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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 57/24 20060101AFI20230711BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20230711BHJP
   B65G 67/24 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
B65G57/24
B65G47/68 A
B65G67/24
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023075994
(22)【出願日】2023-05-02
【審査請求日】2023-05-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591213623
【氏名又は名称】不二輸送機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162536
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 豊
(72)【発明者】
【氏名】今村 和也
(72)【発明者】
【氏名】高林 竜也
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-12595(JP,A)
【文献】特開2019-214465(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103350908(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 57/24
B65G 47/68
B65G 67/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤにより所定の梱包箱で包装された複数の荷物が順次、連続して搬送される第1の搬送路と、
前記第1の搬送路に配され、前記荷物における少なくとも外寸を自動的に測定し、検出出力を送出する自動採寸計量器と、
前記第1の搬送路の下流側部分に振り分けコンベヤを介して連結され、前記第1の搬送路を通じて搬送された前記荷物を前記振り分けコンベヤを介して少なくとも1基の移載/積付ロボットの移載/積付エリアに供給する第2の搬送路と、
前記第1の搬送路における前記振り分けコンベヤよりも下流側部分に連結され、前記振り分けコンベヤを通過した前記荷物を下流側に向けて搬送し搬出する第3の搬送路と、
前記移載/積付ロボット、前記コンベヤ、および、前記振り分けコンベヤの動作制御を行う制御ユニットとを備え、
前記制御ユニットは、前記自動採寸計量器からの検出出力に基づいて前記複数の荷物のうち良品とされる荷物を、移載/積付ロボットの移載/積付エリアに供給するように前記振り分けコンベヤに動作を行わせ、前記自動採寸計量器からの検出出力に基づいて前記複数の荷物のうち不良品とされる荷物を、前記振り分けコンベヤに動作を行わせることなく前記第3の搬送路に誘導することを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記第3の搬送路における前記不良品とされる荷物を搬出する搬出部と前記第2の搬送路からの良品とされる荷物が積み付けられたパレットが搬出される搬出部とが互いに離隔して配置されることを特徴とする請求項1記載の搬送システム。
【請求項3】
前記移載/積付ロボットの移載/積付エリアよりも下流側部分に配された搬送コンベヤの終端部から前記良品とされる荷物が積み付けられたパレットが搬出されることを特徴とする請求項2記載の搬送システム。
【請求項4】
前記第1の搬送路における前記自動採寸計量器よりも上流側部分となる搬入部から手作業により前記荷物が前記コンベヤに搬入され、垂直連続搬送機により前記第1の搬送路の前記上流側部分のフロアとは異なる他のフロアに配置される前記第1の搬送路の下流側部分に到達した後、該他のフロアにおける前記第2の搬送路からの良品とされる荷物が自動的に積み付けられたパレットが該他のフロアにおける前記搬出部から搬出されることを特徴とする請求項2記載の搬送システム。
【請求項5】
