(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】表示装置用可撓性表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/302 20060101AFI20230711BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230711BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230711BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230711BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
H10K59/00
H10K50/00
(21)【出願番号】P 2020565366
(86)(22)【出願日】2019-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2019070500
(87)【国際公開番号】W WO2020140293
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】杜 森
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 建▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ジ▼ ▲鳳▼▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲微▼
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0320543(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0247985(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0173172(US,A1)
【文献】国際公開第2015/186748(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0117333(US,A1)
【文献】特開2002-260853(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0117501(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/302
G09F 9/30
H10K 59/00
H10K 50/00
H05B 33/02
H05B 33/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続された、第1表示部及び第2表示部を含み、
前記第1表示部が平坦状態において表示した第1白色画像の色温度は、前記第2表示部が平坦状態において表示した第2白色画像の色温度とは異な
り、
前記第1白色画像の色温度と前記第2白色画像の色温度の差は2000K以上である、可撓性表示パネル。
【請求項2】
前記可撓性表示パネルはエレクトロルミネッセンス表示パネルであり、前記第1表示部及び前記第2表示部の各画素ユニットは少なくとも第1原色サブ画素及び第2原色サブ画素を含み、
平坦状態の前記第1表示部が前記第1白色画像を表示し、平坦状態の前記第2表示部が前記第2白色画像を表示する場合、前記第1表示部内の前記第2原色サブ画素から発する光と前記第1原色サブ画素から発する光との強度比が、前記第2表示部内の前記第2原色サブ画素から発する光と前記第1原色サブ画素から発する光との強度比とは異なる請求項1に記載の可撓性表示パネル。
【請求項3】
前記第2表示部の前記第2原色サブ画素の有効発光面積が前記第1表示部の前記第2原色サブ画素の有効発光面積よりも大きい請求項2に記載の可撓性表示パネル。
【請求項4】
前記第1表示部の前記第2原色サブ画素の発光層の色素ドーピング濃度が前記第2表示部の前記第2原色サブ画素の発光層の色素ドーピング濃度よりも低い請求項2に記載の可撓性表示パネル。
【請求項5】
前記第1白色画像の色温度が前記第2白色画像の色温度よりも低い請求項1~
4のいずれか1項に記載の可撓性表示パネル。
【請求項6】
前記第1表示部が前記第2表示部に直接に接続される請求項1~
5のいずれか1項に記載の可撓性表示パネル。
【請求項7】
前記第1表示部の一部は、前記第1白色画像に対して第1色の色ずれを有する基準白色画像を、湾曲状態で表示するように構成され、
前記第2白色画像は前記第1白色画像に対して第2色の色ずれを有し、
前記第1色と前記第2色は互いに補色となる請求項1~
6のいずれか1項に記載の可撓性表示パネル。
【請求項8】
前記第1表示部及び前記第2表示部の各画素ユニットは第3原色サブ画素をさらに含み、
前記第1表示部の各画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:Y:Zであり、
前記第2表示部の少なくとも第1サブ領域内の画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:(m1×Y):(n1×Z)であり、m1は1以上、n1は1.1以上である請求項2に記載の可撓性表示パネル。
【請求項9】
前記第2表示部の少なくとも第2サブ領域内の画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:(m2×Y):(n2×Z)であり、m2>m1、n2>n1であり、
前記第2サブ領域は前記第1サブ領域よりも前記第1表示部から離れている請求項
8に記載の可撓性表示パネル。
【請求項10】
平坦状態の前記第1表示部が前記第1白色画像を表示し、平坦状態の前記第2表示部が前記第2白色画像を表示する場合、前記第1白色画像、前記第1サブ領域に表示されている第1サブ白色画像、及び前記第2サブ領域に表示されている第2サブ白色画像の色温度は順次増加又は減少する請求項
9に記載の可撓性表示パネル。
【請求項11】
前記第1原色サブ画素、前記第2原色サブ画素、及び前記第3原色サブ画素はそれぞれ赤色サブ画素、緑色サブ画素、及び青色サブ画素である請求項
8~
10のいずれか1項に記載の可撓性表示パネル。
【請求項12】
表示装置であって、支持部材と、請求項1、3~
7のいずれか1項に記載の可撓性表示パネルと、を含み、
前記支持部材は、互いに隣接する平坦支持面及び湾曲支持面を有し、
前記可撓性表示パネルの前記第1表示部が前記平坦支持面に結合されて平坦表示部になり、前記可撓性表示パネルの前記第2表示部が前記湾曲支持面に結合されて湾曲表示部になる、表示装置。
【請求項13】
前記湾曲表示部は第3白色画像を表示するように構成され、前記第1白色画像の色温度と前記第3白色画像の色温度との差は500K以下である請求項
