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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】電源供給システム及びその操作方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230712BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20230712BHJP
   H02J 9/00 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/34 B
H02J9/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021032227
(22)【出願日】2021-03-02
(65)【公開番号】P2021168588
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】63/007,569
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/147,100
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510002442
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Delta Electronics,Inc.
【住所又は居所原語表記】No.3,Tungyuan Road,Chungli Industrial Zone,Chungli City,Taoyuan County Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】莊 世昌
(72)【発明者】
【氏名】彭 徳智
(72)【発明者】
【氏名】羅 銘翔
(72)【発明者】
【氏名】呉 志▲こう▼
(72)【発明者】
【氏名】江 旻整
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-288162(JP,A)
【文献】国際公開第2016/190085(WO,A1)
【文献】特開2012-065503(JP,A)
【文献】国際公開第2018/211882(WO,A1)
【文献】特開2014-079139(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0220379(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00 - 1/16
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ第1スイッチを介して共通バスに結合される複数の電源供給ユニットと、
それぞれ各該電源供給ユニットに対応し、それぞれ第2スイッチを介して該共通バスに結合される複数の電池ユニットと、
を含み、
該第1スイッチのいずれも、および該第2スイッチのいずれも電力変換機能を有さず、
いずれかの該電源供給ユニットのうちの第1の電源供給ユニットが能動的にサポート要求を提出する場合は、該第1の電源供給ユニットに対応する該第1スイッチをオンにし、該第1の電池ユニット以外の第2の電池ユニットが該サポート要求を受け該第1の電源供給ユニットに電力供給サポートを提供できる場合には、該第2の電池ユニットに対応する該第2スイッチをオンにすることにより、該第1の電源供給ユニットは、該共通バスを介して該第1の電源供給ユニットに電力供給サポートを提供できる前記第2の電池ユニットから電気エネルギーを得ることを特徴とする電源供給システム。
【請求項2】
各該電源供給ユニットと対応する各該電池ユニットは放電経路と充電経路を有することを特徴とする請求項1に記載の電源供給システム。
【請求項3】
各該電源供給ユニットは、
スイッチユニットと、
該スイッチユニットに結合され、第1制御信号を提供して該第1スイッチを制御し、第2制御信号を提供して該第2スイッチを制御し、要求命令信号を提供して該スイッチユニットを制御する制御ユニットと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の電源供給システム。
【請求項4】
その他の電源供給ユニットがサポート要求を提出したか否かを判断するために、いずれかの該電源供給ユニットの該制御ユニットは、該スイッチユニットに結合された信号バスからバスレベル信号を受信することを特徴とする請求項3に記載の電源供給システム。
【請求項5】
いずれかの該電源供給ユニットは、その他の電源供給ユニットに対応する電池ユニットから電気エネルギーを得る必要がある場合、該バスレベル信号の電位電圧が第1電位電圧と逆の第2電位電圧であるように、該電源供給ユニットは該第1電位電圧の該要求命令信号を提供して該スイッチユニットを制御し、該第1制御信号を提供して該第1スイッチをオンにすることを特徴とする請求項4に記載の電源供給システム。
【請求項6】
いずれかの該電源供給ユニットの該要求命令信号の電位が維持され、該バスレベル信号の電位が変更される場合、対応する該第2スイッチをオンにすることを特徴とする請求項4に記載の電源供給システム。
【請求項7】
該スイッチユニットは、
該制御ユニット及び該信号バスに結合されるスイッチと、
該信号バス及び電源電圧に結合される第1抵抗と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の電源供給システム。
【請求項8】
