(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】シーリング部材及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20230712BHJP
【FI】
H01L21/304 651Z
(21)【出願番号】P 2021196665
(22)【出願日】2021-12-03
【審査請求日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0169995
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】オ,ソン フン
(72)【発明者】
【氏名】リー,サン ミン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョン ドー
(72)【発明者】
【氏名】ジェ,ジン モ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヨン フン
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0176897(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0078606(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するチャンバーに形成された溝に挿入されるシーリング部材において、
前記シーリング部材の一断面から見た時、前記シーリング部材は、
底部と、
上部と、
前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記チャンバーが有する処理空間と隣接する位置に形成される内側部と、
前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記内側部より前記処理空間から遠い位置に形成される外側部と、
前記外側部、そして前記上部の間に形成される凹部と、を含
み、
前記外側部が有する面は、前記シーリング部材が有する他面の中で少なくともいずれか1つより表面粗さが低いように研磨処理される
シーリング部材。
【請求項2】
前記凹部が有する面の中でいずれか1つは、
前記上部が有する面と平行に提供され、
前記凹部が有する面の中で他の1つは、
前記外側部が有する面と平行に提供される請求項1に記載のシーリング部材。
【請求項3】
前記凹部が有する面の中でいずれか1つの前記溝の底面からの高さは、
前記上部が有する面の前記溝の底面からの高さより低い請求項2に記載のシーリング部材。
【請求項4】
前記凹部が有する面の中で他の1つの前記処理空間までの距離は、
前記外側部が有する面の前記処理空間までの距離より短い請求項2に記載のシーリング部材。
【請求項5】
前記外側部が有する面は、
前記溝の底面に対して、傾いた形状を有する請求項1乃至請求項4のいずれかの一項に記載のシーリング部材。
【請求項6】
前記外側部は、
前記シーリング部材が圧縮される場合、前記溝が有する面と接触さ
れる請求項5に記載のシーリング部材。
【請求項7】
前記外側部が有する面は、
粗さがRa0.5以下になるように研磨処理される請求項6に記載のシーリング部材。
【請求項8】
前記上部が有する面は、
前記溝の底面と平行に提供され、
前記底部は、
前記溝の底面に向かう方向にラウンド(Round)形状を有する第1底部と、
前記溝の底面と平行に提供される面を有する第2底部と、を含む請求項1乃至請求項4のいずれかの一項に記載のシーリング部材。
【請求項9】
前記第1底部は、
前記第2底部より前記処理空間に隣接するように形成される請求項8に記載のシーリング部材。
【請求項10】
前記シーリング部材は、
前記底部から、前記上部に向かう方向に湾入されて形成される少なくとも1つ以上の溝部を含む請求項1乃至請求項4のいずれかの一項に記載のシーリング部材。
【請求項11】
基板を処理する装置において、
第1ボディーと、
前記第1ボディーと互いに組み合わせて基板が処理される処理空間を形成する第2ボディーと、
前記第1ボディー、そして前記第2ボディーの中で少なくともいずれか1つを移動させる移動部材と、
前記第1ボディー又は前記第2ボディーに形成された溝に挿入されるシーリング部材と、を含み、
前記シーリング部材の一断面から見る時、前記シーリング部材は、
底部と、
上部と、
前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記処理空間と隣接する位置に形成される内側部と、
前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記内側部より前記処理空間から遠い位置に形成される外側部と、を含み、
前記外側部が有する面は、
前記溝の底面に対して、傾いた形状を有し、
前記シーリング部材が有する他面の中で少なくともいずれか1つより表面粗さが低いように研磨処理される基板処理装置。
【請求項12】
前記溝は、
前記底部が置かれる前記底面と、
前記内側部が有する面と対向する内側面と、
前記外側部が有する面と対向する外側面と、を含み、
前記外側面は、
前記内側面又は前記底面より表面粗さが低いように研磨処理される請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記外側面は、
粗さがRa0.7乃至Ra0.8になるように研磨処理され、
前記外側部が有する面は、
粗さがRa0.5以下になるように研磨処理される請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記シーリング部材は、
前記外側部、そして前記上部の間に形成される凹部をさらに含む請求項11乃至請求項13のいずれかの一項に記載の基板処理装置
【請求項15】
前記凹部が有する面の中でいずれか1つは、
前記上部が有する面と平行に提供され、
前記凹部が有する面の中で他の1つは、
前記外側部が有する面と平行に提供される請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記凹部が有する面の中でいずれか1つの前記底面からの高さは、
前記上部が有する面の前記底面からの高さより低い請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記凹部が有する面の中で他の1つの前記処理空間までの距離は、
前記外側部が有する面の前記処理空間までの距離より短い請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
超臨界流体を利用して基板を処理する装置において、
上部ボディーと、
前記上部ボディーと互いに組み合わせて基板が処理される処理空間を形成する下部ボディーと、
前記下部ボディーを上下方向に移動させる移動部材と、
前記下部ボディーに形成された溝に挿入されるシーリング部材と、を含み、
前記シーリング部材は、
底部と、
上部と、
前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記処理空間と隣接する位置に形成される内側部と、
前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記内側部より前記処理空間から遠い位置に形成され、前記溝の底面に対して傾いた形状を有する外側部と、
