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特許7312384マーケティング装置およびマーケティング方法並びにマーケティングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】マーケティング装置およびマーケティング方法並びにマーケティングシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20230713BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20230713BHJP
   G06Q 30/0242 20230101ALI20230713BHJP
【FI】
G06Q30/02
G06Q30/0251
G06Q30/0242
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022060040
(22)【出願日】2022-03-31
【審査請求日】2022-05-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522130911
【氏名又は名称】株式会社BOKURA
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 崇裕
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/159409(WO,A1)
【文献】特開2014-137757(JP,A)
【文献】特表2014-522043(JP,A)
【文献】特開2020-126566(JP,A)
【文献】特開2022-028315(JP,A)
【文献】特開2021-170325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SNSにより集客を上げ、ファンを育成し、ファンと共創するファン管理サーバであって、
SNSに投稿された情報からファンを探索するファン探索部と、
探索した前記ファンを定義し、かつ、数値化するファン定義部と、
前記ファンのレベルの分類を行い、かつ、ファンスコアを算出するレベル分類部と、
前記探索部が探索した前記ファンであって、かつ、前記SNSに投稿された情報に基づきディープラーニング等を用いたAI技術がファンスコアに応じて個々に異なるコメントを提供するコメント提供部と、
前記コメントを格納する第1コメント記憶部と、
を備え、
前記コメントの提供の前後で集客や売上の変化を検証することを特徴とするファン管理サーバ。
【請求項2】
SNSに投稿された情報に加えて、顧客情報、及び店舗情報を加味してコメントを提供する第2コメント記憶部を有することを特徴とする請求項1に記載のファン管理サーバ。
【請求項3】
SNSに投稿された情報に加えて、ユーザアンケートを加味してコメントを提供する第3コメント記憶部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファン管理サーバ。
【請求項4】
SNSにより集客を上げ、ファンを育成し、ファンと共創するファン管理サーバと、
顧客情報と店舗情報とを備えた企業システムサーバと、
を有し、
前記ファン管理サーバは、SNSサーバにアクセスし、所定のコミュニティのメンバーに関する情報を収集し、当該収集した情報を顧客DBに記録する処理と、
前記顧客DBに記録されている情報に基づき、前記ファン管理サーバがSNSに投稿された情報からファンを探索する処理と、
探索した前記ファンを定義し、かつ、数値化する処理と、
前記ファンのレベルの分類を行い、かつ、ファンスコアを算出する処理と、
前記探索部が探索した前記ファンであって、かつ、前記SNSに投稿された情報に基づきディープラーニング等を用いたAI技術がファンスコアに応じて個々に異なるコメントを提供する処理と、
前記ファンに関する情報を格納する処理と、
を備え、
