(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】課税情報管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20230712BHJP
【FI】
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2022030556
(22)【出願日】2022-03-01
(62)【分割の表示】P 2021190182の分割
【原出願日】2021-11-24
【審査請求日】2023-03-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】312017455
【氏名又は名称】勝井 英行
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】勝井 英行
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-084423(JP,A)
【文献】特開2021-144686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する課税情報管理装置であって、
家屋を特定するための家屋特定情報と、家屋の利用の状況及び利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを関連付けて記憶する第1記憶部と、
前記家屋特定情報と、家屋課税情報とを関連付けて記憶する第2記憶部と、
第1家屋特定情報に関連付けられ、
家屋の利用の状況及び家屋の利用の状況が確定した日付を少なくとも含む家屋登記情
報を含む登記電子データを外部装置から取得する第1取得部と、
取得した前記登記電子データにおいて前記第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報を特定し、当該家屋登記情報と、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第1記憶部に記憶されている前記利用状況情報とのうち、家屋の
利用の状況が確定した日付が新しい方の状況を特定する特定部と、
前記特定部が特定した状況に基づいて、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第2記憶部に記憶されている前記家屋課税情報を更新又は削除する更新部と、
を備える、課税情報管理装置。
【請求項2】
固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する課税情報管理装置であって、
家屋を特定するための家屋特定情報と、家屋の利用の状況及び利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを関連付けて記憶する第1記憶部と、
前記家屋特定情報と、当該家屋特定情報に関連付けられた、
家屋の利用の状況及び家屋の利用の状況が確定した日付を少なくとも含む家屋登記情報とを含む登記電子データを外部装置から取得する第1取得部と、
取得した前記登記電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報を特定し、当該家屋登記情報と、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第1記憶部に記憶されている前記利用状況情報とのうち、家屋の
利用の状況が確定した日付が新しい方の状況を特定する特定部と、
前記特定部が特定した状況に基づいて生成した家屋課税情報を前記第1家屋特定情報に関連付けて第2記憶部に記憶させる更新部と、
を備える、課税情報管理装置。
【請求項3】
固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する課税情報管理装置であって、
家屋を特定するための家屋特定情報と、家屋の利用の状況及び利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを関連付けて記憶する第1記憶部と、
前記家屋特定情報と、家屋課税情報とを関連付けて記憶する第2記憶部と、
前記家屋特定情報と、当該家屋特定情報に関連付けられた、
家屋の利用の状況及び家屋の利用の状況が確定した日付を少なくとも含む家屋登記情報とを含む登記電子データを外部装置から取得する第1取得部と、
取得した前記登記電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報が含まれていない場合に、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第1記憶部に記憶されている前記利用状況情報が示す家屋の
利用の状況を特定し、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第1記憶部に前記利用状況情報が記憶されていない場合に、前記第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報が示す家屋の
利用の状況を特定する特定部と、
前記特定部が特定した状況に基づいて、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第2記憶部に記憶されている家屋課税情報を更新又は削除する更新部と、
を備える、課税情報管理装置。
【請求項4】
固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する課税情報管理装置であって、
家屋を特定するための家屋特定情報と、家屋の利用の状況及び利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを関連付けて記憶する第1記憶部と、
前記家屋特定情報と、当該家屋特定情報に関連付けられた、
家屋の利用の状況及び家屋の利用の状況が確定した日付を少なくとも含む家屋登記情報とを含む登記電子データを外部装置から取得する第1取得部と、
取得した前記登記電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報が含まれていない場合に、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第1記憶部に記憶されている前記利用状況情報が示す家屋の
利用の状況を特定し、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第1記憶部に前記利用状況情報が記憶されていない場合に、前記第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報が示す家屋の
利用の状況を特定する特定部と、
前記特定部が特定した状況に基づいて生成した家屋課税情報を前記第1家屋特定情報に関連付けて第2記憶部に記憶させる更新部と、
を備える、課税情報管理装置。
【請求項5】
固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する課税情報管理装置であって、
家屋を特定するための家屋特定情報と、家屋の利用の状況及び利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを関連付けて記憶する第1記憶部と、
前記家屋特定情報と、家屋課税情報とを関連付けて記憶する第2記憶部と、
家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けられ、
家屋の利用の状況及び家屋の利用の状況が確定した日付を少なくとも含む家屋登記情報と、前記家屋特定情報に関連付けられ、前記家屋の利用の状況及び前記利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを取得する取得部と、
第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報に含まれる前
記家屋の
利用の状況及び前記利用状況情報における前記状況のうち、前記第1家屋特定情報に対応する家屋の
利用の状況が確定した日付が新しい方が示す家屋の種類又は構造が、前記第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋課税情報が示す前記家屋の種類又は構造と一致しない場合に、正しい前記家屋課税情報が前記第2記憶部に記憶されていないと判定する判定部と、
を有する、課税情報管理装置。
【請求項6】
固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する課税情報管理装置であって、
家屋を特定するための家屋特定情報と、家屋の利用の状況及び利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを関連付けて記憶する第1記憶部と、
前記家屋特定情報と、家屋課税情報とを関連付けて記憶する第2記憶部と、
第1家屋特定情報に関連付けられ、
家屋の利用の状況及び家屋の利用の状況が確定した日付を少なくとも含む家屋登記情報を含む登記電子データを取得する第1取得部と、
