(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】マルチメディアデータ保存システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/13 20190101AFI20230712BHJP
【FI】
G06F16/13 200
G06F16/13 110
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021082130
(22)【出願日】2021-05-14
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0067801
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521208284
【氏名又は名称】イーエムティーオメガ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EMTOMEGA CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】(DaBu bldg.,Seocho-dong)4F, 105,Seochojungang-ro 8-gil,Seocho-gu,Seoul,06642 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,ドン キュン
(72)【発明者】
【氏名】ト,ジョン ミュン
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-254375(JP,A)
【文献】特開2020-053995(JP,A)
【文献】特開2008-123542(JP,A)
【文献】米国特許第10440310(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般ディレクトリ及びイベントディレクトリを含むFATファイルシステムにマルチメディアデータを保存するマルチメディアデータ保存システムであって、
マルチメディアデータを受信するマルチメディアデータ受信部と、
前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであるかを示すイベント情報を受信するイベント情報受信部と、
FATファイルシステムのデータ領域に前記受信したマルチメディアデータを保存し、前記マルチメディアデータを保存したファイルについての情報を含むディレクトリエントリー構造を生成し、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせる一般データ保存部と、
前記イベント情報を確認し、前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであることが確認される場合、前記マルチメディアデータを保存したファイルについての情報をディレクトリエントリー構造として生成し、前記イベントディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせるイベントデータ保存部と、
を含
み、
前記一般データ保存部は、
前記FATファイルシステムの保存空間が足りない場合、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が一番古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択し、選択された削除対象ディレクトリエントリー構造を削除状態に変換し、
さらに前記一般データ保存部は、
前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち前記削除対象ディレクトリエントリー構造と同じファイルを示すディレクトリエントリー構造が存在するかを確認し、
存在しない場合にのみ、前記FATファイルシステムのFAT領域で、前記削除対象ディレクトリエントリー構造が示すファイルに相当するFATエントリーを初期化することを特徴とする、マルチメディアデータ保存システム。
【請求項2】
前記一般データ保存部は、
前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち前記削除対象ディレクトリエントリー構造と同じファイルを示すディレクトリエントリー構造が存在するかを確認し、
存在する場合、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が次に古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択することを特徴とする、請求項1に記載のマルチメディアデータ保存システム。
【請求項3】
前記イベントデータ保存部は、
前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであることが確認され、前記イベントディレクトリに保存されたファイルの数が所定の臨界値を超える場合、前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が一番古いファイルを示すディレクトリエントリー構造を削除状態に変換することを特徴とする、請求項1に記載のマルチメディアデータ保存システム。
【請求項4】
中央処理装置及びメモリを
備えたサーバーであるマルチメディアデータ保存システムが実行する、一般ディレクトリ及びイベントディレクトリを含むFATファイルシステムにマルチメディアデータを保存する
マルチメディアデータ保存方法であって、
前記マルチメディアデータ保存システムが、マルチメディア受信部と、イベント情報受信部と、一般データ保存部と、イベントデータ保存部とを備えており、
前記マルチメディア受信部がマルチメディアデータを受信する、マルチメディアデータ受信段階と、
前記イベント情報受信部が、前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであるかを示すイベント情報を受信する、イベント情報受信段階と、
