IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 昆山工研院新型平板顕示技術中心有限公司の特許一覧 ▶ 昆山国顕光電有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図1
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図2
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図3
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図4
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図5
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図6
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図7a
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図7b
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図8a
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図8b
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図9
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図10
  • 特許-フレキシブル表示装置及びその製造方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】フレキシブル表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20230712BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230712BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20230712BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20230712BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20230712BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20230712BHJP
   H05B 33/26 20060101ALI20230712BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20230712BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/00 338
H01L29/78 617K
H01L29/78 617N
H05B33/02
H05B33/10
H05B33/14 A
H05B33/26
H10K59/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019520113
(86)(22)【出願日】2017-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2017116916
(87)【国際公開番号】W WO2018121322
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2019-04-12
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-10
(31)【優先権主張番号】201710774762.0
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201611229509.9
(32)【優先日】2016-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179314
【氏名又は名称】昆山工研院新型平板顕示技術中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN NEW FLAT PANEL DISPLAY TECHNOLOGY CENTER CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building No.3,No.188 Chenfeng Road,Yushan Town,Kunshan,Jiangsu 215300,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO-VISIONOX OPTO-ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone Kunshan, Jiangsu, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】胡坤
(72)【発明者】
【氏名】馮浩
(72)【発明者】
【氏名】袁波
(72)【発明者】
【氏名】蔡世星
(72)【発明者】
【氏名】張▲ティン▼▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】宋艷芹
(72)【発明者】
【氏名】林立
(72)【発明者】
【氏名】胡思明
(72)【発明者】
【氏名】朱暉
【合議体】
【審判長】濱野 隆
【審判官】中塚 直樹
【審判官】濱本 禎広
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-197181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0097408(US,A1)
【文献】特開2010-016254(JP,A)
【文献】特開2012-156195(JP,A)
【文献】特開2000-223797(JP,A)
【文献】特表2013-511061(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0382446(US,A1)
【文献】特開2016-208024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343-1/1345
G02F 1/135
G09F 9/00-9/46
H01L 21/336
H01L 27/32
H01L 29/786
H01L 51/50
H05B 33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル表示装置であって、
フレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に形成された導電層とを含み、
前記導電層には複数の楕円形の止まり穴が設置されており、
前記楕円形の止まり穴の長軸が前記フレキシブル表示装置の折り曲げ方向に一致し、
前記複数の楕円形の止まり穴が前記フレキシブル表示装置の折り曲げ方向に沿って複数行に設置され、複数行に設置される前記楕円形の止まり穴が千鳥配列され、
同一行の隣接する2つの楕円形の止まり穴間の最小ピッチと、前記楕円形の止まり穴の長軸の長さとの比率が、1/2以上2以下であり、
