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特許7311714充填材シートおよび関連する充填材パックアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】充填材シートおよび関連する充填材パックアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F28F 25/08 20060101AFI20230711BHJP
   F28C 1/04 20060101ALI20230711BHJP
   B01J 19/30 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
F28F25/08 A
F28C1/04
B01J19/30
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022538144
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 US2020063334
(87)【国際公開番号】W WO2021126552
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】62/951,365
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/082,589
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/082,797
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520417263
【氏名又は名称】ブレントウッド・インダストリーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BRENTWOOD INDUSTRIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】バット,アディティア
(72)【発明者】
【氏名】キューリック,フランク エム,ザ サード
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-111552(JP,A)
【文献】実公昭50-015637(JP,Y2)
【文献】米国特許第05545327(US,A)
【文献】実開昭52-147140(JP,U)
【文献】米国特許第3540702(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0150122(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 25/08
F28C 1/00 - 1/16
B01J 19/30 - 19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の充填材シートにより構成される充填材パックに配置される場合に冷却塔内で熱伝達流体を冷却するための充填材シートであって、
空気入口端と、
横軸に沿って前記空気入口端の反対側に配置される空気出口端と、
前記空気入口端と前記空気出口端とを接続する上縁と、
前記空気入口端と前記出口端とを接続し、垂直軸に沿って前記上縁の反対側に配置される下縁と、
前記空気入口端と、前記空気出口端と、前記上縁と、前記下縁と、の間で前記充填材シートの熱伝達領域から延びる複数のスペーサーと、
を備え、
前記複数のスペーサーは、第1ヘッドエンドと第1テールエンドとを有する第1スペーサーを含み、前記第1ヘッドエンドは、前記第1テールエンドよりも前記上縁の近くに配置され、前記第1スペーサーは第1スペーサー軸を規定し、前記第1スペーサー軸は、前記横軸との第1鋭角スペーサー角を規定し、
前記複数のスペーサーは、第2ヘッドエンドと第2テールエンドとを有する第2スペーサーを含み、前記第2ヘッドエンドは、前記第1テールエンドよりも前記上縁の近くに配置され、前記第2スペーサーは、第2スペーサー軸を規定し、前記第2スペーサー軸は、前記横軸との第2鋭角スペーサー角を規定し、前記第1スペーサー軸は、前記第2スペーサー軸に対して前記垂直軸の反対側に延び、
前記第1スペーサーは第1接着剤ボスを含み、前記第2スペーサーは第2接着剤ボスを含
前記第1接着剤ボスは、設置構成において隣接する充填材シートの第3接着剤ボスに接着され、
前記第2接着剤ボスは、設置構成において前記隣接する充填材シートの第4接着剤ボスに接着される、
充填材シート。
【請求項2】
前記第1スペーサーは、前記充填材シートの谷から延びる、
請求項1に記載の充填材シート。
【請求項3】
前記第1スペーサーは、丸みを帯びた第1テールエンドおよび概ね半円形状の第1ヘッドエンドを有する概ねティアドロップ形状を有する、
請求項1に記載の充填材シート。
【請求項4】
冷却塔内で熱伝達流体を冷却するための充填材パックであって、
第1上縁と、第1下縁と、前記第1上縁と前記第1下縁との間の第1熱伝達領域と、を有する第1充填材シートと、
前記第1充填材シートから第1シート面に対して概ね垂直に延びる複数の第1スペーサーであって、第1ヘッドエンドと第1テールエンドとを有する第1スペーサーを含み、前記第1ヘッドエンドは前記第1テールエンドよりも前記第1上縁の近くに配置される、複数の第1スペーサーと、
第2上縁と、第2下縁と、前記第2上縁と前記第2下縁との間の第2熱伝達領域と、を有する第2充填材シートと、
前記第2充填材シートから第2シート面に対して概ね垂直に延びる複数の第2スペーサーであって、第2ヘッドエンドと第2テールエンドとを有する第2スペーサーを含み、前記第2ヘッドエンドは前記第2テールエンドよりも前記第2上縁の近くに配置され、設置構成において、前記第1ヘッドエンドは、前記第2ヘッドエンドに近接して配置され、垂直軸が、前記第1上縁および前記第2上縁と、前記第1下縁および前記第2下縁と、に対して概ね垂直に規定され、前記第1テールエンドは、前記第2テールエンドに対して前記垂直軸の反対側に向かって延び、設置構成において、前記第1テールエンドと前記第2テールエンドとの整列がずれている、複数の第2スペーサーと、
を備え、
前記第1スペーサーおよび前記第2スペーサーは、第1接着剤ボスおよび第2接着剤ボスにより構成され、前記第1接着剤ボスおよび前記第2接着剤ボスは、設置構成において、互いに接着される、
充填材パック。
【請求項5】
前記第1スペーサーは、第1スペーサー軸を規定し、前記第2スペーサーは、第2スペーサー軸を規定し、横軸は、前記垂直軸に概ね垂直に、および前記第1上縁および前記第2上縁に実質的に平行に規定され、前記第1スペーサー軸および前記横軸は、第1スペーサー角を規定し、前記第2スペーサー軸と前記横軸とは、第2スペーサー角を規定し、前記第1スペーサー角および前記第2スペーサー角は、鋭角である、
請求項4に記載の充填材パック。
【請求項6】
前記第1スペーサーおよび前記第2スペーサーは、概ねティアドロップ形状を有する、
請求項4に記載の充填材パック。
【請求項7】
前記第1スペーサーは、設置構成において、前記第2スペーサーに隣接して配置され、前記第1スペーサーおよび前記第2スペーサーの配置は、設置構成において、前記第2充填材シートに対する前記第1充填材シートの離間を容易にする、
請求項4に記載の充填材パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年10月28日に出願された、「充填材シートおよび関連する充填材パックアセンブリ」という名称の米国特許出願第17/082,589号および米国特許出願第17/082、797、および、2019年12月20日に出願された「充填材シートおよび関連する充填材パックアセンブリ」というタイトルの米国特許仮出願第62/951,365号の利益を主張し、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
充填材パックにともに組み立てることができるクロスフロー冷却塔において、様々なフィルム充填材(film fills)および充填材シート(fill sheets)が利用可能である。市場で差別化し優位に立つために、充填材メーカーが競合する充填材オプションよりも優れた製品を提供することが重要である。これらの優位性の例として、高効率充填材による塔の性能の改善、設置の容易性、製品寿命、製品コスト、および充填材から出るドリフトの低減などが挙げられる。
【0003】
冷却塔の性能は、ある一連の周囲条件に対して所定の運転温度(operating temperature)に冷却することができる水または他の冷却流体の量により特徴づけることができる。この冷却を実現するために、冷却塔の充填材に水が噴霧されて空気流にさらされる。これにより、少量の水を空気中に蒸発させて残った水を冷却する。冷却塔内で発生する蒸発量を増やすことにより、塔全体の性能もまた向上または改善することができる。この蒸発のほとんどが充填材内で発生するため、充填材設計の変更が塔の運転中に達成することのできる冷却量に著しい影響を与えることがある。具体的には、冷却塔の充填材に対する変更により、所与の空気流量に対する充填材全体の圧力損失を低下させるか、または充填材の熱性能を向上させると、冷却塔の性能がより向上する。充填材全体の圧力損失を低下させることにより、タワーを通過する空気の流れの抵抗が低減し、同じファン出力で、より多くの空気が水膜(water film)を通過できるようになり、それにより蒸発量が増加する。充填材の熱性能を向上させるために、空気と水との混合を増加させると、空気と水との界面での状態を改善して空気中への水の蒸発量を増やすことができる。しかし、空気の混合を行うには、通常、充填材に対する変更を必要とし、それにより充填材全体の圧力損失も増加する。混合に対する影響を最小限に抑えつつ既存の設計よりも圧力損失を低減することのできる充填設計、または同等以下の圧力損失を実現する混合戦略の改善の必要性が示されている。
【0004】
