(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】検査室の管理のための情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
G01N35/00 A
G01N35/00 F
(21)【出願番号】P 2021152899
(22)【出願日】2021-09-21
(62)【分割の表示】P 2016230954の分割
【原出願日】2016-11-29
【審査請求日】2021-09-21
(32)【優先日】2016-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮内 明郎
(72)【発明者】
【氏名】津呂 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】木幡 紀男
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 直樹
(72)【発明者】
【氏名】桑岡 史郎
(72)【発明者】
【氏名】峰松 幸久
(72)【発明者】
【氏名】マーク ダールバーグ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ ポストマ
(72)【発明者】
【氏名】クリス キャリアー
(72)【発明者】
【氏名】ジャッキー ガンサー
(72)【発明者】
【氏名】アンゼルム ミューラー
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-024194(JP,A)
【文献】特開2006-194744(JP,A)
【文献】特表2011-508881(JP,A)
【文献】国際公開第2007/086140(WO,A1)
【文献】特開2012-052850(JP,A)
【文献】特開2009-300168(JP,A)
【文献】特開2012-021815(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0094653(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00970655(EP,A1)
【文献】特開2013-024880(JP,A)
【文献】特開2015-082179(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0109473(US,A1)
【文献】米国特許第05366896(US,A)
【文献】国際公開第2003/102854(WO,A2)
【文献】特開平08-233825(JP,A)
【文献】特開2000-048110(JP,A)
【文献】特開2015-087225(JP,A)
【文献】特開2013-148519(JP,A)
【文献】特開2009-047683(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0032430(US,A1)
【文献】特開2010-146104(JP,A)
【文献】特開2013-064674(JP,A)
【文献】特開2005-106746(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0161124(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0320540(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0059441(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0143046(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0278720(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0047113(US,A1)
【文献】特開2006-098415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N35/00 -37/00 、
G06Q50/22 、
G16B 5/00 -99/00 、
G16H10/00 -80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を分析する分析装置が設置された検査室の管理方法であって、
一又は複数の検査室に設置された複数の分析装置又は分析装置に関連する装置から収集された情報の少なくとも一部を集計して得られる第1指標を統計的な数値又はグラフとして端末の画面に表示するためのデータを生成し、
前記画面に表示された前記第1指標がユーザによって選択されたことに応じて、前記第1指標とは異なる複数の第2指標を統計的な数値又はグラフとして前記画面に表示するためのデータを生成する
ことを含み、
前記第2指標は、前記収集された情報の少なくとも一部を、前記第1指標とは異なる複数の集計単位ごとに集計して得られる指標である、管理方法。
【請求項2】
前記第1指標は、
前記分析装置による検体の分析状況を示す指標であり、
前記第2指標は、
前記分析装置による複数の検査項目ごとの検体の分析状況を示す指標である、
請求項1に記載の管理方法。
【請求項3】
前記第1指標は、
前記分析装置における異常の発生状況を示す指標であり、
前記第2指標は、
前記分析装置における複数の要因ごとの異常の発生状況を示す指標である、
請求項1又2に記載の管理方法。
【請求項4】
前記第1指標と前記第2指標とは、地理的な集計単位において異なる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項5】
前記第1指標は、第一の地域に含まれる複数の検査室から収集された情報を集計して得られる指標であり、
前記第2指標は、前記第一の地域に含まれる複数の第二の地域ごとに、各地域の複数の検査室から収集された情報を集計して得られる指標である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項6】
前記第1指標は、前記第一の地域に含まれる複数の検査室から収集された情報を集計して得られる、確定率、再測定率、陽性率又はエラー率であり、
前記第2指標は、複数の前記第二の地域ごとに、各地域の複数の検査室から収集された情報を集計して得られる確定率、再測定率、陽性率又はエラー率である、
請求項5に記載の管理方法。
【請求項7】
前記第1指標と前記第2指標とは、時間的な集計単位において異なる、
請求項1から6のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項8】
前記第1指標は、第一の集計期間内に複数の検査室から収集された情報を集計して得られる指標であり、
前記第2指標は、複数の第二の集計期間内に複数の検査室から収集された情報を集計して得られる指標である、
請求項7に記載の管理方法。
【請求項9】
前記端末のユーザが管理する検査室に関する第1又は第2指標と、他のユーザが管理する検査室に関する第1又は第2指標とを含む画面を表示するためのデータを生成することをさらに含む、
請求項1から8のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項10】
前記端末のアドレスに応じて、第1及び第2指標の表示態様を決定することをさらに含む、
請求項1から9のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項11】
前記第1指標は、
一検体あたりのターンアラウンドタイム(TAT)、
分析装置の負荷状況、
分析装置の可用性、
分析装置の異常発生状況、及び
分析装置の稼働状況
からなる群から選択される、
請求項1から10のいずれか1項の管理方法。
【請求項12】
前記端末のユーザである管理者の管理対象の検査技師によるアセスメントテストの進捗状況を示すアセスメント進捗状況を前記端末の画面に表示するためのデータを生成することをさらに含む、
請求項1から11のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項13】
前記分析装置は、少なくとも一つの共通する検査項目について検体を分析するように構成されている、
請求項1から12のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項14】
検体を分析する分析装置が設置された検査室の管理に用いられる情報処理装置であって、
ユーザが操作可能な端末と通信する通信部と、
前記通信部を介して前記端末に表示させるデータを生成する制御部と、を備え、
前記制御部は、
一又は複数の検査室に設置された複数の分析装置又は分析装置に関連する装置から収集された情報の少なくとも一部を集計して得られる第1指標を統計的な数値又はグラフとして前記端末の画面に表示するためのデータを生成する処理と、
前記画面に表示された前記第1指標が前記ユーザによって選択されたことに応じて、前記第1指標とは異なる複数の第2指標を統計的な数値又はグラフとして前記画面に表示するためのデータを生成する処理と、
を実行し、
前記第2指標は、前記収集された情報の少なくとも一部を、前記第1指標とは異なる複数の集計単位ごとに集計して得られる指標である、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査室の管理のための情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、病院、医療機関等の施設における検査室に設置された複数の分析装置のそれぞれから、精度管理測定の測定データ、患者検体の測定データを受信し、測定データの正常、異常を各分析装置に対応付けて一つの監視画面に表示するデータ管理装置を開示している。監視画面として、
図35に示されるような画面が表示される。また、このデータ管理装置は、それぞれの分析装置における測定の進捗状況を、各分析装置および各検体に対応付けて、測定分野別に一つの工程管理画面に表示するように構成されている。工程管理画面として、
図36に示されるような画面が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の監視画面および工程管理画面では、分析装置毎に測定データ、測定進捗等を把握することはできるが、検査室全体における装置の稼動状況、分析状況等を把握することは困難であった。特に、複数の検査室を管理する場合には状況を把握することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一の態様は、検体を分析する分析装置が設置された検査室の管理方法である。管理方法は、一又は複数の検査室に設置された複数の分析装置又は分析装置に関連する装置から収集された情報の少なくとも一部を集計して得られる第1指標を含む画面を端末に表示するためのデータを生成し、上記画面に表示された第1指標がユーザによって選択されたことに応じて、収集された情報の少なくとも一部を、第1指標とは異なる複数の集計単位ごとに集計して得られる、第1指標とは異なる複数の第2指標を端末に表示するためのデータを生成することを含む。
