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特許7312323トルクリミッタを有するクリーニングツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-11
(45)【発行日】2023-07-20
(54)【発明の名称】トルクリミッタを有するクリーニングツール
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/85 20200101AFI20230712BHJP
【FI】
A24F40/85
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022529645
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2020083590
(87)【国際公開番号】W WO2021110548
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】19213279.3
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ヌーノ バティスタ ルイ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ツント アントワーヌ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/175104(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/166595(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/192371(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/175099(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3215374(JP,U)
【文献】特表2002-529678(JP,A)
【文献】独国実用新案第29617167(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 9/04、 9/06
A24F 40/85、47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置用のクリーニングツールであって、前記クリーニングツールがクリーニングヘッドおよびハンドルを備え、前記クリーニングヘッドの少なくとも一部が前記ハンドル内に回転可能に据え付けられていて、前記クリーニングツールが、前記クリーニングヘッドと前記ハンドルの間に配設された少なくとも一つの懸架要素をさらに備え、所定の閾値を下回るトルクが前記クリーニングヘッドと前記ハンドルの間にかけられる場合、前記クリーニングヘッドと前記ハンドルの間の相対的な回転を防止するために前記クリーニングヘッドを前記ハンドルと係合するように前記懸架要素が配設されていて、かつ前記クリーニングヘッドと前記ハンドルの間に所定の閾値を上回るトルクがかけられる場合、前記クリーニングヘッドを前記ハンドルから係脱するように前記懸架要素が構成されている、クリーニングツール。
【請求項2】
前記ハンドルと前記クリーニングヘッドの間の前記トルクの前記所定の閾値が、3センチニュートンメートル(cN.m)~27cN.mである、請求項1に記載のクリーニングツール。
【請求項3】
前記懸架要素が弾性要素をえる、請求項1~2のいずれかに記載のクリーニングツール。
【請求項4】
前記クリーニングツールが少なくとも二つの懸架要素を備える、請求項1~3のいずれかに記載のクリーニングツール。
【請求項5】
前記懸架要素が前記ハンドルの内壁上で円周状に配設されている、請求項4に記載のクリーニングツール。
【請求項6】
前記二つの懸架要素が半径方向に相互に向かい合って配設されている、請求項4または請求項5に記載のクリーニングツール。
【請求項7】
前記クリーニングヘッドおよび前記ハンドルのうちの一方または両方が少なくとも一つの空洞を備え、かつ前記懸架要素が前記空洞と係合するように構成されている、請求項1~6のいずれかに記載のクリーニングツール。
【請求項8】
少なくとも二つの空洞が提供されていて、かつ前記空洞が前記クリーニングヘッドの近位端を包囲して円周状に配設されている、請求項7に記載のクリーニングツール。
【請求項9】
前記クリーニングヘッドが円筒状である、請求項1~8のいずれかに記載のクリーニングツール。
【請求項10】
前記ハンドルが、前記クリーニングヘッドの少なくとも一部を据え付けるための遠位開放端と、反対側の近位閉鎖端とを有する中空円筒形状を有する、請求項1~9のいずれかに記載のクリーニングツール。
【請求項11】