12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記平坦表示部及び前記湾曲表示部の各画素ユニットは、第1原色サブ画素、第2原色サブ画素及び第3原色サブ画素を含み、
前記平坦表示部の各画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:Y:Zであり、
前記湾曲表示部の少なくとも第1サブ部分内の画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:(m1×Y):(n1×Z)であり、m1≧1、n1≧1.1である請求項
12に記載の表示装置。
【請求項15】
前記湾曲表示部の少なくとも第2サブ部分内の画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:(m2×Y):(n2×Z)であり、m2≧m1、n2>n1であり、
前記第2サブ部分は前記第1サブ部分よりも前記平坦表示部から離れている請求項
14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1サブ部分は第4サブ白色画像を表示するように構成され、前記第2サブ部分は第5サブ白色画像を表示するように構成され、前記第4サブ白色画像と前記第5サブ白色画像との色温度の差は200K以下である請求項
15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1原色サブ画素、前記第2原色サブ画素、及び前記第3原色サブ画素はそれぞれ赤色サブ画素、緑色サブ画素、及び青色サブ画素である請求項
14~
16のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項18】
前記平坦表示部の、前記支持部材から離れた表面は第1平面にあり、
前記表示装置の断面において、前記湾曲支持面は弧状形状を有し、前記支持部材から離れた前記第1サブ部分の表面の接線と前記第1平面とが第1夾角a1をなし、前記支持部材から離れた前記第2サブ部分の表面の接線と前記第1平面とが第2夾角a2をなし、前記第1夾角a1と前記第2夾角a2はいずれも鋭角であり、且つ前記第2夾角a2は前記第1夾角a1よりも大きい請求項
15に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は表示装置用可撓性表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示技術の発展に伴い、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)ディスプレイはフラットパネルディスプレイの研究分野のホットスポットの一つになり、市場に投入されるアクティブマトリックス有機発光ダイオード(Active Matrix Organic Light Emitting Diode、AMOLED)表示パネルがますます多くなり、従来の薄膜トランジスタ液晶表示パネル(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display、TFTLCD)に比べ、AMOLEDは、応答速度が速く、コントラストが高く、視野角が広い。また、表示技術の発展に伴い、軽量・薄型で耐衝撃性に優れた湾曲可能な可撓性OLEDディスプレイを使用する電子機器がますます多くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の表示技術は単一の表示モードを用い、視聴時に、視聴者の方位が変化すると、表示画面は視聴者の方位変化に応じて変化することができず、たとえば、ユーザーの視聴方向が正面から斜め方向に変化すると、液晶表示装置の輝度、コントラスト及び色域等が変化し、その結果、視覚効果が低下し、特にハイエンド表示又は特別表示の場合、たとえば医療、グラフィックデザイン等の分野において、視野角の色ずれ(異なる視野角の色差)への要件が高く、一般的な表示パネルの視野角の色ずれを改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例は表示装置の可撓性表示パネルを提供し、前記表示装置は平坦表示部及び湾曲表示部を含み、前記可撓性表示パネルは、互いに接続された、前記平坦表示部として構成される第1表示部及び前記湾曲表示部として構成される第2表示部を含み、平坦状態の前記第1表示部及び平坦状態の前記第2表示部は、第1白色画像、及び色温度が前記第1白色画像の色温度とは異なる第2白色画像をそれぞれ同一時点に表示するように構成される。
【0005】
一例では、前記可撓性表示パネルはエレクトロルミネッセンス表示パネルであり、前記第1表示部及び前記第2表示部の各画素ユニットは少なくとも第1原色サブ画素及び第2原色サブ画素を含み、
平坦状態の前記第1表示部が前記第1白色画像を表示し、平坦状態の前記第2表示部が前記第2白色画像を表示する場合、前記第1表示部内の前記第2原色サブ画素から発する光と前記第1原色サブ画素から発する光との強度比が前記第2表示部内の前記第2原色サブ画素から発する光と前記第1原色サブ画素から発する光との強度比とは異なる。
【0006】
一例では、第2表示部の前記第2原色サブ画素の有効発光面積が前記第1表示部の前記第2原色サブ画素の有効発光面積よりも大きい。
【0007】
一例では、前記第1表示部の前記第2原色サブ画素の発光層の色素ドーピング濃度が前記第2表示部の前記第2原色サブ画素の発光層の色素ドーピング濃度よりも低い。
【0008】
一例では、前記第1白色画像の色温度と前記第2白色画像の色温度の差は2000K以上である。
【0009】
一例では、前記第1白色画像の色温度が前記第2白色画像の色温度よりも低い。
【0010】
一例では、前記第1表示部が前記第2表示部に直接に接続される。
【0011】
一例では、前記第1表示部の一部は、前記第1白色画像に対して第1色の色ずれを有する基準白色画像を、湾曲状態で表示するように構成され、
前記第2画像は前記第1白色画像に対して第2色の色ずれを有し、
前記第1色と前記第2色は互いに補色となる。
【0012】
一例では、前記第1表示部及び前記第2表示部の各画素ユニットは第3原色サブ画素をさらに含み、
前記第1表示部の各画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:Y:Zであり、
前記第2表示部の少なくとも第1サブ領域内の画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:(m1×Y):(n1×Z)であり、ここで、m1は1以上、n1は1.1以上である。
【0013】
一例では、前記第2表示部の少なくとも第2サブ領域内の画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:(m2×Y):(n2×Z)であり、ここで、m2>m1、n2>n1であり、
