(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】待ち行列モニタリング技術
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230711BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020524516
(86)(22)【出願日】2018-11-02
(86)【国際出願番号】 US2018059032
(87)【国際公開番号】W WO2019090130
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-09-24
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ハンリー カイル ピー
(72)【発明者】
【氏名】ジェラティー トーマス マーティン
【審査官】橋沼 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開昭54-128400(JP,A)
【文献】特開2011-215787(JP,A)
【文献】特表2007-509396(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0224872(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0116235(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0200082(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
待ち行列モニタリングシステムであって、
入口からの入場を許可されたゲストをモニタしてセンサ信号を生成するように構成された少なくとも1つのセンサと、
プロセッサ及び通信回路を含む仮想待ち行列コントローラと、
を備え、前記仮想待ち行列コントローラは、
ある時間間隔中に入場を許可すべきゲストの目標数をオペレータ装置に表示させるゲスト入場許可情報を前記オペレータ装置に伝達し、
前記センサ信号に基づいて、前記時間間隔中に前記入口からの入場を許可されたゲストの総数を決定し、
前記目標数及び前記入口からの入場を許可された前記ゲストの総数に基づいて、入場を許可すべき残りのゲストを表す残数を決定し、
前記オペレータ装置に前記残数を表示させる待機入場許可信号を前記オペレータ装置に伝達する、
ように構成され、
前記仮想待ち行列コントローラは、入場を許可された待機ゲストの数に基づいて前記残数を更新するように構成される、
ことを特徴とする待ち行列モニタリングシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサは、画像データを生成するように構成されたカメラを含み、前記コントローラは、前記画像データ内の個々のゲストを識別して、前記入口からの入場を許可された前記ゲストの総数を決定するように構成される、
請求項1に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【請求項3】
前記入口は、満期復帰時間を有するゲストが送り込まれる仮想待ち行列入口である、
請求項2に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【請求項4】
前記カメラは、前記入口に隣接する又は前記入口を共有する待機待ち行列を通じて入場を許可された待機ゲストをさらにモニタするように配置される、
請求項3に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【請求項5】
前記仮想待ち行列コントローラは、前記時間間隔が経過した後に新たな時間間隔を開始するように構成され、前記新たな時間間隔中に入場を許可される前記ゲストの目標数は、前記時間間隔中に入場を許可される前記ゲストの目標数に等しい、
請求項1に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【請求項6】
前記新たな時間間隔の長さは、前記時間間隔に等しい、
請求項5に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【請求項7】
前記仮想待ち行列コントローラは、前記入口の機械式ゲートに制御信号を伝える、
請求項1に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【請求項8】
前記機械式ゲートは、前記入口からの入場を許可された前記ゲストの総数が前記目標数に等しくなるまで開放される、
請求項7に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【請求項9】
前記待機入場許可信号は、待機待ち行列からのゲストの入場を許可する前に待機する指示をさらに含む、
請求項1に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【請求項10】
前記待機する指示は、前記時間間隔の残り時間に基づき、待機ゲストは、前記時間間隔の閾値時間が経過するまで入場を許可されない、
請求項9に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【請求項11】
待ち行列モニタリング方法であって、
入口を介して入場を許可する時間間隔を開始するステップと、
前記時間間隔の目標ゲスト入場許可を提供するステップと、
前記入口を介して入場を許可されたゲストの総数を受け取るステップと、
前記受け取られた数と前記時間間隔の前記目標ゲスト入場許可との間の差分に基づいて、待機入口を介して入場を許可すべき入場許可の残数を含む待機入場許可情報を決定するステップと、
前記待機入口を介して入場を許可すべき前記入場許可の残数をオペレータ装置に表示させる待機入場許可信号を前記オペレータ装置に伝達するステップと、
入場を許可された待機ゲストの数に基づいて前記残数を更新するステップと、
を含むことを特徴とする待ち行列モニタリング方法。
【請求項12】
前記時間間隔が経過した後に新たな時間間隔を開始するステップを含む、
請求項11に記載の待ち行列モニタリング方法。
【請求項13】
前記時間間隔が経過した後に前記目標ゲスト入場許可をリセットするステップを含む、
請求項12に記載の待ち行列モニタリング方法。
【請求項14】
前記残数がゼロよりも大きく、不十分な量の前記時間間隔しか経過していないとの判定時に待機信号を伝達するステップを含む、
請求項11に記載の待ち行列モニタリング方法。
【請求項15】
前記待機信号を伝達した後で、十分な量の前記時間間隔が経過した後に前記待機入場許可信号を伝達するステップを含む、
請求項14に記載の待ち行列モニタリング方法。
【請求項16】
待ち行列モニタリングシステムであって、
プロセッサ及び通信回路を含む仮想待ち行列コントローラと、
オペレータ装置と、
を備え、
前記仮想待ち行列コントローラは、
ある時間間隔中に入場を許可すべきゲストの目標数を含むゲスト入場許可情報を伝達し、
生成されたセンサ信号に基づいて、前記時間間隔中
に入口からの入場を許可されたゲストの総数を決定し、
前記目標数及び前記入口からの入場を許可された前記ゲストの総数に基づいて、入場を許可すべき待機ゲストの残数を含む待機情報を決定し、
前記残数に基づいて前記待機情報を伝達し、
入場を許可された待機ゲストの数に基づいて前記残数を更新する、
ように構成され、
前記オペレータ装置は、
前記ゲスト入場許可情報及び前記待機情報を受け取り、
前記目標数と前記時間間隔における残りの時間とを含む時間間隔情報を表示し、
前記待機情報を表示し、
前記時間間隔中の待機ゲスト入場許可についてのオペレータ入力を受け取る、
ように構成される、
ことを特徴とする待ち行列モニタリングシステム。
【請求項17】
前記オペレータ装置は、前記時間間隔における前記残りの時間に基づいて、表示された待機ゲストの入場許可状態を変更するように構成される、
