(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】流体処理装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20230712BHJP
A61L 2/08 20060101ALI20230712BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20230712BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20230712BHJP
C02F 1/32 20230101ALI20230712BHJP
C02F 1/72 20230101ALI20230712BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L2/08 110
A61L9/16 F
A61L9/20
C02F1/32
C02F1/72 101
(21)【出願番号】P 2019098517
(22)【出願日】2019-05-27
【審査請求日】2022-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】越智 鉄美
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-060356(JP,A)
【文献】特開2012-152107(JP,A)
【文献】特開2011-159515(JP,A)
【文献】特表2005-526616(JP,A)
【文献】特開2007-069101(JP,A)
【文献】特開2003-070885(JP,A)
【文献】特開2019-079765(JP,A)
【文献】国際公開第2013/024897(WO,A1)
【文献】特開2018-143660(JP,A)
【文献】国際公開第2018/016116(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/08、2/10、9/16、9/20
C02F 1/32、1/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象となる流体の流れ方向に凹となる谷間が形成されるように折り曲げられたフィルタと、
前記フィルタの前記谷間に向けて紫外光を出射する光出射面を有し、前記光出射面の少なくとも一部が前記谷間に位置するように配置される光照射装置と、を備え、
前記フィルタの前記谷間は、前記流れ方向と直交する第1方向に延在し、
前記光出射面は、前記谷間に沿って前記第1方向に延在し、
前記光照射装置は、前記第1方向に延在する角柱形状を有し、前記光出射面を有する導光部と、前記導光部の前記第1方向の両端の少なくとも一方に設けられ、前記導光部の内部に向けて前記紫外光を出射する半導体発光素子と、前記導光部に沿って前記第1方向に延在し、前記導光部の内部を透過する前記紫外光を前記光出射面に向けて反射させる反射部と、前記反射部の裏側において前記流れ方向とは逆向きに凸となる突起部とを含む照射ユニットを備え、
前記導光部の内部を透過する前記紫外光が前記光出射面から前記フィルタの前記谷間に向けて出射されることを特徴とする流体処理装置。
【請求項2】
処理対象となる流体の流れ方向に凹となる谷間が形成されるように折り曲げられたフィルタと、
前記フィルタの前記谷間に向けて紫外光を出射する光出射面を有し、前記光出射面の少なくとも一部が前記谷間に位置するように配置される光照射装置と、を備え、
前記フィルタの前記谷間は、前記流れ方向と直交する第1方向に延在し、
前記光出射面は、前記谷間に沿って前記第1方向に延在し、
前記光照射装置は、前記第1方向に延在する三角柱形状を有し、前記光出射面を有する導光部と、前記導光部の前記第1方向の両端の少なくとも一方に設けられ、前記導光部の内部に向けて前記紫外光を出射する半導体発光素子と、前記導光部に沿って前記第1方向に延在し、前記導光部の内部を透過する前記紫外光を前記光出射面に向けて反射させる反射部と、前記反射部の裏側において前記流れ方向とは逆向きに凸となる突起部とを含む照射ユニットを備え、
前記導光部の内部を透過する前記紫外光が前記光出射面から前記フィルタの前記谷間に向けて出射されることを特徴とする流体処理装置。
【請求項3】
前記光出射面は、前記流れ方向と直交する方向に前記フィルタと重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1
または2に記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記突起部は、前記流れ方向に流線形状となるように構成される、請求項1から
3のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項5】
前記フィルタは、前記流れ方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向に並ぶ複数の谷間が形成されるように折り曲げられており、
前記光照射装置は、前記複数の谷間のそれぞれに向けて紫外光を出射する複数の前記照射ユニットを備え、複数の前記照射ユニットのそれぞれの光出射面の少なくとも一部が対応する谷間に位置するように配置されることを特徴とする請求項1から
4のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項6】
前記光照射装置は、前記フィルタに向けて波長280nm以下の第1紫外光を照射する第1光照射装置であり、
前記フィルタを挟んで前記第1光照射装置の反対側から前記フィルタに向けて波長320nm以上の第2紫外光を照射する第2光照射装置をさらに備え、
前記フィルタは、前記第2紫外光により活性化される光触媒を含むことを特徴とする請求項1から
5のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体に紫外光を照射して処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタを用いて空気中に含まれるゴミを除去する空気清浄機が知られている。フィルタに紫外光を照射することで、フィルタに付着する細菌やウイルスを不活化し、清浄機能を高める技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体の浄化処理の分野において、フィルタに付着する細菌やウイルスをより効率的に不活化できることが好ましい。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的のひとつは、浄化効率を高めた流体処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の流体処理装置は、処理対象となる流体の流れ方向に凹となる谷間が形成されるように折り曲げられたフィルタと、フィルタの谷間に向けて紫外光を出射する光出射面を有し、光出射面の少なくとも一部が谷間に位置するように配置される光照射装置と、を備える。
【0007】
この態様によると、谷間が形成されるようにフィルタを折り曲げることにより、フィルタの比表面積を大きくして浄化性能を高めることができる。また、紫外光が出射される光出射面の少なくとも一部がフィルタの谷間に位置するように配置することで、フィルタの谷間に光出射面を近接させることができる。これにより、フィルタの谷間に付着する細菌やウイルスに強度のより高い紫外光を照射することができ、細菌やウイルスの不活化効率を高めることができる。
【0008】
光出射面は、流れ方向と直交する方向にフィルタと重なる位置に配置されてもよい。
【0009】
光出射面は、流れ方向に凸となる形状を有してもよい。
【0010】
光照射装置は、光出射面の裏側において流れ方向とは逆向きに凸となる突起部をさらに有してもよい。
【0011】
フィルタの谷間は、流れ方向と直交する第1方向に延在し、光出射面は、谷間に沿って第1方向に延在してもよい。
【0012】
光照射装置は、光出射面に沿って第1方向に延在する導光部と、導光部の第1方向の両端の少なくとも一方に設けられ、導光部の内部に向けて紫外光を出射する半導体発光素子とを含んでもよい。導光部の内部を透過する紫外光が光出射面からフィルタの谷間に向けて出射されるよう構成されてもよい。
【0013】
フィルタは、流れ方向および第1方向の双方に直交する第2方向に並ぶ複数の谷間が形成されるように折り曲げられてもよい。光照射装置は、複数の谷間のそれぞれに向けて紫外光を出射する複数の光出射面を有し、各光出射面の少なくとも一部が対応する谷間に位置するように配置されてもよい。
【0014】
光照射装置は、フィルタに向けて波長280nm以下の第1紫外光を照射する第1光照射装置であってもよい。フィルタを挟んで第1光照射装置の反対側からフィルタに向けて波長320nm以上の第2紫外光を照射する第2光照射装置をさらに備えてもよい。フィルタは、第2紫外光により活性化される光触媒を含んでもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、浄化効率を高めた流体処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態に係る流体処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【
図2】メインフィルタユニットの構成を概略的に示す平面図である。
【
図3】第1光照射装置の構成を概略的に示す平面図である。
【
図4】第1光照射装置の構成を概略的に示す平面図である。
【
図5】第1光照射装置の構成を概略的に示す断面図である。
【
図6】第2光照射装置の構成を概略的に示す平面図である。
【
図7】流体処理装置の動作を模式的に示す図である。
【
図8】別の実施の形態に係る流体処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0018】
図1は、実施の形態に係る流体処理装置10の構成を概略的に示す断面図である。流体処理装置10は、筐体11と、メインフィルタユニット12と、第1光照射装置13と、第2光照射装置14と、プレフィルタユニット15と、送風ファン16とを備える。流体処理装置10は、筐体11の内部空間を通過する流体(例えば空気)に含まれるゴミを後述するプレフィルタ52およびメインフィルタ22を用いて除去する。流体処理装置10は、メインフィルタ22に紫外光を照射することでメインフィルタ22に付着する細菌やウイルスを不活化し、メインフィルタ22に付着する有機物を分解する。すなわち、本実施の形態に係る流体処理装置10は、フィルタと紫外光照射を組み合わせて流体を浄化する。
