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特許7311933金ナノ粒子-アプタマー結合体をベースとする抗体伝達体およびその製造方法
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  • 特許-金ナノ粒子-アプタマー結合体をベースとする抗体伝達体およびその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】金ナノ粒子-アプタマー結合体をベースとする抗体伝達体およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/30 20060101AFI20230712BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230712BHJP
   A61K 47/56 20170101ALI20230712BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230712BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230712BHJP
   C12N 15/115 20100101ALI20230712BHJP
【FI】
A61K47/30 ZNA
A61K47/02
A61K47/56
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61P35/00
C12N15/115 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022518165
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 KR2019011838
(87)【国際公開番号】W WO2020246660
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0066491
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521525767
【氏名又は名称】エヌイーエス バイオテクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NES BIOTECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、カン ソク
(72)【発明者】
【氏名】ペ、ジ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン、ジ-ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】シン、ウンギョン
(72)【発明者】
【氏名】チュ、ミン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ハ、ヘ ジョン
【審査官】田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2995300(EP,A1)
【文献】特表2018-516854(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0350230(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1613020(KR,B1)
【文献】国際公開第2009/014404(WO,A2)
【文献】Ha Minh Hiep et al.,"RNA aptamer-based optical nanostructured sensor for highly sensitive and label-free detection of antigen-antibody reactions",Analytical and Bioanalytical Chemistry,2010年,Vol.396,p.2575-2581
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 47/00-47/69
39/00-39/44
A61P 1/00-43/00
C12N 15/115
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金ナノ粒子と、
前記金ナノ粒子の表面に結合するアプタマー(aptamer)と、を含む、抗体運搬であって、
抗体のFcドメインに特異的に結合する前記アプタマーは、配列番号1の塩基配列を含むか;又は、
抗体に結合するFITCに特異的に結合する前記アプタマーは、配列番号2の塩基配列を含む、抗体運搬体
【請求項2】