前記導電層は前記フレキシブル基板における電源線を構成し、前記導電層の線幅及び前記止まり穴のデータは前記電源線に要求される抵抗に応じて決められる
ことを特徴とするフレキシブル表示装置。
【請求項2】
前記複数の楕円形の止まり穴は前記導電層において均一に分布され、前記導電層の前記複数の楕円形の止まり穴に有機材料が充填されることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項3】
前記導電層は穴開け領域を含み、前記複数の楕円形の止まり穴は前記穴開け領域内に設けられており、
前記楕円形の止まり穴は、前記穴開け領域における前記導電層の、前記フレキシブル表示装置の折り曲げ方向に垂直ないずれの横断面も前記楕円形の止まり穴と交わるように、千鳥配列される
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項4】
フレキシブル基板を形成することと、
電源線に要求される抵抗を決定することと、
前記電源線に要求される抵抗に応じて、導電層の線幅及び止まり穴のデータを取得することと、
前記導電層の線幅及び前記止まり穴のデータに基づいて、前記フレキシブル基板に電源線を形成することと、を含み、
前記導電層には複数の楕円形の止まり穴が設置されており、
前記楕円形の止まり穴の長軸がフレキシブル表示装置の折り曲げ方向に一致し、
前記複数の楕円形の止まり穴が前記フレキシブル表示装置の折り曲げ方向に沿って複数行に設置され、複数行に設置される前記楕円形の止まり穴が千鳥配列され、
同一行の隣接する2つの楕円形の止まり穴間の最小ピッチと、前記楕円形の止まり穴の長軸の長さとの比率が、1/2以上2以下である
ことを特徴とするフレキシブル表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術に関し、特にフレキシブル表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル表示装置とは表示パネルを曲げ変形することができる表示装置を意味し、フレキシブル有機エレクトロルミネッセンス表示装置(OLED)、フレキシブル電気泳動表示装置(EPD)、フレキシブル液晶表示装置(LCD)等の様々なタイプを含む。新世代の表示デバイスとして、薄くて軽く、コントラストが高く、迅速に応答でき、視野角が広く、輝度が高く、フルカラーである等の利点を有するため、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、デジタルカメラ、車載ディスプレイ、ノートパソコン、壁掛けテレビ及び軍事分野等での将来性が高い。
【0003】
フレキシブル表示装置を曲げ又は折り畳む際に、脆性TFT(Thin Film Transistor、薄膜トランジスタ)は割れやすく、割れたTFTは、フレキシブル表示装置の表示効果に影響を与えるか、又はフレキシブル表示装置を正常に動作できないようにする。研究によって、脆性TFTの断裂は、主にディスプレイ体周囲のより太い導電層、特に導電層のフレキシブルで折り畳み可能な方向に集中していることが発見された。
【0004】
従来技術において、割れやすい導電層に対して導電層の機械的信頼性を強化する多くの構想、例えば、導電層に穿孔することにより応力を解放すること、複数層の導電層を設置し、且つコンタクトホールを利用してそれを互いに接続させること、電極材料を例えばグラフェン、銀ナノワイヤー等に取り替えること、導電層の幅を減少させるとともに導電層の平滑度を向上させるようなことが提案されている。しかしながら、上記従来の導電層の機械的信頼性を強化する技術案の効果はいずれも低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本発明は、従来技術におけるフレキシブル表示装置を曲げ又は折り畳む際に、導電層にクラックが入りやすく、ひいては導電層が割れるという問題を解決するフレキシブル表示装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一態様において、本発明の一実施例はフレキシブル表示装置を提供し、フレキシブル表示装置は、フレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に形成された導電層とを含み、前記導電層には複数の楕円形の止まり穴が設置されており、前記楕円形の止まり穴の長軸が前記フレキシブル表示装置の折り曲げ方向に一致し、前記複数の楕円形の止まり穴が前記フレキシブル表示装置の折り曲げ方向に沿って複数行に設置され、複数行に設置される前記楕円形の止まり穴が千鳥配列され、同一行の隣接する2つの楕円形の止まり穴間の最小ピッチと、前記楕円形の止まり穴の長軸の長さとの比率が、1/2以上2以下であり、前記導電層は前記フレキシブル基板における電源線を構成し、前記導電層の線幅及び前記止まり穴のデータは前記電源線に要求される抵抗に応じて決められる。
【0007】
本発明の一実施例において、導電層がフレキシブル基板における電源線を構成する。
【0008】
本発明の一実施例において、凹部領域のすべての側辺のうち最長の側辺、又は凹部領域の側辺の2点を接続する側辺接続線のうち最長の側辺接続線がフレキシブル表示装置の折り曲げ方向に一致する。
【0010】
本発明の一実施例において、導電層及びフレキシブル基板が延在方向に沿って折り曲げ領域及び非折り曲げ領域に分けられ、少なくとも1つの凹部領域が導電層の折り曲げ領域に設置され、折り曲げ領域の導電層の厚さが非折り曲げ領域の導電層の厚さより小さい
【0011】
本発明の一実施例において、導電層の折り曲げ領域の非延在方向における上縁又は下縁が非折り曲げ領域の導電層の同一側縁と共線である。
【0012】
本発明の一実施例において、導電層の折り曲げ領域の非延在方向における上縁及び下縁がいずれも非折り曲げ領域の導電層の同一側縁と共線ではない。
【0013】
本発明の一実施例において、フレキシブル表示装置が薄膜トランジスタ構造を用い、導電層がフレキシブル表示装置のソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、陰極又は陽極に電気的に接続されるか、又は、導電層がフレキシブル表示装置のソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、陰極又は陽極を構成する。
【0014】
本発明の一実施例において、フレキシブル表示装置が薄膜トランジスタ構造を用い、導電層がフレキシブル表示装置のゲート電極におけるトップゲート及び/又はボトムゲートを構成し、ゲート電極は薄膜トランジスタ構造のチャネル層の上方に設置されるトップゲートと、チャネル層の下方に設置されるボトムゲートとを含み、トップゲートに少なくとも1つの凹部領域が設置され、トップゲートにおける凹部領域のチャネル層に平行する平面への投影がボトムゲートの平面への投影にカバーされ、及び/又は、ボトムゲートに少なくとも1つの凹部領域が設置され、ボトムゲートにおける凹部領域の平面への投影がトップゲートの平面への投影にカバーされる。
【0015】
本発明の一実施例において、トップゲートにおける凹部領域の平面への投影の形状がボトムゲートの平面への投影の形状と同じであり、及び/又は、ボトムゲートにおける凹部領域の平面への投影の形状がトップゲートの平面への投影の形状と同じである。
【0016】
本発明の一実施例において、凹部領域は導電層において均一に分布され、導電層の少なくとも1つの凹部領域に有機材料が充填される。
【0017】
本発明の一実施例において、少なくとも1つの凹部領域がフレキシブル表示装置の折り曲げ線方向に沿って1行又は複数行に設置されている。
