(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】真空断熱容器を形成するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
B65D 81/38 20060101AFI20230712BHJP
B65D 85/50 20060101ALI20230712BHJP
B65D 85/72 20060101ALI20230712BHJP
A47J 41/02 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
B65D81/38 E
B65D85/50 100
B65D85/72 200
A47J41/02 102D
(21)【出願番号】P 2020531965
(86)(22)【出願日】2019-01-23
(86)【国際出願番号】 US2019014722
(87)【国際公開番号】W WO2019147651
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-11
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513292008
【氏名又は名称】サーモス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Thermos L.L.C.
【住所又は居所原語表記】475 N. Martingale Road, Suite 1100, Schaumburg, Illinois 60173 USA
(73)【特許権者】
【識別番号】520196405
【氏名又は名称】サーモス・(チャイナ)・ハウスウェアズ・カンパニー・リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】591261602
【氏名又は名称】サーモス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ケー・ワイ・マック
(72)【発明者】
【氏名】ティンホン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】マーヴィン・レイン
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104128704(CN,A)
【文献】特開昭58-224087(JP,A)
【文献】特開平07-298991(JP,A)
【文献】特開2004-065393(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104891051(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/38
B65D 85/50-85/72
A47J 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空断熱容器を形成するための方法であって、
容器を形成するために、内殻と外殻を一体に連結するステップであって、前記容器が前記内殻と前記外殻との間に空間を有する、ステップと、
前記容器の
外殻の底面に
直線状の開口を
レーザにより平行に2つ並べて形成するステップと、
前記容器保持要素を開くステップと、
容器保持要素の内側
のポジショナの中に前記容器全体を置くステップと、
前記容器保持要素を閉じるステップと、
さらなる熱を加えることなく前記容器の周囲の圧力を所望のレベルに下げる
ステップと、それによって前
記開口を通して真空にすることによって、前記容器保持要素内および前記容器の周囲を真空に引くステップと、
前記容器保持要素の壁を通してレーザ光線を向けるステップと、前記内殻と前記外殻との間の前記空間中の真空を密封し、前記内殻と前記外殻との間に真空空間を形成するために、前
記開口を溶接し閉じるステップと、
第2の容器を含有する第2の容器保持要素に前記レーザの発生源を動かすステップと、
前記第2の容器保持要素中に真空条件が存在する間に、前記第2の容器の開口を密封して閉じるステップと、
を含む、真空断熱容器を形成するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器および食料容器などの、真空断熱容器を形成するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
真空断熱した飲料容器および食料容器は、一般的に、容器の内殻および外殻によって画定される真空空間を有する。真空空間は、容器に断熱をもたらす。そのような容器を形成する既存の方法は、典型的には、内殻と外殻の間に真空空間を密封するために、半田材料を使用する。半田材料は、溶けて外殻に接着するガラス材料を含むことができる。
【0003】
そのような既存の方法を使用して真空断熱した飲料容器および食料容器を製造する期間に、容器の外殻または底部殻の底面に、凹みまたは他の凹部が通常形成される。次いで、外殻を通る開口が凹みに形成される。開口を覆って半田材料が配置される。次いで、(開口にわたる半田材料を有する)容器は、真空オーブン中に置かれ、そこで、容器の周りの周囲圧力が下げられ、真空オーブン中の温度が上げられる。真空オーブンは、未完成の容器の中および周りに真空状態を作る。オーブン中の温度が半田材料の融点以上に上がると、半田材料が溶け、凹みの中の開口の周りに流れて、開口を閉じる。溶けた半田が開口および内殻と外殻の間の空間、すなわち、殻間空間内の真空を密封する。オーブン中の温度が下げられ、溶けた半田が冷えて、開口を覆って固まる。ここで、殻間空間が半田材料によって容器内で密封され、容器は、ここで、さらなる仕上げのために真空オーブンから取り出すことができる。
【0004】
既存の方法は、半田材料を溶かすために必要な熱を提供するために、多くのエネルギーを使用する。さらに、既存の方法は遅い。オーブンを加熱し、オーブンを冷却するために多くの時間が必要である。さらに、既存の方法は、一般的に、溶けた半田材料が凹みの中の開口を満たすために、真空形成プロセス期間に、水平面に平行に保持される容器上の平面を必要とする。半田材料が容器から落ちるまたはしたたる可能性があるために、容器の垂直に向いた面の中の開口を密封するのは困難である。加えて、既存の方法では、曲がった、または他の非直線の面を密封するのが困難である。さらに、既存の方法では、凹みおよび固まった半田材料を覆うまたは隠すための美的な目的で、追加のキャップ構造が使用されることが多い。さらに、既存の方法では、外殻から内殻に向かって内向きに通過する凹みの物理構造は、真空空間の完全性を保つために、外殻と内殻の間に追加空間を必要とする。真空空間のためのこの追加空間は、容器のサイズ全体を制限または減少させる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
