IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーラス コーポレイションの特許一覧

特許7311518生物学的流体を処理するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】生物学的流体を処理するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/16 20060101AFI20230711BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20230711BHJP
   A61K 35/14 20150101ALI20230711BHJP
   A61K 35/16 20150101ALI20230711BHJP
   A61K 35/19 20150101ALI20230711BHJP
   A61K 41/00 20200101ALI20230711BHJP
   A61L 101/44 20060101ALN20230711BHJP
【FI】
A61L2/16
A61L2/10
A61K35/14
A61K35/16
A61K35/19
A61K41/00
A61L101:44
【請求項の数】 100
(21)【出願番号】P 2020535654
(86)(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 US2018068048
(87)【国際公開番号】W WO2019133929
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】62/612,314
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500031766
【氏名又は名称】シーラス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チャーチ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ブリングマン, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】カストロ, グレイス
(72)【発明者】
【氏名】ルー, テア
(72)【発明者】
【氏名】ラインハルト, シェルビー
(72)【発明者】
【氏名】サンタ マリア, フェリシア
(72)【発明者】
【氏名】スタッシノポウロス, アドニス
【審査官】小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-501058(JP,A)
【文献】特表2006-501978(JP,A)
【文献】国際公開第2017/062260(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2012/0070339(US,A1)
【文献】特開2017-077247(JP,A)
【文献】特開2017-029717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00 - 2/28
A61L 11/00 - 12/14
A61K 38/00 - 38/58
A61K 41/00 - 45/08
A61K 48/00
A61K 50/00
A61K 51/00
A61K 51/02
A61K 51/04
A61K 51/06
A61K 51/08
A61K 51/10
A61K 51/12
A61K 35/00 - 35/768
A61K 36/06
A61K 36/068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的流体を処理するための方法であって、
光活性病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体を提供するステップと、
前記生物学的流体に、1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出される約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を照射するステップであって、前記1つまたは複数の第1の光源のそれぞれが、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、ステップと
を含み、
前記生物学的流体に照射するステップが、前記生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で生じる、方法。
【請求項2】
前記第1のピーク波長が、約315~約335nmであり、
必要に応じて、前記第1のピーク波長が、約320nm~約330nmであり、
必要に応じて、前記第1のピーク波長が、325±5nmである
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のピーク波長が、約330ナノメートル~約350ナノメートルであり、
必要に応じて、前記第1のピーク波長が、約340nm~約350nmであり、
必要に応じて、前記第1のピーク波長が、345±5nmである
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のピーク波長が、前記1つまたは複数の第1の光源のセット内の1つの第1の光源のピーク波長である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のピーク波長が、前記1つまたは複数の第1の光源のセット内の複数の第1の光源のそれぞれのピーク波長である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のピーク波長が、前記1つまたは複数の第1の光源のセットの平均のピーク波長である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記生物学的流体に、1つまたは複数の第2の光源のセットによって放出される第2のピーク波長を有する紫外線光を照射するステップをさらに含み、前記1つまたは複数の第2の光源のそれぞれが、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出し、前記第2のピーク波長が、前記第1のピーク波長とは少なくとも5nm異なる、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のピーク波長が、前記1つまたは複数の第2の光源のセット内の1つの第2の光源のピーク波長である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のピーク波長が、前記1つまたは複数の第2の光源のセット内の複数の第2の光源のそれぞれのピーク波長である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のピーク波長が、前記1つまたは複数の第2の光源のセットの平均のピーク波長である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数の第1の光源のセットが、1つまたは複数のLEDを含む、および/または前記1つまたは複数の第2の光源のセットが、1つまたは複数のLEDを含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記生物学的流体が、容器内に格納されており、前記1つまたは複数の第1の光源のセットが、光源アレイとして設置され、前記1つまたは複数の第1の光源のセットが、前記容器の1つの側面のみに面している、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記生物学的流体が、容器内に格納されており、前記1つまたは複数の第1の光源のセットが、光源の第1のアレイおよび光源の第2のアレイとして設置され、前記第1のアレイおよび前記第2のアレイが前記容器の対向する側面に面している、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記光活性病原体不活性化化合物が、ソラレンである、
必要に応じて、前記光活性病原体不活性化化合物が、アモトサレンである、
請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記生物学的流体に、前記第1のピーク波長を有する前記紫外線光を照射するステップの前に、
前記光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体を、処理チャンバーに導入するステップであって、前記処理チャンバーが、前記処理チャンバー内の光を検出するように構成される1つまたは複数の光センサーと、前記処理チャンバー内の前記生物学的流体に照射するように構成される第1の光源アレイとを含み、前記第1の光源アレイが、前記1つまたは複数の第1の光源のセットを含む第1の光源チャネルを含む、ステップをさらに含み、
前記生物学的流体に照射するステップが、前記生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な第1の期間および第1の強度で、前記第1の光源チャネルから前記第1のピーク波長を有する光を放出することを含む、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の光源チャネルのそれぞれの光源が、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記生物学的流体の特徴セットを判定するステップと、
前記生物学的流体の前記特徴セットに基づいて、処理プロファイルを判定するステップと、
前記処理プロファイルに従って、前記処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップと
をさらに含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記生物学的流体に照射するステップが、前記処理プロファイルに従って行われ、前記第1の期間および前記第1の強度が、前記病原体を不活性化するに十分であり、前記処理プロファイルから判定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の光源アレイが、第2のピーク波長の光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含み、
必要に応じて、前記第2のピーク波長が、315nm~350nmである
請求項15から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のピーク波長が、前記第1のピーク波長とは少なくとも5nm異なる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2のピーク波長が、紫外線A、紫外線B、または紫外線Cスペクトルにある、請求項19または請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の光源チャネルが、1つまたは複数の第2の光源のセットを含み、前記1つまたは複数の第2の光源のそれぞれが、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、および/または前記1つまたは複数の第2の光源のセットが、1つまたは複数のLEDを含む、請求項18から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記生物学的流体の前記特徴セットが、前記生物学的流体の体積、前記生物学的流体の種類、および前記生物学的流体の温度を含む群のうちの1つまたは複数を含む、請求項17から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記生物学的流体の前記特徴セットに基づいて前記処理プロファイルを判定するステップが、前記第1のピーク波長を有する光の前記第1の強度を判定することまたは前記第1のピーク波長を有する光の放出の前記第1の期間を判定することを含む、請求項17から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記処理チャンバーが、前記処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、前記第1のプラットフォームが、前記生物学的流体を保持する、請求項15から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記処理チャンバーの前記パラメーターセットを調整または設定するステップが、前記第1の光源アレイと前記第1のプラットフォームとの間の距離を調整または設定することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記生物学的流体を撹拌するステップをさらに含む、請求項1から26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記生物学的流体を照射する期間が、1秒間~2時間である、および/または
前記生物学的流体を照射する強度が、1~1000mW/cm である、および/または
前記生物学的流体に照射する紫外線光の全線量が、約0.5J/cm~約50J/cmである、請求項1から27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出される前記生物学的流体に照射する紫外線光の全線量が、約0.5J/cm~約50J/cmである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記処理するための方法が、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、照射後の前記生物学的流体が、残留病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である、請求項1から29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記処理するための方法が、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、照射後の前記生物学的流体が、前記生物学的流体を残留病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するための化合物除去ステップに供することなく、対象への注入に好適である、請求項1から30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記処理するための方法が、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、前記生物学的流体が、照射後に、5μMまたはそれを下回る前記病原体不活性化化合物を含む、請求項1から31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記処理するための方法が、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、前記生物学的流体が、照射後に、2μMまたはそれを下回る前記病原体不活性化化合物を含む、請求項1から32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
照射前の前記生物学的流体と混合した前記病原体不活性化化合物の濃度が、少なくとも約10μMである、請求項1から33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
照射前の前記生物学的流体と混合した前記病原体不活性化化合物の濃度が、約15μM~約150μMである、請求項1から34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
照射後の前記生物学的流体と混合した前記病原体不活性化化合物の濃度が、照射前の前記生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度の高くとも1/3である、請求項1から35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記処理するための方法が、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも4対数の病原体を不活性化するに十分である、請求項1から36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
照射後の前記生物学的流体が、十分な生物学的活性を維持しており、前記生物学的流体は、対象への注入に好適である、請求項1から37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記生物学的流体が、血液製剤を含む、請求項1から38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記生物学的流体が、血漿組成物を含む、請求項1から39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
照射後の前記血漿組成物中のフィブリノーゲンの濃度が、照射前の前記血漿組成物中のフィブリノーゲンの濃度の少なくとも70%である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
照射後の前記血漿組成物中の第VIII因子の濃度が、照射前の前記血漿組成物中の第VIII因子の濃度の少なくとも70%である、請求項40または請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記生物学的流体が、血小板組成物を含む、請求項1から42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記生物学的流体が、血小板添加剤溶液をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
照射後の前記血小板組成物中の血小板の量が、少なくとも80%の血小板回収率である、請求項43または請求項44に記載の方法。
【請求項46】
照射後の前記血小板組成物の22℃におけるpHが、少なくとも6.2である、請求項43から45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記方法が、照射前に、前記生物学的流体を、前記光活性病原体不活性化化合物とともに、30分間~24時間の期間、インキュベートするステップを含む、請求項1から46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
請求項1から47のいずれか1項に記載の方法によって調製される、病原体が不活性化された生物学的流体。
【請求項49】
5μMまたはそれを下回る前記病原体不活性化化合物を含む、請求項48に記載の病原体が不活性化された生物学的流体。
【請求項50】
2μMまたはそれを下回る前記病原体不活性化化合物を含む、請求項48または請求項49に記載の病原体が不活性化された生物学的流体。
【請求項51】
生物学的流体を処理するためのシステムであって、
生物学的流体を受容するように構成される、処理チャンバーと、
前記処理チャンバー内の光を検出するように構成される、1つまたは複数のセンサーと、前記処理チャンバー内の前記生物学的流体に照射するように配置される、第1の光源アレイであって、前記第1の光源アレイが、約315nm~約350nmの前記第1のアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、前記第1の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含む、第1の光源アレイと
を備える、システム。
【請求項52】
前記第1のアレイの前記第1のピーク波長が、約315nm~約335nmであり、
必要に応じて、前記第1のピーク波長が、約320nm~約330nmであり、
必要に応じて、前記第1のピーク波長が、325±5nmである
請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記第1のアレイの前記第1のピーク波長が、約330nm~約350nmであり、
必要に応じて、前記第1のピーク波長が、約340nm~約350nmであり、
必要に応じて、前記第1のピーク波長が、345±5nmである
請求項51に記載のシステム。
【請求項54】
前記第1のアレイの前記第1のピーク波長が、前記第1の光源チャネルの前記1つまたは複数の光源の平均のピーク波長である、請求項51から53のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1の光源チャネルの前記1つまたは複数の光源が、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含む、請求項51から54のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項56】
前記第1の光源アレイが、前記第1のアレイの第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルをさらに含み、前記第2の光源チャネルが1つまたは複数の第2の光源のセットを含み、前記1つまたは複数の第2の光源のそれぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出し、前記第1のアレイの前記第2のピーク波長が、前記第1のアレイの前記第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、請求項51から55のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項57】
前記第1のアレイの前記第2のピーク波長が、紫外線A、紫外線B、または紫外線Cスペクトルにある、および/または前記第1のアレイの前記第2のピーク波長が、約315nm~約350nmである、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記第2の光源チャネルが、1つまたは複数のLEDを含む、請求項56または請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記第1の光源アレイの光源が、不均一な分布で前記アレイに配置される、請求項51から58のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項60】
処理中に前記生物学的流体を撹拌するように構成される、請求項51から59のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項61】
前記第1の光源アレイが、2つまたはそれを上回る光源パネルを含む、請求項51から60のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項62】
前記第1のアレイが、前記第1のアレイの光源が、前記第1のアレイに面する前記生物学的流体の表面全体で25%を下回る照度の変動性で、前記処理チャンバー内の前記生物学的流体に照射するように構成される、請求項51から61のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項63】
前記処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、前記第1のプラットフォームが、前記生物学的流体を保持するように構成される、請求項51から62のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項64】
前記第1のプラットフォームおよび前記第1の光源アレイが、前記第1の光源アレイと前記第1のプラットフォームとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記第1のプラットフォームが、前記処理チャンバーの中および外への前記生物学的流体の導入および取り出しのために、摺動可能に移動可能である、請求項63または請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記第1のプラットフォームが、少なくとも、前記生物学的流体を第1の容器の生物学的流体として有する第1の容器および第2の容器の生物学的流体を有する第2の容器を、別個に保持するように構成される、請求項63から65のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項67】
前記1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、前記第1のプラットフォームに固定または配置されている、請求項63から66のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項68】
前記処理チャンバーにおいて前記第1の光源アレイと前記生物学的流体との間に配置されるバリアをさらに備える、請求項51から67のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項69】
前記処理チャンバーにおいて前記第1の光源アレイと前記生物学的流体との間に配置される前記バリアが、前記第1のアレイの前記第1のピーク波長の30nm以内の波長を有する光に対して透明である、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、前記処理チャンバーにおいて前記第1の光源アレイと前記生物学的流体との間に配置される前記バリアに固定または配置されている、請求項68または請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記第1のアレイが、前記処理チャンバー内の第1の照射される生物学的流体として前記生物学的流体に照射するように構成される第1の光源領域と、前記処理チャンバー内の第2の照射される生物学的流体に照射するように構成される第2の光源領域とを含む、請求項51から70のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項72】
制御回路をさらに備える、請求項51から71のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項73】
前記制御回路が、前記第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度または持続時間を調整または設定するように構成される、請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
前記制御回路が、光を検出するように構成される前記1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の前記強度または前記期間を調整または設定するように構成される、請求項73に記載のシステム。
【請求項75】
前記処理チャンバー内の生物学的流体の存在を検出するように構成される、1つまたは複数のセンサーをさらに備える、請求項51から74のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項76】
前記第1の光源アレイとは逆の方向に面する第2の光源アレイをさらに含み、前記第2の光源アレイが、前記第2のアレイの第1のピーク波長の光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、前記第2のアレイの前記第1の光源チャネルが1つまたは複数の第2の光源のセットを含み、前記1つまたは複数の第2の光源のそれぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、請求項51から75のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項77】
前記第2のアレイの前記第1のピーク波長が、前記第1のアレイの前記第1のピーク波長と実質的に同じである、請求項76に記載のシステム。
【請求項78】
前記第2の光源アレイが、前記第2のアレイの第2のピーク波長の光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含み、前記第2のアレイの前記第2の光源チャネルが1つまたは複数の第2の光源のセットを含み、前記1つまたは複数の第2の光源のそれぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出、前記第2のアレイの前記第2のピーク波長が、前記第2のアレイの前記第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、請求項76に記載のシステム。
【請求項79】
前記第1の光源アレイおよび前記第2の光源アレイが、前記第1の光源アレイと前記第2の光源アレイとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される、請求項76から78のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項80】
前記第1の光源アレイと同じ方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、前記第2の光源アレイが、前記第2のアレイの第1のピーク波長の光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、前記第1の光源アレイおよび前記第2の光源アレイが、前記第1の光源アレイと前記第2の光源アレイとの間の第1の領域を規定し、前記第2のアレイの第1の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含む、請求項51から75のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項81】
前記処理チャンバーにおいて前記第1の光源アレイと前記第2の光源アレイとの間に配置される第1のプラットフォームをさらに備え、前記第1のプラットフォームが、前記生物学的流体を保持するように構成される、請求項76から80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項82】
前記処理チャンバーにおいて前記第1の領域内に配置される第1のプラットフォームであって、前記生物学的流体を、第1の保持される生物学的流体として保持するように構成される、第1のプラットフォームと、
前記処理チャンバーにおいて前記第1の領域外に配置される第2のプラットフォームであって、第2の保持される生物学的流体を保持するように構成され、前記第2の光源アレイが、前記第2のプラットフォームに面する、第2のプラットフォームと
をさらに備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項83】
前記1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、前記第2のプラットフォームに固定または配置されている、請求項82に記載のシステム。
【請求項84】
前記処理チャンバーにおいて前記第2の光源アレイと生物学的流体との間に配置されるバリアをさらに備える、請求項76から83に記載のシステム。
【請求項85】
前記処理チャンバーにおいて前記第2の光源アレイと生物学的流体との間に配置される前記バリアが、前記第1のアレイの前記第1のピーク波長の30nm以内の波長を有する光に対して透明である、請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
前記1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、前記処理チャンバーにおいて前記第2の光源アレイと生物学的流体との間に配置される前記バリアに固定または配置されている、請求項84または請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記第2の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度または持続時間を調整または設定するように構成される、制御回路をさらに備える、請求項76から86のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項88】
前記制御回路が、光を検出するように構成される前記1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の前記強度または前記期間を調整または設定するように構成される、および/または
前記制御回路が、メモリー、1つまたは複数のプロセッサー、および1つまたは複数のプログラムを含み、前記1つまたは複数のプログラムは、前記メモリー中に記憶され、前記1つまたは複数のプロセッサーによって実行されるように構成されており、前記1つまたは複数のプログラムは、前記1つまたは複数のプロセッサーによって実行されたとき、前記プロセッサーに、存在する場合に前記生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間および強度で光を伝達するように前記第1の光源アレイを制御することにより病原体不活性化化合物と混合された前記生物学的流体を照射させる、
請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
前記制御回路が、
a)前記生物学的流体の特徴セットを判定し、
b)前記生物学的流体の前記特徴セットに基づいて、処理プロファイルを判定し、
c)前記処理プロファイルに従って、前記処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定し、
d)前記処理プロファイルに従って、前記生物学的流体に照射する
ように構成される、請求項72から74、87、および88のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項90】
光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体に、存在する場合に前記生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成され
必要に応じて、前記システムは、1秒間~2時間の期間にわたって前記生物学的流体を照射するように構成されている、および/または
前記システムは、1~1000mW/cm の強度で前記生物学的流体を照射するように構成されている、および/または
前記システムは、約0.5J/cm ~約50J/cm の前記生物学的流体に照射する紫外線光の全線量を提供するように構成されており、
必要に応じて、約0.5J/cm ~約50J/cm の前記生物学的流体に照射する紫外線光の全線量は、前記1つまたは複数の第1の光源のセットから放出される、
る、請求項51から89のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項91】
前記システムが、光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体に、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成され、照射後の前記生物学的流体が、残留光活性病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である、および/または
処理が、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、照射後の前記生物学的流体が、残留病原体不活性化化合物またはその光産物を除去する化合物除去ステップに前記生物学的流体を供することなく、対象への注入に好適である、
請求項51から89のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項92】
前記システムが、光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体に、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成され、前記生物学的流体が、照射後に、5μMまたはそれを下回る光活性病原体不活性化化合物を含む、請求項51から89のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項93】
光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体に、前記生物学的流体と混合した前記光活性病原体不活性化化合物の濃度を、照射前の前記生物学的流体と混合した光活性病原体不活性化化合物の濃度の高くとも1/3に低減させるのに十分な期間および強度で、照射するように構成される、請求項51から89のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項94】
光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体に、存在する場合に少なくとも4対数の前記生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成される、請求項51から89のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項95】
前記生物学的流体が、血液製剤を含む、請求項51から94のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項96】
前記生物学的流体が、血漿組成物を含む、請求項51から95のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項97】
前記生物学的流体が、血小板組成物を含む、請求項51から95のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項98】
前記生物学的流体が、血小板添加剤溶液を含む、請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
前記光活性病原体不活性化化合物が、ソラレンである、請求項51から98のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項100】
前記光活性病原体不活性化化合物が、アモトサレンである、請求項99に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2017年12月29日に出願された米国仮特許出願第62/612,314号の優先権に基づく主張し、その開示は、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
本開示は、概して、生物学的流体と光化学物質との混合物を含む、生物学的流体を、光で処理するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生物学的流体を光で処理するためのシステムおよび方法は、周知である。例えば、米国特許第7,459,695号、同第6,986,867号、および同第5,593,823号は、生物学的流体を光で処理して、生物学的流体中の病原体を不活性化するためのシステムについて記載している。具体的には、このシステムは、生物学的流体を処理チャンバーに導入するためのドロワーを有する処理チャンバーと、生物学的流体に照射するための処理チャンバー内の光源とを備える。光源は、生物学的流体中の病原体を、特に、病原体の光化学的不活性化によって、不活性化するのに有効な選択された波長範囲内の光を放出する。生物学的流体を光で処理するための他のシステムおよび方法としては、例えば、米国特許第6,843,961号、同第7,829,867号、同第9,320,817号、および同第8,778,263号、ならびにSchlenke, 2014, Transfus. Med. Hemother. 41:309-325に記載されているシステムおよび方法を挙げることができる。
【0004】
たとえば、血小板および血漿を含む、血液製剤など、生物学的流体を光で処理するためのシステムおよび方法については、血液製剤を受容する個体が感染する危険性を最小限にするために、血液製剤が確実に病原体を含まないようにすることが、重要である。血液中の病原体の存在に関する試験は、試験する病原体およびアッセイの感度によって制限される。病原体の試験の代替法または補助として、様々な化合物(たとえば、化学物質、光化学物質)に基づく不活性化方法(たとえば、Schlenke et al., Transfus Med Hemother, 2014, 41, 309-325およびProwse, Vox Sanguinis, 2013, 104, 183-199に開示されるようなもの)を使用して、病原体を不活性化するための方法が、当該技術分野において公知である。血液製剤を処理するためのソラレンおよび紫外線光に基づく光化学的病原体不活性化システムとしては、市販入手可能なINTERCEPT(登録商標)Blood System(Cerus Corporation)が挙げられ、これは、アモトサレンおよび紫外線A光での照射を利用し、続いて、化合物吸着デバイス(CAD)でのプロセシングにより、残留アモトサレンおよびその光産物を除去する。
生物学的流体を処理するためのこれまでのシステムおよび方法は、一般に、申し分なく行われていたが、たとえば、光化学処理後の病原体不活性化化合物のレベル(たとえば、光変換)を低減させ、同時に、病原体の不活性化を維持もしくは改善するなど、生物学的流体を、より効率的に処理する、ならびに/またはたとえば、処理プロセスの様々なパラメーターによって引き起こされ得る生物学的流体に対する損傷を最小限に抑えることなどによって、処理された生物学的流体の特徴(たとえば、品質)の改善を提供する、生物学的流体を処理するための改善されたシステムおよび方法を開発することが望ましい。加えて、処理プロセスの様々なパラメーターのモニタリングの改善およびより良好な制御が、所望され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第7,459,695号明細書
【文献】米国特許第6,986,867号明細書
【文献】米国特許第5,593,823号明細書
【文献】米国特許第6,843,961号明細書
【文献】米国特許第7,829,867号明細書
【文献】米国特許第9,320,817号明細書
【文献】米国特許第8,778,263号明細書
【非特許文献】
【0006】
【文献】Schlenke, 2014, Transfus. Med. Hemother. 41:309-325
【文献】Schlenke et al., Transfus Med Hemother, 2014, 41, 309-325
【文献】Prowse, Vox Sanguinis, 2013, 104, 183-199
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
簡単な要旨
生物学的流体を光で処理するためのシステムおよび方法が、提供される。1つの例示的な実施形態では、処理システムは、生物学的流体を受容するための処理チャンバーと、処理チャンバー内の光を検出するように構成される1つまたは複数の光センサーとを備え得る。第1の光源アレイは、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように配置され得る。第1の光源アレイは、生物学的流体に選択されたピーク波長の光を照射する、1つまたは複数の光源チャネルを含み得る。たとえば、第1の光源チャネルは、第1のピーク波長の光を放出し得、第2の光源チャネルは、第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる第2のピーク波長の光を放出し得る。他の例では、1つまたは複数の光源チャネルは、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)放出バンド幅を有する第1のピーク波長の光を放出し得る。
生物学的流体を処理するためのシステムであって、生物学的流体(たとえば、容器内の生物学的流体)を受容するための処理チャンバーと、処理チャンバー内の光(たとえば、光強度)を検出(たとえば、測定)するように構成される1つまたは複数のセンサーと、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように配置される(たとえば、生物学的流体に面して配置される)第1の光源アレイとを備え、第1の光源アレイが、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含み、第2のピーク波長が、第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、システムが、本明細書において提供される。
【0008】
一部の実施形態では、第1の光源アレイは、複数の光源クラスターを含み、ここで、第1の光源アレイのそれぞれの光源クラスターは、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含む。一部の実施形態では、第1の光源チャネルおよび/または第2の光源チャネルは、紫外線光を放出するように構成される。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)にある。一部の実施形態では、第1の光源チャネルは、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、約315nm~約335nmである。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、約330nm~約350nmである。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)にあり、第2のピーク波長は、紫外線Cスペクトル(たとえば、100~280nm、200~280nm、240~280nm)にある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)にあり、第2のピーク波長は、紫外線Bスペクトル(たとえば、280~315nm)にある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)にあり、第2のピーク波長は、紫外線Aスペクトルにある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Aスペクトルにあり、第2のピーク波長は、可視光スペクトル(たとえば、400~800nm)にある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Bスペクトルにあり、第2のピーク波長は、紫外線Cスペクトルにある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Bスペクトルにあり、第2のピーク波長は、可視光スペクトルにある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Cスペクトルにあり、第2のピーク波長は、可視光スペクトルにある。一部の実施形態では、第1の光源チャネルおよび第2の光源チャネルは、1つまたは複数の(たとえば、複数の)発光ダイオード(LED)を含む。一部の実施形態では、第1の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%の光強度は、第1のピーク波長から20ナノメートル未満(たとえば、第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い、第1のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)のスペクトル幅以内にある。一部の実施形態では、第1の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトル幅(たとえば、バンド幅)(たとえば、最大ピーク強度のスペクトルバンド幅)は、第1のピーク波長の20ナノメートル以内(たとえば、第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第1のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)である。一部の実施形態では、第1のアレイは、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように配置される処理チャンバーの唯一/単一の光源を含む。一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォーム(たとえば、トレイ、ウェル、プレート、ステージ)をさらに備え、第1のプラットフォームは、生物学的流体(たとえば、生物学的流体の1つまたは複数の容器)を保持するように構成される。一部の実施形態では、処理チャンバー内の光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーは、第1のプラットフォーム上またはその中に配置される。一部の実施形態では、本システムは、第1の光源アレイに熱的に連結される熱交換器をさらに備える。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、第1の光源アレイの上に配置され、ここで、第1の光源アレイは、第1のプラットフォームに面している。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、第1の光源アレイの下に配置され、ここで、第1の光源アレイは、第1のプラットフォームに面している。
【0009】
