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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】インク送達システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20230712BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20230712BHJP
   B05C 13/00 20060101ALI20230712BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20230712BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20230712BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20230712BHJP
【FI】
B05C11/10
B05C5/00 101
B05C13/00
H05B33/10
H05B33/14 A
H10K59/00
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021166599
(22)【出願日】2021-10-11
(62)【分割の表示】P 2019108913の分割
【原出願日】2016-07-29
(65)【公開番号】P2022008993
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】62/199,906
(32)【優先日】2015-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【弁理士】
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ソ-カン コー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン マーク スミス
(72)【発明者】
【氏名】シャンドン アルダーソン
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/158310(WO,A2)
【文献】特表2015-510254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00 - 5/04
7/00 -21/00
B41J 2/01
2/165- 2/20
H01L27/32
H05B33/00 -33/28
H10K50/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを送達して基板に印刷するシステムであって、
ガスエンクロージャと、
前記ガスエンクロージャ内に配置された基板サポート装置と、
前記ガスエンクロージャ内に配置されたキャリッジと
前記ガスエンクロージャ内に配置され、前記キャリッジに直接搭載され、少なくとも1つのプリントヘッドを備える、プリントヘッドアセンブリと、
前記ガスエンクロージャ内に配置され、前記キャリッジに直接搭載され、前記プリントヘッドアセンブリに流体結合されたローカルインク送達システムであって、前記ローカルインク送達システムは、
前記少なくとも1つのプリントヘッドと流体結合されたローカルインク分注リザーバと、
前記ローカルインク分注リザーバと流体結合されたローカルインク補充リザーバと、を備えるローカルインク送達システムと、
前記ガスエンクロージャの外部に配置され、前記ローカルインク補充リザーバと、外部導管の内部に設けられた流体ラインにより流体結合された、バルクインク送達システムとを備え
前記プリントヘッドアセンブリと前記ローカルインク送達システムとは、前記キャリッジに対して各々が独立して搭載されるように構成された、システム。
【請求項2】
前記基板サポート装置は、運動システムを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記運動システムは、Y軸運動システムであり、前記キャリッジは、X軸キャリッジアである、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記基板サポート装置は、浮動式テーブルを備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ガスエンクロージャは、前記ガスエンクロージャの内部に、制御下にある処理環境を維持可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ガスエンクロージャは、前記ガスエンクロージャの内部に、不活性ガスの環境を維持可能である、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記不活性ガスは、窒素、希ガスのうちのいずれかおよびそれらの組み合わせから選択される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記印刷システムは、前記ガスエンクロージャに対して動作結合されたガス精製システムを、さらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ガス精製システムは、前記ガスエンクロージャ内のガスにおける反応種を制限するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記反応種は、水蒸気、酸素、有機溶剤蒸気およびオゾンから選択される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記キャリッジは、前記基板サポート装置上のブリッジに搭載され、前記外側導管内に配置された前記流体ラインを囲むサービス束筐体を、さらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記サービス束筐体は、前記ブリッジに搭載された、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記キャリッジは、空気ベアリングを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記運動システムおよび前記基板サポート装置は、いずれも基部に搭載された、請求項3に記載のシステム。
【請求項15】
前記ローカルインク分注リザーバおよび前記ローカルインク補充リザーバのそれぞれは、傾斜した底面を有する容器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記プリントヘッドアセンブリは、前記ローカルインク送達システムから間隔を空けて配置された、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記サービス束筐体と前記キャリッジは、前記ブリッジの反対側に搭載された、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記ローカルインク送達システムは、前記ローカルインク分注リザーバ及び流体結合されたローカルインク補充リザーバの下部にローカルインク送達システム滴受を、さらに備える、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2015年7月31日に出願された米国仮出願第62/199,906号に対して利益を主張する。上記文献は、全体として参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(概要)
本教示による印刷システムの種々の実施形態は、広範囲の技術分野内の種々のデバイスおよび装置、例えば、限定されないが、OLEDディスプレイ、OLED照明、有機光電池、ペロブスカイト太陽電池、および有機半導体回路の製造における基板のパターン化面積印刷に有用であり得る。
【0003】
OLEDディスプレイ技術の非限定的実施例は、本教示による印刷システムの種々の実施形態の特徴を利用することができる、種々の加工課題を提示する。有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ技術の可能性への関心が、高度に飽和した色を有し、高コントラスト、極薄、高速応答性、およびエネルギー効率的である、ディスプレイパネルの実証を含む、OLEDディスプレイ技術属性によって推進されてきた。加えて、可撓性ポリマー材料を含む、種々の基板材料が、OLEDディスプレイ技術の加工で使用されることができる。小型画面用途、主に、携帯電話のためのディスプレイの実証が、技術の可能性を強調する役割を果たしてきたが、高収率で一連の基板形式にわたって大量生産を拡大することにおいて課題が残っている。
【0004】
形式の拡大に関して、Gen 5.5基板は、約130cm×150cmの寸法を有し、約8枚の26インチフラットパネルディスプレイを生じることができる。比較すると、より大型の形式の基板は、Gen 7.5およびGen 8.5母ガラス基板サイズを使用することを含むことができる。Gen 7.5母ガラスは、約195cm×225cmの寸法を有し、基板につき8枚の42インチまたは6枚の47インチフラットパネルディスプレイに切断されることができる。Gen 8.5で使用される母ガラスは、約220cm×250cmであり、基板につき6枚の55インチまたは8枚の46インチフラットパネルディスプレイに切断されることができる。より大型の形式へのOLEDディスプレイ製造の拡大において残る課題の1つの指標としては、Gen 5.5基板より大きい基板上の高収率でのOLEDディスプレイの大量生産は、実質的に困難であることが判明している。
【0005】
原則として、OLEDデバイスは、印刷システムを使用して、基板上で種々の有機薄膜ならびに他の材料を印刷することによって製造されてもよい。そのような有機材料は、酸化および他の化学プロセスによる損傷を受けやすくあり得る。種々の基板サイズのために拡大されることができ、不活性の実質的に低粒子の印刷環境内で行われることができる様式で、印刷システムを収納することは、種々の技術的課題を提示し得る。例えば、Gen
7.5およびGen 8.5基板の印刷等の高スループット大判基板印刷のための製造ツールは、実質的に大型設備を要求する。故に、水蒸気、酸素、およびオゾン等の反応性大気種、ならびに有機溶媒蒸気を除去するためにガス精製を要求する、不活性雰囲気下で大型設備を維持すること、ならびに実質的に低粒子の印刷環境を維持することは、有意に困難であることが判明している。
【0006】
したがって、高収率で一連の基板形式にわたって制御された環境を利用することができる技術のための大量生産を拡大することにおいて課題が残っている。故に、不活性で実質的に低粒子の環境に封入されることができ、例えば、限定されないが、OLEDディスプレイ、OLED照明、有機光電池、ペロブスカイト太陽電池、および有機半導体回路技術で使用される種々の基板サイズならびに基板材料上で容易に拡大されることができる、印刷システムの種々の実施形態の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
印刷システムであって、
前記印刷システムを収納するためのガスエンクロージャと、
少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイスアセンブリであって、前記プリントヘッドデバイスアセンブリは、運動システムに搭載されている、プリントヘッドデバイスアセンブリと、
前記プリントヘッドデバイスアセンブリの近位に搭載され、前記プリントヘッドデバイスアセンブリに動作可能に接続されている、ローカルインク送達システムであって、前記ローカルインク送達システムは、
ローカルインク分注リザーバであって、前記ローカルインク分注リザーバは、少なくとも1つのプリントヘッドと流動連通するように構成されている、ローカルインク分注リザーバと、
ローカルインク補充リザーバであって、前記ローカルインク補充リザーバは、前記ローカルインク分注リザーバ内で一定のレベルのインクを維持するように構成されている、ローカルインク補充リザーバと
を備える、ローカルインク送達システムと、
バルクインク送達システムであって、前記バルクインク送達システムは、前記ローカルインク補充リザーバ内で十分なレベルのインクを維持するように構成されている、バルクインク送達システムと
を備える、印刷システム。
(項目2)
前記バルクインク送達システムは、前記ガスエンクロージャの外部に位置している、項目1に記載の印刷システム。
(項目3)
前記印刷システムはさらに、基板を支持するための基板支持装置を備え、前記運動システムは、前記基板に対する前記プリントヘッドデバイスアセンブリの精密な位置付けのために構成されている、項目1に記載の印刷システム。
(項目4)
前記基板支持装置は、約3.5世代~約10世代に及ぶサイズの基板を支持するように構成されている、項目3に記載の印刷システム。
(項目5)
前記基板支持装置は、約5.0世代~約8.5世代に及ぶサイズの基板を支持するように構成されている、項目3に記載の印刷システム。
(項目6)
前記基板支持装置は、浮動式テーブルである、項目3に記載の印刷システム。
(項目7)
前記ガスエンクロージャは、ガスを含有する内部を画定する、項目1に記載の印刷システム。
(項目8)
前記ガスは、不活性ガスである、項目7に記載の印刷システム。
(項目9)
前記不活性ガスは、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびその組み合わせから選択される、項目8に記載の印刷システム。
(項目10)
前記印刷システムはさらに、ガス精製システムを備える、項目1に記載の印刷システム。
(項目11)
前記ガス精製システムは、反応種のそれぞれが100ppm未満で前記ガスを維持する、項目10に記載の印刷システム。
(項目12)
前記反応種は、水蒸気、酸素、およびオゾンである、項目11に記載の印刷システム。
(項目13)
前記印刷システムは、OLEDデバイス基板を印刷するために構成されている、項目1に記載の印刷システム。
(項目14)
OLEDデバイス基板を印刷するために使用されるインクは、OLEDスタック層を印刷するために調合されている、項目13に記載の印刷システム。
(項目15)
前記印刷システムは、OLEDデバイス用のカプセル化層を印刷するために構成されている、項目13に記載の印刷システム。
本教示は、印刷システムがガスエンクロージャに収納されることができ、エンクロージャ内の環境が制御された印刷環境として維持されることができる、基板を印刷するための印刷システムの種々の実施形態を開示する。本教示の制御された環境は、ガスエンクロージャ内のガス環境のタイプの制御、エンクロージャ内の粒子状物質のサイズおよびレベル、エンクロージャ内の温度の制御、ならびに照明の制御を含むことができる。本教示の印刷システムの種々の実施形態は、ガスエンクロージャの外部にあり得る、バルクインク送達システムを含むことができる。本教示によるバルクインク送達システムは、ガスエンクロージャの内部にあるローカルインク送達システムにインクを供給することができる。本教示のローカルインク送達システムの種々の実施形態は、プリントヘッドデバイスアセンブリの近位にあり得、一定のレベルまでローカルインク分注リザーバにインクを供給するように構成される、ローカルインク補充リザーバを有する、2段階インク供給部を含むことができる。本教示によると、ローカルインク分注リザーバは、複数のプリントヘッドデバイスと流動連通することができる。したがって、ローカルインク分注リザーバ内で一定のレベルを維持する2段階ローカルインク送達システムは、一定の上部圧力を複数のプリントヘッドデバイスに提供することができる。
【0008】
ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、実質的に低粒子である不活性ガス環境を要求するプロセスのためにそのような環境を持続し得る、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を形成するように、ガス循環および濾過システム、粒子制御システム、ガス精製システム、および熱調整システム、ならびに同等物を提供する、種々の構成要素と密閉可能に構築および統合されることができる。ガスエンクロージャの種々の実施形態は、印刷システムエンクロージャと、ガスエンクロージャの印刷システムエンクロージャから密閉可能に隔離され得る、ガスエンクロージャアセンブリの一区分として構築される補助エンクロージャとを有することができる。本教示の印刷システムの種々の実施形態は、補助エンクロージャに封入されたプリントヘッド管理システムを有することができる。本教示のプリントヘッド管理システムの実施形態は、プリントヘッドの保守ならびに較正のための種々のデバイスおよび装置を含むことができ、種々のデバイスおよび装置はそれぞれ、プリントヘッドに対する種々のデバイスおよび装置の微細な位置付けのために運動システムプラットフォーム上に搭載される。
【0009】
本開示の特徴および利点のさらなる理解が、本教示を限定するのではなく例証することを意図している、添付の図面を参照することによって得られるであろう。必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない図面では、同様の数字が異なる図中の類似構成要素を説明し得る。異なる添字を有する同様の数字は、類似構成要素の異なる事例を表し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、概して、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの図の正面斜視図を図示する。
図2図2は、概して、図1で描写されるようなガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の分解図を図示する。
図3図3は、図2で描写される印刷システムを概して図示する、分解斜視図である。
図4図4は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの補助エンクロージャを概して図示する、分解斜視図である。
図5-1】図5Aは、本教示の封入印刷システムの種々の実施形態を概して図示する、ローカルインク送達システムおよびバルクインク送達システムと流動連通するローカル廃棄物アセンブリの概略図である。図5Bは、プリントヘッドデバイスアセンブリと流動連通する図5Aのローカルインク送達システムの拡大図である。図5Cは、バルクインク送達システムと流動連通するローカル廃棄物アセンブリの拡大図である。
図5-2】図5Dは、本教示の封入印刷システムの種々の実施形態を概して図示する、ローカルインク送達システムおよびバルクインク送達システムと流動連通するローカル廃棄物アセンブリの概略図である。
図6A図6Aおよび図6Bは、本教示の種々の実施形態を概して図示する、封入印刷システム用のインク送達システムの種々の構成要素の概略図である。
図6B図6Aおよび図6Bは、本教示の種々の実施形態を概して図示する、封入印刷システム用のインク送達システムの種々の構成要素の概略図である。
図7図7は、本教示の封入印刷システムの種々の実施形態を概して図示する、バルクインク送達システムの概略図である。
図8A図8Aは、概して、本教示の種々の実施形態による、封入印刷システム用のX軸ブリッジ上に搭載されたプリントヘッドデバイスアセンブリの底面斜視図を図示する。
図8B図8Bは、概して、図8Aのようなプリントヘッドデバイスアセンブリの拡大底面斜視図を図示する。
図9図9は、概して、本教示の種々の実施形態による、プリントヘッドデバイスの底部正面斜視図を図示する。
図10A図10Aは、概して、本教示の種々の実施形態による、バルクインク送達システムと、ローカルインク送達システムとを含む、印刷システムの斜視図を図示する。
図10B図10Bは、図10Aに示されるような図10Aの一部の拡大図である。
図11図11は、概して、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよび関連システム構成要素の種々の実施形態の概略図を図示する。
図12A図12Aおよび図12Bは、封入印刷システム、ならびにガスエンクロージャ内で制御されたガス環境を確立するために使用されることができるようなガス源を統合して制御するための構成要素の種々の実施形態を概して図示する、概略図である。
図12B図12Aおよび図12Bは、封入印刷システム、ならびにガスエンクロージャ内で制御されたガス環境を確立するために使用されることができるようなガス源を統合して制御するための構成要素の種々の実施形態を概して図示する、概略図である。
図13A図13Aおよび図13Bは、封入印刷システム、ならびにガスエンクロージャ内で制御されたガス環境を確立するために使用されることができるようなガス源を統合して制御するための構成要素の種々の実施形態を概して図示する、概略図である。
図13B図13Aおよび図13Bは、封入印刷システム、ならびにガスエンクロージャ内で制御されたガス環境を確立するために使用されることができるようなガス源を統合して制御するための構成要素の種々の実施形態を概して図示する、概略図である。
図14図14は、本教示の印刷システム内の種々の装置にガス源を提供するため、ならびにガスエンクロージャ内で制御されたガス環境を確立するために使用されることができるようなガス源を統合して制御するための構成要素を概して図示する、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(開示の詳細な説明)
図3において拡大図で示される、図2の印刷システム2000等の印刷システムは、基板上の具体的な場所へのインク滴の確実な配置を可能にする、いくつかのデバイスおよび装置から成ることができる。印刷は、複数のプリントヘッドを含むことができるプリントヘッドデバイスアセンブリと基板との間の相対運動を要求する。これは、運動システム、典型的には、ガントリまたは分割軸XYZシステムを用いて達成されることができる。プリントヘッドデバイスアセンブリが、静止基板の上を移動することができる(ガントリ型)か、または分割軸構成の場合、プリントヘッドおよび基板が両方とも移動することができるかのいずれかである。別の実施形態では、プリントヘッドデバイスアセンブリは、例えば、XおよびY軸で、実質的に静止し得、基板は、プリントヘッドに対してXおよびY軸で移動することができ、Z軸運動が、基板支持装置によって、またはプリントヘッドデバイスアセンブリと関連付けられるZ軸運動システムによってのいずれかで提供される。プリントヘッドが基板に対して移動すると、インクの液滴が、基板上の所望の場所に堆積させられるように、正しい時間に放出される。基板が、基板装填および装填解除システムを使用して、挿入され、プリンタから除去されることができる。プリンタ構成に応じて、これは、機械コンベヤ、運搬アセンブリを伴う基板浮動式テーブル、またはエンドエフェクタを伴う基板移送ロボットを用いて達成されることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、Y軸運動システムは、空気ベアリンググリッパシステムに基づくことができる。