いずれかのこれらの該電池ユニットの相対残容量及び/又は放電回数を得るために、通信バスを介してこれらの該電源供給ユニットとこれらの該電池ユニットに結合される電池制御ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電源供給システム。
【請求項9】
該その他の電池ユニットのいずれか1つの該相対残容量が臨界状態値以上及び/又は該その他の電池ユニットのいずれか1つの該放電回数が最少であることを特徴とする請求項8に記載の電源供給システム。
【請求項10】
複数の電源供給ユニットと複数の電池ユニットを含み、各該電池ユニットは各該電源供給ユニットに対応する電源供給システムの操作方法であって、
いずれかの該電源供給ユニットがその他の電池ユニットから電気エネルギーを得る必要があるか否かを、当該いずれかの該電源供給ユニットが判断することと、
いずれかの該電源供給ユニットのうちの第1の電源供給ユニットが該第1の電源供給ユニット以外のその他の電池ユニットから電気エネルギーを得る必要がある場合、該第1の電源供給ユニットが、能動的にサポート要求を提出し、該第1の電源供給ユニットと共通バスとの間の第1スイッチをオンにすることと、
該第1の電池ユニット以外の第2の電池ユニットが該サポート要求を受け該第1の電源供給ユニットに電力供給サポートを提供できる場合には、該第2の電池ユニットに対応する第2の電源供給ユニットが、該第2の電池ユニットと該共通バスとの間の第2スイッチをオンにして、該第1の電源供給ユニットが該共通バスを介して第2の電池ユニットから電力を取得することと、
を含み、
該第1スイッチのいずれも、および該第2スイッチのいずれも電力変換機能を有さない、電源供給システムの操作方法。
【請求項11】
各該電源供給ユニットは、
スイッチユニットと、
該スイッチユニットに結合され、第1制御信号を提供して該第1スイッチを制御し、第2制御信号を提供して該第2スイッチを制御し、要求命令信号を提供して該スイッチユニットを制御する制御ユニットと、を含むことを特徴とする請求項10に記載の電源供給システムの操作方法。
【請求項12】
その他の電源供給ユニットがサポート要求を提出したか否かを判断するために、いずれかの該電源供給ユニットの該制御ユニットは、該スイッチユニットに結合された信号バスからバスレベル信号を受信することを特徴とする請求項11に記載の電源供給システムの操作方法。
【請求項13】
いずれかの該電源供給ユニットがその他の電源供給ユニットに対応する電池ユニットから電気エネルギーを得る必要がある場合、該バスレベル信号の電位が変更するように、該電源供給ユニットに対応する該制御ユニットは、該要求命令信号を提供して該スイッチユニットを制御し、該第1制御信号を提供して該第1スイッチをオンにすることを特徴とする請求項12に記載の電源供給システムの操作方法。
【請求項14】
いずれかの該電源供給ユニットの該要求命令信号の電位は変更されないが、該バスレベル信号の電位が変更された場合、対応する該第2スイッチをオンにすることを特徴とする請求項12に記載の電源供給システムの操作方法。
【請求項15】
該電源供給システムは、
これらの該電池ユニットの相対残容量及び/又は放電回数を監視することにより、いずれかの該電源供給ユニットに該第1スイッチ又は該第2スイッチをオンにすることを知らせる電池制御ユニットを含むことを特徴とする請求項10に記載の電源供給システムの操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源供給システム及びその操作方法に関し、特に、共通電池の電源供給システム及びその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの発展に伴い、人の生活はネットワーク技術と切り離せなくなり、ユーザに様々なインターネットサービスを提供するために、インターネットによって提供される情報とサービス、例えば、テレビ会議、テレワーク、コミュニティ、ソーシャルサイト及びオーディオ・ビジュアルプラットフォーム等の様々な機能に日々頼っている。
【0003】
企業はこれらのサービスを提供するために、クラウドサーバ、エッジサーバを設置し、又はデータセンターを使用してデータ及びユーザデータを記憶する必要がある。サーバの実際の適用において、ユーザがいつでもネットワークサービスを利用できるようにし、データの完全性を確保するために、システムの信頼性を向上させ、トラブルシューティングの適時性等の課題を考慮しなければならない。そのため、サーバの電源構造は、通常冗長電源供給装置(redundant PSU)を使用しホットプラグ(hot plug)機能をサポートし、例えば、N+1台の電源供給ユニット(又は電源供給装置、power supply unit、PSUと呼ぶ)を採用するバックアップモードは、いずれかのPSUが故障した場合でも、システムが継続して通常通りに動作し、故障したPSUを交換する時にシステムが停止しないように維持することによって、安定性と信頼性を向上させることができる。
【0004】
一方、前部の電力供給システムの故障を防止するために、通常、前部にバックアッププラン、例えば、集中型の無停電電源システム(UPS)、電池バックアップユニット(backup battery unit、BBU)及び予備発電機を配置することもある。しかしながら、集中型のUPS及びBBU bankのバックアップの適用に比べて、分散型のBBU構造は、配置の柔軟性を向上させることができ、さらにシステムの電源効率を向上させ、全体の信頼性を最適化することができる。
【0005】