一部の実施形態では、第1の光源アレイの光源は、不均一な分布でアレイに配置される。一部の実施形態では、第1のアレイは、第1の光源密度を有する内部領域および第2の光源密度を有する外部領域を含み、ここで、第1の光源密度は、第2の光源密度とは異なる。一部の実施形態では、第1のアレイは、第1のアレイの中心点を含む連続的な内部領域、および内部領域を包囲する連続的な外部領域を含み、ここで、内部領域は、第1のアレイの表面積の50%未満(たとえば、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、10%~50%、20%~40%、10%~20%)を占め、外部領域は、第1のアレイの表面積の残りの割合(たとえば、50%、60%、70%、80%、90%)を占める。一部の実施形態では、第1のアレイは、第1のアレイの中心点を含む連続的な内部領域、および内部領域を包囲する連続的な外部領域を含み、ここで、内部領域は、第1のアレイの表面積の50%よりも多く(たとえば、60%よりも多く、70%よりも多く、80%よりも多く、90%よりも多く、50%~90%、60%~80%)を占め、外部領域は、第1のアレイの表面積の残りの割合(たとえば、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、10%~50%、20%~40%、10%~20%)を占める。一部の実施形態では、外部領域は、第1のアレイの外縁部を含む第1の領域を含み、第1の領域には光源は配置されない。一部の実施形態では、外部領域に配置される第1の光源密度は、内部領域に配置される第2の光源密度を上回る。一部の実施形態では、外部領域に配置される第1の光源密度は、内部領域に配置される第2の光源密度を下回る。一部の実施形態では、第1のアレイは、アレイの外部の50%の表面積において、アレイの中心点付近の光源密度(たとえば、内部の10%、20%の表面積)と比較して、高い密度で配置される光源を有するように構成される。一部の実施形態では、第1のアレイは、処理チャンバー内の第1の生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する第1の容器)に照射するように構成される第1の光源領域と、処理チャンバー内の第2の生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する第2の容器)に照射するように構成される第2の光源領域とを含む。一部の実施形態では、第1のアレイの第1の領域に配置される第1の光源密度および第1のアレイの第2の領域に配置される第2の光源密度は、それぞれ、第1のアレイの第1の領域および第2の領域の外部に配置される光源密度を上回る。一部の実施形態では、第1のアレイは、処理チャンバー内の第1の生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する第1の容器)に照射するように構成される第1の光源領域と、処理チャンバー内の第2の生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する第2の容器)に照射するように構成される第2の光源領域とを含む。一部の実施形態では、アレイの第1の領域に配置される第1の光源密度およびアレイの第2の領域に配置される第2の光源密度は、それぞれ、アレイの第1の領域および第2の領域の外部の光源密度を上回る。一部の実施形態では、第1のアレイは、光源が、第1のアレイに面する生物学的流体(たとえば、流体容器、流体容器インターセプト面(intercept plane))の表面全体で25%を下回る照度の変動性で、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように、構成される。一部の実施形態では、第1のアレイは、光源が、生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する容器)のインターセプト面全体の積分照度(表面積に対して平均したもの)から25%を下回る変動性で、処理チャンバー内の生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する容器)上の任意の5cmの範囲に照射するように、構成される。
【0010】
一部の実施形態では、第1の光源アレイは、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルをさらに含む。(たとえば、ここで、第1、第2、および第3のピーク波長のそれぞれは、互いに少なくとも5ナノメートル異なる)。一部の実施形態では、複数の光源クラスター内のそれぞれの光源クラスターは、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルをさらに含む。一部の実施形態では、複数の光源クラスターのそれぞれの光源クラスターは、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第4のピーク波長の光を放出するように構成される第4の光源チャネルをさらに含む。一部の実施形態では、第1の光源アレイは、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第4のピーク波長の光を放出するように構成される第4の光源チャネルをさらに含む。一部の実施形態では、第1、第2、第3、および第4のピーク波長のそれぞれは、互いに少なくとも5ナノメートル異なる。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、第3のピーク波長に等しく、第2のピーク波長は、第4のピーク波長に等しい。一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間に配置されるバリア(たとえば、光バリア、保護バリア)をさらに備える。一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと生物学的流体(たとえば、容器内の生物学的流体)との間に配置されるバリア(たとえば、光バリア、保護バリア)をさらに備える。一部の実施形態では、バリアは、UVAスペクトルにある光の波長を下回る波長を有する光の透過を低減する(たとえば、最小限にする、減弱させる、遮断する)ように構成される、光バリア(たとえば、光フィルター)である。一部の実施形態では、バリアは、UVBスペクトルにある光の波長を下回る波長を有する光の透過を低減するように構成される、光バリアである。一部の実施形態では、バリアは、第1のピーク波長を少なくとも20nm下回る(たとえば、少なくとも25nm下回る、少なくとも30nm下回る)波長および/または別のピーク波長(たとえば、第2、第3、もしくは第4のピーク波長を少なくとも20nm下回る)を有する光の透過を低減する(たとえば、最小限にする、減弱させる、遮断する)ように構成される、光バリア(たとえば、光フィルター)である。一部の実施形態では、バリアは、第1のピーク波長を少なくとも20nm上回る(たとえば、少なくとも25nm上回る、少なくとも30nm上回る)波長および/または別のピーク波長(たとえば、第2、第3、もしくは第4のピーク波長を少なくとも20nm上回る)を有する光の透過を低減するように構成される、光バリア(たとえば、光フィルター)である。一部の実施形態では、バリアは、第1のピーク波長の30nm以内(たとえば、第1のピーク波長よりも下15ナノメートル以内、上15ナノメートル以内;第1のピーク波長よりも15ナノメートルを上回らずに高い、15ナノメートルを上回らずに低い)の波長を有する光に対して透明である。一部の実施形態では、処理チャンバー内の光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーは、バリア上またはその中に配置される。一部の実施形態では、第1のプラットフォームおよび第1の光源アレイは、第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される。
【0011】
一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、第1のコンパートメント、および第1のコンパートメントとは分離した第2のコンパートメントを含む。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、少なくとも、第1の生物学的流体を有する第1の容器および第2の生物学的流体を有する第2の容器を別個に保持するように構成される。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、第1のピーク波長および/または別のピーク波長(たとえば、第2、第3、もしくは第4のピーク波長)の100nm(たとえば、75nm、50nm、40nm、30nm、20nm)以内の波長を有する光に対して透明である。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、紫外線光に対して透明である。(たとえば、UV-A、UV-B、および/またはUV-C)。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する容器)のチャンバーへの導入およびチャンバーからの取り出しのために摺動可能に移動可能である(たとえば、ドロワー構成にある)。一部の実施形態では、処理チャンバーの複数の内部表面のうちの1つまたは複数の内部表面は、光を吸収するように構成される。一部の実施形態では、処理チャンバーの複数の内部表面のそれぞれの内部表面は、光を吸収するように構成される。一部の実施形態では、処理チャンバーの複数の内部表面のうちの1つまたは複数の内部表面は、光を反射するように構成される。一部の実施形態では、処理チャンバーの複数の内部表面のそれぞれの内部表面は、光を反射するように構成される。
【0012】
一部の実施形態では、本システム(たとえば、第1のプラットフォーム)は、処理中に生物学的流体を撹拌するように構成される。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、処理中に生物学的流体を撹拌するために動く(たとえば、軌道、往復、制御可能に動く、指定の速度で動く)ように構成される。
【0013】
一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバー内に配置される1つもしくは複数の熱センサー、および/または処理チャンバー内に配置される1つもしくは複数の空気流センサーをさらに備える。一部の実施形態では、1つまたは複数のセンサーは、第1の光源アレイに配置される。一部の実施形態では、本システムは、チャンバー内の(たとえば、プラットフォームと接触している/その上にある)生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する容器)の存在および/または種類を検出するための1つまたは複数のセンサーをさらに備える。
【0014】
一部の実施形態では、第1の光源アレイの光源は、直列で接続されている。一部の実施形態では、第1の光源アレイの光源は、並列で接続されている。一部の実施形態では、第1の光源アレイの第1の光源セットは、並列で接続されており、第1の光源アレイの第2の光源セットは、直列で接続されている。一部の実施形態では、第1の光源アレイの光源は、並列および直列の回路の組合せで接続されている。
【0015】
一部の実施形態では、システムは、第1の光源アレイとは対向する方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、第2の光源アレイの各光源が、第1のピーク波長を有する光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第4の光源チャネルを含む。一部の実施形態では、第1の光源アレイおよび第2の光源アレイが、第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される。一部の実施形態では、システムは、処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間に配置される第1のプラットフォームをさらに備え、第1のプラットフォームが、生物学的流体(例えば、生物学的流体を含む容器)を保持するように構成される。一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバーにおいて第2光源アレイと第1のプラットフォームとの間に配置されるバリアをさらに備える。
【0016】
一部の実施形態では、システムは、第1の光源アレイと同じ方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、第2の光源アレイの各光源が、第1のピーク波長を有する光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第4の光源チャネルを含み、第1の光源アレイおよび第2の光源アレイが、第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間の第1の領域を規定する。一部の実施形態では、システムは、処理チャンバーにおいて、第1の領域内に配置される第1のプラットフォームであって、第1の生物学的流体を保持するように構成される、第1のプラットフォームと、処理チャンバーにおいて、第1の領域外に配置される第2のプラットフォームであって、第2の生物学的流体を保持するように構成され、第2の光源アレイが、第2のプラットフォームに面する、第2のプラットフォームとをさらに備える。一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバーにおいて第1の領域の外部、かつ第2の光源アレイと第2のプラットフォームとの間に配置されるバリアをさらに備える。一部の実施形態では、第1のアレイは、処理チャンバーの第1の領域内の生物学的流体に照射するように配置される処理チャンバーの唯一の光源を含む。一部の実施形態では、第1の光源アレイの第1の光源セットは、第1のパネルに設置され、ここで、第1の光源アレイの第2の光源セットは、第1のパネルに隣接して配置される第2のパネルに設置される。一部の実施形態では、第2の光源アレイの第1の光源セットは、第1のパネルに設置され、ここで、第2の光源アレイの第2の光源セットは、第1のパネルに隣接して配置される第2のパネルに設置される。一部の実施形態では、第1のパネルおよび第2のパネルは、第1のパネルと第2のパネルとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される。一部の実施形態では、第1の光源セットは、直列で接続されており、ここで、第2の光源セットは、直列で接続されており、第1のパネルおよび第2のパネルは、並列で接続されている。
【0017】
一部の実施形態では、本システムは、制御回路(たとえば、1つまたは複数のアレイに作動可能に連結された、処理チャンバーに作動可能に(無線または有線で)連結された、制御回路)をさらに備える。一部の実施形態では、制御回路は、それぞれの第1の光源チャネルによって放出される光の第1のピーク波長を調整または設定し、それぞれの第2の光源チャネルによって放出される光の第2のピーク波長を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、第1の光源アレイのそれぞれの光源の強度を(たとえば、それぞれの光源を独立して)調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、それぞれの第1の光源チャネルによって放出される光の第1の強度を調整または設定し、それぞれの第2の光源チャネルによって放出される光の第2の強度を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の期間(たとえば、それぞれの光源を独立して)を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、それぞれの第1の光源チャネルからの光の放出の第1の期間を調整または設定し、それぞれの第2の光源チャネルからの光の放出の第2の期間を調整または設定するように構成される。
【0018】
一部の実施形態では、制御回路は、少なくとも1つのセンサー(たとえば、光センサー、空気流センサー、熱センサー、生物学的流体またはその特性の存在を検出するためのセンサー、光化学的化合物を検出するためのセンサー、生物学的流体の流体深度を検出するように配置されるセンサー)によって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、光の第1のピーク波長および光の第2のピーク波長を調整または設定する。一部の実施形態では、制御回路は、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、光の第1のピーク波長および光の第2のピーク波長を調整または設定する。一部の実施形態では、制御回路は、少なくとも1つのセンサー(たとえば、光センサー、空気流センサー、熱センサー、生物学的流体またはその特性の存在を検出するためのセンサー、光化学的化合物を検出するためのセンサー、生物学的流体の流体深度を検出するように配置されるセンサー)によって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の期間を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の期間を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、少なくとも1つのセンサー(たとえば、光センサー、空気流センサー、熱センサー、生物学的流体またはその特性の存在を検出するためのセンサー、光化学的化合物を検出するためのセンサー、生物学的流体の流体深度を検出するように配置されるセンサー)によって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度を調整または設定するように構成される。
【0019】
一部の実施形態では、本システムは、生物学的流体の第1の部分の第1の深度を検出するように構成される、深度センサーをさらに備え、生物学的流体は、処理チャンバー内に配置される。一部の実施形態では、制御回路は、生物学的流体の深度に基づいて、生物学的流体に面する第1の光源チャネルによって放出される光の強度を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、生物学的流体の深度に基づいて、生物学的流体に面する第2の光源チャネルによって放出される光の強度を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、生物学的流体の第1の部分の深度に基づいて、生物学的流体の第1の部分に面するそれぞれの第1の光源チャネルによって放出される光の第1の強度を調整または設定し、生物学的流体の第2の部分の深度に基づいて、生物学的流体の第2の部分に面するそれぞれの第2の光源チャネルによって放出される光の第2の強度を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバー内に配置される1つまたは複数の深度センサーであって、生物学的流体の第1の部分の深度および生物学的流体の第2の部分の深度を検出するように構成される、1つまたは複数の深度センサーをさらに備える。
【0020】
一部の実施形態では、本システムは、生物学的流体を受容および処理するための処理チャンバー(たとえば、処理容器)の内部に配置される第1の容器をさらに備え、ここで、第1の容器は、生物学的流体の供給容器に接合するように適合され、第1の容器は、第1の容器から生物学的流体を受容するための第2の容器に接合するように適合される。
【0021】
生物学的流体を処理するためのシステムであって、生物学的流体(たとえば、容器内の生物学的流体)を受容するための処理チャンバーと、処理チャンバー内の光(たとえば、光強度)を検出(たとえば、測定)するように構成される1つまたは複数のセンサーと、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように配置される(たとえば、生物学的流体に面して配置される)第1の光源アレイとを備え、第1の光源アレイのそれぞれの光源が、紫外線A、紫外線B、および/または紫外線Cスペクトル(たとえば、315~400ナノメートル)にある第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、第1の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅(たとえば、最大ピーク強度のスペクトルバンド幅)が、20ナノメートル未満である(たとえば、第1のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内;第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い)、システムが、本明細書においてさらに提供される。
【0022】
一部の実施形態では、第1の光源アレイのそれぞれの光源は、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含む。一部の実施形態では、第1の光源アレイのそれぞれの光源は、約315nm~約335nm(たとえば、約320nm~約330nm、または約325nm)の第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含む。一部の実施形態では、第1の光源アレイのそれぞれの光源は、約330nm~約350nm(たとえば、約335nm~約345nm、または約340nm)の第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含む。一部の実施形態では、第1の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%は、第1のピーク波長の10ナノメートル以内である。一部の実施形態では、第1の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%の光強度は、20ナノメートル未満(たとえば、第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第1のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)のスペクトル幅内にある(たとえば、それを規定する)。一部の実施形態では、第1の光源アレイは、第2のピーク波長を有する光(たとえば、紫外線光)を放出するように構成される第2の光源チャネルをさらに含む。一部の実施形態では、第2のピーク波長は、第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる。一部の実施形態では、第2のピーク波長は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)、紫外線Bスペクトル(たとえば、280~315nm)、紫外線Cスペクトル(たとえば、100~280nm、200~280nm、240~280nm)、または可視光スペクトル(たとえば、400~800nm)にある。一部の実施形態では、第2の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%は、第2のピーク波長の10ナノメートル以内(たとえば、第2のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第2のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)である。一部の実施形態では、第2の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅(たとえば、最大ピーク強度のスペクトルバンド幅)は、20ナノメートル未満である(たとえば、第2のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第2のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)。一部の実施形態では、第1の光源アレイは、複数の光源クラスターを含み、ここで、第1の光源アレイのそれぞれの光源クラスターは、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光(たとえば、紫外線光)を放出するように構成される第2の光源チャネルを含む。一部の実施形態では、第1の光源チャネルは、1つまたは複数の(たとえば、複数の)LEDを含む。一部の実施形態では、第2の光源チャネルは、1つまたは複数の(たとえば、複数の)LEDを含む。
【0023】
一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォーム(たとえば、トレイ、ウェル、プレート、ステージ)をさらに備え、第1のプラットフォームは、生物学的流体(たとえば、生物学的流体の1つまたは複数の容器)を保持するように構成される。一部の実施形態では、本システムは、第1の光源アレイに熱的に連結される熱交換器をさらに備える。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、第1の光源アレイの上に配置され、ここで、第1の光源アレイは、第1のプラットフォームに面している。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、第1の光源アレイの下に配置され、ここで、第1の光源アレイは、第1のプラットフォームに面している。
【0024】
一部の実施形態では、処理チャンバー内の光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーは、第1のプラットフォーム上またはその中に配置される。一部の実施形態では、第1の光源アレイの光源は、不均一な分布でアレイに配置される。一部の実施形態では、第1のアレイは、第1の光源密度を有する内部領域および第2の光源密度を有する外部領域を含み、ここで、第1の光源密度は、第2の光源密度とは異なる。一部の実施形態では、第1のアレイは、第1のアレイの中心点を含む連続的な内部領域、および内部領域を包囲する連続的な外部領域を含み、ここで、内部領域は、第1のアレイの表面積の50%未満(たとえば、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、10%~50%、20%~40%、10%~20%)を占め、外部領域は、第1のアレイの表面積の残りの割合(たとえば、50%、60%、70%、80%、90%)を占める。一部の実施形態では、第1のアレイは、第1のアレイの中心点を含む連続的な内部領域、および内部領域を包囲する連続的な外部領域を含み、ここで、内部領域は、第1のアレイの表面積の50%よりも多く(たとえば、60%よりも多く、70%よりも多く、80%よりも多く、90%よりも多く、50%~90%、60%~80%)を占め、外部領域は、第1のアレイの表面積の残りの割合(たとえば、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、10%~50%、20%~40%、10%~20%)を占める。一部の実施形態では、外部領域に配置される第1の光源密度は、内部領域に配置される第2の光源密度を上回る。一部の実施形態では、外部領域に配置される第1の光源密度は、内部領域に配置される第2の光源密度を下回る。一部の実施形態では、外部領域は、第1のアレイの外縁部を含む第1の領域を含み、第1の領域には光源は配置されない。一部の実施形態では、第1のアレイは、処理チャンバー内の第1の生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する第1の容器)に照射するように構成される第1の光源領域と、処理チャンバー内の第2の生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する第2の容器)に照射するように構成される第2の光源領域とを含む。一部の実施形態では、第1のアレイの第1の領域に配置される第1の光源密度および第1のアレイの第2の領域に配置される第2の光源密度は、それぞれ、第1のアレイの第1の領域および第2の領域の外部に配置される光源密度を上回る。一部の実施形態では、第1のアレイは、光源が、第1のアレイに面する生物学的流体(たとえば、流体容器、流体容器インターセプト面(intercept plane))の表面全体で25%を下回る照度の変動性で、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように、構成される。一部の実施形態では、第1のアレイは、光源が、生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する容器)のインターセプト面全体の積分または平均照度から25%を下回る変動性で、処理チャンバー内の生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する容器)上の任意の5cmの範囲に照射するように、構成される。
【0025】
一部の実施形態では、第1の光源アレイは、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルをさらに含む。(たとえば、ここで、第1、第2、および第3のピーク波長のそれぞれは、互いに少なくとも5ナノメートル異なる)。一部の実施形態では、複数の光源クラスター内のそれぞれの光源クラスターは、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルをさらに含む。
【0026】
一部の実施形態では、複数の光源クラスターのそれぞれの光源クラスターは、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第4のピーク波長の光を放出するように構成される第4の光源チャネルをさらに含む。一部の実施形態では、第1の光源アレイは、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第4のピーク波長の光を放出するように構成される第4の光源チャネルをさらに含む。一部の実施形態では、第1、第2、第3、および第4のピーク波長のそれぞれは、互いに少なくとも5ナノメートル異なる。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、第3のピーク波長に等しく、第2のピーク波長は、第4のピーク波長に等しい。
【0027】
一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間に配置されるバリア(たとえば、光バリア、保護バリア)をさらに備える。一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと生物学的流体(たとえば、容器内の生物学的流体)との間に配置されるバリア(たとえば、光バリア、保護バリア)をさらに備える。一部の実施形態では、バリアは、UVAスペクトルにある光の波長を下回る波長を有する光の透過を低減する(たとえば、最小限にする、減弱させる、遮断する)ように構成される、光バリア(たとえば、光フィルター)である。一部の実施形態では、バリアは、UVBスペクトルにある光の波長を下回る波長を有する光の透過を低減するように構成される、光バリアである。一部の実施形態では、バリアは、第1のピーク波長を少なくとも20nm下回る(たとえば、少なくとも25nm下回る、少なくとも30nm下回る)波長および/または別のピーク波長(たとえば、第2、第3、もしくは第4のピーク波長を少なくとも20nm下回る)を有する光の透過を低減する(たとえば、最小限にする、減弱させる、遮断する)ように構成される、光バリア(たとえば、光フィルター)である。一部の実施形態では、バリアは、第1のピーク波長を少なくとも20nm上回る(たとえば、少なくとも25nm上回る、少なくとも30nm上回る)波長および/または別のピーク波長(たとえば、第2、第3、もしくは第4のピーク波長を少なくとも20nm上回る)を有する光の透過を低減するように構成される、光バリア(たとえば、光フィルター)である。一部の実施形態では、バリアは、第1のピーク波長の30nm以内(たとえば、第1のピーク波長よりも下15ナノメートル以内、上15ナノメートル以内;第1のピーク波長よりも15ナノメートルを上回らずに高い、15ナノメートルを上回らずに低い)の波長を有する光に対して透明である。一部の実施形態では、処理チャンバー内の光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーは、バリア上またはその中に配置される。一部の実施形態では、第1のプラットフォームおよび第1の光源アレイは、第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される。
【0028】
一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、第1のコンパートメント、および第1のコンパートメントとは分離した第2のコンパートメントを含む。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、少なくとも、第1の生物学的流体を有する第1の容器および第2の生物学的流体を有する第2の容器を別個に保持するように構成される。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、第1のピーク波長および/または別のピーク波長(第2、第3、もしくは第4のピーク波長)の100nm(たとえば、75nm、50nm、40nm、30nm、20nm)以内の波長を有する光に対して透明である。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、紫外線光に対して透明である。(たとえば、UV-A、UV-B、および/またはUV-C)。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する容器)のチャンバーへの導入およびチャンバーからの取り出しのために摺動可能に移動可能である(たとえば、ドロワー構成にある)。一部の実施形態では、(例えば、処理チャンバーの複数の内部表面のうちの)処理チャンバーの1つまたは複数の内部表面は、光を吸収するように構成される。一部の実施形態では、処理チャンバーの複数の内部表面のそれぞれの内部表面は、光を吸収するように構成される。一部の実施形態では、(例えば、処理チャンバーの複数の内部表面のうちの)処理チャンバーの1つまたは複数の内部表面は、光を反射するように構成される。一部の実施形態では、処理チャンバーの複数の内部表面のそれぞれの内部表面は、光を反射するように構成される。
【0029】
一部の実施形態では、本システム(たとえば、第1のプラットフォーム)は、処理中に生物学的流体を撹拌するように構成される。一部の実施形態では、第1のプラットフォームは、処理中に生物学的流体を撹拌するために動く(たとえば、軌道、往復、制御可能に動く、指定の速度で動く)ように構成される。
【0030】
一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバー内に配置される1つもしくは複数の熱センサー、および/または処理チャンバー内に配置される1つもしくは複数の空気流センサーをさらに備える。一部の実施形態では、1つまたは複数のセンサーは、第1の光源アレイに配置される。一部の実施形態では、本システムは、チャンバー内の(たとえば、プラットフォームと接触している/その上にある)生物学的流体(たとえば、生物学的流体を有する容器)の存在および/または種類を検出するための1つまたは複数のセンサーをさらに備える。
【0031】
一部の実施形態では、第1の光源アレイの光源は、直列で接続されている。一部の実施形態では、第1の光源アレイの光源は、並列で接続されている。一部の実施形態では、第1の光源アレイの第1の光源セットは、並列で接続されており、第1の光源アレイの第2の光源セットは、直列で接続されている。一部の実施形態では、第1の光源アレイの光源は、並列および直列の回路の組合せで接続されている。
【0032】
一部の実施形態では、システムは、第1の光源アレイとは対向する方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、第2の光源アレイの各光源が、第1のピーク波長を有する光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第4の光源チャネルを含む。一部の実施形態では、第1の光源アレイおよび第2の光源アレイが、第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される。一部の実施形態では、システムは、処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間に配置される第1のプラットフォームをさらに備え、第1のプラットフォームが、生物学的流体(例えば、生物学的流体を含む容器)を保持するように構成される。一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバーにおいて第2光源アレイと第1のプラットフォームとの間に配置されるバリアをさらに備える。
【0033】
一部の実施形態では、システムは、第1の光源アレイと同じ方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、第2の光源アレイの各光源が、第1のピーク波長を有する光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第4の光源チャネルを含み、第1の光源アレイおよび第2の光源アレイが、第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間の第1の領域を規定する。一部の実施形態では、システムは、処理チャンバーにおいて、第1の領域内に配置される第1のプラットフォームであって、第1の生物学的流体を保持するように構成される、第1のプラットフォームと、処理チャンバーにおいて、第1の領域外に配置される第2のプラットフォームであって、第2の生物学的流体を保持するように構成され、第2の光源アレイが、第2のプラットフォームに面する、第2のプラットフォームとをさらに備える。一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバーにおいて第1の領域の外部、かつ第2の光源アレイと第2のプラットフォームとの間に配置されるバリアをさらに備える。一部の実施形態では、第1のアレイは、処理チャンバーの第1の領域内の生物学的流体に照射するように配置される処理チャンバーの唯一の光源を含む。一部の実施形態では、第1の光源アレイの第1の光源セットは、第1のパネルに設置され、ここで、第1の光源アレイの第2の光源セットは、第1のパネルに隣接して配置される第2のパネルに設置される。一部の実施形態では、第2の光源アレイの第1の光源セットは、第1のパネルに設置され、ここで、第2の光源アレイの第2の光源セットは、第1のパネルに隣接して配置される第2のパネルに設置される。一部の実施形態では、第1のパネルおよび第2のパネルは、第1のパネルと第2のパネルとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される。一部の実施形態では、第1の光源セットは、直列で接続されており、ここで、第2の光源セットは、直列で接続されており、第1のパネルおよび第2のパネルは、並列で接続されている。
【0034】
一部の実施形態では、本システムは、制御回路(たとえば、1つまたは複数のアレイに作動可能に連結された、処理チャンバーに作動可能に(無線または有線で)連結された、制御回路)をさらに備える。一部の実施形態では、制御回路は、第1の光源アレイのそれぞれの光源(例えば、独立してそれぞれの光源)によって放出される光の第1のピーク波長を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、それぞれの第1の光源チャネルによって放出される光の第1のピーク波長を調整または設定し、それぞれの第2の光源チャネルによって放出される光の第2のピーク波長を調整するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、第1の光源アレイのそれぞれの光源の強度を(たとえば、それぞれの光源を独立して)調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、それぞれの第1の光源チャネルによって放出される光の第1の強度を調整または設定し、それぞれの第2の光源チャネルによって放出される光の第2の強度を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の期間(たとえば、それぞれの光源を独立して)を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、それぞれの第1の光源チャネルからの光の放出の第1の期間を調整または設定し、それぞれの第2の光源チャネルからの光の放出の第2の期間を調整または設定するように構成される。
【0035】
一部の実施形態では、制御回路は、少なくとも1つのセンサー(たとえば、光センサー、空気流センサー、熱センサー、生物学的流体またはその特性の存在を検出するためのセンサー、光化学的化合物を検出するためのセンサー、生物学的流体の流体深度を検出するように配置されるセンサー)によって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の第1のピーク波長を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の第1のピーク波長を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、光の第1のピーク波長および光の第2のピーク波長を調整または設定する。一部の実施形態では、制御回路は、少なくとも1つのセンサー(たとえば、光センサー、空気流センサー、熱センサー、生物学的流体またはその特性の存在を検出するためのセンサー、光化学的化合物を検出するためのセンサー、生物学的流体の流体深度を検出するように配置されるセンサー)によって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の期間を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の期間を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、少なくとも1つのセンサー(たとえば、光センサー、空気流センサー、熱センサー、生物学的流体またはその特性の存在を検出するためのセンサー、光化学的化合物を検出するためのセンサー、生物学的流体の流体深度を検出するように配置されるセンサー)によって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度を調整または設定するように構成される。
【0036】
一部の実施形態では、本システムは、生物学的流体の第1の部分の第1の深度を検出するように構成される、深度センサーをさらに備え、生物学的流体は、処理チャンバー内に配置される。一部の実施形態では、制御回路は、生物学的流体の深度に基づいて、生物学的流体に面する第1の光源チャネルによって放出される光の強度を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、生物学的流体の深度に基づいて、生物学的流体に面する第2の光源チャネルによって放出される光の強度を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路は、生物学的流体の第1の部分の深度に基づいて、生物学的流体の第1の部分に面するそれぞれの第1の光源チャネルによって放出される光の第1の強度を調整または設定し、生物学的流体の第2の部分の深度に基づいて、生物学的流体の第2の部分に面するそれぞれの第2の光源チャネルによって放出される光の第2の強度を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、本システムは、処理チャンバー内に配置される1つまたは複数の深度センサーであって、生物学的流体の第1の部分の深度および生物学的流体の第2の部分の深度を検出するように構成される、1つまたは複数の深度センサーをさらに備える。
【0037】
一部の実施形態では、本システムは、生物学的流体を受容および処理するための処理チャンバー(たとえば、処理容器)の内部に配置される第1の容器をさらに備え、ここで、第1の容器は、生物学的流体の供給容器に接合するように適合され、第1の容器は、第1の容器から生物学的流体を受容するための第2の容器に接合するように適合される。
【0038】
生物学的流体を処理する(たとえば、生物学的流体中の病原体を不活性化する)ための方法であって、病原体不活性化化合物(たとえば、光化学物質)と混合した生物学的流体を提供するステップと、生物学的流体に、第1のピーク波長の紫外線光を照射する(たとえば、曝露する)ステップと、生物学的流体に、第2のピーク波長の光(たとえば、紫外線光)を照射する(たとえば、曝露する)ステップとを含み、第1のピーク波長が、第2のピーク波長とは少なくとも5nm異なり、生物学的流体に照射するステップが、生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で生じる、方法が、本明細書においてさらに提供される。
【0039】
一部の実施形態では、第1のピーク波長の紫外線光は、第1の光源(たとえば、処理チャンバー内の)によって提供され、第2のピーク波長の光は、第2の光源(たとえば、処理チャンバー内の)によって提供される。一部の実施形態では、第1の光源によって放出される光の最大ピーク強度の50%は、第1のピーク波長の10ナノメートル以内(たとえば、第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第1のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)である。一部の実施形態では、第1の光源によって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅(たとえば、最大ピーク強度のスペクトルバンド幅)は、20ナノメートル未満(たとえば、第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第1のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)である。一部の実施形態では、第1のピーク波長の紫外線光は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400ナノメートル)にある。一部の実施形態では、第2のピーク波長の光は、紫外線Bスペクトル(たとえば、280~315nm)、紫外線Cスペクトル(たとえば、100~280nm、200~280nm、240~280nm)、または可視光スペクトル(たとえば、400~800nm)にある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)にあり、第2のピーク波長は、紫外線Cスペクトル(たとえば、100~280nm、200~280nm、240~280nm)にある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)にあり、第2のピーク波長は、紫外線Bスペクトル(たとえば、280~315nm)にある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)にあり、第2のピーク波長は、紫外線Aスペクトルにある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Aスペクトルにあり、第2のピーク波長は、可視光スペクトル(たとえば、400~800nm)にある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Bスペクトルにあり、第2のピーク波長は、紫外線Cスペクトルにある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Bスペクトルにあり、第2のピーク波長は、可視光スペクトルにある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、紫外線Cスペクトルにあり、第2のピーク波長は、可視光スペクトルにある。一部の実施形態では、生物学的流体に第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップ、および生物学的流体に第2のピーク波長の光を照射するステップは、逐次的または同時に生じる。一部の実施形態では、生物学的流体に第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップは、生物学的流体に、第1のピーク波長の紫外線光を第1の期間照射することを含み、ここで、生物学的流体に第2のピーク波長の光を照射するステップは、生物学的流体に、第2のピーク波長の光を第2の期間照射することを含む。一部の実施形態では、第1の期間は、第2の期間とは異なる。一部の実施形態では、第1の期間は、第2の期間に等しい。一部の実施形態では、生物学的流体に第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップは、第1の光源セットによって行われ、生物学的流体に第2のピーク波長の光を照射するステップは、第2の光源セットによって行われ、第1および第2の光源セットは、光源クラスターアレイに設置される。一部の実施形態では、第1の光源および第2の光源は、LEDを含む。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、およびメロシアニン540からなる群から選択される、光活性病原体不活性化化合物である。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレン(たとえば、アモトサレン)である。
【0040】
生物学的流体を処理する(たとえば、生物学的流体中の病原体を不活性化する)ための方法であって、病原体不活性化化合物(たとえば、光化学物質)と混合した生物学的流体を提供するステップと、生物学的流体に、第1の紫外線光源(たとえば、処理チャンバー内の)によって提供される第1のピーク波長の紫外線光を照射する(たとえば、曝露する)ステップとを含み、第1の紫外線光源によって放出される紫外線光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅(たとえば、最大ピーク強度のスペクトルバンド幅)が、20ナノメートル未満であり(たとえば、第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第1のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)、生物学的流体に照射するステップが、生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で生じる、方法が、本明細書においてさらに提供される。
【0041】
一部の実施形態では、第1のピーク波長の紫外線光は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400ナノメートル)にある。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、330ナノメートル~350ナノメートル(たとえば、340nm+5nm)である。一部の実施形態では、第1のピーク波長の紫外線光は、紫外線Bスペクトルにある。(たとえば、280~315ナノメートル)。一部の実施形態では、第1のピーク波長の紫外線光は、紫外線Cスペクトル(たとえば、100~280nm、200~280nm、240~280nm)にある。一部の実施形態では、第1の光源は、LEDを含む。一部の実施形態では、生物学的流体に第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップは、第1の紫外線光源を、生物学的流体に照射する処理チャンバーの唯一の光源として使用して行われる。一部の実施形態では、第1の光源は、処理中に生物学的流体に照射する処理チャンバーの唯一の紫外線光源を含む。一部の実施形態では、生物学的流体は、容器内にあり、ここで、生物学的流体に第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップは、光源アレイに設置された第1の光源セットによって行われ、第1の光源セットは、容器の1つの側面のみに面している。一部の実施形態では、生物学的流体は、容器内にあり、ここで、生物学的流体に第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップは、(たとえば、処理チャンバー内の)光源アレイに設置された第1の光源セットによって行われ、アレイは、処理中に生物学的流体の容器の1つの側面に面して(たとえば、それに照射して)配置される。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、およびメロシアニン540からなる群から選択される、光活性病原体不活性化化合物である。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレン(たとえば、アモトサレン)である。
【0042】
