IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日機装株式会社の特許一覧

特許7312056半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法
<>
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図1
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図2
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図3
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図4
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図5
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図6
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図7
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図8
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図9
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図10
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図11
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図12
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図13
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図14
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図15
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図16
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図17
  • 特許-半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/44 20100101AFI20230712BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20230712BHJP
【FI】
H01L33/44
H01L33/32
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019151150
(22)【出願日】2019-08-21
(65)【公開番号】P2020113741
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】P 2019000758
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】稲津 哲彦
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 紀隆
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-082612(JP,A)
【文献】特開2013-171982(JP,A)
【文献】特開2016-127056(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0252390(US,A1)
【文献】国際公開第2016/181625(WO,A1)
【文献】特開2015-133401(JP,A)
【文献】特表2009-525406(JP,A)
【文献】特許第5985782(JP,B1)
【文献】特開2013-065773(JP,A)
【文献】特開2011-253975(JP,A)
【文献】特表2020-503678(JP,A)
【文献】特開2017-092477(JP,A)
【文献】特開2015-023073(JP,A)
【文献】特開2011-187692(JP,A)
【文献】特表2009-537982(JP,A)
【文献】特表2014-513420(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0125521(KR,A)
【文献】国際公開第2017/201459(WO,A1)
【文献】特開2016-184724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に設けられるn型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系半導体材料のn型半導体層と、
前記n型半導体層上の第1領域に設けられるAlGaN系半導体材料の活性層と、
前記活性層上に設けられるp型AlGaN系半導体材料のp型半導体層と、
前記n型半導体層上の前記第1領域とは異なる第2領域と、前記活性層の側面と、前記p型半導体層とを被覆するように設けられ、酸化アルミニウム(Al)で構成され、膜厚が10nm以上50nm以下である第1被覆層と、
前記第1被覆層を貫通して前記n型半導体層に接するn側コンタクト電極と、
前記第1被覆層を貫通して前記p型半導体層に接するp側コンタクト電極と、
前記第1被覆層、前記n側コンタクト電極および前記p側コンタクト電極を被覆するように設けられ、膜厚が100nm以上である第2被覆層と、
前記第2被覆層を貫通して前記n側コンタクト電極と接続されるn側パッド電極と、
前記第2被覆層を貫通して前記p側コンタクト電極と接続されるp側パッド電極と、を備え
前記第2被覆層は、前記第1被覆層の厚さの10倍以上の厚さを有するSiO 層を含み、
前記第2被覆層は、前記SiO 層を被覆する窒化物層をさらに含むことを特徴とする半導体発光素子。
【請求項2】
基板上に設けられるn型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系半導体材料のn型半導体層と、
前記n型半導体層上の第1領域に設けられるAlGaN系半導体材料の活性層と、
前記活性層上に設けられるp型AlGaN系半導体材料のp型半導体層と、
前記n型半導体層上の前記第1領域とは異なる第2領域と、前記活性層の側面と、前記p型半導体層とを被覆するように設けられ、酸化アルミニウム(Al)で構成される第1被覆層と、
前記第1被覆層を貫通して前記n型半導体層に接するn側コンタクト電極と、
前記第1被覆層を貫通して前記p型半導体層に接するp側コンタクト電極と、
前記第1被覆層、前記n側コンタクト電極および前記p側コンタクト電極を被覆するように設けられる第2被覆層と、
前記第2被覆層を貫通して前記n側コンタクト電極と接続されるn側パッド電極と、
前記第2被覆層を貫通して前記p側コンタクト電極と接続されるp側パッド電極と、を備え、
前記第2被覆層は、前記第1被覆層の材料よりも低屈折率の材料で構成される第1層と、前記第1被覆層の材料よりも高屈折率の材料で構成され、前記第1層を被覆する第2層とを含むことを特徴とする半導体発光素子。
【請求項3】
前記基板の表面、前記第2被覆層、前記n側パッド電極の側面および前記p側パッド電極の側面のそれぞれの少なくとも一部を被覆するように設けられ、酸化アルミニウム(Al)で構成される第3被覆層をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