取得した前記登記電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報が含まれていない場合に、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第1記憶部に記憶されている前記利用状況情報が示す家屋の
利用の状況を特定し、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第1記憶部に前記利用状況情報が記憶されていない場合に、前記第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報が示す家屋の
利用の状況を特定する特定部と、
前記特定部が特定した状況が、前記第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋課税情報が示す状況と一致しない場合に、正しい前記家屋課税情報が前記第2記憶部に記憶されていないと判定する判定部と、
を備える、課税情報管理装置。
【請求項7】
正しい前記家屋課税情報が前記第2記憶部に記憶されていないと前記判定部が判定した場合、前記家屋課税情報が正しい家屋課税情報を示すように前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第2記憶部に新たな家屋課税情報を記憶させる処理を実行する更新部をさらに備える、
請求項5又は6に記載の課税情報管理装置。
【請求項8】
正しい前記家屋課税情報が前記第2記憶部に記憶されていないと前記判定部が判定し、かつ、正しくない前記家屋課税情報が前記第2記憶部に記憶されていると前記判定部が判定した場合、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第2記憶部に記憶されている前記家屋課税情報を、家屋の状況を正しく示すように更新し、又は、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記第2記憶部に記憶されている前記家屋課税情報を削除する処理を実行する更新部をさらに備える、
請求項5又は6に記載の課税情報管理装置。
【請求項9】
前記更新部が前記処理を実行した後に、前記処理を実行した後の前記家屋課税情報に基づいて課税標準額を算出する算出部をさらに有する、
請求項7に記載の課税情報管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理するための課税情報管理装置、課税情報管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地方自治体の情報管理装置は、土地や家屋の固定資産税を課税するために、課税のために必要な項目からなる課税情報を管理する(例えば、特許文献1)。この情報管理装置においては、課税情報を更新するための異動情報を法務局や現地調査結果等から取得すると、取得した異動情報に基づいて課税情報が更新され、更新された課税情報に基づいて固定資産税の課税標準額が算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
家屋の課税情報が登録ミス等により正しく更新されていない場合や、新築された家屋の課税情報が正しく作成されていない場合には、家屋の適切な課税標準額を算出することができないという問題が生じてしまう。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、家屋の課税標準額の算出に用いられる課税情報を適切な内容にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の課税情報管理装置は、固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する課税情報管理装置であって、家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けられ、登記の原因及びその日付を少なくとも含む家屋登記情報と、前記家屋特定情報に関連付けられ、前記家屋の利用の状況及び前記利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを取得する取得部と、前記家屋特定情報に関連付けられた家屋課税情報を記憶する記憶部と、第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報に含まれる前記登記の原因が示す家屋の新築、増築、減築、改築又は取壊しの状況及び前記利用状況情報における前記状況のうち、前記第1家屋特定情報に対応する家屋の状況が確定した日付が新しい方が示す前記状況が、前記第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを示しており、かつ前記第1家屋特定情報に関連付けられた課税対象となる前記家屋が建っていることを前記家屋課税情報が示していない場合に、正しい前記家屋課税情報が前記記憶部に記憶されていないと判定する判定部、とを有する。
【0007】
本発明の第2の態様の課税情報管理装置は、固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する課税情報管理装置であって、家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けられ、登記の原因及びその日付を少なくとも含む家屋登記情報と、前記家屋特定情報に関連付けられ、前記家屋の利用の状況及び前記利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを取得する取得部と、前記家屋特定情報に関連付けられた家屋課税情報を記憶する記憶部と、第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報が存在せず、前記第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを前記利用状況情報が示しており、かつ前記第1家屋特定情報に関連付けられた課税対象となる前記家屋が建っていることを前記家屋課税情報が示していない場合に、正しい前記家屋課税情報が前記記憶部に記憶されていないと判定する判定部、とを有する。
【0008】
本発明の第3の態様の課税情報管理装置は、固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する課税情報管理装置であって、家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けられ、登記の原因及びその日付を少なくとも含む家屋登記情報と、前記家屋特定情報に関連付けられ、前記家屋の利用の状況及び前記利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを取得する取得部と、前記家屋特定情報に関連付けられた家屋課税情報を記憶する記憶部と、第1家屋特定情報に関連付けられた前記利用状況情報が存在せず、前記第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを前記家屋登記情報が示しており、かつ前記第1家屋特定情報に関連付けられた課税対象となる前記家屋が建っていることを前記家屋課税情報が示していない場合に、正しい前記家屋課税情報が前記記憶部に記憶されていないと判定する判定部、とを有する。
【0009】
正しい前記家屋課税情報が前記記憶部に記憶されていないと前記判定部が判定した場合、課税対象となる家屋が建っていることを前記家屋課税情報が正しく示すように前記第1家屋特定情報に関連付けて前記記憶部に登録する処理を実行する更新部をさらに備えてもよい。前記課税情報管理装置は、正しい前記家屋課税情報が前記記憶部に記憶されていないと前記判定部が判定し、かつ前記第1家屋特定情報に関連付けて正しくないと判定した前記家屋課税情報が記憶されている場合に、前記家屋課税情報が正しい家屋課税情報を示すように前記家屋課税情報を更新する処理を実行する更新部をさらに備えてもよい。前記課税情報管理装置は、前記判定部の判定結果を情報端末へ出力する情報提供部をさらに備えてもよい。
【0010】
本発明の第4の態様の課税情報管理装置は、固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する課税情報管理装置であって、家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けられ、登記の原因及びその日付を少なくとも含む家屋登記情報と、前記家屋特定情報に関連付けられ、前記家屋の利用の状況及び前記利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを取得する取得部と、前記家屋特定情報に関連付けられた家屋課税情報を記憶する記憶部と、第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報に含まれる前記登記の原因が示す家屋の新築、増築、減築、改築又は取壊しの状況及び前記利用状況情報における前記状況のうち、前記第1家屋特定情報に対応する家屋の状況が確定した日付が新しい方が示す前記状況が、前記第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを示しておらず、かつ前記第1家屋特定情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記家屋課税情報において課税対象となる家屋が建っていることを示している場合に、正しくない前記家屋課税情報が前記記憶部に記憶されていると判定する判定部、とを有する。