生物学的流体を処理する(たとえば、生物学的流体中の病原体を不活性化する)ための方法であって、病原体不活性化化合物(たとえば、光化学物質)と混合した生物学的流体(たとえば、容器内の生物学的流体)を、処理チャンバーに導入するステップであって、処理チャンバーが、処理チャンバー内の光(たとえば、光強度)を検出(たとえば、測定)するように構成される1つまたは複数の光センサーと、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように構成される第1の光源アレイとを含み、第1の光源アレイのそれぞれの光源が、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルまたは第2のピーク波長を有する光(たとえば、紫外線光)を放出するように構成される第2の光源チャネルに含まれ、第1のピーク波長が、第2のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、ステップと、それぞれの第1の光源チャネルから第1のピーク波長を有する光を放出し、それぞれの第2の光源チャネルから第2のピーク波長を有する光を放出することによって、生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、生物学的流体に照射するステップとを含む、方法が、本明細書においてさらに提供される。
【0043】
一部の実施形態では、本方法は、生物学的流体の特徴セットを判定するステップと、生物学的流体の特徴セットに基づいて、処理プロファイルを判定するステップと、処理プロファイルに従って、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップとをさらに含む。
【0044】
一部の実施形態では、生物学的流体に照射するステップは、処理プロファイルに従って行われる。一部の実施形態では、病原体を不活性化するに十分な期間および強度は、処理プロファイルから判定される。一部の実施形態では、第1の光源アレイは、複数の光源クラスターを含み、ここで、第1の光源アレイのそれぞれの光源クラスターは、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含む。一部の実施形態では、第1の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%は、第1のピーク波長の10ナノメートル以内である(たとえば、第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第1のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)。一部の実施形態では、第1の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅(たとえば、最大ピーク強度のスペクトルバンド幅)は、20ナノメートル未満である(たとえば、第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第1のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)。一部の実施形態では、生物学的流体の特徴セットは、生物学的流体の体積、生物学的流体の種類、または生物学的流体の温度のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップは、第1のピーク波長および第2のピーク波長を判定することを含む。一部の実施形態では、特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップは、第1のピーク波長を有する紫外線光の第1の強度および第2のピーク波長を有する光の第2の強度を判定することを含む。一部の実施形態では、特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップは、第1のピーク波長を有する紫外線光の放出の第1の期間および第2のピーク波長を有する光の放出の第2の期間を判定することを含む。一部の実施形態では、処理チャンバーは、処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、第1のプラットフォームは、生物学的流体(たとえば、生物学的流体の1つまたは複数の容器)を保持する。一部の実施形態では、処理チャンバーは、第1の光源アレイに熱的に連結される熱交換器をさらに含む。一部の実施形態では、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップは、第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間の距離を調整または設定することを含む。一部の実施形態では、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップは、処理チャンバーの温度を調整または設定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、生物学的流体を撹拌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップは、生物学的流体の撹拌と関連するパラメーターを調整または設定することを含む。
【0045】
生物学的流体を処理する(たとえば、生物学的流体中の病原体を不活性化する)ための方法であって、病原体不活性化化合物(たとえば、光化学物質)と混合した生物学的流体(たとえば、容器内の生物学的流体)を、処理チャンバーに導入するステップであって、処理チャンバーが、処理チャンバー内の光(たとえば、光強度)を検出(たとえば、測定)するように構成される1つまたは複数の光センサーと、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように構成される第1の光源アレイとを含み、第1の光源アレイのそれぞれの光源が、紫外線A、紫外線B、および/または紫外線Cスペクトルの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルに含まれ、第1の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅(たとえば、最大ピーク強度のスペクトルバンド幅)が、20ナノメートル未満である(たとえば、第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第1のピーク波長から下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)、ステップと、それぞれの第1の光源チャネルから第1のピーク波長を有する光を放出することによって、生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な第1の期間および第1の強度で、生物学的流体に照射するステップとを含む、方法が、本明細書においてさらに提供される。
【0046】
一部の実施形態では、第1の光源アレイのそれぞれの光源は、約330nm~約350nm(たとえば、約335nm~約345nm、または約340nm)の第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含む。一部の実施形態では、本方法は、生物学的流体の特徴セットを判定するステップと、生物学的流体の特徴セットに基づいて、処理プロファイルを判定するステップと、処理プロファイルに従って、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップとをさらに含む。一部の実施形態では、生物学的流体に照射するステップは、処理プロファイルに従って行われる。一部の実施形態では、病原体を不活性化するに十分な第1の期間および第1の強度は、処理プロファイルから判定される。一部の実施形態では、第1の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%は、第1のピーク波長の20ナノメートル以内(たとえば、第1のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)である。一部の実施形態では、第1の光源アレイのそれぞれの光源は、第2のピーク波長の光を放出するように構成される第2の光源チャネルをさらに含む。一部の実施形態では、第2のピーク波長は、第1のピーク波長とは少なくとも5nm異なる。一部の実施形態では、第2の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%は、第2のピーク波長の10ナノメートル以内(たとえば、第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第2のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)である。一部の実施形態では、第2の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅(たとえば、最大ピーク強度のスペクトルバンド幅)は、20ナノメートル未満である(たとえば、第1のピーク波長よりも10ナノメートルを上回らずに高い、10ナノメートルを上回らずに低い;第2のピーク波長よりも下10ナノメートル以内、上10ナノメートル以内)。一部の実施形態では、第1の光源アレイは、複数の光源クラスターを含み、ここで、第1の光源アレイのそれぞれの光源クラスターは、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含む。一部の実施形態では、生物学的流体の特徴セットは、生物学的流体の体積、生物学的流体の種類、または生物学的流体の温度のうちの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップは、第1のピーク波長を判定することを含む。一部の実施形態では、特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップは、第1のピーク波長を有する光の第1の強度を判定することを含む。一部の実施形態では、特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップは、第1のピーク波長を有する光の放出の第1の期間を判定することを含む。一部の実施形態では、処理チャンバーは、処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、第1のプラットフォームは、生物学的流体(たとえば、生物学的流体の1つまたは複数の容器)を保持する。一部の実施形態では、処理チャンバーは、第1の光源アレイに熱的に連結される熱交換器をさらに含む。一部の実施形態では、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップは、第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間の距離を調整または設定することを含む。一部の実施形態では、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップは、処理チャンバーの温度を調整または設定することを含む。一部の実施形態では、本方法は、生物学的流体を撹拌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップは、生物学的流体の撹拌と関連するパラメーターを調整または設定することを含む。
【0047】
上述の実施形態のうちのいずれかの一部の実施形態では、処理するための方法は、生物学的流体中の少なくとも1対数(たとえば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数)の病原体を不活性化するに十分である。一部の実施形態では、処理するための方法は、生物学的流体中の少なくとも1対数(たとえば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数)の病原体を不活性化するに十分であり、ここで、照射後の生物学的流体は、残留病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体に照射することにより、照射後に、病原体不活性化化合物の濃度が、5μMまたはそれを下回る(たとえば、4μMまたはそれを下回る、3μMまたはそれを下回る、2μMまたはそれを下回る、1μMまたはそれを下回る、0.5μMまたはそれを下回る)まで低減される。一部の実施形態では、生物学的流体は、照射後に(たとえば、残留病原体不活性化化合物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、たとえば、任意の後続の化合物除去ステップ、たとえば、生物学的流体をCADに供する前に)、5μMまたはそれを下回る(たとえば、4μMまたはそれを下回る、3μMまたはそれを下回る、2μMまたはそれを下回る、1μMまたはそれを下回る、0.5μMまたはそれを下回る)病原体不活性化化合物を含む。一部の実施形態では、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、少なくとも10μM(たとえば、少なくとも15μM、少なくとも20μM、少なくとも30μM、少なくとも40μM、少なくとも50μM、少なくとも60μM、少なくとも70μM、少なくとも80μM、少なくとも90μM、少なくとも100μM、少なくとも110μM、少なくとも120μM、少なくとも130μM、少なくとも140μM、または少なくとも150μM)である。一部の実施形態では、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、約10μM~約1500μM、約10μM~約1000μM、約10μM~約500μM、約10μM~約250μM、約10μM~約200μM、約10μM~約150μM、約15μM~約150μM、約15μM~約130μM、約15μM~約110μM、約15μM~約90μM、約30μM~約150μM、約30μM~約130μM、約30μM~約110μM、約30μM~約90μM、約30μM~約60μM、約60μM~約150μM、約60μM~約130μM、約60μM~約110μM、または約60μM~約90μMである。一部の実施形態では、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、約10μM、約15μM、約20μM、約25μM、約30μM、約35μM、約40μM、約45μM、約50μM、約55μM、約60μM、約65μM、約70μM、約75μM、約80μM、約85μM、約90μM、約95μM、約100μM、約110μM、約120μM、約130μM、約140μM、または約150μMである。一部の実施形態では、照射後の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度の、高くとも1/3(たとえば、高くとも1/4、高くとも1/5、高くとも1/10倍、またはそれ未満)である(たとえば、残留病原体不活性化化合物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、たとえば、任意の後続の化合物除去ステップ、たとえば、生物学的流体をCADに供する前に)。
【0048】
上述の実施形態のいずれかによる方法によって調製された、病原体が不活性化された生物学的流体が、本明細書においてさらに提供される。一部の実施形態では、生物学的流体は、照射後に(たとえば、任意の後続の化合物除去ステップの前に)、5μMまたはそれを下回る(たとえば、4μMまたはそれを下回る、3μMまたはそれを下回る、2μMまたはそれを下回る、1μMまたはそれを下回る、0.5μMまたはそれを下回る)病原体不活性化化合物を含む。
【0049】
生物学的流体を処理するための方法であって、光活性病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体を提供するステップと、生物学的流体に、1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出される約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を照射するステップであって、1つまたは複数の第1の光源のそれぞれが、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、ステップとを含み、生物学的流体に照射するステップが、生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で生じる、方法がさらに本明細書に提供される。
【0050】
一部の実施形態では、第1のピーク波長が、約315~約335nmである。一部の実施形態では、第1のピーク波長が、約330ナノメートル~約350ナノメートルである。一部の実施形態では、第1のピーク波長が、1つまたは複数の第1の光源のセット内の1つの第1の光源のピーク波長である。一部の実施形態では、第1のピーク波長が、1つまたは複数の第1の光源のセット内の複数の第1の光源のそれぞれのピーク波長である。一部の実施形態では、第1のピーク波長が、1つまたは複数の第1の光源のセットの平均のピーク波長である。
【0051】
一部の実施形態では、方法は、生物学的流体に、1つまたは複数の第2の光源のセットによって放出される第2のピーク波長を有する紫外線光を照射するステップをさらに含み、1つまたは複数の第2の光源のそれぞれが、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出し、第2のピーク波長が、第1のピーク波長とは少なくとも5nm異なる。一部の実施形態では、第2のピーク波長が、1つまたは複数の第2の光源のセット内の1つの第2の光源のピーク波長である。一部の実施形態では、第2のピーク波長が、1つまたは複数の第2の光源のセット内の複数の第2の光源のそれぞれのピーク波長である。一部の実施形態では、第2のピーク波長が、1つまたは複数の第2の光源のセットの平均のピーク波長である。
【0052】
一部の実施形態では、1つまたは複数の第1の光源のセットが、1つまたは複数のLEDを含む。一部の実施形態では、生物学的流体が、容器内に格納されており、1つまたは複数の第1の光源のセットが、光源アレイとして設置され、1つまたは複数の第1の光源のセットが、容器の1つの側面のみに面している。一部の実施形態では、光活性病原体不活性化化合物が、ソラレンである。一部の実施形態では、光活性病原体不活性化化合物が、アモトサレンである。
【0053】
一部の実施形態では、方法は、生物学的流体に、第1のピーク波長を有する紫外線光を照射するステップの前に、光活性病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体を、処理チャンバーに導入するステップであって、処理チャンバーが、処理チャンバー内の光を検出するように構成される1つまたは複数の光センサーと、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように構成される第1の光源アレイとを含み、第1の光源アレイが、1つまたは複数の第1の光源のセットを含む第1の光源チャネルを含む、ステップをさらに含み、生物学的流体に照射するステップが、生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な第1の期間および第1の強度で、第1の光源チャネルから第1のピーク波長を有する光を放出することを含む。一部の実施形態では、第1の光源チャネルのそれぞれの光源が、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される。一部の実施形態では、方法は、生物学的流体の特徴セットを判定するステップと、生物学的流体の特徴セットに基づいて、処理プロファイルを判定するステップと、処理プロファイルに従って、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップとをさらに含む。一部の実施形態では、生物学的流体に照射するステップが、処理プロファイルに従って行われ、病原体を不活性化するに十分な第1の期間および第1の強度が、処理プロファイルから判定される。一部の実施形態では、第1の光源アレイが、第2のピーク波長の光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含む。一部の実施形態では、第2のピーク波長が、第1のピーク波長とは少なくとも5nm異なる。一部の実施形態では、第2のピーク波長が、紫外線A、紫外線B、または紫外線Cスペクトルにある。一部の実施形態では、第2の光源チャネルが、1つまたは複数の第2の光源のセットを含み、1つまたは複数の第2の光源のそれぞれが、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する。一部の実施形態では、生物学的流体の特徴セットが、生物学的流体の体積、生物学的流体の種類、および生物学的流体の温度を含む群のうちの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、生物学的流体の特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップが、第1のピーク波長を有する光の第1の強度を判定することまたは第1のピーク波長を有する光の放出の第1の期間を判定することを含む。一部の実施形態では、処理チャンバーが、処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、第1のプラットフォームが、生物学的流体を保持する。一部の実施形態では、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップが、第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間の距離を調整または設定することを含む。
【0054】
一部の実施形態では、方法は、生物学的流体を撹拌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、生物学的流体に照射する紫外線光の全線量が、約0.5J/cm~約50J/cmである。一部の実施形態では、1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出される生物学的流体に照射する紫外線光の全線量が、約0.5J/cm~約50J/cmである。一部の実施形態では、処理するための方法が、存在する場合に生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、照射後の生物学的流体が、残留病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である。一部の実施形態では、処理するための方法が、存在する場合に生物学的流体中の少なくとも1対数(例えば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数)の病原体を不活性化するに十分であり、照射後の生物学的流体が、生物学的流体を残留病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するための化合物除去ステップに供する(例えば、生物学的流体をCADに供する)ことなく、対象への注入に好適である。一部の実施形態では、処理するための方法は、存在する場合に生物学的流体中の少なくとも1対数(たとえば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数)の病原体を不活性化するに十分であり、生物学的流体は、照射後に、5μMまたはそれを下回る(たとえば、4μMまたはそれを下回る、3μMまたはそれを下回る、2μMまたはそれを下回る、1μMまたはそれを下回る、0.5μMまたはそれを下回る)病原体不活性化化合物を含む。一部の実施形態では、処理するための方法は、存在する場合に生物学的流体中の少なくとも1対数(たとえば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数)の病原体を不活性化するに十分であり、生物学的流体は、照射後に、2μMまたはそれを下回る病原体不活性化化合物を含む。一部の実施形態では、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、少なくとも約10μM(たとえば、少なくとも約30μM、少なくとも約60μM、少なくとも少なくとも約90μM、少なくとも約110μM)である。一部の実施形態では、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、約15μM~約150μM(たとえば、約30μM~約110μM、約60μM~約90μM、約75μM)である。一部の実施形態では、照射後の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度の高くとも1/3である。一部の実施形態では、処理するための方法は、存在する場合に生物学的流体中の少なくとも4対数の病原体を不活性化するに十分である。一部の実施形態では、処理するための方法は、存在する場合に少なくとも約4対数の病原体を不活性化するに十分であり、ここで、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、約30μM~約110μMであり、生物学的流体は、照射後に、約5μMまたはそれを下回るPICを含む。一部の実施形態では、処理するための方法は、存在する場合に少なくとも約4対数の病原体を不活性化するに十分であり、ここで、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、約30μM~約110μMであり、生物学的流体は、照射後に、約2μMまたはそれを下回るPICを含む。一部の実施形態では、照射後の生物学的流体は、十分な生物学的活性を維持しており、結果として、生物学的流体は、対象への注入に好適である。
【0055】
一部の実施形態では、生物学的流体は、血液製剤を含む。一部の実施形態では、生物学的流体は、血漿組成物を含む。一部の実施形態では、照射後の血漿組成物中のフィブリノーゲンの濃度は、照射前の血漿組成物中のフィブリノーゲンの濃度の少なくとも70%である。一部の実施形態では、照射後の血漿組成物中の第VIII因子の濃度は、照射前の血漿組成物中の第VIII因子の濃度の少なくとも70%である。一部の実施形態では、照射後の血漿組成物中の第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、プロテインC、および/またはプロテインSの濃度は、照射前の血漿組成物中の対応する第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、プロテインC、および/またはプロテインSの濃度の少なくとも70%である。
【0056】
一部の実施形態では、生物学的流体は、血小板組成物を含む。一部の実施形態では、生物学的流体は、血小板添加剤溶液をさらに含む。一部の実施形態では、照射後の血小板組成物中の血小板の量は、少なくとも80%の血小板回収率である。一部の実施形態では、照射後の血小板組成物の血小板回収率は、少なくとも80%(たとえば、照射前の血小板組成物の少なくとも80%)である。一部の実施形態では、照射後(たとえば、処理後)の血小板組成物の22℃におけるpHは、少なくとも6.2(たとえば、照射の5日後、照射の7日後に、少なくとも6.4)である。一部の実施形態では、本方法は、照射前に、生物学的流体を、30分間~24時間(たとえば、約2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間)の期間、光活性病原体不活性化化合物とともにインキュベートするステップを含む。
【0057】
上述の実施形態のいずれかによる方法によって調製された、病原体が不活性化された生物学的流体が、本明細書においてさらに提供される。一部の実施形態では、病原体が不活性化された生物学的流体は、5μMまたはそれを下回る病原体不活性化化合物を含む。一部の実施形態では、病原体が不活性化された生物学的流体は、2μMまたはそれを下回る病原体不活性化化合物を含む。
【0058】
生物学的流体を処理するためのシステムであって、生物学的流体を受容するように構成される、処理チャンバーと、処理チャンバー内の光を検出するように構成される、1つまたは複数のセンサーと、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように配置される、第1の光源アレイであって、第1の光源アレイが、約315nm~約350nmの第1のアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、第1の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含む、第1の光源アレイとを備える、システムが本明細書にさらに提供される。
【0059】
第1のアレイの第1のピーク波長が、約315nm~約335nmである。一部の実施形態では、第1のアレイの第1のピーク波長が、約330nm~約350nmである。一部の実施形態では、第1のアレイの第1のピーク波長が、第1の光源チャネルの1つまたは複数の光源の平均のピーク波長である。一部の実施形態では、第1の光源チャネルの1つまたは複数の光源が、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含む。一部の実施形態では、第1の光源アレイが、第1のアレイの第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルをさらに含み、第2の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含み、第1のアレイの第2のピーク波長が、第1のアレイの第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる。一部の実施形態では、第1のアレイの第2のピーク波長が、紫外線A、紫外線B、または紫外線Cスペクトルにある。一部の実施形態では、第2の光源チャネルが、1つまたは複数のLEDを含む。
【0060】
一部の実施形態では、第1の光源アレイの光源が、不均一な分布でアレイに配置される。一部の実施形態では、処理中に生物学的流体を撹拌するように構成される。一部の実施形態では、第1の光源アレイが、2つまたはそれを上回る光源パネルを含む。一部の実施形態では、第1のアレイが、第1のアレイの光源が、第1のアレイに面する生物学的流体の表面全体で25%を下回る照度の変動性で、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように構成される。
【0061】
一部の実施形態では、システムは、処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、第1のプラットフォームが、生物学的流体を保持するように構成される。一部の実施形態では、第1のプラットフォームおよび第1の光源アレイが、第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される。一部の実施形態では、第1のプラットフォームが、処理チャンバーの中および外への生物学的流体の導入および取り出しのために、摺動可能に移動可能である。一部の実施形態では、第1のプラットフォームが、少なくとも、生物学的流体を第1の容器の生物学的流体として有する第1の容器および第2の容器の生物学的流体を有する第2の容器を、別個に保持するように構成される。一部の実施形態では、1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、第1のプラットフォームに固定または配置されている。
【0062】
一部の実施形態では、システムは、処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと生物学的流体との間に配置されるバリアをさらに備える。一部の実施形態では、処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと生物学的流体との間に配置されるバリアが、第1のアレイの第1のピーク波長の30nm以内の波長を有する光に対して透明である。一部の実施形態では、1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと生物学的流体との間に配置されるバリアに固定または配置されている。一部の実施形態では、第1のアレイが、処理チャンバー内の第1の照射される生物学的流体として生物学的流体に照射するように構成される第1の光源領域と、処理チャンバー内の第2の照射される生物学的流体に照射するように構成される第2の光源領域とを含む。
【0063】
一部の実施形態では、システムは、制御回路をさらに備える。一部の実施形態では、制御回路が、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度または持続時間を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路が、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度または期間を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、システムは、処理チャンバー内の生物学的流体の存在を検出するように構成される、1つまたは複数のセンサーをさらに備える。
【0064】
一部の実施形態では、第1の光源アレイとは逆の方向に面する第2の光源アレイをさらに含み、第2の光源アレイが、第2のアレイの第1のピーク波長の光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、第2のアレイの第1の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含む。一部の実施形態では、第2のアレイの第1のピーク波長が、第1のアレイの第1のピーク波長と実質的に同じである。一部の実施形態では、第2の光源アレイが、第2のアレイの第2のピーク波長の光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含み、第2のアレイの第2の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含み、第2のアレイの第2のピーク波長が、第2のアレイの第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる。一部の実施形態では、第1の光源アレイおよび第2の光源アレイが、第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される。一部の実施形態では、システムは、第1の光源アレイと同じ方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、第2の光源アレイが、第2のアレイの第1のピーク波長の光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、第1の光源アレイおよび第2の光源アレイが、第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間の第1の領域を規定し、第2のアレイの第1の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含む。
【0065】
一部の実施形態では、システムは、処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間に配置される第1のプラットフォームをさらに備え、第1のプラットフォームが、生物学的流体を保持するように構成される。一部の実施形態では、システムは、処理チャンバーにおいて第1の領域内に配置される第1のプラットフォームであって、生物学的流体を、第1の保持される生物学的流体として保持するように構成される、第1のプラットフォームと、処理チャンバーにおいて第1の領域外に配置される第2のプラットフォームであって、第2の保持される生物学的流体を保持するように構成され、第2の光源アレイが、第2のプラットフォームに面する、第2のプラットフォームとをさらに備える。一部の実施形態では、1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、第2のプラットフォームに固定または配置されている。
【0066】
一部の実施形態では、システムは、処理チャンバーにおいて第2の光源アレイと生物学的流体との間に配置されるバリアをさらに備える。一部の実施形態では、処理チャンバーにおいて第2の光源アレイと生物学的流体との間に配置されるバリアが、第1のアレイの第1のピーク波長の30nm以内の波長を有する光に対して透明である。一部の実施形態では、1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、処理チャンバーにおいて第2の光源アレイと生物学的流体との間に配置されるバリアに固定または配置されている。
【0067】
一部の実施形態では、システムは、第2の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度または持続時間を調整または設定するように構成される、制御回路をさらに備える。一部の実施形態では、制御回路が、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第2の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度または期間を調整または設定するように構成される。一部の実施形態では、制御回路が、a)生物学的流体の特徴セットを判定し、b)生物学的流体の特徴セットに基づいて、処理プロファイルを判定し、c)処理プロファイルに従って、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定し、d)処理プロファイルに従って、生物学的流体に照射するように構成される。
【0068】
一部の実施形態では、システムは、光活性病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体に、存在する場合に生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成される。一部の実施形態では、システムが、光活性病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体に、存在する場合に生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成され、照射後の生物学的流体が、残留光活性病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である。一部の実施形態では、システムが、光活性病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体に、存在する場合に生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成され、生物学的流体が、照射後に、5μMまたはそれを下回る光活性病原体不活性化化合物を含む。一部の実施形態では、システムは、光活性病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体に、生物学的流体と混合した光活性病原体不活性化化合物の濃度を、照射前の生物学的流体と混合した光活性病原体不活性化化合物の濃度の高くとも1/3に低減させるのに十分な期間および強度で、照射するように構成される。一部の実施形態では、システムは、光活性病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体に、存在する場合に少なくとも4対数の生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成される。
【0069】
一部の実施形態では、生物学的流体が、血液製剤を含む。一部の実施形態では、生物学的流体が、血漿組成物を含む。一部の実施形態では、生物学的流体が、血小板組成物を含む。一部の実施形態では、生物学的流体が、血小板添加剤溶液を含む。一部の実施形態では、光活性病原体不活性化化合物が、ソラレンである。一部の実施形態では、光活性病原体不活性化化合物が、アモトサレンである。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
生物学的流体を処理するための方法であって、
光活性病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体を提供するステップと、
前記生物学的流体に、1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出される約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を照射するステップであって、前記1つまたは複数の第1の光源のそれぞれが、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、ステップと
を含み、
前記生物学的流体に照射するステップが、前記生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で生じる、方法。
(項目2)
前記第1のピーク波長が、約315~約335nmである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1のピーク波長が、約330ナノメートル~約350ナノメートルである、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記第1のピーク波長が、前記1つまたは複数の第1の光源のセット内の1つの第1の光源のピーク波長である、項目1から3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
前記第1のピーク波長が、前記1つまたは複数の第1の光源のセット内の複数の第1の光源のそれぞれのピーク波長である、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記第1のピーク波長が、前記1つまたは複数の第1の光源のセットの平均のピーク波長である、項目1から3のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記生物学的流体に、1つまたは複数の第2の光源のセットによって放出される第2のピーク波長を有する紫外線光を照射するステップをさらに含み、前記1つまたは複数の第2の光源のそれぞれが、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出し、前記第2のピーク波長が、前記第1のピーク波長とは少なくとも5nm異なる、項目1から6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記第2のピーク波長が、前記1つまたは複数の第2の光源のセット内の1つの第2の光源のピーク波長である、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記第2のピーク波長が、前記1つまたは複数の第2の光源のセット内の複数の第2の光源のそれぞれのピーク波長である、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記第2のピーク波長が、前記1つまたは複数の第2の光源のセットの平均のピーク波長である、項目7に記載の方法。
(項目11)
前記1つまたは複数の第1の光源のセットが、1つまたは複数のLEDを含む、項目1から10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記生物学的流体が、容器内に格納されており、前記1つまたは複数の第1の光源のセットが、光源アレイとして設置され、前記1つまたは複数の第1の光源のセットが、前記容器の1つの側面のみに面している、項目1から11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記光活性病原体不活性化化合物が、ソラレンである、項目1から12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記光活性病原体不活性化化合物が、アモトサレンである、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記生物学的流体に、前記第1のピーク波長を有する前記紫外線光を照射するステップの前に、
前記光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体を、処理チャンバーに導入するステップであって、前記処理チャンバーが、前記処理チャンバー内の光を検出するように構成される1つまたは複数の光センサーと、前記処理チャンバー内の前記生物学的流体に照射するように構成される第1の光源アレイとを含み、前記第1の光源アレイが、前記1つまたは複数の第1の光源のセットを含む第1の光源チャネルを含む、ステップをさらに含み、
前記生物学的流体に照射するステップが、前記生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な第1の期間および第1の強度で、前記第1の光源チャネルから前記第1のピーク波長を有する光を放出することを含む、項目1から14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記第1の光源チャネルのそれぞれの光源が、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記生物学的流体の特徴セットを判定するステップと、
前記生物学的流体の前記特徴セットに基づいて、処理プロファイルを判定するステップと、
前記処理プロファイルに従って、前記処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップと
をさらに含む、項目15または16に記載の方法。
(項目18)
前記生物学的流体に照射するステップが、前記処理プロファイルに従って行われ、前記病原体を不活性化するに十分な前記第1の期間および前記第1の強度が、前記処理プロファイルから判定される、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記第1の光源アレイが、第2のピーク波長の光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含む、項目15から18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記第2のピーク波長が、前記第1のピーク波長とは少なくとも5nm異なる、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記第2のピーク波長が、紫外線A、紫外線B、または紫外線Cスペクトルにある、項目19または項目20に記載の方法。
(項目22)
前記第2の光源チャネルが、1つまたは複数の第2の光源のセットを含み、前記1つまたは複数の第2の光源のそれぞれが、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、項目18から21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記生物学的流体の前記特徴セットが、前記生物学的流体の体積、前記生物学的流体の種類、および前記生物学的流体の温度を含む群のうちの1つまたは複数を含む、項目17から22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記生物学的流体の前記特徴セットに基づいて前記処理プロファイルを判定するステップが、前記第1のピーク波長を有する光の前記第1の強度を判定することまたは前記第1のピーク波長を有する光の放出の前記第1の期間を判定することを含む、項目17から23のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記処理チャンバーが、前記処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、前記第1のプラットフォームが、前記生物学的流体を保持する、項目15から24のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記処理チャンバーの前記パラメーターセットを調整または設定するステップが、前記第1の光源アレイと前記第1のプラットフォームとの間の距離を調整または設定することを含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記生物学的流体を撹拌するステップをさらに含む、項目1から26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記生物学的流体に照射する紫外線光の全線量が、約0.5J/cm ~約50J/cm である、項目1から27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出される前記生物学的流体に照射する紫外線光の全線量が、約0.5J/cm ~約50J/cm である、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記処理するための方法が、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、照射後の前記生物学的流体が、残留病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である、項目1から29のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
前記処理するための方法が、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、照射後の前記生物学的流体が、前記生物学的流体を残留病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するための化合物除去ステップに供することなく、対象への注入に好適である、項目1から30のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記処理するための方法が、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、前記生物学的流体が、照射後に、5μMまたはそれを下回る前記病原体不活性化化合物を含む、項目1から31のいずれか1項に記載の方法。
(項目33)
前記処理するための方法が、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、前記生物学的流体が、照射後に、2μMまたはそれを下回る前記病原体不活性化化合物を含む、項目1から32のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
照射前の前記生物学的流体と混合した前記病原体不活性化化合物の濃度が、少なくとも約10μMである、項目1から33のいずれか1項に記載の方法。
(項目35)
照射前の前記生物学的流体と混合した前記病原体不活性化化合物の濃度が、約15μM~約150μMである、項目1から34のいずれか1項に記載の方法。
(項目36)
