管理者は、ゲームに使用すべき景品支持部5を第1の状態に設定する。
図7(a)に示すように16本全ての景品支持部5を第1の状態に設定しても、
図7(b)に示すように4本の景品支持部5を第1の状態に設定してもよい。これにより、初期状態の設定処理がスタートする(S1)。
【0142】
情報処理部92は、第2の検知部111からの検知情報に基づき、景品支持部5が第1の状態にあるか否か判断する(S2)。情報処理部92は景品支持部5が第1の状態にないと判断すると、処理はステップS2を繰り返す。
【0143】
一方、情報処理部92は景品支持部5が第1の状態にあると判断すると、情報処理部92は、第1の状態にある景品支持部5を特定する。この状態で情報処理部92は、入力情報を受けたか否か判断する(S3)。ステップS3において、情報処理部92が入力情報を受けていないと判断すると、処理はステップS3を繰り返す。ゲーム管理者が初期状態の設定処理を行わない場合、処理はステップS5に移行する。
【0144】
一方、情報処理部92が入力情報を受けたと判断すると、情報設定部94は第1の状態の景品支持部5を初期状態として設定する(S4)。この状態で、例えば、ゲーム管理者は、
図2に示すように、ゲーム装置1の景品支持部5上に1つのぬいぐるみを設置する。次に、処理はステップS5に移行し、ゲームが開始される。ステップS5の処理は後述する。
【0145】
ゲームが終了すると、処理はステップS6に移行する。ステップS6において、情報処理部92は、入力情報を受けたか否か判断する。情報処理部92が入力情報を受けていないと判断すると、処理はステップS5~S6を繰り返す。一方、情報処理部92が入力情報を受けたと判断すると、報知部95は初期状態の景品支持部5を報知する。これにより、処理は終了する(S8)。
【0146】
次に、ゲームシステムのゲーム全体の処理を詳細に説明する。
図17のステップS5において、プレイヤが端末装置40を操作することによりゲームが実行される。
【0147】
ゲームが実行されると、表示制御手段408が、
図12に示すような、利用できるゲーム装置の情報を表示する(S501)。これにより、プレイヤは遊びたいゲーム装置1を選択することができる。プレイヤによるゲーム装置決定の入力情報を受けると(S502)、その情報が当該ゲーム装置1に提供される。これにより、ゲーム装置1と、端末装置40とが同期する(S503)。ゲーム装置1と端末装置40とが同期すると、ゲーム装置1の映像が端末装置40に提供される(S504)。これにより、表示制御手段408は、ゲーム装置1の映像を表示する(S505)。
【0148】
この状態で、プレイヤはゲームを開始する。プレイヤからの操作入力を受けると(S506)と、表示制御手段408は、指示領域の色を時計まわりに順次変更する(S507)。これにより、例えば、指示領域が時計回りに回転移動するように視認できる。この状態で、プレイヤは、変位させたい景品支持部5に対応する指示領域を狙って、入力手段403への入力を行う(S508)。入力手段403への入力がない場合、処理はステップS507に戻り、ステップS507およびS508の処理が繰り返される。
【0149】
入力手段403への入力があった場合、その入力情報を情報取得手段406が取得する。判定手段409は、情報取得手段406が取得した入力情報と
図14の対応表に基づき、その入力時に色が変更した指示領域を特定する(S509)。これにより、プレイヤは、選択した指示領域を確認でき、所望の景品支持部5を選択することができたかを確認することができる。この間、指示手段410は、特定した指示領域に対応する番号の情報を端末装置40に提供する。
【0150】
指示領域に対応する番号の情報を受け取ったゲーム装置1の情報処理部92は、ストレージ202に記憶された対応表を参照し、特定された番号に対応する景品支持部5があるかを判断する(S510)。
【0151】
対応する景品支持部5がある場合、処理はステップS511に移行し、情報処理部92は、対応する景品支持部5が第1の状態にあるかを判断する(S511)。一方、対応する景品支持部5がない場合、処理はステップS512に移行し、動作制御部93は、景品支持部5を動作しないように制御する。
【0152】
ステップS511において、対応する景品支持部5が第1の状態にある場合は、処理はステップS513に移行し、動作制御部93は、対応する景品支持部5を第2の状態へと変位させる(S513)。この時、ゲーム装置1から、景品支持部5の変位の映像が端末装置40に提供される。これにより、端末装置40の表示制御手段408は、変位映像を表示する(S514)。そして、処理はステップS515に移行する。
【0153】
一方、ステップS511において、対応する景品支持部5が第1の状態にない場合、処理はステップS512に移行し、動作制御部93は、景品支持部5を動作しないように制御する(S512)。
【0154】
ステップS515において、情報処理部92は、対応する景品支持部5が第2の状態に変位したことにより、景品が落下したかどうかを判断する(S515)。景品が落下した場合は、ゲーム装置1から、景品の落下映像が端末装置40に提供され、端末装置40の表示制御手段408は、落下映像を表示する(S516)。これにより、ゲームは終了となる。一方、景品が落下していない場合も、ゲーム終了となる。なお、端末装置40の表示制御手段408は、景品が落下していない場合も(ゲーム実行中)、ゲーム装置1の映像の表示を制御している。
【0155】
