(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】磁気デバイス及び演算装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/82 20060101AFI20230712BHJP
H10N 50/10 20230101ALI20230712BHJP
H03K 19/18 20060101ALI20230712BHJP
G11C 11/16 20060101ALI20230712BHJP
G06N 3/063 20230101ALI20230712BHJP
【FI】
H01L29/82 Z
H10N50/10 A
H10N50/10 U
H10N50/10 Z
H03K19/18
G11C11/16 230
G11C11/16 240
G06N3/063
(21)【出願番号】P 2021552357
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 JP2020038094
(87)【国際公開番号】W WO2021075343
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】P 2019190364
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020041778
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020056604
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519373833
【氏名又は名称】YODA-S株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【氏名又は名称】竹内 功
(72)【発明者】
【氏名】與田 博明
(72)【発明者】
【氏名】大沢 裕一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 侑志
(72)【発明者】
【氏名】與田 朋美
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-164870(JP,A)
【文献】特開2014-45196(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0131977(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0145691(US,A1)
【文献】特開2017-112351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/82
H10N 50/10
H03K 19/18
G11C 11/16
G06N 3/063
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項2】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項3】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項4】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項5】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項6】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項7】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項8】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項9】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項10】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項11】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項12】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項13】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する
、記載の磁気デバイス。
【請求項14】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項15】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項16】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【請求項17】
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定し、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する
、磁気デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気デバイス及び演算装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁性層を含む磁気デバイスが演算回路に応用される。演算回路において、より簡単な構成が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、簡単な構成を有する磁気デバイス及び演算装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る磁気デバイスは、第1導電部、第1積層体、第2導電部、第2積層体、及び制御部を含む。前記第1導電部は、第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含む。前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う。前記第1積層体は、第1磁性層及び第2磁性層を含む。前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある。前記第2導電部は、第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含む。前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う。前記第2積層体は、第3磁性層及び第4磁性層を含む。前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある。前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能である。前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能である。前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能である。前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とする。前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1電位または第2電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第3電位または第4電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給する。前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する。前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する。前記第2入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を前記第1電位とし、前記第3磁性層の電位を前記第4電位とする。前記第2入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を前記第2電位とし、前記第3磁性層の電位を前記第3電位とする。前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図2】
図2(a)~
図2(c)は、第1実施形態に係る磁気デバイスの動作を例示する模式図である。
【
図3】
図3(a)~
図3(d)は、第1実施形態に係る磁気デバイスの動作を例示する模式図である。
【
図4】
図4(a)~
図4(c)は、第1実施形態に係る磁気デバイスによる演算結果を示す表である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、ニューラルネットワークを例示する模式図である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、OR演算に用いられる構造体を示す模式図である。
図6(c)は、OR演算を示す表である。
【
図7】
図7(a)~
図7(c)は、OR演算時の動作を示す模式図である。
【
図8】
図8(a)~
図8(c)は、OR演算時の動作を示す模式図である。
【
図9】
図9(a)~
図9(c)は、OR演算時の動作を示す模式図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る磁気デバイスの具体的な一例を示す模式図である。
【
図11】
図11(a)~
図11(c)は、第1実施形態に係る磁気デバイスの動作を示す模式図である。
【
図12】
図12(a)~
図12(d)は、第1実施形態に係る磁気デバイスの動作を示す模式図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図14】
図14(a)~
図14(c)は、第2実施形態に係る磁気デバイスの動作を例示する模式図である。
【
図15】
図15(a)~
図15(d)は、第2実施形態に係る磁気デバイスの動作を例示する模式図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る磁気デバイスの具体的な一例を示す模式図である。
【
図17】
図17(a)~
図17(c)は、第2実施形態に係る磁気デバイスの動作を示す模式図である。
【
図18】
図18(a)~
図18(d)は、第2実施形態に係る磁気デバイスの動作を示す模式図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態に係る磁気デバイスを示す模式図である。
【
図20】
図20は、第4実施形態に係る磁気デバイスの動作を例示するフローチャート図である。
【
図21】
図21は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図22】
図22(a)~
図22(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図23】
図23は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図24】
図24(a)~
図24(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図25】
図25は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図26】
図26(a)~
図26(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図27】
図27は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図28】
図28(a)~
図28(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図29】
図29は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図30】
図30(a)~
図30(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図31】
図31は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図32】
図32(a)~
図32(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図33】
図33は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図34】
図34(a)~
図34(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図35】
図35は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図36】
図36(a)~
図36(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図37】
図37は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図38】
図38(a)~
図38(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図39】
図39は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図40】
図40(a)~
図40(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図41】
図41は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図42】
図42(a)~
図42(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図43】
図43は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図44】
図44(a)~
図44(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図45】
図45は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図46】
図46(a)~
図46(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図47】
図47は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図48】
図48(a)~
図48(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図49】
図49は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図50】
図50(a)~
図50(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図51】
図51は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図52】
図52(a)~
図52(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図53】
図53は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図54】
図54(a)~
図54(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【
図55】
図55は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
【
図56】
図56(a)~
図56(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0008】
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る磁気デバイス100は、第1導電部11、第2導電部12、第1磁性層21、第2磁性層22、第3磁性層23、第4磁性層24、第1非磁性層31、第2非磁性層32、及び制御部90を含む。
【0010】
第1導電部11は、第1領域11a、第2領域11b、及び第3領域11cを含む。第3領域11cは、第1領域11aと第2領域11bとの間に位置する。例えば、第3領域11cは、第1領域11a及び第2領域11bと連続する。
【0011】
第1磁性層21は、第1領域11aと第2領域11bとを結ぶ第1方向と交差する第2方向において、第3領域11cから離れている。第1非磁性層31は、第2方向において、第3領域11cと第1磁性層21との間に設けられる。第2磁性層22は、第2方向において、第3領域11cと第1非磁性層31との間に設けられる。第1導電部11と第2磁性層22との間に、別の層が設けられても良い。第2磁性層22と第1非磁性層31との間に、別の層が設けられても良い。第1非磁性層31と第1磁性層21との間に、別の層が設けられても良い。
【0012】
第2導電部12は、第4領域12d、第5領域12e、及び第6領域12fを含む。第6領域12fは、第4領域12dと第5領域12eとの間に位置する。例えば、第6領域12fは、第4領域12d及び第5領域12eと連続する。第2導電部12は、第1導電部11と電気的に接続されていても良いし、電気的に分離されていても良い。
【0013】
第3磁性層23は、第4領域12dと第5領域12eとを結ぶ第3方向と交差する第4方向において、第6領域12fから離れている。第2非磁性層32は、第4方向において、第6領域12fと第3磁性層23との間に設けられる。第4磁性層24は、第4方向において、第6領域12fと第2非磁性層32との間に設けられる。第2導電部12と第4磁性層24との間に、別の層が設けられても良い。第4磁性層24と第2非磁性層32との間に、別の層が設けられても良い。第2非磁性層32と第3磁性層23との間に、別の層が設けられても良い。
