(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】3次元半導体加工
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20230712BHJP
H01L 21/3063 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
H01L21/306 Z
H01L21/306 L
H01L21/306 B
(21)【出願番号】P 2020502525
(86)(22)【出願日】2018-03-30
(86)【国際出願番号】 US2018025428
(87)【国際公開番号】W WO2018183867
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-24
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519349506
【氏名又は名称】ニールソン サイエンティフィック,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ニールソン,グレゴリー ノーラン
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-521840(JP,A)
【文献】特開平10-064879(JP,A)
【文献】特開2002-314110(JP,A)
【文献】国際公開第01/091170(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306 - H01L 21/3063
H01L 21/308
H01L 21/465 - H01L 21/467
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体エッチングのためのシステム(100)であって、
前記システムは、
半導体(108)、
前記半導体のバンドギャップエネルギより低い照射エネルギを有するレーザ(104)、および、
計算装置(106)を含み、
前記計算装置(106)は、
プロセッサ(136)および、
前記プロセッサに実行されるときに、前記プロセッサに動作を実施させる命令を含むメモリ(138)を含み、
前記動作は、
半導体のエッチングが望ましく行われる位置である、前記半導体におけるエッチング位置の指示を受信するのに応じて、前記半導体における照射位置を含む予測を物理モデルに基づいて出力すること、および、
前記レーザの出力を制御して、前記レーザが前記半導体における照射位置を照射して、前記半導体の照射位置で正孔が生成されるようにすることを含み、
前記予測は前記照射位置で生成される正孔が前記エッチング位置に移動すると予想されることを示し、前記物理モデルは、
前記半導体内の電荷キャリア拡散、
前記半導体内の誘導電界、または、
前記半導体を通る電流フロー
のうちの少なくとも1つに基づいている、
システム。
【請求項2】
前記エッチング位置は前記半導体の表面にあり、さらに前記照射位置は前記半導体内で前記半導体の前記表面の下に位置する、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記半導体は第一表面および第二表面を含み、前記第一表面は前記第二表面の反対側にあり、前記システムはさらに、
前記半導体の第二表面と接触する導電体(126)、および、
前記半導体の第一表面と前記導電体との間に電圧を加える、電圧源(120)を含む、
請求項1のシステム。
【請求項4】
前記導電体は、前記レーザから放射される光に対して透過性を示す、導電性流体を含む、請求項3のシステム。
【請求項5】
前記導電性流体は塩水を含む、請求項4のシステム。
【請求項6】
前記導電体は、前記レーザから放射される光に対して透過性を示す、導電性フィルムを含む、請求項3のシステム。
【請求項7】
前記導電体は、前記レーザから放射される光に対して透過性を示す、導電性ポリマーを含む、請求項3のシステム。
【請求項8】
エッチング液(110)をさらに含み、前記半導体の前記第一表面は、前記レーザによる前記半導体の照射の間に前記エッチング液に露出され、前記エッチング液は、前記エッチング位置への正孔の移動に基づいて、前記エッチング位置で前記半導体のエッチングが生じるように構成される、
請求項3のシステム。
【請求項9】
前記半導体は炭素族元素を含み、前記エッチング液はフッ化水素酸を含む、請求項8のシステム。
【請求項10】
前記レーザは、前記半導体の裏側表面と向かい合うように位置し、前記半導体の前記裏側表面を通って前記半導体の第一位置に光を放射する、請求項1のシステム。
【請求項11】
前記照射位置は前記レーザの焦点であって、
前記焦点は第一幅を有し、前記エッチング位置は前記第一幅より小さい第二幅を有する点である、請求項1のシステム。
【請求項12】
複数のレーザ(804、806、808)をさらに含み、前記レーザの各々は前記半導体のバンドギャップエネルギより低い照射エネルギを有し、前記動作は、前記複数のレーザの出力を制御して、前記半導体の複数の位置を照射して、前記複数の位置の各々で正孔を生成させることをさらに含み、前記複数の照射位置で生成される正孔は、前記半導体のそれぞれの複数のエッチング位置に移動する、請求項1のシステム。
【請求項13】
前記半導体は炭化ケイ素を含む、請求項1のシステム。
【請求項14】
制御される半導体エッチングのための方法であって、前記方法は、
半導体の第一表面と、前記半導体の第二表面と接触している導電体との間に電圧を加えること
であって、前記第二表面は前記第一表面の反対側にあり、前記第一表面はエッチング液に露出されていることと、
レーザを用いて第一位置で前記半導体を照射すること
であって、前記レーザは前記半導体のバンドギャップエネルギより低いエネルギを有し、前記レーザは、正孔が前記半導体における前記第一位置で発生するように構成され、前記半導体のエッチングは、前記第一位置で発生する前記正孔に基づいて第二位置で生じる
ことと、
所望されるエッチング位置を物理モデルに与えることであって、前記物理モデルは前記所望されるエッチング位置に基づいて予測を出力するように構成され、前記予測は前記半導体における照射位置を含み、前記予測は、前記照射位置で生成される正孔が前記所望されるエッチング位置に移動すると予想されることを示し、前記物理モデルはさらに、
前記半導体内の電荷キャリア拡散、
前記半導体の前記第一表面と前記導電体との間に与えられる電圧、または、
前記半導体を通る電流フロー
のうちの少なくとも1つに基づいて前記予測を出力するように構成されることと、
を含み、
前記第一位置で前記半導体を照射することは、前記物理モデルによって出力される前記予測に基づく、
方法。
【請求項15】
前記第二位置は前記半導体の前記第一表面に位置し、さらに前記第一位置は前記半導体内かつ前記半導体の前記第一表面の下に位置する、請求項14の方法。
【請求項16】
前記レーザは、前記半導体の前記第二表面に向かって光を放射することによって、前記第一位置で前記半導体を照射する、請求項14の方法。
【請求項17】
前記導電体は、前記レーザから放射される光に対して透過性を示す、導電性流体を含む、請求項16の方法。
【請求項18】
前記レーザは、前記半導体の前記第一表面に向かって光を放射することによって、前記第一位置で前記半導体を照射する、請求項14の方法。
【請求項19】
半導体の選択エッチングのための方法であって、
前記方法は、
半導体の第一表面と前記半導体の第二表面との間に電圧を誘導すること、
所望されるエッチング位置を物理モデルに与えること、および、
レーザを用いて第一位置で前記半導体を照射することを含み、
前記第二表面は前記第一表面の反対側にあり、前記第一表面はエッチング液に露出されており、
前記物理モデルは前記所望されるエッチング位置に基づく予測を出力するように構成され、前記予測は前記半導体における照射位置を含み、前記予測は、前記照射位置で生成される正孔が前記所望されるエッチング位置に移動すると予想されることを示し、前記物理モデルはさらに、