前記抗体運搬体は、前記アプタマーにIgG、PARP1、VP6、NSD2、Aurora A、Pax5、Vimentin、Rock-1、Rock-2、RhoE、P53、Mcl-1、P50、およびBRAFからなる群から選択される一つ以上のモノクローナル抗体を結合して細胞内に運搬することを特徴とする請求項1に記載の抗体運搬体。
【請求項3】
前記金ナノ粒子は、10~20nmの直径を有することを特徴とする請求項1に記載の抗体運搬体。
【請求項4】
前記抗体運搬体は、細胞の核、細胞質、およびミトコンドリアからなる群から選択される一つ以上の内部に抗体を運搬することを特徴とする請求項1に記載の抗体運搬体。
【請求項5】
金ナノ粒子にアプタマー(aptamer)を結合させる段階を含む、抗体運搬体の製造方法であって、
抗体のFcドメインに特異的に結合する前記アプタマーは、配列番号1の塩基配列を含むか;又は、
抗体に結合するFITCに特異的に結合する前記アプタマーは、配列番号2の塩基配列を含む、方法
【請求項6】
請求項1に記載の抗体運搬体と運搬しようとする抗体とが結合してなる複合体。
【請求項7】
請求項に記載の複合体を有効成分として含む、がんの予防または治療用薬学的組成物。
【請求項8】
請求項に記載の複合体の、がんの予防または治療に用いられる薬剤の生産のための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金ナノ粒子-アプタマー結合体をベースとする抗体伝達体およびその製造方法に関し、より具体的には、金ナノ粒子に免疫グロブリンG(Immunoglobulin G、IgG)特異的なアプタマーを結合して、細胞内への抗体伝達能が向上した抗体伝達体およびその製造方法に関する。
【0002】
本出願は、2019年06月05日に出願された韓国特許出願第10-2019-0066491号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書および図面に開示されたすべての内容は本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
抗体(Antibody)は、生物体が去る約40億年間進化するに伴って保有することになった最も高効率的に外部物質を認知し結合しうる生体分子である。抗体は、Y 字形の免疫グロブリン分子であって、標的分子である抗原(antigen)を特異的に認識し、高い親和力で結合することによって、脊椎動物の免疫システムに中枢的な役割を担当する。一般的に、抗体は、Bリンパ球から分泌されたり、Bリンパ球の表面に発現し、各個体ごとに高い多様性を示す。このような多様性と特異性を用いて生体内標的物質である病原体や毒素中和剤として使用したり、免疫成分の補充(補体、食菌作用増進、ナチュラルキラー細胞による細胞毒性抗体など)と色々な診断手続きまたは特定対象を破壊するための治療にも使用できる。
【0004】
特にモノクローナル抗体(monoclonal antibody,mAb)は、細胞外または細胞内抗原標的に対する高い特異性によって多数の病気を治療するために全世界的に臨床使用が承認された。最初のモノクローナル抗体が1986年に許可された以来、現在まで約50個のモノクローナル抗体がFDAにより承認された。医学で使用される抗体ベースの治療法は、タンパク質-タンパク質の相互作用を妨害したり、シグナル伝達経路を抑制することによって、目標とするタンパク質をターゲッティングすることができる。しかしながら、これらの抗体の大部分は、標的細胞内に伝達できないので、FDAで承認された抗体の大部分は、細胞の表面に露出した受容体を標的とする抗体である。例えば、過発現し、表面に露出したHER2受容体を標的とするトラスツズマブ(Herceptin/Herclon)は、HER2陽性乳がん患者の治療に効果的に使用される。
【0005】
抗体が標的細胞内の生体分子と結合して有用な治療剤として使用されるためには、抗体が細胞内に伝達されなければならない重要な問題が克服されるべきであり、ナノバイオ技術の発展に伴って、多様なナノ伝達体を使用して抗体を細胞内に伝達するための努力が続いてきた。しかしながら、膜透過ペプチド、ヒアルロン酸、キトサン、デキストラン、多価不飽和脂肪酸、デンドリマー、カーボンナノチューブなど多様な材料を使って抗体を細胞内に伝達させたが、試験管で培養した細胞への伝達にのみとどまり、生体内への伝達は効果的でない結果を得ている。さらに、今まで開発された技術は、特定抗体の包装および変形を通じて限定的な用途にのみ使用可能であった。
【0006】
したがって、細胞毒性なしで哺乳動物生命体に抗体を容易かつ効率的に伝達するための伝達体に関する研究が急務である。
【0007】