【0011】
本発明の第5の態様の課税情報管理装置は、固定資産税の課税標準額の算出に用いられる課税情報を管理する課税情報管理装置であって、家屋を特定するための家屋特定情報に関連付けられ、登記の原因及びその日付を少なくとも含む家屋登記情報と、前記家屋特定情報に関連付けられ、前記家屋の利用の状況及び前記利用の状況が確定した日付を含む利用状況情報とを取得する取得部と、前記家屋特定情報に関連付けられた家屋課税情報を記憶する記憶部と、第1家屋特定情報に関連付けられた前記家屋登記情報が存在せず、前記第1家屋特定情報に関連付けられた前記利用状況情報が存在せず、かつ前記第1家屋特定情報に関連付けられた課税対象となる前記家屋が建っていることを前記家屋課税情報が示している場合に、正しくない前記家屋課税情報が前記記憶部に記憶されていると判定する判定部、とを有する。
【0012】
前記課税情報管理装置は、正しくない前記家屋課税情報が前記記憶部に記憶されていると前記判定部が判定した場合、前記第1家屋特定情報に関連付けて前記記憶部に記憶されている前記家屋課税情報を、課税対象となる家屋が建っていることを示さないように更新又は削除する処理を実行する更新部をさらに備えてもよい。前記課税情報管理装置は、前記判定部の判定結果を情報端末へ出力する情報提供部をさらに備えてもよい。前記更新部は、前記処理を実行する前に、前記処理を実行することを示すメッセージを出力させ、前記処理を実行するユーザの指示を取得した後に、前記処理を実行してもよい。前記課税情報管理装置は、前記更新部が前記処理を実行した後に、前記処理を実行した後の前記家屋課税情報に基づいて課税標準額を算出する算出部をさらに有してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、課税標準額の算出に用いられる課税情報を適切な内容にするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態の課税情報管理システムの概要を示す。
【
図7】更新部による家屋課税情報の更新の例を示す。
【
図8】課税情報管理装置による家屋課税情報の正否の判定の処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】第2判定処理を示すフローチャートである。
【
図11】第3判定処理を示すフローチャートである。
【
図12】第4判定処理を示すフローチャートである。
【
図13】課税情報管理システムの変形例である課税情報管理システムの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[課税情報管理システムSの概要]
図1は、本実施形態の課税情報管理システムSの概要を示す。課税情報管理システムSは、市区町村等の地方自治体が固定資産税の課税標準額を管理するためのシステムであり、課税情報管理装置1と、一以上の情報端末2とを備える。課税情報管理システムSは、例えば地方自治体の役所及び役場に設置されている。
【0016】
課税情報管理装置1は、例えば、コンピュータである。課税情報管理装置1は、ネットワークN1を介して、法務局等が管理するサーバ3に接続されている。課税情報管理装置1は、課税情報を生成する。課税情報は、家屋に対する課税のための家屋課税情報と、土地に対する課税のための土地課税情報とを含む。課税情報管理装置1は、生成した課税情報を管理する。課税情報管理装置1は、生成した課税情報に基づいて固定資産税の課税標準額を算出する。
【0017】
課税情報管理装置1は、生成した課税情報が登録された課税情報データベースを記憶媒体に記憶しており、ネットワークN2を介して接続された一以上の情報端末2からの要求に応じて、情報端末2に課税情報を表示させる。情報端末2は、例えば地方自治体の職員が使用するコンピュータである。ネットワークN1は例えばインターネットであり、ネットワークN2は例えばイントラネットであるが、ネットワークN2がインターネットであってもよい。
【0018】
図2は、家屋課税情報の一例を示す表である。
図2に示す課税情報は、課税情報データベースにおいて管理されている家屋特定情報に関連付けて記憶されている家屋に関する各項目の内容を示す。家屋特定情報は、家屋を特定するための情報であり、例えば、所在地番、家屋番号、不動産番号又は物件番号である。
図2に示す課税情報の項目の内容は、サーバ3から取得した登記電子データに含まれる登記情報の内容に基づいて生成されたり、地方自治体の職員により入力されたりする。
【0019】
課税情報管理装置1は、サーバ3から取得した登記電子データに含まれる登記情報に基づいて家屋課税情報を生成するが、生成した家屋課税情報が現況に合致していない場合も生じ得る。例えば、ある家屋特定情報に対応する土地に課税対象の家屋が建っているにもかかわらず、この家屋特定情報に対応する家屋課税情報において課税対象の家屋が建っていることが示されていないことがある。
【0020】
課税情報管理装置1は、いずれかの家屋特定情報(以下、第1家屋特定情報ともいう)に関連付けて記憶されている家屋課税情報をチェック対象に選択する。例えば、課税情報管理装置1は、第1家屋特定情報を指定する情報を情報端末2から取得し、取得した指定情報において指定された第1家屋特定情報に対応する家屋課税情報をチェック対象に選択する。課税情報管理装置1は、第1家屋特定情報と同じ家屋特定情報に対応する他の情報を特定又は取得する。例えば、第1家屋特定情報に対応する他の情報は、家屋登記情報及び利用状況情報である。家屋登記情報は、課税情報管理装置1がサーバ3から取得した登記電子データに含まれている。
【0021】
利用状況情報は、土地の現況地目、利用の状況又は建物の存否、種類、構造、床面積、利用の状況等と、この利用の状況が確定した日付を示す情報である。利用状況情報は、第1家屋特定情報に対応する土地又は第1家屋特定情報に対応する土地に建っている建物が撮影された撮影画像、家屋特定情報に対応する地図画像、第1家屋特定情報に対応する土地又は第1家屋特定情報に対応する土地に建っている建物の現地調査結果、評価額算出のための家屋調査、滅失登記を申請すべき者から滅失の申告がなされた場合の申告書類、農地法や消防法等に基づく許可若しくは届出等、又は状況類似区分若しくは土地を一体利用していることを示す画地等の評価情報、住民登録情報等の外部情報である。地図画像は、例えば地形図、住宅地図、地番図、公図、地積測量図、分筆図、建物図面、各階平面図、設計図又は間取り図等のように、土地又は建物の位置若しくは形状を示す任意の形式の画像である。利用状況情報は、土地に対する課税のための土地課税情報に基づいて生成されてもよい。
【0022】
以下、課税情報管理システムSにおける処理の概要を説明する。まず、課税情報管理装置1は、サーバ3から登記電子データを取得する(
図1中の(1))。課税情報管理装置1は、取得した登記電子データに含まれる家屋登記情報を取得する。課税情報管理装置1は、利用状況情報を取得する(
図1中の(2))。課税情報管理装置1は、取得した家屋登記情報に含まれる登記の原因が示す家屋の新築、増築、減築、改築又は取壊しの状況と、利用状況情報における家屋の利用の状況とのうち、家屋の状況が確定した日付が新しい方の状況を特定する(
図1中の(3))。
【0023】
課税情報管理装置1は、第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っているか否かに関し、特定した状況と、チェック対象の家屋課税情報が示す内容が一致する否かを判定する(
図1中の(4))。課税情報管理装置1は、特定した状況と、チェック対象の家屋課税情報が示す内容が一致しない場合に、正しい家屋課税情報が記憶されていないと判定する。このとき、課税情報管理装置1は、特定した状況と、家屋課税情報が示す内容が一致するように家屋課税情報の更新等の処理を実行する。このようにして、課税情報管理装置1は、家屋課税情報の誤りに起因して適切な課税標準額が算出されないことを抑制することができる。
【0024】
[課税情報管理装置1の構成]
図3は、課税情報管理装置1の構成を示す。課税情報管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、取得部131と、判定部132と、更新部133と、算出部134と、情報提供部135とを有する。
【0025】
通信部11は、ネットワークN1を介してサーバ3との間でデータを送受信したり、ネットワークN2を介して情報端末2との間でデータを送受信したりするための通信コントローラを含む。通信部11は、受信したデータを制御部13に入力する。通信部11は、受信したデータを制御部13に入力する代わりに、データを受信したことを制御部13に通知してもよい。また、通信部11は、制御部13から受けたデータを送信する。通信部11は、例えば制御部13から受けた表示用データを情報端末2に表示させるべく、表示用データを情報端末2に送信する。