請求項16に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【請求項18】
前記オペレータ装置は、前記時間間隔が経過した後に、前記表示された待機ゲストの入場許可状態を、前記残数までの許可される入場を示すように変更するように構成される、
請求項17に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【請求項19】
前記仮想待ち行列コントローラは、前記目標数、前記時間間隔の長さ及び1日当たりの時間間隔の数のうちの1つ又は2つ以上を設定するためのコントローラ入力を受け取るように構成される、
請求項17に記載の待ち行列モニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2017年11月3日に出願された「待ち行列モニタリング技術(QUEUE MONITORING TECHNIQUES)」という名称の米国仮特許出願第62/581,182号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この文献の開示は全ての目的で引用により引用により本明細書に組み入れられる。本出願は、2018年4月11日に出願された「待ち行列モニタリング技術(QUEUE MONITORING TECHNIQUES)」という名称の米国仮特許出願第62/656,225号に対する優先権及びその利益を主張するものでもあり、この文献の開示は全ての目的で引用により引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、アトラクションの待ち行列を含む遊園地体験を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
遊園地は、20世紀初頭以来大幅に人気が高まった。この需要の高まりに対処するために、遊園地は、アトラクション及び空間を追加することによって拡大してきていた。一般に、アトラクション(例えば、乗り物、レストラン、ショップ及びショー)の追加は、より多くのゲスト(来園客)に対処する追加容量を遊園地にもたらす。一方で、通常、追加のアトラクションは、潜在的ゲストに遊園地を訪れようとする意欲も与える。このように、特定の遊園地は追加容量を加えることができるが、この追加容量は、必ずしもゲストが遊園地の娯楽(例えば、買い物、ショーの観賞、乗り物への乗車)に参加する能力を高めるわけでも、或いはアトラクションの待ち時間を短くするわけでもない。この理由は、多くの場合、これに対応して入場者数が増加するからである。さらに、運用効率のために、入場者数が少ない時間中にはしばしばアトラクションの利用可能性を制限することが望ましい。従って、遊園地アクティビティへの参加を制限し得るアトラクションの待ち行列は遊園地の長年の問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲストは、より巨大で優れていて精巧なアトラクションを要求してきた一方で、全体的体験が肯定的なものであることを必要とし、期待する。遊園地ゲストの全体的体験を肯定的なものにするには、アトラクションの待ち行列に関連するいくつかの問題を解決することが必要である。実際に、現在では、遊園地ゲストが待ち行列の待機時間に伴う嫌な体験のせいで特定の遊園地を再び訪れることを思いとどまることがあると認識されている。さらに、ゲストは、列に並んで待つことに時間を取られたせいで遊園地商取引(例えば、ショップ)を利用できないこともある。実際に、過去には、ゲストが遊園地で最も人気のあるアトラクションのいくつかを体験するために列に並んで数時間待っていたこともある。また、現在では、個々のゲストは他のアトラクションよりも特定のアトラクションを好むため、遊園地容量を増やしても必ずしもゲストがその容量を常に効率的に利用するわけではないと認識されている。従って、現在では、遊園地の待ち行列システム及び方法を改善することが望ましいと認識されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、特許請求する主題の範囲を限定するものではなく、むしろ考えられる主題の形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本主題は、以下に示す実施形態と同様の又は異なる様々な形態を含むことができる。
【0006】
ある実施形態では、入口からの入場を許可されたゲストをモニタしてセンサ信号を生成するように構成された少なくとも1つのセンサを含む待ち行列モニタリングシステムを提供する。システムは、プロセッサ及び通信回路を含む仮想待ち行列コントローラも含み、仮想待ち行列コントローラは、ある時間間隔中に入場を許可すべきゲストの目標数をオペレータ装置に表示させるゲスト入場許可情報をオペレータ装置に伝達し、センサ信号に基づいて、時間間隔中に入口からの入場を許可されたゲストの総数を決定し、目標数及び入口からの入場を許可されたゲストの総数に基づいて、入場を許可すべき残りのゲストを表す残数を決定し、オペレータ装置に残数を表示させる待機入場許可信号をオペレータ装置に伝達するように構成される。
【0007】
ある実施形態では、入口を介して入場を許可する時間間隔を開始するステップと、時間間隔の目標ゲスト入場許可を提供するステップと、入口を介して入場を許可されたゲストの総数を受け取るステップと、受け取られた数と時間間隔の目標ゲスト入場許可との間の差分に基づいて、待機入口を介して入場を許可すべき入場許可の残数を含む待機入場許可情報を決定するステップと、待機入口を介して入場を許可すべき入場許可の残数をオペレータ装置に表示させる待機入場許可信号をオペレータ装置に伝達するステップと、を含む待ち行列モニタリング方法を提供する。
【0008】
ある実施形態では、仮想待ち行列コントローラを含む待ち行列モニタリングシステムを提供する。仮想待ち行列コントローラは、プロセッサ及び通信回路を含むとともに、ある時間間隔中に入場を許可すべきゲストの目標数を含むゲスト入場許可情報を伝達し、生成されたセンサ信号に基づいて、時間間隔中に入口からの入場を許可されたゲストの総数を決定し、目標数及び入口からの入場を許可されたゲストの総数に基づいて、入場を許可すべき待機ゲストの残数を含む待機情報を決定し、残数に基づいて待機情報を伝達するように構成される。待ち行列モニタリングシステムは、ゲスト入場許可情報及び待機情報を受け取り、目標数と時間間隔における残りの時間を含む時間間隔情報とを表示し、待機情報を表示し、時間間隔中の待機ゲスト入場許可についてのオペレータ入力を受け取るように構成されたオペレータ装置も含む。
【0009】
全体を通じて同じ部分を同じ文字によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本技術による、待ち行列モニタリングシステムを含むテーマパークの概略図である。
【
図2】本技術による、待ち行列モニタリングシステムのブロック図である。
【
図3】本技術による、モニタリング装置を含む待ち行列モニタリングシステムのブロック図である。
【
図4】本技術による、待ち行列モニタリング方法のフロー図である。
【
図5】本技術によるデータモデルの実施形態である。
【
図6】本技術によるデータモデルの実施形態である。
【
図7】本技術による、オペレータ装置のディスプレイ画面の表示例である。
【
図8】本技術による、オペレータ装置のディスプレイ画面の表示例である。
【
図9】本技術による、オペレータ装置のディスプレイ画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
テーマパーク又は遊園地アトラクションはますます人気が高まってきており、乗客に独特な動き及び視覚的体験をもたらす様々な遊園地アトラクションが創出されてきた。様々な遊園地アトラクションに入場するゲストは、ゲストを物理的待ち行列ではなく仮想待ち行列に加える待ち行列モニタリングシステムを利用することにより、仮想待ち行列内の自分の位置が前に進んでいる間に遊園地の他の呼び物を楽しむことができる。アトラクションに仮想待ち行列機能を導入することにより、アトラクションに到着するゲストの流れに影響が及ぶ。待ち行列モニタリングシステムを使用した場合、ゲストは、アトラクションに入場するための復帰時間(return time)範囲を与えられる。ゲストは、正確な時間に戻る必要はなく、本明細書で説明する他の要因によって、アトラクションに戻ってくるゲストの流れは1日を通じて変化し、予測するのは困難である。