前記第2サブ領域は前記第1サブ領域よりも前記第1表示部から離れている。
【0014】
一例では、平坦状態の前記第1表示部が前記第1白色画像を表示し、平坦状態の前記第2表示部が前記第2白色画像を表示する場合、前記第1白色画像、前記第1サブ領域に表示されている第1サブ白色画像、及び前記第2サブ領域に表示されている第2サブ白色画像の色温度は順次増加又は減少する。
【0015】
一例では、前記第1原色サブ画素、前記第2原色サブ画素、及び前記第3原色サブ画素はそれぞれ赤色サブ画素、緑色サブ画素、及び青色サブ画素である。
【0016】
本開示の別の実施例に提供される表示装置は、支持部材と、上記いずれか1項に記載の可撓性表示パネルとを含み、前記支持部材は、互いに隣接する平坦支持面及び湾曲支持面を有し、前記可撓性表示パネルの第1表示部が前記平坦支持面に結合されて前記平坦表示部になり、前記可撓性表示パネルの第2表示部が前記湾曲支持面に結合されて前記湾曲表示部になる。
【0017】
一例では、前記可撓性表示パネルはエレクトロルミネッセンス表示パネルであり、前記平坦表示部及び前記湾曲表示部の各画素ユニットは少なくとも第1原色サブ画素及び第2原色サブ画素を含み、
前記平坦表示部が前記第1白色画像を表示し、前記湾曲表示部が前記第2白色画像を表示する場合、前記平坦表示部内の前記第2原色サブ画素から発する光と前記第1原色サブ画素から発する光との強度比が前記湾曲表示部内の前記第2原色サブ画素から発する光と前記第1原色サブ画素から発する光との強度比とは異なる。
【0018】
一例では、前記湾曲表示部は第3白色画像を表示するように構成され、前記第1白色画像の色温度と前記第3白色画像の色温度との差は500K以下である。
【0019】
一例では、前記平坦表示部及び前記湾曲表示部の各画素ユニットは第3原色サブ画素をさらに含み、
前記平坦表示部の各画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:Y:Zであり、
前記湾曲表示部の少なくとも第1サブ部分内の画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:(m1×Y):(n1×Z)であり、ここで、m1≧1、n1≧1.1である。
【0020】
一例では、前記湾曲表示部の少なくとも第2サブ部分内の画素ユニットの前記第1原色サブ画素と、前記第2原色サブ画素と、前記第3原色サブ画素との有効発光面積の比はX:(m2×Y):(n2×Z)であり、ここで、m2≧m1、n2>n1であり、
前記第2サブ部分は前記第1サブ部分よりも前記平坦表示部から離れている。
【0021】
一例では、前記第1サブ部分は第4サブ白色画像を表示するように構成され、前記第2サブ部分は第5サブ白色画像を表示するように構成され、前記第4サブ白色画像と前記第5サブ白色画像との色温度の差は200K以下である。
【0022】
一例では、前記第1原色サブ画素、前記第2原色サブ画素、及び前記第3原色サブ画素はそれぞれ赤色サブ画素、緑色サブ画素、及び青色サブ画素である。
【0023】
一例では、前記平坦表示部の、前記支持部材から離れた表面は第1平面にあり、
前記表示装置の断面において、前記湾曲支持面は弧状形状を有し、前記支持部材から離れた前記第1サブ部分の表面の接線と前記第1平面とが第1夾角a1をなし、前記支持部材から離れた前記第2サブ部分の表面の接線と前記第1平面とが第2夾角a2をなし、前記第1夾角a1と前記第2夾角a2はいずれも鋭角であり、且つ前記第2夾角a2は前記第1夾角a1よりも大きい。
【0024】
第1表示部が平坦状態で表示する第1白色画像の色温度が、第2表示部が平坦状態で表示する第2白色画像の色温度とは異なるため、第2表示部の湾曲による色ずれを解消でき、平坦状態の第1表示部と湾曲状態の第2表示部が白色画像を同時に表示する時、より高い色均一性を有し、たとえば、同じ色温度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の実施例及び関連技術の技術案をさらに明確に説明するために、以下、実施例又は関連技術の説明に使用される図面を簡単に説明する。明らかなように、以下説明される図面は単に本開示の実施例の一部にすぎず、当業者にとって、創造的な努力努力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を想到し得る。
【0026】
【
図1】
図1は本開示の実施例に係る平坦状態の可撓性表示パネルの平面模式図である。
【
図2】
図2は本開示の実施例に係る表示装置の上面模式図である。
【
図3】
図3は本開示の実施例に係る表示装置の
図2の線LL’に沿った断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の実施例の目的、技術案、及びメリットをより明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照して、本開示の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。明らかなように、説明する実施例は本開示の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。説明する本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を要することなく想到し得る他の実施例は、すべて本開示の保護範囲に属する。
【0028】
別段の定義がない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者により理解される通常の意味である。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似用語は、順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものにすぎない。「備える」又は「含む」等の類似用語は、該用語の前に記載される素子又は部材が該用語の後にリストされる素子又は部材及びその同等物をカバーするが、他の素子又は部材を除外しないことを意味する。「接続」又は「連結」等の類似用語は、物理的または機械的な接続に限定されず、電気的な接続を含んでもよく、直接でも間接でも構わない。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対的な位置関係を示すものであり、該相対的な位置関係は対応して変化する可能性がある。以下の本開示の実施例についての説明を明瞭且つ簡潔にするために、本開示は既知の機能及び既知の部材についての詳細な説明を省略する。
【0029】
