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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】呼吸可能ガスおよび水ホース装置
(51)【国際特許分類】
   A62B 7/12 20060101AFI20230712BHJP
   A62C 33/00 20060101ALI20230712BHJP
   F16L 11/22 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
A62B7/12
A62C33/00 A
F16L11/22
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020564034
(86)(22)【出願日】2019-02-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019016501
(87)【国際公開番号】W WO2019156928
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】62/626,760
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520292361
【氏名又は名称】1005,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】1005,LLC
【住所又は居所原語表記】370 E.Maple Rd.,Third Floor,Birmingham,Michigan 48009,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】パット ジェイ.リーディ
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0005880(US,A1)
【文献】特表2006-520666(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0183300(US,A1)
【文献】特開平03-041973(JP,A)
【文献】実開昭62-190188(JP,U)
【文献】特開2014-180381(JP,A)
【文献】登録実用新案第3135775(JP,U)
【文献】特開2003-190314(JP,A)
【文献】登録実用新案第3175193(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 7/12
A62C 33/00
F16L 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホース装置(101)、給気源(102)、および給水源(17)を備える呼吸可能ガス及び水供給システムであって、
前記ホース装置(101)は、
)入口端(11)
)出口端(12)
)前記入口端(11)に取り付けられた、第1の通路(23)と第2の通路(22)とを有する第1のホース端コネクタ(4)であって、前記第1の通路(23)は前記第2の通路(22)より大きな直径を有し、前記第1の通路(23)は前記第2の通路(22)から分離されている、第1のホース端コネクタ(4)
)前記出口端(12)に取り付けられた、第3の通路(25)と第4の通路(24)とを有する第2のホース端コネクタ(5)であって、前記第3の通路(25)は前記第4の通路(24)より大きな直径を有し、前記第3の通路(25)は前記第4の通路(24)から分離されている、第2のホース端コネクタ(5)
)前記入口端で前記第1の通路(23)に、前記出口端で前記第3の通路(25)に、水密接続で接続された、前記第1の通路(23)と前記第3の通路(25)との間の可撓性水ホース(1)
)前記第2の通路(22)と前記第4の通路(24)とに気密接続で接続された、前記第2の通路(22)と前記第4の通路(24)との間の可撓性ガスホース(3)であって、前記可撓性水ホース(1)に隣接するが前記可撓性水ホース(1)の外側にあり、前記可撓性水ホース(1)から分離されている、可撓性ガスホース(3)
)前記可撓性水ホース(1)および前記可撓性ガスホース(3)の両方をまとめて取り囲む耐候材製アウタジャケット(2)と、
を備え
