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特許7312021ゲーミングシステム、ゲームの提供方法およびゲーミングシステム用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】ゲーミングシステム、ゲームの提供方法およびゲーミングシステム用プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20230712BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20230712BHJP
   A63F 13/85 20140101ALI20230712BHJP
【FI】
A63F13/80 F
A63F13/69
A63F13/85
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019104268
(22)【出願日】2019-06-04
(65)【公開番号】P2020195652
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】501405122
【氏名又は名称】コナミゲーミング インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 龍
【審査官】佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-023481(JP,A)
【文献】特開2009-045348(JP,A)
【文献】特開2009-045340(JP,A)
【文献】特開昭51-127845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仮想参加体が行う競技の結果をランダムに決定してプレイヤーに提供する制御ユニットと、
プレイヤーが予測する前記競技の結果を受け付けるとともに、前記制御ユニットからランダムに決定された前記競技の結果を受信し、前記プレイヤーが予測した競技の結果と前記受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典を付与するメインゲームを行う複数のゲーミングステーションとを備えるゲーミングシステムであって、
前記競技は、前記複数の仮想参加体がゴールに到着した順番を競うものであり、
前記制御ユニットは、前記競技の結果とは別に、前記競技の結果候補の一つをランダムに選択して前記複数のゲーミングステーションへ個別に付与し、
前記ゲーミングステーションは、一回のゲームについて前記付与された結果候補と前記受信した競技の結果とが一致している程度に応じて、プレイヤーに前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与するサイドゲームを行い、
前記競技の結果および前記結果候補は、いずれも前記競技に参加した仮想参加体の着順であるゲーミングシステム。
【請求項2】
複数の仮想参加体が行う競技の結果をランダムに決定してプレイヤーに提供する制御ユニットと、
プレイヤーが予測する前記競技の結果を受け付けるとともに、前記制御ユニットからランダムに決定された前記競技の結果を受信し、前記プレイヤーが予測した競技の結果と前記受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典を付与するメインゲームを行う複数のゲーミングステーションとを備えるゲーミングシステムでゲームを提供する方法であって、
前記競技は、前記複数の仮想参加体がゴールに到着した順番を競うものであり、
前記制御ユニットが、前記競技の結果とは別に、前記競技の結果候補の一つをランダムに選択して前記複数のゲーミングステーションへ個別に付与するステップと、
前記ゲーミングステーションが、一回のゲームについて前記付与された結果候補と前記受信した競技の結果とが一致している程度に応じて、プレイヤーに前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与するサイドゲームを行うステップとを
含み、
前記競技の結果および前記結果候補は、いずれも前記競技に参加した仮想参加体の着順であるゲームの提供方法。
【請求項3】
複数の仮想参加体が行う競技の結果をランダムに決定してプレイヤーに提供する制御ユニットと、
プレイヤーが予測する前記競技の結果を受け付けるとともに、前記制御ユニットからランダムに決定された前記競技の結果を受信し、前記プレイヤーが予測した競技の結果と前記受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典を付与するメインゲームを行う複数のゲーミングステーションとを備えるゲーミングシステムで実行されるプログラムであって、
前記競技は、前記複数の仮想参加体がゴールに到着した順番を競うものであり、
前記制御ユニットのコンピュータに、前記競技の結果とは別に、前記競技の結果候補の一つをランダムに選択して前記複数のゲーミングステーションへ個別に付与する機能を実現するプログラムと、
前記ゲーミングステーションのコンピュータに、一回のゲームについて前記付与された結果候補と前記受信した競技の結果とが一致している程度に応じて、プレイヤーに前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与するサイドゲームを行う機能を実現するプログラムと
を含み、
前記競技の結果および前記結果候補は、いずれも前記競技に参加した仮想参加体の着順であるゲーミングシステム用プログラム。
【請求項4】
複数の仮想参加体が行う競技の結果をランダムに決定してプレイヤーに提供する制御ユニットと、
プレイヤーが予測する前記競技の結果を受け付けるとともに、前記制御ユニットからランダムに決定された前記競技の結果を受信し、前記プレイヤーが予測した競技の結果と前記受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典を付与するメインゲームを行う複数のゲーミングステーションとを備えるゲーミングシステムであって、
前記競技は、前記複数の仮想参加体が得た得点を競うものであり、
前記制御ユニットは、前記競技の結果とは別に、前記競技の結果候補の一つをランダムに選択して前記複数のゲーミングステーションへ個別に付与し、
前記ゲーミングステーションは、前記付与された結果候補と前記受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与するサイドゲームを行い、
前記競技の結果および前記結果候補は、いずれも前記競技に参加した仮想参加体それぞれの得点であるゲーミングシステム。
【請求項5】
複数の仮想参加体が行う競技の結果をランダムに決定してプレイヤーに提供する制御ユニットと、
プレイヤーが予測する前記競技の結果を受け付けるとともに、前記制御ユニットからランダムに決定された前記競技の結果を受信し、前記プレイヤーが予測した競技の結果と前記受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典を付与するメインゲームを行う複数のゲーミングステーションとを備えるゲーミングシステムでゲームを提供する方法であって、
前記競技は、前記複数の仮想参加体が得た得点を競うものであり、
前記制御ユニットが、前記競技の結果とは別に、前記競技の結果候補の一つをランダムに選択して前記複数のゲーミングステーションへ個別に付与するステップと、
前記ゲーミングステーションが、前記付与された結果候補と前記受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与するサイドゲームを行うステップとを
み、
前記競技の結果および前記結果候補は、いずれも前記競技に参加した仮想参加体それぞれの得点であるゲームの提供方法。
【請求項6】
複数の仮想参加体が行う競技の結果をランダムに決定してプレイヤーに提供する制御ユニットと、
プレイヤーが予測する前記競技の結果を受け付けるとともに、前記制御ユニットからランダムに決定された前記競技の結果を受信し、前記プレイヤーが予測した競技の結果と前記受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典を付与するメインゲームを行う複数のゲーミングステーションとを備えるゲーミングシステムで実行されるプログラムであって、
前記競技は、前記複数の仮想参加体が得た得点を競うものであり、
前記制御ユニットのコンピュータに、前記競技の結果とは別に、前記競技の結果候補の一つをランダムに選択して前記複数のゲーミングステーションへ個別に付与する機能を実現するプログラムと、
前記ゲーミングステーションのコンピュータに、前記付与された結果候補と前記受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに前記第1の特典とは異なる第2の特典を付与するサイドゲームを行う機能を実現するプログラムと
を含み、