以上、前述の処理方法は、コンピューターで実行されるプログラムで作成可能である。このようなプログラムは、CPU、マイクロプロセッサ(micro processor)、GPU(graphic processing unit)、RAM、ROMなどの記憶媒体によって実現される。
【0156】
<<第2実施形態>>
次に、本発明のゲームシステムの第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図19は、本発明の第2実施形態にかかるゲームシステムのゲーム装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【0157】
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0158】
本実施形態のゲームシステムのゲーム装置1Aは、筐体上部21および支持部211を有さず、撮像部6がゲーム装置1Aの外側に設置されている点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、
図19に示すように、撮像部6は、ゲーム装置1Aの正面に設置された第1カメラ63と、ゲーム装置1Aの側面に設置された第2カメラ64とを有する。なお、第1カメラ63と第2カメラ64とは、図示しない有線または無線により、制御部9と接続されている。
【0159】
本実施形態では、第1実施形態と異なり、筐体2に撮像部6を取り付ける必要がないので、ゲーム装置1をさらに小型化することができる。また、既存のカメラをゲーム装置1Aに隣接して設置、接続すればよいので、簡単に本実施形態のゲームシステムを実行することができる。
【0160】
<<その他の構成例1>>
次に、本発明のゲーム装置のその他の構成例を添付図面に基づいて説明する。
図20は、その他の構成例にかかるゲームシステムのゲーム装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【0161】
以下、その他の構成例1について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0162】
本構成例1のゲームシステムは、ゲーム装置1がクレーンゲーム装置1Bであること以外は、前記第1実施形態のゲームシステム100と同様である。具体的に、
図20に示すように、本構成例1のクレームゲーム装置1Bは、筐体80内に設けられたゲームフィールド81と、ゲームフィールド81上を移動するクレーン部82とを有する。ゲームフィールド81には開口41が設けられ、当該開口41から景品が景品取出空間223に落下するようになっている。
【0163】
本構成例1のゲームシステムのクレーンゲーム装置1Bでは、ゲームフィールド81と、筐体上部の壁面が全てクロマキー合成のために、所定の色(青や緑等)で配色されている。これにより、クレーン部82と、景品と、開口41以外の領域(筐体上部の壁面等)に、端末装置40の表示手段404上で所定の映像、画像を合成することができる。このような本実施形態においても、第1実施形態の効果と同様の効果が得られる。
【0164】
<<その他の本構成例2>>
次に、本発明のゲーム装置のその他の構成例を添付図面に基づいて説明する。以下、その他の構成例2について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0165】
本構成例2のゲームシステムは、ゲーム装置1を有しない以外は、前記第1実施形態のゲームシステム100と同様である。すなわち、本構成例2のゲームシステムは、現実のゲーム装置1が存在せず、ゲームは全て端末装置40の映像で楽しむことができる。これにより、ゲーム装置1という大型の装置を必要としないので、簡単にゲームシステムを構築し、楽しむことができる。
【0166】
具体的には、ゲーム装置1が備えていた規定部4、景品支持部5、景品は、映像で端末装置40に表示される。また、ゲーム装置1が備えていた記憶部8、制御部9がサーバー装置20または端末装置40に備えられる。このようにすることで、端末装置40上の映像(アニメーション)のみでゲーム装置1を楽しむことができる。
【0167】
以上、本発明のゲームシステム、ゲーム装置を、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の手段または構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。さらに、本発明のゲーム装置は、1プレイ用のゲーム装置であってもよく、各部材は、一体的に形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明は、景品を開口から景品取出空間に落下させて前記景品を獲得するゲーム装置を提供する。このゲーム装置は、前記開口を規定する規定部と、前記景品取出空間の上方で前記規定部に設けられ、前記景品を支持する景品支持部と、前記景品支持部の動作を制御する動作制御部と、を含む。これにより、筐体内のスペースを有効に活用でき、高い趣向性を備えたゲーム装置を提供することができる。また、本発明は、当該ゲーム装置を備えたゲームシステムおよびそれを実行するゲームプログラムを提供する。これにより、現実のゲーム装置の動作と、端末装置上のゲーム処理像との間にタイムラグがないゲームシステムを提供することができる。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有する。