使用者が背負った空気タンク(42)は、前記ホース装置(101)と併用され、前記ホース装置(101)は、給気源(102)から少なくとも110psiの圧力でガスを提供し、前記空気タンク(42)は、圧力調節器(50)と、前記ホース装置(101)からの空気圧が110psi未満になると開く弁(51)とを含む、呼吸可能ガス及び水供給システム
【請求項2】
前記ホース装置(101)は、
)前記第1の通路(23)と前記可撓性水ホース(1)と前記第3の通路(25)とを介して水源(17)を接続するための、前記第1のホース端コネクタ(4)上の第1の接続部(13)
呼吸可能ガス源(18)であって、移動式空気供給カートに取り付けられた圧縮空気シリンダーを備える、呼吸可能ガス源(18)と、前記第2の通路(22)と前記可撓性ガスホース(3)と前記第4の通路(24)とを介して呼吸可能ガス源(18)を接続するための、前記第1のホース端コネクタ(4)上の第2の接続部(14)
)前記呼吸可能ガスホース(3)を使用者の呼吸装置(152)の一部としての圧力調節器(19)に接続するための、前記第2のホース端コネクタ(5)上の第3の接続部(15)
)前記第3の通路(25)に接続された水排出用ノズルアダプタ(8)を接続する前記第2のホース端コネクタ(5)上の第4の接続部(16)と、
を更に備える、請求項1に記載のシステム
【請求項3】
前記第2の接続部(14)は、前記呼吸可能ガス源(18)から切り離されているときは前記入口端(11)を封止するための、および前記呼吸可能ガス源(18)に接続されているときは呼吸可能ガスを提供するための、弁を有する、請求項2に記載のシステム
【請求項4】
前記ガスホース(3)は、前記呼吸可能ガスの少なくとも200psiの内圧に耐えることができる、請求項2に記載のシステム
【請求項5】
消火を可能にする長さを有し、少なくとも1本の標準的な水ホースへの接続部を有する、請求項1に記載のシステム
【請求項6】
前記ホースは、形状記憶を有さない材料で構成される、請求項1に記載のシステム
【請求項7】
前記呼吸可能ガス源(18)は、移動式空気供給カートに格納された圧縮空気シリンダーからなり、
前記移動式空気供給カートは、
a)フレーム組立ベースと、
b)上端に取り付けられたハンドルと、
c)前記ベースに取り付けられた一対の車輪と、
d)前記空気タンクからの空気を、前記第2の接続部(14)で第1のホース端コネクタ(4)によって前記ホース装置(101)に接続された1つの複合空気供給パイプに導く配管システムと、
を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、前記呼吸可能ガスおよび前記ホース装置とSCBAシステムとの間の切り換えを前記使用者が手動で行う必要がないように、標準的なSCBAシステムをオーバライドする能力を有する、請求項1~7の何れか一項に記載のシステム。
【請求項9】
水を火に送達し、呼吸可能ガスを消防士に送達することを含む消火方法であって
)入口端(11)と出口端(12)とを有するホース装置(101)を設けるステップであって、前記ホース装置(101)は、
前記入口端(11)に取り付けられた、第1の通路(23)と第2の通路(22)とを有する第1のホース端コネクタ(4)であって、前記第1の通路(23)は前記第2の通路(22)より大きな直径を有し、前記第1の通路(23)は前記第2の通路(22)から分離されている、第1のホース端コネクタ(4)と、
ii前記出口端(12)に取り付けられた、第3の通路(25)と第4の通路(24)とを有する第2のホース端コネクタ(5)であって、前記第3の通路(25)は前記第4の通路(24)より大きな直径を有し、前記第3の通路(25)は前記第4の通路(24)から分離されている、第2のホース端コネクタ(5)と、
iii前記第1の通路(23)に前記入口端(11)で、および前記第3の通路(25)に前記出口端(12)で、水密接続で接続された、前記第1の通路(23)と前記第3の通路(25)との間の可撓性水ホース(1)と、
iv前記第2の通路(22)および前記第4の通路(24)に気密接続で接続された、前記第2の通路(22)と前記第4の通路(24)との間の可撓性ガスホース(3)であって、前記可撓性水ホース(1)に隣接するが前記可撓性水ホース(1)の外側にあり、前記可撓性水ホース(1)から分離されている、可撓性ガスホース(3)と、
前記可撓性水ホース(1)および前記可撓性ガスホース(3)の両方を取り囲む耐候材製アウタジャケット(2)と、
vi前記第1の通路(23)と前記可撓性水ホース(1)と前記第3の通路(25)とを介して水源(17)を接続するための前記第1のホース端コネクタ(4)上の第1の接続部(13)と、