【0006】
第1及び第2指標は、複数の分析装置又は分析装置に関連する装置から収集された情報の少なくとも一部を集計して得られる統計的な数値又はグラフであってもよい。第1指標は、複数の分析装置による検体の分析状況を示す指標であってもよい。第2指標は、複数の分析装置による複数の検査項目ごとの検体の分析状況を示す指標であってもよい。第1指標は、複数の分析装置における異常の発生状況を示す指標であってもよい。第2指標は、複数の分析装置における複数の要因ごとの異常の発生状況を示す指標であってもよい。第1指標と第2指標とは、地理的な集計単位において異なってもよい。第1指標は、第一の地域に含まれる複数の検査室から収集された情報を集計して得られる指標であってもよい。第2指標は、第一の地域に含まれる複数の第二の地域ごとに、各地域の複数の検査室から収集された情報を集計して得られる指標であってもよい。第1指標は、第一の地域に含まれる複数の検査室から収集された情報を集計して得られる、確定率、再測定率、陽性率又はエラー率であってもよい。第2指標は、複数の前記第二の地域ごとに、各地域の複数の検査室から収集された情報を集計して得られる確定率、再測定率、陽性率又はエラー率であってもよい。第1指標と第2指標とは、時間的な集計単位において異なってもよい。第1指標は、第一の集計期間内に複数の検査室から収集された情報を集計して得られる指標であってもよい。第2指標は、複数の第二の集計期間内に複数の検査室から収集された情報を集計して得られる指標であってもよい。
【0007】
上記の管理方法は、端末のユーザが管理する検査室に関する第1又は第2指標と、他のユーザが管理する検査室に関する第1又は第2指標とを含む画面を表示するためのデータを生成することをさらに含んでもよい。上記の管理方法は、端末のアドレスに応じて、第1及び第2指標の表示態様を決定することをさらに含んでもよい。第1指標は、一検体あたりのターンアラウンドタイム(TAT)、分析装置の負荷状況、分析装置の可用性、分析装置の異常発生状況、及び分析装置の稼働状況からなる群から選択されてもよい。
【0008】
上記の管理方法は、端末のユーザである管理者の管理対象の検査技師によるアセスメントテストの進捗状況を示すアセスメント進捗状況を端末の画面に表示するためのデータを生成することをさらに含んでもよい。
【0009】
複数の分析装置は、少なくとも一つの共通する検査項目について検体を分析するように構成されていてもよい。
【0010】
本発明の他の態様は、検体を分析する分析装置が設置された検査室の管理に用いられる情報処理装置である。情報処理装置は、ユーザが操作可能な端末と通信する通信部と、通信部を介して端末に表示させるデータを生成する制御部と、を備える。制御部は、一又は複数の検査室に設置された複数の分析装置又は分析装置に関連する装置から収集された情報の少なくとも一部を集計して得られる第1指標を含む画面を端末に表示するためのデータを生成する処理と、画面に表示された第1指標がユーザによって選択されたことに応じて、収集された情報の少なくとも一部を第1指標とは異なる複数の集計期間又は第1指標と異なる複数の分類ごとに集計することで得られる、第1指標とは異なる複数の第2指標を端末に表示するためのデータを生成する処理と、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図5】アプリケーションデータベースサーバの構成図である。
【
図15】データ収集と管理情報表示の手順を示すシーケンスである。
【
図16A】Webサーバによる表示制御の手順を示すフローチャートである。
【
図16B】Webサーバによる表示制御の手順を示すフローチャートである。
【
図20】アプリケーション管理情報のデータ構造図である。
【
図22】アプリケーション管理情報のデータ構造図である。
【
図23】アプリケーション管理情報のデータ構造図である。
【
図24】アプリケーション管理情報のデータ構造図である。
【
図35】従来技術における監視画面を示す模式図である。
【
図36】従来技術における工程管理画面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1.管理システム]
【0013】
図1は、検査室を管理するための管理情報の表示画面500を示している。実施形態において、表示画面500は、例えば、検査室(clinical laboratory)の管理者であるユーザが操作する端末6のブラウザによって表示される。表示画面500は、例えば、複数の表示領域500a,500b,500cを有する。
【0014】
表示領域500aは、表示画面500の大部分を占めることができる。表示領域500aには、例えば、
図1に示すダッシュボード(Dashboard)が表示される。ダッシュボード500aは、1又は複数のウィジェット(Widgets)501a,501b,501c,501dを表示する。ウィジェット501a,501b,501c,501dは、ダッシュボード500aに表示されるアプリケーション501a,501b,501c,501dである。ウィジェットは、アプリケーション501a,501b,501c,501dをアイコン状に表示させる。アイコン状に表示されたアプリケーションには、検査室管理のための少なくとも一つの指標の表示が含まれる。指標は、例えば、一又は複数の検査室全体の状況を示す。アイコン状に表示とは、ユーザ操作によって選択可能である図形を表示することである。なお、表示領域500aには、ダッシュボード500a以外のものも表示可能である。
【0015】
表示領域500bは、表示画面500の上部に位置し、画面の状態を表示するとともに、画面操作のためのアイコンを表示する。表示領域500cは、表示画面500の左側に位置し、画面操作のためのアイコンを表示する。表示領域500aに表示される内容は、表示領域500b,500c内における操作でも変更できるし、表示領域500a内における操作でも変更できる。なお、操作は、マウスでクリックすること、又は、タッチパネルの画面をタップすること、を含む。
【0016】
図1に示すウィジェット501a,501b,501c,501dは、検査室管理に関するアプリケーションである。各アプリケーション501a,501b,501c,501dは、管理情報として、一又は複数の検査室全体の状況を示す一又は複数の指標を表示する。複数のアプリケーション501a,501b,501c,501dは、それぞれ、異なる指標を表示する。ダッシュボード500aには、様々な指標を含む管理情報がまとめて配置されて表示されるため、検査室の管理者は、ダッシュボード500aを参照することで、検査室管理に必要な稼動情報やアラート情報を容易に入手でき、検査室全体の状況を容易に把握することができる。
【0017】
図1の表示画面500は、複数の検査室(マルチサイト)を管理する管理者のためのものである。マルチサイト管理者のため、ダッシュボード500aには、管理者が担当する複数の検査室から収集された情報に基づいて算出された指標が表示される。
【0018】
図1のダッシュボード500aには、4つのアプリケーション501a,501b,501c,501dが表示されている。
図1において、各アプリケーションは、複数の指標を表示する。なお、ダッシュボード500aには、さらに多くのアプリケーションを表示可能である。
【0019】
図1におけるアプリケーション501a(Order&Progress(Daily))は、検査オーダの数と進捗状況に関する指標を日毎に表示する。アプリケーション501a内の棒グラフは、日毎の検査オーダを受け付けた検体数を示し、折れ線グラフは、一検体あたりのターンアラウンドタイム(TAT)を示す。グラフ中のレ点(チェックマーク)は、その日のTATが基準時間を超えたことを示す。アプリケーション501a内の「感染症テスト17,002」は、検査オーダを受け付けた検査項目数を示し、「検査進捗40%」は、検査オーダを受け付けた検査項目数に対する表示時点において検査が完了している検査項目数の割合を示し、「生産性(TAT)Δ2h」は、当日の一検体あたりのTATが基準時間よりも2時間早いことを示す。
【0020】
アプリケーション501b(Analyzer Condition(Daily))は、可用率などの分析装置10の状態に関する指標を表示する。可用率は、装置稼働時間を、装置稼働時間とエラーによるダウンタイムとの和で割ることで算出される。
【0021】
アプリケーション501c(validation(Daily))は、確定率、再測定率、陽性率、エラー率などのバリデーションに関する指標を表示する。確定率は、分析結果が正常である正常検体の割合を示し、再測定率は再測定を行った割合を示し、エラー率は、エラーが生じた割合を示す。アプリケーション501d(TAT(Daily))は、ターンアラウンドタイムに関する指標を表示する。アプリケーション501d内において、「+2hour」 TAT短縮」は、TATが2時間短縮されていることを示し、「TAT正常終了 6/8Site」は、8検査室中、6検査室のTATが基準時間よりも早いことを示し、「月平均生産性Δ2hour」は、その月の平均TATが基準時間より2時間早いことを示す。
【0022】
図1において、各アプリケーションが表示している指標の値は、管理者が担当する複数の検査室から収集された情報に基づいて算出されたものである。したがって、管理者は、ダッシュボード500aを参照することで、管理者の担当エリア全体での検査室の状況を把握することができる。本実施形態の指標は、検査室の管理用である。管理者が、検査室を管理するには、分析装置単体の状況を把握するだけでなく、検査室全体の状況の把握が有用である。検査室全体の状況は、検査室の稼働状況のほか、検査室のスタッフの状況、検査室における備品の状況などを含む。本実施形態の指標は、検査室の管理のための様々な指標を含むことができる。
【0023】
以下、ダッシュボード500a等に表示可能な指標を例示する。以下の指標には、
図1に表示されている指標も含まれる。以下の指標は、アプリケーションによって算出される。以下の指標は、ダッシュボード500aから遷移した画面においても表示可能である。以下に示す指標は、検査室全体の状況を示す指標の例である。
【0024】