【0026】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部12は、通信部11がサーバ3から受信した登記電子データに含まれている登記情報を記憶している。記憶部12は、複数の課税情報を記憶している。課税情報は、例えば、登記情報又は外部情報に基づいて作成される。課税情報は、家屋を特定するための複数の家屋特定情報に関連付けられた複数の家屋課税情報を含む。課税情報は、家屋課税情報に加えて、土地を特定するための複数の土地特定情報に関連付けられた複数の土地課税情報を含む。
【0027】
記憶部12は、土地特定情報及び家屋特定情報の少なくともいずれかと、利用状況情報とを関連付けた利用状況電子データを記憶している。利用状況情報は、土地の現況地目、利用の状況又は建物の存否、種類、構造、床面積、利用の状況等と、この利用の状況が確定した日付を含む。利用状況情報は、例えばある家屋特定情報に対応する土地又は当該家屋特定情報に対応する土地に建っている建物が撮影された撮影画像、当該家屋特定情報に対応する地図画像、当該家屋特定情報に対応する土地又は当該家屋特定情報に対応する土地に建っている建物の現地調査結果、評価額算出のための家屋調査、滅失登記を申請すべき者から滅失の申告がなされた場合の申告書類、農地法や消防法等に基づく許可若しくは届出等、又は状況類似区分若しくは土地を一体利用していることを示す画地等の評価情報、住民登録情報等を示す情報である。
【0028】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、判定部132、更新部133、算出部134及び情報提供部135として機能する。
【0029】
取得部131は、通信部11を介して、各種の情報を取得する。取得部131は、法務局で作成された登記情報(例えば、土地登記情報又は家屋登記情報)を含む登記電子データを法務局から取得する。取得部131が取得した登記電子データは、家屋を特定するための家屋特定情報と、この家屋特定情報に関連付けられた、登記の原因及びその日付を少なくとも含む家屋登記情報とを含む。取得部131は、取得した登記電子データに含まれている家屋特定情報と、家屋登記情報とを関連付けて記憶部12に記憶させる。更新部133は、登記情報に基づいて、家屋課税情報又は土地課税情報を含む課税情報を作成し、作成した課税情報を記憶部12に記憶させる。
【0030】
また、取得部131は、利用状況情報を取得する。利用状況情報は、土地又は建物の利用の状況と、この利用の状況が確定した日付を含む。取得部131は、利用状況情報を、例えば現地調査者が使用する情報端末2、又は課税情報管理装置1が管理されている役所の職員の情報端末2から取得する。本明細書の例では、取得部131は、利用状況情報と、この利用状況情報に対応する建物の家屋特定情報とを関連付けた利用状況電子データを情報端末2から取得する。取得部131は、取得した利用状況電子データを記憶部12に記憶させる。
【0031】
取得部131は、登記電子データ及び利用状況電子データを取得した後に、家屋課税情報のチェックを指示する指示情報を情報端末2から取得する。取得部131は、指示情報とともに、チェック対象の家屋課税情報に対応する家屋特定情報を指定する指定情報を情報端末2から取得する。
【0032】
[課税対象となる家屋が建っていることを示す家屋課税情報の正否の判定]
判定部132は、取得部131が取得した家屋登記情報及び利用状況情報を参照して、第1家屋特定情報に関連付けて記憶部12に記憶されている家屋課税情報の正否を判定する。まず、判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報に含まれる登記の原因が示す家屋の新築、増築、減築、改築又は取壊しの状況と、第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報における家屋の利用の状況のうち、第1家屋特定情報に対応する家屋の状況が確定した日付が新しい方の状況を特定する。
【0033】
判定部132は、特定した状況が第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを示しておらず、かつ、第1家屋特定情報に関連付けて記憶部12に記憶された家屋課税情報において課税対象となる家屋が建っていることを示している場合に、正しくない家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定する。一方、判定部132は、特定した状況が第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを示しておらず、かつ、第1家屋特定情報に関連付けて記憶部12に記憶された家屋課税情報において課税対象となる家屋が建っていることを示していない場合に、正しくない家屋課税情報が記憶部12に記憶されているとは判定しない。
【0034】
以下、
図4から
図6を参照して、家屋課税情報の正否を判定部132が判定する方法について説明する。
図4は、家屋課税情報の例を示す。
図4の例では、家屋課税情報に含まれる複数の項目のうち、家屋特定情報の一例としての所在地番及び家屋番号と、建物の種類が示されている。
【0035】
図5は、家屋登記情報の例を示す。
図5の例では、家屋登記情報に含まれる多数の項目のうち、家屋特定情報の一例としての所在地番及び家屋番号と、建物の種類、登記の原因及び原因日が示されている。
図6は、利用状況情報の例を示す。
図6の例では、建物の現地調査結果に基づいて作成された利用状況情報を示す。
図6には、利用状況情報に含まれる複数の項目のうち、家屋特定情報の一例としての所在地番及び家屋番号と、建物の種類、構造及び調査の日付が示されている。
【0036】
判定部132は、
図5の上から1段目に示すように、所在地番「1番」に関連付けられた家屋登記情報に含まれる原因日が「2015年10月1日」であることを特定する。判定部132は、
図6の上から1段目に示すように、所在地番「1番」に関連付けられた利用状況情報に含まれる調査の日付が「2014年3月1日」であることを特定する。判定部132は、所在地番「1番」に関連付けられた家屋登記情報と、所在地番「1番」に関連付けられた利用状況情報とのうち、家屋登記情報の方が家屋の状況が確定した日付が新しいと判定する。判定部132は、この家屋登記情報に含まれる建物の種類が「居宅」であり、かつ、登記の原因が「取り壊し」であるため、居宅が取り壊されたことが登記されており、居住用の家屋が建っていることが示されていないと判定する。
【0037】
一方、判定部132は、
図4の上から1段目に示すように、所在地番「1番」に関連付けられた家屋課税情報に含まれる家屋の種類は「居宅」であるため、家屋課税情報において居住用の家屋が建っていることが示されていると判定する。判定部132は、家屋登記情報と家屋課税情報とが一致しないため、正しくない家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定する。
【0038】
同様に、判定部132は、
図5の上から2段目に示す例では、所在地番「2番」に関連付けられた家屋登記情報に含まれる原因日が「1995年11月20日」であることを特定する。判定部132は、
図6の上から2段目に示すように、所在地番「2番」に関連付けられた利用状況情報に含まれる調査の日付が「2020年11月4日」であることを特定する。判定部132は、所在地番「2番」に関連付けられた家屋登記情報と、同じ所在地番「2番」に関連付けられた利用状況情報のとのうち、利用状況情報の方が家屋の状況が確定した日付が新しいと判定する。判定部132は、この利用状況情報に含まれる建物の種類が「車庫」であるため、居住用の家屋が建っていることが示されていないと判定する。
【0039】
一方、
図4の上から2段目に示すように、所在地番「2番」に関連付けられた家屋課税情報において居住用の家屋が建っていることが示されている。判定部132は、家屋登記情報と家屋課税情報とが一致しないため、正しくない家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定する。
【0040】
判定部132は、
図5の上から7段目に示す例では、所在地番「5番1」に関連付けられた家屋登記情報に含まれる原因日が「2019年6月2日」であることを特定する。判定部132は、
図6の上から7段目の所在地番「5番1」に関連付けられた利用状況情報に含まれる調査の日付が「1990年6月2日」であることを特定する。判定部132は、所在地番「5番1」に関連付けられた家屋登記情報と、所在地番「5番1」に関連付けられた利用状況情報とのうち、家屋登記情報の方が家屋の状況が確定した日付が新しいと判定する。
【0041】
判定部132は、この家屋登記情報に含まれる建物の種類が「事務所」であり、かつ、登記の原因が「新築」であるため、事務所が新築されたことが登記されており、居住用の家屋が建っていることが示されていないと判定する。一方、
図4の上から6段目に示すように、所在地番「5番1」に関連付けられた家屋課税情報において居住用の家屋が建っていることが示されている。判定部132は、家屋登記情報と家屋課税情報とが一致しないため、正しくない家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定する。