真空断熱容器を形成するための方法およびシステムのある種の実施形態が示され、記載される。方法およびシステムは、容器が真空環境中に維持される間に、容器の内殻空間への開口を密封または溶接し閉じるためにレーザを使用する。真空環境は、容器の部分または容器の全部を囲むようにサイズ決定および形作られる、容器保持要素中に形成することができる。容器保持要素は、その内部に真空を維持するのに十分な材料から作ることができる。容器保持要素の例としては、真空チャンバ、真空固定具、またはこの目的のために構成される任意の他のユニットが挙げられる。
【0006】
一態様では、方法は、未完成の容器を形成するために、内殻と外殻を一体に連結するステップを含む。方法は、未完成の容器の外殻に1つまたは複数の開口を作製するステップを含む。方法は、未完成の容器を容器保持要素中に置くステップと、容器保持要素の内側および未完成の容器の周囲または周りの全体にわたって真空に引くステップを含む。方法は、未完成の容器の周囲の圧力を下げるステップを含む。方法は、容器保持要素の窓を通してレーザを通過させるステップと、容器の内殻と外殻の間の真空空間中の真空を密封するために1つまたは複数の開口を溶接し閉じるステップを含む。任意のステップにおいて、溶接するステップは、容器が作られる材料に依存して、容器の開口を閉じるように構成される、当技術分野で知られている任意の他の方法で置き換えることができる。
【0007】
真空空間は、低圧を有し、内殻と外殻の間に形成される。真空空間は、容器のための断熱をもたらす。プロセスの期間に、未完成の容器の全体を、容器保持要素の内側に置くことができる。未完成の容器は、容器保持要素によって完全に囲むこと、または部分的に囲むことができる。
【0008】
別の態様では、方法は、内殻と外殻の間に真空空間を有する未完成の容器を形成するために内殻と外殻を一緒に溶接するステップを含む。方法は、レーザで外殻中に1つまたは複数の開口を作製するステップを含み、開口は、真空空間に接続する。方法は、さらなる熱を加えることなく、未完成の容器を容器保持要素に置くステップ、および未完成の容器の周囲を真空に引くステップを含む。方法は、未完成の容器の周囲の圧力を所望のレベルに下げるステップを含む。方法は、1つまたは複数の開口を通して真空にするステップを含む。方法は、容器保持要素の窓を通してレーザを通過させるステップと、容器の内殻と外殻の間のチャンバ中の真空を密封し、内殻と外殻の間に真空空間を形成するために、1つまたは複数の開口を溶接し閉じるステップを含む。本方法は、真空空間を周囲温度または室温で形成するために、エネルギー節約を達成することができる。
【0009】
別の態様では、底部に穴がない状態で、ステンレススチールの殻底部が最初に溶接される。次いで、レーザの光線が当てられて、底部に1つまたは複数のスリットを切断する。次に、ステンレススチールの殻底部は、透明な窓を有する容器保持要素の内側に置かれる。次に、一般的に室温で、容器保持要素中の殻底部中のスリットを通して、真空にされる。所望の真空レベルを達成した後、容器保持要素の外側からレーザを、透明な窓を通して発射し、スリットを溶接する。殻が容器保持要素から取り出された後、任意選択で、殻をオーブンの中に(大気圧で)置いて、殻の内側のゲッターを活性化することができる。容器保持要素中の透明な窓は、レーザが通過して、容器に到達することを可能にして、容器保持要素中で所望の真空レベルを維持することも可能にするのに十分な特性を有する、ガラスまたは任意の他の材料から作ることができる。
【0010】
方法およびシステムは、様々な断熱容器を形成するのに使用することができる。たとえば、容器は、2部品設計、4部品設計、または他の設計であってよい。2部品設計は、一般的に、内殻および外殻を含む。4部品設計は、一般的に、内殻、内部底部殻、外殻、および外部底部殻を含む。容器は、暖かい、もしくは冷たい飲料、食物製品、または他の消費者製品を保存するために使用することができる。容器は、飲料容器、飲料用タンブラー、ジョッキ、食物用ジャー、カラフ、ポンプポット、蓋付きカップ、缶用断熱材などであってよい。
【0011】
任意選択で、方法は、真空空間から容器を取り出すステップと、真空空間内のゲッター容器を活性化するために、容器をオーブンの中に大気圧で加熱するステップを含む。ゲッターは、真空空間中に残された空気があれば、酸素または他の残留分子を取り除くことができる。
【0012】
本方法およびシステムは、レーザ光線によってアクセス可能な、容器の任意の場所に、1つまたは複数の開口を形成して閉じることができる。たとえば、1つまたは複数の開口は、容器の側面、底面、内部の縁部、外部の縁部、または内面上にあってよい。本方法およびシステムは、密封されるべき容器の領域を覆って配置される半田材料を必要としない、レーザ溶接技法または他のレーザ実施方法を利用する。
【0013】
本開示の方法およびシステムは、以前の方法よりも速くより効率的に、真空断熱容器を形成する。加熱が必要でないため、本開示の方法およびシステムは、以前の方法よりもはるかに少ないエネルギーを利用する。さらに、1つまたは複数の開口を、レーザが到達できる容器上または容器中の任意の場所に形成することができ、このことによって、開口の戦略的な配置が可能になる。開口を隠すために、たとえば、容器の縁部に沿ってといった、いくつかの戦略があってよい。他の戦略は、容器の設計に対応して開口を配置することを含む。さらに、本方法によって密封された1つまたは複数の開口は、その上から塗装することができる。加えて、本方法を使用して密封された1つまたは複数の開口は、伝統的な半田タイプの密閉よりも、強いことが多く、破損を被る可能性が低い。このことが、以前の方法で形成される半田付けされた開口を覆うためのさらなるキャップまたは構造物の必要を減少させる。また、本方法は、半田を必要としないため、このことが同様に必要とされる材料を減少させる。
【0014】
別の態様では、真空断熱容器を形成するための方法が記載される。方法は、未完成の容器を形成するために、内殻と外殻を一体に連結するステップを含み、未完成の容器は、内殻と外殻の間に真空空間を有する。方法は、未完成の容器の外殻に1つまたは複数の開口を作製するステップを含む。方法は、容器保持要素の内側に、未完成の容器全体を置くステップを含む。方法は、未完成の容器の周囲を真空に引くステップを含む。方法は、未完成の容器の周囲の圧力を所望のレベルに下げるステップを含む。方法は、1つまたは複数の開口を通して真空にするステップを含む。方法は、容器保持要素を通してレーザ光線を向けるステップと、内殻と外殻の間の空間中の真空を密封し、内殻と外殻の間に真空空間を形成するために、1つまたは複数の開口を溶接し閉じるステップを含む。