前記半導体内の電荷キャリア拡散、
前記半導体の前記第一表面と前記半導体の前記第二表面との間に誘導される電圧、または、
前記半導体を通る電流フロー
のうちの少なくとも1つに基づいて前記予測を出力するように構成され、
前記第一位置は前記照射位置であって、前記レーザは前記半導体のバンドギャップエネルギより低いエネルギを有し、前記レーザは、正孔が前記半導体における前記第一位置で発生するように構成され、前記半導体のエッチングは、前記第一位置で発生する前記正孔に基づいて前記所望されるエッチング位置で生じる、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、2017年3月31日に出願された“3次元シリコン加工”と題される、米国仮特許出願第62/480259号、および、2018年1月17日に出願された“3次元半導体加工”と題される、米国仮特許出願第62/618205号に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
微細加工は、集積回路(IC)および微小電気機械システム(MEMS)を製造するのに使用される様々な技術を参照する。従来の微細加工技術を用いて製造されるICおよびMEMSは、ミクロンまたはナノメートルのオーダーの大きさの機構を有する。従来のICおよびMEMSの微細加工は、半導体の層(および様々な他の材料)が堆積され、リソグラフィツールでパターン付けされ、最終形状の一部を画定するようにエッチングされる、層ごとの工程である。一般的に、これらの従来の微細加工技術は、ときに2.5Dと呼ばれる、押し出した2次元の形に類似する形状の構造物を形成するのに限定される。
【0003】
さらに、これらの従来の微細構造技術は、複雑で、時間と費用がかかる。一例では、装置の単一層の製造は、次の段階を含み得る。(1)基板またはウェーハに薄膜を堆積すること、(2)薄膜をフォトレジストマスキング層でコーティングすること、(3)フォトレジストマスキング層にフォトリソグラフィーでパターン付けすること、(4)フォトレジストマスキング層を通して薄膜層をエッチングすること、(5)フォトレジストマスキング層を除去すること、そして、(6)同様の方法で後続の層が堆積およびパターン付けされるより前に、基板またはウェーハを完全に洗浄すること。
【発明の概要】
【0004】
以下は、本明細書でより詳細に説明される主題の簡潔な概要である。この概要は、請求項の範囲に関して限定する意図はない。
【0005】
半導体の選択エッチングによって半導体に構造物を製造することに関する様々な技術が、本明細書に記載されている。これらの技術は、半導体に様々な3次元(3D)構造物(たとえば、3次元空間)を製造するのに適している。さらにこれらの技術は、従来の選択エッチング技術を用いて一般的に可能なものより小さな機構サイズを持つ構造物を半導体内にエッチングするのに適する。
【0006】
様々な例示の実施形態において、半導体はエッチング液に露出されている半導体の表面での電気化学反応によってエッチングされる。半導体の露出されている表面は、半導体の原子格子における正孔(つまり、正孔とよばれる正電荷を有する粒子として一般的にモデル化される、格子における電子の欠如)の制御された生成に基づいて選択的にエッチングされる。エッチング反応において、半導体の露出面における正孔は半導体の酸化を生じさせ、次に酸化はエッチング液によってエッチングされる。正孔は、半導体のバンドギャップエネルギより低いエネルギを有する照射源(たとえばレーザ)によって半導体を照射することによって選択的に生成される。単一のサブバンドギャップエネルギの光子は、半導体にある電子を価電子帯から伝導帯に遷移させるのに十分なエネルギを有さない。従って、通常のサブバンドギャップエネルギの光は半導体の原子格子に正孔を生成できない。照射源から放射されるサブバンドギャップエネルギの光は、半導体内で多光子吸収(MPA)を生じるのに十分な強度の焦点に集束される。これが生じると、複数の光子の光子エネルギが組み合わされて半導体のバンドギャップエネルギを超過し、電子を価電子帯から伝導帯に励起させ、それより照射源の焦点で半導体の原子格子に正孔を生成する。正孔は、エッチングが望ましく行われる照射源の焦点付近の領域に選択的に生成でき、それによりエッチングを焦点付近の領域に限定する。
【0007】
照射源によって放射される光は、線吸収を受けないサブバンドギャップエネルギの光であるので、半導体は照射源によって放射される光に対して透過性を示す。半導体のボディ内で照射源の焦点を動かすことによって、従来の半導体エッチング方法に従うとエッチングできない位置で、半導体のエッチングが発生するように選択的に制御され得る。そのため、従来の微細加工技術では容易に形成されない三次元機構が、半導体のボディ内でエッチングされ得る。例示の実施形態では、照射源は、エッチング液に露出される表面の反対側にある、半導体の第二表面(たとえば、裏側表面)と向かい合うように位置し得る。本実施形態では、照射源は半導体の第二表面に向かって、半導体を通って半導体ボディ内の焦点に光を放射する。エッチング面の反対側にある第二表面を通って半導体を照射することは、半導体の望ましくないエッチングを発生させる、または半導体機構の達成可能な解像度を低下させ得る、放射される光の起こり得る散乱を避ける。
【0008】
他の例示の実施形態では、照射源は、半導体内の電荷キャリア移動の物理モデルを組み込む計算装置を用いて制御される。一般的に、半導体の第一位置で発生した正孔は、電界、電荷分散等によって生じる様々な力の影響を受けて、半導体内を移動し得る。それのため、いくつかの例では、半導体の第一位置で生成される正孔は、所望されるようにエッチングされる位置以外の半導体の位置に移動し得る。電荷キャリア移動の物理モデルを組み込むことによって、正孔が、所望されるエッチング位置に最終的に移動する位置で、放射される光によって生成されるように、計算装置は照射源を制御できる。例として、計算装置は半導体の所望のエッチング位置を与えられる。計算装置は、物理モデルに基づく予測を出力し、予測は第一位置で生成される正孔が所望されるエッチング位置に移動すると予想されることを示す。物理モデルは、半導体における電荷キャリア拡散、(たとえばバイアス電圧によって)半導体に与えられる電界、および、エッチング反応を生じさせる電気化学セル内の電流フローに基づいて予測を出力できる。次に計算装置は照射源の出力を制御し、物理モデルによって予測される第一位置におけるその焦点で、照射源に半導体を照射させる。
【0009】
上述の概要は、本明細書で議論されるシステムおよび/または方法のいくつかの側面の基本的な理解をもたらすために、単純化された概要を提示する。この概要は、本明細書で議論されるシステムおよび/または方法の広範な要旨ではない。肝要/重要な要素を識別する、またはこのようなシステムおよび/または方法の範囲を描写することを意図していない。後述で提示されるより詳細な説明の前置きとして、単純化された形態のいくつかの概念を提示することのみが目的である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】サブバンドギャップエネルギのレーザによって制御される半導体の選択エッチングを容易にする、例示のシステムの図である。
【
図2】サブバンドギャップエネルギの照射源の焦点の付近におけるMPAの概念図である。
【
図3】誘導電界の影響下にある正孔のドリフトの概念図である。
【
図4】半導体の正孔の生成および移動を図示する概念図である。
【
図5】効力を半導体の正孔の移動に集中させる電場を図示する概念図である。
【
図6】例示の表面下の半導体エッチングの図である。
【
図7】
図6に図示される表面下の半導体エッチングの3次元表示を示す図である。
【
図8】複数のサブバンドギャップエネルギのレーザによって制御される半導体の選択エッチングを容易にする、他の例示のシステムの図である。
