IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝エネルギーシステムズ株式会社の特許一覧

特許7312063三次元物体の製造方法及び三次元造形装置
<>
  • 特許-三次元物体の製造方法及び三次元造形装置 図1
  • 特許-三次元物体の製造方法及び三次元造形装置 図2
  • 特許-三次元物体の製造方法及び三次元造形装置 図3
  • 特許-三次元物体の製造方法及び三次元造形装置 図4
  • 特許-三次元物体の製造方法及び三次元造形装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】三次元物体の製造方法及び三次元造形装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/47 20210101AFI20230712BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20230712BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20230712BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20230712BHJP
   B29C 64/40 20170101ALI20230712BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230712BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230712BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20230712BHJP
   C22C 38/00 20060101ALN20230712BHJP
   C22C 38/52 20060101ALN20230712BHJP
【FI】
B22F10/47
B22F3/105
B22F3/16
B29C64/153
B29C64/40
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
C22C38/00 302Z
C22C38/00 304
C22C38/52
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019163901
(22)【出願日】2019-09-09
(65)【公開番号】P2021042411
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】大西 春樹
(72)【発明者】
【氏名】中谷 祐二郎
(72)【発明者】
【氏名】日野 武久
(72)【発明者】
【氏名】須賀 威夫
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-081923(JP,A)
【文献】特表2017-518199(JP,A)
【文献】特開2019-142024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 3/16
B22F 10/47
B33Y 10/00-80/00
B29C 64/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレート上への原料粉末の供給、及び、前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなるサポート用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記サポート用溶解層を積層することにより、前記ベースプレートから立ち上がるように延びる複数の上下方向サポートと、隣り合う前記上下方向サポートの一方から他方に向けて延びる少なくとも一つの横方向サポートとを形成するサポート形成工程と、
前記上下方向サポート及び前記横方向サポートを覆うようにして行われる前記ベースプレート上への前記原料粉末の供給、及び、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上の前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなる造形用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記造形用溶解層を積層することにより、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上に三次元物体を形成する造形工程と、を備え、
前記サポート用溶解層が積層される積層方向で見た際に、複数の前記上下方向サポートが前記積層方向に対する交差方向に直線状に並ぶように形成され、
前記交差方向に並ぶ複数の前記上下方向サポートそれぞれの間に、前記横方向サポートが形成され、
前記交差方向で隣り合う前記横方向サポートの前記積層方向における位置が、互いにずれるように、前記横方向サポートが形成され、
前記サポート形成工程及び前記造形工程は、高温に保持された環境下で行われる、三次元物体の製造方法。
【請求項2】