【0012】
種々のディスプレイデバイスの生産で使用されることができる、基板サイズに関するより明確な観点のために、何世代もの母ガラス基板サイズが、1990年初期頃からOLED印刷以外によって加工されたフラットパネルディスプレイのために進化してきた。Gen 1と指定される、第1世代の母ガラス基板は、約30cm×40cmであり、したがって、15インチパネルを生産することができた。1990年代中期頃に、フラットパネルディスプレイを生産するための既存の技術は、約60cm×72cmの寸法を有する、Gen 3.5の母ガラス基板サイズに進化した。比較すると、Gen 5.5基板は、約130cm×150cmの寸法を有する。
【0013】
世代が進歩するにつれて、Gen 7.5およびGen 8.5の母ガラスサイズが、OLED印刷以外の加工プロセスのために生産されている。Gen 7.5母ガラスは、約195cm×225cmの寸法を有し、基板につき8枚の42インチまたは6枚の47インチフラットパネルに切断されることができる。Gen 8.5で使用される母ガラスは、約220cm×250cmであり、基板につき6枚の55インチまたは8枚の46インチフラットパネルに切断されることができる。より本来の色、より高いコントラスト、薄さ、可撓性、透明度、およびエネルギー効率等の品質のためのOLEDフラットパネル技術の将来性は、OLED製造が実用的にG3.5およびそれより小さいものに限定されることと同時に実現されている。現在、OLED印刷は、本制限を打破し、G3.5およびそれより小さい母ガラスサイズのためだけでなく、Gen 5.5、Gen 7.5、およびGen 8.5等の最大母ガラスサイズにおいて、OLEDパネル製造を可能にする最適な製造技術であると考えられる。OLEDパネルディスプレイ技術の特徴のうちの1つは、種々の基板材料、例えば、限定されないが、種々のガラス基板材料、ならびに種々のポリマー基板材料が使用されることができることを含む。その点に関して、ガラス系基板の使用から生じる用語で記載されるサイズは、OLED印刷で使用するために好適な任意の材料の基板に適用されることができる。
【0014】
原則として、大規模基板サイズを含む種々の基板サイズの印刷を可能にすることができる、製造ツールは、そのような製造ツールを収納するための実質的に大型の設備を要求し得る。故に、不活性雰囲気下で大型設備全体を維持することは、大量の不活性ガスの継続的精製等の工学的課題を提示する。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステムの全体を通して実質的に低いレベルの反応種を有する、実質的に低粒子状物質の不活性ガスの連続循環をともに提供し得る、ガスエンクロージャの外部のガス精製システムと併せて、ガスエンクロージャアセンブリの内部に循環および濾過システムを有することができる。本教示によると、不活性ガスは、定義された一式の条件下で化学反応を受けない任意のガスであってもよい。不活性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。加えて、水蒸気、酸素、およびオゾン等の種々の反応大気ガス、ならびに種々の印刷プロセスから生成される有機溶媒蒸気の汚染を防止するように本質的に密封されている、大型設備を提供することは、工学的課題を提起する。本教示によると、印刷設備は、水蒸気、酸素、およびオゾン等の種々の反応大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種のレベルを、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、もしくは0.1ppmまたはそれより低く維持するであろう。
【0015】
反応種のそれぞれのレベルが標的低レベルで維持されるはずである設備で、OLEDパネルを印刷する必要性が、表1で要約される情報を精査する際に例証されることができる。表1で要約されるデータは、大型ピクセルのスピンコーティングされたデバイス形式で加工される、赤、緑、および青毎に有機薄膜組成物を備える、試験クーポンのそれぞれの試験に起因した。そのような試験クーポンは、種々の調合物およびプロセスの迅速評価の目的のために加工ならびに試験することが実質的により容易である。試験クーポン試験は、印刷されたパネルの耐用年数試験と混同されるべきではないが、耐用年数への種々の調合物およびプロセスの影響を示すことができる。以下の表に示される結果は、窒素環境の代わりに空気中で同様に加工された試験クーポンと比較して反応種が1ppm未満であった、窒素環境で加工された試験クーポンのために、スピンコーティング環境のみが変動した、試験クーポンの加工におけるプロセスステップの変動を表す。
【0016】
異なる処理環境下で加工される試験クーポンの表1内のデータの点検を通して、特に、赤および青の場合、反応種への有機薄膜組成物の暴露を効果的に低減させる環境での印刷が、種々のELの安定性、故に、耐用年数に実質的な影響を及ぼし得ることが明白である。耐用年数仕様は、ディスプレイ製品寿命に直接相関するため、OLEDパネル技術にとって特に重要であり、OLEDパネル技術が満たすことが困難となっている、全てのパネル技術のための製品仕様である。必要耐用年数仕様を満たすパネルを提供するために、水蒸気、酸素、およびオゾン、ならびに有機溶媒蒸気等の反応種のそれぞれのレベルは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を用いて、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、もしくは0.1ppmまたはそれより低く維持されることができる。
【表1】
【0017】
不活性環境を提供することに加えて、OLED印刷のための実質的に低粒子の環境を維持することは、非常に小さい粒子でさえも、OLEDパネル上の可視欠陥につながり得るため、特に重要である。ガスエンクロージャシステム内の粒子制御は、例えば、開放型高流動層流濾過フードの下の大気条件で行われることができるプロセスには存在しない、有意な課題を提示し得る。例えば、製造設備は、例えば、限定されないが、印刷システムを動作させるために要求される光学、電気、機械、および流体接続を提供するように、種々のシステムならびにアセンブリから動作可能に接続されることができる、種々のサービス束の実質的な長さを要求し得る。印刷システムの動作で使用され、印刷のために位置付けられた基板の近位に位置する、そのようなサービス束は、継続中の粒子状物質源であることができる。加えて、摩擦ベアリングを使用するファンまたは線形運動システム等の印刷システムで使用される構成要素は、粒子生成構成要素であることができる。本教示のガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、粒子状物質を含有および排出するために、粒子制御構成要素と併せて使用されることができる。加えて、限定されないが、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気圧動作型ロボット、および同等物等の種々の本質的に低粒子生成の空気圧動作型構成要素を使用することによって、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための低粒子環境が維持されることができる。
【0018】
実質的に低粒子の環境を維持することに関して、ガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、クラス1からクラス5によって規定されるような、International Standards Organization Standard (ISO)
14644-1:1999「Cleanrooms and associated controlled environments-Part 1: Classification of air cleanliness」の規格を満たす、空中浮遊粒子状物質のための低粒子不活性ガス環境を提供するように設計されることができる。しかしながら、例えば、限定されないが、印刷プロセス中に基板の近位に生成される粒子が、ガス循環および濾過システムを通して掃引されることができる前に、基板表面上に蓄積し得るため、空中浮遊粒子状物質を制御することだけでは、そのようなプロセス中に基板の近位に低粒子環境を提供するために十分ではない。
【0019】
したがって、ガス循環および濾過システムと併せて、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷ステップにおける処理中に基板の近位に低粒子ゾーンを提供することができる構成要素を含み得る、粒子制御システムを有することができる。本教
示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための粒子制御システムは、ガス循環および濾過システムと、基板に対してプリントヘッドデバイスアセンブリを移動させるための低粒子生成X軸線形ベアリングシステムと、サービス束筐体排出システムと、プリントヘッドデバイスアセンブリ排出システムとを含むことができる。例えば、ガスエンクロージャシステムは、ガスエンクロージャアセンブリの内部にガス循環および濾過システムを有することができる。
【0020】
本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態は、基板上堆積率仕様を超えない特定の着目サイズ範囲の粒子の平均基板上分布を提供する、実質的に低粒子の環境を維持することができる。基板上粒子堆積率仕様は、約0.1μmおよびそれを上回る~約10μmおよびそれを上回る着目粒径範囲毎に設定されることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、基板上粒子堆積率仕様は、標的粒径範囲毎に1分あたり基板の1平方メートルにつき堆積させられる粒子の数の限界として表されることができる。
【0021】
基板上粒子堆積率仕様の種々の実施形態は、標的粒径範囲毎に1分あたり基板の1平方メートルにつき堆積させられる粒子の数の限界から、1分あたり1枚の基板につき堆積させられる粒子の数の限界に容易に変換されることができる。そのような変換は、例えば、具体的世代サイズの基板およびその基板世代の対応する面積の基板の間の既知の関係を通して、容易に行われることができる。例えば、以下の表2は、いくつかの既知の世代サイズの基板のアスペクト比および面積を要約する。アスペクト比、故に、サイズのわずかな変動が、製造業者によって見られ得ることを理解されたい。しかしながら、そのような変動にもかかわらず、具体的世代サイズの基板の変換係数および平方メートル単位の面積が、種々の世代サイズの基板のうちのいずれかで得られることができる。
【表2】
【0022】
加えて、1分あたり基板の1平方メートルにつき堆積させられる粒子の数の限界として表される基板上粒子堆積率仕様は、種々の単位時間表現のうちのいずれかに容易に変換されることができる。分に正規化される基板上粒子堆積率仕様は、既知の時間の関係を通し
て、例えば、限定されないが、秒、時間、日等の任意の他の時間の表現に容易に変換され得ることが、容易に理解されるであろう。加えて、特異的に処理に関する時間の単位が使用されることができる。例えば、印刷サイクルは、時間の単位と関連付けられることができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、印刷サイクルは、基板が、印刷のためにガスエンクロージャシステムの中へ移動させられ、次いで、印刷が完了した後にガスエンクロージャシステムから除去される、時間の周期であることができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、印刷サイクルは、プリントヘッドデバイスアセンブリに対する基板の整合の開始から、基板上への最後の放出されたインクの滴の送達までの時間の周期であることができる。処理の技術分野では、全平均サイクル時間またはTACTは、特定のプロセスサイクルのための時間の単位の表現であることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態によると、印刷サイクルのTACTは、約30秒であることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、印刷サイクルのTACTは、約60秒であることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、印刷サイクルのTACTは、約90秒であることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、印刷サイクルのTACTは、約120秒であることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、印刷サイクルのTACTは、約300秒であることができる。
【0023】
空中浮遊粒子状物質およびシステム内の粒子堆積に関して、相当な数の変数が、任意の特定の製造システムについて、例えば、基板等の表面上の粒子落下率の値の近似値を十分に算出し得る、一般モデルを開発することに影響を及ぼし得る。粒子のサイズ、特定のサイズの粒子の分布、基板の表面積、およびシステム内の基板の暴露の時間等の変数は、種々の製造システムに応じて変動し得る。例えば、粒子のサイズおよび特定のサイズの粒子の分布は、種々の製造システム内の粒子生成構成要素の源および場所による影響を実質的に受け得る。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に基づく計算は、本教示の種々の粒子制御システムがないと、基板の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの粒子状物質の基板上堆積が、0.1μmおよびそれを上回るサイズ範囲内の粒子について、約100万より多い~約1,000万より多い粒子であり得ることを示唆する。そのような計算は、本教示の種々の粒子制御システムがないと、基板の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの粒子状物質の基板上堆積が、約2μmおよびそれを上回るサイズ範囲内の粒子について、約1,000より多い~約10,000より多い粒子であり得ることを示唆する。
【0024】
本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが10μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約100個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約100個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが2μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約100個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境が維持されることができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが1μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約100個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境が維持されることができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約1,000個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分
布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、サイズが0.3μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約1,000個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境が維持されることができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.1μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分あたり基板の1平方メートルにつき約1,000個未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。
【0025】
多種多様のインク調合物が、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の不活性で実質的に低粒子の環境内で印刷されることができると考慮される。OLEDディスプレイの製造中に、OLEDピクセルは、電圧が印加されたときに具体的ピーク波長の光を発し得る、OLEDフィルムスタックを含むように形成されることができる。アノードとカソードとの間のOLEDフィルムスタック構造は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、放出層(EL)、電子輸送層(ETL)、および電子注入層(EIL)を含むことができる。OLEDフィルムスタック構造のいくつかの実施形態では、電子輸送層(ETL)が、ETL/EIL層を形成するように電子注入層(EIL)と組み合わせられることができる。本教示によると、例えば、インクジェット印刷を使用して、OLEDフィルムスタックの種々のカラーピクセルELフィルム用のELのための種々のインク調合物が印刷されることができる。加えて、例えば、限定されないが、HIL、HTL、EML、およびETL/EIL層は、インクジェット印刷を使用して印刷され得る、インク調合物を有することができる。
【0026】
さらに、有機カプセル化層が、基板印刷上で印刷されることができると考慮される。インクジェット印刷がいくつかの利点を提供することができるため、インクジェット印刷を使用して、有機カプセル化層が印刷されることができると考慮される。第1に、そのようなインクジェットベースの加工が大気圧で行われることができるため、一連の真空処理動作が排除されることができる。加えて、インクジェット印刷プロセス中に、有機カプセル化層は、活性領域にわたってその近位にあるOLED基板の部分を覆って、活性領域の外側縁を含む活性領域を効果的にカプセル化するように限局されることができる。インクジェット印刷を使用する標的パターン化は、材料の無駄を排除するとともに、有機層のパターン化を達成するために典型的に要求される付加的処理を排除することをもたらす。カプセル化インクは、例えば、アクリレート、メタクリレート、ウレタン、または他の材料を含むが、それらに限定されないポリマー、ならびに熱処理(例えば、焼付)、紫外線暴露、およびそれらの組み合わせを使用して硬化させられ得る、それらのコポリマーおよび混合物を含むことができる。本明細書に使用されるように、ポリマーおよびコポリマーは、インクに調合され、有機カプセル化層を形成するように基板上で硬化させられ得る、ポリマー成分の任意の形態を含むことができる。そのようなポリマー成分は、ポリマーおよびコポリマー、ならびにそれらの前駆体、例えば、限定されないが、モノマー、オリゴマー、および樹脂を含むことができる。
【0027】
ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの輪郭を提供するように構築される種々のフレーム部材を有することができる。本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、不活性ガス体積を最小限にするように作業空間を最適化し、また、処理中に外部からの印刷システムへの即時アクセスも可能にしながら、印刷システムに適応することができる。その点に関して、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリは、輪郭形成されたトポロジおよび容積を有することができる。本明細書で後に詳細に議論されるように、ガスエンクロージャの種々の実施形態は、その上に基板支持装置が搭載され得る、印刷システム基部の周囲で輪郭形成されることができる。さらに、ガスエンクロージャは、キャリッジアセンブリのX軸移動に使用される印
刷システムのブリッジ構造の周囲で輪郭形成されることができる。非限定的実施例として、本教示による輪郭形成されたガスエンクロージャの種々の実施形態は、Gen 3.5~Gen 10の基板サイズを印刷することが可能な印刷システムの種々の実施形態を収納するために、約6m3~約95m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。さらなる非限定的実施例として、本教示による輪郭形成されたガスエンクロージャの種々の実施形態は、例えば、Gen 5.5~Gen 8.5基板サイズを印刷することが可能な印刷システムの種々の実施形態を収納するために、約15m3~約30m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。輪郭形成されたガスエンクロージャのそのような実施形態は、幅、長さ、および高さの非輪郭形成寸法を有する、非輪郭形成エンクロージャと比較して、容積が約30%~約70%節約され得る。
【0028】
図1は、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリ1000の斜視図を描写する。ガスエンクロージャアセンブリ1000は、前パネルアセンブリ1200と、中央パネルアセンブリ1300と、後パネルアセンブリ1400とを含むことができる。前パネルアセンブリ1200は、前天井パネルアセンブリ1260と、基板を受容するための開口部1242を有することができる前壁パネルアセンブリ1240と、前基部パネルアセンブリ1220とを含むことができる。後パネルアセンブリ1400は、後天井パネルアセンブリ1460、後壁パネルアセンブリ1440と、後基部パネルアセンブリ1420とを含むことができる。中央パネルアセンブリ1300は、第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340と、中央壁および天井パネルアセンブリ1360と、第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380と、ならびに中央基部パネルアセンブリ1320とを含むことができる。
【0029】
