(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】給湯装置及び給湯システム
(51)【国際特許分類】
F24D 17/00 20220101AFI20230712BHJP
F24H 1/14 20220101ALI20230712BHJP
F24H 15/104 20220101ALI20230712BHJP
F24H 15/174 20220101ALI20230712BHJP
F24H 15/215 20220101ALI20230712BHJP
F24H 15/219 20220101ALI20230712BHJP
F24H 15/238 20220101ALI20230712BHJP
F24H 15/325 20220101ALI20230712BHJP
F24H 15/335 20220101ALI20230712BHJP
F24H 15/36 20220101ALI20230712BHJP
【FI】
F24D17/00 P
F24H1/14 B
F24H15/104
F24H15/174
F24H15/215
F24H15/219
F24H15/238
F24H15/325
F24H15/335
F24H15/36
(21)【出願番号】P 2019118373
(22)【出願日】2019-06-26
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 剛英
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-230151(JP,A)
【文献】特開2018-071822(JP,A)
【文献】特開2016-125692(JP,A)
【文献】特開平06-249509(JP,A)
【文献】特開平05-060337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 17/00
F24H 1/00 - 15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯栓に対して出湯する給湯装置であって、
燃焼機構を含む加熱機構と、
前記給湯栓の閉止時に前記給湯装置の内部又は外部に配置される循環ポンプが作動する即湯運転モードにおいて、前記給湯装置の外部で前記給湯栓をバイパスする外部経路と併せて、流体が前記加熱機構を通過する即湯循環経路を形成する内部経路と、
前記即湯循環経路の前記加熱機構の上流側での流体温度を検出するための第1の温度検出器と、
前記即湯循環経路の前記加熱機構の下流側での流体温度を検出するための第2の温度検出器と、
前記即湯循環経路の循環流量を検出するための流量検出器と、
前記加熱機構及び前記循環ポンプを制御する制御器とを備え、
前記外部経路は、温度上昇時に閉塞する経路を有する感熱止水バイパス弁を含んで構成され、
前記制御器は、
前記即湯運転モードにおいて、前記第2の温度検出器による温度検出値を前記即湯運転モードでの設定温度に制御するための前記燃焼機構の出力熱量指令値を設定する熱量制御部と、
前記出力熱量指令値に従って前記燃焼機構を制御する燃焼制御部とを含み、
前記出力熱量指令値は、前記燃焼機構の燃焼状態では、最小熱量値から最大熱量値までの間の範囲内に制限して設定され、
前記燃焼制御部は、前記即湯運転モードにおいて、前記出力熱量指令値が前記最小熱量値に設定され、かつ、前記第2の温度検出器による温度検出値が前記設定温度よりも高く設定された制御上限温度まで上昇したときには、前記最小熱量値に従って動作する最小燃焼状態と、燃焼停止状態とを交互に設けるように、前記燃焼機構を制御
し、
前記制御器は、前記即湯運転モードにおいて、前記循環流量が予め定められた第1の流量値よりも低下したとき、又は、前記第1の温度検出器による検出温度が予め定められた第1の判定温度まで上昇したときには、前記即湯運転モードを停止して、前記循環ポンプ及び前燃焼機構が停止される待機モードを開始し、
前記制御器は、前記待機モードにおいて、前記第1又は第2の温度検出器による検出温度が予め定められた第2の判定温度まで低下すると、前記循環ポンプを作動させるとともに、前記循環ポンプが作動した状態で前記循環流量が予め定められた第2の流量値まで上昇すると、前記待機モードを終了して、前記即湯運転モードを再開する、給湯装置。
【請求項2】
前記燃焼制御部は、少なくとも前記即湯運転モードにおいて、前記第2の温度検出器による温度検出値が前記制御上限温度を超えると前記燃焼機構を前記燃焼停止状態に制御する一方で、前記燃焼機構の前記燃焼停止状態において、前記第2の温度検出器による温度検出値が前記設定温度よりも低く設定された制御下限温度まで低下すると、前記燃焼機構を前記出力熱量指令値に従った前記燃焼状態に制御する、請求項1記載の給湯装置。
【請求項3】
前記制御器は、前記待機モードの経過時間が予め定められた第1の時間に達するまでは、前記循環ポンプを作動しない、請求項
1又は2に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記制御器は、前記即湯運転モードの実行が許可されたモードオン期間において、前記給湯栓が閉止され、かつ、前記第2の温度検出器による検出温度が予め定められたモード基準温度まで低下すると前記即湯運転モードを実行するように構成され、
前記制御器は、前記モードオン期間の開始時において、前記燃焼機構での前回の燃焼停止からの経過時間が予め定められた第2の時間よりも長いときに、前記即湯循環経路の異常診断を実行し、
前記異常診断では、前記循環ポンプを作動した状態で、前記循環流量が予め定められた診断基準流量まで上昇しないときに、前記即湯循環経路の異常が検出される、
請求項1~3のいずれか1項に記載の給湯装置。
【請求項5】
給湯栓に対して出湯する給湯装置であって、
燃焼機構を含む加熱機構と、
前記給湯栓の閉止時に前記給湯装置の内部又は外部に配置される循環ポンプが作動する即湯運転モードにおいて、前記給湯装置の外部で前記給湯栓をバイパスする外部経路と併せて、流体が前記加熱機構を通過する即湯循環経路を形成する内部経路と、
前記即湯循環経路の前記加熱機構の上流側での流体温度を検出するための第1の温度検出器と、
前記即湯循環経路の前記加熱機構の下流側での流体温度を検出するための第2の温度検出器と、
前記即湯循環経路の循環流量を検出するための流量検出器と、
前記加熱機構及び前記循環ポンプを制御する制御器とを備え、
前記外部経路は、温度上昇時に閉塞する経路を有する感熱止水バイパス弁を含んで構成され、
前記制御器は、
前記即湯運転モードにおいて、前記第2の温度検出器による温度検出値を前記即湯運転モードでの設定温度に制御するための前記燃焼機構の出力熱量指令値を設定する熱量制御部と、
前記出力熱量指令値に従って前記燃焼機構を制御する燃焼制御部とを含み、
前記出力熱量指令値は、前記燃焼機構の燃焼状態では、最小熱量値から最大熱量値までの間の範囲内に制限して設定され、
前記燃焼制御部は、前記即湯運転モードにおいて、前記出力熱量指令値が前記最小熱量値に設定され、かつ、前記第2の温度検出器による温度検出値が前記設定温度よりも高く設定された制御上限温度まで上昇したときには、前記最小熱量値に従って動作する最小燃焼状態と、燃焼停止状態とを交互に設けるように、前記燃焼機構を制御し、