【0014】
第3方向は、第1方向と平行でも良いし、第1方向と交差しても良い。第4方向は、第2方向と平行でも良いし、第2方向と交差しても良い。
図1に示す例では、第1方向及び第3方向は、X軸方向に平行である。第2方向及び第4方向は、X軸方向に対して垂直なZ軸方向に平行である。以降では、第1方向及び第3方向がX軸方向に平行であり、第2方向及び第4方向がZ軸方向に平行である場合について説明する。
【0015】
第1導電部11は、例えば、Ta、W、Pt、Hf、Re、Os、Ir、Pd、Cu、Ag、及びAuからなる第1群より選択された少なくとも1つの金属を含む。第2導電部12は、例えば、第1群より選択された少なくとも1つの金属を含む。第2導電部12に含まれる金属は、第1導電部11に含まれる金属と同じでも良いし、第1導電部11に含まれる金属と異なっていても良い。
【0016】
第1磁性層21、第2磁性層22、第3磁性層23、及び第4磁性層24は、例えば、導電性且つ強磁性である。第1磁性層21~第4磁性層24は、例えば、Fe、Co、及びNiからなる群から選択された少なくとも1つを含む。例えば、第1磁性層21及び第3磁性層23は、参照層として用いられる。第2磁性層22及び第4磁性層24は、記憶層として用いられる。
【0017】
第1非磁性層31及び第2非磁性層32は、例えば絶縁性である。第1非磁性層31及び第2非磁性層32は、MgO、CaO、SrO、TiO、VO、NbO及びAl2O3からなる群より選択された少なくとも1つを含む。第1非磁性層31及び第2非磁性層32は、導電性でも良い。第1非磁性層31及び第2非磁性層32は、Ga、Al、Cuからなる群より選択された少なくとも1つを含んでも良い。
【0018】
第1磁性層21、第2磁性層22、及び第1非磁性層31を含む第1積層体SB1は、例えば、磁気抵抗変化素子として機能する。第3磁性層23、第4磁性層24、及び第2非磁性層32を含む第2積層体SB2は、例えば、磁気抵抗変化素子として機能する。第1積層体SB1及び第2積層体SB2において、トンネル磁気抵抗(TMR)効果が生じる。
【0019】
第1磁性層21の磁化21Mの向き、及び第2磁性層22の磁化22Mの向きは、第1方向及び第2方向に平行な面と交差する。
図1に示す例では、磁化21Mの向き及び磁化22Mの向きは、Y軸方向に平行である。例えば、第1磁性層21の磁化容易軸及び第2磁性層22の磁化容易軸が、Y軸方向に平行である。
【0020】
第3磁性層23の磁化23Mの向き、及び第4磁性層24の磁化24Mの向きは、第3方向及び第4方向を含む面と交差する。
図1に示す例では、磁化23Mの向き及び磁化24Mの向きは、Y軸方向に平行である。例えば、第3磁性層23の磁化容易軸及び第4磁性層24の磁化容易軸が、Y軸方向に平行である。
【0021】
図1に示す例では、磁化21Mの向きと磁化23Mの向きは、反平行である。例えば、第1領域11aから第2領域11bへの向きに対する磁化21Mの向きを、+90度とすると、第4領域12dから第5領域12eへの向きに対する磁化23Mの向きは、-90度である。
【0022】
第1積層体SB1において、第1磁性層21、第1非磁性層31、及び第2磁性層22を含む経路の電気抵抗は、磁化21Mの向きと磁化22Mの向きとの間の差異に応じて変化する。第2積層体SB2において、第3磁性層23、第2非磁性層32、及び第4磁性層24を含む経路の電気抵抗は、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きとの間の差異に応じて変化する。
【0023】
磁化22Mの向きと磁化21Mの向きが平行なとき、磁化22Mの向きと磁化21Mの向きが反平行なときに比べて、第1積層体SB1の電気抵抗は低い。磁化24Mの向きと磁化23Mの向きが平行なとき、磁化24Mの向きと磁化23Mの向きが反平行なときに比べて、第2積層体SB2の電気抵抗は低い。
【0024】
以降では、磁化22Mの向きと磁化21Mの向きとの間の角度が相対的に小さい状態、又は磁化24Mの向きと磁化23Mの向きとの間の角度が相対的に小さい状態を、「平行状態」という。磁化22Mの向きと磁化21Mの向きとの間の角度が相対的に大きい状態、又は磁化24Mの向きと磁化23Mの向きとの間の角度が相対的に大きい状態を、「反平行状態」という。平行状態において、磁化22Mの向きと磁化21Mの向きは、完全に平行でなくても良く、反平行状態に比べて磁化22Mの向きと磁化21Mの向きとの間の角度が小さければ良い。同様に、反平行状態において、磁化22Mの向きと磁化21Mの向きは、完全に反平行でなくても良く、平行状態に比べて磁化22Mの向きと磁化21Mの向きとの間の角度が大きければ良い。
【0025】
例えば、第1導電部11及び第2導電部12は、絶縁性の基体の上に設けられる。基体に配線が設けられていても良い。基体は、基板の少なくとも一部であっても良い。第1導電部11及び第2導電部12が同じ1つの基板の上に設けられても良いし、互いに異なる基板の上にそれぞれ設けられても良い。
【0026】
制御部90は、第1領域11a、第2領域11b、第4領域12d、第5領域12e、第1磁性層21、及び第3磁性層23と電気的に接続される。制御部90は、第1導電部11への電流の供給、第2導電部12への電流の供給、第1磁性層21の電位の制御、及び第3磁性層23の電位の制御を実行可能である。
【0027】
具体的には、制御部90は、第1領域11aから第2領域11bへ流れる電流、又は第2領域11bから第1領域11aへ流れる電流を、第1導電部11へ供給する。制御部90は、第4領域12dから第5領域12eへ流れる電流、又は第5領域12eから第4領域12dへ流れる電流を、第2導電部12へ供給する。
【0028】
第1導電部11及び第2導電部12は、例えば、Spin Orbit Layer(SOL)として機能する。電流が第1導電部11を流れると、第1導電部11と第2磁性層22との間で生じるスピン軌道トルクが磁化22Mに作用する。電流が第2導電部12を流れると、第2導電部12と第4磁性層24との間で生じるスピン軌道トルクが磁化24Mに作用する。
【0029】
例えば、制御部90は、第1磁性層21の電位を、第1電位と第2電位との間で切り替える。第2電位は、第1電位と異なる。例えば、制御部90は、第1磁性層21の電位を第1電位又は第2電位に設定する際、第1導電部11の電位を基準電位(例えば、グランド電位)に設定する。第1磁性層21の電位が第1電位のとき、第1磁性層21の電位が第2電位のときに比べて、磁化22Mの向きが変化し易い。第1磁性層21の電位が第1電位のとき、磁化22Mの向きは、第1導電部11を流れる電流の向きに応じて変化しうる。第1磁性層21の電位が第2電位のとき、磁化22Mの向きは、第1導電部11を流れる電流の向きに拘わらず実質的に変化しない。
【0030】
この現象は、第2磁性層22の面内磁気異方性エネルギーに因る。第1磁性層21の電位が第1電位のとき、第2磁性層22の面内磁気異方性エネルギーが相対的に減少する。面内磁気異方性エネルギーが減少したときに、磁化22Mにスピン軌道トルクが作用することで、磁化22Mがスピン軌道トルクに対応した向きに沿う。第1磁性層21の電位が第2電位のとき、第2磁性層22の面内磁気異方性エネルギーが相対的に増加する。面内磁気異方性エネルギーが増加したときに、磁化22Mにスピン軌道トルクが作用しても、磁化22Mの向きが実質的に変化しない。第2磁性層22の面内磁気異方性エネルギーに応じて、磁化22Mの向きの変化し易さが切り替わる。
【0031】
同様に、制御部90は、第3磁性層23の電位を、第3電位と第4電位との間で切り替える。第3電位は、第4電位と異なる。例えば、制御部90は、第3磁性層23の電位を第3電位又は第4電位に設定する際、第2導電部12の電位を基準電位(例えば、グランド電位)に設定する。第3電位は、例えば第1電位と同じである。第4電位は、例えば第2電位と同じである。第3磁性層23の電位が第3電位のとき、第3磁性層23の電位が第4電位のときに比べて、磁化24Mの向きが変化し易い。第3磁性層23の電位が第3電位のとき、磁化24Mの向きは、第2導電部12を流れる電流の向きに応じて変化しうる。第3磁性層23の電位が第4電位のとき、磁化24Mの向きは、第2導電部12を流れる電流の向きに拘わらず実質的に変化しない。
【0032】
この現象は、第4磁性層24の面内磁気異方性エネルギーに因る。第3磁性層23の電位が第3電位のとき、第4磁性層24の面内磁気異方性エネルギーが相対的に減少する。面内磁気異方性エネルギーが減少したときに、磁化24Mにスピン軌道トルクが作用することで、磁化24Mがスピン軌道トルクに対応した向きに沿う。第3磁性層23の電位が第4電位のとき、第4磁性層24の面内磁気異方性エネルギーが相対的に増加する。面内磁気異方性エネルギーが増加したときに、磁化24Mにスピン軌道トルクが作用しても、磁化24Mの向きが実質的に変化しない。第4磁性層24の面内磁気異方性エネルギーに応じて、磁化24Mの向きの変化し易さが切り替わる。
【0033】
第1電位及び第2電位は、第1導電部11及び第2磁性層22の材料に応じて設定できる。第3電位及び第4電位は、第2導電部12及び第4磁性層24の材料に応じて設定できる。例えば、第1導電部11及び第2導電部12はTaを含み、第2磁性層22及び第4磁性層24はCoFeBを含む。この場合、第1電位及び第3電位は、0V未満に設定される。第2電位及び第4電位は、0Vより大きく設定される。
【0034】
図2(a)~
図2(c)及び
図3(a)~
図3(d)は、第1実施形態に係る磁気デバイスの動作を例示する模式図である。
図4(a)~
図4(c)は、第1実施形態に係る磁気デバイスによる演算結果を示す表である。
磁気デバイス100は、上述した電流の供給及び電位の制御により、XNOR(排他的論理和の否定)に必要な演算の少なくとも一部を実行可能である。制御部90は、以下の初期化動作、第1動作、第2動作、及び第3動作を実行する。
【0035】
図2(a)に示すように、初期化動作では、制御部90は、磁化22Mを磁化21Mと平行にし、磁化24Mを磁化23Mと平行にする。例えば、この例では、磁化23Mの向きは、磁化21Mの向きと逆である。
【0036】
図2(b)に示すように、制御部90は、第1動作において、入力値に応じて電流Iw1の向き及び電位P1を制御する。例えば、第1入力値が“1”のとき、制御部90は、第1領域11aから第2領域11bに向けた電流Iw1を第1導電部11に供給する。第1入力値が“0”のとき、制御部90は、第2領域11bから第1領域11aに向けた電流Iw1を第1導電部11に供給する。第2入力値が“1”のとき、制御部90は、第1磁性層21の電位P1を第1電位に設定する。第2入力値が“0”のとき、制御部90は、第1磁性層21の電位P1を第2電位に設定する。
【0037】
電位P1の設定及び電流Iw1の供給後、制御部90は、第1導電部11と第1磁性層21との間の電気抵抗(第1電気抵抗)を検出する。例えば、第1磁性層21の電位が第1電位に設定され、且つ第1領域11aから第2領域11bへ電流が流れると、磁化21Mの向きと磁化22Mの向きは、反平行状態となる。制御部90は、反平行状態に対応する電気抵抗が検出されると、第1動作による出力を“1”と判定する。第1磁性層21の電位が第2電位に設定されたとき、又は第2領域11bから第1領域11aへ電流が流れたときは、磁化22Mの向きが、初期化動作から変化しない。磁化21Mの向きと磁化22Mの向きは、平行状態にある。制御部90は、平行状態に対応する電気抵抗が検出されると、第1動作による出力を“0”と判定する。
【0038】
図3(a)~
図3(d)は、第1動作及び第2動作における入力と出力の関係を示す。
図3(a)~
図3(d)では、便宜的に、第1電位又は第3電位を“+”と示し、第2電位又は第4電位を“-”と示している。
図4(a)は、第1動作における入力と出力の関係を示す。第1動作では、
図3(a)~
図3(d)及び
図4(a)に示すように、第1入力値(INPUT1)と第2入力値(INPUT2)の両方が“1”のとき、出力値は“1”である。第1入力値と第2入力値の少なくとも一方が“0”のとき、出力値は“0”である。
【0039】
図2(c)に示すように、第2動作では、制御部90は、入力値に応じて、電流Iw2の向き及び電位P2を制御する。例えば、第1入力値が“1”のとき、制御部90は、第4領域12dから第5領域12eに向けた電流Iw2を第2導電部12に供給する。第1入力値が“0”のとき、制御部90は、第5領域12eから第4領域12dに向けた電流Iw2を第2導電部12に供給する。第2入力値が“1”のとき、制御部90は、第3磁性層23の電位P2を第4電位に設定する。第2入力値が“0”のとき、制御部90は、第3磁性層23の電位P2を第3電位に設定する。
【0040】
すなわち、第1動作では、第2入力値が“1”のとき、磁化22Mが可変となるように第1磁性層21の電位が設定される。これに対して、第2動作では、第2入力値が“0”のとき、磁化24Mが可変となるように第3磁性層23の電位が設定される。また、この例では、磁化23Mの向きは、磁化21Mの向きと逆である。すなわち、第1動作では、第1入力値が“1”のとき、磁化22Mの向きが変化するように第1導電部11に電流が供給される。これに対して、第2動作では、第1入力値が“0”のとき、磁化24Mの向きが変化するように第2導電部12に電流が供給される。
【0041】
電位P2の設定及び電流Iw2の供給後、制御部90は、第2導電部12と第3磁性層23との間の電気抵抗を検出する。例えば、第3磁性層23の電位が第3電位に設定され、且つ第5領域12eから第4領域12dへ電流が流れると、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きは、反平行状態となる。制御部90は、反平行状態に対応する電気抵抗が検出されると、第2動作による出力を“1”と判定する。第3磁性層23の電位が第4電位に設定されたとき、又は第4領域12dから第5領域12eへ電流が流れたときは、磁化24Mの向きが、初期化動作から変化しない。磁化23Mの向きと磁化24Mの向きは、平行状態にある。制御部90は、平行状態に対応する電気抵抗が検出されると、第2動作による出力を“0”と判定する。
【0042】
図4(b)は、第2動作における入力と出力の関係を示す。第2動作では、
図3(a)~
図3(d)及び
図4(b)に示すように、第1入力値と第2入力値の両方が“0”のとき、出力は“1”である。第1入力値と第2入力値の少なくとも一方が“1”のとき、出力は“0”である。
【0043】
第3動作では、制御部90は、第1動作による第1導電部11と第1磁性層21との間の第1電気抵抗に対応する第1値と、第2動作による第2導電部12と第3磁性層23との間の第2電気抵抗に対応する第2値と、の論理和を計算する。
図4(c)は、第1入力値と、第2入力値と、論理和の出力値と、の関係を示す。
図4(c)に示すように、第1入力値と第2入力値が同じときには、“1”が出力される。第1入力値と第2入力値が異なるときには、“0”が出力される。すなわち、磁気デバイス100は、XNOR演算を実行するXNOR論理ゲートとして機能する。
【0044】
第1実施形態によれば、XNOR演算の一部が、2つの積層体SB1及びSB2を用いて実行される。これらの積層体を用いた演算は、電流の向き及び参照層の電位の制御により実行される。第1実施形態によれば、XNOR演算に必要なデバイスの構造及びシーケンスをより簡素化できる。例えば、構造及びシーケンスの簡素化により、XNOR論理ゲートの消費電力を低減できる。
【0045】
図5(a)及び
図5(b)は、ニューラルネットワークを例示する模式図である。
【0046】
磁気デバイス100は、ニューラルネットワーク(特にBNN)に好適に用いられる。
図5(a)は、BNNの概略構成を示す模式図である。
図5(b)は、
図5(a)の一部を拡大した模式図である。
【0047】
図5(a)に示すように、ニューラルネットワークは、入力層IL、複数の中間層ML、及び出力層OLを含む。ニューラルネットワークでは、
図5(b)に示すように、学習及び推論時に、各入力に重みが掛け合わされ、次の層にその計算結果が入力される。それぞれの積の和が計算され、和に基づいて出力が決定される。これらの積と和の計算には、XNOR論理ゲートが用いられる。
【0048】
学習及び推論時には、論理ゲートに情報が繰り返し記憶される。このため、論理ゲートとして用いられるデバイスには、高い書き換え耐性が求められる。また、論理ゲートは、計算結果を保持できる不揮発性であることが望ましい。計算結果が不揮発性であることで、計算結果を別の記憶部に保存する必要がなくなり、消費電力を低減できる。また、学習及び推論時には、論理ゲートが繰り返し動作するため、論理ゲートの消費電力は小さいことが望ましい。
【0049】
磁気デバイス100では、情報が第2磁性層22及び第4磁性層24のそれぞれの磁化の向きとして記憶される。このため、情報の書込に伴う特性の劣化が生じ難く、高い書き換え耐性を実現できる。また、磁気デバイス100は、上述したように、計算過程の結果が第2磁性層22及び第4磁性層24に記憶されるため、不揮発性である。さらに、第1導電部11及び第2導電部12への電流の供給により、第2磁性層22及び第4磁性層24の情報が書き換えられる。このため、例えば絶縁層などを通して通電させる方式に比べて、より小さな電流で情報の書き込み及び演算を実行できる。
【0050】
以下で、第1実施形態に
係る磁気デバイス100について、より具体的に説明する。
(OR演算)
図6(a)及び
図6(b)は、OR演算に用いられる構造体を示す模式図である。
図6(c)は、OR演算を示す表である。
図7(a)~
図7(c)は、OR演算時の動作を示す模式図である。
【0051】
例えば、制御部90は、
図6(a)に示す構造体ST1を用いてOR演算を実行する。構造体ST1は、第3導電部13、第5磁性層25、第6磁性層26、及び第3非磁性層33を含む。
【0052】
第3導電部13は、第7領域13g、第8領域13h、及び第9領域13iを含む。第9領域13iは、第7領域13gと第8領域13hとの間に位置する。例えば、第9領域13iは、第7領域13g及び第8領域13hと連続する。