照射後の前記生物学的流体と混合した前記病原体不活性化化合物の濃度が、照射前の前記生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度の高くとも1/3である、項目1から35のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
前記処理するための方法が、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも4対数の病原体を不活性化するに十分である、項目1から36のいずれか1項に記載の方法。
(項目38)
照射後の前記生物学的流体が、十分な生物学的活性を維持しており、前記生物学的流体は、対象への注入に好適である、項目1から37のいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
前記生物学的流体が、血液製剤を含む、項目1から38のいずれか1項に記載の方法。
(項目40)
前記生物学的流体が、血漿組成物を含む、項目1から39のいずれか1項に記載の方法。
(項目41)
照射後の前記血漿組成物中のフィブリノーゲンの濃度が、照射前の前記血漿組成物中のフィブリノーゲンの濃度の少なくとも70%である、項目40に記載の方法。
(項目42)
照射後の前記血漿組成物中の第VIII因子の濃度が、照射前の前記血漿組成物中の第VIII因子の濃度の少なくとも70%である、項目40または項目41に記載の方法。
(項目43)
前記生物学的流体が、血小板組成物を含む、項目1から42のいずれか1項に記載の方法。
(項目44)
前記生物学的流体が、血小板添加剤溶液をさらに含む、項目43に記載のシステムまたは方法。
(項目45)
照射後の前記血小板組成物中の血小板の量が、少なくとも80%の血小板回収率である、項目43または項目44に記載の方法。
(項目46)
照射後の前記血小板組成物の22℃におけるpHが、少なくとも6.2である、項目43から45のいずれか1項に記載の方法。
(項目47)
前記方法が、照射前に、前記生物学的流体を、前記光活性病原体不活性化化合物とともに、30分間~24時間の期間、インキュベートするステップを含む、項目1から46のいずれか1項に記載の方法。
(項目48)
項目1から47のいずれか1項に記載の方法によって調製される、病原体が不活性化された生物学的流体。
(項目49)
5μMまたはそれを下回る前記病原体不活性化化合物を含む、項目48に記載の病原体が不活性化された生物学的流体。
(項目50)
2μMまたはそれを下回る前記病原体不活性化化合物を含む、項目48または項目49に記載の病原体が不活性化された生物学的流体。
(項目51)
生物学的流体を処理するためのシステムであって、
生物学的流体を受容するように構成される、処理チャンバーと、
前記処理チャンバー内の光を検出するように構成される、1つまたは複数のセンサーと、前記処理チャンバー内の前記生物学的流体に照射するように配置される、第1の光源アレイであって、前記第1の光源アレイが、約315nm~約350nmの前記第1のアレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、前記第1の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含む、第1の光源アレイと
を備える、システム。
(項目52)
前記第1のアレイの前記第1のピーク波長が、約315nm~約335nmである、項目51に記載のシステム。
(項目53)
前記第1のアレイの前記第1のピーク波長が、約330nm~約350nmである、項目51に記載のシステム。
(項目54)
前記第1のアレイの前記第1のピーク波長が、前記第1の光源チャネルの前記1つまたは複数の光源の平均のピーク波長である、項目51から53のいずれか1項に記載のシステム。
(項目55)
前記第1の光源チャネルの前記1つまたは複数の光源が、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含む、項目51から54のいずれか1項に記載のシステム。
(項目56)
前記第1の光源アレイが、前記第1のアレイの第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルをさらに含み、前記第2の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含み、前記第1のアレイの前記第2のピーク波長が、前記第1のアレイの前記第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、項目51から55のいずれか1項に記載のシステム。
(項目57)
前記第1のアレイの前記第2のピーク波長が、紫外線A、紫外線B、または紫外線Cスペクトルにある、項目56に記載のシステム。
(項目58)
前記第2の光源チャネルが、1つまたは複数のLEDを含む、項目56または項目57に記載のシステム。
(項目59)
前記第1の光源アレイの光源が、不均一な分布で前記アレイに配置される、項目51から58のいずれか1項に記載のシステム。
(項目60)
処理中に前記生物学的流体を撹拌するように構成される、項目51から59のいずれか1項に記載のシステム。
(項目61)
前記第1の光源アレイが、2つまたはそれを上回る光源パネルを含む、項目51から60のいずれか1項に記載のシステム。
(項目62)
前記第1のアレイが、前記第1のアレイの光源が、前記第1のアレイに面する前記生物学的流体の表面全体で25%を下回る照度の変動性で、前記処理チャンバー内の前記生物学的流体に照射するように構成される、項目51から61のいずれか1項に記載のシステム。
(項目63)
前記処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、前記第1のプラットフォームが、前記生物学的流体を保持するように構成される、項目51から62のいずれか1項に記載のシステム。
(項目64)
前記第1のプラットフォームおよび前記第1の光源アレイが、前記第1の光源アレイと前記第1のプラットフォームとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される、項目63に記載のシステム。
(項目65)
前記第1のプラットフォームが、前記処理チャンバーの中および外への前記生物学的流体の導入および取り出しのために、摺動可能に移動可能である、項目63または項目64に記載のシステム。
(項目66)
前記第1のプラットフォームが、少なくとも、前記生物学的流体を第1の容器の生物学的流体として有する第1の容器および第2の容器の生物学的流体を有する第2の容器を、別個に保持するように構成される、項目63から65のいずれか1項に記載のシステム。
(項目67)
前記1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、前記第1のプラットフォームに固定または配置されている、項目63から66のいずれか1項に記載のシステム。
(項目68)
前記処理チャンバーにおいて前記第1の光源アレイと前記生物学的流体との間に配置されるバリアをさらに備える、項目51から67のいずれか1項に記載のシステム。
(項目69)
前記処理チャンバーにおいて前記第1の光源アレイと前記生物学的流体との間に配置される前記バリアが、前記第1のアレイの前記第1のピーク波長の30nm以内の波長を有する光に対して透明である、項目68に記載のシステム。
(項目70)
前記1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、前記処理チャンバーにおいて前記第1の光源アレイと前記生物学的流体との間に配置される前記バリアに固定または配置されている、項目68または項目69に記載のシステム。
(項目71)
前記第1のアレイが、前記処理チャンバー内の第1の照射される生物学的流体として前記生物学的流体に照射するように構成される第1の光源領域と、前記処理チャンバー内の第2の照射される生物学的流体に照射するように構成される第2の光源領域とを含む、項目51から70のいずれか1項に記載のシステム。
(項目72)
制御回路をさらに備える、項目51から71のいずれか1項に記載のシステム。
(項目73)
前記制御回路が、前記第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度または持続時間を調整または設定するように構成される、項目72に記載のシステム。
(項目74)
前記制御回路が、光を検出するように構成される前記1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の前記強度または前記期間を調整または設定するように構成される、項目73に記載のシステム。
(項目75)
前記処理チャンバー内の生物学的流体の存在を検出するように構成される、1つまたは複数のセンサーをさらに備える、項目51から74のいずれか1項に記載のシステム。
(項目76)
前記第1の光源アレイとは逆の方向に面する第2の光源アレイをさらに含み、前記第2の光源アレイが、前記第2のアレイの第1のピーク波長の光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、前記第2のアレイの前記第1の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含む、項目51から75のいずれか1項に記載のシステム。
(項目77)
前記第2のアレイの前記第1のピーク波長が、前記第1のアレイの前記第1のピーク波長と実質的に同じである、項目76に記載のシステム。
(項目78)
前記第2の光源アレイが、前記第2のアレイの第2のピーク波長の光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含み、前記第2のアレイの前記第2の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含み、前記第2のアレイの前記第2のピーク波長が、前記第2のアレイの前記第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、項目76に記載のシステム。
(項目79)
前記第1の光源アレイおよび前記第2の光源アレイが、前記第1の光源アレイと前記第2の光源アレイとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される、項目76から78のいずれか1項に記載のシステム。
(項目80)
前記第1の光源アレイと同じ方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、前記第2の光源アレイが、前記第2のアレイの第1のピーク波長の光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、前記第1の光源アレイおよび前記第2の光源アレイが、前記第1の光源アレイと前記第2の光源アレイとの間の第1の領域を規定し、前記第2のアレイの第1の光源チャネルが、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の光源を含む、項目51から75のいずれか1項に記載のシステム。
(項目81)
前記処理チャンバーにおいて前記第1の光源アレイと前記第2の光源アレイとの間に配置される第1のプラットフォームをさらに備え、前記第1のプラットフォームが、前記生物学的流体を保持するように構成される、項目76から80のいずれか1項に記載のシステム。
(項目82)
前記処理チャンバーにおいて前記第1の領域内に配置される第1のプラットフォームであって、前記生物学的流体を、第1の保持される生物学的流体として保持するように構成される、第1のプラットフォームと、
前記処理チャンバーにおいて前記第1の領域外に配置される第2のプラットフォームであって、第2の保持される生物学的流体を保持するように構成され、前記第2の光源アレイが、前記第2のプラットフォームに面する、第2のプラットフォームと
をさらに備える、項目80に記載のシステム。
(項目83)
前記1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、前記第2のプラットフォームに固定または配置されている、項目82に記載のシステム。
(項目84)
前記処理チャンバーにおいて前記第2の光源アレイと生物学的流体との間に配置されるバリアをさらに備える、項目76から83に記載のシステム。
(項目85)
前記処理チャンバーにおいて前記第2の光源アレイと生物学的流体との間に配置される前記バリアが、前記第1のアレイの前記第1のピーク波長の30nm以内の波長を有する光に対して透明である、項目84に記載のシステム。
(項目86)
前記1つまたは複数のセンサーのうちの1つまたは複数が、前記処理チャンバーにおいて前記第2の光源アレイと生物学的流体との間に配置される前記バリアに固定または配置されている、項目84または項目85に記載のシステム。
(項目87)
前記第2の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度または持続時間を調整または設定するように構成される、制御回路をさらに備える、項目76から86のいずれか1項に記載のシステム。
(項目88)
前記制御回路が、光を検出するように構成される前記1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の前記強度または前記期間を調整または設定するように構成される、項目87に記載のシステム。
(項目89)
前記制御回路が、
a)前記生物学的流体の特徴セットを判定し、
b)前記生物学的流体の前記特徴セットに基づいて、処理プロファイルを判定し、
c)前記処理プロファイルに従って、前記処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定し、
d)前記処理プロファイルに従って、前記生物学的流体に照射する
ように構成される、項目72から74、87、および88のいずれか1項に記載のシステム。
(項目90)
光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体に、存在する場合に前記生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成される、項目51から89のいずれか1項に記載のシステム。
(項目91)
前記システムが、光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体に、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成され、照射後の前記生物学的流体が、残留光活性病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である、項目51から89のいずれか1項に記載のシステム。
(項目92)
前記システムが、光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体に、存在する場合に前記生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成され、前記生物学的流体が、照射後に、5μMまたはそれを下回る光活性病原体不活性化化合物を含む、項目51から89のいずれか1項に記載のシステム。
(項目93)
光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体に、前記生物学的流体と混合した前記光活性病原体不活性化化合物の濃度を、照射前の前記生物学的流体と混合した光活性病原体不活性化化合物の濃度の高くとも1/3に低減させるのに十分な期間および強度で、照射するように構成される、項目51から89のいずれか1項に記載のシステム。
(項目94)
光活性病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体に、存在する場合に少なくとも4対数の前記生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射するように構成される、項目51から89のいずれか1項に記載のシステム。
(項目95)
前記生物学的流体が、血液製剤を含む、項目51から94のいずれか1項に記載のシステム。
(項目96)
前記生物学的流体が、血漿組成物を含む、項目51から95のいずれか1項に記載のシステム。
(項目97)
前記生物学的流体が、血小板組成物を含む、項目51から95のいずれか1項に記載のシステム。
(項目98)
前記生物学的流体が、血小板添加剤溶液を含む、項目97に記載のシステムまたは方法。
(項目99)
前記光活性病原体不活性化化合物が、ソラレンである、項目51から98のいずれか1項に記載のシステム。
(項目100)
前記光活性病原体不活性化化合物が、アモトサレンである、項目99に記載のシステム。

【図面の簡単な説明】
【0070】
図1図1A~1Eは、生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図を示す。
【0071】
図2図2A~2Dは、例示的な光源アレイ構成を図示する。
【0072】
図3図3は、複数の光源パネルを有する光源アレイを備える、生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図である。
【0073】
図4図4は、生物学的流体のプラットフォームに面する対向する光源アレイを備える、生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図である。
【0074】
図5図5は、同じ方向に面する複数の光源アレイを備える、生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図である。
【0075】
図6図6A~6Bは、生物学的流体のプラットフォームに面する光源アレイを備える、生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図である。
【0076】
図7A図7A~7Bは、生物学的流体を処理するための例示的な方法を示す、フローチャートである。
図7B図7A~7Bは、生物学的流体を処理するための例示的な方法を示す、フローチャートである。
【0077】
図8A図8Aは、波長の最大ピーク強度、最大ピーク強度の50%、および全幅半値ピーク強度を示す、光源の例示的なスペクトル出力を図示する。
【0078】
図8B図8Bは、最大ピーク強度および波長分布の異なる波長を有する3つの光源の例示的なスペクトル出力を図示する。
【0079】
図9図9は、広いバンドの蛍光電球UV光源および狭いバンドのLED UV光源の例示的なスペクトル出力を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0080】
詳細な説明
以下の説明は、当業者が、様々な実施形態を作製および使用するのを可能にするために提示される。具体的なシステム、デバイス、方法、および適用の説明は、実施例として提供されるにすぎない。本明細書に記載される実施例に対する様々な改変が、当業者には容易に明らかであり、本明細書に定義される一般的な原理は、様々な実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の実施例および用途に適用することができる。したがって、様々な実施形態は、本明細書に記載され示される実施例に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲に一致する範囲が与えられるべきである。
【0081】
生物学的流体、たとえば、例として血液および血液製剤は、感染したドナー、またはプロセシングの際の病原体の導入に起因して、混入病原体を含有している場合がある。そのため、そのような生物学的流体を、混入病原体の危険性を低減するために、処理プロセス(たとえば、病原体不活性化、病原体低減)に供することが望ましい場合がある。理想的には、そのようなプロセスは、生物学的流体中に存在している可能性のある広範な病原体(たとえば、ウイルス、細菌、寄生虫)の不活性化をもたらす。処理プロセスはまた、生物学的流体中に存在している可能性のある他の望ましくない物質、たとえば、例として細胞(たとえば、白血球)および核酸も不活性化することができる。
【0082】
有利なことに、本開示は、予想外にも、病原体不活性化化合物、たとえば、ソラレン病原体不活性化化合物(たとえば、S-59)などのより効率的な光変換により、より高いレベルのウイルスおよび/または細菌の不活性化(たとえば、光化学的不活性化)を提供する方法およびシステムを提示する。一部の実施形態では、本方法およびシステムは、生物学的流体中の少なくとも1対数(少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数)の病原体を不活性化するに十分であり得、残留病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するためにさらにプロセシングすることなく生物学的流体が対象への注入に好適となるのに十分な、照射後の病原体不活性化化合物の光変換により、病原体が不活性化された生物学的流体(たとえば、血液製剤)を提供することができる。
【0083】
一部の実施形態では、病原体不活性化化合物(たとえば、S-59)の光変換は、投入した病原体不活性化化合物の量(たとえば、濃度、重量%)に対する、照射後に残存している化合物の%(たとえば、濃度、重量%)として判定される。一部の実施形態では、照射後に残存している化合物の%は、約40%を下回る、約35%を下回る、約30%を下回る、約25%を下回る、約20%を下回る、約15%を下回る、約10%を下回る、または約5%を下回る。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物の光変換は、照射後に残存している残留病原体不活性化化合物の濃度(たとえば、μM濃度)として判定される。
【0084】
図1Aは、生物学的流体を処理するための例示的なシステム100の斜視図である。本明細書で使用される場合、「生物学的流体」は、生物(たとえば、ヒト、動物、植物、微生物)において見出されるか、もしくはそれに由来する任意の流体、または生物において見出されるか、それから単離されるか、もしくはそれに由来する1つもしくは複数の成分(たとえば、生物剤)を、その合成バージョンを含め、含んでいる、任意の流体を指す。生物学的流体としては、血液および血液製剤、ワクチン、細胞(たとえば、初代細胞、細胞株、細胞培養物)、天然および組換えのタンパク質(たとえば、治療薬、抗体)、細菌培養物、ウイルス懸濁液などを挙げることができるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「血液製剤」は、血液(たとえば、全血)、または血液の成分もしくは由来物、たとえば、例として、赤血球、白血球、血小板、血漿、クリオプレシピテートおよび脱クリオ(たとえば、クリオ低減)血漿、もしくは血液から分離されたそのような成分のうちの1つもしくは複数の組合せを指す。一部の実施形態では、生物学的流体は、非生物学的流体、たとえば、例として、生理食塩水、緩衝溶液、栄養液、血小板添加剤溶液(PAS)、および/または抗凝血溶剤溶液を含むがこれらに限定されない、生理学的溶液(たとえば、希釈溶液)をさらに含み得る。一部の実施形態では、生物学的流体は、約50mL~約1000mL(たとえば、約100mL~約750mL、約200mL~約600mL、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL)の体積で構成される。
【0085】
一部の実施形態では、処理システム100は、1つまたは複数の生物学的流体、好ましくは、1つまたは複数の病原体不活性化化合物(たとえば、光活性病原体不活性化化合物、ソラレン)と混合された生物学的流体中の病原体を不活性化するために使用することができる。具体的には、処理システム100は、1つまたは複数の病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体に、ある特定の波長の光(たとえば、紫外線光)を照射して、光化学反応を引き起こし、生物学的流体中に存在する可能性のある病原体、たとえば、ウイルス、細菌、寄生虫、および他の混入物質、たとえば、例として、細胞混入物質(たとえば、白血球)を不活性化することができる。一部の実施形態では、処理システム100は、1つまたは複数の病原体不活性化化合物と、約50mL~約1000mL(たとえば、約100mL~約750mL)の体積を有する生物学的流体との混合物に、照射することができる。
【0086】
一部の実施形態では、処理システム100が、1つまたは複数の病原体不活性化化合物と生物学的流体との混合物に、ある特定の波長(たとえば、約315nm~約350nm、約315nm~約335nm、約330nm~約350nm)の光(たとえば、紫外線光、紫外線A光)を照射して、光化学反応を引き起こし、病原体を不活性化した後、生物学的流体は、病原体の光化学的不活性化に有用な残留成分、たとえば、病原体不活性化化合物(PIC)またはその光産物を除去するために、さらにプロセシングすることなく、たとえば、化合物吸着デバイス(CAD)に曝露することなく、対象への注入に好適である。一部の実施形態では、処理システム100が、1つまたは複数の病原体不活性化化合物と生物学的流体との混合物に、ある特定の波長(たとえば、約315nm~約350nm、約315nm~約335nm、約330nm~約350nm)の光(たとえば、紫外線光)を照射して、光化学反応を引き起こし、病原体を不活性化した後、生物学的流体は、5μMを下回るPIC(たとえば、2μMを下回るPIC)を含む。
【0087】
「病原体不活性化化合物」という用語は、生物学的流体、たとえば、例として血液または血液製剤に存在している可能性のある病原体を不活性化するために使用することができる、任意の好適な化合物、たとえば、小分子有機化合物を指す。「光活性」または「光活性化」または「光化学的」または「光感作性」化合物である病原体不活性化化合物は、病原体を十分に不活性化するための、なんらかのレベルの光を必要とする、好適な化合物である。そのような化合物は、不活性化プロセスに対する制御を提供するため、生物学的製剤中の病原体の不活性化において好ましい。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、およびメロシアニン540からなる群から選択される光活性病原体不活性化化合物である。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレンである。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、アモトサレン(たとえば、S-59)である。本明細書に記載されるそのような光活性化または光化学的病原体不活性化化合物としては、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、およびポルフィリンを挙げることができるが、これらに限定されず、ここで、これらの用語は、化合物の一般的なクラス、すなわち、コア化合物およびその好適な誘導体を包含するように理解される。たとえば、ソラレン(単数または複数)は、一般に、ソラレンコア化合物およびその任意の誘導体(たとえば、アモトサレン)を指し、イソアロキサジン(単数または複数)は、一般に、イソアロキサジンコアおよびその任意の誘導体(たとえば、リボフラビン)を指すなどである。そのような誘導体は、コア化合物構造、ならびにコアにおける追加の置換基を含む。そのような化合物の説明には、それらの任意の塩が含まれる。
【0088】
「アモトサレン」という用語は、化合物3-(2-アミノエトキシメチル)-2,5,9-トリメチルフロ[3,2-g]クロメン-7-オンおよびその任意の塩を意味する。この化合物はまた、4’-(4-アミノ-2-オキサ)ブチル-4,5’,8-トリメチルソラレンとも称され得る。本開示の方法が、アモトサレンHCl(アモトサレンのHCl塩)を添加するステップを含む場合、この化合物を生物学的流体、たとえば、例として血液製剤(たとえば、血小板組成物、血小板のユニット、血漿組成物、全血組成物、血漿組成物)から除去することは、アモトサレンが、他の塩または遊離塩基として溶液中に存在し得るため、アモトサレンHClの除去に限定されない。本明細書に記載される方法において使用する場合、アモトサレンの除去は、本明細書に記載されるアッセイによって測定される、任意の形態、たとえば、遊離塩基または任意の塩としてのこの化合物の除去を意味する。
【0089】
一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、4-第1級アミノ置換ソラレンであり、これは、2~20個の炭素の全長を有する炭化水素鎖によってソラレンの4’位に連結されたNH基を有するソラレン化合物であり、ここで、これらの炭素のうちの0~6個は、独立して、NHまたはOによって置き換えられ、置き換えのそれぞれの点は、互いの置き換え点から少なくとも2炭素離れており、ソラレンから少なくとも1炭素離れている。4’-第1級アミノ置換ソラレンは、ソラレンの4、5’、および8位に追加の置換を有してもよく、前記置換としては、以下の基が挙げられるがこれらに限定されない:Hおよび(CHCH、式中、n=0~6。一部の実施形態では、4’-第1級アミノ置換ソラレンは、a)-(CH-NH、-(CH-R-(CH-NH、-(CH-R-(CH-R-(CH)z-NH、および-(CH-R-(CH-R-(CH-R-(CH-NHを含む群から選択される、4’炭素原子上の置換基R(式中、R、R、およびRは、独立して、OおよびNHを含む群から選択され、uは、1~10の整数であり、wは、1~5の整数であり、xは、2~5の整数であり、yは、2~5の整数であり、zは、2~6の整数である)、ならびにb)Hおよび(CHCHまたはそれらの塩を含む群から独立して選択される、それぞれ4、5’、および8位の炭素原子上の置換基R、R、およびR(式中、vは、0~5の整数である)を含む。
【0090】
一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、5-第1級アミノ置換ソラレンであり、これは、1~20個の炭素の全長を有する炭化水素鎖によってソラレンの5’位に連結されたNH基を有するソラレン化合物であり、ここで、これらの炭素のうちの0~6個は、独立して、NHまたはOによって置き換えられ、置き換えのそれぞれの点は、互いの置き換え点から少なくとも2炭素離れており、ソラレンから少なくとも1炭素離れている。5’-第1級アミノ置換ソラレンは、ソラレンの4、4’、および8位に追加の置換を有してもよく、前記置換としては、以下の基が挙げられるがこれらに限定されない:Hおよび(CHCH、式中、n=0~6。一部の実施形態では、5’-第1級アミノ置換ソラレンは、a)-(CH-NH、-(CH-R-(CH-NH、-(CH-R-(CH-R-(CH)z-NH、および-(CH-R-(CH-R-(CH-R-(CH-NHを含む群から選択される、5’炭素原子上の置換基R(式中、R、R、およびRは、OおよびNHを含む群から独立して選択され、uは、1~10の整数であり、wは、1~5の整数であり、xは、2~5の整数であり、yは、2~5の整数であり、zは、2~6の整数である)、ならびにb)Hおよび(CHCHまたはその塩を含む群から独立して選択される、それぞれ4、4’、および8の炭素原子上の置換基R、R、およびR(式中、vは、0~5の整数であり、Rが、-(CH-NHを含む群から選択される場合、Rは、(CHCHであり、R、R、およびRが、(CHCHである場合、uは、3~10の整数である)を含む。例示的なソラレン化合物は、たとえば、米国特許第5,593,823号に記載されている。
【0091】
一部の実施形態では、生物学的流体(たとえば、血小板組成物)は、血小板添加剤溶液(PAS)中の病原体不活性化化合物(PIC)と混合される。一部の実施形態では、PICは、生物学的流体と混合する前に、PASと混合される。血小板添加剤溶液は、たとえば、AlhumaidanらおよびRingwaldら(Alhumaidan, H. and Sweeney, J., J Clin Apheresis, 27: 93-98 (2012)、Ringwald et al., Transfusion Medicine Reviews, 20: 158-64 (2006))によって説明されているように、当該技術分野において公知であり、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、血小板添加剤溶液(PAS)は、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、カリウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコン酸塩、グルコース、および重炭酸塩のうちの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、血小板添加剤溶液(PAS)は、規制当局または当該分野において一般に受け入れられている信用発行機関によって承認されたPASである。
【0092】
一部の実施形態では、血小板添加剤溶液(PAS)は、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、リン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、グルコース、および重炭酸ナトリウムのうちの1つまたは複数を含む。
【0093】
一部の実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、リン酸塩、およびカリウムを含む。一部の実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、および酢酸塩を含む。一部の実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、リン酸塩、および酢酸塩を含む。一部の実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、酢酸塩、マグネシウム、カリウム、およびグルコン酸塩を含む。一部の実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、マグネシウム、およびカリウムを含む。一部の実施形態では、PASは、塩化物、酢酸塩、マグネシウム、カリウム、およびグルコン酸塩を含む。一部の実施形態では、PASは、塩化物、クエン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、マグネシウム、カリウム、およびグルコースを含む。
【0094】
一部の実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、およびグルコン酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、およびリン酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、および塩化カリウムを含む。一部の実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、およびリン酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、およびグルコン酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、リン酸ナトリウム、グルコース、および重炭酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、PASは、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、グルコース、および重炭酸ナトリウムを含む。
【0095】
一部の実施形態では、PASは、PAS-Iである。一部の実施形態では、PASは、PlasmaLyteである。一部の実施形態では、PASは、Pas-IIである。一部の実施形態では、PASは、T-Solである。一部の実施形態では、PASは、PAS-IIIである。一部の実施形態では、PASは、Intersolである。一部の実施形態では、PASは、PAS-IIIM SSPである。一部の実施形態では、PASは、ComposolPAS-Gである。一部の実施形態では、PASは、M-Solである。一部の実施形態では、PASは、Isoplateである。一部の実施形態では、PASは、PAS-Aである。一部の実施形態では、PASは、PAS-Bである。一部の実施形態では、PASは、PAS-Cである。一部の実施形態では、PASは、PAS-Dである。一部の実施形態では、PASは、PAS-Eである。一部の実施形態では、PASは、PAS-Fである。一部の実施形態では、PASは、PAS-Gである。
【0096】
一部の実施形態では、生物学的流体(たとえば、血漿組成物、血小板組成物、PAS中の血小板組成物)は、照射の前に、30分間~24時間(たとえば、2時間~24時間、4時間~24時間、8時間~24時間、12時間~24時間)の期間、光活性病原体不活性化化合物とともにインキュベートされる。
【0097】
生物学的流体、たとえば、例として、全血、赤血球、ならびに血小板含有および血漿含有血液製剤(たとえば、血小板組成物、血漿組成物)などを含む、血液製剤は、病原体を含有する可能性があるか、またはプロセシング中に病原体が混入する可能性がある。そのため、輸血に伝達される疾患の危険性を低減するために、そのような生物学的流体(たとえば、血液製剤)を病原体不活性化プロセスに供することが望ましい。血液製剤、たとえば、血小板含有および血漿含有血液製剤における輸血関連の疾患伝播の危険性を軽減するために、様々なプロセスおよび方法が、使用されている。病原体のスクリーニングおよび検出、ならびにそれに続く混入血液製剤からの排除とは別に、存在する可能性のある病原体を不活性化するための処理(すなわち、病原体不活性化)を組み込むプロセスが、利用可能である。理想的には、そのようなプロセスは、血液製剤中に存在する可能性のある広範な病原体、たとえば、ウイルス、細菌、および寄生虫の不活性化をもたらす。たとえば、病原体不活性化には、様々な病原体を不活性化する低分子量化合物の添加が含まれ得、ここで、好ましい方法は、好適な波長の光を使用した照射によって活性化されると、存在する可能性のある様々な病原体を不活性化する、光感作物質(たとえば、光活性化合物、光化学剤)の添加を含む。商業的に利用可能な2つの好ましい方法としては、血液製剤(たとえば、血小板、血漿)へのアモトサレンまたはリボフラビンの添加、それに伴うUV光による後続の照射が挙げられる。他の方法としては、光感作物質の添加を伴わないUV光での照射(たとえば、UV殺菌処理)、ならびにアモトサレン以外のソラレン誘導体、リボフラビン以外のイソアロキサジン、アロキサジン、染料、たとえば、フタロシアニン、フェノチアジン染料(たとえば、メチレンブルー、アズールB、アズールC、チオニン、トルイジンブルー)、ポルフィリン誘導体(たとえば、ジヘマトポルフィリンエーテル、ヘマトポルフィリン誘導体、ベンゾポルフィリン誘導体、アルキル置換サフィリン)、およびメロシアニン540を含む、他の光活性化合物を用いた照射が挙げられる(Prodouz et al., Blood Cells 1992, 18(1):101-14、Sofer, Gail, BioPharm, August 2002)。他の病原体不活性化システムとしては、たとえば、国際出願公開第WO2012071135号、同第WO2012018484号、同第WO2003090794号、同第WO2003049784号、同第WO1998018908号、同第WO1998030327号、同第WO1996008965号、同第WO1996039815号、同第WO1996039820号、同第WO1996040857号、同第WO1993000005号、米国特許出願第US20050202395号、ならびに米国特許第8,296,071号および同第6,548,242号に記載されるものが挙げられ、これらは、血液製剤における病原体不活性化に関するため、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、およびメロシアニン540からなる群から選択される光活性病原体不活性化化合物である。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレンである。一部の実施形態では、病原体不活性化化合物は、アモトサレンである。生物学的流体、たとえば、例として血液製剤(たとえば、血小板、血漿)への化合物の添加を、病原体不活性化に使用する場合、一部の事例では、任意の残留病原体不活性化化合物またはその副産物(たとえば、光産物、分解産物)を、たとえば、例として、病原体不活性化化合物のより効率的な光変換によって除去することが望ましい。
【0098】
病原体不活性化化合物またはその副産物の除去に使用される一部の方法には、病原体不活性化化合物除去デバイス、たとえば、化合物吸着デバイス(CAD)を含め、生物学的流体の所望される生物学的活性を実質的に維持しながら、生物学的流体中の病原体不活性化化合物、たとえば、小分子有機化合物、およびその副産物の濃度を低減させるためのデバイスの使用が含まれる。一部の実施形態では、除去デバイスは、病原体不活性化化合物を所望される濃度よりも低く低減させるのに十分な量の多孔質吸着粒子を含み、吸着粒子は、病原体不活性化化合物に対する親和性を有する。様々な吸着粒子が公知であり、これには、一般に、除去しようとする化合物と相互作用する能力のある任意の天然または合成の材料から作製された粒子が含まれ、天然の材料、たとえば、活性炭素、シリカ、珪藻土、およびセルロース、ならびに合成の材料、たとえば、疎水性樹脂、親水性樹脂、またはイオン交換樹脂から作製された粒子が含まれる。そのような合成樹脂としては、たとえば、炭素質材料、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、カチオン交換樹脂、およびポリスチレン-ジビニルベンゼンが挙げられる。そのような除去デバイスおよび吸着粒子の詳細な説明は、国際出願公開第WO1996040857号、同第WO1998030327号、同第WO1999034914号、および同第WO2003078023号に見出すことができ、たとえば、Amberlite(Rohm and Haas)XAD-2、XAD-4、XAD-7、XAD-16、XAD-18、XAD-1180、XAD-1600、XAD-2000、XAD-2010;Amberchrom(Toso Haas)CG-71m、CG-71c、CG-161m、CG161c;Diaion Sepabeads(Mitsubishi Chemicals)HP20、SP206、SP207、SP850、HP2MG、HP20SS、SP20MS;Dowex(Dow Chemical)XUS-40285、XUS-40323、XUS-43493(Optipore V493(乾燥形態)またはOptipore L493(水和形態)とも称される)、Optipore V503、Optipore SD-2;Hypersol Macronet(Purolite)MN-100、MN-102、MN-150、MN-152、MN-170、MN-200、MN-202、MN-250、MN-252、MN-270、MN-300、MN-400、MN-500、MN-502、Purosorb(Purolite)PAD 350、PAD 400、PAD 428、PAD 500、PAD 550、PAD 600、PAD 700、PAD 900、およびPAD 950が挙げられる。固定化マトリックスを形成するために使用される材料は、一般に、低融点ポリマー、たとえば、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル、またはポリスルホンを含む。1つの例では、アモトサレン不活性化血液製剤の除去デバイスは、市販入手可能であり、たとえば、焼結マトリックス内に含まれるHypersol Macronet MN-200吸着剤を含む除去デバイスが挙げられ、ここで、焼結マトリックスは、結合剤としてPL2410プラスチックを含む。
【0099】
生物学的流体中の病原体を不活性化することは、生物学的流体の処理プロファイルを構成する様々な処理パラメーターを満たす必要があり得る。したがって、本明細書において考察されるシステムおよび方法は、1つまたは複数の生物学的流体を1つまたは複数のそれぞれの処理プロファイルに従って処理するために、制御および使用することができる。本明細書で使用される場合、生物学的流体の処理プロファイルは、生物学的流体中に存在する病原体の1つまたは複数の種類の不活性化に必要とされる処理パラメーターのセットを指す。そのようなパラメーターとしては、生物学的流体に適用される光の1つまたは複数のピーク波長(たとえば、照射する光の1つまたは複数のピーク波長)、光の1つまたは複数のピーク波長が生物学的流体に適用される期間、1つまたは複数のピーク波長の光が生物学的流体の1つまたは複数の部分に適用される強度、生物学的流体の1つまたは複数の部分に適用される1つまたは複数のピーク波長のエネルギー量、光が生物学的流体に適用される入射の角度、生物学的流体の処理中の温度、生物学的流体の撹拌/混合の方法、生物学的流体が撹拌または混合される期間、生物学的流体に適用される光源間の距離、および生物学的流体の種類などを挙げることができるが、これらに限定されない。本明細書に記載されるように、光源の「ピーク波長」は、最大強度の光が光源によって放出される波長を指す。図8Aは、光源の例示的なスペクトル出力802(たとえば、スペクトル曲線)を示し、最大ピーク強度の波長(たとえば、ピーク波長)を特定する垂直方向の実線804、ならびに最大ピーク強度の50%を表す水平方向の破線806、ならびにピークの半最大値における両側の点816および818を特定し、それらの点の間の波長軸に沿った全幅(バンド幅)(たとえば、FWHM、全幅20nm、ピークから半幅10nm)を表す、垂直方向の破線812および814とともに、図示する。たとえば、図8Bに図示される、類似のピーク強度を有する光源からのスペクトル曲線850、860、870を含む、スペクトル曲線は、対称(B)または非対称(A、C)の波長分布および異なる光源のピーク波長のものであり得る。また、ピーク波長における例示的な差885(たとえば、5nmを上回る)も示される。
【0100】
本開示のシステムおよび方法によって不活性化される病原体としては、たとえば、任意の数のウイルス、細菌、および/または寄生虫を挙げることができる。例示的な病原体としては、エンベロープ型ウイルス、非エンベロープ型ウイルス、DNAウイルス、たとえば、Papillomaviridae科、Parvoviridae科、Herpesviridae科、Poxviridae科、Hepadnaviridae科、Polyomaviridae科のウイルスなど、RNAウイルス、たとえば、Reoviridae科、Picornaviridae科、Caliciviridae科、Togaviridae科、Arenaviridae科、Flaviviridae科、Orthomyxoviridae科、Paramyxoviridae科、Bunyaviridae科、Rhabdoviridae科、Filoviridae科、Coronaviridae科、Astroviridae科、Bornaviridae科、Arteriviridae科、Hepeviridae科、Retroviridae科のウイルスなど、ヒト免疫不全ウイルス(たとえば、HIV-1)、HTLV-1、HTLV-2、アデノウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス、ジカウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、西ナイルウイルス、ラッサウイルス、エボラウイルス、マーブルグウイルス、アルファウイルス(たとえば、チクングニヤウイルス)、エプスタイン・バーウイルス、デングウイルス、サイトメガロウイルス、BKウイルス、インフルエンザウイルス、ブルータングウイルス、および/またはアデノウイルスを挙げることができる。例示的な病原体としては、グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性細菌、Escherichia(たとえば、E.coli)、Yersinia(たとえば、Y.enterocolitica)、Klebsiella(たとえば、K pneumoniae)、Serratia(たとえば、S.marcescens)、Staphylococcus(たとえば、S.epidermidis、S.aureus)、Streptococcus(たとえば、S.pyogenes)、Bacillus(たとえば、B.cereus)、Clostridium(たとえば、C.perfringens)、Propionibacterium(たとえば、P.acnes)、Treponema(たとえば、T.pallidum)、Borrrelia(たとえば、B.burgdorferi)、Listeria(たとえば、L.monocytogenes)、Pseudomonas(たとえば、P.aeruginosa)、Haemophilus(たとえば、H.parainfluenzae)、Rickettsia(たとえば、R.rickettsia)、Anaplasma(たとえば、A.phagocytophilium)、Acinetobacter(たとえば、A.baumannii)を挙げることができる。例示的な病原体としては、寄生虫Plasmodium(たとえば、Plasmodium falciparum)、Babesia(たとえば、Babesia microti)、Trypanosoma(たとえば、Trypanosoma cruzi)、Leishmania(たとえば、Leishmania braziliensis)も挙げることができる。さらに、本開示のシステムおよび方法は、生物学的流体中の1つまたは複数の所望されない細胞型、たとえば、白血球などを不活性化することができる。存在する可能性のある病原体を不活性化するための生物学的流体の処理は、必ずしも存在する可能性のあるすべての病原体を完全に不活性化するものではなく、病原体の存在から生じる危険性(たとえば、血液製剤による輸血関連疾患、血液製剤による輸血に伝達される感染)を大幅に低減するために、病原体の量を実質的に低減するものであることを理解されたい。病原体の不活性化は、ある特定の体積中の感染性病原体(たとえば、ウイルス粒子、細菌)の数を測定することによってアッセイすることができ、不活性化のレベルは、典型的に、病原体の感染力の対数低減値、すなわち力価の対数低減値で表される。力価の対数低減値をアッセイする方法、および病原体不活性化のレベルをアセスメントするためのその測定は、当該技術分野において周知である。不活性化プロセスが、様々な病原体に対して試験される場合、特定の病原体の低減は、力価における少なくとも約1対数、少なくとも約2対数、少なくとも約3対数、少なくとも約4対数、または少なくとも約5対数、またはそれを上回る低減である。そのような病原体が不活性化された生物学的流体は、それを必要とする対象の処置(たとえば、輸血、治療法)のための使用に加えて、他の使用のためにさらにプロセシングされてもよく、たとえば、生物学的流体に由来する製品、たとえば、病原体が不活性化された血小板調製物からの血小板ライセート産物、または病原体が不活性化された血漿調製物からのクリオプレシピテートなどを提供するためにさらにプロセシングされてもよい。
【0101】
図1Aに移ると、生物学的流体を処理するための例示的なシステム100は、1つまたは複数の生物学的流体108および110を受容するための処理チャンバー102、ならびに1つまたは複数の生物学的流体108および110に照射するように配置される光源アレイ104を含む。一部の実施形態では、光源アレイ104は、1つまたは複数の生物学的流体108および110に照射するように配置される、チャンバー102内の唯一の光源を含み得る。図3~5に関して以下に説明される他の実施形態では、複数の光源アレイが、様々な実施形態のチャンバー102に配置される1つまたは複数の生物学的流体に照射するのに使用され得る。本明細書に記載されるように、「光源アレイ」は、任意の二次元または三次元表面(たとえば、連続表面、非連続表面)上に配置された1つまたは複数の光源を意味する。