【
図9】サブバンドギャップエネルギのレーザによって制御される半導体の選択エッチングに関する、例示の方法を図示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
光制御される半導体の選択エッチングに関する様々な技術が図を参照しながらここで説明されており、全体を通して、類似する参照符号は類似する要素を参照するように使用されている。後続の記載では、説明のために、1つ以上の態様を完全に理解できるように多くの具体的な詳細が述べられている。しかし、このような1つのまたは複数の態様はこれらの具体的な詳細がなくとも実施され得ることが明らかな場合がある。他の場合では、周知の構造および装置が、1つ以上の態様の説明を容易にするために、ブロック図の形態で図示されている。さらに、あるシステム要素によって実行されるものとして記載される機能は、複数の要素によって実施される場合があることを理解されたい。同様に、たとえば、1つの要素が、複数の要素によって実行されるものとして記載される機能を実施するように構成される場合がある。
【0012】
さらに、“または”という表現は、排他的な“または”というよりむしろ、包括的な“または”を意味するように意図される。つまり、特に指定されない限り、または文脈から明らかでない限り、“XはAまたはBを使用する”という表現は、任意の自然な包括的な置換を意味するように意図される。つまり、“XはAまたはBを使用する”という表現は、次の例のいずれでも満足される。XはAを使用する。XはBを使用する。あるいは、XはAおよびBを使用する。加えて、本願および添付の請求項で使用される“a”および“an”という冠詞は、特に指定されない限り、または文脈から単数形を指すことが明らかでない限り、“1つ以上”を意味するように一般的に解釈されるべきである。
【0013】
さらに、本明細書で使用されるように、“要素”および“システム”という表現は、プロセッサに実行されるときに一定の機能が実施されるようにする、コンピュータが実行可能な命令を備えて構成される、コンピュータ可読データストレージを包含するように意図される。コンピュータが実行可能な命令は、ルーチン、関数等を含み得る。要素またはシステムは、単一の装置に局在化される場合もあり、いくつかの装置に分散されている場合もあることも理解されたい。さらに、本明細書に使用されるように、“例示の”という表現は、何かの実例または例としての役割を果たす意味があると意図され、選好性を指す意図はない。
【0014】
本発明書に使用される、半導体格子にある“正孔”は、半導体格子内の位置に電子が存在しないことを参照するということを理解されたい。本明細書では、有体物としての正孔に関する様々な動作および事象が参照されるが、このような説明は単に様々な態様を理解するのを容易にすることを意図し、基本的な物理的プロセスについていくらかの不正確さを反映する場合があることを理解されたい。たとえば、本明細書で正孔に力を与えて正孔の運動を発生させる電界を参照する際に、実際には電界は半導体格子にある電子に力を与え、それにより電子運動を発生させるが、このような運動の結果は正孔を仮想粒子として概念化することによって適切に説明され得ることを理解されたい。このような正孔に対する参照は、理解を容易にするために行われ、半導体製造の技術で一般に使用される説明と一致している。
【0015】
図1を参照すると、選択的に制御される半導体エッチングを容易にする例示のシステム100が図示されている。システム100はエッチングチャンバ102、レーザ104、およびレーザ104を制御する計算装置106を含む。エッチングチャンバ102は、所望されるようにエッチングされる半導体要素108と、半導体108の原子格子に正孔が存在する位置で半導体108を選択的に酸化およびエッチングするエッチング液110とを含む。半導体108の特定の領域に正孔を生成するために、レーザ104は、計算装置106から受信される制御信号に基づいて、光線109を半導体108に放射する。次に半導体108は、生成された正孔が、エッチング液110に露出される半導体108の第一面112に移動する位置で、エッチング液110によってエッチングされる。よって、レーザ104は、レーザ104が半導体108に正孔を生成する位置に基づいて、半導体108が所望の位置でエッチングされるように制御される。
【0016】
エッチング液110の組成は半導体108の化学的構成に基づいて選定される。例として、限定はしないが、半導体108がシリコンまたは他の炭素族元素(たとえばシリコン、炭素、ゲルマニウム等)を含む用途においては、エッチング液110はフッ化水素酸(HF)を含み得る。たとえば、エッチング液110は1%から30%のHFの溶液の場合がある。他の実施形態においては、水酸化アンモニウム/フッ化アンモニウムなどの、反応のためにフッ素原子を生成する他の化学物質も使用できる。様々な実施形態では、エッチング液110は、エッチング液110を半導体108の表面112に湿潤させるのを促進し、半導体108の表面112からエッチングガスを除去するのを容易にし得る、界面活性剤(たとえば、エタノール、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等)を含み得る。本明細書に記載される方法およびシステムは、様々な半導体の選択エッチングに適することを理解されたい。いくつかの例示の実施形態では、半導体108は、シリコン、炭素(ダイヤモンド、グラフェン、カーボンナノチューブ等)、ゲルマニウムなどの、固有の元素の半導体を含む。他の例示の実施形態では、半導体108はIII-V族半導体(たとえば、ガリウムヒ素、リン化インジウム等)、III族窒化物(たとえば、窒化ガリウム、窒化インジウムガリウム)、II-VI族半導体(たとえば、酸化亜鉛、テルル化カドミウム等)、または他の半導体化合物(たとえば、炭化ケイ素、シリコンゲルマニウム等)を含む。エッチング液110の組成は、望ましくエッチングされる半導体のエッチングを容易にするように選定され得る。
【0017】
半導体要素108を選択的にエッチングすることに関するシステム100の構成および操作に関する様々な詳細がここで説明される。エッチングチャンバ102は、第一格納容器114および第二格納容器116を含む。第一格納容器114はエッチング液110を含む。容器114、116は、エッチングチャンバ102からエッチング溶液110が漏れるのを防ぐ、密封具118(たとえば、容器114、116が環状のときはOリング)で連結される。半導体108は、半導体108の第一表面112がエッチング液110に露出されるように、第二格納容器116内に設置される。
【0018】
システム100はさらに、半導体108の表面112におけるエッチング反応を容易にする、半導体内の電界を確立する、電圧源120を含む。電圧源120は、陽極電極122および陰極電極124に、電圧源120の正および負の端子でそれぞれ連結される。陽極電極122は、導電材料126と接触して第二格納容器116内に位置する。導電材料126は、エッチング液110に露出される表面112と反対側の、半導体108の第二表面128と接触して設置される。電圧源120によって電圧が電極122、124に加えられるとき、電荷キャリアを半導体108内の所望される位置に向けるのに使用できる電界が、半導体108内に確立される。たとえば、電圧源120は、正孔などの正の電荷キャリアをエッチング面112に移動させる傾向がある、半導体108内の電界を確立するように制御され得る。
【0019】
