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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20230711BHJP
   A24F 40/65 20200101ALI20230711BHJP
   A24F 40/60 20200101ALI20230711BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/65
A24F40/60
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021566639
(86)(22)【出願日】2019-12-25
(86)【国際出願番号】 JP2019050845
(87)【国際公開番号】W WO2021130902
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】千住 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】芹田 和俊
(72)【発明者】
【氏名】菅野 有香
(72)【発明者】
【氏名】鷹谷 彩子
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-521739(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0120867(US,A1)
【文献】特開2009-017564(JP,A)
【文献】特開2019-128784(JP,A)
【文献】国際公開第2019/198552(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-40/95
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引装置を用いて行われた吸引に関して取得された情報である吸引情報が取得される度に、取得された前記吸引情報を送信する処理である、送信処理を制御する制御部を備え、
前記制御部は、ユーザにより設定された除外条件を満たす前記吸引情報を前記送信処理における送信対象から除外するよう前記吸引情報の送信元を制御し、
前記吸引情報は、複数の情報を含み、
前記除外条件は、前記吸引情報が取得された状況に関する第1の除外条件と、前記吸引情報に含まれる複数の情報のうち、前記送信対象から除外する一部の情報を指定する第2の除外条件と、を含み、
前記制御部は、前記第1の除外条件が満たされた状況において取得された前記吸引情報に含まれる複数の情報のうち、前記第2の除外条件において指定された一部の情報を、前記送信対象から除外するよう前記送信元を制御する、制御装置。
【請求項2】
前記第1の除外条件は、前記吸引情報が取得された時刻が、前記ユーザにより設定された期間に含まれることを含む、請求項に記載の制御装置。
【請求項3】
前記期間の開始時刻は、前記吸引情報を前記送信対象から除外するよう指示する操作が受け付けられた時刻である、請求項に記載の制御装置。
【請求項4】
前記期間の長さは、前記ユーザにより設定される、請求項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記期間は、前記ユーザにより予約される、請求項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第1の除外条件は、前記吸引情報が取得された位置が、前記ユーザにより設定された位置の範囲に含まれることを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記吸引情報は、前記第2の除外条件において前記送信対象から除外する情報として設定することができない情報を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記送信処理は、前記吸引装置が前記吸引装置に関連する端末装置に前記吸引情報を送信する第1の送信処理、及び前記端末装置が前記吸引情報を収集する収集装置に前記吸引情報を送信する第2の送信処理を含み、
前記除外条件は、前記第1の送信処理、及び前記第2の送信処理の各々に対し、それぞれ設定される、請求項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記端末装置は、前記第1の送信処理において前記吸引装置から受信した前記吸引情報のうち、前記第2の送信処理において前記収集装置への送信対象から除外した情報を、表示する、
請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記送信対象から除外された前記吸引情報を破棄するよう前記送信元を制御する、請求項1~のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記送信対象から除外された前記吸引情報を記憶し、記憶された前記吸引情報について前記ユーザにより送信することが許可された場合、許可された前記吸引情報を送信するよう、前記送信元を制御する、請求項1~のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記送信処理は、前記吸引装置が前記吸引情報を収集する収集装置に前記吸引情報を送信する処理を含み、
前記制御部は、前記除外条件を満たす前記吸引情報を前記送信対象から除外するよう前記送信元を制御する、請求項1~1のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
吸引装置を用いて行われた吸引に関して取得された情報である吸引情報が取得される度に、取得された前記吸引情報を送信する処理である、送信処理を制御すること、
を含み、
前記送信処理を制御することは、ユーザにより設定された除外条件を満たす前記吸引情報を前記送信処理における送信対象から除外するよう前記吸引情報の送信元を制御することを含
前記吸引情報は、複数の情報を含み、
前記除外条件は、前記吸引情報が取得された状況に関する第1の除外条件と、前記吸引情報に含まれる複数の情報のうち、前記送信対象から除外する一部の情報を指定する第2の除外条件と、を含み、
前記吸引情報の送信元を制御することは、前記第1の除外条件が満たされた状況において取得された前記吸引情報に含まれる複数の情報のうち、前記第2の除外条件において指定された一部の情報を、前記送信対象から除外するよう前記送信元を制御することを含む、
制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、
吸引装置を用いて行われた吸引に関して取得された情報である吸引情報が取得される度に、取得された前記吸引情報を送信する処理である、送信処理を制御する制御部、
として機能させ、
前記制御部は、ユーザにより設定された除外条件を満たす前記吸引情報を前記送信処理における送信対象から除外するよう前記吸引情報の送信元を制御し、
前記吸引情報は、複数の情報を含み、
前記除外条件は、前記吸引情報が取得された状況に関する第1の除外条件と、前記吸引情報に含まれる複数の情報のうち、前記送信対象から除外する一部の情報を指定する第2の除外条件と、を含み、