クロスフロー冷却塔の場合、フィルム充填材は、吊り下げ式充填材または底部支持式充填材として塔内に設置される。吊り下げ式充填材の場合、充填材シートの上部付近に穴を開けてレールを通すか、または充填材シートがレールの長さに沿って間隔を空けて配置されるようレールに取り付けられる。このため、個々の充填材シートは、穴の下では引張荷重を受けるが、レールとシートとの界面では圧縮荷重を受ける。底部支持式充填材の場合、シートは、硬い充填材のブロックにともに固定され、塔内の支持構造の上部に配置される。通常、底部支持式充填材は、吊り下げ式充填材よりも塔内への設置が容易であるが、底部支持式充填材シートは、運転中、特に、塔内で利用される水または他の冷却流体から、または氷、生物学的汚染物質(biological foulants)、スケール(scals)、または関連する他の蓄積された堆積物などの、充填物に追加の重量および力を加える外部堆積物の蓄積からの負荷の下での運転中に見られる圧縮荷重に抵抗するための追加の構造的特徴を必要とする。構造リブまたは接着剤ボス(glue boss)の特徴などの充填材シートのこれらの構造的特徴は、通常、充填材に対してほとんど熱的利益を提供せず、圧力損失を増加させ、その結果、塔の性能を低下させる。構造リブおよび接着剤ボスに代わり、より厚いゲージのシート(thicker gauge sheets)を充填材構造に使用することができるが、ゲージの厚さを増加させることで、それぞれの充填材シートにより多くの材料を追加することによる充填材の総コストが増加する。
【0005】
クロスフロー塔で使用されるフィルム充填材の場合、すべての充填材が専用の熱伝達領域を含み、また、いくつかの充填材が充填材の空気出口付近の一体型ドリフトエリミネーター(drift eliminator)および/または充填材の空気入口付近のルーバーセクション(louver section)を含む。充填材の熱伝達領域は、水が充填材の表面に広がるための大きな表面積を提供して空気との接触を増やし、充填材を流れる空気を混合し、シート上を流れる水膜を混合しつつ、充填物全体の圧力損失を低く維持して、充填材の熱性能を担う。通常、クロスフロー充填材の熱伝達面は、表面全体にパターン化された小さな表面特徴(微細構造)を有する溝付き(fluted)充填材シート、またはより積極的にパターン化された特徴およびあまり目立たない溝付き特徴を有する充填材シートにより構成される。溝付き充填材の場合、溝(flutes)は通常、熱伝達領域全体に連続しているか、またはその長さに沿って概ね一定の断面を有し、一般的に交差波形であるが、水平または垂直に配向してもよい。
【0006】
バルク水のほとんどがフィルム充填材の表面に付着するが、一部の水は小さな液滴を形成し空気出口を介して充填材から排出される。これはドリフトとしても知られている。ドリフトは、水または他の冷却流体のシステムからの損失を意味し、水または他の冷却流体の損失は、それ自身と冷却流体内に含まれる処理薬品の両方の補充のためにコストがかかるため、好ましくない。また、ドリフトには循環水または流体に存在する化学物質、塩、およびバクテリアが含まれることがあるため、ドリフトは、周囲の機器および環境に有害な影響を及ぼすこともある。クロスフロー塔フィルム充填材の場合、これらのドリフトの液滴を捕捉し冷却塔からの流出を防ぐために、シートの空気出口側にドリフト除去機能を持たせることがあり、これをドリフトエリミネーターと呼び、一体型ドリフトエリミネーター(「ID」)で構成されることがある。クロスフローフィルム充填材の場合、通常、チューブドリフトエリミネーターおよびブレードドリフトエリミネーターを含む一体化された2種類のドリフトエリミネーターがある。一般的に、チューブドリフトエリミネーターは、隣接するシートのドリフト波形を整列させて充填材のID部分に形成された角度を付けたチューブである。水滴がチューブに入って気流に同伴される(entrained)と、液滴の勢いにより、IDの角度の付いたチューブに従って空気の流れが方向を変えるため、液滴がチューブ壁面に衝突する。一体型ドリフトエリミネーターの表面に集まった水が充填材から下部の受け皿(catch basin)に排出されるよう、および、底部支持式充填材の垂直構造的支持を提供するよう、通常、一体型ドリフトエリミネーターチューブの入口に垂直チャネルが含まれる。この種類のドリフトエリミネーターの現在の実装の制限の1つは、水がエリミネーターのチューブ入口に達した場合に発生する。水がチューブ部分とドレーン(drain)との間の遷移部(transition)に達すると、一部の水が空気によりチューブの上壁の一部に沿って押し出されてから気流に落ちることがある。液滴をエリミネーターにさらに奥まで導入することで、壁面に衝突することなく液滴がエリミネーターから排出されやすくなり、それにより、エリミネーターの性能が低下する。一体型ブレードドリフトエリミネーターの設計は、空気の流れの方向を変えるために、充填材の空気出口付近に大きな垂直方向のリッジ(ridge)を形成することによりドリフト除去を実現する。一体型ドリフトエリミネーター入口での水滴の勢いにより、リッジ壁との衝突が発生し、気流からドリフトを排除する。リブまたはスペーサーなどの他の構造的特徴は、エリミネーターリッジの前またはあとに含まれ、シートが運転中に分離したままであることを保証し、充填材および/またはシート、ならびに組み立てられた充填材パックを強化する。
【0007】
充填材の空気入口で、充填材の前面から水が飛散するのを防ぐために、一体型ルーバーが充填材設計に含まれることがある。これらの一体型ルーバーは、通常、充填材に突出するよう下向きに角度を付けた波形で構成され、水が流れ落ちる傾斜面を提供し、それにより、水や他の冷却流体が充填材の前面に到達するのを防ぐ。それぞれのシートの波形は、ともに組み立てられてチューブを形成してもよいし、または、隣接するシートの波形と平行のまま、追加のシートスペーサー機能が設計に追加されてもよい。
【発明の概要】
【0008】
簡潔に述べると、好ましい発明は、クロスフロー冷却塔で使用される複数の充填材シートにより構成される充填材パックに組み立てられる場合に、冷却塔内での熱伝達流体を冷却するための充填材シートに関する。充填材シートは、空気入口端と、横軸に沿って空気入口端の反対側に位置する空気出口端と、空気入口端と空気出口端とを接続する上縁(top edge)と、空気入口端と空気出口端とを接続する下縁(bottom edge)と、を含む。下縁は、垂直軸に沿って上縁の反対側に配置される。熱伝達流体は、上縁と下縁との間を流れるよう構成される。複数の溝は、概ね、空気入口端と空気出口端との間の横軸に沿って延びる。オフセットまたは遷移機能(transition feature)は、マクロ構造の平坦部を提供し、垂直軸に対して概ね平行に延びる。複数の溝のうち第1の溝は、オフセットの第1の側の第1の山からオフセットの第2の側の第1の谷に遷移する。オフセットまたは遷移機能は、垂直軸に対して概ね平行に延びるリブと、オフセットの構造的支持を提供するスペーサーと、を含む。微細構造は、好ましくは、オフセットに一体的に形成され、概ねヘリンボーン形状を有する。スペーサーは、好ましくは、第1の複数のスペーサーにより構成され、それぞれの複数の溝は、オフセットまたは遷移機能でその上に配置された第1の複数のスペーサーの1つを含む。リブは、好ましくは、第1中間リブと第2中間リブとを含む中間リブにより構成され、スペーサーは、スペーサーの中間列(intermediate column)により構成される。
【0009】
別の態様において、好ましい発明は、複数の充填材シートにより構成される充填材パックに配置される場合に、冷却塔内で熱伝達流体を冷却するための充填材シートに関する。充填材シートは、空気入口端と、横軸に沿って空気入口端の反対側に位置する空気出口端と、空気入口端と空気出口端とを接続する上縁と、空気入口端と空気出口端とを接続する下縁と、を含む。下縁は、垂直軸に沿って上縁の反対側に位置する。複数のスペーサーは、充填材シートの熱伝達領域から、空気入口端と空気出口端と上縁と下縁との間に延びる。複数のスペーサーは、第1ヘッドエンドと第1テールエンドとを有する第1スペーサーを含む。第1ヘッドエンドは第1テールエンドよりも上縁に近い位置に配置される。第1スペーサーは、第1スペーサー軸を規定する。第1スペーサー軸は、横軸との第1鋭角スペーサー角度を規定する。複数のスペーサーは、第2ヘッドエンドと第2テールエンドとを有する第2スペーサーを含む。第2ヘッドエンドは、第1テールエンドよりも上縁に近い位置に配置される。第2スペーサーは、第2スペーサー軸を規定する。第2スペーサー軸は、横軸との第2鋭角スペーサー角度を規定する。第1スペーサー軸は、第2スペーサー軸に対して垂直軸の反対側に延びる。
【0010】
さらに別の態様において、好ましい発明は、冷却塔内で熱伝達流体を冷却するための充填材パックに関する。充填材パックは、第1上縁と、第1下縁と、第1上縁と第1下縁との間の第1熱伝達領域と、を有する第1充填材シートと、第2上縁と、第2下縁と、第2上縁と第2下縁との間の第2熱伝達領域と、を有する第2充填材シートと、を含む。第1の複数のスペーサーは、第1充填材シートから第1シート面に対して概ね垂直に延びる。第1の複数のスペーサーは、第1ヘッドエンドと第1テールエンドとを有する第1スペーサーを含む。第1ヘッドエンドは、第1テールエンドよりも第1上縁に近い位置に配置される。第2の複数のスペーサーは、第2充填材シートから第2シート面に対して概ね垂直に延びる。第2の複数のスペーサーは、第2ヘッドエンドと第2テールエンドとを有する第2スペーサーを含む。第2ヘッドエンドは、第2テールエンドよりも第2上縁に近い位置に配置される。第1ヘッドエンドは、設置状態において、第2ヘッドエンドに近接して配置される。垂直軸は、第1および第2上縁ならびに第1および第2下縁に対して概ね垂直に規定される。第1テールエンドは、第2テールエンドに対して垂直軸の反対側に向かって延びる。
【0011】
