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特許7312120N-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】N-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 233/64 20060101AFI20230712BHJP
【FI】
C07D233/64 102
C07D233/64 CSP
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020007953
(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公開番号】P2021116227
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000173762
【氏名又は名称】公益財団法人相模中央化学研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】301005614
【氏名又は名称】東ソー・ファインケム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井上 宗宣
(72)【発明者】
【氏名】三村 英之
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-068110(JP,A)
【文献】特開平02-262539(JP,A)
【文献】特表2014-507478(JP,A)
【文献】Chinese Journal of Chemistry,2003年,Vol.21, No.10,pp.1349-1355
【文献】Chemistry of Heterocyclic Compounds,2009年,Vol.45, No.4,pp.430-435
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】
(式中、R、R及びRは、各々独立に水素原子;炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のフルオロアルキル基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6から12の芳香族炭化水素基を表す。ただし、R及びRが水素原子の場合、Rは水素原子及びメチル基ではない。)で表されるN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類。
【請求項2】
一般式(2)
【化2】
(式中、R1a、R2a及びR3aは、各々独立に水素原子;炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のフルオロアルキル基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6から12の芳香族炭化水素基を表す。)で表されるイミダゾール類を、塩基存在下、トリフルオロヨードメタンと反応させることを特徴とする、一般式(1a)
【化3】
(式中、R1a、R2a及びR3aは、前記と同じ意味を表す。)で表されるN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類及び、一般式(1b)
【化4】
(式中、R1a、R2a及びR3aは、前記と同じ意味を表す。)で表されるN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類の製造方法。
【請求項3】
塩基が、リチウムヘキサメチルジシラジドである請求項2に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医農薬及び機能性材料の製造中間体として有用なN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
N-(トリフルオロメチル)イミダゾール類は医農薬、イオン液体等の機能性材料及びそれらの製造中間体として有用である(特許文献1、非特許文献1)。N-(トリフルオロメチル)イミダゾール類の従来の製造方法としては、イミダゾール類を塩基存在下、ジブロモジフルオロメタンと反応させてN-(ブロモジフルオロメチル)イミダゾール類を得た後に、フッ素アニオンでトリフルオロメチル基に変換して合成する方法が開示されている(非特許文献1)。しかしながら、ジブロモジフルオロメタンは高い毒性を有し、またオゾン層破壊物質に指定されているため、工業的な製造原料に用いることは不向きであった。
【0003】
また、イミダゾール類を塩基存在下、ジフルオロジヨードメタンと反応させてN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類を得た後に、フッ素アニオンを作用させてでジフルオロヨードメチル基をトリフルオロメチル基に変換してN-(トリフルオロメチル)イミダゾール類を合成する方法が開示されている(非特許文献2)。N-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類はN-(トリフルオロメチル)イミダゾール類の合成前駆体として有用であるものの、上記製造方法は、高価なジフルオロジヨードメタンを使用する必要があり、工業的な製造方法には不向きであった。
【0004】
トリフルオロヨードメタンはオゾン層破壊能の低いフロンガスであり、消火剤や半導体の洗浄剤として用いられている安全、安価な化合物である。これまでに、イミダゾール類とトリフルオロヨードメタンを反応させて、N-(トリフルオロメチル)イミダゾール類の合成前駆体であるN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類を製造する方法は全く報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第5670455号明細書。
【非特許文献】
【0006】
【文献】Chemistry of Heterocyclic Compounds,45巻,430-435頁,2009年。
【文献】Chinese Journal of Chemistry,21巻,1349-1355頁,2003年。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
医農薬及び機能性材料として有用なN-(トリフルオロメチル)イミダゾール類の従来の製造方法は、安全性の低い試薬を用いるため、工業的には不向きな製造方法であった。本発明の課題は、N-(トリフルオロメチル)イミダゾール類の製造中間体として有用なN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討を重ねた結果、イミダゾール類を塩基存在下、トリフルオロヨードメタンと反応させることにより、N-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類を簡便に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、一般式(1)
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、R、R及びRは、各々独立に水素原子;炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のフルオロアルキル基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6から12の芳香族炭化水素基を表す。ただし、R及びRが水素原子の場合、Rは水素原子及びメチル基ではない。)で表されるN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類に関する。
【0012】
また、本発明は、一般式(2)
