(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】ドア位置の決定方法
(51)【国際特許分類】
E05F 15/43 20150101AFI20230712BHJP
E06B 9/58 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
E05F15/43
E06B9/58 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019033366
(22)【出願日】2019-02-26
【審査請求日】2022-01-31
(31)【優先権主張番号】10 2018 104 314.7
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591144383
【氏名又は名称】マランテック アントリープス ウント シュトイエルングステヒニク ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】へールマン ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェーイェ ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ホルシュー マルク
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-182128(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02374985(EP,A2)
【文献】実開平02-062100(JP,U)
【文献】特開2004-332483(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0075863(US,A1)
【文献】特表2016-530493(JP,A)
【文献】特開平07-324565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
E06B 9/00- 9/92
H01H 35/00
H03K 17/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの移動可能なドア要素(50)と、前記ドア要素(50)を誘導するための少なくとも1本の走行レール(31,38,39)と、前記ドア要素(50)の自由移動経路を検出するための少なくとも1つの光バリア要素(10)と、を備えるドアシステムであって、
前記少なくとも1本の走行レール(31,38,39)は、切抜き(37)を有し、
前記少なくとも1つの光バリア要素(10)は、前記切抜き(37)にまたは前記切抜き(37)の中に留められ
ており、
複数の光バリア要素(10)は、前記複数の切抜き(37)内に留められる別個の光バリア要素であり、
複数の光バリア要素(10)の各光バリア要素(10)は、
前記光バリア要素(10)が複数の切抜き(37)内に掛止可能とするラッチノーズを有し、
複数の光バリア要素(10)が、複数の切抜き(37)内に留められた後に、後続の作業工程においてのみ準備される接続を介して、前記複数の光バリア要素(10)の各々が前記ドアシステムのケーブルに接続されるように、前記光バリア要素(10)にドアシステムのケーブル(15)をクランプすると同時に、前記ケーブル(15)を前記光バリア要素(10)に接続するように構成されるクランプカバーを有する
ことを特徴とするドアシステム。
【請求項2】
請求項1に記載されたドアシステムにおいて、
前記切抜き(37)は、前記少なくとも1本の走行レール(31,38,39)を貫いて延びる貫通孔である
ことを特徴とするドアシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載されたドアシステムにおいて、
前記少なくとも1つの光バリア要素(10)は、主として、または、完全に、前記走行レール(31,38,39)における前記ドア要素(50)から離れた側部に配置されている
ことを特徴とするドアシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載されたドアシステムにおいて、
前記少なくとも1本の走行レール(31,38,39)は、その長さ方向に沿って、前記光バリア要素(10)を留めるための複数の切抜き(37)を有し、
前記複数の切抜き(37)は
、互いに等間隔に配置され、および/または、前記少なくとも1本の走行レール(31,38,39)の全長にわたって設けられていることを特徴とするドアシステム。
【請求項5】
請求項4に記載されたドアシステムにおいて、
複数の光バリア要素(10)は、前記走行レール(31,38,39)の各切抜き(37)に留められ