【0053】
第5磁性層25は、第7領域13gと第8領域13hを結ぶ第5方向と交差する第6方向において、第9領域13iから離れている。第3非磁性層33は、第6方向において、第9領域13iと第5磁性層25との間に設けられる。第6磁性層26は、第6方向において、第9領域13iと第3非磁性層33との間に設けられる。第3導電部13と第6磁性層26との間に、別の層が設けられても良い。第6磁性層26と第3非磁性層33との間に、別の層が設けられても良い。第3非磁性層33と第5磁性層25との間に、別の層が設けられても良い。
【0054】
第5方向は、第1方向又は第3方向と平行でも良いし、第1方向又は第3方向と交差しても良い。第6方向は、第2方向又は第4方向と平行でも良いし、第2方向又は第4方向と交差しても良い。第3導電部13には、第1導電部11と同様の構成を適用可能である。第5磁性層25には、第1磁性層21と同様の構成を適用可能である。第6磁性層26には、第2磁性層22と同様の構成を適用可能である。第3非磁性層33には、第1非磁性層31と同様の構成を適用可能である。
【0055】
制御部90は、第7領域13g、第8領域13h、及び第5磁性層25と電気的に接続される。制御部90は、第5磁性層25の電位を、第5電位と第6電位との間で切り替える。第5電位は、第6電位と異なる。第5磁性層25の電位が第5電位のとき、磁化26Mの向きは、第3導電部13を流れる電流の向きに応じて変化しうる。第5磁性層25の電位が第6電位のとき、磁化26Mの向きは、第3導電部13を流れる電流の向きに拘わらず実質的に変化しない。
【0056】
まず、制御部90は、
図6(b)に示すように、磁化25Mの向きと磁化26Mの向きを反平行状態にする。次に、制御部90は、入力値に応じて、電流Iw3の向き及び電位P3を制御する。入力値は、上述した第1動作による出力値(第1値)と第2動作による出力値(第2値)である。
【0057】
例えば、第1値が“1”のとき、制御部90は、第8領域13hから第7領域13gに向けた電流Iw3を第3導電部13に供給する。第1値が“0”のとき、制御部90は、第7領域13gから第8領域13hに向けた電流Iw3を第3導電部13に供給する。第2値が“1”のとき、制御部90は、第5磁性層25の電位P3を第6電位に設定する。第2値が“0”のとき、制御部90は、第5磁性層25の電位P3を第5電位に設定する。
【0058】
電流Iw3の供給及び電位P3の設定後、制御部90は、第3導電部13と第5磁性層25との間の電気抵抗を検出する。制御部90は、反平行状態に対応する電気抵抗が検出されると、第1動作による出力を“1”と判定する。制御部90は、平行状態に対応する電気抵抗が検出されると、第1動作による出力を“0”と判定する。
【0059】
図7(a)~
図7(c)は、OR演算における入力と出力の関係を示す。
図7(a)~
図7(c)では、便宜的に、第5電位を“+”と示し、第6
電位を“-”と示している。
図6(c)及び
図7(a)~
図7(c)に表したように、第1値(Value1)と第2値(Value2)の両方が“0”のとき、出力は“0”である。第1値と第2値の一方が“1”のとき、出力は“1”である。このように、制御部90は、
図6(a)に表した構造体ST1を用いて、OR演算を実行する。
【0060】
図8(a)~
図8(c)及び
図9(a)~
図9(c)は、OR演算時の動作を示す模式図である。
図6(b)及び
図7(a)~
図7(c)の例では、第3導電部13を流れる電流の向き及び第5磁性層25の電位を、それぞれ第1値及び第2値に応じて変化させた。OR演算の具体的な方法は、この例に限らない。磁化25Mの向きと磁化26Mの向きの関係を、第1値又は第2値に応じて変化させても良い。
【0061】
例えば、第1値が“1”のとき、制御部90は、
図8(a)に示すように、磁化26Mの向きと磁化25Mの向き反平行状態にする。第1値が“0”のとき、制御部90は、
図8(b)に示すように、磁化26Mの向きと磁化25Mの向きを平行状態にする。
【0062】
次に、第2値が“1”のとき、制御部90は、第5磁性層25の電位P3を第5電位に設定する。第2値が“0”のとき、制御部90は、第5磁性層25の電位P3を第6電位に設定する。電位P3の設定中に、制御部90は、
図8(c)に示すように、第7領域13gから第8領域13hに向けた電流Iw3を第3導電部13に供給する。第5磁性層25の電位P3が第5電位の場合、電流Iw3の供給後において、磁化25Mの向きと磁化26Mの向きは反平行状態にある。
【0063】
電流Iw3の供給後、制御部90は、第3導電部13と第5磁性層25との間の電気抵抗を検出する。制御部90は、反平行状態に対応する電気抵抗が検出されると、出力値を“1”と判定する。制御部90は、平行状態に対応する電気抵抗が検出されると、出力値を“0”と判定する。
【0064】
図9(a)~
図9(c)は、OR演算における入力と出力の関係を示す。
図9(a)~
図9(c)では、便宜的に、第5電位を“+”と示し、第6電位を“-”と示している。
図9(a)~
図9(c)に表したように、第1値が“0”であり、且つ第2値が“0”の場合のみ、磁化25Mの向きと26Mの向きは平行状態となり、それ以外の場合では、磁化25Mの向きと26Mの向きは反平行状態となる。すなわち、OR演算が実行される。
【0065】
制御部90は、上述した構造体を用いたOR演算に代えて、典型的な揮発性のOR論理ゲートを用いてOR演算を実行しても良い。
【0066】
(制御部)
図10は、第1実施形態に係る磁気デバイスの具体的な一例を示す模式図である。
制御部90は、例えば
図10に示すように、書込セレクタ91a及び91b、読出セレクタ92a及び92b、書込ドライバ93a及び93b、センスアンプ94a及び94bを含む。
【0067】
書込セレクタ91aは、第1領域11a、第2領域11b、及び第1磁性層21と電気的に接続されている。書込セレクタ91aは、複数の導電部から第1導電部11を選択する。また、書込セレクタ91aは、複数の積層体から第1積層体SB1を選択する。書込ドライバ93aは、選択された第1導電部11への電流の供給と、選択された第1磁性層21の電位の設定と、を実行する。書込ドライバ93aは、第1入力値及び第2入力値に応じて、第1導電部11を流れる電流の向き及び第1磁性層21の電位を制御する。
【0068】
読出セレクタ92aは、第2領域11b及び第1磁性層21と電気的に接続されている。読出セレクタ92aは、複数の積層体から第1積層体SB1を選択し、第1導電部11(第2領域11b)と第1磁性層21との間に所定の電圧を印加する。これにより、第1導電部11と第1磁性層21との間の電気抵抗に応じた信号(電流)が流れる。センスアンプ94aは、流れた信号S1を増幅して出力する。増幅された信号S1は、1つの入力値としてOR論理ゲート95に入力される。
【0069】
OR論理ゲート95としては、上述した
図6(a)及び
図6(b)に示す構造体ST1が用いられても良いし、揮発性のOR論理ゲートが用いられても良い。消費電力の低減及び書き換え耐性の向上の観点からは、構造体ST1が用いられることが好ましい。
【0070】
書込セレクタ91bは、第4領域12d、第5領域12e、及び第3磁性層23と電気的に接続されている。書込セレクタ91bは、複数の導電部から第2導電部12を選択する。また、書込セレクタ91bは、複数の積層体から第2積層体SB2を選択する。書込ドライバ93bは、選択された第2導電部12への電流の供給と、選択された第3磁性層23の電位の設定と、を実行する。書込ドライバ93bは、第1入力値及び第2入力値に応じて、第2導電部12を流れる電流の向き及び第3磁性層23の電位を制御する。
【0071】
読出セレクタ92bは、第5領域12e及び第3磁性層23と電気的に接続されている。読出セレクタ92bは、複数の積層体から第1積層体SB1を選択し、第2導電部12(第5領域12e)と第3磁性層23との間に所定の電圧を印加する。これにより、第2導電部12と第3磁性層23との間の電気抵抗に応じた信号(電流)が流れる。センスアンプ94bは、流れた信号S2を増幅する。増幅された信号S2は、別の入力値としてOR論理ゲート95に入力される。
【0072】
図10に示すように、複数の導電部及び複数の積層体をセレクタで選択することで、複数の導電部及び複数の積層体に対して書込ドライバ及びセンスアンプを
共有化できる。これにより、基板上における制御部90の専有面積を縮小し、磁気デバイス100の消費電力をさらに低減できる。
【0073】
例えば、第1導電部11、第1積層体SB1、書込セレクタ91a、読出セレクタ92a、書込ドライバ93a、及びセンスアンプ94aは、1つの基板上に設けられる。第1導電部11及び第1積層体SB1は、複数の導電部及び複数の積層体が配列されたアレイ領域ARaに設けられる。書込ドライバ93aは、書込周辺回路領域WPRaに設けられる。センスアンプ94aは、読出周辺回路領域RPRaに設けられる。例えば、書込セレクタ91aは、アレイ領域ARaと書込周辺回路領域WPRaに跨がって設けられる。読出セレクタ92aは、アレイ領域ARaと読出周辺回路領域RPRaに跨がって設けられる。
【0074】
同様に、第2導電部12、第2積層体SB2、書込セレクタ91b、読出セレクタ92b、書込ドライバ93b、及びセンスアンプ94bは、別の基板上に設けられる。第2導電部12及び第2積層体SB2は、複数の導電部及び複数の積層体が配列されたアレイ領域ARbに設けられる。書込ドライバ93bは、書込周辺回路領域WPRbに設けられる。センスアンプ94bは、読出周辺回路領域RPRbに設けられる。例えば、書込セレクタ91bは、アレイ領域ARbと書込周辺回路領域WPRbに跨がって設けられる。読出セレクタ92bは、アレイ領域ARbと読出周辺回路領域RPRbに跨がって設けられる。
【0075】
又は、第1導電部11、第1積層体SB1、第2導電部12、第2積層体SB2、及び制御部90が、同じ1つの基板上に設けられても良い。制御部90の具体的な構成は、図示した例に限定されない。上述した初期化動作及び第1~第3動作が実行できれば、制御部90には任意の構成を適用可能である。
【0076】
(変形例)
図11(a)~
図11(c)及び
図12(a)~
図12(d)は、第1実施形態に係る磁気デバイスの動作を示す模式図である。
制御部90は、初期化動作及び第2動作として、以下の動作を実行しても良い。
【0077】
初期化動作において、制御部90は、
図11(a)に示すように、磁化22Mを磁化21Mと平行にし、磁化24Mを磁化23Mと平行にする。このとき、磁化23Mの向きは、磁化21Mの向きと平行である。すなわち、上述した初期化動作と比べて、磁化21Mの向きと磁化23Mの向きの関係が逆である。
【0078】
第1動作は、上述した例と同様に実行される。
図11(b)に示すように、第1動作では、制御部90は、入力値に応じて、電流Iw1の向き及び電位P1を制御する。
【0079】
図11(c)に示すように、第2動作では、制御部90は、入力値に応じて、電流Iw2の向き及び電位P2を制御する。例えば、第1入力値が“1”のとき、制御部90は、第5領域12eから第4領域12dに向けた電流Iw2を第2導電部12に供給する。第1入力値が“0”のとき、制御部90は、第4領域12dから第5領域12eに向けた電流Iw2を第2導電部12に供給する。すなわち、上述した第2動作と比べて、電流Iw2の流れる向きが逆である。第2入力値が“1”のとき、制御部90は、第3磁性層23の電位P2を第4電位に設定する。第2入力値が“0”のとき、制御部90は、第3磁性層23の電位P2を第3電位に設定する。
【0080】
第1動作では、第1入力値が“1”のとき、磁化22Mの向きが変化するように第1導電部11に電流が供給される。これに対して、第2動作では、第1入力値が“0”のとき、磁化24Mの向きが変化するように第2導電部12に電流が供給される。
【0081】
電流Iw2の供給及び電位P2の設定後、制御部90は、第2導電部12と第3磁性層23との間の電気抵抗を検出する。制御部90は、反平行に対応する電気抵抗が検出されると、第2動作による出力を“1”と判定する。制御部90は、平行に対応する電気抵抗が検出されると、第2動作による出力を“0”と判定する。
【0082】
ここで説明した第1動作及び第2動作による入力と出力の関係は、
図3(a)、
図3(b)、及び
図12(a)~
図12(d)に示す通りである。なお、
図12(a)~
図12(d)では、便宜的に、第1電位又は第3電位を“+”と示し、第2電位又は第4電位を“-”と示している。
【0083】
第3動作では、第1動作による出力と第2動作による出力とのOR演算が実行される。OR演算は、上述した通り、
図6(a)に示す構造体ST1又は揮発性のOR論理ゲートを用いることができる。以上の動作により、磁気デバイス100によってXNOR演算が実行される。
【0084】
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図13に示すように、第2実施形態に係る磁気デバイス200は、第1導電部11、第1磁性層21、第2磁性層22、第3磁性層23、第4磁性層24、第1非磁性層31、第2非磁性層32、及び制御部90を含む。
【0085】
第1導電部11は、第1領域11a、第2領域11b、第3領域11c、第4領域11d、及び第5領域11eを含む。第3領域11cは、第1領域11aと第2領域11bとの間に位置する。第4領域11dは、第2領域11bと第3領域11cとの間に位置する。第5領域11eは、第3領域11cと第4領域11dとの間に位置する。例えば、第1領域11a~第5領域11eは、互いに連続している。
【0086】
第1磁性層21は、第1領域11aと第2領域11bとを結ぶ第1方向と交差する第2方向において、第3領域11cから離れている。
図13に示す例では、第1方向は、X軸方向に平行である。第2方向は、Z軸方向に平行である。第1非磁性層31は、Z軸方向において、第3領域11cと第1磁性層21との間に設けられる。第2磁性層22は、Z軸方向において、第3領域11cと第1非磁性層31との間に設けられる。第1導電部11と第2磁性層22との間に、別の層が設けられても良い。第2磁性層22と第1非磁性層31との間に、別の層が設けられても良い。第1非磁性層31と第1磁性層21との間に、別の層が設けられても良い。
【0087】
第3磁性層23は、Z軸方向において、第4領域11dから離れている。第2非磁性層32は、Z軸方向において、第4領域11dと第3磁性層23との間に設けられる。第2磁性層22は、Z軸方向において、第4領域11dと第2非磁性層32との間に設けられる。第2導電部12と第4磁性層24との間に、別の層が設けられても良い。第4磁性層24と第2非磁性層32との間に、別の層が設けられても良い。第2非磁性層32と第3磁性層23との間に、別の層が設けられても良い。
【0088】
制御部90は、第1領域11a、第2領域11b、第5領域11e、第1磁性層21、及び第3磁性層23と電気的に接続される。制御部90は、第1導電部11への電流の供給、第1磁性層21の電位の制御、及び第3磁性層23の電位の制御を実行可能である。
【0089】
図14(a)~
図14(c)及び
図15(a)~
図15(d)は、第2実施形態に係る磁気デバイスの動作を例示する模式図である。
第2実施形態に係る磁気デバイス200は、第1実施形態に係る磁気デバイス100と同様に、XNOR論理ゲートとして機能する。制御部90は、以下の初期化動作、第1動作、及び判定動作を実行する。
【0090】
図14(a)に示すように、初期化動作では、制御部90は、磁化21Mの向きと磁化21Mの向きを平行状態にし、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きを平行状態にする。例えば、この例では、磁化23Mの向きは、磁化21Mの向きと逆である。
【0091】
図14(b)に示すように、第1動作では、制御部90は、入力値に応じて、電流Iw1の向き、電位P1、及び電位P2を制御する。例えば、第1入力値が“1”のとき、制御部90は、第1領域11aから第2領域11bに向けた電流Iw1を第1導電部11に供給する。第1入力値が“0”のとき、制御部90は、第2領域11bから第1領域11aに向けた電流Iw1を第1導電部11に供給する。
【0092】
第2入力値が“1”のとき、制御部90は、第1磁性層21の電位P1を第1電位に設定し、且つ第3磁性層23の電位P2を第4電位に設定する。第2入力値が“0”のとき、制御部90は、第1磁性層21の電位P1を第2電位に設定し、且つ第3磁性層23の電位P2を第3電位に設定する。
【0093】
例えば、第1入力値が“1”であり、第2入力値が“1”のとき、第1磁性層21の電位が第1電位に設定され、第3磁性層23の電位が第4電位に設定され、第1領域11aから第2領域11bへ電流が流れる。これにより、磁化21Mの向きと磁化22Mの向きが反平行状態となり、磁化24Mの向きは変化しない。第1入力値が“0”であり、第2入力値が“0”のとき、第1磁性層21の電位が第2電位に設定され、第3磁性層23の電位が第3電位に設定され、第2領域11bから第1領域11aへ電流が流れる。これにより、磁化22Mの向きは変化せず、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きは反平行状態となる。
【0094】
電位P1の設定、電位P2の設定、及び電流Iw1の供給後、制御部90は、判定動作において、第1導電部11と第1磁性層21との間の第1電気抵抗、及び第1導電部11と第3磁性層23との間の第2電気抵抗に基づく参照値から、出力値を判定する。具体的には、第1磁性層21と第3磁性層23との間に所定の電圧を印加し、第5領域11eの電位を検出する。参照値は、例えば、第5領域11eの電位である。第5領域11eの電位は、第1電気抵抗及び第2電気抵抗に応じて変化する。
【0095】