【0015】
別の態様では、真空断熱容器を形成するための方法が記載される。方法は、複数の未完成の容器を形成するために、内殻と外殻を一体に連結するステップを含み、各未完成の容器は、内殻と外殻の間に空間を有する。方法は、未完成の容器の各々の外殻に1つまたは複数の開口を作製するステップを含む。方法は、複数の未完成の容器を容器保持要素の内部に置くステップを含む。方法は、カバーで容器保持要素を閉じるステップを含む。方法は、容器保持要素の内部および未完成の容器の周囲を真空に引くステップを含む。方法は、未完成の容器の周囲の圧力を所望のレベルに下げるステップを含む。方法は、1つまたは複数の開口を通して真空にするステップを含む。方法は、容器保持要素のカバーを通してレーザ光線を向けるステップと、第1の容器の内殻と外殻の間の空間中の真空を密封し、第1の容器の内殻と外殻の間に真空空間を形成するために、複数の容器のうちの第1の容器の1つまたは複数の開口を溶接し閉じるステップを含む。方法は、複数の容器のうちの第2の容器にレーザ光線の発生源を動かして、第2の容器の内殻と外殻の間の空間中の真空を密封し、第2の容器の内殻と外殻の間に真空空間を形成するステップを含む。
【0016】
別の態様では、真空断熱容器を形成するためのシステムが記載される。システムは、内部を画定する容器保持要素を含む。内部は、複数の容器を保持するように構成される。容器保持要素は、基部およびカバーを含む。カバーは、基部に密封して係合するように構成される。真空発生源は、容器保持要素と接続している。真空発生源は、複数の容器のすべての周囲の圧力を同時に減少させるために、容器保持要素の内部を真空に引くように構成される。レーザ発生源は、カバーを通してレーザ光線を向けるように構成される。カバーは、レーザ光線が容器保持要素の内部へと通って容器に到達することを可能にする。
【0017】
別の態様では、真空断熱容器を形成するためのシステムが記載される。システムは、複数の容器保持要素を位置決めする筐体を含む。システムは、複数の容器保持要素に隣接した取付け要素を含む。取付け要素は、水平トラックおよび垂直トラックを含む。容器保持要素は、各々が容器を保持するように構成される。容器保持要素はカバーを含む。真空発生源は、容器保持要素と接続している。真空発生源は、容器保持要素の内部を真空に引くように構成される。視覚的検出およびレーザ溶接組立体を水平および垂直に動かすために、視覚的検出およびレーザ溶接組立体が取付け要素に取り付けられる。視覚的検出およびレーザ溶接組立体は、カバーを通してレーザ光線を向けるように構成されるレーザを含む。カバーは、レーザ光線が容器保持要素の内部へ通るのを可能にする。
【0018】
別の態様では、真空断熱容器を形成するための容器保持要素が記載される。容器保持要素は基部を含む。基部は、4つの側壁を有するほぼ正方形形状またはほぼ矩形形状を含む。4つの側壁は、基部の底部からほぼ上方に延びて、容器保持要素の内部を画定する。カバーは、基部の上部に密封して係合し、内部を閉じる。複数の容器を保持するようにラックが構成される。ラックは、基部の内部に嵌入するように形作られる。基部の底部は、真空発生源と係合するように構成される真空ポートを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】真空断熱容器を形成するためのシステムの実施形態の斜視図である。
【
図2】真空断熱容器を形成するためのシステムの容器保持要素の第1の実施形態の断面図である。
【
図3】真空断熱容器を形成するためのシステムの容器保持要素の第2の実施形態の断面図である。
【
図4】容器の第1の実施形態のスリットの図である。
【
図5】容器の第2の実施形態のスリットの図である。
【
図6A】容器の第3の実施形態のスリットの図である。
【
図6B】容器の第3の実施形態のスリットの図である。
【
図7】複数の容器を保持するための容器保持要素の上面斜視図である。
【
図8】複数の容器を保持するための容器保持要素の断面図である。
【
図9】複数の容器を保持するための容器保持要素の分解図である。
【
図10】複数の容器を保持するための容器保持要素の上面図である。
【
図11】真空断熱容器を形成するためのシステムの第2の実施形態の斜視図である。
【
図12】真空断熱容器を形成するためのシステムの第2の実施形態の断面図である。
【
図13】真空断熱容器を形成するためのシステムの第2の実施形態の分解図である。
【
図14】
図1のシステムのコントローラのレイアウトである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本出願では、相対的な位置を記載する任意の用語(たとえば、上(upper)、中間(middle)、下(lower)、外(outer)、内(inner)、上(above)、下(below)、底部(bottom)、頂部(top)など)は、図示されるような本発明の実施形態のことを言うが、これらの用語は、実施形態を使用できる向きを限定しない。
【0021】
システム10は、ここで、
図1~
図6Bを参照して記載されることになる。システム10は、レーザ発生源205から容器保持要素300を通してレーザ光線を向けて、容器保持要素300内にある容器50の中の開口52を溶接する。
【0022】
システム10は、筐体100を含む。筐体100は、レーザ発生源205を容器保持要素300に隣接するよう位置決めする、視覚的検出およびレーザ溶接組立体200を備える。視覚的検出およびレーザ溶接組立体200は、
図1に示されるように、筐体100に取り付けることができる。他の態様では、視覚的検出およびレーザ溶接組立体200は、筐体100の上に位置する、または筐体100に隣接して支持することができる。
【0023】
筐体100は、真空発生源110が位置決めされる空間を画定することができる。真空発生源110は、ベローズまたは他の導管によって容器保持要素300に接続され、容器保持要素300の内側を真空に引くように構成される。真空発生源110の例は真空ポンプである。真空発生源110は、容器保持要素300中の圧力を下げる、容器保持要素300のための真空を作る。他の態様では、真空発生源110は、筐体100に隣接するよう位置決めして、追加ベローズまたは他の導管によって容器保持要素300に接続することができる。
【0024】
視覚的検出およびレーザ溶接組立体200は、レーザ発生源205を含み、レーザパルスを放出して、1つまたは複数の開口52を溶接する。視覚的検出およびレーザ溶接組立体200は、検出器210をさらに含み、容器50の開口52でレーザ発生源205からのパルスを登録する。システム10は、システム10の少なくともある種の要素を操作するためのコントローラ15を含む。コントローラ15は、プログラム可能論理コントローラを含むことができる。たとえば、コントローラ15は、レーザ発生源205、検出器210、または真空発生源110のいずれかまたはすべてを、オンにさせる、オフにさせる、動かす、校正するまたは他を指示させることができる。