【0018】
本発明の一実施例において、複数行に設置されている凹部領域が位置を揃えて配列されるか、又は千鳥配列されている。
【0019】
本発明の一実施例において、同一列の1つの凹部領域の線幅方向における断面幅又は同一列の複数の凹部領域の線幅方向における断面幅の和と導電層の線幅との比率が1/2以下である。
【0020】
本発明の一実施例において、同一行の隣接する2つの凹部領域間の最小ピッチとフレキシブル表示装置の折り曲げ方向に一致する側辺又は側辺接続線との比率が1/2以上2以下である。
【0021】
本発明の一実施例において、少なくとも1つの凹部領域で構成される形状のフレキシブル基板に平行な平面又はフレキシブル基板に垂直な平面への投影は、矩形、三角形、台形、菱形、円形、楕円形、正弦波状、ツイスト状及び鋸歯状のうちの1つ又は複数の組み合わせを含む。
【0022】
本発明の一実施例において、導電層に設置される保護層を含み、保護層に被覆される導電層の凹部領域の穴径と導電層の幅との比率が0.1より小さい。
【0023】
本発明の一実施例において、保護層に被覆されていない導電層の凹部領域の穴径と導電層の幅との比率が0.08より大きい。
【0024】
第二態様において、本発明の一実施例は更にフレキシブル表示装置の製造方法を提供し、当該方法は、フレキシブル基板を形成することと、電源線に要求される抵抗を決定することと、前記電源線に要求される抵抗に応じて、導電層の線幅及び止まり穴のデータを取得することと、前記導電層の線幅及び前記止まり穴のデータに基づいて、前記フレキシブル基板に電源線を形成することと、を含み、前記導電層には複数の楕円形の止まり穴が設置されており、前記楕円形の止まり穴の長軸が前記フレキシブル表示装置の折り曲げ方向に一致し、前記複数の楕円形の止まり穴が前記フレキシブル表示装置の折り曲げ方向に沿って複数行に設置され、複数行に設置される前記楕円形の止まり穴が千鳥配列され、同一行の隣接する2つの楕円形の止まり穴間の最小ピッチと、前記楕円形の止まり穴の長軸の長さとの比率が、1/2以上2以下である。
【0025】
第三態様において、本発明の一実施例は更にフレキシブル表示装置の製造方法を提供し、フレキシブル表示装置が薄膜トランジスタ構造であり、薄膜トランジスタ構造のゲート電極の製造方法は、ボトムゲートを製造することと、ボトムゲートの上方にボトムゲート絶縁層及びチャネル層を順に製造することと、チャネル層の上方にトップゲート絶縁層及びトップゲートを順に製造することと、を含み、トップゲートに少なくとも1つの凹部領域が設置され、トップゲートにおける凹部領域のチャネル層に平行する平面への投影がボトムゲートの平面への投影にカバーされ、及び/又は、ボトムゲートに少なくとも1つの凹部領域が設置され、ボトムゲートにおける凹部領域の平面への投影がトップゲートの平面への投影にカバーされる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置はフレキシブル基板及びフレキシブル基板に形成される導電層を含み、導電層に少なくとも1つの凹部領域が設置される。本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置はフレキシブル基板に導電層を設置し、且つ導電層に少なくとも1つの凹部領域を設置することで、フレキシブル表示装置を曲げ又は折り畳む際に導電層にクラック又は割れが発生することを避け、導電層の折り曲げ時の品質及び信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施例1のフレキシブル表示装置の構造模式図である。
図2】本発明の実施例2のフレキシブル表示装置の構造模式図である。
図3】本発明の実施例3のフレキシブル表示装置の構造模式図である。
図4】本発明の実施例4のフレキシブル表示装置の構造模式図である。
図5】本発明の実施例5のフレキシブル表示装置の構造模式図である。
図6】本発明の実施例6のフレキシブル表示装置の構造模式図である。
図7a】本発明の実施例7のフレキシブル表示装置の薄膜トランジスタ構造の構造模式図である。
図7b】本発明の実施例7のフレキシブル表示装置の薄膜トランジスタ構造のゲート電極の投影模式図である。
図8a】本発明の実施例8のフレキシブル表示装置の薄膜トランジスタ構造の構造模式図である。
図8b】本発明の実施例8のフレキシブル表示装置の薄膜トランジスタ構造のゲート電極の投影模式図である。
図9】本発明の実施例9のフレキシブル表示装置の薄膜トランジスタ構造のゲート電極の製造フローチャートである。
図10】本発明の実施例10のフレキシブル表示装置の折り曲げ性能試験データの折れ線グラフである。
図11】本発明の実施例11のフレキシブル表示装置の折り曲げ性能試験データの折れ線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の目的、技術的手段及び利点をより明瞭にするために、以下、図面を参照しながら本発明を更に詳しく説明する。以下の説明及び特許請求の範囲によって、本発明の利点及び特徴が更に明瞭になる。ただし、図面はいずれも極めて簡素化されたタイプを用い、且つ正確でない比率を利用し、本発明の実施例の目的を容易且つ明瞭に補助的に説明する。
【0029】
[実施例1]
図1は本発明の実施例1のフレキシブル表示装置の構造模式図である。図1に示すように、フレキシブル表示装置はフレキシブル基板10及びフレキシブル基板10に形成される電源線11を含み、電源線11は導電層110を含み、導電層110に貫通穴111を有する。貫通穴111によって電源線11を折り曲げる際に生じた応力を分散させることができ、それによりフレキシブル表示装置を曲げ又は折り畳む際に電源線にクラック又は割れが発生することを避け、電源線の折り曲げ時の品質及び信頼性を向上させる。
【0030】
本願の実施例において、導電層110の材料がアルミニウム金属、銅金属等の金属材料であってもよく、複数種の金属材料を複合してなる複合金属層であってもよく、更に酸化インジウムスズ等の透明材質の導電層であってもよい。導電層110の材料が導電性を有すればよい。
【0031】
好ましくは、貫通穴111のすべての側辺のうち最長の側辺、又は貫通穴111の側辺の2点を接続するすべての側辺接続線のうち最長の側辺接続線が電源線11の折り曲げ方向に一致する。側辺とは貫通穴形状のいずれか1つの辺を意味し、側辺接続線とは貫通穴の任意の側辺上の任意の2つの点の間の接続線を意味すると理解される。ここで、折り曲げ方向とは、電源線11の折り曲げ時の軸方向、つまり電源線11を折り曲げる際に生じた応力の伝達方向を意味し、更に、電源線11の折り曲げ方向が電源線11の折り曲げ時の折り曲げ線に垂直になる。例えば、フレキシブル表示装置の形状が長方形であり、折り曲げ操作は長辺に沿って折り曲げ、つまり2つの短辺が徐々に近づき又は重なる場合、その時の折り曲げ方向は長辺が位置する軸方向となる。
【0032】
図1に示すように、本願の実施例において、貫通穴111の形状が長方形である。更に、長方形の貫通穴の長辺(つまり最長の側辺)が前記電源線11の折り曲げ方向に一致し、つまり、前記長方形の貫通穴の長辺が前記フレキシブル表示装置の折り曲げ方向に一致し、従って、貫通穴111によって電源線11を折り曲げる際に生じた応力を効率よく分散させることができる。
【0033】