前記移載/積付ロボットは、前記自動採寸計量器からの検出出力に基づいて前記荷物をパレット上に移載または積み付ける動作を行うことを特徴とする請求項1記載の搬送システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
配送センター等のトラックターミナルにおいて、一般に、トラックにより運び込まれた荷物を倉庫に一時保管することが行われている。このような場合、段ボール箱内に梱包された荷物は、例えば、特許文献1に示されるように、荷卸コンベヤを用いてトラックの荷台から手作業(デバニング作業)により搬送用コンベヤに移された後、荷物が手作業により搬送コンベヤの終端部からパレット上に順次、所定数だけ積み重ねられた後、フォークリフトにより積み重ねられた荷物がパレット毎、搬送コンベヤの終端部から所定の倉庫まで移送される。
【0003】
また、上述の搬送コンベヤから段ボール箱内に梱包された荷物を順次、パレット上に移載する移載装置は、例えば、特許文献2(図8参照)に示されるように、提案されている。移載装置としては、パレットコンベヤに隣接して設置され荷物を下流ラインに移載する、アーム型ロボットハンドを備える移載装置が提案されている。さらに、例えば、特許文献3に示されるように、フィードコンベヤからの荷物をパレット上に連続して所定の高さまで積み付ける積み付け装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-39583号公報
【文献】特許第6682685号公報
【文献】特許第5766093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、荷物が手作業により搬送コンベヤの終端部からパレット上に順次、所定数だけ積み重ねられた後、フォークリフトにより、積み重ねられた荷物がパレット毎、搬送コンベヤの終端部から所定の倉庫まで移送される場合、同じフロア内で荷物をパレット上に積み重ねる作業者の傍をフォークリフトが頻繁に通過するので作業者とフォークリフトとの衝突事故が発生することを未然に回避することが要望される。例えば、フォークリフトが通行する通路とは離れた別の場所で荷物を搬送コンベヤの終端部からパレット上に自動的に移載することが要望される。また、搬送コンベヤの終端部からの荷物を手作業によりパレット上に順次、所定数だけ積み重ねる場合、搬送途中の一つの荷物の大きさおよび形状が他の荷物の大きさおよび形状と異なるとき、あるいは、荷物が破損しているとき、パレット上における積み付け作業の弊害となるので作業者の目視によりその場所で不良の荷物を取り除く作業が必要となり、積み付け作業の作業効率の低下につながることとなる。
【0006】
以上の問題点を考慮し、本発明は、搬送システムであって、搬送コンベヤにより搬送される荷物のうち不良が発見された荷物をパレット上に積み重ねる以前に取り除くことができ、しかも、フォークリフトが通行する通路とは離れた別の場所で搬送コンベヤの終端部から良品とされる荷物を自動的にパレット上に積み重ねることができる搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明に係る搬送システムは、コンベヤにより所定の梱包箱で包装された複数の荷物が順次、連続して搬送される第1の搬送路と、第1の搬送路に配され、荷物における少なくとも外寸を自動的に測定し、検出出力を送出する自動採寸計量器と、第1の搬送路の下流側部分に振り分けコンベヤを介して連結され、第1の搬送路を通じて搬送された荷物を前記振り分けコンベヤを介して少なくとも1基の移載/積付ロボットの移載/積付エリアに供給する第2の搬送路と、第1の搬送路における振り分けコンベヤよりも下流側部分に連結され、振り分けコンベヤを通過した荷物を下流側に向けて搬送し搬出する第3の搬送路と、移載/積付ロボット、コンベヤ、および、振り分けコンベヤの動作制御を行う制御ユニットとを備え、制御ユニットは、自動採寸計量器からの検出出力に基づいて複数の荷物のうち良品とされる荷物を、移載/積付ロボットの移載/積付エリアに供給するように振り分けコンベヤに動作を行わせ、移載/積付ロボットに荷物をパレット上に積み付ける動作を行わせるとともに、自動採寸計量器からの検出出力に基づいて複数の荷物のうち不良品とされる荷物を、振り分けコンベヤに動作を行わせることなく第3の搬送路に誘導することを特徴とする。
また、第3の搬送路における不良品とされる荷物を搬出する搬出部と第2の搬送路からの良品とされる荷物が積み付けられたパレットが搬出される搬出部とが互いに離隔して配置されてもよい。