磁化21Mの向きと磁化22Mの向きが平行状態であり、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きが平行状態であるとき、第5領域11eの電位は、第1磁性層21の電位と第3磁性層23の電位との中間の電位となる。同様に、磁化21Mの向きと磁化22Mの向きが反平行状態であり、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きが反平行状態であるとき、第5領域11eの電位は、中間の電位となる。磁化21Mの向きと磁化22Mの向きが平行状態と反平行状態の一方であり、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きが平行状態と反平行状態の他方であるとき、第5領域11eの電位は、中間の電位からずれた値となる。
【0096】
制御部90は、参照値を予め設定された範囲と比較する。例えば、上記中間の電位の値を含む範囲が予め設定される。制御部90は、検出された第5領域11eの電位を、その範囲と比較する。第5領域11eの電位がその範囲内にあるとき、制御部90は、出力値を“0”と判定する。第5領域11eの電位がその範囲外にあるとき、制御部90は、出力値を“1”と判定する。
【0097】
図15(a)~
図15(d)は、入力と出力の関係を示す。
図15(a)~
図15(d)では、便宜的に、第1電位又は第3電位を“+”と示し、第2電位又は第4電位を“-”と示している。一例として、制御部90は、第1磁性層21の電位を0Vに設定し、第3磁性層23の電位を1.0Vに設定する。磁化21Mの向きと磁化22Mの向きとの関係が、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きとの関係と同じ状態にあるとき、
図15(b)及び
図15(c)に示すように、第5領域11eの電位は0.5Vとなる。磁化21Mの向きと磁化22Mの向きとの関係が、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きとの関係と異なる状態にあるとき、
図15(a)及び
図15(d)に示すように、第5領域11eの電位は、0.5Vから外れた値となる。制御部90は、検出された第5領域11eの電位を、予め設定された範囲と比較し、出力値を判定する。
【0098】
これにより、第1実施形態に係る磁気デバイス100と同様に、XNOR演算が実行できる。また、第2実施形態に係る磁気デバイス200では、第1実施形態に係る磁気デバイス100で実行していたOR演算が不要となる。第2実施形態に係る磁気デバイス200を用いることで、OR演算のための構造体を用意する必要が無い。また、第1実施形態に比べて簡易なシーケンスでXNOR演算を実行できる。
【0099】
(制御部)
図16は、第2実施形態に係る磁気デバイスの具体的な一例を示す模式図である。
制御部90は、例えば
図16に示すように、書込セレクタ91、読出セレクタ92、書込ドライバ93、及びセンスアンプ94を含む。書込セレクタ91は、第1領域11a、第2領域11b、第1磁性層21、及び第3磁性層23と電気的に接続されている。書込セレクタ91は、複数の導電部から第1導電部11を選択する。また、書込セレクタ91は、複数の積層体から第1積層体SB1及び第2積層体SB2を選択する。書込ドライバ93は、選択された第1導電部11への電流の供給と、選択された第1磁性層21の電位の設定と、選択された第3磁性層23の電位の設定と、を実行する。書込ドライバ93aは、第1入力値及び第2入力値に応じて、第1導電部11を流れる電流の向き、第1磁性層21の電位、及び第3磁性層23の電位を制御する。
【0100】
読出セレクタ92は、第5領域11e、第1磁性層21、及び第3磁性層23と電気的に接続されている。読出セレクタ92は、複数の積層体から第1積層体SB1及び第2積層体SB2を選択する。読出セレクタ92は、第1磁性層21と第3磁性層23との間に所定の電圧を印加し、第5領域11eの電位を検出する。センスアンプ94は、検出した信号Sを増幅して出力する。
【0101】
例えば、第1導電部11、第1積層体SB1、第2積層体SB2、書込セレクタ91、読出セレクタ92、書込ドライバ93、及びセンスアンプ94は、1つの基板上に設けられる。第1導電部11、第1積層体SB1、及び第2積層体SB2は、複数の導電部及び複数の積層体が配列されたアレイ領域AR1に設けられる。書込ドライバ93は、書込周辺回路領域WPR1に設けられる。センスアンプ94は、読出周辺回路領域RPR1に設けられる。例えば、書込セレクタ91は、アレイ領域AR1と書込周辺回路領域WPR1に跨がって設けられる。読出セレクタ92は、アレイ領域AR1と読出周辺回路領域RPR1に跨がって設けられる。
【0102】
制御部90の具体的な構成は、図示した例に限定されない。上述した初期化動作、第1動作、及び判定動作が実行できれば、制御部90には任意の構成を適用可能である。
【0103】
(変形例)
図17(a)~
図17(c)及び
図18(a)~
図18(d)は、第2実施形態に係る磁気デバイスの動作を示す模式図である。
制御部90は、初期化動作及び第1動作として、以下の動作を実行しても良い。
【0104】
図17(a)に示すように、初期化動作では、制御部90は、磁化21Mの向きと磁化21Mの向きを平行状態にし、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きを平行状態にする。この例では、磁化23Mの向きは、磁化21Mの向きと同じである。
【0105】
図17(b)に示すように、第1動作では、制御部90は、入力値に応じて、電流Iw1の向き、電流Iw2の向き、電位P1、及び電位P2を制御する。例えば、第1入力値が“1”のとき、制御部90は、第1領域11aから第5領域11eに向けた電流Iw1と第2領域11bから第5領域11eに向けた電流Iw2を第1導電部11に供給する。第1入力値が“0”のとき、制御部90は、第5領域11eから第1領域11aに向けた電流Iw1と第5領域11eから第2領域11bに向けた電流Iw2を第1導電部11に供給する。
【0106】
第2入力値が“1”のとき、制御部90は、第1磁性層21の電位P1を第1電位に設定し、且つ第3磁性層23の電位P2を第4電位に設定する。第2入力値が“0”のとき、制御部90は、第1磁性層21の電位P1を第2電位に設定し、且つ第3磁性層23の電位P2を第3電位に設定する。
【0107】
電位P1及びP2の設定、電流Iw1及びIw2の供給後、制御部90は、上述した例と同様に判定動作を実行する。これにより、出力値が判定される。
【0108】
図18(a)~
図18(d)は、入力と出力の関係を示す。
図18(a)~
図18(d)では、便宜的に、第1電位又は第3電位を“+”と示し、第2電位又は第4電位を“-”と示している。磁化21Mの向きと磁化22Mの向きとの関係が、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きとの関係と同じ状態にあるとき、
図18(b)及び
図18(c)に示すように、第5領域11eの電位は0.5Vとなる。磁化21Mの向きと磁化22Mの向きとの関係が、磁化23Mの向きと磁化24Mの向きとの関係と異なる状態にあるとき、
図18(a)及び
図18(d)に示すように、第5領域11eの電位は、0.5Vから外れた値となる。制御部90は、検出された第5領域11eの電位を、予め設定された範囲と比較し、出力値を判定する。
【0109】
以上の動作により、磁気デバイス200によってXNOR演算が実行される。
【0110】
(第3実施形態)
図19は、第3実施形態に係る磁気デバイスを示す模式図である。
第3実施形態に係る磁気デバイス300は、第2実施形態に係る磁気デバイス200と比べて、記憶部40をさらに含む。制御部90は、XNOR演算の結果(出力値)を記憶部40に記憶する。
【0111】
例えば、記憶部40は、第7磁性層27と、第8磁性層28と、第7磁性層27と第8磁性層28との間に設けられた第4非磁性層34と、を含む。第7磁性層27には、第1磁性層21と同様の構成を適用可能である。第8磁性層28には、第2磁性層22と同様の構成を適用可能である。第4非磁性層34には、第1非磁性層31と同様の構成を適用可能である。
【0112】
例えば、制御部90は、第8磁性層28の磁化28Mの向きを出力値に対応させる。これにより、XNOR演算の結果を記憶する。第7磁性層27、第4非磁性層34、及び第8磁性層28を含む経路の電気抵抗は、磁化27Mの向きと磁化28Mの向きとの差異に依存する。記憶された出力値は、この経路の電気抵抗を検出することで、読み出される。
【0113】
第8磁性層28への値の記憶方法は、任意である。例えば、制御部90は、第7磁性層27と第8磁性層28との間に電流を流し、磁化28Mにスピントランスファートルクを作用させることで、磁化28Mの向きを制御しても良い。制御部90は、第7磁性層27と第8磁性層28との間に電圧を印加して磁化28Mの向きを制御するプリセッショナルスイッチングを実行しても良い。又は、磁気デバイス100の第1導電部11及び第1積層体SB1と同様に、スピン軌道トルクを利用して磁化28Mの向きを制御しても良い。
【0114】
積層体SB4を記憶に用いることで、出力値の記憶に要する消費電力を低減できる。また、出力値を不揮発に記憶できる。
【0115】
例えば、第7磁性層27、第4非磁性層34、及び第8磁性層28を含む積層体SB4は、第4導電部14の上に設けられる。第4導電部14は、第1接続領域14a、第2接続領域14b、及び中間領域14cを含む。中間領域14cは、第1接続領域14aと第2接続領域14bとの間に位置する。例えば、中間領域14cは、第1接続領域14a及び第2接続領域14bと連続する。
【0116】
第7磁性層27は、第1接続領域14aと第2接続領域14bとを結ぶ方向と交差する方向において、中間領域14cから離れている。第4非磁性層34は、中間領域14cと第7磁性層27との間に設けられる。第8磁性層28は、中間領域14cと第4非磁性層34との間に設けられる。第1導電部11と第8磁性層28との間に、別の層が設けられても良い。第8磁性層28と第4非磁性層34との間に、別の層が設けられても良い。第4非磁性層34と第7磁性層27との間に、別の層が設けられても良い。
【0117】
制御部90は、第1接続領域14a、第2接続領域14b、及び第7磁性層27と電気的に接続される。制御部90は、第7磁性層27の電位を、第7電位と第8電位との間で切り替える。第8電位は、第7電位と異なる。第7磁性層27の電位が第7電位のとき、第7磁性層27の電位が第8電位のときに比べて、磁化27Mの向きが変化し易い。制御部90は、第7磁性層27の電位、及び第4導電部14を流れる電流の向きを制御し、磁化27Mの向きを出力値に対応させる。
【0118】
例えば、制御部90は、
図16に示す例に比べて、書込セレクタ91c、読出セレクタ92c、書込ドライバ93c、センスアンプ94c、及び制御回路96をさらに含む。書込セレクタ91cは、第1接続領域14a、第2接続領域14b、及び第7磁性層27と電気的に接続されている。書込セレクタ91cは、複数の導電部から第4導電部14を選択する。また、書込セレクタ91cは、複数の積層体から積層体SB4を選択する。書込ドライバ93cは、選択された第4導電部14への電流の供給と、選択された第7磁性層27の電位の設定と、を実行する。
【0119】
読出セレクタ92cは、第7磁性層27及び第2接続領域14bと電気的に接続されている。読出セレクタ92cは、複数の積層体から第1積層体SB1を選択する。読出セレクタ92cは、第7磁性層27と第2接続領域14bとの間に所定の電圧を印加する。これにより、第7磁性層27と第4導電部14との間の電気抵抗に応じた信号(電流)が流れる。センスアンプ94cは、流れた信号を増幅して出力する。
【0120】
例えば、第4導電部14、積層体SB4、書込セレクタ91c、読出セレクタ92c、書込ドライバ93c、及びセンスアンプ94cは、第1導電部11、第1積層体SB1、第2積層体SB2等が設けられた基板上に設けられる。これにより、出力値を記憶する際の消費電力を低減できる。第4導電部14及び積層体SB4は、出力値を記憶するための複数の導電部及び複数の積層体が配列されたアレイ領域AR2に設けられる。書込ドライバ93cは、記憶部40に情報を書き込むための書込周辺回路領域WPR2に設けられる。センスアンプ94cは、記憶部40の情報を読み出すための読出周辺回路領域RPR2に設けられる。例えば、書込セレクタ91cは、アレイ領域AR2と書込周辺回路領域WPR2に跨がって設けられる。読出セレクタ92cは、アレイ領域AR2と読出周辺回路領域RPR2に跨がって設けられる。
【0121】
制御回路96は、上述した制御部90の各構成要素を制御する。例えば、制御回路96は、磁気デバイス200にXNOR演算を実行させると、記憶部40に出力値を記憶させる。
【0122】
近年、Internet of Things(IoT)、人工知能(AI)、機械学習などのために、安価かつ極低消費エネルギーな論理ゲート及びメモリが求められている。例えば、Binary Neural Network(BNN)では、XNOR論理ゲートが用いられている。このXNOR論理ゲートについて、例えば、より簡易なシーケンスで演算を実行できることが求められている。
【0123】
以上で説明した各実施形態によれば、XNOR演算に必要なデバイスの構造及びシーケンスをより簡素化できる磁気デバイスを提供できる。また、第1導電部11、第1積層体SB1、第2導電部12、第2積層体SB2等を用いてXNOR演算を実行させる制御部を備えた演算装置によれば、XNOR演算をより簡素なシーケンスで実現できる。
【0124】
実施形態は、以下の構成(例えば、技術案)を含んでも良い。
(構成A1)
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含む第1導電部と、
前記第1領域と前記第2領域を結ぶ第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた第1磁性層と、
前記第3領域と前記第1磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、
前記第3領域と前記第1非磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含む第2導電部と、
前記第4領域と前記第5領域を結ぶ第3方向と交差する第4方向において前記第6領域から離れた第3磁性層と、
前記第6領域と前記第3磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、
前記第6領域と前記第2非磁性層との間に設けられた第4磁性層と、
前記第1領域、前記第2領域、前記第4領域、前記第5領域、前記第1磁性層、及び前記第3磁性層と電気的に接続された制御部であって、
前記第1磁性層の磁化の向きと前記第2磁性層の磁化の向きとを平行状態とし、前記第3磁性層の磁化の向きと前記第4磁性層の磁化の向きとを平行状態とする初期化動作と、
第1入力値に応じた向きの第1電流を前記第1領域と前記第2領域との間に供給し、且つ前記第1磁性層の電位を第2入力値に応じて設定した後に、前記第1導電部と前記第1磁性層との間の第1電気抵抗を検出する第1動作と、
前記第1入力値に応じた向きの第2電流を前記第4領域と前記第5領域との間に供給し、且つ前記第3磁性層の電位を前記第2入力値に応じて設定した後に、前記第2導電部と前記第3磁性層との間の第2電気抵抗を検出する第2動作と、
前記第1電気抵抗に対応する第1値と前記第2電気抵抗に対応する第2値との論理和の出力値を得る第3動作と、
を実行する前記制御部と、
を備えた磁気デバイス。
【0125】
(構成A2)
前記第1入力値に対応する前記第2電流の向きは、前記第1入力値に対応する前記第1電流の向きと逆である、又は
前記第2入力値に対応する前記第3磁性層の電位は、前記第2入力値に対応する前記第1磁性層の電位と異なる構成A1記載の磁気デバイス。
【0126】
(構成A3)
前記制御部は、前記第3動作において、
第3導電部と、
前記第3導電部から離れた第5磁性層と、
前記第3導電部と前記第5磁性層との間に設けられた第3非磁性層と、
前記第3導電部と前記第3非磁性層との間に設けられた第6磁性層と、
を含む構造体を用いて、前記論理和の前記出力値を計算する構成A1又は2に記載の磁気デバイス。
【0127】
(構成A4)
前記第1磁性層の磁化の向きは、前記第1方向及び前記第2方向に平行な面と交差し、
前記第3磁性層の磁化の向きは、前記第3方向及び前記第4方向に平行な面と交差する構成A1~3のいずれか1つに記載の磁気デバイス。
【0128】
(構成A5)
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、前記第2領域と前記第3領域との間の第4領域と、前記第3領域と前記第4領域との間の第5領域と、を含む第1導電部と、
前記第1領域と前記第2領域を結ぶ第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた第1磁性層と、
前記第3領域と前記第1磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、
前記第3領域と前記第1非磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第2方向において前記第4領域から離れた第3磁性層と、
前記第4領域と前記第3磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、
前記第4領域と前記第2非磁性層との間に設けられた第4磁性層と、
前記第1領域、前記第2領域、前記第5領域、前記第1磁性層、及び前記第3磁性層と電気的に接続された制御部であって、
前記第1磁性層の磁化の向きと前記第2磁性層の磁化の向きとを平行状態とし、前記第3磁性層の磁化の向きと前記第4磁性層の磁化の向きとを平行状態とする初期化動作と、
第1入力値に応じた向きの第1電流を前記第1領域と前記第2領域との間に供給し、且つ前記第1磁性層の電位及び前記第3磁性層の電位をそれぞれ第2入力値に応じて設定する第1動作と、
前記第1導電部と前記第1磁性層との間の第1電気抵抗、及び前記第1導電部と前記第3磁性層との間の第2電気抵抗に基づく参照値から出力値を判定する判定動作と、
を実行する前記制御部と、
を備えた磁気デバイス。
【0129】
(構成A6)
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、前記第2領域と前記第3領域との間の第4領域と、前記第3領域と前記第4領域との間の第5領域と、を含む第1導電部と、
