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  • 特許-アスファルト舗装の補修方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】アスファルト舗装の補修方法
(51)【国際特許分類】
   E01C 7/18 20060101AFI20230711BHJP
   E01C 7/32 20060101ALI20230711BHJP
   E01C 23/00 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
E01C7/18
E01C7/32
E01C23/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022186864
(22)【出願日】2022-11-22
【審査請求日】2023-05-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000201515
【氏名又は名称】前田道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博
(72)【発明者】
【氏名】畠山 慶吾
(72)【発明者】
【氏名】小田 猛
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-165184(JP,A)
【文献】特開2020-045713(JP,A)
【文献】国際公開第2021/006292(WO,A1)
【文献】特開2005-68636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 1/00-17/00
E01C 21/00-23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床版上に骨材を敷きならす敷きならし工程と、
アスファルトおよび潤滑性固化材を含むバインダーにアルカリ性添加材を添加して混合し、バインダー混合物を得る混合工程と、
前記骨材が敷きならされた箇所にアスファルトを含む前記バインダー混合物を流し込む充填工程と、
前記骨材およびバインダー混合物を養生し舗装体を得る養生工程と、備えるアスファルト舗装の補修方法。
【請求項2】
前記骨材として、4.75mmフルイ通過質量百分率が3%以下である単粒度砕石を用いる請求項1に記載のアスファルト舗装の補修方法。
【請求項3】
前記充填工程において、前記バインダー混合物を、前記床版上に敷きならされた前記骨材100重量部に対して、10~50重量部となる量流し込む請求項1または2に記載のアスファルト舗装の補修方法。
【請求項4】
前記潤滑性固化材が、脂肪酸を含有する請求項1または2に記載のアスファルト舗装の補修方法。
【請求項5】
前記潤滑性固化材が、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルを含有する請求項1または2に記載のアスファルト舗装の補修方法。
【請求項6】
前記潤滑性固化材が、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸を含有する請求項1または2に記載のアスファルト舗装の補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト舗装の補修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アスファルト舗装として、流動性のあるグースアスファルト混合物を流し込み敷きならすことで施工されるグースアスファルト舗装が知られている。グースアスファルト舗装は、床版防水層に用いられ、高い水密性とたわみ性とを有することを特徴とする。グースアスファルト舗装に用いられるグースアスファルト混合物は、アスファルトにトリニダッドレイクアスファルトまたは熱可塑性エストラマーなどの改質材を混合したアスファルトと粗骨材、細骨材およびフィラーを配合された混合物である。このグースアスファルト混合物は、流し込み可能な作業性および流動性を確保するために、クッカと呼ばれる加熱混合装置を備えたクッカ車で200℃以上の高温で加熱撹拌しながら運搬される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-031619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、クッカ車でグースアスファルト混合物を撹拌するには、撹拌の機構上、最低でもクッカ車の最大積載量の半分程度(約4トン)の混合物を製造する必要がある。