前記外側部、そして前記上部間に形成される凹部と、を含み、
前記溝は、
前記底部が置かれる前記底面と、
前記内側部が有する面と対向する内側面と、
前記外側部が有する面と対向する外側面と、を含み、
前記外側部が有する面は、
前記底部、前記上部、そして前記内側部が有する面より表面粗さが低いように研磨処理され、
前記外側面は、
前記内側面、そして前記底面より表面粗さが低いように研磨処理される基板処理装置。
【請求項19】
前記外側面は、
粗さがRa0.7乃至Ra0.8になるように研磨処理され、
前記外側部が有する面は、
粗さがRa0.5以下になるように研磨処理される請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記凹部が有する面の中でいずれか1つは、
前記上部が有する面と平行に提供され、
前記凹部が有する面の中で他の1つは、
前記外側部が有する面と平行に提供され、
前記凹部が有する面の中でいずれか1つの前記底面からの高さは、
前記上部が有する面の前記底面からの高さより低く、
前記凹部が有する面の中で他の1つの前記処理空間までの距離は、
前記外側部が有する面の前記処理空間までの距離より短い請求項18又は請求項19に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシーリング部材及び基板処理装置に係る。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を製造するために、基板に写真、蝕刻、アッシング、イオン注入、そして薄膜蒸着等の様々な工程を通じて望むパターンをウエハ等の基板上に形成する。各々の工程には様々な処理液処理ガスが使用され、工程進行の際にはパーティクル、そして工程副産物が発生する。このようなパーティクル、そして工程副産物を基板から除去するために各々の工程前後には洗浄工程が遂行される。
【0003】
一般的な洗浄工程は基板をケミカル及びリンス液で処理した後に乾燥処理する。乾燥処理の一例として、基板を高速に回転させて基板上に残留するリンス液を除去する回転乾燥工程がある。しかし、このような回転乾燥方式は基板上に形成されたパターンを崩す恐れがある。
【0004】
したがって、最近には基板上にイソプロピルアルコール(IPA)のような有機溶剤を供給して基板上に残留するリンス液を表面張力が低い有機溶剤で置換し、その後、基板上に超臨界状態の処理流体を供給して基板に残留する有機溶剤を除去する超臨界乾燥工程が利用されている。超臨界乾燥工程では内部が密閉された工程チャンバーに乾燥用ガスを供給し、乾燥用ガスを加熱及び加圧する。したがって、乾燥用ガスの温度及び圧力は全て臨界点以上に上昇し、乾燥用ガスは超臨界状態に相変化する。
【0005】
このような超臨界乾燥工程を遂行する基板処理装置1は
図1、そして
図2に図示されたように上部チャンバー2、そして下部チャンバー3を含む。上部チャンバー2と下部チャンバー3は互いに組み合わせてウエハ等の基板が処理される処理空間を形成する。また、前記処理空間に基板が搬入、そして搬出されるように上部チャンバー2と下部チャンバー3の中でいずれか1つ(例えば、下部チャンバー3)は上下方向に移動可能に構成される。また、超臨界乾燥工程は、処理空間の圧力を高圧状態に維持することが重要である。したがって、上部チャンバー2と下部チャンバー3が形成する処理空間の気密性を向上させるように基板処理装置1はOリング5を含む。下部チャンバー3にはOリング5が挟まれる溝4が形成される。また、Oリング5はその断面から見る時、円形状を有する。溝4は底面4cと一側面4a、そして他側面4bを含む。
【0006】
一般的なOリングは裝着の後、圧縮状態で固定される。これと異なりに、下部チャンバー3の溝4に挟まれるOリング5は下部チャンバー3が上下方向に移動されながら、上部チャンバー2と繰り返して接触される。即ち、駆動環境に置かれるOリング5は圧縮状態、そして非圧縮状態の間でその形態が繰り返して変形される。また、Oリング5が圧縮状態、そして非比圧縮状態の間で繰り返して形態が変形しながら、
図3に図示されたようにOリング5の側面は溝4の一側面4aと他側面4bと繰り返して接触される。したがって、Oリング5の側面は磨耗される。また、Oリング5は上述したその断面から見る時、円形状を有する。即ち、Oリング5は溝4の一側面4aと他側面4bと接触する時点に線接触する。即ち、Oリング5が一側面4aと他側面4bが接触する面積が小さい。したがって、Oリング5の側面の磨耗はより容易に行われる。Oリング5が磨耗されれば、溝4に挟まれたOリング5には裕隔が発生し、このような裕隔はパーティクルを引き起こし、上部チャンバー2、そして下部チャンバー3が定義する処理空間の気密性維持を難しくする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国特許公開第10-2015-0073527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一目的は基板を効率的に処理することができるシーリング部材及び基板処理装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の一目的はチャンバーの処理空間に基板を搬入するか、或いは処理空間から基板を搬出する時、パーティクル等の不純物が発生されることを最小化することができるシーリング部材及び基板処理装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の一目的は圧縮状態、そして非圧縮状態の間で繰り返して形状が変形されるシーリング部材に磨耗が発生されることを最小化することができるシーリング部材及び基板処理装置を提供することにある。
【0011】
本発明の目的はここに制限されなく、言及されないその他の目的は下の記載から通常の技術者が明確に理解理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、基板を処理するチャンバーに形成された溝に挿入されるシーリング部材を提供する。前記シーリング部材の一断面から見た時、前記シーリング部材は、底部と、上部と、前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記チャンバーが有する処理空間と隣接する位置に形成される内側部と、前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記内側部より前記処理空間から遠い位置に形成される外側部と、前記外側部、そして前記上部間に形成される凹部と、を含むことができる。
【0013】
一実施形態によれば、前記凹部が有する面の中でいずれか1つは、前記上部が有する面と平行に提供され、前記凹部が有する面の中で他の1つは、前記外側部が有する面と平行に提供されることができる。
【0014】
一実施形態によれば、前記凹部が有する面の中でいずれか1つの前記溝の底面からの高さは、前記上部が有する面の前記溝の底面からの高さより低いことができる。
【0015】
一実施形態によれば、前記凹部が有する面の中で他の1つの前記処理空間までの距離は、前記外側部が有する面の前記処理空間までの距離より短いことができる。
【0016】
一実施形態によれば、前記外側部が有する面は、前記溝の底面に対して、傾いた形状を有することができる。
【0017】
