(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】文字消去用筆記具及びその筆記具を用いた筆記内容を消去する方法
(51)【国際特許分類】
B43K 29/02 20060101AFI20230712BHJP
B43K 7/12 20060101ALI20230712BHJP
C09D 11/17 20140101ALI20230712BHJP
C09D 11/18 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
B43K29/02 F
B43K7/12
C09D11/17
C09D11/18
(21)【出願番号】P 2022113319
(22)【出願日】2022-07-14
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0132880
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0144715
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517438549
【氏名又は名称】クラウン ボール ペン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヨン セン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ベ ジョ
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/105227(WO,A1)
【文献】特開2012-030447(JP,A)
【文献】特開2009-143207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 7/12
B43K 29/02
C09D 11/17
C09D 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記内容を除去することができる筆記具であって、
管体の形状になった上部本体(111)と下部本体(112)と出入口(113)を含むハウジング(110)と、前記ハウジング(110)の内部からインクの造成物を充填しているインク收容管(130)と、前記インク收容管(130)の最先端に存在するボールペンチップ(140)と、前記ハウジング(110)の後方に位置したノックキャップ(150)と、前記ボールペンチップ(140)を弾性力によって作動させるスプリング(160)を備え、
前記インク收容管(130)に充填されるインクの造成物は、マイクロカプセル化されたヒステリシスマイクロカプセル顔料20~30重量%と、スチレンマレイン酸無水モノメチルマレイン酸ポリマー1~3重量%と、メチルステアリン酸グリセリン1~5重量%と、メチルベヘネート15~20%と、グリセリン5~10重量%と、ポリビニルピロリドン3~5重量%と、トリエタノールアミン1~3重量%と、ロリル硫酸ナトリウム1~2重量%と、残りはイオン水から成り、
前記下部本体(112)はその一部又はそのすべてを先端消去体(200)で形成されており、
前記先端消去体(200)は、前記ボールペンチップ(140)が出入りする位置に存在して、使用者が誤って記載した筆記内容を消去するための用途で使用されることを特徴とした、筆記内容を除去することができる筆記具(100)。
【請求項2】
前記先端消去体(200)の材質は、ポリプロピレンを主成分とし、ハイドロジェネイティドスチレンイソプレンブタジエンブロック共重合体5~10重量部と、ハイドロトリテッドヘビーパラフィニック5~10重量部と、1、2、3ベンゾルトリアゾール0.2~0.5重量部と、残りは前記ポリプロピレンで構成されていることを特徴とした、請求項1に記載の筆記内容を除去することができる筆記具(100)。
【請求項3】
前記先端消去体(200)は、ハウジング(110)の下部本体(112)の一部または全部を形成し、
前記下部本体(112)の先端に存在する角部(R)はラウンド形状を持ち、
前記角部(R)のラウンド形状の寸法は0.5mm~1.5mmの間で形成されていることを特徴とした、請求項2に記載の筆記内容を除去することができる筆記具(100)。
【請求項4】
前記先端消去体(200)は、その表面粗さが1.5Raないし3.0Raの範囲にあることを特徴とした、請求項3に記載の筆記内容を除去することができる筆記具(100)。
【請求項5】
前記先端消去体(200)は、全体重量に対してピグメント顔料0.002重量部ないし0.02重量部を添加することを特徴とした、請求項2に記載の筆記内容を除去することができる筆記具(100)。
【請求項6】
使用者が筆記対象物(P)の表面上に筆記具を利用して筆記内容(W)を書いたり、描いたり表現する第1段階(S210)と;
使用者がインク収容管(130)のボールペンチップを前記筆記具の本体の内側内部に収納する第2段階(S220)と;
使用者が前記筆記具を把持している状態で先端消去体(200)を前記筆記対象物(P)の表面上に当て、消去対象となる筆記内容に接触させる第3段階(S230)と;
前記先端消去体(200)を前記筆記対象物(P)の表面上で軽く押しながら左右方向に往復移動させて筆記内容を消去する第4段階(S240);を
含んでいることを特徴とした、筆記内容を消去する方法
であって、
前記インク収容管(130)に充填されるインク組成物は、マイクロカプセル化されたヒステリシスマイクロカプセル顔料20~30重量%と、スチレンマレイン無水モノメチルマレインポリマー1~3重量%と、メチルステアレート1~5重量%と、メチルベヘネート15~20%と、グリセリン5~10重量%と、ポリビニルピロリドン3~5重量%と、トリエタノールアミン1~3重量%と、ロリル硫酸ナトリウム1~2重量%と、そして残りはイオン水から成ることを特徴とした、筆記内容を消去する方法。