さらに、移載/積付ロボットの移載/積付エリアよりも下流側部分に配された搬送コンベヤの終端部から良品とされる荷物が積み付けられたパレットが搬出されてもよい。第1の搬送路における自動採寸計量器よりも上流側部分となる搬入部から手作業により荷物がコンベヤに搬入され、垂直連続搬送機により第1の搬送路の前記上流側部分のフロアとは異なる他のフロアに配置される第1の搬送路の下流側部分に到達した後、他のフロアにおける第2の搬送路からの良品とされる荷物が自動的に積み付けられたパレットが他のフロアにおける搬出部から搬出されてもよい。移載/積付ロボットは、自動採寸計量器からの検出出力に基づいて荷物をパレット上に移載または積み付ける動作を行うものであってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る搬送システムによれば、制御ユニットは、自動採寸計量器からの検出出力に基づいて複数の荷物のうち良品とされる荷物を、移載/積付ロボットの移載/積付エリアに供給するように振り分けコンベヤに動作を行わせ、移載/積付ロボットに荷物をパレット上に積み付ける動作を行わせるとともに、自動採寸計量器からの検出出力に基づいて複数の荷物のうち不良品とされる荷物を、振り分けコンベヤに動作を行わせることなく第3の搬送路に誘導するので搬送コンベヤにより搬送される荷物のうち不良が発見された荷物をパレット上に積み重ねる以前に取り除くことができ、しかも、フォークリフトが通行する通路とは離れた別の場所で搬送コンベヤの終端部から良品とされる荷物を自動的にパレット上に積み重ねることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る搬送システムの一例に備えられる各制御ユニットの全体構成を示す制御ブロック図である。
図2】本発明に係る搬送システムの一例が適用された配送センターのトラックターミナルの1階フロアに併設された各コンベヤの構成を概略的に示す図である。
図3】本発明に係る搬送システムの一例が適用された配送センターのトラックターミナルの2階フロアに併設された複数の移載/積付ロボット、および、各コンベヤの全体構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2は、本発明に係る搬送システムの一例が適用された配送センターのトラックターミナルの1階フロア10Aに併設された荷卸コンベヤ12、搬送用コンベヤ20および垂直連続搬送機24等を概略的に示す。例えば、トラックの荷台(不図示)からの1ロットの荷物Wが、荷物Wの搬送経路(以下、単に搬送経路ともいう)における最上流位置に配置された荷卸コンベヤ12(商品名デバンダ:株式会社メイキコウ社製)およびデバンダリフト14を用いて手作業(デバニング作業)により、デバンダリフト14よりも下流側に位置する伸縮コンベヤ16および連結コンベヤ18に、連続的に搬入される。その後、荷物Wが、連結コンベヤ18よりも下流側部分に連結されるU字型の搬送コンベヤ20を介して垂直連続搬送機(商品名コンベレータ、ファインテック株式会社製)24の積込口まで自動的に連続的に1個づつ搬送される。荷物Wは、例えば、所定の重さの冷凍食品が直方体の段ボール箱により梱包されたものとされる。1ロットの各荷物Wは、同一サイズ、同一重量を有し、例えば、後述する2階フロア10Bに併設される冷凍庫(不図示)に一時的に保管される。
各荷物Wは、垂直連続搬送機24の積込口まで自動的に搬送された後、垂直連続搬送機24により、各荷物Wが1個ずつ所定のタイミングで、2階フロア10Bにおける垂直連続搬送機24の取出口まで引き上げられ、その取出口より自動的に連続して取り出され、荷物Wが図3に示される2階フロア10Bに配置されるカーブコンベヤ26の端まで自動的に同期して移送される。
【0011】
図3に示される第1の搬送路の一部としてのカーブコンベヤ26により搬送された荷物Wは、搬送経路におけるカーブコンベヤ26における下流側の端部に配置される自動採寸計量器28を通過し、搬送経路におけるカーブコンベヤ26よりも下流側部分に連結されるスキューコンベヤ30により第1の振り分けコンベヤ32まで搬送される。自動採寸計量器28は、例えば、スマートキュービング(商品名)(株式会社寺岡精工社製)、または、メジャーボーイ(商品名)(新光電子株式会社製)等とされる。自動採寸計量器28は、通過する荷物Wの縦、横、高さの寸法、および、重量を計測し、それらをあらわす検出信号群QSを送出する。