一実施形態によれば、前記外側部は、前記シーリング部材が圧縮される場合、前記溝が有する面と接触され、前記外側部が有する面は、前記シーリング部材が有する他面の中で少なくともいずれか1つより表面粗さが低いように研磨処理されることができる。
【0018】
一実施形態によれば、前記外側部が有する面は、粗さがRa0.5以下になるように研磨処理されることができる。
【0019】
一実施形態によれば、前記上部が有する面は、前記溝の底面と平行に提供され、前記底部は、前記溝の底面に向かう方向にラウンド(Round)形状を有する第1底部と、前記溝の底面と平行に提供される面を有する第2底部と、を含むことができる。
【0020】
一実施形態によれば、前記第1底部は、前記第2底部より前記処理空間に隣接するように形成されることができる。
【0021】
一実施形態によれば、前記シーリング部材は、前記底部から、前記上部に向かう方向に湾入されて形成される少なくとも1つ以上の溝部を含むことができる。
【0022】
また、本発明は基板を処理する装置を提供する。基板処理装置は、第1ボディーと、前記第1ボディーと互いに組み合わせて基板が処理される処理空間を形成する第2ボディーと、前記第1ボディー、そして前記第2ボディーの中で少なくともいずれか1つを移動させる移動部材と、前記第1ボディー又は前記第2ボディーに形成された溝に挿入されるシーリング部材と、を含み、前記シーリング部材の一断面から見る時、前記シーリング部材は、底部と、上部と、前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記処理空間と隣接する位置に形成される内側部と、前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記内側部より前記処理空間から遠い位置に形成される外側部と、を含み、前記外側部が有する面は、前記溝の底面に対して、傾いた形状を有し、前記シーリング部材が有する他面の中で少なくともいずれか1つより表面粗さが低いように研磨処理されることができる。
【0023】
一実施形態によれば、前記溝は、前記底部が置かれる前記底面と、前記内側部が有する面と対向する内側面と、前記外側部が有する面と対向する外側面と、を含み、前記外側面は、前記内側面又は前記底面より表面粗さが低いように研磨処理されることができる。
【0024】
一実施形態によれば、前記外側面は、粗さがRa0.7乃至Ra0.8になるように研磨処理され、前記外側部が有する面は、粗さがRa0.5以下になるように研磨処理されることができる。
【0025】
一実施形態によれば、前記シーリング部材は、前記外側部、そして前記上部の間に形成される凹部をさらに含むことができる。
【0026】
一実施形態によれば、前記凹部が有する面の中でいずれか1つは、前記上部が有する面と平行に提供され、前記凹部が有する面の中で他の1つは、前記外側部が有する面と平行に提供されることができる。
【0027】
一実施形態によれば、前記凹部が有する面の中でいずれか1つの前記底面からの高さは、前記上部が有する面の前記底面からの高さより低いことができる。
【0028】
一実施形態によれば、前記凹部が有する面の中で他の1つの前記処理空間までの距離は、前記外側部が有する面の前記処理空間までの距離より短いことができる。
【0029】
また、本発明は超臨界流体を利用して基板を処理する装置を提供する。基板処理装置は、上部ボディーと、前記上部ボディーと互いに組み合わせて基板が処理される処理空間を形成する下部ボディーと、前記下部ボディーを上下方向に移動させる移動部材と、前記下部ボディーに形成された溝に挿入されるシーリング部材と、を含み、前記シーリング部材は、底部と、上部と、前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記処理空間と隣接する位置に形成される内側部と、前記底部、そして前記上部の間に形成され、前記内側部より前記処理空間から遠い位置に形成され、前記溝の底面に対して傾いた形状を有する外側部と、前記外側部、そして前記上部の間に形成される凹部と、を含み、前記溝は、前記底部が置かれる前記底面と、前記内側部が有する面と対向する内側面と、前記外側部が有する面と対向する外側面と、を含み、前記外側部が有する面は、前記底部、前記上部、そして前記内側部が有する面より表面粗さが低いように研磨処理され、前記外側面は、前記内側面、そして前記底面より表面粗さが低いように研磨処理されることができる。
【0030】
一実施形態によれば、前記外側面は、粗さがRa0.7乃至Ra0.8になるように研磨処理され、前記外側部が有する面は、粗さがRa0.5以下になるように研磨処理されることができる。
【0031】
一実施形態によれば、前記凹部が有する面の中でいずれか1つは、前記上部が有する面と平行に提供され、前記凹部が有する面の中で他の1つは、前記外側部が有する面と平行に提供され、前記凹部が有する面の中でいずれか1つの前記底面からの高さは、前記上部が有する面の前記底面からの高さより低く、前記凹部が有する面の中で他の1つの前記処理空間までの距離は、前記外側部が有する面の前記処理空間までの距離より短いことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一実施形態によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0033】
また、本発明の一実施形態によれば、チャンバーの処理空間に基板を搬入するか、或いは処理空間から基板を搬出する時、パーティクル等の不純物が発生されることを最小化することができる。
【0034】
また、本発明の一実施形態によれば、圧縮状態、そして非圧縮状態の間で繰り返して形状が変形されるシーリング部材に磨耗が発生されることを最小化することができる。
【0035】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることではなく、言及されない効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】一般的な基板処理装置の形状を示す図面である。
【
図2】
図1の基板処理装置の下部チャンバーに提供されるシーリング部材の形状を示す図面である。
【
図3】
図2のシーリング部材が上部チャンバーによって圧縮された形状を示す図面である。
【
図4】本発明の一実施形態による基板処理装置を示す図面である。
【
図5】
図4の液処理チャンバーの一実施形態を概略的に示す図面である。
【
図6】
図4の乾燥チャンバーの一実施形態を概略的に示す図面である。
【
図7】
図6の下部ボディーに形成される溝の形状を概略的に示す図面である。
【
図8】
図6のシーリング部材を下部から見た斜視図である。
【
図9】
図8のA-A’断面から見たシーリング部材が下部ボディーに形成された溝に置かれる形状を示す図面である。
【
図10】
図9のシーリング部材が上部チャンバーと接触されて圧縮される形状を示す図面である。
【
図11】
図8のB-B’断面から見たシーリング部材が下部ボディーに形成された溝に置かれる形状を示す図面である。
【
図12】本発明の他の実施形態によるシーリング部材が下部ボディーに形成された溝に置かれる形状を示す図面である。
【