前記一般データ保存部が、FATファイルシステムのデータ領域に前記受信したマルチメディアデータを保存し、前記マルチメディアデータを保存したファイルについての情報を含むディレクトリエントリー構造を生成し、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせる一般データ保存段階と、
前記イベントデータ保存部が、前記イベント情報を確認し、前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであることが確認される場合、前記マルチメディアデータを保存したファイルについての情報をディレクトリエントリー構造として生成し、前記イベントディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせるイベントデータ保存段階と、
を
含み、
前記一般データ保存段階は、
前記FATファイルシステムの保存空間が足りない場合、前記一般データ保存部は、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が一番古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択し、選択された削除対象ディレクトリエントリー構造を削除状態に変換し、
前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち前記削除対象ディレクトリエントリー構造と同じファイルを示すディレクトリエントリー構造が存在するかを確認し、
存在しない場合にのみ、前記FATファイルシステムのFAT領域で、前記削除対象ディレクトリエントリー構造が示すファイルに相当するFATエントリーを初期化することを特徴とする、マルチメディアデータ保存方法。
【請求項5】
前記一般データ保存段階は、
前記一般データ保存部が、前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち前記削除対象ディレクトリエントリー構造と同じファイルを示すディレクトリエントリー構造が存在するかを確認し、
存在する場合、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が次に古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択することを特徴とする、請求項
4に記載のマルチメディアデータ保存方法。
【請求項6】
前記イベントデータ保存段階は、
前記イベントデータ保存部が、前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであることが確認され、前記イベントディレクトリに保存されたファイルの数が所定の臨界値を超える場合、前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が一番古いファイルを示すディレクトリエントリー構造を削除状態に変換することを特徴とする、請求項
4に記載のマルチメディアデータ保存方法。
【請求項7】
一般ディレクトリ及びイベントディレクトリを含むFATファイルシステムにマルチメディアデータを保存するマルチメディアデータ保存プログラムであって、
当該マルチメディアデータ保存プログラムは、マルチメディアデータ保存システムの中央処理装置及びメモリを使用して、マルチメディアデータ保存システムに、
マルチメディアデータを受信させるマルチメディアデータ受信手順と、
前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであるかを示すイベント情報を受信させるイベント情報受信手順と、
FATファイルシステムのデータ領域に前記受信したマルチメディアデータを保存させ、前記マルチメディアデータを保存したファイルについての情報を含むディレクトリエントリー構造を生成させ、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせる一般データ保存手順と、
前記イベント情報を確認させ、前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであることが確認される場合、前記マルチメディアデータを保存したファイルについての情報をディレクトリエントリー構造として生成させ、前記イベントディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせるイベントデータ保存手順と、
を実行させるプログラムであり、
前記一般データ保存手順は、
前記FATファイルシステムの保存空間が足りない場合、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が一番古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択し、選択された削除対象ディレクトリエントリー構造を削除状態に変換し、
前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち前記削除対象ディレクトリエントリー構造と同じファイルを示すディレクトリエントリー構造が存在するかを確認し、
存在しない場合にのみ、前記FATファイルシステムのFAT領域で、前記削除対象ディレクトリエントリー構造が示すファイルに相当するFATエントリーを初期化する手順をマルチメディアデータ保存システムに実行させることを特徴とする、
マルチメディアデータ保存プログラム。
【請求項8】
前記一般データ保存手順は、
前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち前記削除対象ディレクトリエントリー構造と同じファイルを示すディレクトリエントリー構造が存在するかを確認し、
存在する場合、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が次に古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択することををマルチメディアデータ保存システムに実行させることを特徴とする、請求項7に記載のマルチメディアデータ保存プログラム。
【請求項9】
前記イベントデータ保存手順は、