なお、金ナノ粒子(Gold nanoparticle,AuNPs)は、治療剤および診断用造影剤として開発された新しいナノ物質の一つであって、現在映像医学においてCT、MRI、PET(position emission tomology)、PA(photo acoustic imaging)、OCT(optical coherence tomology)などにおいて造影剤として広く用いられており、特にCT造影剤として用いられている。金(Au)は、従来のヨード造影剤に比べてX線吸収率が高く、分子量が大きいため、ゆっくり排出されて、イメージ化時間が長く、生体親和性が高くて毒性が少なく、従来のCT造影剤より少量を使用でき、造影剤としての活用性を高めることができる。また、AuNPは、生体内安定性に優れていて、多様な分子の付着に使用できる大きい表面積特有の特性を有しており、ペプチドおよび核酸のような生体分子を細胞内に伝達して細胞治療剤として使用できる潜在力を保有している。
【0008】
アプタマーは、短い長さのオリゴマーであって、安定した三次構造の形成を通じて標的物質と高い親和性をもって特異的に結合する特徴を有しており、化学的合成技法を用いて、短時間かつ低費用で大量生産が可能であり、バッチ間変動(batch to batch variation)が殆どないため、生産的な観点から卓越した長所を有してる。それだけでなく、周辺のpHと温度に非常に安定性が高くて、最近、標的物質の探知および疾患診断センサーの開発など環境、医療など多様な分野における活用可能性が高く評価されている。
【0009】
これより、本発明者らは、生体内安定性に優れた金ナノ粒子にアプタマーを結合した抗体伝達体を開発して、抗体を効率的に伝達することによって、病気の診断または治療に活用しようとした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
免疫グロブリンのうちで、免疫グロブリンG(Immunoglobulin G、IgG)が最も豊富であり、本発明者らは、分析、新薬開発および親和性精製のための潜在的応用に適用して使用するために、IgGに対するアプタマー研究を進めた結果、マウスIgG-Fcドメインの共通部位に結合できるDNAアプタマーおよび蛍光物質であるFITCに結合できるDNAアプタマーを金ナノ粒子に結合して、抗体を細胞内に伝達するための新しい伝達体を開発して、本発明を完成した。
【0011】
これより、本発明の目的は、金ナノ粒子と、前記金ナノ粒子の表面に結合するアプタマー(aptamer)と、を含む、抗体伝達体を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、金ナノ粒子にアプタマー(aptamer)を結合させる段階を含む、抗体伝達体の製造方法を提供することにある。
【0013】
しかしながら、本発明が達成しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、金ナノ粒子と、
前記金ナノ粒子の表面に結合するアプタマー(aptamer)と、を含む、抗体伝達体を提供する。
【0015】
また、本発明は、金ナノ粒子にアプタマー(aptamer)を結合させる段階を含む、抗体伝達体の製造方法を提供する。
【0016】
本発明の一具現例として、前記アプタマーは、免疫グロブリンG(Immunoglobulin G、IgG)のFcドメインまたは蛍光物質であるFITC(Fluorescein isothiocyanate)に特異的に結合するアプタマーであってもよい。本発明の他の具現例として、前記IgGのFcドメインに特異的に結合するアプタマーは、配列番号1の塩基配列からなるものであってもよい。
【0017】
本発明のさらに他の具現例として、前記FITCに特異的に結合するアプタマーは、配列番号2の塩基配列からなるものであってもよい。
【0018】
本発明のさらに他の具現例として、前記抗体伝達体は、前記アプタマーにIgG、PARP1、VP6、NSD2、Aurora A、Pax5、Vimentin、Rock-1、Rock-2、RhoE、P53、Mcl-1、P50、およびBRAFからなる群から選択される一つ以上のモノクローナル抗体を結合して細胞内に伝達できる。
【0019】
本発明のさらに他の具現例として、前記金ナノ粒子は、10~20nmの直径を有するものであってもよい。
【0020】
本発明のさらに他の具現例として、前記抗体伝達体は、細胞の核、細胞質、およびミトコンドリアからなる群から選択される一つ以上の内部に抗体を伝達できる。
【0021】
また、本発明は、前記抗体伝達体と伝達しようとする抗体とが結合してなる複合体を提供する。
【0022】
また、本発明は、前記抗体伝達体と伝達しようとする抗体とが結合してなる複合体を有効成分として含む、がんの予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0023】
また、本発明は、前記抗体伝達体と伝達しようとする抗体とが結合してなる複合体を含む薬学的組成物を個体に投与する段階を含む、がんの予防または治療方法を提供する。
【0024】
また、本発明は、前記抗体伝達体と伝達しようとする抗体とが結合してなる複合体を有効成分として含む薬学的組成物の、がんの予防または治療用途を提供する。
【0025】