しかしながら、アスファルト舗装の小規模の補修を行う場合には、グースアスファルト混合物の使用量が1トン未満であることが多いため、クッカ車を用いて小規模なアスファルト補修を行った場合、廃棄材料が多く発生したり、補修に係るコストが増大してしまったりするという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、廃棄材料の発生を抑制し、補修にかかるコストを低減することができるアスファルト舗装の補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、床版上に骨材を敷きならす敷きならし工程と、アスファルトおよび潤滑性固化材を含むバインダーにアルカリ性添加材を添加して混合し、バインダー混合物を得る混合工程と、骨材が敷きならされた箇所にバインダー混合物を流し込む充填工程と、骨材およびバインダー混合物を養生し舗装体を得る養生工程と、備えるアスファルト舗装の補修方法によれば、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明の態様1によれば、床版上に骨材を敷きならす敷きならし工程と、アスファルトおよび潤滑性固化材を含むバインダーにアルカリ性添加材を添加して混合し、バインダー混合物を得る混合工程と、前記骨材が敷きならされた箇所にアスファルトを含む前記バインダー混合物を流し込む充填工程と、前記骨材およびバインダー混合物を養生し舗装体を得る養生工程と、備えるアスファルト舗装の補修方法が提供される。
【0008】
また、本発明の態様2によれば、前記前記骨材として、4.75mmフルイ通過質量百分率が3%以下である単粒度砕石を用いる態様1に記載のアスファルト舗装の補修方法が提供される。
【0009】
また、本発明の態様3によれば、前記充填工程において、前記バインダー混合物を、前記床版上に敷きならされた前記骨材100重量部に対して、10~50重量部となる量流し込む態様1または2に記載のアスファルト舗装の補修方法が提供される。
【0010】
また、本発明の態様4によれば、前記潤滑性固化材が、脂肪酸を含有する態様1~3のいずれかに記載のアスファルト舗装の補修方法が提供される。
【0011】
また、本発明の態様5によれば、前記潤滑性固化材が、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルを含有する態様1~4のいずれかに記載のアスファルト舗装の補修方法が提供される。
【0012】
また、本発明の態様6によれば、前記潤滑性固化材が、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸を含有する態様1~5のいずれかに記載のアスファルト舗装の補修方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、骨材が敷きならされた箇所にアスファルトを含むバインダーを流し込むことで施工を行う。これにより、補修の規模に応じて骨材およびバインダーを必要な量だけ準備して施工することができるため、アスファルト舗装の補修における廃棄材料の発生を抑制すると共に、補修にかかるコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1(a)は、本発明の実施形態における施工対象を示す模式断面図であり、図1(b)は、本発明の実施形態における接着剤を塗布する工程を示す模式断面図であり、図1(c)は本発明の実施形態における骨材を敷きならす工程を示す模式断面図であり、図1(d)は本発明の実施形態におけるバインダー混合物を流し込む工程を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のアスファルト舗装の補修方法は、床版上に骨材を敷きならす敷きならし工程と、アスファルトおよび潤滑性固化材を含むバインダーにアルカリ性添加材を添加して混合し、バインダー混合物を得る混合工程と、骨材が敷きならされた箇所にバインダー混合物を流し込む充填工程と、骨材およびバインダー混合物を養生し舗装体をえる養生工程と、を備える。本発明のアスファルト舗装の補修方法は、アスファルト舗装の基層の補修に特に好適に用いられる。
【0016】
骨材としては、通常の舗装用アスファルトに用いられるものを適宜用いることができるが、単粒度砕石を用いることが好ましく、目開きが4.75mmの篩目を通過する粒子の比率である4.75mmフルイ通過質量百分率が3%以下である単粒度砕石を用いることがより好ましい。一例を挙げると、粒度20~13mmの5号砕石や、粒度13~5mmの6号砕石を好適に用いることができる。骨材として単粒度砕石を用いる場合の粒度の上限は、特に限定されないが、骨材の26.5mmフルイ通過質量百分率が95%以上であることが好ましい。骨材として、上記の粒度範囲の単粒度砕石を用いることにより、床版上に骨材を敷きならした際に、骨材からなる層の内部に、バインダーが通過することができる程度の大きさを有する連続した空隙を形成することができる。これにより、骨材に流し込まれたバインダーが空隙を介して補修箇所の下部まで流れ、床版に到達することができるため、得られる舗装体の床版との接着性を向上し、ひいては舗装体の水密性を向上することができる。
【0017】
