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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】製本装置
(51)【国際特許分類】
   B42C 19/08 20060101AFI20230712BHJP
   B65H 5/10 20060101ALI20230712BHJP
   B65H 31/38 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
B42C19/08
B65H5/10 A
B65H31/38
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019146004
(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2021024232
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000113403
【氏名又は名称】ホリゾン・インターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】神原 完太
(72)【発明者】
【氏名】福田 繁伸
(72)【発明者】
【氏名】脇本 茂
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特許第3165954(JP,B2)
【文献】特開2006-103323(JP,A)
【文献】特開平07-089258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42C 19/08
B65H 5/10
B65H 31/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙束を背が下向きになる配置で起立状態に把持し、所定の経路に沿って移動する少なくとも1つのクランパを備え、
前記少なくとも1つのクランパは、
前記用紙束の供給を受ける開位置と、前記用紙束を把持する閉位置とをとる一対のクランプ板と、
前記少なくとも1つのクランパの移動方向一端において、前記一対のクランプ板の間隙を横切って前記一対のクランプ板に直交する方向にのび、前記一対のクランプ板間に供給された前記用紙束の天または地が当接する整合バーと、を有し、さらに、
前記経路に沿って並設された、製本処理を行う複数の処理ユニットを備え
経路の側方の用紙束受取位置に送給された前記用紙束を、前記経路上の用紙束供給位置に停止した前記少なくとも1つのクランパに供給する用紙束供給ユニットを備え、
前記用紙束供給位置における前記用紙束供給位置に停止した前記少なくとも1つのクランパの下方に、前記開位置をとる前記一対のクランプ板間に供給された前記用紙束の下面を支持する水平プレートが配置された製本装置において、
前記用紙束が、背が下向きになる配置で起立し、揃えられた状態で前記用紙束受取位置に送給され、
前記用紙束供給ユニットは、
前記用紙束受取位置に送給された前記用紙束を把持し、前記用紙束供給位置に停止した前記一対のクランプ板間に供給するニップヘッドと、
前記ニップヘッドを前記用紙束受取位置および前記用紙束供給位置間において移動させるニップヘッド移動機構と、を有し、
前記ニップヘッドが、
それぞれ前記用紙束供給位置に停止した前記一対のクランプ板に平行にのびる第1のニップ板および第2のニップ板と、
前記第1のニップ板および第2のニップ板のそれぞれを長さ方向に運動させるとともに、前記第2のニップ板を前記第1のニップ板に対して平行移動させ、前記第1のニップ板と前記第2のニップ板の間に前記用紙束を受け入れる第1の位置と、前記第1のニップ板と前記第2のニップ板とで前記用紙束を把持する第2の位置とをとらせるニップ板駆動機構と、を有し、
前記ニップヘッドが前記用紙束を前記一対のクランプ板間に供給するとき、前記ニップヘッドに把持された前記用紙束が前記一対のクランプ板間において前記水平プレート上に置かれ、かつ前記ニップヘッドが前記クランパの前記整合バーに関し前記一対のクランプ板の反対側に位置するものであることを特徴とする製本装置。
【請求項2】
前記ニップヘッドの前記ニップ板駆動機構は、
前記ニップヘッドに固定されるとともに、前記第1のニップ板を支持して、前記第1のニップ板を長さ方向に突出位置および退避位置間において運動させる第1のニップ板作動ユニットと、
前記第2のニップ板を支持して、前記第2のニップ板を長さ方向に前記突出位置および前記退避位置間において運動させる第2のニップ板作動ユニットと、
前記ニップヘッドに固定され、前記第1のニップ板作動ユニットおよび前記第2のニップ板作動ユニット間において前記第1のニップ板および前記第2のニップ板に直交する方向にのびるスライドガイドと、を有し、
前記第2のニップ板作動ユニットが前記スライドガイドにスライド可能に取り付けられ、さらに、