前記クリーニングヘッドが、前記ハンドルの溝の中に回転的に据え付けられたサイドタップを備える、または前記ハンドルが、前記クリーニングヘッドの溝の中に回転的に据え付けられたサイドタップを備える、請求項1~10のいずれかに記載のクリーニングツール。
【請求項12】
前記クリーニングヘッドが、クリーニング手段を備え、前記クリーニング手段が前記クリーニングヘッドの遠位端に隣接して配設されていて、かつ前記クリーニング手段が前記ハンドルの前記遠位端を越えて延在している、請求項1~11のいずれかに記載のクリーニングツール。
【請求項13】
前記ハンドルが、前記クリーニングヘッドの近位端面内の対応する中央ノッチとの係合のために近位内壁にある中央隆起部を備える、または前記ハンドルが、前記クリーニングヘッドの近位端面内の対応する中央隆起部との係合ために近位内壁にある中央ノッチを備える、請求項1~12のいずれかに記載のクリーニングツール。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載のクリーニングツールとエアロゾル発生装置とを備えるシステムであって、前記エアロゾル発生装置が、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成された空洞を備え、前記エアロゾル発生装置が、前記空洞内に配設された発熱体を備え、かつ前記クリーニングツールの前記クリーニングヘッドが、前記空洞および前記発熱体のうちの一つ以上のクリーニングのために、前記エアロゾル発生装置の前記空洞の中に挿入されるように構成されている、システム。
【請求項15】
前記発熱体がブレード形状の発熱体として構成されていて、前記発熱体がその厚さよりも大きい幅寸法を有し、かつテーパー付き端を有する、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生装置用のクリーニングツールに関する。具体的に本発明は、エアロゾル発生装置の少なくとも発熱体をクリーニングするためのクリーニングツールに関する。本発明は、クリーニングツールとエアロゾル発生装置とを備えるシステムにさらに関する。
【0002】
吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル形成基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当業界で周知である。エアロゾル発生物品はエアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されてもよい。典型的に、こうした加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは熱源から物理的に別個のエアロゾル形成基体または材料への熱の伝達によって発生する。エアロゾル形成基体は熱源内に、熱源の周りに、または熱源の下流に位置してもよい。使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
たばこ基体などのエアロゾル形成基体が加熱された時に、揮発性化合物が放出される。発熱体からの熱によって放出されたエアロゾルは、エアロゾル発生装置上に、特に発熱体の表面上に堆積されるようになる場合がある。エアロゾル形成基体自体の粒子もまた、特に発熱体がエアロゾル形成基体と直接接触している場合、発熱体に付着するようになる場合がある。例えば、加熱ブレードの形態の発熱体は、たばこ基体を摂氏200度~摂氏350度の温度に加熱して、揮発性化合物を放出する場合がある。残留物は使用後に装置の空洞内部に集まる場合がある。
【0004】
従って、発熱体と、発熱体が中にまたは周りに位置する空洞とを定期的にクリーニングすることが望ましい。発熱体上に、またはエアロゾル発生装置の空洞内に付着および堆積した粒子および化合物を除去するためのこうした定期的なクリーニングは、エアロゾル発生装置の最適な性能を確実にする場合がある。発熱体をクリーニングすること、および空洞内のきれいな状態を維持することは、エアロゾルの最適な風味感覚を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クリーニングツールは通常、発熱体または空洞から残留物を除去するために、物理的接触に頼るクリーニングヘッドを備える。動作中、ユーザーはクリーニングツールのクリーニングヘッドを空洞の中に挿入する場合がある。クリーニングヘッドの移動は、空洞および発熱体のうちの一方または両方のクリーニング作用をもたらす場合がある。潜在的な不都合は、クリーニングツールの回転がエアロゾル発生装置の要素(例えば発熱体)を損傷する場合があることである。これは、エアロゾル形成基体の中への挿入のためにテーパー付き端を有する実質的にブレード形状にされた発熱体に対して特に当てはまる。こうした加熱ブレードは、その厚さ寸法よりも大きい幅寸法を有する。ブレードの厚さは通常、エアロゾル形成基体の中へのその挿入を容易にするために、約0.2mm~0.5mmであることが好ましい。ピン構造と比較して、こうした薄い平坦なブレードは、特にクリーニング動作に伴いクリーニングツールに過剰なトルクが使用される場合、クリーニングツールによって伝達される過剰なねじりによる損傷に対して非常に脆弱である可能性がある。