バインダーは、アスファルトを含むものであり、アスファルトとしては、ストレートアスファルトおよび改質アスファルトなどを用いることができる。得られる舗装体のたわみ性を向上する観点から、改質アスファルトを用いることが好ましい。改質アスファルトとしては、ストレートアスファルトに改質材を添加したものを用いることができ、改質材としては、SBS等の熱可塑性エラストマーおよび鉱油を含有するものを用いることができる。改質材における熱可塑性エラストマーの含有割合は、好ましくは10~50重量%であり、より好ましくは15~40重量%である。改質材における鉱油の含有割合は、好ましくは50~90重量%であり、より好ましくは60~85重量%である。改質材は、上記の熱可塑性エラストマー以外に、必要に応じて、熱可塑性樹脂、その他の添加材等が含まれていてもよい。改質アスファルトにおける改質材の含有割合は、好ましくは1~40重量%であり、より好ましくは10~25重量%である。改質材の含有割合を上記範囲内とすることにより、得られる舗装体のたわみ性を向上することができる。バインダーにおけるアスファルトの含有割合は、好ましくは1~70重量%であり、より好ましくは10~60重量%であり、さらに好ましくは20~40重量%である。
【0018】
バインダーは、上記のアスファルトに加え、潤滑性固化材を含有する。潤滑性固化材としては、特に限定されないが、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステル、炭素数6~30の飽和脂肪酸、炭素数12~24の不飽和脂肪酸、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸、ならびにダイマー酸等の脂肪酸を含有するものが挙げられる。これらは一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
トール油脂肪酸は、脂肪酸を含有するものである。トール油脂肪酸を構成する脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびリノール酸(共役リノール酸を含む)などが挙げられる。トール油脂肪酸を構成する脂肪酸における各成分の割合は、特に限定されないが、以下の通りであることが好ましい。
パルミチン酸:好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは:1~6重量%
ステアリン酸:好ましくは0.5~8重量%、より好ましくは1~4重量%
オレイン酸:好ましくは15~65重量%、より好ましくは30~50重量%
リノール酸(共役リノール酸を含む):好ましくは15~70重量%、より好ましくは
30~45重量%
【0020】
トール油脂肪酸は、天然由来のものであるため、上述の脂肪酸に加え、樹脂酸を含有することがある。トール油脂肪酸に含有される樹脂酸としては、例えば、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、パラストリン酸のうちいずれか1種以上を含有するロジン等が挙げられる。
【0021】
潤滑性固化材として、炭素数6~30の飽和脂肪酸と炭素数12~24の不飽和脂肪酸の混合物を用いる場合には、得られる舗装体の強度、耐久性およびたわみ性を向上する観点から、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の含有比率を、「飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸」の重量比で1:99~20:80の割合とすることが好ましく、2:98~15:85の割合とすることがより好ましく、3:97~12:88の割合とすることがさらに好ましい。
【0022】
炭素数6~30の飽和脂肪酸と炭素数12~24の不飽和脂肪酸の混合物としては、具体的には、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸の混合物が好ましく、これらを下記の含有割合で含有するものであることが好ましい。
パルミチン酸:好ましくは1~15重量%、より好ましくは2~13重量%、さらに好ましくは3~12重量%、さらにより好ましくは8~12重量%
ステアリン酸:好ましくは0.3~10重量%、より好ましくは0.5~7重量%、
さらに好ましくは0.8~6重量%、さらにより好ましくは3~5.5重量%
オレイン酸:好ましくは20~59重量%、より好ましくは30~55重量%、さらに好ましくは39~48重量%、さらにより好ましくは40~43重量%
リノール酸:好ましくは20~60重量%、より好ましくは30~48重量%、さらに好ましくは36~43重量%、さらにより好ましくは36~39重量%
リノレン酸:1~15重量%、好ましくは3~12重量%、より好ましくは4~10重量%、さらに好ましくは5~8重量%、さらにより好ましくは5.5~7.5重量%
【0023】
なお、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸の混合物は、さらにパルミトレイン酸を含有していることが好ましく、パルミトレイン酸の含有量は、好ましくは0.3~2重量%、より好ましくは0.5~1.5重量%、さらに好ましくは0.8~1.2重量%である。
【0024】
なお、リノール酸としては、二重結合が共役した異性体である共役リノール酸をも含むものとし、また、リノレン酸としては、α-リノレン酸およびγ-リノレン酸の両方を含むものとする。
【0025】