【0042】
判定部132は、
図5の上から5段目に示す例では、所在地番「4番2」に関連付けられた家屋登記情報に含まれる原因日が「2010年7月30日」であることを特定する。判定部132は、
図6の上から5段目に示すように、所在地番「4番2」に関連付けられた利用状況情報に含まれる調査の日付が「2005年10月10日」であることを特定する。判定部132は、所在地番「4番2」に関連付けられた家屋登記情報と、所在地番「4番2」に関連付けられた利用状況情報とのうち、家屋登記情報の方が家屋の状況が確定した日付が新しいと判定する。
【0043】
判定部132は、この家屋登記情報に含まれる建物の種類が「居宅」であり、かつ、登記の原因が「改築」であるため、居宅が改築されたことが登記されており、居住用の家屋が建っていることが示されていると判定する。
図4の上から5段目に示すように、所在地番「4番2」に関連付けられた家屋課税情報において居住用の家屋が建っていることが示されている。判定部132は、家屋登記情報における建物の種類と家屋課税情報における建物の種類とが一致するため、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定する。
【0044】
[課税対象となる家屋が建っていることを示していない家屋課税情報の正否の判定]
次に、課税対象となる家屋が建っていることを示していない家屋課税情報の正否を判定部132が判定する方法について説明する。判定部132は、上述のとおり、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報に含まれる登記の原因が示す家屋の新築、増築、減築、改築又は取壊しの状況及び利用状況情報における状況のうち、第1家屋特定情報に対応する家屋の状況が確定した日付が新しい方が示す状況を特定する。
【0045】
判定部132は、特定した状況が第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを示しており、かつ第1家屋特定情報に関連付けて記憶部12に記憶されている家屋課税情報が課税対象となる家屋が建っていることを示していない場合に、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定する。一方、判定部132は、特定した状況が第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを示しており、かつ第1家屋特定情報に関連付けて記憶部12に記憶されている家屋課税情報が課税対象となる家屋が建っていることを示しており、かつ特定した状況における課税対象となる家屋の状況と家屋課税情報における課税対象となる家屋の状況とが一致している場合に、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定する。
【0046】
判定部132は、
図5の上から3段目に示す例では、所在地番「3番」に関連付けられた家屋登記情報に含まれる原因日が「2018年4月2日」であることを特定する。判定部132は、
図6の上から3段目に示すように、所在地番「3番」に関連付けられた利用状況情報に含まれる調査の日付が「2019年10月7日」であることを特定する。判定部132は、所在地番「3番」に関連付けられた家屋登記情報と、同じ所在地番「3番」に関連付けられた利用状況情報とのうち、利用状況情報の方が家屋の状況が確定した日付が新しいと判定する。判定部132は、この利用状況情報に含まれる建物の種類が「居宅」であるため、居住用の家屋が建っていることが示されていると判定する。
【0047】
一方、
図4の上から3段目に示すように、所在地番「3番」に関連付けられた家屋課税情報において建物の種類は「店舗」であるため、判定部132は、家屋課税情報において居住用の家屋が建っていることが示されていないと判定する。判定部132は、利用状況情報と家屋課税情報とが一致しないため、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定する。
【0048】
判定部132は、
図5の上から4段目に示す例では、所在地番「4番1」に関連付けられた家屋登記情報に含まれる原因日が「2015年5月7日」であることを特定する。判定部132は、
図6の上から4段目に示すように、所在地番「4番1」に関連付けられた利用状況情報に含まれる調査の日付が「2006年11月19日」であることを特定する。判定部132は、所在地番「4番1」に関連付けられた家屋登記情報と、同じ所在地番「4番1」に関連付けられた利用状況情報のとのうち、家屋登記情報の方が家屋の状況が確定した日付が新しいと判定する。判定部132は、この家屋登記情報に含まれる建物の種類が「居宅」であり、かつ、登記の原因が「減築」であるため、居宅が減築されたことを示しており、居住用の家屋が建っていることが示されていると判定する。
【0049】
一方、
図4の上から4段目に示すように、所在地番「4番1」に関連付けられた家屋課税情報に含まれる建物の種類は「店舗」であるため、判定部132は、家屋課税情報において居住用の家屋が建っていることが示されていないと判定する。判定部132は、家屋登記情報と家屋課税情報とが一致しないため、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定する。
【0050】
判定部132は、
図5の上から6段目に示す例では、所在地番「4番3」に関連付けられた家屋登記情報に含まれる原因日が「2001年1月30日」であることを特定する。判定部132は、
図6の上から6段目に示すように、所在地番「4番3」に関連付けられた利用状況情報に含まれる調査の日付が「2021年10月20日」であることを特定する。判定部132は、所在地番「4番3」に関連付けられた家屋登記情報と、同じ所在地番「4番3」に関連付けられた利用状況情報のとのうち、利用状況情報の方が家屋の状況が確定した日付が新しいと判定する。判定部132は、この利用状況情報に含まれる建物の種類が「居宅」であるため、居住用の家屋が建っていることが示されていると判定する。
【0051】
一方、
図4の例では、所在地番「4番3」に関連付けられた家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないため、判定部132は、家屋課税情報において居住用の家屋が建っていることが示されていないと判定する。判定部132は、家屋登記情報と家屋課税情報とが一致しないため、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定する。
【0052】
[家屋登記情報が存在しない場合の家屋課税情報の正否の判定]
取得部131が取得した登記電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報が存在しない場合に、家屋課税情報の正否を判定部132が判定する方法について説明する。判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報が存在しない場合に、第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報を参照して、家屋課税情報の正否を判定する。
【0053】
判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報が存在せず、第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを利用状況情報が示しており、かつ第1家屋特定情報に関連付けられた課税対象となる家屋が建っていることを家屋課税情報が示していない場合に、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定する。一方、判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報が存在せず、第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを利用状況情報が示しており、かつ第1家屋特定情報に関連付けられた課税対象となる家屋が建っていることを家屋課税情報が示しており、かつ利用状況情報における課税対象となる家屋の状況と家屋課税情報における課税対象となる家屋の状況とが一致している場合に、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定する。
【0054】
判定部132は、
図5の例に示すように、取得部131が取得した登記電子データにおいて所在地番「7番」に関連付けられた家屋登記情報が存在しないことを特定する。判定部132は、
図6の最下段に示すように、所在地番「7番」に関連付けられた利用状況情報に含まれる建物の種類が「居宅」であるため、この利用状況情報において居住用の家屋が建っていることが示されていると判定する。一方、