加えて、図1で描写されるように、中央パネルアセンブリ1300は、補助エンクロージャ1330システム内に第1のプリントヘッド管理システム、ならびに補助エンクロージャ1380の中に第2のプリントヘッド管理システムを収納することができる。そのような補助エンクロージャは、本教示のガスエンクロージャ筐体の残りの印刷システムエンクロージャ部分のものと同一であり得る、または異なり得る、制御された環境を提供することができる。例えば、補助エンクロージャの種々の実施形態は、プリントヘッド管理システムの種々の実施形態を収納するための実質的に不活性の低粒子環境を提供することができる。ガスエンクロージャアセンブリの一区分として構築される補助エンクロージャの種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステムの作業容積から密閉可能に隔離されることができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約1%未満またはそれと等しくあり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約2%未満またはそれと等しくあり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態について、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約5%未満またはそれと等しくあり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約10%未満またはそれと等しくあり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約20%未満またはそれと等しくあり得る。反応性ガスを含有する周囲環境への補助エンクロージャの開口部が、例えば、保守手順を行うために示されても、ガスエンクロージャの作業容積から補助エンクロージャを隔離することによって、ガスエンクロージャの容積全体の汚染を防止することができる。さらに、ガスエンクロージャの印刷システムエンクロージャ部分と比較して、補助エンクロージャの比較的小さい容積を考慮すると、補助エンクロージャの回復時間は、印刷システムエンクロージャ全体の回復時間より有意に少ない時間を要し得る。
【0030】
図2で描写されるように、ガスエンクロージャアセンブリ1000は、完全に構築され
たときに、その上に印刷システム2000が搭載され得る、隣接基部またはパンを形成する、前基部パネルアセンブリ1220と、中央基部パネルアセンブリ1320と、後基部パネルアセンブリ1420とを含むことができる。図1のガスエンクロージャアセンブリ100について説明されるものと同様に、ガスエンクロージャアセンブリ1000の前パネルアセンブリ1200と、中央パネルアセンブリ1300と、後パネルアセンブリ1400とを備える、種々のフレーム部材およびパネルは、印刷システムエンクロージャを形成するように印刷システム2000の周囲に輪郭形成されることができる。前パネルアセンブリ1200は、ガスエンクロージャの第1のトンネルエンクロージャ区分を形成するように搭載される印刷システム2000の周囲に輪郭形成されることができる。同様に、後パネルアセンブリ1400は、ガスエンクロージャの第2のトンネルエンクロージャ区分を形成するように、印刷システム2000の周囲に輪郭形成されることができる。加えて、中央パネルアセンブリ1300は、ガスエンクロージャのブリッジエンクロージャ区分を形成するように、印刷システム2000のブリッジ区分の周囲に輪郭形成されることができる。ともに、第1のトンネルエンクロージャ区分、第2のトンネル区分、およびブリッジエンクロージャ区分は、印刷エンクロージャを形成することができる。本明細書でさらに詳細に議論されるように、本教示によると、印刷プロセスの中断を殆どまたは全く伴わずに、種々の測定および保守タスクを行うために、例えば、印刷プロセス中に、補助エンクロージャが、印刷システムエンクロージャから密閉可能に隔離されることができる。
【0031】
さらに、ガスエンクロージャアセンブリ1000等の完全に構築されたガスエンクロージャアセンブリは、種々の環境制御システムと統合されたときに、印刷システム2000等の印刷システムの種々の実施形態を含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を形成することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、ガスエンクロージャアセンブリによって画定される内部容積の環境制御は、例えば、具体的波長のライトの数および配置による、照明の制御、粒子制御システムの種々の実施形態を使用する粒子状物質の制御、ガス精製システムの種々の実施形態を使用する反応性ガス種の制御、および熱調整システムの種々の実施形態を使用するガスエンクロージャアセンブリの温度制御を含むことができる。
【0032】
図3において拡大図で示される、図2の印刷システム2000等の印刷システムは、基板上の具体的な場所へのインク滴の確実な配置を可能にする、いくつかのデバイスおよび装置から成ることができる。これらのデバイスおよび装置は、プリントヘッドデバイスアセンブリ、インク送達システム、プリントヘッドデバイスアセンブリと基板との間の相対運動を提供するための運動システム、基板支持装置、基板装填および装填解除システム、ならびにプリントヘッド管理システムを含むことができるが、それらに限定されない。
【0033】
プリントヘッドデバイスアセンブリは、制御された割合、速度、およびサイズでインクの液滴を放出することが可能な少なくとも1つのオリフィスを伴う、少なくとも1つのインクジェットヘッドを含むことができる。インクジェットヘッドは、インクをインクジェットヘッドに提供するインク供給システムによって送給される。図3の拡大図に示されるように、印刷システム2000は、チャック、例えば、限定されないが、真空チャック、圧力ポートを有する基板浮動式チャック、ならびに真空および圧力ポートを有する基板浮動式チャック等の基板支持装置によって支持され得る、基板2050等の基板を有することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、基板支持装置は、基板浮動式テーブルであることができる。後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、図3の基板浮動式テーブル2200は、基板2050を支持するために使用されることができ、Y軸運動システムと併せて、基板2050の無摩擦運搬を提供する基板運搬システムの一部であることができる。本教示のY軸運動システムは、本明細書でさらに詳細に議論されるように、基板を保持するためのグリッパシステム(図示せず)を含み得る、第1の
Y軸支持ビーム2351と、第2のY軸支持ビーム2352とを含むことができる。Y軸運動は、線形空気ベアリングまたは線形機械システムのいずれかによって提供されることができる。図2および図3に示される印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200は、印刷プロセス中の図1のガスエンクロージャアセンブリ1000を通した基板2050の進行を画定することができる。
【0034】
図3は、概して、浮動を提供するように多孔性媒体を有し得る、基板の浮動運搬を含むことができる印刷システム2000用の基板浮動式テーブル2200の実施例を図示する。図3の実施例では、コンベヤの上に位置するような基板浮動式テーブル2200の入力領域2201中に基板2050を位置付けるために、ハンドラまたは他の運搬が使用されることができる。コンベヤは、機械的接触を使用して(例えば、ピン、トレイ、または支持フレーム構成のアレイを使用して)、または基板2050を制御可能に浮動させるためにガスクッション(例えば、「空気ベアリング」テーブル構成)を使用してのいずれか等で、印刷システム内の規定場所に基板2050を位置付けることができる。基板浮動式テーブル2200の印刷領域2202が、加工中に基板2050上に1つまたはそれを上回る層を制御可能に堆積させるために使用されることができる。印刷領域2202はまた、基板浮動式テーブル2200の出力領域2203に結合されることもできる。コンベヤは、基板浮動式テーブル2200の入力領域2201、印刷領域2202、および出力領域2203に沿って延在することができ、基板2050は、種々の堆積タスクのために所望に応じて、または単一の堆積動作中に再配置されることができる。入力領域2201、印刷領域2202、および出力領域2203の近くの制御された環境は、共同で共有されることができる。
【0035】
図3の印刷システム2000は、各プリントヘッドデバイスが、例えば、ノズル印刷、熱ジェット、もしくはインクジェットタイプの1つまたはそれを上回るプリントヘッドを有する、1つまたはそれを上回るプリントヘッドデバイス2505を含むことができる。1つまたはそれを上回るプリントヘッドデバイス2505は、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301等のオーバーヘッドキャリッジに結合される、または別様にそれを横断することができる。本教示の印刷システム2000の種々の実施形態について、1つまたはそれを上回るプリントヘッドデバイス2505の1つまたはそれを上回るプリントヘッドは、基板2050の「上向き」構成で基板2050上に1つまたはそれを上回るパターン化された有機層を堆積させるように構成されることができる。そのような層は、例えば、電子注入または輸送層、正孔注入または輸送層、遮断層、もしくは放出層のうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。そのような材料は、1つまたはそれを上回る電気的機能層を提供することができる。
【0036】
図3に示される浮動方式によると、基板2050が排他的にガスクッションによって支持される実施例では、ガス陽圧および真空の組み合わせが、ポートの配列を通して、または分散多孔性媒体を使用して印加されることができる。圧力および真空制御の両方を有する、そのようなゾーンは、コンベヤと基板との間に流体ばねを効果的に提供することができる。陽圧および真空制御の組み合わせは、双方向剛性を伴う流体ばねを提供することができる。基板(例えば、基板2050)と表面との間に存在する間隙は、「飛行高度」と称されることができ、そのような高度は、陽圧および真空ポート状態を制御することによって、制御または別様に確立されることができる。このようにして、基板Z軸高度は、例えば、印刷領域2202中で慎重に制御されることができる。いくつかの実施形態では、基板がガスクッションによって支持されている間に基板の側方平行移動を制限するために、ピンまたはフレーム等の機械的保定技法が使用されることができる。そのような保定技法は、基板が保定されている間に基板の側面に入る瞬発力を低減させるため等に、ばね荷重構造を使用することを含むことができる。これは、側方平行移動基板と保定手段との間の高い力の衝撃が、基板の欠けまたは壊滅的な破損さえも引き起こし得るため、有益であ
り得る。
【0037】
飛行高度が精密に制御される必要がない場所等の、概して図3に図示されるような他の場所では、入力または出力領域2100もしくは2300中のコンベヤに沿って、または他の場所等で、圧力単独浮動ゾーンが提供されることができる。真空ノズルに対する圧力の比が徐々に増加または減少する場所等の「遷移」ゾーンが、提供されることができる。例証的実施形態では、公差内で、3つのゾーンが本質的に1つの面内に位置することができるように、圧力・真空ゾーン、遷移ゾーン、および圧力単独ゾーンの間に本質的に一様な高度があり得る。他の場所の圧力単独ゾーンにわたる基板の飛行高度は、基板が圧力単独ゾーン内で浮動式テーブルと衝突しないように十分な高度を可能にするため等に、圧力・真空ゾーンにわたる基板の飛行高度より大きくあり得る。例証的実施例では、OLEDパネル基板は、圧力単独ゾーンの上方約150マイクロメートル(μ)~約300μ、次いで、圧力・真空ゾーンの上方約30μ~約50μの飛行高度を有することができる。例証的実施例では、基板浮動式テーブル2200もしくは他の加工装置の1つまたはそれを上回る部分は、NewWay(登録商標)Air Bearings(Aston,Pennsylvania, United States of America)によって提供される「空気ベアリング」アセンブリを含むことができる。
【0038】
印刷、緩衝、乾燥、もしくは熱処理のうちの1つまたはそれを上回るものの間に、基板2050の浮動運搬または支持のための分散加圧ガスクッションを確立するために、多孔性媒体が使用されることができる。例えば、コンベヤの一部に結合される、または一部として含まれるような多孔性媒体「プレート」は、個々のガスポートの使用と同様に、基板2050を支持するように「分散」圧力を提供することができる。大型ガスポート開口を使用することがない、分散加圧ガスクッションの使用は、ある事例では、ガスクッションを作成するための比較的大型のガスポートの使用が、ガスクッションの使用にもかかわらず、非一様性につながる事例等で、一様性をさらに向上させ、ムラまたは他の可視欠陥の形成を低減させる、もしくは最小限にすることができる。
【0039】
基板2050の全体、またはディスプレイ領域もしくはディスプレイ領域の外側の領域等の基板の規定領域を占有するように規定される物理的寸法を有するような多孔性媒体が、Nano TEM Co.,Ltd.(Niigata,Japan)から入手されることができる。そのような多孔性媒体は、ムラまたは他の可視欠陥形成を低減させ、または排除しながら、規定面積にわたって所望の加圧ガス流を提供するように規定される孔径を含むことができる。
【0040】
印刷は、プリントヘッドデバイスアセンブリと基板との間の相対運動を要求する。これは、運動システム、典型的には、ガントリまたは分割軸XYZシステムを用いて達成されることができる。プリントヘッドデバイスアセンブリが、静止基板の上を移動することができる(ガントリ型)か、または分割軸構成の場合、プリントヘッドおよび基板が両方とも移動することができるかのいずれかである。別の実施形態では、プリントヘッドデバイスアセンブリは、例えば、XおよびY軸で、実質的に静止し得、基板は、プリントヘッドに対してXおよびY軸で移動することができ、Z軸運動が、基板支持装置によって、またはプリントヘッドデバイスアセンブリと関連付けられるZ軸運動システムによってのいずれかで提供される。プリントヘッドが基板に対して移動すると、インクの液滴が、基板上の所望の場所に堆積させられるように、正しい時間に放出される。基板が、基板装填および装填解除システムを使用して、挿入され、プリンタから除去されることができる。プリンタ構成に応じて、これは、機械コンベヤ、運搬アセンブリを伴う基板浮動式テーブル、またはエンドエフェクタを伴う基板移送ロボットを用いて達成されることができる。プリントヘッド管理システムは、ノズル発射のチェック、ならびにプリントヘッド内の全ノズルからの滴体積、速度、および軌道の測定等のそのような測定タスクと、インクジェット
ノズル表面から過剰なインクを拭き取るまたは吸い取ること、インク供給からプリントヘッドを通して廃棄物容器の中へインクを放出することによってプリントヘッドをプライミングしてパージすること、およびプリントヘッドの交換等の保守タスクとを可能にする、いくつかのサブシステムから成ることができる。印刷システムを備えることができる種々の構成要素を考慮すると、印刷システムの種々の実施形態は、種々の占有面積および形状因子を有することができる。
【0041】
図3に関して、印刷システム基部2100は、ブリッジ2130が搭載される、第1のライザ2120と、第2のライザ2122とを含むことができる。印刷システム2000の種々の実施形態については、ブリッジ2130は、ブリッジ2130を横断して、それぞれ、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2501および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ2502の移動を制御し得る、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX軸キャリッジアセンブリ2302を支持することができる。印刷システム2000の種々の実施形態については、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX軸キャリッジアセンブリ2302は、本質的に低粒子生成である、線形空気ベアリング運動システムを利用することができる。本教示の印刷システムの種々の実施形態によると、X軸キャリッジは、その上に搭載されたZ軸移動プレートを有することができる。図3では、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301が、第1のZ軸移動プレート2310を伴って描写される一方で、第2のX軸キャリッジアセンブリ2302は、第2のZ軸移動プレート2312を伴って描写される。図3は、2つのキャリッジアセンブリおよび2つのプリントヘッドデバイスアセンブリを描写するが、印刷システム2000の種々の実施形態については、単一のキャリッジアセンブリおよび単一のプリントヘッドデバイスアセンブリがあり得る。例えば、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2501および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ2502のいずれかが、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載されることができる一方で、基板2050の特徴を点検するためのカメラシステムは、第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載されることができる。印刷システム2000の種々の実施形態は、単一のプリントヘッドデバイスアセンブリを有することができ、例えば、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2501および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ2502のいずれかが、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載されることができる一方で、基板2050上に印刷されるカプセル化層を硬化させるための紫外線ランプは、第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載されることができる。印刷システム2000の種々の実施形態については、単一のプリントヘッドデバイスアセンブリ、例えば、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載される第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2501および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ2502のいずれかがあり得る一方で、基板2050上に印刷されるカプセル化層を硬化させるための熱源は、第2のキャリッジアセンブリ上に搭載されることができる。
【0042】
図3では、図3の第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2501および第2のプリントデバイスヘッドアセンブリ2502等の各プリントヘッドデバイスアセンブリは、複数のプリントヘッドデバイス2505を描写する、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2501の部分図で描写されるように、少なくとも1つのプリントヘッドデバイスの中に搭載された複数のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッドデバイスは、例えば、限定されないが、少なくとも1つのプリントヘッドへの流体および電子接続を含むことができ、各プリントヘッドは、制御された割合、速度、およびサイズでインクを放出することが可能な複数のノズルまたはオリフィスを有する。印刷システム2000の種々の実施形態について、プリントヘッドデバイスアセンブリは、約1~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、各プリントヘッドデバイスの中に約1~約30個のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッド、例えば、工業用インクジェットヘッドは、約0.1pL~約200pLの液滴体積を放出し得る、約16~約2048個のノズルを有することができる。
【0043】
本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、非常に多くのプリントヘッドデバイスおよびプリントヘッドを考慮すると、第1のプリントヘッド管理システム2701および第2のプリントヘッド管理システム2702は、印刷プロセスの中断を殆どまたは全く伴わずに種々の測定および保守タスクを行うために、印刷プロセス中に印刷システムエンクロージャから隔離され得る、補助エンクロージャに収納されることができる。図3で見られることができるように、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2501は、第1のプリントヘッド管理システム装置2707、2709、および2711によって行われ得る、種々の測定ならびに保守手順の即時実施のために、第1のプリントヘッド管理システム2701に対して位置付けられて見られることができる。装置2707、2709、および2011は、種々のプリントヘッド管理機能を果たすための種々のサブシステムまたはモジュールのうちのいずれかであることができる。例えば、装置2707、2709、および2011は、滴測定モジュール、プリントヘッド交換モジュール、パージ容器モジュール、およびブロッタモジュールのうちのいずれかであることができる。図3で描写されるように、第1のプリントヘッド管理システム2701は、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2501に対して位置付けるために線形レール運動システム2705上に搭載され得る、装置2707、2709、および2711を有することができる。同様に、第2のプリントヘッド管理システム2702内に収納される種々の装置は、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2502に対して位置付けるために線形レール運動システム2706上に搭載されることができる。
【0044】