ベースプレート上への原料粉末の供給、及び、前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなるサポート用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記サポート用溶解層を積層することにより、前記ベースプレートから立ち上がるように延びる複数の上下方向サポートと、隣り合う前記上下方向サポートの一方から他方に向けて延びる少なくとも一つの横方向サポートとを形成するサポート形成工程と、
前記上下方向サポート及び前記横方向サポートを覆うようにして行われる前記ベースプレート上への前記原料粉末の供給、及び、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上の前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなる造形用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記造形用溶解層を積層することにより、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上に三次元物体を形成する造形工程と、を備え、
前記横方向サポートは、隣り合う前記上下方向サポートの間で複数に分割されるように形成され、
前記サポート形成工程及び前記造形工程は、高温に保持された環境下で行われる、三次元物体の製造方法。
【請求項3】
ベースプレート上への原料粉末の供給、及び、前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなるサポート用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記サポート用溶解層を積層することにより、前記ベースプレートから立ち上がるように延びる複数の上下方向サポートと、隣り合う前記上下方向サポートの一方から他方に向けて延びる少なくとも一つの横方向サポートとを形成するサポート形成工程と、
前記上下方向サポート及び前記横方向サポートを覆うようにして行われる前記ベースプレート上への前記原料粉末の供給、及び、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上の前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなる造形用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記造形用溶解層を積層することにより、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上に三次元物体を形成する造形工程と、を備え、
前記上下方向サポートの前記ベースプレートへの接合部分の剪断強度が、前記上下方向サポートと隣り合う前記横方向サポートの圧縮強度よりも低くなるように、前記上下方向サポート及び前記横方向サポートが形成され、
前記サポート形成工程及び前記造形工程は、高温に保持された環境下で行われる、三次元物体の製造方法。
【請求項4】
前記サポート用溶解層が積層される積層方向における前記横方向サポートの前記ベースプレートへの合計の投影面積が、前記上下方向サポートと前記ベースプレートとの合計の接合面積よりも大きくなるように、前記上下方向サポート及び前記横方向サポートが形成される、請求項1乃至3のいずれかに記載の三次元物体の製造方法。
【請求項5】
チャンバと、前記チャンバ内に配置されるベースプレートと、前記ベースプレート上に原料粉末を供給するディスペンサと、前記原料粉末に対してエネルギービームを照射する照射ヘッドと、前記ディスペンサ及び前記照射ヘッドの動作を制御するコントローラとを備える三次元造形装置であって、
前記コントローラは、前記ディスペンサ及び前記照射ヘッドを制御し、前記ベースプレート上への原料粉末の供給、及び、前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなるサポート用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記サポート用溶解層を積層することにより、前記ベースプレートから立ち上がるように延びる複数の上下方向サポートと、隣り合う前記上下方向サポートの一方から他方に向けて延びる少なくとも一つの横方向サポートとを形成するとともに、前記上下方向サポート及び前記横方向サポートを覆うようにして行われる前記ベースプレート上への前記原料粉末の供給、及び、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上の前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなる造形用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記造形用溶解層を積層することにより、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上に三次元物体を形成し、
前記コントローラの制御により、前記サポート用溶解層が積層される積層方向で見た際に、複数の前記上下方向サポートが前記積層方向に対する交差方向に直線状に並ぶように形成され、前記交差方向に並ぶ複数の前記上下方向サポートそれぞれの間に、前記横方向サポートが形成され、前記交差方向で隣り合う前記横方向サポートの前記積層方向における位置が、互いにずれるように、前記横方向サポートが形成される、三次元造形装置。