指標は、ターンアラウンドタイム(TAT)を含むことができる。TATは、例えば、1つの検体の処理に要した時間である。TATは、例えば、分析装置単位又は検査室単位で、1つの検体の処理に要した時間として算出される。処理に要した時間は、例えば、平均時間として算出される。本実施形態におけるTATは、患者から検体が採取されてから、前処理工程、検体分析工程、再測定工程を経て、検査結果が確定されるまでの時間をいう。前処理工程とは、検体分析工程のために検体に対する前処理を行う工程であり、遠心分離処理、開栓処理、検体分注処理等を含む。検体分析工程とは、分析装置10によって検体が分析される工程である。再測定工程とは、検体を再分析する工程である。本実施形態におけるTATは、例えば、後述のLISから取得した検体採取時間、後述のSysmexWAM(商標)から取得した前処理工程の時間、後述の分析装置10から取得した検体分析時間及び再測定時間から算出される。
【0025】
指標は、TATを細分化した指標である処理工程別TATを含んでも良い。工程別TATは、例えば、第1工程別TAT,第2工程別TAT,第3工程別TAT,及び第4工程別TATを含むことができる。第1工程別TATは、例えば、患者からの採血に要した時間を示す。第2工程別TATは、例えば、検体に対する前処理に要した時間を示す。第3工程別TATは、分析装置10に検体がセットされてから検査結果が出るまでの時間を示す。第4工程別TATは、例えば、検体の再測定に要した時間を示す。指標は、TATを測定項目別に細分化した測定項目別TATを含んでも良い。測定項目は、分析装置における測定項目である。
【0026】
指標は、Workload Analysis(分析状況の負荷状況)を含むことができる。Workload Analysisは、検体の処理能力に対する、実受付検査オーダ数である。例えば、1日あたりの検体の処理能力が100検体である場合において、1日あたりの実受付検査オーダ数が120検体であれば、Workloadは120%となる。検体の処理能力は、検査室で処理可能な検体数である。例えば、ある検査室に分析装置が2台あり、それぞれが一時間あたり200検体処理可能であって、分析装置が1日に7時間稼働する場合には、その検査室における一日の検体の処理能力は、200×2×7=2800検体である。検体の処理能力は、分析装置で処理可能な検体数であってもよい。
【0027】
指標は、Workloadの更に詳細な指標として、Max N/hour(1時間あたりの検体処理可能件数(N)の最大値)、日単位での総処理可能件数、及び、Peak over per xxx(xxx=Day/Week等)を含むことができる。Peakは、1時間あたりのWorkloadが100%を超えたことである。Peak over per xxxは、xxxの間おいて、1時間あたりのWorkloadが100%を超過した回数である。xxxは、期間であり、例えば、1日、1月 又は1年である。
【0028】
指標は、System Availability(可用性)を含むことができる。可用性は、分析装置等が稼働可能である度合をいう。可用性は、例えば、可用率(Availability rate)として表される。装置の可用率は、前述のように、装置稼働時間を、装置稼働時間とエラーによるダウンタイムとの和で割ることで算出される。装置稼働時間とエラーによるダウンタイムとの和は、装置が使用可能であるべき時間であり、装置稼働時間は、装置を実際に使用可能であった時間である。使用可能であるべき時間が既知である場合、可用性は、装置を実際に使用可能であった時間で表されても良い。可用性の更に詳細な指標として、分析装置毎のAvailability、検査室等のサイト毎のAvailability、複数のサイト単位のAvailabilityを含むことができる。
【0029】
指標は、Analyzer Condition(分析装置の健康状態)を含むことができる。Analyzer Conditionは、分析装置の状態として、例えば、OK又はNGを示し、あるいは、有効期限切れが発生しているか否かを示す。NGは、例えば、分析装置のエラー、QC異常、通信異常が生じた場合である。
【0030】
指標は、Analyzer Conditionの更に詳細な指標として、QC Control (OK or Err)を含むことができる。QC Controlは、内部精度管理の指標であり、自施設で定めたQuality Control(QC)の平均値に対して、測定値が許容範囲内であったか否か(または、基準値と測定値のずれが所定値以上になったか否か)を示す。
【0031】
指標は、Analyzer Conditionの更に詳細な指標として、QC External (OK or Err)を含むことができる。QC Externalは、外部精度管理の指標であり、自施設のQC結果と複数施設から構成される集計母集団の平均値を比較し、測定値が許容範囲内であったか否かを示す。
【0032】
指標は、Analyzer Conditionの更に詳細な指標として、System Status (OK or Err)を含むことができる。System Statusは、分析装置に所定のエラー/警告が発生しているか否か(例えば、試薬挿入用のドアが開きっ放しである等)を示す。
【0033】
指標は、Analyzer Conditionの更に詳細な指標として、Service (yy/mm/dd)を含むことができる。Service は、例えば、分析装置に対する最新のメンテナンス実施日を示す。メンテナンス実施日から所定期間以上経過している場合、警告(アイコンの色の変更等)が発せられる。
【0034】
指標は、Analyzer Conditionの更に詳細な指標として、System Availability (%)を含むことができる。System Availabilityは、前述のとおりである。
【0035】
指標は、Analyzer Conditionの更に詳細な指標として、Calibration (yy/mm/dd)を含むことができる。Calibrationは、例えば、最新のキャリブレーション実施日を示す。最新の実施日から所定期間以上経過した場合、警告(アイコンの色の変更等)が発せられる。
【0036】
指標は、Multi-Site Workload(分析状況の負荷状況)を含むことができる。Multi-Site Workloadは、複数サイトの負荷から算出された値(平均値など)を示す。
【0037】
指標は、Multi-Site TATを含むことができる。Multi-Site Workloadは、複数サイトのTATから算出された値(平均値など)を示す。
【0038】
指標は、Cyclecount Balanceを含むことができる。Cyclecount Balanceは、サイト内の複数の分析装置の各々による測定シーケンス実施回数(サイクルカウント)の比較を示す。Cyclecount Balanceは、サイト内で、特定の分析装置にサイクルカウントが偏っていないかを把握するのに役立つ。
【0039】
指標は、Cyclecount Balanceの更に詳細な指標として、分析装置毎の検体処理数を含むことができる。
【0040】
指標は、Validationを含むことができる。Validationは、分析装置や検査室の稼動状況の動作検証に関する指標であり、分析装置や検査室の異常発生状況に関する指標ともなる。
【0041】
指標は、Validationの更に詳細な指標として、再測定数(Re-run数)又は再測定率(Re-Run率)を含むことができる。再測定数は、再測定が行われた数である。再測定率は、再測定数を検体処理数で割った値である。
【0042】
指標は、Validationの更に詳細な指標として、陽性率を含むことができる。陽性率は、検査結果が陽性となった検体の割合である。
【0043】
指標は、Validationの更に詳細な指標として、確定率を含むことができる。確定率は、検査結果の確定率である。
【0044】
指標は、Validationの更に詳細な指標として、エラー数又はエラー率を含むことができる。エラー数は、検査におけるエラー発生数であり、エラー率は、エラー数を検体処理数で割った値である。
【0045】
指標は、Validationの更に詳細な指標として、コストを含むことができる。コストは、エラーや再測定による逸失利益である。検査項目毎の金銭的情報(時間当たりの利益額、時間当たりの売上高等)の情報を基に、エラーによって検査が実行できなかった時間や再測定に要した時間に検査ができたならば得られたであろう額が、コストとして算出される。
【0046】
指標は、Validationの更に詳細な指標として、System Availability (%)を含むことができる。System Availabilityは、前述のとおりである。
【0047】
なお、ダッシュボード500aに表示されるアプリケーションは、指標表示のためのアプリケーション以外のアプリケーションを含んでも良い。例えば、ダッシュボード500aには、ベンチマークのためのウィジェットを表示してもよい。ベンチマークは、所定の指標(例えば、上述の指標のいずれか)について、自身が管理するサイトと、他人のサイトとを比較するためのものである。ベンチマークについては後述する。
【0048】
図2は、
図1の表示画面500を生成するためのWebサーバ5を含む管理システム100を示している。Webサーバ5は、検査室の管理に用いられる情報処理装置である。Webサーバ5は、役割が多様である複数の管理者に対して、管理者毎にカスタマイズされた管理情報を表示する。
【0049】
管理システム100は、インターネット等のコンピュータネットワークを介して、複数の検査室に関する情報を収集する。検査室は、検体が分析される場所である。検査室は、例えば、病院などの医療施設に設けられる。検査室には、1又は複数の分析装置10が設置される。分析装置10は、検体を分析する。検体は、患者から採取された血液、組織などの臨床検体である。複数の分析装置10のそれぞれは、少なくとも一つの共通する検査項目について検体を分析する分析装置であってもよい。たとえば、複数の分析装置10のそれぞれは、同じ種類の分析装置であって、複数の同じ検査項目について検体を分析する分析装置であってもよい。なお、複数の分析装置10のそれぞれは、互いに異なる検査項目について検体を分析する分析装置であってもよい。
【0050】
検査室には、分析装置に関連する装置が設置されることもある。以下、分析装置に関連する装置を「関連装置」という。関連装置は、検査室外に設置されていてもよい。
【0051】
関連装置は、分析装置10に対して動作指令を与え、分析装置10から分析結果を取得する装置11であってもよい。装置11は、例えば、臨床検査情報システム(Laboratory Information System:LIS)及びSysmexWAM(商標)であってもよい。LISは、例えば、検体の採取時間を保存する。SysmexWAMは、例えば、前処理工程の時間を保存する。関連装置は、精度管理装置12であってもよい。精度管理装置12は、分析装置10から精度管理用試料の測定結果を取得し、分析装置10の精度を管理する。関連装置は、CRM(Customer Relationship Management)装置13であってもよいし、ERP(Enterprise Resource Planning)装置14であってもよい。CRM装置13は、ユーザIDと、検査室等の施設情報と、装置10,11,12の情報と、のマッチングを実施し、検査室等の施設から受信するエラー情報やTATを生成するためのタイムスタンプなどを構成する。ERP装置14は、例えば、オーダーマネジメントなど、試薬の自動発注アプリケーションを搭載した場合、試薬の発注情報と施設情報とをマッチングさせ、商品の発送手続き進捗、出荷番号、請求書(Invoice)情報を生成する。ERP装置14からの情報は、例えば、ダッシュボード上に表記されている試薬名など発注済み商品に情報を追加するために利用される。CRM装置13及びERP装置14は、ユーザ用のITシステムであるが、一般に、ユーザ側の検査室ではなく、システム提供者側に設定される。