前記コメントの提供の前後で集客や売上の変化を検証することを特徴とするマーケティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、SNS(Social Networking Service)、WEB、及び、イベントによるマーケティング装置およびマーケティング方法並びにマーケティングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からSNSが企業とユーザの間のコミュニケーションツールとして活用されている。例えば、大規模災害時の掲示板としての機能、資金集めのためのクラウドファンディングや画像や動画のシェア等が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-16770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、「電子チケットの発券を管理するチケット発券管理サーバと、顧客情報を記憶する顧客データベースを備えたシステム管理サーバと、を有し、前記システム管理サーバは、所定のソーシャルネットワーキーングサービスを運営するソーシャルネットワーキングサービス運営サーバにアクセスして、当該ソーシャルネットワーキングサービスにおける所定のコミュニティのメンバーに関する情報を収集し、当該収集した情報を前記顧客データベースに記録する処理と、前記顧客データベースに記憶される情報に基づいて、前記チケット発券管理サーバが販売する所定のイベントの電子チケットを購入するように勧める第1宣伝情報を、前記所定のコミュニティに属するメンバーに提供する処理と、前記第1宣伝情報の勧誘に応じて前記所定のイベントの電子チケットを購入したチケット購入者の情報を前記チケット発券管理サーバから取得し、前記顧客データベースに記録する処理と、を実行する、マーケティングシステム。」が記載されている。
【0005】
しかし、特許文献1は、電子チケットの購入を促すためのマーケティングシステムであり、ファンの成長度合いを示すレベルを上げるための施策や売上を上げる方法を提供するものではない。
【0006】
本開示の目的は、SNS、及びWEBに書き込まれた情報等からファンを探索し、ファンを定義し、ファンのレベルの分類を行ない、ファンを定量的に表し、ファンのレベルを上げるための施策を提供するものである。また、ファンに対して、適切なコメントをすることで、集客や売上を上げる方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0008】
本開示におけるマーケティング装置の一実施形態であるSNS等により集客を上げるファン管理サーバであって、SNSに書き込まれた情報からファンを探索するファン探索部を有する。探索したファンを定義するファン定義部とファンのレベルの分類を行なうレベル分類部を有する。ファンのレベルを上げるためにSNSに書き込まれた情報に基づき適切なコメントを提供するコメント提供部とコメントを格納する第1コメント記憶部を有するファン管理サーバである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ファンに対して、適切なコメントをすることで、集客や売上を上げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施の形態におけるシステム構成図である。
図2】本開示の一実施の形態におけるファン管理サーバのHW構成図である。
図3】本開示の一実施の形態におけるファンの定義を示す図である。
図4】本開示の一実施の形態における顧客情報のデータ構造を示す図である。
図5】本開示の一実施の形態におけるアンケート情報のデータ構造を示す図である。
図6】本開示の一実施の形態におけるSNS情報のデータ構造を示す図である。
図7】本開示の一実施の形態における画面例を示す図である。
図8】本開示の一実施の形態における投稿一覧の画面例を示す図である。
図9】本開示の一実施の形態におけるファン一覧の画面例を示す図である。
図10】本開示の一実施の形態におけるファン詳細の画面例を示す図である。
図11】本開示の一実施の形態におけるフローチャートを示す図である。
図12】本開示の一実施の形態におけるファンマーケティングのフェーズを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本開示の技術的範囲はこれに限られるものではない。また、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本開示の一実施の形態は、SNS等により集客を上げるファン管理サーバ100であって、SNS等に書き込まれた情報からファンを探索するファン探索部105を有する。探索したファンを定義するファン定義部106Aとファンのレベルの分類を行なうレベル分類部106Bを有する。ファンのレベルを上げるためにSNS等に書き込まれた情報に基づき適切なコメントを提供するコメント提供部107とコメントを格納する第1コメント記憶部104Aを有するファン管理サーバ100である。