【0006】
クリーニングを最適化するクリーニングツールを有することが望ましいことになる。クリーニングツールの使用中に、エアロゾル発生装置の要素(特に発熱体)の損傷を防止するクリーニングツールを有することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置用のクリーニングツールが提供されている。クリーニングツールはクリーニングヘッドおよびハンドルを備える。クリーニングヘッドの少なくとも一部は、ハンドル内に回転可能に据え付けられている。クリーニングツールは、クリーニングヘッドとハンドルの間に配設された少なくとも一つの懸架要素をさらに備える。懸架要素は、所定の閾値を下回るトルクがクリーニングヘッドとハンドルの間にかけられる場合、クリーニングヘッドとハンドルの間の相対的な回転を防止するためにクリーニングヘッドをハンドルと係合するように配設されている。懸架要素は、所定の閾値を上回るトルクがクリーニングヘッドとハンドルの間にかけられる場合、クリーニングヘッドをハンドルから係脱するように構成されている。
【0008】
本発明によるクリーニングツールを用いて、クリーニングツールでクリーニングされるエアロゾル発生装置の発熱体への損傷を防止することができる。特に、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するために構成されている空洞の中にクリーニングツールが挿入される場合、クリーニングツールは、空洞または空洞内に配設された発熱体のうちの一方または両方をクリーニングするように構成されてもよい。クリーニング動作中にユーザーは、クリーニングツールを発熱体に対して回転させる場合があり、これによって発熱体に曲げ効果(すなわちトルク)をかける場合がある。発熱体の縁(複数可)と発熱体の中心軸との間の距離(すなわち運動量アーム)が増大するので、発熱体の幅寸法が増大する時にトルクは増加する。それ故に、ブレードの形態の発熱体は、ピンまたは針の形態の発熱体よりも、ねじり力による損傷に対する感受性が高い。本発明によるクリーニングツールを用いると、クリーニングツールを回転させるためにユーザーによってかけられたトルクが所定の閾値を上回る場合、懸架要素はクリーニングヘッドをハンドルから係脱し、これによってクリーニングヘッドはハンドルから連結を外され、ハンドルはクリーニングヘッドに対して回転することができる。結果として、ユーザーによってハンドルにかけられた高いトルクはもはや、クリーニングヘッドを回転させるようにクリーニングヘッドに伝達されない。それ故に、発熱体にかけられたトルクは制限され、所定の閾値を超えることはできない。従って、クリーニングヘッドを損傷するリスクは低減される。
【0009】
ハンドルは円筒形状を有してもよい。ハンドルは中空円筒形状を有してもよい。ハンドルは側壁を有してもよい。側壁は、ユーザーによって把持される外表面を備えてもよい。外表面は、増加した摩擦を有して構成されてもよい。外表面は、回転動作を容易にするためにユーザーによって把持された時に摩擦を増加させるために、突出部および溝、または任意の他の周知の手段を備えてもよい。ハンドルは一方の端にて開放していてもよい。この開放端は開放遠位端であってもよい。開放端はクリーニングヘッドを受容するために構成されてもよい。開放端はハンドルの遠位端にて配設されてもよい。開放端の反対側である、ハンドルの近位端は閉鎖していてもよい。
【0010】
「遠位」という用語はクリーニングツールの使用の方向を指す。エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されるクリーニングツールの端は、クリーニングツールの遠位端である。「近位」という用語は「遠位」方向と反対側の方向を指す。ユーザーによって保持された、またはユーザーの方を向いているクリーニングツールの端は、クリーニングツールの近位端である。
【0011】
クリーニングヘッドは円筒形状を有してもよい。クリーニングヘッドの外径は、中空円筒状ハンドルの内径に対応してもよく、または中空円筒状ハンドルの内径よりもわずかに小さくてもよい。ハンドル内に据え付けられたクリーニングヘッドの少なくとも近位部分は、中空円筒状ハンドルの内径に対応する、または中空円筒状ハンドルの内径よりもわずかに小さい外径を有してもよい。クリーニングヘッドの遠位部分は、エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されるように構成されてもよい。クリーニングヘッドの遠位部分は、ハンドルの開放端を越えて延びてもよい。クリーニングヘッドの遠位部分は、エアロゾル発生装置の空洞の中に篏合するように寸法設定されてもよい。クリーニングツールがエアロゾル発生装置をクリーニングするために使用されていて、クリーニングヘッドの遠位部分がエアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されている時、クリーニングツールのハンドル内に据え付けられたクリーニングヘッドの近位部分は、エアロゾル発生装置の空洞から突き出ていてもよい。ユーザーはクリーニングツールを使用するために、クリーニングツールのハンドルを把持してもよい。