潤滑性固化材として用いられる分岐鎖飽和脂肪酸は、炭素数が6~30のものであればよいが、炭素数が6~24のものが好ましく、炭素数が6~20のものがより好ましく、たわみ性をより高めるという観点からは、炭素数が6~12のものがさらに好ましく、炭素数が6~10のものが特に好ましい。あるいは、ハンドリング性およびたわみ性をより高度にバランスさせるという観点からは、炭素数が16~20のものが特に好ましい。また、潤滑性固化材として用いる分岐鎖飽和脂肪酸としては、ハンドリング性をより高めるという観点から、融点が、40℃以下であるものが好ましく、25℃以下(常温で液体)であるものがより好ましい。
【0026】
炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸としては、その構造中に、少なくともアルキル基からなる側鎖構造あるいは分岐鎖構造を有する、炭素数6~30の飽和脂肪酸であればよく、天然由来のもの、あるいは合成により得られたもののいずれであってもよく、さらには、複数の構造異性体が存在する場合には、複数の構造異性体からなるものであってよい。炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸の具体例としては、たとえば、イソヘプタン酸、オクチル酸、イソノナン酸、イソデシル酸、イソトリデシル酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソミスチリン酸などが挙げられ、これらの中でも、オクチル酸、イソステアリン酸が好ましく、ひび割れ抵抗性の向上という観点より、イソステアリン酸がより好ましい。
【0027】
なお、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸は、炭素数6~30の直鎖飽和脂肪酸および/または炭素数12~24の不飽和脂肪酸と組み合わせて用いてもよい。この場合には、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸と、炭素数6~30の直鎖飽和脂肪酸および/または炭素数12~24の不飽和脂肪酸との合計を100重量%とした場合に、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸の含有割合は、好ましくは10~90重量%であり、より好ましくは15~75重量%、さらに好ましくは15~60重量%、さらにより好ましくは15~40重量%である。また、炭素数6~30の直鎖飽和脂肪酸および/または炭素数12~24の不飽和脂肪酸の含有割合は、好ましくは10~90重量%であり、より好ましくは25~85重量%、さらに好ましくは40~85重量%、さらにより好ましくは60~85重量%である。直鎖飽和脂肪酸としては、炭素数が6~30のものであればよいが、炭素数が6~24のものが好ましく、炭素数が6~20のものがより好ましく、炭素数6~14のものがさらに好ましい。また、不飽和脂肪酸としては、炭素数が12~24のものであればよいが、炭素数が14~20のものが好ましく、炭素数が14~18のものがより好ましい。なお、不飽和脂肪酸を用いる場合には、不飽和脂肪酸に加えて、樹脂酸を含有するものを用いてもよい。
【0028】
潤滑性固化材として用いられるダイマー酸は、植物由来または動物由来の不飽和脂肪酸またはそのエステルを重合し、蒸留精製することにより得られる脂肪酸である。ダイマー酸を得るために用いられる不飽和脂肪酸としては、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、桐油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、米糠油脂肪酸、(脱水)ヒマシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、(水添)ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸などの植物由来、あるいは、牛脂などの動物由来の乾性油、半乾性油、または不乾性油脂肪酸などが挙げられる。
【0029】
ダイマー酸としては、二量体成分(ダイマー酸)を主として含有するものであればよいが、二量体であるダイマー酸を製造する上で、通常、含まれることとなってしまう成分、具体的には、単量体成分(モノマー酸)や、三量体成分(トリマー酸)が含まれるものであってもよい。なお、本発明においては、二量体成分(ダイマー酸)に加えて、単量体成分(モノマー酸)および三量体成分(トリマー酸)をも含むものについても、これら全体として、ダイマー酸として扱うこととする。
【0030】
ダイマー酸における二量体成分の含有割合は、好ましくは60重量%以上であり、より好ましくは65重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。なお、二量体成分の含有割合の上限は特に限定されないが、通常、99重量%以下である。
【0031】
ダイマー酸における単量体成分の含有割合は、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。なお、単量体成分の含有割合の上限は特に限定されないが、通常、0.5重量%以上である。さらに、三量体成分の含有割合は、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。なお、三量体成分の含有割合の上限は特に限定されないが、通常、0.5重量%以上である。