より好ましくは、導電層110の200μm~500μm幅ごとに1行の貫通穴111が設置され、1行又は複数行の貫通穴111が導電層110に均一に分布され、このため、一定数の貫通穴を確保し、電源線11を折り曲げる際に生じた応力を効率よく分散させることができるだけでなく、導電層110の品質及び信頼性を確保することもできる。例えば、導電層110の線幅が500μmより小さい場合、導電層110に1行の貫通穴111を有し、導電層110の線幅が500μm以上1000μm未満である場合、導電層110に2行の貫通穴111を有し、導電層110の線幅が1000μm以上1500μm未満である場合、導電層110に3行の貫通穴111を有し、導電層110の線幅が1500μm以上2000μm未満である場合、導電層110に4行の貫通穴111を有する。更に、導電層110がより広い線幅(2000μmより大きい)を有する場合、導電層110により多数行の貫通穴111が設置されてもよい。導電層110の線幅及び貫通穴111の行数を合理的に選択及び整合することにより、電源線11の耐折り曲げ性を向上させることができるだけでなく、電源線11がより優れた導電性を有することもできる。本実施例の貫通穴111の数が7つであり、7つの貫通穴111が1行で配列されている。
【0034】
より好ましくは、同一列の1つの貫通穴111の線幅方向における断面幅又は同一列の複数の貫通穴111の線幅方向における断面幅の和と導電層110の線幅との比率が1/2以下である。本願の実施例において、長方形の貫通穴111の短辺a1と導電層110の線幅a2との比率が1/2以下である。更に、同一行の隣接する2つの貫通穴111間の最小ピッチa3と最長の側辺又は最長の側辺接続線との比率(ここでは長方形の貫通穴111の長辺a4)が1/2以上2以下である。従って、電源線11の耐折り曲げ性を向上させることができるだけでなく、電源線11に、より優れた導電性を持たせることもできる。
【0035】
それに対応して、本実施例は更にフレキシブル表示装置の製造方法を提供し、当該方法は、フレキシブル基板を形成することと、電源線に要求される抵抗を決定することと、電源線に要求される抵抗に応じて、導電層の線幅及び貫通穴のデータを取得することと、導電層の線幅及び貫通穴のデータに基づいて、フレキシブル基板に電源線を形成することと、を含む。フレキシブル基板に電源線を形成することは、まず特定の線幅の導線層(つまり電源線に要求される抵抗に応じて取得された導電層の線幅)を形成し、次に導電層に穿孔する(つまり電源線に要求される抵抗に応じて取得された貫通穴のデータ、例えば貫通穴の形状、大きさ、行数及び数等に基づいて導電層に穿孔する)ことを含んでもよい。
【0036】
[実施例2]
図2は本発明の実施例2のフレキシブル表示装置の構造模式図である。図2に示すように、フレキシブル表示装置はフレキシブル基板20及びフレキシブル基板20に形成される電源線21を含み、電源線21は導電層210を含み、導電層210に貫通穴211を有する。貫通穴211によって電源線21を折り曲げる際に生じた応力を分散させることができるため、フレキシブル表示装置を曲げ又は折り畳む際に電源線にクラック又は割れが発生することを避け、電源線の折り曲げ時の品質及び信頼性を向上させる。
【0037】
本願の実施例において、導電層210の材料はアルミニウム金属、銅金属等の金属材料であってもよく、複数種の金属材料を複合してなる複合金属層であってもよく、更に酸化インジウムスズ等の透明材質の導電層であってもよい。導電層210の材料が導電性を有すればよい。
【0038】
好ましくは、貫通穴211のすべての側辺のうち最長の側辺、又は貫通穴211の側辺の2点を接続するすべての側辺接続線のうち最長の側辺接続線が電源線21の折り曲げ方向に一致する。図2に示すように、本願の実施例において、貫通穴211の形状が楕円形である。更に、楕円形の貫通穴の長軸(つまり最長の側辺接続線)が電源線21の折り曲げ方向に一致し、つまり、楕円形の貫通穴の長軸がフレキシブル表示装置の折り曲げ方向に一致し、従って、貫通穴211によって電源線21を折り曲げる際に生じた応力を効率よく分散させることができる。
【0039】
より好ましくは、導電層210の200μm-500μm幅ごとに1行の貫通穴211が設置され、1行又は複数行の貫通穴211が導電層210に均一に分布され、このため、一定数の貫通穴を確保し、電源線21を折り曲げる際に生じた応力を効率よく分散させることができるだけでなく、導電層210の品質及び信頼性を確保することもできる。本願の実施例において、貫通穴211の数が14個であり、14個の貫通穴211が複数行に配列(具体的には2行で配列)されており、且つ複数行が位置を揃えて配列されている。
【0040】
より好ましくは、同一列の1つの貫通穴211の線幅方向における断面幅又は同一列の複数の貫通穴211の線幅方向における断面幅の和と導電層210の線幅との比率が1/2以下である。本願の実施例において、同一列の2つの楕円形の貫通穴211の短軸b1の和2*b1(つまり同一列の複数の貫通穴211の線幅方向における最大断面幅の和)と導電層210の線幅b2との比率が1/2以下である。更に、同一行の隣接する2つの貫通穴211間の最小ピッチb3と最長の側辺又は最長の側辺接続線との比率(ここでは楕円形の貫通穴211の長軸b4)が1/2以上2以下である。従って、電源線21の耐折り曲げ性を向上させることができるだけでなく、電源線21に、より優れた導電性を持たせることもできる。
【0041】
それに対応して、本実施例は更にフレキシブル表示装置の製造方法を提供し、当該方法は、フレキシブル基板を形成することと、電源線に要求される抵抗を決定することと、電源線に要求される抵抗に応じて、導電層の線幅及び貫通穴のデータを取得することと、導電層の線幅及び貫通穴のデータに基づいて、フレキシブル基板に電源線を形成することと、を含む。フレキシブル基板に電源線を形成することは、まず特定線幅の導線層(つまり電源線に要求される抵抗に応じて取得された導電層の線幅)を形成し、次に導電層に穿孔する(つまり電源線に要求される抵抗に応じて取得された貫通穴のデータ、例えば貫通穴の形状、大きさ、行数及び数等に基づいて導電層に穿孔する)ことを含んでもよい。
【0042】
[実施例3]
図3は本発明の実施例3のフレキシブル表示装置の構造模式図である。図3に示すように、フレキシブル表示装置はフレキシブル基板30及びフレキシブル基板30に形成される電源線31を含み、電源線31は導電層310を含み、導電層310に貫通穴311を有する。貫通穴311によって電源線31を折り曲げる際に生じた応力を分散させることができ、それによりフレキシブル表示装置を曲げ又は折り畳む際に電源線にクラック又は割れが発生することを避け、電源線の折り曲げ時の品質及び信頼性を向上させる。
【0043】
本願の実施例において、導電層310の材料がアルミニウム金属、銅金属等の金属材料であってもよく、複数種の金属材料を複合してなる複合金属層であってもよく、更に酸化インジウムスズ等の透明材質の導電層であってもよい。導電層310の材料が導電性を有すればよい。
【0044】
好ましくは、貫通穴311のすべての側辺のうち最長の側辺、又は貫通穴311の側辺の2点を接続するすべての側辺接続線のうち最長の側辺接続線が電源線31の折り曲げ方向に一致する。図3に示すように、本願の実施例において、貫通穴311の形状が楕円形である。更に、楕円形の貫通穴の長軸(つまり最長の側辺接続線)が電源線31の折り曲げ方向に一致し、つまり楕円形の貫通穴の長軸がフレキシブル表示装置の折り曲げ方向に一致し、従って、貫通穴311によって電源線31を折り曲げる際に生じた応力を効率よく分散させることができる。
【0045】
