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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】フィルタの浄化装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/04 20060101AFI20230712BHJP
【FI】
B01D46/04 101
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021015397
(22)【出願日】2021-02-03
(65)【公開番号】P2022118743
(43)【公開日】2022-08-16
【審査請求日】2022-07-13
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598028349
【氏名又は名称】株式会社サタコ
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】青沼 三郎
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特公昭36-005595(JP,B2)
【文献】特開昭57-177317(JP,A)
【文献】特開平11-062722(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108211573(CN,A)
【文献】特開平09-239218(JP,A)
【文献】特開2019-025374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に圧縮気体が送り込まれるとともに、この圧縮気体に含まれる異物を捕獲するフィルタの浄化装置であって、
前記圧縮気体が上流側の端部から下流側の端部に向かって送り込まれ、筒状で内部が連通している本体と、前記本体に内装される中空状で可撓性を有するフィルタとを備え、
前記本体において、下流側の開口端部には、前記フィルタと連通し、前記圧縮気体が流入して前記圧縮気体の流量を制限する圧力設定手段と、前記圧力設定手段と連通して前記フィルタの内部を陽圧とするメイン流路と、一端が前記メイン流路と連通し、他端が前記本体に対して開放されているバイパス流路とが設けられ、
前記バイパス流路には、前記バイパス流路から排出される前記圧縮気体の流量を変化させ、前記フィルタに圧力変動を生じさせる圧力変動手段が設けられるフィルタの浄化装置。
【請求項2】
前記圧力変動手段が、流量調整弁によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタの浄化装置。
【請求項3】
前記圧力変動手段が、電磁開閉弁によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタの浄化装置。
【請求項4】
前記フィルタが中空糸膜によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタの浄化装置。
【請求項5】
前記流量調整弁が、ニードル弁によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のフィルタの浄化装置。
【請求項6】
前記電磁開閉弁に、その開閉動作を制御するコントローラが接続されていることを特徴とする請求項3に記載のフィルタの浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体中のフィルタの浄化装置に関わり、特に、フィルタに送り込まれる気体に含まれた異物を除去するフィルタに好適に用いられるフィルタの浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、たとえば、クリーンルームに供給される気体、すなわちエアは、その中に含まれるパーティクル等の異物をフィルタによって除去して高純度のクリーンエアとした後にクリーンルームに供給するようにしている。
【0003】
このようなクリーンエアを生成する装置の一例が特許文献1において示されている。
【0004】
この気体生成装置は、平板状のフィルタを矩形状の枠に取り付けることによってフィルタ構成体とし、このフィルタを、クリーンルームの上流側に設置してエアを通過させる構成となっている。
【0005】