【0012】
遊園地内の所与のアトラクションにゲストが接近する率には若干のランダム性がある。アトラクションへの往来の流れが安定しない一因としては、時刻、遊園地内及び周辺で行われている他のイベント、ゲストが特別なアクセス権を有してるかどうか、及び典型的なゲストの行動などの要因が挙げられる。アトラクションを効率的に稼働させるには、各乗車サイクル(例えば、アトラクションの乗り物車両への乗車)においてアトラクションへの入場準備が整ったゲストの安定した流れを有することが有益である。この安定した流れは、待機待ち行列(standby queue)内のゲストと仮想待ち行列内の満期復帰時間を有する(すなわち、現時点で有効な)ゲストとの総数が特定の時点でアトラクションの収容可能人数よりも多くなって人の往来の途切れを解決するように、仮想待ち行列に加わっていないゲストがアトラクションの待機待ち行列に入るのを認めることによって実現することができる。しかしながら、このようにすると、やはりゲストの行動のばらつきによってゲストの待ち時間が増えてしまうことがある。本明細書に示す待ち行列モニタリングシステムは、この問題を解決するものである。
【0013】
この点を踏まえて、本開示のいくつかの実施形態は、待ち行列モニタリングシステムに関する。この待ち行列モニタリングシステムは、不十分な乗り物の活用、乗り物の過密、及び/又は一定期間にわたる乗り物資源の非効率的な使用を防ぐのに役立つことができる。
【0014】
図1は、本実施形態による、待ち行列を円滑にするシステム100の概略的表現である。システム100は、コンピュータシステム102と、モニタリングセンサ104と、無線通信システム106と、システムディスプレイ108と、ゲスト関連装置110(例えば、アクセス可能データ及び通信機能を含むブレスレット、ゲストモバイル装置)と、その他の構成要素とを含み、これらは以下で詳細に説明するように本実施形態に従って協調する。具体的には、本実施形態は、遊園地のゲスト120が仮想待ち行列内の位置を取得し、その後に限られた長さの物理的待ち行列又は待機乗車グループ122に加わることができるように、仮想待ち行列を円滑にするものである。本実施形態は、物理的な順番待ち122をしているゲスト120によって費やされる時間を制限して、食事、買い物及びその他の娯楽会場(例えば、乗り物、ショー)などの遊園地の他のエリアへの参加を促すように機能することができる。従って、1つの実施形態では、アトラクション待ち行列が仮想待ち行列及び待機待ち行列を介してもたらされる。さらに、仮想待ち行列への入場許可は、満期復帰時間(mature return times)を有するゲストに開放することができる。例えば、復帰時間範囲が午後2時~午後2:15であるゲストは、午後2時又はそれ以降の満期復帰時間を有しており、乗り物が稼働している間であればその日の午後2時又はそれ以降のいつでも仮想待ち行列入口への入場が認められる。ゲストの中には、復帰時間の範囲内に仮想待ち行列入口に現れる者もいれば、復帰時間に関連する時間以降まで遅れる恐れのある者もいて、仮想待ち行列を通じて入場するゲストの数にはばらつきが生じる。すなわち、(例えば、特定数の復帰時間を各時間帯に分散させることを通じて)各時間帯の復帰時間を分散させて安定したゲストの流れを促すことはできるが、仮想待ち行列を通じた実際の入場はさらに予測不能である。また、仮想待ち行列は、特別入場許可証(entitlement passes)を有しているゲストの入場を可能にすることもできる。このようなゲストは復帰時間を有していないので、これらのゲストの入場も予測不能となり得る。
【0015】
ゲスト120は、チケット売り場124(例えば、ホテルのフロントデスク、キオスク、ゲスト用サービスカウンタ、遊園地入口)に到着すると、遊園地マップ、仮想待ち行列の使用説明書及び施設の使用説明書などの他のアイテムの中でも入場証明書(例えば、チケット又は装着型ウェアラブル110)を入手することができる。このような全てのチケット売り場124には、情報媒体(例えば、オーディオ、ビデオ)及び説明看板が存在することができる。場合によっては、ゲスト120が到着前に入場証明書を取得しており、チケット売り場124におけるこのような証明書の取得を省略することもできる。
【0016】
ゲストは、入口通路126を通じて遊園地又は遊園地エリア内に入場することができ、入場が可能になることができる。具体的には、
図1に示すように、入口通路126は、入口通路126が開くように意図されている時に入口通路126の障害となり得る物理的回転ドア又は同様の物理的往来集計又は制御機能を排除することができる。すなわち、入口通路126は、作動時に回転ドア不在(turnstile-less)とすることができる。ゲスト120は、既に装着型ウェアラブル(「AW」)又はゲスト関連装置110に転送された自身の入場証明書又は識別コード又は番号を有する場合、基本的に遊園地又は遊園地エリアに直接入場することができる。例えば、適切に作動しているゲスト関連装置110を有するゲスト120は、止まることなく歩いて入口通路126を通過することができる。ゲスト120が保持又は装着しているゲスト関連装置110に関連する証明書が検出され、遊園地従業員(例えば、セキュリティサービス会社)がモニタできるゲートモニタリング施設128に提供される。例えば、この過程は、入口通路126を通過するゲスト120の写真(例えば、ゲストの顔写真)を提供することを含むことができる。従って、この写真を入場特権確認(entry privilege confirmation)のために使用することができる。他の実施形態では、指紋又はその他の識別特徴(identifying aspects)(例えば、顔認識)などの他の特徴を使用することもできる。本開示のいくつかの実施形態は、ゲスト関連装置110に関連して示すものであるが、開示する技術は、ポケット携帯装置(pocket-carried devices)、ハンドヘルド装置又はモバイル装置などの、ゲスト情報を無線で通信するように構成されたゲスト関連装置を使用して実装することができると理解されたい。特定の実施形態では、ゲスト関連装置が防水性である。
【0017】
ゲスト120は、ゲスト関連装置110を携帯していない場合、又はゲスト関連装置110が正常に作動していない場合、複数のゲートモニタリングシステムのうちのいずれかを含むことができるゲートモニタリング施設128への情報転送を容易にしてゲスト120が遊園地又は遊園地エリアへの入場を認められている旨を遊園地従業員に知らせるスキャナ134にチケット媒体132を挿入することができる。このようにして許可を与える場合には、ゲストにゲスト関連装置110を配布して自動的にゲストの顔写真を撮影することができる。例えば、入口通路126の近傍に配置されたカメラ136によって自動的に写真を撮影することができる。この同じカメラ136は、例えばアトラクション環境に対するゲストの入場及び/又は退場をモニタすることなどのモニタリング目的で使用することもできる。他の実施形態では、ゲスト関連装置110を入手したゲスト120の写真を異なる場所で撮影することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ゲスト120が、入口通路126を通過した後又はその前にゲスト関連装置110を入手することができる。
【0018】