【0012】
トルクはまた、ユーザーによってかけられる曲げ効果を表す場合がある。トルクは、回転軸からの力の作用線の直角を成す距離をねじり力に乗じた積であるため、接線方向でクリーニングツールのハンドルにユーザーによってかけられた力の大きさに比例する。特に、クリーニングヘッドは、空洞の中へのクリーニングヘッドの挿入後に、エアロゾル発生装置の空洞内に保持されてもよい。クリーニングヘッドは例示的に、クリーニングヘッドおよび空洞の相補的な形状によって保持されてもよい。ユーザーがハンドルの把持中およびクリーニングツールの動作中に、ハンドルに接線方向の力をかける時に、トルクはクリーニングヘッドにかけられた曲げ効果を特に表す場合がある。
【0013】
ハンドルとクリーニングヘッドの間のトルクの所定の閾値は、3センチニュートンメートル(cN.m)~27cN.mであってもよく、好ましくは9cN.m~17cN.mである。第一の所定の閾値は、トルクがユーザーによってクリーニングツールのハンドルにかけられる場合、発熱体の損傷を防止することが好ましい。
【0014】
一般的に懸架要素は、クリーニングヘッドとハンドルの間の係合を作り出すために、任意の適切な形態のトルクリミッタ(磁気的トルクリミッタ、ボール戻り止めタイプのリミッタ、または爪およびばねタイプのリミッタなど)であってもよい。好ましくは、懸架要素は弾性要素を備えてもよい。弾性要素は好ましくは、ばねとして構成されてもよい。懸架要素は、ばねとして構成されてもよい。弾性要素は、例えばゴムなどの弾性材料を含んでもよい。
【0015】
弾性要素は、クリーニングツールのハンドルおよびクリーニングヘッドのうちの一方または両方を係合するために構成されてもよい。弾性要素は、所定の閾値を下回るトルクがクリーニングヘッドとハンドルの間にかけられる場合、ハンドルをクリーニングヘッドと係合するように構成されてもよい。弾性要素は同様に、いかなるトルクもクリーニングヘッドとハンドルの間にかけられない場合、ハンドルをクリーニングヘッドと係合するように構成されてもよい。弾性要素は、所定の閾値を上回るトルクがクリーニングヘッドとハンドルの間にかけられる場合、ハンドルをクリーニングヘッドから係脱するように構成されてもよい。弾性要素の係脱は、クリーニングヘッドをハンドルとの連結から外し、ハンドルとクリーニングヘッドの間の相対的な回転を可能にしてもよい。すなわち、弾性要素の係脱は、ハンドルが単独でクリーニングヘッドに対して回転することを可能にする。そうすることによって、ユーザーによってハンドルにかけられたトルクはもはや、クリーニングヘッドに伝達されない。
【0016】
クリーニングツールは少なくとも二つの懸架要素を備えてもよい。クリーニングツールは三つ以上の懸架要素を備えてもよい。クリーニングツールは複数の懸架要素を備えてもよい。
【0017】
懸架要素は、クリーニングヘッドの近位端を包囲して円周状に配設されてもよい。クリーニングヘッドの近位端は、クリーニングヘッドの近位部分の端に配設されてもよい。懸架要素の円周状の包囲する配設は、ハンドルとクリーニングヘッドの間の確実な係合を可能にする場合がある。この配設は、ユーザーによって懸架要素にかけられたトルクの均一な伝達を支持する場合がある。
【0018】
二つの懸架要素は半径方向に相互に向かい合って配設されてもよい。三つ以上の懸架要素が提供されている場合、懸架要素は、クリーニングヘッドの近位端の周りの円形状の配設で相互から均等に離隔されていることが好ましい。懸架要素の対が提供されている場合、好ましくは懸架要素の対は、相互に向かい合って配設されてもよい。
【0019】
クリーニングヘッドおよびハンドルのうちの一方または両方は、少なくとも一つの空洞を備えてもよい。懸架要素は空洞と係合するように構成されてもよい。クリーニングヘッドとハンドルの間の懸架要素に提供される係合は、空洞を係合する懸架要素によって容易になる場合がある。例示的に、クリーニングヘッドは空洞を備えてもよく、また懸架要素はハンドル上に据え付けられてもよく、またはハンドルと一体的に形成されてもよい。懸架要素が空洞を係合する時、ハンドルとクリーニングヘッドの間の係合は容易になる。別の方法として、ハンドルは空洞を備えてもよく、また懸架要素はクリーニングヘッド上に据え付けられてもよく、またはクリーニングヘッドと一体的に形成されてもよい。同様に、懸架要素がこの代替的な配設に従って空洞を係合する時、ハンドルとクリーニングヘッドの間の係合は容易になる。
【0020】