【0025】
容器保持要素300は、容器保持要素300の開いた内部310の中に容器50を受け入れる。容器保持要素300の下部320は、容器50を保持するためのポジショナ325を含む。図示されない他の実施形態では、ポジショナ325は、レーザ発生源205によるアクセスのため、容器50を適切に位置決めするように構成される任意の向きに存在することができる。たとえば、別の実施形態では、ポジショナ325は、容器保持要素300の下に位置決めされたレーザ発生源205のために容器50が垂れ下がることができるフックを含むことができる。
【0026】
容器保持要素300は、たとえば、光学ガラスから作られた窓350を含む。窓350は、レーザ発生源205から十分な光エネルギーが内部310に通るのを可能にする任意の光学ガラスから作ることができる。窓350は、光エネルギーの透過または通過を可能にし、容器保持要素300内を真空に引くことを可能にする他の材料から作ることができる。窓350は、システム10の内部310を周囲環境から分離する。示される態様では、レーザ発生源205は、容器保持要素300に対して外部にある。レーザ発生源205からのレーザ光線が窓350を通り、容器保持要素300の内部310の中の容器50へと通過する。レーザ発生源205が容器保持要素300の内側に位置決めされる態様では、窓350は、必要ではない。図示される態様では、窓350は、容器保持要素300のカバーを形成するが、そのような窓は、容器保持要素300上の任意の所に位置決めすることができる。
【0027】
製造期間に、真空は、真空発生源110によって容器保持要素300の内部310に形成される。示される態様では、容器保持要素300は、取外し可能に接続される、上部330および下部320を含む。たとえば、上部330は、容器保持要素300の中に容器50を挿入するために、下部320から取り外すことができる。たとえば、上部330は、上部330と下部320を一緒に保持し、真空を容器保持要素300の内部310中に形成することを可能にするため、ねじ留め、摩擦、圧入、または他の機械的な接続で下部320に密封することができる。内部310に真空を形成できるように、ガスケットまたは他の柔軟な密封物を上部330と下部320の間に使用して、内部310を密封することができる。他の態様では、カバー300が、固定具300の内部310へのアクセスを可能にする。たとえば、容器50を容器保持要素300の内部310の中に置くため、カバー300は、一時的に容器保持要素300から取り外すことができる。
【0028】
容器保持要素300の下部320は、フレーム150および/または筐体100にしっかりと固定することができる。下部320は、一般的に、システム10の動作期間、ならびに/または下部320の中への容器50の装填および取出しの期間、フレーム150および/または筐体100に固定された状態を保つ。下部320は、筐体100の上面102の開口106を通過して、筐体100の内部104に通ることができる。
【0029】
図2に示される態様では、窓350は、容器保持要素300の上端335に位置決めされる。示される態様では、容器50は、上下逆の位置にポジショナ325によって保持される。このことによって、システム10が容器50の底部54に開口52を形成することが可能になる。開口52は
図5に示される。
図3に示される態様では、窓350は、容器保持要素300の側壁328に位置決めされる。
図4に示されるように、このことによって、システム10が容器50の側部56に開口52を形成することが可能になる。すなわち、レーザ発生源205が、容器50の水平でない部分にある開口52を溶接する。開口52に半田を使用する必要がないために、レーザ発生源205は、ほとんどどんな向きの開口52でも溶接することができる。たとえば、
図6Aおよび
図6Bは、容器50の底部54と側部56の間の縁部に沿った開口52を図示する。もちろん、開口52を、容器50の任意の他の縁部に沿って形成することができる。
【0030】
ポジショナ325は、容器50の内部へと嵌入する延長部327を含むことができる。他の態様では、ポジショナ325は、容器50の口の相補的なねじと、ねじ留め式に係合するためのねじを含むことができる。ポジショナ325は、レーザ溶接プロセス期間に容器50をしっかり保持する。
【0031】
形成プロセスの期間に、未完成の容器50は、完全に、容器保持要素300の内側に置かれる。未完成の容器50は、完全に、容器保持要素300によって囲まれる。たとえば、容器50は、内殻および外殻を有する、2部品設計を有することができる。形成プロセスの期間に、内殻と外殻の両方を、完全に、容器保持要素300の内側に収容することができる。たとえば、4部品設計は、内殻、内部底部殻、外殻、および外部底部殻を有することができる。形成プロセスの期間に、内殻、内部底部殻、外殻、および外部底部殻の全部を、完全に、容器保持要素300の内側に収容することができる。
【0032】
容器保持要素300は、ベローズ390につながる導管380を含み、ベローズ390は、真空発生源110と連通する。容器保持要素300は、容器保持要素300の内部310の圧力を監視するための圧力センサを含むことができる。示される態様では、導管380は、ベローズ390を、容器保持要素300の下部320中の導管開口322と連結する。導管開口322は、容器保持要素300の内部310への通路を実現する。導管380の反対側で、ベローズ390は真空発生源110につながる。真空発生源110は、容器保持要素300中および容器50の開口52の周囲または周りの圧力を下げる、容器保持要素300のための真空を作る。
【0033】
筐体100は、視覚的検出およびレーザ溶接組立体200を位置決めするように構成される取付け要素120を支持する。取付け要素120は、容器50の開口52を溶接するために、X(一般的に水平)方向およびY(一般的に垂直)方向に視覚的検出およびレーザ溶接組立体200を動かすことができる。取付け要素120の図示される態様は、水平トラック130および垂直トラック140を含む。視覚的検出およびレーザ溶接組立体200は、垂直トラック140上で、上下に動く。垂直トラック140は、水平トラック130上で、左右に動く。取付け要素120は、筐体100の上面102に取り付けることができる。最初のセットアップ後に、視覚的検出およびレーザ溶接組立体200は、容器50をレーザ溶接するため、水平面で動く必要があるだけの場合がある。取付け要素120の図示しない態様では、視覚的検出およびレーザ溶接組立体200を適切に支持および位置決めするのに十分な、枢動可能部分、機械的なアーム、または任意の他の構成を含むことができる。他の態様は、レーザ発生源205および検出器210の各々について、別個の取付け要素120を含むことができる。