前記ニップヘッドに取り付けられて、前記第2のニップ板作動ユニットをスライドさせる駆動機構を有していることを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
【請求項3】
前記用紙束受取位置に送給された前記用紙束が、前記用紙束供給位置に停止した前記少なくとも1つのクランパの前記一対のクランプ板の真横に位置し、
前記用紙束供給ユニットの前記ニップヘッド移動機構は、
前記用紙束受取位置の上方において、前記用紙束供給位置に停止した前記一対のクランプ板に直交する向きにのびる別のスライドガイドと、
前記別のスライドガイドにスライド可能に取り付けられたスライダと、
前記スライダをスライド運動させるスライダ駆動機構と、
前記スライダに取り付けられ、前記ニップヘッドを昇降可能に支持する昇降機構と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
【請求項4】
前記用紙束供給位置に配置され、前記用紙束供給位置に停止した前記少なくとも1つのクランパの前記整合バーに平行にのび、前記用紙束が前記開位置をとる前記一対のクランプ板間に供給された後、前記一対のクランプ板の間隙を横切る配置で、前記一対のクランプ板間の前記用紙束における前記整合バーから遠い方の端面を前記整合バーに向けて押す突き揃えバーをさらに備えたものであることを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
【請求項5】
用紙束を起立状態に把持し、所定の経路に沿って移動する少なくとも1つのクランパと、
用紙束供給位置に配置される前記クランパに前記用紙束を供給する用紙束供給ユニットと、を備え、
前記クランパは、
前記用紙束の供給を受ける開位置と、前記用紙束を把持する閉位置との間で移動可能な一対のクランプ板と、
前記クランパの前記経路に沿った方向の一端において、前記一対のクランプ板に直交する方向にのび、前記一対のクランプ板間に供給された前記用紙束が当接する整合バーと、を有し、
前記用紙束供給ユニットは、
用紙束受取位置に送給された前記用紙束を把持するニップヘッドと、
前記ニップヘッドを前記用紙束受取位置および前記用紙束供給位置間において移動させるニップヘッド移動機構と、を有し、
前記ニップヘッドが、
それぞれ前記一対のクランプ板に平行にのびる一対のニップ板と、
前記一対のニップ板のそれぞれを長さ方向に運動させるとともに、第2のニップ板を第1のニップ板に対して平行移動させ、前記第1のニップ板と前記第2のニップ板の間に前記用紙束を受け入れる第1の位置と、前記第1のニップ板と前記第2のニップ板とで前記用紙束を把持する第2の位置とをとらせるニップ板駆動機構と、を有し、
前記ニップ板駆動機構は、前記用紙束供給位置において前記一対のニップ板による前記用紙束の把持を解除した後に、前記一対のニップ板の少なくともいずれか一方を、前記用紙束を前記整合バーに向けて押す方向に退避させることを特徴とする製本装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製本装置、特に、用紙束を挟持し、所定の経路に沿って移動し得るクランパと、経路に沿って配置されて製本処理を行う一連の処理ユニットと、経路上の一連の処理ユニットよりも上流側の用紙束供給位置において、クランパに用紙束を供給する用紙束供給ユニットとを備えた製本装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の製本装置用用紙束供給装置として、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載の製本装置用用紙束供給装置は、印刷機または複写機と、製本装置との間に配置されている。
【0003】
製本装置は、用紙束を把持し、所定の経路に沿って移動し得るクランパと、経路に沿って配置されて製本処理を行う一連の処理ユニット(ミリングユニット、糊付けユニットおよび表紙付けユニット)とを備え、経路上の一連の処理ユニットよりも上流側に用紙束供給位置が設けられている。
【0004】
クランパは、用紙束を受け入れる開位置と、用紙束の両側を挟持する閉位置とをとる一対のクランプ板を有し、用紙束供給位置において、クランパの一対の開位置をとるクランプ板の間に用紙束供給ユニットによって用紙束が供給された後、一対のクランプ板が閉位置をとり、その後、クランパが用紙束供給位置を離れて一連の製本処理ユニットを順次通過する間に、用紙束が製本される。
【0005】
製本装置用用紙束供給装置は、印刷機または複写機から排出される用紙を順次上下に積み重ねて用紙束を形成する用紙集積部と、用紙集積部から受け取った用紙束を水平に搬送する搬送部と、搬送部から受け取った用紙束を90°旋回させ、用紙束を起立状態で用紙束供給位置のクランパに供給する旋回部とを有している。
【0006】