ゲストは、遊園地又は遊園地エリア全体を通じて数多くの場所に設けられたディスプレイを見ることによって待ち時間を確認することができる。一部又は全部のアトラクションでは、ディスプレイ108が特定のアトラクションの待ち時間を知らせる。例えば、ウォータースライド142は、そのアトラクションの待ち時間を具体的に知らせるディスプレイ144を含む。各ディスプレイの情報は、モニタリングセンサ104を使用してAW110を追跡することによって、又は遊園地エリア(例えば、乗り物出口及び入口)を別様にモニタすることによって取得された情報に基づいて提供することができる。さらに、一部又は全部のアトラクションの出口に、全てのアトラクション(例えば、遊園地又は遊園地エリア内の全てのアトラクション)の待ち時間を示すディスプレイを設けることもできる。例えば、ウォータースライド142の出口エリアは、周辺の全てのアトラクション(例えば、乗り物148)の待ち時間を知らせることができるディスプレイ146を含む。ディスプレイ146は、レストラン150の待ち時間などの乗り物以外のアトラクションの待ち時間を知らせることもできる。ディスプレイ146は、特定の遊園地エリア152(例えば、遊園地「ビレッジ」)内ではアトラクションの待ち時間の表示に限定することができる。また、各遊園地エリア152内では、1又は2以上の待ち時間掲示板154(例えば、中央に位置するディスプレイ108)が、遊園地エリア152内の全ての遊園地アトラクション又はアトラクションの待ち時間を示すこともできる。さらに、ゲスト120が自身のポータブル装置(例えば、携帯電話機)をロッカー160に入れる前に、モバイル装置を通じてモバイルアプリケーションを使用して待ち時間を確認することもできる。
【0019】
1つの実施形態では、ゲスト120が、アトラクション入口まで歩いて行って入場門を通過することによって待ち行列に加わる。例えば、ゲスト120は、ウォータースライド142まで歩いて行ってアトラクションステーション166を通過することができる。ゲスト120が門166を通過すると、ゲストのゲスト関連装置110が、(例えば、トーン、振動、発光を通じて)ゲストに仮想待ち行列に加わった旨を通知する。この通知は、アトラクションステーション166のモニタリングセンサ104を使用してゲスト関連装置110の特徴を通じてゲスト関連装置110を検出することによって行うことができ、これについてはさらに以下で説明する。別の実施形態では、ゲスト120が、アトラクション名と現在の待ち時間とを示すことができる待ち行列参加ポスト168まで歩いて行き、ポスト168をゲスト関連装置110に関与させることによって仮想待ち行列に加わることができる。この関与は、ゲスト関連装置110をポスト168に対してタップし、又はポスト168の近傍に位置付けることを含むことができる。ポスト168は、各アトラクションの出口又は入口、及び各遊園地エリア152又はビレッジ内の中央位置に配置することができる。1つの実施形態では、ポスト168に関与することによって、例えばゲストがポスト168において異なるアトラクションから選択を行うことなく自動的に関連アトラクションの仮想待ち行列に加わり、ポストのタップ又はポストへの関与が関連アトラクションを選択するための選択ステップであるように、個々のポスト168が1つのアトラクションのみに関連することができる。特定の実施形態では、待ち行列参加ポスト168及び/又はアトラクションステーション166が、アトラクションの近傍に位置する場合、既に仮想待ち行列に加わっているゲストの入場認証機(entrance validator)として機能することができる。
【0020】
待ち行列参加ポスト168及びアトラクションステーション166は、互いにゲストを仮想待ち行列に加えるための同様の機能を有することができる。また、アトラクションステーション166は、乗り物入口などのアトラクションの近傍に位置する場合、ゲストがアトラクションへの有効な入場位置を有しているどうかを伝えるための機能を含むこともできる。認証は、ゲストがアトラクションステーション166をタップした時にゲスト関連装置110に関連するユーザ識別にアクセスするための、ゲスト関連装置110との近距離無線通信を含むことができる。その後、アトラクションステーション166から離れた中央仮想待ち行列制御システムにユーザ識別が伝えられ、この中央仮想待ち行列制御システムがユーザ識別に関連するリアルタイムな待ち行列位置にアクセスし、ルールに基づくフィルタ処理を実行して、アトラクションに入場するための仮想待ち行列内の有効又は無効な位置の認証出力を提供する。例えば、ルールに基づくフィルタ処理の一例では、ゲスト位置が仮想待ち行列の先頭(位置1)である場合にゲストが入場を認められる。他の実施形態では、ゲスト位置が先頭グループ(位置1~10)内にある場合にゲストが入場を認められる。1つの実施形態では、ゲストに入場のためにアトラクションに戻るように促すために、仮想待ち行列内の所定の番号(例えば、10又は5)未満の全ての位置が位置1として表示され、又はゲスト関連装置110上に表示され、或いは別様に入場が有効であるものとして示される(例えば、トーン、振動、表示)。別の例では、仮想待ち行列内の位置1~xのゲストが未だアトラクションに存在せず、あるゲストの位置がx+1である場合、このゲストが認証される。一方で、xの値は、ゲストが入場位置を獲得するかなり前にアトラクションに現れることを促されないように比較的小さく(10以下に)定めることができる。有効性は、ゲスト関連装置110への近距離無線通信を介して、或いはゲスト関連装置110上の通知又はアトラクションステーション166上の通知(例えば、トーン又は表示)の一方又は両方を介してゲストに示される。
【0021】
ゲストが待ち行列参加ポスト168に関与すると、ゲストのゲスト関連装置110は、仮想待ち行列に加わった旨を(例えば、トーン、振動、発光を通じて)ゲストに通知する。例えば、ゲスト関連装置110は、ゲスト関連装置110上に表示された情報の変更を引き起こす信号を受け取ることができる。さらに、これに加えて、又はこれとは別に、ポスト168は、正常に待ち行列に加わった旨を通知することもできる。この通知は、中央仮想待ち行列制御システムが生成し、及び/又はゲスト関連装置110に伝えることができる。別の実施形態では、この通知が待ち行列参加ポスト168によって生成され、及び/又は伝えられる。さらに別の実施形態では、ゲスト120が、待ち行列キオスク172(例えば、遊園地又は遊園地エリア内の全ての仮想待ち行列アトラクション名及び待ち時間を表示する単一の装置)として実装できる仮想待ち行列ステーションまで歩いて行くことによって仮想待ち行列に加わることができる。待ち行列キオスク172は、各アトラクションの入口又は出口、及び各遊園地エリア152内の中央位置に配置することができる。ゲスト120は、加わりたいと望む待ち行列を選択して、キオスクを自身のゲスト関連装置110に関与させる(例えば、タップする)。ゲスト120が待ち行列キオスク172に関与すると、ゲストのゲスト関連装置110は、仮想待ち行列に加わった旨を(例えば、トーン、振動、発光を通じて)ゲスト120に通知する。例えば、ゲスト関連装置110は、ゲスト関連装置110上に表示された情報の変更を引き起こす信号を受け取ることができる。さらに、これに加えて、又はこれとは別に、キオスク172は、正常に待ち行列に加わった旨を通知することもできる。ゲスト関連装置110への通知は、待ち行列キオスク172の近距離無線通信機(near field communicator)を介して伝えることができる。或いは、ゲスト関連装置110への通知は、長距離又は中距離無線通信機を介して伝えることも、待ち行列キオスク172からではなく中央制御システムから伝えることもできる。
【0022】