より好ましくは、導電層310の200μm-500μm幅ごとに1行の貫通穴311が設置され、1行又は複数行の貫通穴311が導電層310に均一に分布され、このため、一定数の貫通穴を確保し、電源線31を折り曲げる際に生じた応力を効率よく分散させることができるだけでなく、導電層310の品質及び信頼性を確保することもできる。本願の実施例において、貫通穴311の数が12個であり、12個の貫通穴311が複数行に配列(具体的に2行で配列)されており、且つ複数行に千鳥配列されている。
【0046】
より好ましくは、同一列の1つの貫通穴311の線幅方向における断面幅又は同一列の複数の貫通穴311の線幅方向における断面幅の和と導電層310の線幅との比率が1/2以下である。本願の実施例において、同一列に1つのみの貫通穴311がある場合、1つの貫通穴311の線幅方向における断面幅(ここで楕円形の貫通穴311の短軸c1)と導電層310の線幅c2との比率が1/2以下であり、又は、同一列に2つの貫通穴311がある場合、2つの貫通穴311の線幅方向における断面幅の和(ここで断面幅c5と断面幅c6との和)と導電層310の線幅c2との比率が1/2以下である。更に、同一行の隣接する2つの貫通穴311間の最小ピッチc3と最長の側辺又は最長の側辺接続線との比率(ここで楕円形の貫通穴311の長軸c4)が1/2以上2以下である。従って、電源線31の耐折り曲げ性を向上させることができるだけでなく、電源線31に、より優れた導電性を持たせることもできる。
【0047】
それに対応して、本実施例は更にフレキシブル表示装置の製造方法を提供し、当該方法は、フレキシブル基板を形成することと、電源線に要求される抵抗を決定することと、電源線に要求される抵抗に応じて、導電層の線幅及び貫通穴のデータを取得することと、導電層の線幅及び貫通穴のデータに基づいて、フレキシブル基板に電源線を形成することと、を含む。フレキシブル基板に電源線を形成することは、まず特定線幅の導線層(つまり電源線に要求される抵抗に応じて取得された導電層の線幅)を形成し、次に導電層に穿孔する(つまり電源線に要求される抵抗に応じて取得された貫通穴のデータ、例えば貫通穴の形状、大きさ、行数及び数等に基づいて導電層に穿孔する)ことを含んでもよい。
【0048】
[実施例4]
図4は本発明の実施例4のフレキシブル表示装置の構造模式図である。図4に示すように、フレキシブル表示装置はフレキシブル基板40及びフレキシブル基板40に形成される電源線41を含み、電源線41は導電層410を含み、導電層410に貫通穴411を有する。貫通穴411によって電源線41を折り曲げる際に生じた応力を分散させることができ、それによりフレキシブル表示装置を曲げ又は折り畳む際に電源線にクラック又は割れが発生することを避け、電源線の折り曲げ時の品質及び信頼性を向上させる。
【0049】
本願の実施例において、導電層410の材料がアルミニウム金属、銅金属等の金属材料であってもよく、複数種の金属材料を複合してなる複合金属層であってもよく、更に酸化インジウムスズ等の透明材質の導電層であってもよい。導電層410の材料が導電性を有すればよい。
【0050】
好ましくは、貫通穴411のすべての側辺のうち最長の側辺、又は貫通穴411の側辺の2点を接続するすべての側辺接続線のうち最長の側辺接続線が電源線41の折り曲げ方向に一致する。図4に示すように、本願の実施例において、貫通穴411の形状が菱形である。更に、菱形の貫通穴の長対角線(つまり最長の側辺接続線)が電源線41の折り曲げ方向に一致し、つまり菱形の貫通穴の長対角線がフレキシブル表示装置の折り曲げ方向に一致し、従って、貫通穴411によって電源線41を折り曲げる際に生じた応力を効率よく分散させることができる。
【0051】
より好ましくは、導電層410の200μm-500μm幅ごとに1行の貫通穴411が設置され、1行又は複数行の貫通穴411が導電層410に均一に分布され、このため、一定数の貫通穴を確保し、電源線41を折り曲げる際に生じた応力を効率よく分散させることができるだけでなく、導電層410の品質及び信頼性を確保することもできる。ここで、貫通穴411の数が1つであり、1つの貫通穴411が導電層410の中間位置に位置する。更に、同一列の1つの貫通穴411の線幅方向における断面幅又は同一列の複数の貫通穴411の線幅方向における断面幅の和と導電層410の線幅との比率は1/2以下である。本願の実施例において、菱形の貫通穴411の短対角線d1と導電層410の線幅d2との比率は1/2以下である。従って、電源線41の耐折り曲げ性を向上させることができるだけでなく、電源線41に、より優れた導電性を持たせることもできる。
【0052】
それに対応して、本実施例は更にフレキシブル表示装置の製造方法を提供し、当該方法は、フレキシブル基板を形成することと、電源線に要求される抵抗を決定することと、電源線に要求される抵抗に応じて、導電層の線幅及び貫通穴のデータを取得することと、導電層の線幅及び貫通穴のデータに基づいて、フレキシブル基板に電源線を形成することと、を含む。フレキシブル基板に電源線を形成することは、まず特定線幅の導線層(つまり電源線に要求される抵抗に応じて取得された導電層の線幅)を形成し、次に導電層に穿孔する(つまり電源線に要求される抵抗に応じて取得された貫通穴のデータ、例えば貫通穴の形状、大きさ、行数及び数等に基づいて導電層に穿孔する)ことを含んでもよい。
【0053】
本発明に係るフレキシブル表示装置において、貫通穴が更にほかの形状、例えば円形、正方形、不規則な図形等であってもよく、より好ましくは、貫通穴の形状が規則的な形状であり、それにより電源線に要求される抵抗に応じて取得された貫通穴のデータ、例えば貫通穴の具体的な形状、大きさ、行数及び数等に基づいて製造することが容易になる。
【0054】
本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置の導電層における貫通穴がほかの形状の凹部領域(例えば止まり穴、貫通穴及び止まり穴が共存する領域)であってもよく、本発明は該凹部領域の具体的な形状を制限しないと理解すべきである。
【0055】
本発明の一実施例において、フレキシブル表示装置は薄膜トランジスタ構造を用い、導電層がフレキシブル表示装置のソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、陰極又は陽極に電気的に接続され、又は導電層がフレキシブル表示装置のソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、陰極又は陽極を構成する。以上から分かるように、本発明の実施例に係る導電層に折り曲げ応力を分散できる凹部領域が設けられるため、該導電層がフレキシブル表示装置の異なる導電部を構成する場合、これらの異なる導電部の耐折り曲げ性能が向上する。ただし、本発明は該導電層がフレキシブル表示装置のどの部分を構成するかを制限しない。
【0056】
本発明に記載のいずれか1つの実施例に係るフレキシブル表示装置の導電層の凹部領域(例えば貫通穴又は止まり穴)内にいずれも有機材料が充填されてもよく、それによりフレキシブル表示装置の折り曲げ応力の緩和に役立つと理解すべきである。
【0057】
本発明の一実施例において、少なくとも1つの凹部領域で構成された形状の、フレキシブル基板に平行な平面又はフレキシブル基板に垂直な平面への投影は、矩形、三角形、台形、菱形、円形、楕円形、正弦波状、ツイスト状及び鋸歯状のうちの1つ又は複数の組み合わせを含む。本発明の実施例は凹部領域を複数の異なる形状に設置することにより、導電層の応力を十分に分散させる作用を実現することができ、それにより本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置の応力を更に分散させる。
【0058】
[実施例5]