搬送部は、搬送方向に間隔をあけて配置され、それぞれ搬送方向に直角にのびる一対のローラと、一対のローラ間に掛け渡されたエンドレスベルトと、一対のローラを回転させる駆動機構と、エンドレスベルトに突設されたプッシャとを有している。
【0007】
そして、エンドレスベルトの回転運動に伴って、プッシャが搬送方向に運動し、用紙集積部から用紙束が水平方向に旋回部に向かって搬送される。
【0008】
旋回部は、用紙束を受け入れる開位置と、用紙束を把持する閉位置とをとる一対の把持板と、昇降可能な架台と、L字形状をなし、一端に一対の把持板が取り付けられ、他端において架台に取り付けられて搬送部の搬送方向に直角な水平軸のまわりに回動し得るアームと、アームを正逆回転させる駆動機構とを有している。
【0009】
アームは、架台が上昇位置にあるとき、一対の把持板が搬送部の出口において搬送方向にのびる水平位置と、一対の把持板が用紙束供給位置に停止したクランパの上方において一対のクランプ板に平行にのびる垂直位置との間で回動し得る。
【0010】
旋回部は、また、アームが水平位置をとりかつ一対の把持板が開位置をとるとき、一対の把持板の搬送部出口から遠ざかる端に対置された垂直なストッパを有している。
【0011】
そして、アームが水平位置をとりかつ一対の把持板が開位置をとるとき、用紙束が、搬送部から一対の把持板間に、背がストッパに当接するまで導入された後、一対の把持板が閉位置をとる。それによって、用紙束の各用紙が揃えられた状態で、用紙束が一対の把持板に把持される。
【0012】
その後、アームが水平位置から垂直位置まで回動し、用紙束を把持した一対の把持板は、用紙束供給位置に停止したクランパの、開位置をとる一対のクランプ板の間隙の真上に位置する。
【0013】
次いで、架台が、用紙束の下端面(背)が用紙束供給位置のレベル板に当接するまで下降し、一対の把持板が開位置をとった後、架台が上昇を開始し、一対の把持板が一対のクランプ板間から抜かれる。そして、一対のクランプ板が閉位置をとり、用紙束供給装置によるクランパへの用紙束の供給が完了する。
【0014】
その後、クランパが用紙束供給位置を離れて一連の処理ユニットを順次通過する間に、用紙束が製本される。
【0015】
しかしながら、この構成によれば、用紙束が用紙束供給装置によって一対のクランプ板間に挿入されて、用紙束供給装置の一対の把持板が一対のクランプ板から上方に抜かれる際に、用紙束を形成する用紙が、把持板との間に生じる静電気力および/または摩擦力によって、把持板に追従して上方にずれることがある。
【0016】
この場合、上方にずれた用紙を再度揃える手段はなく、そのため用紙束は不揃いの状態でクランパに挟持され、製本されてしまう。その結果、製本の仕上がりが悪くなり、あるいは不良品が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】特許第3165954号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、本発明の課題は、用紙束を常に揃えられた状態でクランパに供給できる用紙束供給ユニットを備えた製本装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するため、本発明によれば、用紙束を背が下向きになる配置で起立状態に把持し、所定の経路に沿って移動する少なくとも1つのクランパを備え、前記少なくとも1つのクランパは、用紙束の供給を受ける開位置と、用紙束を把持する閉位置とをとる一対のクランプ板と、前記少なくとも1つのクランパの移動方向一端において、前記一対のクランプ板の間隙を横切って前記一対のクランプ板に直交する方向にのび、前記一対のクランプ板間に供給された用紙束の天または地が当接する整合バーと、を有し、さらに、前記経路に沿って並設された、製本処理を行う複数の処理ユニットを備え、前記経路における最上流側の前記処理ユニットの上流側に用紙束供給位置が設けられるとともに、前記経路に関し前記用紙束供給位置の一側に用紙束受取位置が設けられ、さらに、前記用紙束受取位置に送給された用紙束を、前記用紙束供給位置に停止した前記少なくとも1つのクランパに供給する用紙束供給ユニットを備え、前記用紙束供給位置における前記用紙束供給位置に停止した前記少なくとも1つのクランパの下方に、前記開位置をとる前記一対のクランプ板間に供給された用紙束の下面を支持する水平プレートが配置された製本装置において、用紙束が、背が下向きになる配置で起立し、揃えられた状態で前記用紙束受取位置に送給され、前記用紙束供給ユニットは、前記用紙束受取位置に送給された用紙束を把持し、前記用紙束供給位置に停止した前記一対のクランプ板間に供給するニップヘッドと、前記ニップヘッドを前記用紙束受取位置および前記用紙束供給位置間において移動させるニップヘッド移動機構と、を有し、前記ニップヘッドが、それぞれ前記用紙束供給位置に停止した前記一対のクランプ板に平行にのびる第1および第2のニップ板と、前記第1および