<システム構成>
図1は、本開示の一実施の形態におけるシステム構成の概要を示す図である。
【0012】
図1に示されるように、本発明の一実施の形態におけるマーケティングシステムは、ファン管理サーバ100と、ファン管理サーバ100と通信ネットワーク120を介して接続される企業システムサーバ110と、企業システムサーバ110と、通信ネットワーク120を介して接続されるSNSサーバ130と、SNSサーバ130と通信ネットワーク120を介して接続される情報端末装置140とから構成される。
また、ファン管理サーバ100と、企業システムサーバ110と、SNSサーバ130と、情報端末装置140とは、通信ネットワーク120を介して相互に通信可能に接続される。
ここで、ファンとは、特定の企業を継続的、熱狂的に支援し続ける人を意味する。
【0013】
ファン管理サーバ100は、SNS、及びWEB等によりファンを1人1人管理することで、それぞれのファンに対しての最適な施策を選定することが可能なマーケティング装置である。ファン管理サーバ100は、通信ネットワーク120を介して、企業システムサーバ110にアクセス可能である。なお、企業システムサーバ110にアクセスする際には、所定の認証、例えば、ID情報とパスワード情報を要し、ID情報とパスワード情報とを照合することでアクセス可能に構成される。
【0014】
企業システムサーバ110は、企業が有するシステムサーバである。企業システムサーバ110は、顧客情報を格納している顧客DB(DataBase)111と店舗情報を格納している店舗DB112を備えている。
【0015】
通信ネットワーク120は、インターネット、イントラネット、無線LAN、及び携帯電話システムネットワーク等より構成される。
【0016】
SNSサーバ130は、所定のSNSを運営するサーバであり、1台又は複数台のコンピュータによって構成される。例えば、Facebook(登録商標)、Twitter(登録商標)、Instagram(登録商標)などのインターネットサービス、コメント欄などでコミュニケーション可能なブログやWEBサイト、電子掲示板などが含まれる。
【0017】
情報端末装置140は、スマートフォン、タブレット端末、PC(パーソナルコンピュータ)等が含まれる。
【0018】
図2は、本開示の一実施の形態におけるファン管理サーバ100のHW構成図である。図2に示されているように、ファン管理サーバ100は、制御部101と、時計部102と、通信部103と、記憶部104と、探索部105と、ファン管理部106と、コメント提供部107と、表示部108と、表示操作部109とから構成されている。
【0019】
制御部101は、主にCPUである。制御部101は、ファン管理サーバ100にインストールされたアプリケーション(ソフトウェアプログラム)を実行して、ファン管理サーバ100を統括制御する。
【0020】
時計部102は、制御部101が処理を開始した時刻と、制御部101が処理を終了した時刻等を計時する。
【0021】
通信部103は、ファン管理サーバ100の外部と情報のやり取りを行う。通信部103は、イーサネット(ETHERNET)、光ファイバー等のケーブルでファン管理サーバ100の外部と接続される。
【0022】
記憶部104は、顧客情報やアンケート情報、ファン情報等のデータを格納する。また、記憶部104は、ファン管理サーバ100内で処理したデータを格納する。記憶部104は、第1コメント記憶部104Aと、第2コメント記憶部104Bと、第3コメント記憶部104Cとを備えている。具体的には、記憶部104は、メモリやHDD/SDD等である。
【0023】
探索部105は、SNS等に投稿されたコメント欄に記載された文字情報等の中からSNSユーザ等が特定の企業のファンか否かを探索する。
制御部101がディープラーニング等を用いたAI技術によりSNSユーザ等が特定の企業のファンであるか否かを判断してもよい。人が文字情報等の内容を理解して、SNSユーザ等が特定の企業のファンであるか否かを判断してもよい。