【0019】
第1光照射装置13は、殺菌能力を有する200nm~280nmの波長範囲の第1紫外光(いわゆるUVC波)をメインフィルタ22に照射し、メインフィルタ22に付着する細菌やウイルスを不活化する。第2光照射装置14は、酸化チタン(TiO2)などの光触媒材料を活性化させる能力を有する280nm~380nmの波長範囲の第2紫外光(UVA波またはUVB波)をメインフィルタ22に照射する。メインフィルタ22には光触媒が含まれており、第2紫外光の照射により活性化した光触媒を用いて、メインフィルタ22に付着する有機物を分解する。
【0020】
筐体11は、処理対象となる流体の流れ方向(z方向)に延在する処理流路11cを区画する。処理流路11cの一端には吸入口11aが設けられ、処理流路11cの他端には排出口11bが設けられる。筐体11は、例えば、直方体形状を有し、流れ方向(z方向)に直交する第1方向(x方向)または第2方向(y方向)に向いた四つの側壁を有する。
図1には、y方向に向いた二つの側壁11d,11eが示されている。
【0021】
筐体11の材質は特に問わないが、紫外光に対する耐久性の高い材料であることが好ましい。筐体11は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)といったフッ素樹脂で構成することができる。筐体11は、処理流路11cを区画する内面のみがフッ素樹脂などの紫外光に対する耐久性の高い材料で構成され、内面以外の部分がフッ素樹脂以外の樹脂材料や金属材料で構成されてもよい。
【0022】
筐体11の内部には、吸入口11aから排出口11bに向けて順に、プレフィルタユニット15、第1光照射装置13、メインフィルタユニット12、第2光照射装置14および送風ファン16が配置されている。
【0023】
プレフィルタユニット15は、吸入口11a付近に設けられる。プレフィルタユニット15は、プレフィルタ枠50と、プレフィルタ52とを有する。プレフィルタ枠50は、矩形状のフレームであり、プレフィルタ52の外周に取り付けられる。プレフィルタ52は、メインフィルタ22よりも目が粗く、例えば、樹脂材料や金属材料の網で構成される。プレフィルタ52は、プレフィルタ枠50を介して筐体11の内側に固定される。プレフィルタユニット15は、矢印F1で示されるように吸入口11aから筐体11の内部空間(つまり、処理流路11c)に流入する空気に含まれるゴミのうち、例えば10μm以上の相対的に大きなゴミを除去する。
【0024】
メインフィルタユニット12は、処理流路11cの中央付近に設けられ、第1光照射装置13と第2光照射装置14の間に挟み込まれて筐体11の内側に固定されている。メインフィルタユニット12は、メインフィルタ枠20と、メインフィルタ22とを有する。メインフィルタ枠20は、矩形状のフレームであり、メインフィルタ22の外周に取り付けられる。メインフィルタ22は、プレフィルタ52よりも目が細かく、例えば、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)で構成される。メインフィルタ22は、プレフィルタユニット15を通過した空気に含まれるゴミのうち、例えば0.1μm以上または1μm以上の相対的に小さいゴミを除去する。
【0025】
メインフィルタ22は、プリーツ状に折り曲げられ、第1方向(x方向)に折り曲げ線が延在し、複数の山および谷が第2方向(y方向)に交互に並んでいる。メインフィルタ22は、流体の流入側に向けられる第1フィルタ面22aと、流体の流出側に向けられる第2フィルタ面22bとを有する。図示する例において、第1フィルタ面22aには四つの第1谷間23a,23b,23c,23d(総称して第1谷間23ともいう)が形成され、第2フィルタ面22bには三つの第2谷間24a,24b,24c(総称して第2谷間24ともいう)が形成されている。第1谷間23は、流体の流れ方向(+z方向)に凹となるように形成され、第1フィルタ面22aから見て谷となり、第2フィルタ面22bから見て山となる。第2谷間24は、流体の流れ方向と逆向き(-z方向)に凹となるように形成され、第1フィルタ面22aから見て山となり、第2フィルタ面22bから見て谷となる。
【0026】
図2は、メインフィルタユニット12の構成を概略的に示す平面図であり、第2フィルタ面22bの平面視を示す。
図1に示されるメインフィルタユニット12の断面は、
図2のA-A線断面に相当する。図示されるように、第2谷間24a,24b,24cは、第1方向(x方向)に延在している。同様に、第1谷間23a,23b,23c,23(ただし、第2フィルタ面22bを見た場合には山)も第1方向(x方向)に延在している。図示する例において、メインフィルタユニット12の第1方向(x方向)の寸法と第2方向(y方向)の寸法は同程度であり、例えば、200mm~300m程度である。また、第1谷間23の第2方向(y方向)の幅w1は、例えば40mm~70mm程度である。第2谷間24の第2方向(y方向)の幅も同様であり、例えば40mm~70mm程度である。
【0027】