前記制御器は、前記即湯運転モードの実行が許可されたモードオン期間において、前記給湯栓が閉止され、かつ、前記第2の温度検出器による検出温度が予め定められたモード基準温度まで低下すると前記即湯運転モードを実行するように構成され、
前記制御器は、前記モードオン期間の開始時において、前記燃焼機構での前回の燃焼停止からの経過時間が予め定められた第2の時間よりも長いときに、前記即湯循環経路の異常診断を実行し、
前記異常診断では、前記循環ポンプを作動した状態で、前記循環流量が予め定められた診断基準流量まで上昇しないときに、前記即湯循環経路の異常が検出される
、給湯装置。
【請求項6】
前記制御器は、予め定められた複数回の前記異常診断で、前記循環ポンプを作動した状態で、前記循環流量が前記診断基準流量まで上昇しない現象が発生すると、前記即湯循環経路の異常を検出する、
請求項4又は5に記載の給湯装置。
【請求項7】
入水ポート及び出湯ポートを有する給湯装置と、
前記入水ポートに低温水を導入する低温水配管と、
前記出湯ポートと給湯栓との間を接続する高温水配管と、
前記給湯装置の内部又は外部に配置される循環ポンプとを備え、
前記給湯装置は、
燃焼機構を含む加熱機構と、
前記給湯栓の閉止時に前記循環ポンプが作動する即湯運転モードにおいて、前記給湯装置の外部で前記給湯栓をバイパスする外部経路と併せて、流体が前記加熱機構を通過する即湯循環経路を形成する内部経路と、
前記即湯循環経路の前記加熱機構の上流側での流体温度を検出するための第1の温度検出器と、
前記即湯循環経路の前記加熱機構の下流側での流体温度を検出するための第2の温度検出器と、
前記即湯循環経路の循環流量を検出するための流量検出器と、
前記加熱機構及び前記循環ポンプを制御する制御器とを備え、
前記外部経路は、温度上昇時に閉塞する経路を有する感熱止水バイパス弁を含んで構成され、
前記制御器は、
前記即湯運転モードにおいて、前記第2の温度検出器による温度検出値を前記即湯運転モードでの設定温度に制御するための前記燃焼機構の出力熱量指令値を設定する熱量制御部と、
前記出力熱量指令値に従って前記燃焼機構を制御する燃焼制御部とを含み、
前記出力熱量指令値は、前記燃焼機構の燃焼状態では、最小熱量値から最大熱量値までの間の範囲内に制限して設定され、
前記燃焼制御部は、前記即湯運転モードにおいて、前記出力熱量指令値が前記最小熱量値に設定され、かつ、前記第2の温度検出器による温度検出値が前記設定温度よりも高く設定された制御上限温度まで上昇したときには、前記最小熱量値に従って動作する最小燃焼状態と、燃焼停止状態とを交互に設けるように、前記燃焼機構を制御
し、
前記制御器は、前記即湯運転モードにおいて、前記循環流量が予め定められた第1の流量値よりも低下したとき、又は、前記第1の温度検出器による検出温度が予め定められた第1の判定温度まで上昇したときには、前記即湯運転モードを停止して、前記循環ポンプ及び前燃焼機構が停止される待機モードを開始し、
前記制御器は、前記待機モードにおいて、前記第1又は第2の温度検出器による検出温度が予め定められた第2の判定温度まで低下すると、前記循環ポンプを作動させるとともに、前記循環ポンプが作動した状態で前記循環流量が予め定められた第2の流量値まで上昇すると、前記待機モードを終了して、前記即湯運転モードを再開する、給湯システム。
【請求項8】
入水ポート及び出湯ポートを有する給湯装置と、
前記入水ポートに低温水を導入する低温水配管と、
前記出湯ポートと給湯栓との間を接続する高温水配管と、
前記給湯装置の内部又は外部に配置される循環ポンプとを備え、
前記給湯装置は、
燃焼機構を含む加熱機構と、
前記給湯栓の閉止時に前記循環ポンプが作動する即湯運転モードにおいて、前記給湯装置の外部で前記給湯栓をバイパスする外部経路と併せて、流体が前記加熱機構を通過する即湯循環経路を形成する内部経路と、
前記即湯循環経路の前記加熱機構の上流側での流体温度を検出するための第1の温度検出器と、
前記即湯循環経路の前記加熱機構の下流側での流体温度を検出するための第2の温度検出器と、
前記即湯循環経路の循環流量を検出するための流量検出器と、
前記加熱機構及び前記循環ポンプを制御する制御器とを備え、
前記外部経路は、温度上昇時に閉塞する経路を有する感熱止水バイパス弁を含んで構成され、
前記制御器は、
前記即湯運転モードにおいて、前記第2の温度検出器による温度検出値を前記即湯運転モードでの設定温度に制御するための前記燃焼機構の出力熱量指令値を設定する熱量制御部と、
前記出力熱量指令値に従って前記燃焼機構を制御する燃焼制御部とを含み、
前記出力熱量指令値は、前記燃焼機構の燃焼状態では、最小熱量値から最大熱量値までの間の範囲内に制限して設定され、
前記燃焼制御部は、前記即湯運転モードにおいて、前記出力熱量指令値が前記最小熱量値に設定され、かつ、前記第2の温度検出器による温度検出値が前記設定温度よりも高く設定された制御上限温度まで上昇したときには、前記最小熱量値に従って動作する最小燃焼状態と、燃焼停止状態とを交互に設けるように、前記燃焼機構を制御し、
前記制御器は、前記即湯運転モードの実行が許可されたモードオン期間において、前記給湯栓が閉止され、かつ、前記第2の温度検出器による検出温度が予め定められたモード基準温度まで低下すると前記即湯運転モードを実行するように構成され、
前記制御器は、前記モードオン期間の開始時において、前記燃焼機構での前回の燃焼停止からの経過時間が予め定められた第2の時間よりも長いときに、前記即湯循環経路の異常診断を実行し、
前記異常診断では、前記循環ポンプを作動した状態で、前記循環流量が予め定められた診断基準流量まで上昇しないときに、前記即湯循環経路の異常が検出される、給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は給湯装置及び給湯システムに関し、より特定的には、即湯機能を有する給湯装置及び給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
給湯装置の一型式として、給湯が長時間オフされた後であっても給湯開始直後から適温の湯を出力する、いわゆる、即湯機能を具備するものがある。通常、即湯機能を実現するためには、給湯オフ中にも熱源を経由する循環経路を形成するモード(以下、「即湯運転モード」)を設ける必要がある。
【0003】
又、米国特許第6536464号明細書(特許文献1)には、ワックスサーモを用いたサーモスタット制御のバイパスバルブ(以下、「クロスオーババルブ」とも称する)を外部接続することで上記即湯機能のための循環経路を形成する構成が開示されている。これにより、給湯装置側に当該クロスオーババルブの制御機能を追加しなくても、簡易な取り付け工事によって、即湯機能が実現できる。
【0004】
特開2015-230151号公報(特許文献2)にも、上記クロスオーババルブと同様の感温バルブを接続した経路を用いて、即湯運転を実行する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6536464号明細書
【文献】特開2015-230151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、クロスオーババルブ(又は、感温バルブ)が接続された循環経路では、ワックスサーモを通過する経路の圧損が大きいため、循環流量は比較的小さい。このため、即湯運転モードでは、比較的低流量の流体を設定温度に制御することが求められる。
【0007】