前記n側パッド電極と接続されるn側実装電極と、前記p側パッド電極と接続されるp側実装電極とを含む実装基板をさらに備え、
前記第3被覆層はさらに、前記実装基板の表面の少なくとも一部を被覆するように設けられることを特徴とする請求項3に記載の半導体発光素子。
【請求項5】
前記第1被覆層に含まれる水素の濃度は、前記第3被覆層に含まれる水素の濃度よりも低いことを特徴とする請求項3または4に記載の半導体発光素子。
【請求項6】
前記p型半導体層と前記第1被覆層の間に設けられ、酸化シリコン(SiO)または酸窒化シリコン(SiON)で構成される保護絶縁層をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項7】
前記第2被覆層は、前記第1被覆層の厚さの10倍以上の厚さを有するSiO層を含むことを特徴とする請求項に記載の半導体発光素子。
【請求項8】
前記第2被覆層は、前記SiO層を被覆する窒化物層をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子。
【請求項9】
前記n型半導体層は、窒化アルミニウム(AlN)のモル分率が20%以上であり、
前記活性層は、波長350nm以下の紫外光を発するよう構成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項10】
基板上に、n型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系半導体材料のn型半導体層、n型半導体層上のAlGaN系半導体材料の活性層、活性層上のp型AlGaN系半導体材料のp型半導体層を順に積層する工程と、
前記n型半導体層の一部が露出するように前記p型半導体層、前記活性層および前記n型半導体層の一部を除去する工程と、
前記n型半導体層の露出領域上と、前記活性層の側面と、前記p型半導体層とを被覆するように、酸化アルミニウム(Al)で構成され、膜厚が10nm以上50nm以下である第1被覆層を形成する工程と、
前記第1被覆層を部分的に除去して前記n型半導体層に接するn側コンタクト電極を形成する工程と、
前記第1被覆層を部分的に除去して前記p型半導体層に接するp側コンタクト電極を形成する工程と、
前記第1被覆層と、前記n側コンタクト電極と、前記p側コンタクト電極とを被覆し、膜厚が100nm以上である第2被覆層を形成する工程と、
前記第2被覆層を部分的に除去して前記n側コンタクト電極と接続されるn側パッド電極を形成する工程と、
前記第2被覆層を部分的に除去して前記p側コンタクト電極と接続されるp側パッド電極を形成する工程と、を備え
前記第2被覆層を形成する工程は、前記第1被覆層の厚さの10倍以上の厚さを有するSiO 層を形成する工程と、前記SiO 層を被覆する窒化物層を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【請求項11】
基板上に、n型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系半導体材料のn型半導体層、n型半導体層上のAlGaN系半導体材料の活性層、活性層上のp型AlGaN系半導体材料のp型半導体層を順に積層する工程と、
前記n型半導体層の一部が露出するように前記p型半導体層、前記活性層および前記n型半導体層の一部を除去する工程と、
前記n型半導体層の露出領域上と、前記活性層の側面と、前記p型半導体層とを被覆するように、酸化アルミニウム(Al)で構成される第1被覆層を形成する工程と、
前記第1被覆層を部分的に除去して前記n型半導体層に接するn側コンタクト電極を形成する工程と、
前記第1被覆層を部分的に除去して前記p型半導体層に接するp側コンタクト電極を形成する工程と、
前記第1被覆層と、前記n側コンタクト電極と、前記p側コンタクト電極とを被覆する第2被覆層を形成する工程と、
前記第2被覆層を部分的に除去して前記n側コンタクト電極と接続されるn側パッド電極を形成する工程と、
前記第2被覆層を部分的に除去して前記p側コンタクト電極と接続されるp側パッド電極を形成する工程と、を備え、
前記第2被覆層を形成する工程は、前記第1被覆層の材料よりも低屈折率の材料で構成される第1層を形成する工程と、前記第1被覆層の材料よりも高屈折率の材料で構成され、前記第1層を被覆する第2層を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
【請求項12】
前記基板の表面、前記第2被覆層、前記n側パッド電極の側面および前記p側パッド電極の側面の少なくとも一部を被覆するように、酸化アルミニウム(Al)で構成される第3被覆層を形成する工程をさらに備え、
前記第1被覆層は、有機アルミニウム化合物と、酸素ガス(O)プラズマまたはオゾンガス(O)とを原料とする原子層堆積法により形成され、
前記第3被覆層は、有機アルミニウム化合物と、水(HO)とを原料とする原子層堆積法により形成されることを特徴とする請求項10または11に記載の半導体発光素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
深紫外光用の発光素子は、基板上に順に積層される窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系のn型クラッド層、活性層、p型クラッド層を有する。エッチングにより露出させたn型クラッド層の一部領域上にn側電極が形成され、p型クラッド層上にはp側電極が形成される。n側電極およびp側電極の上には、酸化シリコン(SiO)や酸化アルミニウム(Al)等の保護絶縁膜が設けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5985782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光素子の表面をより好適に被覆できることが好ましい。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的のひとつは、半導体発光素子の信頼性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の半導体発光素子は、基板上に設けられるn型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系半導体材料のn型半導体層と、n型半導体層上の第1領域に設けられるAlGaN系半導体材料の活性層と、活性層上に設けられるp型AlGaN系半導体材料のp型半導体層と、n型半導体層上の第1領域とは異なる第2領域と、活性層の側面と、p型半導体層とを被覆するように設けられ、酸化アルミニウム(Al)で構成される第1被覆層と、第1被覆層を貫通してn型半導体層に接するn側コンタクト電極と、第1被覆層を貫通してp型半導体層に接するp側コンタクト電極と、第1被覆層、n側コンタクト電極およびp側コンタクト電極を被覆するように設けられる第2被覆層と、第2被覆層を貫通してn側コンタクト電極と接続されるn側パッド電極と、第2被覆層を貫通してp側コンタクト電極と接続されるp側パッド電極と、を備える。
【0007】
この態様によると、AlGaN系半導体材料で構成されるn型半導体層、活性層およびp型半導体層が耐湿性の優れた酸化アルミニウム(Al)で被覆されるため、これらの半導体層の表面をより好適に被覆できる。さらに、第1被覆層と、n側コンタクト電極およびp側コンタクト電極とをさらに被覆する第2被覆層を設けることで、第1被覆層を保護しつつ、コンタクト電極の表面を好適に被覆できる。これにより、信頼性の高い半導体発光素子を提供できる。