また、SNS等に投稿された写真や動画の投稿についても、制御部101がAI技術に基づくディープラーニング等で判断してもよいし、人が判断してもよい。
【0024】
ファン管理部106は、ファンに関するデータを管理する。ファン管理部106は、ファン定義部106Aと、レベル分類部106Bとを備えている。
ファン定義部106Aは、探索部105で抽出されたファンを定義に当てはめる数値化する。
レベル分類部106Bは、ファン定義部106Aで処理された数値と、アンケート集計で処理された値とに基づき、ファンスコアを算出する。
【0025】
コメント提供部107は、SNS等に投稿されたコメントと、ファン定義の数値、又はファンスコアとに基づいて、ファンに対して適切なコメントを提供する。
【0026】
表示部108は、格納された情報や加工された情報を出力する。具体的には、表示部108は、ディスプレイ等である。
【0027】
表示操作部109は、ファン管理サーバ100に格納されている情報を表示し、加工する。具体的には、表示操作部109は、キーボード、マウス等である。
【0028】
図3は、本開示の一実施の形態におけるファンの定義を示す図である。ファンを定義することは、定量的な分析をするにあたって重要である。
ファンを愛と、知識と、売上と、推奨という4つに分類し、それぞれ5段階レベルでファンを定義づける。
【0029】
一つ目の定義は、愛である。これは、ファンがその企業に対する想い、情熱、愛情の度合いを示すものである。
【0030】
愛のレベルは、低い方から順に1.未経験、2.体験者、3.体験や感想、4.意見・要望、5.欠かせない存在の5つである。
【0031】
二つ目の定義は、知識である。知識は、ファンがその企業について有している知識の度合いを示すものである。
【0032】
知識のレベルは、1.知らない、2.興味・関心あり、3.自然と見聞きするレベルの知識、4.個々での情報収集が必要ない深い知識、5.社員レベルの知識の5つである。
【0033】
三つ目の定義は、売上である。売上は、ファンがその企業に対して貢献している売上の度合いを示すものである。
【0034】
売上のレベルは、1.購入履歴なし、2.興味・購入意思あり、3.購入者、4.回数・頻度が多い購入者、5.勤続年数・投下金額が多い購入者の5つである。
【0035】
四つ目の定義は、推奨である。推奨は、自己以外のものにその企業を薦める度合いを示すものである。
【0036】
推奨のレベルは、1.推奨なし、2.指定ワードを含まない推奨、3.指定ワードを含む推奨、4.指定ワード・ポジティブな意見や感想、5.他人の行動を促す推奨の5つである。
【0037】
数値化するため、1.は1点、2.は2点、3.は3点、4.は4点、5.は5点と計算する。
なお、必要に応じて、愛と、売上と、知識と、推奨のいずれかに重みを加えてもよい。
【0038】
例えば、ある企業の愛が5.欠かせない存在であり(5点)、売上が5.勤続年数・投下金額が多い購入者であり(5点)、知識が4.個々での情報収集が必要ない深い知識(4点)、推奨が5.他人の行動を促す推奨である場合(5点)、合計のレベルは19点となる。
【0039】
ファン定義部106Aがディープラーニング等を用いたAI技術によりファンを定義し、数値化する。人が文字情報等の内容を理解して、ファンを定義し、数値化しても良い。
また、SNS等に投稿された写真や動画の投稿についても、ファン定義部106AがAI技術に基づくディープラーニング等で判断してもよいし、人が判断してもよい。
【0040】
図4は、本開示の一実施の形態における顧客情報のデータ構造である。
顧客情報は、整理番号と、顧客がSNSで使用しているアカウント名と、顧客のこれまでの累計来店回数と、顧客がこれまでに使った金額の合計を示す累計購入金額と、顧客の平均購入単価と、最終来店日から構成される。
【0041】
ファン管理サーバ100は、自動的に企業システムサーバ111にアクセスすることで顧客情報を取得する。アクセスの際には、所定の認証、例えば、ID情報とパスワード情報の照合を要する。
【0042】
図5は、本開示の一実施の形態におけるアンケートから取得した情報のデータ構造である。
アンケートから取得した情報は、整理番号と、顧客がその企業の愛用歴と、ファンMTGに参加したか否かと、累計来店回数、累計購入金額、SNSキャンペーンに参加したか否かと、投稿経験等である。
【0043】