【請求項7】
前記先端消去体(200)の材質としてはポリプロピレンを主成分とし、ハイドロジェネテッドスチレンイソフレンブタジエンブロック共重合体5~10重量部と、ハイドロトリテッドヘビーパラピニック5~10重量部と、1、2、3ベンゾルトリアゾール0.2~0.5重量部と、そして残りは前記ポリプロピレンで構成されていることを特徴とした、請求項6に記載の筆記内容を消去する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は文字消去用筆記具及びその筆記具を利用して筆記内容を消去する方法に関し、詳細には、筆記具の使用者が筆記対象物の上に筆記具を利用して文字などを書いたり図形を描いてから、その筆記具を手で把持している状態でそのまま前記文字などを簡単かつ早く消去することができる筆記具及びその筆記内容を消去する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、紙の上に文字を書いたり、文字や数字を表記する手段として多様な種類の筆記具が開発されている。今日の筆記用具の代表的なものとしてはボールペンと万年筆を例示することができる。
【0003】
ボールペンはボールポイントペン(ballpоint pen)の略で、現代に至って最も広く愛用されている筆記用具である。
【0004】
ボールペンはその内部に粘性インクを詰め込んだインク収容管があり、そのインク収容管の端にあるポイントボールを通じて、インク収容管の内部にあるインク組成物を紙の上に所定の文字を書いたり所定の絵を描けるようにしてくれる。ボールペンは安価で信頼性があり、購買および使用にお金があまりかからない日常の筆記用具として多く活用されてきており、今日万年筆をほとんど代替して使われている。
【0005】
ボールペンは万年筆とは異なり、使用者が別途インクを充填させる必要がなく、また多様な色のインクを選択して使用できる長所があるだけでなく、非常に安くて簡単に使用できるなど、その経済性および便宜性のために広く普及して使われている。しかし、ボールペンは、使用者が紙のような筆記対象物の表面上に所定の文字などを書いた後に、その文字などを鉛筆のように消してしまいにくい短所があった。このようなボールペンの短所を克服するために、筆記内容が消えるボールペンを開発することになった。
【0006】
従来、消えるボールペンの作動原理はインク収容管の内部に充填されるインク組成物を温度によって色が変わる感温インクで形成し、常温で特定の色で存在したインク成分が他の高温の温度でその色が消える性質を利用するものである。
【0007】
このような従来の消し可能な筆記具は、例えば、筆記具のインクとして零下10℃以上摂氏50℃以下で発色する感温インクを使用し、プラスチック消しゴムで擦る時に生じる摩擦熱により感温インクの色素分子が化学反応を起こして色が消えるようにするものであった。
【0008】
このために、筆記具の反対側の端にエラストマー消しゴムを付着させ、筆記された内容を消すためには、ボールペン芯の反対側に付着されているエラストマー消しゴムを回して筆記された内容に接触させ、そのエラストマー消しゴムを文字などの上に擦ってそれらの間に摩擦を起こし、その摩擦によって発生した摩擦熱を利用してインク組成物の色を変化させ、あたかもその文字等が消えてなくなるようにするような錯視効果を利用するものである。
【0009】
このような従来の熱変色インク筆記具は、消しゴムを利用して筆記面の筆記物を消去するために、筆記具のボールペン芯の反対側にある消しゴムを利用しなければならない。前記消しゴムはゴム成分を含むエラストマーを主成分としたもので、筆記具の反対側の端に結合されているので、筆記された内容を消すためには、その筆記具を再び握り直し、その消しゴムを筆記された対象物に接触させる必要がある。
【0010】
この時、前記消しゴムは筆記対象物の上に記載されている筆記内容物に対して摩擦を起こすことになり、この時発生した摩擦熱は筆記内容物に含まれているインク成分に伝達され、その摩擦熱は前記インク成分を変色させることになる。
【0011】
ところが、従来の熱変色インク筆記具は、消しゴムで筆記面を摩擦する過程で、摩擦熱が消しゴムに蓄熱されず放出されて消しゴムの摩擦による摩擦熱が筆記物に集中せず、消しゴムの摩擦熱が摩擦後持続保存されず、他の筆記物を消す時にも継続的に摩擦による摩擦熱を発生させなければならない。したがって、筆記面が持続的な摩擦で損傷する問題があった(例:韓国登録特許10-1377293号公報)。
【0012】
また、従来の熱変色インク筆記具は必ず摩擦熱を発生させなければならなかったので、その摩擦熱発生道具として別途のエラストマー消しゴムを筆記具の本体に付着したり結合させなければならなかった。また、従来の熱変色インク筆記具は使用者が文字などを消そうとする場合、書く作業を中断し、前記熱変色インク筆記具を反対方向に把持した状態で、前記エラストマー消しゴムで筆記対象面に記載されている文字などをこすって除去しなければならないものだった。したがって、従来の熱変色インク筆記具は前記エラストマー消しゴムをしばしば失う場合が発生したりもした。
【0013】
また、従来の熱変色インク筆記具の消しゴムは主に摩擦熱で消えやすい合成ゴムで構成されているので、消しゴムの強度を高める場合、よく落ちにくくなる。一方、消しゴムの強度を低くする場合、よく消える長所があるが、消しゴムを使用する過程で付着状態が堅固でなく折れたり(
図5)、紛失したり、組み立てられたところが分離される現象がある(例:韓国登録特許10-0642350号公報)。
【0014】