上述した各実施形態では、ゲストのゲスト関連装置110が推定復帰時間を表示することができる。例えば、ゲスト関連装置110上のディスプレイは、ゲストが乗車グループ122に加わるために戻るべき時間(例えば、午後5:02)を示すことができる。本実施形態は、仮想待ち行列のモニタリング又は待機を容易にする。ゲスト120は、即時収容型アトラクション(例えば、波のプール、スイミングプール、スプラッシュパッド、レイジーリバー、待ち時間のない乗り物)を体験し、食べ物店、飲み物店又は商品店舗を訪問し、或いは単純にゆっくりする(例えば、ラウンジチェアで休憩する)ことによって仮想待ち行列内で待機することができる。仮想待ち行列のアトラクション待ち時間に変更があった場合には、この情報が通信システム106を介してゲスト関連装置110に提供され、ゲスト関連装置110が、装着しているゲスト120に通知して最新の待ち時間を表示する。ゲスト120は、別の仮想待ち行列のために現在の仮想待ち行列から離れたいと望む場合、上記の様々な実施形態の説明に示したように新たな仮想待ち行列に加わるだけでこれを行うことができる。ゲストは、仮想待ち行列内で待機している間に遊園地(又はいくつかの例では遊園地エリア)から離れると、現在加わっているあらゆる仮想待ち行列から自動的に削除される。本実施形態は、仮想待ち行列内で待機している間に遊園地内に地理的制限を設定せず、ゲスト120は、遊園地内のあらゆる場所に自由に出向いてあらゆる任務を行うことができる。
【0023】
本実施形態は、アトラクション体験の開始及び参加を促す。いくつかの実施形態では、待ち行列モニタリングシステム100が、ゲストの乗車時間前にゲスト120に通知を行う。システム100は、事前通知時間の量を決定するために、現在のアトラクション待ち時間、アトラクションからゲスト120までの現在距離、現在のゲストの行動、及びゲストの以前の仮想待ち行列からの到着速度履歴といった複数の要素を利用して容量を最適化する。ゲスト120は、通知を受けるとアトラクションに移動し、限られた待機グループ122を収容する乗車プラットフォームまで歩く。これらの要素又は変数は、少なくとも1つのプロセッサ304と少なくとも1つのメモリとを含むコンピュータシステム102(例えば、コンピュータネットワーク302)によって、モニタリングセンサ104との通信を介してモニタされる。アトラクションスループットが不足しないことを確実にするために、各アトラクションの乗車プラットフォームに先立って小規模の待機グループ122(10分未満)を形成することができ、いくつかの実施形態では待機列を形成することができる。
【0024】
ゲスト関連装置110は、データベース上のゲストの個人プロファイルアカウントにリンクされ、遊園地全体を通じて分散するキオスクと相互作用するように構成される。ゲストは、このゲスト関連装置110とキオスクとの間の相互作用を通じて遊園地内のアイテムの予約及び注文を行うことができる。例えば、ゲストは、セルフサービスキオスクを使用してVQスロット、更衣所、ロッカー、タオルなどを予約し、ロッカー及び更衣所に入室してこれらを確保し、データベース内のゲストプロファイルに付随するクレジットカードを使用して食べ物、飲み物及び商品を購入することができる。ゲストは、遊園地から離れる際にウェアラブルを返却するように促され、返却されたウェアラブルはゲストのアカウントに注記され、返却されたウェアラブルから支払方法が切り離されて、翌日の再利用のために装置を清浄化する準備が整う。
【0025】
ゲストは、いくつかのアトラクション(例えば、乗り物)の仮想待ち行列に加わる。ゲストは、仮想待ち行列予約地点、キオスク、又はアトラクションに位置することができる乗り物入口ステーションにおいてウェアラブルをタップすることによって仮想待ち行列への参加を確保する。確保されると、ウェアラブルは遊園地システムから最新情報を受け取り続け、待ち時間が更新されてゲストのウェアラブル上に表示される。いくつかの実施形態では、ゲストが、最大2つの仮想待ち行列に加わることができ、いつでも自身のウェアラブル上に仮想待ち行列の状態を表示させることができる。本実施形態によれば、遊園地内のアトラクションを2つのクラス(例えば、リードタイムが長いアトラクションとリードタイムが短いアトラクション)に分類し、1人のゲストがいつでも参加できる2つのVQを各タイプの一方に限定することができる。
【0026】
待ち行列モニタリングシステムアプリケーションは、仮想待ち行列入口を通じて入場するゲストの数が時間と共に変化した場合でも、乗り物又はショーのオペレータが安定した往来パターンを維持できるようにするツールである。システムは、一定の時間間隔で待機入口を通じてゲストの入場を許可することによって動作する。各間隔において待機入口を通じて入場を許可されるゲストの数は、アトラクションの稼働能力、及び以前の時間間隔中に仮想待ち行列入口を通じて入場したゲストの数に基づく。
【0027】
システムは、システムの状態をモニタし、動作パラメータを調整することができ、システムの始動、停止、再開及びリセットを行うことができるオペレータインターフェイス(例えば、
図2のオペレータインターフェイス332及び/又は
図3のオペレータインターフェイス414)を含むことができる。システムは、待機入口に配置されて特定数以下のゲストに入場を許可するようにオペレータに指示するディスプレイをさらに含むことができる。システムは、センサを通過したゲスト数を集計する(チケットスキャナ、赤外線ビームカウンタ、頭上温度カメラ又はビデオカメラ、物理的回転ドア、又はその他のセンサなどの)人数集計装置を含むこともできる。例えば、各入口に1又は2以上のセンサを配置することができる。
【0028】
オペレータは、オペレータインターフェイスを使用して乗り物の時間当たり容量及び待機間隔を設定し、その後にシステムを始動させる。さらに、オペレータインターフェイスを介してアトラクションの手動停止時間に入ることもできる。このような停止時間によってアトラクションの動作が妨げられる場合、システムは、アトラクション停止時間中に戻ってくる予定のゲストに新たな復帰時間を提示するように構成することができる。ゲストは、提案された復帰時間の中から選択を行うことができる。
【0029】
各時間間隔中に、この人数集計方法(例えば、本明細書に示すようなカウンタ、センサ)によって、仮想待ち行列入口を通じて入場を許可されたゲストの数が集計される。適切な証明書を有するゲストは、仮想待ち行列入口から連続して入場することができる。
【0030】
各間隔の最後には、待機入口ディスプレイ(例えば、
図2の待ち行列モニタリング装置333及び/又は
図3のモニタリング装置466)が、次の期間中に待機入口を通じて何人のゲストの入場を許可すべきであるかを示す。何人の待機ゲストが入場するかを決定するアルゴリズムは、本明細書に示す様々な入力を使用することができる。例えば、これらの入力は、仮想待ち行列入口及び待機入口の両方からの全ての以前のゲスト入場とすることができる。
【0031】
待機入口における人数集計方法は、ゲストが入場する際に集計を行って待機入口ディスプレイを更新する。さらなるゲストが待機入口を通じて入場すべきでない場合には、待機入口ディスプレイがオペレータに待つように指示する。
【0032】
上記のステップをアトラクションの稼働中に繰り返して、未使用の容量を待機待ち行列からのゲストで満たす。
【0033】
本技術は、仮想待ち行列入口の往来の流れが改善されるように機能する。システムは、個々のショーサイクルから独立しており、この結果、1回の乗り物サイクルではなく、さらに長期間にわたる往来の変化に対応することができる。システムの自動化性により、待機入口を操作するチームメンバによる手動での集計又は推量作業が解消される。システムは、待ち行列入口がごく近隣に配置されることを必要としない。このことは、待機待ち行列内のゲストが仮想待ち行列内のゲストと物理的に離れていることによって、待機ゲストに対して仮想待ち行列ゲストが何人存在するかを1人のオペレータでは判断できない場合に特に有利である。
【0034】
待ち行列モニタリングシステムへの入力は、毎時乗り物容量(例えば、オペレータがオペレータインターフェイスを介して設定できる1時間当たりにアトラクションを体験できるゲスト数)、サイクル時間(例えば、アトラクションサイクル当たりの時間)、サイクル容量(例えば、アトラクション稼動時間、及び/又はショーの開始前及び/又は乗車に費やされる時間に基づいて予め設定できるアトラクションサイクル当たりの収容ゲスト数)、残り時間(サイクル内の残り時間)、(システムによって計算される)超過量、仮想待ち行列参加許可(待ち行列モニタリング装置からの信号を介して示される、1サイクル中に入場を許可されるゲスト数)、待機中(待ち行列モニタリング装置からの信号を介して示される、列に並んでいる待機ゲスト)、現在の待機入場許可(待機入場許可命令による待ち行列モニタリング装置への出力)、待機入場許可(待ち行列モニタリング装置からの信号を介して示される、入場を許可された待機ゲスト)、一時停止/一時停止解除、サイクル数、総稼動時間、総容量、VQ参加許可、SB参加許可、秒単位でのサイクル時間、のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。
