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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】注文飲食物搬送装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 23/08 20060101AFI20230713BHJP
【FI】
A47G23/08 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019071365
(22)【出願日】2019-04-03
(65)【公開番号】P2020168199
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390010319
【氏名又は名称】株式会社石野製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石野 晴紀
(72)【発明者】
【氏名】山田 直志
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-185326(JP,A)
【文献】特開2016-152904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店の厨房から客席へ搬送する飲食物が載置される1本のベルトコンベアと、
前記ベルトコンベアが形成する搬送路の途中に設けられており、前記ベルトコンベアに載置された飲食物が前記客席へ向かって前記厨房から出るのを阻止可能な開閉式のストッパと、
前記ベルトコンベアに載置された飲食物を前記客席へ搬送する搬送開始操作が行われると、当該飲食物が前記厨房から出るまで前記ストッパを一時的に開く制御装置と、
前記ベルトコンベアの始端と終端との間において検出光が受発光される第1光学式センサと、を備え
前記ストッパは、前記検出光が通過可能であり、
前記制御装置は、前記搬送開始操作が行われると、前記第1光学式センサが前記検出光を受光するまでは次の搬送開始操作の受け付けを拒否する、
注文飲食物搬送装置。
【請求項2】
前記ベルトコンベアの左側と右側との間において検出光が受発光される第2光学式センサを前記客席付近に更に備え、
前記制御装置は、前記第2光学式センサが前記検出光を受光している間は前記搬送開始操作を受け付ける、
請求項1に記載の注文飲食物搬送装置。
【請求項3】
前記制御装置は、搬送する飲食物の中心が、前記客席の隣に設定される停止ゾーンの中心となるように前記ベルトコンベアの停止位置を調整する、
請求項に記載の注文飲食物搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文飲食物搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店においては、搬送装置を使った飲食物の提供が行なわれている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-152904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
注文された飲食物を搬送する場合、厨房から客席へ至るベルトコンベアに飲食物を載せて搬送することが考えられる。この場合、ベルトコンベアに載っている飲食物を客が取り除かないと次の飲食物を搬送することができない。しかし、厨房のスタッフは、飲食物が客席へ搬送されている最中に、次に搬送する飲食物をベルトコンベアへ誤って載せてしまう場合がある。ベルトコンベアの作動中に飲食物が誤って載せられると、当該飲食物が意図しない客席へ搬送される。
【0005】
そこで、本願は、ベルトコンベアの作動中に飲食物が誤って載せられても、当該飲食物が意図しない客席へ誤って搬送されるのを防止可能な注文飲食物搬送装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、ベルトコンベアが形成する搬送路の途中に、ベルトコンベアに載置された飲食物が客席へ向かって厨房から出るのを阻止可能な開閉式のストッパを設けることにした。
【0007】
詳細には、本発明は、注文飲食物搬送装置であって、飲食店の厨房から客席へ搬送する飲食物が載置されるベルトコンベアと、ベルトコンベアが形成する搬送路の途中に設けられており、ベルトコンベアに載置された飲食物が客席へ向かって厨房から出るのを阻止可能な開閉式のストッパと、ベルトコンベアに載置された飲食物を客席へ搬送する搬送開始操作が行われると、当該飲食物が厨房から出るまでストッパを一時的に開く制御装置と、を備える。
【0008】