前記第1領域と前記第2領域を結ぶ第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた第1磁性層と、
前記第3領域と前記第1磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、
前記第3領域と前記第1非磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第2方向において前記第4領域から離れた第3磁性層と、
前記第4領域と前記第3磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、
前記第4領域と前記第2非磁性層との間に設けられた第4磁性層と、
前記第1領域、前記第2領域、前記第5領域、前記第1磁性層、及び前記第3磁性層と電気的に接続された制御部であって、
前記第1磁性層の磁化の向きと前記第2磁性層の磁化の向きとを平行状態とし、前記第3磁性層の磁化の向きと前記第4磁性層の磁化の向きとを平行状態とする初期化動作と、
第1入力値に応じた向きの第1電流を前記第1領域と前記第5領域との間に供給し、前記第1電流と逆向きの第2電流を前記第2領域と前記第5領域との間に供給し、且つ前記第1磁性層の電位及び前記第3磁性層の電位をそれぞれ第2入力値に応じて設定する第1動作と、
前記第1導電部と前記第1磁性層との間の第1電気抵抗、及び前記第1導電部と前記第3磁性層との間の第2電気抵抗に基づく参照値から出力値を判定する判定動作と、
を実行する前記制御部と、
を備えた磁気デバイス。
【0130】
(構成A7)
前記制御部は、前記判定動作において、
前記参照値が、前記第1電気抵抗及び前記第2電気抵抗の一方が平行状態であることを示すとき、前記出力値を1と判定し、
前記参照値が、前記第1電気抵抗及び前記第2電気抵抗の両方が平行状態であることを示すとき、前記出力値を0と判定する、
構成A5又は6に記載の磁気デバイス。
【0131】
(構成A8)
前記制御部は、前記判定動作において、前記第1磁性層と前記第3磁性層との間への電圧印加時における前記第5領域の電位を前記参照値として検出し、前記第5領域の前記電位に基づいて前記出力値を判定する構成A5又は6に記載の磁気デバイス。
【0132】
(構成A9)
前記第2入力値に対応する前記第3磁性層の電位は、前記第2入力値に対応する前記第1磁性層の電位と異なる構成A5~8のいずれか1つに記載の磁気デバイス。
【0133】
(構成A10)
前記第1磁性層の磁化の向き、及び前記第3磁性層の磁化の向きは、前記第1方向及び前記第2方向に平行な面と交差する構成A5~9のいずれか1つに記載の磁気デバイス。
【0134】
(構成A11)
前記出力値を記憶する記憶部をさらに備えた構成A1~10のいずれか1つに記載の磁気デバイス。
【0135】
(構成A12)
前記記憶部は、
第7磁性層と、
第8磁性層と、
前記第7磁性層と前記第8磁性層との間に設けられた第4非磁性層と、
を含み、
前記制御部は、前記第8磁性層の磁化の向きを前記出力値に対応させることで、前記出力値を記憶する構成A11記載の磁気デバイス。
【0136】
(構成A13)
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含む第1導電部と、
前記第1領域と前記第2領域を結ぶ第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた第1磁性層と、
前記第3領域と前記第1磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、
前記第3領域と前記第1非磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含む第2導電部と、
前記第4領域と前記第5領域を結ぶ第3方向と交差する第4方向において前記第6領域から離れた第3磁性層と、
前記第6領域と前記第3磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、
前記第6領域と前記第2非磁性層との間に設けられた第4磁性層と、
を含む磁気デバイスを用いて演算を実行する演算装置であって、
前記第1磁性層の磁化の向きと前記第2磁性層の磁化の向きとを平行状態とし、前記第3磁性層の磁化の向きと前記第4磁性層の磁化の向きとを平行状態とする初期化動作と、
第1入力値に応じた向きの第1電流を前記第1領域と前記第2領域との間に供給し、且つ前記第1磁性層の電位を第2入力値に応じて設定した後に、前記第1導電部と前記第1磁性層との間の第1電気抵抗を検出する第1動作と、
前記第1入力値に応じた向きの第2電流を前記第4領域と前記第5領域との間に供給し、且つ前記第3磁性層の電位を前記第2入力値に応じて設定した後に、前記第2導電部と前記第3磁性層との間の第2電気抵抗を検出する第2動作と、
前記第1電気抵抗に対応する第1値と前記第2電気抵抗に対応する第2値との論理和の出力値を得る第3動作と、
を実行する演算装置。
【0137】
(構成A14)
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、前記第2領域と前記第3領域との間の第4領域と、前記第3領域と前記第4領域との間の第5領域と、を含む第1導電部と、
前記第1領域と前記第2領域を結ぶ第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた第1磁性層と、
前記第3領域と前記第1磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、
前記第3領域と前記第1非磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第2方向において前記第4領域から離れた第3磁性層と、
前記第4領域と前記第3磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、
前記第4領域と前記第2非磁性層との間に設けられた第4磁性層と、
を含む磁気デバイスを用いて演算を実行する演算装置であって、
前記第1磁性層の磁化の向きと前記第2磁性層の磁化の向きとを平行状態とし、前記第3磁性層の磁化の向きと前記第4磁性層の磁化の向きとを平行状態とする初期化動作と、
第1入力値に応じた向きの第1電流を前記第1領域と前記第2領域との間に供給し、且つ前記第1磁性層の電位及び前記第3磁性層の電位をそれぞれ第2入力値に応じて設定する第1動作と、
前記第1導電部と前記第1磁性層との間の第1電気抵抗、及び前記第1導電部と前記第3磁性層との間の第2電気抵抗に基づく参照値から出力値を判定する判定動作と、
を実行する演算装置。
【0138】
(構成A15)
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、前記第2領域と前記第3領域との間の第4領域と、前記第3領域と前記第4領域との間の第5領域と、を含む第1導電部と、
前記第1領域と前記第2領域を結ぶ第1方向と交差する第2方向において前記第3領域から離れた第1磁性層と、
前記第3領域と前記第1磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、
前記第3領域と前記第1非磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第2方向において前記第4領域から離れた第3磁性層と、
前記第4領域と前記第3磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、
前記第4領域と前記第2非磁性層との間に設けられた第4磁性層と、
を含む磁気デバイスを用いて演算を実行する演算装置であって、
前記第1磁性層の磁化の向きと前記第2磁性層の磁化の向きとを平行状態とし、前記第3磁性層の磁化の向きと前記第4磁性層の磁化の向きとを平行状態とする初期化動作と、
第1入力値に応じた向きの第1電流を前記第1領域と前記第5領域との間に供給し、前記第1電流と逆向きの第2電流を前記第2領域と前記第5領域との間に供給し、且つ前記第1磁性層の電位及び前記第3磁性層の電位をそれぞれ第2入力値に応じて設定する第1動作と、
前記第1導電部と前記第1磁性層との間の第1電気抵抗、及び前記第1導電部と前記第3磁性層との間の第2電気抵抗に基づく参照値から出力値を判定する判定動作と、
を実行する演算装置。
【0139】
(第4実施形態)
第4実施形態は、磁気デバイスに係る。第4実施形態に係る磁気デバイスは、第1実施形態に係る磁気デバイス100と同様に、第1導電部11、第1積層体SB1、第2導電部12、第2積層体SB2及び制御部90を含む(例えば、
図1参照)。
【0140】
第1実施形態と同様に、第1導電部11は、第1領域11aと、第2領域11bと、第1領域11aと第2領域11bとの間の第3領域11cと、を含む。第1領域11aから第2領域11bへの方向は、第1方向に沿う。
【0141】
第1実施形態と同様に、第1積層体SB1は、第1磁性層21及び第2磁性層22を含む。第2磁性層22は、第1方向と交差する第2方向において、第3領域11cと第1磁性層21との間にある。
【0142】
第1実施形態と同様に、第2導電部12は、第4領域12dと、第5領域12eと、第4領域12dと第5領域12eとの間の第6領域12fと、を含む。第4領域12dから第5領域12eへの方向は、第3方向に沿う。
【0143】
第1実施形態と同様に、第2積層体SB2は、第3磁性層23及び第4磁性層24を含む。第4磁性層24は、第3方向と交差する第4方向において、第6領域12fと第3磁性層23との間にある。
【0144】
第1実施形態と同様に、制御部90は、第1導電部11、第1積層体SB1、第2導電部12及び第2積層体SB2と電気的に接続される。例えば、制御部90は、第1領域11a、第2領域11b、第4領域12d、第5領域12e、第1磁性層21及び第2磁性層22と電気的に接続される。実施形態において、電気的に接続される状態は、スイッチ(例えば、トランジスタなど)により、電流が流れる状態と、電流が実質的に流れる状態と、が切り替えられる状態を含んでも良い。
【0145】
第1実施形態と同様に、第1積層体SB1は、第1低電気抵抗状態、または、第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能である。第1低電気抵抗状態は、例えば、第1磁性層21の磁化21Mと第2磁性層22の磁化22Mとが、互いに実質的に「平行」である。第1高電気抵抗状態は、例えば、第1磁性層21の磁化21Mと第2磁性層22の磁化22Mとが、互いに実質的に「反平行」である。
【0146】
第1実施形態と同様に、第2積層体SB2は、第2低電気抵抗状態、または、第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能である。第2低電気抵抗状態は、例えば、第3磁性層23の磁化23Mと第4磁性層24の磁化24Mとが、互いに実質的に「平行」である。第2高電気抵抗状態は、例えば、第3磁性層23の磁化23Mと第4磁性層24の磁化24Mとが、互いに実質的に「反平行」である。
【0147】
図20は、第4実施形態に係る磁気デバイスの動作を例示するフローチャート図である。
【0148】
図20は、制御部90で行われる動作を例示している。
図20に示すように、制御部90は、初期化動作S100と、第1動作S110と、第2動作S120と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能である。初期化動作S100、第1動作S110及び第2動作S120は、繰り返して実施されても良い。以下、これらの動作の例について説明する。
【0149】
制御部90は、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第1電位または第2電位としつつ第1導電部11に第1電流を供給し、第3磁性層23の電位を第3電位または第4電位としつつ第2導電部12に第2電流を供給する。第1磁性層21の電位は、例えば、第1導電部11の電位を基準にした第1磁性層21の電位である。第3磁性層23の電位は、例えば、第2導電部12の電位を基準にした第3磁性層23の電位である。
【0150】
第4実施形態において、第1磁性層21の電位が第2電位のとき、第1磁性層21の電位が第1電位のときに比べて、第1積層体SB1の電気抵抗は変化し易い。第2電位は、例えば、Activate電圧(または選択電位)である。第1電位は、例えば、Deactivate電圧(または非選択電位)である。1つの例において、第2電位は負であり、第1電位は正である。
【0151】
第4実施形態において、第3磁性層23の電位が第4電位のとき、第3磁性層23の電位が第3電位のときに比べて、第2積層体SB2の電気抵抗は変化し易い。第4電位は、例えば、Activate電圧(または選択電位)である。第3電位は、例えば、Deactivate電圧(または非選択電位)である。1つの例において、第4電位は負であり、第3電位は正である。
【0152】
制御部90は、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第1電位または第2電位としつつ第1導電部11に第1電流を供給し、第3磁性層23の電位を第3電位または第4電位としつつ第2導電部12に第2電流を供給する。
【0153】
制御部90は、第2動作S120において、第1動作S110の後の第1積層体SB1の電気抵抗、及び、第1動作S110の後の第2積層体SB2の電気抵抗に応じた値を測定する。
【0154】
図21は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図21に示すように、実施形態に係る磁気デバイス411において、第1積層体SB1は、第1磁性部材21Aを含んでも良い。第3領域11cと第1磁性部材21Aとの間に、第1磁性層21がある。第2磁性層22と第1磁性層21との間に、第1非磁性層31がある。第2積層体SB2は、第2磁性部材22Aを含んでも良い。第6領域12fと第2磁性部材22Aとの間に、第3磁性層23がある。第4磁性層24と第3磁性層23との間に、第2非磁性層32がある。第1磁性部材21A及び第2磁性部材22Aは、例えば、IrMn及びPtMnよりなる群から選択された少なくとも1つなどを含む。第1磁性部材21A及び第2磁性部材22Aは、例えば、反強磁性層である。
【0155】
図21に示すように、この例では、第2領域11bは第4領域12dと電気的に接続される。第2動作S120において、制御部90は、例えば、第1磁性層21と第3磁性層23との間に第1電位差を印加する。例えば、制御部90は、第3磁性層23を基準にして第1磁性層21に第1電位差を印加したとき、第2領域11b及び第4領域12dの接続点CNにおける電位を測定可能である。測定された結果が、第1入力及び第2入力のXNOR演算に対応する。
【0156】
磁気デバイス411においては、例えば、第1磁性層21に第2入力“INPUT2”が入力される。例えば、第3磁性層23に第2入力“INPUT2”の反転が入力される。
【0157】
図22(a)~
図22(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図22(a)は、実施形態に係る磁気デバイス411における、第1入力“INPUT1”及び第2入力“INPUT2”が、“0”または“1”のときの、磁化の定義MGD、導電部に流れる電流Iwの向き、及び、磁性層に印加されるバイアス電圧VSBを示している。
【0158】
図22(b)は、初期化動作S100における磁化の構成MG0を例示している。
図22(b)に示すように、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1低電気抵抗状態(“P”であり“L”)とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態(“AP”であり“H”)とする。
【0159】
図22(a)に示すように、第1入力“INPUT1”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。第1入力“INPUT1”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。
【0160】
図22(a)に示すように、第2入力“INPUT2”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第1電位Vd1とし、第3磁性層23の電位を第4電位Va4とする。第2入力“INPUT2”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第2電位Va2とし、第3磁性層23の電位を第3電位Vd3とする。
【0161】
図22(c)は、第1動作S110における、第1入力“INPUT1”の磁化の構成MG1、第2入力“INPUT2”、及び、第1動作S110の後の磁化の構成MGRを例示している。磁化の構成MGRは、例えば、演算結果に対応する。
【0162】
図22(d)は、第2動作S120の結果RJとして、第2領域11b及び第4領域12dの接続点CNにおける電位の測定値VDを示している。
図22(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“1”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“0”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1電位差Vaの約1/2の第1値(Va/2)である。
【0163】
図22(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1値(Va/2)とは異なる。この例では、測定値VDは、0.25Vaである。
【0164】
図22(c)及び
図22(d)に示すように、第2動作S120の結果RJは、第1入力及び第2入力のXNOR演算の結果に対応する。実施形態に係る磁気デバイス411によれば、簡単な構成を有する磁気デバイスが提供できる。