【0035】
例えば、サイクル容量が合計40人のゲストであり、仮想待ち行列にゲストが存在しない場合、命令は、このサイクル(例えば、2分)について40人の待機入場許可を表示させる。入場は、サイクルの流れを改善するようにグループとして許可することができる。入場が許可されると、表示命令は、このサイクルが一杯であり、このサイクルの残りについて待機待ち行列の入場を許可できない旨を示すように更新を行う。サイクルの最後には、この命令が、40人の新たなグループの入場を許可できる旨を示すように更新される。仮想待ち行列ゲストが存在する場合には、容量が一杯になるまで、又は利用可能な仮想待ち行列ゲストが存在しなくなるまで、全ての仮想待ち行列ゲストの入場が許可される。全ての仮想待ち行列ゲストの入場が許可されて、残りのサイクル時間中のサイクルに残存容量(例えば、10人分のスペース)が存在する場合には、待機待ち行列ゲストが、可能な場合にはグループとして、或いは残りの場所を満たすように残りのサイクルについて順繰りに(on a rolling basis)入場を許可される。従って、システムは、予め設定された仮想待ち行列と待機待ち行列との比率を使用せず、代わりにリアルタイムの往来状況に応答して、仮想待ち行列の状態に基づいて待機待ち行列からの入場許可を動的に変更してアトラクションを満たす。
【0036】
1つの実施形態では、待ち行列モニタリングシステムが、ゲストの流入には対処するが、復帰時間の分配に影響を与える又は復帰時間の分配を変更するフィードバックを提供しないように、仮想待ち行列復帰時間分配器(virtual queue return time distributor)から独立することも検討される。
【0037】
図2は、待ち行列モニタリングシステム314のブロック図である。待ち行列モニタリングシステムは、ゲスト関連装置320と通信する仮想待ち行列コントローラ330(例えば、仮想待ち行列コントローラ130)、ディスプレイユニット326、又はこれらの組み合わせを含む。ゲスト関連装置320は、アトラクションの仮想待ち行列に加わるために、ゲストからの入力に応答して仮想待ち行列コントローラ330に待ち行列要求信号350を送信する。仮想待ち行列コントローラ330は、待ち行列要求信号350を受け取り、ゲストの待ち時間を特定して、ゲスト関連装置320、ディスプレイユニット326、又はこれらの組み合わせに待ち時間信号322を出力する。ゲスト関連装置320及びディスプレイユニット326は、待ち時間信号322を受け取ってゲストの待ち時間を表示するように構成される。これらの通信を可能にするために、ゲスト関連装置320、ディスプレイユニット326及び仮想待ち行列コントローラ330は、アンテナ、無線トランシーバ回路、信号処理ハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、ハードウェア又はソフトウェアフィルタ、A/Dコンバータ、マルチプレクサ増幅器)、又はこれらの組み合わせなどの通信回路352を含むことができる。通信回路352は、IR無線通信、衛星通信、ブロードキャスト無線、マイクロ波無線、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wifi、UHF、NFCなどを介して有線又は無線通信経路を通じて通信するように構成することができる。このような通信は、無線タワー、セルタワーなどの中間通信装置を含むこともできる。
【0038】
いくつかの実施形態では、仮想待ち行列コントローラ330が、本明細書で説明する方法及び制御動作を実行するためにプロセッサ356aが実行できる命令を記憶するメモリ装置354aを含むことができる。例えば、プロセッサ356aは、仮想待ち行列状態をモニタし、仮想待ち行列コントローラ330が受け取ったゲストスループット入力358及び乗り物スケジュールデータ入力360に基づいてゲストの待ち時間及びゲスト入場許可情報(例えば、待機入場許可)を決定するための命令を実行することができる。乗り物スケジュールデータ入力は、ユーザ入力を通じて、メモリストレージから、及び/又はクラウドサービスを通じて受け取ることができる。仮想待ち行列コントローラ330は、スケジューリング(又はスケジュール変更)情報をリアルタイムで受け取ることができ、最新のスケジュールに基づいて待ち時間を更新するように構成することができる。いくつかの実施形態では、仮想待ち行列コントローラ330が追加入力を受け取り、待ち時間を決定する際に追加入力を乗り物スケジュールデータ入力360及びゲストスループット358と組み合わせて利用することができる。
【0039】
仮想待ち行列コントローラ330のプロセッサ356aは、1又は2以上の処理装置を含むことができ、メモリは、1又は2以上の有形の非一時的機械可読媒体を含むことができる。一例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、又は光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶装置、或いは機械実行可能命令又はデータ構造の形の所望のプログラムコードを保持又は記憶するために使用することができてプロセッサ又は他のプロセッサベースの装置(例えば、モバイル装置)がアクセスできる他のいずれかの媒体を含むことができる。例えば、仮想待ち行列コントローラ330は、オペレータインターフェイス332(例えば、コンピュータベースのワークステーション又はモバイル装置、及び/又は入出力インターフェイス364及びディスプレイを含むことができる)によるアクセスを受けることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、プロセッサ356b及びメモリ354bを有するゲスト関連装置320を、パーソナルゲスト装置(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップなど)、又はゲストに割り当てられた遊園地待ち行列装置(例えば、スマートリストバンド、アクティブウェアラブル、ポータブル通信装置など)とすることができる。遊園地待ち行列装置は、待ち時間を見て待ち行列要求を送信するためのプログラムを含む。パーソナルゲスト装置を使用するゲストは、プログラム(例えば、ウェブベースのプログラム、スマートフォンアプリ、ダウンロード可能プログラムなど)へのアクセス権を得ることができる。例えば、テーマパークへの入場券又は確認電子メールは、プログラムを見つけるための詳細、及びプログラムにアクセスするためのユーザ名、パスコード又はこれらの組み合わせを含むことができる。ユーザ名及び/又はパスコードには、待ち行列要求信号と共にゲスト識別情報を送信できるように、ゲストに関連する個人情報(身長、体重、年齢及びその他の人口統計情報)をリンクさせることができる。遊園地待ち行列装置を使用するゲストは、装置を割り当てられた時に、遊園地待ち行列装置に自身のゲスト情報をアップロードさせることができる。仮想待ち行列コントローラ330は、本明細書に示すような待ち時間を決定するゲスト識別情報を利用することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、システムが、ゲストが時間を見て待ち行列要求を送信するための追加リソースを提供するように構成された、プロセッサ及びメモリを含む待ち行列ステーション(例えば、ゲストキオスク)を含むことができる。ゲストは、待ち行列ステーションにおいて1つの形態のゲスト識別(例えば、ユーザ名、パスコード、カード、RFリストバンド、個人情報など)を使用して待ち行列機能にアクセスすることができる。待ち行列ステーションは、テーマパーク内の様々な場所に配置することができる。いくつかの実施形態では、アトラクションに近接する位置でアトラクションの待ち行列に並ぶための手段がゲストに提供されるように、少なくとも1つの待ち行列ステーションがアトラクションに近接して配置される。いくつかの実施形態では、待ち行列ステーションが、ゲストにその待ち行列ステーションに最も近いアトラクションの待ち行列に並ぶことのみを認める。他の実施形態では、テーマパーク内のアトラクションの待ち行列に並ぶために使用できる一般向け待ち行列ステーションがテーマパーク110全体を通じて存在する。