【0008】
基板の表面、第2被覆層、n側パッド電極の側面およびp側パッド電極の側面のそれぞれの少なくとも一部を被覆するように設けられ、酸化アルミニウム(Al)で構成される第3被覆層をさらに備えてもよい。
【0009】
n側パッド電極と接続されるn側実装電極と、p側パッド電極と接続されるp側実装電極とを含む実装基板をさらに備えてもよい。第3被覆層はさらに、実装基板の表面の少なくとも一部を被覆するように設けられてもよい。
【0010】
第1被覆層に含まれる水素の濃度は、第3被覆層に含まれる水素の濃度よりも低い。
【0011】
p型半導体層と第1被覆層の間に設けられ、酸化シリコン(SiO)または酸窒化シリコン(SiON)で構成される保護絶縁層をさらに備えてもよい。
【0012】
n型半導体層は、窒化アルミニウム(AlN)のモル分率が20%以上であり、活性層は、波長350nm以下の紫外光を発するよう構成されてもよい。
【0013】
本発明の別の態様は、半導体発光素子の製造方法である。この方法は、基板上に、n型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系半導体材料のn型半導体層、n型半導体層上のAlGaN系半導体材料の活性層、活性層上のp型AlGaN系半導体材料のp型半導体層を順に積層する工程と、n型半導体層の一部が露出するようにp型半導体層、活性層およびn型半導体層の一部を除去する工程と、n型半導体層の露出領域上と、活性層の側面と、p型半導体層とを被覆するように、酸化アルミニウム(Al)で構成される第1被覆層を形成する工程と、第1被覆層を部分的に除去してn型半導体層に接するn側コンタクト電極を形成する工程と、第1被覆層を部分的に除去してp型半導体層に接するp側コンタクト電極を形成する工程と、第1被覆層と、n側コンタクト電極と、p側コンタクト電極とを被覆する第2被覆層を形成する工程と、第2被覆層を部分的に除去してn側コンタクト電極と接続されるn側パッド電極を形成する工程と、第2被覆層を部分的に除去してp側コンタクト電極と接続されるp側パッド電極を形成する工程と、を備える。
【0014】
この態様によると、AlGaN系半導体材料で構成されるn型半導体層、活性層およびp型半導体層が耐湿性の優れた酸化アルミニウム(Al)で被覆されるため、これらの半導体層の表面をより好適に被覆できる。さらに、第1被覆層と、n側コンタクト電極およびp側コンタクト電極とをさらに被覆する第2被覆層を設けることで、第1被覆層を保護しつつ、コンタクト電極の表面を好適に被覆できる。これにより、信頼性の高い半導体発光素子を提供できる。
【0015】
第1被覆層は、有機アルミニウム化合物と、酸素ガス(O)プラズマまたはオゾンガス(O)とを原料とする原子層堆積法により形成されてもよい。
【0016】
基板の表面、第2被覆層、n側パッド電極の側面およびp側パッド電極の側面の少なくとも一部を被覆するように、酸化アルミニウム(Al)で構成される第3被覆層を形成する工程をさらに備えてもよい。第3被覆層は、有機アルミニウム化合物と、水(HO)とを原料とする原子層堆積法により形成されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、半導体発光素子の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態に係る半導体発光素子の構成を概略的に示す断面図である。
図2】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図3】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図4】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図5】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図6】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図7】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図8】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図9】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図10】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図11】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図12】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図13】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図14】別の実施の形態に係る半導体発光素子の構成を概略的に示す図である。
図15】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図16】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図17】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
図18】半導体発光素子の製造工程を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、説明の理解を助けるため、各図面における各構成要素の寸法比は、必ずしも実際の発光素子の寸法比と一致しない。
【0020】
図1は、実施の形態に係る半導体発光素子10の構成を概略的に示す断面図である。半導体発光素子10は、中心波長λが約360nm以下となる「深紫外光」を発するように構成されるLED(Light Emitting Diode)チップである。このような波長の深紫外光を出力するため、半導体発光素子10は、バンドギャップが約3.4eV以上となる窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系半導体材料で構成される。本実施の形態では、特に、中心波長λが約240nm~350nmの深紫外光を発する場合について示す。
【0021】
本明細書において、「AlGaN系半導体材料」とは、少なくとも窒化アルミニウム(AlN)および窒化ガリウム(GaN)を含む半導体材料のことをいい、窒化インジウム(InN)などの他の材料を含有する半導体材料を含むものとする。したがって、本明細書にいう「AlGaN系半導体材料」は、例えば、In1-x-yAlGaN(0<x+y≦1、0<x<1、0<y<1)の組成で表すことができ、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)または窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)を含む。本明細書の「AlGaN系半導体材料」は、例えば、AlNおよびGaNのそれぞれのモル分率が1%以上であり、好ましくは5%以上、10%以上または20%以上である。
【0022】
また、AlNを含まない材料を区別するために「GaN系半導体材料」ということがある。「GaN系半導体材料」には、GaNやInGaNが含まれる。同様に、GaNを含まない材料を区別するために「AlN系半導体材料」ということがある。「AlN系半導体材料」には、AlNやInAlNが含まれる。