アンケートから取得した情報は、店舗の内外において手動で取得される。また、アンケートの場合には、顧客により手動で入力され、自動的に収集される。
【0044】
レベル分類部106Bが自動的にアンケート集計結果を数値化する。人がアンケート集計結果を数値化しても良い。
アンケートから取得した情報は、定量的な数値に置き換えられる。定量的な数値は、0から20の範囲内である。
【0045】
図6は、本開示の一実施の形態におけるSNSから取得した情報のデータ構造である。
SNSから取得した情報は、整理番号と、顧客の企業への愛の度合いを示す指数と、顧客の企業への知識の度合いを示す指数と、顧客がこれまでに企業に対して売上として貢献した度合いを示す指数と、顧客への推奨の度合いを示す指数である。
【0046】
ファン管理サーバ100の制御部101は、通信部103を通して、外部のFacebook、Twitter、Instagram等のインターネットサービス、コメント欄等のSNS情報を取得する。
SNS等から取得した情報は、記憶部104にSNS情報DBとして記憶される。
【0047】
制御部101は、SNS等に投稿された文字情報の中から企業情報と、顧客情報とをキーに記憶部104にSNS情報DBを検索する。
【0048】
制御部101は、ディープラーニング等を用いたAI技術により顧客が企業のファンであるか否かを判断してもよい。
人が投稿された文字情報の内容に基づき、顧客がその企業のファンであるか否かを判断する。
また、SNS等に投稿された写真や動画の投稿についても人が判断してもよいし、制御部101がAI技術に基づくディープラーニング等で判断してもよい。
【0049】
ファン定義部106Aは、愛、知識、売上、推奨を定量的に処理が可能な数値に置き換えられる(図3参照)。
【0050】
定義部106AがSNS等から取得した情報を数値化した値と、レベル分類部106Bがアンケート集計結果から数値化した値とを合算し、ファンスコアを算出する。
例えば、NO.1のファンスコアは、110である。これは、アンケートから取得した情報のデータ構造(図5)におけるNO.1の90(10+10+20+20+10+20)とSNSから取得した情報のデータ構造(図6)におけるNO.1の20(5+5+5+5)の和である。
【0051】
ファンスコアは、ファンのその企業に対する貢献度、ファンのその企業に対する情熱を表すものである。したがって、ファンスコアが高い方がファンのブランドへの情熱が高く、ファンスコアが低い方がファンのブランドへの情熱は低い。
【0052】
レベル分類部106Bは、顧客情報と、アンケート情報と、及びSNS情報とを、ファンスコアが高い順にソートする。
【0053】
これにより、ファンスコアに応じて、人がSNS情報に加えて、顧客情報、及びアンケート情報を加味したコメントをすることが可能となる。また、ファンスコアに応じて、制御部101がSNS情報に加えて、顧客情報、及びアンケート情報を加味したコメントをAI技術に基づきすることが可能となる。
【0054】
図7は、本開示の一実施の形態における画面例であり、ファン管理ダッシュボードの画面200である。
【0055】
ファン管理ダッシュボードの画面200は、様々なデータを収集、分析、加工して簡潔にまとめ、集計値や表、グラフなどで一覧できるようにした画面である。
【0056】
ファン管理ダッシュボードの画面200の左側には、ファン管理ダッシュボードの画面200のメニュー201がある。
メニュー201には、ダッシュボード201Aと、分析プラットフォーム201Bと、ファン管理201Cと、企業管理201Gと、設定201Hとを備えている。また、ファン管理201Cは、投稿一覧201Dと、行動一覧201Eと、ファン一覧201Fとを備えている。
【0057】
ファン管理ダッシュボードの画面200のメイン画面202には、ファンを管理するための投稿一覧202A、行動一覧202B、ファン一覧202C、ファン登録202Dのアイコン画面が表示されている。
さらに、企業情報203を管理するための設定のアイコン画面が表示されている。
【0058】
例えば、表示操作部109から「投稿一覧」のアイコンをクリックすると、制御部101は、表示部108に「投稿一覧」の画面を表示する旨の命令を発出し、表示部108に「投稿一覧」の画面が表示される。
投稿一覧の画面において、特定の企業で検索すると、検索結果が表示される(図8参照)。
【0059】