また、本発明は、前記抗体伝達体と伝達しようとする抗体とが結合してなる複合体の、がんの予防または治療に用いられる薬剤を生産するための用途を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明による抗体伝達体は、金ナノ粒子にIgG Fcドメイン特異的なアプタマーまたはFITC特異的なアプタマーが結合されており、前記アプタマーに伝達しようとする抗体を特異的に結合して、細胞の核、細胞質だけでなく、ミトコンドリアに抗体を効果的に伝達できる。また、非常に少ない細胞毒性を有する金ナノ粒子を用いて人体に無害なだけでなく、多様な波長で光を反射して細胞内での位置を容易に確認できるところ、病気の診断または治療に有用に用いられるものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一具現例による金ナノ粒子にIgG-Fcドメイン特異的に結合するDNAアプタマーと抗体を結合してアプタマー-金ナノ粒子-抗体複合体を製造する概略的な模式図を示す図である。
図2a】本発明の一具現例によるAuNP-AptIgGによる抗体のHeLa細胞内への伝達能を共焦点顕微鏡イメージで確認した図である。
図2b】本発明の一具現例によるAuNP-AptIgGによる抗体のA549細胞内への伝達能を共焦点顕微鏡イメージで確認した図である。
図3】本発明の一具現例によるAuNP-AptFITCによる抗体のMalme-3M細胞およびSK-Mel2細胞内への伝達能を共焦点顕微鏡イメージで確認した図である。
図4】本発明の一具現例によるA2058、Malme-3M、およびSK-MEL2細胞にAuNP-AptIgG-BRAFV600Eを濃度を異ならせて(0、0.88、1.65および3.3nM)処理し、培養した後、細胞生存能を測定した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、金ナノ粒子と、
前記金ナノ粒子の表面に結合するアプタマー(aptamer)と、を含む、抗体伝達体を提供する。
【0029】
本発明において、「ナノ粒子(nanoparticle)」とは、ナノ単位の直径を有する多様な物質の粒子を意味し、前記ナノ粒子は、ナノサイズを有する粒子であれば、特に制限されない。
【0030】
本発明において、「金ナノ粒子」とは、ナノ単位の直径を有する金の金属粒子を意味し、このような小さい粒子サイズは、本発明のナノ粒子が目的の細胞(例えば、ヒト細胞)に浸透することを容易にして、細胞内にタンパク質伝達体の浸透を可能にする。
【0031】
金ナノ粒子は、安定した粒子の形態で製造が容易なだけでなく、0.8nmから200nmまで多様に使用目的に合わせてサイズを変化させることができる。また、金は、多様な種類の分子、例えばペプチド、タンパク質、核酸などと共に結合して構造を変形させることができ、多様な波長で光に反射するところ、これを用いて細胞内での位置を容易に確認できる。しかも、金ナノ粒子は、マンガン、アルミニウム、カドニウム、鉛、水銀、コバルト、ニッケル、ベリリウムなどの重金属とは異なって、人体に無害で、高い生体親和性を有し、非常に少ない細胞毒性を有するという長所がある。また、金ナノ粒子は、直径が100nm以上と大きくなる場合、ナノ粒子としての特性が消滅すると共に、ナノ物質の特性を有しない金表面とチオール基などの官能基との結合が弱くなり、直径が10~20nm以外の金ナノ粒子は細胞毒性を誘発するので、本発明において、金ナノ粒子は、直径が10~20nmのサイズを有することが好ましいが、これに制限されるものではない。
【0032】
本発明において、「アプタマー(aptamer)」とは、オリゴヌクレオチド物質であって、それ自体で安定した三次構造を有し、標的分子に高い親和性と特異性で結合できる特徴を有する一本鎖核酸(DNA、RNAまたは修飾核酸)を意味し、化学的に合成が可能であり、熱とpH変化に対して比較的に柔軟な特徴を有しており、SELEX(Systematic Evolution of Ligands of Exponential enrichment)という方法で所望の多様な目的物質(タンパク質、ペプチド、脂質、無機化合物、低分子有機物質、糖、染色物質、DNA、金属イオン、細胞、抗生剤など)に対するアプタマーを開発できる。
【0033】
本発明において、前記アプタマーは、免疫グロブリンG(Immunoglobulin G、IgG)のFcドメインに特異的に結合するアプタマーであって、配列番号1の塩基配列からなるものであってもよく、伝達される抗体に標識された蛍光物質であるFITC(Fluorescein isothiocyanate)に特異的に結合するアプタマーであって、配列番号2の塩基配列からなるものであってもよい。この際、前記アプタマーの配列は、全部3’末端がチオール基で修飾されたものであってもよい。
【0034】