前記競技の結果および前記結果候補は、いずれも前記競技に参加した仮想参加体それぞれの得点であるゲーミングシステム用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーミングシステム、ゲームの提供方法およびゲーミングシステム用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーミングシステムの一種として、競走馬等を模した複数の模型がフィールド盤上を走行してレース結果やレース進行を再現するタイプのゲーミングシステムが知られている。このようなタイプのゲーミングシステムでは、一般的に、レース結果等を決定する制御ユニットと、制御ユニットが決定したレース結果等を再現するフィールドユニットと、プレイヤーをゲームに参加させるための複数のゲーミングステーションとを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したゲーミングシステムでは、メインゲームにおいて所定の条件を満たしたプレイヤーに対し、メインゲームの後にボーナスゲームを追加的に提供して、プレイヤーの興味を持続させることが考えられる。しかしながら、ボーナスゲームにおいて入賞配当を獲得できなかった場合または獲得した入賞配当が少額であった場合には、ボーナスゲームに費やした時間を無駄に感じ、プレイヤーのゲームに対する興味が低下し得る。
【0004】
本発明の種々の側面は、上記事情に鑑みてなされたものであって、プレイヤーの興味を持続ないしは向上させる新味のあるゲームを提供することができるゲーミングシステム、ゲームの提供方法およびゲーミングシステム用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面に係るゲーミングシステムは、複数の仮想参加体が行う競技の結果をランダムに決定してプレイヤーに提供する制御ユニットと、プレイヤーが予測する競技の結果を受け付けるとともに、制御ユニットからランダムに決定された競技の結果を受信し、プレイヤーが予測した競技の結果と受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典を付与するメインゲームを行う複数のゲーミングステーションとを備えるゲーミングシステムであって、制御ユニットは、競技の結果とは別に、競技の結果候補の一つをランダムに選択して複数のゲーミングステーションへ個別に付与し、ゲーミングステーションは、付与された結果候補と受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典とは異なる第2の特典を付与するサイドゲームを行う。
【0006】
本発明の一側面に係るゲームの提供方法は、複数の仮想参加体が行う競技の結果をランダムに決定してプレイヤーに提供する制御ユニットと、プレイヤーが予測する競技の結果を受け付けるとともに、制御ユニットからランダムに決定された競技の結果を受信し、プレイヤーが予測した競技の結果と受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典を付与するメインゲームを行う複数のゲーミングステーションとを備えるゲーミングシステムでゲームを提供する方法であって、制御ユニットが、競技の結果とは別に、競技の結果候補の一つをランダムに選択して複数のゲーミングステーションへ個別に付与するステップと、ゲーミングステーションが、付与された結果候補と受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典とは異なる第2の特典を付与するサイドゲームを行うステップとを含む。
【0007】
本発明の一側面に係るゲーミングシステム用プログラムは、複数の仮想参加体が行う競技の結果をランダムに決定してプレイヤーに提供する制御ユニットと、プレイヤーが予測する競技の結果を受け付けるとともに、制御ユニットからランダムに決定された競技の結果を受信し、プレイヤーが予測した競技の結果と受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典を付与するメインゲームを行う複数のゲーミングステーションとを備えるゲーミングシステムで実行されるプログラムであって、制御ユニットのコンピュータに、競技の結果とは別に、競技の結果候補の一つをランダムに選択して複数のゲーミングステーションへ個別に付与する機能を実現するプログラムと、ゲーミングステーションのコンピュータに、付与された結果候補と受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典とは異なる第2の特典を付与するサイドゲームを行う機能を実現するプログラムとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、プレイヤーの興味を持続ないしは向上させる新味のあるゲームを提供することができるゲーミングシステム、ゲームの提供方法およびゲーミングシステム用プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係るゲーミングシステムの斜視図である。
図2図1のゲーミングシステムの平面図である。
図3図1のゲーミングシステムの概略を示すブロック図である。
図4図3の制御ユニットにおいて実行されるプログラムの構成を示すブロック図である。
図5図4のフィールドユニットにおける制御系統の概略を示すブロック図である。
図6図1のフィールドユニットのフィールド装置を示した斜視図である。
図7図4のフィールドユニットにおける自走車を示した図である。
図8図7の自走車の底面図である。
図9】自走車の位置制御を示すブロック図である。
図10】自走車の位置検出を示すブロック図である。
図11】モニタユニットの構成を示すブロック図である。
図12】ゲーミングステーションの構成を示すブロック図である。
図13】ゲーミングステーションにおいて実行されるプログラムの構成を示すブロック図である。
図14】ゲーミングステーションのベット画面およびサイドベット画面の一態様を示した図である。
図15】サイドゲームにおける配当額を示した表である。
図16】ゲーミングステーションのレース進行表示の一態様を示した図である。
図17】ゲーミングステーションのレース結果表示の一態様を示した図である。
図18】ゲーミングステーションの入賞表示の一態様を示した図である。
図19】実施形態に係る、ゲーム中のゲーミングシステムの動作時に使用されるアルゴリズムを説明するフローチャートである。
図20図19のレース設定フェーズおよびベットフェーズの詳細を示したフローチャートである。
図21図19のレース進行フェーズおよび払い出しフェーズの詳細を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の一実施形態に係るゲーミングシステムを添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。さらに、各図の同一の部分または対応する部分に付与された同一の符号に関しては重複する説明を省略する。
【0011】
図1から図3に示すように、ゲーミングシステム1は、ゲーミングシステム1全体の処理を統括するメイン制御ユニット10と、メイン制御ユニット10に接続された複数台(本実施形態では10台)のゲーミングステーション40とを備えている。ゲーミングシステム1により提供されるゲームは、所定の規則に従って行われる競技をシミュレートしたゲームであり、本実施形態ではレースゲームをシミュレートしたものであり、具体的には競走馬を仮想参加体とする競馬ゲームである。本実施形態においてゲーミングシステム1が提供する競馬ゲームは、6頭の競走馬がゴールに到着した順番を競うものである。プレイヤーは、各ゲーミングステーション40を利用して、メイン制御ユニット10が提供する競馬ゲームに参加することができる。本実施形態では、メイン制御ユニット10は、ゲームとして、メインゲームおよびサイドゲームをプレイヤーに提供する。
【0012】
本実施形態では、ゲーミングシステム1は、競走馬の模型を用いてレースの進行および結果を再現するフィールドユニット20と、ゲームに関連する情報を表示するモニタユニット30とを備える。フィールドユニット20およびモニタユニット30はいずれも、メイン制御ユニット10に接続されており、メイン制御ユニット10によって制御される。
【0013】
メイン制御ユニット10は、図3に示すように、メイン制御ユニット10を構成するプロセッサを含む中央処理装置101(以下、CPUと称す。)、インターフェイスユニット102、メモリ103、およびストレージ104を含んでいる。メイン制御ユニット10は、CPU101に接続されたメモリバス、各種拡張バス、シリアルインターフェイス、USBインターフェイス、イーサネット(登録商標)インターフェイスなどのCPU101の通信機能を提供するチップセットを含むインターフェイスユニット102と、CPU101がインターフェイスユニット102を介してアドレス指定可能なメモリ103およびストレージ104とを提供するコンピュータユニットとして構成される。インターフェイスユニット102は、メイン制御ユニット10を構成する要素間の通信を可能にし、かつ、メイン制御ユニット10と、フィールドユニット20、モニタユニット30、および複数のゲーミングステーション40のそれぞれとの間の通信を可能にする。
【0014】
CPU101は、メモリ103およびストレージ104の少なくともいずれか一方に記録されたコンピュータプログラムを実行することにより、ゲーミングシステム1によって提供されるゲームの統括的な制御を行う。メイン制御ユニット10は、複数のCPUを含むマルチプロセッサ構成としてもよい。