また、表示操作部109から「ファン一覧」のアイコンをクリックすると、制御部101は、表示部108に「ファン一覧」の画面を表示する旨の命令が発出され、表示部108に「ファン一覧」の画面が表示される。
ファン一覧の画面において、特定の企業で検索すると、検索結果が表示される(図9参照)。
【0060】
図8は、投稿一覧の画面210である。ファンを検索する工程において、検索した企業に対する顧客の投稿の一覧情報が表示される。メニュー201の投稿一覧、またはファン管理ダッシュボードの画面200のメインのアイコン画面の投稿一覧201Dから選択することで表示される。
【0061】
検索結果の画面表示211は、左から整理番号212と、対応履歴213と、投稿日時214と、企業名215と、名前(スクリーンネーム)216と、投稿内容217とを備えている。
【0062】
投稿内容に対して、ファンの定義を適用し、数値化する。人が投稿された文字情報の内容に基づき、顧客がその企業のファンであるか否かを判断してもよいし、制御部101が、ディープラーニング等を用いたAI技術により顧客が企業のファンであるか否かを判断してもよい。
【0063】
図9は、ファン一覧の画面220である。検索した企業に対するファンの一覧情報が表示される。メニュー201のファン一覧201F、またはファン管理ダッシュボードの画面200のメインのアイコン画面のファン一覧202Cから選択することで表示される。
【0064】
検索結果の画面は、左から整理番号222と、企業名223と、ファンID224と、名前225と、ファンタイプ226と、最終接触227と、収集元の情報228とを備えている。
【0065】
図10は、ファンの詳細情報の画面230である。ファンに関する様々な情報を一覧することができる画面である。ファンの詳細情報の画面230は、ファン一覧の画面220から特定のファンをクリックすると表示される。
【0066】
ファンの詳細情報の画面231上段左側には、ファン詳細のキャラクター232が表示される。
ファンの詳細情報の画面231上段中央には、ファンタイプ233、及びファンスコア234が表示される。
ファンの詳細情報の画面231上段右側には、ファンチャート235が表示される。
ファンの詳細情報の画面231下段左側には、ファンID、登録日時等のファン情報236が表示される。
ファンの詳細情報の画面231下段右側には、TwitterID、名前等の情報237が表示される。
【0067】
制御部101は、記憶部104に格納されているデータに基づいて、所定の期間の統計情報を所定の期日ごとに算出し、更新することが可能である。
所定の期間は、1週間、1ヵ月、3ヵ月、1年等である。また、所定の期日は、週末、月末、期末等である。
【0068】
図11は、本開示の一実施の形態におけるフローチャートである。ファンを探索し、ファンを分類し、神対応し、効果検証までの一連の処理である。
【0069】
S1は、企業の顧客を特徴づけるキャラクター231の設定である。制御部101は、一目で分かりやすいキャラクター231を顧客情報、売上情報等に基づいて、設定する。例えば、男性、40代、既婚等から決めることが可能である。
【0070】
制御部101は、顧客情報等を基にして、AI技術におけるディープラーニング等を用いて判断し、キャラクター231を設定してもよい。また、キャラクター231の設定については、人が顧客情報等を基にして、判断して設定してもよい。
【0071】
S2は、ファンを探索する処理である。制御部101は、SNSに投稿された文字情報であるSNS情報DBから企業情報、顧客情報等を軸にして、検索をかける。投稿された文字情報の内容を確認し、顧客がその企業のファンか否かを判断する。
【0072】
顧客がファンか否かの判断については、制御部101が検索結果の文字情報を基にして、AI技術におけるディープラーニング等を用いて判断してもよい。また、顧客がファンか否かの判断については、人が検索結果の文字情報を基にして判断してもよい。
また、SNS等に投稿された写真や動画についても制御部101がAI技術におけるディープラーニング等を用いて判断してもよいし、人が目視で判断してもよい。
【0073】
S3は、S2で探索したファンを定義し、レベルを分類する処理である。熱狂的なファンもいれば、軽めのファンもいる。これらのファンを同等に扱うことはできないからである。
【0074】
具体的に、ファンの分類は、愛、知識、売上、及び推奨の4つのファンの定義に基づき、ファンを数値化する(図3参照)。
