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特許7311588充電制御方法及び装置、コンピューター記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】充電制御方法及び装置、コンピューター記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20230711BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230711BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20230711BHJP
【FI】
H02J7/10 H
H02J7/00 301D
H02J50/12
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021514972
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2018122747
(87)【国際公開番号】W WO2020124572
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ウェイ
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0309293(US,A1)
【文献】特開平11-097074(JP,A)
【文献】特開2005-151683(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0104359(US,A1)
【文献】国際公開第2010/079563(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101820085(CN,A)
【文献】国際公開第2006/021842(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0214756(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H01M10/42-10/48
H02J50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被充電機器に適用される充電制御方法であって、前記被充電機器内のバッテリーは複数のセルを含み、前記充電制御方法は、
前記被充電機器の充電過程において、前記被充電機器内のバッテリーに対してK段階の定電流充電を行うことと、Kは1より大きい正整数であり、
前記K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、前記バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電することと、第K番目の定電流充電段階に対応するプリセット電圧は充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧はバッテリーの定格電圧よりも高く、
前記K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、前記バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出することと、
前記充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が、この定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、前記被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御することと、
を含み、
複数のセルが直列に接続されている場合、前記第K番目の定電流充電段階でセルのプリセット電圧は前記充電カットオフ電圧の1/Nであり、複数のセルが並列に接続されている場合、前記第K番目の定電流充電段階でセルのプリセット電圧は前記充電カットオフ電圧である、
ことを特徴とする充電制御方法。
【請求項2】
前記K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、前記バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電することは、
前の(K-1)段階のうちの第i番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの電圧が第iプリセット電圧に達するまで、第iプリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電することと、
第K番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの電圧が第Kプリセット電圧に達するまで、第Kプリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電することと、
を含み、
iは1以上且つ(K-1)以下の正整数であり、第(i+1)プリセット電流は前記第iプリセット電流より小さく、前記第Kプリセット電流は第(K-1)プリセット電流より小さく、前記第Kプリセット電圧は充電カットオフ電圧である、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電制御方法。
【請求項3】
第i番目の定電流充電段階では、前記充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、前記被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御することは、
検出された前記バッテリーの充電電圧に基づいて、前記充電電圧が第iプリセット電圧より高いか否かを判断することと、ここで、前記第iプリセット電圧は第i番目の定電流充電段階の前記バッテリーのプリセット閾値電圧を表し、
検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧に基づいて、いずれか1つのセルの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いか否かを判断することと、ここで、第iプリセットセル電圧は第i番目の定電流充電段階の単一セルのプリセット閾値電圧を表し、
前記充電電圧が第iプリセット電圧より高い場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高い場合、前記被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、第i番目の定電流充電段階で検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧が第iプリセットセル電圧を超えないようにすることと、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の充電制御方法。
【請求項4】
前記被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御した後、前記充電制御方法は、さらに、
第K番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの充電電圧が充電カットオフ電圧より高いことが検出された場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第Kプリセットセル電圧より高いことが検出された場合、前記バッテリーの充電を終了するか、又は前記充電カットオフ電圧を前記バッテリーに印加して定電圧充電すること、を含み、前記第Kプリセットセル電圧は、前記第K番目の定電流充電段階のセルのプリセット電圧である、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電制御方法。
【請求項5】
第i番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの電圧が第iプリセット電圧に達するまで、第iプリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電することは、
前記複数のセルの構造を判断することと、
前記複数のセルが直列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧のN倍に達するまで、第iプリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電することと、Nは前記複数のセルのセル数を表し、且つNは1より大きい正整数であり、
前記複数のセルが並列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧に達するまで、第iプリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電することと、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の充電制御方法。
【請求項6】
前記複数のセルが直列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧のN倍に達するまで、第iプリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電してから、前記充電制御方法は、さらに、
前記第iプリセットセル電圧のN倍を前記バッテリーに印加して定電圧充電することと、
前記バッテリーの充電電流が第(i+1)プリセット電流と等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、
前記被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、第(i+1)プリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電することと、
を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の充電制御方法。
【請求項7】
前記複数のセルが並列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧に達するまで、第iプリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電してから、前記充電制御方法は、さらに
前記第iプリセットセル電圧を前記バッテリーに印加して定電圧充電することと、
前記バッテリーの充電電流が前記第(i+1)プリセット電流と等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、前記被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、前記第(i+1)プリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電することと、
を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の充電制御方法。
【請求項8】
前記複数のセルが直列に接続されている場合、前記充電制御方法は、前記第K番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧のN倍と等しいことが検出されると、前記バッテリの充電を終了することをさらに含み、前記第Kプリセットセル電圧のN倍は、充電カットオフ電圧である、
ことを特徴とする請求項5に記載の充電制御方法。
【請求項9】
前記複数のセルが直列に接続されている場合、前記充電制御方法は、
前記第K番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧のN倍と等しいことが検出されると、前記第Kプリセットセル電圧のN倍前記バッテリーに印加して定電圧充電することと、
前記第K番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの充電電流が充電カットオフ電流より小さいことが検出されると、前記バッテリーの充電を終了することと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の充電制御方法。
【請求項10】