なお、斯かる例において、さらに荷物Wの品種、および、個数を個別管理する場合、荷物Wの梱包箱の外周部にバーコードを付し、搬送経路における自動採寸計量器28よりも下流側にバーコードリーダーを設けることにより、荷物Wの品種、および、個数が個別に管理されてもよい。
【0012】
第1の搬送路の一部としてのスキューコンベヤ30に搬送された後、後述する自動採寸計量器28の検出信号群QSに基づいてスキューコンベヤ30により搬送された荷物Wのうち良品であると判定された荷物Wgは、スキューコンベヤ30の下流側部分に連結された第1の振り分けコンベヤ32により、移載/積付ロボット(1)76の移載/積付エリアに荷物Wgを供給する第2の搬送路の一部としてのアキュームコンベヤ36に供給される。続いて、カーブコンベヤ26により搬送された後続の荷物Wは、上述の自動採寸計量器28を通過し、良品であると判定された荷物Wgは、スキューコンベヤ30により搬送され第1の振り分けコンベヤ32を通過し製品搬送コンベヤ34により第2の振り分けコンベヤ32まで搬送された後、第2の振り分けコンベヤ32により、移載/積付ロボット(2)78の移載/積付エリアに荷物Wgを供給する第2の搬送路の一部としてのアキュームコンベヤ36に供給される。
【0013】
一方、不良品であると判定された荷物Wngは、第1の振り分けコンベヤ32を通過するとともに、第3の搬送路の一部としての製品搬送コンベヤ34に供給された後、搬送経路の下流側に配置された第2の振り分けコンベヤ32を通過し、第2の振り分けコンベヤ32よりも下流側に配置される第3の搬送路の一部として傾斜コンベヤ40を介して製品搬送コンベヤ34の下流側端部に連結されるカーブコンベヤ26に搬送される。その後、不良品であると判定された荷物Wngは、カーブコンベヤ26の下流側の端部に連結され、搬送経路の上流側の製品搬送コンベヤ34に対し直交するフリーコンベヤ42に到達する。フリーコンベヤ42に到達した荷物Wngは、フリーコンベヤ42から取り出された後、手作業により所定の場所で手積みされる。従って、スキューコンベヤ30および製品搬送コンベヤ34により搬送される荷物のうち外観損傷または重量不足等の不良が発見された荷物Wngを、上述の移載/積付ロボット(1)76および移載/積付ロボット(2)78の移載/積付エリアにおいてパレット上に積み重ねることなく、しかも、作業者の煩雑な除去作業を伴うことなく、搬送経路から自動的に取り除くことが可能となる。
【0014】
第1の振り分けコンベヤ32に連結されるアキュームコンベヤ36は、図3に示されるように、製品搬送コンベヤ34に対し所定の傾斜角をなして上述の移載/積付ロボット(1)76の移載/積付エリアに向けて斜めに延びている。搬送経路における第1の振り分けコンベヤ32と所定の間隔をもってその下流側に配置される第2の振り分けコンベヤ32に連結されるアキュームコンベヤ36は、製品搬送コンベヤ34に対し所定の傾斜角をなして移載/積付ロボット(2)78の移載/積付エリアに向けて斜めに延びるとともに上述のアキュームコンベヤ36と略平行に向き合っている。
【0015】
図3において、移載/積付ロボット(1)76の移載/積付エリアに所定の間隔をもって向き合いパレット上に荷物Wgが所定の段数、積み付けられたパレットを搬送する第1の実パレット搬送ラインが、製品搬送コンベヤ34の搬送方向に対し直交する方向に延びて形成されている。
また、移載/積付ロボット(1)76の移載/積付エリアに対し搬送方向の下流側に所定の間隔をもって位置する移載/積付ロボット(2)78の移載/積付エリアに所定の間隔をもって向き合いパレット上に荷物Wgが所定の段数、積み付けられたパレットを搬送する第2の実パレット搬送ラインが、製品搬送コンベヤ34の搬送方向に対し直交する方向に延びて形成されている。
【0016】
上述の第1の実パレット搬送ラインおよび第2の実パレット搬送ラインは、それぞれ、積み付けられたパレットを実パレット搬送コンベヤ54に搬送する積付部コンベヤ52と、積付部コンベヤ52からの荷物Wgが積み付けられたパレットを実パレット移載コンベヤ56に搬送する実パレット搬送コンベヤ54と、実パレット搬送コンベヤ54からの荷物Wgが積み付けられたパレットを実パレットローラコンベヤ58に移載する実パレット移載コンベヤ56と、を含んで構成されている。