第1の作業容積、例えば、印刷システムエンクロージャから閉鎖されるとともに、密閉可能に隔離されることができる、補助エンクロージャを有する、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態に関して、再度、図2を参照する。図3で描写されるように、印刷システム2000の上に4つのアイソレータ、すなわち、印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200を支持する、第1のアイソレータセット2110(第2は対向側に示されていない)、および第2のアイソレータセット2112(第2は対向側に示されていない)があり得る。図2のガスエンクロージャアセンブリ1000については、第1のアイソレータセット2110および第2のアイソレータセット2112は、中央基礎パネルアセンブリ1320の第1のアイソレータ壁パネル1325および第2のアイソレータ壁パネル1327等の個別のアイソレータ壁パネルのそれぞれの中に搭載されることができる。図2のガスエンクロージャアセンブリ1000については、中央基礎アセンブリ1320は、第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330、ならびに第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370を含むことができる。ガスエンクロージャアセンブリ1000の図2は、第1の後壁パネルアセンブリ1338を含むことができる、第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330を描写する。同様に、第2の後壁パネルアセンブリ1378を含むことができる、第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370も描写されている。第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330の第1の後壁パネルアセンブリ1338は、第2の後壁パネルアセンブリ1378について示されるように同様に構築されることができる。第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370の第2の後壁パネルアセンブリ1378は、第2の後壁フレームアセンブリ1378に密閉可能に搭載された第2のシール支持パネル1375を有する、第2の後壁フレームアセンブリ1378から構築されることができる。第2のシール支持パネル1375は、基部2100の第2の端部(図示せず)の近位にある、第2の通路1365を有することができる。第2のシール1367は、第2の通路1365の周囲で第2のシール支持パネル1375の上に搭載されることができる。第1のシールは、同様に、第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330のための第1の通路の周囲に位置付けられて搭載されることができる。補助エンクロージャ1330および補助パネルアセンブリ1370内の各通路は、図3の第1および第2のプリントヘッド管理システムプラットフォーム270
3および2704が通路を通過するようなプリントヘッド管理システムプラットフォームに適応することができる。本教示によると、補助エンクロージャ1330および補助パネルアセンブリ1370を密閉可能に隔離するために、図2の第2の通路1365等の通路は、密閉可能でなければならない。印刷システム基部に添着されたプリントヘッド管理システムプラットフォームの周囲で図2の第2の通路1365等の通路を密閉するために、膨張式シール、ベローズシール、およびリップシール等の種々のシールが使用されることができると考慮される。
【0045】
第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370は、それぞれ、第1の床パネルアセンブリ1341の第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342および第2の床パネルアセンブリ1381の第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1382を含むことができる。第1の床パネルアセンブリ1341は、中央パネルアセンブリ1300の第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340の一部として図2で描写されている。第1の床パネルアセンブリ1341は、第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340および第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330の両方と共通するパネルアセンブリである。第2の床パネルアセンブリ1381は、中央パネルアセンブリ1300の第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380の一部として図2で描写されている。第2の床パネルアセンブリ1381は、第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370の両方と共通するパネルアセンブリである。
【0046】
本明細書で以前に議論されたように、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2501は、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2503に収納されることができ、第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ2502は、第2のプリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2504に収納されることができる。本教示のシステムおよび方法によると、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2504は、各プリントヘッドデバイスが少なくとも1つのプリントヘッドを有する、種々のプリントヘッドデバイスアセンブリが、印刷プロセス中に印刷のために位置付けられることができるように、周縁(図示せず)を有し得る開口部を底部に有することができる。加えて、筐体を形成する第1のプリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2504の部分は、フレームアセンブリ部材およびパネルが密封エンクロージャを提供することが可能であるように、種々のパネルアセンブリについて本明細書に説明されるように構築されることができる。
【0047】
加えて、種々のフレーム部材の密封のために使用され得る、圧縮性ガスケットが、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1382のそれぞれの周囲に、または代替として、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2504の周縁の周囲に、添着されることができる。
【0048】
本教示によると、圧縮性ガスケット材料は、例えば、限定されないが、当技術分野では、膨張ゴム材料または膨張ポリマー材料とも称される、閉鎖セルポリマー材料の種類の中のいずれかから選択されることができる。簡潔には、閉鎖セルポリマーは、各離散セルがポリマー材料によって封入される、それによってガスが離散セルに封入される様式で調製される。フレームおよびパネル構成要素の気密密閉で使用するために望ましい圧縮性閉鎖セルポリマーガスケット材料の性質は、それらが広範囲の化学種にわたる化学攻撃に対して堅固である、優れた湿気障壁性質を保有する、広い温度範囲にわたって弾性である、および恒久的圧縮設定に対して耐性を持つことを含むが、それらによって限定されない。一
般に、開放セル構造ポリマー材料と比較して、閉鎖セルポリマー材料は、より高い寸法安定性、より低い湿気吸収係数、およびより高い強度を有する。閉鎖セルポリマー材料が作製され得る、種々のタイプのポリマー材料は、例えば、シリコーン、ネオプレン、エチレンポリエチレンジエンターポリマー(EPT)、エチレンポリエチレンジエンモノマー(EPDM)を使用して作製されるポリマーおよび複合材料、ビニルニトリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ならびにそれらの種々のコポリマーおよび混合物を含むことができるが、それらによって限定されない。
【0049】
閉鎖セル圧縮性ガスケット材料に加えて、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの実施形態を構築する際に使用するための所望の属性を有する、一種の圧縮性ガスケット材料の別の実施例は、中空押出圧縮性ガスケット材料の種類を含む。一種の材料としての中空押出ガスケット材料は、それらが広範囲の化学種にわたる化学攻撃に対して堅固である、優れた湿気障壁性質を保有する、広い温度範囲にわたって弾性である、および恒久的圧縮設定に対して耐性を持つことを含むが、それらによって限定されない、望ましい属性を有する。そのような中空押出圧縮性ガスケット材料は、例えば、限定されないが、Uセル、Dセル、正方形セル、長方形セル、ならびに種々のカスタム形状因子中空押出ガスケット材料のうちのいずれか等の多種多様な形状因子で提供されることができる。種々の中空押出ガスケット材料は、閉鎖セル圧縮性ガスケット加工に使用されるポリマー材料から加工されることができる。例えば、限定されないが、中空押出ガスケットの種々の実施形態は、シリコーン、ネオプレン、エチレンポリエチレンジエンターポリマー(EPT)、エチレンポリエチレンジエンモノマー(EPDM)を使用して作製されるポリマーおよび複合材料、ビニルニトリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ならびにそれらの種々のコポリマーおよび混合物から加工されることができる。そのような中空セルガスケット材料の圧縮は、所望の属性を維持するために、約50%偏向を超えるべきではない。第1のプリントヘッドデバイスアセンブリドッキングガスケット1345および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリドッキングガスケット1385を使用して、プリントヘッドデバイスアセンブリを密閉するために、種々のタイプの膨張式シールが利用されることができると考慮される。そのような膨張式シールは、処理中に急速密閉および非密閉を提供するとともに、シリコーン、ネオプレン、およびブチルゴム材料等の低粒子生成の低ガス放出ポリマー材料等の低汚染材料から加工されてもよい。
【0050】
図2で描写されるように、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリドッキングガスケット1345および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリドッキングガスケット1385は、それぞれ、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1382の周囲に添着されることができる。種々のプリントヘッド測定および保守手順中に、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2501および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ2502は、それぞれ、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302によって、それぞれ、第1の床パネルアセンブリ1341の第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342および第2の床パネルアセンブリ1381の第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1382を覆って位置付けられることができる。その点に関して、種々のプリントヘッド測定および保守手順について、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ2501および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ2502は、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1382を覆うこと、または密閉することなく、それぞれ、第1の床パネルアセンブリ1341の第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342および第2の床パネルアセンブリ1381の第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1382を覆って位置付けられることができる。第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302は、それぞれ、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリント
ヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2504を、それぞれ、第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370とドッキングすることができる。種々のプリントヘッド測定および保守手順では、そのようなドッキングは、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1382を密閉する必要なく、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1382を効果的に閉鎖してもよい。種々のプリントヘッド測定および保守手順について、ドッキングは、プリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャおよびプリントヘッド管理システムパネルアセンブリのそれぞれの間のガスケットシールの形成を含むことができる。図2の第2の通路1365および相補的な第1の通路等の通路を密閉可能に閉鎖することと併せて、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ2504が、第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1382を密閉可能に閉鎖するように、第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370とドッキングされるとき、そのように形成された複合構造は、密封される。
【0051】
加えて、本教示によると、例えば、図2の第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1382等の通路を密閉可能に閉鎖するために、構造的閉鎖を使用することによって、補助エンクロージャが、印刷システムエンクロージャ等の別の内部エンクロージャ容積、ならびにガスエンクロージャアセンブリの外部から隔離されることができる。本教示によると、構造的閉鎖は、開口部または通路のための種々の密閉可能カバーを含むことができ、そのような開口部または通路は、エンクロージャパネル開口部または通路の非限定的実施例を含む。本教示のシステムおよび方法によると、ゲートは、空気圧、油圧、電気、または手動作動を使用して、任意の開口部または通路を可逆的に覆う、もしくは可逆的に密閉可能に閉鎖するために使用されることができる、任意の構造的閉鎖であることができる。したがって、ゲートを使用して、図2の第1のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1382は、可逆的に覆われる、または可逆的に密閉可能に閉鎖されることができる。
【0052】
図3の印刷システム2000の拡大図では、印刷システムの種々の実施形態は、基板浮動式テーブル基部2220によって支持される、基板浮動式テーブル2200を含むことができる。基板浮動式テーブル基部2220は、印刷システム基部2100上に搭載されることができる。印刷システムの基板浮動式テーブル2200は、基板2050を支持するとともに、基板の印刷中にガスエンクロージャアセンブリ1000を通して基板2050が移動させられ得る、進行を画定することができる。本教示のY軸運動システムは、本明細書でさらに詳細に議論されるであろう、基板を保持するためのグリッパシステム(図示せず)を含み得る、第1のY軸支持ビーム2351と、第2のY軸支持ビーム2352とを含むことができる。Y軸運動は、線形空気ベアリングまたは線形機械システムのいずれかによって提供されることができる。その点に関して、運動システム、すなわち、図3で描写されるように、Y軸運動システムと併せて、基板浮動式テーブル2200は、印刷システムを通して基板2050の無摩擦運搬を提供することができる。
【0053】
図4は、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムの種々の実施形態による、第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330内に収納される第1のプリントヘッド管理システム2701の拡大図を描写する。図4で描写されるように、補助エンクロージャ1330は、第1のプリントヘッド管理システム2701の詳細がより明確に見えるように、切断図として示されている。図4の第1のプリントヘッド管理シ
ステム2701等の本教示によるプリントヘッド管理システムの種々の実施形態では、装置2707、2709、および2011は、種々の機能を果たすための種々のサブシステムまたはモジュールであることができる。例えば、装置2707、2709、および2011は、滴測定モジュール、プリントヘッドパージ容器モジュール、およびブロッタモジュールであることができる。図4で描写されるように、プリントヘッド交換モジュール2713は、少なくとも1つのプリントヘッドデバイス2505をドッキングするための場所を提供することができる。第1のプリントヘッド管理システム2701の種々の実施形態では、第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330は、ガスエンクロージャアセンブリ1000(図1参照)が維持される、同一の環境仕様に維持されることができる。第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330は、種々のプリントヘッド管理手順と関連付けられるタスクを実行するために位置付けられるハンドラ2730を有することができる。例えば、各サブシステムは、本質的に消耗品であり、吸取紙、インク、および廃棄物リザーバの交換等の交換を要求する、種々の部品を有することができる。種々の消耗部品は、例えば、ハンドラを使用した完全自動モードで、即時挿入のために包装されることができる。非限定的実施例として、吸取紙は、使用のために吸取モジュールの中に容易に挿入され得る、カートリッジ形式で包装されることができる。別の非限定的実施例として、インクは、交換可能リザーバ、ならびに印刷システムで使用するためのカートリッジ形式で包装されることができる。廃棄物リザーバの種々の実施形態は、使用のためにパージ容器モジュールの中に容易に挿入され得る、カートリッジ形式で包装されることができる。加えて、継続中の使用を受ける印刷システムの種々の構成要素の部品は、周期的交換を要求し得る。印刷プロセス中に、プリントヘッドデバイスアセンブリの便宜的管理、例えば、限定されないが、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッドの交換が、望ましくあり得る。プリントヘッド交換モジュールは、使用のためにプリントヘッドデバイスアセンブリの中に容易に挿入され得る、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の部品を有することができる。ノズル発射のチェック、ならびに全ノズルからの滴体積、速度、および軌道の光学的検出に基づく測定に使用される滴測定モジュールは、使用後に周期的交換を要求し得る、源および検出器を含むことができる。種々の消耗品の高利用部品は、例えば、ハンドラを使用した完全自動モードで、即時挿入のために包装されることができる。ハンドラ2730は、アーム2534に搭載されたエンドエフェクタ2736を有することができる。エンドエフェクタ構成の種々の実施形態、例えば、ブレード型エンドエフェクタ、クランプ型エンドエフェクタ、およびグリッパ型エンドエフェクタが使用されることができる。エンドエフェクタの種々の実施形態は、エンドエフェクタの部分を作動させるか、または別様にプリントヘッドデバイスもしくはプリントヘッドデバイスからのプリントヘッドを保定するかのいずれかのために、機械的握持および圧着、ならびに空気圧または真空支援アセンブリを含むことができる。
【0054】
プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッドの交換に関して、図4のプリントヘッド管理システム2701のプリントヘッド交換モジュール2713は、少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイス用のドッキングステーション、ならびにプリントヘッド用の格納レセプタクルを含むことができる。各プリントヘッドデバイスアセンブリ(図2参照)が、約1~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、かつ各プリントヘッドデバイスが約1~約30個のプリントヘッドを含むことができるため、次いで、本教示の印刷システムの種々の実施形態は、約1~約1800個のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッド交換モジュール2713の種々の実施形態では、プリントヘッドデバイスがドッキングされる一方で、プリントヘッドデバイスに搭載された各プリントヘッドは、印刷システムで使用中ではない間に、動作可能な状態で維持されることができる。例えば、ドッキングステーションの中に配置されたとき、各プリントヘッドデバイス上の各プリントヘッドは、インク供給および電気接続に接続されることができる。ノズルがプライミングされたままであり、詰まらないことを確実にするために、ドッキングされている間に、各プリントヘッドの各ノズルへの周期的発射パルスが印加