そして、エアをクリーンルームに送り込む前にフィルタを通過させることにより、エア中のパーティクルを除去したクリーンエアを生成しクリーンルームへ供給するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-146640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、気体中の異物を捕獲除去するフィルタは、異物が漸次蓄積されることによってフィルタ機能が低下する。
【0008】
このような現象が生じた場合、前述した特許文献1に示されているクリーンエア生成装置では、フィルタを枠とともに取り替えることによって対応している。
【0009】
しかしながら、このような対応であるとフィルタの交換に時間を要し、この間クリーンエアを生成できない。
【0010】
本発明は、このような従来において残されている不具合に鑑みてなされたもので、フィルタによって捕獲された異物の除去を、フィルタを取り外すことなく行なって、フィルタの交換を無くし、若しくは、極力少なくすることが可能なフィルタ浄化装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のフィルタの浄化装置は、可撓性を有し内部に圧縮気体が送り込まれるとともに、この圧縮気体に含まれる異物を捕獲する中空状のフィルタと、このフィルタの内部圧力を変動させる圧力変動手段によって構成されていることを特徴とする。
【0012】
このような構成とすることにより、中空状のフィルタ内に圧縮気体が所定量で供給され、この気体がフィルタを透過する。
【0013】
そして、前記気体がフィルタを透過する際に、気体中の異物がフィルタによって捕獲されて体から分離され、この分離機能が継続して行なわれることにより、分離された異物がフィルタに蓄積される。
【0014】
ここで、圧力調整手段によってフィルタに送り込まれる気体量を変動させると、このフィルタに径方向の振動が生じ、また、フィルタに送り込まれる気体量が、前述した所定量と、この所定量から大幅に増加された量との間で変動させられる。
【0015】
このようにフィルタに径方向の振動を与えると、収縮方向の振動端においてフィルタの内圧が若干負圧状態となる。
このような振動と負圧の作用により、フィルタに獲された異物がフィルタから剥離する。
これによって、フィルタが浄化されて、フィルタのフィルタ機能が回復する。
【0016】
剥離された異物は、流量が大幅に増加されたフィルタ内の気体とともにフィルタ外へ放出され除去される。
【0017】
このように、フィルタの浄化を、フィルタを固定した状態で行なうことができる。
したがって、フィルタ機能の回復を、フィルタを取り外すことなく行なうことができ、フィルタの交換作業を軽減することができる。
【0018】
前記圧力変動手段は流量調整弁によって構成することができる。
このような構成とすることにより、フィルタから排出する気体量を細かく設定することができる。
【0019】
前記流量調整弁をニードル弁によって構成することができる。
このような構成とすることにより、フィルタから排出する気体量を細かく、且つ、リニアに設定することができる。
【0020】
前記圧力変動手段を電磁開閉弁によって構成することができる。
このような構成とすることにより、電磁開閉弁の開閉動作、すなわち、前述したフィルタからの気体の排出量を電気的に制御することができる。
【0021】
そして、電磁開閉弁にパーソナルコンピュータ等のコントローラを接続し、このコントローラに、フィルタに振動を与える時間や間隔を記憶させておくことにより、フィルタの浄化を自動的に行なうことができる。
【発明の効果】
【0022】
フィルタによって捕獲された気体中の異物の除去を、フィルタを取り外すことなく行なってフィルタの交換を無くし、若しくは、極力少なくすることのできるフィルタの浄化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1の実施形態を示す縦断面図である。
図2】本発明の第1の実施形態を示すもので、フィルタ内の異物の状態を示す概略縦断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態を示すもので、フィルタから異物を分離する作用を説明するための概略縦断面図である。
図4】本発明の第1の実施形態を示すもので、異物の排出方法の一例を説明するための概略縦断面図である。
図5】発明の第1の実施形態に用いられるフィルタから排出される原料気体の排気量の時間的変化を示す図である。
図6】本発明の第2の実施形態を示す縦断面図である。
図7】本発明の第2の実施形態の変形例を示す縦断面図である。
図8】本発明の第3の実施形態を示す縦断面図である。