図13】本発明の他の実施形態による乾燥チャンバーを概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下では添付した図面を参考として本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明することにおいて、関連された公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができていると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面の全体に亘って同一な符号を使用する。
【0038】
ある構成要素を‘含む’ということは、特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。具体的に、“含む”又は“有する”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることがであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0039】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0040】
第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的として使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま、第1構成要素は第2構成要素と称されることができ、類似に第2構成要素も第1構成要素と称されることができる。
【0041】
ある構成要素が他の構成要素に“連結されて”あるか、或いは“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されるべきである。反面に、ある構成要素が他の構成要素に“直接連結されて”いるか、或いは“直接接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、即ち“~間に”と“すぐ~間に”又は“~に隣接する”と“~に直接隣接する“等も同様に解析されなければならない。
【0042】
異なりに定義されない限り、技術的であるか、或いは科学的な用語を含んで、ここで使用されるすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されることと同一な意味である。一般的に使用される事前に定義されていることと同一の用語は関連技術の文脈の上に有する意味と一致する意味であることと解析されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的であるか、或いは過度に形式的な意味として解釈されない。
【0043】
以下では、
図4乃至
図13を参照して本発明の実施形態に対して説明する。
【0044】
図4は本発明の一実施形態による基板処理装置を示す図面である。
図4を参照すれば、基板処理装置はインデックスモジュール10、処理モジュール20、そして制御器30を含む。上部から見る時、インデックスモジュール10と処理モジュール20は一方向に沿って配置される。以下、インデックスモジュール10と処理モジュール20が配置された方向を第1の方向Xとし、上部から見る時、第1の方向Xと垂直になる方向を第2方向Yとし、第1の方向X及び第2方向Yに全て垂直になる方向を第3方向Zとする。
【0045】
インデックスモジュール10は基板Wが収納された容器Cから基板Wを処理モジュール20に搬送し、処理モジュール20で処理が完了された基板Wを容器Cに収納する。インデックスモジュール10の長さ方向は第2方向Yに提供される。インデックスモジュール10はロードポート12とインデックスフレーム14を有する。インデックスフレーム14を基準にロードポート12は処理モジュール20の反対側に位置される。基板Wが収納された容器Cはロードポート12に置かれる。ロードポート12は複数が提供されることができ、複数のロードポート12は第2方向Yに沿って配置されることができる。
【0046】
容器Cとしては前面開放一体式ポッド(Front Open Unified Pod:FOUP)のような密閉用容器が使用されることができる。容器Cはオーバーヘッドトランスファー(Overhead Transfer)、オーバーヘッドコンベア(Overhead Conveyor)、又は自動案内車両(Automatic Guided Vehicle)のような移送手段(図示せず)や作業者によってロードポート12に置かれることができる。
【0047】
インデックスフレーム14にはインデックスロボット120が提供される。インデックスフレーム14内には長さ方向が第2方向Yに提供されたガイドレール124が提供され、インデックスロボット120はガイドレール124上で移動可能に提供されることができる。インデックスロボット120は基板Wが置かれるハンド122を含み、ハンド122は前進及び後進移動、第3方向Zを軸とする回転、そして第3方向Zに沿って移動可能に提供されることができる。ハンド122は複数が上下方向に離隔されるように提供され、ハンド122は互いに独立的に前進及び後進移動することができる。
【0048】
制御器30は基板処理装置を制御することができる。制御器30は基板処理装置の制御を実行するマイクロプロセッサー(コンピュータ)から成されるプロセスコントローラと、オペレータが基板処理装置を管理するためにコマンド入力操作等を行うキーボードや、基板処理装置の稼動状況を可視化して表示するディスプレイ等で成されるユーザインターフェイスと、基板処理装置で実行される処理をプロセスコントローラの制御によって実行するための制御プログラムや、各種データ及び処理条件に応じて各構成部に処理を実行させるためのプログラム、即ち処理レシピが格納された格納部を具備することができる。また、ユーザインターフェイス及び格納部はプロセスコントローラに接続されていることができる。処理レシピは記憶部の中で記憶媒体に記憶されていることができ、記憶媒体は、ハードディスクであってもよく、CD-ROM、DVD等の可搬性ディスクや、フラッシュメモリ等の半導体メモリであってもよい。
【0049】
処理モジュール20はバッファユニット200、搬送チャンバー300、液処理チャンバー400、そして乾燥チャンバー500を含む。バッファユニット200は処理モジュール20に搬入される基板Wと処理モジュール20から搬出される基板Wが一時的に留まる空間を提供する。液処理チャンバー400は基板W上に液を供給して基板Wを液処理する液処理工程を遂行する。乾燥チャンバー500は基板W上に残留する液を除去する乾燥工程を遂行する。搬送チャンバー300はバッファユニット200、液処理チャンバー400、そして乾燥チャンバー500の間に基板Wを搬送する。
【0050】
搬送チャンバー300はその長さ方向が第1の方向Xに提供されることができる。バッファユニット200はインデックスモジュール10と搬送チャンバー300との間に配置されることができる。液処理チャンバー400と乾燥チャンバー500は搬送チャンバー300の側部に配置されることができる。液処理チャンバー400と搬送チャンバー300は第2方向Yに沿って配置されることができる。乾燥チャンバー500と搬送チャンバー300は第2方向Yに沿って配置されることができる。バッファユニット200は搬送チャンバー300の一端に位置されることができる。
【0051】