前記複数のセルが並列に接続されている場合、前記充電制御方法は、前記第K番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧と等しいことが検出されると、前記バッテリーの充電を終了することをさらに含み、前記第Kプリセットセル電圧は、充電カットオフ電圧である、
ことを特徴とする請求項5に記載の充電制御方法。
【請求項11】
前記複数のセルが並列に接続されている場合、前記充電制御方法は、
前記第K番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧と等しいことが検出されると、前記第Kプリセットセル電圧を前記バッテリーに印加して定電圧充電することと、
前記第K番目の定電流充電段階では、前記バッテリーの充電電流が充電カットオフ電流よりも小さいことが検出されると、前記バッテリーの充電を終了することと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の充電制御方法。
【請求項12】
前記充電電圧が第iプリセット電圧より高い場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高い場合、前記被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、第i番目の定電流充電段階で検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧が第iプリセットセル電圧を超えないようにし、前記第iプリセットセル電圧は単一セルの定格電圧より高い、
ことを特徴とする請求項2に記載の充電制御方法。
【請求項13】
前記被充電機器の充電モードは無線充電モード及び有線充電モードを含み、前記充電制御方法は、充電モードを選択することによって、前記無線充電モード又は前記有線充電モードで前記バッテリーを充電するように、前記被充電機器を制御することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の充電制御方法。
【請求項14】
被充電機器に適用可能である充電制御装置であって、前記被充電機器内のバッテリーは複数のセルを含み、前記充電制御装置は、充電ユニット、検出ユニット及び制御ユニットを含み、
前記充電ユニットは、前記被充電機器の充電過程において、前記被充電機器内のバッテリーに対してK段階の定電流充電を行うために用いられ、Kは1より大きい正整数であり、
前記充電ユニットは、前記K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、前記バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流で前記バッテリーに対して定電流充電するために用いられ、K番目の定電流充電段階に対応するプリセット電圧は充電カットオフ電圧であり、前記充電カットオフ電圧は前記バッテリーの定格電圧よりも高く、
前記検出ユニットは、前記K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、前記バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出するために用いられ、
前記制御ユニットは、前記充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が、この定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、前記被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御するために用いられ、複数のセルが直列に接続されている場合、前記第K番目の定電流充電段階でセルのプリセット電圧は前記充電カットオフ電圧の1/Nであり、複数のセルが並列に接続されている場合、前記第K番目の定電流充電段階でセルのプリセット電圧は前記充電カットオフ電圧である、
ことを特徴とする充電制御装置。
【請求項15】
充電制御装置であって、
メモリ及びプロセッサを含み、前記メモリには前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムが格納されており、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、請求項1~13のいずれか一項に記載の充電制御方法を実行する、
ことを特徴とする充電制御装置。
【請求項16】
充電制御プログラムが格納されたコンピュータ記憶媒体であって、
前記充電制御プログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、請求項1~13のいずれか一項に記載の充電制御方法を実行する
ことを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【請求項17】
少なくとも請求項14に記載の充電制御装置を含むことを特徴とする被充電機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施形態は、充電技術分野に関し、さらに具体的に、充電制御方法及び装置、コンピューター記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子装置の充電手順は、トリクル充電段階、定電流充電段階及び定電圧充電段階に分けることができる。既存の充電手順によれば、システムによってバッテリーの電圧が定電流充電に対応する閾値電圧に達したことを検出した後、充電手順は定電圧充電に進み、且つ充電カットオフ条件を満たして充電を終了するまで、定電圧充電を維持する。定電圧充電過程全体における充電電圧は、バッテリーの定格電圧を超えない。このように、定電流充電時間は短いので、定電圧充電時間は長く、充電時間全体が長すぎて、時間を浪費し、且つ充電速度が低下する。
【発明の概要】
【0003】
これを考慮して、本出願の実施形態は、充電制御方法及び装置、コンピューター記憶媒体を提供し、マルチセル構造のバッテリーシナリオでは、多段定電流充電を使用して定電流充電時間をできるだけ延長することにより、充電時間全体を短縮し、充電速度を向上させる。
【0004】
第一態様において、充電制御方法が提供される。充電制御方法は、被充電機器に適用され、被充電機器内のバッテリーは複数のセルを含む。充電制御方法は、
被充電機器の充電過程において、被充電機器内のバッテリーに対してK段階の定電流充電を行うことと、Kは1以上の正整数であり、
K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、第K番目の定電流充電段階に対応するプリセット電圧は充電カットオフ電圧であり、充電カットオフ電圧はバッテリーの定格電圧よりも高く、
K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出することと、
充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が、この定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御することと、
を含む。
【0005】
上述した方案において、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することは、
前の(K-1)段階のうちの第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセット電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、
第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第Kプリセット電圧に達するまで、第Kプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、
を含み、
iは1以上且つ(K-1)以下の正整数であり、第(i+1)プリセット電流は第iプリセット電流より小さく、第Kプリセット電流は第(K-1)プリセット電流より小さく、第Kプリセット電圧は充電カットオフ電圧である。
【0006】
上述した方案において、第i番目の定電流充電段階では、充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御することは、
検出されたバッテリーの充電電圧に基づいて、充電電圧が第iプリセット電圧より高いか否かを判断することと、ここで、第iプリセット電圧は第i番目の定電流充電段階のバッテリーのプリセット閾値電圧を表し、
検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧に基づいて、いずれか1つのセルの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いか否かを判断することと、ここで、第iプリセットセル電圧は第i番目の定電流充電段階の単一セルのプリセット閾値電圧を表し、
充電電圧が第iプリセット電圧より高い場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高い場合、被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、第i番目の定電流充電段階で検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧が第iプリセットセル電圧を超えないようにすることと、
を含む。
【0007】
上述した方案において、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御した後、充電制御方法は、さらに、
第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの充電電圧が充電カットオフ電圧より高いことが検出された場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第Kプリセットセル電圧より高いことが検出された場合、バッテリーの充電を終了するか、又は充電カットオフ電圧をバッテリーに印加して定電圧充電すること、を含む。
【0008】
上述した方案において、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセット電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することは、
複数のセルの構造を判断することと、
複数のセルが直列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧のN倍に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、Nは複数のセルのセル数を表し、且つNは1より大きい正整数であり、
複数のセルが並列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、
を含む。
【0009】
上述した方案において、複数のセルが直列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧のN倍に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電してから、充電制御方法は、さらに、
第iプリセットセル電圧のN倍をバッテリーに印加して定電圧充電することと、
バッテリーの充電電流が第(i+1)プリセット電流と等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、第(i+1)プリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、
を含む。
【0010】
上述した方案において、複数のセルが並列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電してから、充電制御方法は、さらに、
第iプリセットセル電圧をバッテリーに印加して定電圧充電することと、
バッテリーの充電電流が第(i+1)プリセット電流と等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、第(i+1)プリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、
を含む。
【0011】