【0034】
コントローラ15は、取付け要素120の機能および動きを操作する。コントローラ15は、ディスプレイおよびユーザ入力制御装置をさらに含むことができる。図示された筐体100は、筐体100の内部104につながる扉103をさらに含む。真空発生源110を、容器保持要素300の下の内部104に位置決めすることができる。
【0035】
示される態様では、システム10は、別個の垂直トラック140上に2つの視覚的検出およびレーザ溶接組立体200を含む。別個の垂直トラック140は、水平トラック130上を独立に動く。他の態様では、システム10は、単一の視覚的検出およびレーザ溶接組立体200、または任意の数の追加の視覚的検出およびレーザ溶接組立体200を含むことができる。
【0036】
筐体100は、容器保持要素300を保持および/または位置決めするためのフレーム150をさらに含む。フレーム150は、取付け要素120の隣に、または取付け要素120を支持して、筐体100の上面102に取り付けることができる。
【0037】
ポンプなどの、真空発生源110は、筐体100の中、または筐体100に隣接して位置決めされる。真空発生源110は、容器50内に真空空間を形成するために使用される真空を引く。1つまたは複数の容器50が、容器保持要素300の中に置かれる。真空発生源110が真空に引き始める。検出器210は、レーザ発生源205から開口52にパルスを向けるために、開口52の位置を決定する。容器保持要素300中が十分な圧力または所望の圧力に到達したら、レーザ発生源205は、1つまたは複数の開口52を溶接して閉じる。視覚的検出およびレーザ溶接組立体200は、容器保持要素300の次の容器50に動く。
【0038】
真空発生源110は、容器保持要素300の中、および容器50の真空空間の中を真空に引く。空気圧は、容器50に使用される材料または必要に応じて他の変数に依存して、周囲圧力条件から約10-3トル~約10-4トルに減少させることができる。形成プロセスの期間、未完成の容器50全体が、容器保持要素300の内側に置かれる。未完成の容器300は、完全に、容器保持要素300によって囲まれる。
【0039】
コントローラ15は、視覚的検出およびレーザ溶接組立体200の動きを、それぞれの容器保持要素300に向けることができる。検出器210は、開口52の位置を決定するために、コントローラ15と通信する。コントローラ15は、検出器210からの入力に基づいて、レーザ溶接組立体200の位置決めを調節することができる。コントローラ15はまた、容器保持要素300の内部のセンサによって、または真空発生源110から得られた読取値によって、容器保持要素300の圧力を監視する。コントローラ15は、容器保持要素300中の所望の真空圧を得るために、真空発生源110の動作を調節することができる。容器50に対するレーザ発生源205の所望の位置、および容器保持要素300中の所望の真空圧が達成されると、コントローラ15は、レーザ発生源205を活性化して開口52を溶接することになる。
【0040】
コントローラ15は、開口52の全体にレーザエネルギーを向けるために、レーザ発生源205の向きを動かす、または変えることができる。たとえば、レーザ発生源205が開口52の全体にわたってレーザエネルギーを放出する間、取付け要素120は、レーザ発生源205を動かすことができる。いくつかの態様では、1つの開口52が密封された後、同じ容器50の別の開口52を密封するために、取付け要素120がレーザ発生源205を動かすことができる。1つの容器50が密封された後、取付け要素120は、連続する容器50に、その開口52を密封するため、レーザ発生源205を動かすことができる。そのため、システム15は、容器50のバッチの開口52を連続的に密封することができる。
【0041】
方法およびシステム10は、容器50の上または容器50の中の、表面の水分があれば蒸発させる、任意選択の予熱ステップまたは予熱ステージを含むことができる。そのような表面の水分は、変色またはさらなる処理との干渉をもたらす可能性がある。乾いた状態では、予熱は、必要ない場合がある。予熱が用いられる場合、未完成の容器50がオーブンの中に置かれ、水分を取り除くのに好適な時間期間、温度が約150℃~約200℃に上げられる。
【0042】
レーザ発生源205は、たとえば、容器50の縁部、外殻、内殻および/または底部外殻上とった、容器50上の任意の場所に、1つまたは複数の開口52を形成することができる。1つまたは複数の開口52としては、スリット、幾何学的形状の開口、および/または無定形形状の開口が挙げられる。1つまたは複数の開口52は、容器50、1つまたは複数の開口52を閉じるのに使用されるレーザ発生源205、容器50の材料、容器50のサイズなどに依存して、長さ、幅、サイズなどが変わる場合がある。1つの態様では、開口52は、容器50の底部外殻上の、長さが約20mmであり約0.1mm~約0.15mmの幅を有する2つのスリットを含む。2つのスリット52は平行な構成で示されるが、2つのスリット52は、互いに他の角度または空間関係であってよい。
【0043】
適切な波長を有する任意のタイプのレーザを、レーザ発生源205に使用することができる。レーザ発生源205はパルスまたは連続式であってよい。レーザ発生源205は、容器50上の2つの開口52を同時に密封するため、2つのレーザ光線を同時に放出することもできる。レーザ発生源205は、容器50上の開口52の一致パターンを密封するため、レーザ光線のアレイを放出することもできる。
【0044】
コントローラ15は、システム10の機能を操作する。コントローラ15は、レーザ発生源205を連続する容器保持要素300に動かすために、コンピュータ数値制御プログラムによってプログラムすることができる。各容器保持要素300の位置が、コントローラ15にプログラムされる。レーザ発生源205は、開口52を溶接するために、位置から位置へと動く。検出器210は、レーザ発生源205が開口52を溶接するのに適した位置にあることを確実にするため、フォトアイ、方位センサ、または他のセンサを含むことができる。コントローラ15は、検出器210からの入力に基づいて、レーザ溶接組立体200の位置決めを調節することができる。コントローラ15は、容器保持要素300の圧力を監視することもできる。コントローラ15は、レーザ発生源205を活性化する前に、容器保持要素300内の圧力レベルが許容できることを確認するようにプログラムすることができる。
【0045】