【0102】
1つまたは複数の光源チャネル106が、光源アレイ104に含まれる。それぞれの光源チャネル106は、同じ波長(たとえば、ピーク波長)を有する1つまたは複数の光源のセットであり得る。例示的なセットにおいて、1つの光源は、1つのピーク波長を有し得る。別の例示的なセットにおいて、2つの光源は、互いに同じピーク波長を有し得る。さらに別の例示的なセットでは、複数の光源のそれぞれが、互いに異なるピーク波長を有し得る。さらなる例示的なセットでは、1つまたは複数の光源の第1のサブセットは、1つのピーク波長を有してもよく、1つまたは複数の光源の第2のサブセットは、異なるピーク波長を有してもよい。複数の光源を有する光源チャネル内で、光源のすべてが、それぞれのピーク波長を有し得、それは、すべてが光源チャネルの波長範囲内である(たとえば、1~20nmの範囲、たとえば、特定の波長を1nm、2nm、3nm、4nm、5nmまたはそれを超えて、上回るおよび/または下回る)。たとえば、一部の実施形態では、複数の光源を有する光源チャネル内で、光源のすべてが、本開示に記載される範囲内、たとえば、例として、約315nm~約350nm(たとえば、約315nm~約335nm、約330nm~約350nm)のピーク波長を有し得る。光源チャネル106において、それぞれの光源は、望ましい特性(たとえば、ピーク波長、スペクトルバンド幅)の光を提供する任意の光源であり得、これには、ソリッドステート照明(SSL)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、およびレーザーダイオードが挙げられるが、これらに限定されない。光源アレイ104の光源チャネル106は、直列回路、並列回路、または直列回路と並列回路との組合せで、接続され得る。複数の光源を有する光源チャネル106において、これらの光源は、一緒に制御されてもよく、または別個に制御されてもよい。
【0103】
それぞれの光源チャネル106は、それぞれの光源チャネル106が配置される表面の法線方向(たとえば、表面に対して垂直)に対して、傾斜(たとえば、調整可能に傾斜)していてもよい。たとえば、それぞれの光源チャネル106は、光源アレイ104の面によって定義される表面124の法線方向に対して、0°を上回って約50°まで、たとえば、例として、約45°、40°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°、4°、3°、2°、もしくは約1°まで、または50°を下回る、45°を下回る、40°を下回る、35°を下回る、30°を下回る、25°を下回る、20°を下回る、15°を下回る、10°を下回る、5°を下回る、4°を下回る、3°を下回る、2°を下回る、もしくは1°を下回る角度で、傾斜していてもよい。それぞれの光源チャネル106(たとえば、その中の光源)は、独立して、傾斜していてもよく、たとえば、それによって、1つまたは複数の光源チャネル106(たとえば、その中の光源)が、1つまたは複数の他の光源チャネル106(たとえば、その中の光源)とは異なる角度で傾斜している。1つまたは複数の光源チャネル106を傾斜させることは、生物学的流体108および110に照射する光の強度および/または光の入射の角度を制御するために望ましい場合がある。
【0104】
それぞれの光源チャネル106は、1つまたは複数のピーク波長の光が生物学的流体の1つまたは複数の部分に適用される、異なる強度で光を放出するように調整または設定する(たとえば、光線量を調整する、エネルギー量を調整する)ことができる。たとえば、それぞれの光源チャネルは、最大強度(たとえば、100%)、または最大よりも低い強度(たとえば、約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、またはそれを下回る)で光を放出し得る。
【0105】
それぞれの光源チャネル106は、様々な種類の光を放出し得る。たとえば、それぞれの光源チャネルは、紫外線光、紫外線A光、紫外線B光、紫外線C光、および/または可視光を放出し得る。加えて、それぞれの光源チャネル106は、様々なピーク波長の光を放出し得る。たとえば、放出されるピーク波長は、紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)、紫外線Bスペクトル(たとえば、280~315nm)、紫外線Cスペクトル(たとえば、100~280nm、200~280nm、240~280nm)、または可視光スペクトル(たとえば、400~800nm)にあり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、約240nm~約250nm、約245nm~約255nm、約250nm~約260nm、約255nm~約265nm、約260nm~約270nm、約265nm~約275nm、約270nm~約280nm、または約275nm~約285nmであり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、約280nm~約290nm、約285nm~約295nm、約290nm~約300nm、約300nm~約310nm、約305nm~約315nm、または約310nm~約320nmであり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、約315nm~約325nm、約320nm~約330nm、約325nm~約335nm、約330nm~約340nm、約335nm~約345nm、約340nm~約350nm、約345nm~約355nm、約350nm~約360nm、約355nm~約365nm、約360nm~約370nm、約365nm~約375nm、約370nm~約380nm、約375nm~約385nm、約380nm~約390nm、約385nm~約395nm、約390nm~約400nmであり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、約240nm、約245nm、約250nm、約255nm、約260nm、約265nm、約270nm、約275nm、約280nm、約285nm、約290nm、約295nm、約300nm、約305nm、約310nm、約315nm、約320nm、約325nm、約330nm、約335nm、約340nm、約345nm、約350nm、約355nm、約360nm、約365nm、約370nm、約375nm、約380nm、約385nm、約390nm、約395nm、または約400nmであり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、約255nm~約275nm(たとえば、約260nm~約270nm、265nm)であり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、約275nm~約295nm(たとえば、約280nm~約290nm、285nm)であり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、約300nm~約320nm(たとえば、約305nm~約315nm、310nm)であり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、約315nm~約335nm(たとえば、約320nm~約330nm、325nm)であり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、約330nm~約350nm(たとえば、約335nm~約345nm、340nm)であり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、約355nm~約375nm(たとえば、約360nm~約370nm、365nm)であり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、約375nm~約395nm(たとえば、約380nm~約390nm、385nm)であり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、(1)紫外線Aスペクトル(たとえば、315~400nm)、および(2)紫外線Bスペクトル(たとえば、280~315nm)または紫外線Cスペクトル(たとえば、100~280nm、200~280nm、240~280nm)にあり得る。一部の実施形態では、放出されるピーク波長は、紫外線Aスペクトル、約315nm~約350nm(たとえば、約320nm~約345nm、約315nm~約335nm、約330nm~約350nm)にあり得る。
【0106】
一部の実施形態では、光源アレイ104のすべての光源チャネル106は、ほぼ同じ(たとえば、変動範囲±1nm、±2nm、±3nm、±4nm、±5nm内)ピーク波長の光を放出し得る。光源チャネルは、ある変動性範囲内の異なるピーク波長(たとえば、測定されるピーク波長)を有する複数の光源を含み得る。一部の実施形態では、単一の光源チャネルの複数の光源にわたる平均のピーク波長は、単一の光源チャネル内の特定の光源の特定のピーク波長と同じであり得る。他の実施形態では、単一の光源チャネルの複数の光源にわたる平均のピーク波長は、単一の光源チャネル内のそれぞれの光源のすべての特定のピーク波長とは異なっていてもよい(たとえば、約1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、またはそれを上回って高いかまたは低い)。一部の実施形態では、一部の光源チャネルは、第1のピーク波長の光を放出し得、他の光源チャネルは、第2のピーク波長の光を放出し得る。第1のピーク波長は、第2のピーク波長とは、少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なり得る。たとえば、非限定的な実施形態では、第1の光源チャネルは、紫外線Aスペクトル、たとえば、上述のもの(たとえば、約330nm~約350nm)にあるピーク波長を有する光を放出し得、第2の光源チャネルは、紫外線Cスペクトル、たとえば、上述のもの(たとえば、約250nm~約260nm、約260nm~約270nm)または紫外線Bスペクトル、たとえば、上述のもの(たとえば、約305nm~約315nm)にあるピーク波長を有する光を放出し得る。別の非限定的な実施形態では、第1の光源チャネルは、紫外線Aスペクトル、たとえば、上述のもの(たとえば、約330nm~約350nm)にあるピーク波長を有する光を放出し得、第2の光源チャネルは、同様に紫外線Aスペクトル、たとえば、上述のもの(たとえば、約315nm~約335nm、約355nm~約375nm)にあるピーク波長を有する光を放出し得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、第1の光源チャネルの1つまたは複数の光源の平均のピーク波長である。一部の実施形態では、光源アレイ104は、それぞれが第1、第2、および第3のピーク波長の光をそれぞれ放出する、第1、第2、および第3の光源チャネルを含み得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長は、第2のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なり得る、および/または第2のピーク波長は、第3のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なり得る。あるいは、第1、第2、および第3のピーク波長のそれぞれは、互いに、少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なり得る。一部の実施形態では、光源アレイは、それぞれが第1、第2、第3、および第4のピーク波長の光をそれぞれ放出する、第1、第2、第3、および第4の光源チャネルを含み得る。一部の実施形態では、第1、第2、第3、および第4のピーク波長のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つは、互いに、少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なり得る。あるいは、第1、第2、第3、および第4のピーク波長のそれぞれは、互いに、少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なり得る。あるいは、第1のピーク波長は、第3のピーク波長とほぼ同じであってもよく(たとえば、変動範囲+1nm、+2nm、+3nm、+4nm、+5nmでそれに等しくてもよく)、第2のピーク波長は、第4のピーク波長とほぼ同じであってもよく(たとえば、それに等しくてもよく)、第1のピーク波長は、第2のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、または20nm異なってもよい。
【0107】
一部の実施形態では、それぞれの光源チャネル106は、狭いスペクトルバンド幅を有する光を放出し得る。たとえば、それぞれの光源チャネル106によって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅(たとえば、最大ピーク強度のスペクトルバンド幅)は、20nm未満、18nm未満、16nm未満、14nm未満、12nm未満、10nm未満、9nm未満、8nm未満、7nm未満、6nm未満、または5nm未満であり得る。一部の実施形態では、それぞれの光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅は、ピーク波長よりも下10nm以内および/または上10nm以内である(たとえば、ピーク波長よりも10nmを上回らずに高い、10nmを上回らずに低い)。一部の実施形態では、それぞれの光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅は、1nmを上回る、2nmを上回る、3nmを上回る、もしくは4nmを上回るか、またはそれを上回り得る。他の例では、それぞれの光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%は、ピーク波長の10nm以内、9nm以内、8nm以内、7nm以内、6nm以内、5nm以内、4nm以内、または3nm以内である(たとえば、ピーク波長よりも10nmを上回らずに高い、10nmを上回らずに低い;ピーク波長よりも下10nm以内、上10nm以内)。他の例では、それぞれの光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%の光強度は、20nm未満、18nm未満、16nm未満、14nm未満、12nm未満、10nm未満、9nm未満、8nm未満、7nm未満、6nm未満、または5nm未満のスペクトル幅内である(たとえば、ピーク波長よりも10nmを上回らずに高い、10nmを上回らずに低い;ピーク波長よりも下10nm以内、上10nm以内)。市販入手可能なLEDおよびレーザーダイオードは、上記に考察されるピーク波長においてそのような狭いスペクトルバンド幅の照射を提供することができる光源の非限定的な例である。
【0108】
様々な選択されたピーク波長における狭いスペクトルバンド幅での生物学的流体の照射を可能にすることにより、有利なことに、生物学的流体の生物学的機能および/または望ましい特徴(たとえば、品質)に影響を及ぼし得る(たとえば、低減し得る、損ない得る、損傷し得る)波長の光への生物学的流体の不必要な曝露を最小限に抑えながら、光化学反応および/または病原体不活性化の効率を最大にすることができる。加えて、光化学プロセスの効率を最大にすることにより、次いで、必要とされる病原体不活性化化合物の量を低減させ、ならびに/または病原体不活性化処理後に、生物学的流体から未反応の病原体不活性化化合物および/もしくは光産物を除去(たとえば、吸着)する必要性を低減もしくは排除することができる。
【0109】
加えて、1つまたは複数のピーク波長で狭いスペクトルバンドでの生物学的流体の照射は、予想外な利点および結果を有し得る。たとえば、ソラレン病原体不活性化化合物アモトサレンと混合した生物学的流体に、狭いスペクトルバンドの紫外線A光、たとえば、例として、LED(たとえば、ピーク波長約315~350nm、約315~335nmのピーク波長、約330~350nmのピーク波長、約325nmのピーク波長、約340nmのピーク波長、約365nmのピーク波長)からのものを照射すると、同じ流体混合物に広いスペクトルバンド幅の紫外線A(UVA)蛍光電球(たとえば、一般に、320~400nmの範囲内であり、ピーク波長が約352nmである)を照射する既存の生物学的流体処理システム(INTERCEPT(登録商標)Blood System、Cerus Corporation)と比較して、光変換レベルの増加が観察され得る。加えて、狭いスペクトルバンド幅の選択されたピークUVA波長の光を、病原体不活性化と混合した生物学的流体に適用すると、既存のより広いスペクトルのUVA生物学的流体処理システムを使用したときと比較して、病原体不活性化レベルの改善(たとえば、対数低減値の増加、より広いスペクトルの病原体)および/または光産物プロファイルの改善が、達成され得る。さらに、そのような改善は、既存のより広いスペクトルの照射源を使用して処理した生物学的流体と比較して、病原体不活性化化合物および狭いスペクトルバンド幅の光での処理の後に生物学的流体の所望される機能および/または特徴を維持しながら、達成され得る。
【0110】
生物学的流体を、本明細書に提供される狭いスペクトルバンド幅の光源で処理すること(たとえば、光化学的に処理すること)の利点および予想外な結果を考慮すると、そのような狭いバンド幅での光の放出が可能な光源の様々なパラメーターを制御することが望ましい場合がある。したがって、それぞれの光源チャネル106の放出のピーク波長、放出のスペクトルバンド幅、傾斜角度、放出の期間、および放出の強度を、調整または設定することができる。
【0111】
これらの様々な光源チャネルパラメーターの調整は、処理チャンバー102、光源アレイ104、および/またはコンピューターシステム128に作動可能に連結された(たとえば、通信可能に連結された)制御回路126によって行うことができる。本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」とは、2つまたはそれを上回る構成要素が情報、制御命令、および/または制御シグナルを交換することを可能にする、2つまたはそれを上回る構成要素の間の任意の有線または無線接続を指す。以下により詳細に考察されるように、制御回路126は、コンピューターシステム128から制御命令および/または制御シグナルを受信することができ、制御命令および/または制御シグナルを処理チャンバー102の様々な構成要素に送信して、チャンバー102の様々な構成要素と関連する様々なパラメーターを調整または設定することができる。チャンバーの処理パラメーターが、1つまたは複数の生物学的流体108および110の処理プロファイルに確実に従うように、チャンバー102の様々なパラメーターの調整が望ましい場合がある。一部の例では、制御回路126および/または制御回路126の機能は、コンピューターシステム128内に含まれ得ることが、認識されるはずである。一部の例では、制御回路126は、コンピューターシステム128および/またはコンピューターシステム128の機能を含み得る。一部の例では、制御回路126は、処理チャンバー102に構造的に取り付けられていてもよい(たとえば、処理チャンバー102の外部側面、上面、および/または底面に取り付けられていてもよい)。一部の例では、制御回路126は、処理チャンバー102と一体化されていてもよい(たとえば、処理チャンバー126の内部に配置されるか、または処理チャンバー102の構造の一部を形成してもよい)。
【0112】
ここで、システム100の追加または必要に応じた構成要素に移ると、図1Bは、光源アレイ104が、熱交換器122(たとえば、制御回路126に作動可能に連結されそれにより制御され得る、ヒートシンク、フィンヒートシンク、熱交換器)に熱的に連結され得ることを示す。熱交換器122は、1つまたは複数の生物学的流体108および110に面するアレイ104から熱エネルギーを奪い、それによって、生物学的流体108および110の熱エネルギー(たとえば、生物学的機能を損傷し得る熱エネルギー)への曝露を最小限にすることができる。チャンバー102の温度ならびに/または1つもしくは複数の生物学的流体108および110の温度のさらなる制御は、制御回路126に作動可能に連結されそれによって制御され得、チャンバー102の温度を調整または設定するように構成され得る、加熱/冷却ユニット114によって提供され得る。加熱/冷却ユニット114は、たとえば、ファン、ヒートポンプ、ペルチェクーラー、および/またはヒートパイプなど、当該技術分野において公知の任意の好適な技術であり得る。加熱/冷却ユニット114は、チャンバー102の外部にあってもよく、内部にあってもよく、および/またはそれと一体化されていてもよい。
【0113】
処理チャンバー102は、光を吸収するように構成される(たとえば、それぞれが光を吸収するように構成される)複数の内部表面をさらに含み得る。たとえば、処理チャンバー102は、ある特定の波長の光を実質的に吸収する材料(たとえば、黒色プラスチック、黒色珪酸塩、黒色塗料)から作製されるかまたはそれがコーティングされた、上壁部116、底壁部118、および4つの側壁部120a~dを含み得る。本明細書で使用される場合、「実質的に吸収する」とは、表面への入射光のうちの50%よりも多く、60%よりも多く、70%よりも多く、80%よりも多く、または90%よりも多く、またはそれよりも多くが、表面によって反射されない(吸収される)ことを意味する。たとえば、それぞれの壁部116、118、および120a~dは、紫外線光、紫外線A光、紫外線B光、紫外線C光、可視光、または500nmを下回る、450nmを下回る、400nmを下回る、375nmを下回る、350nmを下回る、325nmを下回る、300nmを下回る、280nmを下回る、もしくは260nmを下回る波長を有する光を実質的に吸収し得る。
【0114】
一部の例では、処理チャンバー102の複数の内部表面によって実質的に吸収される光の波長は、光源アレイ104の1つまたは複数の光源106によって放出される光の1つまたは複数のピーク波長に依存し得る。たとえば、壁部116、118、および120a~dは、光源アレイ104の1つまたは複数の光源106によって放出される光のピーク波長に等しい波長を有する光を吸収し得る。壁部は、1つまたは複数の光源106によって放出される光のピーク波長の100nm以内、75nm以内、50nm以内、40nm以内、30nm以内、20nm以内、または10nm以内の波長を有する光を吸収し得る。
【0115】
代替または追加として、一部の実施形態では、処理チャンバー102は、光を反射するように構成される(たとえば、それぞれが光を反射するように構成される)1つまたは複数の内部表面をさらに含み得る。たとえば、処理チャンバー102は、上壁部116、底壁部118、および4つの側壁部120a~dを含み得、これらのうちのいずれかまたはすべては、ある特定の波長の光を実質的に反射する材料から作製されているかまたはそれがコーティングされている。本明細書で使用される場合、「実質的に反射する」とは、表面への入射光のうちの50%よりも多く、60%よりも多く、70%よりも多く、80%よりも多く、または90%よりも多く、またはそれよりも多くが、表面によって反射されることを意味する。たとえば、それぞれの壁部116、118、および120a~dは、紫外線光、紫外線A光、紫外線B光、紫外線C光、可視光、または500nmを下回る、450nmを下回る、400nmを下回る、375nmを下回る、350nmを下回る、325nmを下回る、300nmを下回る、280nmを下回る、もしくは260nmを下回る波長を有する光を実質的に反射し得る。
生物学的流体の容器
【0116】
図1Cに示されるように、生物学的流体108および110は、それぞれ、生物学的流体の容器130および132に格納され得る。容器130および132は、格納されている生物学的流体の識別のための識別子(たとえば、バーコード134、RFID、ラベル)を含み得る。1つの例では、生物学的流体の容器130および132は、滅菌可能および/または可撓性でもあり得る任意の透光性もしくは透過性またはそれ以外では実質的に光透過性(たとえば、本明細書に提供される紫外線ピーク波長の光透過性)の材料から作製され得る。生物学的流体が、血液または血液製剤を含む場合、生物学的流体の容器は、血液適合性材料、たとえば、例として血液製剤バッグ(たとえば、血漿バッグ、血小板バッグ)の技術分野において使用されているポリマー材料で構成され得る。
【0117】
一部の実施形態では、生物学的流体の容器は、他の容器と接続されていない個別の容器(たとえば、容器130)であり得る。一部の実施形態では、生物学的流体の容器は、1つまたは複数の追加の容器、たとえば、例として保管容器および/または化合物吸着デバイスに接続されていてもよい。そのような生物学的流体の容器は、一部の実施形態では、生物学的流体を、所望される量の光に曝露するために処理チャンバーに挿入され、次いで、そのような光への曝露の後に、取り出され得る。他の実施形態では、生物学的流体は、複数の容器を使用して、処理チャンバー102に流入させ、そこから流出させてもよい。具体的には、処理チャンバーは、生物学的流体を受容および処理するための処理チャンバー内に配置される処理容器132を含み得る。処理容器132は、処理チャンバーの外部に配置される供給容器、およびチャンバー102の外部に配置される、処理された生物学的流体を処理容器132から受容するための排出容器に接合するように、適合され得る。供給容器、処理容器132、および排出容器の間の接合は、供給容器、処理容器132、および排出容器を接続するチュービングを通じて行われ得る。ポンプは、生物学的流体110を容器間で移送するために、供給容器、チュービング、処理容器132、および排出容器のうちの1つまたは複数に、動作可能に取り付けられるか、またはそれ以外では接続され得る。ポンプは、制御回路126に作動可能に連結され得、制御回路126は、ポンプを制御することによって、容器間での生物学的流体の体積流量を制御し得る。
生物学的流体を保持するためのプラットフォーム
【0118】
図1Cに示されるように、処理チャンバー102は、1つまたは複数の生物学的流体108および110(たとえば、生物学的流体の容器)を保持するように構成されるプラットフォーム144をさらに含み得る。プラットフォーム144は、トレイ、ウェル、または生物学的流体もしくは生物学的流体の容器を保持するのに好適な任意の他の支持体であり得る。プラットフォーム144は、チャンバー102の内外に手動で摺動可能に移動可能となるような「ドロワー構成」で配置することができる。プラットフォーム144は、電動モーターまたはサーボなど、任意の好適なアクチュエーターによって、自動で摺動可能に移動可能であってもよい。生物学的流体108および110を保持するプラットフォーム144は、光源アレイ104の上に、光源アレイ104がプラットフォーム144に面する状態で配置され得る。しかしながら、他の実施形態では、1つまたは複数の生物学的流体を保持するプラットフォーム104は、光源アレイ104の下に、光源アレイ104がプラットフォーム144に面する状態で配置されてもよい。他の実施形態では、光源は、様々な側面からの1つまたは複数の生物学的流体108および110の照射を提供するように、処理チャンバー102の側壁部120a~dのうちの1つに並行してアレイ上に配置されてもよい。
【0119】
一部の実施形態では、プラットフォーム144は、互いに分離した(たとえば、隔壁部150によって)、第1のコンパートメント146および第2のコンパートメント148を含み得る。第1のコンパートメント146は、第1の生物学的流体108を保持するように構成され得、第2のコンパートメントは、第2の生物学的流体110を保持するように構成され得る。第1の生物学的流体108は、第2の生物学的流体110と同じかまたは異なる種類の生物学的流体であり得る。他の実施形態では、プラットフォーム144は、それぞれが互いに分離した(たとえば、隔壁部によって)2つを上回るコンパートメントを含み得る。それぞれのコンパートメントは、生物学的流体を別々に保持するように構成され得る。
【0120】
プラットフォーム144が、2つまたはそれを上回る生物学的流体を保持するように構成される実施形態では、異なる処理プロファイルを必要とする2つまたはそれを上回る異なる生物学的流体の処理を、単一の処理チャンバーにおいて行うことができる。たとえば、図1Cに示されるように、第1の生物学的流体108に面する第1の光源セット152は、第1の生物学的流体108の処理プロファイルに従って光を放出するように制御することができ、第2の生物学的流体110に面する第2の光源セット154は、第2の生物学的流体110の処理プロファイルに従って光を放出するように制御することができる。
【0121】
一部の実施形態では、プラットフォーム144は、選択される波長の光に対して透光性または透過性であり得る。具体的には、プラットフォーム144は、選択される波長透光性または透過性を達成するために、たとえば、プラスチックまたはガラスなどの材料で作製され得る。これらの選択される波長は、光源アレイ104の1つまたは複数の光源チャネル106から放出される光のピーク波長によって判定され得る。たとえば、プラットフォームは、アレイ104の光源チャネルから放出される光のピーク波長の200nm以内、150nm以内、100nm以内、75nm以内、40nm以内、30nm以内、または20nm以内の波長を有する光に対して透光性または透過性であり得る。他の実施形態では、プラットフォーム144は、特定の種類の光に対して透光性または透過性であり得る。たとえば、プラットフォーム144は、紫外線スペクトル、紫外線Aスペクトル、紫外線Bスペクトル、紫外線Cスペクトル、および/または可視光スペクトル内の光に対して透過性であり得る。
【0122】
プラットフォーム144が、複数のコンパートメントに分割される例では、それぞれのコンパートメントは、上述の選択される波長の光に対して透光性または透過性であり得る。換言すると、プラットフォーム144の複数のコンパートメントのそれぞれのコンパートメントは、所望される透光性または透過性を提供するように異なる材料から作製され得る。たとえば、図1Cに示されるように、プラットフォーム144が、第1のコンパートメント146および第2のコンパートメント148を含む実施形態では、第1のコンパートメント146は、第1の選択される波長範囲の光に対して透光性または透過性であり得、一方で第2のコンパートメント148は、第2の選択される波長範囲の光に対して透光性または透過性であり得る。
【0123】
プラットフォーム144および光源アレイ104は、光源アレイ104とプラットフォーム144との間の距離156を増加または減少させるように、互いに対して並進し得る。1つの例では、距離156は、0~19センチメートルの範囲で調整または設定され得る。プラットフォーム144および/または光源アレイ104に作動可能に連結され得る制御回路126が、この並進を制御し得る。たとえば、制御回路126は、プラットフォーム144および/または光源アレイ104の変位および配向を制御するアクチュエーター(たとえば、電動モーター、サーボなど)を制御することによって、プラットフォーム144および光源アレイ104の相対的な配置を制御し得る。さらに、制御回路126は、光源アレイ104の移動およびプラットフォーム144の移動を別個に制御することができる。プラットフォーム144と光源アレイ104との間の距離156を変化させることは、1つもしくは複数の生物学的流体108および110に入射する光エネルギー量を変化させるため(たとえば、光の強度を変化させるため)ならびに/または光源アレイ104と1つもしくは複数の生物学的流体108および110との間の熱伝達の程度を変化させるために、望ましい場合がある。
【0124】
一部の実施形態では、照射の前、最中、および/または後に、1つまたは複数の生物学的流体108および110を撹拌することが望ましい場合がある。具体的には、生物学的流体の撹拌は、流体が、放出された光および/または任意の病原体不活性化化合物に十分かつ均一に曝露されるように、望ましい場合がある。したがって、プラットフォーム144は、プラットフォーム144によって保持される1つまたは複数の生物学的流体108および110を撹拌するように構成され得る。具体的には、プラットフォーム144は、振動(たとえば、プラットフォーム144に取り付けられたかもしくは一体化された振動モーターにより)、軌道運動による移動(たとえば、プラットフォーム144を、事前設定された軌道トラックもしくは変位経路を通じて移動させる電動モーターもしくはサーボにより)、または指定の頻度での往復運動(たとえば、左右方向)での移動(たとえば、往復モーターによる)を行い得る。そのような撹拌の頻度、発生、および種類は、プラットフォーム144に取り付けられたかまたは一体化された任意の好適な電気機械的作動機序によって受容される制御回路126からの命令および/または制御シグナルに基づき得る。
バリア
【0125】
処理チャンバー102は、光源アレイ104と1つまたは複数の生物学的流体108および110との間に配置されるバリア158をさらに含み得る。たとえば、バリア158は、光源アレイ104とプラットフォーム144との間に配置され得る。バリア158は、保護バリア、たとえば、例として、混入の可能性および/または光源アレイ104を清浄する必要性を低減させるために、1つまたは複数の生物学的流体108および110を、光源アレイ104から分離させる、バリアであり得る。代替または追加として、バリア158は、ある特定の波長の光を透過するか、またはその透過性を減弱させる、光フィルターであってもよい。バリア158は、すべての波長またはある特定の波長の光を透過するか、またはその透過性を減弱させるために、たとえば、プラスチックまたはガラスなどの材料から作製され得る。バリア158は、たとえば、1~10mmの範囲の厚さを有し得る。
【0126】
一部の例では、バリア158は、所望される波長(たとえば、光源チャネル106によって放出される光の波長、特定の病原体不活性化化合物を光活性化する光の波長)の光の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、もしくは99%、またはそれよりも多くを透過するように構成され得る。一部の例では、バリア158は、ある特定の波長を下回る、たとえば、例として、320nmを下回る、310nmを下回る、300nmを下回る、290nmを下回る、280nmを下回る、270nmを下回る、260nmを下回る、250nmを下回る、または240nmを下回る波長を有する光の透過を減弱させるように構成され得る。他の実施形態では、バリア158は、ある特定の波長を上回る(たとえば、350nmを上回る、370nmを上回る、400nmを上回る、またはそれを上回る)波長を有する光の透過を減弱させるように構成され得る。本明細書で使用される場合、「減弱させる」とは、50%を下回る、40%を下回る、30%を下回る、20%を下回る、10%を下回る、5%を下回る、4%を下回る、3%を下回る、2%を下回る、または1%を下回る光が、バリア158を透過することを意味し得る。
【0127】
一部の例では、光バリア158によって透過または減弱される光の1つまたは複数の波長は、光源チャネル106によって放出される光の1つまたは複数の波長に依存し得る。たとえば、バリア158は、光源チャネル106によって放出される光のピーク波長よりも少なくとも5nm、10nm、20nm、25nm、もしくは30nm、またはそれよりも高いかまたは低い波長を有する光の透過を減弱させるように構成され得る。バリアは、光源アレイ104の光源チャネル106によって放出される光のピーク波長の5nm以内、10nm以内、15nm以内、20nm以内、25nm以内、または30nm以内の波長を有する光に対して透光性または透過性となるように構成され得る。
【0128】
一部の例では、バリア158は、複数の部分に分割されていてもよく、ここで、それぞれの部分は、上述の波長うちのいずれかを有する光の透過を減弱させ得る、および/または異なるレベルまで減弱させ得る。換言すると、バリア158の複数の部分のそれぞれの部分は、ある特定の波長の光の所望される透過または減弱および/または異なるレベルまでの所望される透過または減弱を提供するために、異なる材料または同じ材料から作製され得る。たとえば、バリア158が、第1の部分160および第2の部分162を含む実施形態では、プラットフォーム144の第1のコンパートメント146の下に配置される第1の部分160は、選択された波長範囲の光の透過を減弱させることができ、一方で、プラットフォーム144の第2のコンパートメント148の下に配置されるバリア158の第2の部分162は、別の選択された波長範囲の光の透過を減弱させることができる。
【0129】
プラットフォーム144および/またはバリア158が、選択的に透光性または透過性であり、選択された波長の光を選択的に減弱させるおよび/または異なるレベルまで減弱させる実施形態では、1つまたは複数の生物学的流体108および110は、それぞれの処理プロファイルに従った光の波長によって実質的に照射されるだけであり得る。したがって、波長選択的照射は、より効率的な光化学反応をもたらすことができ、したがって、より効率的な病原体不活性化をもたらすことができる。加えて、生物学的機能を損傷し得る望ましくない波長の光への1つまたは複数の生物学的流体108および110の曝露は、最小限に抑えられ得る。
光源アレイ構成
【0130】
図2A~2Dに移り、光源アレイ104の例示的な光源アレイ構成を、これより説明する。
【0131】
図2Aは、光源202が、光源アレイ200の分布で配置される、例示的な光源アレイ構成を示す。具体的には、光源202は、光源クラスター204で配置することができる。同じ光源チャネルに属するそれぞれの光源202は、可視光スペクトルまたは紫外線光スペクトル、たとえば、例として、紫外線Aスペクトル、紫外線Bスペクトル、または紫外線Cスペクトルにおいて、同じ波長(たとえば、ピーク波長)で光を放出し得る。換言すると、それぞれの光源チャネルは、同じ波長を有する1つまたは複数の光源202のセットであり得る。図2Aに示されるように、それぞれの光源クラスターは、2つまたはそれを上回る(たとえば、3つまたはそれを上回る、4つまたはそれを上回る、5つまたはそれを上回る、6つまたはそれを上回る)光源202を含み得る。一部の例では、2つまたはそれを上回る光源202は、互いに少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なるピーク波長の光を放出し得る。他の例では、2つまたはそれを上回る光源202は、1つまたは複数の(たとえば、2つまたはそれを上回る、3つまたはそれを上回る)光源ペアを含み得る。たとえば、図2Aに示されるように、それぞれの光源クラスター204は、4つの光源202を含み得る。一般的な光源チャネルの第1の光源ペアは、第1のピーク波長を有する光を放出し得、別の一般的な光源チャネルの第2の光源ペアは、第1のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なる第2のピーク波長を有する光を放出し得る。あるいは、第1の光源ペア(たとえば、それぞれ、第1および第2の光源チャネルの第1および第2の光源)は、第1のピーク波長を有する光を放出し得、別の光源(たとえば、第3の光源チャネルの第3の光源)は、第2のピーク波長を有する光を放出し得、さらに別の光源(たとえば、第4の光源チャネルの第4の光源)は、第3のピーク波長を有する光を放出し得、ここで、第1のピーク波長は、第2のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なり、第2のピーク波長は、第3のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なる。あるいは、第1の光源(たとえば、第1の光源チャネルの第1の光源)は、第1のピーク波長を有する光を放出し得、別の光源(たとえば、第2の光源チャネルの第2の光源)は、第2のピーク波長を有する光を放出し得、さらに別の光源(たとえば、第3の光源チャネルの第3の光源)は、第3のピーク波長を有する光を放出し得、なおもさらに別の光源(たとえば、第4の光源チャネルの第4の光源)は、第4のピーク波長を有する光を放出し得、ここで、第1のピーク波長は、第2のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なり、第2のピーク波長は、第3のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なり、第3のピーク波長は、第4のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なる。
【0132】
図2Bは、光源208(たとえば、同じ光源チャネルの)が、光源アレイ206の分布で配置される、別の例示的な光源アレイ構成を示す。具体的には、光源アレイ206は、内部領域210および外部領域212を含み得る。内部領域210は、アレイ206の表面積の50%未満(たとえば、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満)を占め得、一方で外部領域は、アレイ206の表面積の残りの割合(たとえば、50%~90%またはそれよりも多く)を占め得る。あるいは、内部領域210は、アレイ206の表面積の90%未満(たとえば、80%未満、70%未満、60%未満)を占め得、一方で外部領域は、アレイ206の表面積の残りの割合(たとえば、10%~50%またはそれよりも多く)を占め得る。内部領域210に配置される光源208(たとえば、同じ光源チャネルの)の密度は、外部領域212に配置される光源208(たとえば、同じ光源チャネルの)の密度を上回り得る。他の実施形態では、図2Dに示されるように、内部領域210に配置される光源208(たとえば、同じ光源チャネルの)の密度は、光源アレイ216における外部領域212に配置される光源208(たとえば、同じ光源チャネルの)の密度を下回り得る。これらの例では、内部領域210に配置される光源の密度および外部領域212に配置される光源の密度は、少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3.0倍、またはそれを上回って異なり得る(たとえば、図2Bのような外部領域に対して内部領域ではより高い密度、図2Dのような内部領域に対して外部領域ではより高い密度)。
【0133】
図2Bおよび図2Dに示されるように、一部の実施形態では、光源208は、アレイ206の1つまたは複数の外縁部214に(たとえば、その付近に)配置されない。他の実施形態では、光源208は、1つまたは複数の外縁部214に(たとえば、その付近に)配置されてもよい。
【0134】
図2Cは、光源アレイ216が、第1の領域218および第2の領域220を含み、それらが第3の領域222によって分離されている、別の例示的な光源アレイ構成を示す。第1の領域218および第2の領域220に配置される光源224の密度は、それぞれ、第1の領域218および第2の領域220の外側の領域(たとえば、第3の領域222)に配置される光源の密度よりも高くてもよく、たとえば、第3の領域は光源を含まないなどであり得る。一部の実施形態では、第3の領域は、1つまたは複数の光源を含む。そのような光源アレイ構成は、処理チャンバー102が第1の生物学的流体108および第2の生物学的流体110を含む、上記に考察される実施形態において、望ましい場合がある。具体的には、第1の領域218に配置される光源は、第1の生物学的流体108に面していてよく、第2の領域220に配置される光源は、第2の生物学的流体110に面していてよい。第1の領域218の光源は、第1の生物学的流体108の処理プロファイルに従って第1の生物学的流体108に照射することができ、第2の領域220の光源は、第2の生物学的流体110の処理プロファイルに従って第2の生物学的流体110に照射することができる。第1の生物学的流体にも第2の生物学的流体にも面していない領域(たとえば、第3の領域222)には、いずれの光源または低密度の光源も、配置されなくてもよい。たとえば、第3の領域が、プラットフォーム144の隔壁部150に面している場合には、第3の領域222には、いずれの光源も必要とされなくてもよい。あるいは、第3の領域222は、第1もしくは第2の生物学的流体または両方に向かって傾斜した光源を含んでもよい。
【0135】
所与の光源アレイにおいて、光源は、均一な分布で配置され得る。たとえば、図2Aは、光源アレイ200において均一な分布にある光源クラスター204(たとえば、16個の光源クラスター204)を示していると理解することができる。光源アレイ200については、4つの光源チャネルが存在し得、それぞれの光源チャネルは、それぞれのクラスター204において同じそれぞれの位置に1つの光源202を含む。したがって、それぞれのクラスター204は、4つの異なる光源チャネルに1つずつ、4つの光源を含み得る。あるいは、所与の光源アレイにおいて、光源の配置および光源チャネルの配設は、不均一な分布を提供してもよい。光源そのものを、不均一な分布で配置してもよい。所与の光源チャネルの光源を、不均一な分布で配置してもよい。「光源アレイ」の1つまたは複数の光源は、任意の位置的配設(たとえば、直線状、曲線、行、および列、規則パターン、不規則間隔など)にあってもよい。均一な分布は、図2Aに例示されるように、規則的パターンおよび間隔をアレイ全体の光源に均一に適用することによって、提供され得る。不均一な分布は、たとえば、図2Bおよび図2Dにおける異なる密度の光源を有する内部および外部領域によって例示されるように、不規則なパターンおよび間隔をアレイ全体の光源に適用することによって、提供され得る。
【0136】
上記に考察される光源の様々な構成は、様々なそれぞれの処理プロファイルを必要とする様々な生物学的流体に照射するために望ましい場合がある。加えて、光源の様々な構成は、生物学的流体の表面または生物学的流体の容器の表面の実質的に均一な照射を達成するために望ましい場合がある。たとえば、アレイの光源配設の様々な構成は、図2A~2Dに例示されており、生物学的流体からの光源距離の様々な構成は、図4および図6Bに例示されている。生物学的流体の表面は、たとえば、流体を保持する生物学的流体の容器の表面、または生物学的流体の任意の部分と交差する面によって定義され得る。1つの例では、光源アレイ104の光源は、光源が、光源アレイ104に面する生物学的流体108の表面全体で25%を下回る(たとえば、20%を下回る、15%を下回る、10%を下回る)照度の変動性で、生物学的流体に照射するように、構成(たとえば、アレイに配置)され得る。換言すると、光源アレイ104に面する生物学的流体108の表面の任意の1つの部分における光強度は、光源アレイ104に面する生物学的流体108の表面の任意の他の部分における光強度とは、25%を下回って(たとえば、20%を下回って、15%を下回って、10%を下回って)異なり得る。
【0137】
別の例では、光源アレイ104の光源は、光源が、生物学的流体108の表面全体にわたる平均の積分照度から25%を下回る(たとえば、20%を下回る、15%を下回る、10%を下回る)照度で、生物学的流体108の表面の任意の5平方センチメートルの範囲に照射するように、構成され得る。換言すると、アレイ104に面する生物学的流体108の表面の任意の5平方センチメートルの範囲内で受容される光強度は、アレイ104に面する生物学的流体108の表面によって受容される全光強度(表面積に対して平均化したもの)とは、25%を下回って(たとえば、20%を下回って、15%を下回って、10%を下回って)異なり得る。
【0138】
ここで、図3~6Bへと移り、1つまたは複数の生物学的流体を処理するための処理システムにおける例示的な光源アレイの構成のさらなる実施形態について、説明する。
【0139】
図3は、処理チャンバー308内に複数の光源パネル302および304を含む光源アレイ構成を備える、生物学的流体を処理するための例示的なシステム300の斜視図を示す。図3においては2つのみの光源パネルが示されているが、他の例では、光源アレイは、2つを上回る(たとえば、3つ、4つ、5つ、またはそれを上回る)光源パネルを含んでもよい。処理チャンバー308は、処理チャンバー308の様々なパラメーターを調整または設定することができる、たとえば、例として、処理チャンバー内の光源のパラメーター(たとえば、放出のピーク波長、放出のスペクトルバンド幅、傾斜角度、放出の期間、放出の強度)を調整または設定することができる、制御回路306に作動可能に連結されていてもよい。
【0140】
それぞれの光源パネル302および304は、独立して、処理チャンバー308から(たとえば、光源アレイから)取り外し可能であってもよく、制御回路306に作動可能に連結されていてもよい。それぞれの光源パネル302および304は、光源アレイ、たとえば、310および312を含み得る。制御回路306は、それぞれの光源パネル302および304のそれぞれの光源314の様々なパラメーターを調整または設定することができる。たとえば、制御回路は、それぞれの光源パネル302および304のそれぞれの光源314の光放出のピーク波長、スペクトルバンド幅、強度、期間、および傾斜角度を調整または設定することができる。さらに、対応する光源アレイ310および312のそれぞれは、独立して、図2A~2Dについて上記で考察された光源の様々な分布を有して構成され得る。
【0141】
それぞれ、パネル302および304に設置される、それぞれの光源アレイ310および312のそれぞれの光源314は、それぞれのパネル内で直列回路で接続されていてもよい。それぞれのパネル302および304は、並列回路で他のパネルに接続されていてもよい。
【0142】
一部の実施形態では、制御回路306は、処理チャンバー308内の光源パネル302および304の配置を調整または設定することができる。具体的には、制御回路306は、たとえば、それぞれの光源パネル302および304に取り付けられたかまたは一体化された、光源パネル302と304との間の距離を増加または減少させるようにパネルを互いに対して並進させる、電動モーター、サーボ、または任意の好適な電気機械的作動機序に、制御命令および/または制御シグナルを送信し得る。たとえば、第1の光源パネル302は、第1の光源パネル302の面に対して平行に移動し得、第2の光源パネル304は、第2の光源パネル304の面に対して平行に移動し得る。第1の光源パネル302は、処理チャンバー308の底面316と第1の光源パネル302との間の第1の距離318を増加または減少させるように、並進し得る。同様に、第2の光源パネル304もまた、底面316と第2の光源パネル304との間の第2の距離320を増加または減少させるように、並進し得る。
【0143】
一部の実施形態では、処理チャンバー308は、プラットフォーム322(たとえば、1つまたは複数のコンパートメントを含むプラットフォーム)を含み得る。光源アレイにおける複数の光源パネルのうちの1つの光源パネルは、たとえば、側方オフセットなしの直接的なアライメントで、それぞれのコンパートメントに面してもよい。たとえば、図3に示されるように、プラットフォーム322は、隔壁部328によって互いに分離された第1のコンパートメント324および第2のコンパートメント326を含み得る。第1のコンパートメント324は、第1の生物学的流体330を保持するように構成され得、第2のコンパートメントは、第2の生物学的流体332を保持するように構成され得る。第1の光源パネル302は、第1のコンパートメント324に面していてもよく、第2の光源パネル304は、第2のコンパートメント326に面していてもよい。
【0144】