前記制御部は、前記第1の除外条件が満たされた状況において取得された前記吸引情報に含まれる複数の情報のうち、前記第2の除外条件において指定された一部の情報を、前記送信対象から除外するよう前記送信元を制御する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及びネブライザ等の、ユーザに吸引される物質を生成する吸引装置が広く普及している。例えば、吸引装置は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源、及び生成されたエアロゾルに香味成分を付与するための香味源等を含む基材を用いて、香味成分が付与されたエアロゾルを生成する。ユーザは、吸引装置により生成された、香味成分が付与されたエアロゾルを吸引することで、香味を味わうことができる。
【0003】
近年では、マーケティング等に使用するために、吸引装置の情報を収集することが検討されている。吸引装置の情報を吸引装置から収集するための技術の一例として、下記特許文献1では、吸引装置が、再充電のために有線接続される度に、有線接続路を経由して情報を送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2015-507477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、吸引装置の情報が全て収集されていた。よって、ユーザが知らない間に、提供することを望まない情報までも収集されてしまい、不測の不利益をユーザに与えてしまうおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、吸引装置の情報を選択的に収集することが可能な仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、吸引装置を用いて行われた吸引に関して取得された情報である吸引情報が取得される度に、取得された前記吸引情報を送信する処理である、送信処理を制御する制御部を備え、前記制御部は、ユーザにより設定された除外条件を満たす前記吸引情報を前記送信処理における送信対象から除外するよう前記吸引情報の送信元を制御する、制御装置が提供される。
【0008】
前記除外条件は、前記吸引情報が取得された状況に関する第1の除外条件を含み、前記制御部は、前記第1の除外条件が満たされた状況において取得された前記吸引情報を前記送信対象から除外するよう前記送信元を制御してもよい。
【0009】
前記第1の除外条件は、前記吸引情報が取得された時刻が、前記ユーザにより設定された期間に含まれることを含んでいてもよい。
【0010】
前記期間の開始時刻は、前記吸引情報を前記送信対象から除外するよう指示する操作が受け付けられた時刻であってもよい。
【0011】
前記期間の長さは、前記ユーザにより設定されてもよい。
【0012】
前記期間は、前記ユーザにより予約されてもよい。
【0013】
前記第1の除外条件は、前記吸引情報が取得された位置が、前記ユーザにより設定された位置の範囲に含まれることを含んでいてもよい。
【0014】
前記吸引情報は、複数の情報を含み、前記除外条件は、前記吸引情報に含まれる複数の情報のうち、前記送信対象から除外する一部の情報を指定する第2の除外条件を含み、前記制御部は、前記第1の除外条件が満たされた状況において取得された前記吸引情報に含まれる複数の情報のうち、前記第2の除外条件において指定された一部の情報を、前記送信対象から除外するよう前記送信元を制御してもよい。
【0015】
前記吸引情報は、前記第2の除外条件において前記送信対象から除外する情報として設定することができない情報を含んでいてもよい。
【0016】
前記送信処理は、前記吸引装置が前記吸引装置に関連する端末装置に前記吸引情報を送信する第1の送信処理、及び前記端末装置が前記吸引情報を収集する収集装置に前記吸引情報を送信する第2の送信処理を含み、前記除外条件は、前記第1の送信処理、及び前記第2の送信処理の各々に対し、それぞれ設定されてもよい。
【0017】
前記制御部は、前記送信対象から除外された前記吸引情報を破棄するよう前記送信元を制御してもよい。
【0018】
前記制御部は、前記送信対象から除外された前記吸引情報を記憶し、記憶された前記吸引情報について前記ユーザにより送信することが許可された場合、許可された前記吸引情報を送信するよう、前記送信元を制御してもよい。
【0019】
前記送信処理は、前記吸引装置が前記吸引情報を収集する収集装置に前記吸引情報を送信する処理を含み、前記制御部は、前記除外条件を満たす前記吸引情報を前記送信対象から除外するよう前記送信元を制御してもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、吸引装置を用いて行われた吸引に関して取得された情報である吸引情報が取得される度に、取得された前記吸引情報を送信する処理である、送信処理を制御すること、を含み、前記送信処理を制御することは、ユーザにより設定された除外条件を満たす前記吸引情報を前記送信処理における送信対象から除外するよう前記吸引情報の送信元を制御することを含む、制御方法が提供される。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、吸引装置を用いて行われた吸引に関して取得された情報である吸引情報が取得される度に、取得された前記吸引情報を送信する処理である、送信処理を制御する制御部、として機能させ、前記制御部は、ユーザにより設定された除外条件を満たす前記吸引情報を前記送信処理における送信対象から除外するよう前記吸引情報の送信元を制御する、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、吸引装置の情報を選択的に収集することが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。
図2】吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係るシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る端末装置により表示される除外条件の設定画面の一例を説明するための図である。
図5】本実施形態に係る端末装置により表示される除外条件の設定画面の一例を説明するための図である。
図6】本実施形態に係る端末装置により表示される除外条件の設定画面の一例を説明するための図である。
図7】本実施形態に係る吸引装置により実行される第1の送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】本実施形態に係る端末装置により実行される第2の送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて吸引装置100A、及び100Bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、吸引装置100A、及び100Bを特に区別する必要が無い場合には、単に吸引装置100と称する。
【0026】
<<1.吸引装置の構成例>>