【0032】
ダイマー酸としては、炭素数8~24の不飽和脂肪酸を重合し、蒸留精製することにより得られるものであることが好ましく、炭素数18の不飽和脂肪酸を重合し、蒸留精製することにより得られることがより好ましい。すなわち、ダイマー酸としては、炭素数36
である二量体成分を主成分とし、炭素数18である単量体成分、および炭素数54である三量体成分を含有するものが特に好ましく、特に、炭素数18の不飽和脂肪酸を主成分とするトール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルを重合し、蒸留精製することにより得られるものであることが特に好適である。
【0033】
以上のように、潤滑性固化材としては、さまざまな化合物を用いることができるが、常温におけるバインダーのハンドリング性を向上し、得られる舗装体の床版との接着性およびたわみ性を一層向上する観点から、潤滑性固化材として、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルと、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸の混合物を用いることが特に好ましい。
【0034】
潤滑性固化材としてトール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルと、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸の混合物を用いる場合、これらの含有比率は、「トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステル:炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸」の重量比で、好ましくは10:90~90:10であり、より好ましくは30:70~90:10であり、さらに好ましくは50:50~90:10である。トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルと、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸の含有比率を上記範囲内とすることにより、得られる舗装体を、たわみ性および床版との接着性のバランスに一層優れたものとすることができる。なお、潤滑性固化材におけるトール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルと、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸の含有比率は、施工時に用いる骨材の粒度範囲に合わせて調整することが好ましい。例えば、骨材として粒度20~13mmの5号砕石を用いる場合には、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルと、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸の含有比率を重量比で40:60~80:20とすることが好ましく、50:50~70:30とすることがより好ましい。また、骨材として粒度13~5mmの6号砕石を用いる場合には、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルと、炭素数6~30の分岐鎖飽和脂肪酸の含有比率を重量比で50:50~90:10とすることが好ましく、60:40~80:20とすることがより好ましい。
【0035】
本発明で用いるバインダーは、施工時にアルカリ性添加材および硬化促進剤を添加することにより、潤滑性固化材が、アルカリ性添加材に由来するアルカリ成分と鹸化反応または中和反応することで、強度が向上するものである。なお、アルカリ性添加材としては、たとえば、普通ポルトランドセメントなどを挙げることができ、硬化促進剤としては、たとえば、水などを挙げることができる。ここで、本発明において、鹸化反応または中和反応としては、脂肪酸アルカリ塩を生成させる反応であればよく、たとえば、脂肪酸エステルにアルカリ水を加えることにより、脂肪酸アルカリ塩(石鹸)とグリセリンを生成する鹸化法や、脂肪酸をアルカリ水で中和する中和法等が挙げられる。また、鹸化反応において、アルカリ性添加材を固形状態で添加した場合には、通常、水などの溶媒が存在しない限り反応は開始しない。その一方で、水などの溶媒が存在する場合には、「潤滑性固化材中の脂肪酸+アルカリ性添加材+水=石鹸(固体)」の反応(鹸化反応または中和反応)が起こり、石鹸が生成し、これにより、強度が発現するものである。
【0036】
バインダーにおけるアスファルトおよび潤滑性固化材の含有比率は、「アスファルト:潤滑性固化材」の重量比で、10:90~90:10の範囲内であることが好ましく、20:80~40:60の範囲内であることがより好ましい。なお、潤滑性固化材の添加量が増加するに伴い可使温度範囲も広がるため、潤滑性固化材の添加量は、施工条件にあわせて決定することが好ましい。