図9】本発明の一実施形態が適用される機器のシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のフィルタ浄化装置は1、可撓性を有し内部に圧縮気体が送り込まれるとともに、この圧縮気体に含まれる異物を捕獲する中空状のフィルタ2と、このフィルタ2の内部圧力を変動させることにより、前記フィルタに膨張収縮の反復動作を生じさせて、捕獲された異物を前記フィルタから剥離させる圧力変動手段3よって構成されている。
【0025】
本実施形態においては、前記フィルタ2は中空糸膜によって構成されており、円筒状に形成された本体4内に多数本内装されている。
【0026】
前記本体4の上流柄の端部には、この端部を気密に覆うとともに、多数のフィルタ2の一端部を連通状態で支持する気体供給チャンバ5が設けられ、下流側の端部には、本体4の下流側の端部を気密に覆うとともに、フィルタ2の他端部を連通状態で支持する気体集合チャンバ6が設けられている。
【0027】
気体集合チャンバ6には、この気体集合チャンバ6に形成されたメイン流路Aに連通された蓄圧容器7が設けられている。
【0028】
この蓄圧容器7には、メイン流路Aおよび気体集合チャンバ6を経て連通させられたフィルタ2の内部圧力を設定する圧力設定手段8が設けられているとともに、メイン流路Aから分岐形成されたバイパス流路Bが形成されている。
【0029】
バイパス流路Bには、前記圧力変動手段3を構成するニードル弁からなる流量調整弁9が設けられている。
【0030】
流量調整弁9は前述したようにニードル弁によって構成されており、その回転に伴う軸方向の移動により、バイパス流路Bの開放量を調整することにより、バイパス流路Bの流量、すなわち、フィルタ2からの気体排出量を調整するようになっている。
【0031】
前記圧力設定手段8は、前記蓄圧容器7と、メイン流路Aに連設され気体集合チャンバ6の圧力(フィルタ2内の圧力)によって開放される第1の逆止弁10と、前記蓄圧容器7内の圧力が設定圧力に以上となった際に開放される第2の逆止弁11によって構成されている。
【0032】
そして、第1の逆止弁10の開放圧力が設定圧力(フィルタ2によるフィルタ機能が得られる圧力)に設定され、第2の逆止弁11の開放圧力が設定圧力よりも大きく設定されており、第1の逆止弁10にかかる圧力が設定圧力に至った際に、気体集合チャンバ6内の気体が蓄圧容器7に送り込まれる。
【0033】
前記蓄圧容器7内の圧力が第2の逆止弁11の開放圧力に至ると、第2の逆止弁11が開放され、気体が第2の逆止弁11に接続された流量調整弁12によって設定されている流量で蓄圧容器7から排出されるようになっている。
【0034】
また、前記第2の逆止弁11と流量調整弁12との間には、開閉弁13が前記流量調整弁12と並列的に設けられている。
この開閉弁13は、開位置において、蓄圧容器7に貯留されている気体を、流量調整弁12に設定されている流量よりも大きな流量で排出するようになっている。
【0035】
ついで、このように構成された本実施形態の作用について説明する。
一方、フィルタ2内に供給される気体には、図2(a)に示すように、異物Pが含まれている。
【0036】
この異物Pは、フィルタ2のフィルタ機能により、図2(b)に示すように、捕獲されるとともに、この捕獲作用の継続によりフィルタ2に蓄積される。
【0037】
ここで、流量調整弁9の開度を調整することにより、バイパス流路Bの気体の流量を変化させる。
【0038】
ここで、バイパス流路B内の気体の流量を大きくすると、フィルタ2から排出される気体の流量が大幅に増加するとともに圧力が減少して、フィルタ2が、図3(b)に示すように径方向に収縮し、バイパス流路B内の気体の流量を小さくすると、フィルタ2から排出される気体の流量が減少してフィルタ2内の圧力が上昇し、フィルタ2が、図3(a)に示すように径方向に膨張する。
【0039】
このような、フィルタ2の膨張と収縮を反復して生じさせることにより、このフィルタ2を径方向に振動させることができるとともに。フィルタ2の収縮時に、フィルタ2内が減圧して負圧が発生するとともに、フィルタ2内の気体流量が大幅に増加する。
【0040】
さらに、流量調整弁9の開閉を急速に行なうことにより、フィルタ2内の圧力を急速に変化させ、これによって、フィルタ2の膨張収縮を急速に行なわせることができる。
【0041】
そして、フィルタ2内の減圧時の負圧により異物Pがフィルタ2から剥離され、この剥離された異物Pは、フィルタ2外へ排出されるフィルタ2内の流量が増加された気体によって、フィルタ2外へ排出される。
すなわち、異物Pは、フィルタ2の膨張時に、図3(a)に示すように、フィルタ2とともに膨張方向へ一体的に移動するが、フィルタ2の収縮時に、図3(b)に示すように、フィルタ2内の負圧により異物Pがフィルタ2から剥離させられ、剥離された異物Pは、増加された流量の気体によってフィルタ2外へ排出される。