従って、燃焼バーナ等の燃焼機構を熱源とする給湯装置では、燃焼機構での発生熱量(燃焼される燃料量)の調整による温度制御が困難になることが懸念される。
【0008】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、クロスオーババルブが接続された循環経路による即湯運転モードでの温度制御について、簡易な制御で動作を安定化することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面では、給湯栓に対して出湯する給湯装置であって、燃焼機構を含む加熱機構と、第1の温度検出器と、第2の温度検出器と、流量検出器と、制御器とを備える。給湯装置は、給湯栓の閉止時に給湯装置の内部又は外部に配置される循環ポンプが作動する即湯運転モードにおいて、給湯装置の外部で給湯栓をバイパスする外部経路と併せて、流体が加熱機構を通過する即湯循環経路を形成する内部経路を更に備える。当該外部経路は、温度上昇時に閉塞する経路を有する感熱止水バイパス弁を含んで構成される。第1の温度検出器は、即湯循環経路の加熱機構の上流側での流体温度を検出する。第2の温度検出器は、記即湯循環経路の加熱機構の下流側での流体温度を検出する。流量検出器は、即湯循環経路の循環流量を検出する。制御器は、加熱機構及び循環ポンプを制御する。制御器は、熱量制御部及び燃焼制御部を含む。熱量制御部は、即湯運転モードにおいて、第2の温度検出器による温度検出値を即湯運転モードでの設定温度に制御するための燃焼機構の出力熱量指令値を設定する。燃焼制御部は、出力熱量指令値に従って燃焼機構を制御する。出力熱量指令値は、燃焼機構の燃焼状態では、最小熱量値から最大熱量値までの間の範囲内に制限して設定される。燃焼制御部は、即湯運転モードにおいて、出力熱量指令値が最小熱量値に設定され、かつ、第2の温度検出器による温度検出値が設定温度よりも高く設定された制御上限温度まで上昇したときには、最小熱量値に従って動作する最小燃焼状態と、燃焼停止状態とを交互に設けるように、燃焼機構を制御する。
【0010】
本発明の他のある局面では、給湯システムであって、入水ポート及び出湯ポートを有する給湯装置と、入水ポートに低温水を導入する低温水配管と、出湯ポートと給湯栓との間を接続する高温水配管と、給湯装置の内部又は外部に配置される循環ポンプとを備える。給湯装置は、燃焼機構を含む加熱機構と、第1の温度検出器と、第2の温度検出器と、流量検出器と、制御器とを備える。給湯装置は、給湯栓の閉止時に循環ポンプが作動する即湯運転モードにおいて、給湯装置の外部で給湯栓をバイパスする外部経路と併せて、流体が加熱機構を通過する即湯循環経路を形成する内部経路を更に備える。外部経路は、温度上昇時に閉塞する経路を有する感熱止水バイパス弁を含んで構成される。第1の温度検出器は、即湯循環経路の加熱機構の上流側での流体温度を検出する。第2の温度検出器は、即湯循環経路の加熱機構の下流側での流体温度を検出する。流量検出器は、即湯循環経路の循環流量を検出する。制御器は、加熱機構及び循環ポンプを制御する。制御器は、熱量制御部及び燃焼制御部を含む。熱量制御部は、即湯運転モードにおいて、第2の温度検出器による温度検出値を即湯運転モードでの設定温度に制御するための燃焼機構の出力熱量指令値を設定する。燃焼制御部は、出力熱量指令値に従って燃焼機構を制御する。出力熱量指令値は、燃焼機構の燃焼状態では、最小熱量値から最大熱量値までの間の範囲内に制限して設定される。燃焼制御部は、即湯運転モードにおいて、出力熱量指令値が最小熱量値に設定され、かつ、第2の温度検出器による温度検出値が設定温度よりも高く設定された制御上限温度まで上昇したときには、最小熱量値に従って動作する最小燃焼状態と、燃焼停止状態とを交互に設けるように、燃焼機構を制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、クロスオーババルブが接続された循環経路による即湯運転モードでの温度制御について、簡易な制御で動作を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施の形態に係る給湯装置を含む給湯システムの構成を説明するブロック図である。
【
図2】コントローラのハードウェア構成例を説明するブロック図である。
【
図3】
図1に示されたクロスオーババルブによる流路の切替を説明する図表である。
【
図4】本実施の形態に係る給湯装置による即湯運転に係る状態遷移図が示される。
【
図5】即湯運転モードにおける温度制御を説明するブロック図である。
【
図6】即湯運転モードにおける温度制御の動作波形図の一例である。
【
図7】即湯運転モードの停止条件の成立を判定する制御処理を説明するフローチャートである。
【
図8】即湯運転モードの再開条件の成立を判定する制御処理を説明するフローチャートである。
【
図9】即湯運転モードで実行される即湯循環経路の異常診断の制御処理を説明するフローチャートである。
【
図10】本実施の形態の変形例に係る給湯装置及び給湯システムの構成を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお以下では、図中の同一又は相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る給湯装置を含む給湯システム1Aの構成を説明するブロック図である。
【0015】
図1を参照して、給湯システム1Aは、給湯装置100と、低温水配管110と、高温水配管120と、クロスオーババルブ200とを備える。給湯装置100は、入水ポート11と、出湯ポート12と、循環ポート13とを有する。
【0016】
低温水配管110には、逆止弁112を介して、低温水が供給される。低温水は、代表的には、図示しない水道管から供給される。低温水配管110は、入水ポート11及び循環ポート13と接続される。
【0017】
給湯装置100は、コントローラ10と、入水経路20と、出湯経路25と、循環経路28と、バイパス経路29と、燃焼機構30と、熱交換器40と、循環ポンプ80と、流量調整弁90とを備える。
【0018】
入水経路20は、逆止弁21を経由して、入水ポート11と、熱交換器40の入力側(上流側)との間に形成される。燃焼機構30は、代表的には、ガス又は石油等の燃焼による熱量を発生するバーナによって構成される。
【0019】
熱交換器40は、燃焼機構30が発生した熱量を用いて、入水経路20によって導入された低温水(流体)の温度を上昇させる。燃焼機構30及び熱交換器40は、「加熱機構」の一実施例を構成する。
【0020】
出湯経路25は、熱交換器40の出力側(下流側)と、出湯ポート12との間に形成される。バイパス経路29は、熱交換器40を経由することなく、入水経路20及び出湯経路25の間を接続する。コントローラ10による流量調整弁90の制御によって、トータル流量(熱交換器40の流量及びバイパス経路29の流量の和)に対する、バイパス経路29の流量の比率(バイパス流量比)を調整することができる。
【0021】
このようなバイパス構成では、低温水の一部が熱交換器40をバイパスされて非加熱のまま、熱交換器40の下流で混合されることによって、出湯ポート12から高温水が供給される。これにより、熱交換器40(加熱機構)からの出力温度を高くすることができるので、燃焼機構30の排気が熱交換器40の表面で冷却されることによって発生するドレンの抑制に有利である。
【0022】