OLEDディスプレイは主に電流でエレクトロルミネッセンス素子を駆動して発光させて画像表示を実現する。発明者は、エレクトロルミネッセンス素子の構造的特徴及びディスプレイの製造プロセス等の要素により、ディスプレイの広い視野に色ずれが発生し、特にディスプレイを湾曲した湾曲領域において色ずれ現象が顕著になり、その結果、ディスプレイの表示効果に悪影響を与えてしまう。
【0030】
本開示は可撓性表示パネル及び該可撓性表示パネルを含む表示装置を提供し、湾曲状態の可撓性表示パネルのエッジ領域の正面視の色ずれ問題を改善でき、それにより、表示パネルの表示効果を向上させる。
【0031】
本開示の実施例は表示装置の可撓性表示パネル100を提供する。可撓性表示パネル100は、たとえば有機エレクトロルミネッセンス表示パネルである。前記表示装置は、平坦表示部及び湾曲表示部を含む。
図1は本開示の実施例に係る平坦状態の可撓性表示パネルの平面模式図である。
図1に示すように、可撓性表示パネル100は、互いに接続された、メイン表示部110(第1表示部の例)と2つのエッジ表示部120(第2表示部の例)とを含む。前記第1表示部は前記平坦表示部として構成され、前記少なくとも1つの第2表示部は前記湾曲表示部として構成される。2つのエッジ表示部120はそれぞれメイン表示部110の反対両側に位置する。
図1に示される平面図では、各エッジ表示部120がメイン表示部100に直接に接続されるため、各エッジ表示部120とメイン表示部100との間に非表示部がない。メイン表示部110及び2つのエッジ表示部120から可撓性表示パネル100の連続的な有効表示部AAが構成される。有効表示部AAの境界が非表示部Fと隣接している。本開示の実施例は、エッジ表示部120がメイン表示部の周辺に位置する限り、可撓性表示パネル100に含まれるエッジ表示部120の数を限定しない。一例では、可撓性表示パネル100はエッジ表示部120を1つのみ含んでもよく、別の例では、可撓性表示パネル100はエッジ表示部120を3つ以上含んでもよい。別の例では、少なくとも1つのエッジ表示部120とメイン表示部100との間に非表示部が配置されてもよい。この場合、メイン表示部110及び2つのエッジ表示部120から構成される可撓性表示パネル100の有効表示部AAは非連続的であってもよい。
【0032】
メイン表示部110はアレイ状に配置された複数のメイン画素ユニットP1を含み、各エッジ表示部120はアレイ状に配置された複数のエッジ画素ユニットP2を含む。
【0033】
メイン表示部110は第1白色画像を平坦状態で表示するように構成される。エッジ表示部120は第2白色画像を平坦状態で表示するように構成される。
【0034】
色温度は光に含まれる色成分を示す計測単位である。理論的には、色温度とは絶対黒体が絶対零度(-273℃)から加熱された後に現れる色を指す。黒体が加熱されて、徐々に黒から赤、黄色、白、最後に青に変わる。所定の温度まで加熱され、黒体から発する光に特定のスペクトル成分が含まれる場合、該温度は該特定のスペクトル成分を有する光の色温度と呼ばれ、計測単位は「K」(ケルビン)である。特定の光源から発する光が特定の温度で黒体から発する光に含まれるスペクトル成分と同じである場合、特定のK色温度と呼ばれる。
【0035】
平坦状態のメイン表示部110が第1白色画像を第1時点に表示するように駆動されると、メイン表示部110内の各メイン画素ユニットP1は白色画素点を表示するように駆動される。各メイン画素ユニットP1が表示する白色画素点は対応する色温度を有する。メイン表示部110内のすべてのメイン画素ユニットP1にそれぞれ表示される白色画素点の色温度の算術平均値はメイン表示部が表示する第1白色画像の色温度である。たとえば、第1白色画像の色温度は6500Kである。
【0036】
平坦状態のエッジ表示部120が第2白色画像を第1時点に表示するように駆動されると、エッジ表示部120内の各エッジ画素ユニットP2は白色画素点を表示するように駆動される。各エッジ画素ユニットP2が表示する白色画素点は対応する色温度を有する。エッジ表示部120内のすべてのエッジ画素ユニットP2のそれぞれが表示する白色画素点の色温度の算術平均値はエッジ表示部120が表示する第2白色画像の色温度である。
【0037】
同一時点においてメイン表示部110が平坦状態で表示する第1白色画像の色温度が、エッジ表示部120が平坦状態で表示する第2白色画像の色温度とは異なるため、エッジ表示部120の湾曲による色ずれを解消でき、それにより、平坦状態のメイン表示部110と湾曲状態のエッジ表示部120が白色画像を同時に表示する時、より高い色均一性を有し、たとえば、同じ色温度を有する。
【0038】
第1白色画像の色温度は第2白色画像の色温度とは異なる。たとえば、第1白色画像の色温度と前記第2白色画像の色温度の差は2000K以上である。たとえば、第1白色画像の色温度と前記第2白色画像の色温度の差は3500K以上である。たとえば、第1白色画像の色温度は第2白色画像の色温度よりも低い。色温度の差をこの範囲とすることにより、可撓性が小さいパネルの湾曲による色ずれを効果的に調整できる。
【0039】
たとえば、メイン表示部110の一部は、前記第1白色画像に対して第1色の色ずれを有する基準白色画像を湾曲状態で表示するように構成される。たとえば、本開示の色ずれとは、視聴者の中心視線がメイン表示部110の平坦状態の部分に垂直な時に視認できる正面視の色ずれである。たとえば、該第1色は、たとえば赤色である。つまり、基準画像は第1白色画像に比べて赤みがかっている。平坦状態のエッジ表示部120が第2白色画像を表示するように駆動されると、該第2白色画像はメイン表示部110が平坦状態で表示する第1白色画像に対して第2色の色ずれを有する。たとえば、第1色と第2色はたとえば補色となる。補色は対となる色であり、組み合わせる、又は混合する時、白色が発生することにより互いに相殺する(色相の喪失)。たとえば、第2白色画像の色温度は9000Kである。第2色はたとえば青色であり、つまり、第2白色画像は第1白色画像に比べて青色がかっている。
【0040】
ここで、可撓性表示パネル100は支持部材に結合されて表示するように構成される。
図3に示すように、該支持部材200は平坦支持面210及び2つの湾曲支持面220を含む。可撓性表示パネル100のメイン表示部110は平坦支持面に等角結合されて前記平坦状態で表示するように構成され、可撓性表示パネル100のエッジ表示部120は湾曲支持面に等角結合されて湾曲状態で表示するように構成される。たとえば、エッジ表示部120は第3白色画像を湾曲状態で第1時点に表示するように構成される。
【0041】
湾曲状態のエッジ表示部120が第3白色画像を表示するように駆動されると、エッジ表示部120内の各エッジ画素ユニットP2は白色画素点を表示するように駆動される。各エッジ画素ユニットP2が表示する白色画素点は対応する色温度を有する。湾曲状態でエッジ表示部120内のすべてのエッジ画素ユニットP2のそれぞれが表示する白色画素点の色温度の算術平均値はエッジ表示部120が表示する第3白色画像の色温度である。たとえば、第3白色画像の色温度は6500Kである。