前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであることが確認され、前記イベントディレクトリに保存されたファイルの数が所定の臨界値を超える場合、前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が一番古いファイルを示すディレクトリエントリー構造を削除状態に変換することををマルチメディアデータ保存システムに実行させることを特徴とする、請求項7に記載のマルチメディアデータ保存プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチメディアデータ保存システム及び方法に関するもので、より詳しくは一般的に受信されるマルチメディアデータと特別なイベント状況のマルチメディアデータを区分して保存しながらも、保存空間を効率的に使えるようにし、保存されたデータを必要に応じて容易に検索することができるようにするマルチメディアデータ保存システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両用ブラックボックスやCCTVなどのように、マルチメディアデータを獲得して保存する装置が広く使われている。特に、このような装置の性能が向上するのに伴い、単純に持続的にマルチメディアデータを保存するのに止まるものではなく、事故などの異常状況が発生するかを認識し、異常状況が発生する場合のイベントを感知して別に保存してから提供する場合が増えている。
【0003】
従来には、
図1に示すように、マルチメディアデータを保存するファイルシステムを一般データ領域とイベントデータ領域に区分し、持続的に受信されるデータは一般データ領域に保存し、イベント状況のデータはイベントデータ領域に保存していた。
【0004】
図1で、パーティション1を一般データ領域と、パーティション2をイベントデータ領域とすれば、イベントがよく発生しなくてイベントデータ領域が空いている場合にも、一般データ領域が全部満たされれば、一般データを保存するために一般データの一部を削除しなければならない問題がある。
【0005】
従来技術である韓国登録特許第10-1858691号の「保安システムにおける映像イベント感知及び保存空間調整方法及びこれを用いた保存空間調整システム」はこのように一般データ領域とイベントデータ領域を区分して保存することによって発生する非効率性を減らすために、残った保存空間によってイベントを感知する敏感度を調節するようにする技術である。
【0006】
このような技術を適用する場合、既存の方法に比べては効率的に保存空間を活用することができるが、根本的に保存空間を区分しておくことによって発生する非効率性を解決することはできない。また、保存空間によってイベント感知の敏感度を調整することになるから、使用者が所望の敏感度で感知することが難しくなることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はマルチメディアデータを一般データとイベントデータに区分して保存しながらも、全体保存空間を効率的に使えるようにすることを目的とする。
【0009】
また、本発明は、同じ状況を一般データとイベントデータとして同時に保存し、一般データディレクトリ及びイベントデータディレクトリの両方で確認することができるようにしながらも、保存空間は追加的にかからないようにすることを目的とする。
【0010】
本発明は、FATファイルシステムを活用し、保存された一般データとイベントデータをFATファイルシステムを支援する一般PCなどの機器でも容易に確認することができるようにすることを目的とする。
【0011】
本発明は、一般データとイベントデータを別途の保存空間に区分して保存しなくても所定数のイベントデータを維持及び管理することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するために、本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存システムは、一般ディレクトリ及びイベントディレクトリを含むFATファイルシステムにマルチメディアデータを保存するマルチメディアデータ保存システムであって、マルチメディアデータを受信するマルチメディアデータ受信部と、前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであるかを示すイベント情報を受信するイベント情報受信部と、FATファイルシステムのデータ領域に前記受信したマルチメディアデータを保存し、前記マルチメディアデータを保存したファイルについての情報を含むディレクトリエントリー構造を生成し、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせる一般データ保存部と、前記イベント情報を確認し、前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであることが確認される場合、前記マルチメディアデータを保存したファイルについての情報をディレクトリエントリー構造として生成し、前記イベントディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせるイベントデータ保存部とを含んでなる。
【0013】
ここで、前記一般データ保存部は、前記FATファイルシステムの保存空間が足りない場合、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が一番古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択し、選択された削除対象ディレクトリエントリー構造を削除状態に変換することができる。
【0014】
また、前記一般データ保存部は、前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち前記削除対象ディレクトリエントリー構造と同じファイルを示すディレクトリエントリー構造が存在するかを確認し、存在しない場合にのみ、前記FATファイルシステムのFAT領域で、前記削除対象ディレクトリエントリー構造が示すファイルに相当するFATエントリーを初期化することができる。