【0023】
半導体発光素子10は、ダイ12と、実装基板14と、金属接合材16n,16pと、被覆層(第3被覆層ともいう)18とを備える。ダイ12は、基板20と、バッファ層22と、n型クラッド層24と、活性層26と、電子ブロック層28と、p型クラッド層30と、保護絶縁層32と、第1被覆層34と、n側コンタクト電極36と、n側保護金属層38と、p側コンタクト電極40と、p側保護金属層42と、第2被覆層44と、n側パッド電極46と、p側パッド電極48とを備える。
【0024】
図1において、基板20から実装基板14に向かう方向を「上側」ということがある。これは、後述する図2図12の製造工程において、基板20の上に各層を積層させた後に、ダイ12の向きを上下反転して実装基板14の上に実装するためである。
【0025】
基板20は、半導体発光素子10が発する深紫外光に対して透光性を有する基板であり、例えば、サファイア(Al)基板である。基板20は、第1主面20aと、第1主面20aの反対側の第2主面20bを有する。第1主面20aは、バッファ層22より上の各層を成長させるための結晶成長面となる一主面である。第1主面20aの外周には、第1主面20aとは高さの異なる外周面20cが設けられている。第2主面20bは、活性層26が発する深紫外光を外部に取り出すための光取出面となる一主面である。変形例において、基板20は、窒化アルミニウム(AlN)基板であってもよいし、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)基板であってもよい。
【0026】
バッファ層22は、基板20の第1主面20aの上に形成される。バッファ層22は、n型クラッド層24より上の各層を形成するための下地層(テンプレート層)である。バッファ層22は、例えば、アンドープのAlN層であり、具体的には高温成長させたAlN(HT-AlN;High Temperature AlN)層である。バッファ層22は、AlN層上に形成されるアンドープのAlGaN層を含んでもよい。変形例において、基板20がAlN基板またはAlGaN基板である場合、バッファ層22は、アンドープのAlGaN層のみで構成されてもよい。つまり、バッファ層22は、アンドープのAlN層およびAlGaN層の少なくとも一方を含む。
【0027】
n型クラッド層24は、バッファ層22の上に形成されるn型半導体層である。n型クラッド層24は、n型のAlGaN系半導体材料層であり、例えば、n型の不純物としてシリコン(Si)がドープされるAlGaN層である。n型クラッド層24は、活性層26が発する深紫外光を透過するように組成比が選択され、例えば、AlNのモル分率が25%以上、好ましくは、40%以上または50%以上となるように形成される。n型クラッド層24は、活性層26が発する深紫外光の波長よりも大きいバンドギャップを有し、例えば、バンドギャップが4.3eV以上となるように形成される。n型クラッド層24は、AlNのモル分率が80%以下、つまり、バンドギャップが5.5eV以下となるように形成されることが好ましく、AlNのモル分率が70%以下(つまり、バンドギャップが5.2eV以下)となるように形成されることがより望ましい。n型クラッド層24は、1μm~3μm程度の厚さを有し、例えば、2μm程度の厚さを有する。
【0028】
n型クラッド層24は、不純物であるシリコン(Si)の濃度が1×1018/cm以上5×1019/cm以下となるように形成される。n型クラッド層24は、Si濃度が5×1018/cm以上3×1019/cm以下となるように形成されることが好ましく、7×1018/cm以上2×1019/cm以下となるように形成されることが好ましい。ある実施例において、n型クラッド層24のSi濃度は、1×1019/cm前後であり、8×1018/cm以上1.5×1019/cm以下の範囲である。
【0029】
活性層26は、AlGaN系半導体材料で構成され、n型クラッド層24と電子ブロック層28の間に挟まれてダブルへテロ接合構造を形成する。活性層26は、単層または多層の量子井戸構造を有してもよく、例えば、アンドープのAlGaN系半導体材料で形成されるバリア層と、アンドープのAlGaN系半導体材料で形成される井戸層の積層体で構成されてもよい。活性層26は、波長355nm以下の深紫外光を出力するためにバンドギャップが3.4eV以上となるように構成され、例えば、波長310nm以下の深紫外光を出力できるようにAlN組成比が選択される。活性層26は、n型クラッド層24の第1上面24aに設けられ、第1上面24aの隣の第2上面24bには設けられない。つまり、活性層26は、n型クラッド層24の全面に形成されず、n型クラッド層24の一部領域にのみ形成される。
【0030】
電子ブロック層28は、活性層26の上に形成される。電子ブロック層28は、アンドープのAlGaN系半導体材料層であり、例えば、AlNのモル分率が40%以上、好ましくは、50%以上となるように形成される。電子ブロック層28は、AlNのモル分率が80%以上となるように形成されてもよく、GaNを含まないAlN系半導体材料で形成されてもよい。電子ブロック層は、1nm~10nm程度の厚さを有し、例えば、2nm~5nm程度の厚さを有する。電子ブロック層28は、p型のAlGaN系半導体材料層であってもよい。
【0031】
p型クラッド層30は、電子ブロック層28の上に形成されるp型半導体層である。p型クラッド層30は、p型のAlGaN系半導体材料層であり、例えば、p型の不純物としてマグネシウム(Mg)がドープされるAlGaN層である。p型クラッド層30は、300nm~700nm程度の厚さを有し、例えば、400nm~600nm程度の厚さを有する。p型クラッド層30は、AlNを含まないp型GaN系半導体材料で形成されてもよい。
【0032】
保護絶縁層32は、p型クラッド層30の上に設けられる。保護絶縁層32は、酸化シリコン(SiO)または酸窒化シリコン(SiON)で構成される。保護絶縁層32は、p型クラッド層30に比べて活性層26から出力される深紫外光に対する屈折率が低い材料で構成される。p型クラッド層30を構成するAlGaN系半導体材料の屈折率は組成比によるが2.1~2.56程度である。一方、保護絶縁層32を構成するSiOの屈折率は1.4程度であり、SiONの屈折率は1.4~2.1程度である。低屈折率の保護絶縁層32を設けることで、p型クラッド層30と保護絶縁層32の界面で活性層26からの紫外光のより多くを全反射させ、光取出面である基板20の第2主面20bに向かわせることができる。特に、酸化シリコン(SiO)はp型クラッド層30との屈折率差が大きいため、反射特性をより高めることができる。保護絶縁層32の厚みは、50nm以上であり、例えば100nm以上500nm以下とすることができる。
【0033】
第1被覆層34は、保護絶縁層32の上と、n型クラッド層24の第2上面24bの上と、n型クラッド層24、活性層26および電子ブロック層28の側面とを被覆するように設けられる。第1被覆層34は、図示されるように、バッファ層22の側面や基板20の外周面20cを被覆してもよい。第1被覆層34は、酸化アルミニウム(Al)で構成される。第1被覆層34を構成する酸化アルミニウム(Al)は、酸化シリコン(SiO)に比べて耐湿性に優れる。そのため、半導体層の上面および側面の全体を第1被覆層34で被覆することで、耐湿性に優れた保護機能を提供できる。また、第1被覆層34を構成する酸化アルミニウム(Al)は、活性層26から出力される深紫外光の吸収率が低いため、第1被覆層34を設けることによる光出力の低下も抑制できる。第1被覆層34の厚みは、10nm以上50nm以下とすることができ、例えば、10nm~30nm程度とすることができる。