本発明による抗体伝達体は、金ナノ粒子に結合されたIgG Fcドメイン特異的なアプタマーが、伝達しようとする抗体のFcドメインに特異的に結合して、細胞内に抗体を効果的に伝達でき、この際、前記抗体伝達体は、前記アプタマーにIgG、PARP1、VP6、NSD2、Aurora A、Pax5、Vimentin、Rock-1、Rock-2、RhoE、P53、Mcl-1、P50、およびBRAFからなる群から選択される一つ以上のモノクローナル抗体を結合して細胞内に伝達できるが、前記抗体の種類に制限されるものではない。
【0035】
また、本発明による抗体伝達体は、金ナノ粒子が結合したFITC特異的なアプタマーが、伝達しようとする抗体に標識された蛍光物質であるFITCに特異的に結合して、細胞内に抗体を伝達でき、この際、前記FITCが標識された抗体であれば、その種類に特に制限はないが、本発明の具体的な実施例によれば、前記抗体伝達体は、IgGに標識されたFITCに特異的に結合して、細胞内にIgGを伝達できる。
【0036】
本発明において、前記抗体伝達体は、細胞内に抗体を伝達でき、例えば、細胞の核、細胞質、およびミトコンドリアからなる群から選択される一つ以上の内部に抗体を伝達できる。
【0037】
また、本発明は、金ナノ粒子にアプタマー(aptamer)を結合させる段階を含む、抗体伝達体の製造方法を提供する。
【0038】
この際、前記抗体伝達体は、金ナノ粒子に、IgGのFcドメインに特異的に結合するアプタマーを結合させて製造することができ、FITCに特異的に結合するアプタマーを結合させて製造することもできる。
【0039】
また、本発明は、前記抗体伝達体と伝達しようとする抗体とが結合してなる複合体を提供する。
【0040】
また、本発明は、前記抗体伝達体と伝達しようとする抗体とが結合してなる複合体を有効成分として含む、がんの予防または治療用薬学的組成物を提供する。
【0041】
本発明において使用される用語、「予防」とは、本発明による組成物の投与によってがんを抑制させたり発病を遅延させるすべての行為を意味する。
【0042】
本発明において使用される用語、「治療」とは、本発明による組成物の投与によってがんに対する症状が好転したり有益に変更されるすべての行為を意味する。
【0043】
本発明において使用される用語「薬学的組成物」は、がんの予防または治療を目的に製造されたものを意味し、それぞれ通常の方法によって多様な形態で剤形化して使用できる。例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップなどの経口型剤形で剤形化でき、クリーム、ゲル、パッチ、噴霧剤、軟膏剤、硬膏剤、ローション剤、リニメント剤、パスタ(paste)剤またはカタプラズマ剤などの皮膚外用剤、坐剤および滅菌注射溶液の形態で剤形化して使用できる。
【0044】
本発明による薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常的に使用する適切な担体、賦形剤および希釈剤をさらに含んでもよい。この際、組成物に含まれ得る担体、賦形剤および希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、オリゴ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアガム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、マグネシウムステアレートおよび鉱物油が挙げられる。製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使って調製される。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調製される。また、単純な賦形剤以外に、マグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使用される。経口のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、頻用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に、色々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれてもよい。非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどが使用できる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどが使用できる。
【0045】
本発明の薬学的組成物は、目的とする方法によって経口投与したり、非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内または局所に適用)でき、投与量は、患者の状態および体重、病気の程度、薬物形態、投与経路および時間によって異なるが、当業者により適宜選択できる。
【0046】