【請求項6】
チャンバと、前記チャンバ内に配置されるベースプレートと、前記ベースプレート上に原料粉末を供給するディスペンサと、前記原料粉末に対してエネルギービームを照射する照射ヘッドと、前記ディスペンサ及び前記照射ヘッドの動作を制御するコントローラとを備える三次元造形装置であって、
前記コントローラは、前記ディスペンサ及び前記照射ヘッドを制御し、前記ベースプレート上への原料粉末の供給、及び、前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなるサポート用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記サポート用溶解層を積層することにより、前記ベースプレートから立ち上がるように延びる複数の上下方向サポートと、隣り合う前記上下方向サポートの一方から他方に向けて延びる少なくとも一つの横方向サポートとを形成するとともに、前記上下方向サポート及び前記横方向サポートを覆うようにして行われる前記ベースプレート上への前記原料粉末の供給、及び、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上の前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなる造形用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記造形用溶解層を積層することにより、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上に三次元物体を形成し、
前記コントローラの制御により、前記横方向サポートは、隣り合う前記上下方向サポートの間で複数に分割されるように形成される、三次元造形装置。
【請求項7】
チャンバと、前記チャンバ内に配置されるベースプレートと、前記ベースプレート上に原料粉末を供給するディスペンサと、前記原料粉末に対してエネルギービームを照射する照射ヘッドと、前記ディスペンサ及び前記照射ヘッドの動作を制御するコントローラとを備える三次元造形装置であって、
前記コントローラは、前記ディスペンサ及び前記照射ヘッドを制御し、前記ベースプレート上への原料粉末の供給、及び、前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなるサポート用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記サポート用溶解層を積層することにより、前記ベースプレートから立ち上がるように延びる複数の上下方向サポートと、隣り合う前記上下方向サポートの一方から他方に向けて延びる少なくとも一つの横方向サポートとを形成するとともに、前記上下方向サポート及び前記横方向サポートを覆うようにして行われる前記ベースプレート上への前記原料粉末の供給、及び、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上の前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなる造形用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記造形用溶解層を積層することにより、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上に三次元物体を形成し、
前記コントローラの制御により、前記上下方向サポートの前記ベースプレートへの接合部分の剪断強度が、前記上下方向サポートと隣り合う前記横方向サポートの圧縮強度よりも低くなるように、前記上下方向サポート及び前記横方向サポートが形成される、三次元造形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、三次元物体の製造方法及び三次元造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、AMプロセス(Additive Manufacturing)と呼ばれる三次元造形技術が注目されている。AMプロセスは、金属粉末や樹脂等の材料からなる層を順次積層させることにより、所望の三次元物体を製造する手法である。AMプロセスでは、複雑な形状の三次元物体を直接的に製造できるため、言い換えると組み立て等の工程を要することなく製造できるため、寸法精度やコスト面でのメリットが得られる可能性がある。そのため、種々の分野において研究が進められている。
【0003】
例えば蒸気タービンにおいては、動翼やロータ等をAMプロセスにより製造するための検討が進められている。AMプロセスにより動翼等の複雑な形状の部品を効率的に製造することが可能となれば、高品質化や大幅なコストダウンを図れる可能性がある。
【0004】
金属粉末を利用するAMプロセスでは、パウダーベッドタイプと呼ばれる方式が多くの場合に採用される。このタイプのAMプロセスでは、チャンバ内に配置されるベースプレート上に金属粉末を敷いた後、金属粉末に例えば電子ビームを所定パターンで照射することにより、当該電子ビームによって溶解された金属粉末でなる所望形状の層を形成する。その後、溶解された金属粉末でなる層を覆うようにベースプレート上に金属粉末を再び敷き、次いで、電子ビームを所定パターンで再び照射することにより、溶解された金属粉末でなる別の所望形状の層を形成する。
【0005】