【0052】
分析装置10及び関連装置11,12,13,14は、管理システム100によって収集される情報の情報源1となる。収集される情報は、例えば、検査室の稼働状況又は分析装置の稼働状況に関する情報である。収集された情報は、管理情報の生成に用いられる。本実施形態では、分析装置10及び関連装置11,12,13,14を含む複数の情報源1から収集された情報から算出された指標を、ダッシュボード500aという一つの表示領域に一元的に表示する。したがって、ユーザは、複数の装置10,11,12,13,14からの情報に基づく検査室全体の状況を、1つの表示領域500aの参照により容易に把握することができる。
【0053】
前述の端末6は、システム100のユーザによって操作される。ユーザは、検査室の管理者が主に想定されるが、管理者に限らず、検査室内の検査技師、システム100を提供する製造業者の担当者等、検査室の状況を把握する必要のある者であればよい。管理者は、1又は複数の検査室を管理する。管理者の役割は、管理者毎に異なる。管理者には、例えば、1つの医療施設の検査室だけを管理する者がいる一方、複数の医療施設の検査室を管理する者もいる。また、管理者によって、担当する地理的範囲が異なることがある。さらに、同じ検査室を管理する場合であっても、例えば、検査室の包括的な管理に責任を持つ者と、検査だけに責任を持つ者とがいる場合がある。このように、管理者の役割は多様である。Webサーバ5は、管理者の役割に応じた管理情報を生成し、端末6に表示させる。
【0054】
管理システム100は、通信サーバ2を備えている。通信サーバ2は、情報源1が管理システム100にアクセスするゲートウェイとなるサーバである。通信サーバ2は、情報源1から送信された情報を、サーバ3に転送する。
【0055】
管理システム100は、データベースサーバ3を備えている。サーバ3は、情報源1から収集した情報を統一のフォーマットに統合し、収集データ30aとして、データベース30に格納する。情報源1を構成する装置10,11,12,13,14が送信する情報のフォーマットが異なっていても、それらの情報は、サーバ3によって統一のフォーマットの収集データ30aに変換される。例えば、LISから収集した検体採取時間、SysmexWAM(商標)から収集した前処理工程の時間、後述の分析装置10から収集した検体分析時間及び再測定時間は、それぞれフォーマットが異なるが、サーバ3によって統一のフォーマットに統合され、データベース30に格納される。
【0056】
管理システム100は、アプリケーションデータベースサーバ4を備えている。サーバ4は、データベース30に格納された収集データ30aを、Webサーバ5が端末6に提供する指標に適した形式の収集データ40aに変換する。変換された収集データ40aは、アプリケーションデータベース40に格納される。例えば、サーバ4は、ある検査室における検体採取時間、前処理工程の時間、検体分析時間、再測定時間などの収集データ30aから、その検査室におけるTATを算出する。データベース40は、装置10,11,12,13,14が設置されたエリアを示す地理的情報40bも有している。Webサーバ5は、データベース40に格納された収集データ40aに基づいて、検査室の管理のための指標を含む管理情報を生成する。Webサーバ5は、必要に応じて、地理的情報40bも用いて、指標の値を算出する。
【0057】
図3に示すように、Webサーバ5は、通信部50及び制御部51を備えている。Webサーバ5は、メモリ及びプロセッサを有するコンピュータによって構成される。他のサーバ2,3,4も同様である。Webサーバ5のプロセッサは、メモリに格納されたコンピュータプログラムを実行し、通信部50及び制御部51としての機能を発揮する。
【0058】
通信部50は、インターネット等のコンピュータネットワークを介して、1又は複数の端末6と通信を行う。通信部50は、例えば、HTTPなどの通信プロトコルによって端末6と通信する。制御部51は、通信部50を介して、端末6の表示を制御する。
【0059】
制御部51は、アプリケーション管理部52を備える。管理部52は、複数のアプリケーション501a,501b,501c,501dを有し、これらのアプリケーションの実行を管理する。アプリケーション501a,501b,501c,501dは、収集データ40aに基づいて、指標を算出する。管理部52は、アプリケーション構成も管理する。管理部52は、ユーザに応じて、端末6に表示されるアプリケーションを異ならせることができる。これにより、管理部52は、ユーザ毎に、表示される指標を異ならせることができる。管理部52は、アプリケーション管理のためアプリケーション管理情報52aを有する。
【0060】
制御部51は、ユーザ設定管理部54を備える。管理部54は、端末6に表示される内容をユーザである管理者毎に設定する。管理部54は、表示内容が管理者毎に設定された設定情報54aを有する。管理部54は、設定情報54aの新規作成及び更新を、システム100のユーザである管理者から受け付けることができる。
【0061】
図4に示すように、データベースサーバ3は、通信部31と、データ統合部32と、データベースアクセス部33と、を備える。通信部31は、アプリケーションデータベースサーバ4及び通信サーバ2と通信する。データ統合部32は、通信サーバ2を介して、各種の情報源1から収集した情報を、サーバ4がアクセス可能なフォーマットのデータに統合する。統合された収集データ30aは、データベースアクセス部33を介して、データベース30に格納される。
【0062】
図5に示すように、アプリケーションデータベースサーバ4は、通信部41と、アプリケーションデータ管理部42と、データベースアクセス部43と、を備える。通信部41は、データベースサーバ3及びWebサーバ5と通信する。アプリケーションデータ管理部42は、データベース30に格納された収集データ30aを、Webサーバ5における各アプリケーション501a,501b,501c,501dでの利用に適した形式に変換する。変換された収集データ40aは、データベースアクセス部43を介して、データベース40に格納される。
【0063】
図6に示すように、端末6は、通信部61と、Webブラウザ62と、を備えている。端末6は、メモリ及びプロセッサを有するコンピュータによって構成される。端末6は、例えば、PC、タブレット、又はスマートフォンである。端末6は、タブレット等のモバイルコンピュータであるのが好ましい。端末6は、表示装置として、タッチパネルを有しているのが好ましい。端末6のプロセッサは、メモリに格納されたコンピュータプログラムを実行し、通信部61及びWebブラウザ62としての機能を発揮する。
【0064】
通信部61は、Webサーバ5と通信する。端末6は、Webブラウザ62によって、Webサーバ5からアプリケーション501a,501b,501c,501dによって提供される管理情報を受信する。端末6は、Webアクセスによって、サーバ5にアクセス可能なので、ロケーションフリーでサーバ5にアクセスできる。
【0065】
図7~
図10は、データベース30に格納される収集データ30aの例を示している。収集データ30aは、情報源1の種別毎(装置ID毎)にデータベース30に格納される。
図7に示す収集データ30aは検体を分析する分析装置10から収集されたデータの例である。
図7の例では、収集データ30aは、情報源1である分析装置10のID毎に格納される。
図7は、装置IDがA及びBである分析装置10から収集された収集データ30aを示している。各装置10から収集データ30aに含まれるデータ種別には、例えば、消耗品残量、検査時間、装置稼働時間、処理検体数、メンテナンス時間、メンテナンス回数、メンテナンス履歴、エラー回数、エラーによるダウンタイム、エラー履歴、再測定数、陽性率、確定率などが含まれる。
【0066】
図8は、収集データ30aの他の例である。収集データ30aは、
図8の例に示すように、時系列のログとして格納されてもよい。例えば、各データは、当該データが収集された時刻を示すタイムスタンプと対応付けられて、データベース30に格納される。例えば、所定の分析装置10(分析装置ID:A)による検体処理数は、1時間毎に収集され、収集された時刻に対応するタイムスタンプと、当該時刻における処理検体数がデータベース30に格納される。この例の場合、処理検体数の値は、時間経過とともに増加する。収集データ30aは、データ種別として、処理検体数以外に、例えば、エラー回数、エラーによるダウンタイム、陽性率を含むことができる。
【0067】
図9は、収集データ30aの他の例である。収集データ30aは、
図9の例のように、階層的なデータであってもよい。階層的なデータとは、あるデータ種別が所定の観点で細分化されたデータである。
図9の例では、「処理検体数」及び「再測定数」というデータ種別それぞれが、各検体が検査された検査項目(例えば、HGb-AG,HCV)に細分化されている。
【0068】
図10は、収集データ30aの他の例である。
図10の例は、階層的な収集データ30aの他の例である。
図10の例では、分析装置10の異常に関連するデータ種別(「再測定数」、「再測定率」等)が、異常の要因に細分化されている。
【0069】
図11及び
図12は、アプリケーションデータベースサーバ4による、収集データ30aから収集データ40aへの変換を示している。
図11の例では、アプリケーションデータ管理部42は、収集データ30aに格納されたタイムスタンプに基づいて、所定のデータ種別についてのデータを、日、月、年それぞれの単位で集計し、集計されたデータを、収集データ40aとして、データベース40に格納する。サーバ4による変換によって、収集データ40aは、指標としての表示に適した形式(例えば、日毎の検体処理数、月毎の検体処理数、年毎の検体処理数)となる。サーバ4による変換によって、データ種別に対応した指標を表示するアプリケーションは、指標を、「日」、「月」、「年」の単位で切り替えて表示可能となる。
【0070】
図12の例では、アプリケーションデータ管理部42は、収集データ30aにおける複数種類のデータ種別から、アプリケーションが表示する指標に対応するデータを算出する。