制御部101が、投稿された文字情報の内容に基づき、愛、知識、売上、及び推奨を数値化してもよいし、人が投稿された文字情報の内容に基づき、愛、知識、売上、及び推奨を数値化してもよい(図3参照)。
【0075】
S4は、ファンの投稿に対する適切なコメントをする処理(以下、神対応という。)である。神対応することで、企業が、ファンを育成し、共創することが可能となる。
最終的には、ファンが企業ブランドを深く愛し、ファンが自らブランドの広告塔になり、他者に対して、好意的に購買を促すことである。
【0076】
そもそも、ファンは、企業ブランドの価値・魅力について、6つの要因を軸にして評価している。
6つの要因とは、1.商品や製品自体、2.人(社長や従業員)、3.金額や費用対効果、4.企業の歴史・実績、5.目指す世界観、6.その他である。
【0077】
ここで、ファンを創るメリットは、いくつかある。企業がファンを創れば、安定的な売り上げが期待でき、長寿企業の礎となる。
また、ファンの心理に基づいた企画やアイディアを提供することが可能となる。
さらに、従業員のモチベーションの向上、マーケティングコストの削減、SNS炎上時の早期鎮火等が可能となる。
【0078】
神対応するための基本的な方法として、幾つかのスキルがあげられる。1.ファンの心理理解、2.読解力、3.ブランド理解、4.語彙力、5.SNSリテラシー、6.関係構築、7.その他等である。
【0079】
神対応については、制御部101が機械学習、ディープラーニング等を用いたAI技術で行ってもよいし、人が投稿された文字情報の内容に基づき、行ってもよい。
【0080】
S5は、処理前のデータや処理後データを格納する処理である。
第1コメント記憶部104Aは、SNS等の情報だけを基にして、神対応する場合に、コメントを格納する。
すなわち、第1コメント記憶部104Aは、SNS等に投稿された情報にのみ基づいて、神対応したコメントを格納する。
【0081】
第2コメント記憶部104Bは、SNS等の情報と、顧客情報とを基にして、神対応する場合に、コメントを格納する。
すなわち、第2コメント記憶部104Bは、SNSに投稿された情報や来店した店舗情報等の地域情報を加味して、神対応のコメントを格納する。
【0082】
第3コメント記憶部104Cは、SNS等の情報と、アンケート情報と、顧客情報とを基にして、神対応する場合に、コメントを格納する。
すなわち、第3コメント記憶部104Cは、SNS等に投稿された情報と、アンケートに記載された商品・サービスの気になる情報等と、来店した店舗情報等の地域情報を加味して、神対応のコメントを格納する。
【0083】
第1コメント記憶部104A、第2コメント記憶部104B、第3コメント記憶部104Cに格納されたデータは、教師データとして機械学習、ディープラーニング等を用いたAI技術に利用することができ、神対応の精度を高めることが可能である。
また、記憶部104に格納されたデータは、神対応の効果検証時にも使用することが可能である。
【0084】
S6は、神対応についての効果を検証する処理である。短期間で神対応の効果が分かる場合がある。しかし、短期間で神対応の効果が表れず、ファンの行動に変化が表れるまで一定の時間がかかる場合もある。
例えば、神対応後に、短期間での効果は、直ぐに情報がSNS拡散される場合がある。中長期の効果としては、SNSに拡散された情報を見て、後日に商品を購入したり、店舗に来店する場合がある。
【0085】
制御部101は、指定された期間における表やグラフ等の統計情報を算出することが可能である。表示部108は、算出された統計情報を表示する。
表示操作部109は、神対応の前後のデータを再集計し、加工をすることが可能である。すなわち、神対応の前後で、売上に変化があったか否か、集客に変化があったか否か等の一定の効果を確認することが可能となる。
【0086】
最終的には、ファンの投稿に対する神対応がファンの企業に対する信頼度、ファン度が増す。その結果、ファンが自ら企業の商品・サービスを推奨するという行動にでる。そして、ファンの推奨が新たな集客を招き、売上の増加に繋がる。
【0087】
熱狂的ファン達が集まるクローズドコミュニティにおいては、ファンが自発的に情報を発信している。
公開されているSNSにおいてファンでない者からファンにすることよりも、会員制等のクローズドコミュニティにおいてファンを熱狂的ファンにすることの方が比較的容易である。