メインフィルタ22は、酸化チタン(TiO2)などの光触媒を含む。光触媒材料は、メインフィルタ22の第2フィルタ面22bに担持され、第2光照射装置14からの第2紫外光により活性化される。
【0028】
図1に戻り、第1光照射装置13は、メインフィルタユニット12よりも流体の流れ方向の上流側に設けられ、例えば、メインフィルタユニット12に隣接して設けられる。第1光照射装置13は、メインフィルタ22の第1フィルタ面22aに第1紫外光を照射するよう配置される。第1光照射装置13は、第1枠体30と、複数の第1照射ユニット32a,32b,32c,32d(総称して第1照射ユニット32ともいう)とを含む。複数の第1照射ユニット32a~32dは、メインフィルタ22の複数の第1谷間23a~23dに対応する位置に配置され、対応する第1谷間23a~23dに向けて第1紫外光を照射する。図示する例では、四つの第1谷間23a~23dに対応するように、四つの第1照射ユニット32a~32dが配置される。
【0029】
複数の第1照射ユニット32a~32dは、後述する
図3~
図5に示されるように、第1方向(x方向)に延在し、その第1方向の両端において第1枠体30に取り付けられ、第1枠体30を介して筐体11の内側に固定される。複数の第1照射ユニット32a~32dは、第2方向(y方向)に間隔を空けて並べられており、隣合う第1照射ユニット32の間にはメインフィルタ22に向かう流体の通り道が設けられる。したがって、第1照射ユニット32の第2方向(y方向)の幅w2(
図3参照)は、第1谷間23の第2方向(y方向)の幅w1よりも小さい。第1照射ユニット32の第2方向の幅w2は、例えば第1谷間23の第2方向の幅w1の30%~70%程度であり、例えば半分程度である。第1照射ユニット32の第2方向の幅w2は、例えば20mm~50mm程度である。
【0030】
第1照射ユニット32は、第1光出射面36、第1導光部37、第1反射部38および第1突起部39を有する。第1光出射面36は、第1方向(x方向)に延在する第1導光部37の外表面である。第1光出射面36は、流体の流れ方向(+z方向)に凸となる曲面形状を有しており、例えば円筒面として構成される。第1光出射面36は、対応する第1谷間23に向けて突出し、第1光出射面36の少なくとも一部が対応する第1谷間23に位置する。言いかえれば、第1光出射面36の少なくとも一部は、メインフィルタ22と第2方向(y方向)に重なっている。これにより、第1光出射面36をメインフィルタ22の第1フィルタ面22aに近づけることができ、第1光出射面36から第1フィルタ面22aに照射される第1紫外光の強度をより高めることができる。第1フィルタ面22aから第1光出射面36までの距離は、例えば5mm~50mm程度である。
【0031】
第1導光部37は、第1光出射面36から出射される第1紫外光を透過する。第1導光部37は、例えば、UVC波の透過率が高い石英ガラス(SiO2)などで構成される。第1導光部37は、円柱を縦に半分に切断したような形状(例えば半円柱形状)を有する。第1反射部38は、第1導光部37の内部を透過する第1紫外光を第1光出射面36に向けて反射する。第1反射部38は、例えば、UVC波の反射率が高いアルミニウム(Al)の薄膜などで構成される。第1反射部38は、第1導光部37に沿って第1方向(x方向)に延在している。
【0032】
第1突起部39は、流体の流れ方向とは逆向き(-z方向)に凸となる形状を有し、光出射面36とは反対方向に突出している。第1突起部39は、メインフィルタ22に向かう流体の流れを整えるために設けられ、例えば流れ方向とは逆向き(-z方向)に第2方向(y方向)の幅が小さくなる流線形状となるよう構成される。第1突起部39は、第1光出射面36と連続する外表面を有するように構成されることが好ましい。第1突起部39の外表面は、平坦面で構成されてもよいし、凸曲面で構成されてもよいし、凹曲面で構成されてもよい。第1突起部39は、第1導光部37に沿って第1方向(x方向)に延在している。図示する例において、第1突起部39は、中実部材で構成されているが、第1突起部39が中空部材で構成されてもよい。第1突起部39は、流体の流れを整えるための外表面を少なくとも有していればよい。
【0033】
図3および
図4は、第1光照射装置13の構成を概略的に示す平面図である。特に、
図3は、第1光出射面36を見たときの平面図を示し、
図4は、反対側の第1突起部39を見たときの平面図を示す。
図5は、第1光照射装置の構成を概略的に示す断面図である。
図1に示される第1光照射装置13の断面は、
図3および
図4のA-A線断面に相当する。
図5に示される第1光照射装置13の断面は、
図3のB-B線断面に相当する。
【0034】
第1照射ユニット32は、第1発光ユニット33p,33q(総称して第1発光ユニット33ともいう)をさらに有する。第1発光ユニット33p,33qは、第1導光部37の第1方向(x方向)の両端面37p,37qにそれぞれ設けられる。なお、第1発光ユニット33は、第1導光部37の第1方向(x方向)の両端面37p,37qの一方のみに設けられてもよい。
【0035】