入水経路20には、低温水の流量値を出力する流量センサ81が配置され、循環経路28には、流量センサ82が配置される。流量センサ81及び82による検出値は、コントローラ10へ入力される。流量センサ81は、後述する即湯循環経路に含まれるように配置される。
【0023】
更に、出湯経路25には、温度センサ71が配置され、入水経路20には、温度センサ73が配置される。更に、循環経路28には、温度センサ72が配置される。温度センサ71~73によって検出された流体温度は、コントローラ10へ入力される。更に、入水経路20にも、給湯運転時に入水温度を検出するための温度センサが配置される。熱交換器40の上流側に配置される温度センサ72は「第1の温度検出器」の一実施例に対応し、熱交換器40の下流側に配置される温度センサ71は「第2の温度検出器」の一実施例に対応する。
【0024】
図2は、コントローラ10のハードウェア構成例を説明するブロック図である。
図2を参照して、コントローラ10は、代表的にはマイクロコンピュータによって構成される。コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)15と、メモリ16と、入出力(I/O)回路17と、電子回路18とを含む。CPU15、メモリ16及びI/O回路17は、バス19を経由して、相互に信号の授受が可能である。電子回路18は、所定の演算処理を専用のハードウェアによって実行するように構成される。電子回路18は、CPU15及びI/O回路17との間で信号の授受が可能である。
【0025】
CPU15は、I/O回路17を通じて、温度センサ71~73及び流量センサ81,82を含む各センサからの出力信号(検出値)を受ける。更に、CPU15は、I/O回路17を通じて、リモートコントローラ92に入力された操作指示を示す信号を受ける。操作指示は、例えば、給湯装置100の運転スイッチのオンオフ操作、給湯設定温度、及び、各種の時刻予約設定(「タイマ設定」とも称する)を含む。CPU15は、当該操作指示に従って給湯装置100が動作するように、燃焼機構30及び循環ポンプ80を含む各構成機器の動作を制御する。
【0026】
CPU15は、報知装置95を制御することによって、視覚又は聴覚によって認識できる情報を出力することが可能である。例えば、報知装置95は、文字及び図形等の視認可能な情報を画面表示することによって情報を出力できる。この場合には、報知装置95は、リモートコントローラ92に設けられた表示画面によって構成することができる。或いは、報知装置95は、スピーカによって構成されて、音声又はメロディ等を用いて情報を出力することも可能である。
【0027】
再び
図1を参照して、給湯装置100の動作を説明する。
給湯栓330が開放される給湯使用時には、低温水の供給圧力によって、入水経路20に低温水が導入される。給湯装置100の運転スイッチのオン中に、流量センサ81によって、最小作動流量(MOQ)を超える流量が検出されると、コントローラ10が燃焼機構30を作動させる。
【0028】
この結果、燃焼機構30及び熱交換器40によって加熱された高温水は、バイパス経路29を通過する低温水と混合された後、出湯ポート12を経由して、高温水配管120から出力される。
【0029】
通常の給湯運転時には、コントローラ10によって、循環ポンプ80は停止されるとともに、温度センサ71によって検出される流体温度(出湯温度Th)が、リモートコントローラ92に入力された給湯設定温度に制御される。具体的には、燃焼機構30(加熱機構)による加熱量(発生熱量)の制御と、流量調整弁90によるバイパス流量比の制御との組み合わせによって、出湯温度制御を行なうことができる。
【0030】
循環経路28は、循環ポート13及び入水経路20(接続点22)の間に形成される。循環ポンプ80は、循環経路28に接続される。或いは、循環ポンプ80は、給湯装置100の外部で循環ポート13に対して接続されてもよい。循環ポンプ80の作動及び停止は、コントローラ10によって制御される。
【0031】
給湯運転の停止時には、出湯経路25及び高温水配管120内に滞留する流体の温度が低下するため、次回の給湯運転の開始後に、給湯栓330に対して高温水を供給するまでに時間を要することが懸念される。このため、給湯装置100には、給湯運転の開始後、速やかに高温水を供給するための即湯機能が設けられる。即湯機能は、給湯栓330が閉止された閉栓時に、循環ポンプ80の作動によって、燃焼機構30及び熱交換器40を含む即湯循環経路を形成することで実現される。
【0032】
例えば、ユーザは、タイマ設定によって即湯運転の実行期間を指定することができる。当該タイマ設定は、例えば、リモートコントローラ92の操作によって入力することが可能である。或いは、即湯運転の実行期間は、ユーザの過去の使用履歴の学習により、自動的に設定されてもよい。又、ユーザのスイッチ操作に直接応じて、即湯運転の実行期間を開始又は終了することも可能である。
【0033】
給湯システム1Aでは、クロスオーババルブ200を用いて、循環ポンプ80の作動を伴う即湯運転モードを実行することができる。クロスオーババルブ200は、特許文献1に記載されたサーモスタット制御のバイパスバルブと同様に構成されて、ポート201~204と、ワックスサーモ210とを有する。ポート201及び203は内部で連通しており、ポート202及び204は内部で連通している。ワックスサーモ210は、ポート201及び203と、ポート202及び204との間に接続される。
【0034】
ワックスサーモ210は、低温時には、ポート201及び203と、ポート202及び204との間に感熱バイパス経路を形成する。一方で、ワックスサーモ210は、高温時には熱膨張力によって当該感熱バイパス経路を閉塞するように構成される。感熱バイパス経路の形成及び閉塞の切替温度は、ワックスサーモ210の材質及び構成等によって、予め設計される。以下では、クロスオーババルブ200での流体温度が上記切替温度よりも高いときを高温時、流体温度が上記切替温度よりも低いときを低温時とも称する。
【0035】
このように、クロスオーババルブ200は、「感熱止水バイパス弁」の一実施例に対応する。又、感熱バイパス経路の圧損は、ポート201及び203が連通する経路、及び、ポート202及び204が連通する経路の各々の圧損よりも高くなるように設計される。
【0036】
ポート201は、高温水配管120と接続され、ポート202は、低温水配管110と接続される。ポート203及び204は、給湯栓330と接続される。給湯栓330は、ポート203からの高温水と、ポート204からの低温水を混合する混合カランとして設けられる。ポート203及び204と給湯栓330との間には、高温水及び低温水の混合比率を調整するためのバルブ331及び332を設けることができる。
【0037】
図3には、
図1に示されたクロスオーババルブ200による流路の切替を説明する図表が示される。
【0038】
図3及び
図1を参照して、ポート203及び204から給湯栓330への経路が形成される開栓時には、上述した圧損の関係により、高温時及び低温時のいずれにおいても、高温水配管120及び給湯栓330の間の流路Pa、及び、低温水配管110及び給湯栓330の間の流路Pbが形成される。
【0039】