る
ことを特徴とするドアシステム。
【請求項6】
請求項5に記載されたドアシステムにおいて、
ライトグリッドを用いることによってより広域にわたって前記ドア要素(50)の自由移動経路を検出するように構成され、
前記ライトグリッドを生成する前記複数の光バリア要素(10)は、互いに離間し
、直列接続を介して共通のケーブルに接続される要素である
ことを特徴とするドアシステム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載されたドアシステムにおいて、
前記少なくとも1本の走行レールは、第1の走行レール(32)であり、
前記ドア要素(50)を誘導するための第2の走行レール(34)をさらに備え、
前記第1の走行レール(32)および前記第2の走行レール(34)は、前記ドア要素(50)における異なる側部に配置され、
前記
第1および第2の走行レール(32,34)の間に架け渡される表面は
、少なくとも1つのドア要素(50)によって覆うことができる開口部である
ことを特徴とするドアシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載されたドアシステムにおいて、
前記光バリア要素(10)は、投光バリア要素(33)および/または受光バリア要素(35)であり、2本の走行レール(32,34)が前記ドア要素(50)に対して互いに反対側に存在する場合、一方側の前記走行レール(32)に
は投光バリア要素(33)のみが存在し、他方側の前記走行レール(34)には対応する受光バリア要素(35)のみが存在する
ことを特徴とするドアシステム。
【請求項9】
請求項8に記載されたドアシステムにおいて、
対応する一対の投光バリア要素(33)および受光バリア要素(35)は、隣接する光バリア要素(10)と干渉しないようにするために、符号化された信号を用いる
ことを特徴とするドアシステム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載されたドアシステムにおいて、
前記ドア要素(50)における共通の側部には、第1の前側走行レール(65)と並んで後側走行レール(66)がさらに配置され、前記前側
走行レール(65)および後側走行レール
(66)は、
少なくとも1つのドア要素(50)の誘導を行い、
前記少なくとも1つの光バリア要素(10)は、前記前側走行レール(65)および前記後側走行レール(66)の両方に配置され、
前記前側
走行レール(65)および後側走行レール
(66)に配置される前記光バリア要素(10)は、共通ケーブルを介して接続される
ことを特徴とするドアシステム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載されたドアシステムにおいて、
前記少なくとも1本の走行レール(31,38,39)は、直線状に延び、および/または、アーチ部分を有する
ことを特徴とするドアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアの自由経路を確保するための少なくとも1つの光バリア要素を用いてドアの移動経路を確保するドアシステム、例えばガレージドア、産業用ドアシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
棒状のライトグリッドを設けることは、従来技術から知られている。例えば、上方から下方に移動し得るドアにおいては、ドアの両側または片側にほぼ垂直に配向されたライトグリッドを用いて、ドアの移動経路内に障害物が存在するか否かを確認する。障害物が存在する場合、ドア制御ユニットには、移動経路内に存在する障害物のため現在ドアを閉鎖できないことが伝達される。ここで、従来技術により知られているライトグリッドは、バー内に導入されてそこに固定して埋め込まれ、かつ互いに固定配置された複数の光バリア要素である。これらのバーは、通常、下方に向って閉方向に移動可能なドアの左右に配置されて留められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、さまざまな要望により、これらバーは、通常、3メートルに達する長さを有さなければならないというデメリットがある。例えば、フォークリフトトラックが通過する工業用ドアシステムでは、例えば必要とされるライトグリッドの長さが、法律によって規定されている。すると、このようなバーにおいては、輸送が特に問題となり、結果的に多数のバーが、目的地に到達する際には破損してしまうことが多い。
【0004】
