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  • 特許-締結部材、及び締結構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】締結部材、及び締結構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/02 20060101AFI20230712BHJP
   B62D 25/20 20060101ALN20230712BHJP
【FI】
F16B5/02 U
B62D25/20 N
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019201690
(22)【出願日】2019-11-06
(65)【公開番号】P2021076148
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-04-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.公開の事実。1-1.販売日 平成30年11月29日。1-2.販売した場所 大阪府泉佐野市日根野3082-1-101。1-3.公開者 田中 健一。1-4.販売した物の内容 田中健一が、顧客に、自身が発明した締結部材を用いて、顧客が所有する車体にアンダーガード取付販売をした。2.特許を受ける権利の継承等の事実。2-1.公開の事実に記載の公開行為により公開された発明は、田中健一によって発明されたものであり、その後公開時の平成30年11月29日を経て、特許出願時の令和元年11月6日に至るまで、特許を受ける権利は田中健一が保有していた。2-2.行為時の権利者と公開者の関係等について 行為時の権利者である田中健一自ら、締結部材及び締結構造について、公開の事実に記載のとおり公開を行った。
(73)【特許権者】
【識別番号】519396603
【氏名又は名称】田中 健一
(74)【代理人】
【識別番号】110003764
【氏名又は名称】弁理士法人OMNI国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130580
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 靖
(74)【代理人】
【氏名又は名称】来代 哲男
(72)【発明者】
【氏名】田中 健一
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-010702(JP,A)
【文献】国際公開第99/066134(WO,A1)
【文献】実開昭63-104711(JP,U)
【文献】特開2013-241750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/02
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の本体部と、
前記本体部の一方の端部で立設し、螺旋状のネジ山を有する第1雄ネジ部を備えた第1軸部と、
前記本体部の他方の端部であって、前記第1軸部が立設する面と同一面で立設し、螺旋状のネジ山を有する第2雄ネジ部を備えた第2軸部と、
前記本体部の中央部に設けられ、前記第1軸部及び第2軸部が立設する面側からボルトの挿通を可能にする少なくとも1つのネジ孔部と、
を備え
前記本体部の一方の端部における、前記第1軸部が立設する面とは反対側の面には、面取り部が設けられている締結部材。
【請求項2】
前記第1軸部の軸方向における長さは、前記第2軸部の軸方向における長さよりも長い請求項に記載の締結部材。
【請求項3】
さらに、前記ボルトの頭部の高さ以上の厚さを有する板状部を備え、
前記板状部は、
前記第1軸部を貫通した状態で表出させる第1貫通孔部と、
前記第2軸部を貫通した状態で表出させる第2貫通孔部と、
前記ボルトを貫通させるボルト用貫通孔部と、
を備える請求項1又は2に記載の締結部材。
【請求項4】
請求項1~の何れか1項に記載の締結部材を用いて被締結部材及び取付部材を締結する締結構造であって、
前記被締結部材は、
前記第1軸部を、前記被締結部材の裏面側から貫通した状態で表出させる第1開口部と、
前記第2軸部を、前記被締結部材の裏面側から貫通した状態で表出させる第2開口部と、
前記被締結部材の表面側から前記ボルトを貫通させるボルト用開口部と、
を備え、
前記第1軸部を前記第1開口部から表出させると共に、第2軸部を前記第2開口部から表出させ、
前記ボルトを、前記被締結部材の表面側から、前記ボルト用開口部に貫通させた状態で前記ネジ孔部に螺合させて前記締結部材を前記被締結部材に固定し、