【0042】
続いて
図1に示すように、エッジ表示部120はメイン表示部110から離れた方向において順次配置された第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123を含む。
【0043】
エッジ画素ユニットP2は、前記第1サブ領域121にアレイ状に配置された複数の第1エッジ画素ユニットP21、前記第2サブ領域122にアレイ状に配置された複数の第2エッジ画素ユニットP22、及び第3サブ領域123にアレイ状に配置された複数の第3エッジ画素ユニットP23を含む。
図1では、第1サブ領域121は1列の第1エッジ画素ユニットP21として模式的に示され、第2サブ領域122は1列の第2エッジ画素ユニットP22として模式的に示され、第3サブ領域123は1列の第3エッジ画素ユニットP23として模式的に示される。
【0044】
一例では、第1サブ領域121は第1色温度を有する第1サブ白色画像を前記平坦状態で表示するように構成される。たとえば、該第1色温度は8500Kである。第2サブ領域122は第2色温度を有する第2サブ白色画像を前記平坦状態で表示するように構成され、たとえば、該第2色温度は9500Kである。第3サブ領域123は第3色温度を有する第3サブ白色画像を前記平坦状態で表示するように構成される。たとえば、該第3色温度は10500Kである。つまり、前記第1色温度、前記第2色温度、及び前記第3色温度は順次増加する。このように、エッジ表示部120の第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123が湾曲支持面に取り付けられることによる、徐々に変化する色ずれを補正することができる。
【0045】
本実施例では、各メイン画素ユニットP1は赤色サブ画素P1R、緑色サブ画素P1G、及び青色サブ画素P1Bを含む。各エッジ画素ユニットP2は赤色サブ画素P2R、緑色サブ画素P2G、及び青色サブ画素P2Bを含む。たとえば、各第1エッジ画素ユニットP21は赤色サブ画素P2R1、緑色サブ画素P2G1、及び青色サブ画素P2B1を含み、各第2エッジ画素ユニットP22は赤色サブ画素P2R2、緑色サブ画素P2G2、及び青色サブ画素P2B2を含み、各第3エッジ画素ユニットP23は赤色サブ画素P2R3、緑色サブ画素P2G3、及び青色サブ画素P2B3を含む。
【0046】
本実施例では、各メイン画素ユニットP1の赤色サブ画素P1R、緑色サブ画素P1G、及び青色サブ画素P1Bの有効発光面積の比はX:Y:Zである。各第1エッジ画素ユニットP21の前記赤色サブ画素P2R1、前記緑色サブ画素P2G1、及び前記青色サブ画素P2B1の有効発光面積の比はX:(m1×Y):(n1×Z)であり、ここで、m1は1以上、n1は1.1以上である。一例では、m1は1に等しく、n1=1.5である。第1エッジ画素ユニットP21の青色サブ画素P2B1の発光層の青色色素ドーピング濃度はメイン画素ユニットP1の青色サブ画素P1Bの発光層の青色色素ドーピング濃度以上であってもよい。従って、メイン画素ユニットP1及び第1エッジ画素ユニットP21が白色光を発するように駆動されると、第1エッジ画素ユニットP21から発する白色光中の青色光と赤色光の比はメイン画素ユニットP1から発する白色光中の青色光と赤色光の比よりも大きくてもよい。また、第1エッジ画素ユニットP21の緑色サブ画素P2G1の発光層の緑色色素ドーピング濃度はメイン画素ユニットP1の緑色サブ画素P1Gの発光層の緑色色素ドーピング濃度よりも高い。このように、メイン画素ユニットP1及び第1エッジ画素ユニットP21が白色光を発するように駆動されると、第1エッジ画素ユニットP21から発する白色光中の緑色光と赤色光の比はメイン画素ユニットP1から発する白色光中の緑色光と赤色光の比よりも大きくてもよい。従って、第1エッジ画素ユニットP21構造から発する白色光は、メイン画素ユニットP1構造から発する白色光よりも比が大きい青色光の成分を有する。このように、第1サブ領域121が前記平坦状態で表示する第1サブ白色画像の第1色温度はメイン表示部110が平坦状態で表示する第1白色画像の色温度よりも大きいことが実現できる。
【0047】
上記実施例では、第1エッジ画素ユニットP21の青色サブ画素P2B1の有効発光面積を増大することにより、画素領域の余剰空間を効果的に利用して色温度の調整を実現できる一方で、青色サブ画素の寿命が急速に短くなるという問題を回避できる。
【0048】
上記実施例では、第1エッジ画素ユニットP21の緑色サブ画素P2G1の有効発光面積をメイン画素ユニットP1の緑色サブ画素P1Gと同じに維持することにより、青色サブ画素の有効発光面積が増大する空間を残す一方で、製造プロセスを簡略化できる。
【0049】
本実施例では、画素規定層の開口を変更することで各サブ画素の有効発光面積の制御を実現する。画素規定層の開口の底部に画素電極(たとえば、有機発光ダイオードの陽極)が露出する。開口に充填される有機発光材料が該開口を介して画素電極と直接接触する面積は、対応するサブ画素の有効発光面積と見なすことができる。
図1では、各サブ画素の矩形枠は該サブ画素の有効発光面積を模式的に表す。
【0050】
続いて
図1に示すように、さらに、各第2エッジ画素ユニットP22の赤色サブ画素P
2R2、緑色サブ画素P
2G2、及び青色サブ画素P
2B2の有効発光面積の比はX:(m2×Y):(n2×Z)であり、ここで、m2=m1、n2>n1である。第2エッジ画素ユニットP22の青色サブ画素P
2B2の発光層の青色色素ドーピング濃度は第1エッジ画素ユニットP21の青色サブ画素P
2B1の発光層の青色色素ドーピング濃度以上であってもよい。第2エッジ画素ユニットP22の緑色サブ画素P
2G2の発光層の緑色色素ドーピング濃度は第1エッジ画素ユニットP21の緑色サブ画素P
2G1の発光層の緑色色素ドーピング濃度よりも高い。
【0051】
続いて
図1に示すように、さらに、各第3エッジ画素ユニットP23の前記赤色サブ画素P
2R3、緑色サブ画素P
2G3、及び青色サブ画素P
2B3の有効発光面積の比はX:(m3×Y):(n3×Z)であり、ここで、m3=m2、n3>n2である。第3エッジ画素ユニットP23の青色サブ画素P
2B3の発光層のドーピング濃度は第2エッジ画素ユニットP22の青色サブ画素P
2B2の発光層のドーピング濃度以上であってもよい。第3エッジ画素ユニットP23の緑色サブ画素P
2G3の発光層のドーピング濃度は第2エッジ画素ユニットP22の緑色サブ画素P
2G2の発光層のドーピング濃度よりも高い。
【0052】