第2のニップ板のそれぞれを長さ方向に、前記ニップヘッドから突出する突出位置および前記ニップヘッド内に引っ込む退避位置間において運動させるとともに、前記突出位置をとる前記第2のニップ板を前記突出位置をとる前記第1のニップ板に対して平行移動させ、前記第1のニップ板との間に用紙束を受け入れる第1の位置と、前記第1のニップ板と協働して前記用紙束を把持する第2の位置とをとらせるニップ板駆動機構と、を有し、前記ニップヘッドが用紙束を前記一対のクランプ板間に供給するとき、前記ニップヘッドに把持された用紙束が前記一対のクランプ板間において前記水平プレート上に置かれ、かつ前記ニップヘッドが前記クランパの前記整合バーに関し前記一対のクランプ板の反対側に位置するものであることを特徴とする製本装置が提供される。
【0020】
本発明の好ましい実施例によれば、前記ニップヘッドの前記ニップ板駆動機構は、前記ニップヘッドに固定されるとともに、前記第1のニップ板を支持して、前記第1のニップ板を長さ方向に前記突出位置および前記退避位置間において運動させる第1のニップ板作動ユニットと、前記第2のニップ板を支持して、前記第2のニップ板を長さ方向に前記突出位置および前記退避位置間において運動させる第2のニップ板作動ユニットと、前記ニップヘッドに固定され、前記第1および第2のニップ板作動ユニット間において前記第1および第2のニップ板に直交する方向にのびるスライドガイドと、を有し、前記第2のニップ板作動ユニットが前記スライドガイドにスライド可能に取り付けられ、さらに、前記ニップヘッドに取り付けられて、前記第2のニップ板作動ユニットをスライドさせる駆動機構を有している。
【0021】
本発明の別の好ましい実施例によれば、前記用紙束受取位置に送給された用紙束が、前記用紙束供給位置に停止した前記少なくとも1つのクランパの前記一対のクランプ板の真横に位置し、前記用紙束供給ユニットの前記ニップヘッド移動機構は、前記用紙束受取位置の上方において、前記用紙束供給位置に停止した前記一対のクランプ板に直交する向きにのびる別のスライドガイドと、前記別のスライドガイドにスライド可能に取り付けられたスライダと、前記スライダをスライド運動させるスライダ駆動機構と、前記スライダに取り付けられ、前記ニップヘッドを昇降可能に支持する昇降機構と、を有している。
【0022】
本発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記製本装置は、さらに、前記用紙束供給位置に配置され、前記用紙束供給位置に停止した前記少なくとも1つのクランパの前記整合バーに平行にのび、用紙束が前記開位置をとる前記一対のクランプ板間に供給された後、前記一対のクランプ板の上側または下側の間隙を横切る配置で、前記一対のクランプ板間の用紙束における前記整合バーから遠い方の端面を前記整合バーに向けて押す突き揃えバーを備えている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、クランパが整合バーを有し、クランパの一対のクランプ板間に供給された用紙束の天または地が整合バーに当接する製本装置において、用紙束供給ユニットのニップヘッドが、用紙束供給位置に停止した一対のクランプ板に平行にのびる第1および第2のニップ板と、各ニップ板を長さ方向に、ニップヘッドから突出する突出位置およびニップヘッド内に引っ込む退避位置間において運動させるとともに、突出位置をとる第2のニップ板を突出位置をとる第1のニップ板に対し平行移動させ、第1のニップ板との間に用紙束を受け入れる第1の位置と、第1のニップ板と協働して用紙束を把持する第2の位置をとらせるニップ板駆動機構を有し、ニップヘッドが用紙束を一対のクランプ板間に供給するとき、ニップヘッドに把持された用紙束が一対のクランプ板間において水平プレート上に置かれ、かつニップヘッドがクランパの整合バーに関し一対のクランプ板の反対側に位置するようにした。
【0024】
そして、ニップヘッドの第2のニップ板を第2の位置から第1の位置まで動かした(用紙束の把持の解除)後、第1のニップ板を突出位置から退避位置まで動かすことによって、あるいは、ニップヘッドの第2のニップ板を第2の位置から第1の位置まで動かした(用紙束の把持の解除)後、第1および第2のニップ板を突出位置から退避位置まで動かすことによって、用紙束の供給を行う。
【0025】
つまり、ニップヘッドの第1および第2のニップ板による用紙束の把持の解除後、第1のニップ板のみ、または第1および第2のニップ板の両方を、用紙束がクランパの整合バーに当接する向きに退避させる。
【0026】
そのため、一対のクランプ板間に供給された用紙束の用紙が、ニップヘッドの第1および第2のニップ板の退避運動に追従してずれることはない。
【0027】
