(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230712BHJP
【FI】
G06Q30/0601 340
(21)【出願番号】P 2021009102
(22)【出願日】2021-01-22
【審査請求日】2021-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】522470080
【氏名又は名称】株式会社NTTコノキュー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊允
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 美佐
(72)【発明者】
【氏名】河原 幸代
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-192026(JP,A)
【文献】特開2008-107895(JP,A)
【文献】特開2002-197040(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0005439(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用するユーザ端末と、ネットワークにより接続され、前記ユーザ端末との間で通信を行う処理装置であって、
前記処理装置が構築する仮想店舗及び仮想空間の入場者として登録されている前記ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を仮想空間に構築し、前記仮想店舗及び前記仮想空間全体を、前記ユーザが使用するユーザ端末の画面に表示させる構築部と、
関係性を有する複数のユーザからの前記仮想店舗への入店を受け付けると、前記複数のユーザ間で、チャットのコメントを記載及び閲覧できるチャットボックスを、前記複数のユーザが使用する各ユーザ端末に表示させる提供部と、
前記チャットのコメントを基に、前記仮想空間の機能を前記複数のユーザ間で共有させるよう制御する共有部と、
を有し、
前記共有部は、前記チャットのコメントの内容に、前記コメントを記載したユーザに前記仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があるか否かを推定し、前記コメントを記載したユーザに前記仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があると推定した場合に、前記仮想空間の機能を前記複数のユーザ間で共有させるよう制御することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記共有部は、前記仮想空間において、前記複数のユーザのいずれか一人の位置に他のユーザを移動させ、前記複数のユーザ間で位置を共有させることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記共有部は、前記仮想空間において、前記複数のユーザのいずれか一人が閲覧している商品に関する情報を、前記複数のユーザ間で共有させることを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記共有部は、前記コメントを記載したユーザに前記仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があると推定した場合に、共有の可否を問い合わせるコメントを前記チャット
ボックスに示し、共有の許可を受けた場合に、前記仮想空間の機能を前記複数のユーザ間で共有させるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
ユーザが使用するユーザ端末と、ネットワークにより接続され、前記ユーザ端末との間で通信を行う処理装置が実行する処理方法であって、
前記処理装置が構築する仮想店舗及び仮想空間の入場者として登録されている前記ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を仮想空間に構築し、前記仮想店舗及び前記仮想空間全体を、前記ユーザが使用するユーザ端末の画面に表示させる工程と、
関係性を有する複数のユーザからの前記仮想店舗への入店を受け付けると、前記複数のユーザ間で、チャットのコメントを記載及び閲覧できるチャットボックスを、前記複数のユーザが使用する各ユーザ端末に表示させる工程と、
前記チャットのコメントを基に、前記仮想空間の機能を前記複数のユーザ間で共有させるよう制御する工程と、
を含み、
前記制御する工程は、前記チャットのコメントの内容に、前記コメントを記載したユーザに前記仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があるか否かを推定し、前記コメントを記載したユーザに前記仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があると推定した場合に、前記仮想空間の機能を前記複数のユーザ間で共有させるよう制御することを特徴とする処理方法。
【請求項6】
ユーザが使用するユーザ端末と、ネットワークにより接続され、前記ユーザ端末との間で通信を行うコンピュータが構築する仮想店舗及び仮想空間の入場者として登録されている前記ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を仮想空間に構築し、前記仮想店舗及び前記仮想空間全体を、前記ユーザが使用するユーザ端末の画面に表示させるステップと、