【0015】
メモリ103は、揮発性の記憶媒体であるRAM、不揮発性の記憶媒体であるROM、および書き換え可能な不揮発性の記憶媒体であるEEPROMを含む構成とすることができる。ストレージ104は、外部記憶装置としての機能をメイン制御ユニット10に提供し、取り外し可能な記憶媒体であるメモリカード及び/又は光磁気ディスクなど、ならびに/あるいはハードディスクドライブ(HDD:hard disk drives)及び/又はソリッドステートドライブ(SSD:steadystate drives)などのディスクドライブに代表される読み取り装置を使用することができる。
【0016】
例えば、メモリ103のEEPROMに、メイン制御ユニット10の基本機能を提供するオペレーティングシステムおよびサブシステムのプログラムおよびデータを格納し、ストレージ104に、ゲームを提供するアプリケーションのプログラムおよびデータを格納するように構成されてもよい。そのような構成によれば、ストレージ104を交換することによってゲームを簡単に変更または更新することができる。
【0017】
本実施形態では、図4に示すように、メモリ103が、コンピュータ実行可能命令を含むゲームアプリケーションプログラム120およびシステムアプリケーションプログラム140を格納し、これらのコンピュータ実行可能命令がCPU101によって実行されるとゲームが生成される。CPU101によって実行されたときに、ゲームアプリケーションプログラム120はゲーム専用/フロントエンド機能を提供し、システムアプリケーションプログラム140は汎用/バックエンド機能を提供する。例示的な実施形態においては、ゲームアプリケーションプログラム120およびシステムアプリケーションプログラム140は、同一のオペレーティングシステム上で実装される。ただし、これらのプログラムが相違するオペレーティングシステム上で実装されること、および/または相違するプロセッサによって実装されることができる。
【0018】
本実施形態では、ゲームアプリケーションプログラム120は、ランダムナンバージェネレータ121(RNG)と、レース設定マネージャ122と、レース結果ジェネレータ123と、レースシナリオジェネレータ124と、レース動画ジェネレータ125と、アプリケーションマネージャ126と、オッズジェネレータ127と、サイドゲームマネージャ128と、各種データ129と、コミュニケーションマネージャ130とを含む複数のソフトウェアモジュールを含む。
【0019】
ランダムナンバージェネレータ121は、所定の乱数生成計算アルゴリズムに基づいて乱数を生成するソフトウェアモジュールである。ランダムナンバージェネレータ121は、疑似乱数を生成する疑似ランダムジェネレータとしてもよい。ランダムナンバージェネレータ121は、その一部または全部を集積回路またはワイヤードロジックとして実装してもよい。
【0020】
レース設定マネージャ122は、ランダムナンバージェネレータ121で生成した乱数を用いて、各種レース設定(例えば、レースの名称、ランク、距離、出走頭数、レース環境等)を決定する。
【0021】
レース結果ジェネレータ123は、ランダムナンバージェネレータ121で生成した乱数を用いて、レース結果をランダムに決定する。レース結果ジェネレータ123において決定されるレース結果は、レースに出走する競走馬の全ての着順である。
【0022】
レースシナリオジェネレータ124は、ランダムナンバージェネレータ121で生成した乱数を用いて、レースシナリオを決定する。レースシナリオは、レース中における競走馬のアクションおよび進行(例えば、位置、経路、速度、加速度等)に関連する情報を含むことができる。
【0023】
レース動画ジェネレータ125は、レース設定マネージャ122が決定したレース設定、レース結果ジェネレータ123が決定したレース結果、および、レースシナリオジェネレータ124が決定したレースシナリオに基づいて、後述するゲーミングステーション40にストリーミング配信するためにレースの動画を生成する。
【0024】
アプリケーションマネージャ126は、各ソフトウェアモジュールの動作および状態を管理する。加えて、アプリケーションマネージャ126は、ゲームアプリケーションプログラム120の構成、進行、および状態を管理する。
【0025】
オッズジェネレータ127は、各出走馬の属性(例えば、速さ、勝率、戦績等)およびランダムナンバージェネレータ121で生成した乱数の少なくともいずれか一方に応じて、各種オッズ(単勝、複勝、馬連、馬単、3連複、3連単等)を決定する。
【0026】
サイドゲームマネージャ128は、後述するサイドゲームをプレイヤーに提供する。サイドゲームマネージャ128は、ランダムナンバージェネレータ121で生成した乱数を用いて、サイドベットしたゲーミングステーション40に付与するレース結果候補をランダムに決定する。サイドゲームマネージャ128において決定されるレースの結果候補は、レースに出走する競走馬の全ての着順である。
【0027】
各種データ129は、ゲームで用いられる競走馬の馬名、騎手名、レース名、馬場状態等のデータを含む。また、各種データには、レース動画ジェネレータ125が使用するグラフィックデータ、オブジェクトデータ等を含んでもよく、ゲーム中に使用されるサウンドデータを含んでもよい。
【0028】
コミュニケーションマネージャ130は、システムアプリケーションプログラム140との間で命令およびデータをやりとりする。ゲームアプリケーションプログラム120とシステムアプリケーションプログラム140とが同一OS上に実装されている場合には、コミュニケーションマネージャ130はプロセス間/アプリケーション間通信を行うように構成される。また、両者が異なるOSまたはCPU上に実装されている場合には、コミュニケーションマネージャ130はOS間/CPU間通信を行うように構成される。
【0029】
本実施形態では、システムアプリケーションプログラム140は、システムマネージャ141と、セキュリティマネージャ142と、デノミネーションマネージャ143と、コミュニケーションマネージャ144と、データロガー145と、ゲームリコール146と、アカウントログ147と、ビルアクセプタマネージャ148と、メトリング149と、プログレッシブメータ150と、メータ151とを含む複数のソフトウェアモジュールを含む。
【0030】
システムマネージャ141は、システムアプリケーションプログラム140によって実行されるバックグラウンド処理およびゲーム固有の機能以外の汎用的機能を管理するためのソフトウェアモジュールである。
【0031】
セキュリティマネージャ142は、ゲームの検証の管理、ドアのセキュリティ、およびセキュリティセンサの監視のためのソフトウェアモジュールである。
【0032】
デノミネーションマネージャ143は、ゲーミングシステム1のデノミネーション設定のためのソフトウェアモジュールである。デノミネーション設定は、1セント、2セント、5セント、25セント、1ドル、5ドルなどを含むことができる。
【0033】
コミュニケーションマネージャ144は、ゲームアプリケーションプログラム120とシステムアプリケーションプログラム140との間の通信を管理するソフトウェアモジュールである。コミュニケーションマネージャ144は、システムアプリケーションプログラム140と各ゲーミングステーション40との間のネットワーク通信も管理する。ネットワーク通信はインターネット・プロトコルを使用してもよい。この場合、レース結果のデータは、重要なデータの正確かつ信頼性のある通信を提供できる接続モードプロトコル(例えば、TCP/IP)を使用することによってメイン制御ユニット10からゲーミングステーション40に送信され得る。レース動画のデータは、効率的な送信を提供できる接続モードプロトコル(例えば、UDP)を使用することによってメイン制御ユニット10からゲーミングステーション40に送信されてもよい。
【0034】
データロガー145は、各ゲームの結果をゲームリコール146に記録するためのソフトウェアモジュールである。加えて、データロガー145は、エラーイベント、紙幣ログ、現金引き出しログ、チケットログなどをアカウントログ147に格納する。
【0035】
ゲームリコール146は、各ゲームの結果を含む蓄積データである。ゲームリコール146は、不揮発性メモリに格納され得る。
【0036】
アカウントログ147は、エラーイベント、紙幣ログ、現金引き出しログ、チケットログなどを含んでいる蓄積データである。アカウントログ147は、不揮発性メモリに格納され得る。
【0037】
ビルアクセプタマネージャ148は、ビルアクセプタを管理するためのソフトウェアモジュールであり、ビルアクセプタに挿入された紙幣の情報を受け付ける。ビルアクセプタからの情報の受信に応答して、ビルアクセプタマネージャ148は、挿入された紙幣に基づいてクレジット残高をインクリメントするために、メトリング149と通信する。
【0038】