図1に示すように、周知の分散型のPSUとBBU構造、又は図2の内蔵型のBBUのPSUにおいて、各1台の電源供給装置には対応する1台のBBUが配置される。電力供給システムが通常通りに動作する場合、入力端の交流電流はPSUを介してシステムに直流電圧を提供する以外に、さらにBBUを充電する。電力供給システムが故障した場合、BBU端は電気エネルギーをPSUに入力するようにすることによって、PSUが依然として安定した直流電圧を提供してシステムが停止せず継続して動作するように維持することができ、電力供給システムが正常に戻るまでBBUによって電気エネルギーを提供する。従来の構造では、1台のPSUが1台のBBUのみに対応するため、PSUは自機の電池固有の容量及び仕様に限定され、定格且つ限られた放電時間及び電気エネルギーのみを提供することができる。これは、電池パックの最大利用率を達成するために、電源シェルフには多様化、多機能の電源管理ポリシーが必要であることを意味する。
【0006】
このため、複数の電池ユニットを介して共通バスにより提供される電気エネルギーを共有することにより、電源供給ユニットが自機の電池固有の容量及び仕様に限定されず、充分な放電時間及びエネルギーを充分に提供し、電池パックの利用率を効果的に向上させるとともに配置の柔軟性及びシステムの電源効率を向上させ、全体の安定性と信頼性を最適化することができる電源供給システム及びその操作方法を如何に設計するかが、本願の発明者の検討すべき重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は従来技術の課題を解決するために、電源供給システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明により提供される電源供給システムは、複数の電源供給ユニットと複数の電池ユニットを含む。各電源供給ユニットは第1スイッチを介して共通バスに結合される。各電池ユニットは各電源供給ユニットに対応し、各電池ユニットは第2スイッチを介して共通バスに結合される。いずれかの電源供給ユニットは、対応する第1スイッチをオンにし、その他の電池ユニットに対応する第2スイッチをオンにすることにより、共通バスを介してその他の電池ユニットから電気エネルギーを得る。
【0009】
提供される電源供給システムにより、複数の電池ユニットを介して共通バスにより提供される電気エネルギーを共有することにより、電源供給ユニットが自機の電池固有の容量及び仕様に限定されず、充分な放電時間及びエネルギーを充分に提供し、電池パックの利用率を効果的に向上させるとともに、配置の柔軟性及びシステムの電源効率を向上させ、全体の安定性と信頼性を最適化することができる。
【0010】
本発明の他の目的は従来技術の課題を解決するために、共通電池の電源供給システムの操作方法を提供することである。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明により提供される電源供給システムの操作方法において、前記共通電池の電源供給システムは複数の電源供給ユニットと複数の電池ユニットを含み、各電池ユニットは各電源供給ユニットに対応する。前記操作方法は、いずれかの電源供給ユニットがその他の電池ユニットから電気エネルギーを得る必要があるか否かを判断することと、いずれかの電源供給ユニットがその他の電池ユニットから電気エネルギーを得る必要がある場合、電源供給ユニットにより、共通バスとの間の第1スイッチをオンにすることと、電源供給ユニットから、その他の電池ユニットから電気エネルギーを得るために、その他の電源供給ユニットに、対応するその他の電池ユニットと共通バスとの間の第2スイッチをオンにすることを知らせることと、を含む。
【発明の効果】
【0012】
提供される電源供給システムの操作方法において、複数の電池ユニットを介して共通バスにより提供される電気エネルギーを共有することにより、電源供給ユニットが自機の電池固有の容量及び仕様に限定されず、充分な放電時間及びエネルギーを充分に提供するとともに、電池パックの利用率を効果的に向上させ、配置の柔軟性及びシステムの電源効率を向上させ、全体の安定性と信頼性を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来の分散型の電源供給ユニット(PSU)と電池バックアップユニット(BBU)の構造を示す図である。
図2】従来のBBUが内蔵されたPSUの構造を示す図である。
図3】本発明の電源管理システムの第1実施例のブロック図である。
図4】本発明の電源管理システムの第2実施例のブロック図である。
図5】本発明の電源管理システムの第3実施例のブロック図である。
図6】本発明の電源供給システムにおける単一電源供給ユニットと対応する電池ユニットを示す図である。
図7A】本発明の電源供給システムの第1操作モードを示す図である。
図7B】本発明の電源供給システムの第2操作モードを示す図である。
図7C】本発明の電源供給システムの第3操作モードを示す図である。
図7D】本発明の電源供給システムの第4操作モードを示す図である。
図7E】本発明の電源供給システムの第5操作モードを示す図である。
図7F】本発明の電源供給システムの第6操作モードを示す図である。
図7G】本発明の電源供給システムの第7操作モードを示す図である。
図8】本発明の電源供給システムの操作方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
所定の目的を達成するために本発明が採用する技術、手段及び効果をさらに理解するために、以下の本発明にかかる詳細な説明及び図面を参照することにより、本発明の目的、特徴及び特性をより深く且つ具体的に理解することができる。しかしながら、添付の図面は、参照及び説明のためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0015】