【0165】
以下、第4実施形態に係る磁気デバイスのいくつかの例について説明する。以下、磁気デバイス411と同様の部分の少なくとも一部に関しての説明は省略される。
【0166】
図23は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図23に示すように、実施形態に係る磁気デバイス412において、例えば、第1磁性層21に第2入力“INPUT2”の反転が入力される。例えば、第3磁性層23に第2入力“INPUT2”が入力される。
【0167】
図24(a)~
図24(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図24(a)は、実施形態に係る磁気デバイス412における、第1入力“INPUT1”及び第2入力“INPUT2”が、“0”または“1”のときの、磁化の定義MGD、導電部に流れる電流Iwの向き、及び、磁性層に印加されるバイアス電圧VSBを示している。
【0168】
図24(b)は、初期化動作S100における磁化の構成MG0を例示している。
図24(b)に示すように、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1低電気抵抗状態(“P”であり“L”)とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態(“AP”であり“H”)とする。
【0169】
図24(a)に示すように、第1入力“INPUT1”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。第1入力“INPUT1”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。
【0170】
図24(a)に示すように、第2入力“INPUT2”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第2電位Va2とし、第3磁性層23の電位を第3電位Vd3とする。第2入力“INPUT2”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第1電位Vd1とし、第3磁性層23の電位を第4電位Va4とする。
【0171】
図24(c)は、第1動作S110における、第1入力“INPUT1”の磁化の構成MG1、第2入力“INPUT2”、及び、第1動作S110の後の磁化の構成MGRを例示している。磁化の構成MGRは、例えば、演算結果に対応する。
【0172】
図24(d)は、第2動作S120の結果RJとして、第2領域11b及び第4領域12dの接続点CNにおける電位の測定値VDを示している。
図24(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1電位差Vaの約1/2の第1値(Va/2)である。
【0173】
図24(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“1”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“0”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1値(Va/2)とは異なる。この例では、測定値VDは、0.25Vaである。
【0174】
図24(c)及び
図24(d)に示すように、第2動作S120の結果RJは、第1入力及び第2入力のXNOR演算の結果に対応する。実施形態に係る磁気デバイス412によれば、簡単な構成を有する磁気デバイスが提供できる。
【0175】
図25は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図25に示すように、実施形態に係る磁気デバイス413において、例えば、第1磁性層21に第2入力“INPUT2”が入力される。例えば、第3磁性層23に第2入力“INPUT2”の反転が入力される。
【0176】
図26(a)~
図26(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図26(a)は、実施形態に係る磁気デバイス413における、第1入力“INPUT1”及び第2入力“INPUT2”が、“0”または“1”のときの、磁化の定義MGD、導電部に流れる電流Iwの向き、及び、磁性層に印加されるバイアス電圧VSBを示している。
【0177】
図26(b)は、初期化動作S100における磁化の構成MG0を例示している。
図26(b)に示すように、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1低電気抵抗状態(“P”であり“L”)とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態(“AP”であり“H”)とする。
【0178】
図26(a)に示すように、第1入力“INPUT1”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第1入力“INPUT1”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。
【0179】
図26(a)に示すように、第2入力“INPUT2”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第1電位Vd1とし、第3磁性層23の電位を第4電位Va4とする。第2入力“INPUT2”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第2電位Va2とし、第3磁性層23の電位を第3電位Vd3とする。
【0180】
図26(c)は、第1動作S110における、第1入力“INPUT1”の磁化の構成MG1、第2入力“INPUT2”、及び、第1動作S110の後の磁化の構成MGRを例示している。磁化の構成MGRは、例えば、演算結果に対応する。
【0181】
図26(d)は、第2動作S120の結果RJとして、第2領域11b及び第4領域12dの接続点CNにおける電位の測定値VDを示している。
図26(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1電位差Vaの約1/2の第1値(Va/2)である。
【0182】
図26(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“1”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“0”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1値(Va/2)とは異なる。この例では、測定値VDは、0.25Vaである。
【0183】
図26(c)及び
図26(d)に示すように、第2動作S120の結果RJは、第1入力及び第2入力のXNOR演算の結果に対応する。実施形態に係る磁気デバイス413によれば、簡単な構成を有する磁気デバイスが提供できる。
【0184】
図27は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図27に示すように、実施形態に係る磁気デバイス414において、例えば、第1磁性層21に第2入力“INPUT2”の反転が入力される。例えば、第3磁性層23に第2入力“INPUT2”が入力される。
【0185】
図28(a)~
図28(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図28(a)は、実施形態に係る磁気デバイス414における、第1入力“INPUT1”及び第2入力“INPUT2”が、“0”または“1”のときの、磁化の定義MGD、導電部に流れる電流Iwの向き、及び、磁性層に印加されるバイアス電圧VSBを示している。
【0186】
図28(b)は、初期化動作S100における磁化の構成MG0を例示している。
図28(b)に示すように、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1低電気抵抗状態(“P”であり“L”)とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態(“AP”であり“H”)とする。
【0187】
図28(a)に示すように、第1入力“INPUT1”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第1入力“INPUT1”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。
【0188】
図28(a)に示すように、第2入力“INPUT2”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第2電位Va2とし、第3磁性層23の電位を第3電位Vd3とする。第2入力“INPUT2”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第1電位Vd1とし、第3磁性層23の電位を第4電位Va4とする。
【0189】
図28(c)は、第1動作S110における、第1入力“INPUT1”の磁化の構成MG1、第2入力“INPUT2”、及び、第1動作S110の後の磁化の構成MGRを例示している。磁化の構成MGRは、例えば、演算結果に対応する。
【0190】
図28(d)は、第2動作S120の結果RJとして、第2領域11b及び第4領域12dの接続点CNにおける電位の測定値VDを示している。
図28(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“1”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“0”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1電位差Vaの約1/2の第1値(Va/2)である。
【0191】
図28(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1値(Va/2)とは異なる。この例では、測定値VDは、0.25Vaである。
【0192】
図28(c)及び
図28(d)に示すように、第2動作S120の結果RJは、第1入力及び第2入力のXNOR演算の結果に対応する。実施形態に係る磁気デバイス414によれば、簡単な構成を有する磁気デバイスが提供できる。
【0193】
図29は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図29に示すように、実施形態に係る磁気デバイス415において、例えば、第1磁性層21に第2入力“INPUT2”が入力される。例えば、第3磁性層23に第2入力“INPUT2”の反転が入力される。
【0194】
図30(a)~
図30(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図30(a)は、実施形態に係る磁気デバイス415における、第1入力“INPUT1”及び第2入力“INPUT2”が、“0”または“1”のときの、磁化の定義MGD、導電部に流れる電流Iwの向き、及び、磁性層に印加されるバイアス電圧VSBを示している。
【0195】
図30(b)は、初期化動作S100における磁化の構成MG0を例示している。
図30(b)に示すように、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1低電気抵抗状態(“P”であり“L”)とし、第2積層体SB2を第2低電気抵抗状態(“P”であり“L”)とする。
【0196】
図30(a)に示すように、第1入力“INPUT1”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第1入力“INPUT1”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。
【0197】
図30(a)に示すように、第2入力“INPUT2”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第1電位Vd1とし、第3磁性層23の電位を第4電位Va4とする。第2入力“INPUT2”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第2電位Va2とし、第3磁性層23の電位を第3電位Vd3とする。
【0198】
図30(c)は、第1動作S110における、第1入力“INPUT1”の磁化の構成MG1、第2入力“INPUT2”、及び、第1動作S110の後の磁化の構成MGRを例示している。磁化の構成MGRは、例えば、演算結果に対応する。
【0199】
図30(d)は、第2動作S120の結果RJとして、第2領域11b及び第4領域12dの接続点CNにおける電位の測定値VDを示している。
図30(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1電位差Vaの約1/2の第1値(Va/2)である。
【0200】
図30(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“1”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“0”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1値(Va/2)とは異なる。この例では、測定値VDは、0.75Vaである。
【0201】
図30(c)及び
図30(d)に示すように、第2動作S120の結果RJは、第1入力及び第2入力のXNOR演算の結果に対応する。実施形態に係る磁気デバイス415によれば、簡単な構成を有する磁気デバイスが提供できる。
【0202】
図31は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図31に示すように、実施形態に係る磁気デバイス416において、例えば、第1磁性層21に第2入力“INPUT2”が入力される。例えば、第3磁性層23に第2入力“INPUT2”の反転が入力される。
【0203】
図32(a)~
図32(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図32(a)は、実施形態に係る磁気デバイス416における、第1入力“INPUT1”及び第2入力“INPUT2”が、“0”または“1”のときの、磁化の定義MGD、導電部に流れる電流Iwの向き、及び、磁性層に印加されるバイアス電圧VSBを示している。
【0204】
図32(b)は、初期化動作S100における磁化の構成MG0を例示している。
図32(b)に示すように、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1高電気抵抗状態(“AP”であり“H”)とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態(“AP”であり“H”)とする。
【0205】
図32(a)に示すように、第1入力“INPUT1”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第1入力“INPUT1”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。
【0206】
図32(a)に示すように、第2入力“INPUT2”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第1電位Vd1とし、第3磁性層23の電位を第4電位Va4とする。第2入力“INPUT2”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第2電位Va2とし、第3磁性層23の電位を第3電位Vd3とする。
【0207】
図32(c)は、第1動作S110における、第1入力“INPUT1”の磁化の構成MG1、第2入力“INPUT2”、及び、第1動作S110の後の磁化の構成MGRを例示している。磁化の構成MGRは、例えば、演算結果に対応する。
【0208】
図32(d)は、第2動作S120の結果RJとして、第2領域11b及び第4領域12dの接続点CNにおける電位の測定値VDを示している。
図32(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“1”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“0”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1電位差Vaの約1/2の第1値(Va/2)である。
【0209】
図32(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1値(Va/2)とは異なる。この例では、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、測定値VDは、0.75Vaである。第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第2動作で得られる測定値VDは、0.25Vaである。
【0210】
図32(c)及び
図32(d)に示すように、第2動作S120の結果RJは、第1入力及び第2入力のXNOR演算の結果に対応する。実施形態に係る磁気デバイス416によれば、簡単な構成を有する磁気デバイスが提供できる。
【0211】
図33は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図33に示すように、実施形態に係る磁気デバイス417において、例えば、第1磁性層21に第2入力“INPUT2”の反転が入力される。例えば、第3磁性層23に第2入力“INPUT2”が入力される。
【0212】
図34(a)~
図34(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図34(a)は、実施形態に係る磁気デバイス417における、第1入力“INPUT1”及び第2入力“INPUT2”が、“0”または“1”のときの、磁化の定義MGD、導電部に流れる電流Iwの向き、及び、磁性層に印加されるバイアス電圧VSBを示している。