関係性を有する複数のユーザからの前記仮想店舗への入店を受け付けると、前記複数のユーザ間で
、チャットのコメントを記載及び閲覧できるチャット
ボックスを
、前記複数のユーザが使用する各ユーザ端末に
表示させるステップと、
前記チャットのコメントを基に、前記仮想空間の機能を前記複数のユーザ間で共有させるよう制御するステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記制御するステップは、前記チャットのコメントの内容に、前記コメントを記載したユーザに前記仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があるか否かを推定し、前記コメントを記載したユーザに前記仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があると推定した場合に、前記仮想空間の機能を前記複数のユーザ間で共有させるよう制御する処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及び処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット上で商品を販売するWebサイト(ECサイト(Electronic Commerce site))を利用した商品の購入が一般化している。さらに、近年では、仮想空間上に店舗を再現し、ECサイトと連動することで、実店舗における商品の購買と同程度の購買体験をユーザに提供する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実店舗では、友人や家族と一緒にショッピングを行う場面が多いが、仮想空間に再現された仮想店舗では、実店舗のように友人や家族とのショッピングを行うことが難しい。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、仮想空間に再現された仮想店舗において、ショッピング環境を他のユーザと容易に共有することができる処理装置、処理方法及び処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の処理装置は、ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を仮想空間に構築し、ユーザが使用するユーザ端末に提供する構築部と、関係性を有する複数のユーザからの仮想店舗への入店を受け付けると、複数のユーザ間で共有できるチャット環境を複数のユーザが使用する各ユーザ端末に提供する提供部と、チャットのコメントを基に、仮想空間の機能を複数のユーザ間で共有させるよう制御する共有部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、仮想空間に再現された仮想店舗において、ショッピング環境を他のユーザと容易に共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、チャットを用いたユーザ間における仮想空間の機能の共有例を説明する図である。
【
図4】
図4は、チャットを用いたユーザ間における仮想空間の機能の共有例を説明する図である。
【
図5】
図5は、チャットを用いたユーザ間における仮想空間の機能の共有例を説明する図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
以下の実施の形態では、実施の形態に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムの処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態による効果を説明する。
【0011】
[実施の形態]
まず、実施の形態について説明する。実施の形態では、仮想空間でのショッピング環境をユーザに提供するための通信システムについて説明する。
【0012】
実施の形態における通信システムでは、ショッピング環境をユーザに提供するVR(Virtual Reality)ストア提供事業者側のサーバ装置において、仮想空間上にVRストアを構築し、閲覧及び購入が可能なようにVRストア内に商品を配置する。そして、VRストア提供事業者側のサーバ装置では、友人や家族等の関係性を有する複数のユーザ間で共有可能なチャット環境を提供し、チャットのコメントを介して、仮想空間上の機能を複数のユーザ間で共有可能とすることで、仮想空間上でも、実店舗と同様に、友人や家族と一緒にショッピングを行うことができる。
【0013】
[通信システムの構成]
実施の形態に係る通信システムの構成を説明する。
図1は、実施の形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、実施の形態に係る通信システムは、各ユーザが使用するユーザ端末20A,20Bと、VRストア提供事業者のサーバ装置10(処理装置)と、を有する。また、サーバ装置10は、商品を販売する店舗Pの店舗サーバ装置30と接続する。なお、
図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。
【0015】