上記の注文飲食物搬送装置であれば、ベルトコンベアに載っていた飲食物が厨房から出るとゲートが閉じるため、ベルトコンベアの作動中に厨房で他の飲食物がベルトコンベアに誤って載せられても、当該飲食物が客席へ向かって厨房から出るのをゲートが阻む。よって、当該飲食物が意図しない客席へ誤って搬送されるのを防止することができる。
【0009】
なお、上記の注文飲食物搬送装置は、ベルトコンベアの始端と終端との間において検出光が受発光される第1光学式センサを更に備え、ストッパは、検出光が通過可能であり、制御装置は、搬送開始操作が行われると、第1光学式センサが検出光を受光するまでは次の搬送開始操作の受け付けを拒否するものであってもよい。このような注文飲食物搬送装置であれば、客席に搬送された飲食物がベルトコンベアから取り除かれる前に搬送開始操作が行われても、当該操作の受け付けが拒否され、次の飲食物の搬送が開始されることがない。
【0010】
また、上記の注文飲食物搬送装置は、ベルトコンベアの左側と右側との間において検出光が受発光される第2光学式センサを客席付近に更に備え、制御装置は、第2光学式センサが検出光を受光している間は搬送開始操作の受け付けるものであってもよい。このような注文飲食物搬送装置であれば、客席に搬送された飲食物がベルトコンベアから取り除かれると、次の飲食物の搬送を開始することが可能である。
【0011】
また、制御装置は、搬送する飲食物の中心が、客席の隣に設定される停止ゾーンの中心となるようにベルトコンベアの停止位置を調整するものであってもよい。このような注文飲食物搬送装置であれば、客席に搬送された飲食物がベルトコンベアから取り除かれたか否かの誤検知を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
上記注文飲食物搬送装置であれば、ベルトコンベアの作動中に飲食物が誤って載せられても、当該飲食物が意図しない客席へ誤って搬送されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る注文飲食物搬送装置の全体構成図である。
図2図2は、注文飲食物搬送装置の制御装置が実現するピッチ送り動作の処理フローの一例を示した図である。
図3図3は、注文飲食物搬送装置の制御装置が実現する動作の一例を示した第1の図である。
図4図4は、注文飲食物搬送装置の制御装置が実現する動作の一例を示した第2の図である。
図5図5は、注文飲食物搬送装置の制御装置が実現する動作の一例を示した第3の図である。
図6図6は、変形例に係る注文飲食物搬送装置の全体構成図である。
図7図7は、変形例に係る注文飲食物搬送装置の制御装置が実現する動作の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。以下に示す各実施形態や変形例は、例えば、寿司や飲料物、そばやうどんといった丼物、から揚げや天ぷらといった各種の飲食物を、店内で飲食する客の他、飲食物を持ち帰る客へも提供する飲食店に好適である。
【0015】
図1は、実施形態に係る注文飲食物搬送装置10の全体構成図である。注文飲食物搬送装置10は、客の注文を受けて用意された飲食物を飲食店の厨房2から客席3L1~3L3,3R1~3R3(以下、不特定の客席を指す場合は「客席3」という)等へ搬送する装置であり、図1に示すように、客が飲食する各客席3の脇を通る搬送路を形成する。注文飲食物搬送装置10は、飲食店の厨房2側から客席エリアへ至る搬送路を形成するベルトコンベア20を備えている。注文飲食物搬送装置10は、飲食物を皿等の各種食器に載せて搬送する。
【0016】
ベルトコンベア20は、厨房2内に、飲食物の皿を長手方向沿いに4枚並べて置くことが可能な長さを有している。ベルトコンベア20の搬送面のうち、厨房2内において、ベルトコンベア20の手前側(厨房2側)の端部付近が飲食物をスタッフが置くための載置エリアとなり、載置エリアよりも奥側(客席3側)が飲食物を待機させる待機エリアとなる。載置エリアの付近には、搬送先を指定する搬送開始操作を受け付けるための操作パネ
ルが設けられている。
【0017】
図1に示す破線は、注文飲食物搬送装置10に設けられている光センサの検出光を示している。注文飲食物搬送装置10には、図1に示されるように、光学式のセンサが各部に設けられている。例えば、ベルトコンベア20の始端と終端には光センサSK(本願でいう「第1光学式センサ」の一例である)が設けられており、ベルトコンベア20に載っている飲食物の有無を検知する。また、ベルトコンベア20の始端付近には、ベルトコンベア20の左側と右側に光センサSCが設けられており、載置エリアに載っている飲食物の有無を検知する。
【0018】
また、ベルトコンベア20が形成する搬送路の途中には、ベルトコンベア20に載置された飲食物が客席3へ向かって厨房2から出るのを阻止可能な開閉式のゲートG(本願でいう「ストッパ」の一例である)が設けられている。ゲートGは、モータで動く電動のゲートであり、客席3へ向かって開くことができる。ゲートGは、光センサSKの検出光が透過可能な透明な素材で構成され、または、光センサSKの検出光が通過可能な切り欠きを有しているため、光センサSKの検出光が通過可能である。ゲートGは、片開き式であってもよいし両開き式であってもよい。