一例によれば、液処理チャンバー400は搬送チャンバー300の両側に配置し、乾燥チャンバー500は搬送チャンバー300の両側に配置され、液処理チャンバー400は乾燥チャンバー500よりバッファユニット200にさらに近い位置に配置されることができる。搬送チャンバー300の一側で液処理チャンバー400は第1の方向X及び第3方向Zに沿って各々AXB(A、Bは各々1又は1より大きい自然数)配列に提供されることができる。また、搬送チャンバー300の一側で乾燥チャンバー500は第1の方向X及び第3方向Zに沿って各々CXD(C、Dは各々1又は1より大きい自然数)が提供されることができる。上述したことと異なりに、搬送チャンバー300の一側には液処理チャンバー400のみが提供され、その他側には乾燥チャンバー500のみが提供されることができる。
【0052】
搬送チャンバー300は搬送ロボット320を有する。搬送チャンバー300内には長さ方向が第1の方向Xに提供されたガイドレール324が提供され、搬送ロボット320はガイドレール324上で移動可能に提供されることができる。搬送ロボット320は基板Wが置かれるハンド322を含み、ハンド322は前進及び後進移動、第3方向Zを軸とする回転、そして第3方向Zに沿って移動可能に提供されることができる。ハンド322は複数が上下方向に離隔されるように提供され、ハンド322は互いに独立的に前進及び後進移動することができる。
【0053】
バッファユニット200は基板Wが置かれる複数のバッファ220を具備する。バッファ220は第3方向Zに沿って相互間に離隔されるように配置されることができる。バッファユニット200は前面(front face)と背面(rear face)が開放される。前面はインデックスモジュール10と対向する面であり、後面は搬送チャンバー300と対向する面である。インデックスロボット120は前面を通じてバッファユニット200に接近し、搬送ロボット320は背面を通じてバッファユニット200に接近することができる。
【0054】
図5は
図4の液処理チャンバーの一実施形態を概略的に示す図面である。
図5を参照すれば、液処理チャンバー400はハウジング410、カップ420、支持ユニット440、液供給ユニット460、そして昇降ユニット480を有する。
【0055】
ハウジング410は基板Wが処理される内部空間を有することができる。ハウジング410は大体に六面体の形状を有することができる。例えば、ハウジング410は直方体の形状を有することができる。また、ハウジング410には基板Wが搬入されるか、或いは搬出される開口(図示せず)が形成されることができる。また、ハウジング410には開口を選択的に開閉するドア(図示せず)が設置されることができる。
【0056】
カップ420は上部が開放された筒形状を有することができる。カップ420は処理空間を有し、基板Wは処理空間内で液処理されることができる。支持ユニット440は処理空間で基板Wを支持する。液供給ユニット460は支持ユニット440に支持された基板W上に処理液を供給する。処理液は複数の種類に提供され、基板W上に順次的に供給されることができる。昇降ユニット480はカップ420と支持ユニット440との間の相対高さを調節する。
【0057】
一例によれば、カップ420は複数の回収筒422、424、426を有する。回収筒422、424、426は各々基板処理に使用された液を回収する回収空間を有する。各々の回収筒422、424、426は支持ユニット440を囲むリング形状に提供される。液処理工程が進行する時、基板Wの回転によって飛散される処理液は各回収筒422、424、426の流入口422a、424a、426aを通じて回収空間に流入される。一例によれば、カップ420は第1回収筒422、第2回収筒424、そして第3回収筒426を有する。第1回収筒422は支持ユニット440を囲むように配置され、第2回収筒424は第1回収筒422を囲むように配置され、第3回収筒426は第2回収筒424を囲むように配置される。第2回収筒424に液を流入する第2流入口424aは第1回収筒422に液を流入する第1流入口422aより上部に位置され、第3回収筒426に液を流入する第3流入口426aは第2流入口424aより上部に位置されることができる。
【0058】
支持ユニット440は支持板442と駆動軸444を有する。支持板442の上面は大体に円形に提供され、基板Wより大きい直径を有することができる。支持板442の中央部には基板Wの背面を支持する支持ピン442aが提供され、支持ピン442aは基板Wが支持板442から一定距離離隔されるようにその上端が支持板442から突出されるように提供される。支持板442の縁部にはチャックピン442bが提供される。チョクピン442bは支持板442から上部に突出されるように提供され、基板Wが回転される時、基板Wが支持ユニット440から離脱されないように基板Wの側部を支持する。駆動軸444は駆動器446によって駆動され、基板Wの底面中央と連結され、支持板442をその中心軸を基準に回転させる。
【0059】
一例によれば、液供給ユニット460はノズル462を含むことができる。ノズル462は基板Wに処理液を供給することができる。処理液はケミカル、リンス液、又は有機溶剤であり得る。ケミカルは強酸又は強塩基の性質を有するケミカルであり得る。また、リンス液は純水であり得る。また、有機溶剤はイソプロピルアルコール(IPA)であり得る。また、液供給ユニット460は複数のノズル462を含むことができ、各々のノズル462では互いに異なる種類の処理液を供給することができる。例えば、ノズル462の中でいずれか1つではケミカルが供給し、ノズル462の中で他の1つではリンス液を供給し、ノズル462の中でその他の1つでは有機溶剤を供給することができる。また、制御器30はノズル462の中で他の1つで基板Wにリンス液を供給した後、ノズル462の中でその他の1つで有機溶剤を供給するように液供給ユニット460を制御することができる。したがって、基板W上に供給されたリンス液は表面張力が小さい有機溶剤で置換されることができる。
【0060】
昇降ユニット480はカップ420を上下方向に移動させる。カップ420の上下移動によってカップ420と基板Wとの間の相対高さが変更される。これによって、基板Wに供給される液の種類に応じて処理液を回収する回収筒422、424、426が変更されるので、液を分離回収することができる。上述したことと異なりに、カップ420は固定設置され、昇降ユニット480は支持ユニット440を上下方向に移動させることができる。
【0061】
図6は
図4の乾燥チャンバーの一実施形態を概略的に示す図面である。
図6を参照すれば、本発明の一実施形態による乾燥チャンバー500は超臨界状態の乾燥用流体Gを利用して基板W上に残留する処理液を除去することができる。例えば、乾燥チャンバー500は超臨界状態の二酸化炭素(CO
2)を利用して基板W上に残留する有機溶剤を除去する乾燥工程を遂行することができる。
【0062】
乾燥チャンバー500はチャンバー510、加熱部材520、流体供給ユニット530、流体排気ライン550、移動部材560、そしてシーリング部材580を含むことができる。チャンバー510は基板Wが処理される処理空間を有することができる。チャンバー510は基板Wが処理される処理空間を提供することができる。チャンバー510は超臨界状態の乾燥用流体Gによって基板Wが乾燥処理される処理空間を提供することができる。
【0063】