こうして、用紙束を常に揃えられた状態でクランパに供給することができ、その結果、不良製本の発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の1実施例による製本装置の用紙束供給位置の付近の構成を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のX方向に見た側面図である。
図2】同製本装置のクランパへの用紙束供給動作を説明する図1(A)に類似の図である。
図3】同製本装置のクランパへの用紙束供給動作を説明する図1(A)に類似の図である。
図4】同製本装置のクランパへの用紙束供給動作を説明する図1(A)に類似の図である。
図5】同製本装置のクランパへの用紙束供給動作を説明する図1(B)に類似の図である。
図6】同製本装置のクランパへの用紙束供給動作を説明する図1(B)に類似の図である。
図7】同製本装置のクランパへの用紙束供給動作を説明する図1(B)に類似の図である。
図8】同製本装置の用紙束供給ユニットの第2のニップ板および第2のニップ板作動ユニットの拡大図であり、(A)は第2のニップ板のフラップが通常位置にあるときの平面図であり、(B)は(A)のX方向に見た側面図であり、(C)は(A)のY方向から見た側面図であり、(D)はフラップが通常位置から回動した状態を示す(C)に類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の構成を好ましい実施例に基づいて説明する。
図1(A)は、本発明の1実施例による製本装置の用紙束供給位置の付近の構成を示す平面図であり、図1(B)は、図1(A)のX方向に見た側面図である。また、図2図4は、同製本装置のクランパへの用紙束供給動作を説明する図1(A)に類似の図であり、図5図7は、同製本装置のクランパへの用紙束供給動作を説明する図1(B)に類似の図である。
【0030】
図1図7を参照して、本発明の製本装置は、用紙束Sを背が下向きになる配置で起立状態に把持し、所定の経路Fに沿って移動する少なくとも1つのクランパ1を備えている。
【0031】
クランパ1は、用紙束Sを受け入れる開位置と、用紙束Sの表裏面を把持する閉位置とをとる一対のクランプ板1a、1bを有している。一対のクランプ板1a、1bは、垂直な固定クランプ板1aと垂直な可動クランプ板1bとから構成されている。
【0032】
また、一対の作動ロッド2a、2bが、固定クランプ板1aにおけるクランパ1の移動方向両端を固定クランプ板1aに対し垂直に貫通してのび、可動クランプ板1bが一対の作動ロッド2a、2bの先端に固定されている。
【0033】
そして、図示されないクランプ板駆動機構によって、一対の作動ロッド2a、2bがそれぞれ軸方向に運動せしめられることで、可動クランプ板1bが固定クランプ板1aに対し近接および離間し、それによって、クランパ1が開位置と閉位置をとる。
【0034】
図1(B)および図5図7から明らかなように、固定クランプ板1aが作動ロッド2a、2bから上方にのびる一方、可動クランプ板1bの上端は作動ロッド2a、2bとほぼ同じ高さ位置にある。
【0035】
一対の作動ロッド2a、2b間の間隔は、用紙束Sの天地方向の長さよりも大きくなるように設定されており、一対の作動ロッド2a、2bのうちの一方の作動ロッド2bは、一対のクランプ板1a、1b間に供給された用紙束Sの天または地が当接する整合バーとしても機能する。
【0036】
製本装置は、また、経路Fに沿って並設された、製本処理を行う複数の処理ユニット(図示はされないが、ミリングユニット、糊付けユニットおよび表紙付けユニット等々)を備えている。
【0037】
経路Fにおける最上流側の処理ユニットの上流側に用紙束供給位置Pが設けられ、経路Fに関し用紙束供給位置Pの一側(この実施例では、用紙束供給位置Pに停止したクランパ1の可動クランプ板1bの外側)に用紙束受取位置Qが設けられている。
【0038】
この実施例では、用紙束受取位置Qは、用紙束供給位置Pに停止した一対のクランプ板1a、1bの真横に位置し、用紙束Sが、背が下向きになる配置で起立し揃えられた状態で用紙束受取位置Qに送給されるようになっている。
【0039】
製本装置は、さらに、用紙束受取位置Qに送給された用紙束Sを、用紙束供給位置Pに停止したクランパ1に供給する用紙束供給ユニット3を備えている。
【0040】
用紙束供給位置Pにおける、用紙束供給位置Pに停止したクランパ1の下方に、開位置をとる一対のクランプ板1a、1b間に供給された用紙束Sの下面を支持する水平プレート4が配置されている。
【0041】
用紙束供給位置Pに停止したクランパ1の可動クランプ板1bの外側であって、クランパ1の他方の作動ロッド2a側には、作動ロッド2a、2bに平行にのび、軸方向および当該軸方向に直交する方向に運動し得る突き揃えバー5と、突き揃えバー5を運動させる突き揃えバー駆動機構6とが配置されている。
【0042】
突き揃えバー駆動機構6は、作動ロッド2a、2bに直角にのびる水平なスライドガイド6aと、スライドガイド6aにスライド可能に取り付けられたスライダ6bと、スライドガイド6aに取り付けられ、スライダ6bを動かすスライダ駆動機構6cと、スライダ6bに取り付けられ、作動ロッド2a、2bに平行にのびるリニアアクチュエータ(シリンダ)6dとを有している。