第1発光ユニット33は、第1半導体発光素子34と、第1レンズ35とを含む。第1半導体発光素子34は、いわゆるUV-LED(Ultra Violet-Light Emitting Diode)である。第1半導体発光素子34は、280nm以下の波長のUVC波を出力するよう構成され、例えば、殺菌効率の高い240nm~280nmの第1紫外光を出力する。第1半導体発光素子34は、例えば、発光層が窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)で構成されるAlGaN系LEDである。第1レンズ35は、第1半導体発光素子34から出射される広配光角(例えば120°~150°)の第1紫外光を平行化し、第1導光部37の内部で第1紫外光UV1が第1方向(x方向)に透過するようにする。ここで「平行化」とは、完全な平行光線を生成することに限られず、配光角を狭くした光線を生成することを意味してもよい。平行化された光線は、例えば10°~30°の配光角を有してもよい。第1レンズ35として、例えば全反射(TIR;Total Internal Reflection)レンズを用いることができる。
【0036】
第1導光部37の内部を第1方向(x方向)に透過する第1紫外光UV1は、多少の配光角(例えば10°~30°)を有するため、第1紫外光UV1の一部は第1反射部38に入射して反射される。第1反射部38にて反射された第1紫外光UV1は、第1光出射面36から外部に出射される。このとき、第1導光部37や第1反射部38の形状や光学特性を調整することで、第1光出射面36の全体からほぼ均一な光強度の第1紫外光UV1を出射させることができる。その結果、第1照射ユニット32は、第1光出射面36から第1紫外光UV1を出射する面発光装置として機能しうる。
【0037】
第1枠体30は、各第1照射ユニット32の第1突起部39と一体的に形成することができる。例えば、第1枠体30および第1突起部39は、樹脂材料や金属材料などにより一体成形される。第1枠体30および第1突起部39は、紫外光に対する耐久性の高い材料であることが好ましく、紫外光を透過しにくい材料で構成されることが好ましい。第1発光ユニット33、第1導光部37および第1反射部38は、第1突起部39に取り付けることができる。なお、第1枠体30と第1突起部39が別体として形成されてもよい。この場合、第1枠体30に第1導光部37が取り付けられ、第1導光部37に第1枠体30、第1反射部38および第1突起部39が取り付けられてもよい。
【0038】
図1に戻り、第2光照射装置14は、メインフィルタユニット12よりも流体の流れ方向の下流側に設けられ、例えば、メインフィルタユニット12に隣接して設けられる。第2光照射装置14は、メインフィルタ22の第2フィルタ面22bに第2紫外光を照射するよう配置される。第2光照射装置14は、第2枠体40と、複数の第2照射ユニット42a,42b,42c(総称して第2照射ユニット42ともいう)とを含む。複数の第2照射ユニット42a~42cは、メインフィルタ22の複数の第2谷間24a~24cに対応する位置に配置され、対応する第2谷間24a~24cに向けて第2紫外光を照射する。図示する例では、三つの第2谷間24a~24cに対応するように、三つの第2照射ユニット42a~42cが配置される。
【0039】
第2照射ユニット42は、上述の第1照射ユニット32と同様に構成される。複数の第2照射ユニット42a~42cは、第1方向(x方向)に延在し、その第1方向の両端において第2枠体40に取り付けられ、第2枠体40を介して筐体11の内側に固定される。複数の第2照射ユニット42a~42cは、第2方向(y方向)に間隔を空けて並べられており、隣合う第2照射ユニット42の間にはメインフィルタ22から送風ファン16に向かう流体の通り道が設けられる。第2照射ユニット42の第2方向の幅は、第1照射ユニット32の第2方向の幅w2と同程度であり、例えば20mm~50mm程度である。
【0040】
第2照射ユニット42は、第1照射ユニット32が設けられる位置から第2方向(y方向)にずれるように配置される。いいかえれば、第2照射ユニット42のそれぞれの第2方向(y方向)の中心位置は、第1照射ユニット32の第2方向(y方向)のそれぞれの中心位置から第2方向(y方向)にずれており、隣合う第1照射ユニット32の中間に第2照射ユニット42が配置される。
【0041】
第2照射ユニット42は、第2光出射面46、第2導光部47、第2反射部48および第2突起部49を有する。第2光出射面46は、第1方向(x方向)に延在する第2導光部47の外表面である。第2光出射面46は、流体の流れ方向と逆向き(-z方向)に凸となる形状を有する。第2光出射面46は、対応する第2谷間24に向けて突出し、第2光出射面46の少なくとも一部が対応する第2谷間24の内側に位置する。第2光出射面46の少なくとも一部は、メインフィルタ22と第2方向(y方向)に重なっている。第2フィルタ面22bから第2光出射面46までの距離は、例えば5mm~50mm程度である。
【0042】
第2導光部47は、第2光出射面46から出射される第2紫外光を導光する。第2導光部47は、例えば、UVA波またはUVB波の透過率が高い材料で構成される。第2導光部47は、第1導光部37と同様に石英ガラス(SiO2)で構成されてもよいし、ホウ珪酸ガラスなどの一般的なガラス材料で構成されてもよい。第2反射部48は、第2導光部47の内部を透過する第2紫外光を第2光出射面46に向けて反射させる。第2反射部48は、例えば、UVA波またはUVB波の反射率が高い材料の薄膜で構成される。第2反射部48は、第1反射部38と同様にAl膜で構成されてもよいし、他の金属材料で構成されてもよい。