一方で、ポート203及び204から給湯栓330への経路が遮断される閉栓時には、低温時と高温時との間で流路が切替えられる。低温時には、ワックスサーモ210による感熱バイパス経路により、ポート201及び202の間、即ち、高温水配管120及び低温水配管110の間に、感熱バイパス経路Pcが形成される。一方で、高温時には、上記感熱バイパス経路が閉塞されることにより、高温水配管120及び低温水配管110の間の流路が遮断される。
【0040】
給湯システム1Aでは、給湯運転時には、低温水配管110から入水ポート11に導入された低温水を、燃焼機構30及び熱交換器40(加熱機構)で加熱して高温水が得られる。当該高温水は、出湯ポート12及び高温水配管120、並びに、クロスオーババルブ200(流路Pa)を経由して、給湯栓330から出力される。
【0041】
即湯運転モードでは、循環ポンプ80の作動により、給湯装置100の外部に、出湯ポート12から、高温水配管120、クロスオーババルブ200(感熱バイパス経路Pc)、及び、低温水配管110を経由して、循環ポート13に至る流体経路(外部経路)を形成することができる。更に、給湯装置100の内部には、循環ポート13、循環経路28、入水経路20(接続点22よりも下流側)、熱交換器40(加熱機構)、出湯経路25、及び、出湯ポート12を含む流体経路(内部経路)を形成することができる。このような内部経路及び外部経路によって即湯循環経路を形成することにより、閉栓時にも当該即湯循環経路に高温水を通流することによって、開栓直後から給湯栓330に高温水を供給することが可能となる。
【0042】
即湯循環経路では、温度センサ72により、加熱前の流体温度(戻り温度Tb)を検出することができるとともに、温度センサ71により加熱後の流体温度(出湯温度Th)を検出することができる。
【0043】
尚、ワックスサーモ210による感熱バイパス経路の圧損が大きいため、クロスオーババルブ200を含む即湯循環経路の流量が小さいことを考慮すると、給湯装置100では、即湯運転モードにおけるバイパス流量比r(0≦r<1.0)は、最小値(全閉によるr=0を含む)に維持するように流量調整弁90を制御することが好ましい。
【0044】
図4には、給湯装置100による即湯運転に係る状態遷移図が示される。
図4に示される状態遷移は、コントローラ10によって制御される。
【0045】
図4を参照して、コントローラ10は、ユーザがタイマ設定等によって指定した即湯運転の実行期間が開始されると、給湯装置100を「即湯運転オフモード」から「即湯運転オンモード」に遷移させる。
【0046】
コントローラ10は、即湯運転オンモードにおいて、給湯運転停止中(閉栓中)であり、かつ、温度センサ71の検出温度(出湯温度)が予め定められたモード基準温度よりも低下すると、開始条件J0が成立したと判定して、循環ポンプ80を作動する。これにより、即湯運転モードが開始される。
【0047】
コントローラ10は、即湯運転モード中に、給湯割り込み条件J1、又は、後述する停止条件J2が成立すると、循環ポンプ80を停止して、待機モードを開始する。例えば、給湯割り込み条件は、流量センサ81での流量検出値の増加に応じて成立する。
【0048】
コントローラ10は、待機モードにおいて、後述する再開条件J3が成立すると、待機モードを終了して、循環運転モードを再開する。待機モードにおいて、タイマ設定又はスイッチ操作等によって即湯運転の実行期間が終了すると、給湯装置100は、即湯運転オフモードに戻される。即湯運転モード中に、即湯運転の実行期間が終了した場合には、待機モードへの遷移後、給湯装置100は即湯運転オフモードに戻される。
【0049】
即湯運転モードでは、閉栓中の循環ポンプ80の作動によって即湯循環経路が形成された状態で、燃焼機構30を作動することにより、即湯循環経路の流体温度を上昇することができる。従って、即湯運転モードでは、燃焼機構30の動作を制御することで、即湯循環経路の温度制御が実行される。
【0050】
一方で、給湯システム1Aでは、即湯循環経路に含まれるクロスオーババルブ200では、ワックスサーモ210の感熱バイパス経路の圧損が大きい。このため、即湯運転モードにおいて、熱交換器40を通過する循環流体の流量が低くなるので、燃焼機構30の発生熱量に対する流体の温度上昇量が大きくなる。一方で、安定的な燃焼を確保する面から、燃焼機構30の発生熱量を絞ることには限界がある。この結果、燃焼機構30での発生熱量を最小値に制御しても加熱が過剰になることによって、温度制御が不安定化することが懸念される。
【0051】
従って、本実施の形態では、以下に説明するような燃焼機構の制御により、簡易な演算で安定的な温度制御を実現する。
【0052】
図5は、即湯運転モードにおける温度制御を説明するブロック図である。
図5を参照して、コントローラ10は、熱量算出部10Aと、燃焼制御部10Bとを含む。熱量算出部10A及び燃焼制御部10Bの機能は、コントローラ10によるソフトウェア処理、及び/又は、ハードウェア処理によって実現することができる。
【0053】
熱量算出部10Aは、温度制御のための燃焼機構30での発生熱量の指令値(Pset)を算出する。給湯装置では、発生熱量は「号数」を単位として演算されることが一般的である。号数=1は、1(L/分)の流量下で流体温度を25℃上昇させるのに必要な熱量に相当する。従って、以下では、発生熱量の指令値を号数指令値Psetとも称する。
【0054】
即湯運転モードにおいて、必要な昇温量ΔTは、温度センサ72による検出温度(戻り温度Tb)と、即湯運転モードでの設定温度Trとを用いて、ΔT=Tr-Tbで示される。例えば、燃焼機構30での発生熱量は、即湯循環経路での循環流量Qt(L/分)と、昇温量ΔTとの積に従い、下記の式(1)によって算出することができる。即湯運転モードでの設定温度Trは、給湯設定温度と同じ値でもよく、別の値でもよい。或いは、設定温度Trは、給湯設定温度と予め決められた温度差を有するように設定されてもよい。
【0055】
Pset=Qt×(Tr-Tb)/25 …(1)
循環流量Qtは、流量センサ82によって検出することができる。或いは、流量センサ81による流量検出値(熱交換器40の流量)を、バイパス流量比rを用いて、1/(1-r)倍することによっても、循環流量Qtを得ることができる。即ち、流量センサ81及び82の各々は、循環流量を検出するための「流量検出器」の一実施例に対応する。
【0056】
尚、号数指令値Psetの算出において、実際には、燃焼機構30による発生熱量のうちの熱交換器40での昇温に用いられる熱量の比率(熱効率)を考慮する必要があるが、式(1)では、説明を簡略化するために、熱効率は1.0であるものとしている。
【0057】
熱量算出部10Aは、号数指令値Psetを、最小号数Pmin~最大号数Pmaxの範囲内に制限して設定する。即ち、式(1)によって算出されたPsetがPmaxよりも大きい場合(Pset>Pmax)には、Pset=Pmaxに修正される。同様に、式(1)によって算出されたPsetがPminよりも小さい場合には(Pset<Pmin)、Pset=Pminに修正される。号数指令値Psetは「出力熱量指令値」に相当し、最小号数Pminは「最小熱量値」に相当し、最大号数Pmaxは「最大熱量値」に対応する。
【0058】
尚、式(1)における、循環流量Qtを、流量センサ81による流量検出値Qを上述の1/(1-r)倍した値に置換し、かつ、戻り温度Tbの項を温度センサ73による温度検出値(入水温度Tw)に置換し、設定温度Trを給湯設定温度に置換することで、熱量算出部10Aは、通常の給湯運転時においても、号数指令値Psetを共通に算出することができる。