メトリング149は、ビルアクセプタマネージャ148、または、コミュニケーションマネージャ144を介したゲームアプリケーションプログラム120との通信に応答してメータ151の値を調整するためのソフトウェアモジュールである。メータ151は、各ゲーミングステーション40の現在のクレジット残高を示すためのクレジットメーター、および、各ゲーミングステーション40の現在のゲームセッションの入賞総数を示すための入賞メータを含む。メータ151は、コインの投入、コインの返却、合計ドロップ、接客係が支払うジャックポット、および/または紙幣の投入などの、バックグラウンドメーターをさらに含む。これらのメータは、不揮発性メモリ上のデータとしてまたはハードウェアメーターとして実装されてもよい。
【0039】
プログレッシブメータ150は、プログレッシブジャックポット値を管理する。本実施形態では、後述するサイドゲームにおいて特定の入賞が生じたときに、プログレッシブジャックポット値に相当する配当が払い出される。
【0040】
フィールドユニット20は、複数の競走馬のそれぞれに関連付けられた複数の自走車25の各模型部220(物理メンバー)を用いて、メイン制御ユニット10で決定したレースシナリオおよびレース結果のとおりにレースの進行および結果を再現する。
【0041】
図5に示すように、フィールドユニット20を構成するプロセッサを含む中央処理装置201(以下、CPUと称す。)、インターフェイスユニット202、メモリ203、およびストレージ204を含んでいる。フィールドユニット20は、CPU201に接続されたメモリバス、各種拡張バス、シリアルインターフェイス、USBインターフェイス、イーサネット(登録商標)インターフェイスなどのCPU201の通信機能を提供するチップセットを含むインターフェイスユニット202と、CPU201がインターフェイスユニット202を介してアドレス指定可能なメモリ203およびストレージ204とを提供するコンピュータユニットとして構成される。インターフェイスユニット202は、フィールドユニット20を構成する要素間の通信を可能にし、かつ、メイン制御ユニット10との間の通信を可能にする。
【0042】
CPU201は、メモリ203およびストレージ204の少なくともいずれか一方に記録されたコンピュータプログラムを実行することにより、各コントローラを介してフィールドユニット20の構成要素を制御する。CPU201は、イルミネーションコントローラ205を介してイルミネーションユニット206を制御する。また、CPU201は、送信器/受信器コントローラ207を介して送信器/受信器208を制御して、送信器/受信器208と複数の自走車25のそれぞれとの通信を行う。CPU201は、各自走車25にコマンドを送って位置や向き、速度を制御する。CPU201は、位置センサ209を用いて、各自走車25の位置情報を取得する。
【0043】
図6に示すように、複数の自走車25は、フィールド装置21に配置される。フィールド装置21は、上部フィールド23と下部フィールド24の2層構造を有するフィールド盤22を備え、上部フィールド23は例えば競馬場を模したトラックを有する。
【0044】
図7に示すように、自走車25は、上部フィールド23上に配置される模型部220と、上部フィールド23の下(すなわち、上部フィールド23と下部フィールド24との間)を移動して模型部220を誘導する駆動部240とを含む。
【0045】
模型部220は、台車222と、台車222に回転自在に取り付けられた複数の車輪224と、台車222の内部に配置された永久磁石226と、台車222によって下方から支持された馬の模型228とを備える。
【0046】
駆動部240の上面には、永久磁石246と、進行方向に並ぶ一対のキャスタ261と、進行方向に直交する方向に並ぶ一対の駆動車輪262が取り付けられている。駆動部240の永久磁石246と模型部220の永久磁石226との間に生じる磁気吸引力により、駆動部240の移動に伴って模型部220が移動する。
【0047】
一対の駆動車輪262は、駆動部240に内蔵された一対の車輪用モータ244によってそれぞれ回転させられる。車輪用モータ244の回転は、図示しない歯車列によって、その車輪用モータ244に対応する駆動車輪262に伝達される。一対の駆動車輪262を同じ速度および同じ向きで回転させると、駆動車輪262と上部フィールド23の摩擦接触により、例えば図7の矢印で示す方向に駆動部240が進行する。一対の駆動車輪262において互いの回転速度や向きを変えた場合には、駆動部240の進行方向を変えたり駆動部240を旋回させたりすることができる。車輪用モータ244は、駆動部240に内蔵された図示しない電源装置から電力を供給される。なお、駆動車輪262の代わりに、他の適切な走行手段、例えばキャタピラ、リンク機構を持つアームまたはリンク機構を持つレッグを使用してもよい。また、歯車列の代わりに、他の適切な動力伝達機構、例えば、ベルトとプーリを利用した機構、チェーンとスプロケットを利用した機構を用いてもよい。
【0048】
図8に示すように、駆動部240の下面にも、進行方向に並ぶ一対のキャスタ251と、進行方向に直交する方向に並ぶ一対の車輪252が取り付けられている。キャスタ251と車輪252とにより、自走車35の駆動部240は下部フィールド24の上を走行可能である。駆動部240の下面には、進行方向に沿って並ぶとともに導電性を有する一対の被検出片255が取り付けられている。一対の被検出片255は、後述する位置センサ209による自走車25の位置情報の検出に用いられる。なお、上記では駆動車輪262および車輪用モータ244を駆動部240の上部に設けた構成を例示したが、駆動車輪262および車輪用モータ244は駆動部240の下部に設けてもよい。そのような場合、駆動車輪262は下部フィールド24上で回転することにより自走車25を進行させる。また、車輪用モータ244には、自走車25の外部から電力を供給するようにしてもよい。
【0049】
駆動部240の下面には、一対の第1の光センサ253および一対の第2の光センサ254が設けられている。第1の光センサ253は、例えば可視光センサであり、送信器/受信器208の第1の発光装置211が発する光を受けると受光信号を出力する。第2の光センサ254は、例えば赤外線センサであり、送信器/受信器208の第2の発光装置212から受信した走行制御信号を出力する。あるセンサへの光の到達に障害があっても、他のセンサが光を受けることが可能なように、第1の光センサ253および第2の光センサ254はいずれも一対ずつ設けられている。ただし、単一の第1の光センサ253と単一の第2の光センサ254が設けられていてもよい。第1の光センサ253は3つ以上でもよく、第2の光センサ254も3つ以上でもよい。
【0050】
以下、フィールドユニット20のCPU201が、送信器/受信器208と各自走車25との通信により、各自走車25の位置および速度を制御する制御系統について、図9および図10を参照しつつ説明する。
【0051】
図9に示すように、送信器/受信器208は、第1の発光装置211と、第2の発光装置212を備える。第1の発光装置211は、全ての自走車25の動作を一斉に起動するためのある波長領域の光(例えば可視光)を発する。CPU201は、送信器/受信器208を用いて、第1の発光装置211を発光させる。第2の発光装置212は、自走車25の起動後に各自走車25の走行を制御する走行制御信号を、第1の発光装置211が発する光とは異なる波長領域の光(例えば赤外線)によって送信する。CPU201は、送信器/受信器208を用いて、複数の自走車25を制御する走行制御信号を第2の発光装置212に送り、第2の発光装置212はそれらの走行制御信号に応じて発光する。各走行制御信号には、制御対象の自走車25を識別する識別情報が付与されており、自走車25は自身を宛先とする走行制御信号を認識することができる。上記の発光装置の代わりに、他の電波を利用した無線通信方式を利用する通信装置を使用することも可能である。
【0052】
光透過性が高い材料で下部フィールド24を構成した場合、第1の発光装置211および第2の発光装置212は、下部フィールド24の下に配置することができる。光透過性が低い材料で下部フィールド24を構成した場合、第1の発光装置211および第2の発光装置212は、上部フィールド23と下部フィールド24との間に配置することができる。
【0053】
図9に示すように、各自走車25は、CPU241と給電制御回路242とをさらに備える。給電制御回路242は、第1の発光装置211の発光によって、第1の光センサ253からの受光信号を受けると、図示しない電源装置からのCPU241、第2の光センサ254および一対の車輪用モータ244への給電を可能にする。電源装置からこれらの要素への給電開始後、第2の光センサ254は、第2の発光装置212から送信された走行制御信号を受信してCPU241に伝達する。CPU241は、複数の自走車25のための走行制御信号のうち、CPU241が属する自走車25のための走行制御信号を選択して、その走行制御信号に従って、両方の車輪用モータ244を制御する。走行制御信号は、車輪用モータ244の各々の回転速度を指定する。結果的に、1つの自走車25につき駆動車輪262の各々の回転速度が制御される。一対の駆動車輪262の両方の回転速度が同じであれば、自走車25は直進し、そうでなければ、自走車25は曲がって進む。
【0054】