【0034】
第1被覆層34を構成するAlは、膜密度の高い緻密な構造であることが好ましく、例えば原子層堆積(ALD;Atomic Layer Deposition)法を用いて形成されることが好ましい。また、第1被覆層34は、水素濃度が低いことが好ましい。第1被覆層34に高濃度の水素(H)が含まれていると、活性層26やp型クラッド層30に水素が拡散し、これらの半導体層を劣化させる原因となる。水素濃度の低いAlとするため、酸素原子の供給源として、水(HO)ではなく、酸素ガス(O)プラズマやオゾンガス(O)を用いることが好ましい。つまり、第1被覆層34は、トリメチルアルミニウム(TMA)などの有機アルミニウム化合物と、OプラズマまたはOとを原料とするALD法により形成されることが好ましい。
【0035】
n側コンタクト電極36は、n型クラッド層24の第2上面24bに設けられ、n型クラッド層24の第2上面24bにて第1被覆層34を貫通する開口を通じてn型クラッド層24と接する。n側コンタクト電極36は、例えばn型クラッド層24上に接するTi層と、Ti層上に接するAl層とを含む。Ti層の厚さは1nm~10nm程度であり、5nm以下であることが好ましく、2nm以下であることがより好ましい。Ti層の厚さを小さくすることで、n型クラッド層24から見たときのn側コンタクト電極36の紫外光反射率を高めることができる。Al層の厚さは100nm~1000nm程度であり、200nm以上であることが好ましく、300nm以上であることがより好ましい。Al層の厚さを大きくすることで、n側コンタクト電極36の紫外光反射率を高めることができる。なお、n側コンタクト電極36には、紫外光反射率の低下の要因となりうる金(Au)が含まれないことが好ましい。
【0036】
p側コンタクト電極40は、p型クラッド層30上に設けられ、p型クラッド層30上の保護絶縁層32および第1被覆層34を貫通する開口を通じてp型クラッド層30と接する。p側コンタクト電極40は、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電性酸化物(TCO)により構成される。p側コンタクト電極40の厚さは20nm~500nm程度であり、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。
【0037】
n側保護金属層38は、n側コンタクト電極36の上に設けられ、p側保護金属層42は、p側コンタクト電極40の上に設けられる。n側保護金属層38およびp側保護金属層42(総称して保護金属層ともいう)は、第2被覆層44との密着性の高い金属材料で形成され、単一金属膜または金属積層膜で構成される。保護金属層38,42は、第2被覆層44を貫通する開口を形成するためのドライエッチング工程でのストップ層として機能させるため、エッチングガスに対する耐性の高い金属材料で構成されることが好ましい。保護金属層38,42の材料として、例えば白金族金属を用いることができ、パラジウム(Pd)を用いることができる。保護金属層38,42の厚みは、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることが好ましい。
【0038】
第2被覆層44は、第1被覆層34と、n側コンタクト電極36およびn側保護金属層38と、p側コンタクト電極40およびp側保護金属層42とを被覆するように設けられる。第2被覆層44は、絶縁性の酸化物、窒化物または酸窒化物で構成され、例えば酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸窒化シリコン(SiON)または酸窒化アルミニウム(AlON)を用いることができる。第2被覆層44の厚さは50nm以上であり、100nm以上であることが好ましい。第2被覆層44の厚さは500nm~1000nm程度あってもよい。第2被覆層44の厚さを大きくすることで、半導体層に比べて厚みの大きいコンタクト電極36,40および保護金属層38,42を好適に被覆できる。
【0039】
n側パッド電極46およびp側パッド電極48(総称してパッド電極ともいう)は、ダイ12を実装基板14に実装する際にボンディング接合される部分である。n側パッド電極46は、n側保護金属層38の上に設けられ、第2被覆層44を貫通する開口を通じてn側保護金属層38と接する。n側パッド電極46は、n側保護金属層38を介してn側コンタクト電極36と電気的に接続される。p側パッド電極48は、p側保護金属層42の上に設けられ、第2被覆層44を貫通する開口を通じてp側保護金属層42と接する。p側パッド電極48は、p側保護金属層42を介してp側コンタクト電極40と電気的に接続される。
【0040】
パッド電極46,48は、耐腐食性の観点から金(Au)を含むように構成され、例えば、ニッケル(Ni)/Au、チタン(Ti)/AuまたはTi/白金(Pt)/Auの積層構造で構成される。パッド電極46,48が金錫(AuSn)で接合される場合、金属接合材となるAuSn層をパッド電極46,48が含んでもよい。
【0041】
ダイ12は、実装基板14の上に実装されている。実装基板14は、基部50と、実装電極52n,52pと、外部端子54n,54pとを備える。基部50は、窒化アルミニウム(AlN)などのセラミック材料で構成される板状部材である。実装電極52n,52pは、基部50の第1主面50aに設けられる。実装電極52n,52pは、ダイ12のパッド電極46,48と接合される金属電極であり、耐腐食性の観点から金(Au)を含むように構成される。外部端子54n,54pは、半導体発光素子10をプリント基板などにハンダ付けするための金属端子であり、基部50の第1主面50aとは反対側の第2主面50bに設けられる。基部50の内部において、n側実装電極52nとn側外部端子54nが電気的に接続され、p側実装電極52pとp側外部端子54pが電気的に接続されている。
【0042】
金属接合材16n,16pは、ダイ12と実装基板14を接合する。金属接合材16n,16pは、金錫(AuSn)や錫亜鉛(SnZn)系の半田材料で構成される。n側金属接合材16nは、n側パッド電極46とn側実装電極52nを接合し、p側金属接合材16pは、p側パッド電極48とp側実装電極52pを接合する。
【0043】
第3被覆層18は、ダイ12の表面全体と、実装基板14の表面の一部と、金属接合材16n、16pとを被覆するように設けられる。第3被覆層18は、基板20の第2主面20bおよび側面20dと、第2被覆層44の表面と、n側パッド電極46およびp側パッド電極48の側面とを被覆する。また、第3被覆層18は、実装基板14の第1主面50aおよび側面50cと、実装電極52n,52pの表面とを被覆する。
【0044】
第3被覆層18は、酸化アルミニウム(Al)で構成され、上述の第1被覆層34と同様、膜密度の高い緻密な構造となるように原子層堆積(ALD)法を用いて形成されることが好ましい。一方で、第3被覆層18は、ダイ12の活性層26などの半導体層と直接接触しないため、必ずしも水素濃度が低くなくてもよい。つまり、第3被覆層18の水素濃度は、第1被覆層34の水素濃度よりも高くてもよい。したがって、第3被覆層18を構成するAlの酸素原子の供給源として、水(HO)を使用してもよく、TMAなどの有機アルミニウム化合物と、HOとを原料とするALD法により形成されてもよい。HOを原料として用いることで、OプラズマまたはOを用いる場合に比べて原料を狭い隙間まで行き渡らせることが容易となり、ダイ12と実装基板14の間の狭い隙間においても緻密なAlを好適に形成できる。第3被覆層18の厚みは、10nm以上50nm以下とすることができ、例えば、10nm~30nm程度とすることができる。