以下、図面に合わせて本発明の技術的内容を詳細に説明する。
【0016】
本発明は共通電池を備える電源シェルフを提供し、該シェルフは共有(share)又は交換(exchange)の方法により電池パック適用の柔軟性と利用率を向上させることができ、単一PSUの放電時間が自機の電池容量に限定されることを解決し、ひいては対応するPSUをサポートすることことによりさらに大きな出力電力を提供することができる。
【0017】
図3は本発明の電源管理システムの第1実施例のブロック図である。本発明の電源シェルフの1つの特徴は電池を自機の電池又は共通電池と見なすことができることである。ここで、共通電池は実在するものであってもよく、又は、自機の電池におけるソフトウェア層により定義され仮想方法により実現されるものであってもよい。電池は分散型であってもよく、実質的に各異なる位置に接続された電源供給装置であってもよいが、この電源シェルフの配置方法と作業システムにより、電池パックを1パックの電池のように作動させることができる。
【0018】
電源管理の目的は、結合されやすい自機の電池及び共通電池の柔軟性と電池の利用率を向上させる方法を提供することである。図4は本発明の電源管理システムの第2実施例のブロック図である。電源管理は、外部によりユニットを統合してもよく、通信インターフェース又はハードウェアI/Oの信号を介して通信することによって、各BBUの現在の出力電流又は電力を収集して統一管理し、各BBUが共通電池パックに電気エネルギーを提供する能力を有するか否かを判断する。
【0019】
図5は本発明の電源管理システムの第3実施例のブロック図である。電源管理はそれぞれのPSUにより独立して遂行されてもよく、PSUによって自機の電池の出力電流及び電力を監視し、これによって該自機の電池が共通電池パック用の電気エネルギーを提供することができるか否かを判断する。このような電源管理の適用において、共通電池を管理することにより能力のあるBBUを利用して電力エネルギーの共有を提供する。これは、自機の電池とPSUとの間の1対1の供給関係に限定されず、共通電池により需要のあるPSU用として提供される。このように、本発明は3つの技術的特徴を有する。
【0020】
特徴1:定格電力範囲内で、自機の電池が警報を出すまで、自機の電池により電気エネルギーを提供し、その後共通電池により電力供給を引き継ぐことにより、バックアップ時間を延長することができる。
【0021】
特徴2:定格電力より大きい場合、自機の電池が自身に提供する定格電力を除き、定格電力以上の部分は共通電池により補足で電力供給され、さらに大きな電力出力を満足させる。
【0022】
特徴3:自機の電池の相対残容量(Relative State-Of-Charge、RSOC、又は、相対充電状態と呼ぶ)が低い場合、自機の電池をその他のパックの電池と交換して交互に使用してもよく、新しく指定された電池に合わせて、より該PSUに必要な電気エネルギーを提供し、インテリジェントな調整の目的を達成し、電池の利用率を最大化する。
【0023】
上記調整・配置と制御により、効果的に全てのBBUを、放電過程に電気エネルギー源を最も効果的且つ最大に利用できるようにする。そのため、これは最も低いコストで高性能電源シェルフの設計を提供する効果的な解決手段である。本発明の詳細な作動原理を図6図7A図7Gに合わせて詳細に説明する。
【0024】
図6は本発明の電源供給システムにおける単一電源供給ユニットと対応する電池ユニットを示す図である。単一電源供給ユニットPSUは充電回路11、放電回路12及び制御回路13を含む。電源供給ユニットPSUは第1スイッチSWREQを介して共通バスPに結合される。電池ユニットBBUは第2スイッチSWSUPを介して共通バスPに結合される。充電回路11は、電源供給ユニットPSUの対応する電池ユニットBBUに対する充電操作のために提供される。放電回路12は、電池ユニットBBUの対応する電源供給ユニットPSUに対する放電操作のために提供される。
【0025】
制御回路13は制御ユニット131とスイッチユニット132を含む。制御ユニット131は第1制御信号SREQを提供することにより第1スイッチSWREQのオンとオフを制御する。制御ユニット131は第2制御信号SSUPを提供することにより第2スイッチSWSUPのオンとオフを制御し、その詳細については後で説明する。スイッチユニット132は制御ユニット131と信号バスSに結合される。制御ユニット131は、スイッチユニット132がその他の電源供給ユニットから受信したバスレベル信号(request I/O)SREQI/Oを介して信号バスSの電位電圧を知ることで、その他の電源供給ユニットがサポート要求を提出したか否かを判断することができる。また、電源供給ユニットPSUが対応する電池ユニットから充分な電気エネルギーを得られず、その他の電池ユニットに電力供給のサポートを要求しなければならない場合、制御ユニット131は要求命令信号(request command)SREQCMDを提供することでスイッチユニット132を制御する。
【0026】