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、R1a、R2a及びR3aは、各々独立に水素原子;炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のフルオロアルキル基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6から12の芳香族炭化水素基を表す。)で表されるイミダゾール類を、塩基存在下、トリフルオロヨードメタンと反応させることを特徴とする、一般式(1a)
【0015】
【化3】
【0016】
(式中、R1a、R2a及びR3aは、前記と同じ意味を表す。)で表されるN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類及び、一般式(1b)
【0017】
【化4】
【0018】
(式中、R1a、R2a及びR3aは、前記と同じ意味を表す。)で表されるN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類の製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、医農薬及び機能性材料の製造中間体として有用なN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類を簡便に製造することができる。得られたN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類はN-(トリフルオロメチル)イミダゾール類やイオン性液体であるN-(トリフルオロメチル)イミダゾリニウム塩へと変換できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。本明細書におけるR、R及びRの定義について説明する。
【0021】
、R及びRで表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等を例示することができる。合成が容易な点で、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基であることが好ましい。
【0022】
、R及びRで表される炭素数1から6のフルオロアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等を例示することができる。合成が容易な点で、トリフルオロメチル基であることが好ましい。
【0023】
、R及びRで表される炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6から12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、4-ビフェニリル基、p-トリル基、m-トリル基、o-トリル基、メシチル基、4-(トリフルオロメチル)フェニル基、3-(トリフルオロメチル)フェニル基、2-(トリフルオロメチル)フェニル基、4’-(トリフルオロメチル)-4-ビフェニリル基、4-フルオロフェニル基、4-クロロフェニル基、4-ブロモフェニル基、4-ヨードフェニル基、2,3-ジフルオロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、3,4-ジフルオロフェニル基、3,5-ジフルオロフェニル基等を例示することができる。合成が容易な点で、フェニル基であることが好ましい。
【0024】
本発明のN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類(1)としては、特に限定するものではないが、1-(ジフルオロヨードメチル)-2-エチルイミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-2-プロピルイミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-2-イソプロピルイミダゾール、2-ブチル-1-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-2-フェニルイミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-5-フェニルイミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-4-フェニルイミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-5-(4-フルオロフェニル)イミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-4-(4-フルオロフェニル)イミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-5-(4-ブロモフェニル)イミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-4-(4-ブロモフェニル)イミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-4,5-ジメチルイミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-2,4,5-トリメチルイミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-4,5-ジフェニルイミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-2,4,5-トリフェニルイミダゾール等を例示することができる。中でも合成が容易な点で、1-(ジフルオロヨードメチル)-2-エチルイミダゾール、1-(ジフルオロヨードメチル)-5-フェニルイミダゾール又は1-(ジフルオロヨードメチル)-4-フェニルイミダゾールが好ましい。
【0025】
次に、本発明の製造方法について詳しく述べる。本発明のN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類(1)の製造方法は、下記スキームに示す通りである。
【0026】
【化5】
【0027】
(式中、R1a、R2a及びR3aは、前記と同じ意味を表す。)
【0028】
本発明の製造方法におけるR1a、R2a及びR3aの定義について説明する。
【0029】
1a、R2a及びR3aで表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等を例示することができる。収率が良い点で、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基であることが好ましい。
【0030】
1a、R2a及びR3aで表される炭素数1から6のフルオロアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等を例示することができる。収率が良い点で、トリフルオロメチル基であることが好ましい。
【0031】
1a、R2a及びR3aで表される炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6から12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、4-ビフェニリル基、p-トリル基、m-トリル基、o-トリル基、メシチル基、4-(トリフルオロメチル)フェニル基、3-(トリフルオロメチル)フェニル基、2-(トリフルオロメチル)フェニル基、4’-(トリフルオロメチル)-4-ビフェニリル基、4-フルオロフェニル基、4-クロロフェニル基、4-ブロモフェニル基、4-ヨードフェニル基、2,3-ジフルオロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、3,4-ジフルオロフェニル基、3,5-ジフルオロフェニル基等を例示することができる。収率が良い点で、フェニル基であることが好ましい。
【0032】