多くの場合、バーをドアポストの一方側近くに取り付けられなければならないので、設置もかなり複雑である。しかしながら、この取付けは、構造上の特性によって常に可能であるとは限らないため、しばしば、補助構造を準備する必要があったり、ライトグリッドを最適ではない方法で(例えばドアから遠すぎる位置に)配置したりすることになる。また、棒状のライトグリッドを取り付けた後に、一方側に配置され、かつ投光する複数の素子を有する発光バーを、カウンター部材、つまり投光された光線を受光する受光バーに対して調整する必要がある。このことは、特に、すでに簡単に述べたような、通常生じる設置問題に関して、かなり大きな課題となっている。
【0005】
しかしながら、ライトグリッドの製造もかなり複雑である。バー内に配置された複数の光バリア要素は、互いに正確な位置合わせを要するが、そうでなければ、投光された光線を所望の通り平行に延ばすことができないからである。さらに、保護のためにバー内に配置された電子装置は多くの場合、大量の埋込用樹脂で密封されている。しかし、これは、例えば破損した要素が1つだけの場合であっても、光バリア要素を有するバーの修理ができないという結果となる。そのため、原則としてシステム全体が交換されることとなる。
【0006】
さらに、バー内に埋め込まれた個々の要素の数や間隔を特定のドアシステムに個別に適合させることはできず、大量生産され、その形で輸送可能なライトグリッドにおける間隔しか選択できないというデメリットも見出されている。ここで、製造業者として、かなり多くのさまざまな要望を満たそうとすると、結果的に、多数のバリエーションを製造し、在庫保持することが避けられなくなり、在庫および生産に関する典型的な問題が生じてしまう。
【0007】
棒状で入手可能なライトグリッドは、アーチ形で、下方に移動し得るドアシステムのドア要素としては不適切である。それは、直線状に延びるバー要素を用いてアーチ形状を追従するにはコストがかかり、実施が困難だからである。
【0008】
要するに、このようなライトグリッドの製造および設置には、原則としてかなりの資源浪費が伴うといえる。アルミニウム製のバーは、電子装置を設置するのにかなりの量の埋込用樹脂を有し、大量の設置材料を必要とし、寸法が非常に大きく設計が緻密であるため、輸送用に複雑かつ高価なパッケージングを要する。すでに上述したように、修理の際には、同様に通常、システム全体を交換する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上に挙げた問題は、請求項1に係る全ての特徴部を備えたドアシステムによって、部分的にまたは完全に解決される。
【0010】
すなわち、本発明によるドアシステムは、少なくとも1つの移動可能なドア要素と、ドア要素を誘導するための少なくとも1本の走行レールと、ドア要素の自由移動経路(free travel path)を検出するための少なくとも1つの光バリア要素(light barrier element)と、を備える。このドアシステムにおいて、少なくとも1本の走行レールは、切抜きを有し、少なくとも1つの光バリア要素は、切抜きに、または切抜きの中に(at or in a cut-out)留められることを特徴とする。
【0011】
これにより、走行レールの隣に棒状のライトグリッド要素を設ける必要がなくなる。光バリア要素は、むしろ、走行レール内または走行レールに直接設けられる。ここで、ドア要素の実際の移動経路に向けて少なくとも1つの光バリア要素を配置する際に、空間的ずれが全くあるいはほとんど生じないというメリットがある。したがって、ドア要素の移動経路内に障害物が存在するか否かが非常に高い確率で検出される。さらに、走行レールに光バリア要素用の切抜きを設けることによって、走行レール内で直線状に延びていないドア要素の移動経路、例えば、アーチ状の移動経路でさえも、走行レール内で互いに離間した複数の切抜きに複数の光バリア要素を設けることによって走行レールに沿って理想的に覆うことが保証される。したがって、棒状の直線的なライトグリッドへの切断による、直線状に延びていない走行レールへの面倒な近似を省略することができる。
【0012】
ここで、ドアシステムとしては、任意の所望のドアデザイン、特に巻き上げドアまたはオーバースライドドアを採用することができる。
【0013】
本発明の好ましい変形例によれば、少なくとも1本の走行レールにおける切抜きは、走行レールを貫いて延びる貫通孔である。走行レール内に、光バリア要素を留めるために設けられる切抜きが複数存在する場合には、それらの切抜きは、共通の平面上に配置される。したがって、換言すれば、全ての切抜きにおける開口面の法線ベクトルが、互いに平行であってもよい。
【0014】
さらに、少なくとも1つの光バリア要素は、主として、または、完全に、走行レールにおける前記ドア要素から離れた側部に配置されてもよい。ドア要素に面する走行レールの一側においては、通常、限られた空間のみが光バリア要素の配置に利用可能である。ドア要素に接続されるローラは、通常、走行レール内で誘導されるため、好適には、光バリア要素は、走行レールにおけるドア要素またはローラから離れた側部に配置される。