【0045】
つづいて、半導体発光素子10の製造方法について説明する。図2図13は、半導体発光素子10の製造工程を概略的に示す図である。まず、図2に示されるように、基板20の第1主面20aの上にバッファ層22、n型クラッド層24、活性層26、電子ブロック層28、p型クラッド層30、保護絶縁層32が順に形成される。
【0046】
基板20は、サファイア(Al)基板であり、例えばサファイア基板の(0001)面上にバッファ層22が形成される。バッファ層22は、例えば、高温成長させたAlN(HT-AlN)層と、アンドープのAlGaN(u-AlGaN)層とを含む。n型クラッド層24、活性層26、電子ブロック層28およびp型クラッド層30は、AlGaN系半導体材料、AlN系半導体材料またはGaN系半導体材料で形成される層であり、有機金属化学気相成長(MOVPE)法や、分子線エピタキシ(MBE)法などの周知のエピタキシャル成長法を用いて形成できる。保護絶縁層32は、SiOまたはSiONで構成され、化学気相成長(CVD)法などの周知の技術を用いて形成できる。
【0047】
次に、図3に示すように、保護絶縁層32の上に第1マスク61が形成され、第1マスク61が形成されていない第1領域W1の保護絶縁層32、p型クラッド層30、電子ブロック層28、活性層26およびn型クラッド層24の一部が除去される。これにより、第1領域(露出領域ともいう)W1にn型クラッド層24の第2上面24b(露出面)が形成される。n型クラッド層24の露出面を形成する工程では、ドライエッチング71により各層を除去できる。例えば、エッチングガスのプラズマ化による反応性イオンエッチングを用いることができ、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP;Inductive Coupled Plasma)エッチングを用いることができる。その後、第1マスク61が除去される。
【0048】
次に、図4に示すように、保護絶縁層32の上およびn型クラッド層24の第2上面24bの上に第2マスク62が形成される。その後、第2マスク62が形成されていない第2領域(外周領域ともいう)W2の保護絶縁層32、p型クラッド層30、電子ブロック層28、活性層26およびn型クラッド層24がドライエッチング72により除去される。第2領域W2は、1枚の基板上に複数の発光素子(ダイ)を形成する場合の素子間の分離領域である。第2領域W2において、バッファ層22が部分的に除去されてもよいし、バッファ層22が完全に除去されて基板20が露出してもよい。第2領域W2において、基板20の一部が除去されて第1主面20aとは高さの異なる基板20の外周面20cが露出してもよい。その後、第2マスク62が除去される。
【0049】
次に、図5に示すように、素子構造の上面の全体を被覆するように第1被覆層34を形成する。第1被覆層34は、Alで構成され、例えばTMAとOプラズマまたはOとを原料とするALD法により形成される。第1被覆層34は、保護絶縁層32の上と、n型クラッド層24の第2上面24bの上と、n型クラッド層24、活性層26、電子ブロック層28およびp型クラッド層30の側面を被覆するように形成される。保護絶縁層32は、バッファ層22の側面を被覆してもよいし、基板20の外周面20cや側面の少なくとも一部を被覆してもよい。
【0050】
次に、図6に示すように、第1被覆層34の上に第3マスク63が形成される。第3マスク63は、n型クラッド層24の第2上面24bの上のn側電極領域W3nと、p型クラッド層30の上のp側電極領域W3pとを除いて形成される。つづいて、n側電極領域W3nおよびp側電極領域W3pにおいて第1被覆層34がドライエッチング73により除去される。これにより、n側電極領域W3nにてn型クラッド層24が露出する第1開口81が形成され、p側電極領域W3pにて保護絶縁層32が露出する第2開口82が形成される。その後、第3マスク63が除去される。
【0051】
次に、図7に示すように、第1開口81にて露出するn型クラッド層24の上にn側コンタクト電極36が形成され、n側コンタクト電極36の上にn側保護金属層38が形成される。n側コンタクト電極36は、例えばTi層とAl層の積層構造であり、n側保護金属層38は、例えばPd層である。n側コンタクト電極36およびn側保護金属層38は、スパッタリング法または電子ビーム(EB)蒸着法で形成できる。
【0052】
次に、図8に示すように、第2開口82に対応する第4領域W4を除いて第4マスク64が形成される。つづいて、第4領域において保護絶縁層32がウェットエッチングにより除去され、p型クラッド層30が露出する第3開口83が形成される。保護絶縁層32は、例えば、フッ化水素酸(HF)とフッ化アンモニウム(NHF)の混合液であるバッファードフッ酸(BHF)を用いて除去できる。保護絶縁層32をウェットエッチングすることで、保護絶縁層32をドライエッチングする場合に比べて、第3開口83にて露出するp型クラッド層30へのダメージ影響を低減できる。その後、第4マスク64が除去される。
【0053】
次に、図9に示すように、第3開口83にて露出するp型クラッド層30の上にp側コンタクト電極40が形成され、p側コンタクト電極40の上にp側保護金属層42が形成される。p側コンタクト電極40は、例えばITO層であり、p側保護金属層42は、例えばPd層である。p側コンタクト電極40およびp側保護金属層42は、スパッタリング法または電子ビーム(EB)蒸着法で形成できる。
【0054】
次に、図10に示すように、素子構造の上面の全体を被覆するように第2被覆層44が形成される。第2被覆層44は、第1被覆層34の上を被覆するとともに、n側コンタクト電極36、n側保護金属層38、p側コンタクト電極40およびp側保護金属層42の上を被覆するように形成される。第2被覆層44は、例えばSiO層であり、化学気相成長(CVD)法などの周知の技術を用いて形成できる。
【0055】
次に、図11に示すように、第2被覆層44の上に第5マスク65が形成される。第5マスク65は、n側コンタクト電極36に対応するn側電極領域W5nおよびp側コンタクト電極40に対応するp側電極領域W5pを除いて形成される。つづいて、n側電極領域W5nおよびp側電極領域W5pにおいて第2被覆層44がドライエッチング75により除去される。第2被覆層44は、CF系のエッチングガスを用いてドライエッチングすることができ、例えば、六フッ化エタン(C)を用いることができる。このドライエッチング工程にて、n側保護金属層38およびp側保護金属層42がエッチングストップ層として機能し、その下のn側コンタクト電極36およびp側コンタクト電極40へのダメージを防ぐことができる。これにより、n側電極領域W5nにてn側保護金属層38が露出する第4開口84と、p側電極領域W5pにてp側保護金属層42が露出する第5開口85とが形成される。その後、第5マスク65が除去される。
【0056】
次に、図12に示すように、第4開口84にて露出するn側保護金属層38の上にn側パッド電極46が形成され、第5開口85にて露出するp側保護金属層42の上にp側パッド電極48が形成される。パッド電極46,48は、例えばNi層またはTi層を堆積し、その上にAu層を堆積することで形成できる。Au層の上にさらに別の金属層が設けられてもよく、例えば、Sn層、AuSn層、Sn/Auの積層構造を形成してもよい。以上の工程により、図1のダイ12ができあがる。
【0057】