第1の実パレット搬送ラインの一端および第2の実パレット搬送ラインの一端は、それぞれ、後述する荷物が積み付けられていないパレットを搬送する空パレット搬送ラインに連結されている。空パレット搬送ラインは、所定の間隔をもって製品搬送コンベヤ34の搬送方向に略平行に延びるとともに第1の実パレット搬送ラインの一端および第2の実パレット搬送ラインの一端に直交している。
【0017】
上述の空パレット搬送ラインは、荷物が積み付けられていない複数の空パレットを送出可能に保管する空パレットマガジン44およびマガジン内コンベヤ46と、空パレットマガジン44内からマガジン内コンベヤ46により送出された1つの空パレットを搬送する空パレット搬送コンベヤ48と、空パレット搬送コンベヤ48により搬送された空パレットを第2の実パレット搬送ラインの積付部コンベヤ52に移載する空パレット移載コンベヤ50と、マガジン内コンベヤ46により送出された1つの空パレットを搬送する空パレット搬送コンベヤ48と、空パレット搬送コンベヤ48により搬送された空パレットを第1の実パレット搬送ラインの積付部コンベヤ52に移載する空パレット移載コンベヤ50と、を含んで構成されている。各空パレット移載コンベヤ50は、空パレット搬送コンベヤ48および積付部コンベヤ52の移送位置に対し昇降動可能とされる。
【0018】
第1の実パレット搬送ラインの他端および第2の実パレット搬送ラインの他端は、それぞれ、ストレッチ包装用搬送ラインに連結されている。ストレッチ包装用搬送ラインは、所定の間隔をもって上述の製品搬送コンベヤ34、および、空パレット搬送ラインの搬送方向に対し略平行に配置され、その下流側端部が上述のフリーコンベヤ42に向けて延びている。
ストレッチ包装用搬送ラインは、例えば、5基の実パレットローラコンベヤ58と、ストレッチ包装機60と、フリーローラ62とを含んで構成されている。フリーローラ62の終端部まで到達した1つのパレットと一緒にストレッチフィルムによりラッピングされた複数の荷物Wgは、フォークリフトにより、図3における矢印の示す方向に沿って移送され、所定の冷凍倉庫(不図示)に搬入される。
なお、搬送コンベヤとして、上述のフリーローラ62に代えて、例えば、駆動ローラコンベヤ、または、チェンコンベヤ等であってもよい。
上述の移載/積付ロボット(1)76の移載/積付エリアに供給された各荷物Wgは、移載/積付ロボット(1)76により、移載/積付ロボット(1)76に対向して配置される積付部コンベヤ52上に配置された空のパレット上に移載されるとともに、例えば、パレット上に8段積みされる。なお、移載/積付ロボット(1)76は、例えば、特許第5766093号公報に示されるように、上述の自動採寸計量器28の検出信号群QSに基づいて積付部コンベヤ52上に配置された空のパレット上に荷物Wgを移載し積み付けるように構成されてもよい。
【0019】
複数の荷物Wgが積み付けられた1個のパレットは、積付部コンベヤ52から実パレット搬送コンベヤ54に搬送された後、実パレット移載コンベヤ56により、実パレットローラコンベヤ58に移載される。
上述の移載/積付ロボット(2)78の移載/積付エリアに供給された各荷物Wgは、移載/積付ロボット(2)78により、移載/積付ロボット(2)78に対向して配置される積付部コンベヤ52上に配置された1個の空のパレット上に移載されるとともに、例えば、パレット上に8段積みされる。なお、移載/積付ロボット(2)78は、例えば、特許第5766093号公報に示されるように、上述の自動採寸計量器28の検出信号群QSに基づいて積付部コンベヤ52上に配置された空のパレット上に荷物Wgを移載し積み付けるように構成されてもよい。
複数の荷物Wgが積み付けられた1個のパレットは、積付部コンベヤ52から実パレット搬送コンベヤ54に搬送された後、実パレット移載コンベヤ56により、実パレットローラコンベヤ58に移載される。
【0020】
ストレッチ包装用搬送ラインにおいて、各実パレットローラコンベヤ58に移載された複数の荷物Wgが積み付けられた1個のパレットは、それぞれ、順次、搬送経路における実パレット移載コンベヤ56よりも下流側部分に配置されるストレッチ包装機60に供給され、ストレッチ包装機60により、複数の荷物Wgが積み付けられた1個のパレットがストレッチフィルムによりラッピングされる。その後、複数の荷物Wgが積み付けられた1個のパレットは、ストレッチ包装機60から自動的に実パレットローラコンベヤ58に供給された後、フリーローラ62の終端部に到達せしめられる。ラッピングされた1個のパレットに積み重なられた複数の荷物Wgは、フォークリフトにより、フリーローラ62の終端部から図3における矢印の示す方向に沿って移送され、所定の冷凍倉庫(不図示)に搬入される。