【0042】
いくつかの実施形態では、ディスプレイユニット326が、仮想待ち行列コントローラ330から待ち時間信号322を受け取ってアトラクションの現在の待ち時間を表示するように構成される。いくつかの実施形態では、各アトラクションに近接して少なくとも1つのディスプレイユニット326が配置される。ディスプレイユニットは、そのディスプレイユニットに最も近いアトラクションの現在の待ち時間のみを表示するように構成することができる。他の実施形態では、テーマパーク内の一般的位置(例えば、食事エリア、歩行通路など)に一般向けディスプレイユニットが配置される。一般向けディスプレイユニットは、複数のアトラクションの現在の待ち時間を表示することができる。
【0043】
図3は、モニタリング装置466を有する待ち行列モニタリングシステム430のブロック図である。いくつかの実施形態では、モニタリング装置466が、仮想待ち行列コントローラ430との通信を確立するための通信回路452dを有することができる。モニタリング装置466は、プロセッサ456c及びメモリ装置454cを有することもできる。モニタリング装置466は、現在の待ち行列の状態をモニタ及び/又は判定して仮想待ち行列コントローラ430に待ち行列状態信号468を出力するように構成される。物理的待ち行列及び待機エリアの両方を使用すると、たとえゲストが時間通りに到着しなくても、アトラクションに複数のゲストが存在して乗り物を最大占有状態まで満たすことができる。いくつかの実施形態では、モニタリング装置466が、物理的待ち行列の現在の待ち行列状態をモニタするように構成される。一方で、モニタリング装置466は、物理的待ち行列、仮想待ち行列、又はこれらの組み合わせの現在の待ち行列状態をモニタするように構成することもできる。
【0044】
いくつかの実施形態では、モニタリング装置466を、以下に限定するわけではないが、待ち行列の長さ、待ち行列内のゲスト数、待ち行列に出入りするゲストの流動率、待ち行列内の特定の個人(例えば、待ち行列内のゲストの識別)、待ち行列内の下位待ち行列(sub-queues)の数、待ち行列内のゲストのタイプなどを含む現在の待ち行列状態をモニタ又は判定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、モニタリング装置466が、待ち行列内の特定の位置(例えば、地理的位置、待ち行列ゾーン)をモニタして、各特定の位置におけるゲスト数を仮想待ち行列コントローラに出力することができる。いくつかの実施形態では、モニタリング装置466が、待ち行列の先頭又は最後尾のゲストだけでなく、待ち行列の中間のゲストが待ち行列を離れたかどうかをモニタすることもできる。いくつかの実施形態では、モニタリング装置466が、待ち行列内のゲストの様々な特性(例えば、タイプ、性別、年齢、人数など)を判定し、このデータを仮想待ち行列コントローラ430に出力し、待ち行列に関連する過去のスループットデータをアトラクションに関するものとして追跡して記録することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、モニタリング装置466が、待ち行列状態をモニタするように構成された集計機構470を含む。例えば、手動システムとすることができる、及び/又は待ち行列に近接して配置された1又は2以上のセンサを含むことができる集計機構470を使用して、待ち行列内のゲスト数をモニタすることができる。他の実施形態では、モニタリング装置が、待ち行列に物理的に近接して配置されて仮想待ち行列コントローラ430に通信可能に結合された少なくとも1つのセンサ472(例えば、光学センサ、カメラ、機械式ペダル(mechanical treadles)、RF検知システムなど)を含むことができる。センサ472は、待ち行列モニタリングシステム414に、現在の待ち行列状態に関連する継続的フィードバックを提供することができる。例えば、ゲストがそれぞれRF識別を保持している状況では、モニタリング装置に関連するRFセンサを、(単複の)特定のゲストがいつ待ち行列に出入りするかをモニタして、このデータを仮想コントローラに出力するように構成することができる。さらなる例として、個々のゲストが待ち行列内で費やす時間の長さに基づいて待ち行列の様々な状態(例えば、待ち時間、待ち行列の長さなど)を計算できるように、センサ472を、待ち行列の入口及び出口における個々のゲストを認識して、この情報を仮想待ち行列コントローラ430に継続的に出力するように構成することができる。また、センサデータを使用して、本明細書で説明するような入場を許可されたゲストを集計することもできる。別の実施形態では、センサ472を、複数の入口及び/又は待ち行列を取り込むように配置されたカメラとすることができる。仮想待ち行列コントローラ430は、1又は複数のカメラからの画像データに基づいて、複数の待ち行列のゲストを同時に解像又は集計することができる。さらに、このゲスト集計情報は、入口に配置された機械式ゲートなどの1又は2以上の入口制御装置への入力として使用することもできる。機械式ゲートは、残りのゲスト数に基づいて開閉することができる。
【0046】
図4は、待ち行列モニタリング方法500のフロー図である。方法500は、例えば入口を介したアトラクション環境への入場許可のための時間間隔を開始するステップから開始する(ブロック502)。この時間間隔は、本明細書で説明したように中央オペレータ入力及び/又はコントローラ設定に基づいて設定することができる。ブロック504において、
図3のオペレータ装置480などのオペレータ装置に提供され、及び/又は
図3の仮想待ち行列コントローラ430などの中央コントローラにおいて表示されるゲスト入場許可情報に各時間間隔を関連付ける。ゲスト入場許可情報は、各時間間隔に入場を許可すべきゲストの目標数を含むことができる。入口位置では、入場を許可されたゲストを手動で又は1又は2以上のモニタリング装置を介して集計し、入場を許可されたゲストの総数を提供する(ブロック506)。目標数と入場を許可されたゲストとの間の差分に基づいて残数を求め(ブロック508)、この残数を待ち行列に関連する適切なオペレータ装置に伝達する(ブロック510)。残数がゼロよりも大きい場合には、待機待ち行列を通じて待機ゲストの入場を許可し、その時間間隔の最新の入場許可人数を提供する(ブロック512)。
【0047】
いくつかの実施形態では、残数がゼロよりも大きい場合、方法500は、待機待ち行列を通じてゲストに入場を許可するために、時間間隔が経過するまで、或いは時間間隔の一部(例えば、10%以下)しか残っていない状態になるまで待つようにオペレータ装置に情報を提供する。このようにして、満期復帰時間を有するゲストに対して指定された復帰時間入口からのあらゆるゲスト不足を待機待ち行列からのゲストで穴埋めすることができる。これらの時間間隔は頻繁に(例えば、毎分、2分毎、5分毎、10分毎に)発生するように設定することができるので、システムは、アトラクション環境に入場する待機ゲストの数を頻繁に調整することができる。さらに、復帰時間を保持しているゲスト及び待機ゲストからのアトラクションスループットは動的であり、復帰時間ゲストの数に基づいて調整される。これにより、指定された復帰時間後であれば日中いつでも有効である復帰時間を所持しているゲストの適時性の日毎及び時間毎の変動が平滑化される。例えば、昼食直後の復帰時間は、時間通りに到着するゲストが少ないことに関連し得る。復帰時間ゲストのあらゆる不足を待機待ち行列から埋め合わせて、アトラクションスループットを高く保つことができる。
【0048】