前記締結部材を用いて前記被締結部材の裏面側から、当該被締結部材及び取付部材を締結する締結構造。
【請求項5】
前記第1開口部及び前記第2開口部の少なくとも何れか一方は、前記締結部材の挿通が可能な開口面積を有する請求項に記載の締結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両の前方下部を下方から覆うアンダーガード(スキッドプレート又はアンダープレート)等を、車体フレーム等に取り付けるための締結部材、及び締結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
オフロードを走行する車両等においては、路上の土石等による衝撃から車体を保護する目的で、車体下部又は前部に板状のアンダーガード(スキッドプレート又はアンダープレート)を設けることがある(例えば、下記特許文献1~3参照)。
【0003】
このようなアンダーガードやバンパー等の車両部品は、車体の被締結部材に対し、ボルトを用いた締結構造により取り付けられる(例えば、特許文献4及び5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭58-79478号公報
【文献】実開平1-67183号公報
【文献】特開平8-142921号公報
【文献】特開平7-156728号公報
【文献】特開2011-163555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、例えば、車体下部又は前部を覆うアンダーガード(スキッドプレート又はアンダープレート)等の車両部品を車体に取り付けるための新規の締結部材、及び締結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る締結部材は、前記の課題を解決するために、長尺の本体部と、前記本体部の一方の端部で立設し、螺旋状のネジ山を有する第1雄ネジ部を備えた第1軸部と、前記本体部の他方の端部であって、前記第1軸部が立設する面と同一面で立設し、螺旋状のネジ山を有する第2雄ネジ部を備えた第2軸部と、前記本体部の中央部に設けられ、前記第1軸部及び第2軸部が立設する面側からボルトの挿通を可能にする少なくとも1つのネジ孔部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
前記の構成に於いては、前記本体部の一方の端部における、前記第1軸部が立設する面とは反対側の面に面取り部が設けられていることが好ましい。
【0008】
また、前記の構成に於いて、前記第1軸部の軸方向における長さは、前記第2軸部の軸方向における長さよりも長いことが好ましい。
【0009】
前記の構成に於いては、さらに、前記ボルトの頭部の高さ以上の厚さを有する板状部を備え、前記板状部は、前記第1軸部を貫通した状態で表出させる第1貫通孔部と、前記第2軸部を貫通した状態で表出させる第2貫通孔部と、前記ボルトを貫通させるボルト用貫通孔部と、を備えることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る締結構造は、前記の課題を解決するために、前記締結部材を用いて被締結部材及び取付部材を締結する締結構造であって、前記被締結部材は、前記第1軸部を、前記被締結部材の裏面側から貫通した状態で表出させる第1開口部と、前記第2軸部を、前記被締結部材の裏面側から貫通した状態で表出させる第2開口部と、前記被締結部材の表面側から前記ボルトを貫通させるボルト用開口部と、を備え、前記第1軸部を前記第1開口部から表出させると共に、第2軸部を前記第2開口部から表出させ、前記ボルトを、前記被締結部材の表面側から、前記ボルト用開口部に貫通させた状態で前記ネジ孔部に螺合させて前記締結部材を前記被締結部材に固定し、前記締結部材を用いて前記被締結部材の裏面側から、当該被締結部材及び取付部材を締結することを特徴とする。
【0011】
前記の構成に於いて、前記第1開口部及び前記第2開口部の少なくとも何れか一方は、前記締結部材の挿通が可能な開口面積を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
即ち、本発明の締結部材によれば、長尺の本体部の一方の端部には第1雄ネジ部を備えた第1軸部が設けられ、他方の端部には第2雄ネジ部を備えた第2軸部が設けられ、さらに、本体部の中央部には、当該第1軸部及び第2軸部が設けられた面側からボルトの挿通を可能にするネジ孔部が設けられている。
【0013】