本発明の薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において「薬学的に有効な量」は、医学的治療に適用可能な合理的なベネフィット/リスクの割合で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量レベルは、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する感度、投与時間、投与経路および排出比率、治療期間、同時使用される薬物を含む要素およびその他医学分野によく知られた要素によって決定できる。本発明による薬学的組成物は、個別治療剤として投与したり、他の治療剤と併用して投与でき、従来の治療剤とは順次または同時に投与でき、単一または多重投与できる。前記要素を全部考慮して副作用なしで最小限の量で最大の効果を得ることができる量を投与することが重要であり、これは、当業者により容易に決定できる。投与は、1日に1回投与することができ、数回に分けて投与することもできる。
【0047】
本発明において、「がん」は、細胞が正常な成長限界を無視し、分裂および成長する攻撃的(aggressive)特性、周囲組織に浸透する浸透的(invasive)特性、および体内の他の部位に広がる転移的(metastatic)特性を有する細胞による病気を総称する意味である。本発明において、前記がんは、肝がん、乳がん、血液がん、前立腺がん、卵巣がん、すい臓がん、胃がん、大腸がん、脳がん、甲状腺がん、膀胱がん、食道がん、子宮頸がん、皮膚がん、および肺がんからなる群から選択される1種以上であってもよいが、これらに制限されるものではない。
【0048】
また、本発明は、前記抗体伝達体と伝達しようとする抗体とが結合してなる複合体を含む薬学的組成物を個体に投与する段階を含む、がんの予防または治療方法を提供する。
【0049】
また、本発明は、前記抗体伝達体と伝達しようとする抗体とが結合してなる複合体を有効成分として含む薬学的組成物の、がんの予防または治療用途を提供する。
【0050】
また、本発明は、前記抗体伝達体と伝達しようとする抗体とが結合してなる複合体の、がんの予防または治療に用いられる薬剤を生産するための用途を提供する。
【0051】
また、本発明は、前記複合体を個体に投与する段階を含む抗体伝達方法を提供する。
【0052】
本発明において、「個体」とは、病気の診断または治療を必要とする対象を意味し、より具体的には、ヒトまたは非ヒトである霊長類、マウス(mouse)、ラット(rat)、イヌ、ネコ、ウマおよびウシなどの哺乳類を意味する。
【0053】
本発明において、「投与」とは、任意の適切な方法で個体に所定の本発明の複合体を提供することを意味する。
【0054】
本発明の一実施例において、金ナノ粒子にIgG Fcドメイン特異的なアプタマーを結合した抗体伝達体(AuNP-AptIgG)およびFITC特異的なアプタマーを結合した抗体伝達体(AuNP-AptFITC)を製造し(実施例2を参照)、前記AuNP-AptIgGによる抗体の細胞内伝達能(実施例3を参照)およびAuNP-AptFITCによる抗体の細胞内伝達能(実施例4を参照)を確認した結果、前記抗体伝達体AuNP-AptIgGおよびAuNP-AptFITCにより抗体が細胞内に効果的に伝達されたことを確認した。
【0055】
本発明の他の実験例において、AuNP-AptIgG-BRAFV600E複合体を用いてBRAFV600E抗体をSK-MEL2細胞株およびBRAF突然変異(BRAFV600E)細胞株A2058、Malme-3Mに伝達した結果、前記A2058、Malme-3Mヒト皮膚がん細胞株において細胞生存能が減少することを確認して、金ナノ粒子-アプタマー-抗体複合体が細胞治療剤として用いられることを確認した(実施例5を参照)。
【0056】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかしながら、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
【0057】
実施例1.実験方法
1-1.動物細胞培養(mammalian cell culture)
HeLa(ヒト子宮頸がん)細胞は、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)で培養し、A549(ヒト扁平上皮がん)細胞は、2.5mM HEPES(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸)バッファーを含むRPMI-1640培地で培養した。また、Human melanoma細胞であるMalme-3M、SK-MEL-2細胞は、RPMI-1640培地で培養し、A2058細胞は、ダルベッコ変法イーグル培地で培養した。すべての培地は、10% 加熱不活性化したウシ胎児血清(Caisson,USA)および1%ペニシリン-ストレプトマイシン(Welgene,Korea)を含む。
【0058】
1-2.金ナノ粒子-アプタマー-抗体複合体の製造