【0015】
また、前記一般データ保存部は、前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち前記削除対象ディレクトリエントリー構造と同じファイルを示すディレクトリエントリー構造が存在するかを確認し、存在する場合、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が次に古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択することができる。
【0016】
また、前記イベントデータ保存部は、前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであることが確認され、前記イベントディレクトリに保存されたファイルの数が所定の臨界値を超える場合、前記イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が一番古いファイルを示すディレクトリエントリー構造を削除状態に変換することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、マルチメディアデータを一般データとイベントデータに区分して保存しながらも全体保存空間を効率的に使うことができる。
【0018】
本発明によれば、同じ状況を一般データとイベントデータとして同時に保存し、一般データディレクトリ及びイベントデータディレクトリの両方で確認することができるようにしながらも、保存空間は追加的にかからないようにすることができる。
【0019】
本発明によれば、FATファイルシステムを活用し、保存された一般データとイベントデータをFATファイルシステムを支援する一般PCなどの機器でも容易に確認することができる。
【0020】
本発明によれば、一般データとイベントデータを別途の保存空間に区分して保存しなくても、所定数のイベントデータを維持及び管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】従来技術による一般データ及びイベントデータの保存時のファイルシステム構造を示す図である。
【
図2】本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存システムの構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存システムで一般データ及びイベントデータを保存する場合のFATファイルシステムのデータ領域の一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存システムで一般データの保存中に保存空間が足りない場合のFATファイルシステムのデータ領域の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存システムで一般データの保存中に保存空間が足りない場合のFATファイルシステムのデータ領域の他の実施例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存システムでイベントデータの保存中にイベントデータの数が所定の臨界値を超える場合、FATファイルシステムのデータ領域の一例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。本発明の説明において、関連した公知の構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。また、本発明の実施例の説明において具体的な数値は実施例に過ぎなく、これによって発明の範囲が制限されない。
【0023】
本発明によるマルチメディアデータ保存システムは、中央処理装置(CPU)及びメモリ(Memory、記憶装置)を備え、インターネットなどの通信網を介して他の端末機と連結可能なサーバーの形態を有するように構成されることができる。しかし、本発明が中央処理装置及びメモリなどの構成によって限定されない。また、本発明によるマルチメディアデータ保存システムはブラックボックス又はCCTVなどの映像データ獲得装置の内部システムとして含まれることができ、このような装置とは別に動作することも可能である。このような物理的構成によって本発明が限定されるものはない。
【0024】
図2は本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存システムの構成を示す図である。
【0025】
本発明によるマルチメディアデータ保存システム201はカメラ、マイクなどのマルチメディア獲得装置202から受信されるマルチメディアデータをFATファイルシステム203に保存するように制御するシステムであり、マルチメディアデータ受信部210、イベント情報受信部220、一般データ保存部230及びイベントデータ保存部240を含むことができる。このような構成要素はハードウェアから具現されるかソフトウェアから具現されてハードウェア上で動作することができ、それぞれ論理的又は物理的に区分されることもでき、機能的にそれぞれの役割を果たし、論理的又は物理的に結合された形態を有するように構成されることもできる。
【0026】
本発明によるマルチメディアデータ保存システム201は一般ディレクトリ及びイベントディレクトリを含むFATファイルシステム203にマルチメディアデータを保存するための装置である。前述したように、一般ディレクトリは持続的に受信されるマルチメディアデータを保存するためのディレクトリであり、イベントディレクトリは事故などのイベント状況の発生の際に当該イベント状況に関連したマルチメディアデータを保存するためのディレクトリである。ここで、イベント状況とは、ブラックボックスの場合、衝撃などが加わった衝突状況を意味することができ、保安用CCTVなどでは映像内にヒトの動きなどが捕捉されるか危険地域に物体が捕捉される場合などを含むことができる。これは装置の特性によって変わることができ、一般的な状況と区別して使用者が容易に確認することができるようにしなければならない状況であれば、イベント状況がどの状況であるかによって本発明が制限されない。
【0027】