ここで、前記構成の締結部材により締結される被締結部材は、第1軸部を被締結部材の裏面側から貫通した状態で表出させる第1開口部と、第2軸部を被締結部材の裏面側から貫通した状態で表出させる第2開口部と、被締結部材の表面側からボルトを貫通させるボルト用開口部とを備えるものである。従って、ボルトを、被締結部材の表面側からボルト用開口部に少なくとも貫通させた状態でネジ孔部に螺合させることで、被締結部材の裏側から締結部材により当該被締結部材が締結される。
【0014】
すなわち、本発明であると、車体の被締結部材に前記構成の締結部材を締結して取り付けることで、例えば、アンダーガード(スキッドプレート又はアンダープレート)等の車両部品を車体に取り付け可能にするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の一形態に係る締結部材を表す斜視図である。
図2】前記締結部材において、第1軸部及び第2軸部の立設面とは反対側の面(背面)側を表す平面図である。
図3】本実施の形態の被締結部材を備える車体フレームを概略的に表す部分拡大図である。
図4】前記被締結部材の概略を表す斜視図である。
図5】前記被締結部材の内部に前記締結部材が収容された状態を表す斜視図である。
図6】前記締結部材を前記被締結部材の内部に収容する様子を表す断面模式図である。
図7】前記被締結部材に収容された前記締結部材がボルトを用いて当該被締結部材に締結される様子を表す断面模式図である。
図8】前記被締結部材に取り付けられるアンダーガードを概略的に表す平面図である。
図9】前記被締結部材の当接面に当接する様にアンダーガードが設けられた様子を表す斜視図である。
図10】前記締結部材及びアンダーガードが被締結部材に締結された様子を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(締結部材)
本発明の実施の形態に係る締結部材について、図1及び図2に基づき以下に説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る締結部材を表す斜視図である。図2は、前記締結部材において、第1軸部及び第2軸部の立設面とは反対側の面(背面)側を表す平面図である。
【0018】
本実施の形態の締結部材10は、図1に示すように、本体部11と、第1軸部12と、第2軸部13とを少なくとも備える。
【0019】
前記本体部11は、長尺の板状の形状を概略的に有する。本体部11の長尺方向の長さ、幅及び厚さは、締結部材10が締結される被締結部材(詳細については後述する。)の形状等に応じて適宜設定される。
【0020】
前記本体部11の中央部には、図2に示すように、ネジ孔部14が設けられている。ネジ孔部14は、本体部11において、第1軸部12及び第2軸部13が立設する立設面16側からボルト(詳細については後述する。)が挿通され、かつ、当該ボルトと螺合可能になっている。尚、ネジ孔部14の形成位置は、本体部11の中央部に限定されない。例えば、第1軸部12又は第2軸部13の近傍であってもよい。また、ネジ孔部14は1つに限らず、複数設けられていてもよい。
【0021】
また、前記本体部11には、当該本体部11の立設面16とは反対側の面17の端部に、面取り部15が設けられている(図2参照)。また、面取り部15の形成位置は、長尺の本体部11において、第1軸部12が立設する側の端部である。
【0022】
面取り部15としては特に限定されず、例えば、任意の勾配角度を有する勾配面、C面、及びR面等が挙げられる。面取り部15が勾配面である場合、勾配面に於ける勾配の高さは特に限定されず、適宜設定することができる。また、面取り部15がC面である場合、C面の面取り長さは特に限定されず、適宜設定することができる。さらに、面取り部15がR面である場合、R面の曲率半径は特に限定されず、適宜設定することができる。
【0023】
前記第1軸部12は、本体部11の一方の端部における立設面16において、第1軸部12の軸方向が立設面16に対し略垂直となる様に立設している。また、第1軸部12の立設位置は、立設面16における一方の端部である。
【0024】
前記第1軸部12は、螺旋状のネジ山を有する第1雄ネジ部12aを備える。尚、第1軸部12は、立設面16と第1雄ネジ部12aとの間に螺旋状のネジ山を備えない第1連続部が設けられた態様であってもよい。
【0025】
前記第1軸部12(第1雄ネジ部12a)の軸方向の長さ(高さ)及び直径は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。第1軸部12が立設面16と第1雄ネジ部12aとの間に前記第1連続部を備える場合、当該第1連続部の長さと直径も特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