例を挙げると、電源供給ユニットPSUが対応する電池ユニットから充分な電気エネルギーを得ることができ、その他の電池ユニットに電力供給のサポートを要求する必要がない場合、スイッチQ1がオフ状態になるように、制御ユニット131は低電位電圧の要求命令信号SREQCMDを提供する。そのため、信号バスSは電源電圧VDDが第1抵抗R1と第2抵抗R2を介して分圧された高電位電圧(例えば、5ボルトであるが、本発明を限定しない)である。その他の実施例において、第1抵抗R1(第2抵抗R2を使用する必要がない)のみを使用しても、高電位電圧が得られる場合、それも実行可能な手段である。逆に、電源供給ユニットPSUが対応する電池ユニットから充分な電気エネルギーを得ることができず、その他の電池ユニットに電力供給のサポートを要求しなければならない場合、スイッチQ1がオン状態になるように、制御ユニット131は高電位電圧の要求命令信号SREQCMDを提供する。そのため、信号バスSは、スイッチQ1がオンにされるため、接地電圧に近い低電位電圧(例えば、0ボルトであるが、本発明を限定しない)に下げられる。
【0027】
注意すべきことは、バスレベルの検知及び要求命令信号の提供を実現するためのスイッチユニット132は上記回路に限定されず、バスレベルの検知及び要求命令信号の提供の機能を実現できるものであれば、いずれもスイッチユニット132として使用することができる。また、スイッチQ1の要求命令信号SREQCMDを制御する電圧レベルは上記に示された例に限定されず、スイッチQ1の形態に合わて相反する電圧レベルでスイッチQ1を制御することもできる。
【0028】
また、電源供給システムは、さらに、電池制御ユニット21を含み、電池制御ユニット21はバックプレートに設置されてもよいが、本発明はそれに限定されない。電池制御ユニット21は、例えば、集積通信バス(IC bus)と制御ユニット131及び電池ユニットBBUとの通信(コミュニケーション)であるがそれに限定されない、通信バスCを介して、電池ユニットBBUのRSOCに対する検出と制御を実行し、その詳細については後で説明する。
【0029】
そのため、図7Aに示すように、本発明により提供される共通電池の電源供給システムは、複数の電源供給ユニットPSU~PSUと複数の電源供給ユニットPSU~PSUに対応する電池ユニットBBU~BBUを含む。各電源供給ユニットPSU~PSUは第1スイッチSWREQ1~SWREQNを介して共通バスPに結合される。各電池ユニットBBU~BBUは第2スイッチSWSUP1~SWSUPNを介して共通バスPに結合される。いずれかの電源供給ユニットPSU~PSUが対応する電池ユニットBBU~BBUから充分な電気エネルギーを得られない場合、電源供給ユニットPSU~PSUは第1スイッチSWREQ1~SWREQNをオンにし、電源供給ユニットPSU~PSUが共通バスPを介してその他の電池ユニットBBU~BBUから電気エネルギーを得るように、その他の電源供給ユニットPSU~PSUに対応するその他の電池ユニットBBU~BBUと共通バスPとの間の第2スイッチSWSUP1~SWSUPNをオンにするように知らせる。よって電気エネルギーの調達と共有を実現し、最も効果的且つ最大化する電源適用を達成する。
【0030】
以下に、本発明により提供される共通電池の電源供給システムの異なる操作モード(又は、操作状況と呼ぶ)について詳細に説明する。
【0031】
図7Aは本発明の電源供給システムの第1操作モードを示す図である。第1操作モードで、これらの該電源供給ユニットPSU~PSUは通常通りに操作されるため、通常通りにシステムに必要な電源を提供できる以外、対応するこれらの該電池ユニットBBU~BBUに充電することができる。図7Aに示すように、これらの該電源供給ユニットPSU~PSUはそれぞれの充電経路PC1~PCNを介してこれらの該電池ユニットBBU~BBUに充電する。このような操作モードで、各電源供給ユニットPSU~PSUはその他の電池ユニットに電力供給のサポートを要求する必要がないため、それぞれの制御ユニット131は、信号バスSが高電位電圧であるように、低電位電圧の要求命令信号SREQCMDを提供する(詳細は上記を参照し、ここでの説明を省略する)。この場合、全ての第1スイッチSWREQ1~SWREQNと第2スイッチSWSUP1~SWSUPNはいずれもオフ状態である。
【0032】
図7Bは本発明の電源供給システムの第2操作モードを示す図である。第2操作モードで、電源供給ユニットPSU~PSUの少なくとも1つが電池ユニットBBU~BBUによるバックアップの提供を必要とする場合、定格電力範囲内であれば、電源供給ユニットPSU~PSUに対応する電池ユニットBBU~BBUから電気エネルギーを優先的に提供し、残りの電池ユニットBBU~BBUは継続して充電状態を保持し、通信又はハードウェア信号の命令を待つ。例を挙げると、第1電源供給ユニットPSUが電池ユニットによるバックアップの提供を必要とする場合、第1電池ユニットBBUが充分な電気エネルギーを提供できれば、第1電池ユニットBBUにより第1電源供給ユニットPSUに対しバックアップ電力供給を優先的に実行する。ここで、電源供給ユニットPSU~PSUは対応する電池ユニットBBU~BBUが充分な電気エネルギーを提供することができるか否かを知ることができる。そのため、図7Bに示すように、第1電池ユニットBBUは放電経路PD1を介して第1電源供給ユニットPSUに対して放電する。残りの電源供給ユニットPSU~PSUはそれぞれの充電経路PC2~PCNを介して対応する電池ユニットBBU~BBUに対して継続して充電する。このような操作モードで、第1電源供給ユニットPSUが第1電池ユニットBBUから充分な電気エネルギーを得ることができ、その他の電池ユニットに電力供給のサポートを要求する必要がないため、それぞれの制御ユニット131は、信号バスSが高電位電圧であるように、低電位電圧の要求命令信号SREQCMDを提供する。この場合、全ての第1スイッチSWREQ1~SWREQNと第2スイッチSWSUP1~SWSUPNはいずれもオフ状態である。
【0033】