【0037】
本発明で用いる潤滑性固化材の酸価は、特に限定されないが、好ましくは130~380mgKOH/gであり、より好ましくは150~320mgKOH/g、さらに好ましくは160~280mgKOH/gである。
【0038】
なお、バインダーには、上記以外に、アスファルト舗装の分野において通常用いられるその他の添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、特に限定されないが、たとえば、フィラー、植物繊維、顔料、凍結防止剤などが挙げられる。
【0039】
図1(a)~図1(d)はアスファルト舗装の補修方法を説明するための模式断面図であり、図1(a)は施工対象(補修箇所R)を示す模式断面図であり、図1(b)は接着剤10を塗布する工程を示す模式断面図であり、図1(c)は骨材20を敷きならす工程を示す模式断面図であり、図1(d)はバインダー混合物30を流し込む工程を示す模式断面図である。
【0040】
以下、本発明のアスファルト舗装の補修方法における各工程ついて説明する。本発明のアスファルト舗装の補修方法は、床版上に骨材を敷きならす敷きならし工程と、アスファルトおよび潤滑性固化材を含むバインダーにアルカリ性添加材を添加して混合し、バインダー混合物を得る混合工程と、骨材が敷きならされた箇所にバインダー混合物を流し込む充填工程と、骨材およびバインダー混合物を養生し舗装体を得る養生工程と、を備えるものである。
【0041】
まず、図1(a)に示すように、鋼床版またはコンクリート床版等の床版1上に設けられたアスファルト舗装2の補修箇所Rを準備する。次いで、図1(b)に示すように、補修箇所Rの床版1上およびアスファルト舗装2の側面に接着剤10を塗布することが好ましい。接着剤10を塗布することにより、得られる舗装体の床版1との接着性を高めることができる。接着剤10としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂系接着剤を好適に用いることができる。接着剤10の塗布量は、補修箇所Rの面積に対して、好ましくは0.5~5.0kg/mである。
【0042】
次いで、図1(c)に示すように、接着剤10を塗布した箇所に、骨材20を敷きならす。骨材20を敷きならす方法は、特に限定されないが、例えば、接着剤10上に骨材20を投入した後、コテを用いて所定の高さに調整する方法が挙げられる。骨材20としては、上述の通り、4.75mmフルイ通過質量百分率が3%以下である単粒度砕石を用いることが好ましい。骨材20として上記の粒度範囲の単粒度砕石を用いることにより、骨材20同士の間に空隙が形成され、後述するバインダー混合物30を流し込んだ際に、この空隙を介してバインダー混合物30が補修箇所Rの下方まで流れ、床版1(または床版1に塗布された接着剤10)に到達することができる。これにより、得られる舗装体の床版1との接着性を向上し、舗装体の水密性を向上することができる。なお、後述するバインダー混合物30を適切に硬化させる観点から、骨材20は、乾燥した状態で用いることが好ましく、骨材20の温度は0~60℃であることが好ましい。
【0043】
次いで、ペール缶等に保存されたバインダーを撹拌することが好ましい。バインダーを撹拌する方法は、特に限定されないが、例えば、ハンドミキサーを用いて撹拌することができる。ハンドミキサーを用いた場合の撹拌時間は、好ましくは5~120秒であり、より好ましくは10~60秒である。
【0044】
次いで、バインダーにアルカリ性添加材を加え、バインダーおよびアルカリ性添加材を撹拌して混合する。アルカリ性添加材の使用量は、「バインダー:アルカリ性添加材」の重量比が、100:5~100:150の範囲内となる量とすることが好ましく、100:15~100:40の範囲内となる量とすることがより好ましい。撹拌時間は、好ましくは10~180秒であり、より好ましくは30~90秒である。
【0045】
アルカリ性添加材としては、硬化促進剤(たとえば、水)の作用により、アルカリ成分となる化合物であればよく特に限定されず、分岐鎖飽和脂肪酸を中和するために、硬化促進剤の作用により、低い水素イオン濃度(すなわち、pHが大きい)を呈するものが望ましく、石鹸作製において、通常用いられる水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用いることも可能であるが、環境的な観点より、一般的な土木材料として使用されるセメントの中でも、硬化促進剤の作用によって低い水素イオン濃度を呈する普通セメント(普通ポルトランドセメント)が好ましく用いられる。普通ポルトランドセメントとしては、たとえば、ケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO)、ケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO)、カルシウムアルミネート(3CaO・Al)、カルシウムアルミノフェライト(4CaO・Al・Fe)、硫酸カルシウム(CaSO・2HO)などを主成分とするものを用いることができる。なお、アルカリ性添加材としては、これ以外にも、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)等の金属イオンを含む水溶液もしくは、水を添加することで上記のイオンに分解する金属塩を含む粉末、若しくは炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)などが使用できる。