ここで、本実施形態では、下部フィールド24の上面(すなわち、自走車25の走行面)は位置検出用シートLdsで覆われている。位置検出用シートLdsは、X方向に沿って平行に延在するm本(例えば150本)の駆動コイル271を含む層と、X方向に対して交差するY方向に沿って平行に延在するn本(例えば300本)の検出コイル272を含む層とが、絶縁層を介して積層された積層シートである。本実施形態において、駆動コイル271と検出コイル272とは互いに直交しており、互いに直交する部分(以下、セルPと称す。)において電磁結合している。位置検出用シートLdsでは、m×n個のセルPがマトリクス状に並んでいる。本実施形態では、駆動コイル271および検出コイル272のピッチはいずれも10mmに設定されている。位置検出用シートLdsの上面は、透光性を有する基板(例えばアクリル板)で覆われており、その基板上を自走車25の駆動部240が走行する。
【0055】
位置センサ209は、上述した位置検出用シートLdsと、各駆動コイル271に駆動電流Idを出力する駆動回路273と、各検出コイル272からの誘導電流Itを検出する検出回路274と、各検出コイル272と検出回路274との間に設けられたn個のスイッチSWと、位置センサ209全体の動作を統括するとともに各種の処理を実行する処理回路275とを備える。
【0056】
駆動回路273は、処理回路275から供給されるタイミング信号VSYNCに従い、所定の単位期間T(例えば10ミリ秒間)に、m本の駆動コイル271の全てに対し、一定時間間隔で駆動電流Iを順番に流す。n個のスイッチSWは、処理回路275から供給される動作信号SELに従い、m本の駆動コイル271のそれぞれに駆動電流が流れている時間内で順番にオン状態にされて、誘導電流Iを通す。検出回路274は、単位期間Tごとに検出する誘導電流Itを適宜増幅して処理回路275へ出力する。処理回路275は、検出回路274から送られてきた単位期間Tごとの誘導電流Iから、単位期間Tごとのセンシングデータ(m×n個の検出値の集合体)を生成する。
【0057】
自走車25の移動に伴って、駆動部240の下面に取り付けられた被検出片255が位置検出用シートLdsのセルP[i,j](すなわち、第i行の駆動コイル271と第j列目の検出コイル272との交差に配置されたセル)に対応する位置に移動してきたときには、当該セルP[i,j]における磁束が変化し、誘導電流I[j]の値が大きくなる。そのため、大きい値の誘導電流It[j]を検出した検出回路274を介して、処理回路275は、その単位期間Tに、被検出片255がセルP[i,j]に対応する位置に存在することを検出する。そのため、処理回路275は、単位期間Tごとの被検出片255の位置情報(すなわち、自走車25の位置情報)を取得することができる。
【0058】
このようにして処理回路275が取得した各被検出片255の位置情報は、位置センサ209からCPU201に出力される。CPU201は、位置センサ209から出力される単位期間ごとの各被検出片255の位置情報を、メモリ203に格納する。
【0059】
モニタユニット30は、3Dレンダリングソフトウェアエンジンによって、メイン制御ユニット10が決定したレース結果およびレースシナリオ等に基づいてレースのムービーデータを生成し、センターディスプレイ36に表示する。前述したようにゲーミングステーション40にストリーミング配信されるゲーム動画はメイン制御ユニット10によって生成されるが、センターディスプレイ36に表示されるゲーム動画はモニタユニット30により生成される。センターディスプレイ36で表示するゲーム動画は高精細度なため相応の処理能力を要するが、このような構成とすることでメイン制御ユニット10側の負荷を軽減することができる。
【0060】
図11に示すように、モニタユニット30を構成するプロセッサを含む中央処理装置301(以下、CPUと称す。)、インターフェイスユニット302、メモリ303、およびストレージ304を含んでいる。モニタユニット30は、CPU301に接続されたメモリバス、各種拡張バス、シリアルインターフェイス、USBインターフェイス、イーサネット(登録商標)インターフェイスなどのCPU301の通信機能を提供するチップセットを含むインターフェイスユニット302と、CPU301がインターフェイスユニット302を介してアドレス指定可能なメモリ303およびストレージ304とを提供するコンピュータユニットとして構成される。インターフェイスユニット302は、モニタユニット30を構成する要素間の通信を可能にし、かつ、メイン制御ユニット10との間の通信を可能にする。
【0061】
CPU301は、各コントローラを介してモニタユニット30の構成要素を制御する。CPU301は、グラフィックコントローラ305を介してムービーデータをセンターディスプレイ36上に表示する。また、CPU301は、サウンドコントローラ306を介してスピーカ38から出力するアナウンス、効果音、BGMなどの各種サウンドを制御する。センターディスプレイ36およびスピーカ38は、フィールドユニット20の周囲に配置される。センターディスプレイ36は、ゲーミングシステム1のプレイヤーや周りのプレイヤー以外の人から見えるように、ゲーミングステーション40と関連付けて配置される。
【0062】
各ゲーミングステーション40は、図12に示すように、ゲーミングステーション40を構成するプロセッサを含む中央処理装置401(以下、CPUと称す。)、インターフェイスユニット402、メモリ403、およびストレージ404を含んでいる。ゲーミングステーション40は、CPU401に接続されたメモリバス、各種拡張バス、シリアルインターフェイス、USBインターフェイス、イーサネット(登録商標)インターフェイスなどのCPU101の通信機能を提供するチップセットを含むインターフェイスユニット402と、CPU401がインターフェイスユニット402を介してアドレス指定可能なメモリ403およびストレージ404とを提供するコンピュータユニットとして構成される。インターフェイスユニット402は、ゲーミングステーション40を構成する要素間の通信を可能にし、かつ、ゲーミングステーション40とメイン制御ユニット10との間の通信を可能にする。
【0063】
CPU401は、メモリ403およびストレージ404の少なくともいずれか一方に記録されたコンピュータプログラムを実行することにより、メイン制御ユニット10とともに、ゲームをプレイヤーに提供する。ゲーミングステーション40は、複数のCPUを含むマルチプロセッサ構成としてもよい。
【0064】
メモリ403は、揮発性の記憶媒体であるRAM、不揮発性の記憶媒体であるROM、および書き換え可能な不揮発性の記憶媒体であるEEPROMを含む構成とすることができる。ストレージ404は、外部記憶装置としての機能をゲーミングステーション40に提供し、取り外し可能な記憶媒体であるメモリカード及び/又は光磁気ディスクなど、ならびに/あるいはハードディスクドライブ(HDD:hard disk drives)及び/又はソリッドステートドライブ(SSD:steadystate drives)に代表されるディスクドライブといった読み取り装置を使用することができる。
【0065】
例えば、メモリ403のEEPROMに、ゲーミングステーション40の基本機能を提供するオペレーティングシステムおよびサブシステムのプログラムおよびデータを格納し、ストレージ404に、ゲームを提供するアプリケーションのプログラムおよびデータを格納するように構成されてもよい。そのような構成によれば、ストレージ404を交換することによってゲームを簡単に変更または更新することができる。
【0066】
各ゲーミングステーション40は、表面にタッチパネルを有するディスプレイ424が設けられたキャビネットを含んでおり、プレイヤートラッキングユニット410(またはランキングユニット)を収容することができる。このキャビネットは、上述したCPU401をも収容する。各ゲーミングステーション40は、キャビネット上に設けられ、サウンドコントローラ414を介してCPU401によって制御される1つまたは複数のスピーカ412を含んでいる。さらに、紙幣/チケット識別ユニット416、プリンタユニット418、および操作ユニット420が、コントロールパネル上に設けられてもよい。操作ユニット420は、1つまたは複数のボタンを介したプレイヤーの入力を可能にする。CPU401は、入力コントローラ422を介して操作ユニット420から通信を受信する。ゲーミングステーション40は、グラフィックコントローラ426を介してディスプレイ424を制御する。CPU401は、イルミネーションコントローラ430を介してイルミネーションユニット428を制御する。
【0067】
プレイヤートラッキングユニット410は、プレイヤー識別カードを認識するカードリーダー、データをプレイヤーに提示するディスプレイ、およびプレイヤーによる入力を受け付けるキーパッドを含んでもよい。このタイプのプレイヤートラッキングユニットは、CPU401または外部システムと共に協調動作することによって、プレイヤーによってカードリーダーに挿入されたプレイヤー識別カードに記録された情報を読み取り、その情報および/または外部システムと通信することによって取得された情報をディスプレイ上に表示する。さらに、プレイヤーからの入力がキーパッドによって受け付けられ、ディスプレイはその入力に従って変更され、必要に応じて外部システムとの通信が実行される。
【0068】