以上のような金属粉末の供給と電子ビームの照射を繰り返すことで、複数の層が積層されてなる三次元物体が製造される。このプロセスでは、通常、三次元物体を構成する全ての層の形成が完了するまで、各層及びその周囲の金属粉末が高温に保持される。このように高温状態への保持操作は一般に「予熱」と呼ばれる。
【0006】
なお、以上に説明したパウダーベッドタイプのAMプロセスでは、金属粉末を溶解させるエネルギー源としてレーザビームが用いられる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2015-507092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
金属粉末を利用するAMプロセスでは、ベースプレート直上の位置から三次元物体を構成する層を形成すると、ベースプレートと三次元物体との切り離しが上手くできなくなり、三次元物体に不所望な損傷が生じる状況が起こり得る。そのため、三次元物体を構成する層は通常、ベースプレートに対し離れた位置から形成される。
【0009】
また、三次元物体とベースプレートとの間に金属粉末のみが介在する場合であると、三次元物体の姿勢が不安定になり得る。そのため、三次元物体とベースプレートとの間にサポートを設けて三次元物体を支持する場合がある。このようなサポートは、電子ビーム又はレーザビームにより溶解された金属粉末で形成され、板状又は柱状等の形態で複数形成される。
【0010】
上記サポートは、ベースプレートに対する三次元物体の位置を維持するべく三次元物体の荷重を支持するため、三次元物体及びベースプレートの両方に接続された状態となる。しかしながら、このようにサポートが三次元物体及びベースプレートの両方に接続される場合、三次元物体とベースプレートとの線膨張係数の差により、三次元物体に不所望な変形が生じて、造形精度が低下してしまう場合がある。
【0011】
詳しくは、三次元物体は、これを構成する全ての層が形成された後に冷却される。この際、ベースプレートの線膨張係数が三次元物体の線膨張係数よりも大きい場合には、冷却中にベースプレートが三次元物体よりも大きく収縮することで、ベースプレートの収縮がサポートを介して三次元物体に伝わって三次元物体に応力が生じ、三次元物体に変形が生じる場合がある。このような三次元物体の変形は、修正処理等の後処理が必要になるため、工期の長期化やコストの増加を引き起こし得る。
【0012】
本発明は上記実情を考慮してなされたものであり、三次元物体の造形精度を向上させることができる三次元物体の製造方法及び三次元造形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施の形態にかかる三次元物体の製造方法は、
ベースプレート上への原料粉末の供給、及び、前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなるサポート用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記サポート用溶解層を積層することにより、前記ベースプレートから立ち上がるように延びる複数の上下方向サポートと、隣り合う前記上下方向サポートの一方から他方に向けて延びる少なくとも一つの横方向サポートとを形成するサポート形成工程と、
前記上下方向サポート及び前記横方向サポートを覆うようにして行われる前記ベースプレート上への前記原料粉末の供給、及び、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上の前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなる造形用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記造形用溶解層を積層することにより、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上に三次元物体を形成する造形工程と、を備え、る。
前記サポート形成工程及び前記造形工程は、高温に保持された環境下で行われる。
【0014】
また、実施の形態にかかる三次元造形装置は、チャンバと、前記チャンバ内に配置されるベースプレートと、前記ベースプレート上に原料粉末を供給するディスペンサと、前記原料粉末に対してエネルギービームを照射する照射ヘッドと、前記ディスペンサ及び前記照射ヘッドの動作を制御するコントローラとを備える。
前記コントローラは、前記ディスペンサ及び前記照射ヘッドを制御し、前記ベースプレート上への原料粉末の供給、及び、前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなるサポート用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記サポート用溶解層を積層することにより、前記ベースプレートから立ち上がるように延びる複数の上下方向サポートと、隣り合う前記上下方向サポートの一方から他方に向けて延びる少なくとも一つの横方向サポートとを形成する。