ハンドルおよびクリーニングヘッドのうちの一方または両方における空洞は、懸架要素の係合を容易にするための一つの選択肢である。突出部または溝などの任意の他の周知の構造は、懸架要素の係合を容易にするために代替的に利用されてもよい。一般的に懸架要素は、ハンドルおよびクリーニングヘッドと別個の要素であってもよい。懸架要素は、ハンドル内に据え付けられてもよく、またクリーニングヘッド内の対応する構造(空洞など)を係合するように構成されてもよい。別の方法として、または追加的に、懸架要素は、クリーニングヘッド内に据え付けられ、またハンドル内の空洞などの対応する構造を係合するように構成されてもよい。さらなる代替として、懸架要素は、ハンドルと一体的に形成され、かつクリーニングヘッドの対応する構造を係合するよう構成されてもよく、またはその逆も可である。
【0021】
少なくとも二つの懸架要素が提供されている場合、対応する数の対応する係合構造が提供されてもよい。例示的に、二つの懸架要素が提供されている場合、二つの懸架要素と係合するために二つの空洞が提供されてもよい。対応する係合構造は、すべての懸架要素が対応する構造と同時に係合するように、配設されていることが好ましい。その結果として、かけられたトルクが所定の閾値を超える場合、すべての懸架要素は、対応する係合構造を同時に係脱することが好ましい。
【0022】
別の方法として、提供される対応する係合構造の数は、懸架要素の数より多くてもよい。例えば、二つの懸架要素が提供される時、係合のために、八つの空洞(図2に示す通り)などの二つ以上の空洞が提供されてもよい。提供される懸架要素の数は、所定の所望のトルク閾値に良好に依存してもよい。所望のトルク閾値を設定することによって、クリーニングツールのハンドルからクリーニングヘッドに伝達されうるトルクが制限される。それ故に、発熱体上に載荷された過剰なねじりが回避される場合があり、発熱体の損傷のリスクは低減される。
【0023】
少なくとも二つの懸架要素は、当初の対応する係合構造からの係脱後、隣接する対応する係合構造を係合するように構成されてもよい。懸架要素および対応する構造は、トルクレンチと同様に構成されてもよい。ハンドルにかけられたトルクが所定の閾値を超えると、ユーザーは、即時の触覚または聴覚フィードバックを有することになる。例えば、ユーザーは、ハンドルからクリーニングヘッドの連結が外れること、およびクリーニングヘッドとハンドルの間の相対的動きに起因して、クリーニングハンドルを回転する際に、より少ない機械的抵抗の感覚を有してもよい。別の方法として、または追加的に、小さい回転の後に懸架要素が、後続の隣接する対応する係合構造を係合し始める時に、ユーザーは音による知らせ(クリック音など)を受けてもよい。この場合において、ハンドルは短い時間、クリーニングヘッドから係脱され、小さい回転の後にクリーニングヘッドと再度係合する。ユーザーが高いトルクを維持する場合、ハンドルはクリーニングヘッドの周りを回転することになり、その一方でハンドルが懸架要素を介してクリーニングヘッドと再び係合することができるようにユーザーが所定の閾値を下回るトルクをかけるまで、クリーニングヘッドは静止状態を維持する。結果として、ユーザーによってハンドル上にかけられたトルクはクリーニングヘッドに伝達され始め、エアロゾル発生装置の加熱空洞および発熱体をクリーニングするためにクリーニングヘッドを駆動させて回転させる。
【0024】
クリーニングヘッドは、ハンドルの溝内に回転的に据え付けられたサイドタップを備えてもよい。別の方法として、ハンドルは、クリーニングヘッドの溝内に回転的に据え付けられたサイドタップを備えてもよい。サイドタップは突出部として構成されてもよい。サイドタップは溝内に係合してもよい。サイドタップと溝の間の係合は、ハンドル内のクリーニングヘッドの据え付けを容易にする場合がある。サイドタップは、クリーニングヘッドの外周を囲んで、好ましくはクリーニングヘッドの近位部分を囲んで円周状に配設されてもよい。それに応じてハンドルの溝は、中空円筒状ハンドルの内側側壁を囲んで円周状に配設されてもよい。サイドタップと溝の間の係合は、クリーニングヘッドの近位部分がハンドル内に確実に据え付けられることを確実にする場合がある。その一方で、サイドタップと溝の間の係合はまた、ハンドルとクリーニングヘッドの間の自由な回転を可能にする。回転は、本明細書に記載の通り、懸架要素と、ハンドルおよびクリーニングヘッドのうちの一方または両方との懸架要素の係合とによってのみ制限される。サイドタップと溝の間の係合は、ハンドルとクリーニングヘッドとの同軸整列を確実にすることが好ましい。サイドタップと溝の間の係合は、ハンドルとクリーニングヘッドの間の軸方向移動を防止することが好ましい。結果として、クリーニングヘッドはハンドル内に確実に据え付けられていて、その一方でクリーニングヘッドとハンドルの間の回転は可能である。
【0025】