さらなる態様において、好ましい発明は、冷却塔内で熱伝達流体を冷却するための充填材パックに関する。充填材パックは、第1空気入口端と、第1上縁と、第1空気出口端と、第1空気入口端と第1空気出口端との間の第1熱伝達領域と、を有する第1充填材シートと、第2空気入口端と、第2上縁と、第2空気出口端と、第2空気入口端と第2空気出口端との間の第2熱伝達領域と、を有する第2充填材シートと、を含む。一体型ドリフトエリミネーターは、設置状態において、第1および第2空気出口側に関連付けられている。ドリフトエリミネーターは、第1および第2熱伝達領域に近接して配置されたドリフトエリミネーター入口と、第1および第2熱伝達領域から離れて配置されたドリフトエリミネーター出口と、を有する複数のチューブを規定する。複数のチューブは、概ね第1および第2の上縁に向かって、ドラフトエリミネーター入口からドラフトエリミネーター出口に向かって延びる。複数のチューブのそれぞれは、ドリフトエリミネーター入口に、ドリフトエリミネーター入口で熱伝達流体を遮断し、液滴形成およびドリフトエリミネーター内での熱伝達流体の捕捉を促進するよう構成された遮断構造を含む。
【0012】
追加の態様において、好ましい発明は、複数の充填材シートにより構成される充填材パックに組み立てられる場合に、冷却塔内で熱伝達流体を冷却するための冷却材シートに関する。充填材シートは、空気入口端と、横軸に沿って空気入口端の反対側に位置する空気出口端と、空気入口端と空気出口端とを接続する上縁と、空気入口端と空気出口端とを接続する下縁と、を含む。下縁は、垂直軸に沿って上縁の反対側に位置する。微細構造は、充填材シート上に形成される。支持リブは、上縁および下縁の間に延びる。支持リブは、第1支持リブと第2支持リブとを含む。第1および第2支持リブは、横軸に沿って互いに横方向に間隔を空けて配置され、垂直軸に実質的に平行に延びる。支持リブは、第1支持リブ長さを有する第1支持リブ部分を有する。第1支持リブは第1リブ高さを含み、第2支持リブは第2リブ高さを含む。微細構造は微細構造高さを有する。第1リブ高さは第1支持リブ部分において微細構造高さよりも小さく、第2リブ高さは第1支持リブ部分において微細構造高さよりも大きい。支持リブは、好ましくは、空気出口端に近接して配置された出口側リブにより構成される。第1支持リブ部分は、好ましくは、第1支持リブ部分長さを有する。好ましい実施の形態において、第1リブ高さは、リブ最小高さにより構成されてもよく、第2リブ高さはリブ最大高さにより構成されてもよい。リブ高さはリブ最大高さからリブ最小高さまで遷移してもよい。
【0013】
さらなる態様において、好ましい本発明は、複数の充填材シートにより構成される充填材パックに組み立てられる場合に、冷却塔内で熱伝達流体を冷却するための充填材シートに関する。充填材シートは、空気入口端と、横軸に沿って空気入口端の反対側に位置する空気出口端と、空気入口端と空気出口端とを接続する上縁と、空気入口端と空気出口端とを接続する下縁と、を含む。下縁は、垂直軸に沿って上縁の反対側に位置する。複数のリブは、概ね空気入口端と空気出口端との間に配置される。中間リブは、概ね空気入口端と空気出口端との間に配置される。中間リブは、第1中間リブと第2中間リブとを含む。第1中間リブは、上縁に近接した上端(top end)から第1端部(first end)まで延びる。第2中間リブは、下縁に近接した下端(bottom end)から第2端部(second end)まで延びる。第2リブは、第2端部と第3端部(third end)とを含む。第1端部は、第2端部に近接して配置される。オフセットは、垂直軸に対して概ね平行に延びる。複数の溝のうち第1の溝は、オフセットの第1の側の第1の山からオフセットの第2の側の第1の谷に遷移する。中間リブは、オフセットに配置される。第1リブの第1端部は、第2リブの第2端部に近接して配置される。第1リブおよび第2リブのうち少なくとも一方は、上端と第2端部との間で横軸に交差している。第1リブおよび第2リブは、好ましくは、4分の1インチから2インチ(1/4-2’’)の間隔で横方向に配置される。好ましい実施の形態の第1リブおよび第2リブは、入口側リブ出口側リブ、または中間リブのうち任意の1つにより構成されてもよい。第1リブは、第1中間リブセグメントにより構成されてもよく、第1リブは、第2中間リブセグメントにより構成されてもよい。その中で、第1端部と第2端部とは、好ましい実施の形態における充填材シートの中央に近接して配置される。
【0014】
前述の概要、ならびに以下の発明の詳細な説明は添付の図面と併せて読むとより良く理解されるであろう。本発明を説明する目的で、現在好ましい実施の形態が図面に示されている。しかし、本発明は、示された正確な配置および器具に限定されるものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の好ましい実施の形態にかかる充填材シートの正面図
図1A図1の充填材シートの一部を示す、図1の形状1Aの内部の拡大正面斜視図
図1B図1の充填材シートを示す、図1の線1B-1Bに沿った側面斜視図
図1C図1の充填材シートの一部の、起伏のある充填材の溝およびオフセットを示すワイヤフレーム正面斜視図
図2図1の充填材シートの空気出口部分の一部の、図1の線2-2のほぼ後方を示す底面斜視図
図2A図2の充填材シートの空気出口部分の一部を示す正面図
図2B図1の充填材シートの一部の、図2の線2B-2Bに沿った断面図
図2C図1の充填材シートの一部の、図2Aの線2C-2Cに沿った断面図
図2D図1の充填材シートの、図2の線2D-2Dに沿った断面線図
図3】充填材パックを規定するためにともに設置または組み立てられた図1の一対の充填材シートの底面平面図
図3A図3の充填材パックの、図3の線3A-3Aに沿った断面線図
図3B図3の充填材パックの、図3の線3B-3Bに沿った断面線図
図3C図3の充填材パックの、図3の線3C-3Cに沿った断面線図
図4】充填材シートのスペーサーが設置されたまたは組み立てられた構成で示されている、図3の充填材パックの拡大底面平面図
図5図4のスペーサーの形状を示す正面図
図6図4のスペーサーの代替形状を示す正面図
図7】充填材シートの空気出口側に一体型ドリフトエリミネーターを含む、本発明の第2の好ましい実施の形態にかかる充填材シートの正面図
図8図7の充填材シートの、図7の形状8-8の内部を示す正面斜視図
図9】充填材パックを規定するためにともに設置または組み立てられた一対の充填材シートの一部の、図7の線9-9に沿った断面図であり、ドラフトエリミネーターの溝および充填材シートの冷却部分へのドラフトエリミネーターの溝の接続を概略的に示す
図10】本発明の第3の好ましい実施の形態にかかる充填材シートを示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明において、便宜上特定の用語を使用しているが、これに限定されるものではない。本明細書で特に明記しない限り、「a」、[an」、および「the」という用語は、1つの要素に限定されず、代わりに「少なくとも1つの(at least one)」という意味に解釈されるべきである。「右(right)」、「左(left)」、「下(lower)」、および「上(upper)」という用語は、参照する図面における方向を示す。「内側に(inwardly)」または「遠隔に(distally)」、「前(front)」または「後ろ(rear)」、および「外側に(outwardly)」または「近接に(proximally)」という用語は、それぞれ、充填材シートまたは充填材パックおよびその関連部品の幾何学的中心または方向に向かうことまたはそこから離れることを示す。用語には、上に挙げた単語、その派生語、および同様の意味の単語が含まれる。
【0017】
また、本発明の構成要素の寸法または特徴を示す場合に本明細書で使用される「約(about)」、「およそ(approximately)」、「概ね(generally)」、「実質的に(substantially)」、および同様の用語は、当業者であれば理解できるように、記載された寸法/特徴が、厳密な境界またはパラメータではなく、機能的に同一または類似のそこからの小さな変化を排除するものではないことが理解されるべきである。少なくとも、数値パラメータを含むそのような参照は、当該技術分野で受け入れられている数学的および工業的原則(例えば、丸め、測定または他の系統誤差、製造公差、等)を使用して、最下位桁を変化させないような変化を含むであろう。
【0018】
図1図3Cを参照すると、本発明の第1の好ましい実施の形態にかかる一般的に符号10で示される充填材シートは、一体型ルーバー(図示省略)を含み得る空気入口部12、一体型ドリフト(図7図9参照)を含み得る空気出口部14、および/または入口部12および/または出口部14の他の標準的な端部特徴(end features)、ならびに中間ハニカム(intermediate honeycombs)などの追加の特徴とともに、熱伝達部11を有する。充填材シート10は、いずれも充填材シート10の第1の好ましい実施の形態には示されていない一体型ルーバーまたは一体型ドリフトを含むことに限定されず、ルーバーおよびドリフトなしで機能してもよく、または、充填材シート10に隣接するが一体的には形成されていない非一体型ルーバーおよびドリフトなどの、空気入口部12および空気出口部14に取り付けられる、一体的に形成される、隣接して配置される、または隣接する代替の機能を含んでもよい。一体型ルーバーを含み得る第1の好ましい充填材シート10の空気入口部12は、シート10の空気入口側10aに配置され、一体型ドリフトを含み得る空気出口部14は、好ましいクロスフロー充填材シート10の空気出口側10bに配置される。
【0019】
第1の好ましい充填材シート10の熱伝達部11は、ヘリンボーン形状の微細構造11aを含むか、または微細構造11aは、熱伝達部11において充填材シート10の表面積を増加させて運転中に空気と水との混合を提供するために概ねヘリンボーン形状を有する。微細構造11aは、ヘリンボーン形状の微細構造により構成されることに限定されず、熱伝達部11において充填材シート10の表面積を増加させて追加の水膜領域を気流に露出させる、代替的な大きさおよび形状の微細構造により構成されてもよい。微細構造11aは、好ましくは、好ましい充填材シート10のマクロ構造の高さと比較した場合に、より小さい微細構造高さHを有する。マクロ構造は、以下により詳細に説明されるように、複数の溝18などの特徴を含む。好ましい実施の形態において、微細構造高さHは、100分の3インチから2分の1インチ(0.03-0.5’’)であるがそれに限定されず、設計者の好み、微細構造の種類、冷却塔の種類、予想される負荷、および関連する設計考慮事項および好みに応じてこの範囲外であってもよい。しかし、好ましい微細構造11aの微細構造高さHは、微細構造高さHの好ましい範囲内であり、好ましい充填材シート10とともに使用する場合に適応可能である。