【0043】
第2突起部49は、流体の流れ方向(+z方向)に凸となる形状を有し、第2光出射面46とは反対方向に突出している。第2突起部49は、メインフィルタ22から離れる流体の流れをと整えるために設けられ、例えば流線形状となるように構成される。第2突起部49は、第2光出射面46と連続する外表面を有するように構成されることが好ましい。第2突起部49の外表面は、平坦面で構成されてもよいし、凸曲面で構成されてもよいし、凹曲面で構成されてもよい。第2突起部49は、第2導光部47に沿って第1方向(x方向)に延在している。
【0044】
図6は、第2光照射装置14の構成を概略的に示す平面図であり、特に、第2光出射面46を見たときの平面図を示す。
図1に示される第2光照射装置14の断面は、
図6のA-A線断面に相当する。第2照射ユニット42は、第2発光ユニット43p,43q(総称して第2発光ユニット43もいう)をさらに有する。第2発光ユニット43は、第2導光部47の第1方向(x方向)の両端面47p,47qのそれぞれに設けられる。なお、第2発光ユニット43は、第2導光部47の第1方向(x方向)の両端面47p,47qの一方のみに設けられてもよい。第2発光ユニット43は、上述の第1発光ユニット33と同様に構成され、第2半導体発光素子44と、第2レンズ45とを含む。第2半導体発光素子44は、第1半導体発光素子34とは発光波長が異なり、280nm以上のUVA波またはUVB波を出力するよう構成される。第2半導体発光素子44は、例えば、酸化チタンの活性化効率の高い280nm~380nm程度の第2紫外光を出力する。第2半導体発光素子44の一例は、発光層が窒化ガリウム(GaN)または窒化インジウムガリウム(InGaN)で構成されるGaN系LEDであり、360nm付近の紫外光を出力する。第2レンズ45は、第2半導体発光素子44から出射される第2紫外光を平行化し、第2導光部47の内部で第2紫外光UV2が第1方向(x方向)に透過するようにする。第2導光部47の内部を透過する第2紫外光は、第2光出射面46から出射される。第2照射ユニット42は、第1照射ユニット32と同様、第2光出射面46から第2紫外光を出射する面発光装置として機能しうる。
【0045】
送風ファン16は、排出口11b付近に設けられ、処理流路11cの内部で流体が+z方向に流れるように動作する。処理対象となる流体が空気などの気体ではなく、水などの液体である場合には、送風ファン16の代わりにポンプを用いてもよい。
【0046】
図7は、流体処理装置10の動作を模式的に示す図である。第1光照射装置13を点灯させると、第1照射ユニット32からメインフィルタ22の第1フィルタ面22aに向けて第1紫外光が照射される。また、第2光照射装置14を点灯させると、第2照射ユニット42からメインフィルタ22の第2フィルタ面22bに向けて第2紫外光が照射される。送風ファン16をオンにすると、吸入口11aから排出口11bに向けて矢印Fで示されるように流体(例えば空気)の流れができる。
【0047】
吸入口11aから流入する流体は、プレフィルタユニット15を通過し、第1照射ユニット32の側方を通過してメインフィルタ22に向かう。メインフィルタ22の第1フィルタ面22aに向かう流体は、凸曲面で構成される第1光出射面36に沿って第1谷間23に入り込むように流れる。メインフィルタ22により除去されるゴミは、第1谷間23に溜まっていく。第1照射ユニット32は、第1谷間23に向けて第1紫外光を照射することにより、第1谷間23に溜まる細菌やウイルスを不活化する。これにより、メインフィルタ22を通過する流体から細菌やウイルスを効果的に不活化できる。
【0048】
第2照射ユニット42は、メインフィルタ22の第2フィルタ面22bに第2紫外光を照射し、第2フィルタ面22bに担持される光触媒を活性化する。光触媒の活性化により第2フィルタ面22bにはOHラジカルが発生し、メインフィルタ22を通過する流体に含まれる有機物分子などを分解させる。これにより、メインフィルタ22を通過する流体から有機物を効果的に除去できる。メインフィルタ22により浄化された流体は、送風ファン16を通過して排出口11bから外部に排出される。
【0049】
本実施の形態によれば、メインフィルタ22をプリーツ状に折り曲げることにより、平板状にフィルタを構成する場合よりもフィルタとして機能しうる比表面積を大きくできる。また、第1照射ユニット32がメインフィルタ22の第1谷間23に入り込むように配置されるため、細菌やウイルスが溜まりやすい第1谷間23に向けて高強度の第1紫外光を効率的に照射できる。これにより、細菌やウイルスの不活化能力を高めることができる。
【0050】
本実施の形態によれば、処理対象となる流体の流入側となる第1フィルタ面22aに第1紫外光を照射することで、メインフィルタ22により付着する細菌やウイルスを効果的に不活化できる。また、処理対象となる流体の流出側となる第2フィルタ面22bに光触媒を設けることで、メインフィルタ22により除去されずにメインフィルタ22を通過してしまう有機物分子を第2フィルタ面22bにて効果的に分解できる。これにより、流体の浄化能力を高めることができる。