図7Cは本発明の電源供給システムの第3操作モードを示す図である。第3操作モードと第2操作モードとの主な相違点は、第1電源供給ユニットPSUは電池ユニットによるバックアップの提供を必要とするが、第1電池ユニットBBUは充分な電気エネルギーを提供することができないことである。この場合、第1電源供給ユニットPSUはその他の電池ユニットBBU~BBUにバックアップのサポートを要求しなければならない。例を挙げると、第1電源供給ユニットPSUは3.5キロワット(kW)の電気エネルギーを提供する必要があるが、第1電池ユニットBBUは第1電源供給ユニットPSUに3キロワットの電気エネルギーのみを提供することができる。そのため、第1電源供給ユニットPSUはその他のBBU~BBUを介して0.5キロワットの電気エネルギーのサポートを提供される必要がある。
【0034】
この場合、第1電源供給ユニットPSUは、信号バスSが低電位電圧であるように、自身の制御ユニット131を介して高電位電圧の要求命令信号SREQCMDを提供する。また、制御ユニット131は第1制御信号SREQ1を介して第1スイッチSWREQ1をオンにするように制御する。また、信号バスSが低電位電圧であるため、その他の電源供給ユニットPSU~PSUはそれぞれの受信したバスレベル信号SREQI/Oを介して信号バスSが低電位電圧であることを知り、自身がサポートの要求を提出していないと判断するため、その他の電源供給ユニットがサポート要求を提出したことを知ることができる。この場合、その他の電源供給ユニットPSU~PSUは、対応する電池ユニットBBU~BBUの電気エネルギー(電池容量)状態をさらに判断し、充分な電気エネルギーを有する場合、電源供給ユニットPSU~PSUは対応する電池ユニットBBU~BBUに対する充電を停止し、電池ユニットBBU~BBUが共通バスPに結合されるように、第2制御信号SSUP2~SSUPNを介して第2スイッチSWSUP2~SWSUPNをオンにするように制御し、第1電源供給ユニットPSUが使用するように電気エネルギーを共通バスPに提供する。そのため、このような状態で、第1電源供給ユニットPSUは第1電池ユニットBBUにより放電及び電力供給される以外、その他の電池ユニットBBU~BBUにより共通バスPに提供される電気エネルギーも使用する。
【0035】
一実施形態において、その他の電池ユニットBBU~BBUが第1電源供給ユニットPSUのバックアップをサポートする能力(充分な電気エネルギー)を有し、第2スイッチSWSUP2~SWSUPNをオンにすることにより共通バスPに結合されると想定する場合、これらの該電池ユニットBBU~BBUのうち最も高い電圧を有するものは、電気エネルギーを共通バスPに優先的に提供する。例を挙げると、第2電池ユニットBBUが最も高い電圧を有する場合、第2電池ユニットBBUにより共通バスPに電気エネルギーを優先的に提供する。しかしながら、第2電池ユニットBBUが電気エネルギーを共通バスPに提供する過程にその電圧を第3台電池ユニットBBUの電圧より低く下げた場合、第2電池ユニットBBUの代わりに、第3台電池ユニットBBUが電気エネルギーを共通バスPに提供する。両者の電圧が同じである場合、2台の電池ユニットBBU、BBUが共同で電気エネルギーを共通バスPに提供する。
【0036】
他の実施形態において、第2電池ユニットBBUがバックアップをサポートする能力がなく、その他の電池ユニットBBU~BBUが第1電源供給ユニットPSUのバックアップをサポートする能力があると想定した場合、第2電源供給ユニットPSUが継続して第2電池ユニットBBUに充電するように、第2電池ユニットBBUに対応する第2スイッチSWSUP2はオフ状態であり、その他の電池ユニットBBU~BBUにより提供されるバックアップのサポート方法は上記通りであり、ここでの説明を省略する。
【0037】
図7Dは本発明の電源供給システムの第4操作モードを示す図である。第4操作モードと第3操作モードとの主な相違点は、第1電源供給ユニットPSUはバックアップのサポートを必要とし、第1電源供給ユニットPSUのバックアップをサポートする能力を有するその他の電池ユニットBBU~BBUがそれぞれの第2スイッチSWSUP2~SWSUPNを介して共通バスPに結合される場合、第2電源供給ユニットPSUもバックアップのサポートを必要とし、第2電池ユニットBBUが第2電源供給ユニットPSUに充分な電気エネルギーを提供することができる場合、電池ユニットBBUと共通バスPが切り離されるように、第2電源供給ユニットPSUは第2制御信号SSUP2を介して第2スイッチSWSUP2をオフするように制御し、第2電池ユニットBBUは放電経路PD2を介して第2電源供給ユニットPSUに対し放電することである。その他の電池ユニットBBU~BBUは依然として共通バスPに継続的に結合され、共通バスPに電気エネルギーを提供し、又は電気エネルギーを提供することを待つ。このような操作モードで、第1電源供給ユニットPSUが第1電池ユニットBBUから充分な電気エネルギーを得ることができず、その他の電池ユニットに電力供給サポートを要求する必要があるため(しかしながら、第2電源供給ユニットPSUは第2電池ユニットBBUから充分な電気エネルギーを得ることができ、その他の電池ユニットに電力供給のサポートを要求する必要がない)、信号バスSが低電位電圧であるように、第1電源供給ユニットPSUは自身の制御ユニット131を介して高電位電圧の要求命令信号SREQCMDを提供する(第2電源供給ユニットPSUを含むその他の電源供給ユニットPSU~PSUは、いずれも低電位電圧の要求命令信号SREQCMDを提供する)。
【0038】