図5は、本技術による個々の位置のデータモデルである。各位置は、乗り物又は娯楽アトラクションを含むことができる個々のテーマパーク位置600に対応することができる。図示の実施形態では、位置600が、待機待ち行列650及び別の待ち行列618(例えば、復帰時間待ち行列)を含む。ゲストは、1サイクルにわたるアトラクション容量に従って、位置600の1又は2以上のエリアに入場を許可される。各位置600のデータモデルは、関連する位置識別情報(602)と、名前情報(604)と、容量情報(606)と、営業開始時間情報(608)と、営業終了時間情報(610)と、いくつかの実施形態ではテーマ及びグラフィック情報(612)とを有する。これらのデータは、中央コントローラ(例えば、仮想待ち行列コントローラ330、430)上に存在することができ、適宜に遠隔装置に提供することができる。従って、特定の位置600に関連するオペレータ装置に送信されるデータ及び命令は、様々なオペレータ装置を位置600に登録して、異なる位置600への登録の変更時には置き替えることができるように、適切なグラフィック及びテーマ設定を含むことができる。
【0049】
各位置600は、中央コントローラオペレータが予め設定できるサイクル情報680などのアトラクション固有の情報に関連する。サイクル情報580は、時間間隔長680、次の時間帯又は間隔684までの残り時間、一時停止時間(686)、及びサイクル状態690及び識別692を含むことができる。
【0050】
データモデル600は、位置600へのゲストの入場を許可するために使用されるパラメータを提供することができる。300秒の時間間隔当たり100人のゲストという所望の又は予め設定されたゲストサイクル総数を定める個々のサイクルでは、最初にゲストが復帰時間待ち行列を通じて入場を許可される。これらの入場を許可されたゲストをセンサ又はその他の集計機構が集計した後に、これらの入場を許可されたゲストをゲストサイクル総数から減算する。位置コントローラは、復帰時間待ち行列からのゲストがサイクル(例えば、300秒のサイクル)の終わりまでに入場することを許可することができ、この時点で個々のサイクルのあらゆる残りゲスト容量が待機待ち行列によって満たされる。従って、待機待ち行列のゲストは、各サイクルの終わり又は終わり間際、或いは個々のサイクル間に待機待ち行列からまとめて入場を許可されるのに対し、復帰時間待ち行列のゲストは、各個々のサイクル全体を通じて順繰りに入場を許可される。従って、データモデル600は、待ち行列情報618(間隔当たりのゲストの目標数620、最初に又は現在入場を許可されたゲストの数622、及び残りゲスト数624)と、データメトリック情報626(総数630、総容量632、総サイクル数634、並びに識別636及び日付け当たりの総数638情報)とを含む。
【0051】
本実施形態は、ゲストスループットのオペレータ推定を排除又は低減する技術も提供する。集計は、1又は2以上のセンサが行ってデータを中央コントローラに提供することができ、待ち行列オペレータには、入場を許可すべきゲスト数を表示するハンドヘルドディスプレイを提供することができる。1つの実施形態では、待機待ち行列オペレータのディスプレイが、「待機(WAIT)」又は「入場許可(ADMIT)20」(又は、例えば待機待ち行列からの決定された入場許可人数)を示すことできる。ゲストが入場を許可されるにつれ、表示される入場許可人数は周期的に減少することができる。例えば、中央コントローラは、復帰時間待ち行列のオペレータのために、このサイクル内で総サイクル容量に達するまで復帰時間ゲストの入場を許可する旨の情報を提供し、この情報がハンドヘルドディスプレイ上に表示される。総サイクル容量に達すると、復帰時間待ち行列のオペレータのハンドヘルドディスプレイは、これ以上ゲストの入場を許可すべきでない旨を示すことができる。ハンドヘルドコントローラは、待機待ち行列のオペレータのために、サイクルが有効である旨(例えば、復帰時間ゲストの入場が許可されるサイクルの有効期間)を示すことができる。サイクルが終わりに近づくか又は終わると、ハンドヘルドディスプレイは、予め設定されたゲストサイクル総数に達するために入場を許可することができる残りのゲスト数を表示する。
【0052】
いくつかの実施形態では、サイクル当たりに入場を許可されるゲストの総数をその位置の繁忙期にわたって平滑化し、又は比較的安定して保つことができる。さらに、待ち行列からのゲストと待機待ち行列からのゲストとの割合は、サイクル毎に変更することができる。例えば、第1のサイクルでは、80人の復帰時間待ち行列ゲスト及び20人の待機ゲストの入場を許可することができ、後続の第2のサイクルでは、50人の復帰時間待ち行列ゲスト及び50人の待機ゲストの入場を許可することができる。これらの変更は、復帰時間待ち行列に加わることを許可されたゲストによる(特別な乗車許可証又は乗車券、以前から存在している復帰時間、及び/又は仮想待ち行列内のゲスト位置を有するゲストを表すことができる)待ち行列からの要求によって引き起こされることがある。この待ち行列に加わることが許可されていないゲストは、待機待ち行列に加わることができる。
【0053】
図6は、複数の個々の位置700が中央コントローラと通信することを可能にするシステムのデータモデルである。各個々の位置700は、アトラクション仕様702に従って構成することができ、待ち行列識別情報708、容量情報710及び間隔情報712などの待ち行列固有の情報706にさらに関連することができる。例えば、個々の位置は、1つの待ち行列704、2つの異なる待ち行列704、3つの異なる待ち行列704などで構成することができる。各待ち行列704からのデータは、指定された待ち行列704を通じて入場を許可されたゲストを集計する、待ち行列704に配置された1又は2以上の個々のセンサ720からのデータに関連することもできる。さらに、各位置は、入場、退場及び状態情報などの待ち行列サイクルデータ716に関連することもできる。各位置700は、その位置のアトラクションのタイプに応じて、個別化されたサイクル時間と、サイクル時間にわたるアトラクション容量とを有することができる。
【0054】
中央コントローラは、それぞれの位置700におけるセンサ720からデータを受け取り、各位置の所望のゲストサイクル総数を達成するために入場を許可すべき残りのゲストを決定し、各位置の待ち行列におけるオペレータハンドヘルドに情報を提供することができる。さらに、センサデータを使用して、毎時間の集計データ726及び追加スループット情報728を決定することもできる。
【0055】
モジュール方式でさらなる位置700を追加することもできる。さらに、位置700は、待ち行列704を削除又は追加するようにアトラクションが更新された時に再構成することができ、これに応じてシステムを更新することもできる。単一の位置700を示しているが、さらなる位置も検討されると理解されたい。さらに、アトラクションのテーマに従って、ハンドヘルドディスプレイを各個々の位置に合わせてテーマ化又はカスタマイズすることもできる。
【0056】
図7~
図9に、本技術と共に使用できるオペレータ装置の画面表示の例を示す。
図7には、残りのゲスト入場許可人数と、カウントダウンなどの時間間隔における残り時間とを示す。しかしながら、カウントアップタイプの表示も検討されると理解されたい。この表示は、さらなる指示(例えば、点滅画面、緑色)に基づいて入口が入場許可モードにあることを示すことができる。
図8には、残りのゲスト入場許可人数と、時間間隔における残り時間を示す。いくつかの実施形態では、この表示が、残りの人数がいつ閾値を下回るかを示すことできる。
図9には、ゲスト及び/又は待機ゲストの入場が許可されない待機(WAIT)モードにある表示画面を示す。
【0057】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲では、全てのこのような修正及び変更が本開示の実際の趣旨に含まれるものとして対象になると理解されたい。
【0058】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。