上記実施例では、基準白色画像は第1白色画像に対して赤色の色ずれを有し、第2白色画像は第1白色画像に対して青色の色ずれを有する。しかしながら、本開示の実施例はそれに限定されない。他の実施例では、たとえば、基準白色画像は第1白色画像に対して青色の色ずれを有し、第2白色画像は第1白色画像に対して赤色の色ずれを対応して有する。この場合、第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123は前記平坦状態で平均色温度が順次減少する白色サブ画像を表示するように構成される。
【0053】
本開示の実施例は、エッジ画素ユニットP2から発する白色光の色温度を制御することを実現できる限り、エッジ画素ユニットP2の構造を限定しない。別の例では、m3>m2>m1>1、n3>n2>n1>1である。この場合、異なるサブ領域の画素ユニットの同じ色のサブ画素の発光層のドーピング濃度は同じであってもよく、異なってもよい。
【0054】
上記実施例では、第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123における画素ユニットは、異なる構造を有するように構成され、それにより、第1サブ領域121が平坦状態で表示する第1サブ白色画像の色温度、第2サブ領域122が平坦状態で表示する第2サブ白色画像の第2色温度、及び第3サブ領域123が平坦状態で表示する第3サブ白色画像の第3色温度が順次増加するが、本開示の実施例はそれに限定されない。別の例では、第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123における画素ユニットは同じ構造を有するように構成され、それにより、第1サブ領域121が平坦状態で表示する第1サブ白色画像の色温度、第2サブ領域122が平坦状態で表示する第2サブ白色画像の第2色温度、及び第3サブ領域123が平坦状態で表示する第3サブ白色画像の第3色温度が同じである。
【0055】
たとえば、上記実施例では、各赤色サブ画素の発光層は赤色光を発するように構成され、各緑色サブ画素の発光層は緑色光を発するように構成され、各青色サブ画素の発光層は青色光を発するように構成される。様々な色のサブ画素の発光層は、たとえば有機発光材料層である。
【0056】
上記実施例では、前記可撓性表示パネルの前記メイン表示部及び前記エッジ表示部の各画素ユニットは、色が異なる3つのサブ画素を含むが、本開示の実施例はそれに限定されない。別の実施例では、前記可撓性表示パネルの前記メイン表示部及び前記エッジ表示部の各画素ユニットは色が異なるサブ画素を2つのみ含んでもよい。別の実施例では、前記可撓性表示パネルの前記メイン表示部及び前記エッジ表示部の各画素ユニットは色が異なるサブ画素を4つのみ含んでもよい。たとえば、平坦状態の前記メイン表示部が前記第1白色画像を表示し、平坦状態の前記エッジ表示部が前記第2白色画像を表示する場合、メイン表示部内の第1色サブ画素から発する第1色光と第2色サブ画素から発する第2色光の強度比は、前記エッジ表示部内の前記第1色サブ画素から発する前記第1色光と前記第2色サブ画素から発する第2色光の強度比とは異なる。このように、メイン表示部が表示する第1白色画像はエッジ表示部が表示する第2白色画像の色温度とは異なる。
【0057】
図2は本開示の実施例に係る表示装置の上面模式図である。該表示装置の一例は携帯電話である。
図3は本開示の実施例に係る表示装置の
図2の線LL’に沿った断面模式図である。
図4は
図3の破線枠内の拡大図である。
【0058】
図3に示すように、本開示の実施例に係る表示装置10は、上記いずれかの可撓性表示パネル100及び支持部材200を含む。
【0059】
支持部材200は互いに隣接する平坦支持面210、及び少なくとも1つの湾曲支持面220を含む。
図3では、支持部材200は平坦支持面210の反対両側に位置する2つの湾曲支持面220を有する。また、支持部材200は、たとえば平坦支持面210に対向する裏面240、及び2つの湾曲支持面220をそれぞれ裏面240に接続する互いに対向する2つの平坦側面230を有する。他の例では、支持部材200の2つの湾曲支持面220が裏面240に直接に接続され、この場合、支持部材200は互いに対向する2つの平坦側面230を含まなくてもよい。
【0060】
可撓性表示パネル100のメイン表示部110は平坦支持面210に結合されて表示装置10の平坦表示部FPになり、可撓性表示パネル100の2つのエッジ表示部120は湾曲支持面220に結合されてそれぞれ表示装置10の湾曲表示部BPになる。ここで、表示装置10の平坦表示部FP及び湾曲表示部BPは面一ではない。
【0061】
平坦状態のメイン表示部110は第1白色画像を平坦状態で第1時点に表示するように構成される。つまり、表示装置10の平坦表示部FPは第1白色画像を第1時点に表示するように構成される。平坦状態のメイン表示部110が第1白色画像を表示するように駆動されると、メイン表示部110内の各メイン画素ユニットP1は白色画素点を表示するように駆動される。各メイン画素ユニットP1が表示する白色画素点は対応する色温度を有する。メイン表示部110内のすべてのメイン画素ユニットP1のそれぞれが表示する白色画素点の色温度の算術平均値はメイン表示部が表示する第1白色画像の色温度である。たとえば、第1白色画像の色温度は6500Kである。
【0062】
エッジ表示部120は第3白色画像を前記湾曲状態で第1時点に表示するように構成される。つまり、表示装置10の湾曲表示部BPは第3白色画像を第1時点に表示するように構成される。湾曲状態のエッジ表示部120が第3白色画像を表示するように駆動されると、エッジ表示部120内の各エッジ画素ユニットP2は白色画素点を表示するように駆動される。各エッジ画素ユニットP2が表示する白色画素点は対応する色温度を有する。湾曲状態でエッジ表示部120内のすべてのエッジ画素ユニットP2のそれぞれが表示する白色画素点の色温度の算術平均値は、エッジ表示部120が表示する第3白色画像の色温度である。表示装置10の平坦表示部FP及び湾曲表示部BPは第1白色画像と第3白色画像をそれぞれ同一時点に表示するように構成される。たとえば、前記第1白色画像の色温度と前記第3白色画像の色温度の差は500K以下である。たとえば、第1白色画像の色温度は6500Kであり、第3白色画像の色温度は6700Kである。また、たとえば、第1白色画像の色温度は6500Kであり、第3白色画像の色温度も6500Kである。
【0063】
続いて
図3に示すように、支持部材200の湾曲支持面220は弧状の断面形状を有する。弧状は円形又は楕円形の一部の形状である。別の例では、支持部材200の湾曲支持面220は直線状の断面形状を有してもよく、別の例では、支持部材200の湾曲支持面220は直線と弧状を組み合わせた断面形状を有してもよい。本開示の実施例は湾曲支持面の形状を限定しない。
【0064】
図4の断面図に示すように、可撓性表示パネル100のエッジ表示部120の第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123が湾曲支持面220に結合されて、それぞれ湾曲状態になり表示装置10の湾曲表示部BPの第1サブ部分BP