図7Eは本発明の電源供給システムの第5操作モードを示す図である。第5操作モードと第4操作モードとの主な相違点は、第2電源供給ユニットPSUは電池ユニットによるバックアップの提供を必要とするが、第2電池ユニットBBUは充分な電気エネルギーを提供することができないことである。この場合、第2電源供給ユニットPSUはその他の電池ユニットBBU~BBUにバックアップのサポートを要求する必要がある。例を挙げると、第2電源供給ユニットPSUは3.5キロワット(kW)の電気エネルギーを提供する必要があるが、第2電池ユニットBBUは第2電源供給ユニットPSUに2.5キロワットの電気エネルギーのみを提供することができる。そのため、第1電源供給ユニットPSUがその他のBBU~BBUを介して0.5キロワットの電気エネルギーのサポートを提供する必要がある以外、第2電源供給ユニットPSUもその他のBBU~BBUを介して1.0キロワットの電気エネルギーのサポートを提供する必要がある。
【0039】
この場合、第2電源供給ユニットPSUは自身の制御ユニット131を介して高電位電圧の要求命令信号SREQCMDを提供し、また、制御ユニット131は第1制御信号SREQ2を介して第1スイッチSWREQ2をオンにするように制御する。また、信号バスSが低電位電圧であり、その他の電源供給ユニットPSU~PSUがそれぞれ受信したバスレベル信号SREQI/Oを介して信号バスSが低電位電圧であることを知り、自身がサポート要求を提出していないと判断するため、その他の電源供給ユニットがサポート要求を提出したことを知ることができる。この場合、その他の電源供給ユニットPSU~PSUは、対応する電池ユニットBBU~BBUの電気エネルギー(電池容量)状態をさらに判断し、充分な電気エネルギーを有する場合、第1電源供給ユニットPSUと第2電源供給ユニットPSUが使用するように、対応する電池ユニットBBU~BBUを制御することにより電気エネルギーを継続して共通バスPに提供する。そのため、このような状態で、第1電源供給ユニットPSUのうち第1電池ユニットBBUが放電し電力供給する以外、また第2電源供給ユニットPSUのうち第2電池ユニットBBUが放電し電力供給する以外、その他の電池ユニットBBU~BBUにより共通バスPに提供される電気エネルギーも使用される。
【0040】
図7F図7Gはそれぞれ本発明の電源供給システムの第6操作モードと第7操作モードを示す図である。このような操作モードで、さらにRSOCの検出と制御を詳しく説明する。図7Fに示すように、電池制御ユニット21は通信バスCを介して全ての電源供給ユニットPSU~PSU(の制御ユニット131)と全ての電池ユニットBBU~BBUに接続される。電池制御ユニット21は検出方法を介して各電池ユニットBBU~BBUのRSOC状態を知る(得る)ことができる。
【0041】
図7Fに示すように、第1電源供給ユニットPSUが電池ユニットによるバックアップの提供を必要としないが、第1電池ユニットBBUのRSOCが異常又は不足(以下、不足する場合は例として説明する)の場合、例えば、20%未満(即ち、臨界状態値)であるがそれに限定されない場合、電池制御ユニット21は第1電池ユニットBBUのRSOCが不足していることを知っているため、第1スイッチSWREQ1をオンにするために通信バスCを介して第1電源供給ユニットPSUに知らせ、第2電池ユニットBBUのRSOCが充分であるため、第2スイッチSWSUP2をオンにするために通信バスCを介して第2電源供給ユニットPSUに知らせる。この場合、PSUのバックアップ電力経路は、第1電池ユニットBBU自身に接続される以外、共通バスPを介して第2電池ユニットBBUに接続され、電池制御ユニット21の監視により、RSOCが充分である第2電池ユニットBBUと第1電源供給ユニットPSUの電力供給経路を事前に確立する。この場合、第1電源供給ユニットPSUは通常通りに操作し、電池ユニットによる電力供給のバックアップを必要としないため、第2電源供給ユニットPSUは依然として第2電池ユニットBBUに続けて充電する。
【0042】
図7Gに示すように、第1電源供給ユニットPSUが電池ユニットによるバックアップの提供を必要とする場合、電池制御ユニット21は既に第2電池ユニットBBUと第1電源供給ユニットPSUの電力供給経路を確立したため、第2電池ユニットBBUにより直接第1電源供給ユニットPSUに電力を供給し、この場合、第2電源供給ユニットPSUは第2電池ユニットBBUに対する充電を停止する。また、第1電池ユニットBBUのRSOCが不足して第1電源供給ユニットPSUに対する電力供給に参加できないため、第1電源供給ユニットPSUは依然として第1電池ユニットBBUに対する充電を続けて維持する。
【0043】
ちなみに、上記説明は第2電池ユニットBBUの電力供給のサポートを例としているが、実際の適用においては、第1電池ユニットBBUの代わりに、複数台の電池ユニットBBU~BBUを介して第1電源供給ユニットPSUに対する電力供給することができる。具体的には、RSOCが充分である電池ユニットBBU~BBUはいずれも共通バスPに結合され第1電源供給ユニットPSUに電力エネルギーの共有を提供することができるが、RSOCが足りない電池ユニットBBU~BBUは電力供給をサポートしない。
【0044】
また、1台の電池ユニットのみを電力の供給にサポートする場合、RSOCが充分であり最高である1つを選択してもよい。例を挙げると、第2電池ユニットBBUのRSOCが80%であり、その他の電池ユニットBBU~BBUが30%~70%(いずれもサポートできる電力供給の20%を超える)である場合、第1電池ユニットBBUの代わりに、第2電池ユニットBBUを選択して第1電源供給ユニットPSUに電力を供給することができる。
【0045】