クリーニングヘッドは、クリーニング手段、好ましくはブラシまたはワイパーを備えてもよい。クリーニング手段は、クリーニングヘッドの遠位端に隣接して配設されてもよい。クリーニング手段は、ハンドルの開放遠位端を越えて延在してもよい。クリーニング手段は、クリーニングヘッドの開放遠位部分に隣接して配設されてもよい。クリーニング手段は、クリーニングヘッドの表面上に、好ましくはクリーニングヘッドの遠位端面とクリーニングヘッドの遠位部分の外周とのうちの一方または両方の表面上に配設されてもよい。
【0026】
ハンドルは、クリーニングヘッドの近位端面内の対応する中央ノッチとの係合のために、近位内壁に中央隆起部を備えてもよい。別の方法として、ハンドルは、クリーニングヘッドの近位端面内の対応する中央隆起部との係合のために、近位内壁に中央ノッチを備えてもよい。ハンドルの近位壁は、本明細書に記載の通りのハンドルの閉鎖端であってもよい。近位壁は、ハンドルの外側に面する近位外壁を備えてもよく、ハンドルの近位端面を構造化することが好ましい。近位内壁はハンドルの中空内部に面してもよい。近位内壁は、ハンドル内に据え付けられたクリーニングヘッドに面する。ハンドルの近位内壁にある中央隆起部とクリーニングヘッドの近位端面内の対応する中央ノッチとの間の係合は、ハンドル内のクリーニングヘッドの据え付けを最適化してもよい。具体的に係合は、ハンドル内のクリーニングヘッドの半径方向の移動を防止または低減する場合がある。
【0027】
クリーニングヘッドおよびハンドルのうちの一方または両方は、細長くてもよい。クリーニングツールは細長くてもよい。クリーニングヘッド、ハンドル、およびクリーニングツールのうちの一つ以上は、長軸方向の中心軸を備えてもよい。クリーニングヘッド、ハンドル、およびクリーニングツールの長軸方向の中心軸は、同一であることが好ましい。すなわち、クリーニングヘッドおよびハンドルは、同軸で整列されている。クリーニングヘッドとハンドルの間のこうした同軸整列は、上述の通りサイドタップおよび溝構造によって確実にされてもよい。エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入される細長いクリーニングツールの端は、クリーニングツールの遠位端であり、またクリーニングツールの近位端としてユーザーによって保持される細長いクリーニングツールの端である。
【0028】
クリーニング手段、クリーニングヘッドの遠位端面、およびクリーニングヘッドの遠位部分の周囲のうちの一つ以上は、掻き取り表面を備えてもよい。掻き取り表面は、エアロゾル発生装置の表面に対して掻き取る、撫でる、ブラッシングする、スワブで擦る、または別の方法でクリーニング作用を行うために構成されている表面である。
【0029】
ハンドルおよびクリーニングヘッドのうちの一方または両方は、金属材料またはプラスチック材料のうちの一方または両方から、好ましくは硬質プラスチック材料から作製されてもよい。クリーニング手段は、エアロゾル発生装置の発熱体を拭き取るための可撓性材料で作製された可撓性クリーニング要素を含んでもよい。可撓性クリーニング要素は、Arnitel、Hytrel、Dryflex、Mediprene、Kraton、Pibiflex、Sofprene、およびLapreneのうちの一つ以上などの熱可塑性エラストマー(TPE)で作製されてもよい。
【0030】
クリーニングヘッドは、エアロゾル発生装置の空洞の中にクリーニングヘッドを挿入することを可能にすることができる任意の適切な形状を有してもよい。クリーニングヘッドは実質的に円筒状であることが好ましい。すなわち、クリーニングヘッドは実質的に円形状の断面形状を有することが好ましい。これは幾つもの理由から、有利である可能性がある。例えば、エアロゾル発生物品は概して円筒状であるため、エアロゾル発生物品を受容するように構成されたエアロゾル発生装置の空洞はまた、概して円筒状であることがよくある。それ故に、円筒形状を有することは、エアロゾル発生装置の空洞内のクリーニングヘッドの相補的な適応を確実にする場合がある。クリーニングヘッドとエアロゾル発生装置の空洞との間のこうした相補的な形状構成は、クリーニングツールのクリーニング効率を改善する場合がある。
【0031】
クリーニングヘッド、より好ましくはクリーニングヘッドの遠位部分は、40ミリメートル~60ミリメートルの長さ、より好ましくは50ミリメートルの長さを有してもよい。クリーニングヘッド、より好ましくはクリーニングヘッドの遠位部分は、6ミリメートル~11ミリメートルの直径、より好ましくは10ミリメートルの直径を有してもよい。
【0032】
本発明は、本明細書に記載の通りのクリーニングツールとエアロゾル発生装置とを備えるシステムにさらに関する。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成された空洞を備える。エアロゾル発生装置は、空洞内に配設された発熱体を備える。クリーニングツールのクリーニングヘッドは、空洞および発熱体のうちの一つ以上をクリーニングするために、エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されるように構成されている。