上述した方案において、複数のセルが直列に接続されている場合、第K番目の定電流充電段階では、充電制御方法は、バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧のN倍と等しいことが検出されると、バッテリの充電を終了することをさらに含む。第Kプリセットセル電圧のN倍は、充電カットオフ電圧である。
【0012】
上述した方案において、複数のセルが直列に接続されている場合、充電制御方法は、
第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧のN倍と等しいことが検出されると、第Kプリセットセル電圧のN倍をバッテリーに印加して定電圧充電することと、
第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの充電電流が充電カットオフ電流より小さいことが検出されると、バッテリーの充電を終了することと、
をさらに含む。
【0013】
上述した方案において、複数のセルが並列に接続されている場合、充電制御方法は、第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧と等しいことが検出されると、バッテリーの充電を終了することをさらに含む。ここで、第Kプリセットセル電圧は、充電カットオフ電圧である。
【0014】
上述した方案において、複数のセルが並列に接続されている場合、充電制御方法は、
第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧と等しいことが検出されると、第Kプリセットセル電圧をバッテリーに印加して定電圧充電することと、
第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの充電電流が充電カットオフ電流よりも小さいことが検出されると、バッテリーの充電を終了することと、
をさらに含む。
【0015】
上述した方案において、第iプリセットセル電圧は単一セルの定格電圧より高い。
【0016】
上述した方案において、被充電機器の充電モードは無線充電モード及び有線充電モードを含み、充電制御方法は、充電モードを選択することによって、無線充電モード又は有線充電モードでバッテリーを充電するように、被充電機器を制御することをさらに含む。
【0017】
第二態様において、充電制御装置が提供される。充電制御装置は、被充電機器に適用可能であり、被充電機器内のバッテリーは複数のセルを含む。充電制御装置は、充電ユニット、検出ユニット及び制御ユニットを含む。
充電ユニットは、被充電機器の充電過程において、被充電機器内のバッテリーに対してK段階の定電流充電を行うために用いられ、Kは1以上の正整数であり、
充電ユニットは、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられ、第K番目の定電流充電段階に対応するプリセット電圧は充電カットオフ電圧であり、充電カットオフ電圧はバッテリーの定格電圧よりも高く、
検出ユニットは、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出するために用いられ、
制御ユニットは、充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が、この定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御するために用いられる。
【0018】
上述した方案において、充電ユニットは、具体的に、前の(K-1)段階のうちの第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセット電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられ、iは1以上且つ(K-1)以下の正整数であり、第(i+1)プリセット電流は第iプリセット電流より小さい。充電ユニットは、さらに、第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第Kプリセット電圧に達するまで、第Kプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられ、第Kプリセット電流は第(K-1)プリセット電流より小さく、第Kプリセット電圧は充電カットオフ電圧である。
【0019】
上述した方案において、第i番目の定電流充電段階では、制御ユニットは、具体的に、検出されたバッテリーの充電電圧に基づいて、充電電圧が第iプリセット電圧より高いか否かを判断し、ここで、第iプリセット電圧は第i番目の定電流充電段階のバッテリーのプリセット閾値電圧を表し、検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧に基づいて、いずれか1つのセルの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いか否かを判断し、ここで、第iプリセットセル電圧は第i番目の定電流充電段階の単一セルのプリセット閾値電圧を表し、充電電圧が第iプリセット電圧より高い場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高い場合、被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、第i番目の定電流充電段階で検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧が第iプリセットセル電圧を超えないようにするために用いられる。
【0020】
上述した方案において、第K番目の定電流充電段階では、検出ユニットによってバッテリーの充電電圧が充電カットオフ電圧より高いことが検出された場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第Kプリセットセル電圧より高いことが検出された場合、制御ユニットは、さらに、バッテリーの充電を終了するか、又は充電カットオフ電圧をバッテリーに印加して定電圧充電するために用いられる。
【0021】
上述した方案において、制御ユニットは、さらに複数のセルの構造を判断するために用いられる。
充電ユニットは、具体的に、複数のセルが直列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧のN倍に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられ、Nは複数のセルのセル数を表し、且つNは1より大きい正整数である。充電ユニット1は、さらに、複数のセルが並列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられる。
【0022】
上述した方案において、複数のセルが直列に接続されている場合、充電ユニットは、さらに、第iプリセットセル電圧のN倍をバッテリーに印加して定電圧充電するために用いられ、
制御ユニットは、さらに、バッテリーの充電電流が第(i+1)プリセット電流と等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、第(i+1)プリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するようにするために用いられる。
【0023】
上述した方案において、複数のセルが並列に接続されている場合、充電ユニットは、さらに、第iプリセットセル電圧をバッテリーに印加して定電圧充電するために用いられ、
制御ユニットは、さらに、バッテリーの充電電流が第(i+1)プリセット電流と等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、第(i+1)プリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられる。
【0024】
上述した方案において、複数のセルが直列に接続されている場合、制御ユニットは、さらに、バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧のN倍と等しいことが検出されると、バッテリの充電を終了するために用いられ、第Kプリセットセル電圧のN倍は、充電カットオフ電圧である。
【0025】
上述した方案において、複数のセルが直列に接続されている場合、充電ユニットは、さらに、バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧のN倍と等しいことが検出されると、第Kプリセットセル電圧のN倍をバッテリーに印加して定電圧充電するために用いられ、
制御ユニットは、さらに、バッテリーの充電電流が充電カットオフ電流より小さいことが検出されると、バッテリーの充電を終了するために用いられる。
【0026】
上述した方案において、複数のセルが並列に接続されている場合、制御ユニットは、さらに、バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧と等しいことが検出されると、バッテリーの充電を終了するために用いられ、第Kプリセットセル電圧は充電カットオフ電圧である。
【0027】
上述した方案において、複数のセルが並列に接続されている場合、充電ユニットは、さらに、バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧と等しいことが検出されると、第Kプリセットセル電圧をバッテリーに印加して定電圧充電するために用いられ、
制御ユニットは、さらに、バッテリーの充電電流が充電カットオフ電流よりも小さいことが検出されると、バッテリーの充電を終了するために用いられる。
【0028】
上述した方案において、第iプリセットセル電圧は単一セルの定格電圧より高い。
【0029】
上述した方案において、被充電機器の充電モードは、無線充電モード及び有線充電モードを含み、制御ユニットは、さらに、充電モードを選択することによって、無線充電モード又は有線充電モードでバッテリーを充電するように、被充電機器を制御するために用いられる。
【0030】
第三態様において、充電制御装置が提供される。充電制御装置は、メモリ及びプロセッサを含み、メモリにはプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムが格納されており、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第一態様のいずれか一項に記載の充電制御方法を実行する。
【0031】
第四態様において、充電制御プログラムが格納されたコンピュータ記憶媒体が提供される。充電制御プログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、第一態様のいずれか一項に記載の充電制御方法を実行する。
【0032】
第五態様において、被充電機器が提供される。被充電機器は、第二態様のいずれか一項に記載の充電制御装置、又は第三態様に記載の充電制御装置を含む。
【0033】
本出願の実施形態は、充電制御方法及び装置、コンピューター記憶媒体を提供する。充電制御方法は、被充電機器に適用され、被充電機器内のバッテリーは複数のセルを含む。被充電機器の充電過程において、被充電機器内のバッテリーに対してK段階の定電流充電を行う。Kは1以上の正整数である。K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電する。K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出する。充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が、この定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御する。この充電過程は複数のセルを含むバッテリーに適用され、多段定電流充電を使用して定電流充電過程をできるだけ延長することにより、充電過程全体の充電時間を短縮し、充電速度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、関連技術における階段状の充電技術の概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係わる被充電機器の構造を示す概略図であるである。
図3図3は、本発明の実施形態に係わる充電制御方法のフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施形態に係わる充電制御技術の概略図である。