【0015】
本発明のさらなる付加的な変形例によれば、少なくとも1本の走行レールは、その長さ方向に沿って、光バリア要素を留めるための複数の切抜きを有し、複数の切抜きは、好ましくは互いに等間隔に配置され、および/または、少なくとも1本の走行レールの全長にわたって設けられている。これにより、光バリア要素の後の取付けとは独立して走行レールに切抜きを設けることができるため、その結果、走行レールを好適に生産することができる。必要に応じて、この目的に適した切抜き内に光バリア要素を固定するか、あるいは、この目的に適した切抜き上に光バリア要素を固定するかを、モジュール拡張として決定することができる。走行レール内に存在する全ての切抜きに対して必ずしも光バリア要素を設ける必要はないが、当然のことながら、少数の切抜きにのみ光バリア要素が設けられていてもよいことは、当業者にとって明らかである。したがって、床面積においてかなり高密度に光バリア要素を設ける必要があるドアシステムもあるが、この密度を床から離れるにつれ低下させてもよい。したがって、その床領域における特定の長手方向寸法に、走行レールの床から離れた部分における同じ長手方向寸法よりも、多くの光バリア要素を配置してもよい。
【0016】
本発明のさらなる発展形によれば、複数の光バリア要素は、走行レールの各切抜きに留められるとともに、ライトグリッドを用いることによってより広域にわたってドア要素の自由移動経路を検出する、としてもよい。これによれば、複数の光バリア要素が少なくとも1本の走行レールに留められるケースも、本発明に含まれる。ライトグリッドは、ドア要素の移動経路を覆う複数の光バリア要素によって生成される。
【0017】
本発明の選択的な変形例によれば、ライトグリッドを生成する複数の光バリア要素は、互いに離間し、かつ、直劣接続によって共通のケーブルに接続される要素である。
【0018】
これにより、ライトグリッドの生成時に特に高い柔軟性を達成できるが、それは、光バリア要素がその支配的な状況に合わせて走行レールにおける所望の点にのみ配置され、ケーブルを介して隣接する同じ走行レールの光バリア要素に直列接続されるからである。したがって、ライトグリッドは特に簡単な方法で生成することができるが、それは、互いに分離した光バリア要素を、必要に応じて、複数の切抜き上に、または、複数の切抜き内に留めることができ、その後、次々に共通のケーブルに接続できるからである。
【0019】
このケーブルは、例えば、それぞれの光バリア要素を動作させるために必要なエネルギーを供給でき、および/または、それぞれの光バリア要素の評価結果を伝送するデータラインを含んでいてもよい。これにより、その支配的な状況に可変的に適応できるモジュール設計可能なライトグリッドが生成される。付加的に、ケーブルは、複数の接続された光バリア要素の検出結果に応じてドアシステムを制御する制御ユニットに接続されてもよい。
【0020】
本発明のさらなる付加的な変形例において、ドアシステムは、ドア要素を誘導する第2の走行レールをさらに備え、第1の走行レールおよび第2の走行レールは、ドア要素における異なる側部に配置され、これら2本の走行レールの間に架け渡される表面は、好ましくは、少なくとも1つのドア要素によって覆うことができる開口部となっている、としてもよい。したがって、これら2本の走行レールは、ドア要素の両側で、そのドア要素を誘導するように機能する。これら2本の走行レールは、通常、上から下へ移動可能なドア要素において、床から直線状に突出するように配置されるが、通常、走行レールにおける床から離れた部分にアーチ形状を有していてもよい。第2の走行レールが上述した第1の走行レールと実質的に同じ特徴部を有してもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0021】
さらに、光バリア要素は、投光バリア要素および/または受光バリア要素であり、2本の走行レールがドア要素に対して互いに反対側に存在する場合、一方側の走行レールには投光バリア要素のみが存在し、他方側の走行レールには対応する受光バリア要素のみが存在してもよい。しかし、本発明は、投光機能および受光機能の両方が単一のハウジング内で一体化された、1つの光バリア要素によって実現されるケースも含む。
【0022】
本発明の他のさらなる発展形によれば、対応する一対の投光バリア要素および受光バリア要素は、隣接する光バリア要素と干渉しないようにするために、符号化された信号を用いる、としてもよい。さらに、受光バリア要素は、投光バリア要素によって投光され、かつ異なって符号化された複数の光パルスを受光するように構成するこができる。これにより、高密度なライトグリッドが好適に生成されるが、それは、ライトグリッドにおける個々のストラットが送受光対の間を通るだけでなく、1つの受光バリア要素から複数の投光バリア要素にまで到達するからである。