【0021】
さらに加えて、図1に示されるように、本発明に係る搬送システムの一例においては、上述の移載/積付ロボット(1)76の動作制御を行うロボット/コンベヤ制御ユニット(1)70と、移載/積付ロボット(2)78の動作制御を行うロボット/コンベヤ制御ユニット(2)72と、移載/積付ロボット(1)76に関連したアキュームコンベヤ36およびフィードコンベヤ38の動作制御を行うコンベヤ制御ユニット(1)80と、移載/積付ロボット(2)78に関連したアキュームコンベヤ36およびフィードコンベヤ38の動作制御を行うコンベヤ制御ユニット(2)82と、第1および第2の振り分けコンベヤ32等を含む複数のコンベヤの動作制御を行うコンベヤ制御ユニット(3)74と、垂直連続搬送機24の動作制御を行う垂直連続搬送機制御ユニット84と、ストレッチ包装機60の動作制御を行うストレッチ包装機制御ユニット86とを備えている。
【0022】
図1において、ロボット/コンベヤ制御ユニット(1)70には、自動採寸計量器28からの検出信号群QSが供給される。検出信号群QSは、通過する荷物Wの幅をあらわす検出信号、長さをあらわす検出信号、高さをあらわす検出信号、および、重量をあらわす検出信号、その他の搬送中、異常をあらわす信号等を含んでいる。自動採寸計量器28は、供給された荷物Wの搬送指令に基づいて通過する荷物Wの外寸および重さの測定を開始する。ロボット/コンベヤ制御ユニット(1)70は、上述の荷物Wの外寸および重さのデータ、移載/積付ロボット(1)76の動作制御用プログラム、コンベヤ制御ユニット(1)80によりアキュームコンベヤ36およびフィードコンベヤ38を制御するための動作制御用プログラム等を格納する記憶部70Mを備えている。
【0023】
ロボット/コンベヤ制御ユニット(1)70は、制御信号群CD1をコンベヤ制御ユニット(1)80に供給する。コンベヤ制御ユニット(1)80は、制御信号群CD1に基づいてアキュームコンベヤ36およびフィードコンベヤ38にそれぞれ、指令信号CC1、指令信号CC2を供給する。これにより、アキュームコンベヤ36およびフィードコンベヤ38が作動され、後述する第1の振り分けコンベヤ32により振り分けられた荷物Wgが移載/積付ロボット(1)76の移載/積付エリアに供給される。
【0024】
ロボット/コンベヤ制御ユニット(1)70は、フィードコンベヤ38の端部に荷物Wgが到達したことを検出したとき、順次、荷物Wgの移載および積み付け動作を開始すべく制御信号群CB1を移載/積付ロボット(1)76に供給する。これにより、移載/積付ロボット(1)76によって荷物Wgが1個のパレット上に順次、所定の個数、所定の高さまで積み付けられる。
ロボット/コンベヤ制御ユニット(2)72には、上述の自動採寸計量器28からの検出信号群QSが供給される。ロボット/コンベヤ制御ユニット(2)72は、上述の荷物Wの外寸および重さのデータ、移載/積付ロボット(2)78の動作制御用プログラム、コンベヤ制御ユニット(2)82によりアキュームコンベヤ36およびフィードコンベヤ38を制御するための動作制御用プログラム等を格納する記憶部72Mを備えている。
【0025】
ロボット/コンベヤ制御ユニット(2)72は、制御信号群CD2をコンベヤ制御ユニット(2)82に供給する。コンベヤ制御ユニット(2)82は、制御信号群CD2に基づいてアキュームコンベヤ36およびフィードコンベヤ38にそれぞれ、指令信号CC3、指令信号CC4を供給する。これにより、アキュームコンベヤ36およびフィードコンベヤ38が作動され、後述する第2の振り分けコンベヤ32により振り分けられた荷物Wgが移載/積付ロボット(2)78の移載/積付エリアに供給される。
【0026】
ロボット/コンベヤ制御ユニット(2)72は、フィードコンベヤ38の端部に荷物Wgが到達したことを検出したとき、順次、荷物Wgの移載および積み付け動作を開始すべく制御信号群CB2を移載/積付ロボット(2)78に供給する。これにより、移載/積付ロボット(2)78によって荷物Wgが1個のパレット上に順次、所定の個数、所定の高さまで積み付けられる。
従って、フォークリフトが通行する通路とは離れた別の場所でフィードコンベヤ38の終端部から良品とされる荷物Wgを自動的にパレット上に積み重ねることができる。
【0027】