金ナノ粒子-アプタマー結合体は、二次構造の形成を防止するために、80℃で5分間プレインキュベートさせた。その後、前記金ナノ粒子-アプタマー結合体(AuNP-AptIgG)(1nM)およびモノクローナル抗体を5mM MgCl(pH7.2)が含まれた1x PBSで常温で10分間反応させ、以後、13,000xgで遠心分離後、上澄み液を除去した。これから製造されたAuNP-AptIgG-antibody複合体は、500mM NaClおよび1M KClが追加されたTBSTを使って洗浄した。
【0059】
1-3.共焦点顕微鏡を用いた金ナノ粒子-アプタマー結合体による抗体伝達能の分析
細胞内への抗体伝達を観察するために、リシンコーティングされた10mmカバースリップ(cover slip)上で培養された細胞に金ナノ粒子-アプタマー-抗体複合体(AuNP-AptIgG-antibody complex)を処理した後、1時間培養した後、4%パラホルムアルデヒド(paraformaldehyde)(Sigma,USA)で固定させた。次に、共焦点顕微鏡(laser scanning confocal microscopy)(Carl Zeiss ZEN 2011,Germany)を用いてFITC(490nm excitation,525nm emission)およびAlexa546(556nm excitation,573nm emission)蛍光を探知した。
【0060】
1-4.細胞生存能分析(Cell viability assay)
細胞株を96-wellプレートに接種し、細胞が付着するように一晩中培養した。以後、前記細胞を濃度を異ならせた(0、0.88、1.65および3.3nM)AuNP-AptIgG-BRAFV600Eと培養させ、細胞生存能を測定した(Yeom,J.H.et al.Inhibition of Xenograft Tumor Growth by Gold Nanoparticle-DNA Oligonucleotide Conjugates-Assisted Delivery of BAX mRNA.PLoS One 8,e75369(2013))。
【0061】
実施例2.金ナノ粒子-アプタマー結合体を用いた抗体伝達体の製造
モノクローナル抗体のFcドメインに結合するアプタマーを用いて抗体伝達体を製造し、その概略的な模式図は図1に示した。
【0062】
2-1.IgGアプタマーを用いた抗体伝達体(AuNP-AptIgG)の製造
(イ)DNAアプタマー前処理
本発明による抗体伝達体を製造するために、モノクローナル抗体のFcドメインを探知して、これに特異的に結合するIgG-アプタマー(IgG-aptamer)を使用した。より具体的に、前記IgG-アプタマーは、3’末端がチオール基で修飾されたアプタマーであって、5’-TAATACGACTCACTATAGCAATGGTACGGTACTTCCCCACTCACCGGGTACCTGCCGCTCCCAAAAGTGCACGCTACTTTGCTAAAAAAAAAAAA-3’(SH)(配列番号1)の塩基配列からなる。乾燥した前記DNAアプタマーを最終濃度が100μMになるように水に溶かした後、50μlのオリゴに10μlの1N DTT(dithiothreitol)を入れ、室温で15分間反応させた。所望しないチオール基分子を含むDTTを除去するために、エチルアセテート(Ethyl acetate)50μlを入れて混ぜた後、遠心分離して上澄み液を除去し、この過程を3回繰り返した。その後、エタノール沈殿法(EtOH precipitating method)を用いてアプタマーを沈殿させた。
【0063】
(ロ)金ナノ粒子とDNAアプタマーの結合
前記(イ)過程を通じて前処理して沈殿したIgG-アプタマーを水に溶かした後、これを金ナノ粒子に添加し、この際、金ナノ粒子(AuNP)として、英国BBI Life Scienceから購入したGold colloid-15nm(#EM.GC15)を使用した。
【0064】
具体的に、2nMの金ナノ粒子にアプタマーを入れ(DNA:AuNP=100:1)、十分に混ぜた後、最終濃度が10mMになるように、0.5Mクエン酸バッファー(pH3)を添加して混合した。室温で3~5分間反応させた後、反応が終わると、金の中和のために、最終濃度が30mMになるように、0.5MのHEPESバッファー(pH7.6)を入れ、室温で10分間反応させた。アプタマーと金の混合物は、~10,000xgで20分間遠心分離して集めた後、上澄み液にある未反応のオリゴを除去し、この過程を3回繰り返した。最終的な金ナノ粒子-アプタマー結合物は、5mMのHEPESバッファー(pH7.6)に入れて分散させた。
【0065】
2-2.FITCアプタマーを用いた抗体伝達体(AuNP-AptFITC)の製造
(イ)DNAアプタマー前処理