第二格納容器116はさらに、容器116の外表面132に位置し、表面132を通って半導体108の裏側表面128(つまり、エッチングされる表面と反対の表面)と向かい合うように延びる、ウィンドウ130を含む。ウィンドウ130は、レーザ104に放射される光線109に対して透過性を示す。レーザ104はウィンドウ130と向かい合うように位置し、ウィンドウ130を通って半導体108の裏側128に向かって光線109を放射する。導電材料126は、レーザ104に放射される光線に対して透過性を示すように選定または構成される。例として、限定はしないが、導電材料126は塩水、酸、塩基、透過性を示す導電性酸化物、非常に薄い金属膜(たとえば10~50nm)、金属メッシュ、グラフェン、カーボンナノチューブ、透過性を示す導電性ポリマー等の場合がある。他の例示の実施形態では、導電性材料126は希釈HF溶液の場合がある。エッチング液110がHFを含む場合に、HF液を導電性材料126として使用することは、エッチング液110と導電性材料126とが接触した場合にその間の望ましくない反応を抑制することができる。システム100はさらに、レーザ104から光線109を受け、ウィンドウ130を通して光線109を半導体要素108内の焦点に集束させる、集束レンズ134(たとえば、対物レンズ、または特別な光学集束要素)を含み得る。光線109は、集束レンズ134を出た後に焦点円錐となり得るが、簡易化および例示のために、光線109(およびいくつかの後続の図において)は焦点位置144に到達するまで、直線の光線として図示されている。
【0020】
計算装置106は、プロセッサ136、プロセッサ136に操作可能に結合されたメモリ138、およびプロセッサ136に操作可能に結合されたデータストア140を含む。メモリ138は、プロセッサ136に実行されるときに、プロセッサ136に様々な関数を実施させる命令を含む。プロセス制御要素142は、半導体108を選択的にエッチングするためのプロセスの様々な側面を制御する。たとえば、プロセス制御要素142は、半導体108の特定の位置を照射するのに関して、レーザ104および/または集束レンズ134の方向および位置を制御する。プロセス制御要素142はまた、光線109の強度、電圧源102によって与えられるバイアス電圧、エッチング液110の温度などの、他のエッチング入力変数を制御するように構成され得る。
【0021】
半導体108を選択的にエッチングするのに関するシステム100の操作が、ここで説明される。エッチング液110による半導体108のエッチングは、表面112にある原子格子の正孔があるところで、半導体108のエッチング面112で実行される、一連の化学的反応に基づいて発生する。たとえば、半導体108がシリコンを含み、エッチング液110がフッ化水素酸を含む例示の実施形態においては、エッチング反応は次の2段階の電気化学反応である。
【0022】
Si+2F-+2h+→SiF2 (1)
【0023】
SiF2+2HF→SiF4+H2 (2)
【0024】
式1に示される化学反応では、シリコン半導体の表面にある正電荷の正孔が、負電荷のフッ素イオンと中性のシリコンとの間の反応を促進し、表面でSiF2を発生させる。式2の化学反応は、HFエッチング液がSiF2と反応して、SiF4およびH2の気体を発生させる、エッチング反応である。したがって、式1および2に記載される電気化学エッチング反応は、半導体にある正孔の数と位置とを制御することによって制御できる。正孔があるところではエッチングが生じ、正孔がないところではエッチングが生じない。他の代替の化学反応式が、中間の酸化ケイ素段階を伴うシリコンのシリコン電気化学エッチングに関して提示された。概して、様々な提示された反応式および実験結果が、エッチングが生じるためには正孔が必要であることを実証した。
【0025】
例示のシステム100では、レーザ104で半導体108を照射にすることによって、正孔が生成される。エッチング液110と半導体108との電気化学エッチング反応は、正孔の存在によって促進されるので、半導体108のエッチングは、レーザ104による半導体108の照射に基づいて制御され得る。半導体に正孔を生成するために、電子が半導体のバンドギャップを価電子帯から伝導帯に遷移するように、半導体の格子にある電子に十分なエネルギが与えられなければならない。従来は、したがって、各光子が半導体のバンドギャップエネルギより大きなエネルギを有するレーザを使用して、半導体に正孔が生成されてきた。
【0026】
一方で、レーザ104は、光子エネルギが半導体108のバンドギャップエネルギより小さい光を放射するレーザである。サブバンドギャップエネルギの光は、通常は半導体108に吸収されず、したがって、半導体108はレーザ104に放射される光線109に対して一般的に透過性を示す。集束レンズ134は、光線109を半導体108の強力な焦点144に集束させるように構成される。通常は、サブバンドギャップエネルギの光は、電子が半導体の格子におけるその位置から自由になる(それにより正孔を生成する)のに十分なエネルギを電子に与えないが、集束レンズ134が光線を強力な焦点144に集束させるときに、MPAが生じて、複数の光子がほぼ同時に電子にエネルギを与える。電子がバンドギャップより低いエネルギを各々有する複数の光子を吸収するときに、十分なエネルギが与えられ、電子が価電子帯から伝導帯に移動して、それにより正孔を生成する場合がある。
【0027】
例示として、ここで
図2を参照すると、半導体の原子格子に正孔を生成する概念図が示されている。電子、光子、および正孔に関する一定の側面が、
図2に関して図示され説明されているが、このような側面は基本的な物理的プロセスの理解を容易にするための概念図としてのみ意図され、原子核内部の物理的プロセスの完全に正確な図示を意図しないことを理解されたい。
図2は、複数の電子e
-を含む半導体200のスナップショットを図示する。電子e
-は半導体200の価電子帯または半導体200の伝導帯のいずれかに束縛されている。
図2はさらに、たとえばレーザに放射される、光の光線202を図示する。
図2に示されるように、光線202は複数の光子pを含み、光子pの各々は半導体200のバンドギャップエネルギより低いエネルギを有する。
【0028】
はじめに、光線202は領域204で焦点が合っていない。焦点が合っていない領域204では、2つ以上の光子が1つの電子に同時にエネルギを与える見込みはないので、光線202は、電子が価電子帯から伝導帯へバンドギャップを渡るようにするのに十分なエネルギを電子に与える見込みはない。光線202は半導体200内で焦点206に集束される。焦点206では、光線202のフルエンス(つまり単位面積あたりのエネルギ)が、焦点の合っていない領域204と比べて上昇する。従って、焦点206では、2つ以上の光子が1つの電子にほぼ同時にエネルギを与える見込みが高い。MPAが光線202の焦点206で生じる。たとえば、
図2で示されるように、2つの光子208、210が電子212に同時に到達する。光子208、210は、電子212を、半導体200の原子格子のその位置から、電子212から延びる矢印で示されるように移動させるのに十分なエネルギを与える。一方で、
図2で示される時のスナップショットでは、単一の光子214のみが他の電子216に到達する。光線202の光子pはサブバンドギャップエネルギを有するので、単一の光子214は、電子216が格子におけるその位置から動くようにするのに十分なエネルギを電子216に与えるのには不十分で、そのため、光子214は吸収されず、電子216は価電子帯から離れない。電子e
-が半導体200の格子におけるその位置を離れるとき、正電荷の正孔h
+が残される。たとえば、正孔220はその位置に残るが、電子218は、格子における位置から遠ざかるように図示されている。
【0029】
図1を再び参照すると、焦点144における半導体108の原子格子にある電子による、サブバンドギャップエネルギの光線109のMPAによって、正孔が焦点144に生成される。焦点144で生成される正孔は、エッチング面112に移動でき、半導体108の酸化と後続のエッチングを、表面112にある正孔の位置で発生させる。例として、半導体108は表面112から半導体108内に延びる被エッチング機構146を含む。焦点144で生成された正孔が、被エッチング機構146の底面148に移るのに従って、エッチング液110は機構146の底面148を酸化およびエッチングし、機構146を半導体108の本体内にさらに延ばす。
【0030】