図12の例では、装置ID:Aの分析装置10の「装置稼働時間」と「エラーによるダウンタイム」とから、分析装置10の可用率(稼働率)(availability rate)が算出される。可用率は、装置稼働時間を、装置稼働時間とエラーによるダウンタイムとの和で割ることで算出される。また、「検体処理数」と「再測定数」とから、分析装置10の再測定率が算出される。再測定率は、再測定数を検体処理数で割ることで算出される。
【0071】
アプリケーションデータ管理部42によって変換されたデータは、装置10,11,12,13,14毎(装置ID毎)の収集データ40aとしてデータベース40に格納される。
【0072】
図13及び
図14は、データベース40に格納された地理的情報40bを示している。地理的情報40bは、情報源1となる装置10,11,12,13,14が設置されたエリアを示している。地理的情報40bは、各装置10,11,12,13,14がどのエリアに設置されたものであるかをアプリケーションが識別するために用いられる。
【0073】
地理的情報40bは、例えば、エリアを階層的に管理する。地理的情報40bは、例えば、広い順に、エリア(1)、エリア(2)、エリア(3)、エリア(4)の4階層でエリアを管理する。
図13において、エリア(1)は日本を示し、エリア(2)は関東、近畿、東海北陸、北海道、東北などの地方を示し、エリア(3)は都道府県を示し、エリア(4)は検査室を示す。
図14において、エリア(1)はアメリカ合衆国を示し、エリア(2)は州を示し、エリア(3)は市を示し、エリア(4)は検査室を示す。
【0074】
[2.データ収集と管理情報の生成]
【0075】
情報源1からの情報収集は、例えば、
図15に示す手順に従って行われる。ステップS101において、情報源1を構成する各装置10,11,12,13,14は、定期的に、検査室の稼働状況又は分析装置の稼働状況に関する情報等を、通信サーバ2へ送信する。
【0076】
ステップS102において、通信サーバ2は、情報源1から受信した情報を、データベースサーバ3に転送する。ステップS103において、サーバ3は、転送された情報に対するフォーファット統合を行い、フォーマット統合されたデータを、各地に設置された装置毎の収集データ30aとして、データベース30に格納する。
【0077】
ステップS104において、アプリケーションデータベースサーバ4は、定期的にデータベース30にアクセスする。サーバ4は、データベース30に格納された収集データ30aから変換した収集データ40aを生成する。サーバ4は、生成された収集データ40aによって、データベース40を更新する。ステップS105において、Webサーバ5は、情報源1から収集された情報に基づく収集データ40aを集中管理するデータベース40に定期的にアクセスし、データベース40を参照する。サーバ4は、Webサーバ5からアクセスがあると、データベース40の更新内容である収集データ40aをWebサーバ5へ送信する。Webサーバ5の各アプリケーション501a,501b,501b,501c,501dは、データベース40から送信された収集データ40aに基づいて、検査室管理のための指標等を計算する。
【0078】
ステップS111に示すように、検査室の管理者は、必要なときに、端末6を操作し、Webサーバ5へアクセスし、ログインすることができる。ステップS112において、サーバ5は、複数のアプリケーション501a,501b,501c,501dを含む表示画面500(
図1参照)を生成し、アクセスしてきた端末6に、管理情報の表示画面500を表示させる。表示画面500(ダッシュボード500a)において、アプリケーション501a,501b,501c,501dは、収集データ40aに基づいて算出した指標の値を表示する。ステップS113において、アプリケーション501a,501b,501c,501dは、検査室の状況の変化に応じて、データベース40の内容が更新されると、それに応じて、表示画面500に表示される指標の少なくとも一つに対応する端末6の表示(指標値など)を自動的に更新する。
【0079】
図16A及び
図16Bは、サーバ5がアクセスを受け付けた端末6への表示制御の手順を示している。サーバ5は、ステップS201において端末6からのアクセス要求を受信する。アクセス要求には、管理者のユーザID及びパスワード等の認証情報が含まれる。サーバ5は、認証情報に基づいて、ユーザである管理者の認証を行い、認証に成功すれば、管理者のログインを許可する。
【0080】
アクセス要求には、端末6が、インターネット接続のために経由したネットワーク機器(アクセス元)のIPアドレスが含まれていてもよい。IPアドレスは、端末6の位置に関する情報となる。IPアドレスによって、端末6の位置を把握することができる。端末6の位置に関する情報は、例えば、管理者端末6が、検査室又は管理者の職場のLAN経由でWebサーバ5に接続した場合と、管理者の外出時に公衆無線LAN又は移動体通信網経由でWebサーバ5に接続した場合と、をWebサーバ5にて区別することができる。
【0081】
制御部51は、アクセス要求に基づくユーザログインがあると、ステップS202において、アクセス要求を発行した管理者のユーザ設定情報54aを確認する。制御部51は、設定情報54a(
図3参照)に基づき、ユーザである管理者に提供されるアプリケーションを選択する。アプリケーションの選択は、アプリケーションによって表示される指標の選択でもある。ステップS203において、制御部51は、アクセス要求に含まれるアクセス元のIPアドレスを確認する。
【0082】
ステップS204において、制御部51は、設定情報54aに基づいて選択したアプリケーション501a,501b,501c,501dをダッシュボード500a内に配置した表示画面500(
図1参照)を生成し、ログイン中のユーザの端末6に表示させる。アイコン状に表示されたアプリケーション501a,501b,501c,501dは、指標の値を、数値で表示する。アイコン状に表示されたアプリケーション501a,501b,501c,501dは、指標の値をグラフで表示してもよい。表示画面500は、アクセス元IPアドレス(端末の位置に関する情報)に応じて、指標等の表示態様を決定し、決定された表示態様で表示されるが、この点については後述する。
【0083】
表示されたアプリケーション501a,501b,501c,501dに対して、クリック又はタップなどのユーザ操作が行われると、表示領域500aの表示内容が切り替えられる。例えば、ステップS205において、
図1のダッシュボード500a内で、クリック又はタップなどのユーザ操作が検知されたものとする。この場合、
図16BのステップS207において、ユーザ操作が、他のアプリケーションへのリンクが設定された領域に対するものか否かが判定される。操作が他のアプリケーションへのリンクが設定された領域に対するものである場合、リンク先のアプリケーション500が、端末6の表示領域500aに表示される。また、ステップS209において、ユーザ操作が、表示階層が設定された領域に対するものか否かが判定される。表示階層があれば、表示領域500には、設定された表示階層が表示される。他のアプリケーション及び表示階層の表示については後述する。また、ステップS206において、ログオフ操作が行われると、処理は終了する。
【0084】
図17A,
図17B,
図17C,
図17Dは、設定情報54aの例を示している。
図17Aの例では、設定情報54aは、ユーザと、ユーザに対応付けられた1又は複数のアプリケーションと、各アプリケーションに対応付けられた表示設定と、を含む。
図17Aの例では、例えば、ユーザID:a001のユーザには、アプリケーションIDが「A1」,「A2」,「A3」であるアプリケーションを含む複数のアプリケーションが対応付けられている。設定情報54aにおいて、ユーザに対応付けられたアプリケーションは、そのユーザのためのダッシュボード500aに表示される。例えば、
図1のダッシュボード500aでは、4つのアプリケーション(ウィジェット)501a,501b,501c,501dが表示されている。これらのアプリケーション501a,501b,501c,501dは、設定情報54aにおいて、
図1のダッシュボード500aが提供されるユーザに対応付けられたものである。
【0085】
図17Aにおける表示設定は、各アプリケーションが、ダッシュボード500a内で表示される際における表示位置、サイズなどの表示設定情報を含む。表示設定情報は、アクセス元IPアドレスに応じた表示態様に関する情報を含んでも良い。制御部51は、設定情報54aにおいてユーザに対応付けられたアプリケーションを、設定情報54aにおいてアプリケーションに対応付けられた表示設定に応じて表示するダッシュボード500aを生成する。
【0086】
制御部51は、端末6の画面サイズを示す情報を端末6から取得し、端末6の画面サイズに応じて、端末6に表示する各々のアプリケーション(指標)の配置と、アプリケーションに含まれる各々の指標の表示サイズを自動的に調整してもよい。
図17Aに示す設定情報54aは、ユーザが、例えば、検査室の管理者であるか、検査技師であるか、システム提供側の担当者であるかのユーザ種別を示す情報を含んでも良い。ユーザ種別は、ユーザの選択によりユーザが自由に設定できる。制御部51は、ユーザ種別に応じて、端末5に表示される画面の内容を異ならせることができる。
【0087】
図17Aの設定情報54aは、ユーザ毎に設定されたIPアドレスを有する。IPアドレスは、表示に制限のないアクセス元IPアドレス(非制限IPアドレス)を示す。設定情報54aにおける非制限IPアドレスとしては、ユーザである管理者が管理する検査室又は管理者の職場におけるネットワーク機器のIPアドレスが設定される。
【0088】
図17Bの例では、設定情報54aは、ユーザの役割と、ユーザの役割に対応付けられた1又は複数のアプリケーションと、各アプリケーションに対応付けられた表示設定と、を含む。
図17Bの設定情報54aも、ユーザ毎のIPアドレスを含むことができる。
図17Bの設定情報54aは、個別ユーザの情報は有しておらず、ユーザの役割毎に、アプリケーション及び表示設定が対応付けられている。ユーザの役割は、例えば、「マルチサイト管理」「シングルサイト管理」及び「検査室運用」である。
図17Bの設定情報54aは、
図17Cの設定情報54aとともに用いられる。
図17Cの設定情報54aは、ユーザ毎に、ユーザの役割が設定されたものである。
【0089】
図17Aの設定情報54aは、ユーザ毎に、表示されるアプリケーション及び表示設定を細かくカスタマイズする場合に適している。一方、
図17B及び
図17Cの設定情報54aは、ユーザ毎にユーザの役割を設定するだけで、役割に応じた適切なアプリケーション及び表示設定をしたい場合に適している。例えば、新規ユーザが、管理システム100を使用開始した場合においては、
図17Cの設定情報54aのように、ユーザは、ユーザの役割を設定するだけで、