【0046】
次いで、バインダーおよびアルカリ性添加材の混合物に、硬化促進剤として水を加え、撹拌により混合し、バインダー混合物30を得る。このとき、水を添加する前にバインダーの温度を測定し、バインダーの温度に応じて撹拌時間を決定することが好ましい。例えば、バインダー温度が0℃の場合、撹拌時間は、好ましくは80~100秒である。また、バインダー温度が10℃の場合、撹拌時間は、好ましくは40~80秒である。また、バインダー温度が20℃以上の場合、撹拌時間は、好ましくは20~40秒である。
【0047】
なお、バインダー等の撹拌にハンドミキサーを用いる場合は、バインダーにアルカリ性添加材および潤滑性固化材を添加することにより起こる中和反応の速度を制御し、バインダー混合物30の可使時間および硬化時間を長く確保する観点から、適切な撹拌能力のハンドミキサーを用いることが好ましい。例えば、ペール缶(直径25~30cm)に保存されたバインダー(内容量7~11L)を撹拌する場合には、低速型(300~500rpm)で、直径15~20cmのスクリューを備えたハンドミキサーを用いて撹拌を行うことが好ましく、日立工機製のハンドマゼラー(形式:UM22、400rpm、シャフト形式:B1、ホルダー形式:A、スクリュー形式:B1、スクリュー直径18cm)を用いることがより好ましい。
【0048】
次いで、図1(d)に示すように、バインダー混合物30を骨材20が敷きならされた箇所に流し込み、補修箇所Rをバインダー混合物30で充填する。バインダー混合物30の使用量は、骨材20の使用量を100重量部として、10~50重量部とすることが好ましく、20~40重量部とすることがより好ましい。バインダー混合物30の使用量を上記範囲内とすることにより、敷きならされた骨材20同士の間に形成された空隙をバインダー混合物30によって隙間なく充填することができるため、得られる舗装体の床版との接着性および水密性を向上することができる。
【0049】
なお、バインダー混合物30の可使時間を考慮して、撹拌終了後速やかに流し込みを行うことが好ましい。バインダー混合物30の可使時間は、バインダーの温度が高いほど短くなる。例えば、バインダー混合物30の温度が0~20℃の場合は、約6分以内に流し込みを行うことが好ましい。バインダー混合物30の温度が21~30℃の場合は、約4分以内に流し込みを行うことが好ましい。バインダー混合物30の温度が31~40℃の場合は、約2分以内に流し込みを行うことが好ましい。また、バインダー混合物30の流し込んだ後、コテなどを用いて骨材20およびバインダー混合物30で構成された層の表面形状を整形することが好ましい。
【0050】
最後に、骨材20とバインダー混合物30で構成された層を0~40℃で30分~120分養生することで、骨材20とバインダー混合物30を含む舗装体が得られ、アスファルト舗装の補修が完了する。なお、以上説明した工程は、気温0~30℃の条件で行うことが好ましい。気温が0℃を下回ると、バインダー混合物30が硬化しにくく、気温が30℃を上回ると、バインダー混合物30の可使時間が極端に短くなるためである。
【0051】
以上のように、本発明のアスファルト舗装の補修方法では、骨材20が敷きならされた箇所にバインダー混合物30を流し込むことで施工を行う。これにより、補修の規模に応じて、骨材およびバインダーを必要な量だけ準備して施工することができるため、アスファルト舗装の補修における廃棄材料の発生を抑制すると共に、補修にかかるコストを低減することができる。また、クッカ車等の特別な施工機械が不要であり、常温(0~40℃)での施工が可能なことから、簡便な方法で補修を行うことができる。
【0052】
本発明のアスファルト舗装の補修方法は、特に、ポットホール部の防水層の補修や、修繕工事の表層切削により発見された防水層破損部の補修等、小規模なアスファルト舗装に好適に用いることができる。なお、本発明の補修方法による補修を行った後は、骨材20およびバインダー混合物30を含む舗装体の上に、加熱合材や常温補修材等を用いて表層の施工を行うことが好ましい。
【0053】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであ
って、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に
開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【実施例
【0054】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0055】
<実施例1>