FATファイルシステムはハードディスク、SSD、フラッシュメモリなどの保存媒体にファイルを保存して読めるように管理するシステムを意味する。FATファイルシステムはFAT領域とデータ領域に区分される。FAT領域はデータ領域の保存単位であるクラスターのうちどのクラスターが特定ファイルの保存に使われるかを示すことができる領域である。特定のクラスターが空いている場合には、当該クラスターに相当するFAT領域は初期値が保存され、データが保存されている場合には、当該クラスターの次のクラスターの位置を示す値が保存されることができる。
【0028】
データ領域は実際データが保存される領域であり、データだけではなく、ディレクトリ(フォルダー)についての情報、ファイルについての情報を「ディレクトリエントリー構造」という構造体に保存して探索することができるようにする。
【0029】
FATファイルシステムは標準化したシステムであるので、FATファイルシステムの構造によってデータを記録すれば、当該データを記録した装置だけではなく、ウィンドウなどのFATファイルシステムを支援する他の装置でも保存されたデータを検索して読めるようになる。本発明では、FATファイルシステムの構造によってデータを保存するから、保存されたデータを他の装置で容易に確認することができる。
【0030】
マルチメディアデータ受信部210はマルチメディアデータを受信する。マルチメディアデータは、一般的に映像データ又はオーディオデータ又は両者が結合されたデータなどの多様な形態を含むことができる。マルチメディアデータはマルチメディア獲得装置202からマルチメディアデータを受信する。マルチメディア獲得装置202は、映像データの場合にはカメラ、オーディオデータの場合にはマイクなどであることができ、これを結合するか、これらのデータを保存することができるように前処理する機能などを含む別途の装置であることもでき、マルチメディアデータ保存システム201と同じ装置内に含まれる装置であることもできる。
【0031】
マルチメディアデータ受信部210は受信されるマルチメディアデータを保存することができる形態に符号化するなどの加工を遂行することができるが、このような機能の有無によって本発明が制限されない。
【0032】
イベント情報受信部220は前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであるかを示すイベント情報を受信する。前述したように、イベント状況は事故状況又は異常状況などのように本発明のマルチメディアデータ保存システム201が適用される応用分野によって違うことができる。図面に示すように、このようなイベント情報はマルチメディア獲得装置202から受信することができ、多様な形態として確保することが可能である。
【0033】
イベント情報受信部220で受信するイベント情報は、車両用ブラックボックスで衝撃を感知する場合、衝撃感知センサーから受信された情報であることができ、知能型CCTVのように映像内に特定の状況が発生するときにイベント状況と認識する場合であれば、獲得されたマルチメディア映像を分析した結果であることができる。このようなマルチメディア映像の分析のために人工知能(AI)技術などを適用することができ、このようにイベント状況を感知する具体的な方法は本発明の権利化対象ではない。
【0034】
一般データ保存部230は、FATファイルシステム203のデータ領域に前記受信したマルチメディアデータを保存し、前記マルチメディアデータを保存したファイルについての情報を含むディレクトリエントリー構造を生成し、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせる。
【0035】
一般データ保存部230においてマルチメディアデータを保存するFATファイルシステム203は、前述したように、FAT領域とデータ領域に区分される。データ領域は実際データをファイル形態として保存するようにし、当該ファイルの属性を示す情報とファイルが保存されるディレクトリを示す情報をディレクトリエントリー構造という32バイトサイズの構造体として保存することができる。
【0036】
ディレクトリエントリー構造は、ファイルの名称、ファイルのデータが保存される開始クラスターの位置とファイルの生成日付などの属性についての情報を含む。ディレクトリを示す場合には、開始クラスターの位置が示すクラスターには当該ディレクトリに属する下位ディレクトリ又はファイルを示すディレクトリエントリー構造が保存され、ファイルの場合には当該ファイルの実際データが保存される。
【0037】
一般データ保存部230でFATファイルシステムにマルチメディアデータをファイルとして保存すれば、当該ファイルを示すディレクトリエントリー構造を生成し、一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造の下位に位置するように保存し、実際マルチメディアデータは生成されたディレクトリエントリー構造が示す開始クラスターの位置に保存するようになる。保存されるファイルのデータが1個のクラスターを超えれば、空いている他のクラスターに保存するようになる。このように、あるファイルのデータがどのクラスターに保存されるかを示すためにFATファイルシステムのFAT領域が使われる。
【0038】
一般データ保存部230でFATシステムにマルチメディアデータをファイルとして保存するとき、FATファイルシステムの保存空間が足りない場合には、一般データを示すディレクトリエントリー構造にリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が一番古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択する。
【0039】
一般データ保存部230では、すなわちデータ構造キュー(QUEUE)のように、一番先に入力されたデータを削除し、新しいデータを保存するようにすることにより、最新データを維持するようにすることができる。
【0040】
FATファイルシステムからファイルを削除すれば、FATファイルシステムのFAT領域で当該ファイルのデータが保存されたクラスターを示す部分が初期化される。このように初期化する場合、当該クラスターが空いていることが確認されるので、新しいデータを保存するとき、当該クラスターにデータを記録することができるようになる。