1、第2サブ部分BP
2、及び第3サブ部分BP
3になる。
【0065】
図1では、第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123は2つずつ隣接している。
図4では、湾曲状態の第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123はそれぞれ表示装置の第1サブ部分BP
1、第2サブ部分BP
2、及び第3サブ部分BP
3として機能し、第1サブ部分BP
1、第2サブ部分BP
2、及び第3サブ部分BP
3は2つずつ隣接している。しかしながら、本開示の実施例はそれに限定されない。別の例では、第1サブ領域121と第2サブ領域122との間に他の表示部があってもよく、第2サブ領域122と第3サブ領域123との間に他の表示部があってもよい。第1サブ部分BP
1と第2サブ部分BP
2との間にさらに湾曲表示部があってもよく、第2サブ部分BP
2と第3サブ部分BP
3との間にさらに湾曲表示部があってもよい。
【0066】
一例では、第1サブ領域121は第1色温度を有する第1サブ白色画像を前記平坦状態で表示するように構成される。たとえば、該第1色温度は8500Kである。第1サブ領域121は第4色温度を有する第4サブ白色画像を湾曲状態で表示するように構成され、つまり、表示装置10の湾曲表示部BPの第1サブ部分BP1は第4色温度を有する第4サブ白色画像を表示するように構成される。たとえば、第4色温度は6500Kである。ここで、第1サブ領域121を駆動して第1色温度を有する第1サブ白色画像を前記平坦状態で表示させるための駆動信号は、第1サブ領域121を駆動して第4色温度を有する第4サブ白色画像を湾曲状態で表示させるための駆動信号と同じである。つまり、第1サブ領域121の湾曲による小さな赤色の色ずれと第1サブ領域121自体の小さな青色の色ずれが互いに相殺して、メイン表示部110との色均一性がより高い色特性を示し、たとえばほぼ同じ色温度である。
【0067】
第2サブ領域122は第2色温度を有する第2サブ白色画像を前記平坦状態で表示するように構成され、たとえば、該第2色温度は9500Kである。第2サブ領域122は第5色温度を有する第5サブ白色画像を湾曲状態で表示するように構成され、つまり、表示装置10の湾曲表示部BPの第2サブ部分BP2は第5色温度を有する第5サブ白色画像を表示するように構成される。たとえば、第5色温度は6500Kである。ここで、第2サブ領域122を駆動して第2色温度を有する第2サブ白色画像を前記平坦状態で表示させるための駆動信号は、第2サブ領域122を駆動して第5色温度を有する第5サブ白色画像を湾曲状態で表示させるための駆動信号と同じである。つまり、第1サブ領域121の湾曲による中程度の赤色の色ずれと第1サブ領域121自体の中程度の青色の色ずれが互いに相殺し、メイン表示部110との色均一性がより高い色特性を示し、たとえばほぼ同じ色温度である。
【0068】
第3サブ領域123は第3色温度を有する第3サブ白色画像を前記平坦状態で表示するように構成される。たとえば、該第3色温度は10500Kである。第3サブ領域123は第6色温度を有する第6サブ白色画像を湾曲状態で表示するように構成され、つまり、表示装置10の湾曲表示部BPの第3サブ部分BP3は第6色温度を有する第6サブ白色画像を表示するように構成される。たとえば、第6色温度は6500Kである。ここで、第3サブ領域123を駆動して第3色温度を有する第3サブ白色画像を前記平坦状態で表示させるための駆動信号は、第3サブ領域123を駆動して第6色温度を有する第6サブ白色画像を湾曲状態で表示させるための駆動信号と同じである。つまり、第1サブ領域121の湾曲による大きな赤色の色ずれと第1サブ領域121自体の大きな色の色ずれが互いに相殺し、メイン表示部110との色均一性がより高い色特性を示し、たとえば、ほぼ同じ色温度である。
【0069】
このように、エッジ表示部120の第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123が湾曲支持面に取り付けられることによる、徐々に変化する色ずれが対応して補正される。従って、表示装置のすべての表示部のより均一なホワイトバランスを実現できる。
【0070】
別の例では、第4色温度、第5色温度、及び第6色温度間の最大差は200K以下である。
【0071】
本実施例では、湾曲により可撓性表示パネルに赤色の色ずれが発生し、従って、前記第1色温度、前記第2色温度、及び前記第3色温度は順次増加する。湾曲により可撓性表示パネルに青色の色ずれが発生すれば、第1色温度、第2色温度、及び第3色温度は順次減少してもよいことが理解されるべきである。
【0072】
図3及び
図4に示される実施例では、可撓性表示パネル100のエッジ表示部120はすべて湾曲支持面220に位置する。別の例では、可撓性表示パネル100のエッジ表示部120はさらに支持部材200の側面230に位置してもよい。
【0073】
可撓性表示パネル100のメイン表示部110はアレイ状に配置された複数のメイン画素ユニットP1を含み、各エッジ表示部120はアレイ状に配置された複数のエッジ画素ユニットP2を含む。本実施例では、複数のメイン画素ユニットP1及び複数のエッジ画素ユニットP2についての説明は
図1に示される可撓性表示パネル100の対応する部分の説明を参照することができる。
【0074】
各メイン画素ユニットP1は赤色サブ画素P1R、緑色サブ画素P1G、及び青色サブ画素P1Bを含む。各エッジ画素ユニットP2は赤色サブ画素P2R、緑色サブ画素P2G、及び青色サブ画素P2Bを含む。たとえば、第1サブ領域121内の各第1エッジ画素ユニットP21は赤色サブ画素P2R1、緑色サブ画素P2G1、及び青色サブ画素P2B1を含み、第2サブ領域122内の各第2エッジ画素ユニットP22は赤色サブ画素P2R2、緑色サブ画素P2G2、及び青色サブ画素P2B2を含み、第3サブ領域121内の各第3エッジ画素ユニットP23は赤色サブ画素P2R3、緑色サブ画素P2G3、及び青色サブ画素P2B3を含む。
【0075】
本実施例では、各メイン画素ユニットP1の赤色サブ画素P1R、緑色サブ画素P1G、及び青色サブ画素P1Bの有効発光面積の比はX:Y:Zである。各第1エッジ画素ユニットP21の前記赤色サブ画素P2R1、前記緑色サブ画素P2G1、及び前記青色サブ画素P2B1の有効発光面積の比はX:(m1×Y):(n1×Z)であり、ここで、m1は1以上、n1は1.1以上である。一例では、m1は1に等しく、n1=1.5である。第1エッジ画素ユニットP21の青色サブ画素P2B1の発光層のドーピング濃度はメイン画素ユニットP1の青色サブ画素P1Bの発光層のドーピング濃度以上であってもよい。従って、メイン画素ユニットP1及び第1エッジ画素ユニットP21が白色光を発するように駆動されると、第1エッジ画素ユニットP21から発する白色光中の青色光と赤色光の比は、メイン画素ユニットP1から発する白色光中の青色光と赤色光の比よりも大きくてもよい。また、第1エッジ画素ユニットP21の緑色サブ画素P2G1の発光層のドーピング濃度はメイン画素ユニットP1の緑色サブ画素P1Gの発光層のドーピング濃度よりも高い。このように、メイン画素ユニットP1及び第1エッジ画素ユニットP21が白色光を発するように駆動されると、第1エッジ画素ユニットP21から発する白色光中の緑色光と赤色光の比は、メイン画素ユニットP1から発する白色光中の緑色光と赤色光の比よりも大きくてもよい。