【0020】
充填材シート10の熱伝達部11はまた、複数のスペーサー16により構成され得るスペーサー16を含む。スペーサー16は、組み立てられたまたは設置された構成において充填材シート10、9a、9bを互いに離間させる、接着剤ボス、ペグスペーサー(peg spacers)、または他の同様の構造または特徴により構成されてもよい。スペーサー16は、好ましくは、充填材シート10の対向する前面および背面から延びて隣接する充填材シート10の対向するスペーサー16と嵌合するがそれに限定されず、充填材シート10の単一面だけから延びてもよいし、または、組み立てられた構成において、充填材シート10を離間させるような大きさおよび構成であってもよい。組み立てられた構成における隣接する充填材シート10上のスペーサー16はまた、好ましくは、組み立てられた充填材シート10の互いに対する間隔を容易に空けることのできる、嵌合接着剤ボス(mating glue bosses)またはペグスペーサーにより構成される。スペーサー16は、嵌合接着剤ボスまたはペグスペーサーに限定されず、運転中に所定の離間間隔または距離で隣り合う充填材シート10のサスペンション(suspension)またはハンギング(hanging)を含む、組み立てられた構成において隣接する充填材シート10の互いに対する間隔を容易に空けることのできる、充填材シート10のほぼすべての特徴により構成されてもよい。スペーサー16は、組み立てられた構成において、隣接する充填材シート10を接合(joining)または接着(bonding)することに役立ってもよいし、または、組み立てられた構成において、隣接する充填材シート10の間に一般的な間隔を提供してもよい。スペーサー16の構成および動作は、以下により詳細に説明される。好ましい実施の形態の充填材シート10はまた、そこから延びる整列(alignment)または接続(connection)機能19を有するスペーサー16を含んでもよい。スペーサー16は、好ましくは、組み立てられたまたは設置された構成において、第1充填材シート9aを第2充填材シート9bからは適切に離間させるために、隣接する充填材シート10からスペーサー16と嵌合するための表面を提供する。整列または接続機能19は、好ましくは、第2シート9bに対する第1シート9aの適切な整列を容易にする、および/または組み立てられたまたは設置された構成において、隣接する充填材シート10の係合または接続を提供する。
【0021】
充填材シート10の熱伝達部11はさらに、充填材シート10の横軸20に概ね平行または実質的に平行に延びるその上に配置された溝18を含む。横軸20は、充填材シート10の設置された構成において概ね水平に延び、垂直軸22に対して概ね垂直方向に配向される。溝18は、好ましくは、入口側10aから出口側10bまで概ね横軸20に沿って、熱伝達領域11を通って気流をガイドする。
【0022】
第1の好ましい充填材シート10はまた、組み立てられた構成において、充填材パックの垂直方向および横方向の剛性および強度のための改善されたリブ構成を含み、リブ構成は、空気入口側10aおよび空気出口側10bのそれぞれに対して概ね平行に延びる入口側リブ24および出口側リブ26を含む。入口側リブ24および出口側リブ26は、好ましくは、それぞれ空気入口側10aおよび空気出口側10bに近接し、熱伝達領域11に隣接してまたは熱伝達領域11内に、充填材シート10と一体的に形成される。入口側リブ24および出口側リブ26は、以下により詳細に説明される。
【0023】
図7図9を参照すると、第2の好ましい実施の形態において、充填材シート10’は、第1の好ましい充填材シート10と同様の機能を有する。同一の参照符号は、同様のまたは同一の機能を識別するために使用され、第2の好ましい実施の形態の機能を第1の好ましい実施の形態と区別するためにプライム記号(’)が使用される。第2の好ましい充填材シート10’は、以下により詳細に説明するように、ドリフト性能を改善するために遮断構造100を導入することにより既知のチューブベースの一体型ドリフトエリミネーター(図示省略)を改善する一体型ドリフトエリミネーター50を含む。
【0024】
図1および図7を参照すると、第1および第2の好ましい実施の形態において、充填材シート10、10’は、冷却塔内で配向され、運転中に充填材シート表面に垂直に流れる水に対する交差気流の影響を相殺するために、前傾して構成されるか、またはおよそ5から10(5-10)度のパック角度Δ、Δ’を有するよう構成される。水が垂直軸22、22’に概ね平行にシート10、10’を流れ落ちると、空気は、空気と水との界面における摩擦により、充填材シート10、10’の空気出口側10b、10b’に向かって水を押し出す傾向がある。それにより、空気入口側10a、10a’と上縁28、28’との交差点付近の充填材シート10、10’の上部前角(top front corner)が塔の空気入口に最も近く配置されるよう、充填材シート10、10’は、概ね横軸20、20’に沿って、空気の流れの方向に傾く。空気入口側10a、10a’と下縁30、30’との交差点付近の充填材シート10、10’の下部前角(lower top corner)は、等の空気入口から最も遠く配置される空気入口側の一部である。
【0025】
図1図3Cを参照すると、充填材シート10の熱伝達領域11は、溝18の上に形成されたヘリンボーン形状の微細構造11aにより構成され、充填材シート10の内部の大部分を覆っている。溝18の形状は、空気の進む方向に実質的に配向された、または横軸20に概ね平行に配向された、個々の溝18から概ね構成される。充填材シート10はまた、好ましくは、溝18内のオフセット32により構成され得る遷移機能32を含む。遷移機能32は、好ましくは、垂直軸22に概ね平行に延びる、または垂直軸22からパック角度Δ、Δ’だけ傾斜した(pitched)、概ね平坦なマクロ構造を提供する。複数の溝18のうち第1の溝18は、遷移機能32の平坦部から遷移機能32から離間した弓形のマクロ構造まで遷移する。平坦部は、好ましくは、垂直軸22に概ね平行に延びるリブまたはサポート38、およびリブまたはサポート38に横方向の支持を与えるスペーサー16を含む。スペーサー16は、好ましくは、リブまたはサポート38に近接して配置され、リブまたはサポート38に横方向の支持を与え、平坦部または遷移機能32に配置されることに限定されないが、好ましくは、横方向の支持を与えるためにリブまたはサポート38に近接して配置される。スペーサー16は、好ましくは、オフセット32に沿って、またはオフセット32にある第1の複数のスペーサー16により構成される。複数の溝18のそれぞれは、オフセット平坦部または遷移機能32においてその上に配置された第1の複数のスペーサー16の1つに関連付けられる、またはそれを含む。第1の好ましい充填材シート10の複数のスペーサー16は、空気入口側10aに近接するオフセット32、空気出口側10bに近接するオフセット32、および中間垂直リブ38に近接するオフセット32のそれぞれに配置される。
【0026】
好ましい充填材シート10は、溝18の山36が谷34に、およびその逆に、空気の流れの方向または横軸20に概ね沿って遷移する、溝18内のいくつかの中間オフセット32を含む。第1および第2の充填材シート9a、9b(図3図3C)などの2つの隣接する充填材シート10が、ともに接続され、または互いに隣接して配置されて充填材パック8を規定することができるよう、オフセットまたは遷移機能32は、通常、スペーサー16の列に近接して配置される。図1Cおよび図3図3Cの第1の好ましい充填材シート10および充填材パック8は、横軸20の方向においてオフセットまたは遷移機能32の対向する側で、山36から谷34へ、および谷34から山36への遷移を示し、それにより、熱伝達領域11において隣接する第1および第2の充填材シート9a、9bの概ね平行な配向を形成する。空気の進む方向におけるオフセット32の配置または横軸20に対して概ね平行なオフセット32の配置は、充填材パック8上の所与の垂直な位置に対して隣接する第1および第2の充填材シート9a、9bの間でジグザグに配列(staggered)される。オフセット32をジグザグに配列することにより、充填材パック8に対する溝18のプロファイルの大部分は、隣接する第1および第2のシート9a、9bに対して平行(図3Cおよび図3D)である。一方、一連のオフセット32の間の充填材パック8の短いセグメントは、隣接するシート9a、9bのオフセット32において反対のプロファイルを有するかまたは谷34への山36に隣接する。それにより、溝18の気流に著しく突出せずに圧力損失に寄与することなく、スペーサー16を設計に組み込むための場所を提供する。溝18のこの第1の好ましい構成は、充填材パック8の溝18のプロファイルの大部分が隣接するシート9a、9bに概ね平行またはその間に残り、それにより、充填材パック8の隣接するシート9a、9bの山36および谷34の間の空気の流れが制限される領域を減らすことにより、従前のチューブベースの溝配置を超える利点を提供する。ジグザグに配列されたオフセット32はまた、充填材パック8の内部に短いチューブ領域を形成する。それにより、平行な溝プロファイルにより構成されているだけの溝設計を超える構造的な利点を提供する。オフセット32の内部で概ね整列している隣接するシート9a、9bの山36および谷34を有するチューブ構成に溝18が整列しているオフセット32に近接した短いセグメントを設けることにより、気流領域に侵入する大きなスペーサー機能を必要とせず、充填材パック8の横方向の剛性が増す。さらに、オフセット32のチューブ構造の両側の遷移領域は、溝18のプロファイルを切断することなく中間垂直リブまたはサポート38などの垂直リブまたはサポートを追加するための概ね平坦な部分を提供する。中間リブまたはサポート38は、空気入口側10aと空気出口側10bとの間の充填材パック8を横切る圧力損失を著しく増加させることなく、充填材パック8を強化する。