吸引装置は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。以下では、吸引装置により生成される物質が、エアロゾルであるものとして説明する。他に、吸引装置により生成される物質は、気体であってもよい。
【0027】
(1)第1の構成例
図1は、吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。図1に示すように、本構成例に係る吸引装置100Aは、電源ユニット110、カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130を含む。電源ユニット110は、電源部111A、センサ部112A、通知部113A、記憶部114A、通信部115A、及び制御部116Aを含む。カートリッジ120は、加熱部121A、液誘導部122、及び液貯蔵部123を含む。香味付与カートリッジ130は、香味源131、及びマウスピース124を含む。カートリッジ120及び香味付与カートリッジ130には、空気流路180が形成される。
【0028】
電源部111Aは、電力を蓄積する。そして、電源部111Aは、制御部116Aによる制御に基づいて、吸引装置100Aの各構成要素に電力を供給する。電源部111Aは、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電式バッテリにより構成され得る。
【0029】
センサ部112Aは、吸引装置100Aに関する各種情報を取得する。一例として、センサ部112Aは、マイクロホンコンデンサ等の圧力センサ、流量センサ又は温度センサ等により構成され、ユーザによる吸引に伴う値を取得する。他の一例として、センサ部112Aは、ボタン又はスイッチ等の、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置により構成される。
【0030】
通知部113Aは、情報をユーザに通知する。通知部113Aは、例えば、発光する発光装置、画像を表示する表示装置、音を出力する音出力装置、又は振動する振動装置等により構成される。
【0031】
記憶部114Aは、吸引装置100Aの動作のための各種情報を記憶する。記憶部114Aは、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0032】
通信部115Aは、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行うことが可能な通信インタフェースである。かかる通信規格としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。
【0033】
制御部116Aは、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って吸引装置100A内の動作全般を制御する。制御部116Aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。
【0034】
液貯蔵部123は、エアロゾル源を貯蔵する。エアロゾル源が霧化されることで、エアロゾルが生成される。エアロゾル源は、例えば、グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール、並びに水等の液体である。エアロゾル源は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。吸引装置100Aがネブライザ等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源は、薬剤を含んでもよい。
【0035】
液誘導部122は、液貯蔵部123に貯蔵された液体であるエアロゾル源を、液貯蔵部123から誘導し、保持する。液誘導部122は、例えば、ガラス繊維等の繊維素材又は多孔質状のセラミック等の多孔質状素材を撚って形成されるウィックである。その場合、液貯蔵部123に貯蔵されたエアロゾル源は、ウィックの毛細管効果により誘導される。
【0036】
加熱部121Aは、エアロゾル源を加熱することで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。図1に示した例では、加熱部121Aは、コイルとして構成され、液誘導部122に巻き付けられる。加熱部121Aが発熱すると、液誘導部122に保持されたエアロゾル源が加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。加熱部121Aは、電源部111Aから給電されると発熱する。一例として、ユーザが吸引を開始したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより取得された場合に、給電されてもよい。そして、ユーザが吸引を終了したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより取得された場合に、給電が停止されてもよい。
【0037】
香味源131は、エアロゾルに香味成分を付与するための構成要素である。香味源131は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。
【0038】
空気流路180は、ユーザに吸引される空気の流路である。空気流路180は、空気流路180内への空気の入り口である空気流入孔181と、空気流路180からの空気の出口である空気流出孔182と、を両端とする管状構造を有する。空気流路180の途中には、上流側(空気流入孔181に近い側)に液誘導部122が配置され、下流側(空気流出孔182に近い側)に香味源131が配置される。ユーザによる吸引に伴い空気流入孔181から流入した空気は、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと混合され、矢印190に示すように、香味源131を通過して空気流出孔182へ輸送される。エアロゾルと空気との混合流体が香味源131を通過する際には、香味源131に含まれる香味成分がエアロゾルに付与される。
【0039】
マウスピース124は、吸引の際にユーザに咥えられる部材である。マウスピース124には、空気流出孔182が配置される。ユーザは、マウスピース124を咥えて吸引することで、エアロゾルと空気との混合流体を口腔内へ取り込むことができる。
【0040】
以上、吸引装置100Aの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Aの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0041】
一例として、吸引装置100Aは、香味付与カートリッジ130を含んでいなくてもよい。その場合、カートリッジ120にマウスピース124が設けられる。
【0042】
他の一例として、吸引装置100Aは、複数種類のエアロゾル源を含んでいてもよい。複数種類のエアロゾル源から生成された複数種類のエアロゾルが空気流路180内で混合され化学反応を起こすことで、さらに他の種類のエアロゾルが生成されてもよい。