また、従来の熱変色インク筆記具は文字などを書く作業を進行していたが、誤った内容を修正しようとする場合、必ず文字などを書く作業を中断し、前記インク筆記具の把持位置を変更した後、その文字などの消し作業を遂行するしかなかった。
【0015】
一方、作文作業は非常に神経を高度に集中して遂行しなければならず、瞬間的に浮上するアイデアを瞬間的に捉え、その瞬間の感じや表現を作文作業に投影されなければならないので、作文作業が中断されずに継続して進行されることが必須である。
【0016】
結論として、従来の消しゴム用筆記具において、筆記具の本体に別途付着したり結合させる摩擦材を使わず、筆記具の本体をそのまま活用できる消しゴム用筆記具の開発が非常に要請されているにもかかわらず、まだこのような技術が開発されていないものと見られる。従来の技術としては、次のような事例が代表的であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】韓国登録特許第10-2179179号公報
【文献】韓国登録特許第10-2169972号公報
【文献】韓国登録特許第10-2191748号公報
【文献】韓国登録特許第10-1876526号公報
【文献】韓国登録実用新案第20-489134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、従来の技術の問題点を解決するためのものとして、筆記具の使用者が筆記の対象物の上に記載された内容を消したい場合は、その筆記具のボールペンチップの方向を変えず、筆記をしているその方向で直接消すことができるようにした筆記具を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は筆記具のエラストマー消しゴムを使用せず、簡単に消去できる筆記具を提供することにある。
【0020】
本発明のもう一つの目的は筆記内容を消去する過程で消しゴムのかすが発生せず、周りが汚れることを防止して、繰り返し使用にも磨耗による体積が減少したり、消しゴムを新しいものに交替する必要がない筆記具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、前記目的を達成するために、中空の管体の形で上部本体と下部本体と出入口を含むハウジングと、前記ハウジングの内部からインクの造成物で構成されたインクを盛り込んでいるインク收容管と、前記インク收容管の最先端に存在するボールペンチップと、前記ハウジングの後ろから前記インク收容管を上下方向に往復移動操作することになるノックキャップと、前記ハウジングの内部において、前記ボールペンチップを弾性力によって作動させるスプリングを含めている筆記具において、前記インク收容管に充填されるインクの造成物は、マイクロカプセルで行われたヒステリシスマイクロカプセル顔料20~30重量%と、流動改善剤としてスチレンマレイン酸無水モノメチルマレイン酸ポリマー1~3重量%と、接着調節剤としてメチルステアリン酸グリセリン1~5重量%と、接着調節剤や抗菌剤としてのメチルベヘネート15~20%と、接着調節剤や保湿剤としてのグリセリン5~10重量%と、粘度調節剤としてのポリビニルピロリドン3~5重量%と、中和剤としてのトリエタノールアミン1~3重量%と、界面活性剤としてのロリル硫酸ナトリウム1~2重量%、残りはイオン水から成り、前記下部本体はその一部又はそのすべてを先端消去体で形成されていて、前記先端消去体は、前記ボールペンチップが出入りする位置に存在して、使用者が誤って記載した筆記内容を消去するための用途で使用されることを特徴としている。
【0022】
また、前記先端消去体の材質としてはポリプロピレンを主成分とするものの、ハイドロジェネイティドスチレンイソプレンブタジエンブロック共重合体5~10重量部と、ハイドロトリテッドヘビーパラフィニック5~10重量部と、1、2、3べンゾールトリアゾール0.2~0.5重量部そして残りは前記ポリプロピレンで構成されている。
【0023】
また、前記先端消去体は、ハウジングの下部本体の一部または全部を形成し、その角部(R)はラウンド形状で行われて、そのラウンド形成の寸法は0.5~1.5mmの間で形成されることが望ましい。
【0024】
また、前記先端消去体は、その表面粗さが1.5Raないし3.0Raの範囲にあることを特徴とする。
【0025】
ここで、前記先端消去体は筆記具のハウジングに対応されたり区別される色を付与しようとする場合、ピグメント顔料を全体重量について0.002重量部ないし0.02重量部添加することが望ましい。
【0026】
また、本発明は、前記筆記具を利用して、筆記対象物の表面に記載された筆記内容を消去する方法を提供する。
【0027】
本発明による筆記内容を消去する方法は、使用者が筆記の対象物(P)の表面の上に自分の意図の通り筆記具を利用して筆記内容(W)を書いたり描いたり、表現する第1段階(S210)と;使用者が前記筆記具のボールペンチップを前記筆記具の内部に入れて隠される第2段階(S220)と;使用者が前記筆記具を把持しているそのままの状態で前記先端消去体を前記筆記対象物の表面の上にあてて、抹消の対象となる筆記内容に接触させる第3段階(S230)と;前記先端消去体を前記筆記対象物の表面の上で軽く押しながら左右方向に往復移動させて筆記内容を消去する第4段階(S240);を含んでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明は筆記具本体の一部を利用して、誤って書いた文字または数字などを消去することができる。
【0029】
また、本発明は筆記具を利用して紙の上に文字などを書いた後、その文字などを消去しようとする場合、前記筆記具を前後に持ち替える必要がなく、文字などを書いていた態勢のまま前記先端消去体を利用して消去作業を遂行することができる。したがって、本発明は消去作業が非常に便利なだけでなく、迅速に消去作業を遂行できる。