【0027】
図3および図4図6を参照すると、クロスフロー充填材設計において使用される第1の好ましい実施の形態の充填材パック8内の溝18の改良された形状に加えて、充填材パック8を規定するために隣接する充填材シート9a、9bを離間させるために使用されるスペーサー16に対しても改良が施されてきた。スペーサー16の第1の好ましい実施の形態は、少なくとも充填材シート10に微細構造11aが形成される熱伝達領域11において、概ね角度の付いたディアドロップ(teardrop)形状またはレインドロップ(raindrop)形状のスペーサーを有する。設置された構成において、第1の充填材シート9aの第1スペーサー16aは、第1および第2の充填材シート9a、9bを互いから所定の距離で離間させるために、第2の隣接する充填材シート9b上の第2スペーサー16bに嵌合し、および接合し、対面係合(facing engagement)に配置され、または近接して配置され、隣接する充填材シート9a、9bの接合または接続を容易にすることができる。好ましい充填材シート9a、9bは、充填材シート9a、9bの対向する面の両方から延びて、設置された構成において隣接する充填材シート9a、9b、10と嵌合する複数のスペーサー16を有する。非限定的な例として、第1の好ましい充填材シート9a、9b、10は、オフセット32、空気入口側10a、および空気出口側10bのそれぞれに沿って充填材シート9a、9b、10の中央に近接する14個のスペーサー16の3つの列を有する。充填材シート9a、9bはまた、その上に整列または接続機能19を有する隣接する空気入口側10aおよび空気出口側10bに配置された複数のスペーサー16を含む。スペーサー16の3つの列は、スペーサーの中間列15b、スペーサーの空気入口側列15a、およびスペーサーの空気出口側列15cを含む。第1の好ましい実施の形態において、スペーサーの空気入口側列15aは、空気入口側オフセット32に配置され、スペーサーの中間列15bは、中間オフセット32に配置され、スペーサーの空気出口側列15cは、空気出口側オフセット32に配置される。スペーサーの中間列15bは、中間オフセット32で、第1中間リブ38aと第2中間リブ38bとの間に配置される。第1中間リブ38aは、スペーサの中間列15bと空気入口側10aとの間に配置され、第2中間リブ38bは、スペーサーの中間列15bと空気出口側10bとの間に配置される。充填材シート9a、9b、10は、スペーサーのそれぞれの列15a、15b、15cにおいて14個のスペーサー16を含むことまたは好ましい実施の形態において示された特定の位置に限定されず、充填材シート9a、9b、10の大きさ、充填材シート9a、9b、10の想定される負荷、想定される環境、設計者の好み、および関連する要素に応じて、より多くのまたはより少ないスペーサー16を含んでもよい。充填材シート9a、9b、10は、本明細書に記載されるように、設置された構成において隣接するシート9a、9b、10をともに離間または接合することを容易にし、スペーサー16の通常の運転状態に耐えることができ、スペーサー16の機能を実行することができるほぼ任意の数のスペーサー16を含んでもよい。
【0028】
第1の好ましい実施の形態において、それぞれのスペーサー16は、概ね広く比較的半円形状のヘッドエンド40および狭いテールエンド42を含む。第1スペーサー16aは、第1ヘッドエンド40aと第1テールエンド42aとを含み、第2スペーサー16bは、第2ヘッドエンド40bと第2テールエンド42bとを含む。ヘッドエンド40およびテールエンド42は、スペーサー16のティアドロップ形状またはレインドロップ形状を規定し、テールエンド42、42a、42bは、特に従来のティアドロップ形状またはレインドロップ形状と比較して、概ね丸みを帯びた形状である。設置された構成において、隣接するスペーサー16のヘッドエンド40は、概ね嵌合し、スペーサー16を接合するための表面を提供する。テールエンド42は、設置された構成において、概ね垂直軸22の反対側に互いから離れて延びる。第1の好ましい実施の形態のテールエンド42は、スペーサー軸17に沿ってヘッドエンド40から離れて延びる。第1の好ましい実施の形態において、第1スペーサー16aは、第1スペーサー軸17aを含み、第2スペーサー16bは、第2スペーサー軸17bを含む。第1スペーサー軸17aおよび第2スペーサー軸17bは、好ましくは、およそ10度から80度(10°-80°)の、横軸との第1のスペーサー鋭角Ωaおよび第2のスペーサー鋭角Ωbをそれぞれ規定するが、それに限定されず、スペーサー16の機能の実行を容易にし、スペーサー16の通常の運転条件に耐えることができる、およそ20度から25度(20°-25°)またはおよそ35度(35°)の範囲内などのほぼ任意の鋭角をとり得る。第1スペーサー軸17aおよび第2スペーサー軸17bが垂直軸22の反対側に延びるよう、第1スペーサー軸17aは、好ましくは、垂直軸22の第1の側に延び、第2スペーサー軸17bは、好ましくは、垂直軸22の反対側の第2の側に延びる。垂直軸22の反対側に第1スペーサー軸17aおよび第2スペーサー軸17bがこのように延びるため、特にそれらが実質的に嵌合する場合、冷却流体が第1テールエンド42aおよび第2テールエンド42bの間に概ね集まらず、架橋しないよう、第1テールエンド42aおよび第2テールエンド42bは、設置された構成において、互いに離間している。第1スペーサー軸17aは、好ましくは、第1ヘッドエンド40aの中央部から第1テールエンド42aの中央部を通過して延び、第2スペーサー軸17bは、第1スペーサー16aおよび第2スペーサー16bがテールエンド42a、42bに対して多少の湾曲を有する場合であっても、好ましくは、第2ヘッドエンド40bの中央部から第2テールエンド42bの中央部を通過して延び、直線または均一な形状である必要はない。第1スペーサー軸17aおよび第2スペーサー軸17bはまた、好ましくは、垂直軸22を横切る第1のスペーサー鋭角Ωaおよび第2のスペーサー鋭角Ωbの間で測定される分離角度μを規定する。分離角度μは、好ましくは、およそ20度から160度(20°-160°)の間、好ましくは、およそ120度(120°)である。分離角度μに第1のスペーサー角度Ωaと第2のスペーサー角度Ωbとを加えたものは、好ましくは、合計で180度(180°)である。
【0029】
第1の好ましい実施の形態において、第1スペーサー16aおよび第2スペーサー16bなどの隣接するスペーサー16は、テールエンド42a、42bが反対の方向にまたは垂直軸22の反対側に延びるように配向され、それにより、前方または後方から見たときに、逆さまのV字形状を形成する(図5および図6)。テールエンド42、42a、42bのずれにより、一対のスペーサー16、16a、16bのヘッドエンド40、40a、40bに衝突する水は、それぞれのスペーサー16、16a、16bの傾斜した側面を流れ落ち、スペーサー16、16a、16bのテールエンド42、42a、42bの近くで分離する。対照的に、完全に整列し、概ね同じ大きさおよび形状の先行技術の接着剤ボスによると、水または他の冷却流体は、先行技術の接着剤ボスの上を流れ、2つの関連する充填材シートの間に広がり気流を妨げる接続の下で水膜を形成する。隣接するスペーサー16、16a、16bのテールエンド42、42a、42bにより形成された逆さまのV字形状は、水流方向または垂直軸22に概ね平行に、充填材パック8の隣接する充填材シート10、9a、9bの間のスペーサープロファイルの高さを最小化しつつ、隣接する充填材シート10、9a、9bを離間させる接触面を提供し、ウォーターシート(water sheeting)を避けるために好ましい形状である。好ましいスペーサー16は、ティアドロップ形状またはレインドロップ形状であるが、この形状に限定されるものではない。例えば、代替的な好ましい実施の形態において、スペーサー16は、概ね長方形の形状(図6)、または接続の上部付近で隣接するスペーサー機能と接触機能(contact feature)を形成し、垂直軸22に対して隣接するスペーサー16に傾斜してそこから離れる任意の形状を有してもよい。隣接するスペーサー16、16a、16bは、好ましくは、設置された構成における嵌合表面で、接着されるか、そうでなければ、超音波溶接または機械的接合などによりともに固定され、充填材シート10,9a、9bを接続し、それにより、充填材パック8を形成する。スペーサー16、16a、16bは、設置された構成における接着またはともに接合されることに限定されず、充填材シート10、9a、9bが塔内の互いに隣接するレールから吊るされている場合などに、スペーサーとして排他的に作用し、設置された構成において互いに対して隣接する充填材シート10、9a、9bを離間してもよいが、そうでなければスペーサー16、16a、16bで接合または接続されない。さらに、スペーサー16、16a、16bは、設置構成においてスペーサー16、16a、16bをともに固定する接続機能を含んでもよい、または、そうでなければ、超音波溶接、機械的変形、締結(fastening)、または設置構成において嵌合したスペーサー16、16a、16bをともに固定することなどにより、設置構成においてともに接続または接合されてもよい。
【0030】