図5図5は、本発明の別の実施形態に係わる充電制御技術の概略図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係わる充電制御装置の構造を示す概略図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係わる充電制御装置の具体的なハードウェア構造を示す概略図である。
図8図8は、本発明の別の実施形態に係わる被充電機器の構造を示す概略図であるである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本出願の実施形態の特徴及び技術的内容を詳細に理解するために、以下、添付された図面を参照して本出願の実施形態を詳細に説明する。添付された図面は、ただ本出願を説明するために用いられ、本出願の実施形態を制限することを意図したものではない。
【0036】
充電技術の急速な発展に伴い、現在、充電技術には主に有線充電技術と無線充電技術が含まれる。ユーザが被充電機器を充電する際、充電用の充電ケーブルを介して被充電機器と充電装置(例えば、異なるタイプのアダプタである)を接続して、被充電機器の充電を実現することは、有線充電技術と呼ばれる。しかしながら、充電ケーブルを失った場合、又は被充電機器と充電装置との間の特定の距離が望まれる場合、無線充電技術によって被充電機器を充電することができる。無線充電技術は、無線電力伝送技術に基づく、異なる無線充電原理によって、無線充電モードには、主に電磁誘導(又は磁気結合)モード、無線電波モード、電磁共振モードが含まれる。被充電機器が電磁誘導モードの無線充電技術を採用することを例に挙げると、エネルギーは被充電機器と充電装置(例えば、無線充電ベースである)との間で磁場の形で伝達され、充電ケーブルなしで被充電機器を充電することができる。
【0037】
有線充電技術又は無線充電技術に係わらず、現在、充電手順には、一般的にに、定電流(constant-current,CC)充電段階と定電圧(constant-voltage,CV)充電段階が含まれる。定電圧充電段階は、充電時間が長い充電段階である。もし充電過程における定電圧充電時間を効果的に短縮できると、被充電機器内のバッテリーの充電速度が大幅に向上させることができる。これは現在研究されている重要な課題であり、本出願の実施形態で解決しようとする技術問題である。
【0038】
関連技術において、従来の充電手順は、先ず、バッテリーの両端の電圧が閾値電圧に達するまで、定電流充電電流でバッテリーを充電し、閾値電圧はバッテリーの定格電圧を超えない。次に、閾値電圧下で定電圧充電を行って、充電過程全体で充電電圧はバッテリーの定格電圧を超えない。定電流充電時間は短いので、定電圧充電時間は長く、充電時間全体が長くなる。
【0039】
充電時間全体を短縮するために、急速充電方式としての階段状の充電技術の人気が高まっている。既存の階段状の充電技術は、ただ単一セルのバッテリーシナリオに適用され、且つ依然として定電圧充電段階を保留する。段階的充電の原理は、以下のとおりである。被充電機器の充電過程において、先ず、バッテリーの両端の電圧が第一閾値電圧に達するまで、第一充電電流で定電流充電を行う。次に、第一充電電流を第二充電電流に減らし、バッテリーの両端の電圧が第二閾値電圧に達するまで、第二充電電流で定電流充電を行う。充電電流を徐々に減らし、上記の手順を繰り返す。バッテリーの両端の電圧が第n閾値電圧(第n閾値電圧はバッテリーの定格電圧を超えない)に達するまで、第n充電電流で定電流充電を行うとき、充電電流がバッテリーのカットオフ電流まで減少するまで、最後に第n充電電圧で定電圧充電する。nは1以上の正整数である。
【0040】
図1は、関連技術における階段状の充電技術の概略図である。図1に示されたように、横軸は時間(T)を表し、縦軸は充電電流(I)を表す。先ず、第一充電電流Iで定電流充電して、第一充電時間tを経過した後、バッテリーの両端の電圧が第一閾値電圧Vに達する。次に、第一充電電流Iを第二充電電流Iに減らし、第二充電電流Iで定電流充電して、第二充電時間tを経過した後、バッテリーの両端の電圧が第二閾値電圧Vに達する。充電電流を徐々に減らし、上記の手順を繰り返す。バッテリーの両端の電圧が第n閾値電圧V(充電カットオフ電圧Vend)に達するまで、第n充電電流Iで定電流充電してから、充電電流が充電カットオフ電流Iendまで減少するまで、第n閾値電圧Vで定電圧充電する。ここで、V、V、…、Vはすべてバッテリーの定格電圧を超えない。
【0041】
関連技術において、階段状の充電技術が提案されているが、階段状の充電技術は、複数のセルを含むバッテリーには適用できなく、充電過程で依然として定電流充電と定電圧充電を結合した方式を採用し、定電圧充電段階全体の充電電圧はバッテリーの定格電圧を超えなく、従って被充電機器の充電時間をさらに短くすることが望ましい。
【0042】
上記に基づいて、本出願の実施形態は充電制御方法を提供する。充電制御方法は、被充電機器に適用され、被充電機器内のバッテリーは複数のセルを含む。充電制御方法は、被充電機器の充電過程において、被充電機器内のバッテリーに対してK段階(第一番目の定電流充電段階、第二番目の定電流充電段階、…、第(K-1)番目の定電流充電段階、第K番目の定電流充電段階)定電流充電を行うことと、Kは1以上の正整数であり、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出することと、充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が、この定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御することと、を含む。この充電過程は複数のセルを含むバッテリーに適用され、多段定電流充電を使用して定電流充電過程をできるだけ延長することにより、充電過程全体の充電時間を短縮し、充電速度を向上させる。
【0043】
被充電機器は、端末であることができる。端末は、有線回線によって接続される装置及び/又は無線インタフェースを介して通信信号を受信/送信する装置であることができるが、これらに限定されるものではない。有線回線は、例えば、公衆交換電話網(public switched telephone network, PSTN)、デジタル加入者線(digital subscriber line, DSL)、デジタルケーブル、直接接続ケーブル、及び/又は他のデータ接続ライン又はネットワーク接続ラインであることができる。無線インターフェースは、例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)、デジタルビデオ放送ハンドヘルド(digital video broadcasting handheld,DVB-H)ネットワークのようなデジタルテレビネットワーク、衛星ネットワーク、振幅変調周波数変調(amplitude modulation-frequency modulation, AM-FM)放送送信機、及び/又は他の通信端末と通信することであることができる。無線インタフェースを介して通信するように構成された端末は、「無線通信端末」、「無線端末」、及び/又は「移動端末」と呼ぶことができる。移動端末の例としては、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(Persona Digital Assistant, PDA)、ポータブルメディアプレーヤー(portable media player,PMP)、ナビゲーションデバイスなどのモバイル端末デバイスが含まれ得るが、これらに限定されなく、デジタルTV、デスクトップコンピュータなどの固定端末デバイスを含むこともできる。さらに、本出願の実施形態で使用される被充電機器は、さらにパワーバンクを含むことができる。パワーバンクは、他の電子デバイスにエネルギーを提供するために、受信された充電エネルギーを貯蔵することができる。本出願の実施形態において、これに対して具体的に限定しない。
【0044】
図2は、本発明の実施形態に係わる被充電機器の構造を示す概略図であるである。図2に示されたように、被充電機器20は、無線充電受信ユニット201、有線充電接続ユニット202、充電管理ユニット203、制御ユニット204、検出ユニット205及びバッテリー206を含む。当業者であれば、図2に示された被充電機器20の構造は、被充電機器の構造に対するいかなる制限を構成しないことを理解することができる。被充電機器は、図示されているよりも多い又は少ないコンポーネントを含み得るか、又は特定のコンポーネントを組み合わせるか、又は異なる配置を有することができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、無線充電受信ユニット201及び有線充電接続ユニット202は被充電機器20に同時に含まれなくてもよい。被充電機器20がただ無線充電モードを支持する場合、被充電機器ス20は無線充電受信ユニット201のみを含むことができる。被充電機器20がただ有線充電モードを指示する場合、被充電機器20は有線充電接続ユニット202のみを含むことができる。被充電機器20が無線充電モード及び有線充電モードの両方を支持する場合、被充電機器20は無線充電受信ユニット201及び有線充電接続ユニット202の両方を含むことができ、本出願の実施形態はこれに対して具体的に限定しない。
【0046】
さらに、外部有線充電装置(アダプタなど)は、充電ケーブルを介して被充電機器20に有線接続されることができる。具体的には、外部有線充電装置は、充電ケーブルを介して有線充電接続ユニット202に接続される。外部有線充電装置と有線充電接続ユニット202は、ハンドシェイク通信プロトコルに基づく充電交渉のために互いに通信することができる。外部無線充電装置(無線充電ベースなど)は、電磁誘導を介し被充電機器20に無線接続されることができる。具体的には、外部無線充電装置は、その内部の無線充電送信ユニットによって、電磁誘導を介して無線充電受信ユニット201に無線接続されて、無線通信を行う。
【0047】
いくつかの実施形態において、無線通信方式は、Bluetooth、無線忠実度(wireless fidelity,WiFi)通信、高キャリア周波数に基づく近距離無線通信(NFC)、光通信、超音波通信、超広帯域通信及び移動通信などを含むが、これらに限定されない。本出願の実施形態はこれに対して具体的に限定しない。
【0048】
いくつかの実施形態において、無線充電受信ユニット201は、受信コイル及びAC/DC変換ユニットを含む。無線充電受信ユニット201は、受信コイルによって無線充電装置から送信された無線充電信号を交流(AC)に変換し、AC/DC変換ユニットによってACを整流及び/又はフィルタリングすることにより、ACを安定な直流(DC)に変換してからバッテリー206に提供して、バッテリー206を充電するために用いられる。
【0049】
いくつかの実施形態において、有線充電接続ユニット202は、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースを含む。有線充電接続ユニット202は、有線充電装置に接続されて、有線充電装置から出力された直流電圧及び直流電流を受け取ってバッテリー206に提供して、バッテリー206を充電するために用いられる。
【0050】
いくつかの実施形態において、充電管理ユニット203は、無線充電受信ユニット201から出力される直流電圧に対して昇圧又は降圧して、第一出力電圧及び第一出力電流を取得するために用いられる。第一出力電圧及び第一出力電流は、バッテリー206の充電要件を満たし、充電のためにバッテリー206に直接印加することができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、充電管理ユニット203は、有線充電接続ユニット202から出力された直流電圧に対して昇圧又は降圧して、第二出力電圧及び第二出力電流を取得するために用いられる。第二出力電圧及び第二出力電流は、バッテリー206の充電要件を満たし、充電のためにバッテリー206に直接印加することができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、充電管理ユニット203は、電圧変換ユニットを含む。電圧変換ユニットは、ブースト(boost)変換回路、バック(buck)変換回路、バックブースト(buck-boost)変換回路、又はロードロップアウト(low-dropout,LDO)レギュレータであることができる。電圧変換ユニットは、チャージポンプ回路又は直接充電回路であることもできる。本出願の実施形態はこれに対して具体的に限定しない。
【0053】