【0033】
空洞および発熱体のうちの一方または両方をクリーニングするために、クリーニングツールは少なくとも部分的に空洞の中に挿入される。より具体的に、クリーニングヘッドの遠位部分は、クリーニング動作のために、空洞の中に挿入される。クリーニングヘッドの近位部分は空洞から突き出る。クリーニングヘッドの近位部分はハンドル内に据え付けられているため、ハンドルは空洞の中に挿入されない。クリーニングヘッドの近位部分の空洞の中への挿入後、ハンドルはエアロゾル発生装置に対して同一平面上に置かれてもよい。クリーニング動作のために、ユーザーはハンドルを把持し、捻って、空洞内のクリーニングヘッドの遠位部分を回転させてもよい。ユーザーは、空洞の側壁、空洞の基部、および発熱体のうちの一つ以上から望ましくない残留物を掻き取るために、クリーニングツールを上下に(すなわち空洞からわずかに出て空洞の中に戻るように)移動させてもよい。
【0034】
発熱体は内部発熱体として構成されてもよい。発熱体は空洞内に配設されてもよい。発熱体は空洞内で中央に配設されてもよい。発熱体は細長くてもよい。発熱体は抵抗発熱体であってもよい。クリーニングツール、より好ましくはクリーニングツールのクリーニングヘッドは、陥凹部を備えてもよい。クリーニング要素は、クリーニングツールのクリーニングヘッドが空洞の中に挿入されている時に、陥凹部の中に差し込まれてもよい。
【0035】
発熱体はブレード形状の発熱体として構成されてもよい。クリーニング動作中に、ユーザーによってハンドルにかけられたトルクは、ブレード形状の発熱体にかけられたトルクをもたらす場合がある。トルクが所定の閾値を超えると、ブレード形状の発熱体は損傷する場合がある。結果として、クリーニングツールは本明細書に記載の通り、ユーザーによってかけられた所定の閾値を上回るトルクがクリーニングヘッドに伝達されないように構成されている。従って、ユーザーが所定の閾値を上回るトルクをハンドルにかける場合でさえも、ハンドルは、このトルクをクリーニングヘッドに伝達しない。それ故に、トルクは発熱体に伝達されず、これによって、特に発熱体がブレード形状の発熱体として構成されている場合、発熱体を損傷するリスクが低減される。クリーニングツールのクリーニングヘッドは、国際公開第2019/166595A1号において、特に図1においてその関連する説明とともに開示されている通りに構成されてもよい。
【0036】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0037】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、クリーニングツールの例示的な断面側面図を示す。
図2図2は、クリーニングツールの例示的な断面上面図を示す。
図3図3は、エアロゾル発生装置の例示的な断面側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、エアロゾル発生装置34用のクリーニングツール10を示す。エアロゾル発生装置34を図3に示す。クリーニングツール10はハンドル12を備える。クリーニングツール10はクリーニングヘッド14をさらに備える。クリーニングツール10は近位端Pおよび遠位端Dを備える。クリーニングヘッド14はハンドル12内に据え付けられている。より具体的に、クリーニングヘッド14の近位部分16はハンドル12内に据え付けられていて、その一方でクリーニングヘッド14の遠位部分18はハンドル12から突出する。
【0040】
クリーニングヘッド14の近位部分16をハンドル12内に据え付けるために、クリーニングヘッド14はサイドタップ20を備える。サイドタップ20は、クリーニングヘッド14の近位部分16の周囲上で円周状に配設されている。サイドタップ20は、ハンドル12の対応する溝22と係合するように構成されている。別の方法として、ハンドル12はサイドタップ20を備え、クリーニングヘッド14は対応する溝22を備える。サイドタップ20は、クリーニングヘッド14がハンドル12内で自由に回転することができるように、溝22を係合した。追加的に、溝22を係合するサイドタップ20は、ハンドル12に対するクリーニングヘッド14の軸方向の移動を防止する。
【0041】