図1図3Cを参照すると、入口側リブ24、出口側リブ26、および中間垂直リブまたはサポート38、並びに充填材シート10、9a、9bの残りの本体により、構造的支持が、第1の好ましい充填材シート10、9a、9bおよび充填材パック8に提供される。入口側リブ24、出口側リブ26、および中間リブ38のそれぞれは、好ましくは、充填材シート10、9a、9bの高さに沿って延び、空気入口側10aおよび空気出口側10bに概ね平行な、2つの実質的に垂直なサポートリブ24a、24b、26a、26b、38a、38bにより構成される。第1の好ましい実施の形態において、サポートリブ24a、24b、26a、26b、38a、28bは、完全に垂直ではないが、充填材シート9a、9b、10の空気入口側10a、および空気出口側10bに概ね平行に配向される。それにより、サポートリブ24a、24b、26a、26b、38a、38bは垂直軸22に対しておよそ5度から10度(5°-10°)のパック角度Δ、Δ’で概ね配向されるが、それに限定されず、他の配向および構成であってもよい。それぞれの充填材シート10、9a、9bの熱伝達領域11の微細構造11aは、好ましくは、熱伝達領域11において少なくとも第1構造的入口側リブ24bおよび出口側リブ26aの間にそれぞれ延びる、ヘリンボーン配置の角度を付けた帯状の微細構造11aにより構成されることが好ましい。入口側リブ24、24a、24b、出口側リブ26、26a、26b、および中間リブ38、38a、38bを含む好ましいサポートリブ24、26、38は、設置された構成において、充填材シート10、9a、9bに沿って概ね垂直に(vertically)延びる。リブ24a、24b、26a、26bは、充填材シート10、9a、9bに沿って上縁28と下縁30との間から延びるよう、交互のパターンで高さが変化する。好ましい実施の形態において、入口側リブ24a、24bおよび出口側リブ26a、26bは最大高さHと最小高さHとの間で交互に配置される。充填材シート10、9a、9b上の個々のリブまたはサポート24、26、38の長さに沿った任意の所与の位置において、好ましくは、リブ最大高さHが微細構造11aの微細構造高さHを超えて延びるまたは微細構造高さHよりも大きいような高さを有する少なくとも1つのリブまたはサポート24a、25b、26a、26b、38a、38bがあるよう、入口側リブ24の一対の第1入口側リブ24aおよび第2入口側リブ24b、出口側リブ26の第1出口側リブ26aおよび第2出口側リブ26b、および中間サポート38の第1中間サポート38aおよび第2中間サポート38bが、設計される。
【0031】
第1の好ましい実施の形態において、第1空気入口リブ24aが微細構造11aの微細構造高さHを超えるまたはそれよりも大きい最大高さHを有する一方、第2空気入口リブ24bが微細構造11aの微細構造高さHよりも下に延びるまたはそれよりも小さいリブ最小高さHを有するよう、第1入口リブ24aおよび第2空気入口リブ24bが構成される。同様に、第1出口側リブ26aが微細構造11aの微細構造高さHを超えるまたはそれよりも大きいリブ最大高さHを有する一方、第2出口側リブ26bが微細構造11aの微細構造高さHより下がったまたはそれより小さいリブ最小高さHを有するよう、第1出口側リブ26aおよび第2出口側リブ26bが構成される。第1中間リブまたはサポート38aおよび第2中間リブまたはサポート38bは、第1の好ましい実施の形態において、第1中間リブ38aおよび第2中間リブ38bが横方向に離間する点において同様に構成されるが、第1中間リブ38aが第2中間リブ38bの始まる高さで実質的に終端する点で異なる構成である。充填材パック8が塔内に組み立てられた構成において充填材パック8の下の支持構造と出会う部分など、充填材シート10、9a、9bおよび充填材パック8のベースで追加のサポートを提供するために、第1および第2入口側リブ24a、24b、第1および第2出口側リブ26a、26b、および第1および第2中間リブまたはサポート38a、38bのすべてが周囲の微細構造11aよりも高い部分が存在してもよい。しかし、一対の第1および第2リブ24a、24b、26a、26bの1つがそれぞれ、微細構造に対する最大の高さである場合、隣接する一対の第1および第2リブ24a、24b、26a、26bの1つがそれぞれ、最小高さである、または概ね微細構造11aの高さを下回り、微細構造11aに実質的に埋め込まれるよう、空気入口リブ24および空気出口リブ26が構成されることが好ましい。したがって、第1および第2リブ24a、24b、26a、26bは、上縁28と下縁30との間で交互にテーパーを有する。
【0032】
入口側リブ24と出口側リブ26とは、上縁28から下縁30に延びることに限定されない。入口側リブ24および出口側リブ26は、上縁28および下縁30に近接して延びてもよく、その長さに沿って多少の中断(interruptions)を含んでもよい。しかし、入口側リブ24および出口側リブ26は、好ましくは、上縁28および下縁30に延びて、互いに対してテーパー状である交互に延びる一対の第1および第2リブ24a、24b、26a、26bにより構成される。入口側リブ24および出口側リブ26は、好ましい実施の形態において、上縁28および下縁30におよびその間に延びる。入口側支持リブ24および出口側支持リブ26は、一対の第1および第2支持リブ24am24b、26a、26bを含む。第1および第2支持リブ24a、24b、26a、26bは、横軸20に沿って互いから横方向に離間し、垂直軸22または入口側10aおよび出口側10bに実質的に平行に延びる。入口側リブ24および出口側リブ26は、第1支持リブ長さまたは第1支持リブ部分長さLr1を有する第1支持リブ部分33を有する。第1支持リブ24a、226aは、第1リブ高さを含み、第2支持リブ24b、26bは、第2リブ高さを含む。第1リブ高さは、第1支持リブ部分33において、微細構造高さよりも小さく、第2次部高さは、第1支持リブ部分33において、微細構造高さよりも大きい。第1の好ましい実施の形態の入口側リブ24および出口側リブ26はまた、第2支持リブ長さまたは第2支持リブ部分長さLr2を有する第2支持リブ部分35を有する。第1リブ高さは、第2支持リブ部分35において、微細構造高さよりも大きく、第2リブ高さは第2支持リブ部分35において、微細構造高さよりも小さい。
【0033】
中間リブ38は、代替的に、第1中間リブ38aが上縁28から充填材シート10の垂直高さおよそ中央まで延び、第1中間リブ28aは実質的にそこで終端し、第2中間リブ38bがそこから始まり下縁30に延びるよう構成される。リブ24、26、28は、これらの構成を有することに限定されず、空気入口リブ24、空気出口リブ26、および中間リブ38の一般的な構成を取り換えたり、それぞれのリブ24、26、38を実質的に同一に構成するなど、充填材シート10に強度および剛性を提供するよう設計および構成されてもよい。
【0034】
少なくとも1つの一対の第1および第2リブ24a、24b、26a、26b、38a、38bの局所的な高さが、好ましくは、充填材シート10、9a、9b上のリブ24、26、38の長さに沿った任意の位置に対して微細構造11aの微細構造高さHよりも、特に、最大高さHで、大きくなるよう、入口側リブ24および出口側リブ26の一対の第1および第2リブ24a、24b、26a、26bと中間リブ38との高さまたは位置を交互にすることにより、空気入口側10aおよび空気出口側10bのそれぞれに沿ったすべての垂直位置(vertical position)に対して、並びに入口側10aおよび出口側10bの間の中間領域またはオフセット32において、充填材シート10、9a、9bの両側が少なくとも1つの機能的な強化部材またはリブ24、26、38を有することが保証される。それにより、充填材シート10、9a、9bが曲がり得る弱点または部分を限定することができる。さらに、最大高さHが存在する入口側リブ24および出口側リブ26の一対の第1および第2リブ24a、24b、26a、26bの低いピーク高さ部分は、重複した微細構造11aの帯が、入口側リブ24および出口側リブ26で印加される力に対して垂直な面における曲げモーメントに抵抗する小波形(minor corrugations)を形成することにより、空気の進む方向にまたは横軸20に対して概ね平行に充填材シート10、9a、9bを強化することができる。この構成により、取り扱いおよび輸送の際の充填材シート10、9a、9bの剛性が向上する。全高(full height)リブ部分、または最大リブ高さHを有する部分が、より低い高さのリブ部分または第1および第2リブ24a、24b、26a、26b、38a、38bのそれぞれの最小リブ高さHを有する部分に遷移する前に重複し、負荷は、入口側リブ24、出口側リブ26、および中間リブ38の一対の第1および第2リブ24a、24b、26a、26b、38a、38bの間で遷移し、入口側リブ24、出口側リブ26、および中間リブ38の構成により、充填材シート10、9a、9bの入口側10a、出口側10b、および中間部分で支持を強化し、また支持を付加している。
【0035】
好ましい実施の形態において、最大リブ高さHは、微細構造高さHよりも大きい、およそ100分の4インチから4分の3インチ(0.04-0.75’’)であるか、およそ100分の1インチから4分の1インチ(0.01-0.25’’)である。強化部材またはリブ24、26、38の最大リブ高さHは、これらの特定の高さに限定されず、強化部材リブ24、26、38の想定される負荷、外部負荷要素、設計者の好み、充填材シート10の大きさ、採用される冷却媒体の種類、および他の設計考慮事項に基づいた大きさまたは構成であってもよい。しかし、好ましくは、最大高さHが所望の部分またはセグメントにおいて微細構造高さHよりも大きい一方、最小リブ高さHが微細構造高さHおよび最大リブ高さHよりも小さくなるよう、支持リブ24、26、38の最大高さHは、好ましい範囲内に収まる。好ましい実施の形態において、最小リブ高さHは、およそ0から2分の1インチ(0-0.5’’)であるか、または特定の充填材シート10の微細構造高さHよりも小さい。強化部材またはリブ24、26、38の最小リブ高さHは、これらの特定の高さに限定されず、強化部材リブ24、26、38の想定される負荷、外部負荷要素、設計者の好み、充填材シート10の大きさ、採用される冷却媒体の種類、および他の設計考慮事項に基づいた大きさまたは構成であってもよい。好ましくは、最小リブ高さHは、最小リブ高さが所望の部分またはセグメントにおいて微細構造高さHよりも小さくなるよう、好ましい範囲内に収まる。例えば、第1の好ましい実施の形態において、最小リブ高さHは、微細構造高さHの約半分以下であり、微細構造高さHは、最大リブ高さHの半分よりもわずかに大きい(図2D参照)。第1の好ましい充填材シート10の第1中間リブ38aの下部部分および第2中間リブ38bの上部部分に示されるように、最小リブ高さHはまた、およそ0であってもよい(図1参照)。