【0043】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Aによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、振動霧化、又は誘導加熱であってもよい。他にも、エアロゾル源を霧化する手段は、櫛形電極対を有する圧電素子基板を用いてSAW(Surface Acoustic Wave)を発生させることによって液体を霧化するものであってもよい。
【0044】
(2)第2の構成例
図2は、吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。図2に示すように、本構成例に係る吸引装置100Bは、電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、制御部116B、加熱部121B、保持部140、及び断熱部144を含む。
【0045】
電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、及び制御部116Bの各々は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0046】
保持部140は、内部空間141を有し、内部空間141にスティック型基材150の一部を収容しながらスティック型基材150を保持する。保持部140は、内部空間141を外部に連通する開口142を有し、開口142から内部空間141に挿入されたスティック型基材150を保持する。例えば、保持部140は、開口142及び底部143を底面とする筒状体であり、柱状の内部空間141を画定する。保持部140は、スティック型基材150へ供給される空気の流路を画定する機能も有する。かかる流路への空気の入り口である空気流入孔は、例えば底部143に配置される。他方、かかる流路からの空気の出口である空気流出孔は、開口142である。
【0047】
スティック型基材150は、基材部151、及び吸口部152を含む。基材部151は、エアロゾル源を含む。なお、本構成例において、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体であってもよい。スティック型基材150が保持部140に保持された状態において、基材部151の少なくとも一部は内部空間141に収容され、吸口部152の少なくとも一部は開口142から突出する。そして、開口142から突出した吸口部152をユーザが咥えて吸引すると、図示しない空気流入孔から内部空間141に空気が流入し、基材部151から発生するエアロゾルと共にユーザの口内に到達する。
【0048】
加熱部121Bは、第1の構成例に係る加熱部121Aと同様の構成を有する。ただし、図2に示した例では、加熱部121Bは、フィルム状に構成され、保持部140の外周を覆うように配置される。そして、加熱部121Bが発熱すると、スティック型基材150の基材部151が外周から加熱され、エアロゾルが生成される。
【0049】
断熱部144は、加熱部121Bから他の構成要素への伝熱を防止する。例えば、断熱部144は、真空断熱材、又はエアロゲル断熱材等により構成される。
【0050】
以上、吸引装置100Bの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Bの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0051】
一例として、加熱部121Bは、ブレード状に構成され、保持部140の底部143から内部空間141に突出するように配置されてもよい。その場合、ブレード状の加熱部121Bは、スティック型基材150の基材部151に挿入され、スティック型基材150の基材部151を内部から加熱する。他の一例として、加熱部121Bは、保持部140の底部143を覆うように配置されてもよい。また、加熱部121Bは、保持部140の外周を覆う第1の加熱部、ブレード状の第2の加熱部、及び保持部140の底部143を覆う第3の加熱部のうち、2以上の組み合わせとして構成されてもよい。
【0052】
他の一例として、保持部140は、内部空間141を形成する外殻の一部を開閉する、ヒンジ等の開閉機構を含んでいてもよい。そして、保持部140は、外殻を開閉することで、内部空間141に挿入されたスティック型基材150を挟持してもよい。その場合、加熱部121Bは、保持部140における当該挟持箇所に設けられ、スティック型基材150を押圧しながら加熱してもよい。
【0053】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Bによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、誘導加熱であってもよい。
【0054】
また、吸引装置100Bは、第1の構成例に係る加熱部121A、液誘導部122、液貯蔵部123、及び空気流路180をさらに含んでいてもよく、空気流路180の空気流出孔182が内部空間141への空気流入孔を兼ねていてもよい。この場合、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと空気との混合流体は、内部空間141に流入して加熱部121Bにより生成されたエアロゾルとさらに混合され、ユーザの口腔内に到達する。
【0055】
<<2.一実施形態>>
<2.1.構成例>
図3は、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、システム1は、吸引装置100、端末装置200、及びサーバ300を含む。
【0056】
吸引装置100と端末装置200とは、無線通信可能である。他方、端末装置200とサーバ300とは、ネットワーク90を介して通信可能である。ネットワーク90は、有線/無線の任意の通信網であり、例えばインターネットを含む。
【0057】
吸引装置100及び端末装置200は、互いに関連する装置である。例えば、吸引装置100及び端末装置200は、同一のユーザにより使用される点で、関連する。また、例えば、吸引装置100及び端末装置200は、無線通信のためのペアリング等により予め対応付けられる点で、関連する。
【0058】
(1)吸引装置
吸引装置100は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。ユーザが吸引装置100を用いて、吸引装置100により生成された物質を吸引することを、以下では単に吸引(パフ)とも称する。
【0059】
本実施形態では、吸引装置100は、上記説明した第1の構成例、又は第2の構成例のうち任意の構成例を取り得る。即ち、本実施形態に係る吸引装置100は、吸引装置100A又は吸引装置100Bのいずれか、又はこれらの構成例の変形例と同様の構成を有する。
【0060】
以下では、本実施形態に係る吸引装置100の構成のうち、上記各構成例において説明した吸引装置100A及び吸引装置100Bの構成に対し、補足又は強調すべき点について主に説明する。
【0061】
本実施形態に係る制御部116は、通信部115を制御して、端末装置200の動作のための各種情報を端末装置200に送信する。
【0062】
(2)端末装置