本発明の製造方法は、イミダゾール類(2)を塩基存在下にトリフルオロヨードメタンと反応させて、N-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類(1a)とN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類(1b)の混合物を製造する方法である。R2a及びR3aが同一の場合、N-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類(1b)はN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類(1a)と同一であり、単一の生成物を与える製造方法となる。
【0033】
本発明の製造方法の原料であるイミダゾール類(2)は、市販のイミダゾール類を用いることもできるし、一般的なイミダゾール類の合成方法(例えば、Advances in Heterocyclic Chemistry,27巻,241-326頁,1980年)に従って調製することもできる。
【0034】
本発明の製造方法の原料であるトリフルオロヨードメタンは市販されている。
【0035】
本発明の製造方法では、塩基を用いることが必須である。用いることのできる塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム等のアルキル又はアリールリチウム化合物、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペラジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類を例示することができる。収率が良い点で、リチウムヘキサメチルジシラジドを用いることが好ましい。
【0036】
本発明の製造方法に用いることのできる溶媒は、反応を阻害しない溶媒であれば良く、具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジグリム等のエーテル類、ヘキサン、ペンタン、へプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、適宜これらを組み合わせて用いても良い。収率が良い点で、テトラヒドロフランを用いることが好ましい。
【0037】
本発明の製造方法において、用いる試薬の添加する順序は特に限定はないが、イミダゾール類(2)と塩基を反応させた後に、トリフルオロヨードメタンを加えることが好ましい。
【0038】
イミダゾール類(2)と塩基とのモル比は、1:1から1:5が好ましく、収率が良い点で1:1から1:2がさらに好ましい。
【0039】
イミダゾール類(2)とトリフルオロヨードメタンとのモル比は、特に限定はないが、1:1から1:20が好ましい。
【0040】
反応温度は、-110℃から100℃までの範囲で適宜選ばれた温度で行うことができる。収率が良い点で-78℃から室温の範囲が好ましい。
【0041】
反応後の溶液からN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類(1a)とN-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾール類(1b)の混合物を単離する方法に特に限定はないが、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を得ることができる。
【実施例
【0042】
次に本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
実施例-1
アルゴン雰囲気下、4-フェニルイミダゾール(50mg,350μmol)と内部標準物質であるドデカン(15μmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、リチウムヘキサメチルジシラザン(1.0M THF溶液,520μL,520μmol)を滴下した後、室温で1時間攪拌した。反応雰囲気をトリフルオロヨードメタン(800mg,4.1mmol)で置換した後、更に室温で1時間攪拌した。反応溶液に酢酸(500μL)を加え、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(AcOEt:Hexane=1:49)、1-(ジフルオロヨードメチル)-5-フェニルイミダゾールと1-(ジフルオロヨードメチル)-4-フェニルイミダゾールの混合物(44mg,1-(ジフルオロヨードメチル)-5-フェニルイミダゾール:1-(ジフルオロヨードメチル)-4-フェニルイミダゾール=68:32,収率40%)を褐色固体として得た。1-(ジフルオロヨードメチル)-5-フェニルイミダゾール:H NMR(400MHz,CDCl)δ:7.87(s,1H),7.38(m,5H),7.02(s,1H);19F NMR(377MHz,CDCl)δ:-17.2。1-(ジフルオロヨードメチル)-4-フェニルイミダゾール:H NMR(400MHz,CDCl)δ:8.03(s,1H),7.80(m,2H),7.48(m,1H),7.42(m,2H),7.34(m,1H);19F NMR(377MHz,CDCl)δ:-19.7。
【0044】
実施例-2
リチウムヘキサメチルジシラザンの代わりにナトリウムヘキサメチルジシラザンを用いた以外は実施例-1と同様の操作を行い、1-(ジフルオロヨードメチル)-5-フェニルイミダゾールと1-(ジフルオロヨードメチル)-4-フェニルイミダゾールの混合物を40%(GC収率)で得た。
【0045】
実施例-3
リチウムヘキサメチルジシラザンの代わりに水素化ナトリウムを用いた以外は実施例-1と同様の操作を行い、1-(ジフルオロヨードメチル)-5-フェニルイミダゾールと1-(ジフルオロヨードメチル)-4-フェニルイミダゾールの混合物を12%(GC収率)で得た。
【0046】
実施例-4
4-フェニルイミダゾールの代わりにイミダゾールを用いた以外は実施例-1と同様の操作を行い、1-(ジフルオロヨードメチル)イミダゾールを50%(GC収率)で得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ:7.80(s,1H),7.15(s,1H),7.07(s,1H);19F NMR(377MHz,CDCl)δ:-5.93;MS(EI):244[M]
【0047】
実施例-5
4-フェニルイミダゾールの代わりに2-メチルイミダゾールを用いた以外は実施例-1と同様の操作を行い、1-(ジフルオロヨードメチル)-2-メチルイミダゾールを85%(GC収率)で得た。19F NMR(377MHz,CDCl)δ:-19.4;MS(EI):258[M]
【0048】
実施例-6
4-フェニルイミダゾールの代わりに2-エチルイミダゾールを用いた以外は実施例-1と同様の操作を行い、1-(ジフルオロヨードメチル)-2-エチルイミダゾールを40%(GC収率)で得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ:7.04(brs,1H),6.84(brs,1H),2.72(m,2H),1.25(m,3H);19F NMR(377MHz,CDCl)δ:-5.5;MS(EI):272[M]
【0049】
実施例-7
4-フェニルイミダゾールの代わりに2-イソプロピルイミダゾールを用いた以外は実施例-1と同様の操作を行い、1-(ジフルオロヨードメチル)-2-イソプロピルイミダゾールを35%(GC収率)で得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ:6.97-7.00(m,2H),3.03(m,1H),1.32(m,6H);19F NMR(377MHz,CDCl)δ:-5.1;MS(EI):286[M]
【0050】
参考例-1
実施例1で得られた1-(ジフルオロヨードメチル)-5-フェニルイミダゾールと1-(ジフルオロヨードメチル)-4-フェニルイミダゾールの混合物(30mg,93μmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、遮光した状態でAgBF(38mg,190μmol)を加えて、室温で10分間攪拌した。GC-MSより1-(トリフルオロメチル)-5-フェニルイミダゾールと1-(トリフルオロメチル)-4-フェニルイミダゾールの生成を確認した。 1-(トリフルオロメチル)-5-フェニルイミダゾール:MS(EI):212[M]。 1-(トリフルオロメチル)-4-フェニルイミダゾール:MS(EI):212[M]