【0036】
第1の好ましい実施の形態において、第1中間リブ38aは、上部中間リブ端39aと第1中間リブ端39bとを含み、第2中間リブ38bは、第2中間リブ端39cと第3中間リブ端39dとを含む。第1中間リブ端39bは、充填材シート10、9a、9b上の第2中間リブ端39cに近接して配置される。第1中間リブ38aまたは第2中間リブ38bは、上部中間リブ端39と第3中間リブ端39dとの間で横軸20に交差している、これは、第2中間リブ38bは、上部中間リブ端28と第3中間リブ端39dとの間で充填材シート10、9a、9bの高さに沿った概ね任意の位置で横軸20に交差していることを意味する。第1の好ましい実施の形態において、第1中間リブ38aは、上縁28から充填材シート10、9a、9bの中央部分に概ね延び、第2中間リブ38bは、第1中間リブ端39bが第2中間リブ端29cに近接して配置されている充填材シート10、9a、9bの中央部分から下縁30に概ね延びるため、横軸20は、好ましくは、上縁28と下縁30との間の任意の位置で、第1中間リブ38aまたは第2中間リブ38bに交差する。第1中間リブ38aおよび第2中間リブ38bは、この好ましい構成に限定されない。好ましくは、入口側リブ24および出口側リブ26に関して以下でさらに詳細に説明するように、第1中間リブ38aおよび第2中間リブ38bの少なくとも1つのセグメントが充填材シート10、9a、9bの高さに沿った概ね任意の位置で横軸に交差するよう、第1中間リブ38aおよび第2中間リブ38bは、複数のセグメントに分離されてもよい。
【0037】
第1の好ましい実施の形態の第1および第2入口側および出口側リブ24a、24b、26a、26bは、複数のリブセグメント70a、70b、70c、70d、80a、80b、80c、80dにより構成される。第1入口側リブ24aは、第1入口側リブセグメント70aおよび第3入口側リブセグメント70bにより構成され、第2入口側リブ24bは、第2入口側リブセグメント70cおよび第4入口側リブセグメント70dにより構成され、第1出口側リブ26aは、第1出口側リブセグメント80aおよび第3出口側リブセグメント80bにより構成され、第2出口側リブ26bは、第2出口側リブセグメント80cおよび第4出口側リブセグメント80dにより構成される。第1入口側リブセグメント70aは、上端71aおよび第1端部71bを含み、第3入口側リブセグメント70cは、第4端部71eおよび第5端部71fを含む。第2入口側リブセグメント70bは、第2端部71cおよび第3端部71dを含み、第4入口側リブセグメント70dは、第6端部71gおよび第7端部70hを含む。第1出口側リブセグメント80aは、上端81aおよび第1端部81bを含み、第3出口側リブセグメント80cは、第4端部81eおよび第5端部81fを含む。第2出口側リブセグメント80bは、第2端部81cおよび第3端部81dを含み、第4出口側リブセグメント80dは、第6端部81gおよび第7端部80hを含む。入口側リブ24および出口側リブ26は、上端71a、81aおよび第7端部71h、81hの間それぞれの任意の位置で、複数のセグメント70a、70b、70c、70d、80a、80b、80c、80dの少なくとも1つが横軸20に交差するよう、構成される。第1中間リブ38aおよび第2中間リブ38bと対照的に、リブセグメント70a、70b、70c、70d、80a、80b、80c、80dは、例えば、第3端部71d、81dおよび第4端部71e、81eと第1端部71b、81bおよび第2端部71c、81cとの間で、高さ方向または水の流れる方向において、いくらか重複している。リブセグメント70a、70b、70c、70d、80a、80b、80c、80dは、それに限定されず、高さ方向に重複していない構成であってもよく、追加のまたはより少ないセグメントを含んでもよいが、好ましくは、入口側リブ24および出口側リブ26のそれぞれのリブセグメント70a、70b、70c、70d、80a、80b、80c、80dの少なくとも1つが上縁28および下縁30の間の任意の位置で、横軸20に交差する。それぞれリブセグメント38a、38b、70a、70b、70c、70d、80a、80b、80c、80dを含む入口側リブ24、出口側リブ26、および中間リブ38は、垂直軸22または第1の好ましい実施の形態における入口側10aおよび出口側10bに概ね平行に延びるが、それに限定されず、充填材シート9a、9b、10に強化および剛性を提供するよう他の配向または構成で合ってもよい。
【0038】
好ましい実施の形態において、入口側リブ24、出口側リブ26、中間リブ38は、それぞれ、隣接する第1入口側リブ24aおよび第2入口側リブ24b、第1出口側リブ26aおよび第2出口側リブ26b、第1中間リブ38aおよび第2中間リブ38bを含む。第1入口側リブ24aおよび第2入口側リブ24b、第1出口側リブ26aおよび第2出口側リブ26b、および第1中間リブ38aおよび第2中間リブ38bの対は、好ましくは4分の1から2インチの間(1/4-2’’)の横方向間隔Sで離間している。横方向間隔Sは、4分の1から2インチとの間(1/4-2’’)に限定されず、充填材シート10の負荷、外部負荷要素、設計者の好み、充填材シート10の大きさ、および他の設計考慮事項に基づいた大きさまたは構成であってもよい。第1出口側リブ26aおよび第2出口側リブ26bの横方向間隔S図2に示されており、第1入口側リブ24aおよび第2入口側リブ24b、および第1中間リブ38aおよび第2中間リブ38bもまた同様に、横方向間隔Sを有するよう設計および構成される。
【0039】
第1および第2入口側および出口側リブ24a、24b、26a、26bを含む入口側リブ24および出口側リブ26は、上縁28と下縁30との間で様々な高さを有する。非限定的な例として、出口側リブ26、具体的には、第2出口側リブ26bは、高さが減少した部分、または第2出口側リブセグメント80b、および上縁28および下縁30の間の第4出口側リブセグメント80dの間に延びる第2出口側リブ26bの最小リブ高さHを有する部分を有する、第2出口側リブセグメント80bおよび第4出口側リブセグメント80dを含む。第2出口側リブセグメント80bは、好ましくは、第2出口側リブセグメント80bにおいてリブ最大高さHを有する。第4出口側リブセグメント80dは、第2出口側リブセグメント80bおよび第4出口側リブセグメント80dの間の部分においてリブ最小高さHを有する。好ましい実施の形態の第2出口側リブ26bはまた、第2出口側リブ26bの長さに沿って第2出口側リブ26bがリブ最大高さHとリブ最小高さHとの間で遷移する遷移部分110を含む。入口側リブ24、24a、24bおよび出口側リブ26、26a、26bのそれぞれは、好ましくは、第2出口側リブ26bと同様の構成であり、リブ最大高さHを有するリブセグメントまたは部分、リブ最小高さHを有する部分またはセグメント、および、リブ最大高さHおよびリブ最小高さHを有するセグメントの間の遷移部分110が設けられている。さらに、入口側リブ24a、24bおよび出口側リブ26a、26bの対は、好ましくは、横軸20に沿って概ね同じ横方向位置に遷移部分110を有し、隣接する入口側リブ24a、24b、および出口側リブ26a、26bのそれぞれに対して横軸20に沿って対向するリブ最大高さHおよびリブ最小高さHを有する。非限定的な例として、第2出口側リブセグメント80bは、好ましくは、横軸20に沿ってリブ最大高さHを有する一方、第2出口側リブ26aの隣接する部分またはセグメントは、リブ最小高さHを有する。
【0040】
好ましい実施の形態の熱伝達部11における微細構造11aは、微細構造高さHを有する。最小高さまたは第1リブ高さHは、リブ24a、24b、26a、26bが最小高さHを有する入口側リブ24a、24bおよび出口側リブ26a、26bに沿っているような、第1リブサポート部における微細構造高さHよりも小さい。最大高さHは、逆に、リブ24a、24b、26a、26bが最大高さHを有する入口側リブ24a、24bおよび出口側リブ26a、26bに沿っているような、第2リブサポート部よりも大きい。リブ24a、24b、26a、26bは、それに限定されず、特定の充填材シート10の設計および要件の考慮事項に応じて、微細構造高さHよりも一貫して小さいまたは大きい高さを有してもよい。リブ24a、24b、26a、26bは、その間に遷移部分110を有する交互の最大高さHおよび最小高さHと、最大高さHおよび最小高さHの間にある微細構造高さHとを有する記載された構成に限定されず、設計者の好み、充填材シート10によりもたらされる負荷、運転環境の外部要素、または入口側リブ24a、24bおよび出口側リブ26a、26bの設計および構成を駆動することのできる他の要素に基づいて、充填材シート10を支持するための他の設計または構成であってもよい。中間リブ38は、入口側リブ24a、24bおよび出口側リブ26a、26bと同様に、最大高さHおよび最小高さHと、その間の大きさの微細構造高さHを有するよう設計および構成されてもよいが、本明細書に記載されているように、同様にそれに限定されるものではない。さらに、好ましい実施の形態において、入口側リブ24a、24b、出口側リブ26a、26bおよび中間リブ38は、概ねアーチ形状の断面を有する。入口側リブ24a、24b、出口側リブ26a、26bおよび中間リブ38は、アーチ形状の断面を有することに限定されず、本明細書に記載されるように、入口側リブ24a、24b、入口側リブ24a、24b、出口側リブ26a、26bおよび中間リブ38の通常の運転状態に耐えることができる限り、出口側リブ26a、26bおよび中間リブ38が好ましい機能を実行することができ、立体(solid)、四角形(squared)、三角形(triangular)、または他の形状などの代替的な断面形状を有していてもよい。
【0041】