【0023】
さらに、本発明のさらなる付加的な発展形によれば、ドア要素における共通の側部には、第1の前側走行レールと並んで後側走行レールがさらに配置され、前側および後側走行レールは、少なくとも1つのドア要素の誘導を行い、少なくとも1つの光バリア要素は、前側走行レールおよび後側走行レールの両方に配置される、としてもよい。そして、特定の好適な移動経路を実現するために、例えば、ドア要素の下縁では、その上縁とは異なる走行レールによって誘導される、とすれば、ドア要素にとって有利となる。したがって、2本の走行レールは、通常「前後に」設けられ、互いに、好ましくは80cm未満、より好ましくは50cm未満、特に好ましくは30cm未満にわたって離間している。本発明によると、ライトグリッドは、「前側の」走行レールの切抜きから、「後側の」走行レールの切抜きにまで到達し得る。すると、前後に配置されたレールの光バリア要素を接続するケーブルは、一方の走行レールと協働する光バリア要素から、他方の走行レールと協働する光バリア要素まで至る。ここで、上記2本の走行レールは、請求項1における少なくとも1本の走行レールについて上述したものと実質的に同じ特徴部を有する。
【0024】
少なくとも1本の走行レールは、好ましくは、直線状に延び、および/または、アーチ部分を有する、としてもよい。したがって、上述した走行レールは、その全てが直線状のデザインであってもよいが、アーチ部分を有していたり含んでいたりしてもよい。走行レールは、異なる形状を有する部分を複数組み合わせて構成することもできる。
【0025】
さらに、本発明のさらなる発展形によれば、少なくとも1つの光バリア要素は、該光バリア要素を走行レールの切抜き内に掛止可能なラッチノーズを有し、および/または、少なくとも1つの光バリア素子は、ケーブル、特に多芯ケーブルをクランプすると同時に、該ケーブルを光バリア要素に接続するように構成されたクランプカバーを有する、としてもよい。ここで、このケーブルは、走行レールに配置された複数の光バリア要素の直列接続を実現するのに用いることができる。
【0026】
本発明は、さらに上述の変形例の1つに記載された構成されたドアシステムにおいてドア位置を決定する方法に関する。この方法は、少なくとも1つの光バリア要素について、ドア要素から解放されているか、ドア要素によって覆われているかのいずれかの状態を検出する工程を備え、この工程において、光バリア要素の状態が変化する際に、光バリア要素の配置位置がドア要素の閉縁部(closing edge)に一致し、この情報に基づいてドア制御がドア位置を決定する。
【0027】
前記方法のさらなる発展形において、光バリア要素が解放状態の場合、ドア要素は、光バリア要素の状態が変化するまでの期間にわたって閉方向に移動し、または、光バリア要素が覆われた状態の場合、ドア要素は、光バリア要素の状態が変化するまでの期間にわたって開方向に移動し、光バリア要素の状態が変化する際に、光バリア要素の配置位置がドア要素の閉縁部に一致し、この情報に基づいてドア制御がドア位置を決定する。
【0028】
さらなる発展形において、ドアシステムは、第1光バリア要素と第2光バリア要素とを有し、ドアシステムの通常の閉手順において、第2光バリア要素は、第1光バリア要素より以前に、解放状態から覆われた状態に変化し、第1および第2光バリア要素が解放状態の場合、ドア要素は、第2光バリア要素の状態が変化するまでの期間にわたって閉方向に移動し、第1および第2光バリア要素が覆われた状態の場合、ドア要素は、第1光バリア要素の状態が変化するまでの期間にわたって開方向に移動し、第1光バリア要素が解放状態でかつ第2光バリア要素が覆われた状態の場合、ドア要素は、第1光バリア要素の状態が変化するまでの期間にわたって閉方向に移動する、または、ドア要素は、第2光バリア要素の状態が変化するまでの期間にわたって開方向に移動する、としてもよい。
【0029】
本発明のさらなる特徴部、効果および詳細は、図面の下記説明を参照して説明されよう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、走行レールと、そこで誘導されるガイド要素とを備えるドアシステムの部分図である。
【
図2】
図2は、走行レールが紙面と垂直に配置されるドアシステムの部分図である。
【
図3】
図3は、光バリア要素が設置される際のドアシステムの正面図および側面図である。
【
図4】
図4は、光バリア要素が設置されたドアシステムの正面図および側面図である。
【
図5】
図5は、部分的に設置された状態にあるドアシステムのための走行レールの側面図である。
【
図6】
図6は、光バリア要素を備えるアーチ状の走行レールの側面図である。
【
図7】