プロセス制御要素142は、所望される機構のエッチングを容易にするために、半導体108の電気化学エッチングの様々なパラメータを、エッチングチャンバ102にあるエッチング液110によって制御できる。たとえば、電界は、半導体108でエッチングされる機構の大きさおよび形状に影響を与えるように確立され可変的に制御され得る。システム100では、計算装置106が電圧源120と連結されており、プロセス制御システム142が電圧源120の出力を制御するように構成される。プロセス制御システム142は、半導体108に電界を確立するために、電圧源120を制御できる。上述で参照されるように、電界は、正孔がエッチング表面112に押し流されるように維持される。電圧源120を用いて半導体108に電界を確立することは、正孔を半導体の格子の所望される位置に向けることによって、半導体108の表面112の選択エッチングの実施を容易にする。半導体108内の様々な内部の電界(電圧源120によるものではない)は、半導体108の正孔に力を加え、半導体のドリフトを生じ得る。さらに、正孔は、半導体108の中で、濃度が高い領域から、濃度が低い領域に拡散する。電圧源120を使用して半導体108内の電界を確立することは、レーザ104の焦点144で正孔が発生するときと、正孔が表面112に到達するときとの間の時間を減少させることによって、他の電界およびキャリア拡散が半導体108の表面112にある正孔の最終的な位置に及ぼす影響を低減できる。
【0031】
例として、ここで
図3を参照すると、2つの異なる電界の影響下にある正孔の移動を示す図が描かれている。
図3は、エッチング液304に露出される第一表面302と、第一表面302の反対側にある第二表面306とを含む、半導体要素300を図示し、サブバンドギャップエネルギの光の光線308が第二表面306を通って半導体300に入る。光線308は、半導体300内に位置する光線308の焦点316に複数の正孔310~314を発生させる。正孔310~314は、電界Eの影響を受けて半導体300のエッチング面302に向かって移動する。電界Eの第一強度に対して、正孔310~314はそれぞれの位置318~322に移動する。もし電界Eがより高い第二強度に上昇されると(たとえば、システム100にある電圧源120の電圧出力を上昇させることによって)、正孔310~314はエッチング面302により迅速に押し流され得る。
図3に示されるように、より高い第二強度の電界の影響を受けて、正孔310、314は、位置318、322より互いに近い、それぞれの位置324、326に移動する。したがって、所定の組の照射パラメータ(たとえば、レーザの焦点の大きさ、位置、強度)に対するエッチング機構の大きさ(たとえば直径)は、電界Eの強度を低減させることによって増加し、あるいは電界Eの強度を上昇させることによって減少し得る。
【0032】
半導体108に所望の機構をエッチングすることに関して、システム100のさらに他のパラメータがプロセス制御要素142によって制御され得る。例示の実施形態では、プロセス制御要素142は、制御信号をレーザ104および/または集束レンズ134に出力し、レーザ104および/または集束レンズ134が半導体108内の焦点144の大きさ、強度、または位置を調整して結果として生じるエッチングに影響を与える。
【0033】
例として、ここで
図4を参照すると、様々な大きさおよび位置の焦点に関する、半導体内の正孔の移動の相違を示す図が描かれている。
図4はエッチング液404に露出される第一表面402と、第一表面402の反対側にある第二裏側表面406とを含む、半導体要素400を図示し、サブバンドギャップエネルギの光の光線408~412は、裏側表面406を通って半導体400に入るものとして図示されている。光線408~412の各々は、エッチング面402に対して焦点サイズおよび位置の異なる組み合わせを有する。光線408は、エッチング面402からd
1の深さの位置にある焦点幅fw
1を備えた焦点414を有する。正孔416、418は、焦点414でまずfw
1の最大距離の間隔が空けられているものとして図示されている。キャリア拡散、内部もしくは誘導電界、または他の様々な力によって、正孔416、418は半導体400のエッチング面402の位置420、422に移動する。位置420、422は、幅w
1離れた場所にあり、w
1の値は本明細書に記載される様々なエッチングパラメータに依存する。同様に、光線410は焦点424を有する。光線410の焦点424は、第一光線408の焦点414と同じ焦点幅fw
1を有するが、焦点424は、第一焦点414の深さd
1より浅い深さd
2に位置する。結果として、他の全ての条件が同じ場合、焦点424でfw
1の最大距離で発生する正孔426、428は、エッチング面420のそれぞれの第二位置430、432に移動し、幅w
1より狭い幅w
2で離れている。焦点の大きさが同じである場合、焦点とエッチング面との間の距離を増加させることによって、半導体のエッチング面におけるエッチング機構の大きさが増加し得る。
【0034】
焦点の幅は結果として生じるエッチング機構の幅にも影響を与え得る。さらに
図4を参照すると、第三光線412は、第二光線410の焦点424と同じ深さd
2に位置する焦点434を有する。第三光線412の焦点434はさらに、第二光線410の焦点幅fw
1より大きな、焦点幅fw
2を有する。正孔436、438は、焦点434でfw
2の最大距離を空けて発生されているものとして図示されている。正孔436、438はエッチング面402にあるそれぞれの第二位置440、442に移動するものとして図示されており、位置440、442は幅w
3の間隔が空いている。幅w
3は幅w
2より大きく、他の全ての条件が同じである場合、より大きな焦点幅fw
2はより大きなエッチング機構幅w
3を発生させることを示している。
【0035】
レーザ104の焦点144の位置は、さらに、半導体108にある既存の被エッチング機構の位置に対して制御されて、結果として生じる被エッチング機構の大きさまたは形状に影響を与え得る。たとえば、被エッチング機構の形状によって確立される内部電界が、焦点144に生成される正孔の動作を変更させるように、焦点144が半導体108にある被エッチング機構の表面に極めて接近して位置する場合がある(たとえば、特定の半導体のキャリア拡散の長さに応じて、機構の表面の10ナノメートル以内から、機構の表面の10から200ミクロン以内、またはそれより大きい)。非限定的な例において、ここで
図5を参照すると、半導体500の例示のエッチングの図が示されており、正孔はエッチングの大きさを減少させるために、既存のエッチング機構に極めて接近して生成されている。半導体は、エッチング液504に露出される表側表面502と、サブバンドギャップエネルギの光の光線508が通って半導体500に入る裏側表面506とを含む。半導体500は、半導体500の表面502にエッチングされる機構510を含む。機構510は表面502で第一幅w
iを有する。例示の実施形態では、初期幅w
iは光線508の焦点512の幅、半導体500にある誘導電界Eの強度、表面502と焦点512の位置との間の電荷キャリアの濃度の相対的な差等に基づいている。機構510が半導体500に延びるにつれて、機構510の幅は、機構510の先端514における電荷キャリアの電界集束によって、より小さい最終幅w
fに先細りになる。
【0036】
例示として、複数の正孔516~520が光線508の焦点512で発生される。誘導電界Eの影響を受けて、正孔516~520は光線508の焦点512から、半導体500のエッチング表面502に向かって移動する。既存の機構がない場合、表面502におけるエッチング機構の最小幅は、光線508の焦点サイズによって限定され得る。たとえば、半導体500の表面502で機構510を最初にエッチングするのに関して、第一幅wiは焦点512の幅の場合がある。機構510が半導体内にエッチングされるにつれて、機構510の表面(たとえば、内部表面522、524)は電界線(図示なし)を表面506から機構510に向かって、具体的には機構510の先端514に向かって湾曲させる。機構510による電界におけるこのような変化は、正孔が半導体500を通って移動するように正孔に力を加える。したがって、光線508の焦点512で生成される正孔516~520は、機構510の先端514に向かって、幅wf内の位置526~530に引き寄せられる。機構510がない一方で、(たとえば、半導体500における電荷キャリア拡散によって)正孔516~520は表面502に向かって移動するのにつれて離れて広がる場合があり、機構510の表面は正孔を表面に向かって引き寄せる。