いくつかの実施形態において、制御ユニット204は、被充電機器20が無線充電モードにあると確定した場合、充電管理ユニット203と無線充電受信ユニット201との間の経路をオンにする(すなわち、有効にする)ために用いられる。制御ユニット204は、さらに、被充電機器20が有線充電モードにあると確定した場合、充電管理ユニット203と有線充電接続ユニット202との間の経路をオンにするために用いられる。
【0054】
いくつかの実施形態において、制御ユニット204は、被充電機器20内の独立したマイクロコントローラユニット(microcontroller unit,MCU)であることができるので、制御の信頼性を向上させることができる。別の実施形態において、制御ユニット204は、被充電機器20内のアプリケーションプロセッサ(application processor,AP)であることができるので、ハードウェアコストを節約することが可能である。本出願の実施形態はこれに対して具体的に限定しない。
【0055】
検出ユニット205は、バッテリー206のバッテリー電圧及び/又はバッテリー電流を検出するために用いられる。バッテリー電圧及びバッテリー電流は、充電管理ユニット203とバッテリー206との間の電圧値及び/又はは電流値であることができ、即ち充電管理ユニット203の出力電圧及び/又は出力電流であることができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、検出ユニット205は、電圧検出ユニット及び電流検出ユニットを含むことができる。電圧検出ユニットは、バッテリー電圧をサンプリングして、サンプリングされたバッテリー電圧値を制御ユニット204に送信するために用いられる。いくつかの実施形態において、電圧検出ユニットは、例えば、電圧分割するために用いられる、直列に接続された少なくとも1つの抵抗器(「分圧抵抗器」又は「分圧器」)の助けを借りて、バッテリー電圧をサンプリングすることができる。電流検出ユニットは、バッテリー電流をサンプリングして、サンプリングされたバッテリー電流値を制御ユニット204に送信するために用いられる。いくつかの実施形態において、電流検出ユニットは、電流検出抵抗器(current sensing resistor)及び電流検出器(current detector)を介してバッテリー電流をサンプリング及び検出することができる。
【0057】
制御ユニット204は、さらに、無線充電装置と通信して、検出ユニット205によって検出された電圧値及び/又は電流値を無線充電装置にフィードバックするために用いられる。従って、無線充電装置はフィードバックされた電圧値及び/又は電流値に基づいてその送信電力を調整することにより、バッテリー電圧値及び/又はバッテリー電流値がバッテリー206の必要とする充電電圧値及び/又は充電電流値と一致するようにする。
【0058】
図2に示された被充電機器に基づいて、以下、添付された図面を参照して本出願の各実施例を詳細に説明する。
【0059】
図3は、本出願の実施形態に係わる充電制御方法のフローチャートである。充電制御方法は、被充電機器に適用され、被充電機器内のバッテリーは複数のセルを含む。充電制御方法は、以下の内容を含む。
【0060】
S301、被充電機器の充電過程において、被充電機器内のバッテリーに対してK段階の定電流充電を行う。Kは1以上の正整数である。
【0061】
S302、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電し、第K番目の定電流充電段階に対応するプリセット電圧は充電カットオフ電圧であり、充電カットオフ電圧はバッテリーの定格電圧よりも高い。
【0062】
ここで使用される電圧と電流は以下のとおりである。
【0063】
第iプリセット電流:第i番目の定電流充電段階に対応するプリセット電流であり、第i番目の定電流充電段階でバッテリーを充電するための充電電流であり、
である。
【0064】
第iプリセット電圧:第i番目の定電流充電段階に対応するプリセット電圧であり、即ち第i番目の定電流充電段階の閾値電圧であり、バッテリーの電圧が第iプリセット電圧に達すると、充電段階は第i番目の定電流充電段階から第(i+1)番目の定電流充電段階に進み、
である。
【0065】
第Kプリセット電流:第K番目の定電流充電段階に対応するプリセット電流であり、第K番目の定電流充電段階でバッテリーを充電するための充電電流である。
【0066】
第Kプリセット電圧:第K番目の定電流充電段階に対応するプリセット電圧であり、第K番目の定電流充電段階に対応するプリセット電圧は充電カットオフ電圧である。
【0067】
第iプリセットセル電圧:第i番目の定電流充電段階の単一セルのプリセット閾値電圧であり、いずれかのセルの電圧が第iプリセットセル電圧より高い場合、充電段階は第i番目の定電流充電段階から第(i+1)番目の定電流充電段階に進む。
【0068】
第Kプリセットセル電圧:第K番目の定電流充電段階の単一セルのプリセット閾値電圧であり、いずれかのセルの電圧が第Kプリセットセル電圧より高い場合、バッテリーの充電が終了される。
【0069】
複数のセルが並列に接続されている場合、充電カットオフ電圧(つまり、第Kプリセット電圧)は第Kプリセットセル電圧と等しい。複数のセルが直列に接続されている場合、充電カットオフ電圧(つまり、第Kプリセット電圧)はN* 第Kプリセットセル電圧と等しい。Nはセルの数である。
【0070】
S303、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出する。
【0071】
S304、充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が、この定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御する。
【0072】
被充電機器の充電過程は、複数の定電流充電段階を含み得ることに留意されたい。定電流充電段階の数はKで表すことができる。ここで、Kは、1以上の正整数であり、例えば、K=5である。しかしながら、実際の応用において、Kは実際の状況(バッテリーの構造、材料など)に基づいて具体的に設定することができ、本出願の実施形態はこれに対して具体的に限定しない。
【0073】
また、第Kプリセット電圧は、第K番目の定電流充電段階に対応するプリセット電圧であり、即ち、被充電機器内のバッテリーの充電カットオフ電圧である。このように、最後の定電流充電段階では、検出されたバッテリーの電圧がバッテリーの充電カットオフ電圧と等しい場合、バッテリーの充電を直接に終了する。
【0074】
本出願の実施形態において、充電制御方法は、被充電機器に適用され、被充電機器内のバッテリーは複数のセルを含む。被充電機器の充電過程において、被充電機器内のバッテリーに対してK段階の定電流充電を行う。Kは1以上の正整数である。K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電する。K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出する。充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が、この定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御する。この充電過程は複数のセルを含むバッテリーに適用され、多段定電流充電を使用して定電流充電過程をできるだけ延長することにより、充電過程全体の充電時間を短縮し、充電速度を向上させる。
【0075】
いくつかの実装形態において、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することは、
前の(K-1)段階のうちの第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセット電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、
第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第Kプリセット電圧に達するまで、第Kプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、
を含み、
iは1以上且つ(K-1)以下の正整数であり、第(i+1)プリセット電流は第iプリセット電流より小さく、第Kプリセット電流は第(K-1)プリセット電流より小さく、第Kプリセット電圧は充電カットオフ電圧である。
【0076】
なお、各々の定電流充電段階(例えば、第i番目の定電流充電段階である)において、第iプリセット電流及び第iプリセット電圧は、それぞれ、被充電機器が第i番目の定電流充電段階のために予め設定した電流値及び電圧値を表す。定電流充電に大電流が流れると、充電停止後に充電電圧が下がるので、iが大きくなることにつれて充電電流は減少され、即ち、第(i+1)プリセット電流は第iプリセット電流より小さい。例えば、K=5であり、被充電機器内のバッテリーの複数のセルは並列に接続されると仮定し、第一番目の定電流充電段階では、第一プリセット電流はX(アンペア、A)であり、第一プリセット電圧はY1(ボルト、V)であり;第二番目の定電流充電段階では、第二プリセット電流はX-△A1であり、第二プリセット電圧はY2(V)であり;第三番目の定電流充電段では、第三プリセット電流はX-△A1-△A2であり、第三プリセット電圧はY3(V)であり;第四番目の定電流充電段では、第四プリセット電流はX-△A1-△A2-△A3であり、第四プリセット電圧はY4(V)であり;第五番目の定電流充電段では、第五プリセット電流はX-△A1-△A2-△A3-△A4であり、第五プリセット電圧はY5(V)である。しかしながら、実際の応用では、第iプリセット電流及び第iプリセット電圧は実際の状況(バッテリーの構造、材料など)に基づいて具体的に設定することができ、本出願の実施形態はこれに対して具体的に限定しない。
【0077】
本出願の実施形態において、第一プリセット電流Xは3Aより大きく、例えば、4Aであることができる。第二プリセット電流から第五プリセット電流まで徐々に小さくなり、即ち、後の段階の電流は前の段階の電流より小さい。例えば、△A1、△A2、△A3及び△A4は、0.5~1の間の値に設定されることができる。いくつかの実施形態において、第一プリセット電圧Y1、第二プリセット電圧Y2、第三プリセット電圧Y3、第四プリセット電圧Y4及び第五プリセット電圧Y5は、バッテリーの定格電圧以上であることができる。例えば、バッテリーの定格電圧がVであると、Y1、Y2、Y3、Y4及びY5はV+△Vと等しくことができ、ここで、△Vは0.05~0.5の値に設定されることができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、K段階の定電流充電において、各定電流充電段階に対応するプリセット電圧は同じであっても異なってもよく、且つ各定電流充電段階に対応するプリセット電圧はバッテリーの定格電圧より高いことができる。具体的には、複数のセルの場合、複数のセルのいずれかの各定電流充電段階に対応するプリセット電圧は、単一のセルの定格電圧より高いことができる。このようにして、複数のセルのそれぞれを過電圧充電することができるので、充電時間をできる限り短縮し、充電時間を節約する。
【0079】
いくつかの実装形態において、第i番目の定電流充電段階では、充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御することは、
検出されたバッテリーの充電電圧に基づいて、充電電圧が第iプリセット電圧より高いか否かを判断することと、ここで、第iプリセット電圧は第i番目の定電流充電段階のバッテリーのプリセット閾値電圧を表し、
検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧に基づいて、いずれか1つのセルの両端の電圧が第iプリセットセル電圧(即ち、単一セルの第iプリセット電圧である)より高いか否かを判断することと、ここで、第iプリセットセル電圧は第i番目の定電流充電段階の単一セルのプリセット閾値電圧を表し、
充電電圧が第iプリセット電圧より高い場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高い場合、被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、第i番目の定電流充電段階で検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧が第iプリセットセル電圧を超えないようにする。