vii前記第2の通路(22)と前記可撓性ガスホース(3)と前記第4の通路(24)とを介して呼吸可能ガス源(18)を接続するための前記第1のホース端コネクタ(4)上の第2の接続部(14)であって、前記呼吸可能ガス源(18)から切り離されているときは前記入口端(11)を封止するための、および前記呼吸可能ガス源(18)に接続されているときは呼吸可能ガスを提供するための、弁を有し、前記呼吸可能ガス源(18)は移動式空気供給カートに取り付けられた圧縮空気シリンダーを更に備える、第2の接続部(14)と、
viii使用者の呼吸装置の一部としての圧力調節器(50)に前記呼吸可能ガス源(18)を接続するための前記第2のホース端コネクタ(5)上の第3の接続部(15)であって、前記ガスホース(3)は、前記水ホース(1)内の水の外圧につぶれずに耐えることができ、および前記呼吸可能ガスの少なくとも200psiの内圧に耐えることができる、第3の接続部(15)と、
ix前記第3の通路(25)に接続された水排出用ノズル(40)を接続する前記第2のホース端コネクタ(5)上の第4の接続部(16)と、
を更に備える、ステップと、
b)1つ以上の空気タンク(42)を設けるステップと、
c)水を使用者(150)に送達し、空気を少なくとも110psiの圧力で前記圧縮空気シリンダーから前記使用者に送達するステップであって、前記ホース装置(101)からの空気の圧力が110psiを下回った場合、空気は前記空気タンク(42)から前記使用者に送達される、ステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記第1のホース端コネクタ(4)上の前記第2の接続部(14)を移動式空気供給カート上の複合空気供給パイプに接続するステップであって、
前記移動式空気供給カートは、
a)2つ以上の空気シリンダーと、
b)フレーム組立ベースと、
c)上端に取り付けられたハンドルと、
d)前記ベースに取り付けられた一対の車輪と、
e)前記シリンダーの各々からの空気を1つの複合空気供給パイプに導く配管システムと、
を更に備える、ステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記呼吸可能ガスの圧力は75~5000psiの間である、請求項9または10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を排出しているときに給気を必要としている個人、例えば火災における消防士、に呼吸可能ガスと水とを供給するためのシステムに使用される呼吸可能ガスおよび水ホース装置と、この呼吸可能ガスおよび水ホース装置の使用方法とに関する。特に、本発明は、水ホースおよび呼吸可能ガスホースの両方を含むホース装置であって、不断の空気源を使用者に提供するために、呼吸可能ガスホースは使用者の呼吸装置に接続される、ホース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
消防士が消火中にこのような危険に直面する主な理由の1つは、空気が欠乏するからである。一般に、空気は、消防士が背負っているタンクから消防士に供給される。これらタンクの給気量は限られており、空気の欠乏なしに消防士が長時間消火活動を行うことを制限する。炎上している構造物内に閉じ込められた、または迷った、消防士は、通常、彼らの空気が尽きたときに死亡する。
【0003】
特許文献1は、水ホースと空気ホースとを組み合わせることによってこの問題を解決しようとしており、1本の水ホース内に配置された2本の空気ホースを開示している。この特許は、更に、消防士のマスクへの給気源の容易な接続および切り離しを可能にするシステムを開示している。このシステムは、消防士が使用する、マスクと調節器とを含む標準的な自給式呼吸器(SCBA)と併用可能である。ただし、このシステムは、このホースを一般に使用されている空気タンクと併用するための機構を開示していない。使用者がホースからタンクに切り換える必要がある場合、彼または彼女は、ホースの切り離しとSCBAシステムの再接続とを手動で行わなければならないであろう。
【0004】