複数の独立して制御可能な光源パネルを含むように処理チャンバー308を構成することは、複数の種類の生物学的流体をチャンバー308において処理しようとする例において、望ましい場合がある。たとえば、第1の生物学的流体330が、第2の生物学的流体332とは異なる種類である場合、第1および第2の生物学的流体には異なる処理プロファイルが所望され得る。これらの異なる処理プロファイルを送達するために、第1の生物学的流体330に面する第1のパネル302および第2の生物学的流体332に面する第2のパネル304を、独立して、構成し、制御回路306によって制御することができる。たとえば、制御回路306は、第1のパネル302における光源の構成および/または光パネル304における光源の構成を、互いに異なるように設定または調整することができる。さらに、制御回路306は、第1のパネル302と第1の生物学的流体330との間の距離、および/または第2のパネル304と第2の生物学的流体332との間の距離を、互いに異なるように設定または調整することができる。なおもさらに、制御回路306は、第1のパネル302によって放出される光の特徴(たとえば、光の放出の期間、波長、強度、空間パターン、および時間パターン)ならびに/または第2のパネル304によって放出される光の特徴を、互いに異なるように設定または調整することができる。
【0145】
図4は、処理チャンバー412に配置される対向する光源アレイ402および404を備える、1つまたは複数の生物学的流体406および408の処理のための例示的なシステム400の斜視図を示す。対向する光源アレイ402および404は、それぞれが、熱交換器414および416にそれぞれ熱的に連結され得る。処理チャンバー412は、対向する光源アレイ402と404との間に配置されるプラットフォーム410を含み得、このプラットフォームは、1つまたは複数の生物学的流体406および408を保持するように構成される。両側から生物学的流体406および408の照射を提供することは、たとえば、生物学的流体により均一に照射するために望ましい場合がある。
【0146】
処理チャンバー412、対向する光源アレイ402および404、熱交換器414および416、ならびにプラットフォーム410は、それぞれが、それらのそれぞれのパラメーターを調整または設定することができる制御回路418に作動可能に連結され得る。
【0147】
第1の対向する光源アレイ402は、第1の光源チャネルのアレイ420を含み得、第2の対向する光源アレイ404は、第2の光源チャネルのアレイ(示されない)を含み得る。第1の対向する光源アレイ402のそれぞれの光源チャネル420および第2の対向する光源アレイ404のそれぞれの光源チャネルは、上記に考察される様々なピーク波長の光を放出するように構成され得る。
【0148】
一部の実施形態では、第1の対向する光源アレイ402によって放出される光の1つまたは複数の波長は、第2の対向する光源アレイ404によって放出される光の1つまたは複数の波長と同じであってもよい。たとえば、第1の対向するアレイ402の第1の光源チャネルおよび第2の光源チャネルは、それぞれ、第1のピーク波長、および第1の波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なる第2のピーク波長の光を放出し得る。第2の対向するアレイ404の第3の光源チャネルおよび第4の光源チャネルは、それぞれ、第1および第2のピーク波長と同じ(たとえば、それに等しい)波長を有する光を放出し得る。
【0149】
一部の実施形態では、第1の対向するアレイ402のすべての光源は、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)の光を放出し得る。第2の対向するアレイ404のすべての光源もまた、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)の光を放出し得る。第1の対向するアレイ402のすべての光源によって放出される光のピーク波長は、第2の対向するアレイ404のすべての光源によって放出される光のピーク波長と同じであってもよい(たとえば、それに等しくてもよい)。あるいは、第1の対向するアレイ402のすべての光源によって放出される光のピーク波長は、第2の対向するアレイ404のすべての光源によって放出される光のピーク波長とは、少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なってもよい。
【0150】
一部の実施形態では、第1の対向するアレイ402、第2の対向するアレイ404、およびプラットフォーム410は、すべてが、第1の対向するアレイ402、第2の対向するアレイ404、およびプラットフォーム410の任意のペア間の距離422、424、および426を増加または減少させるように、互いに対して並進するように構成されてもよい。この並進は、第1の対向するアレイ402、第2の対向するアレイ404、およびプラットフォーム410の並進を別個に制御することができる、制御回路418によって制御される任意の数のアクチュエーター(たとえば、電動モーター、サーボなど)によって実行され得る。
【0151】
図5は、処理チャンバー502、ならびに同じ方向に面する複数の光源アレイ504および506を備える、例示的なシステム500の斜視図を示す。光源アレイ504および506は、それぞれが、熱交換器508および510にそれぞれ熱的に連結され得る。処理チャンバー502は、必要に応じて、それぞれが1つまたは複数の(たとえば、複数の)生物学的流体516を保持するように構成される、複数のプラットフォーム512および514を含み得る。システム500のそのような構成は、それぞれが複数の生物学的流体を処理するための別個のアクセス(たとえば、別個の開口部、別個の摺動可能なドロワー)を有する、別個の処理領域を処理チャンバー502内に提供することができる。そのような構成は、生物学的流体の高スループットな処理に、および/または生物学的流体(たとえば、異なる生物学的流体)を異なる条件もしくは異なる時間(たとえば、同時の処理サイクルではなく)で処理するために、望ましい場合がある。
【0152】
処理チャンバー502、複数の光源アレイ504および506のそれぞれ、熱交換器508および510のそれぞれ、ならびにプラットフォーム512および514のそれぞれは、それらの様々なパラメーターを調整または設定することができる制御回路518に、(直接的または間接的に)作動可能に連結され得る。
【0153】
図5に示されるように、第1の光源アレイ504は、第2の光源アレイ506と同じ方向に面していてもよい。第1のプラットフォーム512は、第1の光源アレイ504と第2の光源アレイ506との間の第1の領域520に配置され得る。第1の光源アレイ504は、第1の領域520内の1つまたは複数の生物学的流体に照射する、処理チャンバー502の唯一の光源を含み得る。たとえば、処理チャンバー502は、第2の光源アレイ506からの光が、領域520に照射することができないように(たとえば、不透明な隔壁部を有して)構成され得る。第2のプラットフォーム514は、第1の領域520の外側の第2の領域522に(たとえば、第2の光源アレイ506の上に)配置され得る。第2の光源アレイ506は、第2のプラットフォーム514に面していてもよい。第2の光源アレイ506は、第2の領域522内の1つまたは複数の生物学的流体に照射する、処理チャンバー502の唯一の光源であり得る。たとえば、処理チャンバー502は、第1の光源アレイ504からの光が、領域522に照射することができないように(たとえば、不透明な隔壁部を有して)構成され得る。
【0154】
処理チャンバー502は、必要に応じて、第1の光源アレイ504および第2の光源アレイ506と同じ方向に面する第3の光源アレイおよび第4の光源アレイ(示されない)を含んでもよい。第3の光源アレイは、第3の光源アレイと第4の光源アレイとの間(たとえば、第3の領域)に配置される、第3のプラットフォーム(示されない)に面していてもよい。第4の光源アレイは、第4のプラットフォーム(示されない)に面していてもよい。当業者であれば、処理チャンバー502が、同じ方向に面する任意の数の光源アレイおよび任意の数のプラットフォームを収容するように拡張することができることを理解するであろう。それぞれの追加の光源アレイは、追加の領域(示されない)を提供し得、たとえば、それぞれの追加の光源アレイは、そのそれぞれの領域内の1つまたは複数の生物学的流体に照射する処理チャンバー502の唯一の光源を提供する。同様に、処理チャンバー内のそれぞれの別個の処理領域は、複数の生物学的流体を独立して処理するための別個のアクセス(たとえば、別個の開口部、別個の摺動可能なドロワー)を有し得る。
【0155】
第1の光源アレイ504は、1つまたは複数の光源チャネル524を含み得、第2の光源アレイ506は、1つまたは複数の光源チャネル526を含み得る。第1の光源アレイ504のそれぞれの光源チャネル524および第2の光源アレイ506のそれぞれの光源チャネル526は、上記に考察される様々なピーク波長の光を放出するように構成され得る。
【0156】
一部の実施形態では、光源アレイ504および506によって放出される光のピーク波長は、同じであってもよい。これは、同じ処理プロファイルまたは同じピーク波長の光での処理を必要とする複数の生物学的流体516(たとえば、同じ種類の生物学的流体)を、チャンバー502において処理しようとする例において、望ましい場合がある。たとえば、第1の光源アレイ504の第1の光源チャネルおよび第2の光源チャネルは、それぞれ、第1のピーク波長、および第1の波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、もしくは20nm、またはそれを上回って異なる第2のピーク波長の光を放出し得る。第2の光源アレイ506の第3の光源チャネルおよび第4の光源チャネルは、それぞれ、第1および第2のピーク波長と同じ(たとえば、それに等しい)波長を有する光を放出し得る。
【0157】
一部の実施形態では、第1の光源アレイ504のすべての光源チャネル524は、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)の光を放出し得る。第2の光源アレイ506のすべての光源チャネル526もまた、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)の光を放出し得る。第1の光源アレイ504のすべての光源チャネル524によって放出される光のピーク波長は、第2の光源アレイ506のすべての光源チャネル526によって放出される光のピーク波長と同じであってもよい(たとえば、それに等しくてもよい)。あるいは、第1の光源アレイ504のすべての光源チャネル524によって放出される光のピーク波長は、第2の光源アレイ506のすべての光源チャネル526によって放出される光のピーク波長とは、少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、および20nm、またはそれを上回って異なってもよい。
【0158】
一部の実施形態では、光源アレイ504および506のそれぞれ、ならびにプラットフォーム512および514のそれぞれは、光源アレイ504および506ならびにプラットフォーム512および514の任意のペア間の距離を増加または減少させるように、互いに対して並進し得る。そのような並進は、光源アレイ504および506のそれぞれならびにプラットフォーム512および514のそれぞれの並進を別個に制御することができる、制御回路518によって制御される任意の数のアクチュエーター(たとえば、電動モーター、サーボなど)によって実行され得る。同様に、追加の光源アレイおよびプラットフォーム(たとえば、第3および第4の光源アレイ、第3および第4のプラットフォーム、示されない)は、互いに対して並進することができ、そのような並進は、制御回路518によって制御される任意の数のアクチュエーター(たとえば、電動モーター、サーボなど)によって実行される。
【0159】
図6Aは、処理チャンバー612に配置される光源アレイ604を備える、1つまたは複数の生物学的流体606および608の処理のための例示的なシステム600の斜視図を示す。光源アレイ604は、生物学的流体のプラットフォーム610に面している。光源アレイ604は、熱交換器616に熱的に連結され得る。処理チャンバー612は、光源アレイ604の下に配置されるプラットフォーム610を含み得、このプラットフォームは、1つまたは複数の生物学的流体606および608を保持するように構成される。処理チャンバー612、光源アレイ604、熱交換器616、およびプラットフォーム610は、それぞれが、それらのそれぞれのパラメーターを調整または設定することができる制御回路618に作動可能に連結され得る。図6Bは、例示的なシステム600が、処理チャンバー612内に、バリア658、ならびに様々なセンサー612、666、668、680も含み得ることを示す。バリア658は、光源アレイ604と、1つまたは複数の生物学的流体606および608との間に配置され、バリア658は、図1Dにおけるバリア158について上記で考察された特徴のうちのいずれかを有し得る。センサー612、666、668は、プラットフォーム610に固定または配置され得る。センサー680は、バリア658に(たとえば、その上もしくは下に)固定または配置され得る。
【0160】
光源アレイ604は、光源チャネルのアレイを含み得る。光源アレイ604のそれぞれの光源チャネルは、上記に考察される様々なピーク波長の光を、上記に考察される光源および光源チャネルの様々な配設で、放出するように構成され得る。
【0161】
光源アレイ604およびプラットフォーム610は、いずれも、上記に考察される並進のように、それらの間の距離626を増加または減少させるように、互いに対して並進するように構成され得る。プラットフォーム610は、処理チャンバー612の底部の方に下げられてもよく、これは、外部の底面(たとえば、床、地面、デスクなど)よりも高くてもよく(たとえば、センサーもしくは回路のような任意の構成要素を含む、任意の構造基部によって)、または同じ高さであってもよい。光源アレイ604は、処理チャンバー612の上部まで上げられていてもよい。図6Bでは、光源アレイ604、バリア658、およびプラットフォーム610は、すべてが、光源アレイ604、バリア658、およびプラットフォーム610の任意のペア間の距離626、682、および684を増加または減少させるように、互いに対して並進するように構成され得る。この並進は、光源アレイ604、バリア658、およびプラットフォーム610の並進を別個に制御することができる、制御回路618によって制御される任意の数のアクチュエーター(たとえば、電動モーター、サーボなど)によって実行され得る。一部の実施形態では、光源アレイ604、バリア658、およびプラットフォーム610のうちの1つまたは2つは、処理チャンバー612内の所定の位置に固定されていてもよい。たとえば、バリア658は、処理チャンバー612内の所定の位置に固定されていてもよい。別の例として、バリア658および光源アレイ604は、処理チャンバー612において固定の距離682で、互いに対して所定の位置に固定されていてもよく、その場合、プラットフォーム610が、距離626および684を増加または減少させるように並進するように構成され得る。別の例として、バリア658およびプラットフォーム610は、処理チャンバー612において固定の距離684で、互いに対して所定の位置に固定されていてもよく、その場合、光源アレイ604が、距離626および682を増加または減少させるように並進するように構成され得る。
【0162】
図6A~6Bにおけるシステム600は、たとえば、システム600およびシステム100がいずれも、生物学的流体の片側の照射、たとえば、生物学的流体の容器の片側への照射、プラットフォームの片側への照射を提供することを含め、いくつかの点で、図1A~1Eにおけるシステム100に類似し得る。図6A~6Bにおけるシステム600は、たとえば、システム600は、生物学的流体に対して上から(たとえば、生物学的流体の容器の上から、プラットフォームの上から)照射光を提供するが、システム100は、下から(たとえば、生物学的流体の容器の下から、プラットフォームの下から)照射を提供することを含め、いくつかの点で、図1A~1Eにおけるシステム100とは異なり得る。
【0163】
図6A~6Bにおけるシステム600は、たとえば、システム600およびシステム400がいずれも、生物学的流体に対して上から(たとえば、生物学的流体の容器の上から、プラットフォームの上から)照射光を提供することを含め、いくつかの点で、図4におけるシステム400に類似し得る。図6A~6Bにおけるシステム600は、たとえば、システム600が、システム400におけるような両側ではなく、生物学的流体の片側への照射を提供することを含め、いくつかの点で、図4におけるシステム400とは異なり得る。
【0164】
上から生物学的流体606および608の照射を提供することは、任意の様々な理由で望ましい場合がある。たとえば、下向きの重力に起因して、生物学的流体606および608は、プラットフォーム610上で(たとえば、容器内、ウェル内、トレイ上)で静止しており、受動的に静置され得る。したがって、生物学的流体606および608に、プラットフォーム610の上から光を照射することができ、生物学的流体606および608に到達するために光がプラットフォーム610を通過する必要性が存在しない場合がある。プラットフォーム610に起因する照射光エネルギーの喪失および/または分散を、回避することができる。加えて、プラットフォーム610は、照射光に対して透過性または透光性である必要性が存在しない場合がある。プラットフォーム610は、照射光に対して不透明である材料および/または設計により形成することができる。
センサー
【0165】
上記に考察されるシステムの例示的な実施形態は、それらのそれぞれの処理チャンバーに実装される様々な種類のセンサーのうちの1つまたは複数を含み得る。図1Eに移ると、以下に考察される様々な種類のセンサーのそれぞれは、制御回路126および/またはコンピューターシステム128に(直接的または間接的に)作動可能に連結され得る。様々なセンサーが、図1Eに関して以下に説明されるが、当業者であれば、この説明が、図6Bに示される様々なセンサーによって例示されるように、上述のシステムの任意の他の実施形態にも適用され得ることを理解するであろう。
【0166】
処理チャンバー102に実装することができる様々なセンサーとして、
・処理チャンバーの様々な部分における光強度ならびに/または1つもしくは複数の生物学的流体108および110の様々な部分に入射する光の強度を測定するように構成される、1つまたは複数の光センサー112、
・1つまたは複数の空気流センサー164、
・処理チャンバー102の温度ならびに/または1つもしくは複数の生物学的流体108および110の温度を測定するための1つまたは複数の熱センサー166、
・1つまたは複数の生物学的流体108および110の存在を検出するための1つまたは複数のセンサー168または172(たとえば、圧力センサー、光学的再帰反射センサー、光透過センサー、ラベルリーダー、バーコードスキャナー、RFIDセンサーなど)、
・1つまたは複数の生物学的流体108および110の種類を検出するための1つまたは複数のセンサー172(たとえば、ラベルリーダー、バーコードスキャナー、RFIDセンサー)、
・生物学的流体の特性(たとえば、光透過性)を検出するための1つまたは複数のセンサー174(たとえば、光センサー、分光センサー)、
・生物学的流体中の光化学化合物を検出するための1つまたは複数のセンサー174(たとえば、蛍光分光法)、ならびに
・1つまたは複数の生物学的流体108および110の部分(たとえば、様々な部分)の流体深度を検出するように配置される、1つまたは複数のセンサー174(たとえば、超音波センサー)が挙げられる。
これらの様々なセンサーのうちのいずれも、上記に考察される処理チャンバーの様々な実施形態での実装のために、任意の場所に配置することができる(たとえば、処理チャンバーに対して外部である、内部に位置付けられる、その構造の一部を形成する)。たとえば、1つまたは複数の光センサー112、1つまたは複数の熱センサー166、および1つまたは複数の空気流センサー164は、光源アレイ104上に配置されてもよい。図1Eに示されるように、プラットフォーム144を含む処理チャンバー102の実施形態では、1つまたは複数の光センサー112、ならびに1つまたは複数の生物学的流体108および110の存在を検出するための1つまたは複数のセンサー168は、プラットフォーム144上に配置され得る。図6Bに示されるように、プラットフォーム610およびバリア658を含む処理チャンバー612の実施形態では、1つまたは複数の光センサー612、1つまたは複数の熱センサー666、ならびに1つまたは複数の生物学的流体606および608の存在を検出するための1つまたは複数のセンサー668は、プラットフォーム610に固定されるかまたはそこに配置され得る。上記に考察される様々なセンサーのいずれかを表し得るセンサー680は、バリア658に固定されるかまたはそこに配置されてもよい。
システム制御およびユーザー入力
【0167】
生物学的流体処理システムの様々な実施形態の様々な構成要素の様々なパラメーターを制御および調整または設定するための機序を、ここに説明する。処理システム100の様々な構成要素の様々なパラメーターを制御および調整または設定するための機序を、以下に考察するが、当業者であれば、以下の説明が、上記に考察される処理システムの様々な他の実施形態の様々なパラメーターの調整にも適用され得ることを理解するであろう。
【0168】
一部の実施形態では、処理システム100の様々な構成要素の様々なパラメーターは、様々な種類のセンサーのうちの1つまたは複数から制御回路126および/またはコンピューターシステム128において受容されるフィードバックに基づいて、動的にまたは自動で調整または設定することができる。代替または追加として、処理システム100の様々な構成要素の様々なパラメーターは、コンピューターシステム128におけるユーザー入力に基づいて調整または設定することができる。
【0169】
コンピューターシステム128は、制御回路126および/または上記に考察される様々なセンサーのうちのいずれかに(直接的または間接的に)作動可能に連結され得る。コンピューターシステムは、1つまたは複数のプロセッサー176、メモリー178、入力/出力(I/O)インターフェース180、およびユーザーインターフェース(UI)182を含み得る。1つまたは複数のプロセッサー176は、任意の種類の汎用コンピュータープロセッサーのうちの1つまたは複数であり得る。メモリー、またはコンピューター可読媒体178には、容易に入手可能なメモリー、たとえば、ランダムアクセスメモリー(RAM)、読出し専用メモリー(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、光学記憶媒体(たとえば、コンパクトディスクもしくはデジタルビデオディスク)、フラッシュドライブ、またはローカルもしくはリモートの任意の他の形態のデジタル記憶装置のうちの1つまたは複数が含まれ得る。一部の例では、非一過性コンピューター可読記憶媒体のメモリー178は、図7A~7Bのフローチャートを参照して以下に考察されるように、1つまたは複数の生物学的流体に、その1つまたは複数の処理プロファイルに従って照射するための命令を記憶するために使用することができる。コンピューターシステム128は、任意の種類のコンピューター、たとえば、パーソナルコンピューター(PC)、デスクトップコンピューター、ラップトップ、コンピューターターミナル、サーバコンピューター、タブレットコンピューター、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)などを包含し得る。一部の例では、制御回路126および/または制御回路126の機能は、コンピューターシステム128内に含まれ得る。
【0170】
制御回路126は、本明細書に記載されるその制御機能を協調させることができる、任意の好適な論理回路として実装され得る。そのような制御機能は、ソフトウェアプログラムに実装された命令を実行することにより提供することができる。好適な論理回路には、ソフトウェアプログラムにおいて実装される命令を記憶するプロセッサー可読媒体、および命令を実行すると、制御機能を行うプロセッサーが含まれ得る。さらに、そのような制御機能はまた、ハードウェア論理回路において実装される対応する論理設計、たとえば、制御回路126の制御機能を提供する論理設計を実装するプログラム可能論理デバイスまたは特定用途向け集積回路を介して提供することもできる。さらに、そのような制御機能は、ソフトウェアおよびハードウェア論理回路を実行する両方のプロセッサーを組み合わせた実装を介して提供することができる。一部の例では、制御回路126は、コンピューターシステム128および/またはコンピューターシステム128の機能を含み得る。
【0171】
UI 182において、ユーザーは、1つまたは複数の生物学的流体108および110の特徴セットの1つまたは複数の特徴を入力し得る。代替または追加として、1つまたは複数の生物学的流体の特徴セットの1つまたは複数の特徴は、処理チャンバー102の1つまたは複数のセンサーからコンピューターシステム128および/または制御回路126へのフィードバック入力に基づいて判定されてもよい。生物学的流体の特徴セットの特徴としては、たとえば、生物学的流体の種類(たとえば、血液製剤、たとえば、血漿、血小板、赤血球;細胞、たとえば、真核細胞;タンパク質、たとえば、抗体;ワクチン)、生物学的流体中の光化学物質(たとえば、種類、体積、濃度)、生物学的流体の体積、生物学的流体の光透過性、生物学的流体を保持する容器の種類および/または形状、ならびに生物学的流体の温度を挙げることができる。
【0172】
UI 182において、ユーザーは、1つまたは複数の生物学的流体108および110の処理プロファイルを含む、1つまたは複数のパラメーターを入力することができる。代替または追加として、コンピューターシステム128は、1つまたは複数の生物学的流体108および110のそれぞれの特徴セットに基づいて、1つまたは複数の生物学的流体108および110の1つまたは複数の処理プロファイルの1つまたは複数のパラメーターを自動で判定することができる。具体的には、メモリー178は、生物学的流体の1つまたは複数の特徴を、それぞれの生物学的流体について、生物学的流体の処理プロファイルの1つまたは複数のパラメーターにマッピングする命令を含む、コンピュータープログラムを記憶することができる。生物学的流体の1つまたは複数の特徴を、それぞれの生物学的流体について、生物学的流体の処理プロファイルの1つまたは複数のパラメーターにマッピングする命令は、ユーザープログラム可能な規則セットとして実装することができる。
【0173】
コンピューターシステム128は、処理チャンバー102の様々なパラメーターを調整または設定するために、制御回路126に、制御命令および/または制御シグナルを送信することができる。一部の実施形態では、処理チャンバー102の様々なパラメーターは、処理チャンバー内に配置される1つまたは複数の生物学的流体108および110の処理プロファイルに基づいて、調整または設定され得る。代替または追加として、処理チャンバー102の様々なパラメーターは、処理チャンバー102内に配置される様々なセンサーからのフィードバックに基づいて、調整または設定され得る。
【0174】
制御回路126は、それぞれの光源チャネル106によって放出される光のピーク波長を調整または設定することができる。制御回路126は、それぞれの光源チャネル106によって放出される光の強度を調整または設定することができる。具体的には、制御回路126は、それぞれの光源チャネル106によって放出される光の強度を、「オフ」の状態(強度0%)から最大強度の状態(強度100%)まで、0.4%のインクリメントで調整または設定することができる。制御回路126は、光源チャネル106を物理的に再配向することによって、または光源チャネル106の出力方向を整えることによって、それぞれの光源チャネル106の傾斜角度を調整または設定することができる。たとえば、制御回路は、それぞれの光源チャネルの傾斜角度を、0°~5°でそれぞれの光源チャネルが設置される表面の法線方向(たとえば、垂直方向)に対して調整または設定することができる。制御回路126は、それぞれの光源チャネル106によって放出される光の放出期間を調整または設定することができる。制御回路126は、それぞれの光源チャネル106によって放出される光の放出のスペクトルバンド幅を調整または設定することができる。これらのパラメーターのいずれも、たとえば、処理チャンバー102内に配置される1つもしくは複数の光センサー112および/または処理チャンバー102内に配置される他の様々なセンサーのうちのいずれかから受容されるパラメーターセットに基づいて、調整または設定することができる。
【0175】
それぞれの光源チャネル106からの光の放出のピーク波長、放出の期間、放出の強度、および放出の角度のうちの1つまたは複数の個別の制御を可能にすることにより、光源アレイ104によって放出される光の、様々な時間的および/または空間的に変動する光特徴のプログラミングおよび制御が可能となる。これらの光特徴は、生物学的流体の処理プロファイルにおける重要な処理パラメーターであり得、コンピューターシステム128のユーザーによってプログラムすることができ、メモリー178に記憶することができる。1つまたは複数の生物学的流体の光特徴は、1つまたは複数の生物学的流体のそれぞれの特徴セットに基づいて、コンピューターシステム128において自動的に判定することができる。
【0176】
例示的な光特徴セットでは、光源アレイ104のすべての光源は、ストローブ出力パターンを生成するように、ユーザーによる調整可能な頻度で同時に点灯および消灯することができる。別の例示的な光特徴セットでは、それぞれの光源チャネルによって放出される光の強度は、正弦強度の出力パターンを作製するように、時間的にモジュレートすることができる。別の例示的な光特徴セットでは、光源アレイ104の第1の光源セット152は、第1の光源セット152に面する第1の生物学的流体108の部分に第1の強度で照射し得、光源アレイ104の第2の光源セット154は、第2光源セット154に面する第2の生物学的流体110に第2の強度で照射し得る。
【0177】
処理チャンバー102の様々なパラメーターの調整は、処理チャンバー102内の1つまたは複数の生物学的流体108および110に照射する前に、制御回路126によって行われ得る。制御回路126によるそのような初回調整には、たとえば、処理チャンバー102の温度を調整または設定するように加熱/冷却ユニット114に命令するかまたはそれを制御すること、1つまたは複数の生物学的流体108および110の近くへまたはそこから離れて移動するように光源アレイ104に命令するかまたはそれを制御すること、生物学的流体を供給容器136から処理容器132へ流すようにポンプ142に命令するかまたはそれを制御すること、1つまたは複数の生物学的流体108および110を撹拌するようにプラットフォーム144に命令するかまたはそれを制御すること、ならびに光の強度を、「オフ」状態から初回強度状態へと調整または設定するようにそれぞれの光源チャネル106に命令するかまたはそれを制御することが含まれ得る。
【0178】
制御回路126による様々なパラメーターの調整はまた、1つまたは複数の生物学的流体108および110に照射している間に行うこともできる。制御回路126によるそのような調整は、上記に考察される様々なセンサーからコンピューターシステム128および/または制御回路126において受容されるフィードバックに基づいて、動的に行われ得る。具体的には、メモリー178は、様々なセンサーからの入力を、処理チャンバー102の様々な構成要素の必要とされる調整へとマッピングする、ユーザープログラム可能な規則セットを記憶していてもよい。様々なセンサーによって受容されたデータに対する動的フィードバック応答を可能にすることにより、有利なことに、処理されている1つまたは複数の生物学的流体108および110の意図される処理プロファイルから逸脱する処理パラメーターの、制御回路126による急速な補正が可能となり得る。これにより、処理されている1つまたは複数の生物学的流体中の病原体の不活性化の改善がもたらされ、同時に、生物学的流体の生物学的機能および/または望ましい特徴に影響を及ぼし得る(たとえば、それを低減し得る、損ない得る、損傷し得る)処理チャンバー条件への1つまたは複数の生物学的流体の曝露が最小限になり得る。
【0179】
様々なセンサーからのフィードバックに基づく制御回路126による処理チャンバー102の様々なパラメーターの動的制御の例を、これより説明する。
【0180】
一部の例では、それぞれの光源チャネル106によって放出される光の強度の制御回路126による調整は、1つまたは複数の光センサー112からコンピューターシステム128によって受容されるデータに基づき得る。たとえば、1つまたは複数の光センサー114によって検出される、生物学的流体108の部分に入射する光の強度が、閾値よりも高いかまたは低い場合、制御回路126は、それぞれ、生物学的流体108のその部分に面する光源アレイ104の1つまたは複数の光源の光強度を減少または増加させ得る。代替または追加として、制御回路126は、生物学的流体108のその部分に入射する光の強度を変化させるように、生物学的流体108を保持するプラットフォーム144と光源アレイ104との間の距離156を増加または減少させることができる。閾値強度値は、たとえば、生物学的流体108のその部分の深度、生物学的流体108の種類、生物学的流体108の光透過性、生物学的流体108を保持する容器の光透過性、および生物学的流体108と混合される病原体不活性化化合物の種類のうちの1つまたは複数に基づき得る。閾値強度値は、生物学的流体108の処理プロファイルおよび/または生物学的流体108の特徴セットにおいて指定することができる。好適な光センサーは、当該技術分野において周知であり、たとえば、例として、本明細書に提供される光源の波長に対応する(たとえば、それを含む)スペクトル応答範囲を有するフォトダイオードである(たとえば、210~390nmのスペクトル応答範囲を有するフォトダイオード)。例示的なフォトダイオードとしては、シリコンフォトダイオード、シリコンカーバイドフォトダイオード、または他の好適なフォトダイオード、たとえば、GaAsPフォトダイオード、GaPフォトダイオード、およびGaNフォトダイオードを挙げることができる。
【0181】
一部の例では、光源アレイ104のそれぞれの光源チャネル106によって放出される光の強度は、1つまたは複数の深度センサー174からコンピューターシステム128によって受容される深度データに基づいて、制御回路126によって調整または設定され得る。深度依存性の強度制御を可能にすることは、たとえば、生物学的流体の体積の違い(たとえば、生物学的流体を保持する容器の容量に満たない体積)に起因して、生物学的流体108を保持する容器130の深度(たとえば、最大深度)が変動し得る実施形態、および/または深度が不均一である実施形態(たとえば、血液バッグ)において、望ましい場合がある。具体的には、血液バッグの特徴的な中央の膨らみに起因して、血液バッグ中の生物学的流体の中央の部分は、血液バッグ中の生物学的流体の周縁部分を上回る深度を有し得る。その結果、中央領域において生物学的流体の十分な病原体不活性化に必要とされる照射の強度は、周縁領域において生物学的流体の十分な病原体不活性化に必要とされる照射の強度よりも高くなり得る。したがって、1つまたは複数の深度センサー174が、容器130にわたる流体深度におけるこの変動性を検出し得、制御回路126が、検出されたそのような部分の深度に基づいて、生物学的流体108の様々な部分に面するそれぞれの光源の放出の強度を調整または設定し得る。代替または追加として、特定の容器容量(たとえば、1000mL)を下回る体積(たとえば、300mL)の生物学的流体を格納している、その容量の容器は、容器の容量に近い体積(たとえば、900mL)の生物学的流体よりも低い深度を有し得る。結果として、より大きな体積の生物学的流体の十分な病原体不活性化に必要とされる照射の強度は、同様のサイズの容器内に保持されるより小さな体積の生物学的流体の十分な病原体不活性化に必要とされる照射の強度よりも高くなり得る。したがって、1つまたは複数の深度センサー174が、容器130における流体深度を検出し得、制御回路126が、検出された深度に基づいて、生物学的流体108に面するそれぞれの光源の放出の強度を調整または設定し得る。
【0182】
制御回路126による深度依存的強度制御および動的強度調整はまた、生物学的流体を、処理中に連続的または周期的に撹拌することが望ましい例においても、重要であり得る。具体的には、生物学的流体108が処理中に撹拌される実施形態では、生物学的流体108は、スロッシングまたは波運動を生じ得、これが、標準的な波パターンをもたらし得る。そのような運動は、生物学的流体108の様々な部分にわたる深度の変動をもたらし得、したがって、そのような部分内の病原体の不活性化に十分な光エネルギー量が変化する。したがって、1つまたは複数の深度センサー174からのフィードバックに基づいて、制御回路126は、1つまたは複数の光源チャネル106によって放出される光の強度を動的に調整または設定することができる。たとえば、生物学的流体108の部分に面する1つまたは複数の光源チャネルによって放出される光の強度は、1つまたは複数の深度センサー174によって検出された生物学的流体108のその部分の深度が、閾値深度を上回るか下回るかに基づいて、制御回路126によって動的に増加または減少され得る。閾値深度は、生物学的流体108の処理プロファイルおよび/または生物学的流体108の特徴セットにおいて指定することができる。代替または追加として、標準的な波パターンは、変数、たとえば、例として、生物学的流体の体積、生物学的流体の種類、容器のサイズ、容器の形状、撹拌速度、撹拌パターン、および撹拌ストローク長に基づいて判定され得、コンピューターシステム128は、そのような波パターンに基づいてユーザープログラム可能な規則セットを使用して、1つまたは複数の光源チャネルによって放出される光の強度を調整または設定するように、制御回路126に、制御命令および/または制御シグナルを送信し得る。
【0183】
一部の例では、処理チャンバー102の温度ならびに/または1つもしくは複数の生物学的流体108および110の温度は、1つまたは複数の熱センサー166からコンピューターシステム128において受容されるデータに基づいて、制御回路126によって調整または設定され得る。好適な熱センサーは、当該技術分野において周知であり、たとえば、例として、LM74温度センサー(Texas Instruments,Inc)である。たとえば、1つまたは複数の熱センサー166によって検出される生物学的流体108の温度が、閾値温度を上回る場合、制御回路108は、生物学的流体108の温度を低下させるように、処理チャンバー102の様々な操作パラメーターを調整または設定することができる。たとえば、制御回路108は、光源アレイ104と生物学的流体108との間の距離156を増加させることができ、および/または処理チャンバー102の温度を減少させるように加熱/冷却ユニット114に命令するかもしくはそれを制御することができる。代替または追加として、制御回路126は、光源アレイ104と熱交換器122との間の熱伝導率を増加させるように、熱交換器122に命令するかまたはそれを制御することができる。
【0184】
様々なセンサーからのフィードバックにより、制御回路126に、処理チャンバー102の様々な構成要素の様々なパラメーターを調整または設定させることができる方法の具体的な例は、上記に考察されているが、これらの例は、制限を意味するものではない。制御回路126は、上記に考察される様々なセンサーのうちのいずれかによって検出されるフィードバックデータに基づいて、および/またはコンピューターシステム128においてUI 182で提供される任意のユーザー入力に基づいて、上記に考察される処理システムの様々な実施形態の可能性のある構成要素の様々な調整可能なパラメーターのいずれかを調整または設定することができることを、理解されたい。
生物学的流体を処理するための方法
【0185】
生物学的流体中に存在する1つまたは複数の病原体を十分に不活性化するように生物学的流体を処理するために使用される様々な方法が、以下に考察される。以下の方法は、必要に応じて、上記に考察されるシステムの様々な実施形態を使用して行うことができる。しかしながら、以下に記載される方法は、上記に考察されるシステムの様々な実施形態によって行うことを必要とするものではなく、以下に記載される方法を行うことができる任意のシステムを使用して行ってもよい。
【0186】
図7A~7Bは、ある特定の実装形態による生物学的流体を処理するための方法700を表すフロー図である。様々な実装形態では、本方法におけるいくつかの操作を組み合わせることができ、および/またはいくつかの操作の順序は、図7A~7Bに示されている順序から変更されてもよい。また、一部の実装形態では、別個のボックス/図に示されている操作および/または別個の方法と関連して考察されている操作を組み合わせて、他の方法を形成してもよく、同じボックス/図に示されている操作および/または同じ方法に関連して考察されている操作を、異なる方法に分けてもよい。
【0187】
図7Aでは、ステップ702において、1つまたは複数の病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体(以降、「生物学的流体」)が、提供または受容され得る。生物学的流体を処理するために処理チャンバー(たとえば、チャンバー102)を使用する実施形態では、ステップ702は、生物学的流体が処理チャンバー102に導入されるかまたはそれによって受容される、必要に応じたステップ703を含み得る。たとえば、図1Cを参照して、処理チャンバー102が、摺動可能に移動可能なプラットフォーム144を含む実施形態では、摺動可能に移動可能なプラットフォーム144は、処理チャンバーから摺動して取り出すことができ、生物学的流体108(たとえば、容器内の生物学的流体)を、摺動可能に移動可能なプラットフォーム144に設置することができ、プラットフォームを、処理チャンバー102に摺動して戻すことができる。
【0188】
別の例では、複数の容器132、136、および138を含む実施形態では、必要に応じたステップ703は、生物学的流体110を、供給容器136から処理チャンバー102に流入させることを含み得る。
【0189】
必要に応じたステップ704において、生物学的流体の特徴セットが、判定され得る。生物学的流体の特徴セットの1つまたは複数の特徴の判定は、コンピューターシステム128におけるユーザー入力に基づき、および/または上記に考察される様々な種類のセンサーからのフィードバックに基づき得る。たとえば、処理チャンバー102が、1つまたは複数の生物学的流体種類センサー170を含む実施形態では、1つまたは複数の種類センサー170は、生物学的流体の種類を判定することができる。
【0190】
別の例では、生物学的流体の特徴セットは、バーコードスキャナー172を使用して判定することができる。具体的には、バーコードセンサー172は、生物学的流体容器130上のバーコード134をスキャンして、生物学的流体108の識別子を判定し、この識別子をコンピューターシステム128に送信することができる。コンピューターシステム128は、次いで、1つまたは複数の生物学的流体の識別子をそれらのそれぞれの特徴セットと関連付ける、メモリー178に記憶されたリストに基づいて、生物学的流体108の特徴セットを判定することができる。
【0191】
必要に応じたステップ706において、生物学的流体の処理プロファイルが、判定され得る。処理プロファイルの判定は、上記に考察される処理プロファイルを含むパラメーターのうちのいずれか1つまたは複数を判定することを含み得る。たとえば、処理プロファイルの判定は、生物学的流体に照射するのに使用しようとする光の1つまたは複数のピーク波長を判定することを含み得る。処理プロファイルの判定は、1つまたは複数のピーク波長の光が放出される、光の1つまたは複数の強度を判定することを含み得る。処理プロファイルの判定は、1つまたは複数のピーク波長の光が放出される、放出の1つまたは複数の期間を判定することを含み得る。
【0192】
一部の例では、生物学的流体の処理プロファイルの判定は、生物学的流体の特徴セットに基づき得る。たとえば、コンピューターシステム128が、生物学的流体の特徴セットを判定した後、コンピューターシステム128は、プログラム可能な規則のセットを使用して、生物学的流体の処理プロファイルを判定することができる。プログラム可能な規則のセットにより、生物学的流体の特徴セットの1つまたは複数の特徴に基づいて、処理プロファイルの1つまたは複数のパラメーターが判定され得る。たとえば、プログラム可能な規則は、ある特定の種類の光化学物質を、その光化学物質と混合された生物学的流体中の病原体を不活性化させるのに十分な、ある特定の光のピーク波長、ある特定の放出期間、およびそのピーク波長の光のある特定の放出強度とマッチングさせることができる。別の例では、プログラム可能な規則は、生物学的流体の部分の深度を、生物学的流体のその部分における病原体を不活性化するに十分なある特定の光の強度とマッチングさせることができる。
【0193】
他の例では、処理プロファイルの1つまたは複数のパラメーターは、コンピューターシステム128においてユーザーによって入力されてもよい。
【0194】
図7Bへと移り、生物学的流体を処理するために処理チャンバー102を使用する例では、必要に応じたステップ708において、処理チャンバー102のパラメーターセットは、処理プロファイルに基づいて、制御回路126によって調整または設定され得る。処理プロファイルに基づいて調整または設定することができるパラメーターセットのパラメーターとしては、生物学的流体を撹拌するかどうか、生物学的流体の撹拌と関連する1つまたは複数のパラメーター(たとえば、撹拌運動の頻度および撹拌運動の種類)、処理チャンバー102の温度、ならびに光源アレイ104とプラットフォーム144との間の距離を挙げることができる。
【0195】
ステップ710では、生物学的流体(たとえば、光活性病原体不活性化化合物との生物学的流体の混合物)に、(たとえば、光線量を提供する、総光線量を提供する)生物学的流体中の1つまたは複数の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、照射する。一部の実施形態では、生物学的流体の照射は、処理プロファイルに従って行われる。
【0196】
一部の例では、ステップ710は、生物学的流体に、第1のピーク波長の光を照射することができ、第2のピーク波長の光を照射することができる、ステップ711を含み得る。本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、第1のピーク波長は、第2のピーク波長とは少なくとも(たとえば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、20nm、もしくは25nm、またはそれを上回って異なり得る。本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、第2のピーク波長の光は、それぞれが20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する1つまたは複数の第2の光源によって放出され、ここで、第2のピーク波長は、第1のピーク波長とは少なくとも5nm、たとえば、少なくとも、10nm、15nm、20nm、または25nmのうちのいずれかで異なる。第1のピーク波長は、可視光スペクトルまたは紫外線スペクトル、たとえば、例として、紫外線Aスペクトル、紫外線Bスペクトル、もしくは紫外線Cスペクトルにあり得る。同様に、第2のピーク波長は、可視光スペクトルまたは紫外線スペクトル、たとえば、例として、紫外線Aスペクトル、紫外線Bスペクトル、もしくは紫外線Cスペクトルにあり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約240nm~約250nm、約245nm~約255nm、約250nm~約260nm、約255nm~約265nm、約260nm~約270nm、約265nm~約275nm、約270nm~約280nm、または約275nm~約285nmであり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約280nm~約290nm、約285nm~約295nm、約290nm~約300nm、約300nm~約310nm、約305nm~約315nm、または約310nm~約320nmであり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約315nm~約325nm、約320nm~約330nm、約325nm~約335nm、約330nm~約340nm、約335nm~約345nm、約340nm~約350nm、約345nm~約355nm、約350nm~約360nm、約355nm~約365nm、約360nm~約370nm、約365nm~約375nm、約370nm~約380nm、約375nm~約385nm、約380nm~約390nm、約385nm~約395nm、約390nm~約400nmであり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約240nm、約245nm、約250nm、約255nm、約260nm、約265nm、約270nm、約275nm、約280nm、約285nm、約290nm、約295nm、約300nm、約305nm、約310nm、約315nm、約320nm、約325nm、約330nm、約335nm、約340nm、約345nm、約350nm、約355nm、約360nm、約365nm、約370nm、約375nm、約380nm、約385nm、約390nm、約395nm、または約400nmであり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約255nm~約275nm(たとえば、約260nm~約270nm、265nm)であり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約275nm~約295nm(たとえば、約280nm~約290nm、285nm)であり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約300nm~約320nm(たとえば、約305nm~約315nm、310nm)であり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約315nm~約335nm(たとえば、約320nm~約330nm、325nm)であり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約330nm~約350nm(たとえば、約335nm~約345nm、340nm)であり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約355nm~約375nm(たとえば、約360nm~約370nm、365nm)であり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約375nm~約395nm(たとえば、約380nm~約390nm、385nm)であり得る。一部の実施形態では、第1のピーク波長および/または第2のピーク波長は、約315nm~約350nmであり得る。