【0043】
突き揃えバー5は、スライダ6bに取り付けられたガイド(図示されない)によって軸方向に運動可能に案内されるとともに、後端においてリニアアクチュエータ6dの作動ロッド(図示されない)に固定されている。
【0044】
そして、突き揃えバー5は、リニアアクチュエータ6dによって、軸方向に、クランパ1の移動経路から退避した後退位置と、開位置をとる一対のクランプ板1a、1bの可動クランプ板1bの上側から一対のクランプ板1a、1b間に突出し、一対のクランプ板1a、1b間の間隙を横切ってのびる前進位置との間で運動し得る。
【0045】
さらに、前進位置をとる突き揃えバー5は、スライダ6bがスライダ駆動機構6cによってスライド運動せしめられるのに伴い、水平方向に、作動ロッド2aの真上の待機位置と、開位置をとる一対のクランプ板1a、1b間に供給された用紙束Sの作動ロッド(整合バー)2bから遠い方の端面を、作動ロッド(整合バー)2bに向けて押す突き揃え位置との間で運動し得る。
【0046】
用紙束供給ユニット3は、用紙束受取位置Qに送給された用紙束Sの表裏面を把持して用紙束供給位置Pまで移動し、用紙束供給位置Pに停止した開位置をとる一対のクランプ板1a、1b間に供給するニップヘッド7と、ニップヘッド7を用紙束受取位置Qおよび用紙束供給位置P間において移動させるニップヘッド移動機構8とを有している。
【0047】
ニップヘッド7は、用紙束供給位置Pに停止した一対のクランプ板1a、1bに平行にのびる第1および第2のニップ板9、10と、各ニップ板9、10を長さ方向に、ニップヘッド7から突出する突出位置およびニップヘッド7内に引っ込む退避位置間において運動させるとともに、突出位置をとる第2のニップ板(用紙束供給位置Pから遠い方のニップ板)10を突出位置をとる第1のニップ板(用紙供給位置Pに近い方のニップ板)9に対し平行移動させて、第1のニップ板9との間に用紙束Sを受け入れる第1の位置と、第1のニップ板9と協働して用紙束Sの表裏面を把持する第2の位置とをとらせるニップ板駆動機構11とを有している。
【0048】
ニップ板駆動機構11は、この実施例では、ニップヘッド7に固定されるとともに、第1のニップ板9を支持して、第1のニップ板9を長さ方向に突出位置および退避位置間において運動させる第1のニップ板作動ユニット12と、第2のニップ板10を支持して、第2のニップ板10を長さ方向に突出位置および退避位置間において運動させる第2のニップ板作動ユニット13と、ニップヘッド7に固定され、第1および第2のニップ板作動ユニット12、13間において第1および第2のニップ板9、10に直交する方向にのびるスライドガイド14とを有し、第2のニップ板作動ユニット13がスライドガイド14にスライド可能に取り付けられている。
【0049】
ニップ板駆動機構11は、さらに、ニップヘッド7に取り付けられて、第2のニップ板作動ユニット13をスライドさせる駆動機構15を有している。
【0050】
この実施例では、第1のニップ板作動ユニット12は、ニップヘッド7に固定されて第1のニップ板9の長さ方向にのび、第1のニップ板9がスライド可能に取り付けられた水平なスライドガイド12aと、ニップヘッド7に固定されてスライドガイド12aに平行にのびるリニアアクチュエータ(シリンダ)12bを有している。そして、リニアアクチュエータ12bの作動ロッドに第1のニップ板9の基部が取り付けられ、第1のニップ板9はリニアアクチュエータ12bによって突出位置と退避位置の間で運動せしめられる。
【0051】
また、第2のニップ板作動ユニット13は、第1のニップ板作動ユニット12のスライドガイド12aに平行にのび、第2のニップ板10がスライド可能に取り付けられたスライドガイド13aと、スライドガイド13aに関し第2のニップ板10の反対側に配置されたモータ13bを有している。モータ13bの駆動軸は、水平に、かつ第2のニップ板10の運動方向に直角にのび、駆動軸にはプーリー13cが固定されている。
【0052】
第2のニップ板作動ユニット13は、さらに、モータ13bの駆動軸からスライドガイド12aの長さ方向に間隔をあけて設けられ、当該駆動軸に平行な回転軸のまわりに回転可能に固定されたプーリー13dと、プーリー13cおよびプーリー13d間に掛け渡されたエンドレスベルト13eを有している。そして、エンドレスベルト13eに第2のニップ板10の基部が固定され、第2のニップ板10は、モータ13bによるエンドレスベルト13eの回転運動に伴って、突出位置と退避位置の間で運動せしめられる。
【0053】
こうして、第1および第2のニップ板9、10がそれぞれ第1および第2のニップ板作動ユニット12、13によって突出位置および退避位置間において運動せしめられ、また、突出位置をとる第2のニップ板が、駆動機構15による第2のニップ板作動ユニット13のスライド運動に伴って、第1および第2の位置間において運動せしめられる。