【0042】
このように異物Pをフィルタ2の内壁から剥離させることにより、フィルタ2におけるフィルタ機能を回復させることができる。
【0043】
そして、剥離された異物Pは、図4に示すように、フィルタ2内の気体とともに蓄圧容器7へ送り込まれて一旦貯留され、適宜作動させられる開閉弁13が開放されることにより、この開閉弁13を経て外部へ排出される。
【0044】
しかも、異物Pの除去作用を短い間隔で行ない、あるいは、多数回反復して行なうことにより、フィルタ4の原料エアの透過面積を狭くしても十分な異物Pの除去効果を確保することができる。
【0045】
前述した異物Pの除去作用に寄与する、フィルタ2からの気体流量の排出量の変化を図5に示す。
この図において、下のグラフは圧力変動手段3の作動タイミングを示し、上のグラフはフィルタ2からの排気流量を示す。
【0046】
この図から明らかなように、圧力変動手段3を作動させた直後にフィルタ2からの排気量が大幅に増加し、異物Pの除去が確実に行なわれていることが確認できる。
【0047】
図6は、本発明の第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態における蓄圧容器7を無くし、気体集合チャンバ6のメイン流路Aの延長線上に流量調整弁12を設け、このメイン流路Aから分岐されたバイパス流路Bに電磁開閉弁14を設け、この電磁開閉弁14によって圧力変動手段3を構成し、また、電磁開閉弁14に、その開閉を電気的に行なうパ-ソナルコンピュータ等のコントローラ15を接続した構成としたものである。
【0048】
本実施形態においては、コントローラ15には、電磁開閉弁14の開放時期や開放継続時間、また、開放の時間的間隔等の情報が記憶されている。
【0049】
このように構成された本実施形態のフィルタ浄化装置1は、電磁開閉弁14を開放することによりフィルタ2内の気体を放出し、また、電磁開閉弁14を閉じることにより、フィルタ2内の気体を流量調整弁12において設定された流量で放出する。
【0050】
ここで、電磁開閉弁14が開放されると、フィルタ2内の気体を、流量調整弁12において設定された流量よりも多い気体が放出され、フィルタ2内の圧力が減少する。
【0051】
また、電磁開閉弁14が閉じられると、この電磁開閉弁14からの多量の気体放出が止まり、これによって、フィルタ2内の圧力が上昇する。
【0052】
このようなフィルタ2の圧力変動により、前述した第1の実施形態と同様に、フィルタ2に径方向の膨張および収縮の振動を与えて、フィルタ2から異物Pを剥離させることができる。
【0053】
剥離された異物Pは、電磁開閉弁14から放出される気体とともに放出され除去される。
このような作用により、第1の実施形態と同様にフィルタ2の浄化を行なうことができる。
【0054】
また、本実施形態においては、電磁開閉弁14の開閉動作をコントローラ15によって電気的な制御によって行なうことができるので、フィルタ2の浄化を自動で行なうことができる。
【0055】
前記電磁開閉弁14は、図7に示すように、気体集合チャンバ6に蓄圧容器7を装着し、この蓄圧容器7内に設置することもできる。
【0056】
図8は、本発明の第3の実施形態を示す。
この実施形態においては、フィルタ浄化装置1の上流側に、フィルタ2へ送り込まれる気体の流量を設定する流量調整弁16と、この流量調整弁16と並列的に設置された電磁開閉弁17を接続した構成となっている。
【0057】
このような構成とすることにより、流量調整弁12の設定流量と流量調整弁16の設定流量とのバランスにより、フィルタ2内の圧力を設定圧力とし、電磁開閉弁17の開放により、気体の供給量を増加させてフィルタ2内の圧力を上昇させ、また、電磁開閉弁17を閉じることにより増加させた気体の供給を停止することによりフィルタ2内の圧力を減少させることができる。
【0058】
前述した電磁開閉弁17の開閉動作を反復して行なうことにより、フィルタ2を径方向に膨張収縮させることができる。
これによって、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
前述した各実施形態のフィルタ浄化装置1は、たとえば、図9に示すような、フィルタ浄化装置1から排出される気体の加湿と加温を行なう加湿手段20に接続されて用いられる。
【0060】
この加湿手段20は、両端部が気密に密閉され、かつ、フィルタ2が両端部の密閉部分を貫通するように内装された加湿筒21と、この加湿筒21内に水を供給して、フィルタ2の外面を水没させる水循環装置とによって構成されている。