【0041】
イベントデータ保存部240は前記イベント情報を確認し、前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであることが確認される場合、前記一般データ保存部230でマルチメディアデータを保存したファイルについての情報をディレクトリエントリー構造として生成し、前記イベントディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせる。
【0042】
イベントデータ保存部240はこのようにマルチメディアデータを別途のファイルとして生成して保存空間を占めるように保存するものではなく、一般データ保存部230で保存したファイルが保存された開始クラスター情報を含むようにディレクトリエントリー構造を生成し、これをイベントディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせる。このような方法により、マルチメディアデータ受信部210で受信された一つのマルチメディアデータのみ保存されるとともに、一般状況の場合には一般ディレクトリで検索できるように保存され、イベント状況の場合には一般ディレクトリ及びイベントディレクトリで検索できるように保存される。
【0043】
すなわち、同じ内容のマルチメディアデータを重複して保存するか、別途の区分されたパーティションに区分して保存することなしに、使用者はイベント状況のマルチメディアデータのみ容易に検索することができる。従来には、イベントデータをイベントパーティションに別に保存するから、空間を効率的に使うこともできなく、一般ディレクトリにおいてはイベント状況のマルチメディアデータは漏れるように具現されるので、順次獲得されたマルチメディアデータを確認するのに困難があったが、本発明によれば、一般データも漏れ無く順次確認しながらも、別途の保存空間がなくてもイベント状況のマルチメディアデータのみ容易に検索することができる。
【0044】
イベントデータ保存部240において、このようにイベント状況に対するマルチメディアデータはイベントディレクトリに属するディレクトリエントリー構造を追加的に生成するようになるから、一般データ保存部230で保存空間の不足のため過去データを削除する場合、当該データがイベント状況のマルチメディアデータであるかを確認する必要がある。仮に、これを確認せずに削除すれば、実際ファイルの内容は削除されたにもかかわらずイベントデータ保存部240で生成したディレクトリエントリー構造が存在するから、イベントディレクトリのファイルリストのみで確認され内容は見られない状況が発生することがある。
【0045】
したがって、一般データ保存部230では、FATファイルシステムの保存空間が足りない場合、削除対象エントリー構造を削除状態に変換し、実際ファイルを示すFAT領域を初期化するに先立ち、イベントディレクトリに属するディレクトリエントリー構造のうち削除対象ディレクトリエントリー構造が示すファイルを示しているディレクトリエントリー構造が存在するかを確認する必要があり、存在しない場合にのみ当該FAT領域を初期化して実際ファイルを削除するようにすることができる。仮に、イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造が存在する場合であれば、実際ファイルが削除されなくて保存空間が確保されない場合であるので、その次に古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択し、追加削除によって実際データ保存空間を確保する必要がある。
【0046】
イベントデータ保存部240は、イベントディレクトリのファイル数の制限を示す臨界値を保存している途中、マルチメディアデータがイベント状況を示すデータであることが確認され、イベントディレクトリにリンクされるディレクトリエントリー構造を生成するようになる場合、イベントディレクトリのファイル数を確認し、前記臨界値を超えれば、生成日時が一番古いファイルを示すディレクトリエントリー構造を削除状態に変換する。ここで、FAT領域を初期化すれば、一般ディレクトリで当該ファイルの検索ができないから、一般ディレクトリに当該ファイルに対するディレクトリエントリー構造が存在するかを確認する必要がある。
【0047】
図3は本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存システムで一般データ及びイベントデータを保存する場合のFATファイルシステムのデータ領域の一例を示す図である。
【0048】
本発明によれば、入力されたマルチメディアデータがイベント状況のマルチメディアデータではない場合、図面の一般ファイル1、一般ファイル3、一般ファイル5、一般ファイル7及び8の場合のように、一般ディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造でのみ当該ファイルのデータを示すように構成され、イベント状況のマルチメディアデータに相当する一般ファイル2、一般ファイル4、一般ファイル6の場合は、それぞれイベントファイル1、イベントファイル2、イベントファイル3も同じファイルを示すディレクトリエントリー構造が生成されてイベントディレクトリに連結されるようにする。
【0049】
したがって、イベント状況ではない一般状況のファイルのみ保存した場合に比べ、イベント状況のファイルを別途のディレクトリで見せながらも、保存空間を追加的に確保するか別途のパーティションに分けて保存する必要がなくなり、保存空間を効率的に使うことができる。
【0050】
また、FATファイルシステムの規格に従うから、本発明によるマルチメディアデータ保存システム201でのみこのように区分されて見えるものではなく、PC、スマートフォンなどの他の機器に当該FATファイルシステムの保存媒体を連結して確認する場合にも一般ディレクトリで順次保存された一般ファイルを確認することができ、イベントディレクトリでイベント状況を示すファイルを確認することができる。
【0051】