チャンバー510は上部ボディー512(第1ボディーの一例)、そして下部ボディー514(第2ボディーの一例)を含むことができる。上部ボディー512、そして下部ボディー514は互いに組み合わせて基板Wが処理される処理空間を形成することができる。基板Wは処理空間で支持されることができる。例えば、基板Wは処理空間で支持部材513によって支持されることができる。支持部材513は基板Wの縁領域の下面を支持できるように構成されることができる。上部ボディー512、そして下部ボディー514の中でいずれか1つは移動部材560と結合されて上下方向に移動されることができる。例えば、下部ボディー514は移動部材560と結合されて、移動部材560によって上下方向に移動されることができる。したがって、チャンバー510の処理空間は選択的に密閉されることができる。上述した例では下部ボディー514が移動部材560と結合されて上下方向に移動することを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、上部ボディー512が移動部材560と結合されて上下方向に移動してもよい。
【0064】
加熱部材520は処理空間に供給される乾燥用流体Gを加熱することができる。加熱部材520はチャンバー510の処理空間温度を昇温させて処理空間に供給される乾燥用流体Gを超臨界状態に相変化させることができる。また、加熱部材520はチャンバー510の処理空間温度を昇温させて処理空間に供給される超臨界状態の乾燥用流体Gが超臨界状態を維持するようにすることができる。
【0065】
また、加熱部材520はチャンバー510内に埋設されることができる。例えば、加熱部材520は上部ボディー512、そして下部ボディー514の中でいずれか1つに埋設されることができる。例えば、加熱部材520は上部ボディー512、そして下部ボディー514内に提供されることができる。しかし、これに限定されることではなく、加熱部材520は処理空間の温度を昇温させることができる様々な位置に提供されることができる。また、加熱部材520はヒーターであり得る。しかし、これに限定されることではなく、加熱部材520は処理空間の温度を昇温させることができる公知された装置で多様に変形されることができる。
【0066】
流体供給ユニット530はチャンバー510の処理空間に乾燥用流体Gを供給することができる。流体供給ユニット530が供給する乾燥用流体Gは二酸化炭素(CO2)を含むことができる。流体供給ユニット530は流体供給源531、第1供給ライン533、第1供給バルブ535、第2供給ライン537、そして第2供給バルブ539を含むことができる。
【0067】
流体供給源531はチャンバー510の処理空間に供給される乾燥用流体Gを貯蔵及び/又は供給することができる。流体供給源531は第1供給ライン533及び/又は第2供給ライン537に乾燥用流体Gを供給することができる。例えば、第1供給ライン533には第1供給バルブ535が設置されることができる。また、第2供給ライン537には第2供給バルブ539が設置されることができる。第1供給バルブ535と第2供給バルブ539はオン/オフバルブであり得る。第1供給バルブ535と第2供給バルブ539のオン/オフに応じて、第1供給ライン533又は第2供給ライン537に選択的に乾燥用流体Gが流れることができる。
【0068】
上述した例では1つの流体供給源531に第1供給ライン533、そして第2供給ライン537が連結されることを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、流体供給源531は複数に提供され、第1供給ライン533は複数の流体供給源531の中でいずれか1つと連結され、第2供給ライン537は流体供給源531の中で他の1つと連結されてもよい。
【0069】
また、第1供給ライン533はチャンバー510の処理空間の上部で乾燥用ガスを供給する上部供給ラインであり得る。例えば、第1供給ライン533はチャンバー510の処理空間に上から下に向かう方向に乾燥用ガスを供給することができる。例えば、第1供給ライン533は上部ボディー512に連結されることができる。また、第2供給ライン537はチャンバー510の処理空間の下部で乾燥用ガスを供給する下部供給ラインであり得る。例えば、第2供給ライン537はチャンバー510の処理空間に下から上に向かう方向に乾燥用ガスを供給することができる。例えば、第2供給ライン537は下部ボディー514に連結されることができる。
【0070】
流体排気ライン550はチャンバー510の処理空間から乾燥用流体Gを排気することができる。流体排気ライン550は処理空間に減圧を提供する減圧部材(図示せず)と連結されることができる。減圧部材はポンプであり得る。しかし、これに限定されることではなく、減圧部材は処理空間に減圧を提供することができる公知された装置に多様に変形されることができる。
【0071】
上述した上部ボディー512、そして下部ボディー514が互いに組み合わせて形成する処理空間は、基板Wを処理する間に高圧状態に維持されることができる。したがって、上部ボディー512、そして下部ボディー514が形成する処理空間の気密性を維持できるように乾燥チャンバー500はシーリング部材580を含むことができる。シーリング部材580は上部ボディー512、そして下部ボディー514の間に配置されることができる。シーリング部材580はチャンバー510に形成された溝570に挿入されることができる。例えば、シーリング部材580が挿入される溝570は下部ボディー514に形成されることができる。
【0072】
図7は
図6の下部ボディーに形成される溝の形状を概略的に示す図面である。
図7を参照すれば、上部から見る時、下部ボディー514の縁領域にはシーリング部材580が挿入される溝570が形成されることができる。溝570は上述した上部ボディー512の下面と対向する面に形成されることができる。溝570は下部ボディー514の上面から下に向かう方向に湾入されて形成されることができる。下部ボディー514の一方向から見た断面を見る時、溝570は底面571、外側面572、そして内側面573を含むことができる。
【0073】
底面571はシーリング部材580が置かれる面であり得る。底面571は後述するシーリング部材580の底部581が置かれる面であり得る。底面571はチャンバー510の処理空間で処理される基板Wの上面又は下面と平行に提供されることができる。底面571は地面と平行に提供されることができる。底面571は下部ボディー514が移動する方向に垂直になる方向と平行することができる。
【0074】
外側面572は後述するシーリング部材580の外側部582が有する面と対向することができる。外側面572は後述する内側面573と比較する時、チャンバー510の処理空間と相対的に遠い位置に形成されることができる。外側面572は底面571に対して傾いた方向に形成されることができる。例えば、外側面572は下部ボディー514の外壁からチャンバー510の処理空間に向かう方向に上向傾いた形状を有することができる。また、外側面572はシーリング部材580の外側部582が有する面と互いに平行に提供されることができる。外側面572は後述するシーリング部材580と面接触することができる。例えば、外側面572はシーリング部材580の外側部582と面接触されることができる。この場合、シーリング部材580が外側面572と摩擦されてシーリング部材580に磨耗が発生されることができる。したがって、外側面572は表面粗さが相対的に低いように表面研磨処理されることができる。例えば、外側面572は後述する内側面573、そして底面571より表面粗さが相対的に低いように表面研磨処理されることができる。例えば、外側面572は電解研磨方式に研磨処理されることができる。例えば、外側面572は粗さがRa0.7乃至Ra0.8(例えば、Ra0.7以上Ra0.8以下)になるように研磨処理されることができる。