図4の上から9段目に示すように、判定部132は、所在地番「7番」に関連付けられた家屋課税情報に含まれる建物の種類が「事務所」であるため、この家屋課税情報において居住用の家屋が建っていることが示されていないと判定する。判定部132は、利用状況情報と家屋課税情報とが一致しないため、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定する。
【0055】
[利用状況情報が存在しない場合の家屋課税情報の正否の判定]
取得部131が取得した利用状況電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在しない場合に、家屋課税情報の正否を判定部132が判定する方法について説明する。判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在しない場合に、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報を参照して、家屋課税情報の正否を判定する。
【0056】
判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在せず、第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを家屋登記情報が示しており、かつ第1家屋特定情報に関連付けられた課税対象となる家屋が建っていることを家屋課税情報が示していない場合に、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定する。一方、判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在せず、第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が建っていることを家屋登記情報が示しており、かつ第1家屋特定情報に関連付けられた課税対象となる家屋が建っていることを家屋課税情報が示しており、かつ家屋登記情報における課税対象となる家屋の状況と家屋課税情報における課税対象となる家屋の状況とが一致している場合に、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定する。
【0057】
判定部132は、
図5の最下段に示す例では、所在地番「8番」に関連付けられた家屋登記情報に含まれる建物の種類が「居宅」であり、かつ、登記の原因が「新築」であるため、居宅が新築されたことが登記されており、居住用の家屋が建っていることが示されていると判定する。一方、
図4の上から10段目に示すように、判定部132は、所在地番「8番」に関連付けられた家屋課税情報に含まれる建物の種類は「車庫」であるため、居住用の家屋が建っていることが示されていないと判定する。判定部132は、家屋登記情報と家屋課税情報とが一致しないため、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定する。
【0058】
[家屋登記情報及び利用状況情報がいずれも存在しない場合の家屋課税情報の正否の判定]
取得部131が取得した登記電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報が存在せず、かつ、取得部131が取得した利用状況電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在しない場合に、家屋課税情報の正否を判定部132が判定する方法について説明する。
【0059】
判定部132は、取得部131が取得した登記電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報が存在せず、かつ、取得部131が取得した利用状況電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在しない場合には、第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象の家屋が建っていないと判定する。判定部132は、この判定結果に基づいて、家屋課税情報の正否を判定する。判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報が存在せず、第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在せず、かつ第1家屋特定情報に関連付けられた課税対象となる家屋が建っていることを家屋課税情報が示している場合に、正しくない家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定する。
【0060】
判定部132は、
図5に示す例において所在地番「9番」に関連付けられた家屋登記情報が存在せず、かつ、
図6に示す例において所在地番「9番」に関連付けられた利用状況情報が存在しないため、所在地番「9番」に対応する土地に家屋が建っていないと判定する。一方、
図4の最下段に示すように、所在地番「9番」に関連付けられた家屋課税情報に含まれる建物の種類は「居宅」であるため、判定部132は、家屋課税情報において居住用の家屋が建っていることが示されていると判定する。判定部132は、家屋登記情報及び利用状況情報に基づく判定結果と、家屋課税情報とが一致しないため、正しくない家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定する。判定部132は、正しい家屋課税情報が記憶されているか否かの判定結果を更新部133及び情報提供部135へ通知する。
【0061】
[家屋課税情報の登録、更新又は削除]
更新部133は、判定部132の判定結果に基づいて、新たな家屋課税情報を記憶部12に登録したり、記憶部12に記憶されている家屋課税情報を更新又は削除したりする。更新部133は、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定部132が判定した場合、家屋課税情報が課税対象となる家屋の状況を正しく示すように第1家屋特定情報に関連付けて記憶部12に登録する処理を実行する。
【0062】
図7は、更新部133による家屋課税情報の更新又は登録の例を示す。
図7は、
図4に示す家屋課税情報を更新部133が更新した後の様子を示す。
図7中において更新部133により更新又は登録された項目に下線を付して示す。
【0063】
図4の例において所在地番「4番3」に関連付けられた家屋課税情報は記憶部12に記憶されていない。判定部132は、上述のように、
図6の例において同じ所在地番「4番3」に関連付けられた利用状況情報が居住用の家屋が建っていることを示しているため、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定する。このとき、更新部133は、
図7の上から6段目に示すように、所在地番「4番3」に関連付けて、居住用の家屋が建っていることを示す家屋課税情報を記憶部12に登録する。
図7の例では、この家屋課税情報は、所在地番「4番3」と、家屋番号「4番3」と、建物の種類「居宅」とを示す情報を含む。
【0064】
[家屋が建っていることを示していない家屋課税情報の更新]
更新部133は、判定部132の判定結果に基づいて、記憶部12に記憶されている家屋課税情報を更新又は削除する。更新部133は、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定部132が判定し、かつ、正しくないと判定した家屋課税情報が第1家屋特定情報に関連付けて記憶されている場合に、家屋課税情報が正しい家屋課税情報を示すように家屋課税情報を更新する処理を実行する。更新部133は、更新後の家屋課税情報と、家屋特定情報とを関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0065】
図4の上から3段目が示すように、所在地番「3番」に関連付けられた家屋課税情報は、居住用の家屋が建っていることを示していないが、所在地番「3番」に関連付けられた
図5の上から3段目の家屋登記情報及び
図6の上から3段目の利用状況情報では、居住用の家屋が建っていることが示しているため、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定部132が判定する。更新部133は、
図7の上から3段目に示す例において居住用の家屋が建っていることを示すように、記憶部12において所在地番「3番」に関連付けて記憶されている家屋課税情報を更新する。
図7の例では、更新された家屋課税情報は、建物の種類「居宅」を示す情報を含む。
【0066】
[家屋が建っていることを示す家屋課税情報の更新又は削除]
家屋が建っていることを示す家屋課税情報を更新部133が更新する方法については、課税対象の家屋が建っていることを示していない家屋課税情報を更新部133が更新する方法と同様である。更新部133は、正しくない家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定部132が判定した場合、第1家屋特定情報に関連付けて記憶部12に記憶されている家屋課税情報を、正しい家屋課税情報に更新する又は課税対象となる家屋が建っていることを示さないように削除する処理を実行する。
【0067】