図4は本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存システムにおいて一般データの保存中に保存空間が足りない場合のFATファイルシステムのデータ領域の一例を示す図である。
【0052】
図面に示したように、FATファイルシステムの全体保存空間を全部活用したが、追加的にマルチメディアデータを保存しなければならない場合、一番古いマルチメディアデータを削除し、その位置に新しいマルチメディアデータを保存するようになる。
【0053】
よって、図面で一番古いファイルである一般ファイル1を削除し、新しいファイルである一般ファイル11を保存するようになる。この際、一般ファイル1の場合はイベント状況を示すものではないから、イベントディレクトリに該当データを示すディレクトリエントリー構造が存在しないので、該当ファイルを削除するのに問題がない。
図5は本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存システムにおいて一般データの保存中に保存空間が足りない場合のFATファイルシステムのデータ領域の他の実施例を示す図である。
【0054】
図面に示すように、追加的にマルチメディアデータを保存しようとするが保存空間が足りない場合、一般ファイル2に相当するファイルを削除して保存空間を確保しなければならない。この際、一般ファイル2が示すデータはイベントファイル1に連結されている。よって、一般ファイル2が示す実際データも一緒に削除すれば、イベントファイル1はリストでのみ検索されるが、実際データは正常データが存在しなくなる問題が発生することがある。
【0055】
よって、この場合には一般ファイル2のディレクトリエントリー構造は削除状態に変換しても実際該当ファイルが保存されたクラスターを示すFAT領域を初期化することはできないようにすることにより、イベントディレクトリのイベントファイル2に接近することができるようにする。
【0056】
このようにすれば、実際に保存空間の追加確保は難しいから、一般ファイル3に相当するファイルを確認し、イベントディレクトリに連結されていないので、このファイルの実際データを削除して保存空間を確保することができる。
【0057】
図6は本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存システムにおいてイベントデータの保存中にイベントデータの数が所定の臨界値を超える場合、FATファイルシステムのデータ領域の一例を示す図である。
【0058】
イベントファイルを保存することができる数が3個に決まっている場合、一般ファイル9及びイベントファイル4に相当するデータを保存すれば、イベントファイルが4個になって基準値を超えるようになる。よって、イベントファイルのうち生成日時が一番古いものを削除するようになる。この場合、イベントファイル1が示すデータは一般ファイル2によっても連結されているから、実際の当該データを示すFAT領域を初期化するはしなく、イベントファイル1のディレクトリエントリー構造のみ削除状態に変換することにより、イベントディレクトリでは3個のイベントファイルのみ検索することができるようにすることができる。これにより、イベントファイルの数を必要によって所定の数に維持することが可能である。
【0059】
図7は本発明の一実施例によるマルチメディアデータ保存方法の流れを示すフローチャートである。
【0060】
以上で説明したマルチメディアデータ保存システム201はマルチメディアデータ保存方法によって具現されることができ、マルチメディアデータ保存システム201の技術的思想をそのまま適用することができる。よって、以下で説明する内容ではなくても、マルチメディアデータ保存システム201で説明した技術的思想はマルチメディアデータ保存方法にそのまま適用可能である。
【0061】
マルチメディアデータ保存方法は、中央処理装置及びメモリを備え、一般ディレクトリ及びイベントディレクトリを含むFATファイルシステムにマルチメディアデータを保存するためのマルチメディアデータ保存システム201の動作方法を示したものである。
【0062】
マルチメディアデータ受信段階(S701)では、マルチメディアデータを受信する。マルチメディアデータは、一般的に映像又はオーディオデータ又は両者が結合したデータなどの多様な形態を含むことができる。マルチメディアデータはマルチメディア獲得装置202からマルチメディアデータを受信する。マルチメディア獲得装置202は、映像データの場合にはカメラ、オーディオデータの場合にはマイクなどであることができ、これらを結合するか、これらのデータを保存することができるように前処理する機能などを含む別途の装置であることもでき、マルチメディアデータ保存システム201と同じ装置内に含まれる装置であることもできる。
【0063】
イベント情報受信段階(S702)では、前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであるかを示すイベント情報を受信する。前述したように、イベント状況は事故状況又は異常状況などの本発明のマルチメディアデータ保存方法が適用される応用分野によって違うことができる。図面に示すように、このようなイベント情報はマルチメディア獲得装置202から受信することができ、多様な形態として確保可能である。
【0064】
一般データ保存段階(S703)は、FATファイルシステム203のデータ領域に前記受信したマルチメディアデータを保存し、前記マルチメディアデータを保存したファイルについての情報を含むディレクトリエントリー構造を生成し、前記一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせる。
【0065】
一般データ保存段階(S703)でマルチメディアデータを保存するFATファイルシステム203は、前述したように、FAT領域とデータ領域に区分される。データ領域は実際データをファイル形態として保存するようにし、当該ファイルの属性を示す情報とファイルが保存されるディレクトリを示す情報をディレクトリエントリー構造という32バイトサイズの構造体として保存することができる。
【0066】