【0051】
本実施の形態によれば、第1照射ユニット32および第2照射ユニット42を流体の流れを阻害しにくい流線形とすることで、アレイ状の第1照射ユニット32および第2照射ユニット42を配置することによる流量の低下を防ぐことができる。また、メインフィルタ22を通過する流体の流れを整えることで、メインフィルタ22の全体にわたって均一に流体が流れるようにすることができ、浄化能力を高めることができる。
【0052】
本実施の形態によれば、メインフィルタ22を挟んで流れ方向に対向する第1照射ユニット32および第2照射ユニット42がy方向にずれて互い違いに配置されるため、メインフィルタ22において流体が通過しやすい箇所と紫外光が照射される箇所を一致させることができる。仮に、第1照射ユニット32と第2照射ユニット42のy方向の位置が一致する場合、第1照射ユニット32および第2照射ユニット42を避けて流体が流れるため、メインフィルタ22において流体が通過しやすい箇所と紫外光が照射される箇所がy方向にずれてしまう。その結果、メインフィルタ22においてゴミが溜まりやすい箇所に高強度の紫外光が照射されなくなり、浄化能力が低下してしまう。一方、本実施の形態では、ゴミが溜まりやすい谷間に流体が入り込むように第1照射ユニット32および第2照射ユニット42が配置され、谷間に溜まるゴミに向けて紫外光を照射するため、浄化能力を高めることができる。
【0053】
図8は、別の実施の形態に係る流体処理装置110の構成を概略的に示す断面図である。流体処理装置110は、上述の実施の形態に係る流体処理装置10と同様に構成されるが、第1光照射装置113および第2光照射装置114の構成が相違する。具体的には、第1照射ユニット132a~132d(総称して第1照射ユニット132ともいう)の第1光出射面136が平坦面で構成され、第1光出射面136の反対側に第1突起部が設けられてない。同様に、第2照射ユニット142a~142c(総称して第2照射ユニット142ともいう)の第2光出射面146が平坦面で構成され、第2光出射面146の反対側に第2突起部が設けられてない。以下、流体処理装置110について、上述の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0054】
流体処理装置110は、筐体111と、メインフィルタユニット12と、第1光照射装置113と、第2光照射装置114と、プレフィルタユニット15と、送風ファン16とを備える。筐体111は、流体の流れ方向(z方向)の寸法が上述の実施の形態に係る筐体11よりも小さいが、それ以外は筐体11と同様に構成される。メインフィルタユニット12、プレフィルタユニット15および送風ファン16は、上述の実施の形態と同様に構成される。
【0055】
第1光照射装置113は、第1枠体130と、複数の第1照射ユニット132a~132dとを有する。第1照射ユニット132は、第1光出射面136と、第1導光部137と、第1反射部138と、第1支持部139とを有する。第1導光部137は、第1方向(x方向)に延在する角柱形状を有する。第1導光部137は、第1方向(x方向)に延在する四つの側面を有し、そのうち流れ方向(+z方向)に向いている一つの側面が第1光出射面136となる。第1反射部138は、第1導光部137の第1光出射面136とは反対側の側面に設けられる。第1光出射面136は、メインフィルタ22の第1谷間23に向けて突出しており、第1光出射面136の少なくとも一部が第1谷間23に位置する。
【0056】
第1支持部139は、第1導光部137に沿って第1方向(x方向)に延在し、第1導光部137を支持する。第1支持部139は、第1光出射面136とは反対側に突出しておらず、流れ方向(z方向)の厚みが小さくなるように構成されている。第1支持部139の第1方向(x方向)の両端は、第1枠体130に取り付けられている。第1照射ユニット132は、上述の実施の形態に係る第1発光ユニット33と同様に構成される第1発光ユニット(不図示)を有し、第1光出射面136から第1紫外光を出射する面発光装置として機能する。
【0057】
第2光照射装置114は、第2枠体140と、複数の第2照射ユニット142a~142cとを有する。第2照射ユニット142は、第2光出射面146と、第2導光部147と、第2反射部148と、第2支持部149とを有し、第1照射ユニット132と同様に構成される。第2導光部147は、第1方向(x方向)に延在する角柱形状を有する。第2導光部147は、第1方向(x方向)に延在する四つの側面を有し、そのうち流れ方向とは反対方向(-z方向)に向いている一つの側面が第2光出射面146となる。第2反射部148は、第2導光部147の第2光出射面146とは反対側の側面に設けられる。第2支持部149は、第2導光部147に沿って第1方向(x方向)に延在し、第2導光部147を支持する。第2支持部149の第1方向(x方向)の両端は、第2枠体140に取り付けられている。第2照射ユニット142は、上述の実施の形態に係る第2発光ユニット43と同様に構成される第2発光ユニット(不図示)を有し、第2光出射面146から第2紫外光を出射する面発光装置として機能する。