【0030】
また、本発明は別途の消しゴムを必要とせず、筆記具本体の一部を利用するので、消しゴムを失う心配が全くない長所もある。
【0031】
また、本発明は筆記内容を除去する過程で消しゴムのかすが発生せず、周囲が汚れることを防止する。
【0032】
また、本発明は繰り返し消し部材の使用にも摩耗による体積が減少したり消しゴムを新しいものに交換する必要が全くない効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】通常のボールペンの構成を示した一部切開断面図である。
【
図2】本発明の筆記具を使用して筆記対象物の表面上に文字などを記載する姿を模した概念図である。
【
図3】本発明の筆記具を使用して筆記対象物の表面上に記録された筆記内容である文字などを消す姿を模した概念図である。
【
図4】先端消去体を含む下部本体の構成を拡大し、図示した拡大断面図である。
【
図5】従来の筆記具の上部に結合されたエラストマー消しゴムが使用中に折れて離脱する状態を例示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明をより具体的かつ詳細に説明する。本発明で提供される具体的な数値または具体的な実施例は、本発明の望ましい実施形態であり、本発明の技術思想をより詳細に説明するためのものであり、本発明がこれに限定されるものではないことは明白である。
【0035】
本発明において、前方または先端とは筆記具のボールペンチップが位置する部分で、前記ボールペンチップが筆記具の外に出たり筆記具の内部に入る方向をいい、後方とは前記前方の反対方向に前記筆記具のノックキャップが存在する方向を意味する。なお、重量%とは、特に限定して説明しない限り、全体組成物に対する当該構成成分の相対的な重量を意味する。
【0036】
また、本発明の明細書において、この技術分野で公示されたもので、当業者によって容易に創作できる部分については、詳細な説明を省略することにする。
【0037】
本発明は筆記対象物(P)の表面上に誤って書かれた文字など(W)を消す筆記具(100)を提供する。前記筆記具(100)は代表的にボールペンを例示することができる。本発明の図面では、前記筆記具をボールペンで図示している。前記筆記対象物(P)は代表的に紙を例示することができ、前記文字等(W)とは前記筆記対象物(P)の表面上に書かれていたり記載されている文字、数字、記号、絵などを意味する。
【0038】
図1は通常のボールペンの構成を示した一部切開断面図である。
【0039】
本発明は通常のボールペンをさらに改良して使用することができる。
【0040】
本発明による筆記具(100)は、中空管体形状で上部本体(111)と下部本体(112)に分割された状態でネジ組み立てられるハウジング(110)を含んでいる。前記上部本体(111)と前記下部本体(112)は一体型で形成されることもできる。前記下部本体(112)の先端には出入口(113)を形成している。前記ハウジング(110)の内部にインク収容管(130)を含んでおり、前記インク収容管(130)は筆記内容を区別できるようにするインク組成物を含んでいる。前記インク収容管(130)の先端には、インク組成物を細く流すボールペンチップ(140)が結合されている。前記ボールペンチップ(140)は、前記出入口(113)を通じて筆記具の内部に入ったり筆記具の外部に出ることになる。前記ハウジング(110)の上部にインク収容管(130)と共にボールペンチップ(140)を昇降させるために出入操作されるノックキャップ(150)が存在し、前記ボールペン触(140)の端部とハウジング(110)の内側にスプリング(160)を設置している。
【0041】
使用者がボールペンチップ(140)を含めたインク收容管(130)を出入するためにノックキャップ(150)を操作することになると、ノックキャップ(150)の下部に設けられた歯突起が回転カム(図示されていない)に接触し、ボールペンチップ(140)を上下昇降させるようになる。前記ノックキャップ(150)を押すと、前記インク收容管(130)が下降するようになって、スプリング(160)を圧縮させ、下部本体(112)の出入口(113)を通じてボールペンチップ(140)が外に露出される。そして再びノックキャップ(150)を押すと、スプリング(160)の弾力で下部本体(112)の外部に露出していたボールペンチップ(140)がインク收容管(130)とともにハウジング(110)内側上部に移動される。
【0042】
図2は、本発明の筆記具(100)を使用して筆記の対象物(P)の表面の上に文字など(W)を記載する姿を模した概念図であり、
図3は、本発明の筆記具(100)を使用して筆記の対象物(P)の表面の上に記録された文字など(W)を消す姿を模した概念図であり、
図4は、先端消去体(200)を含めている下部本体(112)の構成を拡大して図示した断面図である。
【0043】
本発明による文字消去用筆記具の先端消去体(200)は、従来と同様のエラストマー消しゴムを使わず、筆記具本体を利用して、その筆記具を前後に直すことなく、筆記対象物の表面に書かれている筆記内容を筆記具本体により消去作業を進めることを技術的特徴としている。
【0044】
本発明による筆記内容の先端消去体を使う場合、別途のエラストマー消しゴムを使用することなく、筆記内容を簡単に消すことができる。また、本発明は、筆記の対象物である紙の上に文字など(W)を書いたあと、筆記具(100)を方向転換せず、筆記具(100)を把持している状態でそのまま前記紙の上に書かれている字などをすぐに消去できるようにすることを技術的特徴としている。