紙幣/チケット識別ユニット416は、紙幣またはチケットが挿入される挿入口を露出させた状態でコントロールパネルに配置され、挿入口の内側には各種センサによって紙幣/チケットを識別する識別部が設けられ、識別部の出口側には紙幣/チケット貯留部が設けられている。紙幣/チケット識別ユニット416は、ゲーム価値である紙幣およびチケット(バウチャーおよびクーポンを含む)を受け付けて、ゲーム実行価値として識別し、CPU401に通知する。CPU401は、通知された内容に従ってゲーム内で使用可能なクレジット数を増加させる。
【0069】
プリンタユニット418は、チケットが出力されるチケット出力口を露出させた状態でコントロールパネルに配置されており、チケット出力口の内側には所定情報を印刷用紙に印刷する印刷部が設けられ、印刷部の用紙入口側には印刷用紙を収容する収容部が設けられる。プリンタユニット418は、CPU401の制御下で、情報を用紙に印刷し、クレジット払い出し処理に従ってゲーミングステーション40からチケットを出力する。出力されたチケットは、別のゲーミングマシンまたはシステムの紙幣/チケット識別ユニット74に挿入されることによって、払い出されたクレジットをゲームプレイに利用することも可能であり、あるいは、カジノ内のキオスク端末またはカジノケージで換金され得る。
【0070】
操作ユニット420は、プレイヤーの操作を受け付ける。操作ユニット420は、メイン制御ユニット10と対話するためにゲーミングステーション40のプレイヤーから各種命令を受け付ける設定ボタンのグループを含んでいる。
【0071】
本実施形態では、図13に示すように、メモリ403が、コンピュータ実行可能命令を含むゲームアプリケーションプログラム440およびシステムアプリケーションプログラム460を格納し、これらのコンピュータ実行可能命令がCPU401によって実行される。CPU401によって実行されたときに、ゲームアプリケーションプログラム440はメイン制御ユニット10とともにゲーム専用/フロントエンド機能を提供し、システムアプリケーションプログラム460は汎用/バックエンド機能を提供する。例示的な実施形態においては、ゲームアプリケーションプログラム440およびシステムアプリケーションプログラム460は、同一のオペレーティングシステム上で実装される。ただし、これらのプログラムは相違するオペレーティングシステム上で実装されること、および/または相違するプロセッサによって実装されることができる。
【0072】
本実施形態では、ゲームアプリケーションプログラム440は、アプリケーションマネージャ441と、初期画面制御442と、ベット画面制御443と、サイドベット画面制御444と、レース進行表示画面制御445と、入賞判定446と、入賞表示447と、配当払い出し448と、クレジット残高調整449と、コミュニケーションマネージャ450とを含む複数のソフトウェアモジュールを含む。
【0073】
アプリケーションマネージャ441は、各ソフトウェアモジュールの動作および状態を管理する。加えて、アプリケーションマネージャ441は、ゲームアプリケーションプログラム440の構成、進行、および状態を管理する。
【0074】
初期画面制御442は、ゲームが開始される前またはゲーミングステーションがゲームに参加していない状態(待機状態)のときに、ディスプレイ424に表示する初期画面を制御する。
【0075】
ベット画面制御443は、図14に示すように、ディスプレイ424の一部にメインゲームに係る情報エリア481を表示して、プレイヤーからメインベットを受け付ける。本実施形態では、メインゲームに係る情報エリア481には、レース結果をプレイヤーが予測して選択するための複数の予測選択ボタンが表示され、プレイヤーが予測したレース結果についてベットを受け付ける。複数の予測選択ボタンは、単勝、複勝、馬連、馬単、3連複、3連単等のそれぞれに対応するボタンを含むことができる。各予測選択ボタンには、対応するオッズを関連付けて表示することができる。また、各予測選択ボタンには、プレイヤーがベットしたベット額を関連付けて表示することができる。
【0076】
サイドベット画面制御444は、図14に示すように、ディスプレイ424の一部にサイドゲームに係る情報エリア482を表示して、上記メインベットとは別に、プレイヤーからサイドベットを受け付ける。本実施形態では、サイドゲームに係る情報エリア482には、サイドベット額、および、メイン制御ユニット10のプログレッシブメータ150から取得したプログレッシブジャックポット値(図14では、1,000ドル5セント)が表示され、レースが開始された後には、メイン制御ユニット10のサイドゲームマネージャ128から付与されたレース結果候補が表示される。本実施形態では、レース結果候補は、6頭の競走馬の全ての着順が定められた結果候補であり、一例として、馬番に対応する「4」、「1」、「3」、「6」、「2」、「5」の6つの数字が順に並ぶ。レース結果候補は、横一列に配置した6つのビデオリールを用いて表示させてもよい。例えば、6つのビデオリールは、レースが開始される前は回転表示されており、レースが開始された後に停止表示されてレース結果候補が並ぶような演出を行うことができる。
【0077】
サイドベット画面制御444では、所定の条件が満たされている場合のみ、プレイヤーからサイドベットを受け付ける態様であってもよい。例えば、プレイヤーからメインベットを受け付けた場合のみ、プレイヤーからサイドベットを受け付ける態様であってもよい。また、メインベットの額が所定の額を超えている場合のみ、プレイヤーからサイドベットを受け付ける態様であってもよい。なお、メインベットの額に応じて、サイドベットできる額の上限値を設定してもよい。
【0078】
本実施形態では、サイドゲーム入賞時に払い出されるプログレッシブジャックポット値は、サイドベットの額に応じて変更される。図15に示すように、プレイヤーがサイドベットできるベット額は最小ベット額の1ドルから最大ベット額の10ドルまで1ドル刻みで設定されており、ベット額が1ドル増えるとプログレッシブジャックポット値の初期値が1000ドル増額する。プログレッシブジャックポット値のプール値は、ゲーミングシステム1の全てのゲーミングステーション40でベットされたベット額の1%を蓄積した値であり、いずれかのゲーミングステーション40がサイドゲームに入賞するまで増え続け、入賞するとゼロにリセットされる。サイドゲーム入賞時に払い出されるプログレッシブジャックポット値は、サイドベットの額に応じた初期値と、サイドゲームが入賞したタイミングでのプール値との合計で決定される。
【0079】
レース進行表示画面制御445は、図16および図17に示すように、ディスプレイ424の一部にモニタエリア483を表示して、モニタエリア483内においてゲームの進行および結果を表示する。図16では、ゲートが開くムービーを流して、レースが開始されたことをプレイヤーに伝える。図17では、競走馬がゴールするムービーを流して、レース結果をプレイヤーに伝える。レース進行表示画面制御445は、モニタエリア483において、メイン制御ユニット10のレースシナリオジェネレータ124が決定したレースシナリオの一部または全部をシミュレーション映像等で再現する。レース進行表示画面制御445は、モニタエリア483において、メイン制御ユニット10のレース結果ジェネレータ123が決定したレース結果(すなわち、全ての出走馬の着順)を表示する。また、図16で表示するムービーは、メイン制御ユニット10のレース動画ジェネレータ125が生成したレース動画をストリーミング配信したものとすることができる。
【0080】
入賞判定446は、メインゲームおよびサイドゲームの入賞判定を行う。入賞判定446では、メインゲームの入賞判定として、プレイヤーが予測してベットしたレース結果が、メイン制御ユニット10のレース結果ジェネレータ123が決定したレース結果と合致しているかを判定する。入賞判定446では、サイドゲームの入賞判定として、メイン制御ユニット10から付与されたレース結果候補の着順と、メイン制御ユニット10のレース結果ジェネレータ123が決定したレース結果の着順との一致の程度を判定する。例えば、メイン制御ユニット10から付与されたレース結果候補の着順が「4」、「1」、「3」、「6」、「2」、「5」の順である場合、この着順とレース結果の着順とが全て一致したときに、プログレッシブジャックポット値の入賞を判定する。また、レース結果候補の一部(例えば、1着と2着、1着から3着、1着から4着等)がレース結果の着順と一致したときにも、入賞を判定する。レース結果候補の一部がレース結果の着順と一致したときの入賞配当は、サイドベットの額に応じて決定することができる。例えば、レース結果候補の1着と2着のみレース結果の着順と一致した場合は、サイドベットの額を5倍した額を入賞配当とし、レース結果候補の1着から3着までレース結果の着順と一致した場合はサイドベットの額を50倍した額を入賞配当とし、レース結果候補の1着から4着までレース結果の着順と一致した場合は、サイドベットの額を250倍した額を入賞配当とすることができる。このように、入賞判定446は、サイドゲームの入賞配当の額を、メイン制御ユニット10から付与された結果候補とメイン制御ユニット10から受信したレースの結果との一致の程度に応じて決定することができる。
【0081】