端末装置200は、ユーザにより操作される情報処理装置である。端末装置200は、ユーザとのインタフェースとなる装置(以下、UI装置とも称する)として機能する。例えば、端末装置200は、スマートフォン、タブレット端末又はウェアラブルデバイス等により構成される。
【0063】
図3に示すように、端末装置200は、センサ部210、通知部220、通信部230、記憶部240、及び制御部250を含む。
【0064】
センサ部210は、端末装置200に関する各種情報を取得する。そして、センサ部210は、取得した情報を制御部250に出力する。センサ部210は、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力部を含む。入力部は、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、又はマイクの少なくともいずれかを含む。また、センサ部210は、端末装置200の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部を含む。位置情報取得部は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して装置の緯度、及び経度から成る位置情報を取得する。
【0065】
通知部220は、情報をユーザに通知する。通知部220は、情報を表示する表示装置、発光する発光装置、振動する振動装置、又は音を出力する音出力装置の少なくともいずれかを含む。表示装置の一例は、ディスプレイである。発光装置の一例は、LEDである。振動装置の一例は、偏心モータである。音出力装置の一例は、スピーカである。通知部220は、制御部250から入力された情報を出力することで、情報をユーザに通知する。例えば、通知部220は、ユーザに通知する情報を表示したり、ユーザに通知する情報に応じた発光パターンで発光したり、ユーザに通知する情報に応じた振動パターンで振動したり、ユーザに通知する情報を音声出力したりする。
【0066】
通信部230は、端末装置200と他の装置との間で情報の送受信を行うための、通信インタフェースである。通信部230は、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行う。かかる通信規格としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。典型的には、通信部230は、吸引装置100との間で、無線で情報を送受信する。
【0067】
記憶部240は、端末装置200の動作のための各種情報を記憶する。記憶部240は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0068】
制御部250は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って端末装置200内の動作全般を制御する。制御部250は、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部250は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。端末装置200は、制御部250による制御に基づいて、各種処理を実行する。センサ部210により取得された情報の処理、通知部220による情報の通知、通信部230による情報の送受信、記憶部240による情報の記憶及び読み出しは、制御部250により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、端末装置200により実行されるその他の処理も、制御部250により制御される。なお、制御部250の機能は、アプリケーションを用いて実現されてもよい。当該アプリケーションは、プリインストールされていてもよいし、ダウンロードされてもよい。また、制御部250の機能は、PWA(Progressive Web Apps)により実現されてもよい。
【0069】
(3)サーバ
サーバ300は、後述する吸引情報を収集する装置である。サーバ300は、収集した吸引情報を蓄積するデータベースを有する。サーバ300は、例えば、吸引情報を収集し、収集した吸引情報をマーケティング等に使用する企業により運用される。サーバ300は、本発明における収集装置の一例である。
【0070】
<2.2.技術的特徴>
(1)吸引情報の収集
サーバ300は、吸引情報を収集する。吸引情報とは、吸引装置100を用いて行われた吸引に関して取得された情報である。吸引情報は、吸引装置100及び端末装置200の少なくともいずれかにより取得される。吸引情報は、吸引装置100の使用履歴とも捉えられる。
【0071】
吸引情報は、ユーザによる吸引が行われる度に取得される。ただし、ユーザは、1度にまとめて複数回吸引する場合がある。例えば、1本のスティック型基材150を加熱した場合、1本のスティック型基材150を消費し切るまで、1度に複数回吸引される場合が多い。吸引情報は、1度にまとめて行われた複数回の吸引に関し取得された情報であってもよい。もちろん、吸引情報は、1回の吸引に関し取得された情報であってもよい。他にも、吸引情報は、1時間単位又は1日単位等の、所定時間内に行われた吸引に関し取得された情報であってもよい。
【0072】
吸引情報は、複数の情報を含み得る。以下、吸引情報に含まれ得る情報の一例を説明する。
【0073】
吸引情報は、パフ回数を含み得る。パフ回数とは、ユーザが吸引装置100を用いて行った吸引の回数である。パフ回数は、例えば、吸引装置100のセンサ部112がユーザによる吸引に伴う負圧を取得した回数として、センサ部112により取得される。
【0074】
吸引情報は、カートリッジ残量を含み得る。カートリッジ残量とは、吸引装置100Aの液貯蔵部123に貯蔵されたエアロゾル源の残量である。カートリッジ残量は、例えば、吸引装置100のセンサ部112により取得される。
【0075】
吸引情報は、バッテリ残量を含み得る。バッテリ残量とは、吸引装置100の電源部111に蓄積された電力の残量である。バッテリ残量は、例えば、吸引装置100のセンサ部112により取得される。
【0076】
吸引情報は、位置情報を含み得る。ここでの位置情報とは、ユーザが吸引装置100を用いた吸引を行った位置を示す情報である。位置情報は、端末装置200のセンサ部210により取得される。
【0077】
吸引情報は、デバイス使用時刻を含み得る。デバイス使用時刻とは、ユーザが吸引装置100を用いた吸引を行った日時である。デバイス使用時刻は、例えば、吸引装置100のセンサ部112により取得される。
【0078】
他にも、吸引情報は、ユーザの識別情報、吸引装置100(即ち、電源ユニット110)の識別情報、カートリッジ120の識別情報、香味付与カートリッジ130の識別情報、又はスティック型基材150の識別情報等の、多様な情報を含み得る。
【0079】
(2)吸引情報の送信、及び一時送信停止
本実施形態に係る吸引装置100及び端末装置200は、吸引情報が取得される度に取得された吸引情報を送信する処理である、送信処理を行う。
【0080】
吸引情報に関する送信処理は、吸引装置100が端末装置200に吸引情報を送信する第1の送信処理を含む。第1の送信処理においては、吸引情報の送信元は吸引装置100である。吸引装置100は、取得した吸引情報を、吸引情報を取得する度に端末装置200に送信する。