【0037】
例示の実施形態では、機構510の最終幅w
fは焦点512の幅より小さい。よって、
図1を再び参照すると、レーザ104の焦点144を半導体108の被エッチング機構の近くに設置することによって、機構は半導体108内でエッチングされ、レーザ104および集束レンズ134の解像限界より小さい場合がある。一つの実施例において、もしレーザ104が500ナノメートルの最小焦点サイズを有する場合、プロセス制御要素142は、10ナノメートル程度の小さな寸法のエッチング機構に集束する電界を利用するように、レーザ104を制御する。
【0038】
サブバンドギャップエネルギの光は、レーザ104の焦点144を除いて、半導体108に吸収されないので、焦点144は半導体108の3次元ボディ内のどこにでも位置することができる。このことは、フォトマスクに基づく従来のエッチングで一般的に要求される、半導体108のエッチング表面112への直接の直線経路を必要とすることなく、半導体108内の3次元機構のエッチングを可能にする。
【0039】
たとえば、ここで
図6を参照すると、半導体600の例示のエッチングが図示されており、空洞602が半導体600のボディの中に形成される。
図6に示されるように、半導体600は、エッチング液606に露出される表側表面604と、サブバンドギャップエネルギの光の光線610が通って半導体600に入る裏側表面608とを含む。空洞602は、半導体600の表面に形成されるよりむしろ、半導体600の体積内に配置される。半導体600は、光線610の焦点612以外では光線608に対して透過性を示すので、焦点612は、半導体600のボディ内の任意の位置に正孔を発生するように位置決めされ得る。空洞602をエッチングするのに関して、空洞602のエッチングより前に、追加の経路機構614、616がエッチングされる。光線608を使用して半導体600内の正孔の発生を制御することにより、エッチング液606によるエッチングの位置が制御でき、機構がエッチングされるためには、エッチング液606が機構に到達可能でなければならない。したがって、第一経路機構614は、表側表面604から半導体600の体積に入るようにエッチングされる。エッチング液606は第一経路614を経由して第二経路機構616に到達可能であるので、第一経路機構614に続いて、第二経路機構616がエッチングされる。その後、すでにエッチングされた経路機構614、616を経由して、エッチング液606が空洞602に到達可能であるので、空洞602がエッチングされ得る。
【0040】
理解を容易にするために、被エッチング機構に関する様々な側面が、2次元の形態で図に示されているが、本明細書に記載される技術は、3次元のほぼいかなる形状の機構もエッチングするのに適切であることを理解されたい。ここで
図7を参照すると、
図6に図示される被エッチング機構602、614、616の3次元表示700が示されている。三次元表示700では、半導体600は矩形の立体形状を有するように示されている。第一経路機構614は、表側表面604から半導体600のボディ内に延びている、矩形経路機構である。第二経路機構616も矩形経路機構であって、半導体600のボディ内にある第一経路機構614から水平方向に外に向かって延びる。空洞602は、第二経路機構616と接続し、それにより、2つの経路機構614、616によって半導体600の表側表面604と接続される、立体空洞として示されている。
【0041】
再び
図1を参照すると、プロセス制御要素142はさらに、所望のエッチングパラメータを維持するために、エッチング液110の温度および組成を制御することができる。システム100はさらに、計算装置106に連結されている組成制御器150および温度制御器152を含む。組成制御器150は、格納容器114にある開口部154によって、第一格納容器114の内部に連結される。組成制御器150は、エッチング反応の副産物を第一格納容器114から除去するため、および/または、格納容器114内でエッチング液110の目標組成を維持するように追加のエッチング液を導入するために、プロセス制御要素142によって制御され得る。温度制御器152は、格納容器114内に位置する加熱/冷却装置156に連結される。計算装置106から制御信号を受信するのに対応して、温度制御器152は、エッチング液110の目標温度を維持するように、加熱/冷却装置156を制御して、格納容器114内のエッチング液110を加熱または冷却する(たとえば、計算装置106によって温度制御器152に送信される制御信号に指示されるように)。
【0042】
本明細書に記載される様々な力、パラメータ、および変数のいずれかまたは全ては、半導体108内の正孔の移動に影響を与え得ることを理解されたい。したがって、多数の可変の物理的パラメータ(たとえば、温度、電極122、124間の電圧、焦点144の大きさ、強度、および位置、半導体108の組成等)の影響の下で、一か所で生成された正孔が他の位置に移動し得るのが現実となるであろう。所望のエッチングパターンに従って、半導体108のエッチングを容易にするために、メモリ138は、計算装置106へのエッチング定義入力に基づいてエッチング制御命令をプロセス制御要素142に出力する、エッチングモデリング要素158を含む。さらに、(発生しているエッチングの速度に関連する)電気化学エッチングセル内を流れる電流Iを監視すること、エッチング液110の現在の温度を監視すること、(たとえば、組成制御器150によって識別されるように)エッチング工程から生まれる生成物を監視する、またはエッチングが進行するにつれてエッチング正面の像を監視することによって、制御アルゴリズムにフィードバックが導入され得る。
【0043】
所望のパターンに従って半導体108をエッチングするのに関して、エッチングモデリング要素158およびプロセス制御要素142の例示の操作がここで説明される。エッチング定義がエッチングモデリング要素158に与えられ、エッチング定義は、半導体108で所望されるようにエッチングされる様々な機構の位置および寸法を示す。つまりエッチング定義は、半導体108がエッチングされるのが望ましい、複数の位置を示し(たとえば、システム100の操作者によって)、複数の位置をまとめるとエッチングされる1つ以上の機構の構造を画定する。例示の実施形態では、エッチング定義は、半導体の寸法と、半導体の1つ以上のエッチング機構に関するそれぞれの位置および寸法とを指示する、コンピュータ支援設計(CAD)ファイルを含む。エッチングモデリング要素158へのエッチング定義の入力はさらに、エッチングの1つ以上の所望のパラメータを含み得る。例として、限定はしないが、エッチング定義は、半導体108の組成、半導体108における既存の被エッチング機構の位置、レーザ104および/または電圧源120の所望の操作パラメータ等を示すデータを含み得る。
【0044】
エッチングモデリング要素158は、エッチング定義に基づいて、エッチング制御命令をプロセス制御要素142に出力するように構成される。エッチング制御命令は、エッチング定義に記載される所望のエッチングを実施するのに関して、プロセス制御要素142に使用される、システム100の様々な側面に関する制御パラメータを定義する。例示の実施形態では、エッチング制御命令はレーザ104の焦点144の複数の位置を含む。他の例では、エッチング制御命令は、エッチング液110の組成、エッチング液110の温度、電圧源120の電圧出力等を示すデータを含み得る。