【0058】
本実施の形態においても、上述の実施の形態と同様の効果を奏することができる。本実施の形態では、第1突起部39および第2突起部49が設けられないため、整流機能が低下しうるが、流体の流れ方向の大きさを小さくして流体処理装置110を小型化できる。
【0059】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【0060】
さらなる実施の形態では、角柱状に形成される第1導光部137と、流線形状の第1突起部39を組み合わせて第1照射ユニットを構成してもよい。逆に、半円柱状に形成される第1導光部37と、流れ方向の厚みが小さい第1支持部139を組み合わせて第1照射ユニットを構成してもよい。さらなる実施の形態では、第1導光部37を三角柱状に形成し、第1光出射面36がV字状に構成されるようにしてもよい。なお、第2照射ユニットについても同様である。また、導光部などの構成が互いに異なる第1照射ユニットと第2照射ユニットを組み合わせて用いてもよい。
【0061】
さらなる実施の形態では、第1導光部37,137の光出射面36,136に溝(スリット)が形成されてもよい。光出射面36,136に形成されるスリットは、例えば、第1導光部37,137の長手方向と直交する方向に延びるように形成され、第1導光部37,137の長手方向に間隔を空けて複数形成される。光出射面36,136に形成されるスリットは、光出射面36,136から第1紫外光が出射されるのを助ける機能を有し、光出射面36,136から出射される第1紫外光の照度分布を均一化するように機能しうる。また、第2導光部47,147の光出射面46,146にも同様の溝(スリット)が形成されてもよい。
【0062】
さらなる実施の形態では、第1光照射装置13,113のみを使用し、第2光照射装置14,114を設けない構成としてもよい。この場合、メインフィルタ22には光触媒が含まれなくてもよい。また、メインフィルタ22は、複数のフィルタが積層されて構成されてもよい。例えば、HEPAフィルタなどで構成される第1メインフィルタと、光触媒材料で構成される第2メインフィルタとを流れ方向に重ねて配置してもよい。この場合、第1メインフィルタは第1フィルタ面22aを有し、流体の流入側に配置され、第2メインフィルタは、第2フィルタ面22bを有し、流体の流出側に配置される。
【0063】
さらなる実施の形態では、第2紫外光を照射するための第2光照射装置14,114をメインフィルタ22から離して配置してもよい。例えば、第2光照射装置14,114の第2光出射面46,146が第2谷間24に入り込まないようにしてもよい。言いかえれば、第1フィルタ面22aから第1照射ユニット32,132までの距離よりも、第2フィルタ面22bから第2照射ユニット42,142までの距離を大きくしてもよい。本願の出願時において、第1紫外光(UVC波)を出力する第1半導体発光素子に比べて、第2紫外光(UVA波やUVB波)を出力する第2半導体発光素子の出力パワーが大きいため、メインフィルタ22から第2光出射面46,146が離れていても光触媒の活性化に必要な光強度を得やすい。一方、第1紫外光(UVC波)を出力する第1半導体発光素子は、出力パワーが小さいため、メインフィルタ22の近くに第1光出射面36,136を配置することで、細菌やウイルスの不活化に必要な光強度が得やすくなる。なお、メインフィルタ22から第2光照射装置までの距離を大きくする場合、複数の第2谷間24に対応して第2照射ユニットを配置しなくてもよく、第2谷間24の数よりも少ない第2照射ユニットのみを配置してもよい。例えば、中央の第2谷間24bに対応する位置に一つの第2照射ユニット42bだけ配置することとし、左右の第2谷間24a,24cに対応する位置には第2照射ユニットを配置しないようにしてもよい。
【0064】
さらなる実施の形態では、第1光照射装置13,113がUVA波やUVB波を出力するよう構成されてもよい。また、第2光照射装置14,114がUVC波を出力するよう構成されてもよい。その他、第1光照射装置13,113および第2光照射装置14,114の少なくとも一方が、UVA波またはUVB波とUVC波の双方を出力するよう構成されてもよい。例えば、第1光照射装置13,113がUVA波とUVC波を出力するように構成する場合、第1発光ユニット33にUVA波を出力するためのGaN系LEDと、UVC波を出力するためのAlGaN系LEDの双方が搭載されてもよい。
【0065】
上述の実施の形態では、第1方向(x方向)に延在する導光部の両端に発光ユニットを設ける構成の光照射ユニットについて説明した。さらなる実施の形態では、導光部を設ける代わりに複数の半導体発光素子を第1方向(x方向)に並べて配置することにより光照射ユニットを構成してもよい。
【符号の説明】
【0066】
10…流体処理装置、13…第1光照射装置、14…第2光照射装置、22…メインフィルタ、22a…第1フィルタ面、22b…第2フィルタ面、23…第1谷間、24…第2谷間、32…第1照射ユニット、34…第1半導体発光素子、35…第1レンズ、36…第1光出射面、37…第1導光部、38…第1反射部、39…第1突起部、42…第2照射ユニット、46…第2光出射面、47…第2導光部、48…第2反射部、49…第2突起部。