VRストア提供事業者のサーバ装置10(処理装置)は、商品を販売する店舗Pの店舗サーバ装置30から、VRストアや広告に展示可能な商品の情報を受け、これらの商品を陳列したVRストアをユーザに提供する。VRストアでは、ユーザが、商品を選択することによって、商品の種別、色、サイズ、価格等の商品情報を参照することができ、所定の処理を行うことによって、商品の購入処理まで進めることができる。なお、サーバ装置10は、仮想空間上に仮想の街を再現し、その街の中に、複数のVRストアや街頭広告を配置した仮想ショッピングモール(VRショッピングモール)を構築し、ユーザに提供することもできる。
【0016】
店舗サーバ装置30は、それぞれ保持する商品の在庫上DBを有する。店舗サーバ装置30は、保持する商品のうち、VRストアや広告に展示可能な商品の情報を、ネットワーク等を介して、サーバ装置10に送信する。店舗サーバ装置30は、商品の情報として、商品の識別情報、名称、サイズ、色、価格、在庫情報などを送信する。
【0017】
ユーザ端末20A,20Bは、ノートPC(Personal Computer)やデスクトップPC等の情報処理装置電子や、タブレット、スマートフォン等のスマートデバイスである。ユーザ端末20A,20Bは、ネットワークNを介して、サーバ装置10に接続し、VRストアの提供を受ける。ユーザ端末20A,20Bは、提供されたVRストア内で、商品及び広告の閲覧や商品の購入を行う。
【0018】
ユーザ端末20Aは、ユーザAが使用する端末であり、ユーザ端末20Bは、ユーザBが使用する端末である。本実施の形態では、一例として、ユーザAとユーザBとは、家族や友人等の関係性を有し、VRストア内で一緒にショッピングを行うものとする。なお、関係性を有するユーザは、二人に限らず、三人以上であってもよい。
【0019】
そして、サーバ装置10では、ユーザAとユーザBとがともにVRストア内でショッピング可能とするように、ユーザAとユーザBとがVRストアに入店すると、ユーザ端末20Aとユーザ端末20BとのVRストア内の画面に、ユーザA,Bのアバターを表示させる。そして、サーバ装置10は、ユーザA,B間で共有可能なチャット環境を提供し、ユーザA,B間でコミュケーションを取ることを可能とする。さらに、サーバ装置10は、チャットのコメントを介して、仮想空間上の機能(例えば、位置或いは商品情報)をユーザA,B間で共有可能とすることで、仮想空間上でも、実店舗と同程度の、友人や家族とのショッピング体験を実現する。続いて、
図1に示すサーバ装置10について説明する。
【0020】
[サーバ装置]
図2は、
図1に示すサーバ装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、このサーバ装置10は、各種情報に関する通信を制御する通信部11、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する記憶部12、及び、種々の処理を実行する制御部13を有する。以下にサーバ装置10が有する各部の処理を説明する。
【0021】
通信部11は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースである。通信部11は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した他の装置と制御部13(後述)との間の通信を行う。例えば、通信部11は、ネットワークを介して、店舗サーバ装置30から、展示可能な商品の情報を受信する。また、通信部11は、ネットワークNを介して、ユーザ端末20A,20Bから、VRストアへの入店要求、ユーザA,B間の共有要求、商品の閲覧要求や購入要求を受信する。通信部11は、商品の購入手続き、商品購入後の在庫更新に関する情報を店舗サーバ装置30に送信する。
【0022】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部12は、サーバ装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部12は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。記憶部12は、構築用情報121、ユーザ情報122、店舗及び商品情報123を記憶する。
【0023】
構築用情報121は、VRストア及びVRショッピングモールを仮想空間上で構築するために要する情報である。構築用情報121は、VRストア及びVRショッピングモールを仮想空間上で構築するための、画像処理条件や画像処理プログラムを含む。また、構築用情報121は、例えば、VRストア及びVRショッピングモールが、Photo VRや、360°の球体内の空間で商品を一望可能であるプラネッツで構築されている場合には、店舗内観、商品、街並み、店舗外観を、定点或いは360°で撮影した写真、或いは、これらの写真を画像処理して構築したVRストア及びVRショッピングモールの画像を含む。構築用情報121は、例えば、VRストア及びVRショッピングモールが、CG(Computer Graphics)で構築されている場合には、店舗内観、商品、街並み及び店舗外観を再現した画像である。
【0024】
ユーザ情報122は、VRストア及びVRショッピングモールの入場者として登録されている各ユーザに関する情報である。ユーザ情報122は、例えば、ユーザのIDと、各ユーザIDに対応付けられた購入履歴、閲覧履歴を含む。例えば、購入履歴は、購入時間、商品を購入した店舗の名称、商品ID、商品名、サイズ、色、個数を項目として有する。例えば、閲覧履歴は、閲覧時間、商品を閲覧した店舗の名称、商品ID、商品名、サイズ、色、個数を項目として有する。