図7は、前後に配置された2本の走行レールの側面図であり、走行レールのうち1つはアーチ部分を有し、ライトグリッドは、2本の走行レールにわたって延びる複数の光バリア要素を有する。
【
図8】
図8は、複数の光バリア要素を有する2本の走行レールを示す図である。
【
図9】
図9は、光バリア要素の基本的な概略図である。
【
図10】
図10は、光バリア要素を走行レールに留める方法を説明するための図である。
【
図11】
図11は、光バリア要素を走行レールに留める他の配置方法を示す図である。
【
図12】
図12は、走行レールに留められた光バリア要素を示す図である。
【
図13】
図13は、走行レールの切抜き内に留められ、ケーブルに接続された光バリア要素を示す図である。
【
図14】
図14は、光バリア要素の走行レールの切抜き内への他の留める方法を示す図である。
【
図15】
図15は、走行レールの切抜きの代わりに留められた光バリア要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明におけるドアシステムの部分図を示す。ドアシステムは、ここでは、
図1の左側に、ドアセグメント(ドア要素ともいう)50を誘導する走行レール39を有する。ここで、ドアセグメント50の誘導は、走行レール39のプロファイルに受容されるローラ51を介して走行レール39内で実行することができる。走行レール39におけるドアセグメント50から離れた側部には、走行レール39におけるドアセグメント50に面する側部に向って光線55,57を出射する複数の個々の光バリア要素10が配置されている。複数の光バリア要素10は、ここでは、各光バリア要素10にエネルギーを供給しかつ必要に応じて制御ユニットにデータラインを提供するために、リボンケーブル15によって互いに直列に接続される。さらに、
図1が示すように、複数の光バリア要素10同士の距離は、走行レール39の長さ方向において同じである必要はなく、異なっていてもよい。この場合、光バリア要素10同士の距離は、走行レール39の床領域(floor region)においては、走行レール39における床領域から離れた部分よりも近くなっている。
【0032】
この場合、本発明の可能な変形例として示すように、光バリア要素10から出射される光は、ドアセグメント50のローラ51が、各光バリア要素10の高さ位置に配置されるときにのみ、遮断される。したがって、光線57の遮断のみが実行され、光線55は遮断されない。しかしながら、本発明はまた、光線55,57のうち後者の光線57が、関連する光バリア要素10の高さ位置にあるときに、ドアセグメント50によって遮られるという思想を含む。しかしながら、ドアセグメント50のドア下縁52の高さ位置は、通常、走行レール39における最も下側のローラ51の高さ位置に相当するため、
図1に従って実施される実施形態では、ドアの移動経路を追跡することもできる。
【0033】
図2は、下方に移動するドアセグメント50について、ドアシステムを下方から見た図である。ドア用の走行レール31は、ここでは、
図2の紙面から外側に延びている。本発明の効果を簡単に説明できるように、本発明に係る光バリア要素10に加えて、従来のライトグリッド61、62も図示されている。従来のライトグリッド61、62(または、従来のライトグリッド61、62における光バリア要素)は、ドアセグメント50用の走行レール31に直接取り付けることはできない。例えば、従来のライトグリッド61、62が横方向にオフセットして配置されているがために、ドアセグメント50の移動経路内に存在する障害物67が認識されないことが起こり得る。例えば、そこから発光される光線64とともにライトグリッド62を見れば、障害物67が検出されないことは明らかである。ここで、制御が、ライトグリッド62からの信号のみに依る場合、ドアセグメント50と障害物67とが衝突することになろう。偶然、正しい側に配置されたライトグリッド61のみが、ここで光線63が遮断されたことによって障害物67を検出することになる。したがって、障害物67の検出率は、本発明に係る実施形態と比較して著しく低い。ここで、本発明に係る光バリア要素10の光線は、ドアセグメント50が誘導される走行レール31の切抜きを通過する、および/または、その切抜きに対して垂直に伝搬する。したがって、ドアセグメント50の移動経路内に配置される障害物67を、より確実に検出することができる。ホルダ60によって走行レール31から離間した従来のライトグリッド61、62は、走行レール31に対してオフセットして配置されているため、障害物67の確実な検出が保証することができない。
【0034】