【0213】
図34(b)は、初期化動作S100における磁化の構成MG0を例示している。
図34(b)に示すように、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1高電気抵抗状態(“AP”であり“H”)とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態(“AP”であり“H”)とする。
【0214】
図34(a)に示すように、第1入力“INPUT1”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第1入力“INPUT1”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。
【0215】
図34(a)に示すように、第2入力“INPUT2”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第2電位Va2とし、第3磁性層23の電位を第3電位Vd3とする。第2入力“INPUT2”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第1電位Vd1とし、第3磁性層23の電位を第4電位Va4とする。
【0216】
図34(c)は、第1動作S110における、第1入力“INPUT1”の磁化の構成MG1、第2入力“INPUT2”、及び、第1動作S110の後の磁化の構成MGRを例示している。磁化の構成MGRは、例えば、演算結果に対応する。
【0217】
図34(d)は、第2動作S120の結果RJとして、第2領域11b及び第4領域12dの接続点CNにおける電位の測定値VDを示している。
図34(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1電位差Vaの約1/2の第1値(Va/2)である。
【0218】
図34(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“1”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“0”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1値(Va/2)とは異なる。この例では、第1入力が“0”であり第2入力が“1”である場合、測定値VDは、0.75Vaである。第1入力が“1”であり第2入力が“0”である場合、第2動作で得られる測定値VDは、0.25Vaである。
【0219】
図34(c)及び
図34(d)に示すように、第2動作S120の結果RJは、第1入力及び第2入力のXNOR演算の結果に対応する。実施形態に係る磁気デバイス417によれば、簡単な構成を有する磁気デバイスが提供できる。
【0220】
図35は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図35に示すように、実施形態に係る磁気デバイス418において、例えば、第1磁性層21に第2入力“INPUT2”の反転が入力される。例えば、第3磁性層23に第2入力“INPUT2”が入力される。
【0221】
図36(a)~
図36(d)は、第4実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図36(a)は、実施形態に係る磁気デバイス418における、第1入力“INPUT1”及び第2入力“INPUT2”が、“0”または“1”のときの、磁化の定義MGD、導電部に流れる電流Iwの向き、及び、磁性層に印加されるバイアス電圧VSBを示している。
【0222】
図36(b)は、初期化動作S100における磁化の構成MG0を例示している。
図36(b)に示すように、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1低電気抵抗状態(“P”であり“L”)とし、第2積層体SB2を第2低電気抵抗状態(“P”であり“L”)とする。
【0223】
図36(a)に示すように、第1入力“INPUT1”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第1入力“INPUT1”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。
【0224】
図36(a)に示すように、第2入力“INPUT2”が“0”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第2電位Va2とし、第3磁性層23の電位を第3電位Vd3とする。第2入力“INPUT2”が“1”であるときに、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第1電位Vd1とし、第3磁性層23の電位を第4電位Va4とする。
【0225】
図36(c)は、第1動作S110における、第1入力“INPUT1”の磁化の構成MG1、第2入力“INPUT2”、及び、第1動作S110の後の磁化の構成MGRを例示している。磁化の構成MGRは、例えば、演算結果に対応する。
【0226】
図36(d)は、第2動作S120の結果RJとして、第2領域11b及び第4領域12dの接続点CNにおける電位の測定値VDを示している。
図36(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“1”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“0”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1電位差Vaの約1/2の第1値(Va/2)である。
【0227】
図36(d)に示すように、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第2動作で得られる測定値VD(例えば、接続点CNにおける電位)は、第1値(Va/2)とは異なる。この例では、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、測定値VDは、0.75Vaである。第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第2動作で得られる測定値VDは、0.25Vaである。
【0228】
図36(c)及び
図36(d)に示すように、第2動作S120の結果RJは、第1入力及び第2入力のXNOR演算の結果に対応する。実施形態に係る磁気デバイス418によれば、簡単な構成を有する磁気デバイスが提供できる。
【0229】
既に説明したように、上記の磁気デバイス411~418において、制御部90は、初期化動作S100と、第1動作S110と、第2動作S120と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能である。制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1低電気抵抗状態または第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、第2積層体SB2を第2低電気抵抗状態または第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とする。
【0230】
制御部90は、第1動作S110において、第1磁性層21の電位を第1設定電位としつつ第1導電部11に第1電流を供給し、第3磁性層23の電位を第2設定電位としつつ第2導電部12に第2電流を供給する。第1設定電位は、第1電位または第2電位である。第2設定電位は、第3電位または第4電位である。
【0231】
第1入力が“0”であるときの第1動作S110における第1電流の向きは、第1入力が“1”であるときの第1動作S110における第1電流の向きと、逆である。第1入力が“0”であるときの第1動作S110においける第2電流の向きは、第1入力が“1”であるときの第1動作S110における第2電流の向きと、逆である。
【0232】
第2入力が“0”であるときの第1動作S110における第1設定電位を基準にした、第2入力が“1”であるときの第1動作S110における第1設定電位の第1極性は、第2入力が“0”であるときの第1動作S110における第2設定電位を基準にした、第2入力が“1”であるときの第1動作S110における第2設定電位の第2極性と逆である。制御部90は、第2動作S120において、第1動作S110の後の第1積層体SB1の電気抵抗、及び、第1動作S110の後の第2積層体SB2の電気抵抗に応じた値を測定する。
【0233】
第1動作S110に関する第1例において、第2入力が“0”であるときの第1動作S110における第1設定電位は、第1電位であり、第2入力が“1”であるときの第1動作S110における第1設定電位は、第2電位である。第2入力が“0”であるときの第1動作S110における第2設定電位は、第4電位であり、第2入力が“1”であるときの第1動作S110における第2設定電位は、第3電位である。第1電位と第2電位との差の絶対値は、第1電位と第3電位との差の絶対値よりも大きく、第2電位と第4電位との差の絶対値よりも大きい。第3電位と第4電位との差の絶対値は、第1電位と第3電位との差の前記絶対値よりも大きく、第2電位と第4電位との差の絶対値よりも大きい。
【0234】
第1動作S110に関する第2例において、第2入力が“0”であるときの第1動作S110における第1設定電位は、第2電位であり、第2入力が“1”であるときの第1動作S110における第1設定電位は、第1電位である。第2入力が“0”であるときの第1動作S110における第2設定電位は、第3電位であり、第2入力が“1”であるときの第1動作S110における第2設定電位は、第4電位である。この場合も、第1電位と第2電位との差の絶対値は、第1電位と第3電位との差の絶対値よりも大きく、第2電位と第4電位との差の絶対値よりも大きい。第3電位と第4電位との差の絶対値は、第1電位と第3電位との差の絶対値よりも大きく、第2電位と第4電位との差の絶対値よりも大きい。
【0235】
第1動作S110に関する第1例及び第2例において、例えば、第1電位は第2電位よりも高く、第3電位は第4電位よりも高い。例えば、第1電位は正であり、第2電位は負であり、第3電位は正であり、第4電位は負である。例えば、第1磁性層21の電位が第2電位のとき、第1磁性層21の電位が第1電位のときに比べて、第1積層体SB1の電気抵抗は変化し易い。例えば、第3磁性層23の電位が第4電位のとき、第3磁性層23の電位が第3電位のときに比べて、第2積層体SB2の電気抵抗は変化し易い。
【0236】
既に説明したように、第2領域11bは第4領域12dと電気的に接続される。第2領域11b及び第4領域12dの接続点を接続点CNとする。
【0237】
第2動作S120に関する1つの例(第3例)において、第1入力が“0”であり第2入力が“1”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“0”である場合、第3磁性層23を基準にして第1磁性層21に第1電位差Vaを印加したとき、接続点CNにおける電位は、第1電位差Vaの約1/2の第1値(Va/2)である。第3例において、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第3磁性層23を基準にして第1磁性層21に第1電位差Vaを印加したとき、接続点CNにおける電位は、第1値(Va/2)とは異なる。
【0238】
第2動作S120に関する別の例(第4例)において、第1入力が“0”であり第2入力が“0”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“1”である場合、第3磁性層23を基準にして第1磁性層21に第1電位差Vaを印加したとき、接続点CNにおける電位は、第1電位差Vaの約1/2の第1値(Va/2)である。第4例において、第1入力が“0”であり第2入力が“1”である場合、または、第1入力が“1”であり第2入力が“0”である場合、第3磁性層23を基準にして第1磁性層21に第1電位差Vaを印加したとき、接続点CNにおける電位は、第1値(Va/2)とは異なる。
【0239】
上記のような、初期化動作S100、第1動作S110及び第2動作S120が、以下の第5実施形態に係る磁気デバイスにおいても実施されて良い。
【0240】
(第5実施形態)
図37は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図38(a)~
図38(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図37、及び、
図38(a)~
図38(d)に例示する磁気デバイス421においては、第1動作S110に関する第1例が実施される。磁気デバイス421において、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1高電気抵抗状態(“AP”であり“H”)とし、第2積層体SB2を第2低電気抵抗状態(“P”であり“L”)とする。第1入力が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きを有し、第1入力が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第2動作S120に関する第4例が実施される。
【0241】
図39は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図40(a)~
図40(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図39、及び、
図40(a)~
図40(d)に例示する磁気デバイス422においては、第1動作S110に関する第2例が実施される。磁気デバイス422において、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1低電気抵抗状態とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態とする。第1入力が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第1入力が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。第2動作S120に関する第3例が実施される。
【0242】
図41は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図42(a)~
図42(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図41、及び、
図42(a)~
図42(d)に例示する磁気デバイス431においては、第1動作S110に関する第1例が実施される。磁気デバイス431において、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1低電気抵抗状態とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態とする。第1入力が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第1入力が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。第2動作S120に関する第4例が実施される。
【0243】
図43は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図44(a)~
図44(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図43、及び、
図44(a)~
図44(d)に例示する磁気デバイス432においては、第1動作S110に関する第1例が実施される。磁気デバイス432において、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1高電気抵抗状態とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態とする。第1入力が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第1入力が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。第2動作S120に関する第3例が実施される。
【0244】
図45は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図46(a)~
図46(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図45、及び、
図46(a)~
図46(d)に例示する磁気デバイス433においては、第1動作S110に関する第1例が実施される。磁気デバイス433において、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1低電気抵抗状態とし、第2積層体SB2を第2低電気抵抗状態とする。第1入力が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。第1入力が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第2動作S120に関する第3例が実施される。
【0245】
図47は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図48(a)~
図48(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図47、及び、
図48(a)~