【0081】
吸引情報に関する送信処理は、端末装置200がサーバ300に吸引情報を送信する第2の送信処理を含む。第2の送信処理においては、吸引情報の送信元は端末装置200である。端末装置200は、取得した吸引情報を、吸引情報を取得する度にサーバ300に送信する。端末装置200が吸引情報を取得することは、吸引装置100から吸引情報を受信すること、及びセンサ部210により吸引情報を取得することの、少なくともいずれかを含んでいてもよい。つまり、端末装置200は、吸引装置100から受信した吸引情報を、端末装置200が吸引情報を受信する度に、サーバ300に送信してもよい。また、端末装置200は、センサ部210により取得した吸引情報を、取得する度にサーバ300に送信してもよい。吸引情報が吸引装置100及び端末装置200の双方により取得される場合、端末装置200は、吸引装置100から情報を受信し、且つセンサ部210により情報を取得する度に、吸引情報をサーバ300に送信してもよい。
【0082】
吸引情報に関する送信処理は、制御装置による制御に基づいて実行される。制御装置は、所望の処理を実行するよう、吸引情報の送信元である吸引装置100及び端末装置200の各々を制御する。本実施形態では、端末装置200が制御装置として機能するものとする。この場合、吸引装置100は、端末装置200による制御に基づいて第1の送信処理を実行する。他方、端末装置200は、端末装置200自身による制御に基づいて第2の送信処理を実行する。
【0083】
吸引情報に関する送信処理に関し、ユーザにより除外条件が設定されてもよい。除外条件とは、吸引情報を送信対象から除外する条件である。吸引情報の送信元は、除外条件を満たす吸引情報を送信処理における送信対象から除外する。即ち、吸引情報の送信元は、除外条件を満たす吸引情報を送信しない。一方で、吸引情報の送信元は、除外条件を満たさない吸引情報を送信処理における送信対象とする。即ち、吸引情報の送信元は、除外条件を満たさない吸引情報を送信する。かかる構成により、ユーザにとって収集されたくない吸引情報を、収集されないようにすることが可能となる。以下、除外条件の一例を詳しく説明する。
【0084】
-第1の除外条件
除外条件は、吸引情報が取得された状況に関する第1の除外条件を含んでいてもよい。吸引情報の送信元は、第1の除外条件が満たされた状況において取得された吸引情報を送信対象から除外する。かかる構成により、ユーザにとって収集されたくない状況において取得された吸引情報を、収集されないようにすることが可能となる。
【0085】
第1の除外条件は、吸引情報が取得された時刻が、ユーザにより設定された期間に含まれることを含んでいてもよい。かかる期間を、以下では除外期間とも称する。吸引情報の送信元は、除外期間の開始時刻から後に取得された吸引情報を送信対象から除外し、除外期間の終了時刻から後に取得された吸引情報から送信対象に復帰させる。除外期間としては、例えば、その期間において吸引したことが仮に周知になるとユーザに不利益を及ぼし得る期間が、設定され得る。かかる構成により、吸引情報が収集されることでユーザに及ぼし得る不利益を回避することが可能となる。なお、除外期間は、必ずしもユーザに不利益を及ぼし得る期間である必要はなく、ユーザが任意に設定可能である。また、かかる構成により、除外期間の後には、吸引情報の送信を自動的に再開させることが可能となる。
【0086】
除外期間の開始時刻は、吸引情報を送信対象から除外するよう指示する操作が受け付けられた時刻であってもよい。当該操作は、例えばユーザにより端末装置200に入力され、センサ部210により取得される。かかる構成により、ユーザは、除外期間を即時開始させることが可能となる。よって、例えばユーザがこれから吸引しようとしたタイミングで、かかる吸引についての吸引情報を送信対象から除外することが可能となる。
【0087】
除外期間の長さは、ユーザにより設定されてもよい。一例として、端末装置200は、除外期間の長さを指定する操作を受け付けてもよい。他の一例として、端末装置200は、除外期間の終了時刻を指定する操作を受け付けてもよい。この場合、除外期間の開始時刻から指定された終了時刻までの時間が、除外期間の長さとして設定される。かかる構成により、除外期間の長さをユーザが所望する長さに設定することが可能となる。
【0088】
除外期間は、ユーザにより予約されてもよい。例えば、端末装置200は、除外期間の開始時刻、及び除外期間の長さを予め設定する操作を受け付けてもよい。かかる構成により、例えば就業時間のように定期的に発生する期間を除外期間として設定する場合、除外期間を設定するための操作負荷を軽減することが可能となる。
【0089】
第1の除外条件は、吸引情報が取得された位置が、ユーザにより設定された位置の範囲に含まれること、を含んでいてもよい。かかる位置の範囲を、以下では除外位置範囲とも称する。吸引情報の送信元は、除外位置範囲に含まれる位置において取得された吸引情報を送信対象から除外し、除外位置範囲外の位置において取得された吸引情報から送信対象に復帰させる。除外位置範囲としては、例えば、その位置範囲において吸引したことが仮に周知になるとユーザに不利益を及ぼし得る位置範囲が、設定され得る。かかる構成により、吸引情報が収集されることでユーザに及ぼし得る不利益を回避することが可能となる。なお、除外位置範囲は、必ずしもユーザに不利益を及ぼし得る位置範囲である必要はなく、ユーザが任意に設定可能である。また、かかる構成により、除外位置範囲外にユーザが移動した場合には、吸引情報の送信を自動的に再開させることが可能となる。
【0090】
-第2の除外条件
除外条件は、吸引情報に含まれる複数の情報のうち、送信対象から除外する一部の情報を指定する第2の除外条件を含んでいてもよい。吸引情報の送信元は、第1の除外条件が満たされた状況において取得された吸引情報に含まれる複数の情報のうち、第2の除外条件において指定された一部の情報を、送信対象から除外する。他方、吸引情報の送信元は、第1の除外条件が満たされた状況において取得された吸引情報に含まれる複数の情報のうち、第2の除外条件において指定されていない情報を、送信対象とする。かかる構成により、吸引情報に含まれる複数の情報のうちユーザにとって収集されたくない一部の情報に限定して、送信対象から除外することが可能となる。
【0091】
吸引情報は、第2の除外条件において送信対象から除外する情報として設定することができない情報を含んでいてもよい。即ち、吸引情報に含まれる複数の情報のうち一部の情報は、常に送信対象であってもよい。かかる情報としては、例えば加熱部121の温度などの、吸引装置100の異常を検知するための情報が挙げられる。かかる構成により、ユーザの安全を守る等の公益的な目的のために有用な情報については、常に収集することが可能となる。
【0092】
(3)第1の送信処理及び第2の送信処理
除外条件は、第1の送信処理、及び第2の送信処理の各々に対し、それぞれ設定される。第1の送信処理に対し設定される除外条件と、第2の送信処理に対し設定される除外条件とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、吸引装置100が端末装置200に送信した吸引情報の少なくとも一部が、第2の送信処理に対して設定された第2の除外条件により、サーバ300への送信対象から除外される。そのような情報としては、ユーザが自己の吸引履歴を見返すために端末装置200により表示させる情報であって、サーバ300に収集されることを望まない情報が挙げられる。かかる構成により、ユーザの要望に応じた柔軟な送信処理を実現することが可能となる。