【0054】
図8は、第2のニップ板および第2のニップ板作動ユニットの拡大図であり、(A)は第2のニップ板のフラップが通常位置にあるときの平面図であり、(B)は(A)のX方向に見た側面図であり、(C)は(A)のY方向から見た側面図であり、(D)はフラップが通常位置から回動した状態を示す(C)に類似の図である。
【0055】
図8に示すように、この実施例では、第2のニップ板10は、その先端に強磁性体からなるフラップ10aを備えている。
この場合、フラップ10aの一側がバネ付き蝶番10bを介して第2のニップ板10の上縁に連結され、さらに、第2のニップ板10の内面(第1のニップ板9に対向する面)に、フラップ10aを吸着する磁石10cが取り付けられている。
【0056】
こうして、フラップ10aは、常時は、バネ付き蝶番10bの付勢力と磁石10cの磁力によって、第2のニップ板10の内面側に畳まれている(通常位置をとる)。
そして、この通常位置において、フラップ10aの第1のニップ板9に対向する面が第2のニップ板に平行にのび、かつフラップ10aは第2のニップ板10の下端から下向きに突出する。
【0057】
一方、第2のニップ板10が第2の位置から第1の位置まで運動する間、あるいは、ニップヘッド7が用紙束受取位置Qと用紙束供給位置Pの間を移動する間に、フラップ10aの下向きに突出する部分が障害物と接触すると、図8(D)に示すように、フラップ10aが通常位置から回動して、障害物との衝突を回避する。
それによって、第2のニップ板10の破損が防止される。
【0058】
再び図1図7を参照して、ニップヘッド移動機構8は、この実施例では、用紙束受取位置Qの上方において、用紙束供給位置Pに停止した一対のクランプ板1a、1bに直交する向きにのびる水平なスライドガイド16と、スライドガイド16にスライド可能に取り付けられたスライダ17と、スライダ17をスライドさせるスライダ駆動機構18と、スライダ17に取り付けられ、ニップヘッド7を昇降可能に支持する昇降機構19とを有している。
【0059】
昇降機構19は、スライダ17から垂直下向きにのび、ニップヘッド7がスライド可能に取り付けられたスライドガイド19aと、スライダ17に取り付けられ、ニップヘッド7をスライドさせる駆動機構19bを有している。
【0060】
この場合、ニップヘッド7は、用紙束供給位置Pにおいて、用紙束供給位置Pに停止したクランパ1の作動ロッド(整合バー)2bに関し一対のクランプ板1a、1bの反対側に位置し、かつそれぞれ突出位置をとる第1および第2のニップ板9、10が作動ロッド(整合バー)2bを超えて一対のクランプ板1a、1b側にのびる配置となるように、スライドガイド19aに取り付けられている。
【0061】
こうして、ニップヘッド7は、スライダ17がスライダ駆動機構18によってスライドせしめられるのに伴って、水平方向に、用紙束受取位置Qおよび用紙束供給位置P間において往復運動せしめられ、また、駆動機構19bによってスライドガイド19aに沿って昇降せしめられる。
【0062】
次に、図2図7を参照しつつ、本発明の製本装置のクランパへの用紙束供給動作を説明する。
図2(A)および図5(A)に示すように、用紙束供給位置Pにクランパ1が停止し、一対のクランプ板1a、1bが開位置をとる一方、用紙束受取位置Qに用紙束Sが送給されたとき、ニップヘッド7は、ニップヘッド7の第1のニップ板9が突出位置にあり、第2のニップ板10が第1の位置および退避位置にある状態で、用紙束受取位置Qに到達する。このとき、第1のニップ板9が用紙束Sの表面または裏面に対向している。
【0063】
そして、図2(B)に示すように、第2のニップ板10が退避位置から突出位置まで動いた後、図2(C)および図5(B)に示すように、第2のニップ板10が第1の位置から第2の位置まで動き、第1および第2のニップ板9、10が用紙束Sの表裏面を把持する。
【0064】
次いで、ニップヘッド7が上昇して用紙束Sが持ち上げられる(図5(C))。このとき、用紙束Sの下端は、用紙束供給位置に停止したクランパ1の可動クランプ板1bの上端よりも高い位置にある。
【0065】
その後、ニップヘッド7が用紙束供給位置Pまで移動する(図3(A)、図6(A))。ニップヘッド7が用紙束供給位置Pに到達したとき、ニップヘッド7に把持された用紙束Sが一対のクランプ板1a、1b間の間隙の真上に位置し、かつニップヘッド7がクランパ1の上方において作動ロッド(整合バー)2bに関し一対のクランプ板1a、1bの反対側に位置する。
【0066】
次に、ニップヘッド7が下降し、ニップヘッド7に把持された用紙束Sが一対のクランプ板1a、1b間に挿入される。そして、図6(B)に示すように、ニップヘッド7に把持された用紙束Sの下端面(背)が水平プレート4に接したとき、ニップヘッド7は下降を停止する。このとき、第1のニップ板9は固定クランプ板1aの内側に位置する一方、第2のニップ板10は、可動クランプ板1bの上方に位置する。ニップヘッド7は作動ロッド(整合バー)2bに関し一対のクランプ板1a、1bの反対側に位置する。