また、前記コントローラは、前記ディスペンサ及び前記照射ヘッドを制御し、前記上下方向サポート及び前記横方向サポートを覆うようにして行われる前記ベースプレート上への前記原料粉末の供給、及び、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上の前記原料粉末に対するエネルギービームの照射により溶解した前記原料粉末からなる造形用溶解層の形成を繰り返して、複数の前記造形用溶解層を積層することにより、前記上下方向サポート及び前記横方向サポート上に三次元物体を形成する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、三次元物体の造形精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施の形態にかかる三次元造形装置の概略構成図である。
図2】一実施の形態にかかる三次元造形装置による三次元物体の製造方法を説明する図であって、三次元物体に対するサポートの形成の流れを示した図である。
図3】一実施の形態にかかる三次元造形装置による三次元物体の製造方法を説明する図であって、三次元物体の形成の流れを示した図である。
図4】一実施の形態の変形例を説明する図である。
図5】一実施の形態の他の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、添付の図面を参照して一実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
(三次元造形装置)
まず、一実施の形態の形態にかかる三次元造形装置1について説明する。図1は、三次元造形装置1の概略構成図である。三次元造形装置1はAMプロセスを利用する3Dプリンタであり、種々の三次元物体を製造することができる。三次元造形装置1は、例えばタービン翼、より具体的には蒸気タービンの動翼の製造に用いられてもよい。
【0019】
三次元造形装置1は、その内部の雰囲気を例えば不活性ガス若しくは真空雰囲気に調整可能なチャンバ2と、チャンバ2内に配置されるベースプレート3と、ベースプレート3上に原料粉末を供給するディスペンサ4と、ディスペンサ4が供給した原料粉末に対してエネルギービームを照射する照射ヘッド5と、ディスペンサ4及び照射ヘッド5の動作を制御するコントローラ6と、を備える。
【0020】
ベースプレート3は、チャンバ2内に形成された積層造形室32内に配置され、プレート駆動部31の駆動により積層造形室32内において昇降可能となっている。ベースプレート3は金属製であり、本実施の形態では、ステンレスにより形成されており、例えばSUS316から形成されてもよい。
【0021】
三次元造形装置1によって製造される三次元物体は、ベースプレート3上において複数の層を積層することで形成される。詳細は後述するが、ベースプレート3は、その上面に三次元物体を構成する層が1つ形成される度にプレート駆動部31の駆動により所定距離だけ下降される。その後、ベースプレート3の上面に三次元物体を構成する次の層が1つ形成される。このような操作を繰り返すことで、積層造形室32内において三次元物体が次第に形成されていく。
【0022】
なお、ベースプレート3が昇降する方向、言い換えると製造対象となる三次元物体を構成する層が積層される方向のことを、以下では積層方向と言う場合がある。この積層方向は、鉛直方向に一致していてもよいし、鉛直方向に対して傾いていても構わない。
【0023】
ディスペンサ4は、原料粉末を貯留する粉末タンク41に接続され、粉末タンク41に貯留された原料粉末をベースプレート3上に供給する。ディスペンサ4は、ベースプレート3の上方に配置され、ベースプレート3の上方においてベースプレート3を横断するように移動可能となっている。ディスペンサ4は、ベースプレート3上に平らにならされた所定の厚さの原料粉末からなる層を形成するようにコントローラ6によって制御される。
【0024】
なお、ベースプレート3上との記載は、ベースプレート3上に直接的に原料粉末が供給されたり、直接的に層が形成されたりする場合に限られることを意味するのではなく、ベースプレート3上に予め他の層が形成されている場合に当該層上に新たに粉末が供給されたり、新たに層が形成されたりする場合をも含む概念として用いている。
【0025】
また、本実施の形態ではディスペンサ4が原料粉末として合金組成の粉末を供給するが、その種類や組成は特に限られるものではない。
【0026】
照射ヘッド5は、ベースプレート3の上方に配置され、ベースプレート3の上方においてベースプレート3を横断するように移動可能となっている。照射ヘッド5は、エネルギービームとして電子ビームを照射するようになっており、ディスペンサ4がベースプレート3上に供給した原料粉末に対して電子ビームを照射する。このような電子ビームの照射により溶解した原料粉末は溶解層を形成し、この溶解層が三次元物体を構成する層となる。なお、本実施の形態では照射ヘッド5が電子ビームを照射するが、これに代えて、レーザビームが照射されてもよい。
【0027】
コントローラ6は、ディスペンサ4によるベースプレート3上への原料粉末の供給、及び、照射ヘッド5による原料粉末に対する電子ビームの照射が繰り返し行われるように、ディスペンサ4及び照射ヘッド5を制御する。コントローラ6が照射ヘッド5からの電子ビームの照射を制御する際には、三次元物体を構成する所望の形状の層が形成されるように、コントローラ6は照射ヘッド5を移動させつつ電子ビームの照射のオンオフを切り換える。また、コントローラ6は、原料粉末の供給及び電子ビームの照射の後、ベースプレート3が下降するようにプレート駆動部31を制御する。
【0028】