図5は本発明の実施例5のフレキシブル表示装置の構造模式図である。図5に示すように、本発明の実施例5に係るフレキシブル表示装置は順に上から下まで(図5に示す上から下まで)積層配列された導電層4、絶縁層2及びフレキシブル基板3を含み、上から下まで積層配列された導電層4、絶縁層2及びフレキシブル基板3が延在方向に沿って折り曲げ領域N2及び非折り曲げ領域N1に区画され、折り曲げ領域N2の導電層4の厚さが非折り曲げ領域N1の導電層4の厚さより小さく、つまり折り曲げ領域N2の導電層4の下縁(下縁が図5に示す積層設置方向における下縁である)及び非折り曲げ領域N1の導電層4の下縁(下縁が図5に示す積層設置方向における下縁である)が同一水平線に位置し(つまり共線する)、折り曲げ領域N2の導電層4の上縁(上縁が図5に示す積層設置方向における上縁である)が水平方向に沿って非折り曲げ領域N1の導電層4の上縁(上縁が図5に示す積層設置方向における上縁である)より低い。
【0059】
ただし、本発明の実施例に言及される延在方向とは水平方向、つまり図5に示す左右方向を意味し、非延在方向とは垂直方向、つまり図5に示す上下方向を意味する。
【0060】
本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置は絶縁層2を含まなくてもよいと理解すべきである。
【0061】
本発明の実施例の理論的根拠は以下のとおりである。
【0062】
改良前の導電層の抵抗は、
R1=ρL/S1 (1)
である。
【0063】
式(1)では、S1=W*h1、Wが導電層の幅を示し、Lが導電層の長さを示し、h1が導電層の厚さを示し、S1が導電層の横断面面積を示し、ρが導電層の密度値を示し、R1が導電層の抵抗を示す。
【0064】
改良後の導電層の抵抗は、
【数1】
である。
【0065】
式(2)では、横断面面積S1=W*h1、S2=W*(h1+h2)、S=S3、S1<S2、L1が折り曲げ領域の導電層の長さを示し、L2及びL3が厚さ増加後の非折り曲げ領域の導電層の長さを示し、L1+L2+L3=L、S1が対応する折り曲げ領域の導電層の横断面面積を示し、S2及びS3が対応する厚さ増加後の非折り曲げ領域の導電層の横断面面積を示す。
【0066】
改良前後の抵抗の大きさの差は、
【数2】
である。
【0067】
式(3)では、L-L1>0、(1/S1)-(1/S2)>0、従って、R1>R1’であることが得られる。
【0068】
要するに、上記分析から分かるように、厚さを増加した後、導電層の抵抗が効果的に減少する。
【0069】
本発明の実施例5に係るフレキシブル表示装置は、フレキシブル表示装置を延在方向に沿って折り曲げ領域及び非折り曲げ領域に区画して、折り曲げ領域の導電層の厚さを非折り曲げ領域の導電層の厚さより小さくするように設定することで、フレキシブル表示装置の導電層の抵抗値を減少させるだけでなく、フレキシブル表示装置の折り曲げ領域の折り曲げ性能にも影響しない目的を実現し、フレキシブル表示装置を大画面の折り畳み可能なモバイル端末に応用するために、必要条件を提供する。
【0070】
本発明の実施例において、折り曲げ領域N2の導電層4の上縁(上縁が図5に示す積層設置方向における上縁である)及び非折り曲げ領域N1の導電層4の上縁(上縁が図5に示す積層設置方向における上縁である)が同一水平線に位置し(つまり共線で)、折り曲げ領域N2の導電層4の下縁(下縁が図5に示す積層設置方向における下縁である)が水平方向において非折り曲げ領域N1の導電層4の下縁(下縁が図5に示す積層設置方向における下縁である)より高く、それにより折り曲げ領域N2の導電層4の厚さを非折り曲げ領域N1の導電層4の厚さより小さくする目的を実現し、本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置の適応性及び拡張性を十分に向上させてもよいと理解すべきである。
【0071】
また、実際の状況に応じて、折り曲げ領域N2及び非折り曲げ領域N1の具体的な設置範囲及び設置位置を自由に設置してもよいが、本発明の実施例はここで制限しないことに注意すべきである。
【0072】
好ましくは、本発明の実施例における導電層4を金属層として設置することにより、導電層4が導電作用を効率よく発揮することができる。
【0073】
導電層4の材質を導電性プラスチック又は導電性ゴム等の材質として設置してもよいが、本発明がこれに制限されないことを理解すべきである。
【0074】
[実施例6]
図6は本発明の実施例6のフレキシブル表示装置の構造模式図である。本発明の実施例5を基に、本発明の実施例6を実現し、本発明の実施例6は実施例5とほぼ同様であり、以下、主に相違点について説明し、同じ部分についてはさらに説明しない。図6に示すように、本発明の実施例6に係るフレキシブル表示装置の非折り曲げ領域N1の導電層4の上縁(上縁が図6に示す積層設置方向における上縁である)が延在方向(つまり水平方向)に沿って折り曲げ領域N2の導電層4の上縁(上縁が図6に示す積層設置方向における上縁である)より高く、且つ非折り曲げ領域N1の導電層4の下縁(下縁が図6に示す積層設置方向における下縁である)が延在方向(つまり水平方向)に沿って折り曲げ領域N2の導電層4の下縁(下縁が図6に示す積層設置方向における下縁である)より低い。
【0075】
本発明の実施例6に係るフレキシブル表示装置は非折り曲げ領域N1の導電層4の上縁を延在方向(つまり水平方向)に沿って折り曲げ領域N2の導電層4の上縁より高くするように設置し、非折り曲げ領域N1の導電層4の下縁を延在方向(つまり水平方向)に沿って折り曲げ領域N2の導電層4の下縁より低くするように設置し、つまり非折り曲げ領域N1の導電層4の非延在方向(つまり垂直方向)の両端からそれぞれ非折り曲げ領域N1の導電層4の厚さを増加させることで、フレキシブル表示装置の導電層4の抵抗値を減少させるだけでなく、フレキシブル表示装置の折り曲げ領域N2の折り曲げ性能にも影響しない目的を効率よく実現する。
【0076】
本発明に記載の実施例に説明されたフレキシブル表示装置の非折り曲げ領域N1の導電層4の上縁及び/又は下縁と、対応する折り曲げ領域N2の導電層4の上縁及び/又は下縁とが同一水平線に位置する場合、非折り曲げ領域N1の導電層4の上縁及び/又は下縁と、対応する折り曲げ領域N2の導電層4の上縁及び/又は下縁とが共線すればよく、水平線に位置するように強制的に要求されることではないと理解すべきである。
【0077】
本発明の一実施例において、折り曲げ領域N2の導電層4の上縁及び/又は下縁(上縁及び下縁が図6に示す積層設置方向における上縁及び下縁である)が鋸歯状又は波状等の形状であり、それにより本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置の拡張性及び適応性を十分に向上させる。
【0078】
[実施例7及び実施例8]
図7aは本発明の実施例7のフレキシブル表示装置の薄膜トランジスタ構造の構造模式図である。図7bは本発明の実施例7のフレキシブル表示装置の薄膜トランジスタ構造のゲート電極の投影模式図である。図7aに示すように、薄膜トランジスタ構造のゲート電極1は薄膜トランジスタ構造のチャネル層72の上方に設置されるトップゲート71及びチャネル層72の下方に設置されるボトムゲート73を含んでもよい。トップゲート71に少なくとも1つの貫通穴711が設置される。図7bに示すように、トップゲート71における貫通穴711のチャネル層72に平行する平面82での投影811が、ボトムゲート73の平面82への投影83にカバーされる。
【0079】