【0026】
前記第2軸部13は、本体部11の一方の端部における立設面16において、第2軸部13の軸方向が立設面16に対し垂直となる様に立設している。また、第2軸部13の立設位置は、立設面16における他方の端部である。
【0027】
前記第2軸部13は、螺旋状のネジ山を有する第2雄ネジ部13aを備える。尚、第2軸部13は、立設面16と第2雄ネジ部13aとの間に螺旋状のネジ山を備えない第2連続部が設けられた態様であってもよい。
【0028】
前記第2軸部13(第2雄ネジ部13a)の軸方向の長さ(高さ)及び直径は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。第2軸部13が立設面16と第2雄ネジ部13aとの間に前記第2連続部を備える場合、当該第2連続部の長さと直径も特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
【0029】
ここで、第1軸部12の長さ(高さ)は、第2軸部13よりも長くなっている。これにより、被締結部材に締結部材10を取り付ける際の作業性の向上が図れる(詳細については、後述する。)尚、本発明はこの態様に限定されるものではない。例えば、第1軸部12と第2軸部13の長さは同一でもよく、第2軸部13が第1軸部12よりも長くてもよい。
【0030】
(被締結部材)
次に、本実施の形態の締結部材10を締結する被締結部材について、被締結部材が、アンダーガード(取付部材)を取り付けるための車体フレームの一部である場合を例にして説明する。
【0031】
図3は、本実施の形態の被締結部材を備える車体フレームを概略的に表す部分拡大図である。図4は、前記被締結部材の概略を表す斜視図である。図5は、前記被締結部材の内部に締結部材10が収容された状態を表す斜視図である。
【0032】
本実施の形態の被締結部材20は、図3に示すように、車体フレーム30の両端部にそれぞれ設けられている。被締結部材20は、図4に示すように、第1開口部21と、第2開口部22と、ボルト用開口部23とを少なくとも備える。被締結部材20は、中空構造の直方体状の形状を有しており、その内部に締結部材10の収容が可能となっている。また、第1開口部21、第2開口部22及びボルト用開口部23は、アンダーガードの取り付けの際に、当該アンダーガードが当接する当接面24において、縦方向(図4の矢印Yで示す方向)に沿って、上部から順次、縦列配置されている。
【0033】
前記第1開口部21は、図5に示すように、被締結部材20の内部に収容された締結部材10の第1軸部12を、被締結部材20の裏面側から貫通した状態で表出させる。また、第1開口部21は、被締結部材20の内部に締結部材10を収容させるための差し入れ口としての機能も果たす。
【0034】
前記第1開口部21の開口形状は、略円形状を有している。但し、第1開口部21の開口形状はこの態様に限定されず、矩形状等のその他の種々の形状を採用することができる。また、第1開口部21の開口面積は、少なくとも締結部材10の挿入が可能な程度の大きさであることが好ましい。このため、本実施の形態では、第1開口部21の開口面積は第2開口部22の開口面積と比較して大きくなっている。
【0035】
前記第2開口部22は、図5に示すように、被締結部材20の内部に収容された締結部材10の第2軸部13を、被締結部材20の裏面側から貫通した状態で表出させる。第2開口部22は略円形状を有している。但し、第2開口部22の開口形状はこの態様に限定されず、矩形状等のその他の種々の形状を採用することができる。また、第2開口部22の開口面積は、少なくとも第2軸部13の表出が可能な程度の大きさであれば特に限定されない。例えば、第2開口部22の開口面積は、締結部材10の挿入が可能な程度の大きさであってもよい。
【0036】
前記ボルト用開口部23の開口形状は、図4に示すように、略円形状となっている。また、ボルト用開口部23は、ボルト31の挿通を可能にするものである。これにより、ボルト31を被締結部材の表面(当接面24)側からボルト用開口部23に貫通させた状態で、締結部材10のネジ孔部14に螺合させることができる。ボルト用開口部23の開口面積は、少なくともボルト31の挿通が可能であることを要する。
【0037】
(締結構造)
次に、本実施の形態の締結部材10を用いて、被締結部材20及びアンダーガード40を締結する締結構造について、図6図10に基づき以下に説明する。
【0038】