【0080】
なお、被充電機器は、検出ユニット(図2に示された検出ユニット205など)を含む。検出ユニットは、一般的に、被検出回路に直列に接続され、被検出回路の電流及び/又は電圧を測定するために用いられる。本出願の実施形態において、検出ユニットは、抵抗式(電流検出抵抗器など)、又は磁気デバイス(電流トランスフォーマー(Current transformer)、電圧トランスフォーマー(Potential transformer)、ロゴスキーコイル(Rogowski coil)、ホールセンサー(Hall sensor)など)、又はトランジスタ(RDS(ON)など)であることができ、本出願の実施形態はこれに対して具体的に限定しない。
【0081】
このように、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの充電電圧が第iプリセット電圧と等しいことが検出された場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出された場合、被充電機器は第i番目の定電流充電段階から第(i+1)番目の定電流充電段階に進み、第i番目の定電流充電段階で検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧が第iプリセットセル電圧を超えないようにする。
【0082】
いくつかの実装形態において、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御した後、充電制御方法は、さらに、
第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの充電電圧が充電カットオフ電圧より高いことが検出された場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第Kプリセットセル電圧より高いことが検出された場合、バッテリーの充電を終了するか、又は充電カットオフ電圧をバッテリーに印加して定電圧充電すること、を含む。
【0083】
複数のセルが並列に接続されている場合、充電カットオフ電圧は第Kプリセットセル電圧と等しく、複数のセルが直列に接続されている場合、充電カットオフ電圧は「複数のセルのセル数×第Kプリセットセル電圧」と等しいことに注意してください。従って第K番目の定電流充電段階の後、バッテリーの充電電圧が充電カットオフ電圧よりも高いか及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第Kプリセットセル電圧より高い場合、バッテリーの充電を直接に終了することができ、又は充電カットオフ電圧を被充電機器のバッテリーに印加して定電圧充電することができ、本出願の実施形態はこれに対して具体的に限定しない。
【0084】
図4は、本発明の実施形態に係わる充電制御技術の概略図である。図4に示されたように、横軸は時間(T)を表し、縦軸は充電電流(I)を表す。被充電機器に対してK段階の定電流充電を行うと仮定する。第一番目の定電流充電段階では、第一プリセット電流Iで定電流充電して、第一充電時間tを経過した後、バッテリーの電圧が第一プリセット電圧Vに達し、且つこの定電流充電段階の複数のセルのそれぞれの両端の電圧は第一プリセットセル電圧を超えない。次に、充電電流を第一プリセット電流Iから第二プリセット電流Iに減らして、第二番目の定電流充電段階に進む。第二番目の定電流充電段階では、第二プリセット電流Iで定電流充電して、第二充電時間tを経過した後、バッテリーの電圧が第二プリセット電圧Vに達し、且つこの定電流充電段階の複数のセルのそれぞれの両端の電圧は第二プリセットセル電圧を超えない。充電電流を徐々に減らし、上記の手順を繰り返す。充電電流を第iプリセット電流Iに減少すると、第i番目の定電流充電段階に進む。第i番目の定電流充電段階では、第iプリセット電流Iで定電流充電して、第i充電時間tを経過した後、バッテリーの電圧が第iプリセット電圧Vに達し、且つこの定電流充電段階の複数のセルのそれぞれの両端の電圧は第iプリセットセル電圧を超えない。このように、最後の定電流充電段階に進み、即ち第K番目の定電流充電段階では、第Kプリセット電流Iで定電流充電して、第K充電時間tを経過した後、バッテリーの電圧が第Kプリセット電圧V(即ち、充電カットオフ電圧である)に達し、この時、バッテリーの充電を終了することができる。このように、上記の充電過程は多段定電流充電を採用するので、定電流充電過程をできるだけ延長することができ、充電過程全体の充電時間を短縮する。また、上記の充電過程では定電圧充電段を排除したので、充電過程全体の充電時間をさらに節約し、充電速度を向上させることができる。
【0085】
第iプリセット電圧は第i番目の定電流充電段階のバッテリーのプリセット閾値電圧を表し、第iプリセットセル電圧は第i番目の定電流充電段階の単一セルのプリセット閾値電圧を表す。複数のセルのセル数がNであると仮定し、Nは1より大きい正整数であると、バッテリーの複数のセルが直列に接続されている場合、第iプリセット電圧はN倍の第iプリセットセル電圧と等しく、バッテリーの複数のセルが並列に接続されている場合、第iプリセット電圧は第iプリセットセル電圧と等しい。
【0086】
いくつかの実施形態において、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセット電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することは、
複数のセルの構造を判断することと、
複数のセルが直列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧のN倍に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、Nは複数のセルのセル数を表し、且つNは1より大きい正整数であり、
複数のセルが並列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、
を含む。
【0087】
バッテリーの複数のセルは直列又は並列に接続されることができ、本出願の実施形態はこれに対して具体的に限定しないことに留意されたい。被充電機器は先ず複数のセルの構造を判断することを必要として、複数のセルが直列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧のN倍(即ち、N×第iプリセットセル電圧)に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電し、複数のセルが並列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電する。
【0088】
いくつかの実装形態において、複数のセルが直列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧のN倍に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電してから、充電制御方法は、さらに、
第iプリセットセル電圧のN倍をバッテリーに印加して定電圧充電することと、
バッテリーの充電電流が第(i+1)プリセット電流と等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御し、第(i+1)プリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、
を含む。
【0089】
選択的には、第K番目の定電流充電段階では、充電制御方法は、バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧のN倍と等しいことが検出されると、バッテリの充電を終了することをさらに含む。第Kプリセットセル電圧のN倍は、充電カットオフ電圧である。
【0090】
選択的には、第K番目の定電流充電段階では、充電制御方法は、
バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧のN倍と等しいことが検出されると、第Kプリセットセル電圧のN倍をバッテリーに印加して定電圧充電することと、
バッテリーの充電電流が充電カットオフ電流より小さいことが検出されると、バッテリーの充電を終了することと、
をさらに含む。
【0091】
いくつかの実装形態において、複数のセルが並列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電してから、充電制御方法は、
第iプリセットセル電圧をバッテリーに印加して定電圧充電することと、
バッテリーの充電電流が第(i+1)プリセット電流と等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御し、第(i+1)プリセット電流でバッテリーに対して定電流充電することと、
をさらに含む。
【0092】
いくつかの実装形態において、第K番目の定電流充電段階では、充電制御方法は、バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧と等しいことが検出されると、バッテリーの充電を終了することをさらに含む。ここで、第Kプリセットセル電圧は、充電カットオフ電圧である。
【0093】
選択的には、第K番目の定電流充電段階では、充電制御方法は、
バッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧と等しいことが検出されると、第Kプリセットセル電圧をバッテリーに印加して定電圧充電することと、
バッテリーの充電電流が充電カットオフ電流よりも小さいことが検出されると、バッテリーの充電を終了することと、
をさらに含む。
【0094】
複数のセルが直列に接続されているか並列に接続されているかに係わらず、複数の定電流充電段階にとって、各々の定電流充電段階と次の定電流充電段階との間は定電圧充電によって接続することができる。このようにして充電電流の突然の低下を回避することができる。電流の急激な変化は、バッテリーの材質にあるほど影響を与えるので、バッテリーの損傷を引き起こし易く、バッテリーの耐久性を低下させ、バッテリーの寿命を短縮する。従って、第i番目の定電流充電段と第(i+1)番目の定電流充電段階との間は定電圧充電によって接続することができ、充電電流の急激な変化を回避することに加えて、充電時間をさらに節約することができ、充電速度を向上させることができる。
【0095】
さらに、複数のセルが直列に接続されているか並列に接続されているかに係わらず、第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第Kプリセット電圧(例えば、N個のセルが直列に接続されている場合、第Kプリセット電圧は第Kプリセットセル電圧のN倍と等しく、N個のセルが並列に接続されている場合、第Kプリセット電圧は第Kプリセットセル電圧と等しい)と等しいことが検出されると、バッテリーの充電を直接に終了することができる。上記の充電過程では、定電圧充電段階を省略する。又は、バッテリーの電圧が第Kプリセット電圧と等しいことが検出されると、先ず、第Kプリセット電圧をバッテリーに印加して定電圧充電することができ、そして、バッテリーの充電電流が充電カットオフ電流よりも小さいことが検出されると、バッテリの充電を終了する。上記の充電過程では、定電圧充電段階を保留したが、多段定電流充電を採用することにより、定電流充電過程をできるかぎり延長することができ、充電過程全体の充電時間を短縮することができる。上述した2つの処理方式は、両方とも充電時間を節約し且つ充電速度を向上させる目的を実現することができる。実際の応用では、実際の情況に応じて具体的に設定することができ、本出願の実施形態はこれに対して具体的に限定しない。
【0096】