【0075】
内側面573は後述するシーリング部材580の内側部583が有する面と対向することができる。内側面573は上述した外側面572と比較する時、チャンバー510の処理空間と相対的に近い位置に形成されることができる。内側面573は底面571に対して垂直になる方向に形成されることができる。例えば、内側面573は底面571から上に向かう方向に形成されることができる。また、底面571から内側面573の上端の高さは、底面571から外側面572の上端の高さより相対的に低いことができる。
【0076】
図8は
図6のシーリング部材を下部から見た斜視図である。例えば、
図8は上述した溝570に置かれるシーリング部材580を下部から見た斜視図であり得る。シーリング部材580は上部又は下部から見る時、リング形状を有することができる。シーリング部材580は高温及び/又は高圧に耐えられるように耐熱性、そして耐圧性が優れた素材で提供されることができる。また、シーリング部材580はショア硬度D59以上である素材で提供されることができる。
【0077】
図9は
図8のA-A’断面から見たシーリング部材が下部ボディーに形成された溝に置かれる形状を示す図面である。
図9を参照すれば、本発明の一実施形態によるシーリング部材580は底部581、外側部582、内側部583、上部584、凹部585、そして面取り部576を含むことができる。
【0078】
底部581は溝570の底面571と互いに対向することができる。底部581は第1底部581a、そして第2底部581bを含むことができる。第1底部581aはシーリング部材580が非圧縮状態で、底面571と線接触することができる。第1底部581aは溝5870の底面571に向かう方向にラウンド(Round)形状を有することができる。第2底部581bが有する面は溝570の底面571と平行に提供されることができる。第1底部581aは第2底部581bよりチャンバー510の処理空間に隣接するように配置(又は形成)されることができる。
【0079】
外側部582は上述した溝570の外側面572と互いに対向する面を有することができる。外側部582は上述した底部581、そして後述する上部584の間に形成されることができる。例えば、外側部582は第2底部581b、そして後述する凹部585の間に形成されることができる。外側部582は後述する内側部583よりチャンバー510の処理空間から遠い位置に形成されることができる。外側部582が有する面は溝570の底面571に対して傾いた形状を有することができる。例えば、外側部582が有する面は上述した外側面572と互いに平行に提供されることができる。
【0080】
また、外側部582が有する面はシーリング部材580が圧縮状態にある場合、溝570の外側面572と互いに接触されることができる。この場合、シーリング部材580の外側部582が有する面は外側面572と接触されて磨耗されることができる。しかし、本発明の一実施形態による外側部582が有する面は上述した傾いた形状を有することができる。したがって、外側部582が有する面が外側面572と接触する時、外側部582が有する面は外側面572と面接触されることができる。即ち、一般的なOリング5と比較する時、外側部582が有する面は外側面572と接触する時、相対的に広い面積に接触されることができる。即ち、外側部582の面が外側面572と面接触されれば、外側部582が外側面572と触れ合う面積は広くなり、したがって外側部582の単位面積当たり伝達される応力のサイズは小さくなる。したがって、シーリング部材580が圧縮状態になっても、シーリング部材580に磨耗が発生されることを最大に抑制することができる。また、シーリング部材580の磨耗が抑制されるので、シーリング部材580が磨耗されながら、発生されるパーティクル水準又は低減させることができる。
【0081】
また、外側部582が有する面はシーリング部材580が有する他面の中で少なくともいずれか1つより表面の粗さが低いように研磨処理されることができる。例えば、外側部582が有する面は、底部581、後述する内側部583、上部584、そして凹部585が有する面より表面の粗さが低いように研磨処理されることができる。例えば、シーリング部材580を加工する時、中削、荒削り、仕上げ等の加工段階が遂行されることができる。外側部582が有する面には、底部581、後述する内側部583、上部584、そして凹部585が有する面より仕上げ処理が相対的に多い回数が適用されることができ、例えば、表面研磨処理された外側部582が有する面は粗さがRa0.5以下であり得る。底部581、後述する内側部583、上部584、そして凹部585が有する面は粗さが約Ra1.3水準であり得る。即ち、外側部582が有する面の粗さは底部581、後述する内側部583、上部584、そして凹部585が有する面の粗さより低いサイズを有することができる。また、外側部582が有する面の粗さと外側面572の粗さ差は、底部581、後述する内側部583、上部584、そして凹部585が有する面の粗さと外側面572の粗さ差より小さいことができる。即ち、外側部582が有する面の粗さと外側面572の粗さの差が相対的に小さいので、外側部582が有する面と外側面572が互いに摩擦されても、外側部582に磨耗が発生されることを最大に抑制することができる。
【0082】
内側部583は底部581、そして後述する上部584の間に形成されることができる。内側部583は第1底部581a、そして後述する上部584の間に形成されることができる。内側部583が有する面は上述した内側面573と互いに対向することができる。内側部583が有する面は上述した内側面573と互いに平行に提供されることができる。内側部583は外側部582より処理空間と隣接する位置に形成されることができる。
【0083】
上部584は後述する凹部585、そして上述した内側部583の間に形成されることができる。上部584は大体に平らな形状を有する面を有することができる。上部584が有する面は上部ボディー512の下面と互いに対向することができる。また、上部584が有する面の高さは上述した外側面572、そして内側面573の上端の高さより高い。
【0084】
凹部585は外側部582、そして上部584の間に形成されることができる。凹部585はシーリング部材580の角部分が大体に‘L’形状に凹んだ形状を有することができる。例えば、凹部585が有する面の中でいずれか1つは、上部584が有する面と平行に提供されることができる。このような凹部585が有する面の中でいずれか1つの底面571からの高さは、上部584が有する面の底面571からの高さより低いことができる。また、凹部585が有する面の中で他の1つは外側部582が有する面と平行するように傾くように提供されることができる。このような凹部585が有する面の中で他の1つのチャンバー100の処理空間までの距離は、外側部582が有する面の処理空間までの距離より短いことができる。即ち、凹部585はシーリング部材580の上部584から下に向かう方向に湾入され、シーリング部材580の外側部582から処理空間に向かう方向に湾入された形状を有することができる。
【0085】
下部ボディー514が上方向に移動されて、シーリング部材580が上部ボディー512と接触されれば、シーリング部材580は