コンベヤ制御ユニット(3)74には、上述の自動採寸計量器28からの検出信号群QSが供給される。コンベヤ制御ユニット(3)74は、カーブコンベヤ26、スキューコンベヤ30、振り分けコンベヤ32、製品搬送コンベヤ34、傾斜コンベヤ40、マガジン44、マガジン内コンベヤ46、空パレット搬送コンベヤ48、空パレット移載コンベヤ50、積み付け部コンベヤ52、実パレット搬送コンベヤ54、実パレット移載コンベヤ56、および、実パレットローラコンベヤ58等を動作制御するためのプログラムを格納する記憶部74Mを備えている。
荷物Wが垂直連続搬送機24の取出口まで引き上げられ、その取出口より自動的に連続して取り出され、図3に示される2階フロア10Bに配置されるカーブコンベヤ26の端まで自動的に同期して移送されるとき、コンベヤ制御ユニット(3)74は、制御信号群CD6をカーブコンベヤ26に供給するとともに、制御信号群CD15をスキューコンベヤ30に供給する。その際、垂直連続搬送機制御ユニット84は、生産管理指令部88からの指令信号に基づいて自動運転中をあらわす信号、ロット完了処理中をあらわす信号、導入OK信号等を含む制御信号群CK2を垂直連続搬送機24に供給する。垂直連続搬送機24は、制御信号群CK2に基づいて自動運転中をあらわす信号、ロット完了OK信号を含む信号群FK2等を垂直連続搬送機制御ユニット84に供給する。
【0028】
これにより、荷物Wがカーブコンベヤ26により搬送経路の下流側部分に配置される自動採寸計量器28を通過しスキューコンベヤ30に供給される。
次に、コンベヤ制御ユニット(3)74は、自動採寸計量器28からの検出信号群QSに基づいて荷物Wの外寸および重さが、所定の許容される閾値以内であると判断したとき、指令信号CD14を第1の振り分けコンベヤ32に供給する。これにより、第1の振り分けコンベヤ32が作動されることにより、良品とされる荷物Wgが上述のアキュームコンベヤ36およびフィードコンベヤ38により、移載/積付ロボット(1)76の移載/積付エリアに供給される。
また、コンベヤ制御ユニット(3)74は、続いて供給される荷物Wが自動採寸計量器28からの検出信号群QSに基づいて荷物Wの外寸および重さが、所定の許容される閾値以内であると判断したとき、指令信号CD14を第2の振り分けコンベヤ32に供給する。これにより、第2の振り分けコンベヤ32が作動されることにより、良品とされる荷物Wgが上述のアキュームコンベヤ36およびフィードコンベヤ38により、移載/積付ロボット(2)78の移載/積付エリアに供給される。
その際、コンベヤ制御ユニット(3)74は、空パレット搬送ラインにおけるマガジン44内からマガジン内コンベヤ46により空パレット搬送コンベヤ48に1個のパレットを送出した後、空パレット移載コンベヤ50により、第1の実パレット搬送ラインにおける積付部コンベヤ52に1個のパレットを移載すべく、指令信号CD4、CD7、CD8、CD9、および、CD12をマガジン44、マガジン内コンベヤ46、空パレット搬送コンベヤ48、空パレット移載コンベヤ50、および、積付部コンベヤ52に供給する。
【0029】
また、コンベヤ制御ユニット(3)74は、空パレット搬送ラインにおけるマガジン44内からマガジン内コンベヤ46により空パレット搬送コンベヤ48に1個のパレットを送出した後、空パレット移載コンベヤ50により、第2の実パレット搬送ラインにおける積付部コンベヤ52に1個のパレットを移載すべく、指令信号CD4、CD7、CD8、CD9、および、CD12をマガジン44、マガジン内コンベヤ46、空パレット搬送コンベヤ48、空パレット移載コンベヤ50、および、積付部コンベヤ52に供給する。
続いて、コンベヤ制御ユニット(3)74は、第1の実パレット搬送ラインおよび第2の実パレット搬送ラインにおいて、複数の荷物Wgが積み付けられた1個のパレットを積付部コンベヤ52から実パレット搬送コンベヤ54に搬送された後、実パレット移載コンベヤ56により、実パレットローラコンベヤ58に移載すべく、指令信号CD10、CD11、CD12、CD13をそれぞれ、積付部コンベヤ52、実パレット搬送コンベヤ54、実パレット移載コンベヤ56、実パレットローラコンベヤ58に供給する。
これにより、第1の実パレット搬送ラインおよび第2の実パレット搬送ラインにおいて、複数の荷物Wgが積み付けられた1個のパレットは、積付部コンベヤ52から実パレット搬送コンベヤ54に搬送された後、実パレット移載コンベヤ56により、ストレッチ包装用搬送ラインにおける実パレットローラコンベヤ58に移載される。