図5は、本発明の別の実施形態に係わる充電制御技術の概略図である。図5に示されたように、横軸は時間(T)を表し、縦軸は充電電流(I)を表す。被充電機器に対してK段階の定電流充電を行うと仮定する。第一番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第一プリセット電圧Vに達するまで、第一プリセット電流Iで定電流充電してから、第一プリセット電圧Vをバッテリーに印加して定電圧充電して、第一充電時間tを経過した後、バッテリーの充電電流が第二プリセット電流Iと等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第一プリセットセル電圧より高いことが検出されると、被充電機器は第二番目の定電流充電段階に進む。第二番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第二プリセット電圧Vに達するまで、第二プリセット電流Iで定電流充電してから、第二プリセット電圧Vをバッテリーに印加して定電圧充電して、第二充電時間tを経過した後、バッテリーの充電電流が第三プリセット電流Iと等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第二プリセットセル電圧より高いことが検出されると、被充電機器は第三番目の定電流充電段階に進む。上記の手順を繰り返す。第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセット電圧Vに達するまで、第iプリセット電流Iで定電流充電してから、第iプリセット電圧Vをバッテリーに印加して定電圧充電して、第i充電時間tを経過した後、バッテリーの充電電流が第(i+1)プリセット電流Ii+1と等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、被充電機器は第(i+1)番目の定電流充電段階に進む。このように、最後の定電流充電段階に進み、即ち第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第Kプリセット電圧V(即ち、充電カットオフ電圧Vendである)に達するまで、第Kプリセット電流Iで定電流充電して、バッテリーの充電電圧がVと等しいことが検出されると、バッテリーの充電を終了することができる。
【0097】
いくつかの実施形態において、第iプリセットセル電圧は単一セルの定格電圧より高い。
【0098】
被充電機器の充電過程において、第iプリセットセル電圧は、第i番目の定電流充電段階における単一セルのプリセット閾値電圧を表すことに留意されたい。各定電流充電段階に対応するプリセットセル電圧は同じであっても異なってもよく、本出願の実施形態は具体的に限定しない。本出願の実施形態において、第iプリセットセル電圧は単一セルの定格電圧より高いことができる。このようにして、複数のセルのそれぞれを過電圧充電することができるので、充電期間をできる限り短縮し、充電時間を節約する。従って、関連技術と比較して、充電時間を大幅に節約し、充電効率を大幅に向上させることができる。
【0099】
いくつかの実施形態において、第iプリセットセル電圧は、単一セルの定格電圧とプリセット電圧差との合計と等しくなるように設定されることができる。プリセット電圧差ΔVは、0.05V又は0.5Vであることができる。一般的に、ΔVは0.05V~0.5Vの間の値を取ることができる。実際の応用では、ΔVは実際の情況に応じて設定されることができ、本出願の実施形態はこれに対して具体的に限定しない。
【0100】
いくつかの実装形態において、被充電機器の充電モードは、無線充電モード及び有線充電モードを含み、充電制御方法は、充電モードを選択することによって、無線充電モード又は有線充電モードでバッテリーを充電するように、被充電機器を制御することをさらに含む。
【0101】
なお、本出願の実装形態に係わる充電制御方法は、被充電機器の無線充電モード及び被充電機器の有線充電モードの両方に適用可能であることに留意されたい。充電モードを選択することにより、無線充電モード又は有線充電モードで被充電機器のバッテリーを充電することができる。また、上記の充電過程では多段定電流充電を採用するので、定電流充電過程をできるかぎり延長することができ、充電過程全体の充電時間を短縮し、充電速度を向上させることができる。
【0102】
さらに、複数のセルが並列に接続されている場合、第i番目の定電流充電段階では、複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、第i番目の定電流充電段階の第iプリセットセル電圧に達したセルに対応する充電経路を切断し、第i番目の定電流充電段階の第iプリセットセル電圧に達していないセルを充電し続ける。換言すると、複数のセルの場合、複数のセルのそれぞれに対して、いずれも上記の充電制御方法によって独立に充電操作することができる。
【0103】
上述した実施形態は、充電制御方法を提供する。この方法は、被充電機器に適用され、被充電機器内のバッテリーは複数のセルを含む。被充電機器の充電過程において、被充電機器内のバッテリーに対してK段階の定電流充電を行う。Kは1以上の正整数である。K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電する。K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出する。充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が、この定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御する。この充電過程は多段定電流充電を採用して、定電流充電時間をできるだけ延長することにより、充電時間全体を短縮し、充電速度を向上させる。
【0104】
図3に示された技術的解決策と同じ発明概念に基づいて、図6を参照すると、本発明の実施形態に係わる充電制御装置60の構造を示す概略図である。充電制御装置60は、被充電機器に適用可能であり、被充電機器内のバッテリーは複数のセルを含む。充電制御装置60は、充電ユニット601、検出ユニット602及び制御ユニット603を含む。充電ユニット601は、被充電機器の充電過程において、被充電機器内のバッテリーに対してK段階の定電流充電を行うために用いられ、Kは1以上の正整数である。充電ユニット601は、さらに、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられ、第K番目の定電流充電段階に対応するプリセット電圧は充電カットオフ電圧であり、充電カットオフ電圧はバッテリーの定格電圧よりも高い。検出ユニット602は、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出するために用いられる。制御ユニット603は、充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が、この定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御するために用いられる。
【0105】
いくつかの実装形態において、充電ユニット601は、具体的に、前の(K-1)段階のうちの第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセット電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられ、iは1以上且つ(K-1)以下の正整数であり、第(i+1)プリセット電流は第iプリセット電流より小さい。充電ユニット601は、さらに、第K番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第Kプリセット電圧に達するまで、第Kプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられ、第Kプリセット電流は第(K-1)プリセット電流より小さく、第Kプリセット電圧は充電カットオフ電圧である。
【0106】
いくつかの実装形態において、第i番目の定電流充電段階では、制御ユニット603は、具体的に、検出されたバッテリーの充電電圧に基づいて、充電電圧が第iプリセット電圧より高いか否かを判断し、ここで、第iプリセット電圧は第i番目の定電流充電段階のバッテリーのプリセット閾値電圧を表し、検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧に基づいて、いずれか1つのセルの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いか否かを判断し、ここで、第iプリセットセル電圧は第i番目の定電流充電段階の単一セルのプリセット閾値電圧を表し、充電電圧が第iプリセット電圧より高い場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高い場合、被充電機器が第i+1番目の定電流充電段階に進むように制御して、第i番目の定電流充電段階で検出された複数のセルのそれぞれの両端の電圧が第iプリセットセル電圧を超えないようにするために用いられる。
【0107】
いくつかの実装形態において、第K番目の定電流充電段階では、検出ユニット602によってバッテリーの充電電圧が充電カットオフ電圧より高いことが検出された場合及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第Kプリセットセル電圧より高いことが検出された場合、制御ユニット603は、さらに、バッテリーの充電を終了するか、又は充電カットオフ電圧をバッテリーに印加して定電圧充電するために用いられる。
【0108】
いくつかの実装形態において、制御ユニット603は、さらに複数のセルの構造を判断するために用いられる。制御ユニット603によって複数のセルが直列に接続されていると判断した場合、充電ユニット601は、具体的に、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧のN倍に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられ、Nは複数のセルのセル数を表し、且つNは1より大きい正整数である。制御ユニット603によって複数のセルが並列に接続されていると判断した場合、充電ユニット601は、さらに、第i番目の定電流充電段階では、バッテリーの電圧が第iプリセットセル電圧に達するまで、第iプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられる。
【0109】
いくつかの実装形態において、複数のセルが直列に接続されている場合、充電ユニット601は、さらに、第iプリセットセル電圧のN倍をバッテリーに印加して定電圧充電するために用いられ、
検出ユニット602によってバッテリーの充電電流が第(i+1)プリセット電流と等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、制御ユニット603は、さらに、被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御して、第(i+1)プリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられる。
【0110】
いくつかの実装形態において、複数のセルが並列に接続されている場合、充電ユニット601は、さらに、第iプリセットセル電圧をバッテリーに印加して定電圧充電するために用いられ、
検出ユニット602によってバッテリーの充電電流が第(i+1)プリセット電流と等しいこと及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が第iプリセットセル電圧より高いことが検出されると、制御ユニット603は、さらに、被充電機器が第(i+1)番目の定電流充電段階に進むように制御し、第(i+1)プリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられる。
【0111】
いくつかの実装形態において、複数のセルが直列に接続されている場合、検出ユニット602によってバッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧のN倍と等しいことが検出されると、制御ユニット603は、さらにバッテリの充電を終了するために用いられ、第Kプリセットセル電圧のN倍は、充電カットオフ電圧である。
【0112】
いくつかの実装形態において、複数のセルが直列に接続されている場合、検出ユニット602によってバッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧のN倍と等しいことが検出されると、充電ユニット601は、さらに第Kプリセットセル電圧のN倍をバッテリーに印加して定電圧充電するために用いられ、
検出ユニット602によってバッテリーの充電電流が充電カットオフ電流より小さいことが検出されると、制御ユニット603は、さらにバッテリーの充電を終了するために用いられる。
【0113】
いくつかの実装形態において、複数のセルが並列に接続されている場合、検出ユニット602によってバッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧と等しいことが検出されると、制御ユニット603は、さらにバッテリーの充電を終了するために用いられ、第Kプリセットセル電圧は充電カットオフ電圧である。