上述のようにディスペンサ4による原料粉末の供給、及び、照射ヘッド5による電子ビームの照射が繰り返し行われ、最終的に製造対象となる三次元物体を構成する層の形成が完了するまで、本実施の形態では、電子ビームの照射により溶解された原料粉末からなる各層及びその周囲の金属粉末が予熱され、高温に保持される。その後、予熱が解除され、三次元物体が冷却されることで三次元物体の製造が完了する。予熱が解除された際には、チャンバ2内の温度が低下し、ベースプレート3等の温度も低下することになる。
【0029】
また、本実施の形態における三次元造形装置1は、詳細は後述するが、上下方向サポート100と横方向サポート110(図2(h)参照)をベースプレート3上に形成した後、製造対象となる三次元物体の造形を開始するようになっている。上下方向サポート100及び横方向サポート110は、原料粉末を電子ビームにより溶解した溶解層を積層することにより形成され、その造形手順は製造対象となる三次元物体と同様である。したがって、本実施の形態におけるコントローラは、まず、上下方向サポート100及び横方向サポート110を形成するべくディスペンサ4や照射ヘッド5を制御し、その後、三次元物体を形成するべくディスペンサ4や照射ヘッド5を制御する。
【0030】
上下方向サポート100はベースプレート3と三次元物体との間に複数設けられ、それぞれベースプレート3から立ち上がるように延びる。横方向サポート110は、隣り合う上下方向サポート100,100の一方から他方に向けて延びるように形成されている。なお、図2(h)に示される上下方向サポート100及び横方向サポート110は、実際のものに対して誇張され且つ概略的に示されており、上下方向サポート100及び横方向サポート110の実際の寸法や形状は図示のものとは相違する。例えば上下方向サポート100の実際上の厚みは極めて薄いものである。
【0031】
上下方向サポート100は三次元物体の荷重を支持するために設けられ、横方向サポート110はベースプレート3の降温時の収縮により三次元物体に伝わろうとする荷重を支持するために設けられる。なお、上下方向サポート100は例えば板状又は柱状で形成され、横方向サポート110も板状又は柱状で形成されるが、上下方向サポート100及び横方向サポート110の寸法や形状は特に限られるものではい。
【0032】
(三次元物体の製造方法)
次に、三次元造形装置1を用いた本実施の形態にかかる三次元物体の製造方法を説明する。図2は、三次元物体に対する上下方向サポート100及び横方向サポート110の形成の流れを示した図であり、図3は、製造対象となる三次元物体120の形成の流れを示した図である。なお、以下では、上下方向サポート100及び横方向サポート110を構成するサポート用溶解層82や、三次元物体120を構成する造形用溶解層83は、説明の便宜上、誇張して示されており、実際のものとは相違する。
【0033】
まず、図2(a)に示すように、プレート駆動部31(図1参照)が駆動されて、ベースプレート3が積層造形室32の上端縁より所定量だけ低い位置に位置付けられる。
【0034】
続いて、図2(b)に示すように、ディスペンサ4がベースプレート3上に原料粉末を供給する。これにより、ベースプレート3上に原料粉末からなる粉末層81が形成される。
【0035】
続いて、図2(c)に示すように、粉末層81に照射ヘッド5から電子ビームが照射される。この際、照射ヘッド5は、ベースプレート3を横断するように移動されながら、電子ビームの照射のオンオフを切り換える。電子ビームが照射された粉末層81においては、溶解した原料粉末からなるサポート用溶解層82が形成される。図2(c)には、上下方向サポート100を構成するサポート用溶解層82のみが示されており、複数のサポート用溶解層82が隙間を空けて形成されている。このような複数のサポート用溶解層82を形成する際には、電子ビームが間欠的に照射される。
【0036】
続いて、図2(d)に示すように、プレート駆動部31が駆動されて、ベースプレート3が所定量だけ下降する。その後、ディスペンサ4がベースプレート3上に原料粉末を再び供給する。これにより、ベースプレート3上に原料粉末からなる新たな粉末層81が形成される。
【0037】
その後、図2(e)に示すように、上述と同様にして電子ビームが照射されて、新たな粉末層81に新たなサポート用溶解層82が形成される。図2(e)には、上下方向サポート100及び横方向サポート110を一体的に構成するサポート用溶解層82が示されている。図2(e)においては、サポート用溶解層82のうちの隣り合う上下方向サポート100を構成する部分の間に、サポート用溶解層82のうちの横方向サポート110を構成する部分が位置している。
【0038】
続いて、図2(f)に示すように、プレート駆動部31が駆動されて、ベースプレート3が所定量だけ下降する。その後、ディスペンサ4がベースプレート3上に原料粉末を再び供給する。これにより、ベースプレート3上に原料粉末からなる新たな粉末層81が形成される。
【0039】
その後、図2(g)に示すように、上述と同様にして電子ビームが照射されて、新たな粉末層81に新たなサポート用溶解層82が形成される。図2(g)において新たに形成されたサポート用溶解層82は、上下方向サポート100を構成する部分のみからなる。
【0040】