【0030】
実パレットローラコンベヤ58に移載された複数の荷物Wgが積み付けられた1個のパレットは、実パレットローラコンベヤ58により、ストレッチ包装機60に供給される。
図1において、ストレッチ包装機械制御ユニット86は、生産管理指令部90からの指令信号に基づいて実パレットローラコンベヤ58からの複数の荷物Wgが積み付けられた1個のパレットのストレッチ包装機60への搬入要求をあらわす搬入要求信号、搬入OK信号、搬入完了信号等を含む制御信号群CK1をストレッチ包装機60に供給する。ストレッチ包装機60は、制御信号群CK1に基づいて複数の荷物Wgが積み付けられた1個のパレットをストレッチフィルムによりラッピングした後、搬出要求信号、排出OK信号、排出完了信号等を含む排出制御信号群FK1をストレッチ包装機械制御ユニット86に供給する。これにより、複数の荷物Wgが積み付けられた1個のパレットは、ストレッチ包装機60から自動的に実パレットローラコンベヤ58に供給された後、フリーローラ62の終端部に到達せしめられる。ラッピングされた1個のパレットに積み重ねられた複数の荷物Wgは、フォークリフトにより、フリーローラ62の終端部から図3における矢印の示す方向に沿って移送され、所定の冷凍倉庫(不図示)に搬入される。
【0031】
一方、コンベヤ制御ユニット(3)74は、自動採寸計量器28からの検出信号群QSに基づいて荷物Wの外寸および重さが、それぞれ、所定の許容される閾値を超えると判断したとき、第1の振り分けコンベヤ32および第2の振り分けコンベヤ32を作動させることなく、製品搬送コンベヤ34、傾斜コンベヤ40、および、カーブコンベヤ26を作動させるべく、指令信号CD3、CD5、および、CD6をそれぞれ、製品搬送コンベヤ34、傾斜コンベヤ40、カーブコンベヤ26に供給する。これにより、不良品とされる荷物Wngが搬送経路における下流側部分にあるフリーコンベヤ42まで搬送され取り出された後、手作業により所定の場所で手積みされる。
従って、スキューコンベヤ30および製品搬送コンベヤ34により搬送される荷物のうち外観損傷または重量不足等の不良が発見された荷物Wngを、上述の移載/積付ロボット(1)76および移載/積付ロボット(2)78の移載/積付エリアにおいてパレット上に積み重ねることなく、しかも、作業者の煩雑な除去作業を伴うことなく、搬送経路から自動的に取り除くことが可能となる。
【符号の説明】
【0032】
10A 1階フロア
10B 2階フロア
20 搬送コンベヤ
24 垂直連続搬送機
26 カーブコンベヤ
28 自動採寸計量器
30 スキューコンベヤ
32 第1の振り分けコンベヤ 第2の振り分けコンベヤ
34 製品搬送コンベヤ
36 アキュームコンベヤ
38 フィードコンベヤ
42 フリーコンベヤ
60 ストレッチ包装機
62 フリーローラ
70 ロボット/コンベヤ制御ユニット(1)
72 ロボット/コンベヤ制御ユニット(2)
74 コンベヤ制御ユニット(3)
76 移載/積付ロボット(1)
78 移載/積付ロボット(2)
W、Wg、Wng 荷物
【要約】
【課題】搬送システムにおいて、搬送コンベヤにより搬送される荷物のうち不良が発見された荷物をパレット上に積み重ねる以前に取り除くことができ、しかも、フォークリフトが通行する通路とは離れた別の場所で搬送コンベヤの終端部から良品とされる荷物を自動的にパレット上に積み重ねることができること。
【解決手段】スキューコンベヤ30により搬送された荷物Wのうち良品であると判定された荷物Wgは、第1の振り分けコンベヤ32により、アキュームコンベヤ36およびフィードコンベヤ38を介して移載/積付ロボット(1)76の移載/積付エリアに供給され、ロボット/コンベヤ制御ユニット(1)70は、フィードコンベヤ38の端部に荷物Wgが到達したことを検出したとき、順次、荷物Wgの移載および積み付け動作を開始すべく制御信号群CB1を移載/積付ロボット(1)76に供給し、一方、コンベヤ制御ユニット(3)74は、自動採寸計量器28からの検出信号群QSに基づいて荷物Wの外寸および重さが、それぞれ、所定の許容される閾値を超えると判断したとき、第1の振り分けコンベヤ32および第2の振り分けコンベヤ32を作動させることなく、製品搬送コンベヤ34を作動させ、不良品とされる荷物Wngを搬送経路における下流側部分にあるフリーコンベヤ42まで搬送するもの。
【選択図】図1

図1
図2
図3