【0059】
燃焼制御部10Bは、熱量算出部10Aからの号数指令値Psetと、温度センサ71による検出温度(出湯温度Th)と、即湯運転モードでの設定温度Trとに基づき、燃焼機構30の動作指令値を生成する。
【0060】
燃焼機構30は、複数のバーナ31a~31fと、比例弁34と、電磁弁36~38を有する。比例弁34は、元燃料供給管32と、燃料供給管33との間に配設される。比例弁34の開度によって、燃料供給管33へ供給される燃料流量が制御できる。複数のバーナ31a~31fの各々には、図示しない点火装置が配置されている。尚、バーナの本数は、任意の本数とすることが可能である。
【0061】
電磁弁36は、燃料供給管33と、1本のバーナ31aとの間に接続される。電磁弁37は、燃料供給管33と、2本のバーナ31b,31cとの間に接続される。電磁弁38は、燃料供給管33と、3本のバーナ31d~31fとの間に接続される。電磁弁36~38のオンオフにより、バーナ31a~31fでの燃焼をオンオフすることができる。従って、電磁弁36~38のオンオフ指令の組み合わせにより、燃料を燃焼するバーナの本数(以下、燃焼バーナ本数Nbrnとも称する)を制御できる。
【0062】
図5の例では、電磁弁36~38をオフすると、Nbrn=0であり、燃焼機構30は、燃焼オフ状態とされる。一方で、電磁弁36~38を全てオンするとNbrn=6であり、電磁弁36~38の一部をオンすることで、Nbrn=1~5を段階的に設定できる。電磁弁36~38の少なくとも1つがオンされた、燃焼オン状態では、燃焼機構30の発生熱量は、燃焼バーナ本数Nbrnと、燃料流量との組み合わせによって決まる。
【0063】
従って、燃焼制御部10Bによる燃焼機構30の動作指令値は、
図5の例では、電磁弁36~38のオンオフ指令と、比例弁34の開度指令値とを含む。
【0064】
燃焼制御部10Bには、号数指令値Psetに対応させて、燃焼バーナ本数、及び、燃料流量との組み合わせを決定するテーブルが予め記憶されている。燃焼制御部10Bは、当該テーブルの参照により、号数指令値Psetに従った熱量を発生するための、電磁弁36~38のオンオフ指令(燃焼バーナ本数)、及び、比例弁34の開度指令値(燃料流量)を生成することができる。
【0065】
一方で、燃焼制御部10Bは、燃焼機構30を燃焼停止状態に制御する場合には、電磁弁36~38の全てにオフ指令を生成する。流量センサ81による流量検出値Qが、最小作動流量MOQより低い場合には、燃焼機構30を停止するために、電磁弁36~38の全てにオフ指令が生成されるとともに、燃料の供給も遮断される。
【0066】
図6には、即湯運転モードでの温度制御の動作波形図の一例が示される。
図6を参照して、燃焼制御部10Bは、設定温度Trに従って設定された制御上限温度Trh及び制御下限温度Trlと、出湯温度Th(
温度センサ71)との比較に基づき、燃焼機構30での燃焼オンオフを制御する。
【0067】
図6では、循環流量Qtが小さいため、式(1)による算出値が最小号数Pminより低い状態が継続して、熱量算出部10Aによる号数指令値Pset=Pminに固定されている状態が例示される。この場合には、時刻t1以前において、燃焼機構30が最小号数Pminに従う熱量を出力する状態(以下「最小燃焼状態」とも称する)でも、出湯温度Thが設定温度Trを超えて上昇してしまう。
【0068】
尚、Pset=Pminの最小燃焼状態では、燃焼制御部10Bは、燃焼バーナ本数Nbrn=1とするために、電磁弁36をオンするとともに電磁弁37,38をオフする動作指令を出力する。更に、バーナ31aでの燃焼状態を安定化するための最小燃料の流量に対応させた、比例弁34の開度指令値が、燃焼制御部10Bから出力される。
【0069】
時刻t1において、出湯温度Thが制御上限温度Trhまで上昇すると、時刻t1から予め定められた時間T1(例えば、1秒程度)が経過した時刻t2において、燃焼制御部10Bは、燃焼機構30を燃焼停止状態に制御する。燃焼停止状態では、電磁弁36~38をオフする動作指令が、燃焼制御部10Bから出力される。
【0070】
時刻t2以降では、燃焼機構30から出力される熱量が0となるので、出湯温度Thは徐々に低下する。そして、時刻t3において、出湯温度Thが制御下限温度Trlまで低下すると、時刻t3から予め定められた時間T2(例えば、1秒程度)が経過した時刻t4において、燃焼制御部10Bは、燃焼機構30を燃焼オン状態に制御する。燃焼オン状態では、号数指令値Psetに従った熱量が燃焼機構30から出力されるように、燃焼機構30の動作指令が生成される。ここでは、時刻t2以前と同様に、Pset=Pminの最小燃焼状態に対応した燃焼機構30の動作指令が、燃焼制御部10Bから出力される。
【0071】
これにより、燃焼機構30が最小燃焼状態に制御される時刻t4以降では、時刻t2以前と同様に、出湯温度Thが上昇し、時刻t5で出湯温度Thが制御上限温度Trhまで上昇した後、時刻t5からT1が経過した時刻t6で燃焼機構30は、再び燃焼停止状態に制御される。
【0072】
このように、本実施の形態に係る給湯装置及び給湯システムでは、最小燃焼状態及び燃焼停止状態が交互に設けられる間欠燃焼を導入することで、即湯循環経路の流量が小さい場合(代表的には、Pset=Pminのケース)にも、出湯温度Thを過度に上昇させることなく、安定的に制御することができる。特に、ワックスサーモ210の挙動に伴う流量変化を直接判断することなく、通常の給湯運転時と共通に算出可能な号数指令値Psetを用いて、簡易な制御で、間欠燃焼を安定的に制御することができる。
【0073】
尚、
図6では、号数指令値Pset=Pminに固定されている状態を例示したが、Pset>Pminの状態においても同様の制御を適用することが可能である。即ち、Pset>Pminであっても、燃焼機構30の燃焼オン状態において、出湯温度Thが制御上限温度Trhまで上昇したことに応じて、燃焼機構30を燃焼停止状態に制御するとともに、燃焼機構30の燃焼オフ状態では、出湯温度Thが制御下限温度Trlまで低下したことに応じて、燃焼機構30を号数指令値Psetに従った燃焼オン状態に制御するこも可能である。
【0074】
次に、
図4に示した即湯運転モードの停止条件(J2)及び待機モードにおける即湯運転モードの再開条件(J3)について説明する。給湯システム1Aでは、流体温度に応じて、クロスオーババルブ200により即湯循環経路が形成又は遮断されるので、この点を考慮して、停止条件(J2)及び再開条件(J3)を設定することが必要である。尚、以下に説明する、停止条件(J2)及び再開条件(J3)の設定は、
図5及び
図6で説明した間欠燃焼制御との組み合わせてもよいが、間欠燃焼制御と組み合わせない場合にも実現可能である点について、確認的に記載する。
【0075】
図7は、即湯運転モードの停止条件の成立を判定する制御処理を説明するフローチャートである。
図7に示した制御処理は、即湯運転モード中に、コントローラ10により繰り返し実行される。
【0076】
図7を参照して、コントローラ10は、ステップ(以下、単に「S」と表記する)110において、循環流量Qtが予め定められた流量値(第1の流量値)まで低下したか否かを判定する。例えば、S110は、流量センサ81の流量検出値Qが最小作動流量(MOQ)よりも低いMOQオフ状態が一定時間(例えば、2~3秒)継続すると、YES判定とされる。この場合には、S110での最小作動流量(MOQ)が「第1の流量値」に対応する。