【0114】
いくつかの実装形態において、複数のセルが並列に接続されている場合、検出ユニット602によってバッテリーの充電電圧が第Kプリセットセル電圧と等しいことが検出されると、充電ユニット601は、さらに第Kプリセットセル電圧をバッテリーに印加して定電圧充電するために用いられ、
検出ユニット602によってバッテリーの充電電流が充電カットオフ電流よりも小さいことが検出されると、制御ユニット603は、さらにバッテリーの充電を終了するために用いられる。
【0115】
いくつかの実施形態において、第iプリセットセル電圧は単一セルの定格電圧より高い。
【0116】
いくつかの実装形態において、被充電機器の充電モードは、無線充電モード及び有線充電モードを含み、制御ユニット603は、さらに充電モードを選択することによって、無線充電モード又は有線充電モードでバッテリーを充電するように、被充電機器を制御するために用いられる。
【0117】
本実施形態において、「ユニット」は、回路の一部、プロセッサの一部、プログラム又はソフトウェアの一部などであることができる。もちろん、「ユニット」は、モジュール又は非モジュラーであることもできる。さらに、本実施形態における各構成部分は、1つの処理ユニットに集積されてもよいし、物理的に分離された複数のユニットとして存在してもよいし、2つ以上のユニットは1つのユニットに集積してもよい。集積ユニットは、ハードウェアの形式又はソフトウェアの機能ユニットの形式で実現されることもできる。
【0118】
上述した集積ユニットは、ソフトウェア機能ユニットとして実現され、独立の製品として販売されたり使用されたりする場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されてもよい。この理解によれば、本実施例の技術方案の本質、又は従来技術に貢献できた部分、又は該技術方案の一部又は全部は、ソフトウェア製品として表現され得る。このコンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶されており、1つのコンピュータ(パソコン、サーバー、又はネットワーク機器などであってもよい)又はプロセッサに本実施例に係る方法の全部又は一部を実行させるの複数のコマンドが含まれている。記憶媒体は、USBフラッシュメモリー、モバイルハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスクなどの各種のプログラムコードを記憶可能な媒体を含む。
【0119】
従って、本実施例は、充電制御プログラムが格納されたコンピュータ記憶媒体を提供する。充電制御プログラムが少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、図3に示された技術的解決策の方法を実行する。
【0120】
充電制御装置60の構成及びコンピュータ記憶媒体に基づいて、図7を参照すると、図7は、本発明の実施形態に係わる充電制御装置60の具体的なハードウェア構造を示す概略図である。図7に示されたように、充電制御装置60は、ネットワークインターフェース701、メモリ702及びプロセッサ703を含む。上記の各構成要素は、バスシステム704を介して一緒に結合される。バスシステム704は、これらの構成要素間の接続通信を実現するために用いられる。バスシステム704は、データバスに加えて、電源バス、制御バス及び状態信号バスを含む。しかしながら、明確に説明するために、様々なタイプのバスは、図7ではバスシステム704として示される。ネットワークインターフェース701は、他の外部ネットワーク要素とメッセージを送受信しながら信号を送受信するために用いられる。
【0121】
メモリ702は、プロセッサ703で実行可能なコンピュータプログラムを格納するために用いられる。プロセッサ703は、コンピュータプログラムが実行されるとき、以下の操作を実行するために用いられる。
プロセッサ703は、被充電機器の充電過程において、被充電機器内のバッテリーに対してK段階の定電流充電を行うために用いられる。Kは1以上の正整数である。
プロセッサ703は、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電するために用いられる。第K番目の定電流充電段階に対応するプリセット電圧は充電カットオフ電圧であり、充電カットオフ電圧はバッテリーの定格電圧よりも高い。
プロセッサ703は、K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出するために用いられる。
プロセッサ703は、充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧が、この定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御するために用いられる。
【0122】
本出願の実施形態に係わるメモリ702は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであることができるか、又は揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含むことができる。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(Programmable Read-Only Memory, PROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(Erasable Programmable Read-Only Memory, EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory, EEPROM)又はフラッシュメモリ(Flash Memory)であることができる。揮発性メモリは、外部高速キャッシュとして機能するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)であることができる。例示的であるが限定的ではない例として、多い形式のRAMが利用可能であり、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory,SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory,DRAM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchronous Dynamic Random Access Memory,SDRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory,DDRSDRAM)、拡張同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Enhanced Synchronous Dynamic Random Access Memory,ESDRAM)、同期接続ダイナミックランダムアクセスメモリ(Synch-link Dynamic Random Access Memory,SLDRAM)、ダイレクトランバスランダムアクセスメモリ(Direct Rambus Random Access Memory,DRRAM)である。本明細書に記載されたシステム及び方法のメモリ702は、これら及び他の任意の適切なタイプのメモリを含むことができるが、これらに限定されない。
【0123】
プロセッサ703は、信号処理機能を有する集積回路チップであることができる。実施過程において、上述した方法の各ステップは、プロセッサ703のハードウェアの集積論理回路(integrated logic circuit)又はソフトウェア形式の命令によって完成することができる。プロセッサ703は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであることができる。本出願の実施例で開示された方法、ステップ及び論理ブロック図を実現又は実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであることができ、又はプロセッサは任意の従来のプロセッサなどであることができる。本出願の実施例で開示された方法のステップは、直接にハードウェア復号化プロセッサによって実行することができるか、又は復号化プロセッサ内のハードウェア及びソフトウェアモジュールの組合せによって実行することができる。ソフトウェアモジュールは、RAM、フラッシュメモリ、ROM、PROM又は電気的に消去可能なプログラム可能なメモリ、レジスタなどの記憶媒体にあることができる。記憶媒体はメモリ702に位置する。プロセッサ703は、メモリ702内の情報を読み取り、そのハードウェアとともに上述したの方法のステップを完成する。
【0124】
本明細書に記載されたこれらの実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はその組合によって実現することができる。ハードウェアによって実現する場合、処理ユニットは、1つ以上の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits,ASIC)、デジタル信号プロセッシング(Digital Signal Processing,DSP)、DSPデバイス(DSP Device,DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device,PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array,FPGA)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本出願に記載された機能を実行するための他の電子ユニット又はそれらの組み合わせで実現されることができる。
【0125】
ソフトウェアによって実現する場合、本明細書に記載された機能モジュール(例えば、プロセス、関数など)を実行することにより、本明細書に記載された技術を実現することができる。ソフトウェアコードはメモリに格納されて、プロセッサによって実行することができる。メモリは、プロセッサ内又はプロセッサの外部で実現することができる。
【0126】
選択的には、他の実装形態として、プロセッサ703は、コンピュータプログラムを実行するとき、図3に示された技術方案の方法を実行するために用いられる。
【0127】
図8は、本発明の別の実施形態に係わる被充電機器80の構造を示す概略図であるである。図8に示されたように、被充電機器80は、少なくとも前述した実施形態のいずれかに記載された充電制御装置60を含む。
【0128】
本出願の実施例に記載された技術方案は、矛盾がないかぎり任意に組み合わせることができる。
【0129】
上述したのは、ただ本願の具体的な実施形態であり、本願の保護範囲はこれに限定されるものではない。当業者であれば、本願に開示された技術範囲内で変更又は置換を容易に想到しうることであり、全て本出願の範囲内に含まれるべきである。従って本願の保護範囲は特許請求の範囲によって決めるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本出願の実施形態において、充電制御方法は被充電機器に適用され、被充電機器内のバッテリーは複数のセルを含む。被充電機器の充電過程において、被充電機器内のバッテリーに対してK段階の定電流充電を行う。Kは1以上の正整数である。K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階では、バッテリーの電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧に達するまで、この定電流充電段階に対応するプリセット電流でバッテリーに対して定電流充電する。K段階の定電流充電における各々の定電流充電段階で、バッテリーに印加された充電電圧と複数のセルのそれぞれの両端の電圧を検出する。充電電圧及び/又は複数のセルのいずれかの両端の電圧がこの定電流充電段階に対応するプリセット電圧より高い場合、被充電機器が次の定電流充電段階に進むように制御する。この充電過程は複数のセルを含むバッテリーに適用され、多段定電流充電を使用して定電流充電過程をできるだけ延長することにより、充電過程全体の充電時間を短縮し、充電速度を向上させる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8