次に、図13に示すように、ダイ12を実装基板14の上に実装する。まず、n側実装電極52nの上にn側パッド電極46が位置し、p側実装電極52pの上にp側パッド電極48が位置するようにダイ12を配置する。つづいて、金錫(AuSn)や半田などの金属接合材16n,16pを溶融させ、パッド電極46,48と実装電極52n,52pとを接合する。
【0058】
その後、実装基板14に実装されたダイ12の表面全体を被覆するように第3被覆層18を形成する。第3被覆層18は、Alで構成され、例えばTMAとHOを原料とするALD法により形成される。これにより、図1に示す半導体発光素子10ができあがる。
【0059】
本実施の形態によれば、n型クラッド層24、活性層26および電子ブロック層28といった半導体層と直接接触する第1被覆層34をALD法で形成されるAl層とすることで、これらの半導体層に対する耐湿性を高めることができる。また、第1被覆層34の原料として水(HO)を使用しないことで、第1被覆層34に含まれる水素濃度を低くできる。つまり、第3被覆層18よりも第1被覆層34の水素濃度を低くできる。これにより、第1被覆層34に含まれる水素が半導体層に拡散することによる半導体層の劣化を好適に防止できる。
【0060】
本実施の形態によれば、第1被覆層34の上に第2被覆層44をさらに設けることでダイ12の保護機能を高めることができる。Alで構成される第1被覆層34は、ALD法で形成されるため、膜厚を大きくすることが難しく、50nm程度の厚さが実用上の上限となりうる。一方で、n側コンタクト電極36やp側コンタクト電極40の膜厚は、50nm以上あり、100nm以上の厚さを有することが好ましいため、第1被覆層34のみではコンタクト電極の被覆性能が下がるおそれがある。その一方で、CVD法などで形成される第2被覆層44は、100nm以上の膜厚にすることが容易であるため、膜厚の大きいコンタクト電極を好適に被覆することができる。本実施の形態によれば、緻密であるが膜厚の小さい第1被覆層34と、膜厚の大きい第2被覆層44とを組み合わせることで、ダイ12の封止性を高めることができる。
【0061】
本実施の形態によれば、実装基板14の上にダイ12を実装した後に第3被覆層18でさらに全体を被覆するため、半導体発光素子10の封止性を高めることができる。特に、パッド電極46,48、実装電極52n,52pおよび金属接合材16n,16pなどの金属材料の表面を被覆することで、金属材料の腐食を好適に防止できる。また、第3被覆層18をAlで構成することで、金(Au)を含有する金属材料との密着性を高めることができ、第3被覆層18の剥がれなどによる信頼性低下を抑制できる。
【0062】
本実施の形態によれば、第3被覆層18を水(HO)を原料とするALD法で形成することにより、ダイ12と実装基板14が接合された状態であっても、ダイ12および実装基板14の全体を被覆するように第3被覆層18を形成できる。仮に、第1被覆層34と同様に、OプラズマやOを原料として用いる場合、ダイ12と実装基板14の間の隙間などに活性化した酸素(O)が到達する前に失活してしまい、Al層が適切に形成されない箇所が生じうる。一方、HOを原料とする場合にはプラズマ状態にする必要がないため、ダイ12と実装基板14の間の隙間に原料を十分に行き渡らせることができ、より適切にAl層を形成できる。これにより、第3被覆層18の信頼性を高めることができる。
【0063】
本実施の形態によれば、p型クラッド層30と第1被覆層34の間に保護絶縁層32を設けることで、p型クラッド層30を露出させるためのエッチング工程におけるp型クラッド層30へのダメージ影響を低減できる。これにより、p側コンタクト電極40のコンタクト抵抗を改善することができ、半導体発光素子10の出力特性を向上させることができる。
【0064】
図14は、別の実施の形態に係る半導体発光素子110の構成を概略的に示す断面図である。本実施の形態では、第2被覆層144が第1層144aおよび第2層144bの二層構造となっている点で上述の実施の形態と相違する。以下、本実施の形態について、上述の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0065】
半導体発光素子110は、ダイ112と、実装基板14と、金属接合材16n,16pと、第3被覆層18とを備える。実装基板14、金属接合材16n,16pおよび第3被覆層18は、上述の実施の形態と同様に構成される。
【0066】
ダイ112は、基板20と、バッファ層22と、n型クラッド層24と、活性層26と、電子ブロック層28と、p型クラッド層30と、保護絶縁層32と、第1被覆層34と、n側コンタクト電極36と、n側保護金属層38と、p側コンタクト電極40と、p側保護金属層42と、第2被覆層144と、n側パッド電極46と、p側パッド電極48とを備える。ダイ112は、第2被覆層144が二層構造となっている点を除いて、上述の実施の形態に係るダイ12と同様に構成される。
【0067】
第2被覆層144は、第1層144aと、第2層144bとを含む。第1層144aは、第1被覆層34、n側コンタクト電極36、n側保護金属層38、p側コンタクト電極40およびp側保護金属層42と直接接触するように設けられる。第2層144bは、第1層144aを被覆するように設けられ、第1被覆層34、n側コンタクト電極36、n側保護金属層38、p側コンタクト電極40およびp側保護金属層42から離れて設けられる。
【0068】
第1層144aは、例えばSiOで構成され、第1被覆層34および第2層144bよりも低屈折率となる。第1層144aは、第1被覆層34および第2層144bよりも厚さが大きくなるよう構成される。第1層144aの厚さは、100nm以上であり、例えば500nm~1000nm程度である。第1層144aの厚さは、第1被覆層34の厚さの10倍以上となるよう構成される。第1層144aの厚さは、n側コンタクト電極36やp側コンタクト電極40の厚さよりも大きくてもよい。第1層144aの厚さは、n側コンタクト電極36とn側保護金属層38の厚みの合計より大きくてもよいし、p側コンタクト電極40とp側保護金属層42の厚みの合計より大きくてもよい。
【0069】
第2層144bは、第1層144aとは異なる材料で構成され、AlNやSiNなどの窒化物で構成される。第2層144bは、例えばSiNで構成され、保護絶縁層32、第1被覆層34および第1層144aよりも高屈折率となる。波長280nmの紫外光に対して、SiOの屈折率は1.49であり、Alの屈折率は1.82であり、SiNの屈折率は2.18であり、AlNの屈折率は2.28である。したがって、SiNまたはAlNで構成される第2層144bの屈折率(2.18または2.28)は、SiOで構成される保護絶縁層32および第1層144aの屈折率(1.49)よりも大きく、Alで構成される第1被覆層34の屈折率(1.82)よりも大きい。第2層144bの厚さは、第1層144aの厚さよりも小さく、50nm~200nm程度である。第2層144bの厚さは、保護絶縁層32の厚さより小さくてもよい。第2層144bの厚さは、第1被覆層34や第3被覆層18の厚さより大きくてもよい。
【0070】
本実施の形態によれば、第1層144aの上に第1層144aとは材料の異なる第2層144bを積層させることで、第1層144aに発生しうるピンホールを好適に塞ぐことができ、第2被覆層144による封止性を高めることができる。
【0071】
本実施の形態によれば、保護絶縁層32の材料の屈折率をnとし、第1被覆層34の材料の屈折率をnとし、第2被覆層144の第1層144aの屈折率をnとし、第2被覆層144の第2層144bの屈折率をnとした場合、n<n<nの関係式およびn<n<nの関係式が成立する。本実施の形態によれば、第1層144aの屈折率nを第1被覆層34の屈折率nよりも小さくすることで、活性層26にて生じた深紫外光を第1被覆層34と第1層144aの界面で全反射させ、光取出面となる第2主面20bに向かわせることができる。これにより、半導体発光素子10の光取出効率を高めることができる。また、第1層144aの材料よりも高屈折率である窒化物で構成される第2層144bにより第1層144aを被覆することで、第2被覆層144の封止性および信頼性を高めることができる。