ハンドル12とクリーニングヘッド14の間の回転を防止するために、懸架要素24が提供されている。懸架要素24は単一の懸架要素24として構成されてもよい。別の方法として、複数の懸架要素24が提供されてもよい。懸架要素24は、ばねまたはゴム含有材料などの弾性要素として構成されている。懸架要素24は、ハンドル12をクリーニングヘッド14と係合するように構成されている。図1に示す実施形態において、懸架要素24はクリーニングヘッド14と係合するように構成されている。より具体的に、懸架要素24はクリーニングヘッド14の空洞26と係合するように構成されている。図1において、二つの懸架要素24および二つの空洞26が図示されている。図2で分かる通り、二つの懸架要素24は、対応する複数の空洞26と係合するように提供および構成されている。図1に図示の通り、懸架要素24は、ハンドル12およびクリーニングヘッド14と別個に提供されている。懸架要素24はハンドル12内に据え付けられていることが好ましい。別の方法として、懸架要素24はハンドル12と一体的に形成されることができる。さらなる代替的な一実施形態として、懸架要素24はクリーニングヘッド14上に据え付けられているか、またはクリーニングヘッド14と一体的に形成されていて、ハンドル12は対応する空洞26を備える。懸架要素24は、クリーニングヘッド14の近位部分16の近位端面を囲んで円周状に配設されている。
【0042】
図1は、ハンドル12が近位端にて、閉鎖した近位壁28を有することをさらに示す。近位壁28の内壁には、中央隆起部30または突出部が提供されている。中央隆起部30は、クリーニングヘッド14のノッチ32内に係合するように構成されている。クリーニングヘッド14のノッチ32は、クリーニングヘッド14の近位部分16の近位端面内に提供されている。ハンドル12の中央隆起部30とクリーニングヘッド14のノッチ32との間の係合は、クリーニングヘッド14とハンドル12の間の半径方向の動きを防止する。サイドタップ20と溝22の間の係合だけでなく、中央隆起部30とノッチ32の間の係合によって、クリーニングヘッド14はハンドル12内にしっかりと、かつ回転可能に据え付けられている。
【0043】
図2はクリーニングツール10の上面断面図を示す。懸架要素24との係合のために、複数の空洞26が図示されている。懸架要素24と空洞26の間の係合は、所定の閾値を下回るトルクがクリーニングヘッド14に対してハンドル12にかけられる場合、ハンドル12とクリーニングヘッド14の間の回転が防止されるように構成されている。この場合において、懸架要素24と空洞26の間の係合は、かけられたトルクを克服し、かつハンドル12とクリーニングヘッド14の間の連結を保つのに十分に強く、これによってハンドル12はクリーニングヘッド14に対して回転しない。クリーニングヘッド14に対してハンドル12にかけられたトルクが所定の閾値を超える場合、懸架要素24は当初の空洞26を係脱するように構成されている。結果として、ハンドル12は、懸架要素24が、当初の空洞26に隣接している空洞26と係合するまで、少量だけ回転する。言い換えれば、ハンドル12およびクリーニングヘッド14は、所定のトルクを超えるトルクレンチと同様に機能する。この機能性は、ハンドル12にかけられたトルクの接線方向の向きと無関係であることが好ましい。
【0044】
図3は、例示的なエアロゾル発生装置34を示す。エアロゾル発生装置34は空洞36を備える。空洞36は、エアロゾル発生基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するように構成されている。空洞36内に中央に配設された発熱体38が図示されている。発熱体38は、ブレード形状の発熱体38として構成されていることが好ましい。エアロゾル発生装置34は、電源42から発熱体38への電力の供給を制御するためのコントローラ40をさらに備える。
【0045】
エアロゾル発生物品が枯渇した時、エアロゾル発生物品は空洞36から取り外されて、未使用のエアロゾル発生物品が空洞36の中に挿入される。枯渇したエアロゾル発生物品の取り外しと、未使用のエアロゾル発生物品の挿入との間に、ユーザーは空洞36の内側側壁、空洞36の基部、および発熱体38のうちの一つ以上をクリーニングすることを望む場合がある。この目的のために、ユーザーは本発明によるクリーニングツール10を採用してもよい。より具体的に、ユーザーはクリーニングヘッド14の遠位部分18を空洞36の中に挿入してもよい。クリーニングヘッド14の遠位部分18は、クリーニングヘッド14の遠位部分18が空洞36の中に挿入されている時に、ブレード形状の発熱体38を収容するために、摺動した形状の陥凹部44(図1に示す)を備えてもよい。クリーニングヘッド14の遠位部分18は、空洞36の中に嵌合するように寸法設定されてもよい。クリーニングヘッド14の遠位部分18の挿入および取り外し中に、望ましくない残留物は空洞36の内側側壁、空洞36の基部、および発熱体38のうちの一つ以上から掻き取られる場合がある。使用中、ユーザーはクリーニングツール10のハンドル12にトルクをかける可能性がある場合がある。このトルクが所定のトルクを超える場合、トルクが発熱体38に伝達されれば、発熱体38は損傷する可能性がある場合がある。この理由のため、ユーザーによってハンドル12にかけられたトルクが所定の閾値を超える場合、ハンドル12がクリーニングヘッド14に対して回転する、本発明によるクリーニングツール10が採用される。結果として、所定の閾値を超えるこのトルクは、ハンドル12からクリーニングヘッド14に、および発熱体38に伝達されない。それ故に、発熱体38への損傷が防止される。
図1
図2
図3