ゲート電極1はチャネル層72の両側に設置されるボトムゲート73及びトップゲート71を含むように設計され、トップゲート71に少なくとも1つの貫通穴711が設置され、且つトップゲート71がボトムゲート73とともに相補的構造を形成する。トップゲート71における貫通穴によってゲート電極1を折り曲げ又は変形する際に生じた応力集中を分散させ、ゲート電極1の耐折り曲げ性能を強化し、薄膜トランジスタ構造の折り曲げ又は割れによる故障を効果的に防止することができる。同時に、トップゲート71及びボトムゲート73が相補的構造を形成するため、トップゲート71に貫通穴711を有するものの、トップゲート71の貫通穴711に対応するチャネル層領域が該チャネル層領域の下方に設置されるボトムゲート73にカバーされ、チャネル層72に依然として連続した導電チャネルを形成することができる。このため、トップゲート71及びボトムゲート73が相補的に設置されるゲート電極1を用いると、薄膜トランジスタ構造の特性パラメータ(例えば、薄膜トランジスタ構造の縦横比)に影響を与えることがない。
【0080】
図8aは本発明の実施例8のフレキシブル表示装置の薄膜トランジスタ構造の構造模式図である。図8bは本発明の実施例8のフレキシブル表示装置の薄膜トランジスタ構造のゲート電極の投影模式図である。図8a及び図8bに示すように、薄膜トランジスタ構造のゲート電極1は薄膜トランジスタ構造のチャネル層72の上方に設置されるトップゲート71及びチャネル層72の下方に設置されるボトムゲート73を含んでもよい。ボトムゲート73に少なくとも1つの貫通穴711が設置される。図8bに示すように、ボトムゲート73における貫通穴711のチャネル層72に平行する平面82での投影811が、トップゲート71のチャネル層72に平行する平面82での投影81にカバーされる。
【0081】
ただし、本発明の実施例に係るゲート電極1の構造はこれに限らず、ゲート電極1は、更にトップゲート71及びボトムゲート73にいずれも少なくとも1つの貫通穴711を設置して構成されてもよいと理解すべきである。トップゲート71における貫通穴711のチャネル層72に平行する平面82への投影811が、ボトムゲート73の平面82への投影83にカバーされ、且つボトムゲート73における貫通穴711のチャネル層72に平行する平面82への投影811が、トップゲート71の平面82への投影81にカバーさればよい。以下の実施例において、本発明は貫通穴711がトップゲート71に設置される場合を例として説明したが、本発明の実施例では貫通穴711をトップゲート71に設置するか、又はボトムゲート73に設置するかについて、具体的に制限しない。
【0082】
図7a及び図7bに示すように、一実施例において、トップゲート71における貫通穴711のチャネル層72に平行する平面82への投影811の形状が、ボトムゲート73のチャネル層72に平行する平面82への投影83の形状と同じであってもよい。その時、トップゲート71のチャネル層72に平行する平面82への投影811と、ボトムゲート73のチャネル層72に平行する平面82への投影83とが重なる領域は最も小さい。このため、薄膜トランジスタ構造の特性をある程度向上させることができる。ただし、プロセス上のバラツキ及び層間のずれがある場合を考慮して、トップゲート71のチャネル層72に平行する平面82への投影811と、ボトムゲート73のチャネル層72に平行する平面82への投影83とが重なる領域を有することを許容すると理解すべきである。
【0083】
さらなる実施例において、図8aに示すように、ボトムゲート絶縁層731は更に切り抜き領域又は少なくとも1つの開穴部を含んでもよく、該切り抜き領域又は少なくとも1つの開穴部には、ボトムゲート絶縁層731の上方のチャネル層72の平坦度が確保されるように、有機材料732が充填されてもよい。同時に、該少なくとも1つの開穴部に耐折り曲げ性能がより優れた有機材料732を充填することも、折り曲げ応力の緩和により役立つ。ただし、トップゲート絶縁層712も切り抜き領域又は少なくとも1つの開穴部を含んでもよく、該切り抜き領域又は少なくとも1つの開穴部に有機材料732が充填されてもよいと理解すべきである。図8aに示す実施例において、ボトムゲート絶縁層731の切り抜き領域の形状はボトムゲート73と相補的であるが、本発明の実施例に係るトップゲート絶縁層712/ボトムゲート絶縁層731の切り抜き領域の形状又は開穴部の位置は図7aに示す構成に限らず、本発明の実施例では、トップゲート絶縁層712/ボトムゲート絶縁層731の切り抜き領域の形状並びに開穴部の位置及び数について、具体的に制限しないと理解すべきである。
【0084】
図7bにはトップゲート71の貫通穴711の数が1つであることを示すが、本発明の実施例に係るトップゲート71の貫通穴711は複数であってもよい。トップゲート71に複数の貫通穴711が設置される場合、複数の貫通穴711は1行又は複数行に配列されてもよく、本発明の実施例では貫通穴711の数及び具体的な配列方式について制限しない。
【0085】
以上から分かるように、本発明の実施例7及び実施例8は、フレキシブル表示装置における薄膜トランジスタ構造のゲート電極に凹部領域を設置することにより、従来の薄膜トランジスタ構造の折り曲げ・変形時、応力の集中に起因して表示が故障するという問題を解決する。
【0086】
[実施例9]
図9は本発明の実施例9のフレキシブル表示装置の薄膜トランジスタ構造のゲート電極の製造フローチャートである。図9に示すように、本発明の実施例9は薄膜トランジスタ構造のゲート電極の製造方法を提供し、該ゲート電極1の製造方法は、次のようなステップを含むことができる。
【0087】
S11:ボトムゲート73を製造する。ボトムゲート73を製造するとき、ボトムゲート73に少なくとも1つの貫通穴711を製造する必要があり、貫通穴711のチャネル層72に平行する平面82への投影は、以降に製造されたトップゲート71の平面82への投影にカバーされるべきである。ボトムゲート73は1つの基板上に製造されてもよく、本発明では該基板の材質及び内部構造について制限しないと理解すべきである。
【0088】
S12:ボトムゲート73の上方にボトムゲート絶縁層731及びチャネル層72を順に製造する。ボトムゲート絶縁層731は、ボトムゲート73とチャネル層72間の絶縁を形成するために用いられる。
【0089】
S13:チャネル層72にトップゲート絶縁層712及びトップゲート71を製造する。トップゲート71を製造するとき、トップゲート71に少なくとも1つの貫通穴711を製造してもよく、貫通穴711の平面82への投影は、ボトムゲート73のチャネル層72に平行する平面82への投影にカバーされるべきである。
【0090】
本実施例に係るゲート電極1の製造方法によって、ゲート電極1はチャネル層72の両側に設置されるボトムゲート73及びトップゲート71を含み、トップゲート71及び/又はボトムゲート73に少なくとも1つの貫通穴711が設置され、トップゲート71とボトムゲート73とが相補的構造を形成する。このように、ゲート電極1の耐折り曲げ性能を強化するとともに、薄膜トランジスタ構造の電気特性を確保することができる。
【0091】
[実施例10]
図10は本発明の実施例10のフレキシブル表示装置の折り曲げ性能試験データの折れ線グラフである。本発明の実施例10では、折り曲げ性能試験を行う際に用いた電源線が500μm幅の金属線であり、その導電層は保護層に被覆されていない(つまりテスト部分が電源線の非AA領域、非表示領域である)。図10に示すように、図10における座標の横軸が電源線の貫通穴の穴径を示し、座標の縦軸が電源線の耐折り曲げ回数を示す。本発明の実施例の折り曲げ性能試験において、保護層なしの電源線の貫通穴の異なる穴径における耐折り曲げ回数を複数回テストすることにより、図10に示す折り曲げ性能試験データの折れ線グラフを形成した。