【0077】
更に、コントローラ10は、S120では、温度センサ72による温度検出値(戻り温度Tb)が上昇したか否かを判定する。例えば、戻り温度Tbが判定温度Tth1よりも上昇した状態が一定時間(例えば、1~2秒程度)継続すると、戻り温度Tbの上昇が検知されて、S120はYES判定とされる。S120での判定温度Tth1は「第1の判定温度」に対応する。
【0078】
コントローラ10は、循環流量の低下、及び、戻り温度Tbの上昇の両方が検知されないとき(S110及びS120のNO判定時)には、S130により、停止条件(J2)は不成立であると判定する。この結果、循環ポンプ80の作動が維持されて、即湯運転モードが継続される。
【0079】
一方、コントローラ10は、循環流量の低下、及び、戻り温度Tbの上昇の少なくとも一方を検知すると(S110又はS120のYES判定時)、S140により、即湯運転モードの停止条件(J2)が成立したと判定する。停止条件(J2)が成立すると、循環ポンプ80が停止されて、
図4において、即湯運転モードから待機モードへの遷移が発生する。待機モードでは、燃焼機構30も停止される。
【0080】
図7に示すように即湯運転モードの停止条件を設定することにより、即湯循環経路の流体温度上昇に伴ってクロスオーババルブ200内の感熱バイパス経路が閉塞した状態で、循環ポンプ80が作動することを防止できる。これにより、即湯循環経路が遮断された状態での循環ポンプ80の作動を回避することで、循環ポンプ80の寿命が低下することを防止できる。
【0081】
燃焼機構30及び循環ポンプ80が停止した待機モードでは、即湯循環経路の流体が滞留した状態で流体温度が徐々に低下する。一方で、クロスオーババルブ200を含む即湯循環経路では、待機モードを終了して、即湯運転モードを再開する際には、温度条件のみならず、クロスオーババルブ200内の感熱バイパス経路の状態についても確認が必要である。
【0082】
図8は、即湯運転モードの再開条件(J3)の成立を判定する制御処理を説明するフローチャートである。
図8に示した制御処理は、待機モード中に、コントローラ10により繰り返し実行される。
【0083】
図8を参照して、コントローラ10は、S210において、待機モード経過時間が予め定められた時間Tx(例えば、10分程度)相当の値に達したか否かを判定する。当該待機状態経過時間は、即湯運転モードから待機モードへの移行時に計時が開始される。
【0084】
コントローラ10は、待機モード経過時間がTxに達すると(S210のYES判定時)、S220により、即湯循環経路の流体温度が低下したか否かを判定する。
【0085】
S220では、温度センサ71又は72の検出温度(出湯温度Th、又は、戻り温度Tb)が、判定温度Tth2よりも低下した状態が一定時間(例えば、10秒程度)継続したときにYES判定とすることができる。例えば、判定温度Tth2は、即湯運転モードの設定温度Trよりも予め定められた温度γ(例えば、γ=5℃前後)を減算することで設定できる(Tth2=Tr-γ)。判定温度Tth2は「第2の判定温度」に対応する。
【0086】
コントローラ10は、待機モード経過時間がTxに達するまで(S210のNO判定時)、又は、即湯循環経路の流体温度が低下していないとき(S220のNO判定時)には、S270に処理を進めて、再開条件(J3)は不成立であると判定する。この結果、待機モードが継続されて、循環ポンプ80及び燃焼機構30の停止は維持される。
【0087】
一方で、コントローラ10は、待機モード経過時間がTxに達し、かつ、即湯循環経路の流体温度が低下すると(S210及びS220のYES判定時)、S230により、循環ポンプ80を作動させるとともに、S240により、循環流量Qtが予め定められた流量値(第2の流量値)まで上昇するか否かを判定する。例えば、S240では、循環ポンプ80の作動(S230)から一定時間内(例えば、1分程度)に、流量センサ81(又は流量センサ82)による流量検出値が最小作動流量(MOQ)よりも上昇したMOQオンが検出されるか否かが判定される。
【0088】
コントローラ10は、一定時間内にMOQオンが検出されない場合には、S240をNO判定とする。この場合には、S260により、待機モード経過時間を計測するタイマ値がクリアされる。更に、S270により、再開条件(J3)は不成立であると判定されて、待機モードが継続される。これにより、再び、Tx(分)が経過するまで、S210はNO判定に維持されて、循環ポンプ80は作動しない。即ち、S210でのTxは「第1の時間」に相当する。
【0089】
一方で、コントローラ10は、循環ポンプ80の作動に応じたMOQオンを検出すると、S240をYES判定として、S250により、即湯運転モードの再開条件(J3)が成立したと判定する。再開条件(J3)が成立すると、
図4において、待機モードから即湯運転モードへの遷移が発生するので、S230からの循環ポンプ80の作動が維持される。
【0090】
図8に示すように即湯運転モードの再開条件を設定することにより、滞留する流体温度の低下に応じて循環ポンプ80を作動する際に、クロスオーババルブ200内の感熱バイパス経路が閉塞した状態で、循環ポンプ80が継続的に作動する即湯運転モードが再開されることを防止できる。これにより、循環ポンプ80の寿命が低下することを防止できる。
【0091】
又、S210による待機モード経過時間の判定を組み合わせることで、クロスオーババルブ200内の感熱バイパス経路が閉塞している状態での循環ポンプ80の作動回数を減少することができる。
【0092】
給湯システム1Aでは、循環ポンプ80の作動によって形成される即湯循環経路の異常診断についても、クロスオーババルブ200内の感熱バイパス経路の影響を考慮することが好ましい。
【0093】
図9は、即湯運転モードで実行される即湯循環経路の異常診断の制御処理を説明するフローチャートである。
【0094】
図9を参照して、コントローラ10は、S310により、
図4に示された即湯運転オフモードから即湯運転
オンモードへの遷移を検知すると(S310のYES判定時)、S320により、燃焼機構30での前回の燃焼が停止してから予め定められた時間Tc(例えば、5~6時間程度)が経過しているか否かを判定する。S310は、タイマ等による、即湯運転の実行期間の開始時にのみYES判定とされ、当該即湯運転の実行期間の継続中には、NO判定とされる。コントローラ10は、S310又はS320がNO判定であると、S315により、即湯循環経路の異常判定を非実行とする。Tcは「第2の時間」に相当する。
【0095】
一方で、コントローラ10は、S310及びS320の両方がYES判定であるときに限定して、S330に処理を進めて、即湯循環経路の異常判定を起動する。
【0096】
異常判定が起動されると、コントローラ10は、S332により、循環ポンプ80を作動する。循環ポンプ80の作動状態において、S334では、循環流量Qtが診断基準流量Qtstよりも上昇するか否かが判定される。S334では、流量センサ81又は82の流量検出値に基づく循環流量Qtが、予め定められた診断基準流量Qtstと比較される。
【0097】