図4の上から1段目に示すように、所在地番「1番」に関連付けられた家屋課税情報が居住用の家屋が建っていることを示しており、
図5の上から1段目に示す所在地番「1番」に関連付けられた家屋登記情報は居住用の家屋が取り壊されたことを示しており、正しくない家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定部132が判定する。
図7の上から1段目に示すように、更新部133は、この家屋登記情報を参照して、家屋課税情報の建物の種類を、家屋が建っていないことを示す「-(ハイフン)」に更新する。
【0068】
図4の上から2段目に示すように、所在地番「2番」に関連付けられた家屋課税情報が居住用の家屋が建っていることを示しており、
図6の上から2段目に示す所在地番「2番」に関連付けられた利用状況情報は居住用の家屋が建っていることが示しておらず、正しくない家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定部132が判定する。
図7の上から2段目に示すように、更新部133は、この利用状況情報を参照して、家屋課税情報の建物の種類を「車庫」に更新する。
【0069】
更新部133は、所在地番「2番」に関連付けられた家屋課税情報を更新する代わりに、家屋課税情報の建物の種類の「居宅」を削除することにより、所在地番「2番」に対応する土地に居住用の家屋が建っていないことを示すようにしてもよい。
【0070】
[メッセージの出力]
更新部133は、家屋課税情報を登録、更新又は削除する処理を実行する前に、家屋課税情報を登録等する処理を実行することを示すメッセージを出力させる。例えば、更新部133は、家屋課税情報を登録等する処理を実行する前に、家屋課税情報を登録等する処理を実行することを示すメッセージを情報端末2の表示部(不図示)に出力する。
【0071】
更新部133は、メッセージを出力した後に、家屋課税情報を登録等する処理を実行するユーザの指示を情報端末2から取得する。更新部133は、この指示を取得した後に、家屋課税情報を登録等する処理を実行する。
【0072】
[課税標準額の算出及び表示]
算出部134は、記憶部12に記憶されている家屋課税情報を読み出し、読み出した家屋課税情報に基づいて、課税標準額を算出する。算出部134は、更新部133が家屋課税情報を登録、更新又は削除する処理を実行した後に、家屋課税情報を登録等する処理を実行した後の家屋課税情報に基づいて課税標準額を算出する。
【0073】
情報提供部135は、通信部11を介して、情報端末2と通信する。情報提供部135は、通信部11を介して、記憶部12に記憶された複数の課税情報を情報端末2に送信し、複数の課税情報を情報端末2に表示させる。情報提供部135は、例えば、情報端末2から指定された家屋特定情報に関連付けて記憶部12に記憶されている家屋課税情報を記憶部12から読み出し、読み出した家屋課税情報を、通信部11を介して情報端末2に送信する。情報提供部135は、算出部134が算出した課税標準額を情報端末2に表示させてもよい。情報提供部135は、正しい家屋課税情報が記憶されているか否かの判定部132の判定結果を情報端末2へ出力してもよい。
【0074】
[家屋課税情報の正否の判定の処理手順]
図8は、課税情報管理装置1による家屋課税情報の正否の判定の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、例えば、取得部131が、情報端末2から課税情報のチェックを行う指示を取得したときに開始する。
【0075】
まず、取得部131は、第1家屋特定情報を指定する指定情報を情報端末2から取得する(S101)。判定部132は、取得部131が取得した登記電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報が存在するか否かを判定する(S102)。判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報が存在する場合に(S102のYES)、取得部131が取得した利用状況電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在するか否かを判定する(S103)。判定部132は、利用状況電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在する場合に(S103のYES)、第1判定処理を行い(S104)、処理を終了する。
【0076】
判定部132は、S102の判定において第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報が存在しない場合に(S102のNO)、取得部131が取得した利用状況電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在するか否かを判定する(S105)。判定部132は、利用状況電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在する場合に(S105のYES)、第2判定処理を行い(S106)、処理を終了する。
【0077】
判定部132は、S103の判定において、取得部131が取得した利用状況電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在しない場合に(S103のNO)、第3判定処理を行い(S107)、処理を終了する。判定部132は、S105の判定において、取得部131が取得した利用状況電子データにおいて第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が存在しない場合に(S105のNO)、第4判定処理を行い(S108)、処理を終了する。
【0078】
[第1判定処理]
図9は、
図8の第1判定処理(S104)を示すフローチャートである。判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報に含まれる登記の原因が示す家屋の新築、増築、減築、改築又は取壊しの状況と、第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報における家屋の利用の状況のうち、家屋の状況が確定した日付が新しい方の状況を判定する(S201)。判定部132は、課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示しているか否かを判定する(S202)。
【0079】
判定部132は、課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示している場合に(S202のYES)、S201で特定した状況が課税対象となる家屋が存在していることを示しているか否かを判定する(S203)。判定部132は、S201で特定した状況が課税対象となる家屋が存在していることを示していない場合に(S203のNO)、正しくない家屋課税情報が記憶されていると判定し(S204)、処理を終了する。
【0080】
判定部132は、S202の判定において課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示していない場合に(S202のNO)、S201で特定した状況が課税対象となる家屋が存在していることを示しているか否かを判定する(S205)。例えば、判定部132は、S202の判定において、第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が存在していないことを家屋課税情報が示している場合と、第1家屋特定情報に対応する家屋課税情報自体が存在しない場合とに、課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示していないと判定する。判定部132は、S201で特定した状況が課税対象となる家屋が存在していることを示していないと判定した場合に(S205のNO)、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定せず(S206)、処理を終了する。
【0081】
判定部132は、S203の判定において、S201で特定した状況が課税対象となる家屋が存在していることを示している場合に(S203のYES)、正しい家屋課税情報が記憶されていると判定し(S207)、処理を終了する。判定部132は、S205の判定においてS201で特定した状況が課税対象となる家屋が存在していることを示していると判定した場合に(S205のYES)、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定し(S208)、処理を終了する。
【0082】
[第2判定処理]
図10は、
図8の第2判定処理(S106)を示すフローチャートである。判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋課税情報が課税対象となる家屋が存在していることを示しているか否かを判定する(S301)。判定部132は、課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示している場合に(S301のYES)、第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が課税対象となる家屋が存在していることを示しているか否かを判定する(S302)。判定部132は、課税対象となる家屋が存在していることを利用状況情報が示していない場合に(S302のNO)、正しくない家屋課税情報が記憶されていると判定し(S303)、処理を終了する。