【0045】
このような技術的特徴は下記のようにインク收容管(130)に満たされるインクの造成物と前記ハウジング(110)の下部本体(112)の構造を改善することにより達成できる。
【0046】
本発明による筆記具(100)のインクの造成物は、マイクロカプセル化されたヒステリシスマイクロカプセル顔料20~30重量%;流動改善剤としてスチレンマレイン酸無水モノメチルマレイン酸ポリマー1~3重量%;接着調節剤としてメチルステアリン酸グリセリン1~5重量%; 接着調節剤や抗菌剤としてのメチルベヘネート15~20%;接着調節剤や保湿剤としてのグリセリン5~10重量%;粘度調節剤としてのポリビニルピロリドン3~5重量%;中和剤としてのトリエタノールアミン1~3重量%;界面活性剤としてのロリル硫酸ナトリウム1~2重量%;そして残りはイオン水を含めて行われる。
【0047】
本発明において、前記インク收容管(130)に満たされるインクの造成物は、マイクロカプセル化されたヒステリシスマイクロカプセル顔料20~30重量%を含めている。前記ヒステリシス顔料は文字など(W)の色を表わすために使用されて、ミクロの大きさの微細なカプセル粉末化されたものを使用しており、全重量について20重量%~30重量%の範囲で使用する。
【0048】
前記ヒステリシス顔料は使われるボールペンの色によって、ブラック(black)、赤(red)、ピンク(pink)、グリーン(green)、ブルー(blue)などの色を表すことになる。文字など(W)は筆記対象物(P)である紙の上に書かれたり描かれたりする各種文字、数字、記号、絵などを含んでいる。
【0049】
前記インク収容管(130)に満たされるインク組成物は、スチレンマレ酸無水モノメチルマレ酸ポリマー1~3重量%を含んでいる。前記スチレンマレイン無水モノメチルマレインポリマーはインク組成物に流動性を付与したり、その流動性を改善するために使われる。このようなインクの流動性は、使用者が筆記対象物(P)である紙の上に文字など(W)を書いたり絵などを描いたりする場合、使用者が自由で不便を感じずに、ボールペンを使用可能にする。
【0050】
また、前記インク収容管(130)に満たされるインク組成物は、メチルステアレート1~5重量%とメチルベヘネート15~20%を含んでいる。前記メチルベヘネート成分はインク組成物に粘着性能と抗菌性能および接着調節剤としての複合機能を付与する。粘着性能はインク組成物を構成している他の物質ないし他の成分との混合性と結合性を強化させることになり、ボールペンに絶えず文字など(W)をよく書けるようにする。
【0051】
また、前記メチルベヘネートはインク組成物に抗菌性を付与し、インク組成物が長時間使用されず長時間保管中である場合にも、外部から感染するかもしれない腐敗菌から安定した状態を継続的に維持可能にする。
【0052】
また、前記メチルベヘネートはインク組成物が筆記対象物(P)である紙の上に文字など(W)の形態で固定されて存在する場合、インクと筆記対象物(P)である紙の間の結合力を調節するように補助する機能を遂行する。この時、前記メチルベヘネートはインクと筆記対象物(P)である紙の間の結合力が従来の通常のインクに比べて結合力をさらに弱くする方向に作用する。
【0053】
一般的に、従来のボールペン用インク組成物は、前記筆記対象物(P)である紙の上に文字など(W)の形態で存在する場合、従来のボールペン用インク組成物が前記紙の内部に一部浸透して入ることによって、外部から力を加える場合に前記紙の表面から前記ボールペン用インク組成物が完全に除去されない傾向を示している。言い換えれば、一般的なボールペン用インク組成物は、前記文字など(W)の形態をそのまま維持したり、一部除去されて一部が残っている状態になり、完全な状態に消えない。したがって、従来の消えるインクは、その構成成分が摩擦熱によって変色するようにすることで、使用者の肉眼による色が除去されるような効果を提供するようにするものであった。
【0054】
これに対し、本発明の消去用ボールペンに使われるインクは、紙との結合力を弱化させたり結合力を調整することによって、筆記対象物(P)である紙の内面に完全に沈着して入ることを防止するようになり、従来の通常のインク組成物の結合力に比べてさらに弱く形成していることが分かる。
【0055】
本発明による筆記具(100)のインク組成物はグリセリン5~10重量%を含んでいる。
前記グリセリンは保湿剤および潤滑剤としての機能を遂行し、分子構造に水酸基を多量含有しているためインク成分に保湿性を付与しており、それと共に潤滑性を補充している。潤滑性はボールペンのインク収容管(130)の下端部分に存在するボール用部の摩耗を防止するのに有用であり、インクが筆記対象物(P)である紙の表面に文字など(W)形態で存在する場合、紙の内部に浸透して入ることを防止する。
【0056】
また、潤滑性は外部から所定の力が前記文字など(W)部分に加えられた場合、前記紙の表面から前記文字など(W)部分が簡単に落ちるように補助してくれる。これは、前記グリセリン成分が潤滑性を提供することによって、前記インクの内部成分の間では保湿性を提供する反面、前記インク組成物と紙の間では潤滑剤としてそれらの間の結合力を弱化させるのに寄与する。
【0057】
本発明による筆記具(100)のインク組成物は、ポリビニルピロリドン3~5重量%を含んでいる。前記ポリビニルピロリドンはインクの粘度調節剤として水溶性高分子成分を凝集させる作用をすることによって、インク組成物全体の粘度を調節することで説明できる。
【0058】
本発明による筆記具(100)のインク組成物は、トリエタノールアミン1~3重量%を含んでいる。前記トリエタノールアミンは安定剤ないし中和剤の機能でインクの凝集及び分散性向上のために使われる。
【0059】