待望されているのは、遠くの給気源から使用者に呼吸可能ガスを供給するための呼吸可能ガスホースを水ホースと共に有し、水ホース内の水の流れを妨げずに使用者への高圧空気の送達を可能にし、空気の流れが水の流れによって左右されない、システムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6,520,178号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水と空気とを使用者に常時送達するためのホース装置の使用を可能にするシステムを提供する。本システムは、使用者が本発明を使用している間は、使用者が従来のタンクから供給される限られた量の呼吸可能ガスに頼る必要をなくす。本システムは、使用者が背負う空気タンクの小型化も可能にし得る。これは、使用者が背負う重量の低減に等しい。本発明は、呼吸可能ガスおよび水の両方がホース装置を通って同時に送達されるように、水ホースのジャケットの内側に呼吸可能ガスホースを使用することを含む。呼吸可能ガスホース装置は、システムの水ホース全体の単一区間のみを含む。これにより保証されるのは、呼吸可能ガスホースのどの部分も水ホースの外側に延在せず、起こり得る損傷にさらされないことである。呼吸可能ガスホースは水ホースに通されず、水ホースを取り囲んでいるアウタジャケットの内側で完全に保護される。本システムは一次給気システムとして使用可能であり、使用者が背負っている空気タンクの使用を緊急用に限定できる。本システムは、消防士が背負っているタンクから供給されるのと同様の高圧呼吸可能ガスを供給する。本システムは、使用者の呼吸装置への給気源の容易な接続および切り離しを可能にし、消防士が一般に使用している、マスクと調節器とを含む、標準的な自給式呼吸器(SCBA)との併用が可能である。
【0007】
また、本システムは、呼吸可能ガスおよび水ホース装置とSCBAシステムとの間の切り換えを使用者が手動で行う必要がないように、標準的なSCBAシステムをオーバライドする能力を有する。本システムと併用される一般的なSCBAタンクは、2つの調節器を有する。これら調節器の一方は、100~110psiで空気を排出する。別のより高圧の空気源が存在する場合、この調節器に接続された弁は、この高圧空気を一次源にすることができる。この場合、本システムは、110psiより高圧で空気を排出するように構成される。本システムが故障するか、空気が尽きた場合は、SCBAタンクからの空気を一次空気源として排出させるために、この弁は自動的に開く。
【0008】
本発明は、入口端と、出口端と、第1の通路と第2の通路とを有する、入口端に取り付けられた第1のホース端コネクタと、第3の通路と第4の通路とを有する、出口端に取り付けられた第2のホース端コネクタと、入口端で第1の通路に、出口端で第3の通路に、水密接続で接続された、第1の通路と第3の通路との間の可撓性水ホースと、第2の通路と第4の通路との間に気密接続で接続された、第2の通路と第4の通路との間の可撓性ガスホースであって、可撓性水ホースに隣接するが可撓性水ホースの外側にある可撓性ガスホースと、可撓性水ホースおよび可撓性ガスホースの両方を取り囲む耐候材製アウタジャケットと、を有するホース装置に関する。
【0009】
更に、本発明が開示するホース装置は、第1の通路と可撓性水ホースと第3の通路とを介して水源を接続するための、第1のホース端コネクタ上の第1の接続部と、第2の通路と可撓性ガスホースと第4の通路とを介して呼吸可能ガス源を接続するための、第1のホース端コネクタ上の第2の接続部であって、呼吸可能ガス源から切り離されているときは入口端を封止するための、および呼吸可能ガス源に接続されているときは呼吸可能ガスを提供するための、弁を有する第2の接続部と、使用者の呼吸装置の一部としての圧力調節器に呼吸可能ガスを接続するための、第2のホース端コネクタ上の第3の接続部と、第3の通路に接続された水排出用ノズルを接続する、第2のホース端コネクタ上の第4の接続部と、を更に備える。
【0010】
更に、本発明は、水と空気とを使用者に常時送達するためのホース装置の使用を可能にするシステムに関する。本システムは、ホースを備える。このホースは、入口端と、出口端と、第1の通路と第2の通路とを有する、入口端に取り付けられた第1のホース端コネクタと、第3の通路と第4の通路とを有する、出口端に取り付けられた第2のホース端コネクタと、入口端で第1の通路に、出口端で第3の通路に、水密接続で接続された、第1の通路と第3の通路との間の可撓性水ホースと、第2の通路と第4の通路とに気密接続で接続された、第2の通路と第4の通路との間の可撓性ガスホースであって、可撓性水ホースに隣接するが可撓性水ホースの外側にある、可撓性ガスホースと、可撓性水ホースおよび可撓性ガスホースの両方を取り囲む耐候材製アウタジャケットと、第1の通路と可撓性水ホースと第3の通路とを介して水源を接続するための第1のホース端コネクタ上の第1の接続部と、第2の通路と可撓性ガスホースと第4の通路とを介して呼吸可能ガス源を接続するための、第1のホース端コネクタ上の第2の接続部であって、呼吸可能ガス源から切り離されているときは入口端を封止するための、および呼吸可能ガス源に接続されているときは呼吸可能ガスを提供するための、弁を有する第2の接続部と、使用者の呼吸装置の一部としての圧力調節器に呼吸可能ガスを接続するための第2のホース端コネクタ上の第3の接続部と、第3の通路に接続された水排出用ノズルを接続する第2のホース端コネクタ上の第4の接続部とを有する。