【0045】
例示のシステム100では、機構146などの、半導体108にあるすでにエッチングされた機構によって光線109が散乱するのを避けるために、光線109は半導体108の裏側表面128に放射される。半導体108にある被エッチング機構による光線109の散乱は、半導体108を裏側128からレーザ104で照射すること、および、エッチング面112からより離れた機構をエッチングする前に、まずはエッチング面112に最も近い機構をエッチングすることによって、通常は避けることができる。しかし、より複雑な3次元構造に関しては、光線109の散乱を避けるために、機構を異なる順序でエッチングすることが必要な場合がある。エッチングモデリング要素158は、光線109が半導体108にあるすでにエッチングされた機構を横切ることを最小限にするための、エッチング制御命令を生成するように構成され得る。
【0046】
例示の実施形態では、エッチングモデリング要素158は、半導体108内の正孔の移動の予測を出力するように構成される、物理モデル160に基づくエッチング制御命令を生成する。一例では、所望されるエッチング位置が物理モデル160に与えられ(たとえば、エッチングモデリング要素158に与えられるエッチング規定に示されるように)、物理モデル160は照射位置を含む予測を出力し、予測は照射位置で生成された正孔が所望のエッチング位置に移動すると予想されることを示す。つまり、物理モデル160は半導体108の所望されるエッチングの位置を受信し、所望されるエッチングをもたらすようにレーザ104の焦点144が位置し得る場所の予測を出力する。
【0047】
物理モデル160は、半導体108における正孔の運動に影響を与える様々なパラメータに基づいて、所望のエッチング位置に対する照射位置の予測を生成する。このような物理的な影響は、電荷キャリア拡散や、(たとえば、電極122、124の間で確立される電圧によって生じる)半導体108内の誘導電界や、導電材料126、半導体108、エッチング液110、電極122、124および電圧源120を含む電気化学セルを通る電流フローIなどを含むが、これらに限定されない。照射位置予測を生成するのに関して、物理モデル160はさらに、モデル化された物理的工程に影響を与え得る他の下層のデータに基づいて、これらのパラメータによる影響をモデル化できる。たとえば、物理モデル160は、半導体108の組成と、半導体108内のドーパントもしくは他の不純物の濃度とに基づいて、電荷キャリア拡散の影響をモデル化できる。他の例では、物理モデル160は、電極122、124間に与えられる電圧に基づいて、誘導電界の影響をモデル化できる。
【0048】
物理モデル160は、所望されるエッチングパラメータに関するデータを受信するのに加えて(たとえば、エッチングモデリング要素158に提示されるエッチング定義に特定されるように)、システム100の1つ以上の操作パラメータの現状に関するデータを受信する。たとえば、プロセス制御要素142は、データをリアルタイムで物理モデル160に出力でき、データは電流フローIを示し、電流フローIはエッチング反応の反応速度を示す(たとえば、上述の式1および2に記載される反応)。よって、物理モデル160は、システム100の現状に関するデータに基づいて、所望されるようにエッチングされる機構に関する照射位置の最新の予測を継続的に生成できる。エッチングモデリング要素158は、予測に基づく最新の制御命令を生成し、最新の制御命令をプロセス制御要素142に送信し、システム状況に関する最新情報に基づいて、プロセス制御要素142によるシステム100の制御を容易にする。
【0049】
他の例示の実施形態では、物理モデル160は、データストア140に記憶されるシミュレーション結果162に基づいて、照射位置予測を生成するように構成され得る。一実施形態では、シミュレーション結果162は、様々なエッチングパラメータに従って、半導体のシミュレーションされたエッチングの多数の(たとえば、数百または数千以上)結果を含む。物理モデル160は、シミュレーション結果162に機械学習アルゴリズムを実行し、エッチングモデリング要素158によって受信されるエッチング定義に指示される所望のエッチングと同様のエッチングパターンを示す、エッチングのシミュレーション結果を識別するように構成され得る。そして物理モデル160は、識別された結果に基づいて、照射位置予測を出力できる。
【0050】
物理モデル160によってモデル化された物理的影響の特定の例が本明細書に記載されているが、物理モデル160は、照射位置でレーザ104の焦点144によって生成される正孔の、結果として生じるエッチング位置に影響を与え得る、ほぼいかなる物理的工程をもモデル化できることを企図されている。
【0051】
様々な半導体の選択的な電気化学エッチングに関するシステムおよび方法は、様々な大きさのエッチング機構に適することを理解されたい。たとえば、機構は、10ナノメートルから1ミクロンのオーダーの大きさ、10ミクロンから1ミリメートルのオーダーの大きさ、もしくは任意の大きな機構を有するように、本明細書に記載の技術に従ってエッチングされ得る。
【0052】
半導体の選択エッチングに関して操作可能な例示のシステム100に関する様々な側面が上述で詳細に説明されているが、他の構成が本開示の範囲内として可能かつ企図されていることを理解されたい。ここで
図8を参照すると、他の例示のシステム800が図示されており、半導体108は、複数のサブバンドギャップエネルギのレーザ804~808による表側照射のために構成される、エッチングチャンバ802内に含まれている。エッチングチャンバ802は、エッチング液110を含む第一格納容器810と、半導体108および導電要素814を含む第二格納容器812とを含む。第一格納容器810はさらにウィンドウ816を含み、それぞれのレーザ804~808によって放射される光線818~822はウィンドウ816を通り、それぞれの集束レンズ824~828によって、半導体108の表側エッチング面112に向かって集束される。光線818~822は半導体108の表側表面112に向かって放射されるが、光線818~822は、半導体108のボディ内かつ表面112の下で、それぞれの焦点に集束し得ることを理解されたい。例示のシステム800では、電圧源120が、半導体108の裏側128と電気的に接触する導電要素814と、第一格納容器810に位置する電極830との間に接続される。
【0053】
計算装置106のプロセス制御要素142は、半導体108のエッチングをより速くするために、複数のレーザ804~808を独立して制御するように構成され得る。たとえば、エッチング液110による半導体108のエッチングは、エッチング反応を容易にする正孔によって行われるので、レーザ804~808によって半導体108の複数の位置に正孔を同時に発生させることは、いくつかの機構が同時にエッチングされることを可能にする。ほぼ任意の数のレーザが、半導体の選択的な電気化学エッチングのためのシステムに含まれ、プロセス制御要素142によって制御され得る。他の例では、同じ機構が、半導体108内で複数回にわたって同時にエッチングされ得るように、プロセス制御要素142が、複数のレーザを並行して作動するように制御することが望ましい場合がある。
【0054】
図9は、半導体のサブバンドギャップエネルギ照射によって行われる半導体の選択エッチングに関連する例示の方法を図示する。方法は、ある順序で実施される一連の動作として図示され記載されているが、方法はこの順序の順番によって限定されないことを理解および認識されたい。たとえば、いくつかの動作は本明細書に記載されるものと異なる順番で起こる場合がある。加えて、動作は他の動作と同時に起こる場合がある。さらに、いくつかの例では、全ての動作が本明細書に記載される方法を実行することを要求されるとは限らない。
【0055】