また、ニップヘッド7の下降の間に、図3(B)に示すように、突き揃えバー5が、待機位置において、後退位置から前進位置まで動く。
【0067】
さらに、図3(C)および図7(A)に示すように、第2のニップ板10が第2の位置から第1の位置まで動いた(用紙束Sの把持の解除)後、突き揃えバー5が待機位置から突き揃え位置まで動くとともに、第1のニップ板9が突出位置から退避位置まで動き、その後、突き揃えバー5が突き揃え位置から待機位置に戻る。
こうして、用紙束Sは揃えられた状態で一対のクランプ板1a、1b間に供給される。
【0068】
そして、突き揃えバー5が前進位置から後退位置まで動くとともに、ニップヘッド7は用紙束受取位置Qに向けて移動を開始する。さらに、一対のクランプ板1a、1bが閉位置をとって用紙束Sを把持し、それによって、ニップヘッド7による一対のクランプ板1a、1b間への用紙束Sの供給が完了する(図4(A)、図7(B))。
【0069】
その後、ニップヘッド7が用紙束受取位置Qまで移動する間に、第1のニップ板9が退避位置から突出位置まで動く一方、第2のニップ板10は突出位置から退避位置まで動き、ニップヘッド7による次の用紙束Sの受け入れの準備がなされる。一方、用紙束Sを把持したクランパ1は、用紙束供給位置Pを離れ、経路Fに沿って各処理ユニットに向けて移動を開始する(図4(B))。
【0070】
本発明の製本装置によれば、ニップヘッド7の第1および第2のニップ板9、10による用紙束Sの把持の解除後、第2のニップ板10を、突き揃えバー5の突き揃え動作に同期させて突き揃えの方向と同じ方向に退避させることで、用紙束Sをクランパ1の一対のクランプ板1a、1b間に供給する。
【0071】
そのため、一対のクランプ板1a、1b間に挿入された用紙束Sの用紙が、第1および第2のニップ板9、10の運動に追従してずれることはない。
【0072】
こうして、用紙束を常に揃えられた状態でクランパに供給することができ、その結果、不良製本の発生を確実に防止することができる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明の構成は上記実施例に限定されることはなく、当業者が本願に添付の特許請求の範囲に記載した構成の範囲内で種々の変形例を案出し得ることは言うまでもない。
【0074】
例えば、上記実施例では、ニップヘッド7による用紙束Sのクランパ1への供給の際、第1および第2のニップ板9、10による用紙束Sの把持の解除後、第2のニップ板10のみが突き揃えバー5の突き揃え方向と同じ方向に退避するが、必要に応じて、第1および第2のニップ板9、10による用紙束の把持の解除後に、第1および第2のニップ板9、10の両方が突き揃えバー5の突き揃え方向と同じ方向に退避するようにしてもよい。
【0075】
また、上記実施例では、製本装置が突き揃えバー5を備え、ニップヘッド7の第1のニップ板9の退避運動が突き揃えバー5の突き揃え動作に同期せしめられるが、用紙束Sが、ニップヘッド7によって、一対のクランプ板1a、1b間に、用紙束Sの天または地がクランパ1の作動ロッド(整合バー)2bに当接した状態で供給される場合には、製本装置に突き揃えバー5を備える必要はない。
【0076】
そして、この場合には、第1および第2のニップ板9、10による用紙束Sの把持の解除後、第1のニップ板9は、用紙束Sが作動ロッド(整合バー)2bに当接する向きに退避する。よって、この場合においても、一対のクランプ板1a、1b間に供給された用紙束Sの用紙が第1および第2のニップ板9、10の運動に追従してずれることはない。
【符号の説明】
【0077】
1 クランパ
1a 固定クランプ板
1b 可動クランプ板
2a 作動ロッド
2b 作動ロッド(整合バー)
3 用紙束供給ユニット
4 水平プレート
5 突き揃えバー
6 突き揃えバー駆動機構
6a スライドガイド
6b スライダ
6c スライダ駆動機構
6d リニアアクチュエータ
7 ニップヘッド
8 ニップヘッド移動機構
9 第1のニップ板
10 第2のニップ板
10a フラップ
10b バネ付き蝶番
10c 磁石
11 ニップ板駆動機構
12 第1のニップ板作動ユニット
12a スライドガイド
12b リニアアクチュエータ
13 第2のニップ板作動ユニット
13a スライドガイド
13b モータ
13c プーリー
13d プーリー
13e エンドレスベルト
14 スライドガイド
15 駆動機構
16 スライドガイド
17 スライダ
18 スライダ駆動機構
19 昇降機構
19a スライドガイド
19b 駆動機構
F 経路
S 用紙束
P 用紙束供給位置
Q 用紙束受取位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8