【0025】
店舗及び商品情報123は、VRショッピングモールに配置される店舗及びVRストア内に展示される商品に関する情報である。店舗及び商品情報123は、店舗ID、店舗種別、各店舗が保持する商品のうちVRストアや広告に展示可能である商品の商品ID,商品名、サイズ、色、個数を項目として有する。例えば、店舗Pは、雑貨販売であり、展示可能である商品とカトラリーやカップが、これらの商品のサイズ、色等の特徴、在庫の個数とともに示されている。
【0026】
制御部13は、サーバ装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。制御部13は、受付部131、構築部132、共有設定部133(提供部)及び共有部134を有する。
【0027】
受付部131は、ユーザによる、VRショッピングモールへの入場、VRショッピングモール内のVRストアへの入店、商品の閲覧、商品の購入、ユーザA,B間の共有要求を受け付ける。
【0028】
構築部132は、Photo VR、プラネッツ或いはCGを用いて、VRストアやVRショッピングモールを仮想空間上に構築する。構築部132は、ユーザのVRストアへの入店を受け付けると、VRストアを仮想空間上に構築する。そして、構築部132は、構築したVRストアを、ユーザが使用するユーザ端末20に提供する。
【0029】
VRストアでは、実店舗に基づいて内観が構築され、実店舗が保持する商品のうち展示可能である商品が実際の店舗内での展示方法(陳列棚に一列に配置する等)で展示されるように表示される。そして、展示された商品については、商品情報(種別、色、形、サイズ、価格、在庫状況)が閲覧可能なように提供される。展示された商品については、購入も可能である。また、VRストアでは、店舗内の任意の領域に、該店舗において展示される商品等の広告の表示も可能である。VRストアでは、ユーザは、実際の店舗内を歩くように、ユーザのアバターを移動させることができる。
【0030】
そして、構築部132は、ユーザのVRショッピングモールへの入場を受け付けると、構築用情報121を取得して、VRショッピングモールを仮想空間上に構築してもよい。VRショッピングモールでは、実際の街並みに基づいて、各店舗の配置、各店舗の外観、道路、該当広告が構築される。VRショッピングモールでは、ユーザは、実際の街並みを歩くように、ユーザのアバターを移動させることができる。そして、VRショッピングモールでは、例えば、ユーザは、店舗外観に表示される店舗名や店舗の入り口をクリックまたはタップすることで、選択したVRストアに入店することができる。
【0031】
なお、構築部132は、ユーザのVRショッピングモールへの入場を受け付けた際に、VRショッピングモールとともに、VRショッピングモールに配置される各VRストアも構築してもよい。また、構築部132は、シーズンごとに、VRショッピングモールの街並みの風景、VRストアに展示する商品、及び、広告に表示する商品を変更してもよい。
【0032】
共有設定部133は、関係性を有するユーザA,BからのVRストアへの入店を受け付けると、ユーザA,Bによる共有要求及び共有許可を基に、ユーザA,Bの各アバターを、ユーザ端末20A,20Bのそれぞれに表示させる。これによって、ユーザA,Bは、VRストア内の各ユーザA,Bの位置をそれぞれ共有できる。そして、共有設定部133は、ユーザA,B間で共有できるチャット環境をユーザA,Bが使用する各ユーザ端末10A,20Bに提供する。これによって、ユーザA,Bは、チャットを介したコミュニケーションをとることができる。また、共有設定部133は、VRショッピングモールでも、ユーザA,B間で共有できるチャット環境をユーザ端末10A,20Bに提供してもよい。
【0033】
共有部134は、チャットのコメントを基に、仮想空間の機能をユーザA,B間で共有させるよう制御する。
【0034】
例えば、共有部134は、仮想空間において、ユーザA,Bのいずれか一人の位置に他のユーザを移動させ、ユーザA,B間で位置を共有させる。また、共有部134は、仮想空間において、ユーザA,Bのいずれか一人が閲覧している商品に関する情報を、ユーザA,B間で共有させる。商品に関する情報は、例えば、商品の種別、形、色、サイズ、価格である。また、商品に関する情報は、この商品(例えば家具)を自宅内で設置したイメージである。また、商品に関する情報は、この商品(例えば、衣服)の試着イメージである。また、商品に関する情報は、この商品を販売する店舗の店頭スタッフとのチャット画面やビデオ通話画面である。
【0035】
共有部134は、チャットのコメントの内容に、このコメントを記載したユーザに仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があるか否かを推定する。
【0036】
共有部134は、例えば、他のユーザと機能を共有する際に記載されるコメントを、共有内容と対応付けて複数記憶したテーブルを参照して、コメントを記載したユーザに仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があるか否かを推定する。また、共有部134は、例えば、モデルを用いて、コメントを記載したユーザに仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があるか否かを推定してもよい。モデルは、チャットのコメントに、他のユーザと仮想空間の機能を共有する意図の有無をコメントごとに付与したデータを学習データ押し、コメントに他のユーザと仮想空間の機能を共有する意図があるか否かを学習する。