本発明による筆記具(100)のインク組成物は、ロリル硫酸ナトリウム1~5重量%を含んでいる。前記ロリル硫酸ナトリウムは界面活性剤として使用される。
【0060】
本発明による筆記具(100)のインク組成物は、その残りはイオン水で成っている。前記イオン水は、前記構成成分に対する溶媒としての機能を担う。
【0061】
このようなインク組成物は通常の方式で製造され、前記インク収容管(130)に充填される。前記インク組成物は、使用者が筆記対象物(P)の上に筆記された内容物を簡単に消去することを可能にする。
【0062】
本発明による筆記具(100)は筆記対象物(P)の上に筆記された内容物を簡単かつ容易に消去することを可能にする先端消去体(200)を含んでいる。
【0063】
前記筆記具(100)は外部に円筒形で形成されたハウジング(110)を持っており、前方には中央部に狭まりながら傾斜して形成された下部本体(112)を形成し、この下部本体(112)にネジ締結方式で組み立てられる上部本体(111)を形成している。前記下部本体(112)の周囲には使用者が手で握って筆記作業を遂行する時、滑りを防止し肌触りを向上させるためにラバーパッド(120)を組み立てて使用することが望ましい。前記筆記具(100)は後方に押しボタン式で作動するノックキャップ(150)を備えている。
【0064】
前記ハウジング(110)の内部には筆記する内容のインクを含んでいるインク収容管(130)を含んでおり、前記インク収容管(130)の先端は金属材質のボールペンチップ(140)を形成している。前記ボールペンチップ(140)のすぐ外部にはスプリング(160)が挿入されており、前記スプリング(160)は前記ノックキャップ(150)の押し作動によって前記ボールペンチップ(140)を前記下部本体(112)の出入口(113)を通じて外部に露出させるか、前記ボールペンチップ(140)をその内部内側に収納するようにする。
【0065】
本発明による筆記具(100)は筆記対象物(P)の上に筆記された内容物を簡単かつ容易に消去することを可能にする先端消去体(200)を含んでいる。前記先端消去体(200)は、前記下部本体(112)の一部または全部を形成していることが望ましい。
【0066】
前記先端消去体(200)は、筆記対象物(P)の表面上に書かれた文字など(W)を消すために、前記出入口(113)を形成している前記下部本体(112)に形成されている。前記出入口(113)を通じて前記ボールペンチップ(140)が上下方向に出入りすることになる。前記先端消去体(200)は前記出入口(113)が形成された位置に存在し、前記ボールペンチップ(140)が上下方向に出入りする位置にそのまま形成されていることを技術的特徴とする。
【0067】
前記先端消去体(200)は筆記具(100)の本体の一部を形成しており、前記筆記具(100)の前方、より具体的には前記下部本体(112)の出入口(113)を形成しながら前記ボールペンチップ(140)の外部外周縁部を包んでいる形態になっていることがより望ましい。
【0068】
前記先端消去体(200)は、前記下部本体(112)の一部または全てを形成しながら、端面と側面部の間の角部(R)にラウンド形態で形成されることが望ましい。前記角部(R)のラウンド形態は、筆記された文字など(W)を消去するために、筆記具(100)を
図2および
図3のように一定角度に傾けて傾斜した状態で紙の上に筆記された文字など(W)部分を押すことになる時、実質的に紙に接触することになる。したがって、下部本体(112)は端面と側面部の間の角部(R)に適切な大きさのラウンドを形成してこそ、消去過程で紙がひどく毀損されることを防止することができる。
【0069】
前記角部ラウンド(R)の寸法は0.5~1.5mmの間が適しており、望ましくは0.75mmに設定することが可能で、消去効果に優れ筆記具の外観を損なわなくなる。前記角部ラウンド(R)の寸法が0.5mm以下の場合、紙を毀損する確率が高くなり、1.5mmを超過する場合、紙は保護できる反面、下部本体(112)のデザイン均衡が外れる短所がある。
【0070】
このように本発明において、前記先端消去体(200)は、前記筆記具(100)の下部本体(112)の一部または全部を形成しており、前記筆記具の下部本体(112)のボールペンチップ(140)が出入りする近接位置に存在する。
【0071】
前記先端消去体(200)を前記下部本体(112)のボールペンチップ(140)が出入りする近接位置に形成する場合、本発明の筆記具(100)を使用している者がすでに筆記された部分を消そうとした時、本発明の筆記具(100)を把持している状態でそのまま消す作業を遂行できるようになる。
【0072】
本発明において、前記先端消去体(200)の場合、ポリプロピレン樹脂を主原料とした合成樹脂の材質で形成するのは、1次的に、前記筆記具(100)の本体の一部または全部を形成しているので、筆記具本体の強度を維持しなければならず、2次的に、前記削除すべき対象である筆記内容を筆記対象物の表面から出られる強度を持っていなければならず、3次的に、前記筆記対象物の表面にある抹消の対象の筆記内容について所定の表面粗さを提供するとともに、その表面粗さを維持することができなければならないからである。
【0073】
前記先端消去体(200)は使用者が誤って記載した筆記内容を消すためのものを主な用途としており、その材質はポリプロピレン樹脂を主原料とし、全体重量について、ハイドロジェネイティドスチレンイソプレンブタジエンブロック共重合体5~10重量部と;ハイドロトリテッドヘビーパラフィニック5~10重量部と;酸化防止剤1、2、3ベンゾルトリアゾール0.2~0.5重量部と;その残りは前記ポリプロピレン樹脂を含めている。
【0074】