【0072】
つづいて、半導体発光素子110の製造方法について説明する。半導体発光素子110の製造工程の一部は、上述の半導体発光素子10の製造工程の一部と共通であり、まず図2図9に示される工程が実行される。図15図18は、半導体発光素子110の製造工程を概略的に示す図であり、図9より後の工程を示している。
【0073】
図15に示すように、素子構造の上面の全体を被覆するように第2被覆層144が形成される。第2被覆層144は、第1層144aと、第2層144bとを含む。第1層144aは、第1被覆層34の露出面を被覆するとともに、n側コンタクト電極36、n側保護金属層38、p側コンタクト電極40およびp側保護金属層42の露出面を被覆するように形成される。第2層144bは、第1層144aの露出面を被覆するように形成される。第1層144aは、例えばSiO層であり、プラズマCVD法などの周知の技術を用いて形成できる。第2層144bは、例えばSiN層であり、プラズマCVD法などの周知の技術を用いて形成できる。
【0074】
次に、図16に示すように、第2被覆層144の上に第6マスク66が形成される。第6マスク66は、n側コンタクト電極36に対応するn側電極領域W6nおよびp側コンタクト電極40に対応するp側電極領域W6pを除いて形成される。つづいて、n側電極領域W6nおよびp側電極領域W6pにおいて第2被覆層144の第2層144bがドライエッチング76により除去される。第2被覆層144は、CF系のエッチングガスを用いてドライエッチングすることができ、例えば、六フッ化エタン(C)を用いることができる。このドライエッチング工程は、n側電極領域W6nおよびp側電極領域W6pにおいて第2層144bが除去されて第1層144aが露出するまで実行される。これにより、n側電極領域W6nにて第1層144aが露出する第6開口86と、p側電極領域W6pにてp側保護金属層42が露出する第7開口87とが形成される。なお、図16に示すように、このドライエッチング工程において、第1層144aの露出部分が所定の深さだけ更に除去されてもよい。すなわち、第1層144aの上面に段差が形成されてもよい。その後、第6マスク66が除去される。
【0075】
次に、図17に示すように、第2被覆層144の上に第7マスク67が形成される。第7マスク67は、n側コンタクト電極36に対応するn側電極領域W7nおよびp側コンタクト電極40に対応するp側電極領域W7pを除いて形成される。第7マスク67は、第2層144bを完全に被覆するように設けられ、第6開口86および第7開口87における第2層144bの側壁を被覆して保護するように設けられる。したがって、第7マスク67のn側電極領域W7nの開口幅は、第6マスク66のn側電極領域W6nの開口幅よりも小さい。同様に、第7マスク67のp側電極領域W7pの開口幅は、第6マスク66のp側電極領域W6pの開口幅よりも小さい。つづいて、n側電極領域W7nおよびp側電極領域W7pにおいて第2被覆層144の第1層144aがドライエッチング77により除去される。第2被覆層144は、CF系のエッチングガスを用いてドライエッチングすることができ、例えば、六フッ化エタン(C)を用いることができる。このドライエッチング工程は、n側電極領域W7nおよびp側電極領域W7pにおいて第1層144aが除去されてn側保護金属層38およびp側保護金属層42が露出するまで実行される。このドライエッチング工程にて、n側保護金属層38およびp側保護金属層42がエッチングストップ層として機能し、その下のn側コンタクト電極36およびp側コンタクト電極40へのダメージを防ぐことができる。これにより、n側電極領域W7nにてn側保護金属層38が露出する第8開口88と、p側電極領域W7pにてp側保護金属層42が露出する第9開口89とが形成される。その後、第7マスク67が除去される。
【0076】
次に、図18に示すように、第8開口88にて露出するn側保護金属層38の上にn側パッド電極46が形成され、第9開口89にて露出するp側保護金属層42の上にp側パッド電極48が形成される。パッド電極46,48は、例えばNi層またはTi層を堆積し、その上にAu層を堆積することで形成できる。Au層の上にさらに別の金属層が設けられてもよく、例えば、Sn層、AuSn層、Sn/Auの積層構造を形成してもよい。以上の工程により、図14に示すダイ112ができあがる。
【0077】
つづいて、図13と同様に、ダイ112を実装基板14の上に実装し、実装基板14に実装されたダイ112の表面全体を被覆するように第3被覆層18を形成する。第3被覆層18は、Alで構成され、例えばTMAとHOを原料とするALD法により形成される。これにより、図14に示す半導体発光素子110ができあがる。
【0078】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上述の実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【0079】
上述の実施の形態において、ALD法によりAl層を形成する場合、TMAを投入する第1工程と、Oプラズマ、OまたはHOを投入する第2工程とが交互に繰り返される。このとき、第1工程を最初に実行することで、Al層で被覆されるべき表面が最初にTMAで被覆されるようにしてもよい。つまり、最初に第2工程を実行することでAl層で被覆されるべき表面がOプラズマ等によって酸化されたり、エッチングされたりすることによるダメージが生じないようにしてもよい。特に、活性層26の側面を被覆する第1被覆層34の形成時に最初にTMAを投入することで、活性層26の側面に対するダメージを防ぐことができる。これにより、半導体発光素子10,110の信頼性を高めることができる。
【0080】
上述の実施の形態において、n側保護金属層38の代わりに、導電性の窒化チタン(TiN)で構成されるn側保護層を用いてもよい。同様に、p側保護金属層42の代わりに、窒化チタン(TiN)で構成されるp側保護層を用いてもよい。TiNで構成するn側保護層およびp側保護層を用いる場合であっても、TiN層をドライエッチング工程のストップ層として機能させることができる。また、TiNを用いることで、第2被覆層44または第2被覆層144に対する密着性を高めることができ、コンタクト電極36,38からの第2被覆層44または第2被覆層144の剥離を好適に防止できる。
【0081】
上述の実施の形態では、実装基板14にダイ12,112を実装させた半導体発光素子10,110について示した。別の実施の形態では、実装基板14に実装されていないダイ12,112を半導体発光素子として用いてもよい。この場合、ダイ12,112の表面には、第3被覆層18が設けられてもよいし、第3被覆層18が設けられなくてもよい。
【符号の説明】
【0082】
10…半導体発光素子、12…ダイ、14…実装基板、16…金属接合材、18…第3被覆層、20…基板、24…n型クラッド層、26…活性層、30…p型クラッド層、32…保護絶縁層、34…第1被覆層、36…n側コンタクト電極、40…p側コンタクト電極、44…第2被覆層、46…n側パッド電極、48…p側パッド電極、52…実装電極、52n…n側実装電極、52p…p側実装電極。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18