【0037】
そして、共有部134は、コメントを記載したユーザに仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があると推定した場合に、仮想空間の機能を複数のユーザ間で共有させるよう制御する。共有部134は、コメントを記載したユーザに仮想空間の機能を他のユーザと共有する意図があると推定した場合には、共有の可否を問い合わせるコメントをチャット環境に示し、共有の許可を受けた場合に、仮想空間の機能をユーザA,B間で共有させるよう制御する。以降、
図3~
図5を参照して、仮想空間の機能のユーザA,B間における共有例について説明する。
【0038】
[仮想空間の機能の共有例]
まず、
図3~
図5を参照して、仮想空間の機能のユーザA,B間における共有例について説明する。
図3~5は、チャットを用いたユーザA,B間における仮想空間の機能の共有例を説明する図である。
【0039】
図3では、チャットを介した位置移動機能について説明する。
図3の画面V1-1に示すように、構築部132は、複数の商品が並ぶ店舗内観を仮想空間上に再現した画面をVRストアとしてユーザに提供する。ここで、共有設定部133は、ユーザA,Bから、VRストアでのショッピング環境の共有を要求された場合、
図3に示すように、ユーザA,Bが使用するユーザ端末20A,20Bのいずれの画面にも、ユーザA,Bの位置が分かるように、ユーザA,BのアバターをそれぞれVRストア内に表示する。
【0040】
そして、共有設定部133は、ユーザA,B間で使用可能であるチャットボックスB1を表示し、ユーザA,B間によるコミュニケーションを可能とする。例えば、このチャットボックスB1に、ユーザAから、「この商品良さそう」というコメントC1が記載された場合には、共有部143は、この商品の情報をユーザBと共有する意図があると推定する。そして、共有部134は、商品の情報の共有のために、ユーザAがいる場所までユーザBの「場所を移動する」ことを選択可能なボタンC2をチャットボックスB1に表示する。
【0041】
ユーザBがボタンC2を押すと、共有部134は、
図3の画面V1-2に示すように、ユーザBの位置を、ユーザAがいる場所まで移動させる。ボタン操作を行うだけで、ユーザBは、ユーザAの位置まで移動できる(
図3の(1)参照)。そして、ユーザBは、ユーザAが閲覧している商品を一緒に閲覧することができる。この際、ユーザBは、ユーザAが閲覧している商品の商品情報画面も共有することができる。このように、実施の形態では、「この商品良さそう」などのチャットに反応して自動で表示された移動用ボタンを押すだけで、他方のユーザBは、一方のユーザAの場所まで移動できる。
【0042】
また、
図4では、チャットを介した自動退店機能について説明する。
図4の画面V2-1に示すように、例えば、このチャットボックスB2に、ユーザAから、「一回でよっか」というコメントC21が記載された場合には、共有部143は、ユーザAに現在位置するVRストアを退店する意図があることを推定する。そして、共有部134は、退店動作の共有のために、ユーザBに「退店する」ことを選択可能なボタンC22をチャットボックスB2に表示する。
【0043】
ユーザBがボタンC22を押すと、共有部134は、
図4の画面V2-2に示すように、ユーザAとともにユーザBも退店させる(
図4の(1)参照)。このように、実施の形態では、「出よう」などのチャットに反応して自動で表示された退店用ボタンを押すだけで、ユーザA,Bは、一緒に退店することができる。このように、サーバ装置10は、チャット上でのVRストアの退店意図を推定することで、退店アクションを容易に実行することができる。
【0044】
また、チャットを介して、各種仮想空間の機能を簡易に共有できる。例えば、
図5の画面V3-1に示すように、チャットボックスB3に、「この家具を家に置くとどんな感じかな?」というコメントC31がユーザAによって記載された場合について説明する。この場合、共有部134は、ユーザAが、自宅内での家具の設置イメージをユーザBと共有する意図があると推定する。そして、共有部134は、ユーザ端末20A,20Bの画面内で、自宅内での家具の設置イメージをAR(Augmented Reality)で共有できるように制御を行う(
図5の(1)参照)。
【0045】
また、チャットボックスB3に、「試着時のイメージを見たいな」というコメントC32がユーザAによって記載された場合について説明する。この場合、共有部134は、ユーザAが、商品の試着イメージをユーザBと共有する意図があると推定する。そして、共有部134は、ユーザ端末20A,20Bの画面内で、ユーザAの商品の試着イメージを共有できるように制御を行う(
図5の(2)参照)。
【0046】
また、チャットボックスB3に、「スタッフに質問してみたい」というコメントC33がユーザAによって記載された場合について説明する。この場合、共有部134は、ユーザAが、この商品を販売する店舗の店頭スタッフへの問い合わせ及びその回答をユーザBと共有する意図があると推定する。そして、共有部134は、ユーザ端末20A,20Bの画面内で、この商品を販売する店舗の店頭スタッフとのチャット画面やビデオ通話画面を開始し、画面を共有できるように制御を行う(
図5の(3)参照)。
【0047】
このように、本実施の形態では、チャットを介して、仮想空間上における各種機能を、ユーザA,B間で容易に共有できるようにすることで、仮想空間上でも、実店舗と同程度の、複数人でのショッピング体験を簡易に実現することができる。