方法およびシステム10は、たとえば、ステンレススチール、PE、TX2001、または他の金属および金属合金から作られる容器で使用することができる。
【0046】
システム10は、1つまたは複数の容器保持要素300を含むことができる。たとえば、図示されるシステム10は、36個の個別の容器保持要素300を含む。動作期間に、真空発生源110は、容器保持要素300の全部に同時に真空を生じることができる。したがって、レーザ発生源205は、前の容器保持要素300の中の容器50の開口52が溶接して閉じられたらすぐに、次の容器保持要素300に直ちに動くことができる。他の態様では、真空発生源110は、容器保持要素300のいくつかに同時に真空を生じることができる。
【0047】
他の態様では、システム10は、より少ない容器保持要素300、または追加の容器保持要素300を採用することができる。たとえば、システム10は、単一の容器保持要素300、24個の容器保持要素300、または任意の他の数の容器保持要素300を含むことができる。
【0048】
他の態様では、システム10は、定位置に固定されるレーザを含むことができる。容器300は、レーザによって連続的に密封することができる。
【0049】
他の態様では、単一の容器保持要素300が、いくつかの容器50を保持することが可能なより大きい体積を有することができる。レーザ発生源205は、単一の容器保持要素300の周囲を動き、または隣接するよう動いて、その中の容器50を溶接することができる。
【0050】
他の態様では、溶接銃またはレーザは、容器保持要素の真空空間の内側に組み込むことができる。
【0051】
図7~
図10は、処理するために、複数の容器50を保持するための容器保持要素400を示す。容器保持要素400は、
図1~
図6Bのシステム10、または他の好適なシステム上に組み込むことができる。複数の容器50は、完全に、容器保持要素400の内側に置くことができる。
【0052】
容器保持要素400は、ユーザが、複数の容器50に真空を同時に印加することを可能にする。容器50のバッチを容器保持要素400の中に装填することができ、容器保持要素400の内側の圧力を下げ、こうして、容器50のバッチ中の容器50の各々の周囲の周囲圧力を下げることができる。このことによって、複数の容器50の周囲の周囲圧力を単一のステップまたはプロセスで低下させることが可能になる。このことによって、さらなる真空が形成されるのを待つことなく、レーザ発生源205が連続する容器50に動くことができるために、容器50のレーザ溶接ステップ間の待ち時間を減少させることによって効率が高まる。
【0053】
レーザ発生源205または他のレーザを使用して、容器50の中の1つまたは複数の開口を溶接することができる。容器保持要素400は、ユーザが、容器50のバッチの周囲の圧力を下げ、容器50のバッチの周囲の下がった圧力を維持し、容器50のバッチの中の容器50の各々を連続的に溶接することを可能にする。レーザ発生源205または他のレーザは、第1の容器50の中の1つまたは複数の開口が溶接された後、容器保持要素400中の次の容器50に移ることができる。レーザ発生源205または他のレーザは、前の容器50の中の1つまたは複数の開口が溶接された後、連続する容器50に移ることができる。一般的に、複数の容器50中の個別の容器50の溶接の間に、圧力を下げる、および/または容器保持要素400を開く必要はない。
【0054】
容器保持要素400は、基部410およびカバー420を含む。カバー420は、基部410を閉じた全体的に気密な位置に密封する。ある種の態様では、カバー420は窓でもあるが、一方他の態様では、カバー420が不透明であってよく、窓は、容器保持要素400の別の部分に形成される。基部410は、容器50を受け入れる、全体的に開いた内部412を画定する。ラック430または他の好適な搬送デバイスを、複数の容器50で装填して、容器保持要素400の基部410の内部412の中に降ろすことができる。
【0055】
ラック430は、ラック430を基部410の内部412に位置合わせするため、1つまたは複数のポジショナ470を受け入れる1つまたは複数の開口438を含むことができる。ポジショナ470は、ラック430中の1つまたは複数の開口438を通過することができる。ポジショナ470は、容器保持要素400の基部410の底部460から上方に延びることができる。示される態様では、基部410は、4つのポジショナ470を含むが、より少ない、または追加のポジショナ470を採用することができる。ラック430は、容器保持要素400の基部410へのラック430の配置および引き出しを支援するための2つの対向して配設されるハンドル435を含むこともできる。
【0056】
基部410は、4つの側壁440A、440B、440C、および440Dを有するほぼ正方形形状またはほぼ矩形形状を含むことができる。側壁440A~440Dは、底部460から上方に延びて内部412を画定する。基部410は、真空および密封ステップ期間に印加される真空力に耐える固体アルミニウムまたは他の金属合金などの、剛性または耐久性のある材料から作ることができる。基部410の側壁440A~440Dは、ラック430の断面積より少し大きい断面積を形成することができ、その結果、ラック430は、側壁440A~440D内に収まる。示される態様では、側壁440Aが前側を形成し、側壁440Bが右側を形成し、側壁440Cが後側を形成し、側壁440Dが左側を形成する。示される態様では、側壁440Aおよび440Cが、側壁440Bおよび440Dより長い側を形成する。
【0057】
ラック430の上面432は、容器50をラック430上の定位置に保持する、1つまたは複数の位置決めデバイスまたは他の係合部材を含むことができる。たとえば、容器50は、ラック430上の容器50の位置を保持するための、柔軟な支持部またはポジショナに摩擦で嵌合することができる。他の態様では、容器50は、ラック430の上面432に、ねじ留め係合または取外し可能に嵌合することができる。ラック430は、基部410の内部412の中に下げられて、基部410の底部460の上面468上に載る。
【0058】
ラック430は、容器50を行列状またはグリッド状に保持することができる。示される態様では、容器50は、6列4行に、合計24の容器50が配置される。もちろん、他の態様では、より少ないもしくは追加の列および/もしくは行を容器保持要素400に採用することができ、ならびに/または、より少ないもしくは追加の容器50を、容器保持要素400の中で処理することができる。容器保持要素400は、容器保持要素400の処理能力を変えるために、サイズをスケールアップまたはスケールダウンすることもできる。容器保持要素400は、様々な容器サイズもしくは形状に適合することができ、または適合可能であってよい。