好ましい入口側リブ24a、24bおよび出口側リブ26a、26bは、実質的に一貫性のある第1テーパーを有する遷移部分110を含み、その中で、入口側リブ24a、24bおよび出口側リブ26a、26bが最小または第1リブ高さHから最大または第2リブ高さHまで遷移する。遷移部分110は、実質的に一貫性のある第1テーパーを有することに限定されず、その長さに沿った様々な高さの間に、段階的な(staged)、段のある(stepped)、突然の(sudden)、または他の一貫性のないテーパーを有してもよいが、好ましい入口側リブ24a、24bおよび出口側リブ26a、26bは、負荷の遷移の支援、製造可能性、応力集中の制限、および追加の設計考慮事項のために、比較的一貫性のある第1テーパーを有する。
【0042】
図7図9を参照すると、第2の好ましい実施の形態において、充填材シート10’は、一体型ドリフトエリミネーター50を含む。第2の好ましい実施の形態の一体型ドリフトエリミネーター50は、角度の付いたチューブ状ドリフトエリミネータータイプで構成され、気流が充填材パック8’の充填材シート10’の熱伝達領域11’からドリフトエリミネーター50に入るドリフトエリミネーター入口102に遮断構造またはリブ100を有する。遮断構造100は、好ましい実施の形態において、実質的にリブまたは壁により構成される。ドリフトエリミネーター50は、遮断リブ100を含むこと、または遮断構造100が概ね垂直に配向していること、またはリブまたは壁であることに限定されない。遮断構造またはリブ100は、ドリフトエリミネーター50に直接流れる流体を阻害または遮断するほぼ任意の構造で構成されてもよく、冷却流体のドリップ(drip)がドリフトエリミネーター50の深くまで形成されないよう、入口102で、好ましくは、遮断構造100でまたは遮断構造100に近接してドリップ形成を容易にする。冷却流体は、ドリフトエリミネーター50から出て冷却塔から失われる前に、熱伝達領域11’に戻って排出される。
【0043】
遮断構造100は、好ましくは、通常冷却された水滴または冷却流体により構成されるドリフトを遮断するか、または、冷却流体がドリフトエリミネーター50の深くに流れないよう入口102で冷却流体のドリップを形成する。入口102でのドリップの形成は、概ね、ドリフトエリミネーター50の深くに流体が流れて、潜在的にドリフトエリミネーター50に逃れて熱伝達領域11’から外に出ることを回避する。ドリフト50の入口102で捕捉された冷却流体は、好ましくは、最終的にさらなる放熱(disappation of heat)のために熱伝達領域11’に維持され、次第に充填材パック8’の下の受け皿(図示省略)または塔の個別の充填材シート9a、9b、10(図示省略)に排出される。充填材パック8’を通過して流れる冷却された水または冷却流体膜が、ドリフトエリミネーター50のチューブ104を上にまたはそこから移動して充填材パック8’の空気出口側10b’から外に出ることを防ぐために、遮断構造100には、水膜に対するバリアとして作用するドリフトエリミネーター入口102に、ドリフト50に深く入る冷却流体の流れを制限するドリップ形成領域が設けられる。水膜または冷却流体膜が遮断構造100に到達すると、膜は、空気出口側10bに向かうドリフトエリミネーターチューブ104のさらに奥ではなく、ドリフトエリミネーター入口102の近くの気流に入るドリップを形成する。遮断構造100のドリフトエリミネーター入口102でのドリップ形成の位置のこのような変更により、液滴またはドリップが気流の方向の遷移のより早い位置で空気の流れに導かれ、それにより、液滴またはドリップがドリフトエリミネーターチューブ104の下部チューブ壁に衝突する。それにより、潜在的に失われる冷却水または他の冷却流体の膜が遮断リブ100で遮断されて、ドリフトエリミネーターチューブ104により捕捉されるよう入口102でのドリップ形成を容易にするため、ドリフトエリミネーター入口102からのドリップが気流から除去されてドリフトエリミネーター50および充填材パック8’の性能および効率性を向上させる。したがって、水または冷却流体は、運転中に、さらなる放熱のために排水構造106を介して熱伝達領域11’に逆流し、次第に充填材パック8’の下の受け皿に排出される。第2の好ましい実施の形態において、遮断構造100は、およそ100分の5インチから10分の2インチ(0.05’’-0.2’’)の高さおよび10分の1インチから2分の1インチ(0.1’’-0.5’’)の一対の丸いリブまたは壁により構成される。遮断構造またはリブ100は、充填材シート10’、9a’、9b’のそれぞれのドリフトエリミネーター入口102で形成され、チューブ104のそれぞれのドリフトエリミネーター入口102の上壁に概ね隣接して整列して、水または他の冷却流体のドリフトのチューブ104への流入を概ね制限する水膜に対するバリアとして作用し、ドリフト50の深くに流れる冷却流体の流れを制限するようドリップの形成を容易にする。
【0044】
充填材シート10’の第2の好ましい実施の形態はまた、ドリフトエリミネーター50に対してシート10’の中央に内向きに配置された排水構造106’(図8)を含む。排水構造106は、遮断構造100により遮断された水または冷却流体が、さらなる放熱のために熱伝達領域11’に逆流するための流路を提供する。第2の好ましい充填材シート10’は、排水構造106を含むことに限定されず、第2の好ましい充填材シート10’の構造および動作に影響を与えることなく、補足された水または他の冷却流体を熱伝達領域11’に直接逆流させる代替的な構成の特徴を含んでもよいし、何の特徴も含んでいなくてもよい。
【0045】
図10を参照すると、第3の好ましい実施の形態において、充填材シート10’’は、第1の好ましい充填材シート10および第2の好ましい充填材シート10’と比較して同様の機能を有する。同一の参照符号は、同様のまたは同一の機能を識別するために使用される。二重プライム記号(’’)は、第1および第2の好ましい実施の形態から第3の好ましい実施の形態の機能を区別するために使用される。第3の好ましい充填材シート10’’は、第1中間リブ38a’’、第2中間リブ38b’’、および第3中間リブ38c’’を含む中間リブ38’’を含む。第1中間リブ38a’’、第2中間リブ38b’’、および第3中間リブ38c’’のそれぞれは、互いに横方向に離間しており、垂直軸22に対して概ね垂直または平行に延びて第3の好ましい充填材シート10’’に強度と剛性とを与える中間リブセグメン90a、90b、90c、90d、90e、90f、90gを含む。
【0046】
第3の好ましい実施の形態において、第1中間リブ38a’’は、第1中間リブセグメント90aおよび第3リブセグメント90cを含み、第2中間リブ38b’’は、第2中間リブセグメント90b、第4中間リブセグメント90d、および第5中間リブセグメント90eを含み、第3中間リブ38c’’は、第6中間リブセグメント90fおよび第7中間リブセグメント90gを含む。第1中間リブセグメント90aは、上端91aおよび第1端部91bを含み、第2中間リブセグメント90bは、第2端部91cおよび第3端部91dを含む。第1中間リブ90aおよび第2中間リブ90bのうち少なくとも1つが上端91aと第3端部91dとの間で横軸20’’に交差するよう、第1中間リブセグメント90aの第1端部91bは、第2中間リブセグメント90bの第2端部91cに近接して配置される。つまり、横軸20’’が上端91aと第3端部91dとの間で第1中間リブセグメント90aおよび第2中間リブセグメント90bの両方と交差しないような第1中間リブセグメント90aおよび第2中間リブセグメント90bの中断が概ね存在しない。横軸20’’が、充填材シート10’’の上縁28’’に最も近い中間リブセグメントの端部、すなわち第3の好ましい実施の形態における第6中間リブセグメント90fの第10端部91kと、下縁30’’に最も近い中間リブセグメントの端部、すなわち、第3の好ましい実施の形態における第3中間リブセグメント90cの第5端部91fと、の間で、複数の中間リブセグメント90a、90b、90c、90d、90e、90f、90gのうち少なくとも1つと交差するよう、複数の中間リブセグメント90a、90b、90c、90d、90e、90f、90gのすべてが、同様に配置または構成される。第3の好ましい実施の形態において、第3中間リブセグメント90cは、第4端部91eおよび第5端部91f、を含み、第4中間リブセグメント90dは第6端部91gおよび第7端部91hを含み、第5中間リブセグメント90eは、第8端部91iおよび第9端部91jを含み、第6中間リブセグメント90fは、第10端部91kおよび第11端部91lを含み、第7中間リブセグメント90gは、第12端部91mおよび第13端部91nを含む。第3の好ましい中間リブ38’’の強度および剛性を維持するために、第10端部91kは、上縁28’’に近接して配置され、第11端部91lは、第8端部91iに近接して配置され、第9端部91jは、上端91aに近接して配置され、第1端部91bは、第2端部91cに近接して配置され、第3端部91dは、第12端部91mに近接して配置され、第13端部91nは、第6端部01gに近接して配置され、第7端部91hは、第4端部91eに近接して配置され、第5端部91fは、下縁30’’に近接して配置される。したがって、横軸20’’が第10端部91kと第5端部91fとの間で90a、90b、90c、90d、90e、90f、90gのうち少なくとも1つと交差するよう、複数の中間リブセグメント第3の好ましい中間リブ38’’は、垂直軸22’’に対して、または入口側10aおよび出口側10bに対して概ね垂直または平行に延びる。第6中間リブセグメント90fおよび第3中間リブセグメント90cは、上縁28’’および下縁30’’から離間しているが、そのように限定されず、それぞれ、上縁28’’および下縁30’’に延びてもよく、または、上縁28’’および下縁30’’に近接していてもよい。
【0047】
当業者には、その広い発明概念から逸脱することなく、上述の実施の形態に対して変更を加えることができることが理解されるであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施の形態に限定されるものではなく、本開示によって定義される本発明の精神および範囲内での変更をカバーすることが意図されていることが理解される。
図1
図1A
図1B
図1C
図2
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10