一般データ保存段階(S703)でFATファイルシステムにマルチメディアデータをファイルとして保存すれば、当該ファイルを示すディレクトリエントリー構造を生成し、一般ディレクトリを示すディレクトリエントリー構造の下位に位置するように保存し、実際のマルチメディアデータは生成されたディレクトリエントリー構造が示す開始クラスターの位置に保存するようになる。保存されるファイルのデータが1個のクラスターを超えれば、空いている他のクラスターに保存するようになる。このように、あるファイルのデータがどのクラスターに保存されるかを示すためにFATファイルシステムのFAT領域が使われる。
【0067】
一般データ段階(S703)でFATシステムにマルチメディアデータをファイルとして保存するとき、FATファイルシステムの保存空間が足りない場合には、一般データを示すディレクトリエントリー構造にリンクされたディレクトリエントリー構造のうち生成日時が一番古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択する。
【0068】
イベントデータ保存段階(S704)は、前記イベント情報を確認し、前記マルチメディアデータがイベント状況を示すマルチメディアデータであることが確認される場合、前記一般データ保存段階(S703)でマルチメディアデータを保存したファイルについての情報をディレクトリエントリー構造として生成し、前記イベントディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせる。
【0069】
イベントデータ保存段階(S704)はこのようにマルチメディアデータを別途のファイルとして生成して保存空間を占めるように保存するものではなく、一般データ保存段階(S703)で保存したファイルが保存された開始クラスター情報を含むようにディレクトリエントリー構造を生成し、これをイベントディレクトリを示すディレクトリエントリー構造にリンクさせる。このような方法により、マルチメディアデータ受信部210で受信された一つのマルチメディアデータのみ保存されながらも、一般状況の場合には一般ディレクトリで検索できるように保存され、イベント状況の場合には一般ディレクトリ及びイベントディレクトリの両方で検索できるように保存される。
【0070】
イベントデータ保存段階(S704)でこのようにイベント状況に対するマルチメディアデータはイベントディレクトリに属するディレクトリエントリー構造を追加的に生成するから、一般データ保存段階(S703)で保存空間の不足によって過去データを削除する場合、当該データがイベント状況のマルチメディアデータであるかを確認する必要がある。仮に、これを確認せずに削除すれば、実際ファイルの内容は削除されたにもかかわらずイベントデータ保存部240で生成されたディレクトリエントリー構造が存在するから、イベントディレクトリのファイルリストのみで確認され、内容は見られない状況が発生することがある。
【0071】
したがって、一般データ保存段階(S703)では、FATファイルシステムの保存空間が足りない場合、削除対象エントリー構造を削除状態に変換し、実際ファイルを示すFAT領域を初期化するに先立ち、イベントディレクトリに属するディレクトリエントリー構造のうち削除対象ディレクトリエントリー構造が示すファイルを示しているディレクトリエントリー構造が存在するかを確認する必要があり、存在しない場合にのみ当該FAT領域を初期化して実際ファイルを削除するようにすることができる。仮に、イベントディレクトリにリンクされたディレクトリエントリー構造が存在する場合であれば、実際ファイルが削除されなくて保存空間が確保されない場合であるので、その次に古いディレクトリエントリー構造を削除対象ディレクトリエントリー構造として選択し、追加削除によって実際データ保存空間を確保する必要がある。
【0072】
イベントデータ保存段階(S704)は、イベントディレクトリのファイル数の制限を示す臨界値を保存している途中、マルチメディアデータがイベント状況を示すデータであることが確認され、イベントディレクトリにリンクされるディレクトリエントリー構造を生成するようになる場合、イベントディレクトリのファイル数を確認し、前記臨界値を超えれば、生成日時が一番古いファイルを示すディレクトリエントリー構造を削除状態に変換する。この際、FAT領域を初期化すれば、一般ディレクトリで該当ファイルの検索ができないから、一般ディレクトリに当該ファイルに対するディレクトリエントリー構造が存在するかを確認する必要がある。
【0073】
本発明によるマルチメディアデータ保存方法はアプリケーションとして具現されるか多様なコンピュータ構成要素によって遂行可能なプログラム命令語の形態として具現されてコンピュータ可読の記録媒体に記録されることができる。前記コンピュータ可読の記録媒体は、プログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独で又は組合せで含むことができる。
【0074】
前記コンピュータ可読の記録媒体に記録されるプログラム命令語は本発明のために特別に設計されて構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知となって使用可能になったものである。
【0075】
コンピュータ可読の記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気光媒体(magneto-optical media)、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令語を保存して遂行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。
【0076】
プログラム命令語の例には、コンパイラによって作られるもののような機械語コードだけではなく、インタプリターなどを用いてコンピュータによって実行されることができる高級言語コードも含まれる。
【0077】
以上では実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができる。
【符号の説明】
【0078】
201 マルチメディアデータ保存システム
202 マルチメディア獲得装置
203 FATファイルシステム
210 マルチメディアデータ受信部
220 イベント情報受信部
230 一般データ保存部
240 イベントデータ保存部