図48(d)に例示する磁気デバイス434においては、第1動作S110に関する第1例が実施される。磁気デバイス434において、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1高電気抵抗状態とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態とする。第1入力が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。第1入力が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第2動作S120に関する第4例が実施される。
【0246】
図49は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図50(a)~
図50(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図49、及び、
図50(a)~
図50(d)に例示する磁気デバイス441においては、第1動作S110に関する第1例が実施される。磁気デバイス441において、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1高電気抵抗状態とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態とする。第1入力が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第1入力が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。第2動作S120に関する第4例が実施される。
【0247】
図51は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図52(a)~
図52(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図51、及び、
図52(a)~
図52(d)に例示する磁気デバイス442においては、第1動作S110に関する第1例が実施される。磁気デバイス442において、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1低電気抵抗状態とし、第2積層体SB2を第2低電気抵抗状態とする。第1入力が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。第1入力が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第2動作S120に関する第4例が実施される。
【0248】
図53は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図54(a)~
図54(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図53、及び、
図54(a)~
図54(d)に例示する磁気デバイス443においては、第1動作S110に関する第2例が実施される。磁気デバイス443において、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体SB1を第1高電気抵抗状態とし、第2積層体SB2を第2高電気抵抗状態とする。第1入力が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第1入力が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。第2動作S120に関する第3例が実施される。
【0249】
図55は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式的斜視図である。
図56(a)~
図56(d)は、第5実施形態に係る磁気デバイスを例示する模式図である。
図56、及び、
図56(a)~
図56(d)に例示する磁気デバイス444においては、第1動作S110に関する第2例が実施される。磁気デバイス444において、制御部90は、初期化動作S100において、第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とする。第1入力が“0”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第2領域11bから第1領域11aへの向きI21を有し、第2電流は第4領域12dから第5領域12eへの向きI45を有する。第1入力が“1”であるときに、第1動作S110において、第1電流は第1領域11aから第2領域11bへの向きI12を有し、第2電流は第5領域12eから第4領域12dへの向きI54を有する。第2動作S120に関する第4例が実施される。
【0250】
磁気デバイス421、422、431~434、及び、441~444においても、第1入力及び第2入力のXNOR演算の結果が得られる。第5実施形態に係る磁気デバイスによれば、簡単な構成を有する磁気デバイスが提供できる。
【0251】
磁気デバイス411~418、421、422、431~434、及び、441~444において、第1積層体SB1及び第2積層体SB2(左右の素子)の構成は、互いに入れ替えが可能である。
【0252】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んでも良い。
【0253】
(構成1)
第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域と、を含み、前記第1領域から前記第2領域への方向は、第1方向に沿う、第1導電部と、
第1磁性層及び第2磁性層を含む第1積層体であって、前記第2磁性層は、前記第1方向と交差する第2方向において前記第3領域と前記第1磁性層との間にある、前記第1積層体と、
第4領域と、第5領域と、前記第4領域と前記第5領域との間の第6領域と、を含み、前記第4領域から前記第5領域への方向は、第3方向に沿う、第2導電部と、
第3磁性層及び第4磁性層を含む第2積層体であって、前記第4磁性層は、前記第3方向と交差する第4方向において前記第6領域と前記第3磁性層との間にある、前記第2積層体と、
制御部と、
を備え、
前記第1積層体は、第1低電気抵抗状態、または、前記第1低電気抵抗よりも高い第1高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記第2積層体は、第2低電気抵抗状態、または、前記第2低電気抵抗よりも高い第2高電気抵抗状態になることが可能であり、
前記制御部は、初期化動作と、第1動作と、第2動作と、を実施して、第1入力及び第2入力のXNOR演算が可能であり、
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態または前記第1高電気抵抗状態の第1抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態または前記第2高電気抵抗状態の第2抵抗状態とし、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第1磁性層の電位を第1設定電位としつつ前記第1導電部に第1電流を供給し、前記第3磁性層の電位を第2設定電位としつつ前記第2導電部に第2電流を供給し、
前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1電流の向きと、逆であり、前記第1入力が“0”であるときの前記第1動作においける前記第2電流の向きは、前記第1入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2電流の向きと、逆であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位の第1極性は、前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位を基準にした、前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位の第2極性と逆であり、
前記制御部は、前記第2動作において、前記第1動作の後の前記第1積層体の電気抵抗、及び、前記第1動作の後の前記第2積層体の電気抵抗に応じた値を測定する、磁気デバイス。
【0254】
(構成2)
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きい、構成1記載の磁気デバイス。
【0255】
(構成3)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する、構成2記載の磁気デバイス。
【0256】
(構成4)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する、構成2記載の磁気デバイス。
【0257】
(構成5)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する、構成2記載の磁気デバイス。
【0258】
(構成6)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する、構成2記載の磁気デバイス。
【0259】
(構成7)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する、構成2記載の磁気デバイス。
【0260】
(構成8)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する、構成2記載の磁気デバイス。
【0261】
(構成9)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する、構成2記載の磁気デバイス。
【0262】
(構成10)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する、構成2記載の磁気デバイス。
【0263】
(構成11)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する、構成2記載の磁気デバイス。
【0264】
(構成12)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する、構成2記載の磁気デバイス。
【0265】
(構成13)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する、構成2記載の磁気デバイス。
【0266】
(構成14)
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第2電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第1設定電位は、第1電位であり、
前記第2入力が“0”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第3電位であり、
前記第2入力が“1”であるときの前記第1動作における前記第2設定電位は、第4電位であり、
前記第1電位と前記第2電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との差の絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との差の絶対値よりも大きく、
前記第3電位と前記第4電位との差の絶対値は、前記第1電位と前記第3電位との前記差の前記絶対値よりも大きく、前記第2電位と前記第4電位との前記差の前記絶対値よりも大きい、構成1記載の磁気デバイス。
【0267】
(構成15)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する、構成14記載の磁気デバイス。
【0268】
(構成16)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する、構成14記載の磁気デバイス。
【0269】
(構成17)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する、構成14記載の磁気デバイス。
【0270】
(構成18)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する、構成14記載の磁気デバイス。
【0271】
(構成19)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する、構成14記載の磁気デバイス。
【0272】
(構成20)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1高電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2高電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有する、構成14記載の磁気デバイス。
【0273】
(構成21)
前記制御部は、前記初期化動作において、前記第1積層体を前記第1低電気抵抗状態とし、前記第2積層体を前記第2低電気抵抗状態とし、
前記第1入力が“0”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第2領域から前記第1領域への向きを有し、前記第2電流は前記第4領域から前記第5領域への向きを有し、前記第1入力が“1”であるときに、前記第1動作において、前記第1電流は前記第1領域から前記第2領域への向きを有し、前記第2電流は前記第5領域から前記第4領域への向きを有する、構成14記載の磁気デバイス。
【0274】
(構成22)
前記第2領域は前記第4領域と電気的に接続され、
前記第1入力が前記“0”であり前記第2入力が前記“1”である場合、または、前記第1入力が前記“1”であり前記第2入力が前記“0”である場合、前記第2動作において、前記第3磁性層を基準にして前記第1磁性層に前記第1電位差を印加したとき、前記第2領域及び前記第4領域の接続点における電位は、前記第1電位差の約1/2の第1値であり、
前記第1入力が前記“0”であり前記第2入力が前記“0”である場合、または、前記第1入力が前記“1”であり前記第2入力が前記“1”である場合、前記第2動作において、前記第3磁性層を基準にして前記第1磁性層に前記第1電位差を印加したとき、前記接続点における前記電位は、前記第1値とは異なる、構成3、6、9、10、16、18、19、20のいずれか1つに記載の磁気デバイス。
【0275】
(構成23)
前記第2領域は前記第4領域と電気的に接続され、
前記第1入力が前記“0”であり前記第2入力が前記“0”である場合、または、前記第1入力が前記“1”であり前記第2入力が前記“1”である場合、前記第2動作において、前記第3磁性層を基準にして前記第1磁性層に前記第1電位差を印加したとき、前記第2領域及び前記第4領域の接続点における前記電位は、前記第1電位差の約1/2の第1値であり、
前記第1入力が前記“0”であり前記第2入力が前記“1”である場合、または、前記第1入力が前記“1”であり前記第2入力が前記“0”である場合、前記第2動作において、前記第3磁性層を基準にして前記第1磁性層に前記第1電位差を印加したとき、前記接続点における電位は、前記第1値とは異なる、構成4、5、7、8、11、12、13、15、17、21のいずれか1つに記載の磁気デバイス。
【0276】
実施形態によれば、簡単な構成を有する磁気デバイス及び演算装置を提供できる。
【0277】
本願明細書において、“平行”及び“反平行”は、厳密な平行及び反平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に平行及び反平行であれば良い。
【0278】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気デバイスに含まれる導電部、磁性層、非磁性層、制御部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0279】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0280】
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気デバイス及び演算装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気デバイス及び演算装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0281】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0282】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0283】
11…第1導電部、
11a~11e…第1~第5領域、
12…第2導電部、
12d~12f…第4~第6領域、
13…第3導電部、
13g~13i…第7~第9領域、
14…第4導電部、
14a、14b…第1、第2接続領域、
14c…中間領域、
21~28…第1~第8磁性層、
21A、22A…第1、第2磁性部材、
21M~28M…磁化、
31~34…第1~第4非磁性層、
40…記憶部、
90…制御部、
91、91a~91c…書込セレクタ、
92、92a~92c…読出セレクタ、
93、93a~93c…書込ドライバ、
94、94a~94b…センスアンプ、
95…論理ゲート、
96…制御回路、
100、200、300、411~418、421、422、431~434、441~444…磁気デバイス、
AR1、AR2、ARa、ARb…アレイ領域、
CN…接続点、
I12、I21、I45、I54…向き、
Iw、Iw1~Iw3…電流、
MG0、MG1、MGR…構成、
MGD…定義、
ML…中間層、
OL…出力層、
P1~P3…電位、
RJ…結果、
RPR1、RPR2、RPRa、RPRb…読出周辺回路領域、
S、S1、S2…信号、
SB1、SB2…第1、第2積層体、
SB4…積層体、
ST1…構造体、
VD…測定値、
VSB…バイアス電圧、
Va2、Va4…第2、第4電位、
Vd1、Vd3…第1、第3電位、
WPRa、WPRb、WPR1、WPR2…書込周辺回路領域