入賞表示447は、メインゲームに入賞したときに、入賞額等の入賞内容をディスプレイ424に表示する。入賞表示447は、サイドゲームに入賞したときにも、入賞内容をディスプレイ424に表示する。入賞表示447は、サイドゲームに入賞したときに、図18に示すようにディスプレイ424全体に特別な演出を表示することができる。入賞表示447では、サイドゲームに入賞したときには、情報エリア482の入賞配当を強調表示することができる。
【0082】
配当払い出し448は、メインゲームおよびサイドゲームで入賞したときに、入賞種別に応じた配当を払い出す。例えば、メインゲームで入賞したときには、ベット額とオッズとに基づいて配当を払い出す。サイドゲームで入賞したときには、上述したサイドゲームの入賞配当を払い出す。
【0083】
クレジット残高調整449は、ベット額に応じたクレジット残高のデクリメントおよび入賞配当に応じたクレジット残高のインクリメントを行うためのプロセスを実行する。
【0084】
コミュニケーションマネージャ450は、システムアプリケーションプログラム460との間で命令およびデータをやりとりする。
【0085】
本実施形態では、システムアプリケーションプログラム460は、システムマネージャ461と、アカウンティングマネージャ462と、セキュリティマネージャ463、デノミネーションマネージャ464と、コミュニケーションマネージャ465と、データロガー466と、ゲームリコール467と、アカウントログ468と、ビルアクセプタマネージャ469と、メトリング470と、キャッシュアウトマネージャ471と、メータ472とを含む複数のソフトウェアモジュールを含む。
【0086】
システムマネージャ461は、システムアプリケーションプログラム460によって実行されるバックグラウンド処理およびゲーム固有の機能以外の機能を全て管理するためのソフトウェアモジュールである。
【0087】
アカウンティングマネージャ462は、データの蓄積を管理し、外部情報システムと通信するためのソフトウェアモジュールである。
【0088】
セキュリティマネージャ463は、ゲームの検証の管理、ドアのセキュリティ、およびセキュリティセンサの監視のためのソフトウェアモジュールである。
【0089】
デノミネーションマネージャ464は、ゲーミングシステム1の単位設定のためのソフトウェアモジュールである。単位設定は、1セント、2セント、5セント、25セント、1ドル、5ドルなどを含むことができる。
【0090】
コミュニケーションマネージャ465は、ゲームアプリケーションプログラム440とシステムアプリケーションプログラム460との間の通信を管理するソフトウェアモジュールである。コミュニケーションマネージャ465は、システムアプリケーションプログラム460とメイン制御ユニット10との間のネットワーク通信も管理する。
【0091】
データロガー466は、各ゲームの結果をゲームリコール467に記録するためのソフトウェアモジュールである。加えて、データロガー466は、エラーイベント、紙幣ログ、現金引き出しログ、チケットログなどをアカウントログ468に格納する。
【0092】
ゲームリコール467は、各ゲームの結果を含む蓄積データである。ゲームリコール467は、不揮発性メモリに格納され得る。
【0093】
アカウントログ468は、エラーイベント、紙幣ログ、現金引き出しログ、チケットログなどを含んでいる蓄積データである。アカウントログ468は、不揮発性メモリに格納され得る。
【0094】
ビルアクセプタマネージャ469は、ビルアクセプタを管理するためのソフトウェアモジュールであり、ビルアクセプタに挿入された紙幣の情報を受け付ける。ビルアクセプタからの情報の受信に応答して、ビルアクセプタマネージャ469は、挿入された紙幣に基づいてクレジット残高をインクリメントするために、メトリング470と通信する。
【0095】
メトリング470は、ビルアクセプタマネージャ469、または、コミュニケーションマネージャ465を介したゲームアプリケーションプログラム440との通信に応答してメータ472の値を調整するためのソフトウェアモジュールである。メータ472は、各ゲーミングステーション40の現在のクレジット残高を示すためのクレジットメーター、および、各ゲーミングステーション40の現在のゲームセッションの入賞総数を示すための入賞メータを含む。メータ472は、コインの投入、コインの返却、合計ドロップ、接客係が支払うジャックポット、および/または紙幣の投入などの、バックグラウンドメーターをさらに含む。これらのメータは、不揮発性メモリ上のデータとしてまたはハードウェアメーターとして実装されてもよい。
【0096】
キャッシュアウトマネージャ471は、現金引き出し手順を管理するためのソフトウェアモジュールである。キャッシュアウトボタンでのプレイヤーの操作に応答して、キャッシュアウトマネージャ471が作動され、ゲーミングステーション40がクレジットメーターの総数を支払う。
【0097】
図19図21は、ゲーミングシステム1を動作させてゲームを提供するゲームの提供方法に係るフローチャートである。このゲームの提供方法のアルゴリズムは、メイン制御ユニット10のゲームアプリケーションプログラム120およびゲーミングステーション40のゲームアプリケーションプログラム440に含まれ、これらのゲームアプリケーションプログラム120、440を動作させるときにCPU101、401によって実行される。このゲームの提供方法は複数のステップを含む。各ステップは、独立して実行されてもよく、他のステップと組み合わせて実行されてもよい。
【0098】
本実施形態に係るゲームの提供方法は、図19に示すように、レース設定フェーズS10、ベットフェーズS20、レース進行フェーズS30、払い出しフェーズS40の順に処理が進められる。
【0099】
レース設定フェーズS10では、図20に示すステップS11~S18が順次実行される。すなわち、まず、メイン制御ユニット10のCPU101は、ステップS11として、ゲームの提供に必要とされる所定の数の乱数を取得する。乱数は、ゲームアプリケーションプログラム120のランダムナンバージェネレータ121で内部的に生成され得る。CPU101は、別途設けられたランダムナンバージェネレータから乱数を取得するようにしてもよく、メイン制御ユニット10外に設けられたサーバ等の装置から乱数を取得する構成としてもよい。
【0100】
ステップS12では、CPU101は、ステップS11で取得した乱数を用いて、レース名を決定する。例えば、CPU101は、ゲームアプリケーションプログラム120の各種データ129に格納された複数のレース名の候補の中から、ステップS11で取得した乱数に関連付けられたレース名を選択する。
【0101】
ステップS13では、CPU101は、ステップS11で取得した乱数を用いて、レースに出走する複数の競走馬(出走馬)を決定する。具体的には、CPU101は、ゲームアプリケーションプログラム120の各種データ129に格納された複数の競走馬の候補の中から、ステップS11で取得した乱数に関連付けられた競走馬を選択する。このとき、CPU101は、出走馬を決定するとともに、出走馬に騎乗する騎手名を決定してもよい。
【0102】
ステップS14では、CPU101は、オッズを決定する。具体的には、CPU101は、ゲームアプリケーションプログラム120のオッズジェネレータ127から各種オッズを取得する。
【0103】
ステップS15では、CPU101は、レース結果を決定する。具体的には、CPU101は、ゲームアプリケーションプログラム120のレース結果ジェネレータ123からレース結果を取得する。
【0104】
ステップS16では、CPU101は、レースシナリオを決定する。具体的には、CPU101は、ゲームアプリケーションプログラム120のレースシナリオジェネレータ124からレースシナリオを取得する。
【0105】
ステップS17では、CPU101は、モニタユニット30のセンターディスプレイ36に、上述したレース名を表示する。このとき、センターディスプレイ36に、出走馬、騎手名およびオッズの少なくとも一つを表示してもよい。
【0106】
ステップS18では、CPU101は、各ゲーミングステーション40のディスプレイ424に、上述したレース名を表示する。このとき、ディスプレイ424に、出走馬、騎手名およびオッズが表示される。
【0107】
ベットフェーズS20では、図20に示すステップS21~S24が順次実行される。すなわち、ステップS21においてベットフェーズS20が開始されると、CPU101は、ステップS22として、所定時間が経過するまでプレイヤーからのベットを受け付ける。ステップS22では、ゲーミングステーション40のディスプレイ424により、プレイヤーからのメインベットおよびサイドベットを受け付ける。ステップS23において、CPU101は、所定時間が経過したと判断すると、続くステップS24においてベットフェーズS20を終了し、その後のベットを受け付けない。
【0108】
レース進行フェーズS30では、図21に示すステップS31~S37が順次実行される。すなわち、メイン制御ユニット10のCPU101は、ステップS31として、ステップS15で決定したレース結果とステップS16で決定したレースシナリオを、モニタユニット30およびフィールドユニット20にそれぞれ送信する。
【0109】
ステップS32では、CPU101は、サイドゲームに参加するためにサイドベットしたゲーミングステーション40の有無を判定する。サイドベットしたゲーミングステーション40がある場合には、ステップS33として、CPU101は、サイドベットしたゲーミングステーション40のそれぞれに対し、結果候補としてユニークな馬番の着順(6連単)を付与する。