図17Aのような詳細な設定をしなくてもよい。制御部51は、設定された役割に基づいて、
図17Bの設定情報54aを参照し、表示されるアプリケーション及び表示設定を把握することができる。
図17Aの設定情報54aは、ユーザが、自身の好みに応じて表示される指標を設定した場合には、その設定内容は、
図17Aに示すような設定情報54aとして登録される。
【0090】
ダッシュボード500a内に表示された各アプリケーション501a,501b,501c,501dが算出する指標の値は、ユーザが担当する装置10,11,12,13,14についての収集データ40aから算出される。
図18は、ユーザと、各ユーザが担当するエリア及び装置に対応付けたユーザ設定情報54aを示している。
【0091】
図18の設定情報54aにおいて、エリアは階層的に管理される。
図18の設定情報54aによって、アプリケーションは、ユーザが担当するエリア及び分析装置を把握して、ユーザ毎の指標値を算出することができる。
【0092】
アプリケーションは、上記の設定情報54aに基づき、ユーザが管理を担当する装置10,11,12,13,14についての収集データ40aに基づいて、指標を算出する。例えば、ユーザが複数の検査室の管理を担当していれば、ユーザが担当する複数の検査室の装置10,11,12,13からの収集データ40aから指標が算出される。また、ユーザが一の検査室だけの管理を担当していれば、その一の検査室の装置10,11,12,13からの収集データ40aから指標が算出される。また、ある管理者が、日本の関東地方を担当していれば、関東地方の検査室からの収集データ40aから指標が算出され、他の管理者が、米国を担当していれば、米国の検査室からの収集データ40aから指標が算出される。
【0093】
前述のステップS204において、各アプリケーション501a,501b,501c,501dは、算出された指標を、
図1のように端末6のダッシュボード500a内に表示させる。なお、
図1に示すダッシュボード500aは、マルチサイトの管理者用であるため、マルチサイトからの収集データ40aから算出された指標が表示されている。
【0094】
図19は、
図1のアプリケーション501cを示している。このアプリケーション501cは、Validationに関する指標を表示するアプリケーションであり、「再測定率」502a、「確定率」502b、「陽性率」502c、「エラー率」502dの4つの指標を表示することができる。これらの4つの指標値は、ユーザが担当するマルチサイトからの収集データ40aから算出された値である。これらの4つの指標は、分析装置による検体の分析状況を示す指標である。また、再測定率502a等は、分析装置における異常の発生状況を示す指標でもある。
【0095】
図19に示すようなアプリケーションは、制御部51のアプリケーション管理部52において、アプリケーション毎に設定されたアプリケーション管理情報52aに基づいて管理される。
図19のアプリケーション501cは、アプリケーションIDが「A1」であるものとすると、
図19のアプリケーション501cのアプリケーション管理情報52aは、例えば、
図20に示す構造を有する。なお、他のアプリケーション501a,501b,501dも、管理情報52aによって管理される。
【0096】
図20に示す管理情報52aは、アプリケーション501cが表示する指標と、リンク先と、表示階層と、を有する。表示する指標は、アプリケーション501cがダッシュボード500a内で表示する指標である。
図20では、表示する指標として、「再測定率」502a、「確定率」502b、「陽性率」502c、「エラー率」502dの4つの指標が設定されている。
【0097】
図20に示すリンク先は、アプリケーション501c又はアプリケーション501c内で表示されている指標502a,502b,502c,502dに関連付けられた他のアプリケーションを示す。
図20に示す表示階層は、Nullが設定されている。表示階層については後述する。
【0098】
ダッシュボード500a内に表示された指標502a,502b,502c,502dがクリック又はタップ等のユーザ操作によって選択されると、制御部51は、
図1に示すダッシュボードに替えて、
図21に示すように、リンク先で設定されたアプリケーションを、表示領域500aに表示させる。
【0099】
ここで、
図20では、全ての指標502a,502b,502c,502dに、アプリケーションIDが「B1」であるアプリケーションがリンク先として設定されている。したがって、
図19のアプリケーション501c内のどの指標を選択しても、
図21に示すように、アプリケーションIDが「B1」であるアプリケーションが、表示領域500aに表示される。ここでは、アプリケーション501cを選択すると、
図21の画面に切り替わるため、アプリケーション501cの選択は、複数の指標502a,502b,502c,502d全てが選択されたものとみなすこともできる。
【0100】
図20では、アプリケーション501c内の全ての指標502a,502b,502c,502dに対して、リンク先として同じアプリケーション(B1)が設定されているが、指標毎に異なるリンク先を設定してもよい。指標毎に異なるリンク先が設定されている場合、どの指標を選択するかによって、表示領域500aに表示されるアプリケーションが異なる。
【0101】
図21に示すアプリケーション(ID:B1)は、検査室のOperation Statusに関するアプリケーションである。
図21に示すアプリケーションは、検査室管理のための指標として、「検体数」502e,「再測定数」502f,「再測定率」502a,「陽性率」502c,「確定率」502b,「エラー」502d,「コスト」502g,「System Availability」502hを表示する。これらの指標には、
図19のアプリケーション501cで表示されていた指標502a,502b,502c,502dと、指標502a,502b,502c,502dに関連する他の指標(関連指標)502e,502f,502g,502hと、が含まれている。このように、
図21に示すアプリケーション(ID:B1)は、ダッシュボード500aにおいて選択された指標と、関連指標と、を表示する。関連指標は、ダッシュボード500aにおいて選択された指標とは異なる指標であるが、関連指標の表示により、管理者は、より多くの指標についての情報が得られる。例えば、
図21の「埼玉」の行では、再測定数502f及び再測定率502aの2つの指標の値が悪化しているが、System Availability502hは、92%であり、高い状態が維持されている。したがって、
図21の画面を参照したユーザは、分析装置は異常ではないが、再測定が多くなっていることを把握できる。さらに、ユーザは、装置が異常でないのに再測定が多くなっているという事実から、再測定の要因が、分析装置状態の悪化ではなく、検体の異常又は試薬の異常であることを推測することできる。
【0102】
図21に示すアプリケーション(ID:B1)は、指標502a,502b,502c,502d,502e,502f,502g,502hを、複数の分類に区分して、表示画面500aに表示させる。
図21では、複数の分類は、ユーザの担当する地域に応じた分類である。
図21において、各指標502a,502b,502c,502d,502e,502f,502g,502hの値は、北海道、東北、埼玉、東京、東海北陸、近畿、中四国、九州という地域に応じた分類503に区分して表示される。分類503は、例えば、
図18に示すユーザ設定情報54aにおけるユーザの担当エリアとして設定されている地域を参照して決定される。ユーザの担当エリアは、設定情報54aとして設定可能であるため、分類503は、ユーザ毎の設定が可能である。例えば、米国が担当エリアであるユーザの場合には、米国の各州又は各市に応じた分類に区分して、指標が表示される。
【0103】
ここで、
図1,19,及び21の画面を利用する管理者の管理担当エリアは、日本であるとすると、
図1及び
図19に示すアプリケーション501cでは指標値は、日本という第一の地域に含まれる多数の検査室の状況を総合した指標値として表示される。したがって、管理者は、
図1に示すダッシュボードの参照によって、管理担当エリア全体での状況を把握できる。
【0104】
一方、
図21に示すアプリケーション(ID:B1)では、ダッシュボード500aにおいて選択された指標502a,502b,502c,502dを含む指標それぞれが、日本に含まれる複数の第二の地域(北海道など)に応じた分類503に区分して表示される。各地域に対応した各指標の値は、対応する各地域に設置された装置10,11,12,13,14から算出される。したがって、管理者は、
図21に示すアプリケーションの参照によって、管理担当エリアを細分化した地域毎の指標を把握することができる。地域毎に区分した表示は、ダッシュボード500aにおいて選択された指標だけでなく、関連指標についても行われるため、管理者は、検査室のより詳細な状況を把握できる。
【0105】
例えば、管理者は、
図1に示すダッシュボードのアプリケーション501cを参照することによって、管理担当エリア全体での再測定率501a及びエラー率502dが悪化していることを把握できる。その場合、管理者は、アプリケーション501cをクリック又はタップ等で選択し、
図21に示すアプリケーション(ID:B1)を表示させることで、再測定率502aの悪化は、特に「埼玉」及び「東京」で生じており、エラー率502dの悪化は、特に「東京」「東海北陸」で生じていることを把握できる。したがって、管理者がこれらの地域に対する対処のための適切な行動をとることが容易となる。
【0106】
なお、
図1に示すダッシュボードの他のアプリケーション501a,501b,501c又はプリケーション501a,501b,501c内の指標を選択すると、選択されたアプリケーション又は指標のリンク先であるアプリケーションが表示領域500aに表示される。
【0107】
図21に示すアプリケーション(ID:B1)は、アプリケーション管理部52にて、
図22に示すアプリケーション管理情報52aによって管理されている。
図22に示す管理情報52aは、
図21に示すアプリケーション(ID:B1)が表示する指標と、リンク先と、表示階層と、を有する。表示する指標は、
図21に示すアプリケーションが表示領域500a内で表示する指標である。
図22では、表示する指標として、「再測定率」「再測定数」、「確定率」、「陽性率」、「エラー率」、「処理検体数」「コスト」「システム可用性」の8つの指標が設定されている。
【0108】
図22に示すリンク先としては、Nullが設定されている。つまり、
図21に示すアプリケーション(ID:B1)に対応付けられたアプリケーションはない。したがって、