【0048】
[通信処理の処理手順]
図6は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0049】
図6に示すように、サーバ装置10は、店舗サーバ装置30から商品情報及び在庫情報を受けると(ステップS1)、店舗及び商品情報123を更新する(ステップS2)。
【0050】
サーバ装置10では、受付部131が、ユーザ端末20A,20BからVRストアへの入店申し込みを受け付けると(ステップS3-1,S3-2,S4)、構築部132が、構築用情報121と店舗及び商品情報123とを取得して(ステップS5)、VRストアを仮想空間上に構築する(ステップS6)。そして、構築部132は、ユーザ端末20A,20BにVRストアを提供する(ステップS7-1、S7-2)。なお、構築部132は、VRショッピングモールを仮想空間上に構築して、ユーザ端末20A,20Bに提供してもよい。
【0051】
サーバ装置10では、受付部131が、ユーザAより、ユーザBとの共有要求を受け付けると(ステップS8)、共有設定部133は、ユーザBのユーザ端末20Bに、ユーザAとの共有の可否の問い合わせを行う(ステップS9)。
【0052】
サーバ装置10では、ユーザ端末20Bより、ユーザAとの共有許可を受けると(ステップS10)、共有設定部133が、ユーザAとユーザBとの共有を設定する(ステップS11)。共有設定部133は、ユーザA,Bの各アバターを、ユーザ端末20A,20Bのそれぞれに表示させるとともに、ユーザA,B間で共有できるチャット環境をユーザ端末20A,20Bに提供する(ステップS12-1,S12-2)。サーバ装置10が提供したチャットを介して、例えば、ユーザAからユーザBにコメントを送信する(ステップS13-1,S13-2)。
【0053】
サーバ装置10では、共有部134が、ユーザAが送信したコメントの意図を推定し(ステップS14)、ユーザAに仮想空間の機能をユーザBと共有する意図があるか否かを判定する(ステップS15)。
【0054】
ユーザAに仮想空間の機能をユーザBと共有する意図があると判定した場合(ステップS15:Yes)、共有部134は、ユーザ端末20BにユーザAとの間における仮想空間の機能の共有の可否を問い合わせ(例えば、
図3のボタンC2の表示)を行う(ステップS16)。サーバ装置10は、ユーザ端末20Bから、ユーザAとの間における仮想空間の機能の共有の要求(例えば、
図3のボタンC2の選択)と受けると(ステップS17)、共有部18は、仮想空間の機能をユーザA,B間で共有させるよう制御する(ステップS18~ステップS19-2)。
【0055】
[実施の形態の効果]
実施の形態では、複数のユーザ間で共有可能なチャット環境を各ユーザ端末に提供し、チャットのコメントを介して、仮想空間上の機能を複数のユーザ間で共有可能としている。このように、実施の形態では、チャットを介して、仮想空間上における各種機能を、複数のユーザ間で容易に共有できるようにすることで、仮想空間上でも、実店舗と同程度に複数人でのショッピング環境を、容易に実現することができる。すなわち、実施の形態では、仮想空間に再現されたVRストアにおいても、実店舗と同様に、友人や家族と一緒にショッピングを行うことができる。
【0056】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0057】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0058】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明したサーバ装置10及びが実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態におけるサーバ装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0059】
図7は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図7に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0060】
メモリ1010は、
図7に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図7に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0061】
ここで、
図7に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0062】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0063】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0064】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0065】
10 サーバ装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20A,20B ユーザ端末
30 店舗サーバ装置
121 構築用情報
122 ユーザ情報
123 店舗及び商品情報
131 受付部
132 構築部
133 共有設定部
134 共有部