され得るように、電力が各プリントヘッドデバイス上の各プリントヘッドに提供されることができる。図4のハンドラ2730は、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500に近接して位置付けられることができる。プリントヘッドデバイスアセンブリ2500は、図4で描写されるように、第1のプリントヘッド管理システム補助エンクロージャ1330を覆ってドッキングされることができる。プリントヘッドを交換するための手順中に、ハンドラ2730は、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500から標的部品、すなわち、プリントヘッドまたは少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイスのいずれかを除去することができる。ハンドラ2730は、プリントヘッド交換モジュール2713からプリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の交換用部品を回収し、交換プロセスを完了することができる。除去された部品は、回収のためにプリントヘッド交換モジュール2713の中に配置されることができる。
【0055】
図5Aで描写されるように、ガスエンクロージャ1000Aは、印刷システム2000Aを収納することができる。本明細書で後にさらに詳細に議論されるであろうように、封入印刷システム500Aが、図11の封入印刷システム500Cの種々の実施形態について説明されるような特徴を有することができる一方で、印刷システム2000Aは、図3の印刷システム2000について説明される全ての特徴を有することができる。印刷システム2000Aは、図5Aのアイソレータ2110Aおよび2110Bを含むアイソレータセット2110等のアイソレータの少なくとも2つのセットによって支持され得る、印刷システム基部2100を有することができる。Y軸運動システム2350は、印刷システム基部2100上に搭載されることができる。基板2050は、基板浮動式テーブル2200によって浮動して支持されることができる。印刷システム基部2100は、その上にブリッジ2130が搭載され得る、第1のライザ2120および第2のライザ2122を支持することができる。印刷システムブリッジ2130は、その上にプリントヘッドデバイスアセンブリ2500が搭載され得る、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301と、その上にカメラアセンブリ2510が搭載され得る、第2のX軸キャリッジアセンブリ2302とを支持することができる。
【0056】
図5Aのカメラアセンブリ2510は、例えば、限定されないが、ナビゲーションならびに点検に利用されることができる。印刷システムカメラアセンブリの種々の実施形態は、視野および解像度に関する異なる仕様を有することができる。例えば、1つのカメラが、原位置粒子点検用の線走査カメラであることができる一方で、第2のカメラは、ガスエンクロージャシステム内の基板の規則的ナビゲーションに、または基板に対するプリントヘッドデバイスアセンブリの場所に使用されることができる。規則的ナビゲーションのために有用である、そのようなカメラは、約0.9倍の倍率で約5.4mm×4mm~約0.45倍の倍率で約10.6mm×8mmの範囲内の視野を有する、面走査カメラであることができる。なおも他の実施形態では、1つのカメラが、原位置粒子点検用の線走査カメラであることができる一方で、第2のカメラは、ガスエンクロージャシステム内の基板の精密なナビゲーションに、例えば、基板整合に、または基板に対するプリントヘッドデバイスアセンブリの精密な場所に使用されることができる。精密なナビゲーションのために有用であり得る、そのようなカメラは、約7.2倍の倍率で約0.7mm×0.5mmの視野を有する、面走査カメラであることができる。
【0057】
加えて、ガスエンクロージャ1000Aは、プリントヘッド管理システム2700を封入し得る、補助エンクロージャ1330を有することができる。プリントヘッド管理システム2700は、バルクインク送達システム3500内に収納され得る、バルク廃棄物アセンブリと流動連通し得る、ローカル廃棄物アセンブリを含むことができる。補助エンクロージャ1330は、プリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342を通してガスエンクロージャ1000Aの残りの作業容積と流動連通することができる。本明細書で以前に議論されたように、プリントヘッドデバイスアセンブリドッキングガスケット1345
は、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500がプリントヘッドデバイスアセンブリドッキングガスケット1345上で密閉可能にドッキングされるときに補助エンクロージャを隔離し得る、ガスケットシールを提供することができる。
【0058】
図5Aで描写されるように、バルクインク送達システム3500の種々の実施形態は、ガスエンクロージャ1000Aの外部に位置し、図5Aの入力斜線によって示されるように、ローカルインク送達システム3700の種々の実施形態と流動連通することができる。ローカルインク送達システム3700は、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301上でプリントヘッドデバイスアセンブリ2500の近位に搭載され、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500と流動連通することができる。加えて、プリントヘッド管理システム2700の構成要素であり得る、ローカル廃棄物アセンブリは、図5Aの出力斜線によって示されるように、ガスエンクロージャ1000Aの外部に位置するバルク廃棄物アセンブリと流動連通することができる。図5Bに示されるように、ローカルインク送達システム3700は、圧縮継手3725を通してプリントヘッドデバイスアセンブリ入力ラインに結合され得る、ローカルインク分注リザーバ出力ラインを通してプリントヘッドデバイスアセンブリ2500と流動連通することができる。図5Cに示されるように、プリントヘッド管理システム2700は、本明細書で以前に議論されたように、プリントヘッド管理システム2700のパージ容器モジュールの一部であり得る、ローカル廃棄物リザーバアセンブリ2600を有することができる。ローカル廃棄物リザーバアセンブリ2600は、漏斗形である、図5Cで描写される廃液入口レセプタクル2610を含むことができる。廃液入口レセプタクル2610は、プリントヘッドデバイスアセンブリ廃棄物ラインから液体を収集し、それによって、液体損失を防止することが可能な任意のレセプタクルであることができる。ローカル廃棄物リザーバアセンブリ2600は、高廃液レベルを監視するための第1の液面インジケータ2622Aと、低廃液レベルを監視するための第2の液面インジケータ2622Bとを有し得る、ローカル廃棄物リザーバ2620を含むことができる。ローカル廃棄物リザーバ2620は、通気口2624を有することができ、本明細書で以前に議論されるように、ローカル廃棄物リザーバ2620は、バルクインク送達システム3500に収納されるバルク廃棄物アセンブリと流動連通することができる。
【0059】
図5Dの封入印刷システム500Bは、図5Aの封入印刷システム500Aについて本明細書に説明されるような特徴の多くを有することができる。図5Dで描写されるように、ガスエンクロージャ1000Bは、印刷システム2000Bを収納することができる。本明細書で後にさらに詳細に議論されるであろうように、図5Dの封入印刷システム500Bが、図11の封入印刷システム500Cの種々の実施形態について説明されるような特徴を有することができる一方で、印刷システム2000Bは、図3の印刷システム2000ならびに図5Aの印刷システム2000Aについて説明される全ての特徴を有することができる。図5Dの印刷システム2000Bは、アイソレータ2110Aおよび2110Bを含むアイソレータセット2110等のアイソレータの少なくとも2つのセットによって支持され得る、印刷システム基部2100を有することができる。Y軸運動システム2350は、印刷システム基部2100上に搭載されることができる。基板2050は、基板浮動式テーブル2200によって浮動して支持されることができる。印刷システム基部2100は、その上にブリッジ2130が搭載され得る、第1のライザ2120および第2のライザ2122を支持することができる。印刷システムブリッジ2130は、その上にプリントヘッドデバイスアセンブリ2500が搭載され得る、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301と、その上にカメラアセンブリ2510が搭載され得る、第2のX軸キャリッジアセンブリ2302とを支持することができる。図5Aの封入印刷システム500Aの種々の実施形態は、補助エンクロージャ1330を有し得る、図1のガスエンクロージャ1000を伴って描写されるような輪郭形成エンクロージャを含むことができると想起されたい。図5Dのガスエンクロージャ1000Bの種々の実施形態は、図10A
について本明細書でさらに詳細に説明されるであろうように、補助エンクロージャがないガスエンクロージャの種々の実施形態による、輪郭形成エンクロージャであることができる。
【0060】
図5Dで描写されるように、バルクインク送達システム3500の種々の実施形態は、図5Dの入力斜線によって示されるように、ガスエンクロージャ1000Bの外部に位置し、ローカルインク送達システム3700の種々の実施形態と流動連通することができる。ローカルインク送達システム3700は、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301上でプリントヘッドデバイスアセンブリ2500の近位に搭載され、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500と流動連通することができる。加えて、プリントヘッド管理システム2700の構成要素であり得る、ローカル廃棄物アセンブリは、図5Dの出力斜線によって示されるように、ガスエンクロージャ1000Bの外部に位置するバルク廃棄物アセンブリと流動連通することができる。
【0061】
図6Aおよび図6Bは、それぞれ、ガスエンクロージャ1000Aおよび1000Bに収納されることができる、印刷システムインク送達システムの概略図である。ガスエンクロージャ1000Aの種々の実施形態は、補助エンクロージャ1330を有し得る、図1のガスエンクロージャ1000を伴って描写されるような輪郭形成エンクロージャであることができる。図6Bのガスエンクロージャ1000Bの種々の実施形態は、図10Aについて本明細書でさらに詳細に説明されるであろうように、補助エンクロージャがないガスエンクロージャの種々の実施形態による、輪郭形成エンクロージャであることができる。図6Aおよび図6Bの印刷システムインク送達システムは、図6Aおよび図6Bの入力斜線によって示されるように、バルクインク送達システム3500と流動連通する、ローカルインク送達システム3700を含むことができる。ローカルインク送達システム3700は、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500と流動連通することができ、それによって、インクの供給を1つまたはそれを上回るプリントヘッドデバイスに提供し、各プリントヘッドデバイスは、1つまたはそれを上回るプリントヘッドデバイスアセンブリを含む。本教示のローカルインク送達システム3700の種々の実施形態は、ローカルインク補充リザーバ3710と、ローカルインク分注リザーバ3720と、空気圧式制御マニホールド3730とを含むことができる。
【0062】
ローカルインク補充リザーバ通気口3712を含み得る、ローカルインク補充リザーバ3710は、入力斜線によって示されるように、バルクインク送達システム入口ラインから、バルクインク送達システム3500からのインクの供給を受容することができる。ローカルインク送達システム3700は、ローカルインク補充リザーバ3710と関連付けられる少なくとも3つの液面インジケータ、すなわち、上位液体インジケータ3716A、中位液体インジケータ3716B、および下位レベル液体インジケータ3716Cを含むことができる。ローカルインク補充リザーバ3710用の液面インジケータ3716A、3716AB、および3716ACは、十分なレベルのインクがバルクインク送達システム3500からローカルインク補充リザーバ3710に供給されることを確実にし得る、動的液面制御システムの一部であることができる。図6Aおよび図6Bで描写されるように、印刷システムの種々の実施形態について、ローカルインク補充リザーバ3710内の十分な量のインクは、インクレベルがそのレベルを維持するために液面制御システムの公差内で液面インジケータ3716Aを超えないように、液面インジケータ3716Aによって画定されることができる。図6Aおよび図6Bで描写されるように、印刷システムの種々の実施形態について、ローカルインク補充リザーバ3710内の十分な量のインクは、インクレベルがそのレベルを維持するために液面制御システムの公差内で本質的に液面インジケータ3716Bのレベルにあるであろうように、液面インジケータ3716Bによって画定されることができる。図6Aおよび図6Bで描写されるように、印刷システムの種々の実施形態について、ローカルインク補充リザーバ3710内の十分な量のイン
クは、インクレベルがそのレベルを維持するために液面制御システムの公差内で液面インジケータ3716Cを下回らないように、液面インジケータ3716Cによって画定されることができる。本教示によると、上位液体インジケータ3716A、中位液体インジケータ3716B、および下位液体インジケータ3716Cの種々の実施形態は、+/-200ミクロンの公差までローカルインク補充リザーバ3710上のそれらの個別の位置においてインクのレベルを制御することができる。本教示によると、上位液体インジケータ3716A、中位液体インジケータ3716B、および下位液体インジケータ3716Cの種々の実施形態は、+/-500ミクロンの公差までローカルインク補充リザーバ3710上のそれらの個別の位置においてインクのレベルを制御することができる。ローカルインク補充リザーバ3710は、ローカルインク分注リザーバ入口ライン3722を介してローカルインク分注リザーバ3720と流動連通し得る、ローカルインク補充リザーバ出口ライン3714と流動連通することができる。図6Aおよび図6Bで描写されるように、ローカルインク補充リザーバ出口ライン3714とローカルインク分注リザーバ入口ライン3722との間の流動連通は、ローカルインク送達システム制御弁3715を使用して制御されることができる。
【0063】
ローカルインク送達システム3700は、ローカルインク分注リザーバ3720と関連付けられる少なくとも4つの液面インジケータ、すなわち、上位液体インジケータ3726A、第1の中位液体インジケータ3726B、第2の中位液体インジケータ3726C、および下位液体インジケータ3726Dを含むことができる。ローカルインク補充リザーバ3710について本明細書で以前に議論されたように、ローカルインク分注リザーバ3720と関連付けられる液面インジケータは、十分なレベルのインクがローカルインク補充リザーバ3710からローカルインク分注リザーバ3720に供給されることを確実にし得る、動的液面制御システムの一部であることができる。ローカルインク分注リザーバ3720内の液面の場合、静的上部圧力がプリントヘッドデバイスアセンブリの上方で一定であるために、ローカルインク分注リザーバ3720内の液面は、第1の中位液体インジケータ3726Bおよび第2の中位液体インジケータ3726Cを使用して、所望の公差内で一定に保たれることができる。加えて、図6Aおよび図6Bで描写されるように、印刷システムの種々の実施形態について、ローカルインク分注リザーバ3720内の十分な量のインクは、インクレベルがそのレベルを維持するために液面制御システムの公差内で液面インジケータ3726Aを超えないように、液面インジケータ3726Aによって画定されることができる。同様に、図6Aおよび図6Bで描写されるように、印刷システムの種々の実施形態について、ローカルインク分注リザーバ3720内の十分な量のインクは、インクレベルがそのレベルを維持するために液面制御システムの公差内で液面インジケータ3726Dを下回らないように、液面インジケータ3726Dによって画定されることができる。本教示によると、上位液体インジケータ3726A、第1の中位液体インジケータ3726B、第2の中位液体インジケータ3726C、および下位液体インジケータ3726Dの種々の実施形態は、+/-200ミクロンの公差までローカルインク分注リザーバ3720上のそれらの個別の位置においてインクのレベルを制御することができる。本教示によると、上位液体インジケータ3726A、第1の中位液体インジケータ3726B、第2の中位液体インジケータ3726C、および下位液体インジケータ3726Dの種々の実施形態は、+/-500ミクロンの公差までローカルインク分注リザーバ3720上のそれらの個別の位置においてインクのレベルを制御することができる。空気圧式制御アセンブリ3730は、ローカルインク分注リザーバ3720と、窒素等のガス3732、調整された真空源3434、および通気口3436等の種々の空気圧式制御源との間の制御を提供することができる。
【0064】
ローカルインク分注リザーバ出口ライン3724は、プリントヘッドデバイスアセンブリ入口ライン2502と流動連通することができ、それによって、ローカルインク分注リザーバ3720とプリントヘッドデバイスアセンブリ2500との間の流動連通を提供す
る。ローカルインク分注リザーバ出口ライン3724は、圧縮継手3725を使用してプリントヘッドデバイスアセンブリ入口ライン2502に結合されることができる。図6Aおよび図6Bで描写されるように、ローカルインク分注リザーバ3720は、プリントヘッドデバイスアセンブリ入口ライン2502と流動連通することができる。プリントヘッドデバイスアセンブリ入口ライン2502は、プリントヘッドデバイスアセンブリ供給マニホールド2510を通して、複数のプリントヘッドデバイス、すなわち、プリントヘッドデバイス2505A、プリントヘッドデバイス2505B、およびプリントヘッドデバイス2505Cと流動連通することができる。各プリントヘッドデバイスは、1つのデバイスにつき複数のプリントヘッドを有することができる。図6Aおよび図6Bで概略的に描写されるように、プリントヘッドデバイス2505Aが、プリントヘッド2507A、2507B、および2507Cを有する一方で、プリントヘッドデバイス2505Bは、プリントヘッド2507D、2507E、および2507Fを有し、プリントヘッドデバイス2505Cは、プリントヘッド2507G、2507H、および2507Iを有する。プリントヘッドデバイスアセンブリ供給マニホールド2510は、それぞれ、プリントヘッドデバイス2505A、プリントヘッドデバイス2505B、およびプリントヘッドデバイス2505Cと流動連通する、供給マニホールド入口ライン2512A、供給マニホールド入口ライン2512B、および供給マニホールド入口ライン2512Cを有することができる。プリントヘッドデバイスアセンブリ入口ライン2502と、供給マニホールド入口ライン2512A、供給マニホールド入口ライン2512B、および供給マニホールド入口ライン2512Cとの間の流動連通は、それぞれ、供給マニホールド入口制御弁2513A、供給マニホールド入口制御弁2513B、および供給マニホールド入口制御弁2513Cによって制御されることができる。3つの同等流路への流動分割は、各プリントヘッドデバイス用の3つのプリントヘッドのそれぞれが同等のインク量を受容するように、図6Aおよび図6Bで概略的に描写されるように、供給マニホールド入口ライン2512A、供給マニホールド入口ライン2512B、および供給マニホールド入口ライン2512C毎に行われることができる。
【0065】
プリントヘッドデバイス2505A、プリントヘッドデバイス2505B、およびプリントヘッドデバイス2505Cは、プリントヘッドデバイスアセンブリ帰還マニホールド2520と流動連通することができる。プリントヘッドデバイスアセンブリ帰還マニホールド2520は、帰還マニホールド出口ライン2522A、帰還マニホールド出口ライン2522B、および帰還マニホールド出口ライン2522Cと流動連通することができる。帰還マニホールド出口ライン2522A、帰還マニホールド出口ライン2522B、および帰還マニホールド出口ライン2522Cは、プリントヘッドデバイスアセンブリ出口ライン2506と流動連通することができる。プリントヘッドデバイスアセンブリ帰還マニホールド2520とプリントヘッドデバイスアセンブリ出口ライン2506との間の流動連通は、それぞれ、帰還マニホールド出口ライン2522A、帰還マニホールド出口ライン2522B、および帰還マニホールド出口ライン2522Cと関連付けられる、帰還マニホールド出口制御弁2523A、帰還マニホールド出口制御弁2523B、および帰還マニホールド出口制御弁2523Cによって制御されることができる。プリントヘッドデバイスアセンブリ入口ライン2502およびプリントヘッドデバイスアセンブリ出口ライン2506は両方とも、プリントヘッドデバイスアセンブリ出力廃棄物ライン2530と流動連通することができる。プリントヘッドデバイスアセンブリ入口ライン2502とプリントヘッドデバイスアセンブリ出力廃棄物ライン2530との間の流動連通は、プリントヘッドデバイスアセンブリ廃棄物ラインの第1の制御弁2531を使用して制御されることができる。プリントヘッドデバイスアセンブリ廃棄物ラインの第2の制御弁2532は、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500とローカル廃棄物アセンブリとの間の流動連通を制御することができる。プリントヘッドデバイスアセンブリ出力廃棄物ライン2530は、図6Aの補助エンクロージャ1330または図6Bのガスエンクロージャ1000B内に収納され得る、プリントヘッド管理システム2700の一部である、ローカ
ルインク廃棄物アセンブリ2600(例えば、図5A参照)と流動連通することができる。
【0066】
図6Aに関して、本明細書で以前に議論されたように、補助エンクロージャ1330は、プリントヘッドデバイスアセンブリ開口部1342を通してガスエンクロージャ1000Aの残りの作業容積と流動連通することができる。さらに、プリントヘッドデバイスアセンブリドッキングガスケット1345は、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500がプリントヘッドデバイスアセンブリドッキングガスケット1345上で密閉可能にドッキングされるときに、補助エンクロージャを隔離し得る、ガスケットシールを提供することができる。ローカルインク廃棄物アセンブリ2600は、ひいては、図6Aの出力斜線によって示されるように、バルクインク送達システム廃棄物アセンブリと流動連通する。バルクインク送達システム廃棄物アセンブリは、バルクインク送達システム3500内に収納されることができる。
【0067】