【0092】
図10を分析することにより、電源線の貫通穴の穴径が40μmである場合、電源線の耐折り曲げ回数が、貫通穴の穴径が0μmの時の耐折り曲げ回数にほぼ等しく、且つ電源線の貫通穴の穴径が40μmより大きくなった後、電源線の耐折り曲げ回数が直線的に上昇する傾向があり、電源線の貫通穴の穴径が50μmである場合、電源線の耐折り曲げ回数が貫通穴の穴径が0μmの時の耐折り曲げ回数より大幅に多いことが分かる。
【0093】
また、電源線の貫通穴の穴径が40μmより小さい場合、貫通穴の穴径が小さすぎるため、貫通穴自体がクラックの開始点として広がって割れるおそれがあり、本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置の安定性を低下させるため、電源線の貫通穴の穴径が40μmより小さい場合、フレキシブル表示装置の耐折り曲げ性能が悪い。
【0094】
電源線の幅w=500μmであるため、図10を分析することにより、a=40μmである時、a/w=0.08になり、a=50μmである時、a/w=0.1になることが分かる。
【0095】
以上から分かるように、保護層領域で被覆されていない電源線のa/w値が0.08より大きいと、電源線に貫通穴を開設することで、保護層なしの電源線の耐折り曲げ回数を向上させる目的を実現することができる。
【0096】
好ましくは、保護層領域で被覆されていない電源線のa/w値を0.1より大きくすることにより、保護層なしの電源線の耐折り曲げ回数を著しく向上させることができる。
【0097】
例えば、本発明の一実施例において、電源線の幅w=10μmとし、電源線が他の如何なる層(例えば有機層等)にも被覆されていない場合、電源線における貫通穴の穴径が0.8μmよりも大きく、好ましくは、貫通穴の穴径が1μmよりも大きい。
【0098】
本発明の実施例10に説明されたフレキシブル表示装置において、電源線に開設された貫通穴は、いずれも止まり穴に置き換えて、貫通穴の製造によるフレキシブル表示装置の他の構造の特性への影響を避けるようにしてもよいことを理解できるであろう。つまり、本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置では、貫通穴又は止まり穴のみであってもよいし、貫通穴及び止まり穴が共存してもよい。
【0099】
本発明の実施例10において、貫通穴又は止まり穴が矩形穴、三角形穴、台形穴、菱形穴、円形穴、楕円形穴又は不規則な穴等であってもよく、貫通穴又は止まり穴が正方形穴又は円形穴である場合、穴径aが辺長又は直径であり、貫通穴又は止まり穴が不規則な穴である場合、穴径aが不規則な穴のすべての側辺のうち最長の側辺、又は側辺の2点を接続するすべての側辺接続線のうち最長の側辺接続線の長さであると理解すべきである。
【0100】
本発明の実施例10はフレキシブル表示装置における保護層で被覆されていない領域の金属線に貫通穴及び/又は止まり穴を開設し、貫通穴及び/又は止まり穴の穴径と金属線の幅との比率を制限することで、保護層で被覆されていない領域の金属線の耐折り曲げ回数を向上させる。
【0101】
[実施例11]
図11は本発明の実施例11のフレキシブル表示装置の折り曲げ性能試験データの折れ線グラフである。本発明の実施例11は折り曲げ性能試験を行う際に用いた電源線が500μm幅の金属線であり、その導電層が保護層に被覆されている(つまりテスト部分が電源線のAA領域、表示領域である)。図11に示すように、図11における座標の横軸が電源線の貫通穴の穴径を示し、座標の縦軸が電源線の耐折り曲げ回数を示す。本発明の実施例の折り曲げ性能試験において、保護層付きの電源線の貫通穴の異なる穴径における耐折り曲げ回数を複数回テストすることにより、図11に示す折り曲げ性能試験データの折れ線グラフを形成した。
【0102】
図11を分析することにより、電源線の貫通穴の穴径が50μmである場合、電源線の耐折り曲げ回数が、貫通穴の穴径が0μmの時の耐折り曲げ回数にほぼ等しく、且つ電源線の貫通穴の穴径が50μmより小さい場合、電源線の耐折り曲げ回数はいずれも、貫通穴の穴径が0μmの時の耐折り曲げ回数より多く、電源線の貫通穴の穴径が5μm-35μmの範囲である場合、電源線の耐折り曲げ回数が、貫通穴の穴径が0μmの時の耐折り曲げ回数より大幅に多いことが分かる。
【0103】
電源線の幅w=500μmであるため、図11を分析することにより、a=50μmである時、a/w=0.1になり、a=5μmである時、a/w=0.01になり、a=20μmである時、a/w=0.04になり、a=35μmである時、a/w=0.07になることが分かる。
【0104】
以上から分かるように、保護層領域で被覆されている電源線のa/w値が0.1より小さいと、電源線に貫通穴を開設することで、保護層付きの電源線の耐折り曲げ回数を向上させる目的を実現することができる。
【0105】
好ましくは、保護層領域で被覆されている電源線のa/w値を0.01-0.07の範囲とすることにより、保護層付きの電源線の耐折り曲げ回数を著しく向上させることができる。
【0106】
好ましくは、保護層領域で被覆されている電源線のa/w値を0.01-0.04の範囲とすることにより、保護層付きの電源線の耐折り曲げ回数を500%向上させる。
【0107】
例えば、本発明の一実施例において、電源線の幅w=400μmとし、電源線にpillar層(つまり保護層)が塗布され、電源線の貫通穴の穴径が40μmよりも小さい場合、電源線に貫通穴を開設することで、保護層付きの電源線の耐折り曲げ回数を向上させる目的を実現することができる。
【0108】
好ましくは、本発明の一実施例において、電源線の幅w=400μmとし、電源線にpillar層(つまり保護層)が塗布され、貫通穴の穴径の値を4μm-16μmの範囲とすることにより、保護層付きの電源線の耐折り曲げ回数を500%向上させる。
【0109】
本発明の実施例11に説明されたフレキシブル表示装置において、電源線に開設された貫通穴をいずれも止まり穴に置き換えることで、貫通穴の製造によるフレキシブル表示装置の他の構造の特性への影響を避けるようにしてもよいことを理解できるであろう。つまり、本発明の実施例に係るフレキシブル表示装置では、貫通穴又は止まり穴のみであってもよいし、貫通穴及び止まり穴が共存してもよい。
【0110】
本発明の実施例11において、貫通穴又は止まり穴が矩形穴、三角形穴、台形穴、菱形穴、円形穴、楕円形穴又は不規則な穴等であってもよく、貫通穴又は止まり穴が正方形穴又は円形穴である場合、穴径aが辺長又は直径であり、貫通穴又は止まり穴が不規則な穴である場合、穴径aが不規則な穴のすべての側辺のうち最長の側辺、又は側辺の2点を接続するすべての側辺接続線のうち最長の側辺接続線の長さであると理解すべきである。
【0111】
本発明の実施例11はフレキシブル表示装置における保護層で被覆されている領域の金属線に貫通穴及び/又は止まり穴を開設し、貫通穴及び/又は止まり穴の穴径と金属線の幅との比率を制限することで、保護層で被覆されている領域の金属線の耐折り曲げ回数を向上させる。
【0112】
本発明の一実施例において、本発明に記載の実施例に係るフレキシブル導線(つまり電源線)を陰・陽極構造に応用することにより、陰・陽極構造の耐折り曲げ回数を向上させる。
【0113】
以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。本発明の趣旨及び原則を逸脱せずに行ったいかなる修正、等価置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図9
図10
図11