【0011】
本発明は、更に、ホース装置が少なくとも110psiの圧力でガスを提供するように、使用者が背負った空気タンクとホース装置との併用を含むシステムに関する。これら空気タンクは、圧力調節器と、装置からの空気圧が110psi未満になると開く弁とを含む。
【0012】
更に、本発明は、消火方法、または別様に水源を一点に供給する方法、に関する。本方法は、ホース装置を設けるステップであって、ホース装置は、入口端と、出口端と、第1の通路と第2の通路とを有する、入口端に取り付けられた第1のホース端コネクタと、第3の通路と第4の通路とを有する、出口端に取り付けられた第2のホース端コネクタと、入口端で第1の通路に、出口端で第3の通路に、水密接続で接続された、第1の通路と第3の通路との間の可撓性水ホースと、第2の通路と第4の通路とに気密接続で接続された、第2の通路と第4の通路との間の可撓性ガスホースであって、可撓性水ホースに隣接するが可撓性水ホースの外側にある可撓性ガスホースと、可撓性水ホースおよび可撓性ガスホースの両方を取り囲む耐候材製アウタジャケットと、第1の通路と可撓性水ホースと第3の通路とを介して水源を接続するための、第1のホース端コネクタ上の第1の接続部と、第2の通路と可撓性ガスホースと第4の通路とを介して呼吸可能ガス源を接続するための、第1のホース端コネクタ上の第2の接続部であって、呼吸可能ガス源から切り離されているときは入口端を封止するための、および呼吸可能ガス源に接続されているときは呼吸可能ガスを供給するための、弁を有する第2の接続部と、使用者の呼吸装置の一部としての圧力調節器に呼吸可能ガスを接続するための、第2のホース端コネクタ上の第3の接続部と、第3の通路に接続された水排出用ノズルを接続する第2のホース端コネクタ上の第4の接続部とを有する、ステップと、ホース装置の入口端を水源および呼吸可能ガス源に接続するステップと、可撓性ガスホースを使用して本装置を呼吸装置上の圧力調節器に接続し、使用者が消火している、または別様に水源を一点に供給している、時間の少なくとも一部において、可撓性ガスホースを使用して、ホース装置から呼吸装置上の圧力調節器を介して呼吸可能ガスを使用者に提供するステップと、を含む。
【0013】
本発明の要旨および利点は、以下の図面および説明を参照することによって、一層明らかになるであろう。
【0014】
以下の詳細な説明を参照し、添付の図面に関連付けて考察されて本開示をより深く理解されるに伴い、本開示のシステムおよび方法の他の利点を容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】消防車116、呼吸可能ガスおよび水ホース装置101、および使用者150を示すシステム100の斜視図である。
図2】アウタジャケット2の内側の水ホース1および呼吸可能ガスホース3を示す、呼吸可能ガスおよび水ホース装置101の断面図である。
図3A】ノズルアダプタ8の上面図を示す。
図3B】ノズルアダプタ8の平面図を示す。
図3C】ノズルアダプタ8の側面図および部分断面図を示す。
図4A】入口側ホース端コネクタ4の上面図を示す。
図4B】入口側ホース端コネクタ4の平面図を示す。
図4C】入口側ホース端コネクタ4の側面図および部分断面図を示す。
図5A】出口側ホース端コネクタ5の上面図である。
図5B】出口側ホース端コネクタ5の平面図を示す。
図5C】出口側ホース端コネクタ5の側面図および部分断面図を示す。
図5D】出口側ホース端コネクタ5の図5AのA-A断面を示す。
図6】呼吸可能ガスおよび水ホース装置101の分解図を示す。
図7】呼吸可能ガスおよび水ホース装置101を操作している使用者150の図を示す。
図8】呼吸可能ガスおよび水ホース装置101を操作している使用者150のワイヤフレーム図を示す。