また、上記考慮以外に、放電回数を評価とすることもできる。例を挙げると、第2電池ユニットBBUのRSOCが80%であり、第3電池ユニットBBUのRSOCが75%(RSOCの2番目で高いものである)であると想定する場合、第3電池ユニットBBUの放電回数が第2電池ユニットBBUの放電回数より少ないため、第1電池ユニットBBUの代わりに、第3電池ユニットBBUにより第1電源供給ユニットPSUに電力を供給することができる。ここで、放電回数は電池制御ユニット21により知ることができる。同様に、本発明は単一台の電池ユニットを電力供給のサポートとせず、RSOCと放電回数を総合評価することにより、複数台の電池ユニットを選択して電力の供給をサポートさせることができる。これにより、RSOCが高い電池ユニット及び/又は放電回数が少ない電池ユニットを選択して電力供給のサポートとすることにより、電池の使用寿命を延長し、エラー耐性率を低減し、電源供給システムの信頼性と安定性を向上させる。
【0046】
ちなみに、RSOCが高い電池ユニット及び/又は放電回数が少ない電池ユニットを選択して電力供給のサポートとするポリシーも、同様に、上記図7A図7Eの操作モードに適用する。技術の本質と精神が図7F図7Gに示されたものと類似し、ひいては同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0047】
図8は本発明の電源供給システムの操作方法のフローチャートである。共通電池の電源供給システムは、複数の電源供給ユニットPSU~PSUと複数の該電源供給ユニットPSU~PSUに対応する電池ユニットBBU~BBUを含む。各電源供給ユニットPSU~PSUは第1スイッチSWREQ1~SWREQNを介して共通バスPに結合される。各電池ユニットBBU~BBUは第2スイッチSWSUP1~SWSUPNを介して共通バスPに結合される。前記操作方法は以下のステップを含む。
【0048】
先に、いずれかの電源供給ユニットPSU~PSUがその他の電池ユニットBBU~BBUから電気エネルギーを得る必要があるか否かを判断する(S11)。いずれかの電源供給ユニットPSU~PSUが対応する電池ユニットBBU~BBUから充分な電気エネルギーを得ることができる場合、各電源供給ユニットPSU~PSUがその他の電池ユニットに電力供給のサポートを要求する必要がないことを表す。このような場合、これらの該電源供給ユニットPSU~PSUが通常通りに操作しているため、通常通りにシステムに必要な電源を提供することができる以外に、対応するこれらの該電池ユニットBBU~BBUに対し充電することができる。
【0049】
ステップ(S11)の判断結果が「はい」である場合、少なくとも1台の電源供給ユニットPSU~PSUがその他の電池ユニットBBU~BBUから電気エネルギーを得る必要があるため、その他の電池ユニットBBU~BBUから電気エネルギーを得る必要のある該電源供給ユニットPSU~PSUは、その他の電池ユニットBBU~BBUのバックアップのサポートを要求するために、対応する第1スイッチSWREQ1~SWREQNをオンにする(S12)。
【0050】
その後、該電源供給ユニットPSU~PSUは、その他の電池ユニットBBU~BBUから電気エネルギーを得るために、対応するその他の電池ユニットBBU~BBUと共通バスPとの間の第2スイッチSWSUP1~SWSUPNをオンにすることをその他の電源供給ユニットPSU~PSUに知らせる(S13)。例を挙げると、第1電源供給ユニットPSUが電池ユニットによるバックアップの提供を必要とする場合、第1電池ユニットBBUは充分な電気エネルギーを提供することができない。この場合、第1電源供給ユニットPSUはその他の電池ユニットBBU~BBUにバックアップのサポートを要求する必要がある。これにより、その他の電池ユニットBBU~BBUは、第1電源供給ユニットPSUに使用されるように、電気エネルギーを共通バスPに提供し、第1電源供給ユニットPSUが電力を供給する負荷又は後部の受電装置に対し充分な電気エネルギーを提供できるようにする。
【0051】
要するに、本発明は、複数の電池ユニット(BBU)を介して共通バスにより提供される電力エネルギーを共有することにより、PSUに自機の電池固有の容量及び仕様に限定されることなく、充分な放電時間及びエネルギーを充分に提供することができるようにし、電池パックの利用率を効果的に向上させるとともに、配置の柔軟性及びシステムの電源効率を向上させ、全体の安定性と信頼性を最適化するという特徴と利点を有する。
【0052】
上記は、本発明の好ましい具体的な実施例の詳細な説明と図面に過ぎず、本発明の特徴はこれに限定されず、本発明を限定するために用いられるものではなく、本発明の全ての範囲は以下の特許請求の範囲に準じるべきであり、本発明の特許請求の範囲における技術的思想及びその類似の変化に適合する実施例であれば、いずれも本発明の範疇に含まれるべきであり、当業者が本発明の範囲内で容易に想到し得る変化又は修飾はいずれも本願の特許請求の範囲に含まれることができる。
【符号の説明】
【0053】
PSU~PSU 電源供給ユニット
BBU~BBU 電池ユニット
11 充電回路
12 放電回路
13 制御回路
131 制御ユニット
132 スイッチユニット
21 電池制御ユニット
共通バス
信号バス
通信バス
SWREQ1~SWREQN 第1スイッチ
SWSUP1~SWSUPN 第2スイッチ
REQ1~SREQN 第1制御信号
SUP1~SSUPN 第2制御信号
C1~PCN 充電経路
D1~PDN 放電経路
Q1 スイッチ
R1 第1抵抗
R2 第2抵抗
REQI/O バスレベル信号
REQCMD 要求命令信号
S11~S13 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8