前記先端消去体(200)はポリプロピレン樹脂を主原料としている。前記先端消去体(200)は、上述のように、1次的に、前記筆記具(100)の下部本体の一部または全部を形成しているので、筆記具本体の強度を維持しなければならず、2次的に、前記筆記内容を筆記対象物の表面から出られる強度を持っていなければならず、3次的に、前記抹消の対象の筆記内容に対する接触表面粗さを持っていなければならない。前記ポリプロピレン樹脂はこのような機能を提供するために用いられている。
【0075】
前記先端消去体(200)は数回の抹消作業を進める場合も、従来のエラストマー消しゴムとは異なり、消尽されず、いつも最初の形態を維持し、所定の表面粗さを照度計の測定に1.5Raないし3Raの範囲を引き続き維持することになる。 前記先端消去体(200)が前記のような表面粗さの範囲を維持する場合、筆記された内容を効率的に消すことに適合したものとされる。
【0076】
前記先端消去体(200)は全体重量について、ハイドロジェネイティドスチレンイソプレンブタジエンブロック共重合体5~10重量部を含めている。前記ハイドロジェネイティドスチレンイソプレンブタジエンブロック共重合体は前記先端消去体(200)に所定の柔軟性を提供する。
【0077】
前記ハイドロジェネイティドスチレンイソプレンブタジエンブロック共重合体は一種のスチレン成分とブタジエン成分をお互いに共重合させた合成物として高分子重合体の内部に二重結合構造を持っていて、堅牢で、しっかりしたポリプロピレンの主成分について比較的柔軟性を付与することにより、外部衝撃に対して簡単につぶれたり折れてしまう短所を除去してくれる機能を提供する。
【0078】
前記ハイドロジェネイティドスチレンイソプレンブタジエンブロック共重合体が5重量部以下に含まれている場合、その柔軟性が弱く、前記ハイドロジェネイティドスチレンイソプレンブタジエンブロック共重合体が10重量部以上に含まれている場合、前記先端消去体(200)の強度を弱めることになるので、望ましくない。
【0079】
前記先端消去体(200)は全体重量について、ハイドロトリテッドヘビーパラフィニック5~10重量部を含めている。前記ハイドロトリテッドヘビーパラフィニックは、前記先端消去体(200)に所定の接触表面粗さを提供する。
【0080】
これは前記ハイドロトリテッドヘビーパラフィニック成分が含まれていることによって、前記先端消去体(200)が削除すべき対象となる筆記内容に密着しており、左右方向に加圧して移動する場合、滑らず筆記内容を筆記対象物の表面から出られるようにすることである。
【0081】
前記ハイドロトリテッドヘビーパラフィニック成分が5重量部以下の場合、前記先端消去体(200)の表面粗さが1.5Ra以下にされて、その場合、円滑な筆記内容を除去機能を遂行しにくい反面、前記ハイドロトリテッドヘビーパラフィニック成分が10重量部以上ある場合、前記先端消去体(200)の表面粗さが3.0Ra以上とされて望ましくない。
【0082】
前記ハイドロトリテッドヘビーパラフィニック成分が5ないし10重量部の範囲内にある場合、使用者が筆記の対象物の上で前記先端消去体(200)を擦るとき、いわゆるびりびりと付いている感触を提供することになる。
【0083】
このような方式は従来の技術が摩擦熱による熱変形を利用する技術思想とは全く異なる方式だと言える。
【0084】
前記先端消去体(200)は全体重量に対して、酸化防止剤1、2、3、ベンゾルトリアゾール0.2~0.5重量部を含んでいる。前記1、2、3、ベンゾルトリアゾールは酸化防止剤として機能する。前記酸化防止剤を0.2重量部以下で使用する場合、酸化防止機能をまともに遂行できない反面、0.5重量部以上で使用する場合、投入した分量に比べて酸化防止機能が比例して上昇しないので、それ以上含ませることが望ましくない。
【0085】
前記ボールペンチップ(140)が前記出入口(113)を通じて筆記具の内部と外部に出入りする過程で、前記ボールペンチップ(140)がその外側外周縁部を包んでいる前記先端消去体(200)を接触する場合、前記ボールペンチップ(140)の金属成分によって前記先端消去体(200)が酸化反応を起こす恐れがある。このような酸化反応を防止するために、酸化防止剤として前記1、2、3ベンゾルトリアゾールを使用する。
【0086】
前記先端消去体(200)は、全重量に対して、その残りを前記ポリプロピレンで構成していることが望ましい。前記ポリプロピレンは、前記先端消去体(200)の強度を維持するために必要である。概して全体重量に対して80~90重量部の範囲に存在するが、前記列挙された各構成成分の含量によって下限線の範囲と上限線の範囲で若干ずつ変わることができる。
【0087】
前記先端消去体(200)は筆記具本体に対応したり区別される色を付与しようとする場合、ピグメント顔料を全体重量に対して0.002重量部ないし0.02重量部添加することができる。前記ピグメント顔料は色を付与するもので、この技術分野で通常使用できる。
【0088】
また、本発明は前記筆記具(100)を利用して既に筆記された内容を消す方法を提供する。
本発明による筆記内容の消し方は次の通りである。
【0089】
本発明による筆記内容の消し方は、使用者が筆記対象物(P)の表面上に自分の意図通り筆記具(100)を利用して筆記内容(W)を書いたり、表現する第1段階(S210)を含んでいる。
【0090】
前記第1段階(S210)は、使用者が筆記具を手で把持した状態で、自分が意図している内容を、筆記対象物の表面の上に、文字の形で書いたり絵の形で描いたり、その他の形で表現する段階を意味する。このような筆記内容の記載段階(S210)は、従来の通常の方式と同様に進められる。
【0091】