ストレートアスファルト5.8重量部に、改質材(商品名「アスタス」、日進化成株式会社製、スチレン-ブタジエン系熱可塑性エラストマー20重量%程度および鉱油60重量%程度を含む)1.5重量部を撹拌機かミキサ(スターラー)により混合し、改質アスファルトを得た(ストレートアスファルト:改質材=80:20(重量比))。この改質アスファルトにトール油脂肪酸(商品名「ハートールFA-1」、ハリマ化成グループ社製)12.7重量部と、イソステアリン酸(商品名「イソステアリン酸R」、ミヨシ油脂株式会社製)4.3重量部を加え(トール油脂肪酸:イソステアリン酸=75:25(重量比))、バインダーを得た。この際、アスファルトの加熱温度は160~175℃、その他の部材は常温とした。
【0056】
なお、実施例1で用いた潤滑性固化材としてのトール油脂肪酸(商品名「ハートールFA-1」、ハリマ化成グループ社製)は、以下の性状を有するものである。
・「不飽和脂肪酸:樹脂酸」=98.5:1.5(重量比)
・不けん化物含有量:2.0重量%
・不飽和脂肪酸の成分比率:パルミチン酸1~3重量%、ステアリン酸1~3重量%、オレイン酸40~50重量%、リノール酸35~45重量%
・樹脂酸の種類:ロジン
・酸価:194mgKOH/g
・融点:25℃以下(常温で液体)
【0057】
また、実施例1で用いた潤滑性固化材としてのイソステアリン酸(商品名「イソステアリン酸R」、ミヨシ油脂株式会社製)は、以下の性状を有するものである。
・酸価:191.1mgKOH/g
・ヨウ素価:4.7
・融点:25℃以下(常温で液体)
【0058】
次いで、補修箇所Rに見立てたモールド(型枠)を用意し、モールド内に骨材20(5号砕石、粒度20~13mm)を配置し敷きならした。
【0059】
次いで、20℃とした上記のバインダーにアルカリ性添加材としての普通ポルトランドセメントを加えてハンドミキサーで60秒撹拌することで混合し、さらに硬化促進剤としての水を加えて30秒撹拌してバインダー混合物30とした。このバインダー混合物30を骨材20が敷きならされたモールド内に流し込み、モールド内を充填した。さらに、温度20℃、湿度60%の条件で7日間養生を行うことで、供試体を得た。そして、得られた供試体を用いて、以下の曲げ試験および接着強度試験を行った。なお、各成分の配合比は、表1の記載の値のとおりとした。
【0060】
(曲げ試験)
上記にて得られた供試体を用いて、「舗装調査・試験法便覧 B005」に準じて、試験温度-10℃にて、曲げ試験を行うことで、破断時のひずみ(曲げひずみ、[×10-3mm/mm])を求めた。曲げ試験においては、破断時のひずみ(曲げひずみ)が大きいほど、たわみ性に優れ、ひび割れの発生を軽減できるための望ましい。曲げ試験の結果を表1に示す。
【0061】
(引張接着強度試験)
模擬コンクリート床版の設けられたモールドをさらに用意し、上記にて得られ供試体とコンクリート床版とをエポキシ系接着剤を用いて貼り合わせ、「道路橋床版防水便覧」に準じて、試験温度23℃および-10℃にて、引張試験を行うことで、引張接着強度[N/mm]を求めた。結果を表1に示す。
【0062】
<実施例2>
トール油脂肪酸とイソステアリン酸の使用比率を60:40(重量比)に変更した以外は、実施例1と同様にしてアスファルト組成物および舗装用混合物を得て、供試体を製造して評価を行った。
【0063】
<実施例3>
トール油脂肪酸とイソステアリン酸の使用比率を45:55(重量比)に変更した以外は、実施例1と同様にしてアスファルト組成物および舗装用混合物を得て、供試体を製造して評価を行った。
【0064】
<実施例4>
トール油脂肪酸とイソステアリン酸の使用比率を75:25(重量比)に変更し、骨材として6号砕石(粒度13~5mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてアスファルト組成物および舗装用混合物を得て、供試体を製造して評価を行った。
【0065】
<実施例5>
トール油脂肪酸とイソステアリン酸の使用比率を60:40(重量比)に変更した以外は、実施例2と同様にしてアスファルト組成物および舗装用混合物を得て、供試体を製造して評価を行った。
【0066】
<実施例6>
ストレートアスファルトと改質材の使用比率を90:10(重量比)に変更した以外は、実施例1と同様にしてアスファルト組成物および舗装用混合物を得て、供試体を製造して評価を行った。
【0067】
<実施例7>
ストレートアスファルトと改質材の使用比率を100:0(重量比)に変更した以外は、実施例1と同様にしてアスファルト組成物および舗装用混合物を得て、供試体を製造して評価を行った。
【0068】
【表1】
【符号の説明】
【0069】
1…床版
2…アスファルト舗装
10…接着剤
20…骨材
30…バインダー混合物
R…補修箇所
【要約】
【課題】廃棄材料の発生を抑制し、補修にかかるコストを低減することができるアスファルト舗装の補修方法を提供する。
【解決手段】床版1上に骨材20を敷きならす敷きならし工程と、アスファルトおよび潤滑性固化材を含むバインダーにアルカリ性添加材を添加して混合し、バインダー混合物30を得る混合工程と、前記骨材20が敷きならされた箇所にバインダー混合物30を流し込む充填工程と、前記骨材20およびバインダー混合物30を養生し舗装体を得る養生工程と、備えるアスファルト舗装の補修方法を提供する。
【選択図】図1
図1