【0059】
容器保持要素400の態様の断面図が
図8に示される。図示される態様では、基部410の底部460が、底部460の底面464から、容器保持要素400の内部412の中に上向きに通る真空通路462を含む。ラック430は、真空開口434を含み、空気および/またはガスが、内部412から真空開口434を通り真空通路462を通って通過することを可能にする。そのため、真空通路462を通して真空が引かれ、基部410の内部412の中の気圧を下げる。基部410の底面464は、真空発生源110などの、真空発生源と密封して係合するために、真空ポート480または他の流体接続部もしくは継手を含むことができる。
【0060】
ポジショナ470は、ラック430を、基部410の適切な位置に位置決めするのを支援する。ポジショナ470は、ラック430の真空開口434を真空通路462と位置合わせすることも支援する。ラック430上の容器50の座標または位置は、コントローラ15にプログラムされる。コントローラ15がラック430上の容器50の位置を特定するおよび/もしくは決定するのを支援する、ポジショナ470ならびに/または基部410の内部形状に起因して、ラック430は、基部410の中の同じ位置に嵌入する。
【0061】
コントローラ15がシステム10を操作する。コントローラ15は、レーザ発生源205を連続する容器50に動かすために、コンピュータ数値制御プログラムによってプログラムすることができる。複数の容器50のうちの各容器50の位置が、コントローラ15にプログラムされる。レーザ発生源205は、開口を溶接するために、位置から位置へと動く。検出器210は、レーザ発生源205が開口52を溶接するのに適した位置にあることを確実にするため、フォトアイ、方位センサ、または他のスキャナもしくはセンサを含むことができる。コントローラ15は、検出器210からの入力に基づいて、レーザ溶接組立体200の位置決めを調節することができる。一度容器50の位置が検出器210によって検証/確認されると、コントローラは、レーザ発生源205を活性化することができる。コントローラ15は、容器保持要素400の圧力を監視することもできる。コントローラ15は、レーザ発生源205を活性化する前に、容器保持要素400内の圧力レベルが許容できることを確認するようにプログラムすることができる。
【0062】
コントローラ15は、データを処理するための少なくとも1つのプロセッサ16、およびデータを記憶するためのメモリ17を含む。プロセッサ16は、通信を処理し、通信をビルドし、メモリ17からデータを取り出し、メモリ17にデータを記憶する。プロセッサ16およびメモリ17は、ハードウェアである。メモリ17としては、コンピュータ数値制御命令もしくはプログラムなどの、データおよび/またはコンピュータ可読実行可能命令を記憶するため、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または他のメモリなどの、たとえばコンピュータ可読記憶媒体といった、揮発性および/または不揮発性メモリを挙げることができる。
図14に関して、コントローラ15の例示的なレイアウトが、システム10に関して図示される。例として、コンピュータ数値制御命令が位置データを含み、メモリ17に記憶することができる。加えて、コントローラ15は、レーザ発生源205、レーザ溶接組立体200、真空発生源110、および/または容器保持要素300、ならびに、たとえば、検出器210、真空センサ、位置センサ、ディスプレイ、入力制御装置、駆動モータなどの、システム10の他の構成要素、サブシステム、およびハードウェアに、通信、メッセージ、および/または信号を送受信するために、少なくとも1つの通信インターフェース18をさらに含む。
【0063】
カバー420は、容器保持要素400を閉じるために基部410を覆うようにはまる。カバー420の重さが、側壁440A~440Dの上面444に位置決めされる封止材450を圧縮するのを助ける。封止材450は、上面444の全体の周囲に完全に延在してよい。カバー420はまた、内部412を密封するのをさらに助けるために、フランジ部分422を含む。フランジ部分422は、カバー420から下向きに延びる。フランジ部分422の内部フランジ面424は、側壁440A~440Dの内側面442に対してはまる。フランジ部分422は、カバー420を基部410の上に、適切に位置決めおよび/または位置合わせするのを助ける。内部412が真空に引かれると、カバー420、封止材450、およびフランジ部分422の組合せによって、容器保持要素400の内部412内で真空が形成されるのが可能になる。
【0064】
カバー420は、レーザ発生源205からカバー420を通り容器50へのレーザ光の通過を可能にするポリカーボネート材料または他の材料から形成することができる。カバー420は、レーザからの十分な光エネルギーが内部412の中に通ることを可能にする任意の光学ガラスから作ることができる。図示される態様では、視覚的検出およびレーザ溶接組立体200がさらにカバー420の上に位置決めされるが、視覚的検出およびレーザ溶接組立体200は、レーザ発生源205がレーザ光を容器保持要素400の中に送るのを可能にする任意の構成で位置決めすることができる。レーザ発生源205は、コントローラ15からの指示の下、カバー420の上部にわたって動くことができる。
【0065】
形成プロセスの期間に、一態様では、複数の未完成の容器50は、完全に、容器保持要素400の内側に置かれる。他の態様では、未完成の容器50は、容器保持要素400の中に単に部分的に位置決めされる。
図8に関して、未完成の容器50は、完全に、容器保持要素400によって囲まれる。未完成の容器50の全体が、完全に、容器保持要素400の内側に置かれる。たとえば、容器50は、内殻および外殻を有する、2部品設計を有することができる。形成プロセスの期間に、内殻と外殻の両方を、完全に、容器保持要素400の内側に収容することができる。たとえば、4部品設計は、内殻、内部底部殻、外殻、および外部底部殻を有することができる。形成プロセスの期間に、内殻、内部底部殻、外殻、および外部底部殻の全部を、完全に、容器保持要素400の内側に収容することができる。
【0066】
ある種の態様では、容器保持要素400は、筐体100の真空発生源110が真空通路462を通して真空を引くように、筐体100の上に搭載することができる。同様に、視覚的検出およびレーザ溶接組立体200を、容器保持要素400の上部の上に位置決めすることができる。
【0067】
システム11は、ここで、
図11~
図13を参照して記載されることになる。システム11は、レーザ発生源505から
図7~