図10に図示されたように圧縮状態になることができるが、この場合、シーリング部材580はチャンバー100の処理空間から上部ボディー512又は下部ボディー514の外壁に向かう方向に圧縮されることができる。シーリング部材580が圧縮される方向は側方向、そして上向傾いた方向を含むことができる。シーリング部材580の凹部585はシーリング部材580が圧縮される場合、シーリング部材580が有する部分の中で一部は溝570から離脱され、上部ボディー512、そして下部ボディー514の間の空間に巻き込むことができるが、この場合にシーリング部材580は上部ボディー512、そして下部ボディー514と接触されて磨耗されることができる。しかし、本発明の一実施形態による凹部585はシーリング部材580が圧縮されて形状が変形されても、シーリング部材580が有する部分の中で一部が溝570から離脱されることを防止してシーリング部材580が磨耗されることを最大に抑制することができる。
【0086】
再び
図9を参照すれば、シーリング部材580は面取り部586をさらに含むことができる。面取り部586は複数に提供されることができる。面取り部586の中でいずれか1つは第2底部581b、そして外側部582の間に形成されることができる。面取り部586の中で他の1つは凹部585と上部584との間に形成されることができる。面取り部586の中でその他の1つは内側部583、そして上部584の間に形成されることができる。
【0087】
再び
図8を参照すれば、シーリング部材580の下面には少なくとも1つ以上の溝部587が形成されることができる。例えば、溝部587は複数に提供され、互いに同一の間隔に離隔されて形成されることができる。例えば、溝部587は上述したシーリング部材580の底部581から上部584に向かう方向に湾入されて形成されることができる。例えば、溝部587は上述した第1底部581aから上部584に向かう方向に湾入されて形成されることができる。
【0088】
図11は
図8のB-B’断面から見たシーリング部材が下部ボディーに形成された溝に置かれる形状を示す図面である。
図11を参照すれば、シーリング部材580と溝570が有する面は一定空間DZを形成することができる。シーリング部材580と溝570が形成する一定空間DZにはシーリング部材580が磨耗されながら、発生されることができるパーティクル又は工程副産物のような不純物Pが残留することができる。本発明の一実施形態によるシーリング部材580の一定空間DZがデッドゾーン(Dead Zone)になることを防止することができる。例えば、一定空間DZに残留する不純物Pは溝部587を通じてチャンバー510の処理空間と流体連通されることができる。したがって、不純物Pはチャンバー510と連結される排気ライン550を通じて乾燥チャンバー500の外部に排出されることができる。
【0089】
図12は本発明の他の実施形態によるシーリング部材が下部ボディーに形成された溝に置かれる形状を示す図面である。本発明の他の実施形態によるシーリング部材590は上述した一実施形態によるシーリング部材580と大体に類似な形状を有することができる。例えば、シーリング部材590は底部591、外側部592、内側部593、そして上部594を含むことができる。底部591は上述した底部581と類似に第1底部591a、そして第2底部591bを含むことができる。外側部592は上述した外側部582と類似に表面研磨処理されることができる。また、上部594は第1上部594a、そして第2上部594bを含むことができる。第1上部594aはチャンバー510の処理空間と隣接する位置に形成されることができる。第1上部594aは上方向にラウンド(Round)形状を有することができる。第2上部594bはチャンバー510の処理空間と相対的に遠い位置に形成されることができる。第2上部594bが有する面は平らな形状を有することができる。
【0090】
図13は本発明の他の実施形態による乾燥チャンバーを概略的に示す図面である。上述した例ではチャンバー510が上部ボディー512、そして下部ボディー514で構成されることを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、
図13に図示されたようにチャンバー510aはベースボディー512a及びドアボディー514aを含むことができる。ベースボディー512a及びドアボディー514aは互いに組み合わせて処理空間518aを形成することができる。ベースボディー512aは側方向が開放された筒形状を有することができ、ドアボディー514aは側方向に移動されて、処理空間518aを選択的に開閉することができる。ドアボディー514aには溝570aが形成されることができる。溝570aは上述した溝570と同一又は類似な形状を有することができる。また、溝570にはシーリング部材580aが挿入されることができる。シーリング部材580aは上述した一実施形態によるシーリング部材580、又は上述した他の実施形態によるシーリング部材590と同一又は類似な形状を有することができる。また、ドアボディー514aには支持板516aが結合され、支持板516aには基板Wが支持されることができる。
【0091】
また、第1供給ライン533aは支持板516aに支持された基板Wの側部で乾燥用流体Gを供給することができる。また、第2供給ライン537aは基板Wの下部で乾燥用流体を供給することができる。また、メーン排気ライン551aは基板Wの下部で内部空間518aを排気することができる。以外の構成は上述した流体供給ユニット530、そして流体排気ライン550が有する構成が同一/類似に適用されることができる。
【0092】
上述した例ではシーリング部材580、590が超臨界流体を利用して基板Wを乾燥処理するチャンバー510に形成された溝570に挿入されることを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、シーリング部材580、590は超臨界流体ではない様々な処理流体を利用して基板Wを処理する様々なチャンバーに形成された溝にも適用されることができる。
【0093】
また、上述した例ではシーリング部材580、590が下部ボディー514に形成された溝570に提供されることを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、シーリング部材580、590は駆動環境を有する様々な基板処理装置が有する構成に同一又は類似に適用されてもよい。
【0094】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲、及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される様々な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むことと解析されなければならない。
【符号の説明】
【0095】
1 基板処理装置
2 上部チャンバー
3 下部チャンバー
510 チャンバー
512 上部ボディー
513 支持部材
514 下部ボディー
520 加熱部材
530 流体供給ユニット
550 流体排気ライン
560 移動部材
570 溝
571 底面
572 外側面
573 内側面
580 シーリング部材
581 底部
581a 第1底部
581b 第2底部
582 外側部
583 内側部
584 上部
585 凹部
586 面取り部
587 溝部