図9】呼吸可能ガスおよび水ホース装置101と併用可能な空気タンク42の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
これらの図を参照すると、いくつかの図にわたって同様の数字が対応する部品を示している。
【0017】
図1は、空気または他の呼吸可能ガスを使用者150に提供するために給気システム100において使用中の本発明の呼吸可能ガスおよび水ホース装置101を示す。給気システム100は、一端で給気源102に接続され、他端で自給式呼吸器(SCBA)152に接続される呼吸可能ガスおよび水ホース装置101を含む。
【0018】
図2は、入口側ホース端コネクタ4および出口側ホース端コネクタ5に取り付けられた入口端11および出口端12を有する呼吸可能ガスおよび水ホース装置101を示す。入口側ホース端コネクタ4は、第1の通路23と第2の通路22とを有する。図5A~5Dは、第3の通路25と第4の通路24とを有する出口側ホース端コネクタ5を示す。可撓性水ホース1が第1の通路23および第3の通路25に水密接続で接続される。水ホース1は、標準的な消火用水ホースと同様であることが好ましく、耐久性および可撓性を有する材料のいくつかの層で構成されることが好ましい。可撓性ガスホース3が第2の通路22および第4の通路24に気密接続で接続される。可撓性ガスホース3は、可撓性水ホース1に隣接するが可撓性水ホース1の外側にある。アウタジャケット2が可撓性水ホース1および可撓性ガスホース3の両方を取り囲む。可撓性ガスホース3は、水ホース1を通る水流によって引き起こされる外側の高い流体圧力とガスホース3内を通過する空気によって引き起こされる内側の高い流体圧力とに耐えられる何れか周知の材料で構成され得る。一実施形態において、ガスホース3は人間用に認可された補強ゴム管で構成される。最大5000psiの呼吸可能ガスを通すことができるガスホース3の能力は、使用者の空気タンクを充填する手段としてのガスホース3の使用を可能にする。また、ガスホース3は、形状記憶を有さない材料で構成されることが好ましい。ガスホース3は保管のために繰り返し折り曲げられるので、ガスホース3の損傷を防止するために、ガスホース3は、180°曲げても依然としてその元の形状に勢いよく戻ることができる、十分な柔軟性を有する必要がある。ガスホース3は、更に、スキューバダイビング用に認可および使用される空気ホースなど、空気を汚染しない材料で構成される必要がある。
【0019】
図8は、第1の通路23と可撓性水ホース1と第3の通路25とを介して水源17を接続するための入口側ホース端コネクタ4上の第1の接続部13を示す。第1のホース端コネクタ4上の第2の接続部14は、第2の通路22と可撓性ガスホース3と第4の通路24とを介して、呼吸可能ガス源18を接続する。第2のホース端コネクタ5上の第3の接続部15は、呼吸可能ガスホース3を使用者の呼吸装置152の一部としての圧力調節器19に接続する。第2のホース端コネクタ上の第4の接続部16は、第3の通路に接続された水排出用ノズルアダプタ8を接続する。
【0020】
図4に示されているように、入口側ホース端コネクタの第1の通路23は、第2の通路22より大きい。第1の通路23は、水源を可撓性水ホース1に接続する。第1の通路23の上方に位置する、第1の通路23から分離した第2の通路22は、呼吸可能ガス源を可撓性ガスホース3に接続する。
【0021】
第3の通路25は、第4の通路24より大きい。第3の通路25は、可撓性水ホース1をノズルアダプタ8に密嵌固定式に接続する。第3の通路25の上方に位置する、第3の通路25から分離した第4の通路24は、可撓性ガスホース3を呼吸装置の一部としての圧力調節器105に同じく密嵌固定式に接続する。
【0022】
ノズルアダプタ8は、出口側ホース端コネクタ5に取り付けられる。入口側ホース端コネクタ4は水源に接続可能である、または標準的な消火用、または他の目的のための、水ホースに接続可能である。
【0023】
図7は、使用者150用の呼吸装置152を示す。呼吸装置152は、好ましくは、第1の呼吸ホース44と、調節器(図示せず)と、呼吸マスク41と、使用者が背負う少なくとも1つの空気タンク42とを含む。好適な実施形態において、呼吸ホース44は、空気タンク42と調節器との間に延在し、タンク42からの空気を使用者150に提供する。一実施形態において、調節器は呼吸装置152に直接取り付けられる。調節器は、高圧の圧縮ガスを給気源として使用可能にする。
【0024】