図3は、左側にドアシステムの一部の平面図を示し、右側は側面図である。互いに対応する図は、走行レール39における切抜き37上への、または、その切抜き37内への、各光バリア要素10の設置手順を示す。従来技術とは異なり、もはや、従来のライトグリッドを複雑な方法で走行レール近傍に設置する必要はない。本発明では、むしろ、走行レール39の切抜き37内に、各光バリア要素10を直接取り付けることができる。対応する切抜き37内に光バリア要素10を留めた後、切抜き37内に配置された複数の光バリア要素は、順次、共通のケーブル15に接続される。したがって、ライトグリッドは、簡素に現場で形成可能となり、個々の状況における要件に合わせて走行レール39上に、または走行レール39内に形成され得る。ここでは、光バリア要素10が、単体で供給可能であるとともに、特定のドアシステムのそれぞれの要件に応じて、個別に設けられた切抜き39内に差し込むことができるというメリットがある。したがって、従来技術から知られているドアシステム用のライトグリッドを設ける際のデメリットは、完全に解消される。本発明に係るライトグリッドの作成は、特にシンプルである。なぜなら、走行レール39における所望の切抜き37内に光バリア要素10を取り付けた後では、ケーブル15への光バリア要素10の接続は、後続の作業工程において、異なる光バリア要素10間でのみ行われるからである。
【0035】
図4は、光バリア要素1が、それらの対応する切抜き37内に導入されたり、または、その切抜き37に留められたりした結果、順次、ケーブル15に接続されること以外については、
図3と同様である。
【0036】
図5は、複数の切抜き37(例えば走行レール38において予め打ち抜かれた開口部)を有する走行レール39の側面図を示す。製造者によって予め固定用開口部37が与えられた走行レール38が入手可能であり、それによって走行レール38は、設置材料25、26に螺合される。本発明のさらなる発展形によれば、切抜き37は、走行レール38を留めるのに必要な間隔よりも短い間隔(例えば、40cmではなく10cmの間隔)で配置される。こうして、設置材料25、26または光バリア要素のいずれかが、切抜き37と協働することができる。これにより、ドア製造業者の製造プロセスは、走行レール38の製造時に実質的に簡略化され、顧客は、光バリア要素10をかなり柔軟に利用することができる。したがって、切抜きは、光バリア要素10を受容または固定する機能ばかりでなく、走行レール38自体を設置するための固定手段25、26と協働する機能も果たす。
【0037】
図6は、上側部分がアーチ状であり、かつ本発明に係るライトグリッドが設けられた走行レール38の側面図である。ここでは、ほとんどの光バリアは、通常、直線棒状で供給されることが好適であるが、そのために、ドアまたは走行レールの湾曲に適合させることができない。しかし、本発明によれば、そうした湾曲に適合させることが可能となる。それは、個々の光バリア要素10、および、走行レール38の切抜き37上でのまたは切抜き37内への光バリア要素の配置により、このように形成されて走行レールを追従し得るライトグリッドを、所望の通り延出させることができるからである。したがって、走行レール38の湾曲は、最適に追従され得る。従来の光バリア要素をピース毎に直線状に配置する際に生じるような大きな間隔は存在しなくなる。
【0038】
図7は、ドアシステムの側部に沿って複数の走行レール65、66が設けられたドアシステムの側面図を示す。つまり、ドアシステムのドアセグメント(図示せず)と協働可能な前側走行レール65と後側走行レール66が存在する。ドアシステムの多くの構成において、2本の走行レールを前後に配置することが必要となるため、好適には、ライドグリッドを有する2本の走行レールの間で変化することにもなる。これは、従来のライトグリッドでは実現できない。しかし、本発明では、追加の作業を伴うことなく、前側走行レール65における光バリア要素10を、例えば、後側走行レール66にわたって分配することができ、そのことで、個々の光バリア要素が一方および他方の両走行レール内に配置されたライトグリッドが生成される。これにより、前後に配置された走行レール65、66にわたって、光バリア要素10を最適に分配することができる。
【0039】
図8は、第1のドアにおける2本の走行レール31を示し、その左側には、第2のドアにおけるさらなる走行レールが示されている。ここで、投光バリア要素33は、第2の走行レール34における対応する受光バリア要素35に対応する、第1の走行レール32内に配置してもよい。したがって、一方側、例えば走行レール32の側部には投光バリア要素33のみが配置され、他方側、例えば走行レール34の側部には受光バリア要素35のみが配置される。さらに、ここで各投光バリア要素33は、対応する受光バリア要素35によって一意的に認識されて評価される固有の符号化信号を伝送してもよい。さらに、第1のライトグリッド53の光線58が互いに符号化されるだけでなく、第1のライトグリッド53の光線58も同様に、他のライトグリッド54に対して符号化されたり、他のライトグリッドの光線59に対して符号化されたりしてもよい。したがって、ドアが互いに隣り合って接近して配置されても、誤検出が発生しない。