【0093】
(4)破棄/記憶
吸引情報の送信元は、送信対象から除外された吸引情報を破棄してもよい。一例として、第1の送信処理において送信対象から除外された吸引情報は、吸引装置100により破棄されてもよい。他の一例として、第2の送信処理において送信対象から除外された吸引情報は、端末装置200により破棄されてもよい。かかる構成により、ユーザのプライバシーをより強固に守ることが可能となる。
【0094】
吸引情報の送信元は、送信対象から除外された吸引情報を記憶してもよい。その場合、吸引情報の送信元は、記憶された吸引情報についてユーザにより送信することが許可された場合、許可された吸引情報を送信してもよい。一例として、吸引装置100は、第1の送信処理において送信対象から除外された吸引情報を記憶しておき、後から送信許可が得られた場合に、送信許可が得られた吸引情報を端末装置200に送信する。他の一例として、端末装置200は、第2の送信処理において送信対象から除外された吸引情報を記憶しておき、後から送信許可が得られた場合に、送信許可が得られた吸引情報をサーバ300に送信する。かかる構成により、例えば、ユーザは、吸引情報を取り急ぎ送信対象から除外しておき、その後送信されなかった吸引情報の中身をゆっくり参照しながら送信可能な情報を選択的に送信させることが可能となる。
【0095】
(5)UI
以下では、図4図6を参照しながら、除外条件の設定を受け付けるためのUI(User Interface)の一例を説明する。
【0096】
図4は、本実施形態に係る端末装置200により表示される除外条件の設定画面の一例を説明するための図である。設定画面10は、第1の除外条件を設定するためのUIである。設定画面10は、画面上部11及び画面下部14を含む。
【0097】
画面上部11は、第1の送信処理についての除外条件を設定するためのUIである。ONボタン12が選択されると、吸引装置100から端末装置200への吸引情報の送信が許可される。即ち、第1の送信処理について除外条件が設定されず、吸引情報は取得される度に端末装置200へ送信される。一方で、OFFボタン13が選択されると、吸引装置100から端末装置200への吸引情報の送信が停止される。即ち、OFFボタン13が選択されたタイミングで除外期間が開始される。
【0098】
画面下部14は、第2の送信処理についての除外条件を設定するためのUIである。ONボタン15が選択されると、端末装置200からサーバ300への吸引情報の送信が許可される。即ち、第2の送信処理について除外条件が設定されず、吸引情報は取得される度にサーバ300へ送信される。一方で、OFFボタン16が選択されると、端末装置200からサーバ300への吸引情報の送信が停止される。即ち、OFFボタン16が選択されたタイミングで除外期間が開始される。
【0099】
図5は、本実施形態に係る端末装置200により表示される除外条件の設定画面の一例を説明するための図である。設定画面20は、第1の除外条件における除外期間を設定するためのUIである。ユーザは、設定画面20においてドラムロール式のUI21を操作することで、中央部分22に表示された時間を、除外期間の長さとして設定することができる。OKボタン23が選択されると、除外期間の長さの設定が完了する。なお、設定画面20は、設定画面10においてOFFボタン13又はOFFボタン16が選択された場合に、表示され得る。
【0100】
図6は、本実施形態に係る端末装置200により表示される除外条件の設定画面の一例を説明するための図である。設定画面30は、第2の除外条件を設定するためのUIである。設定画面30には、吸引情報に含まれる複数の情報が列挙されており、各々についてONボタン/OFFボタンを選択することで、各々の情報を送信対象とするか送信対象から除外するかを設定することができる。図6に示した例では、パフ回数、カートリッジ残量、バッテリ残量、及びデバイス使用時刻についてONボタンが選択されているので、これらの情報は送信対象となる。他方、位置情報についてはOFFボタンが選択されているので、位置情報は送信対象から除外される。OKボタン31が選択されると、第2の除外条件の設定が完了する。
【0101】
なお、設定画面30は、設定画面10においてOFFボタン13又はOFFボタン16が選択された場合に表示され得る。この場合、設定画面10においてOFFボタン13又はOFFボタン16が選択された後、設定画面30において送信対象外とする情報の設定が完了したタイミングから、送信対象外として設定された情報の送信が停止されて、除外期間が開始される。
【0102】
また、設定画面30においてOKボタン31が選択されると、設定画面20が表示されてもよい。この場合、設定画面30において送信対象外となった情報が、設定画面20において設定された除外期間の間、送信されなくなる。
【0103】
(6)処理の流れ
以下では、図7及び図8を参照しながら、吸引情報の送信処理の流れの一例を説明する。
【0104】
-第1の送信処理
図7は、本実施形態に係る吸引装置100により実行される第1の送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0105】
図7に示すように、まず、吸引装置100は、吸引情報を取得する(ステップS102)。次いで、吸引装置100は、第1の除外条件が設定されているか否かを判定する(ステップS104)。第1の除外条件が設定されていないと判定された場合(ステップS104:NO)、吸引装置100は、取得された吸引情報を端末装置200に送信する(ステップS108)。その後、処理は再度ステップS102に戻る。他方、第1の除外条件が設定されていると判定された場合(ステップS104:YES)、処理はステップS106に進む。
【0106】
ステップS106において、吸引装置100は、ステップS102において取得された吸引情報が、第1の除外条件が満たされた状況において取得されたか否かを判定する(ステップS106)。例えば、吸引装置100は、除外期間内の時刻に吸引情報が取得されたか否かを判定する。第1の除外条件が満たされていない状況において吸引情報が取得されたと判定された場合(ステップS106:NO)、吸引装置100は、ステップS102において取得された吸引情報を端末装置200に送信する(ステップS108)。その後、処理は再度ステップS102に戻る。他方、第1の除外条件が満たされた状況において吸引情報が取得されたと判定された場合(ステップS106:YES)、処理はステップS110に進む。
【0107】