図6は、締結部材10を被締結部材20の内部に収容する様子を表す断面模式図である。図7は、被締結部材20に収容された締結部材10がボルト31を用いて当該被締結部材20に締結される様子を表す断面模式図である。図8は、被締結部材に取り付けられるアンダーガードを概略的に表す平面図である。図9は、被締結部材20の当接面24に当接する様にアンダーガードが設けられた様子を表す斜視図である。図10は、締結部材10及びアンダーガードが被締結部材20に締結された様子を表す斜視図である。
【0039】
締結部材10の被締結部材20への収容は、図6(a)に示すように、先ず、第2軸部13を第1開口部21から挿入させる。第2軸部13を被締結部材20の内部に収容したら、次に、図6(b)に示すように、当該第2軸部13が立設する側の他方の端部から本体部11を挿入させる。このとき、本体部11の立設面16とは反対側の面17の端部には、面取り部15が設けられているので、本体部11を第1開口部21に接触させることなく容易に挿入させることができ、作業性の向上を図っている。本体部11も被締結部材20の内部に収容させたら、図6(c)に示すように、第2軸部13を第2開口部22から表出させる。このとき、第1軸部12は被締結部材20の内部に収容させることなく、第1開口部21から表出させた状態を維持する。
【0040】
尚、第1軸部12が第2軸部13よりも長くしている場合は、締結部材10を被締結部材20の内部に収容させる際、第1軸部12を把持した状態を良好に維持できる。その結果、締結部材10の被締結部材20内部への収容を簡便に行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
【0041】
続いて、図7(a)に示すように、ボルト31をボルト用開口部23に挿通させ、本体部11のネジ孔部14に螺合して締結部材10を被締結部材20に締結する。尚、ボルト31をネジ孔部14に螺合させるに際しては、当該ボルト31と被締結部材20との間に座金32を介している。
【0042】
さらに、図7(b)に示すように、アンダーガード40を被締結部材20の当接面24に当接する様に取り付ける。
【0043】
ここで、アンダーガード40は、図8に示すように、平面視における形状が略長方形状であり、かつ、被締結部材20の当接面24と略同一の面積を有する。アンダーガード40は、第1貫通部41、第2貫通部42及び第3貫通部43を備えており、第1貫通部41は第1軸部12を貫通した状態で表出させ、第2貫通部42は第2軸部13を貫通した状態で表出させ、第3貫通部43はボルト31の雄ネジ部を挿通させる。また、アンダーガード40の厚さはボルト31の頭部の高さと同一又はそれ以上であることが好ましい。また、第3貫通部43はボルト31の頭部を収容可能な開口面積を有していることが好ましい。これにより、ボルト31の頭部がアンダーガード40から表出するのを防止することができる。
【0044】
最後に、図10に示すように、アンダーガード40から表出している第1軸部12に第1座金53を介して第1ナット51を螺合させ、第2軸部13に第2座金54を介して第2ナット52を螺合させる。これにより、被締結部材20及びアンダーガード40が、締結部材10と、第1ナット51及び第2ナット52とにより締結され、アンダーガード40の被締結部材20への取り付けが可能になる。
【0045】
尚、第1ナット51は、第1軸部12と嵌め合わせ可能な構造を有している。また、第2ナット52も、第2軸部13と嵌め合わせ可能な構造を有している。より具体的には、第1ナット51及び第2ナット52のそれぞれの内周面には、それぞれ第1雄ネジ部12a又は第2雄ネジ部13aと螺合可能なネジ孔が設けられている。さらに、第1ナット51及び第2ナット52は、平面視において略六角状となっている。但し、本発明は、この態様に限定されるものではなく、工具を装着可能な種々の形状を適用することができる。
【0046】
また、前記第1座金53及び第2座金54としては特に限定されない。例えば、円形平板状の基台部の中心に、第1軸部12又は第2軸部13がそれぞれ貫通可能なボルト貫通孔を有するものが挙げられる。
【符号の説明】
【0047】
10 締結部材
11 本体部
12 第1軸部
12a 第1雄ネジ部
13 第2軸部
13a 第2雄ネジ部
14 ネジ孔部
15 面取り部
16 立設面
20 被締結部材
21 第1開口部
22 第2開口部
23 ボルト用開口部
24 当接面
30 車体フレーム
31 ボルト
40 アンダーガード(取付部材)
41 第1貫通部
42 第2貫通部
43 第3貫通部
51 第1ナット
52 第2ナット
53 第1座金
54 第2座金
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10