【0040】
図9は、特に簡単な方法で走行レール38、39の切抜き37と協働可能な光バリア要素10の可能な実施形態を示す。光バリア要素10は、ここでは、埋込可能なヒンジ11を介して、光バリア要素の主ハウジングに接続されるカバー12を有する。カバー12は、ここでは、ヒンジ11から離れた部分に留められるカバーフック13を有する。カバーフック13用の対応するラッチ16は、光バリア要素10の主要素に存在する。カバーの閉状態において、リボンケーブル15用の収容部14が設けられており、その収容部13内に位置するリボンケーブル15は、カバー12が係止状態のとき収容部14に留められて光バリア要素10と接触する。したがって、収容部14内には、カバー12のラッチ上でリボンケーブル15に挿入され、かつリボンケーブル15における対応するワイヤまたは複数のワイヤと接触するコンタクトピンが設けられる。これにより、互いに離間して配置される光バリア要素10を、特に簡素かつ迅速に接続することができる。走行レールの一方側から導入され、走行レールの他方側に突出するいわゆる下部18が、光バリア要素10においてカバー部分から離れた部分に位置する。光バリア要素10を可能な限り簡素に走行レールにおける切抜きに接続するために、走行レールの切抜きへの光バリア要素10の掛止に用いられるラッチ要素17も、そこに存在する。
【0041】
図10は、ドアシステムの走行レール31における光バリア要素の設置について、より詳細な実施形態を示す。ここで、矢印は作業工程を表し、それらの工程では、好適な実行順序が、以下のように再現される。第1の工程20では、光バリア要素10は、走行レール31に接続される必要がある。その目的のために、光バリア要素の下部にラッチノーズが設けられるとともに、そのラッチノーズが、走行レール31の開口部37内に係止される。第2の工程21において、リボンケーブル15は、光バリア要素における収容部内に配置され、その後、第3のステップ22において、光バリア要素10のカバー12が閉状態となり、リボンケーブル15と光バリア要素10との間に電気的な接続が確立される。
【0042】
図11は、光バリア要素10を走行レール31の開口部37内に係止するための第1の作業工程20を再び示す。
【0043】
図12は、走行レール31に接続され、かつ光バリア要素10から光線30が出射されるように配置された状態にある光バリア要素10を示す。この図においては、光バリア要素の大部分が、走行レール31におけるドア要素から離れた側部に配置されているとともに、光バリア要素における空間的により小さな部分が、走行レール31におけるドア要素に面する側部に配置されていることが理解されよう。これは、走行レール31内で誘導されるローラが多くの空間を占めるため、通常、光バリア要素10を配置するのに十分な空間が、走行レール31には残らないためである。
【0044】
図13は、走行レール31の切抜き内に配置された状態にある光バリア要素10を示している。ここでは、光バリア要素10のカバーは閉位置にあり、これにより、挟持されたリボンケーブルが、光バリア要素10に対して電気的に接続される。
【0045】
図14は、光バリア要素10を切抜き37に留めるための他の方法を示している。光バリア要素10が、切抜き内に固定可能なだけでなく、切抜き上に、または、走行レール31のプロファイル内またはプロファイル上にも固定可能であることは、当業者にとって明らかである。これは、例えば、光バリア要素10用の図示されたホルダ36を用いることで可能となる。矢印は、ここでも作業工程に対応しており、以下に示されるように、それら工程の好適な実行順序に対応している。光バリア要素10は、第1の工程23によってホルダ36内に圧入される。続いて、光バリア要素10を保持するホルダ36は、走行レール31において予め打ち抜かれた開口部とすることができる切抜き37に圧入されたり、この切抜き37に引っかけられたりする。
【0046】
次に、ホルダ36を介して切抜き37に光バリア要素10を留めた結果は、
図15から見て取れよう。この場合、光線10は、走行レール31におけるドア要素(図示せず)に面する側部上の切抜きを貫通する。したがって、この図では、光バリア要素10は、完全に走行レール31の後方に設置されるが、これは、ローラが例えば、ドアの側部にはセンサを配置するための空間を僅かしか残さないためである。
【符号の説明】
【0047】
10 光バリア要素
31 走行レール
32 第1の走行レール
33 投光バリア要素
34 第2の走行レール
35 受光バリア要素
37 切抜き
38 走行レール
39 走行レール
50 ドア要素
65 前側走行レール
66 後側走行レール