上述のようにしてベースプレート3上への原料粉末の供給、及び、原料粉末に対する電子ビームの照射を繰り返すこと(サポート形成工程)により、図2(h)に示すような上下方向サポート100及び横方向サポート110が形成される。図2(h)に示される上下方向サポート100及び横方向サポート110では、隣り合う上下方向サポート100の両方に横方向サポート110が接続されている。また、隣り合う横方向サポート110は積層方向において同一の高さの位置に形成されている。
【0041】
次に、製造対象である三次元物体120(図3(n)参照)が形成される。この際、まず、図3(i)に示すように、プレート駆動部31が駆動されて、ベースプレート3が所定量だけ下降する。
【0042】
その後、図3(j)に示すように、ディスペンサ4が、ベースプレート3上に原料粉末を供給し、原料粉末が上下方向サポート100及び横方向サポート110を覆うようにして新たな粉末層81を形成する。
【0043】
その後、図3(k)に示すように、粉末層81に照射ヘッド5から電子ビームが照射される。この際、照射ヘッド5は、上述と同様に、ベースプレート3を横断するように移動されながら、電子ビームの照射のオンオフを切り換える。図3(k)においては、電子ビームが照射された粉末層81に、電子ビームにより溶解された原料粉末からなる造形用溶解層83が形成されるとともに、サポート用溶解層82が形成されている。造形される三次元物体に例えば端面からへこむような凹が形成される場合には、図3(k)に示すように、造形用溶解層83とともにサポート用溶解層82が形成される場合がある。
【0044】
続いて、図3(l)に示すように、プレート駆動部31が駆動されて、ベースプレート3が所定量だけ下降する。その後、ディスペンサ4がベースプレート3上に原料粉末を再び供給する。これにより、ベースプレート3上に原料粉末からなる新たな粉末層81が形成される。
【0045】
その後、図3(m)に示すように、上述と同様にして電子ビームが照射されて、新たな粉末層81に新たな造形用溶解層83が形成される。図3(m)において新たに形成された造形用溶解層83は、三次元物体120を構成する層のみからなる。
【0046】
上述のようにしてベースプレート3上への原料粉末の供給、及び、原料粉末に対する電子ビームの照射を繰り返すこと(造形工程)により、図3(n)に示すような三次元物体120が形成される。その後、予熱が解除され、三次元物体120が冷却されることで三次元物体120の製造が完了する。
【0047】
以上のような本実施の形態に係る三次元物体120の製造方法では、予熱が解除された際に、チャンバ2内の温度が低下し、ベースプレート3等の温度も低下する。この際、例えばベースプレート3の線膨張係数が三次元物体120の線膨張係数よりも大きい場合には、冷却中にベースプレート3が三次元物体120よりも大きく収縮することで、ベースプレート3の収縮が上下方向サポート100を介して三次元物体120に伝わり、三次元物体120に応力が生じ得る。
【0048】
しかしながら、本実施の形態では、隣り合う上下方向サポート100の間に横方向サポート110が設けられる。これにより、ベースプレート3の収縮が上下方向サポート100を介して三次元物体120に伝わろうとする際に、横方向サポート110が圧縮されるため、ベースプレート3の収縮により生じる力が三次元物体120に伝わることが抑制される。
【0049】
その結果、本実施の形態では、三次元物体120に変形が生じることが抑制されるため、三次元物体120の造形精度を向上させることができる。
【0050】
ところで、本実施の形態では、図3(n)から明らかなように、積層方向における横方向サポート110のベースプレート3への合計の投影面積が、上下方向サポート100とベースプレート3との合計の接合面積よりも大きくなるように、上下方向サポート100及び横方向サポート110が形成されている。このような構成では、横方向サポート110の数が過剰に多くなることが抑制され得るため、三次元物体120からの上下方向サポート100及び横方向サポート110の取り外しの手間を抑制できる。
【0051】
また、本実施の形態では、一つの上下方向サポート100のベースプレート3への接合部分の剪断強度が、当該上下方向サポート100と隣り合う一つの横方向サポート110の圧縮強度よりも低くなるように、上下方向サポート100及び横方向サポート110が形成されている。このような構成にした場合には、予熱の解除後、ベースプレート3及び三次元物体120が収縮する際に、上下方向サポート100のベースプレート3への接合部分が剪断破壊しやすくなり、上下方向サポート100がベースプレート3から切り離されやすくなることで、ベースプレート3の収縮により生じる力が三次元物体120に伝わることを効果的に抑制できる。その結果、三次元物体120を変形から効果的に保護することが可能となる。
【0052】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
【0053】
上述の実施の形態では、サポート用溶解層82が積層される上述した積層方向で見た際に、複数の上下方向サポート100が積層方向に対する交差方向に直線状に並ぶように形成され、交差方向に並ぶ複数の上下方向サポート100それぞれの間に、横方向サポート110が形成された状態になっている。そして、交差方向で隣り合う、言い換えると上下方向サポート100を挟んで隣り合う横方向サポート110が積層方向において同一の高さの位置に形成されている。
【0054】
これに対して、図4に示す変形例では、上述した交差方向で隣り合う、言い換えると上下方向サポート100を挟んで隣り合う横方向サポート110の積層方向における位置が互いにずれている。