呼吸可能ガスおよび水ホース装置101は、消火中の、または別様に水源を一点に送達している、使用者150のための一次呼吸システムまたは呼吸可能ガス源において使用され得る。呼吸可能ガスおよび水装置101は、使用者150が使用する水ホース1の最終区間として使用される。呼吸可能ガスおよび水ホース装置101の使用を水ホース1の単一区間に限定することによって、いくつかの空気および水ホース装置101からの呼吸可能ガスホース44を一緒に接続する必要がなくなる。これにより、ガス漏れの危険性が減り、ガス漏れを引き起こし得るガスホース3の損傷の可能性も減る。高圧の圧縮ガスシステムにおけるガス漏れは、漏れたガスが炎を煽ることもあり得るので、場合によっては危険であり得る。最終ホースが呼吸可能ガスおよび水ホース装置101であれば、必要な長さまで任意の数の標準的な水ホースを使用できる。好適な実施形態において、呼吸可能ガスおよび水ホース装置101の長さは、50フィートと150フィート(127cmと254cm)の間である。ただし、呼吸可能ガスおよび水ホース装置101を任意の長さにできることを理解されたい。
【0025】
呼吸可能ガスおよび水ホース装置101を給気システム100において使用するために、ガスおよび水装置101の第1の通路23は、標準的な水ホース103の最終区間の出口側アダプタに取り付けられる。標準的な水ホース103の入口端は、水源に接続される。あるいは、呼吸可能ガスおよび水ホース装置のみが使用される場合、呼吸可能ガスおよび水ホース装置101の入口側ホース端コネクタ4の第1の通路23は、水源に直接接続される。
【0026】
給気システム100は、呼吸可能ガスおよび水ホース装置101の入口側ホース端コネクタ4に隣接して位置付けられることが好ましい。この場合、給気用の給気管は、入口側ホース端コネクタ4上のプラグに接続される。好適な実施形態において、給気源102は、調節器105を使用して、または使用せずに、少なくとも200psiの圧力で呼吸可能ガスを提供する。ただし、入口側ホース端コネクタ4において第2の通路22に入る呼吸可能ガスの圧力は、呼吸可能ガスおよび水ホース装置101の他端で十分な呼吸可能ガスを使用者150に提供するために十分に高い必要があることを理解されたい。必要とされる圧力の高さは、呼吸可能ガスおよび水ホース装置101の長さ、および呼吸可能ガスホース3の内径、および呼吸可能ガスおよび水ホース装置101を使用する人数に応じて決まることになる。
【0027】
ホース装置101が少なくとも110psiの圧力でガスを提供するように、使用者150が背負う空気タンク42はホース装置101と併用され得る。これら空気タンク42は、圧力調節器50と、装置101からの空気圧が110psi未満になると開く弁51とを含む。
【0028】
呼吸可能ガスおよび水ホース装置101の呼吸可能ガスホース3を通して他の呼吸可能ガスも提供できることを理解されたい。呼吸可能ガスおよび水ホース装置101の水ホース1を通して他の流体も提供できることも理解されたい。他の流体として、他の消火用流体または難燃性材料、あるいは消火とは無関係の用途に使用される他の流体が挙げられるが、これだけに限定されるものではない。
【0029】
残っているプラグがあれば、二次ホースおよび呼吸装置(図示せず)を接続することもできる。この場合、二次ホースおよび呼吸装置は、火災に閉じ込められた民間人に呼吸可能ガスを提供するために使用され得る。
【0030】
図7を参照すると、使用者150が呼吸可能ガスおよび水ホース装置101に接続されてノズル40を保持すると、給水がオンになる。水ホース1を流れる水の圧力は、約1000psiと2850psiの間であることが好ましい。この水圧は、標準的な水ホースで使用される水圧と同様であることが好ましい。給気源102が利用可能である限りは使用者150が呼吸可能ガスおよび水ホース装置101からの空気または他の呼吸可能ガスを吸い込むように、システム100が構成されることが好ましい。したがって、一次給気源102が停止した場合にのみ、使用者150は彼が背負っている彼の呼吸装置152のタンク42内の呼吸可能ガスを使用することになる。
【0031】
上記説明は本発明の単なる例示であり、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
【0032】
明らかに、上記教示に鑑みて本発明の多くの変更および変形が可能であり、添付の特許請求の範囲内であれば、具体的に記載されている以外でも実施され得る。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9