コントローラ10は、循環ポンプ80の作動(S332)から一定時間内(例えば、1分程度)に、循環流量Qtが診断基準流量Qtstを超えたことが検出されない場合には、S334をNO判定として、処理をS335に進める。S335では、異常カウント値Ncntが1増加されて、増加後の異常カウント値Ncntが、S336により、予め設定された判定値Nthと比較される。
【0098】
コントローラ10は、異常カウント値Ncntが判定値Nthに達すると(S336のYES判定時)、S338により、即湯循環経路の異常を検出する。この場合には、図2の報知装置95を用いて、ユーザに対して当該異常の発生が報知される。
【0099】
一方で、循環ポンプ80の作動(S332)により循環流量Qtが診断基準流量Qtstを超えたことが検出されたとき(S334のYES判定時)、又は、異常カウント値Ncntが判定値Nthに達するまでの間(S336のNO判定時)には、S339により、異常を検知せずに、即湯循環経路の異常判定が終了される。この場合には、次回の即湯運転の実行期間の開始時に、S310がYES判定とされるのに応じて、S320以降の処理が再び実行される。
【0100】
図9に示された即湯循環経路の異常診断では、S310及びS320の判定により、クロスオーババルブ200が確実に低温状態であり、感熱バイパス経路が形成されているタイミングに限定して、異常診断を起動することができる。この結果、即湯循環経路の異常の誤検出を防止することができる。又、クロスオーババルブ200内の感熱バイパス経路が閉塞した状態で、循環ポンプ80を無用に作動することも回避できる。
【0101】
尚、S334のYES判定により、S339により異常検出しない場合には、当該時点における、異常カウント値Ncntを初期値(0)にクリアすることも可能である。この場合には、前回検知されたS334のNO判定が、異物の詰まり等に起因する一時的な現象である可能性を考慮するものである。
【0102】
又、
図9に示された即湯循環経路の異常診断についても、
図5及び
図6で説明した間欠燃焼制御、及び/又は、
図7及び
図8で説明したモード遷移条件と組み合わせてもよいが、これらと組み合わせない場合にも実現可能である点について、確認的に記載する。
【0103】
次に、本実施の形態による給湯装置及び給湯システムの構成の変形例について更に説明する。
【0104】
図10には、本実施の形態の変形例に係る給湯装置及び給湯システムの構成の変形例を説明するブロック図が示される。
【0105】
図10を参照して、給湯システム1Bは、給湯装置100Xと、低温水配管110と、高温水配管120と、クロスオーババルブ200とを備える。給湯装置100Xは、循環ポート13を具備することなく、入水ポート11及び出湯ポート12を有する。従って、給湯装置100Xの内部には、
図1の給湯装置100とは異なり、循環経路28が設けられない。
【0106】
逆止弁112を介して低温水の供給を受ける低温水配管110は、給湯装置100Xの入水ポート11と接続される第一端と、クロスオーババルブ200のポート202と接続される第二端とを有する。クロスオーババルブ200と、低温水配管110、高温水配管120、及び、給湯栓330との接続は、
図1に示した給湯システム1Aと同様である。循環ポンプ80は、入水ポート11に対して接続される。
【0107】
給湯システム1Bにおいて、給湯運転時には、低温水配管110から入水ポート11に導入された低温水の少なくとも一部が、加熱機構(燃焼機構30及び熱交換器40)によって加熱される。給湯システム1Aと同様に、加熱によって得られた高温水は、出湯ポート12及び高温水配管120、並びに、クロスオーババルブ200(流路Pa)を経由して、給湯栓330から出力される。これにより、給湯装置100Xでも、給湯装置100と同様に給湯運転を実行できる。
【0108】
即湯運転モードでは、閉栓時に循環ポンプ80が作動することにより、給湯装置
100Xの外部に、出湯ポート12から、高温水配管120、クロスオーババルブ200(感熱バイパス経路Pc)、及び、低温水配管110を経由して、入水ポート11に至る流体経路(外部経路)を形成することができる。更に、給湯装置100Xの内部において、
図1と同様に、入水ポート11、入水経路20、熱交換器40(加熱機構)、出湯経路25、及び、出湯ポート12を通過する内部経路を形成することができる。当該内部経路及び外部経路によって、給湯システム1Bにおいても、即湯循環経路を形成することができる。
【0109】
給湯システム1Bにおいても、流量センサ81によって即湯循環経路の循環流量Qtを検出することができ、かつ、温度センサ73によって、即湯循環経路での戻り温度Tbを検出することができる。従って、給湯システム1Bにおいても、給湯システム1Aと同様に、即湯運転モードにおいて、
図5及び
図6で説明した間欠燃焼制御を適用することができる。更に、給湯システム1Bにおいても、
図4、
図7、及び、
図8に従って、即湯運転モードを含むモード遷移を制御することが可能であるとともに、
図9に従って、即湯循環経路の異常診断を実行することが可能である。
【0110】
尚、本実施の形態で示した、特許文献1に記載されたクロスオーババルブ200は、「感熱止水バイパス弁」の一例に過ぎず、温度に応じて形成及び閉塞が切替えられる感熱バイパス経路を有するバルブであれば、本実施の形態において、クロスオーババルブ200に代えて用いることが可能である。
【0111】
尚、給湯システム1A及び1Bにおいて、循環ポンプ80は、上記と同様の即湯循環経路を形成可能であれば、
図1及び
図10での例示に限定されず、給湯装置100の外部又は内部の任意の個所に配置することができる。即ち、循環ポンプ80が給湯装置100に内蔵されない構成においても、循環ポンプ80の停止及び作動を制御するコントローラ10を備えることによって、本実施の形態で説明した即湯運転モードを実現することが可能である。
【0112】
又、本実施の形態では、給湯装置100及び100Xがバイパス構成(バイパス経路29及び流量調整弁90)を有する例を説明したが、給湯装置100及び100Xからバイパス構成を除いた構成としても、本実施の形態で説明した即湯運転モードを実現することが可能である。
【0113】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0114】
1A,1B 給湯システム、10 コントローラ、10A 熱量算出部、10B 燃焼制御部、11 入水ポート、12 出湯ポート、13 循環ポート、16 メモリ、17 入出力回路、18 電子回路、19 バス、20 入水経路、21,112 逆止弁、22 接続点、25 出湯経路、28 循環経路、29 バイパス経路、30 燃焼機構、31a~31f バーナ、32 元燃料供給管、33 燃料供給管、34 比例弁、36~38 電磁弁、40 熱交換器、71~73 温度センサ、80 循環ポンプ、81,82 流量センサ、90 流量調整弁、92 リモートコントローラ、95 報知装置、100,100X 給湯装置、110 低温水配管、120 高温水配管、200 クロスオーババルブ、201,202,203,204 ポート、210 ワックスサーモ、330 給湯栓、331 バルブ、Pa,Pb 流路、Pc 感熱バイパス経路、Pmax 最大号数、Pmin 最小号数、Pset 号数指令値、Q 流量検出値、Qt 循環流量、Qtst 診断基準流量、Tb 戻り温度(温度センサ72)、Th 出湯温度(温度センサ71)、Tr 設定温度(即湯運転モード)、Trh 制御上限温度、Trl 制御下限温度。