【0055】
図4に示すような横方向サポート110を形成した場合、三次元物体120の変形を効果的に抑制することが可能となる。すなわち、複数の横方向サポート110が直線状に連なっている場合には、複数の横方向サポート110が比較的大型の柱状物を形成する状態となり、複数の横方向サポート110の全体での凝固収縮が大きくなる結果、横方向サポート110の収縮によって三次元物体120が変形するリスクが高くなる。この場合、このリスクを抑制するために、上下方向サポート100の数を増加させるような対策をとる必要性が生じ得る。
【0056】
これに対して、図4の変形例のように横方向サポート110の位置をずらした場合には、複数の横方向サポート110の全体での凝固収縮が抑制されることで、横方向サポート110の収縮によって三次元物体120が変形することを、上下方向サポート100の数を増加させることなく効果的に抑制することが可能となる。
【0057】
また、図5に示す変形例では、横方向サポート110が、隣り合う上下方向サポート100の間で複数に分割されるように形成されている。図5に示される横方向サポート110は、隣り合う上下方向サポート100の概ね中間位置で分割された第1半部110Aと第2半部110Bとで構成されている。なお、横方向サポート110が分割される位置や数は特に限られるものではない。
【0058】
図5に示すように横方向サポート110を分割した場合であっても、第1半部110Aと第2半部110Bとは収縮中に突き当たるか、或いは間に原料粉末を挟んで圧縮抵抗を発揮するため、三次元物体120に変形が生じることが抑制される。また、横方向サポート110の除去が容易になるため、生産性を向上させ得る。
【実施例
【0059】
次に、実施例及びこれに対する比較例について説明する。実施例では、上述の実施の形態で説明した上下方向サポート100及び横方向サポート110を形成した上で、三次元物体120を形成した。また、比較例では、横方向サポート110を形成しない以外は実施例と同じ条件で、実施例と同様の三次元物体を形成した。
【0060】
実施例においては、質量%で、C:0.1%、Ni:0.6%、Cr:10.5%、W:2.5%、Co:1%、N:0.05%の組成で、残部がFeである金属粉末をガスアトマイズで作成し、45~125μmに分級したものを原料粉末として用いた。
【0061】
電子ビームに対するビーム電流値は、15mAとし、原料粉末上での電子ビームの走査速度を1m/sに設定した。
【0062】
ベースプレート3としては、幅150mm×奥行き150mm×厚さ10mmの平面視正方形状のSUS316の鋼板を用いた。なお、幅は、図3(n)に示されるベースプレート3の水平方向での距離であり、奥行きは、紙面に直交する方向でのベースプレート3の距離であり、厚さは、ベースプレート3の板厚方向の距離である。以下の三次元物体120及びサポート100,110の幅、奥行き、厚さは、上記の同様の方向においても規定される。
【0063】
三次元物体120は、ベースプレート3から10mm離れた位置から形成されるようにした。図3(n)に示すように、三次元物体120は、板状部分121と、板状部分121から垂下する一対の脚部122とを有する。板状部分121は平面視で正方形状であり、幅Wが、100mmであり、奥行きが、100mmであり、厚さTが、10mmである。脚部122は、幅が、10mmであり、奥行きが、100mm、厚さHが、10mmである。
【0064】
上下方向サポート100に関しては、脚部122の下方において、幅が2mmであり、奥行きが100mmであり、厚さが10mmの上下方向サポート100を作成した。一対の脚部122の間においては、幅が2mmであり、奥行きが100mmであり、厚さが20mmの上下方向サポート100を作成した。また、上下方向サポート100は、10mm間隔で並ぶように形成した。
【0065】
横方向サポート110は、ベースプレート3から5mm離れた位置に形成した。横方向サポート110としては、幅が10mmであり、奥行きが100mmであり、厚さが5mmであるものを形成した。
【0066】
予熱による加熱された原料粉末の温度は、1000度とした。予熱は、電子ビームの照射により行った。
【0067】
以上の条件にて形成した実施例にかかる三次元物体120及び比較例にかかる三次元物体を冷却した後、一対の脚部122の間の寸法を計測して、両者の比較を行ったところ、実施例の三次元物体120の寸法は、設計寸法(目標値)に対して1mm変形しており、比較例の三次元物体の寸法は、設計寸法(目標値)に対して4mm変形していた。この結果からも、横方向サポート110が有効であることが確認された。
【0068】
以上、一実施の形態及びその変形例を説明したが、上記の実施の形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述の実施の形態や変形例及びその他の変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1…三次元造形装置、2…チャンバ、3…ベースプレート、31…プレート駆動部、32…積層造形室、4…ディスペンサ、41…粉末タンク、5…照射ヘッド、6…コントローラ、81…粉末層、82…サポート用溶解層、83…造形用溶解層、100…上下方向サポート、110…横方向サポート、120…三次元物体
図1
図2
図3
図4
図5