さらに、本明細書に記載される動作は、1つ以上のプロセッサに実装される、および/または、コンピュータ可読媒体もしくは複数の媒体に保存される、コンピュータが実行可能な命令でもよい。コンピュータが実行可能な命令は、ルーチン、サブルーチン、プログラム、実行スレッドおよび/または同類のものを含み得る。さらに、方法の動作の結果は、コンピュータ可読媒体に記憶され、表示装置および/または同様の物に表示され得る。
【0056】
ここで
図9を参照すると、半導体のサブバンドギャップエネルギ照射による半導体の選択エッチングを容易にする、方法900が図示されている。方法900は902で開始し、904で、電圧が半導体の第一表面と半導体の第二表面との間に与えられる。例として、半導体の第一および第二表面とそれぞれ接触する、導電性溶液に浸される電極間(たとえば、例示のシステム100に図示される電極122、124)に電圧を加えることによって、第一表面および第二表面の間に電圧が加えられ得る。906では、半導体のバンドギャップエネルギより低いエネルギを有する光を放射するレーザによって、半導体が第一位置で照射される。レーザは、正孔が半導体の第一位置で生成されるのに十分な強度で焦点に集束され、半導体のエッチングは、第一位置で生成される正孔に基づいて第二位置で生じる。そして方法は908で終了する。
【0057】
ここで
図10を参照すると、本明細書に記載されるシステムおよび方法に従って使用できる、例示の計算装置1000のハイレベルな図が図示されている。たとえば、計算装置1000は、半導体の選択エッチングのためのシステムの作動を制御するシステムで使用され得る(たとえば、システム100、システム800)。他の例として、計算装置1000は、物理モデルに基づいて、半導体内で電荷キャリアの移動のシミュレーションを行うシステムで使用され得る。計算装置1000は、メモリ1004に記憶される命令を実行する少なくとも1つのプロセッサ1002を含む。たとえば命令は、上述される1つ以上の要素によって実施されるものとして記載される機能を遂行するための命令の場合もあり、または上述の方法の1つ以上を遂行するための命令の場合もある。プロセッサ1002は、システムバス1006によってメモリ1004にアクセスし得る。実行可能な命令を記憶することに加えて、メモリ1004はシミュレーション結果、エッチング定義、選択エッチングシステムの様々なプロセスパラメータの状態等も記憶し得る。
【0058】
計算装置1000は、さらに、システムバス1006によってプロセッサ1002がアクセスできる、データストア1008を含む。データストア1008は、実行可能な命令、シミュレーション結果等を含み得る。計算装置1000は、外部装置が計算装置1000と通信できるようにする、入力インターフェイス1010も含む。たとえば、入力インターフェイス1010は、外部計算装置、ユーザ等からの命令を受信するように使用され得る。計算装置1000は、計算装置1000を1つ以上の外部装置と接続させる、出力インターフェイス1012も含む。たとえば、計算装置1000は、出力インターフェイス1012によって、テキスト、画像等を表示し得る。
【0059】
入力インターフェイス1010および出力インターフェイス1012を介して計算装置1000と通信する外部装置は、ユーザが相互作用できる、ほぼ任意の種類のユーザインターフェイスをもたらす環境に含まれ得るように企図される。ユーザインターフェイスの種類の例は、グラフィカルユーザインターフェイス、ナチュラルユーザインターフェイスなどを含む。たとえば、グラフィカルユーザインターフェイスは、キーボード、マウス、リモコン装置などの、1つのもしくは複数の入力装置を使用して、ユーザからの入力を受信し、ディスプレイなどの出力装置に出力する。さらに、ナチュラルユーザインターフェイスは、キーボード、マウス、リモコン装置などの入力装置によって課せられる制約なしに、ユーザが計算装置1000と相互作用できるようにし得る。むしろ、ナチュラルユーザインターフェイスは、音声認識、タッチおよびタッチペン認識、スクリーン上およびスクリーンに隣接する両方のジェスチャー認識、空気ジェスチャー、頭部および眼の追跡、声および音声、視覚、タッチ、ジェスチャー、機械知能などを利用し得る。
【0060】
加えて、単一のシステムとして図示されているが、計算装置1000は分散システムでもよいことを理解されたい。したがって、たとえば、いくつかの装置が、ネットワーク接続を使用して通信する場合があり、計算装置1000に実施されるものとして記載される作業を共同で実施する場合がある。
【0061】
本明細書に記載される様々な機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその任意の組み合わせで遂行され得る。もしソフトウェアで遂行される場合、機能はコンピュータ可読媒体の1つ以上の命令もしくはコードとして、記憶または送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセスできる、任意の市販の記憶媒体の場合がある。例として、限定はしないが、このようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM,CD-ROMもしくは他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または、所望のプログラムコードを命令またはデータ構造の形態として運搬もしくは記憶でき、コンピュータがアクセスできる、任意の他の媒体の場合がある。本明細書で使用される、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)(BD)を含み、ディスク(disk)は通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は通常、光学的にレーザを用いてデータを再生する。さらに、伝搬される信号は、コンピュータ可読記憶媒体の範囲内に含まれない。コンピュータ可読媒体はまた、コンピュータプログラムを1つの場所から他の場所へ移動させるのを容易にする、任意の媒体を含む通信媒体も含む。接続は、たとえば、通信媒体の場合がある。たとえば、もしソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または、赤外線、無線およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他の遠隔源から送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、通信媒体の定義に含まれる。上記のものの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。
【0062】
代替的に、または加えて、本明細書に記載の機能は、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェアロジック要素によって遂行され得る。たとえば、限定することなく、使用できるハードウェア論理要素の例示の種類は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け汎用製品(ASSP)、システム・オン・チップシステム(SOC)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)等を含む。
【0063】
上述されることは、1つ以上の実施形態の例を含む。もちろん、前述の態様を説明するために、上記装置または方法の全ての考えられる修正形態および代替形態を記載するのは不可能であるが、当業者は様々な態様の多くのさらなる修正および変更が可能であることを認識できる。従って、記載される態様は、添付の請求項の精神および範囲内の、全てのこのような代替形態、修正形態、および変更形態を包含するように意図される。さらに、“含む(includes)”という表現が、詳細な説明または請求項のいずれかで使用される範囲で、このような表現は、“含む(comprising)”が請求項で移行部として使用されるときに解釈されるのと同様に、“含む(comprising)”という表現に類似した方法で包括的であることを意図する。