【0088】
図12は、ファンマーケティングのフェーズを示す表である。
ファンマーケティングにおいて、ファンのレベルを上げるための施策には、幾つかの段階があり、それぞれの段階に複数のフェーズがあり、合計16フェーズある(図6参照)。
【0089】
各フェーズには、複数のレベルがある。企業は、ファンのレベルを把握して、一定のファンのレベルを達成することにより、ファンの育成が可能となる。
例えば、D.ファンコミュニケーション、11.ファン管理には、13レベルある。これを一つ一つクリアしていくことにより、定量的にファンのレベルを上げ、ファンの管理をすることが可能となる。
【0090】
ファンのレベルを上げたことによる集客や売上に対する効果を定量的に検証することで、現状を把握し、次の施策に移ることができる。
ファンレベルの判断については、制御部101が統計情報を基づき、AI技術におけるディープラーニング等を用いて判断してもよいし、人が統計情報に基づいて判断してもよい。
<本実施の形態の効果>
【0091】
本実施の形態の効果は、SNS、及びWEB等に書き込まれた情報からファンを探索し、ファンを定義し、ファンのレベルの分類を行ない、ファンを定量的に表し、ファンのレベルを上げるための施策を提供するものである。
また、ファンの投稿に対して、適切なコメントをすることで、ファン自ら企業の商品・サービスを推奨するという行動にでて、ファンの推奨が新たな集客を招き、売上を上げるという効果を有する。
【符号の説明】
【0092】
1 システム
100 ファン管理サーバ
101 制御部
102 時計部
103 通信部
104 記憶部
104A 第1コメント記憶部
104B 第2コメント記憶部
104C 第3コメント記憶部
105 探索部
106 ファン管理部
106A ファン定義部
106B レベル分類部
107 コメント提供部
108 表示部
109 表示操作部
110 企業システムサーバ
111 顧客DB
112 店舗DB
120 通信ネットワーク
130 SNSサーバ
140 情報端末装置
200 ファン管理ダッシュボードの画面
201 ファン管理のダッシュボード画面のメニュー
201A ファン管理のダッシュボード画面のメニューのダッシュボード
201B ファン管理のダッシュボード画面のメニューの分析プラットフォーム
201C ファン管理のダッシュボード画面のメニューのファン管理
201D ファン管理の中の投稿一覧
201E ファン管理の中の行動一覧
201F ファン管理の中のファン一覧
201G ファン管理のダッシュボード画面のメニューの企業管理
201H ファン管理のダッシュボード画面のメニューの設定
202 ダッシュボードのファン管理画面
202A ファン管理画面の投稿一覧
202B ファン管理画面の行動一覧
202C ファン管理画面のファン一覧
202D ファン管理画面のファン登録
203 ダッシュボードの企業情報画面
210 検索結果の画面
211 検索結果のメイン画面
212 整理番号
213 対応
214 投稿日時
215 企業名
216 名前
217 投稿内容
220 ファンサマリーの画面
221 検索結果
222 整理番号
223 企業名
224 ファンID
225 名前
226 ファンタイプ
227 最終接触
228 情報元
230 ファン詳細の画面
231 ファン詳細のメイン画面
232 ファンキャラクター
233 ファンタイプ
234 ファンスコア
235 ファンチャート
236 ファンID等
237 TwitterID等

【要約】
【課題】SNS、及びWEB等に書き込まれた情報からファンを定義し、ファンのレベルを上げるための施策、集客力、及び売上を提供するものである。
【解決手段】本開示の一実施の形態は、SNS等により集客を上げるファン管理サーバ100であって、SNS等に書き込まれた情報からファンを探索するファン探索部105を有する。探索したファンを定義するファン定義部106Aとファンのレベルの分類を行なうレベル分類部106Bを有する。ファンのレベルを上げるためにSNS等に書き込まれた情報に基づき適切なコメントを提供するコメント提供部107とコメントを格納する第1コメント記憶部104Aを有するファン管理サーバ100である。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12