【0061】
この水循環装置は、加湿筒21よりも下方に位置させられた水タンク22と、この水タンク22の下部と加湿筒21の下部とを連通させる給水管23と、この給水管23の途中に設けられ、水タンク22に貯留されている水を加湿筒21へ圧送する給水ポンプ24と、一端部が加湿筒21の上部に連設されるとともに、他端部が水タンク22内に位置させられた排水管25と、給水管23から分岐されたドレン管26とによって構成されている。
【0062】
加湿筒21へ送り込まれる気体は、フィルタ浄化装置1と加湿筒21内のフィルタ2の下部とを連結する給気管27によって供給されるとともに、被加湿気体の供給が、給気管27の途中に取り付けられ、下流側の気体の圧力が設定圧力に至った際に閉じられるパイロット弁28によって供給が停止され、さらに、パイロット弁28の下流側に設置された流量センサ29によって流量が検出されるようになされている。
【0063】
そして、加湿筒21では、加湿筒21の内部へ供給された水が、加湿筒21内のフィルタ2内部に透過するとともに、フィルタ内の気体と混合させられて、この気体を加湿するようになされている。
【0064】
また、気体の加温は、加湿筒21の外面に巻き付けられたバンドヒータ30の熱によって加湿筒21内を流れる水を暖め、さらに、この水の熱により中空糸膜を加温してその熱によって気体を加温することによって行なわれている。
【0065】
また、給気管27のパイロット弁28よりも上流側には分岐管31が接続され、加湿筒21の上部には、分岐管31と中空糸膜内部を連通させる排気管32が連設されている。
【0066】
排気管32には、一対の気水分離器33が間隔を置いて設けられているとともに、これらの気水分離器33間に、上流側から下流側に離間した位置に逆止弁34と流量調整弁35が設けられている。
【0067】
そして、分岐管31は、排気管32の、逆止弁34と流量調整弁35との間に連通状態で接続され、その途中にパイロット弁36が設けられ、その下流側に分岐管31内を流れる気体の流量を検出する流量センサ37が設けられ、さらに下流側に、気体の逆流を防止する逆止弁38が設けられている。
【0068】
これによって、フィルタ浄化装置1から排出された気体と加湿筒21から排出された加湿エアとが混合され、その混合比は、流量センサ29の検出値と、分岐管31に設けられた流量センサ37の検出値との比較に基づき制御される。
【0069】
また、一対の気水分離器33には分離された水を排出するドレン管39が連結されて、このドレン管39により分離された水を破棄するようになっている。
【0070】
さらに、排気管32には、下流側の気水分離器33よりも下流側に、排気管32内を流れる気体の温度と湿度を検出する温度湿度センサ40が設けられ、この温度湿度センサ40の下流側に、温度湿度センサ40の検出値に基づき気体の湿度や温度が設定された範囲内である気体のみを機器や施設へ送り、範囲外の加湿エアを除去する三方弁41が設けられている。
【0071】
また、前記フィルタ浄化装置1の上流側には、符号42で示す除湿装置が流量計43を介して接続されており、この除湿装置42は気体の水分を除去して乾燥気体を生成した後に、この乾燥気体を後段の本実施形態にかかるフィルタ浄化装置1へ送り込むようになっている。
【0072】
このような加湿手段20を設けることにより、クリーンな気体と加湿気体との混合比を制御して、この混合された気体の温度および湿度を要求値に容易に設定することができる。
【0073】
なお、前記実施形態における各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 フィルタ浄化装置
2 フィルタ
3 圧力変動手段
4 本体
5 気体供給チャンバ
6 気体集合チャンバ
7 蓄圧容器
8 圧力設定手段
9 流量調整弁
10 第1の逆止弁
11 第2の逆止弁
12 流量調整弁
13 開閉弁
14 電磁開閉弁
15 コントローラ
16 流量調整弁
17 電磁開閉弁
20 加湿手段
21 加湿筒
22 水タンク
23 給水管
24 給水ポンプ
25 排水管
26 ドレン管
27 給気管
28 パイロット弁
29 流量センサ
30 バンドヒータ
31 分岐管
32 排気管
33 気水分離器
34 逆止弁
35 流量調整弁
36 パイロット弁
37 流量センサ
38 逆止弁
39 ドレン管
40 温度湿度センサ
41 三方弁
42 除湿装置
43 流量計
A メイン流路
B バイパス流路
P 異物

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9