【0197】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出される、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量は、約0.5J/cm~約50J/cm、たとえば、約0.5J/cm~約10J/cm、約0.5J/cm~約15J/cm、約0.5J/cm~約25J/cm、約1J/cm~約10J/cm、約1J/cm~約15J/cm、約1J/cm~約25J/cm、約3J/cm~約10J/cm、約3J/cm~約15J/cm、約3J/cm~約25J/cm、約5J/cm~約10J/cm、約5J/cm~約15J/cm、約5J/cm~約25J/cm、約10J/cm~約30J/cm、約10J/cm~約20J/cm、約15J/cm~約50J/cm、約15J/cm~約35J/cm、約20J/cm~約30J/cm、約25J/cm~約50J/cm、約30J/cm~約40J/cm、または約40J/cm~約50J/cmのうちのいずれかである。一部の実施形態では、1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出される、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量は、約0.5J/cmまたはそれを上回る、たとえば、およそで、1J/cmもしくはそれを上回る、2J/cmもしくはそれを上回る、3J/cmもしくはそれを上回る、4J/cmもしくはそれを上回る、5J/cmもしくはそれを上回る、6J/cmもしくはそれを上回る、7J/cmもしくはそれを上回る、8J/cmもしくはそれを上回る、9J/cmもしくはそれを上回る、10J/cmもしくはそれを上回る、15J/cmもしくはそれを上回る、20J/cmもしくはそれを上回る、25J/cmもしくはそれを上回る、30J/cmもしくはそれを上回る、35J/cmもしくはそれを上回る、40J/cmもしくはそれを上回る、45J/cmもしくはそれを上回る、または50J/cmもしくはそれを上回るのうちのいずれかである。一部の実施形態では、1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出される、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量は、約50J/cmを下回る、約40J/cmを下回る、約30J/cmを下回る、約25J/cmを下回る、約20J/cmを下回る、約15J/cmを下回る、または約10J/cmを下回る。一部の実施形態では、生物学的流体への照射は、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量(たとえば、前述の総線量)を提供するに十分な期間および強度(たとえば、総線量の紫外線光を提供するに十分な期間および強度の任意の好適な組合せ)で生じる。一部の実施形態では、強度は、1~1000mW/cm(たとえば、1~100mW/cm)である。一部の実施形態では、期間は、1秒間~2時間(たとえば、1分間~60分間)である。
【0198】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、第1のピーク波長の光および第2のピーク波長の光は、それぞれ、第1の光源および第2の光源によって提供され得る。第1の光源および/または第2の光源は、たとえば、ソリッドステート照明(SSL)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、またはレーザーダイオードであり得る。一部の例では、第1の光源および第2の光源は、光源アレイ104の光源チャネル106に含まれ得る。
【0199】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、第1および第2の光源は、狭いスペクトルバンド幅を有する光を放出し得る。一部の例では、第1の光源および/または第2の光源によって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅(たとえば、最大ピーク強度のスペクトルバンド幅)は、20nm未満、18nm未満、16nm未満、14nm未満、12nm未満、10nm未満、9nm未満、8nm未満、7nm未満、6nm未満、または5nm未満であり得る。一部の実施形態では、第1の光源および/または第2の光源によって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅は、それぞれ、第1の光源および/または第2の光源のピーク波長よりも下10nm以内、上10nm以内である(たとえば、それぞれ、第1の光源および/または第2の光源のピーク波長よりも10nmを上回らずに高い、10nmを上回らずに低い)。一部の実施形態では、第1の光源および/または第2の光源によって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅は、1nmを上回る、2nmを上回る、3nmを上回る、もしくは4nmを上回るか、またはそれを上回り得る。他の例では、第1の光源および/または第2の光源によって放出される光の最大ピーク強度の50%の光強度は、第1および/または第2の光源によって放出される光のピーク波長の10ナノメートル以内であり得る。
【0200】
一部の例では、第1のピーク波長の光および第2のピーク波長の光での生物学的流体への照射は、逐次的に生じる。他の例では、第1のピーク波長の光および第2のピーク波長の光での生物学的流体への照射は、同時に生じる。他の例では、第1のピーク波長の光での生物学的流体への照射および第2のピーク波長の光での生物学的流体への照射は、部分的にオーバーラップする(たとえば、ある期間は第1のピーク波長の光のみ(処理チャンバーの光源の中から)、続いて、ある期間は第1および第2のピーク波長の両方の光、続いて、ある期間は第2のピーク波長の光のみ(処理チャンバーの光源の中から)で照射する)。
【0201】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、第1のピーク波長の光での生物学的流体への照射は、第1の期間、生じ得、第2のピーク波長の光での生物学的流体への照射は、第2の期間、生じ得る。第1の期間は、第2の期間と等しくてもよく、または異なってもよい。一部の例では、第1の期間は、第2の期間よりも少なくとも1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、もしくは10倍、またはそれを超えて、長くてもよい。他の例では、第2の期間は、第1の期間よりも少なくとも1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、もしくは10倍、またはそれを超えて、長くてもよい。
【0202】
一部の例では、第1のピーク波長および第2のピーク波長の光での生物学的流体への照射は、処理プロファイルに従って行われ得る。たとえば、処理プロファイルは、生物学的流体に照射するのに使用しようとする光特徴を指定し得る。例示的な処理プロファイルは、まず、第1のピーク波長の光で、第1の期間、第1の強度で生物学的流体に照射し、次に、第2のピーク波長の光で、第2の期間、第2の強度で生物学的流体に照射するように、指定し得る。別の例示的な処理プロファイルは、第1のピーク波長の光で、第1の期間、第1の強度で生物学的流体に照射し、同時に(少なくとも部分的にオーバーラップして)、第2のピーク波長の光で、第2の期間、第2の強度で生物学的流体に照射するように指定し得る。一部の実施形態では、処理プロファイルは、生物学的流体に照射する前、最中、および/または後に使用しようとする1つまたは複数の撹拌条件を指定し得る。例示的な処理プロファイルは、第1のピーク波長の光での生物学的流体への照射の前、最中、および後に使用しようとする1つまたは複数の撹拌条件、ならびに第2のピーク波長の光での生物学的流体への照射の前、最中、および/または後に使用しようとする1つまたは複数の撹拌条件を指定し得る。
【0203】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、生物学的流体に、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)の光が照射され得る。一部の例では、ステップ710は、生物学的流体に、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)の光が照射され得る、ステップ712を含み得る。単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、可視光スペクトルまたは紫外線スペクトル、紫外線Aスペクトル、紫外線Bスペクトル、紫外線Cスペクトルにあり得る。他の例では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約240nm~約250nm、約245nm~約255nm、約250nm~約260nm、約255nm~約265nm、約260nm~約270nm、約265nm~約275nm、約270nm~約280nm、または約275nm~約285nmであり得る。一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約280nm~約290nm、約285nm~約295nm、約290nm~約300nm、約300nm~約310nm、約305nm~約315nm、または約310nm~約320nmであり得る。一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約315nm~約325nm、約320nm~約330nm、約325nm~約335nm、約330nm~約340nm、約335nm~約345nm、約340nm~約350nm、約345nm~約355nm、約350nm~約360nm、約355nm~約365nm、約360nm~約370nm、約365nm~約375nm、約370nm~約380nm、約375nm~約385nm、約380nm~約390nm、約385nm~約395nm、約390nm~約400nmであり得る。一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約240nm、約245nm、約250nm、約255nm、約260nm、約265nm、約270nm、約275nm、約280nm、約285nm、約290nm、約295nm、約300nm、約305nm、約310nm、約315nm、約320nm、約325nm、約330nm、約335nm、約340nm、約345nm、約350nm、約355nm、約360nm、約365nm、約370nm、約375nm、約380nm、約385nm、約390nm、約395nm、または約400nmであり得る。一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約255nm~約275nm(たとえば、約260nm~約270nm、265nm)であり得る。一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約275nm~約295nm(たとえば、約280nm~約290nm、285nm)であり得る。一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約300nm~約320nm(たとえば、約305nm~約315nm、310nm)であり得る。一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約315nm~約335nm(たとえば、約320nm~約330nm、325nm)であり得る。一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約330nm~約350nm(たとえば、約335nm~約345nm、340nm)であり得る。一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約355nm~約375nm(たとえば、約360nm~約370nm、365nm)であり得る。一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約375nm~約395nm(たとえば、約380nm~約390nm、385nm)であり得る。一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)は、約315nm~約350nmであり得る。
【0204】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、単一のピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)の光は、第1の光源によって提供され得る。一部の例では、第1の光源は、生物学的流体に照射するために使用される、処理チャンバー102の唯一の光源であり得る。第1の光源は、たとえば、1つまたは複数のソリッドステート照明(SSL)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、またはレーザーダイオードであり得る。たとえば、第1の光源は、光源アレイ104の光源チャネル106に含まれ得る。図1A~1Eに示されるように、光源チャネル106は、生物学的流体108を保持する容器130の片側のみに面していてもよい。
【0205】
第1の光源は、狭いスペクトルバンド幅を有する光を放出し得る。具体的には、第1の光源によって放出される光の最大ピーク強度の50%の光強度は、第1の光源によって放出される光のピーク波長から10、20、30、または40ナノメートル未満の波長で放出され得る。他の例では、第1の光源光源によって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅は、20nm、18nm、16nm、14nm、12nm、10nm、9nm、8nm、7nm、6nm、5nm、または5nm未満を下回り得る。
【0206】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、処理するための方法は、存在する場合に(たとえば、存在するときに)少なくとも約1対数、たとえば、少なくとも、およそで、2対数、3対数、4対数、5対数、6対数、7対数、8対数、9対数、または10対数のうちのいずれかの病原体を不活性化するに十分である(たとえば、混合物を、病原体を光化学的に不活性化するに十分な光に曝露した後)。一部の実施形態では、処理するための方法は、存在する場合に(たとえば、存在するときに)少なくとも約1対数、たとえば、少なくとも、およそで、2対数、3対数、4対数、5対数、6対数、7対数、8対数、9対数、または10対数のうちのいずれかの病原体を不活性化するに十分であり、ここで、生物学的流体は、照射後に、約5μMまたはそれを下回る、たとえば、およそで、4μMもしくはそれを下回る、3μMもしくはそれを下回る、2μMもしくはそれを下回る、または1μMもしくはそれを下回るのうちのいずれかのPICを含む。一部の実施形態では、処理するための方法は、存在する場合に(たとえば、存在するときに)少なくとも約1対数、たとえば、少なくとも、およそで、2対数、3対数、4対数、5対数、6対数、7対数、8対数、9対数、または10対数のうちのいずれかの病原体を不活性化するに十分であり、ここで、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、約15μM~約150μMであり、生物学的流体は、照射後に、約5μMまたはそれを下回る、たとえば、およそで、4μMもしくはそれを下回る、3μMもしくはそれを下回る、2μMもしくはそれを下回る、または1μMもしくはそれを下回るのうちのいずれかのPICを含む。一部の実施形態では、処理するための方法は、存在する場合に(たとえば、存在するときに)少なくとも約1対数、たとえば、少なくとも、およそで、2対数、3対数、4対数、5対数、6対数、7対数、8対数、9対数、または10対数のうちのいずれかの病原体を不活性化するに十分であり、ここで、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、約15μM~約150μM(たとえば、約30μM~約110μM、約60μM~約90μM、約75μM)であり、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量は、約0.5J/cm~約50J/cm(たとえば、約3J/cm~約15J/cm)であり、生物学的流体は、照射後に、約5μMまたはそれを下回る、たとえば、およそで、4μMもしくはそれを下回る、3μMもしくはそれを下回る、2μMもしくはそれを下回る、または1μMもしくはそれを下回るのうちのいずれかのPICを含む。一部の実施形態では、処理するための方法は、存在する場合に(たとえば、存在するときに)少なくとも約4対数の病原体を不活性化するに十分であり、ここで、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、約30μM~約110μMであり、生物学的流体は、照射後に、約5μMのPICを含む。前述の方法のいずれかの一部の実施形態では、照射後の生物学的流体は、残留病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である。
【0207】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、生物学的流体は、血液製剤を含む。一部の実施形態では、生物学的流体は、全血組成物を含む。一部の実施形態では、生物学的流体は、赤血球組成物を含む。一部の実施形態では、生物学的流体は、血小板組成物(たとえば、血小板)を含む。一部の実施形態では、生物学的流体は、血漿組成物(たとえば、血漿)を含む。一部の実施形態では、生物学的流体は、血小板組成物(たとえば、血小板)および血漿組成物(たとえば、血漿)を含む。一部の実施形態では、生物学的流体(たとえば、血小板組成物)は、血小板添加剤溶液を含む。一部の実施形態では、生物学的流体は、血小板組成物であり、ここで、血小板組成物は、血小板添加剤溶液および血漿を含む(たとえば、約5~50%の血漿および約95~50%の添加剤溶液;約30~50%の血漿および約70%~50%の血小板添加剤溶液)。たとえば、一部の実施形態では、処理するための方法は、本明細書に開示されるシステムおよび方法を使用して、個体への注入に好適な血小板組成物を調製するステップを含む。
【0208】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、本明細書に記載される処理するための方法は、少なくとも1対数(たとえば、少なくとも2対数、3対数、4対数、またはそれを上回る)病原体(たとえば、存在するとき)を不活性化するに十分であり、ここで、照射後の生物学的流体は、残留PICまたはその光産物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である。一部の実施形態では、処理するための方法は、少なくとも1対数(たとえば、少なくとも2対数、3対数、4対数、またはそれを上回る)の病原体(たとえば、存在するとき)を不活性化するに十分であり、ここで、照射後の血小板組成物は、5μMまたはそれを下回るPICを含む。一部の実施形態では、照射前の混合物中のPICの濃度は、少なくとも10μMである。一部の実施形態では、照射前の混合物中のPICの濃度は、少なくとも30μM、少なくとも50μM、少なくとも70μM、少なくとも90μM、もしくは少なくとも110μM、またはそれを上回る。一部の実施形態では、照射前の混合物中のPICの濃度は、約15μM~約150μMである。一部の実施形態では、照射前の混合物中のPICの濃度は、約15μM~約110μM、約30μM~約110μM、約60μM~約110μM、約30μM~約90μM、または約60μM~約90μMである。一部の実施形態では、照射前の混合物中のPICの濃度は、約75μMである。一部の実施形態では、本明細書に開示される生物学的流体を処理するための方法は、存在する場合に生物学的流体中の1つまたは複数の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で生物学的流体に照射した後に、生物学的流体をさらなるプロセシング、たとえば、化合物吸着デバイス(CAD)への曝露に供するステップを含まない。一部の実施形態では、本明細書に開示される生物学的流体を処理するための方法は、存在する場合に(たとえば、存在するときに)生物学的流体中の1つまたは複数の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で生物学的流体に照射した後に、残留PICまたはその光産物を除去するために生物学的流体をさらなるプロセシング、たとえば、化合物吸着デバイス(CAD)への曝露に供するステップを含まず、ここで、本方法は、少なくとも1対数の病原体(たとえば、少なくとも4対数の病原体)を不活性化するに十分であり、生物学的流体は、本明細書に開示される方法に従って照射した後に、対象への注入に好適である。一部の実施形態では、本明細書に開示される方法に従って生物学的試料に照射した後、生物学的試料は、5μMを下回るPIC(たとえば、2μMを下回るPIC)を含む。
【0209】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、処理するための方法は、PICを得るかまたはそれを血小板添加剤溶液(PAS)と所望される(たとえば、標準化された)濃度で事前混合し、次いで、PIC/PAS溶液を血小板調製物中に投入し、それによって、たとえば、(i)プロセシングの柔軟性および制御の改善、(ii)たとえば、病原体不活性化に使用されるPICの量の低減を可能にすることを含め、病原体不活性化の改善、(iii)プロセシングステップの低減、たとえば、個体への投与の前に残留PICもしくはその光産物を除去するために化合物吸収デバイス(CAD)を用いてさらにプロセシングする必要性がないこと、ならびに/または(iv)血小板品質の改善を可能にするステップを含む。
【0210】
本明細書に提供される方法のいずれかの一部の実施形態では、処理するための方法は、照射前に、生物学的流体を、30分間~24時間(たとえば、2時間~24時間、4時間~24時間、8時間~24時間、12時間~24時間)の期間、光活性病原体不活性化化合物とともにインキュベートするステップをさらに含む。
【0211】
本明細書において使用されるとき、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、別途示されない限り、複数形の参照物を含む。
【0212】
本明細書に提供される本開示の態様および実施形態は、態様および実施形態を「含むこと」、それら「からなること」、およびそれら「から本質的になること」を含むことが理解される。
【0213】
2つの数字の「間の」範囲が提供される場合、範囲の両端点が含まれることが理解される。たとえば、「x~y」または「約x~約y」の範囲は、値xおよびyを含む。
【0214】
本開示は、以下の実施例によってさらに例証されるが、これらは、本開示の範囲または趣旨を、それらに記載される特定の手順に制限すると解釈されるものではない。
【実施例
【0215】
(実施例1)
生物学的流体を処理するためのシステム
生物学的流体を処理するための例示的なシステムを、処理チャンバー内に、それぞれが、4つのLEDチャネルの72個のクラスターを含み、それぞれのクラスターが340nmおよび365nmの両方の波長のLEDを含む、2つの対向する光源アレイを互いに面して収容するように、構築した(たとえば、図2Aを参照されたい)。このシステムはまた、プラットフォームに置かれた生物学的流体の容器に、容器の両側から紫外線光を照射するための手段として、2つのアレイの間に配置されるガラスプラットフォームも含んでいた(たとえば、図4を参照されたい)。システム制御は、LEDの調整、ならびに340nmのLEDもしくは365nmのLEDのいずれかによる光での別個の、または340nmおよび365nmの波長での同時もしくは連続的な生物学的流体試料の処理を提供し、LEDによる照射のタイミング(たとえば、期間)および強度の両方を制御する。
(実施例2)
病原体不活性化化合物の光化学変換
【0216】
本開示のシステムを使用した病原体不活性化化合物の光化学変換の効率性を判定するために、研究を行った。光化学物質であるアモトサレン(S-59とも称される)は、血漿および血小板血液成分の病原体不活性化処理のための市販入手可能な医療用デバイス(INTERCEPT(登録商標)Blood System、Cerus Corporation)において使用されるソラレン病原体不活性化化合物である。アモトサレンの光化学変換の効率および実施例1に記載されるLEDに基づく照射デバイスでの処理の後に存在する光産物のプロファイルを判定するために、研究により複数の波長および光源の比較を行った。狭いバンド幅340nmの波長のLED(実施例1のデバイス)、狭いバンド幅365nmの波長のLED(実施例1のデバイス)、および蛍光UVA電球に基づく市販入手可能なINTERCEPT(登録商標)Blood System照射デバイス(INT-100)を用いて、照射を行った。INT-100デバイスにおける電球は、UVAスペクトル全体にわたる広いバンド幅の照射を生成し(たとえば、図9を参照されたい)、INT-100デバイス内のフィルターが、320nmを下回る波長の光を減弱させるため、結果として、スペクトル曲線902として、約320~400nmのUVA照射が生じ、ピーク波長はおよそ352nmである。340nmおよび365nmのLEDでの例示的な狭いバンド幅のピークもまた、比較のために、それぞれ、スペクトル曲線904および906として、図9に示されている(正確な縮尺ではない)。プロトタイプシステムを使用して本明細書において実施例1~9に記載されるデータの目的について、光線量は、ジュール(J)/cm±25%の単位である。
【0217】
研究のために、100%血漿、血小板添加剤溶液(PAS III)、または血漿とPAS IIIとを35%/65%の比で混合したものを含む、3つの異なる懸濁培地ユニットを調製した。アモトサレン(S-59)を、それぞれの種類のユニットに、150μMの濃度で添加した後、ユニットを、340nmもしくは365nm(すべてのユニット種で使用)のLEDに基づくデバイスからおよそ6.4J/cmのUV光線量(100%血漿)、およそ3.6J/cmのUV光線量(PAS+血漿)、もしくはおよそ3J/cmのUV光線量(PAS)での照射、またはINT-100デバイス(血漿もしくはPASのユニットのみで使用)からおよそ6.4J/cmのUV光線量での照射に供した。照射前および後に採取した試料を、これまでに説明されているようにHPLCによって分析して(Schlenke et al., 2008, Transfusion, 48:697-705)、S-59の光変換の効率ならびに光産物のプロファイルを判定した。
【0218】
照射後の残留S-59パーセントを、血漿、PAS、またはPAS+血漿(65/35)ユニットについて、以下の表1に示す。注目すべきことに、およそ6.4J/cmでの、340nmの波長のLEDでのS-59の照射は、類似の光線量における365nmのLEDまたはINT-100のいずれかでの照射よりも、それぞれの種類の培地において、有意に高いS-59の光変換をもたらした。
【表1】
【0219】
加えて、照射後の試料のHPLC分析を使用して、様々な処理条件後の残留S-59および光産物の範囲内計数および相対レベルを判定した。以下の表2に示されるように、結果として得られた光産物プロファイルにおける差が、340nm、365nm、およびINT-100での照射について観察された。
【表2】
(実施例3)
ウイルスの不活性化
【0220】
ヒトドナー血漿におけるウイルスの光化学的不活性化を、次に、本開示の照射デバイスを使用して評価した。ラブドウイルス水疱性口炎ウイルス(VSV)でスパイクし、続いて、アモトサレン、ならびに実施例1および2に記載される狭いスペクトルの340nmおよび365nmのLEDデバイスまたは広いスペクトルのINT-100デバイスを使用してUVA光で処理した血漿において、病原体不活性化研究を行った。
【0221】
ABOが一致する血漿のプールを、およそ500mLの等体積の3つのユニットに無菌状態で分割し、それぞれに、VSVを接種した。VSVでスパイクした血漿ユニットを、次いで、それぞれ、市販入手可能なINTERCEPT(登録商標)Blood Systemプロセシングセットに接続し、150μMのアモトサレンと混合し、照射容器へと移した。処理前のウイルス力価の判定のために、試料を、UV照射の前に、それぞれのユニットから採取した。VSVを含有する血漿ユニットを、次いで、光源としてINT-100デバイスまたは340nmもしくは365nmのLEDのいずれかでの約6.4ジュール/cmのUVA照射に供した(たとえば、実施例2を参照されたい)。BHK細胞でのプラークアッセイを使用した処理後のウイルス力価の判定のために、試料を、照射後に採取した。
【0222】
処理前および処理後の試料からのウイルス力価の結果を、得られたウイルス不活性化のレベル(対数不活性化)とともに、以下の表3に示す。
【表3-1】
【0223】
これらのデータは、光化学的不活性化のレベルにおける驚くべき差を示し、アモトサレンおよび光源として340nmのLEDによる狭いバンドのUVA照射を使用したウイルス不活性化のレベルが、365nmのLEDによる狭いバンドのUVA照射およびINT-100デバイスによる広いバンドのUVA照射の両方と比較して、より高かった。365nmのLEDによる不活性化のレベルは、INT-100デバイスによる不活性化と同等であった。
ウイルス不活性化および光変換
【0224】
追加の研究により、より低い30μMの用量のアモトサレン(S-59)およびUVA光でのVSVの不活性化を、220mLまたは350mLのいずれかの体積において、340nmのLEDまたはINT-100の照射デバイスを使用して、比較した。血漿を、少なくとも1140mLにプールし、VSVのストックを、1:100の最終希釈で接種した。VSVでスパイクした血漿プールを、次いで、2つが220mLの体積であり、2つが350mLの体積である、4つのユニットに分割した。それぞれのユニットに、およそ30μMの濃度のアモトサレンを投入し、UVA曝露前のVSVの力価およびアモトサレンの濃度を判定するために、対照試料を採取した。一方の220mLのユニットおよび一方の350mLのユニットは、INT100照射装置を使用して、約3.0J/cmのUVAに供し、他方の220mLおよび350mLのユニットは、340nmのLED照射装置を使用して、約3.0J/cmのUVAに供した。光化学処理の後に、試料を、それぞれのユニットから採取して、UVA曝露後のVSVの力価およびアモトサレンの濃度を判定した。以下の表3bに2つの複製物の平均で示されるように、VSV力価(常用対数値)は、標準的なプラークアッセイを使用して判定し、アモトサレンの濃度(μM)は、HPLCによって判定した。
【表3b】
【0225】
これらのデータはまた、アモトサレンおよび光源として340nmのLEDでのUVA照射を使用したウイルス不活性化のレベルが、INT-100デバイスによる広いバンドのUVA照射と比較して、高いことも示した。加えて、340nmのデバイスを使用したアモトサレンの光変換のレベルは、INT-100デバイスを用いたものよりもはるかに高く、結果として、220mLのユニットでは1μMを下回り、350mLのユニットでは2μMに近い、光化学的処理後のレベルが得られた。
【0226】
追加の光化学的不活性化研究を、他のウイルスに対して行った。E型肝炎ウイルスのモデルとして使用されているCaliciviruse、たとえば、ネコcalicivirus(FCV)は、これまでに、アモトサレン(S-59)での光化学的不活性化に対して高度に耐性であり、力価に約1.7~2.4常用対数の低減しかないことが示されている(Irsch et al., Transfus Med Hemother, 38: 19-31 (2011))。血小板調製物中のFCVの不活性化のレベルを評価するために、研究を行った。より具体的には、35%血漿/65%血小板添加剤溶液(PAS)において調製した、2つの血小板ユニットをプールして、およそ3.8×1011個の血小板を含有する、およそ400mLの合計体積を得た。プールした血小板に、ネコcalicivirus(FCV)のストックを、1:100の最終希釈で接種した。FCVでスパイクした血小板を、次いで、それぞれおよそ28.5mLのより小さなユニット10個に分割した。これらのユニットのうちの9つを、それぞれの「投薬」群内にそれぞれが3つのユニットを含む、アモトサレン「投薬」群に分割し、これに、90μM、30μM、または15μMの3つの異なる濃度のうちの1つで、アモトサレンを添加した。それぞれのユニットについて、照射前の試料を採取した。それぞれの投薬群内で、ユニットを、室温で4時間、8時間、または24時間(T=4時間、8時間、24時間)インキュベートし、次いで、上述のデバイスを使用して、約3J/cmの340nmのUVA光での照射に供した。残りのユニットについては、アモトサレンを、150μMの濃度で添加し、照射前の対照試料を分析のために取り出し、次いで、ユニットを、速やかに(T=0)、意図したものではなく他の9つの試料の2倍を上回る光線量で、340nmのUVA光での照射に供した。UVA処理の後に、すべてのユニットについて、試料を採取し、それを、照射前対照とともに、使用して、FCV力価(標準的なプラークアッセイにより)およびアモトサレン濃度(HPLCによる)を判定し、データを以下の表3cに示す。
【表3c】
【0227】
これらのデータによって示されるように、本開示の340nmのLED照射デバイスを使用したFCVのS-59光化学的不活性化は、広いスペクトルの紫外線A光を用いた150μMのS-59について、Irsch(同書)によって報告されたものよりも高かった。加えて、LEDデバイスでの照射前のある期間、FCVを含有する血小板をS-59とインキュベートすること(たとえば、事前インキュベーション)により、S-59病原体不活性化化合物の投入濃度が低い場合でさえ、より高いレベルのFCV不活性化がもたらされた。具体的には、90μMおよび30μMの両方のS-59濃度の場合には、4、8、もしくは24時間の事前インキュベーション、15μMのS-59濃度の場合には8もしくは24時間の事前インキュベーションにより、LEDデバイスを用いて少なくとも4対数のFCV不活性化がもたらされた。事前インキュベーションなしの150μMのS-59については、2.5対数の不活性化が得られた。いくつかの条件下において、5.6対数を上回るFCVの不活性化が、達成され、これは、プラークアッセイにおいて試験した希釈物の検出限界を下回る不活性化を表す。加えて、UVA照射および光変換後の試料中に残存するS-59の量(たとえば、濃度)を判定するためのHPLC分析により、残留S-59病原体不活性化の濃度が、5μM未満まで、多くの場合において、2μM未満または1μM未満まで低減されたことが示された。これらのデータは、病原体不活性化処理の条件が、本明細書に提供される方法に基づいて達成することができ、これにより、高レベルのウイルス不活性化(たとえば、4対数を上回る、5.6対数を上回る)、および低レベルの残留S-59濃度を有する効率的なS-59の光変換ももたらされることを示す。
片側照射と両側照射との対比
【0228】
生物学的流体容器の上および下の両方に配置されたLEDアレイからの照射(たとえば、両側照射)、または生物学的流体容器の上のみに配置されたLEDアレイからの照射(たとえば、片側照射)のいずれかを使用した、病原体不活性化を評価するためのフォローアップ研究を行った。
【0229】
およそ370mLの体積で、およそ5.2×1011個の血小板を含有する35%血漿/65%PASの血小板のユニットを調製し、FCVのストックを、1:100の最終希釈で接種した。FCVでスパイクした血小板を、次いで、それぞれおよそ28.5mLのより小さなユニット10個に分割した。これらのユニットのうちの9つを、アモトサレン「投薬」群に分割し、2つのユニットには150μM、4つのユニットには30μM、および4つのユニットには15μMで、アモトサレンを添加した。30μMおよび15μMの投薬群ユニットを、室温で8時間または24時間(T=8時間、24時間)インキュベートし、それぞれのユニットについて照射前試料を採取し、次いで、ユニットを、上述のデバイスを使用して、上方および下方の両方のLEDアレイの組合せ、または上方のLEDアレイのみのいずれかから送達される約3J/cmの340nmのUVA光での照射に供した。150μMのユニットについては、照射前対照試料を分析のために取り出し、次いで、ユニットを、速やかに(T=0)、上部および底部(両側)のLED構成または上部のみ(片側)のLED構成のいずれかで、340nmのUVA光での照射に供した。UVA処理の後に、すべてのユニットについて、試料を採取し、それを、照射前対照とともに、使用して、標準的なプラークアッセイによってFCV力価、およびHPLCによってアモトサレン濃度を判定し、データを、以下の表3dに示す。
【表3d】
【0230】
これらのデータによって示されるように、FCVを含有する血小板をS-59とインキュベートし(たとえば、8時間、24時間)、続いて、LEDデバイスで照射することにより、ここでも、S-59病原体不活性化化合物の投入濃度が低い場合でさえ、高いレベルのFCV不活性化がもたらされた。150μMのS-59で達成することができるものを上回る不活性化レベルが、ここでも観察された。加えて、不活性化レベルは、概して、FCVを含有する血小板を、両側または片側のみから340nmのLEDでの照射に供したかどうかに関係なく、同等であった。HPLC分析はまた、ここでも、効率的な光変換、ならびに片側または両側のいずれのLED照射を使用しても、光化学的処理プロセス後に非常に低いレベル(たとえば、1μMを下回る)の残留S-59を達成する能力を示した。
(実施例4)
細菌の不活性化
【0231】
光化学的処理によるヒト血漿中の細菌の不活性化を、本開示のシステムを使用して評価した。細菌E.coliでスパイクし、続いて、アモトサレン、ならびに実施例1に記載されるLEDに基づくシステムまたは比較のためにINT-100デバイスを使用してUVA光で処理したヒトドナーの血漿において、病原体不活性化研究を行った。
【0232】
より具体的には、およそ3000mLのアフェレーシス血漿(FFP)のプールを、無菌状態で、およそ585mLの等体積の5つのユニットに分割した。それぞれのユニットに、E.coliの終夜培養物を、約6対数CFU/mLで接種した。次いで、E.coliでスパイクした血漿ユニットを、それぞれ、INTERCEPT(登録商標)Blood Systemプロセシングセットの照射容器において、3つの濃度のうちの1つ(2つのユニットについては150μM、2つのユニットについては15μM、1つのユニットについては1.5μM)の病原体不活性化化合物アモトサレン(S-59)と混合した。処理前の細菌力価の判定のために、試料を、UV照射の前に、それぞれのユニットから採取した。残りのE.coliでスパイクした血漿を、次いで、150μMおよび15μMの両方のアモトサレン含有ユニットには市販入手可能な広いバンドのINT-100デバイスによる約3J/cmの光線量でのUVA照射、または150μM、15μM、および1.5μMのアモトサレン含有ユニットには狭いバンドの340nmのLED光源(実施例1のデバイス)によるUVA照射のいずれかに供し、次いで、後者のユニットには、以下の表に示されるように、UVA光を1回(約3J/cm)、2回(約6J/cm)、または3回(約9J/cm)与えた。標準的なコロニー形成ユニットアッセイを使用して処理後の細菌力価を判定するために、それぞれの処理条件について、試料を採取した。
【0233】
UVA処理前および処理後の細菌力価の結果を、得られた細菌不活性化のレベル(対数低減値)とともに、以下の表4に示す。加えて、アモトサレン(S-59)の光変換の効率性もまた判定し、それぞれの示される処理条件の後の残存S-59パーセントとして示す。LOQは、定量限界を表す。
【表4】
【0234】
これらのデータは、アモトサレンおよび光源として狭いバンドのUVA照射を使用して、広いバンドのINT-100照射と比較して、いくらか高いレベルの細菌の光化学的不活性化を達成することができることを示唆する。加えて、4対数を上回る細菌の低減を、商業的に認められている150μMの濃度のアモトサレン、ならびに著しく低い15μMの濃度の両方で、達成することができた。さらに、S-59光変換の効率性は、これらの研究においてLEDに基づく照射デバイスでは、顕著に改善され、その結果、処理された材料中のS-59のレベルは非常に低かった。
【0235】
別の研究では、プールした血漿から、約220mLまたは約350mLのいずれかの体積で、4つの血漿ユニットを調製した。それぞれのユニットに、E.coliの終夜培養物を、約6対数CFU/mLで接種した。次いで、E.coliでスパイクした血漿ユニットを、それぞれ、INTERCEPT(登録商標)Blood Systemプロセシングセットの照射容器において、15μMの濃度の病原体不活性化化合物アモトサレン(S-59)と混合した。処理前の細菌力価の判定のために、試料を、UV照射の前に、それぞれのユニットから採取した。残りのE.coliでスパイクした血漿を、次いで、狭いバンド幅の340nmのLEDデバイスまたは市販入手可能なINT-100デバイスのいずれかを使用して、約6.4J/cmの光線量で、UVA照射に供した。
【0236】
細菌力価を、UVA処理前および処理後に分析して、細菌不活性化レベルを判定し、これを、以下の表5において対数低減値として示す。加えて、S-59光変換もまた、HPLCによって判定し、それぞれの示される処理条件の後の絶対濃度および残存パーセントの両方として示す。
【表5】
【0237】
これらのデータはまた、S-59および光源として狭いバンドのUVA照射を使用して、広いバンドのINT-100照射と比較して、いくらか高いレベルの細菌の光化学的不活性化を達成することができることを示唆する。加えて、S-59光変換の効率性は、LEDに基づく照射デバイスでは、顕著に改善され、処理材料中、非常に低いレベルのS-59が得られた。
【0238】
上記で観察されたE.coliの不活性化が、病原体不活性化化合物を必要とする光化学的プロセスであったこと、およびLEDデバイスからのUVA光にのみ媒介される効果ではなかったことを確認するために、漸増線量で340nmのLED照射を伴うが、アモトサレンの投入を伴わない対照実験を行った。この研究のために、E.coliの培養物を調製し、約6対数CFU/mLの力価で、約585mLの血漿ユニットにスパイクした。スパイクした血漿を、INTERCEPT(登録商標)Blood System血漿プロセシングセットからの照射バッグに移し、初期対照力価の判定のために、試料を、照射前に採取した。細菌でスパイクした血漿を、次いで、340nmでの照射に供し、以下の表6に示されるエネルギー量のそれぞれの後に、細菌力価に関して試料採取した。照射前および照射後の力価、ならびに計算された対数低減値を示す。病原体不活性化化合物の不在下では、340nmのUVAの様々な光線量レベルにおいて、E.coliの不活性化は観察されなかった。
【表6】
(実施例5)
血漿および添加剤溶液中の血小板の処理
【0239】
PAS/血漿(65% PAS III/35%血漿)中に採取した血小板を、プールし、研究のために、3つの285mLのユニットに分割した。アモトサレン(S-59)を、150μMの濃度まで添加し、ユニットに、実施例1のデバイスを使用して狭いバンドの340nmのLEDもしくは365nmのLEDで、またはINT-100デバイスで、1回(総線量約3.6J/cm)、2回(総線量約7.2J/cm)、または3回(総線量約10.8J/cm)照射した。S-59の光変換の効率性、ならびに光産物の形成を、前述の実施例のように、HPLCによって、UVA照射後にアセスメントした。照射後のS-59の濃度は、INT-100デバイスについては32μM、11μM、および5μMであり(それぞれ、約3.6、7.2、10.8J/cm)、340nmのLEDについては9μM、2μM、および0.98μM(定量下限を下回る)であり(それぞれ、約3.6、7.2、10.8J/cm)、365nmのLEDについては42μM、15μM、および7μMであった(それぞれ、約3.6、7.2、10.8J/cm)。これらのデータは、狭いバンドの340nmのLED照射デバイスでのより高い程度のS-59光変換を示し、残留S-59レベルは、2または3回の照射(たとえば、約7.2または10.8J/cm)後に、2μMまたはそれを下回った。
【0240】
照射後の試料のHPLC分析を使用して、様々な処理条件により生成された光産物の範囲内計数および相対レベルを判定した。以下の表7~9に示されるように、340nm、365nm、およびINT-100での照射について、結果として得られる光産物プロファイルに、差異が観察され、低い光産物レベルは、概して、狭いバンドの340nmの波長の光での照射後に見られた。
【表7】
【表8】
【表9】
【0241】
アモトサレン150μMで、1回(総線量約3.6J/cm)、2回(総線量約7.2J/cm)、または3回(総線量約10.8J/cm)の照射により、340nmのLEDと広いバンドのINT-100デバイスとを比較して、処理したPAS/血漿(65% PAS III/35%血漿)中の血小板もまた、S-59光変換および処理後の光産物に関して、液体クロマトグラフィー質量分析法を使用して分析した。光産物の質量分析消衰係数は、S-59消衰係数と同一であることが想定されたため、絶対濃度ではなく、試料間の濃度の相対的差異(μM)のみを、以下の表9bにおいて比較する。
【表9b】
【0242】
加えて、光源間での可能性のある差異を特定するために、血小板品質の様々な尺度を、3回のUVA照射(約10.8J/cm)の直後に標準的な手法によって評価した。以下の表10に示されるように、これらの血小板パラメーターは、照射条件のそれぞれの間で、類似のままであった。
【表10】
(実施例6)
100%血漿または血漿/PAS中のアフェレーシスにより採取した血小板の処理
【0243】
100%血漿中の血小板におけるアモトサレンの光変換、ならびに本開示の340nmのデバイスを使用した、異なる光線量での光化学処理後7日間(3日目、7日目)にわたる血小板の機能を評価するために、研究を行った。100%血漿中の5つのアフェレーシス血小板ユニットを、プールし、研究のために、約285mLのユニットに分割した。アモトサレン(S-59)を、15μMの濃度まで添加した。これらのユニットのうちの3つに、実施例1の狭いバンドの340nmのLEDデバイスを用いて、約3.6J/cmで1回(1×)、2回(2×、約7.2J/cm)、または3回(3×、約10.8J/cm)照射することによって、3つの異なる光線量のうちの1つで、照射した。追加のユニットには、比較のためにINT-100デバイスを用いて、約3.6J/cmで照射したか、または未処理対照として維持した。S-59の光変換を、前述の実施例にあるように、HPLCによって、UVA照射後にアセスメントした。照射後のS-59の濃度は、INT-100デバイスについては4.11μMであり、340nmのLED照射デバイスでは有意に低かった:1回の光線量については0.86μM(定量限界を下回る)、2回については0.19μM(定量限界を下回る)、および3回については0.00μM(定量限界を下回る)であり、光変換の程度が高いことが示された。
【0244】
加えて、血小板品質の様々な生物化学的および/または機能的尺度を、UVA照射前および/または照射後、ならびに処理の3日後、5日後、および7日後に評価した。以下の表11~19に示されるように、血小板品質パラメーターに関して、結果は、概して、対照ならびにINT-100および340nmの試験試料の間で類似であったが、ある特定のパラメーターに関する3回の340nm線量を除く。
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
異なるアモトサレン濃度での血小板の処理
【0245】
100%血漿中の血小板におけるアモトサレンの光変換、ならびに本開示の340nmのデバイスを使用した、光化学処理後7日間(3日目、7日目)にわたる血小板の機能を評価するために、研究を行った。100%血漿中の複数ドナーの血小板ユニット(5つのユニット、約278~391mL)をプールし、未処理対照として使用するか、または340nmデバイスを使用した紫外線A照射を伴う異なる濃度のアモトサレンで処理するために、それぞれ約285mLの5つのユニットに分割した。アモトサレンを、30、60、90、または110μMの濃度まで添加し、次いで、照射前(UV前)試料を、分析のために取り出し、残りのユニットを、約7.2J/cmでの照射に供した。照射後(UV後)試料を、次いで、処理後の分析のために取り出した。未処理対照およびアモトサレン/UVAで処理したユニットについて、以下の表20~29(左側のカラム)に示されるパラメーターを、当該技術分野において公知の標準的な解析方法を使用して測定し、さらに、残留アモトサレン濃度を、HPLC分析によって判定した。
【0246】
血小板添加剤溶液(35%血漿/65% PAS III)中の血小板におけるアモトサレンの光変換、ならびに本開示の340nmのデバイスを使用した、光化学処理後7日間(4日目、7日目)にわたる血小板の機能を評価するために、類似の研究を行った。血漿/PAS中の複数ドナーの血小板ユニット(6つのユニット、約202~318mL)をプールし、未処理対照として使用するか、または340nmデバイスを使用した紫外線A照射を伴う異なる濃度のアモトサレンで処理するために、それぞれ約285mLの5つのユニットに分割した。アモトサレンを、30、60、90、または110μMの濃度まで添加し、次いで、照射前(UV前)試料を、分析のために取り出し、残りのユニットを、約7.2J/cmでの照射に供した。照射後(UV後)試料を、次いで、処理後の分析のために取り出した。未処理対照およびアモトサレン/UVAで処理したユニットについて、以下の表20~29(右側のカラム)に示されるパラメーターもまた、当該技術分野において公知の標準的な解析方法を使用して測定し、さらに、残留アモトサレン濃度を、HPLC分析によって判定した。
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【0247】
これらのデータは、100%血漿または血漿+PASのいずれにおいても、血小板の品質が、未処理対照血小板と比較して、アモトサレン処理濃度の範囲(たとえば、30μM~110μM)全体で好適に維持され、さらに、処理後のアモトサレンレベルが、340nmのデバイスでの照射後に、5μM未満(1μM未満を含む)まで低減され得ることを示す。
【0248】
追加の研究により、処理後に2μMを下回る残留アモトサレンを達成する条件下での病原体不活性化後の血小板の品質を、340nmのLEDシステム、または市販入手可能なINT-100システムを備えるINTERCEPT Blood Systemのいずれかでの照射を使用して、さらに評価した。100%血漿中の血小板ユニットを、750~900mLにプールし、次いで、3つの条件のそれぞれを含む処理のために、複数の250~300mLのユニットに分割した:1)75μMのアモトサレン投入濃度で、340nmのデバイスを用いて約6.4で照射、2)75μMのアモトサレン投入で、340nmのデバイスを用いて約7.2J/cmで照射、3)150μMのアモトサレン投入で、INT-100デバイスを用いて約3.6J/cm(たとえば、このシステムの標準条件)で照射。INT-100で照射した処理後のユニットは、残留アモトサレンを除去するために、必ずCADプロセシングに供したが、340nmで照射したユニットについては、CADは必要なかった。
【0249】
pCOおよびpO(血液ガス分析装置)、形態学(Kunickiスコア)、P-セレクチン(フローサイトメトリー)、形状変化の程度(血小板凝集計)、低浸透圧ショック応答(血小板凝集計)を含む、以下の表30~34に示されるパラメーターを、当該技術分野において公知の標準的な解析方法および他のアッセイ方法を使用して測定し、残留アモトサレン濃度を、HPLC分析によって判定した。
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【表34】
【0250】