本発明による筆記内容の消し方は、使用者が前記筆記具のボールペンチップ(140)を前記筆記具の本体の内側内部に収納する第2段階(S220)を含んでいる。前記第2段階(S220)はボールペンチップの収納段階といえる。
【0092】
前記第2段階(S220)は、使用者が筆記された内容を消そうとする場合、必ず遂行されなければならない必須の段階である。使用者は筆記具の内部に設けられているスプリング(160)の弾力で前記ボールペンチップ(140)をその筆記具の後方に引き込むことによって、前記ボールペンチップ(140)が前記筆記具の前方先端に突出していないようにし、これ以上他の文字または絵などを筆記対象物の表面に記載されないようにするためである。
【0093】
前記第2段階(S220)を進行せずに次の第3段階(S230)に進行する場合、前記筆記対象物の表面に前記ボールペンチップ(140)によって意図しない筆記内容が記載される可能性があり、また第3段階(S230)を円滑に遂行することができない。
【0094】
このような点で見ると、本発明による前記第2段階(S220)は本発明の場合、必須的に遂行されなければならないが、従来の技術ないし従来の筆記具では遂行されることもあり、遂行されないこともある。
【0095】
本発明による筆記内容の消し方は、使用者が前記筆記具を把持しているその状態で前記先端消去体(200)を前記筆記対象物(P)の表面上に当て、消去対象となる筆記内容に接触させる第3段階(S230)を含んでいる。前記第3段階(S230)は先端消去体(200)の接触段階といえる。
【0096】
前記第3段階(S230)は、使用者が筆記具(100)を把持している状態で、その筆記具(100)を前後に位置を変えて把持せず、元の把持していた位置のまま消す作業を行うことを意味する。これは従来の筆記具の場合、使用者が必ずその筆記具を前後に位置を変えて再び把持する行為と全く違う。
【0097】
従来の筆記具の場合には、前記筆記具の後方にエラストマー消しゴムが付着されているので、前記従来の筆記具を前後に位置を変えて把持することによって、前記後方にあったエラストマー消しゴムを前方に位置転換しなければならないものであったが、本発明の場合には筆記具(100)本体の一番前方に存在する先端消去体(200)をそのまま活用できる。
【0098】
前記第3段階(S230)は、前記筆記具(100)を把持した状態のまま維持しながら、筆記対象物(P)の表面上に当て、前記先端消去体(200)が消し対象となる筆記内容に接触するようにする。この時、前記先端消去体(200)は前記筆記具(100)の下部本体(112)の一部または全てを成している。前記先端消去体(200)が前記下部本体(112)の一番前に位置するようにする場合、使用者が消去作業を遂行しようとする時、前記筆記具(100)を前後にひっくり返さず、前記筆記具(100)をそのまま把持した状態で作業を進めることができるためである。
【0099】
本発明による筆記内容の消し方は、前記先端消去体(200)を前記筆記対象物の表面上で軽く押しながら左右方向に往復移動させて筆記内容を消す第4段階(S240)を含んでいる。前記第4段階(S240)は一種の消去段階といえる。
【0100】
前記第4段階(S240)は、使用者が前記筆記具(100)を手で把持し、使用者が消そうとする筆記内容を対象にして、前記先端消去体(200)を軽く押す。これは前記先端消去体(200)と消す対象である筆記内容を互いに接触させて摩擦を起こすためのものである。この場合、前記先端消去体(200)は、従来のようにエラストマー消しゴムを使用しない。前記先端消去体(200)は、その表面粗さを1.5Ra~3Ra範囲に属するものを利用している。
【0101】
前記第4段階(S240)は、使用者が前記先端消去体(200)を軽く押しながら左右方向に往復運動を実施することによって、前記筆記対象物の表面から筆記内容を押し出して除去する。従来の筆記内容の除去方式は、エラストマー消しゴムを摩擦させて摩擦温度を発生させ、その摩擦温度によって筆記対象物の表面にある筆記内容を変色させ、その変色作用によって筆記内容がなくなったのと同じ効果を得る方式であった。
【0102】
これに対し、本発明は前記先端消去体(200)を前記筆記対象物の表面に記載されている筆記内容に密着させ、密着した力を加えて、前記筆記内容をその表面から落とすことによって、その筆記内容を除去する方式である。
【0103】
したがって、前記第4段階(S240)は、外部的に観察される行為が互いに同一に見えるとしても、これは本発明と従来の先行技術とはその技術的な作用ないしその技術的な応用方式が全く異なるものである。
【0104】
このような本発明の特徴によれば、筆記具を利用して紙の上に字を書いた後、その字などを消去しようとする場合、前記筆記具を前後に持ち替える必要がない。
【0105】
また、文字を書いていたそのまま前記先端消去体を利用して消去作業を遂行できるので、消去作業が非常に便利なだけでなく、迅速に消去作業を遂行することができる。
【0106】
また、本発明は別途の消しゴムを必要とせず、筆記具本体の一部を利用するので、消しゴムを失う心配が全くない。
【0107】
以上で本発明による文字消去用筆記具およびその使用方法を具体的に提示したが、これは本発明の実施例を説明する過程で具体化されただけで、本発明のすべての特徴が前記に言及した項目にのみ適用されるものと限定して解釈されるものではない。
【0108】
また、当業者であれば、誰もが本発明の明細書の記載内容によって多様な変形及び模倣を行うことができるが、これも本発明の範囲を超えたものではないことは明白である。
【符号の説明】
【0109】
100 筆記具
110 ハウジング
130 インク収容管
140 ボールペンチップ
150 ノックキャップ
160 スプリング
200 先端消去体
P 筆記対象物
W 筆記内容