図7では、バルクインク送達システム3500の種々の実施形態の概略図が示されている。図7に示されるように、バルクインク送達システム3500は、本教示によると、ローカルインク送達システム3700の種々の実施形態と流動連通することができる。バルクインク送達システム3500の種々の実施形態について、ポンプPB1は、液体およびガス状流体を両方とも効果的に送出し得る、計量ポンプであることができる。その点に関して、バルクインク送達システム3500のバルクインク供給システム3510および保守システム3514は両方とも、流量制御のために計量ポンプPB1を利用することができる。図7で描写されるように、計量ポンプPB1は、全てが示されるように計量ポンプ弁を使用して制御される、そのうちの2本が図7に示される、3本の出力ラインの可能性とともに、3本の入力ラインを有する、制御可能マニホールドシステムを提供する。制御可能入力および出力ラインの数は、計量ポンプの種々の実施形態に従って変動し得る。本教示のバルクインク送達システムの実施形態で利用される計量ポンプの種々の実施形態は、例えば、限定されないが、液体およびガス状流体を両方とも制御できること、腐食および汚染を防止するように流体流と接触している耐腐食性ポリマー表面、二次汚染を防止するゼロ死容積接続、種々のインクの最小体積を使用する急速プライミングのための最小保持体積、ならびにサックバック能力を伴う弁を含み得る、属性を有することができる。
【0068】
図7のバルクインク送達システム(BIDS)3500は、第1のインク源と流体連通する第1のBIDSインク供給ラインLB1と、第2のインク源と流体連通する第2のBIDSインク供ラインLB2とを有し得る、バルクインク供給システム3510を有することができる。第1のBIDSインク供給ラインLB1および第2のBIDSインク供給ラインLB2は、それぞれ、図7に示されるように、マルチポート計量ポンプPB1のアセンブリの一部であり得る、第1のBIDS弁VB1および第2のBIDS弁VB2によって制御されることができる。バルクインク供給システム3510のための流量制御を提供することに加えて、最小保持体積を伴う種々の異なる流体を制御可能に取り扱うために計量ポンプPB1が有する能力を考慮すると、計量ポンプPB1はまた、保守システム3514を制御可能に取り扱うために使用されることもできる。例えば、図7では、第3のBIDS溶媒供給ラインLB3は、溶媒源と流体連通することができ、第4のBIDSガス供給ラインLB4は、不活性ガス源、例えば、図7に示されるような窒素源と流体連通することができる。第3のBIDS溶媒供給ラインLB3および第4のBIDSガス供給ラインLB4は、それぞれ、第3のBIDS溶媒供給弁VB3および第4のBIDSガス供給弁VB4によって制御されることができる。図7で描写されるように、第3のBIDS溶媒供給ラインLB3および第4のBIDSガス供給ラインLB4は、第5のBIDS保守システム供給弁VB5によって制御され得る、第5のBIDSラインLB5と流体連通することができる。第5のBIDS保守システム供給弁VB5は、図7に示されるように、マルチポート計量ポンプPB1のアセンブリの一部であることができる。第3のBI
DS溶媒供給ラインLB3および第4のBIDSガス供給ラインLB4は、図7に示されるように、2つの弁を使用してT字接合点において継合されることができる、または3方弁が使用されることができる。第3のBIDS溶媒供給弁VB3および第4のBIDS不活性ガス供給弁VB4は、後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、処理中に通常閉鎖位置にあるが、保守手順中に選択的に開放されることができる。
【0069】
最初に、図7のシステムおよび方法の種々の実施形態について、例えば、印刷手順が開始する前に、計量ポンプPB1のマニホールドシステムを通したインクラインのプライミングが行われることができる。例えば、いったんインク供給が、第1のインク供給コンテナ、インク1から利用可能になると、全ての他の弁が閉鎖されたままである間に、第1のBIDSインク供給ラインLB1は、第1のBIDSインク供給弁VB1およびBIDS廃棄物ライン弁VBWを開放することによって、インク1からのインクでプライミングされることができる。弁状態がそのように位置付けられると、BIDS廃棄物ラインLBWを通した第1のBIDSインク供給ラインLB1とバルクインク送達システム廃棄物アセンブリ3516との間の流体連通がある、第1のBIDSインク供給ラインLB1のプライミングが行われることができる。プライミング後、例えば、印刷プロセスの開始中に、全ての他の弁が閉鎖されている間に、計量ポンプPB1の第1のBIDSインク供給弁VB1および第6のBIDS弁VB6が開放し得る。弁状態がそのように位置付けられると、第1のインク供給コンテナ、インク1は、ローカルインク送達システム3700と流体連通する、バルクインク送達システム3500と流体連通する。第2のBIDSラインLB2は、第1のBIDSインク供給ラインLB1をプライミングするための実施例で挙げられるように、同様にインク2からのインクでプライミングされることができる。
【0070】
2つのインク供給源が図7に示されているが、複数のインク供給コンテナがバルクインク供給システム3510に含まれることができ、かつインクの順次供給源として作用することができる。例えば、図7に示されるように、第1のインク供給コンテナ、インク1のインクのレベルが低レベルインジケータにあるとき、計量ポンプPB1の第1のBIDSインク供給弁VB1は、第1のインク供給コンテナ、インク1が隔離され、補充または交換のいずれかが行われ得るように、閉鎖されることができる。インク1の隔離に続いて、計量ポンプPB1の第2のBIDSインク供給弁VB2は、第2のインク供給コンテナ、インク2が、図13の封入印刷システム500A等のガスエンクロージャシステム用のインク供給源として作用し得るように、開放されることができる。第1のBIDSインク供給ラインLB1または第2のBIDSインク供給ラインLB2のいずれかは、いずれのインク供給源が使用中であるかに応じて、第6のBIDSラインLB6と流体連通することができる。バルクインク供給システム3510からのインク流を要求するプロセス中に、全ての他の弁が閉鎖されている間に、計量ポンプPB1の第1のBIDSインク供給弁VB1および第6のBIDS弁VB6が開放し、第1のBIDSインク供給ラインLB1と第6のBIDSラインLB6との間の流動を可能にすることができる。第6のBIDSラインLB6は、フィルタ3512を通過し、例えば、限定されないが、バルクインク供給システム3510のバルクインク供給源からインク中の溶解ガスを除去するために脱ガス装置と流体連通する、第7のBIDSラインLB7と流体連通している。最終的に、ガスを抜かれた後、インクは、ローカルインク送達システム3700と流体連通する、第8のBIDSラインLB8を通って流動することができる。
【0071】
本明細書で以前に議論されたように、バルクインク供給システム3510に加えて、図7のバルクインク送達システム3500は、BIDS保守システム3514を有することができる。BIDS保守システム3514は、それぞれ、第3のBIDS溶媒供給弁VB3および第4のBIDS不活性ガス供給弁VB4によって制御され得る、第3のBIDS溶媒供給ラインLB3および第4のBIDSガス供給ラインLB4を含むことができる。図7で描写されるように、第3のBIDS溶媒供給ラインLB3および第4のBIDSガ
ス供給ラインLB4は、第5のBIDSラインLB5と流体連通することができる。第5のBIDSラインLB5は、計量ポンプPB1の第5のBIDS保守システム供給弁VB5によって制御されることができる。加えて、図7のバルクインク送達システム3500に関して、BIDS廃棄物ラインLBWは、バルクインク送達システム廃棄物アセンブリ3516と流体連通することができる。BIDS廃棄物ラインLBWは、計量ポンプPB1のBIDS廃棄物ライン弁VBWによって制御されることができる。第3のBIDS溶媒供給弁VB3、第4のBIDSガス供給弁VB4、第5のBIDS保守システム供給弁VB5、およびBIDS廃棄物ライン弁VBWは、処理中に通常閉鎖位置にあるが、保守手順中に選択的に開放されることができる。
【0072】
例えば、保守手順中に、バルクインク供給システム3510と関連付けられる計量ポンプPB1のBIDS弁、すなわち、BIDS弁VB1、VB2、およびVB6は、閉鎖位置にとどまるであろう。溶媒パージを利用する保守手順が実装される場合には、BIDS弁VB3、VB5、およびVBWは、溶媒プライミングが、バルクインク送達システム廃棄物アセンブリ3516と流体連通し得る、第5のBIDSラインLB5を通して行われることができるように、開放されることができる。プライミング後、例えば、ローカルインク送達システム3700内のラインの溶媒洗浄を利用する保守手順中に、次いで、溶媒が、第6のBIDSラインLB6と流体連通し得る第5のBIDSラインLB5を通って流動し得るように、BIDS廃棄物ライン弁VBWは、閉鎖されることができ、BIDS弁VB3、VB5、およびVB6は、開放されることができる。第6のBIDSラインLB6は、本明細書に説明されるように、ローカルインク送達システム3700と流体連通し、ローカルインク送達システム3700の全体を通して、最終的に、第9のBIDSラインLB9を通してバルクインク送達システム廃棄物アセンブリ3516に、溶媒流を提供する。加えて、不活性ガスを利用する保守手順が実装される場合には、BIDS弁VB4、VB5、およびVB6は、不活性ガスが、第6のBIDSラインLB6と流体連通し得る第5のBIDSラインLB5を通って流動し得るように、開放されることができる。第6のBIDSラインLB6は、本明細書に説明されるように、ローカルインク送達システム3700と流体連通する。
【0073】
図8Aは、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301等のプリントヘッドデバイスアセンブリ位置付けシステム上に搭載されたプリントヘッドデバイスアセンブリ2500の底面斜視図である(図3も参照)。第1のX軸キャリッジアセンブリ2301は、図3の基板2050等の基板に対して印刷システムブリッジ2130上でX軸方向に位置付けられることができる。図8Aに示されるように、サービス束筐体2410は、印刷システムブリッジ2130に搭載される。サービス束筐体2410は、種々の装置およびシステムから、印刷システムを含むガスエンクロージャシステムに動作可能に接続される、種々のサービス束を含有することができる。サービス束の種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステムの内部内に配置された種々のアセンブリおよびシステムの光学、電気、機械、および流体機能を提供するために、束ねられた光ケーブル、電気ケーブル、ワイヤ、管類、および同等物を含むことができる。図10Aおよび図10Bに関して、本明細書でのちにさらに詳細に議論されるであろうように、バルクインク送達システムとローカルインク送達システムとの間の流動連通は、サービス束筐体を通ってローカルインク送達システムまで延設する流体ラインによって起こり得る。印刷および保守ステップ等の種々のプロセスステップ中に、X軸キャリッジアセンブリ2301が印刷システムブリッジ2130を横断してプリントヘッドデバイスアセンブリ2500を移動させると、それに応じて種々のサービス束が移動する。したがって、そのようなサービス束の中の液体インクラインは、連続屈曲および摩耗を受ける。本教示のシステムおよび方法によると、ガスエンクロージャシステムの外部のバルクインク送達システムは、インクラインが、バルク廃棄物アセンブリと流動連通し得る導管を通して延設される、二重導管システムを利用して、ガスエンクロージャシステムの内部のローカルインク送達供給システムと流体連通することができ
る。その点に関して、インクラインが漏出を生じた場合、液体は、外側導管を通って廃棄物まで流れることができる。
【0074】
図8Aで描写されるように、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500は、プリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ(図示せず)内に実質的に収納され、プリントヘッドデバイスアセンブリ搭載プレート2515に搭載され得る、プリントヘッドデバイス2505A、2505B、および2505Cを有することができる。プリントヘッドデバイス2505A、2505B、および2505Cは、各プリントヘッドデバイスが、図3の基板2050等の基板に対して位置付けられるためにプリントヘッドデバイスアセンブリ搭載プレート2515を通って延在し得るように、プリントヘッドデバイスアセンブリ搭載プレート2515に搭載されることができる。図3の印刷システム2000または図5Aの印刷システム2000Aの種々の実施形態について、プリントヘッドデバイスアセンブリは、約1~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、各プリントヘッドデバイスの中に約1~約30個のプリントヘッドを有することができる。図8Aで描写されるように、本教示のシステムおよび方法によると、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500は、3つのプリントヘッドデバイスを有することができ、図6Aおよび図6Bで描写されるような各プリントヘッドデバイスは、3つのプリントヘッド2507A-2507Iを有することができる。図8Aで描写されるように、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500は、加えて、図6Aおよび図6Bで描写されるように、ローカルインク送達システム3700と流動連通することができる。図8Aで描写されるように、ローカルインク送達システム3700は、ローカルインク分注リザーバ3720と流動連通し得る、ローカルインク補充リザーバ3710を有することができる。ローカルインク送達システム滴受3740は、インクラインを洗浄するために使用されるインクまたは溶媒等の液体の集合を提供し、それによって、ローカルインク送達システム3700の下方に位置付けられた印刷システムを流体漏出から保護するように構成されることができる。図6Aおよび図6Bについて本明細書で以前に議論されたように、ローカルインク分注リザーバ3720は、各プリントヘッドデバイス2505A、2505B、および2505Cと流動連通することができ、その各プリントヘッドデバイスは、3つのプリントヘッドを有して描写されている。本教示のシステムおよび方法によると、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500は、エンドユーザ選択プリントヘッドのうちのいずれかを収容することができる。本明細書で以前に議論されたように、継続的保守を要求するプリントヘッドデバイスおよびプリントヘッドの数を考慮して、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500は、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッドの即時配置もしくは交換のために、図2図4で描写されるように、補助エンクロージャの中で保守システムを覆って位置付けられることができる。
【0075】
概して、図8Bの拡大底面斜視図に図示されるように、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500は、プリントヘッドデバイス2505A、2505B、および2505Cを有することができる。本明細書で以前に記述されたように、プリントヘッドデバイス2505A、2505B、および2505Cは、プリントヘッドデバイスが、図3の基板2050等の基板に対して位置付けられるためにプリントヘッドデバイスアセンブリ搭載プレート2515を通って延在し得るように、プリントヘッドデバイスアセンブリエンクロージャ(図示せず)内に実質的に収納され、プリントヘッドデバイスアセンブリ搭載プレート2515に搭載されることができる。図6Aおよび図6Bで概略的に描写され、概して、図8Bに図示されるように、各プリントヘッドデバイスは、供給マニホールド入口ライン、ならびに帰還マニホールド出口ラインを有することができる。図6Aのプリントヘッドデバイスアセンブリ供給マニホールド2510は、図6Aおよび図6Bで概略的に描写され、概して、図8Bに図示されるように、それぞれ、プリントヘッドデバイス2505A、プリントヘッドデバイス2505B、およびプリントヘッドデバイス2505Cと流動連通する、供給マニホールド入口ライン2512A、供給マニホールド入口ライン25
12B、および供給マニホールド入口ライン2512Cを有することができる。同様に、出口側で、プリントヘッドデバイス2505A、プリントヘッドデバイス2505B、およびプリントヘッドデバイス2505Cは、図6Aおよび図6Bで概略的に描写されるように、プリントヘッドデバイスアセンブリ帰還マニホールド2520と流動連通することができる。図6Aのプリントヘッドデバイスアセンブリ帰還マニホールド2520は、図6Aおよび図6Bで概略的に描写され、概して、図8Bに図示されるように、帰還マニホールド出口ライン2522A、帰還マニホールド出口ライン2522B、および帰還マニホールド出口ライン2522Cと流動連通することができる。帰還マニホールド出口ライン2522A、帰還マニホールド出口ライン2522B、および帰還マニホールド出口ライン2522Cは、図6Aおよび図6Bで概略的に描写されるように、プリントヘッドデバイスアセンブリ出口ライン2506と流動連通することができる。加えて、図8Bに図示されるように、ローカルインク送達システム3700は、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500の近位に搭載されることができる。ローカルインク送達システム3700は、ローカルインク補充リザーバ3710およびローカルインク分注リザーバ3720、ならびにローカルインク送達システム滴受3740を含むことができる。
【0076】
本教示の種々のシステムおよび方法によると、図8Aおよび図8Bのプリントヘッドデバイス2505A、2505B、および2505C等のプリントヘッドデバイスは、手動で、または自動的に、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500の底部から挿入されることができる。例えば、図4で描写されるように、プリントヘッド設置または交換は、ロボットで行われることができる。図2図4を参照して以前に議論されたように、ガスエンクロージャ1000A等のガスエンクロージャは、プリントヘッド管理システム2701を封入し得る、補助エンクロージャ1330を有することができる。図4では、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッドの設置もしくは交換は、ロボット2530を使用して、補助エンクロージャ1330において行われることができる。図4のプリントヘッド管理システム2701のプリントヘッド交換モジュール2713は、少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイス用のドッキングステーション、ならびに複数のプリントヘッドデバイスおよび複数のプリントヘッド用の格納レセプタクルを含むことができる。本教示の各プリントヘッドデバイスアセンブリは、約1~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、約1~約30個のプリントヘッドを有することができる。故に、約1~約60個のプリントヘッドデバイスを有することに加えて、本教示の印刷システムの種々の実施形態は、約1~約1,800個のプリントヘッドを有することができ、その全ては、随時、保守を要求する。
【0077】
概して図9に図示されるようなプリントヘッドデバイス2505は、プリントヘッド2507A、2507B、および2507C等の複数のプリントヘッドを含むことができる。前述のように、プリントヘッドデバイス2505は、エンドユーザ選択プリントヘッドのうちのいずれかを収容することができ、各プリントヘッドデバイスは、少なくとも1つのプリントヘッドを有する。図9に図示されるように、プリントヘッド2507A、2507B、および2507Cは、それぞれ、プリントヘッドノズルプレート2509A、2509B、および2509Cを有することができる。プリントヘッドデバイス2505は、電気サービスを各プリントヘッドに提供し得る、プリントヘッドデバイス電気バルクヘッド2550を有することができる。加えて、プリントヘッドデバイス2505は、それぞれ、インク供給部およびローカル廃棄物リザーバアセンブリへの流動連通を提供する、供給マニホールド入口ライン2512および帰還マニホールド出口ライン2522を有することができる。
【0078】
図10Aは、概して、図5Dの封入印刷システム500Bについて本明細書に説明されるような特徴の全てを有することができる、封入印刷システム500Bの斜視図を図示する。図10Aのガスエンクロージャ1000Bは、第1のトンネルエンクロージャ区分1
200Bと、ブリッジエンクロージャ区分1300Bと、第2のトンネルエンクロージャ区分1400Bとを含むことができる。図5Dの印刷システム2000B等の印刷システムは、ガスエンクロージャ1000B内に収納されることができる。図10Aの斜視図では、印刷システム基部2100ならびにブリッジ2130が示されている。ブリッジ2130の上に、種々の実施形態が本明細書に説明されている、キャリッジアセンブリ2301が搭載される。図10Aで描写されるように、ローカルインク送達システムは、プリントヘッドデバイスアセンブリの近位でキャリッジアセンブリ2301に搭載される。バルクインク送達システム3500が、封入印刷システム500Bの外部に位置付けられて示されている。図7のLB8について本明細書に説明されるようなバルクインク送達システム3500とローカルインク送達システム3700との間の流動連通を提供する、インク送達ライン3520が、バルクインク送達システム3500から延在している。インク送達ライン3520は、ガスエンクロージャ1000Bの第2のトンネルエンクロージャ区分1400Bを通して、かつサービス束筐体(図示せず、例えば、図8Aのサービス束筐体2410を参照)を通して送られるものとして描写されている。
【0079】