これらのデータは、血小板の品質が、340nmでの照射によるいずれのアモトサレン処理条件においても、好適に維持されること、および処理後の残留アモトサレンレベルが、残留アモトサレンを除去するためのいずれのさらなるプロセシングの使用も伴うことなく、約2μMまで低減されたことを示す。
(実施例7)
血漿の処理
【0251】
全血由来の血漿におけるアモトサレンの光変換、ならびに広いバンドのUVAデバイス(INT-100)または本開示の340nmデバイスのいずれかを使用した光化学的処理後の血漿の特性を評価するために、研究を行った。複数ドナーの血漿ユニット(3~4つのユニット、それぞれ約250~350mL)をプールし、未処理対照として使用するか、またはINT-100もしくは340nmのいずれかのデバイスを使用した照射を伴うアモトサレンで処理するために、それぞれ約285mLの3つのユニットに分割した。このプールおよび分割の形式を、4回繰り返して、4つの複製物を生成した。アモトサレンを、50μMの濃度まで添加し、照射前(UVA前)試料を、分析のために取り出し、残りのユニットを、約6.4J/cmでの照射に供した。次いで、照射後(UVA後)試料を、処理後の分析のために取り出した。以下の表35のパラメーターを、当該技術分野において公知の標準的な解析方法を使用して測定し、さらに、残留アモトサレン濃度を、HPLC分析によって、INT-100デバイスを使用した場合には17.06μMおよび340nmデバイスを使用した場合には4.65μMと判定した。
【表35】
【0252】
これらのデータは、光化学的処理後の血漿の品質が、未処理対照血漿と比較して、好適に維持され、さらに、処理後のアモトサレンレベルが、340nmデバイスでの照射後には5μM未満まで低減されたが、INT-100デバイスでは低減されなかったことを示す。
(実施例8)
生物学的流体を処理するためのシステム
【0253】
生物学的流体を処理するための別の例示的なシステムを、デバイス内に、それぞれのアレイがUVA、UVB、またはUVCスペクトルにある265nm、280nm、310nm、325nm、340nm、365nm、または385nmの狭いバンド幅の単一ピーク波長(たとえば、第1のピーク波長)のLEDチャネルを有する、交換可能な光源アレイを有する処理チャンバーを提供するように、構築した。このシステムは、プラットフォーム上に設置される生物学的流体への照射のために配置される、プラットフォームに面する(たとえば、対向する)単一のアレイを備えていた(たとえば、図5を参照されたい)。システム制御は、生物学的流体試料の処理中のLEDの調整を提供し、所望される光のUV光線量を達成するように、LEDによる照射のタイミングおよび強度の両方を制御する。光化学的変換、光産物の形成、病原体の不活性化、ならびに血漿および/または血小板の品質パラメーターの評価を、前述のように、それぞれの光源波長について行った。
【0254】
このデバイスを使用する1つの研究では、様々な細菌の光化学的不活性化を、アモトサレンとともに、上記のLEDのそれぞれについて、試験した。細菌には、E.coli(グラム陰性)、S.epidermidis(グラム陽性)、およびP.acnes(嫌気性)が含まれた。UVCおよびUVBの範囲内の波長を有する紫外線光の公知の殺菌作用があるため、この研究は、それぞれのLED波長について、総不活性化レベル、ならびに特にUV光(アモトサレンの添加なしで)または光化学的処理プロセス自体からもたらされる不活性化レベルを判定するように制御した。
【0255】
細菌培養物を、約6対数CFU/mLで血漿ユニットに接種し、そこから標準的なコロニー形成ユニットアッセイを使用して初期細菌力価のために試料を採取し、続いて、スパイクした血漿を、3つの対照または処理ユニットのうちの1つに分割した。アモトサレン処理アームには、3つの細菌のそれぞれについて15μMの濃度、ならびにE.coliのアームについては追加の150μMの濃度が含まれた。
・血漿+細菌、照射なし
・血漿+細菌、照射あり
・血漿+細菌+アモトサレン、照射あり
試料を採取し、それぞれのスパイクしたユニットについて、照射前の細菌力価を判定し、ユニットを、照射のために6ウェルプレートにアリコートした(2mL/ウェル)。プレートを、265nm、280nm、310nm、325nm、340nm、365nm、または385nmで、E.coliおよびS.epidermidisについては約3J/cmの光線量、ならびにP.acnesについては約6.4J/cmでの照射に供し、続いて、標準的なコロニー形成ユニットアッセイを使用して、照射後の細菌力価判定に供した。以下の表36~39は、細菌の総対数低減値、ならびにアモトサレン(S-59)ありでの光化学的不活性化に起因する対数低減値またはUV光のみ(アモトサレンなし)に起因する対数低減値を示す。前述のように、照射後の試料中の残留アモトサレン濃度を判定するために、HPLC分析もまた、使用した。
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【0256】
高レベルの細菌不活性化が観察された。アモトサレン+UV光と、UV光のみ(アモトサレンなし)の作用を比較すると、データは、光化学的不活性化(アモトサレン+UV光)が、概して、325nm、340nm、および365nmのUVA処理アームにおいて、3つすべての細菌について、最も高いことを示す。アモトサレン+310nmのUVB波長処理アームにおける光化学的不活性化は、より変動性であり、アモトサレン+325nm、340nm、または365nmのUVA光よりも低いレベルであると見られ、UVA光と比較して、UVB光により観察される直接的な殺菌作用が増加した。アモトサレン+265nmおよび280nmのUVC処理アームでは、アモトサレンに起因する不活性化は最小限しから得られず、不活性化は、主としてUVC光の直接的な殺菌作用によるものであった。処理後(UVA後)の残留アモトサレンレベルの分析も考慮すると、これらのデータは、アモトサレン+325nmの照射およびアモトサレン+340nmの照射のいずれの処理条件においても、残留アモトサレンが5μM未満であり、4対数を上回る光化学的不活性化を達成することができたことを示す。
(実施例9)
複数の波長の組合せによる病原体不活性化
【0257】
加えて、任意の2つまたはそれを上回る波長の狭いバンド幅の光を、組み合わせて、たとえば、例として、アモトサレンならびに第1のピーク波長の紫外線光および第2のピーク波長の紫外線光を逐次的または同時に使用した、生物学的流体の光化学的処理を、評価した。より具体的には、1つの例において、E.coli(グラム陰性)およびS.epidermidis(グラム陽性)細菌の病原体不活性化を、アモトサレンおよび実施例8に記載される波長のLEDを有するデバイスを使用して、評価した。細菌培養物を、約6対数CFU/mLで血漿ユニットに接種し、そこから標準的なコロニー形成ユニットアッセイを使用して初期細菌力価のために試料を採取した。スパイクした血漿ユニットを、対照(アモトサレンなし±UV光)および処理(アモトサレンあり)の条件に分割し、アモトサレンは、15μMの濃度で使用した。ユニットを、照射のために6ウェルプレートにアリコートした(5mL/ウェル)。照射前の試料を採取し、標準的なコロニー形成ユニットアッセイを使用して、対照細菌力価を判定した。プレートを、265nmまたは280nmのUVC光線量と、325nm、340nm、または365nmのUVA光線量との組合せを使用して、それぞれ約3J/cmの2回の逐次的な光線量に供し、続いて、照射後の細菌力価判定および残留アモトサレンの分析を行った。照射前の力価、1回目の照射後の力価、2回目の照射後の力価、および処理後(2回目の照射後)の残留アモトサレン(S-59)を、以下の表40~41に示す。
【表40】
【表41】
【0258】
高レベルの細菌不活性化が観察された。アモトサレン/UVおよび/またはUVC処理に対して感受性が低いと特定された他の細菌を使用して、類似の病原体不活性化研究を行う。加えて、310nmのUVB光線量と325nm、340nm、または365nmのUVA光線量(いずれの順序も)との組合せ、ならびに325nm、340nm、または365nmのUVA光線量に続いて別の異なる325nm、340nm、または365nmのUVA光線量(いずれの順序も)の組合せの使用を含め、逐次的な光線量の他の組合せを用いて、類似の研究を行う。加えて、本開示のこれらまたは他のデバイスを使用して、類似の研究により、逐次的な照射ではなく同時の照射による上記の波長の組合せのいずれか、ならびに/または異なる容器(たとえば、血液製剤バッグ)の使用を評価することができる。
【0259】
特定の構成要素、構成、特性、および機能が、上記に提供されているが、当業者であれば、他の変化形を使用することができることを理解するであろう。加えて、特性は、特定の実施形態と関連して記載されているように思われ得るが、当業者であれば、記載される実施形態の様々な特性を組み合わせることができることを認識するであろう。さらに、ある実施形態と関連して記載される態様は、単独であってもよい。
【0260】
実施形態は、添付の図面を参照して詳細に記載されているが、様々な変更および修正が、当業者には明らかであろうことに留意されたい。そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲によって規定される様々な実施形態の範囲内に含まれていると理解されたい。
【0261】
本明細書に提供される実施形態の変化形は、前述の説明を読めば、当業者には明らかになり得る。当業者であれば、適宜、そのような変化形、ならびに本明細書に具体的に記載されるもの以外の本明細書に記載される組成物、方法、およびキットの実施を用いることができることが予想される。したがって、本明細書に記載されるシステムおよび方法には、該当する法律によって許容される本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙される主題のすべての修正形および均等物が含まれる。さらに、上述の要素のそのすべての可能性のある変化形における任意の組合せが、本明細書に別途示されるかまたは文脈により明らかに矛盾しない限り、本説明に包含される。以下は、本開示の特定の実施形態の一覧である。この一覧は、例示であり、本明細書に提供される本開示を制限することを意図するものではない。
実施形態1. 生物学的流体を処理するためのシステムであって、
生物学的流体を受容するための処理チャンバーと、
処理チャンバー内の光を検出するように構成される、1つまたは複数のセンサーと、
処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように配置される第1の光源アレイであって、第1の光源アレイが、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含み、第2のピーク波長が、第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、第1の光源アレイとを備える、システム。
実施形態2. 第1の光源アレイが、複数の光源クラスターを含み、第1の光源アレイのそれぞれの光源クラスターが、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルの第1の光源および第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルの第2の光源を含む、実施形態1に記載のシステム。
実施形態3. 第2の光源チャネルが、紫外線光を放出するように構成される、実施形態1または実施形態2に記載のシステム。
実施形態4. 第1のピーク波長が、紫外線Aスペクトルにある、実施形態1から3のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態5. 第1のピーク波長が、紫外線Aスペクトルにあり、第2のピーク波長が、紫外線Cスペクトルにある、実施形態1から4のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態6. 第1の光源チャネルおよび第2の光源チャネルが、LEDを含む、実施形態1から5のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態7. 第1の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%の光強度が、第1のピーク波長の20ナノメートル未満のスペクトル幅内である、実施形態1から6のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態8. 第1の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトル幅が、第1のピーク波長の20ナノメートル以内である、実施形態1から6のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態9. 処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、第1のプラットフォームが、生物学的流体を保持するように構成される、実施形態1から8のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態10. 第1の光源アレイの光源が、不均一な分布でアレイに配置される、実施形態1から9のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態11. 第1のアレイが、第1のアレイの中心点を含む連続的な内部領域、および内部領域を包囲する連続的な外部領域を含み、内部領域が、第1のアレイの表面積の50%未満を占め、外部領域が、第1のアレイの表面積の残りの割合を占める、実施形態10に記載のシステム。
実施形態12. 外部領域に配置される第1の光源密度が、内部領域に配置される第2の光源密度を上回る、実施形態11に記載のシステム。
実施形態13. 第1のアレイが、処理チャンバー内の第1の生物学的流体に照射するように構成される第1の光源領域と、処理チャンバー内の第2の生物学的流体に照射するように構成される第2の光源領域とを含む、実施形態1から10のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態14. 第1のアレイが、光源が第1のアレイに面する生物学的流体の表面全体で25%を下回る照度の変動性で、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように構成される、実施形態1から13のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態15. 第1の光源アレイが、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルをさらに含む、実施形態1から14のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態16. 第1の光源アレイが、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第4のピーク波長の光を放出するように構成される第4の光源チャネルをさらに含む、実施形態1から15にいずれか1つに記載のシステム。
実施形態17. 処理チャンバーにおいて、第1の光源アレイと生物学的流体との間に配置される、バリアをさらに備える、実施形態1から16のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態18. バリアが、第1のピーク波長の30nm以内の波長を有する光に対して透明である、実施形態17に記載のシステム。
実施形態19. 第1のプラットフォームおよび第1の光源アレイが、第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される、実施形態9から18のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態20. 第1のプラットフォームが、少なくとも、第1の生物学的流体を有する第1の容器および第2の生物学的流体を有する第2の容器を、別個に保持するように構成される、実施形態9から19のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態21. 第1のプラットフォームが、生物学的流体の処理チャンバーへの導入および処理チャンバーからの取り出しのために、摺動可能に移動可能である、実施形態9から20のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態22. 処理中に生物学的流体を撹拌するように構成される、実施形態1から21のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態23. 処理チャンバー内の生物学的流体の存在を検出するための1つまたは複数のセンサーをさらに備える、実施形態1から22のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態24. 第1の光源アレイとは対向する方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、第2の光源アレイが、第1のピーク波長を有する光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第4の光源チャネルを含む、実施形態1から23のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態25. 第1の光源アレイおよび第2の光源アレイが、第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される、実施形態24に記載のシステム。
実施形態26. 処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間に配置される第1のプラットフォームをさらに備え、第1のプラットフォームが、生物学的流体を保持するように構成される、実施形態24または実施形態25に記載のシステム。
実施形態27. 第1の光源アレイと同じ方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、第2の光源アレイが、第1のピーク波長を有する光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第4の光源チャネルを含み、第1の光源アレイおよび第2の光源アレイが、第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間の第1の領域を規定する、実施形態1から23のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態28. 処理チャンバーにおいて、第1の領域内に配置される第1のプラットフォームであって、第1の生物学的流体を保持するように構成される、第1のプラットフォームと、
処理チャンバーにおいて、第1の領域外に配置される第2のプラットフォームであって、第2の生物学的流体を保持するように構成され、第2の光源アレイが、第2のプラットフォームに面する、第2のプラットフォームと
をさらに備える、実施形態27に記載のシステム。
実施形態29. 制御回路をさらに備える、実施形態1から28のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態30. 制御回路が、第1の光源アレイのそれぞれの光源の強度を調整または設定するように構成される、実施形態29に記載のシステム。
実施形態31. 制御回路が、それぞれの第1の光源チャネルによって放出される光の第1の強度を調整または設定し、それぞれの第2の光源チャネルによって放出される光の第2の強度を調整または設定するように構成される、実施形態29または30に記載のシステム。
実施形態32. 制御回路が、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の期間を調整または設定するように構成される、実施形態29から31のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態33. 制御回路が、それぞれの第1の光源チャネルからの光の放出の第1の期間を調整または設定し、それぞれの第2の光源チャネルからの光の放出の第2の期間を調整または設定するように構成される、実施形態29から32のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態34. 制御回路が、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の期間を調整または設定するように構成される、実施形態29から33のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態35. 制御回路が、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の強度を調整または設定するように構成される、実施形態29から34のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態36. 生物学的流体を処理するためのシステムであって、
生物学的流体を受容するための処理チャンバーと、
処理チャンバー内の光を検出するように構成される、1つまたは複数のセンサーと、
処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように配置される第1の光源アレイであって、第1の光源アレイが、紫外線Aスペクトル内の第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、第1の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅が、20ナノメートル未満である、第1の光源アレイとを備える、システム。
実施形態37. 第1の光源アレイが、約330nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含む、実施形態36に記載のシステム。
実施形態38. 第1の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%が、第1のピーク波長の10ナノメートル以内である、実施形態36または実施形態37に記載のシステム。
実施形態39. 第1の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%の光強度が、20ナノメートル未満のスペクトル幅内である、実施形態36または37に記載のシステム。
実施形態40. 第1の光源アレイが、第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルをさらに含む、実施形態36から39のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態41. 第2のピーク波長が、第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、実施形態40に記載のシステム。
実施形態42. 第2のピーク波長が、紫外線Aスペクトルにある、実施形態40または実施形態41に記載のシステム。
実施形態43. 第2のピーク波長が、紫外線Bスペクトルにある、実施形態40または実施形態41に記載のシステム。
実施形態44. 第2のピーク波長が、紫外線Cスペクトルにある、実施形態40または実施形態41に記載のシステム。
実施形態45. 第2の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%が、第2のピーク波長の10ナノメートル以内である、実施形態40から44のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態46. 第2の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅が、20ナノメートル未満である、実施形態40から44のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態47. 第1の光源アレイが、複数の光源クラスターを含み、第1の光源アレイのそれぞれの光源クラスターが、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルの第1の光源および第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルの第2の光源を含む、実施形態40から46のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態48. 第1の光源チャネルが、1つまたは複数のLEDを含む、実施形態36から47のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態49. 第2の光源チャネルが、1つまたは複数のLEDを含む、実施形態40から48のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態50. 処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、第1のプラットフォームが、生物学的流体を保持するように構成される、実施形態36から49のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態51. 第1の光源アレイの光源が、不均一な分布でアレイに配置される、実施形態36から50のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態52. 第1のアレイが、第1のアレイの中心点を含む連続的な内部領域、および内部領域を包囲する連続的な外部領域を含み、内部領域が、第1のアレイの表面積の50%未満を占め、外部領域が、第1のアレイの表面積の残りの割合を占める、実施形態51に記載のシステム。
実施形態53. 外部領域に配置される第1の光源密度が、内部領域に配置される第2の光源密度を上回る、実施形態52に記載のシステム。
実施形態54. 第1のアレイが、処理チャンバー内の第1の生物学的流体に照射するように構成される第1の光源領域と、処理チャンバー内の第2の生物学的流体に照射するように構成される第2の光源領域とを含む、実施形態36から51のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態55. 第1のアレイが、光源が第1のアレイに面する生物学的流体の表面全体で25%を下回る照度の変動性で、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように構成される、実施形態36から54のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態56. 第1の光源アレイが、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルをさらに含む、実施形態40から55のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態57. 第1の光源アレイが、第3のピーク波長の光を放出するように構成される第3の光源チャネルおよび第4のピーク波長の光を放出するように構成される第4の光源チャネルをさらに含む、実施形態40から56にいずれか1つに記載のシステム。
実施形態58. 処理チャンバーにおいて、第1の光源アレイと生物学的流体との間に配置される、バリアをさらに備える、実施形態36から57のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態59. バリアが、第1のピーク波長の30nm以内の波長を有する光に対して透明である、実施形態58に記載のシステム。
実施形態60. 第1のプラットフォームおよび第1の光源アレイが、第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される、実施形態50から59のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態61. 第1のプラットフォームが、少なくとも、第1の生物学的流体を有する第1の容器および第2の生物学的流体を有する第2の容器を、別個に保持するように構成される、実施形態50から60のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態62. 第1のプラットフォームが、生物学的流体の処理チャンバーへの導入および処理チャンバーからの取り出しのために、摺動可能に移動可能である、実施形態50から61のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態63. 処理中に生物学的流体を撹拌するように構成される、実施形態36から62のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態64. 処理チャンバー内の生物学的流体の存在を検出するための1つまたは複数のセンサーをさらに備える、実施形態36から63のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態65. 第1の光源アレイとは対向する方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、第2の光源アレイが、紫外線Aスペクトルにおける第1のピーク波長の光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含む、実施形態36から64のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態66. 第1の光源アレイとは対向する方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、第2の光源アレイが、第2のピーク波長の光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含み、第2のピーク波長が、第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、実施形態36から65のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態67. 第2の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%が、第1のピーク波長の10ナノメートル以内である、実施形態65または実施形態66に記載のシステム。
実施形態68. 第2の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅が、20ナノメートル未満である、実施形態65または実施形態66に記載のシステム。
実施形態69. 第1の光源アレイおよび第2の光源アレイが、第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間の距離を変動させるように、互いに対して並進するように構成される、実施形態65から68のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態70. 処理チャンバーにおいて第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間に配置される第1のプラットフォームをさらに備え、第1のプラットフォームが、生物学的流体を保持するように構成される、実施形態65から69のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態71. 第1の光源アレイと同じ方向に面する第2の光源アレイをさらに備え、第2の光源アレイが、紫外線Aスペクトルにおける第1のピーク波長の紫外線光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含み、第1の光源アレイおよび第2の光源アレイが、第1の光源アレイと第2の光源アレイとの間の第1の領域を規定する、実施形態36から64のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態72. 第2の源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%が、第1のピーク波長の10ナノメートル以内である、実施形態71に記載のシステム。
実施形態73. 第2の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅が、20ナノメートル未満である、実施形態71に記載のシステム。
実施形態74. 処理チャンバーにおいて、第1の領域内に配置される第1のプラットフォームであって、第1の生物学的流体を保持するように構成される、第1のプラットフォームと、
処理チャンバーにおいて、第1の領域外に配置される第2のプラットフォームであって、第2の生物学的流体を保持するように構成され、第2の光源アレイが、第2のプラットフォームに面する、第2のプラットフォームと
をさらに備える、実施形態71から73のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態75. 制御回路をさらに備える、実施形態36から74のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態76. 制御回路が、第1の光源アレイのそれぞれの光源の強度を調整または設定するように構成される、実施形態75に記載のシステム。
実施形態77. 制御回路が、第1の光源アレイのそれぞれの光源からの光の放出の期間を調整または設定するように構成される、実施形態75または76に記載のシステム。
実施形態78. 制御回路が、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイの光源のそれぞれからの光の放出の期間を調整または設定するように構成される、実施形態75から77のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態79. 制御回路が、光を検出するように構成される1つまたは複数のセンサーのうちの少なくとも1つのセンサーによって検出される第1のパラメーターセットに少なくとも部分的に基づいて、第1の光源アレイのそれぞれの光源の強度を調整または設定するように構成される、実施形態75から78のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態80. 生物学的流体を処理するための方法であって、
病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体を提供するステップと、
生物学的流体に、第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップと、
生物学的流体に、第2のピーク波長の光を照射するステップであって、第1のピーク波長が、第2のピーク波長とは少なくとも5nm異なり、生物学的流体に照射するステップが、生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で生じる、ステップと
を含む、方法。
実施形態81. 第1のピーク波長の紫外線光が、第1の光源によって提供され、第2のピーク波長の光が、第2の光源によって提供される、実施形態80に記載の方法。
実施形態82. 第1の光源によって放出される光の最大ピーク強度の50%が、第1のピーク波長の10ナノメートル以内である、実施形態81に記載の方法。
実施形態83. 第1の光源によって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅が、20ナノメートル未満である、実施形態81に記載の方法。
実施形態84. 第1のピーク波長の紫外線光が、紫外線Aスペクトルにある、実施形態80から83のいずれか1つに記載の方法。
実施形態85. 第2のピーク波長の光が、紫外線Bスペクトル、紫外線Cスペクトル、または可視光スペクトルにある、実施形態80から84のいずれか1つに記載の方法。
実施形態86. 生物学的流体に第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップ、および生物学的流体に第2のピーク波長の光を照射するステップが、逐次的に生じる、実施形態80から85のいずれか1つに記載の方法。
実施形態87. 生物学的流体に第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップが、生物学的流体に、第1のピーク波長の紫外線光を第1の期間照射することを含み、生物学的流体に第2のピーク波長の光を照射するステップが、生物学的流体に、第2のピーク波長の光を第2の期間照射することを含む、実施形態80から86のいずれか1つに記載の方法。
実施形態88. 第1の期間が、第2の期間とは異なる、実施形態87に記載の方法。
実施形態89. 生物学的流体に第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップが、第1の光源セットによって行われ、生物学的流体に第2のピーク波長の光を照射するステップが、第2の光源セットによって行われ、第1および第2の光源セットが、光源クラスターアレイに設置される、実施形態80から88のいずれか1つに記載の方法。
実施形態90. 第1の光源および第2の光源が、LEDを含む、実施形態80から89のいずれか1つに記載の方法。
実施形態91. 病原体不活性化化合物が、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、およびメロシアニン540からなる群から選択される、光活性病原体不活性化化合物である、実施形態80から90のいずれか1つに記載の方法。
実施形態92. 病原体不活性化化合物が、ソラレンである、実施形態91に記載の方法。
実施形態93. 生物学的流体を処理するための方法であって、
病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体を提供するステップと、
生物学的流体に、第1の紫外線光源によって提供される第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップであって、第1の紫外線光源によって放出される紫外線光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅が、20ナノメートル未満である、ステップと
を含み、
生物学的流体に照射するステップが、生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で生じる、方法。
実施形態94. 第1のピーク波長の紫外線光が、紫外線Aスペクトルにある、実施形態93に記載の方法。
実施形態95. 第1のピーク波長が、330ナノメートル~350ナノメートルである、実施形態94に記載の方法。
実施形態96. 第1の光源が、LEDを含む、実施形態93から95のいずれか1つに記載の方法。
実施形態97. 生物学的流体が、容器内にあり、生物学的流体に第1のピーク波長の紫外線光を照射するステップが、光源アレイに設置された第1の光源セットによって行われ、第1の光源セットが、容器の1つの側面のみに面している、実施形態93から96のいずれか1つに記載の方法。
実施形態98. 病原体不活性化化合物が、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、およびメロシアニン540からなる群から選択される、光活性病原体不活性化化合物である、実施形態93から97のいずれか1つに記載の方法。
実施形態99. 病原体不活性化化合物が、ソラレンである、実施形態98に記載の方法。
実施形態100. 生物学的流体を処理するための方法であって、
病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体を処理チャンバーに導入するステップであって、処理チャンバーが、処理チャンバー内の光を検出するように構成される1つまたは複数の光センサーと、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように構成される第1の光源アレイとを含み、第1の光源アレイが、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルおよび第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含み、第1のピーク波長が、第2のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、ステップと、
生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な期間および強度で、第1の光源チャネルから第1のピーク波長を有する光を放出し、第2の光源チャネルから第2のピーク波長を有する光を放出することによって、生物学的流体に照射するステップと
を含む、方法。
実施形態101. 生物学的流体の特徴セットを判定するステップと、
生物学的流体の特徴セットに基づいて、処理プロファイルを判定するステップと、
処理プロファイルに従って、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップと
をさらに含む、実施形態100に記載の方法。
実施形態102. 生物学的流体に照射するステップが、処理プロファイルに従って行われる、実施形態100または実施形態101に記載の方法。
実施形態103. 病原体を不活性化するに十分な期間および強度が、処理プロファイルから判定される、実施形態100から102のいずれか1つに記載の方法。
実施形態104. 第1の光源アレイが、複数の光源クラスターを含み、第1の光源アレイのそれぞれの光源クラスターが、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルの第1の光源および第2のピーク波長を有する光を放出するように構成される第2の光源チャネルの第2の光源を含む、実施形態100から103のいずれか1つに記載の方法。
実施形態105. 第1の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%が、第1のピーク波長の10ナノメートル以内である、実施形態100から104のいずれか1つに記載の方法。
実施形態106. 第1の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅が、20ナノメートル未満である、実施形態100から104のいずれか1つに記載の方法。
実施形態107. 生物学的流体の特徴セットが、生物学的流体の体積、生物学的流体の種類、または生物学的流体の温度のうちの少なくとも1つを含む、実施形態100から106のいずれか1つに記載の方法。
実施形態108. 特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップが、第1のピーク波長および第2のピーク波長を判定することを含む、実施形態100から107のいずれか1つに記載の方法。
実施形態109. 特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップが、第1のピーク波長を有する紫外線光の第1の強度および第2のピーク波長を有する光の第2の強度を判定することを含む、実施形態100から108のいずれか1つに記載の方法。
実施形態110. 特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップが、第1のピーク波長を有する紫外線光の放出の第1の期間および第2のピーク波長を有する光の放出の第2の期間を判定することを含む、実施形態100から109のいずれか1つに記載の方法。
実施形態111. 処理チャンバーが、処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、第1のプラットフォームが、生物学的流体を保持する、実施形態100から110のいずれか1つに記載の方法。
実施形態112. 処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップが、第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間の距離を調整または設定することを含む、実施形態111に記載の方法。
実施形態113. 生物学的流体を撹拌するステップをさらに含む、実施形態100から112のいずれか1つに記載の方法。
実施形態114. 処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップが、生物学的流体の撹拌と関連するパラメーターを調整または設定することを含む、実施形態113に記載の方法。
実施形態115. 生物学的流体を処理するための方法であって、
病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体を処理チャンバーに導入するステップであって、処理チャンバーが、処理チャンバー内の光を検出するように構成される1つまたは複数の光センサーと、処理チャンバー内の生物学的流体に照射するように構成される第1の光源アレイとを含み、第1の光源アレイが、紫外線Aスペクトルにある第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルを含み、第1の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅が、20ナノメートル未満である、ステップと、
生物学的流体中の病原体を不活性化するに十分な第1の期間および第1の強度で、第1の光源チャネルから第1のピーク波長を有する光を放出することによって、生物学的流体に照射するステップと
を含む、方法。
実施形態116. 第1の光源チャネルのそれぞれの光源が、約330nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される、実施形態115に記載の方法。
実施形態117. 生物学的流体の特徴セットを判定するステップと、
生物学的流体の特徴セットに基づいて、処理プロファイルを判定するステップと、
処理プロファイルに従って、処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップと
をさらに含む、実施形態115または116に記載の方法。
実施形態118. 生物学的流体に照射するステップが、処理プロファイルに従って行われる、実施形態117に記載の方法。
実施形態119. 病原体を不活性化するに十分な第1の期間および第1の強度が、処理プロファイルから判定される、実施形態117または118に記載の方法。
実施形態120. 第1の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%が、第1のピーク波長の20ナノメートル以内である、実施形態115から119のいずれか1つに記載の方法。
実施形態121. 第1の光源アレイが、第2のピーク波長の光を放出するように構成される第2の光源チャネルを含む、実施形態115から120のいずれか1つに記載の方法。
実施形態122. 第2のピーク波長が、第1のピーク波長とは少なくとも5nm異なる、実施形態121に記載の方法。
実施形態123. 第2の光源チャネルによって放出される光の最大ピーク強度の50%が、第2のピーク波長の10ナノメートル以内である、実施形態121または実施形態122に記載の方法。
実施形態124. 第2の光源チャネルによって放出される光の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅が、20ナノメートル未満である、実施形態121または実施形態122に記載の方法。
実施形態125. 第1の光源アレイが、複数の光源クラスターを含み、第1の光源アレイのそれぞれの光源クラスターが、第1のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第1の光源チャネルの第1の光源および第2のピーク波長を有する紫外線光を放出するように構成される第2の光源チャネルの第2の光源を含む、実施形態121から124のいずれか1つに記載の方法。
実施形態126. 生物学的流体の特徴セットが、生物学的流体の体積、生物学的流体の種類、または生物学的流体の温度のうちの少なくとも1つを含む、実施形態117から125のいずれか1つに記載の方法。
実施形態127. 特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップが、第1のピーク波長を判定することを含む、実施形態117から126のいずれか1つに記載の方法。
実施形態128. 特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップが、第1のピーク波長を有する光の第1の強度を判定することを含む、実施形態117から127のいずれか1つに記載の方法。
実施形態129. 特徴セットに基づいて処理プロファイルを判定するステップが、第1のピーク波長を有する光の放出の第1の期間を判定することを含む、実施形態117から128のいずれか1つに記載の方法。
実施形態130. 処理チャンバーが、処理チャンバー内に配置される第1のプラットフォームをさらに含み、第1のプラットフォームが、生物学的流体を保持する、実施形態115から129のいずれか1つに記載の方法。
実施形態131. 処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップが、第1の光源アレイと第1のプラットフォームとの間の距離を調整または設定することを含む、実施形態130に記載の方法。
実施形態132. 生物学的流体を撹拌するステップをさらに含む、実施形態115から131のいずれか1つに記載の方法。
実施形態133. 処理チャンバーのパラメーターセットを調整または設定するステップが、生物学的流体の撹拌と関連するパラメーターを調整または設定することを含む、実施形態132に記載の方法。
実施形態134. 処理することが、生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、照射後の生物学的流体が、残留病原体不活性化化合物またはその光産物を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である、実施形態80から133のいずれか1つに記載の方法。
実施形態135. 処理することが、生物学的流体中の少なくとも1対数の病原体を不活性化するに十分であり、生物学的流体が、照射後に、5μMまたはそれを下回る病原体不活性化化合物を含む、実施形態80から133のいずれか1つに記載の方法。
実施形態136. 照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度が、少なくとも10μMである、実施形態134または実施形態135に記載の方法。
実施形態137. 照射後の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度が、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度の高くとも1/3である、実施形態134から136のいずれか1つに記載の方法。
実施形態138. 実施形態80から137のいずれか1つに記載の方法によって調製される、病原体が不活性化された生物学的流体。
実施形態139. 生物学的流体が、照射後に、5μMまたはそれを下回る病原体不活性化化合物を含む、実施形態138に記載の病原体が不活性化された生物学的流体。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9