【0110】
ステップS34では、CPU101は、モニタユニット30およびフィールドユニット20において、ステップS15で決定したレース結果とステップS16で決定したレースシナリオに沿ったレースの表示(再現)を開始する。
【0111】
ステップS34におけるレースの表示が開始されると、CPU101は、サイドゲームに参加するためにサイドベットしたゲーミングステーション40がある場合には、ステップS36において、サイドベットしたゲーミングステーション40のディスプレイ424に付与されたユニークな馬番の着順を表示する。
【0112】
ステップS37では、CPU101は、ゲーム結果の着順どおりにフィールドユニット20の自走車25をゴールさせるとともに、モニタユニット30および各ゲーミングステーション40にレース結果を表示する。
【0113】
払い出しフェーズS40では、図21に示すステップS41~S43が順次実行される。すなわち、ステップS41では、ゲーミングステーション40のCPU401は、メインゲームについて入賞判定を行う。メインゲームの入賞がある場合には、CPU401は入賞に応じた配当を払い出す。メインゲームの入賞判定はメイン制御ユニット10のCPU101で行っても構わない。
【0114】
ステップS41に続くステップS42では、サイドベットしたゲーミングステーション40の有無を判定する。ここでの判定はメイン制御ユニット10のCPU101で一括して行ってもよいし、ゲーミングステーション40のCPU401が個別に判定してもよい。サイドベットしたゲーミングステーション40がある場合には、ステップS43として、CPU401は、サイドゲームについて入賞判定を行う。サイドゲームの入賞がある場合には、入賞に応じた配当を払い出す。サイドゲームの入賞判定はメイン制御ユニット10のCPU101で行っても構わない。
【0115】
上述したゲーミングシステム1では、メインゲームとともにサイドゲームがプレイヤーに提供される。
【0116】
メインゲームでは、ゲーミングステーション40は、プレイヤーが予測したレース結果をメインベットとして受け付け、プレイヤーが予測したレース結果とメイン制御ユニット10から受信したレース結果とに基づいて入賞を判定し、入賞した場合には所定の配当(第1の特典)を払い出す。
【0117】
サイドゲームでは、ゲーミングステーション40は、プレイヤーからメインベットとは別にサイドベットを受け付けたときにメイン制御ユニット10からレースの結果候補を受信し、当該結果候補とメイン制御ユニット10から受信したレース結果とに基づいて入賞を判定し、入賞した場合には、メインゲームの配当とは異なる所定の配当(第2の特典)を払い出す。
【0118】
サイドゲームは、メインゲームと並行して実行される。例えば、サイドゲームに係るベット(サイドベット)は、メインゲームに係るベット(メインベット)と同じ画面で行われ、メインベットをほぼ同じタイミングで行われる。また、サイドゲームではメインゲームと同じレース結果を用いるため、サイドゲームの入賞判定はメインゲームの入賞判定と併せて行うことができる。
【0119】
そのため、上述したゲーミングシステム1は、メインゲームの後にボーナスゲームを追加的に提供する従来のゲーミングシステムに比べて、サイドゲームにおいて入賞配当を獲得できなかった場合であっても、プレイヤーがサイドゲームに費やした時間を無駄に感じにくく、プレイヤーのゲームに対する興味低下を抑制することができる。
【0120】
また、ゲーミングシステム1では、1回のレースでメインゲームとサイドゲームの2つのゲームがプレイヤーに提供されることで、レース1回あたりの入賞のバリエーション(例えば、メインゲームおよびサイドゲームのいずれか一方が入賞する場合と、両方が入賞する場合)が増し、レース結果のプレイヤーに対する訴求力を高めることができる。
【0121】
さらに、メインゲームの後にボーナスゲームを追加的に提供する従来のゲーミングシステムでは、ボーナスゲームが実行されている間、ボーナスゲームに参加しないプレイヤーはボーナスゲームが終了するまで待つことになり、そのようなプレイヤーのゲームに対する興味低下を招くことがあった。上述したゲーミングシステム1では、サイドゲームがメインゲームと並行して実行されるため、サイドゲームに参加しないプレイヤーの待ち時間は生じず、サイドゲームに参加しないプレイヤーのゲームに対する興味低下も抑制することができる上、ゲーミングシステム1の単位時間当たりの稼働率を高められる。
【0122】
ゲーミングシステム1において、サイドベットは、所定の制限を設けてもよく、プレイヤーが制限なくできるようにしてもよい。例えば、ゲーミングステーション40は、プレイヤーからメインベットを受け付けた場合にのみサイドベットを認める態様であってもよく、所定額以上のメインベットを受け付けた場合にのみサイドベットを認める態様であってもよい。なお、プレイヤーからメインベットを受け付けない場合でも、サイドベットを認める態様とすることもできる。
【0123】
ゲーミングシステム1において、メイン制御ユニット10からサイドベットしたゲーミングステーション40に付与されるレースの結果候補は、6連単等の単勝式に限らず、6連複等の複勝式であってもよい。また、ゲームアプリケーションプログラム440の入賞判定446では、サイドゲームの入賞判定を行う際、レースの結果候補が単勝式であるものとしてレース結果と比較して入賞判定するとともに、レースの結果候補が複勝式であるものとしてレース結果と比較して入賞判定してもよい。この場合、単勝式で入賞した場合(第1の入賞)の配当の額を、複勝式で入賞した場合(第2の入賞)の配当の額よりも高く設定してもよい。
【0124】
なお、上述したゲーミングシステム1のCPU101、401の機能は、コンピュータによりプログラムが実行されることでも実現され得る。すなわち、1又は複数のコンピュータを、上述したCPU101、401と同様に機能させるプログラムが作成可能である。このようなプログラムは、メイン制御ユニットのコンピュータに、競技の結果とは別に、競技の結果候補の一つをランダムに選択して複数のゲーミングステーションにそれぞれ付与する機能を実現するプログラムと、ゲーミングステーションのコンピュータに、付与された結果候補と受信した競技の結果とに基づいて、プレイヤーに第1の特典とは異なる第2の特典を付与するサイドゲームを行う機能を実現するプログラムとを含む。上記プログラムは、例えば、ROM又は半導体メモリ等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録されて、提供され得る。
【0125】
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、種々変形が可能である。例えば、ゲーミングシステムにより提供されるゲームは、競走馬を仮想参加体とする競馬ゲームに限らず、自動車を仮想参加体とするカーレースゲームやボートを仮想参加体とするボートレースゲーム等であってもよい。ゲーミングシステムにより提供されるゲームは、複数の仮想参加体がゴールに到着した着順を競うレースゲームに限らず、複数の仮想参加体が得た得点を競うものであってもよい。この場合、競技の結果および結果候補はいずれも競技に参加した仮想参加体それぞれの得点とすることができる。
【0126】
ゲーミングシステムは、必ずしもフィールドユニットを備える必要はなく、フィールドユニットを省略した場合には、メイン制御ユニットが、センターディスプレイおよび/または各ゲーミングステーションに表示することができるビデオを介して、レースにおける仮想参加体の進行が表示され得る。
【0127】
また、上記実施形態では、遊技価値として紙幣またはチケットを示し、これらを紙幣/チケット識別装置で受け付けて、プリンタユニットでチケットを出力する態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。遊技価値は、硬貨、紙幣、コイン、メダル、チケット等の有体物、又はこれらと同等の価値を有する電子データを含む概念である。例えば、コインアクセプターでコインを受け付けて、コインホッパーからコインを支払う態様であっても構わない。プレイヤーを識別してサーバ上のアカウントに蓄積されたクレジットを使用し、アカウントへクレジットを払い出す態様であってもよく、磁気カード、ICカード等の記憶媒体に記録されたクレジットの情報を読み取って使用し、記憶媒体へ書き込むことでクレジットを払い出す態様であってもよい。
【符号の説明】
【0128】
1…ゲーミングシステム、10…メイン制御ユニット、20…フィールドユニット、22…フィールド盤、25…自走車、30…モニタユニット、40…ゲーミングステーション、101、201、301、401…CPU、120、440…ゲームアプリケーションプログラム、140、460…システムアプリケーションプログラム。
図1
図2
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図5
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図10
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