図10Aで描写され、図10Bの拡大図に示されるように、インク送達ライン3520のルーティングは、サービス束筐体から、外部キャリッジアセンブリ2301の周囲で、ローカルインク送達システム3700のローカルインク補充リザーバ3710まで継続する。ローカルインク補充リザーバ3710は、例えば、限定されないが、図6Aおよび図6Bについて本明細書に説明されるように、ローカルインク分注リザーバ3720と流動連通する。図10Bで描写されるように、ローカルインク送達システム3700は、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500の近位でキャリッジアセンブリ2301上に搭載される。例えば、限定されないが、図5A図6Bならびに図8Aおよび図8Bについて本明細書に説明されるように、ローカルインク送達システム3700は、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500と流動連通する。本教示によると、プリントヘッドデバイスアセンブリ2500の近位に示される、ローカルインク送達システム3700は、2段階インク供給を有することができる。図10Aで描写されるように、ローカルインク補充リザーバ3710は、ローカルインク分注リザーバ3720の近位にある。
【0080】
図6Aおよび図6Bに関して本明細書で以前に議論されたように、ローカルインク送達システム3700は、十分なレベルのインクがバルクインク送達システム3500からローカルインク補充リザーバ3710に供給されることを確実にし得る、動的液面制御システムの一部であり得る、液面インジケータを伴って構成される。加えて、ローカルインク補充リザーバ3710は、一定のレベルまでローカルインク分注リザーバ3720にインクを供給するように構成される。本教示によると、ローカルインク分注リザーバは、複数のプリントヘッドデバイスと流動連通することができる。したがって、ローカルインク分注リザーバ内で一定のレベルを維持する2段階ローカルインク送達システムは、一定の上部圧力を複数のプリントヘッドデバイスに提供することができる。
【0081】
図11は、ガスエンクロージャアセンブリ1005を利用する封入印刷システム500Cを示す、概略図である。本教示による封入印刷システム500Cの種々の実施形態は、印刷システムを収納するためのガスエンクロージャアセンブリ1000Bと、ガスエンクロージャアセンブリ1000Bと流体連通するガス精製ループ3130と、少なくとも1つの熱調整システム3140とを備えることができる。加えて、封入印刷システム500Cの種々の実施形態は、印刷システム用の基板浮動式テーブル等の種々のデバイスを動作させるための不活性ガスを供給し得る、加圧不活性ガス再循環システム3000を有することができる。加圧不活性ガス再循環システム3000の種々の実施形態は、後に本明細書でさらに詳細に議論されるであろうように、加圧不活性ガス再循環システム3000の種々の実施形態の供給源として、圧縮機、送風機、および2つの組み合わせを利用することができる。加えて、封入印刷システム500Cは、封入印刷システム500Cの内部に
循環および濾過システムを有することができる(図示せず)。
【0082】
図11で描写されるように、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、濾過システムの設計は、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態のために連続的に濾過され、内部で循環させられる不活性ガスから、ガス精製ループ3130を通して循環させられる不活性ガスを分離することができる。ガス精製ループ3130は、ガスエンクロージャアセンブリ1000Bから、溶媒除去構成要素3132へ、次いで、ガス精製システム3134への出口ライン3131を含む。溶媒ならびに酸素、オゾン、および水蒸気等の他の反応性ガス種が精製された不活性ガスが、次いで、入口ライン3133を通してガスエンクロージャアセンブリ1000Bに戻される。ガス精製ループ3130はまた、適切な導管および接続、ならびにセンサ、例えば、酸素、オゾン、水蒸気、および溶媒蒸気センサを含んでもよい。ファン、送風機、またはモータ、および同等物等のガス循環ユニットは、別個に提供されることができる、または例えば、ガス精製ループ3130を通してガスを循環させるようにガス精製システム3134の中に統合されることができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、溶媒除去システム3132およびガス精製システム3134は、図11に示される概略図で別個のユニットとして示されているが、溶媒除去システム3132およびガス精製システム3134は、単一の精製ユニットとしてともに収納されることができる。
【0083】
図11のガス精製ループ3130は、ガスエンクロージャアセンブリ1000Bから循環させられる不活性ガスが、出口ライン3131を介して溶媒除去システム3132を通過するように、ガス精製システム3134の上流に配置された溶媒除去システム3132を有することができる。種々の実施形態によると、溶媒除去システム3132は、図11の溶媒除去システム3132を通過する不活性ガスから溶媒蒸気を吸着することに基づく、溶媒閉じ込めシステムであってもよい。例えば、限定されないが、活性炭、分子篩、および同等物等の1つまたは複数の吸着剤層が、多種多様の有機溶媒蒸気を効果的に除去してもよい。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、溶媒除去システム3132内の溶媒蒸気を除去するために、冷却トラップ技術が採用されてもよい。本明細書で以前に議論されたように、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、図11の封入印刷システム500C等のガスエンクロージャシステムを通って連続的に循環する不活性ガスからのそのような種の効果的な除去を監視するために、酸素、オゾン、水蒸気、および溶媒蒸気センサ等のセンサが使用されてもよい。溶媒除去システムの種々の実施形態は、1つまたは複数の吸着剤層が再生もしくは交換され得るように、活性炭、分子篩、および同等物等の吸着剤が容量に達したときを示すことができる。分子篩の再生は、分子篩を加熱すること、分子篩をフォーミングガスと接触させること、それらの組み合わせ、および同等物を伴うことができる。酸素、オゾン、水蒸気、および溶媒を含む、種々の種を閉じ込めるように構成される分子篩は、加熱し、水素を含むフォーミングガス、例えば、約96%窒素および4%水素を含むフォーミングガスに暴露することによって、再生されることができ、該割合は、体積または重量による。活性炭の物理的再生は、不活性環境下で、類似加熱手順を使用して行われることができる。
【0084】
任意の好適なガス精製システムが、図11のガス精製ループ3130のガス精製システム3134に使用されることができる。例えば、MBRAUN Inc.(Statham, New Hampshire)またはInnovative Technology(Amesbury, Massachusetts)から入手可能なガス精製システムが、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の中への統合のために有用であり得る。ガス精製システム3134が、封入印刷システム500C内の1つまたはそれを上回る不活性ガスを精製するため、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ内のガス雰囲気全体を精製するために、使用されることができる。本明細書で以前に議論されたように、ガス精製ループ3130を通してガスを循環させるために、ガス精製システ
ム3134は、ファン、送風機、またはモータ、ならびに同等物等のガス循環ユニットを有することができる。その点に関して、ガス精製システムを通して不活性ガスを移動させるための体積流量を定義し得る、エンクロージャの容積に応じて、ガス精製システムが選択されることができる。最大約4m3の容積を伴うガスエンクロージャアセンブリを有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、約84m3/時間で移動し得る、ガス精製システムが使用されることができる。最大約10m3の容積を伴うガスエンクロージャアセンブリを有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、約155m3/時間で移動し得る、ガス精製システムが使用されることができる。約52~114m3の容積を有するガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、1つよりも多くのガス精製システムが使用されてもよい。
【0085】
任意の好適なガスフィルタまたは精製デバイスが、本教示のガス精製システム3134に含まれることができる。いくつかの実施形態では、ガス精製システムは、デバイスのうち1つが、保守のためにラインから外され得、他方のデバイスが、中断することなくシステム動作を継続するために使用され得るように、2つの並列精製デバイスを備えることができる。いくつかの実施形態では、例えば、ガス精製システムは、1つまたはそれを上回る分子篩を備えることができる。いくつかの実施形態では、ガス精製システムは、分子篩のうちの1つが不純物で飽和する、またはそうでなければ十分に効率的に動作していないと見なされるとき、飽和した、もしくは非効率的な分子篩を再生しながら、システムが他方の分子篩に切り替わり得るように、少なくとも第1の分子篩および第2の分子篩を備えることができる。各分子篩の動作効率を判定するため、異なる分子篩の動作を切り替えるため、1つまたはそれを上回る分子篩を再生するため、もしくはそれらの組み合わせのために、制御ユニットが提供されることができる。本明細書で以前に議論されたように、分子篩は、再生および再使用されてもよい。
【0086】
図11の熱調整システム3140は、冷却剤をガスエンクロージャアセンブリの中へ循環させるための流体出口ライン3141と、冷却剤を冷却装置に戻すための流体入口ライン3143とを有し得る、少なくとも1つの冷却装置3142を含むことができる。封入印刷システム500C内のガス雰囲気を冷却するために、少なくとも1つの流体冷却装置3142が提供されることができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、流体冷却装置3142は、冷却された流体をエンクロージャ内の熱交換器に送達し、そこで不活性ガスが、エンクロージャの内部の濾過システムに渡される。少なくとも1つの流体冷却装置もまた、封入印刷システム500C内に封入される装置から発生する熱を冷却するように、封入印刷システム500Cに提供されることができる。例えば、限定されないが、少なくとも1つの流体冷却装置もまた、印刷システムから発生する熱を冷却するように、封入印刷システム500Cに提供されることができる。熱調整システム3140は、熱交換またはペルチェデバイスを備えることができ、種々の冷却能力を有することができる。例えば、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、冷却装置は、約2kW~約20kWの冷却能力を提供することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、1つまたはそれを上回る流体を冷却し得る、複数の流体冷却装置を有することができる。いくつかの実施形態では、流体冷却装置は、冷却剤としていくつかの流体、例えば、限定されないが、熱交換流体として、水、不凍剤、冷媒、およびそれらの組み合わせを利用することができる。適切な漏出しない係止接続が、関連付けられる導管およびシステム構成要素を接続する際に使用されることができる。
【0087】
以前に議論されたように、本教示は、第1の容積を画定する印刷システムエンクロージャと、第2の容積を画定する補助エンクロージャとを含むことができる、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を開示する。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの一区分として密閉可能に構築され得る、補助エンクロージャを有することができる。本教示のシステムおよび方法によると、補助エンクロ
ージャは、印刷システムエンクロージャから密閉可能に隔離されることができ、印刷システムエンクロージャを外部環境に暴露することなく、ガスエンクロージャアセンブリの外部の環境に対して開放されることができる。例えば、限定されないが、種々のプリントヘッド管理手順を行うための補助エンクロージャのそのような物理的隔離は、印刷プロセスで使用される材料を劣化させ得る反応種を含有するガス環境等の汚染、例えば、限定されないが、酸素、オゾン、水蒸気、および種々の有機蒸気、ならびに粒子状物質汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除する、または最小限にするように行われることができる。プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド上の測定および保守手順を含み得る、種々のプリントヘッド管理手順は、印刷プロセスの中断を殆どまたは全く伴わずに行われることができ、それによって、ガスエンクロージャシステムの休止時間を最小限にする、もしくは排除する。
【0088】
第1の容積を画定する印刷システムエンクロージャと、第2の容積を画定する補助エンクロージャとを有する、ガスエンクロージャシステムについては、印刷プロセスの中断を殆どまたは全く伴わずに、不活性で実質的に低粒子の環境を要求するプロセスのためにそのような環境を持続し得る、ガスエンクロージャシステムを形成するように、両方の容積が、ガス循環、濾過、および精製構成要素と容易に統合されることができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷システムエンクロージャは、印刷プロセスに影響を及ぼし得る前に、精製システムが汚染を除去することができるように十分に低い、汚染のレベルに導入されてもよい。補助エンクロージャの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの全容積より実質的に小さい容積であり得、外部環境への暴露後に不活性の低粒子環境を急速に回復させることができ、それによって、印刷プロセスの中断を殆どまたは全く提供しない補助エンクロージャシステムを形成するように、ガス循環、濾過、および精製構成要素と容易に統合されることができる。
【0089】
加えて、補助エンクロージャの種々の実施形態は、照明、ガス循環および濾過、ガス精製、ならびに温度自動調節構成要素等の環境調整システム構成要素の専用セットと容易に統合されることができる。その点に関して、ガスエンクロージャアセンブリの一区分として密閉可能に隔離され得る、補助エンクロージャを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷システムを収納するガスエンクロージャアセンブリによって画定される第1の容積と一様であるように設定される、制御された環境を有することができる。さらに、ガスエンクロージャアセンブリの一区分として密閉可能に隔離され得る、補助エンクロージャを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷システムを収納するガスエンクロージャアセンブリによって画定される第1の容積の制御された環境とは異なるように設定される、制御された環境を有することができる。
【0090】
上記の実施例は、冷却能力および冷蔵用途を記述するが、上記の実施例はまた、加工されている基板からの不要な熱伝達を回避するため、または基板を横断する、もしくは基板の間の温度一様性の妨害を回避するため等に、制御された環境で基板の緩衝を含む用途に、または循環ガスがシステムの他の部分に類似する温度で維持され得る用途のために、適用されることもできる。
【0091】
図12Aおよび12Bは、概して、本明細書の他の場所で説明される他の実施例で参照される制御された環境を確立するために使用されることができるような、かつ浮動式テーブルとともに使用するための加圧ガスの供給を含むことができるような、非反応性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)源を統合して制御するためのガスエンクロージャシステムの実施例を図示する。図13Aおよび13Bは、概して、本明細書の他の場所で説明される他の実施例で参照される制御された環境を確立するために使用されることができるような、かつ浮動式テーブルとともに使用するための、例えば、加圧ガスおよび少なくとも部分的真空を提供する送風機ループを含むことができるような、非反応性ガスおよび清浄乾燥
空気(CDA)源を統合して制御するためのガスエンクロージャシステムの実施例を図示する。図14は、概して、浮動運搬システムの一部として含まれる浮動制御ゾーンを確立するため等に、1つまたはそれを上回るガスもしくは空気源を統合して制御するためのシステムのさらなる実施例を図示する。
【0092】
本明細書に説明される種々の実施例は、環境的に制御されることができる封入モジュールを含む。エンクロージャセンブリおよび対応する支持機器は、「ガスエンクロージャシステム」と称されることができ、そのようなエンクロージャセンブリは、ガスエンクロージャアセンブリの内部容積を縮小または最小限にし、同時に、本明細書に説明される堆積(例えば、印刷)、保持、装填、または処理モジュール等の印刷システム構成要素の種々の占有面積に適応するための作業容積を提供する、輪郭形成様式で構築されることができる。例えば、本教示による輪郭形成ガスエンクロージャアセンブリは、例えば、Gen 3.5~Gen 10の基板サイズを覆う、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施例のための約6m3~約95m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。本教示による輪郭形成ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施例は、例えば、限定されないが、Gen 5.5~Gen 8.5基板サイズまたは他の基板サイズの印刷に有用であり得る、例えば、限定されないが、約15m3~約30m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。補助エンクロージャの種々の実施例は、ガスエンクロージャアセンブリの一区分として構築され、制御された実質的に低粒子の環境を要求するプロセスのためにそのような環境を持続し得る、ガスエンクロージャシステムを形成するように、ガス循環および濾過、ならびに精製構成要素と容易に統合されることができる。
【0093】
図12Aおよび図13Aに示されるように、ガスエンクロージャシステムの種々の実施例は、加圧非反応性ガス再循環システムを含むことができる。加圧ガス再循環ループの種々の実施例は、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせを利用することができる。本教示によると、ガスエンクロージャシステム内の加圧ガス再循環システムの種々の実施例を提供するために、いくつかの工学的課題が対処された。第1に、加圧非反応性ガス再循環システムを伴わないガスエンクロージャシステムの典型的動作下では、ガスエンクロージャシステムは、任意の漏出がガスエンクロージャシステム内で発生したならば、内部に進入する外部ガスまたは空気を防ぐために、外圧に対してわずかに正の内圧で(例えば、大気圧を上回って)維持されることができる。例えば、典型的動作下では、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施例について、ガスエンクロージャシステムの内部は、例えば、少なくとも2mbargのエンクロージャシステムの外部の周辺雰囲気に対する圧力で、例えば、少なくとも4mbargの圧力で、少なくとも6mbargの圧力で、少なくとも8mbargの圧力で、またはより高い圧力で維持されることができる。
【0094】
ガスエンクロージャシステム内の加圧ガス再循環システムを維持することは、同時に加圧ガスをガスエンクロージャシステムの中に連続的に導入しながら、ガスエンクロージャシステムのわずかに正の内圧を維持することに関して、動的な継続中の平衡を保つ行為を提起するため、困難であり得る。さらに、種々のデバイスおよび装置の可変要求が、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリならびにシステムの不規則な圧力プロファイルを生成し得る。そのような条件下で外部環境に対してわずかな陽圧で保持されるガスエンクロージャシステムのために動的圧力平衡を維持することは、継続中の加工プロセスの完全性を提供することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施例について、本教示による加圧ガス再循環システムは、圧縮機、アキュムレータ、および送風機、ならびにそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを利用し得る、加圧ガスループの種々の実施例を含むことができる。加圧ガスループの種々の実施例を含む、加圧ガス再循環システムの種々の実施例は、安定した定義された値において本教示のガスエンクロージャシステム内で非反応性ガスの内圧を提供し得る、特別に設計された圧力制御バイパスループを有することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施例では、加圧ガス再循環シ
ステムは、加圧ガスループのアキュムレータ内のガスの圧力が事前設定された閾値圧力を超えるときに、圧力制御バイパスループを介して加圧ガスを再循環させるように構成されることができる。閾値圧力は、例えば、約25psig~約200psigの範囲内、またはより具体的には、約75psig~約125psiの範囲内、もしくはより具体的には、約90psig~約95psigの範囲内であることができる。その点に関して、特別に設計された圧力制御バイパスループの種々の実施例とともに加圧ガス再循環システムを有する、本教示のガスエンクロージャシステムは、密封ガスエンクロージャ内に加圧ガス再循環システムを有することの平衡を維持することができる。
【0095】
本教示によると、種々のデバイスおよび装置は、ガスエンクロージャシステムの内部の中に配置され、加圧ガス再循環システムの種々の実施例と流体連通することができる。本教示のガスエンクロージャおよびシステムの種々の実施形態について、種々の空気圧動作型デバイスおよび装置の使用は、低粒子生成性能を提供することができるとともに、維持するのにあまり手がかからない。ガスエンクロージャシステムの内部に配置され、種々の加圧ガスループと流体連通し得る、例示的デバイスおよび装置は、例えば、空気圧式ロボット、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気ブッシング、圧縮ガスツール、空気圧式アクチュエータ、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができるが、それらによって限定されない。基板浮動式テーブル、ならびに空気ベアリングは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施例による、印刷システムを動作させる種々の側面のために使用されることができる。例えば、空気ベアリング技術を利用する基板浮動式テーブルは、プリントヘッドチャンバの中の定位置に基板を移送するため、ならびに印刷プロセス中に基板を支持するために使用されることができる。