本発明による抗体伝達体を製造するために、蛍光トレーサーとして多用されるフルオレセインイソチオシアネート(FITC)と特異的に結合するFITC-アプタマー(FITC-aptamer)を使用した。より具体的に、前記FITC-アプタマーは、3’末端がチオール基で修飾されたアプタマーであって、5’-GGACGGCACCACGGTCGGATCCGTGAGTTGTGACAATTTAGCGGGTGGTATTAGAGCCTACTGCCACAGCAATAGGATCGATACAGATCTAAAAAAAAAA-3’(SH)(配列番号2)の塩基配列からなる。乾燥した前記DNAアプタマーを最終濃度が100μMになるように、水に溶かした後、50μlのオリゴに10μlの1N DTT(dithiothreitol)を入れ、室温で15分間反応させた。所望しないチオール基分子を含むDTTを除去するために、エチルアセテート(Ethyl acetate)50μlを入れて混ぜた後、遠心分離して上澄み液を除去し、この過程を3回繰り返した。その後、エタノール沈殿法(EtOH precipitating method)を用いてアプタマーを沈殿させた。
【0066】
(ロ)金ナノ粒子とDNAアプタマーの結合
前記(イ)過程を通じて前処理して沈殿したFITC-アプタマーを前記実施例2-1の(ロ)過程と同じ方法で金ナノ粒子に結合して、抗体伝達体(AuNP-AptFITC)を製造した。
【0067】
実施例3.AuNP-Apt IgG による抗体の細胞内伝達能の確認
3-1.共焦点顕微鏡分析
前記実施例2-1によって製造された金ナノ粒子-アプタマー結合体を用いて前記実施例1-2の方法で金ナノ粒子-アプタマー-抗体複合体を製造した。次に、金ナノ粒子-アプタマー-抗体複合体をHeLa細胞とA549細胞に処理した後、1時間培養した。培養後、PBSで洗浄した後、4%パラホルムアルデヒド(paraformaldehyde)で固定させ、固定させたサンプルを免疫染色(immunostaining)した後、共焦点顕微鏡(confocal microscope)で観察した。
【0068】
3-2.AuNP-AptIgGによる抗体の細胞内伝達能の確認
AuNP-AptIgGにモノクローナル抗体PARP1、VP6、NSD2、Aurora A、Pax5、Vimentin、Rock-1、Rock-2、RhoE、P53、Mcl-1、P50、BRAFを反応させて、金ナノ粒子-アプタマー-抗体複合体を製造した後、前記抗体がHeLa細胞およびA549細胞に伝達されるかを確認するために、二次抗体であるMouse-546(Red)で標識し、前記実施例3-1の方法で共焦点顕微鏡分析を実施した。
【0069】
その結果、図2aおよび図2bに示されたように、前記抗体がHeLa細胞(図2a)およびA549(図2b)細胞内に伝達されたことを確認できた。
【0070】
実施例4.AuNP-Apt FITC による抗体の細胞内伝達能の確認
前記実施例2-2の方法で製造されたアプタマー-金ナノ粒子結合体(AuNP-AptFITC)とFITCで標識されたモノクローナル抗体IgG(FITC-IgG)を反応させて製造された金ナノ粒子-アプタマー-抗体複合体(AuNP-AptIgG-FITC-IgG)をヒト皮膚がん細胞株(Malme-3MおよびSK-MEL2)に処理して1時間培養した後、これを共焦点蛍光顕微鏡で観察した。この際、細胞は、40x水浸対物レンズ(water immersion objective)を使って視覚化した。
【0071】
その結果、図3に示されたように、FITC-IgG(Green)が細胞内で位置していることを確認して、IgGがヒト皮膚がん細胞株に伝達されたことを確認できた。
【0072】
実施例5.金ナノ粒子-アプタマー-抗体複合体による細胞生存能の評価
ヒト皮膚がん細胞株(A2058、SK-MEL2、およびMalme-3M)へのAuNP-AptIgG-BRAFV600Eの伝達による細胞生存能を前記実施例1-4の方法で測定した。ヒト皮膚がん細胞株の治療用ターゲット分子として使用されるBRAFV600E抗体をBRAF突然変異細胞株A2058、Malme-3MにAuNP-AptIgGを用いて伝達した結果、図4に示されたように、突然変異のない皮膚がん細胞株SK-MEL2に比べて細胞生存能が減少したことを確認できた。
【0073】
したがって、前記結果から、金ナノ粒子-アプタマー-抗体複合体は、細胞治療剤として利用可能なものと確認した。
【0074】
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で容易に変形が可能であることが理解できるだろう。したがって、前述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明による抗体伝達体は、アプタマーに伝達しようとする抗体を特異的に結合して細胞の核、細胞質だけでなく、ミトコンドリアに抗体を効果的に伝達できるところ、病気の診断または治療に有用に用いられるものと期待される。
図1
図2a
図2b
図3
図4
【配列表】
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