ステップS110において、吸引装置100は、第2の除外条件が設定されているか否かを判定する(ステップS110)。第2の除外条件が設定されていないと判定された場合(ステップS110:NO)、吸引装置100は、ステップS102において取得された吸引情報を送信対象から除外する。即ち、吸引装置100は、ステップS102において取得された吸引情報を、端末装置200に送信しない(ステップS112)。その後、処理は再度ステップS102に戻る。他方、第2の除外条件が設定されていると判定された場合(ステップS110:YES)、吸引装置100は、ステップS102において取得された吸引情報のうち第2の除外条件において指定された一部の情報を送信対象から除外して、その他の情報を端末装置200に送信する(ステップS114)。その後、処理は再度ステップS102に戻る。
【0108】
-第2の送信処理
図8は、本実施形態に係る端末装置200により実行される第2の送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0109】
図8に示すように、まず、端末装置200は、吸引装置100から吸引情報を受信したか否かを判定する(ステップS201)。吸引情報を受信していないと判定された場合(ステップS201:NO)、処理は再度ステップS201に戻る。他方、吸引情報を受信したと判定された場合(ステップS201:YES)、処理はステップS202に進む。
【0110】
ステップS202において、端末装置200は、吸引情報を取得する(ステップS202)。端末装置200が取得する吸引情報は、例えば、吸引装置100から受信した吸引情報に含まれていない吸引情報であり、位置情報及びデバイス使用時刻などが含まれ得る。次いで、端末装置200は、第1の除外条件が設定されているか否かを判定する(ステップS204)。第1の除外条件が設定されていないと判定された場合(ステップS204:NO)、端末装置200は、ステップS201において受信した吸引情報、及びステップS202において取得された吸引情報をサーバ300に送信する(ステップS208)。その後、処理は再度ステップS201に戻る。他方、第1の除外条件が設定されていると判定された場合(ステップS204:YES)、処理はステップS206に進む。
【0111】
ステップS206において、端末装置200は、ステップS201において受信した吸引情報、及びステップS202において取得された吸引情報が、第1の除外条件が満たされた状況において取得されたか否かを判定する(ステップS206)。例えば、ステップS202において位置情報が取得された場合、端末装置200は、取得された位置情報が除外位置範囲内の位置に対応するか否かを判定する。第1の除外条件が満たされていない状況において吸引情報が取得されたと判定された場合(ステップS206:NO)、端末装置200は、ステップS201において受信した吸引情報、及びステップS202において取得された吸引情報を、サーバ300に送信する(ステップS208)。その後、処理は再度ステップS201に戻る。他方、第1の除外条件が満たされた状況において吸引情報が取得されたと判定された場合(ステップS206:YES)、処理はステップS210に進む。
【0112】
ステップS210において、端末装置200は、第2の除外条件が設定されているか否かを判定する(ステップS210)。第2の除外条件が設定されていないと判定された場合(ステップS210:NO)、端末装置200は、ステップS201において受信した吸引情報、及びステップS202において取得された吸引情報を送信対象から除外する(ステップS212)。即ち、端末装置200は、ステップS201において受信した吸引情報、及びステップS202において取得された吸引情報を、サーバ300に送信しない。その後、処理は再度ステップS201に戻る。他方、第2の除外条件が設定されていると判定された場合(ステップS210:YES)、端末装置200は、ステップS201において受信した吸引情報、及びステップS202において取得された吸引情報のうち、第2の除外条件において指定された一部の情報を送信対象から除外して、その他の情報をサーバ300に送信する(ステップS214)。その後、処理は再度ステップS201に戻る。
【0113】
<<3.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0114】
例えば、上記実施形態では、吸引装置100とサーバ300とが端末装置200を経由して通信するものと説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、吸引装置100がネットワーク90に接続し、吸引装置100とサーバ300とが端末装置200を経由せずに通信してもよい。その場合、吸引情報に関する送信処理は、吸引装置100がサーバ300に吸引情報を送信する処理を含む。そして、吸引装置100は、除外条件を満たす吸引情報を、吸引装置100からサーバ300への送信対象から除外する。かかる構成により、吸引装置100がサーバ300と直接的に通信する場合であっても、ユーザにとって収集されたくない吸引情報を収集されないようにすることが可能となる。
【0115】
例えば、上記実施形態では、端末装置200が制御装置として機能するものと説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、吸引装置100、又はサーバ300のいずれかが制御装置として機能してもよい。さらには、吸引装置100、端末装置200及びサーバ300のいずれでもない、その他の装置が、制御装置として機能してもよい。他にも、吸引装置100が第1の送信処理を制御する制御装置として機能し、端末装置200が第2の送信処理を制御する制御装置として機能する等、制御装置としての機能が複数の装置により分担されてもよい。
【0116】
例えば、上記実施形態では、端末装置200が、UI装置として機能するものと説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、吸引装置100が、UI装置として機能してもよい。
【0117】
例えば、上記実施形態では、第2の除外条件に関し、吸引情報は取得される度に送信され、第2の除外条件が設定された場合は吸引情報の一部のみが送信されるものと説明したが、本発明はかかる例に限定されない。第2の除外条件が設定されていない場合であっても、吸引情報の一部が送信されてもよい。そして、第2の除外条件が設定された場合には、吸引情報のさらに一部が送信されてもよい。
【0118】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0119】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 システム
90 ネットワーク
100 吸引装置
110 電源ユニット
111 電源部
112 センサ部
113 通知部
114 記憶部
115 通信部
116 制御部
120 カートリッジ
121 加熱部
122 液誘導部
123 液貯蔵部
124 マウスピース
130 香味付与カートリッジ
131 香味源
140 保持部
141 内部空間
142 開口
143 底部
144 断熱部
150 スティック型基材
151 基材部
152 吸口部
180 空気流路
181 空気流入孔
182 空気流出孔
200 端末装置
210 センサ部
220 通知部
230 通信部
240 記憶部
250 制御部
300 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8