【0083】
判定部132は、S301の判定において課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示していない場合に(S301のNO)、第1家屋特定情報に関連付けられた利用状況情報が課税対象となる家屋が存在していることを示しているか否かを判定する(S304)。例えば、判定部132は、S301の判定において、第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が存在していないことを家屋課税情報が示している場合と、第1家屋特定情報に対応する家屋課税情報自体が存在しない場合とに、課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示していないと判定する。判定部132は、利用状況情報が課税対象となる家屋が存在していることを示していないと判定した場合に(S304のNO)、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定せず(S305)、処理を終了する。
【0084】
判定部132は、S302の判定において、利用状況情報が課税対象となる家屋が存在していることを示している場合に(S302のYES)、正しい家屋課税情報が記憶されていると判定し(S306)、処理を終了する。判定部132は、S304の判定において利用状況情報が課税対象となる家屋が存在していることを示していると判定した場合に(S304のYES)、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定し(S307)、処理を終了する。
【0085】
[第3判定処理]
図11は、
図8の第3判定処理(S107)を示すフローチャートである。
図11の処理手順は、判定部132が利用状況情報の代わりに家屋登記情報を参照して家屋課税情報の正否を判定する点を除き、
図10の処理手順と同様である。判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋課税情報が課税対象となる家屋が存在していることを示しているか否かを特定する(S401)。
【0086】
判定部132は、課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示している場合に(S401のYES)、第1特定情報に関連付けられた家屋登記情報に含まれる登記の原因が示す家屋の新築、増築、減築、改築又は取壊しの状況が課税対象となる家屋が存在していることを示しているか否かを判定する(S402)。判定部132は、家屋登記情報に含まれる登記の原因が示す家屋の新築等の状況が課税対象となる家屋が存在していることを示していない場合に(S402のNO)、正しくない家屋課税情報が記憶されていると判定し(S403)、処理を終了する。
【0087】
判定部132は、S401の判定において課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示していない場合に(S401のNO)、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋登記情報に含まれる登記の原因が示す家屋の新築等の状況が課税対象となる家屋が存在していることを示しているか否かを判定する(S404)。例えば、判定部132は、S401の判定において、第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が存在していないことを家屋課税情報が示している場合と、第1家屋特定情報に対応する家屋課税情報自体が存在しない場合とに、課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示していないと判定する。判定部132は、家屋登記情報に含まれる登記の原因が示す家屋の新築等の状況が課税対象となる家屋が存在していることを示していないと判定した場合に(S404のNO)、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定せず(S405)、処理を終了する。
【0088】
判定部132は、S402の判定において、家屋登記情報に含まれる登記の原因が示す家屋の新築等の状況が課税対象となる家屋が存在していることを示している場合に(S402のYES)、正しい家屋課税情報が記憶されていると判定し(S406)、処理を終了する。判定部132は、S404の判定において家屋登記情報に含まれる登記の原因が示す家屋の新築等の状況が課税対象となる家屋が存在していることを示していると判定した場合に(S404のYES)、正しい家屋課税情報が記憶部12に記憶されていないと判定し(S407)、処理を終了する。
【0089】
[第4判定処理]
図12は、
図8の第4判定処理(S108)を示すフローチャートである。判定部132は、第1家屋特定情報に関連付けられた家屋課税情報が課税対象となる家屋が存在していることを示しているか否かを判定する(S501)。判定部132は、課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示していない場合に(S501のNO)、正しくない家屋課税情報が記憶されていると判定せず(S502)、処理を終了する。例えば、判定部132は、S501の判定において、第1家屋特定情報に対応する土地に課税対象となる家屋が存在していないことを家屋課税情報が示している場合と、第1家屋特定情報に対応する家屋課税情報自体が存在しない場合とに、課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示していないと判定する。判定部132は、S501の判定において課税対象となる家屋が存在していることを家屋課税情報が示している場合に(S501のYES)、正しくない家屋課税情報が記憶部12に記憶されていると判定し(S503)、処理を終了する。
【0090】
[変形例]
図13は、課税情報管理システムSの変形例である課税情報管理システムS1の構成を示す。
図1に示した課税情報管理システムSにおいては、課税情報管理装置1が、課税情報を生成及び管理するとともに、生成した課税情報に基づいて課税標準額を算出する場合を例示した。これに対して、
図13に示す課税情報管理システムS1は、課税情報を生成及び管理する課税情報管理装置1aと、課税情報管理装置1aが生成した課税情報に基づいて課税標準額を算出する課税標準額算出装置4とを個別に有している。この場合、課税情報管理装置1aが、
図3に示した制御部13の各部の機能を有していてもよく、課税標準額算出装置4が、
図3に示した制御部13の各部の機能を有していてもよい。
【0091】
[課税情報管理装置1による効果]
以上説明したように、判定部132は、家屋登記情報及び利用状況情報に基づいて、家屋課税情報の正否を判定する。このようにして、判定部132は、家屋課税情報の誤りに起因して適切な課税標準額が算出されないことを抑制することができる。
【0092】
整理すると、本実施形態の課税情報管理装置1は、所在地番又は家屋番号等である家屋特定情報をキーにして、
(1)家屋特定情報と一致する所在地番又は家屋番号を含む家屋登記情報を特定し、特定した家屋登記情報に登録されている情報(新築、増築、減築、家屋の種類、家屋の構造、家屋の床面積、日付等)を特定する。
(2)家屋特定情報と一致する所在地番又は家屋番号を含む利用状況情報を特定し、特定した利用状況情報に登録されている情報(土地の現況地目、土地の利用の状況、家屋の存否、家屋の種類、家屋の構造、家屋の床面積、家屋の利用の状況、日付など写真又は現地調査で確認できた内容)を特定する。
(3)家屋特定情報と一致する所在地番又は家屋番号を含む家屋課税情報を特定し、特定した家屋課税情報に登録されている情報(家屋の存否、新築、増築、減築、家屋の種類、家屋の構造、家屋の床面積等)を特定する。
(4)上記(1)及び(2)の登録されている情報に基づいて、(3)の家屋課税情報が正しいかどうかをチェックする。
(5)家屋課税情報が正しくない場合は、家屋課税情報を登録、更新又は削除する。
(6)正しい家屋課税情報が登録された、又は正しい家屋課税情報に更新された後に、登録又は更新された家屋課税情報に基づいて、課税標準額を算出する。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0094】
1 課税情報管理装置
1a 課税情報管理装置
2 情報端末
3 サーバ
4 課税標準額算出装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 判定部
133 更新部
134 算出部
135 情報提供部
N1 ネットワーク
N2 ネットワーク
S 課税情報管理システム
S1 課税情報管理システム