図21に示す表示領域500a内で選択操作を行っても、表示領域500aが他のアプリケーションに切り替えられることはない。なお、表示領域500aの表示切替は、表示領域500b,500cの操作によって行える。
【0109】
図22に示す表示階層としては、「再測定率」及び「再測定率」の2つの指標には、それぞれ、第1階層及び第2階層が割り当てられている。他の指標である「確定率」「陽性率」「エラー率」「処理検体数」「コスト」「システム可用性」には、第1階層だけが割り当てられている。
【0110】
表示階層は、指標502a,502b,502c,502d,502f,502g,502hを、
図21のような通常の表示態様よりも更に詳細に分類して表示するための階層である。第1階層では、
図23に示すように、分析装置10で実行された複数の検査項目に応じた分類が設定されている。第2階層では、
図24に示すように、分析装置10における異常の要因に応じた分類が設定されている。
【0111】
実施形態において、表示階層は、
図21に示す地域に応じた分類503のいずれかが、ユーザ操作により選択されたときに、選択された地域における各指標502a,502b,502c,502d,502e,502f,502g,502hを、所定の分類(検査項目に応じた分類又は異常の要因に応じた分類)に区分して表示するために用いられる。
【0112】
例えば、
図21において、「北海道」の行を選択するユーザ操作が行われると、
図21に示すアプリケーション(ID:B1)は、
図25に示すように、北海道における各指標値の表示を維持するとともに、北海道における各指標の値を、検査項目に応じた分類505に区分して表示する。
図25は、
図23に示す第1階層に基づく表示である。なお、本実施形態では、初期設定として、検査項目に応じた分類で表示される第1階層が選択されるものとする。なお、第1階層は、
図25に示すように、表示領域500a中の「項目別」ボタン504を選択操作することによっても表示可能である。
【0113】
アプリケーション(ID:B1)は、各指標の値502a,502b,502c,502d,502f,502g,502hを、
図23で設定された検査項目毎に算出する。
図25において、検査項目には、「TP」、「HBs-Ag」、「HBs-Ab」、「HCV」、「HTLV」、「HIV」、「B19」を含む。管理者は、
図25の画面を参照することで、分析装置の稼働状況を示す指標502a,502b,502c,502d,502f,502g,502hを、検査項目毎に把握できる。
【0114】
図26に示すように、表示領域500a中の「要因別」ボタン506を選択操作することによって、第2階層による表示が行われる。第2階層は、指標502f,502aに対して割り当てられているため、「要因別」ボタン506が選択されると、北海道における指標502f,502aの値を、以上の要因に応じた分類507に区分して表示する。
【0115】
アプリケーション(ID:B1)は、各指標502f,502aの値を、
図24で設定された異常の要因毎に算出する。
図26において、異常の要因は、「試薬・消耗品」、「装置エラー」、「測定エラー」、「パニック値」を含む。管理者は、
図26の画面を参照することで、分析装置における異常の発生状況を示す指標502f,502aを、異常の要因毎に把握できる。
【0116】
図27は、ダッシュボード500aに表示されているアプリケーション501cとは別のアプリケーションを選択した場合に、表示領域500aに表示されるアプリケーションの例を示している。ダッシュボード500aに表示されているアプリケーションが、ユーザ担当エリアの全分析装置についてのAnalyzer conditionに関するもので、System Availability, Workload Analysis, Maintenanceの3つの指標を表示するものであるとする。このアプリケーション(3つの指標)がユーザ操作によって選択されると、
図27に示すように、表示領域500aに、選択されたアプリケーションに対してリンク先として設定されたアプリケーションによって、System Availability, Workload Analysis, Maintenance, Errorという4つの指標502m,502n,502o,502pが表示される。
【0117】
図27に示すアプリケーションは、ダッシュボード500aにおいて選択された3つの指標を含む4つの指標502m,502n,502o,502pそれぞれが、管理者の担当エリアである日本に含まれる複数の第二の地域(北海道など)に応じた分類503に区分して表示される。分類503は、例えば、
図18に示すユーザ設定情報54aにおけるユーザの担当エリアとして設定されている地域を参照して決定される。各地域に対応した各指標502m,502n,502o,502pの値は、各地域に設置された装置10,11,12,13,14から算出される。
図27に示すアプリケーションによる表示も、
図21に示すアプリケーションによる表示と同様に、管理者が、担当エリアを細分化した地域毎の指標を把握するのに有用である。
【0118】
図27において、地域に応じた分類503中のいずれかの地域、又は、各地域におけるいずれかの指標502m,502n,502o,502pがユーザ操作によって選択されると、
図27に示すアプリケーションは、選択された地域の全ての指標、又は選択された地域における特定の指標を、選択された地域に設置された少なくとも一つの分析装置毎に区分して表示させる。少なくとも一つの分析装置毎の区分は、1つの分析装置毎の区分であってもよいし、複数の分析装置が含まれる単位(例えば、検査室)毎の区分であってもよい。
【0119】
図28は、地域に応じた分類503中のうち「東京」が選択された場合を示している。本実施形態では、「東京」が選択されると、東京における指標502m,502n,502o,502p全てが選択されたものとなされる。
図28では、
図27における「東京」の下に、「LINE-1」と「LINE-2」とが追加的に表示され、「LINE-1」及び「LINE-2」それぞれについて、指標502m,502n,502o,502pが表示される。
【0120】
ここでの「LINE」は、検査室又は検査室における検査の流れを示している。一つの「LINE」には、少なくとも一つの分析装置が含まれる。「LINE-1」及び「LINE-2」は、例えば、東京にある二つの検査室を示す。「LINE」は、例えば、
図18に示すユーザ設定情報54aにおけるユーザの担当エリアとして設定されている検査室を参照して決定される。管理者は、
図28の画面を参照することで、東京における複数の検査室それぞれにおける分析装置の状況を把握することができる。
【0121】
[3.ベンチマーク表示]
【0122】
制御部51は、端末6の表示領域500aに、ログインしているユーザである管理者に関する指標だけでなく、他の管理者に関する指標を、ベンチマークとして表示させることができる。ここで、管理者に関する指標とは、Webサーバ5にログインしているユーザである管理者が管理を担当する検査室を管理するための指標である。例えば、
図1,
図19、
図21、及び
図25に示す指標は、管理者に関する指標である。他の管理者とは、管理システム100のユーザであって、Webサーバにログインしているユーザからみて、他のユーザである。
【0123】
他の管理者に関する指標の表示によって、Webサーバにログインしているユーザである管理者は、自分が管理を担当していない検査室等のサイトの指標も参照できる。管理者は、自身が管理を担当していない検査室等のサイトの指標をベンチマークとして、自身が管理する検査室の状況を客観的に把握することが可能となる。
【0124】
図29は、管理者に関する指標表示領域511と、ベンチマーク指標表示領域512と、が表示領域500aに表示された画面を示している。
図29に示す表示領域500aは、ベンチマーク表示用のアプリケーションによって表示される。ベンチマーク表示用のアプリケーションは、制御部51のアプリケーション管理部52によって管理されるアプリケーションに含まれる。
【0125】
ベンチマーク表示用のアプリケーションは、例えば、
図1に示すダッシュボード内において、ウィジェットの1つとして表示される。ダッシュボードにおけるベンチマーク表示用のアプリケーションを選択するユーザ操作によって、表示領域500aに、領域511,512が表示される。
【0126】
管理者に関する指標表示領域511には、Webサーバ5にログインしているユーザである管理者自身が管理を担当する検査室を管理するための指標が表示される。ベンチマーク指標表示領域512には、管理者が管理を担当していない他の検査室(サイト)の指標が表示される。
図29の領域512には、アメリカ合衆国における3つのサイトそれぞれにおける指標512a,512b,512cが表示されている。
【0127】
領域511,512に表示される指標は、選択タブ510a,510b,510c,510dをユーザ操作によって選択することで、変更可能である。各選択タブ510a,510b,510c,510dは、表示される指標を示している。例えば、
図29では、Re-run Ratio(再測定率)510aが選択されているため、領域511,512には、再測定率に関する指標が表示されている。
図29では、再測定率を検査項目(CBC,DIFFなど)で細分化した指標として表示されている。例えば、領域511では、管理者自身が管理するサイトにおける検査項目CBCの再測定率が6%であり、検査項目DIFFの再測定率が16%であることが表示されている。一方、領域512では、SiteAにおける検査項目CBCの再測定率が10%であり、検査項目DIFFの再測定率が24%であることが表示されている。同様に、領域512では、SiteBにおける検査項目CBCの再測定率が11%であり、検査項目DIFFの再測定率が18%であることが表示され、SiteCにおける検査項目CBCの再測定率が12%であり、検査項目DIFFの再測定率が21%であることが表示されている。管理者は、領域511,512の表示を比べることで、自身の管理するサイトの状況をより客観的に把握することができる。
【0128】
制御部51は、他の管理者に関する指標512a,512b,512cを選択するユーザ操作が行われたことに応じて、選択された指標を複数の分類に区分して端末6に表示させてもよい。例えば、制御部51は、SiteAの指標512aが選択されたことに応じて、選択された指標(再測定率)を、SiteA内の複数の分析装置毎に区分して表示させることができる。
【0129】
ベンチマークとなる他の管理者は、管理者に対する情報開示を許可している者であるのが好ましい。情報開示の許可は、例えば、ユーザ情報管理部54におけるユーザ設定情報54aとして設定される。
図30に示すように、情報開示許可のためのユーザ設定情報54aは、ユーザと、第三者への開示可否と、が対応付けられている。