【0076】
続いて
図1に示すように、さらに、各第2エッジ画素ユニットP22の赤色サブ画素P
2R2、緑色サブ画素P
2G2、及び青色サブ画素P
2B2の有効発光面積の比はX:(m2×Y):(n2×Z)であり、m2=m1、n2>n1である。第2エッジ画素ユニットP22の青色サブ画素P
2B2の発光層のドーピング濃度は第1エッジ画素ユニットP21の青色サブ画素P
2B1の発光層のドーピング濃度以上であってもいい。第2エッジ画素ユニットP22の緑色サブ画素P
2G2の発光層のドーピング濃度は第1エッジ画素ユニットP21の緑色サブ画素P
2G1の発光層のドーピング濃度よりも高い。
【0077】
続いて
図1に示すように、さらに、各第3エッジ画素ユニットP23の前記赤色サブ画素P
2R3、緑色サブ画素P
2G3、及び青色サブ画素P
2B3の有効発光面積の比はX:(m3×Y):(n3×Z)であり、m3=m2、n3>n2である。第3エッジ画素ユニットP23の青色サブ画素P
2B3の発光層のドーピング濃度は第2エッジ画素ユニットP22の青色サブ画素P
2B2の発光層のドーピング濃度以上であってもよい。第3エッジ画素ユニットP23の緑色サブ画素P
2G3の発光層のドーピング濃度は第2エッジ画素ユニットP22の緑色サブ画素P
2G2の発光層のドーピング濃度よりも高い。
【0078】
図4に示すように、支持部材200から離れた表示装置10の平坦表示部FPの表面が第1平面P1にある。
図4に示される断面図では、前記支持部材から離れた湾曲表示部BPの第1サブ部分BP
1の表面の接線と前記第1平面P1が第1夾角a1をなし、支持部材200から離れた湾曲表示部BPの第2サブ部分BP
2の表面の接線と前記第1平面P1が第2夾角a2をなし、支持部材200から離れた湾曲表示部BPの第3サブ部分BP
3の表面の接線と第1平面P1が第3夾角a3をなす。第1夾角a1、前記第2夾角a2、及び前記第3夾角a3はいずれも鋭角であり、且つa1<a2<a3である。つまり、湾曲表示部BPの第1サブ部分BP
1、第2サブ部分BP
2、及び第3サブ部分BP
3の湾曲程度が徐々に大きくなり、湾曲による赤色の色ずれも徐々に大きくなる。たとえば、本開示の実施例における色ずれとは、視聴者の中心視線がメイン表示部110の平坦状態の部分に垂直な時に視認できる正面視の色ずれである。
【0079】
本開示の実施例では、第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123は平坦状態で色温度が徐々に増加するサブ白色画像を表示するように構成される。つまり、平坦状態で、第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123がサブ白色画像を表示する青色の色ずれは順次大きくなる。このように、第1サブ領域121、第2サブ領域122、及び第3サブ領域123が
図3及び4に示される湾曲状態である場合、小さな湾曲角度a1を有する第1サブ領域121の湾曲による小さな赤色の色ずれは、第1サブ領域121自体の画素構造による小さな青色の色ずれによって補正され、中程度の湾曲角度a2を有する第2サブ領域122の湾曲による中程度の赤色の色ずれは、第2サブ領域122自体の画素構造による中程度の青色の色ずれによって補正され、大きな湾曲角度a3を有する第3サブ領域123の湾曲による大きな赤色の色ずれは、第3サブ領域123自体の画素構造による大きな青色の色ずれによって補正される。従って、正面視のホワイトバランス効果を実現でき、それにより正面視時の湾曲領域の色ずれの問題を改善できる。
【0080】
なお、上記実施例では、可撓性表示パネル100のエッジ表示部120は色温度が徐々に変化する3つのサブ領域121、サブ領域122、及びサブ領域123を含むが、本開示の実施例に係る可撓性表示パネルはそれに限定されない。別の実施例では、可撓性表示パネルのエッジ表示部120は平坦状態でメイン表示部110から離れた方向において色温度が徐々に変化する4つ以上のサブ領域を含んでもよく、さらに別の実施例では、可撓性表示パネルのエッジ表示部120は平坦状態でメイン表示部110から離れた方向において色温度が徐々に変化するサブ領域を2つのみ含んでもよく、さらに別の実施例では、可撓性表示パネルのエッジ表示部120は平坦状態でサブ領域を1つのみ含み、すなわち、可撓性表示パネルのエッジ表示部120全体は同じ色温度を有する。
【0081】
上記実施例では、表示装置10の湾曲表示部BPは可撓性表示パネル100に対応して3つのサブ部分を含むが、本開示の実施例に係る表示装置はそれに限定されない。別の実施例では、表示装置10の湾曲表示部BPは可撓性表示パネル100に対応して4つ以上のサブ部分を含んでもよく、さらに別の実施例では、表示装置10の湾曲表示部BPは可撓性表示パネル100に対応してサブ部分を2つのみ含んでもよく、さらに別の実施例では、表示装置10の湾曲表示部BPは可撓性表示パネル100に対応してサブ領域を1つのみ含んでもよく、すなわち、湾曲表示部BP自体である。
【0082】
本開示の実施例に係る表示装置は、携帯電話に限定されず、テレビ、ノートコンピュータ、電子広告看板、ウェアラブルデバイス等の様々な表示装置を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0083】
以下の点を説明する必要がある。
(1)本発明の実施例の図面は、本発明の実施例に関連する構造のみに係り、他の構造は従来の設計を参照すればよい。
(2)明確にするために、本発明の実施例を説明するための図面では、層又は構造の厚さ及びサイズが拡大される。層、膜、領域又は基板等の要素が、他の要素の「上」又は「下」に位置すると記載される場合、該要素は他の要素の「上」又は「下」に「直接」位置してもよく、中間要素が存在してもよい。
(3)矛盾しない限り、本発明の同じ実施例及び異なる実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0084】
以上、一般的な説明及び具体的な実施形態により、本開示を詳細に説明したが、本開示の実施例に基づいていくつかの変更や改良を行うことができ、これは当業者には自明である。従って、本開示の趣旨及び範囲を逸脱せずに行った種々の変更や改良はすべて、本開示の保護範囲に属する。