図10の容器保持要素400を通してレーザ光線を向けて、容器保持要素400内にある容器50の中の開口52を溶接する。システム11はシステム10と同様に動作し、同じ利点および利益の多くを提供する。
【0068】
システム11は、レーザ発生源505をX方向および/またはY方向に動かすためのコンピュータ数値制御プログラムの下で動作するポジショナ515を支持する垂直支持部510および512を含む。この態様では、レーザ発生源505は、ポジショナ515の下面に位置決めされる。レーザ発生源505は、ポジショナ515と一体化することができる。ポジショナ515は、ポジショナ515を容器保持要素400の上に保つ中心支持部520と移動可能に係合される。この態様では、中心支持部520は、側壁440A、および440Cとほぼ平行に位置決めされ、ポジショナ515が、X方向に中心支持部520の長さに沿って動く。
【0069】
中心支持部520の端部522および524は、水平支持部530および540に移動可能に係合される。垂直支持部510および512が水平支持部530および540を支持する。この態様では、水平支持部530および540は、側壁440Bおよび440Dにほぼ平行に位置決めされ、中心支持部520は、水平支持部530および540の長さに沿ってY方向に移動する。
【0070】
示される実施形態では、ポジショナ515は、中心支持部520を介してX軸に沿って運動し、一方、中心支持部520は、中心支持部520と水平支持部530および540との間を可動係合部を介してY軸に沿って動く。ポジショナ515は、中心支持部520に対して動き、中心支持部520は、水平支持部530および540に対して動く。もちろん、他の実施形態では、運動の配置を反対にすること、または変えることができる。また、本実施形態では、ポジショナ515の高さはほぼ固定される。もちろん、他の実施形態では、ポジショナ515の高さは調節可能であり、またはコンピュータ数値制御プログラムの下にあってよい。たとえば、垂直支持部510および512は、ポジショナ515の高さを調節するために、延び縮みしてよい。
【0071】
垂直支持部510および512は、容器保持要素400の側壁440Bおよび440Dの外面に取り付け、または係合して、システム11に対する支持および安定性をもたらすことができる。他の態様では、容器保持要素400は、垂直支持部510と512の間に取外し可能に置くことができる。他の態様では、垂直支持部510および512は、容器保持要素400に隣接するよう位置決めされる。
【0072】
ポンプなどの真空発生源570が、システム11の中を真空に引く。真空発生源570は、真空管路575を介して真空固定具400の真空ポート480に係合される。そのため、基部410の内部412の中の空気圧を下げるために、真空管路575を通り真空通路462を通して、真空発生源570によって真空に引かれる。
【0073】
システム11は、
図1~
図6Bのコントローラ15、またはシステム11の少なくともある種の要素を操作するための他の好適なプログラム可能論理コントローラを含むことができる。たとえば、コントローラ15は、オンにすること、オフにすること、中心支持部520に対してポジショナ515を動かすこと、水平支持部530および540に対して中心支持部520を動かすこと、レーザ発生源505、真空発生源570、またはシステム11の他の構成要素の一部もしくは全部を校正することもしくは指示することを行わせることができる。
【0074】
図15に関して、コントローラ15の例示的なレイアウトが、システム11に関して図示される。コントローラ15は、データを処理するための少なくとも1つのプロセッサ16、およびデータを記憶するためのメモリ17を含む。プロセッサ16は、通信を処理し、通信をビルドし、メモリ17からデータを取り出し、メモリ17にデータを記憶する。コントローラ15は、レーザ発生源505、中心支持部520、ポジショナ505、真空発生源570、および容器保持要素400、ならびに、たとえば、検出器、真空センサ、位置センサ、ディスプレイ、入力制御装置、駆動モータなどの、システム11の他の構成要素、サブシステム、およびハードウェアに、通信、メッセージ、および/または信号を送受信するために、少なくとも1つの通信インターフェース18をさらに含む。
【0075】
図1~
図13に図示される態様では、未完成の容器50は、完全に、容器保持要素300の内側に置かれる、または完全に、容器保持要素400の内側に置かれる。本明細書に記載されるシステム10および11および方法は、未完成の容器50を単に部分的に囲む容器保持要素で使用することもできる。たとえば、ある種の容器保持要素は、未完成の容器50の部分を密封する、または部分と係合することになる。たとえば、ある種の容器保持要素は、開口52を有する未完成の容器の部分を覆って密封し、または部分を囲み、次いで、内殻と外殻の間の空間内に真空を形成するための真空に引く一方で、同じ未完成の容器の他の部分は、容器保持要素によって囲まれない。
【0076】
そのため、本開示が本明細書に記載される特定の態様に限定されず、以下の特許請求の範囲によって規定されるようなこの新しい概念の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができると理解されたい。さらに、出願者の開示の多くの他の利点は、上の記載および下の特許請求の範囲から当業者には明らかとなろう。
【符号の説明】
【0077】
10 システム
11 システム
15 コントローラ
16 プロセッサ
17 メモリ
18 通信インターフェース
50 容器
52 開口、スリット
54 底部
56 側部
100 筐体
102 上面
103 扉
104 内部
106 開口
110 真空発生源
120 取付け要素
130 水平トラック
140 垂直トラック
150 フレーム
200 視覚的検出およびレーザ溶接組立体
205 レーザ発生源
210 検出器
300 容器保持要素
310 内部
320 下部
322 導管開口
325 ポジショナ
327 延長部
328 側壁
330 上部
335 上端
350 窓
380 導管
390 ベローズ
400 容器保持要素、真空固定具
410 基部
412 内部
420 カバー
422 フランジ部分
424 内部フランジ面
430 ラック
432 上面
434 真空開口
435 ハンドル
438 開口
440A 側壁
440B 側壁
440C 側壁
440D 側壁
442 内側面
444 上面
450 封止材
460 底部
462 真空通路
464 底面
468 上面
470 ポジショナ
480 真空ポート
505 レーザ発生源
510 垂直支持部
512 垂直支持部
515 ポジショナ
520 中心支持部
522 端部
524 端部
530 水平支持部
540 水平支持部
570 真空発生源
575 真空管路