図30の設定情報54aは、例えば、ユーザID:a001のユーザ及びユーザID:b001のユーザは、自身の管理するサイトの情報を第三者(他の管理者)に開示することを許可していることを示し、ユーザID:a003のユーザは、自身の管理するサイトの情報を第三者(他の管理者)に開示することを拒否していることを示す。この場合、制御部51は、
図30の設定情報54aを参照し、ユーザID:a001のユーザ及びユーザID:b001のユーザが管理するサイトの指標は、領域512に表示するが、ユーザID:a003のユーザが管理するサイトの指標は、領域512に表示しない。
【0130】
情報開示のための設定情報54aは、
図31に示すように、第三者への開示可否に加えて、情報開示のための条件が設定されていてもよい。
図31の設定情報54aでは、ユーザID:a001のユーザ及びユーザID:b001のユーザは、自身の管理するサイトの情報を第三者(他の管理者)に開示することを許可しているが、開示の条件として、匿名であることが付されている。この場合、制御部51は、ユーザID:a001のユーザ及びユーザID:b001のユーザが管理するサイトの指標を、ベンチマークとして領域512に表示する際には、具体的なサイト名(病院名など)を表示せず、
図29に示すように、SiteAのようにサイト名を匿名化して表示する。匿名化は、サイト名に限られず、検査室名、分析装置の種別・シリアル番号等についてなされてもよい。
【0131】
図30,31に示す設定情報54aの登録は、例えば、システム100のユーザからの申告に基づき、システム100の管理者によって行われる。申告は、例えば、システム100のユーザが、システム100の管理者に対して、第三者への情報開示を許可する旨の申告をEメールなどで行うことによって行われる。
図30,31に示す設定情報54aの登録は、システム100のユーザが、Webサーバ5にログインし、情報開示申告のための所定のインターフェースへの入力によって行われても良い。
【0132】
制御部51は、管理者と他の管理者とが相互に情報開示を許可している場合に、管理に関する指標と、他の管理者に関する指標とを表示領域500aに表示可能であるのが好ましい。
図32は、相互に情報開示が許可されたユーザを示す設定情報54aの例を示している。
図32の設定情報54aでは、ユーザ毎に、各々のユーザが情報開示を許可する他のユーザの識別情報が記憶されている。
図32に示す設定情報54aでは、ユーザIDがa001であるユーザは、少なくとも、IDがa003である他のユーザ、IDがa004である他のユーザ、IDがb001である他のユーザとの間で相互に情報開示を許可していることを示す。この場合、制御部51は、
図32に示す設定情報を参照し、ユーザIDがa003であるユーザに関する指標を領域511に表示する際には、領域512には、ユーザIDがa001であるユーザに関する指標を表示することができる。
【0133】
図32に示す設定情報54aの登録は、
図30,31に示す設定情報54aの登録の仕方と同様である。また、
図32に示す設定情報54aの登録のため、システム100の各ユーザは、システム100を介して、他のユーザに対して、情報開示申請を通知できる。通知を受領した他のユーザが情報開示を許可した場合、申請を通知したユーザと申請を受領した他のユーザとの間の相互の情報開示が許可される。また、システム100の管理者が、各ユーザからの申請を受けて、その申請に基づいて、招待者リストを作成し、招待者が情報開示を許可した場合、申請者と招待者との間の相互の情報開示を許可してもよい。
【0134】
[4.ロケーションフリーアクセス]
【0135】
前述のように、ユーザである管理者は、端末6のWebブラウザを介して、Webサーバ5にアクセス可能である。つまり、ユーザは、インターネットへの接続環境さえあれば、自身が属する検査室内からでなくとも、システム100にアクセス可能である。
【0136】
ユーザが検査室外の位置からシステム100にアクセスした場合、当該ユーザが管理する検査室に関する情報(当該検査室に関する分析装置の種別・シリアル番号等)が、全く関係ない第三者に閲覧されてしまう可能性がある。
【0137】
例えば、前述のベンチマーク表示用のアプリケーションは、システム100の他のユーザに関する情報を表示する。よって、端末6のユーザが、自身が属する検査室外からシステム100にアクセスした場合、システム100の他のユーザに関する情報が、全く関係ない第三者に閲覧されてしまう可能性がある。
【0138】
そこで、制御部51は、端末6の位置に応じて、端末6に表示させる指標等の表示態様を決定する。表示態様の決定は、例えば、
図16AのステップS204において説明したように、アクセス元のIPアドレス(端末の位置に関する情報)に応じて決定できる。ユーザが検査室外の端末6からWebサーバ5にアクセスした場合、アクセス要求に含まれるアクセス元IPアドレスは、検査室外のネットワーク機器のIPアドレスとなる。制御部51は、アクセス要求に含まれるアクセス元IPアドレスと、アクセスしてきたユーザの設定情報54a(
図17A,
図17C)の非制限IPアドレスと、を比較する。設定情報54aにおける非制限IPアドレスは、ユーザである管理者が管理する検査室又は管理者の職場におけるネットワーク機器のIPアドレスである。アクセス要求に含まれるアクセス元IPアドレスと、アクセスしてきたユーザの設定情報54a(
図17A,
図17C)の非制限IPアドレスとが一致すれば、検査室内からのアクセスであると判定され、不一致であれば、検査室外からのアクセスであると判定される。
【0139】
端末6が検査室外からWebサーバ5にアクセスしてきた場合、制御部51は、表示する指標に関する検査室名や当該検査室に関する分析装置の種別・シリアル番号等は匿名化して表示する。一方、端末6が検査室内からWebサーバ5にアクセスしてきた場合、制御部51は、表示する指標に関する検査室名や当該検査室に関する分析装置の種別・シリアル番号等は匿名化せずに表示する。
【0140】
なお、
図29の領域512に表示された指標512a,512b,512cに含まれるサイト名は、具体的な病院名ではなく、匿名化されたものである。
【0141】
[5.アセスメント進捗状況表示]
【0142】
制御部51は、端末6の表示領域500aに、管理者が管理する検査室に所属する検査技師のアセスメント進捗状況を表示させることができる。検査技師のアセスメント進捗状況の表示によって、管理者は、管理対象である検査技師のアセスメント進捗状況を容易に把握できる。
【0143】
図33は、管理者が管理する検査室に所属する検査技師のアセスメント進捗状況が、表示領域500aに表示された画面を示している。アセスメントとは、法規制等によって、検査技師に定期的な受験が義務付けられているアセスメントテストである。
図33に示す表示領域500aは、アセスメント進捗状況表示アプリケーションによって表示される。アセスメント進捗状況表示アプリケーションは、制御部51のアプリケーション管理部52によって管理されるアプリケーションに含まれる。
【0144】
アセスメント進捗状況表示アプリケーションは、例えば、表示領域500b,500cに表示されたメニューボタンの選択操作によって選択可能である。また、アセスメント進捗状況表示アプリケーションは、
図1に示すダッシュボード内において、ウィジェットの1つとして表示されてもよい。
【0145】
図33において、アセスメント進捗状況表示アプリケーションは、管理者(
図33に示す"Jone Smith")が管理する1又は複数の検査室に所属する3人の検査技師("Jone Smith" , "XXX" , "YYY")512それぞれのアセスメントテストの進捗状況を表示している。なお、検査技師には、管理者自身が含まれていても良い。進捗状況は、アセスメントテストにおける専門分野523a,523b,523c,523d毎に表示される。
図33において、専門分野には、Hematology523a、Hemostasis523b、Bio-Chemistry523c、Immunology523dが含まれる。専門分野毎のテスト進捗状況は、例えば、必須の6つのテストのうち4つのテストに合格していれば、”4/6”のように示される。
【0146】
アセスメント進捗状況表示アプリケーションは、マルチサイトを管理する管理者に適している。マルチサイトの管理者は、複数の検査室を管理するため、各検査室の検査技師のスキルも管理することが求められる。管理者は、
図33に示す画面を参照することで、自身が管理すべき検査技師のアセスメント進捗の状況を把握することができる。なお、端末6が、検査室外からWebサーバ5にアクセスした場合には、各検査技師の氏名といった個人情報に対応する表示は、例えば、"XXX" , "YYY"のように匿名化して表示される。
【0147】
図33の表示領域500aにおいて、各検査技師のアセスメント進捗を表示する行521が、クリック又はタップされて選択されると、その検査技師のアセスメント進捗の詳細が、
図34のように表示領域500aに表示される。
図33は、"Tomas Smith"の行が選択された場合の表示領域500aを示している。
【0148】
図34において、アセスメント進捗状況表示アプリケーションは、例えば、アセスメント項目530毎に、検査技師の年度別のアセスメントテストのスコア531を表示する。基準以上のスコアと、基準以下のスコアは、色分け等によって区別可能に表示される。また、”Report”の列に表示されたアイコンがクリック又はタップされると、当該アセスメントテストに対する詳細なレポートデータが表示される。
【0149】
図34の表示においても、端末6が、検査室外からWebサーバ5にアクセスした場合には、各検査技師の氏名といった個人情報に対応する表示は匿名化して表示される。
【0150】
アセスメントテストのスコアやレポートのデータは、各検査室が人事情報管理に利用しているシステム(情報源1)から収集されてもよいし、各検査室の管理者が、Webサーバ5を介して、データベース40に格納したものであってもよい。
【符号の説明】
【0151】
1 情報源
2 通信サーバ
3 データベースサーバ
4 アプリケーションデータベースサーバ
5 Webサーバ
6 端末
10 分析装置
11 LIS/WAM
12 精度管理装置
13 CRM
14 ERP
30 データベース
31 通信部
32 データ統合部
33 データベースアクセス部
30a 収集データ
40 データベース
40a 収集データ
40b 地理的情報
41 通信部
42 アプリケーションデータ管理部
43 データベースアクセス部
50 通信部
51 制御部
52 アプリケーション管理部
52a アプリケーション管理情報
53 データベースアクセス部
54 ユーザ設定管理部
54a ユーザ設定情報
61 通信部
62 Webブラウザ
100 管理システム
500 表示画面
500a 表示領域
500b 表示領域
500b 表示領域
501a アプリケーション
501b アプリケーション
501c アプリケーション
501d アプリケーション