【0096】
例えば、図12A、12B、13A、および13Bに示されるように、封入印刷システム500Dおよび封入印刷システム500Eの種々の実施例は、封入印刷システム500Dおよび封入印刷システム500Eの動作の種々の側面で使用するために非反応性ガス源3201および清浄乾燥空気(CDA)源3203を統合して制御するための外部ガスループ3200を有することができる。封入印刷システム500Dおよび封入印刷システム500Eはまた、本明細書に説明されるように、内部粒子濾過およびガス循環システムの種々の実施例、ならびに外部ガス精製システムの種々の実施例を含むこともできる。ガスエンクロージャシステムのそのような実施例は、ガスから種々の反応種を精製するためのガス精製システムを含むことができる。非反応性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。本教示によるガス精製システムの種々の実施例は、水蒸気、酸素、オゾン等の種々の反応性大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種のレベルを、1000ppmまたはそれより低く、例えば、100ppmまたはそれより低く、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、もしくは0.1ppmまたはそれより低く維持することができる。ガス源3201およびCDA源3203を統合して制御するための外部ループ3200に加えて、封入印刷システム500Dおよび封入印刷システム500Eは、封入印刷システム500Dおよび封入印刷システム500Eの内部に配置され得る、種々のデバイスおよび装置を動作させるためのガスを供給し得る、圧縮機ループ3250を有することができる。弁3274が開放位置にあるときに、ライン3272を通してガスエンクロージャアセンブリ1005と連通するような真空システム3270もまた、提供されることができる。
【0097】
図12Aの圧縮機ループ3250は、流体連通するように構成される、圧縮機3262と、第1のアキュムレータ3264と、第2のアキュムレータ3268とを含むことができる。圧縮機3262は、ガスエンクロージャアセンブリ1005から引き出されるガスを所望の圧力に圧縮するように構成されることができる。圧縮機ループ3250の入口側は、弁3256および逆止弁3258を有するライン3254を通して、ガスエンクロー
ジャアセンブリ出口3252を介してガスエンクロージャアセンブリ1005と流体連通することができる。圧縮機ループ3250は、外部ガスループ3200を介して、圧縮機ループ3250の出口側でガスエンクロージャアセンブリ1005と流体連通することができる。アキュムレータ3264は、圧縮機3262と、外部ガスループ3200との圧縮機ループ3250の接合部との間に配置されることができ、5psigまたはそれより高い圧力を生成するように構成されることができる。第2のアキュムレータ3268は、約60Hzでの圧縮機ピストン循環による減退変動を提供するために、圧縮機ループ3250の中にあることができる。圧縮機ループ3250の種々の実施例について、第1のアキュムレータ3264が、約80ガロン~約160ガロンの間の容量を有することができる一方で、第2のアキュムレータは、約30ガロン~約60の間の容量を有することができる。封入印刷システム500Dの種々の実施形態によると、圧縮機3262は、ゼロ進入圧縮機であることができる。種々の種類のゼロ進入圧縮機は、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施例の中へ大気ガスを漏出させることなく動作することができる。ゼロ進入圧縮機の種々の実施例は、例えば、圧縮ガスを要求する種々のデバイスおよび装置の使用を利用して、加工プロセス中に連続的に起動されることができる。
【0098】
アキュムレータ3264は、圧縮機3262から圧縮ガスを受容して蓄積するように構成されることができる。アキュムレータ3264は、ガスエンクロージャアセンブリ1005の中で必要に応じて圧縮ガスを供給することができる。例えば、アキュムレータ3264は、限定されないが、空気圧式ロボット、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気ブッシング、圧縮ガスツール、空気圧式アクチュエータ、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等のガスエンクロージャアセンブリ1005の種々の構成要素のための圧力を維持するように、ガスを提供することができる。封入印刷システム500Dについて図12Aに示されるように、ガスエンクロージャアセンブリ1005は、その中に封入された印刷システム2005を有することができる。図12Aで概略的に描写されるように、印刷システム2005は、花崗岩ステージであり得る、印刷システム基部2150によって支持されることができる。印刷システム基部2150は、チャック、例えば、限定されないが、真空チャック、圧力ポートを有する基板浮動式チャック、ならびに真空および圧力ポートを有する基板浮動式チャック等の基板支持装置を支持することができる。本教示の種々の実施例では、基板支持装置は、基板浮動式テーブル2250等の基板浮動式テーブルであることができる。基板浮動式テーブル2250は、基板の無摩擦支持に使用されることができる。低粒子生成浮動式テーブルに加えて、基板の無摩擦Y軸運搬のために、印刷システム2005は、空気ブッシングを利用するY軸運動システムを有することができる。
【0099】
加えて、印刷システム2005は、低粒子生成X軸空気ベアリングアセンブリによって提供される運動制御とともに、少なくとも1つのX、Z軸キャリッジアセンブリを有することができる。例えば、種々の粒子生成線形機械ベアリングシステムの代わりに、X軸空気ベアリングアセンブリ等の低粒子生成運動システムの種々の構成要素が、使用されることができる。本教示のガスエンクロージャおよびシステムの種々の実施例について、種々の空気圧動作型デバイスおよび装置の使用は、低粒子生成性能を提供することができるとともに、維持するのにあまり手がかからない。圧縮機ループ3250は、加圧ガスを封入印刷システム500Dの種々のデバイスおよび装置に連続的に供給するように構成されることができる。加圧ガスの供給に加えて、空気ベアリング技術を利用する印刷システム2005の基板浮動式テーブル2250はまた、弁3274が開放位置にあるときに、ライン3272を通してガスエンクロージャアセンブリ1005と連通する、真空システム3270も利用する。
【0100】
本教示による加圧ガス再循環システムは、使用中に加圧ガスの可変要求を補うように作用し、それによって、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施例のための動的
平衡を提供する、圧縮機ループ3250について図12Aに示されるような圧力制御バイパスループ3260を有することができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施例について、バイパスループが、エンクロージャ1005内の圧力を乱すこと、または変化させることなく、アキュムレータ3264内で一定の圧力を維持することができる。バイパスループ3260は、バイパスループ3260が使用されない限り閉鎖される、バイパスループの入口側の第1のバイパス入口弁3261を有することができる。バイパスループ3260はまた、第2の弁3263が閉鎖されるときに使用され得る、背圧レギュレータ3266を有することもできる。バイパスループ3260は、バイパスループ3260の出口側に配置された第2のアキュムレータ3268を有することができる。ゼロ進入圧縮機を利用する圧縮機ループ3250の実施例について、バイパスループ3260は、ガスエンクロージャシステムの使用中に経時的に発生し得る、圧力のわずかな偏差を補償することができる。バイパスループ3260は、バイパス入口弁3261が開放位置にあるときに、バイパスループ3260の入口側で圧縮機ループ3250と流体連通することができる。バイパス入口弁3261が開放されたとき、圧縮機ループ3250からのガスが、ガスエンクロージャアセンブリ1005の内部内で要求されていない場合、バイパスループ3260を通して分流されるガスが、圧縮機に再循環させられることができる。圧縮機ループ3250は、アキュムレータ3264内のガスの圧力が事前設定された閾値圧力を超えるときに、バイパスループ3260を通してガスが分流するように構成される。アキュムレータ3264の事前設定された閾値圧力は、少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約25psig~約200psig、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約50psig~約150psig、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約75psig~約125psig、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約90psig~約95psigであることができる。
【0101】
圧縮機ループ3250の種々の実施例は、可変速度圧縮機、もしくはオンまたはオフ状態のいずれか一方であるように制御され得る圧縮機等のゼロ進入圧縮機以外の種々の圧縮機を利用することができる。以前に議論されたように、ゼロ進入圧縮機は、いかなる大気反応種もガスエンクロージャシステムの中に導入されることができないことを確実にする。したがって、大気反応種がガスエンクロージャシステムの中に導入されることを防止する、任意の圧縮機構成が、圧縮機ループ3250に利用されることができる。種々の実施例によると、封入印刷システム500Dの圧縮機3262は、例えば、限定されないが、密封筐体の中に収納されることができる。筐体内部は、ガス源、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ1005のためのガス雰囲気を形成する同一のガスと流体連通して構成されることができる。圧縮機ループ3250の種々の実施例について、圧縮機3262は、一定の圧力を維持するように、一定の速度で制御されることができる。ゼロ進入圧縮機を利用しない圧縮機ループ3250の他の実施例では、圧縮機3262は、最大閾値圧力に達したときにオフにされ、最小閾値圧力に達したときにオンにされることができる。
【0102】
封入印刷システム500Eの図13Aでは、真空送風機3290を利用する送風機ループ3280が、ガスエンクロージャアセンブリ1005に収納される印刷システム2005の基板浮動式テーブル2250の動作のために示されている。圧縮機ループ3250について以前に議論されたように、送風機ループ3280は、加圧ガスを印刷システム2005の基板浮動式テーブル2250に連続的に供給するように構成されることができる。
【0103】
加圧ガス再循環システムを利用することができるガスエンクロージャシステムの種々の実施例は、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ等の種々の加圧ガス源を利用する、種々のループを有することができる。封入印刷システム500Eの図13Aでは、圧縮機ループ3250は、高消費マニホールド3225ならびに低消費マニホールド3215のためのガスの供給に使用され得る、外部ガスループ3200と
流体連通することができる。封入印刷システム500Eについて図13Aに示されるような本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施例について、限定されないが、基板浮動式テーブル、空気圧式ロボット、空気ベアリング、空気ブッシング、および圧縮ガスツール、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等の種々のデバイスおよび装置にガスを供給するために、高消費マニホールド3225が使用されることができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施例について、限定されないが、アイソレータ、および空気圧式アクチュエータ、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等の種々の装置およびデバイスにガスを供給するために、低消費3215が使用されることができる。
【0104】
図13Aおよび13Bの封入印刷システム500Eの種々の実施例について、送風機ループ3280が、加圧ガスを基板浮動式テーブル2250の種々の実施例に供給するために利用されることができる。加圧ガスの供給に加えて、空気ベアリング技術を利用する印刷システム2005の基板浮動式テーブル2250はまた、弁3294が開放位置にあるときに、ライン3292を通してガスエンクロージャアセンブリ1005と連通する、送風機真空3290も利用する。送風機ループ3280の筐体3282は、ガスの加圧源を基板浮動式テーブル2250に供給するための第1の送風機3284、およびガスエンクロージャアセンブリ1005内のガス環境に収納される基板浮動式テーブル2250のための真空源として作用する、第2の送風機3290を維持することができる。基板浮動式テーブルの種々の実施例のための加圧不活性ガスまたは真空源のいずれかとして使用するために送風機を好適にすることができる属性は、例えば、それらが高い信頼性を有する、それらを維持するのにあまり手がかからなくする、可変速度制御を有する、広範囲の流量を有する、約100m3/時間~約2,500m3/時間の間の流速を提供することが可能な種々の実施例を含むが、それらに限定されない。送風機ループ3280の種々の実施例は、加えて、圧縮機ループ3280の入口端部に第1の隔離弁3283、ならびに送風機ループ3280の出口端部に逆止弁3285および第2の隔離弁3287を有することができる。送風機ループ3280の種々の実施例は、例えば、限定されないが、ゲート、バタフライ、針、またはボール弁であり得る、調節可能な弁3286、ならびに規定温度で送風機ループ3280から基板浮動式テーブル2250へのガスを維持するための熱交換器3288を有することができる。
【0105】
図13Aは、図12Aの封入印刷システム500Dおよび図13Aの封入印刷システム500Eの動作の種々の側面で使用するために、ガス源3201および清浄乾燥空気(CDA)源3203を統合して制御するための図12Aでも示されるような外部ガスループ3200を描写する。図12Aおよび図13Aの外部ガスループ3200は、少なくとも4つの機械弁を含むことができる。これらの弁は、第1の機械弁3202と、第2の機械弁3204と、第3の機械弁3206と、第4の機械弁3208とを含む。これらの種々の弁は、非反応性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)等の空気源の両方の制御を可能にする、種々の流動ラインの中の位置に位置する。本教示によると、非反応性ガスは、定義された一式の条件下で化学反応を受けない、任意のガスであることができる。非反応性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。内蔵ガス源3201から、内蔵ガスライン3210が延在する。内蔵ガスライン3210は、低消費マニホールド3215と流体連通する、低消費マニホールドライン3212として直線的に延在し続ける。交差線の第1の区分3214は、内蔵ガスライン3210、低消費マニホールドライン3212、および交差線の第1の区分3214の交点に位置する、第1の流動接合点3216から延在する。交差線の第1の区分3214は、第2の流動接合点3218まで延在する。圧縮機ガスライン3220は、圧縮機ループ3250のアキュムレータ3264から延在し、第2の流動接合点3218で終端する。CDAライン3222は、CDA源3203から延在し、高消費マニホールド3225と流体連通する高消費マニホールドライン3
224として継続する。第3の流動接合点3226は、交差線の第2の区分3228、清浄乾燥空気ライン3222、および高消費マニホールドライン3224の交点に位置付けられる。交差線の第2の区分3228は、第2の流動接合点3218から第3の流動接合点3226まで延在する。高消費である種々の構成要素は、高消費マニホールド3225を用いて保守中にCDAに供給されることができる。弁3204、3208、および3230を使用して圧縮機を隔離することにより、オゾン、酸素、および水蒸気等の反応種が、圧縮機およびアキュムレータ内のガスを汚染しないように防止することができる。
【0106】
図12Aおよび13Aとは対照的に、図12Bおよび13Bは、概して、圧力モニタPに結合された弁を使用して等、ガスエンクロージャアセンブリ1005の内側のガスの圧力が所望または規定範囲内で維持されることができる、構成を図示し、弁は、圧力モニタから取得される情報を使用して、ガスが別のエンクロージャ、システム、またはガスエンクロージャアセンブリ1005を囲繞する領域に排出されることを可能にする。そのようなガスは、本明細書に説明される他の実施例のように回収されて再処理されることができる。上記のように、加圧ガスもガスエンクロージャシステムの中に同時に導入されるため、そのような調整は、ガスエンクロージャシステムのわずかに正の内圧を維持することを支援することができる。種々のデバイスおよび装置の可変要求は、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリならびにシステムの不規則な圧力プロファイルを生成し得る。故に、図12Bおよび13Bに示されるアプローチは、エンクロージャを囲繞する環境に対してわずかな陽圧で保持されるガスエンクロージャシステムの動的圧力平衡を維持することを支援するため等に、本明細書に説明される他のアプローチに加えて、またはその代わりに、使用されることができる。
【0107】
図14は、概して、浮動運搬システムの一部として含まれる浮動制御ゾーンを確立するため等に、1つまたはそれを上回るガスもしくは空気源を統合して制御するためのシステム500Fのさらなる実施例を図示する。図3図13A、および図13Bの実施例と同様に、図14は、概して、浮動式テーブル2250を図示する。加えて、図14の例証的実施例では、入力領域2201および出力領域2203が示される。領域2201、2200、2203は、例証のみのために入力、印刷、および出力と称される。そのような領域は、1つまたはそれを上回る他のモジュールの中の基板の保持、乾燥、もしくは熱処理のうちの1つまたはそれを上回るものの間等の基板の運搬もしくは基板の支持等の他の処理ステップに使用されることができる。図14の説明図では、第1の送風機3284Aは、浮動式テーブル装置の入力または出力領域2201もしくは2203のうちの1つまたはそれを上回るものの中で加圧ガスを提供するように構成される。そのような加圧ガスは、第1の熱交換器1502Aに結合された第1の冷却装置142Aを使用して等、温度制御されることができる。そのような加圧ガスは、第1のフィルタ1503Aを使用してフィルタ処理されることができる。温度モニタ8701Aが、第1の冷却装置142(または他の温度コントローラ)に結合されることができる。
【0108】
同様に、第2の送風機3284Bは、浮動式テーブルの印刷領域2202に結合されることができる。別個の冷却装置142Bは、第2の熱交換器1502Bと、第2のフィルタ1503Bとを含む、ループに結合されることができる。第2の温度モニタ8701Bは、第2の送風機3284Bによって提供される加圧ガスの温度の独立調整を提供するために使用されることができる。本例証的実施例では、図3について本明細書に説明されるように、入力および出力領域2201ならびに2203は、陽圧を供給されるが、印刷領域2202は、基板位置に対する精密制御を提供するように、陽圧および真空制御の組み合わせの使用を含むことができる。例えば、陽圧および真空制御のそのような組み合わせを使用して、基板は、印刷領域2202によって画定されるゾーン内でエンクロージャ印刷システム500Fによって提供される浮動ガスクッションを使用して、排他的に制御されることができる。真空は、送風機筐体3282内の第1および第2の送風機3284A
または3284Bのための補給ガスの少なくとも一部も提供されるような第3の送風機3290によって確立されることができる。
【0109】
本明細書で説明される本開示の実施形態の種々の代替案が、本開示を実践する際に採用され得ることを理解されたい。例えば、本教示による封入印刷システムの実施形態は、広範囲の技術分野内の種々のデバイスおよび装置、例えば、限定されないが、OLEDディスプレイ、OLED照明、有機光電池、ペロブスカイト太陽電池、および有機半導体回路の製造における基板のパターン化面積印刷に有用であり得る。加えて、化学、生物工学、高度技術、および医薬分野等の大きく異なる技術分野が、本教示から利益を享受し得る。印刷は、本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の有用性を例示するために使用される。印刷システムを収納し得るガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、限定されないが、構築および脱構築のサイクルを通した密封エンクロージャを密閉して提供すること、エンクロージャ容積の最小限化、および処理中ならびに保守中の外部から内部への即時アクセス等の特徴を提供することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のそのような特徴は、限定されないが、処理中に低レベルの反応種および粒子状物質を維持することの容易性を提供する構造的完全性、ならびに保守サイクル中の休止時間を最小限化する急速エンクロージャ容積転換等の機能性に影響を及ぼし得る。したがって、基板印刷のための有用性を提供する、種々の特徴および仕様もまた、利益を種々の技術分野に提供し得る。
【0110】
本開示の実施形態が、本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。ここで、多数の変形例、変更、および代用が、本開示から逸脱することなく当業者に想起されるであろう。以下の請求項は、本開示の範囲を定義し、これらの請求項およびそれらの同等物の範囲内の方法ならびに構造は、それによって対象とされることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14