【0019】
なお、注文飲食物搬送装置10の上側や下側には、飲食物が循環搬送される飲食物循環搬送装置やその他の注文飲食物搬送装置が設けられていてもよい。また、注文飲食物搬送装置10の上側や下側には、湯呑みや調味料、お品書き等を載せる棚板が設けられていてもよい。
【0020】
ベルトコンベア20とゲートGは、制御装置によって制御される。制御装置は、載置エリア付近に設置されている操作パネルに入力された操作内容や各センサからの信号に基づいて制御信号を出力する。以下、制御装置によって実現される注文飲食物搬送装置10の動作を説明する。
【0021】
<ピッチ送り動作>
注文飲食物搬送装置10では、飲食物がベルトコンベア20の載置エリアに置かれると、ベルトコンベア20がピッチ送り動作を行い、載置エリアに置かれた飲食物を待機エリアへ移動する。図2は、注文飲食物搬送装置10の制御装置が実現するピッチ送り動作の処理フローの一例を示した図である。
【0022】
注文飲食物搬送装置10の制御装置は、光センサSCが飲食物を検知したか否かの判定を行う(S101)。ベルトコンベア20の載置エリアに飲食物が載置されると、注文飲食物搬送装置10の制御装置は、ステップS101で肯定判定を行う。注文飲食物搬送装置10の制御装置は、ステップS101で肯定判定を行うと、次に、制御装置内のメモリを参照し、ピッチ送りを禁止するピッチ送り禁止モードであるか否かの判定を行う(S102)。注文飲食物搬送装置10の制御装置は、ステップS102で否定判定を行うと、次に、制御装置内のメモリを参照し、待機エリアにある飲食物の皿の数をカウントするカウンタが上限値であるか否かの判定を行う(S103)。本実施形態では、待機エリアに置くことができる飲食物の皿は3枚であるため、カウンタの上限値は「3」に設定されている。注文飲食物搬送装置10の制御装置は、ステップS103で否定判定を行った場合、ベルトコンベア20を所定量(飲食物の皿1つ分)だけ作動させる(S104)。そして、注文飲食物搬送装置10の制御装置は、制御装置内のメモリにアクセスし、カウンタ値を1つ加算する(S105)。
【0023】
また、注文飲食物搬送装置10の制御装置は、ステップS101で否定判定を行った場合、光センサSKが飲食物を検知したか否かの判定を行う(S106)。そして、注文飲
食物搬送装置10の制御装置は、ステップS106で肯定判定を行うと、制御装置内のメモリにアクセスしてピッチ送り禁止モードのフラグをメモリ内に設定する(S107)。ピッチ送り禁止モードになると、ステップS102で否定判定が行われないようになるため、載置エリアに飲食物の皿4が置かれてもピッチ送り動作しなくなる。
【0024】
また、注文飲食物搬送装置10の制御装置は、ステップS106で否定判定を行うと、制御装置内のメモリにアクセスしてピッチ送り禁止モードのフラグやカウンタ値をリセットする(S108)。よって、例えば、飲食物がベルトコンベア20の載置エリアではなく待機エリアへ誤って直接載置された場合であっても、その後にベルトコンベア20上から飲食物が全て取り除かれると、ピッチ送り禁止モードのフラグやカウンタ値、搬送開始操作拒否モードのフラグがリセットされ、注文飲食物搬送装置104のピッチ送り動作等が再び実行され得る状態になる。
【0025】
以下、注文飲食物搬送装置10によって実現される動作の一例を説明する。図3は、注文飲食物搬送装置10の制御装置が実現する動作の一例を示した第1の図である。また、図4は、注文飲食物搬送装置10の制御装置が実現する動作の一例を示した第2の図である。また、図5は、注文飲食物搬送装置10の制御装置が実現する動作の一例を示した第3の図である。
【0026】
注文飲食物搬送装置10では、飲食物がベルトコンベア20の載置エリアに置かれると、ベルトコンベア20がピッチ送り動作を行い、載置エリアに置かれた飲食物を待機エリアへ移動する。例えば、図3(A)に示すように、ベルトコンベア20に飲食物の皿が1枚も載っていない状態で、載置エリアに飲食物の皿4を載せると、注文飲食物搬送装置10の制御装置はステップS101で肯定判定を行い、ステップS102及びステップS103で否定判定を行うことにより、ステップS104を実行する。すると、載置エリアに載せられた皿4は、図3(B)に示すように、待機エリアへ移動する。そして、図3(C)に示すように、載置エリアに2枚目の皿4が載せられると、ステップS101からステップS104までの一連の処理が実行されることにより、載置エリアに載せられた2枚目の皿4は、図3(D)に示すように、待機エリアへ移動する。また、図4(E)に示すように、載置エリアに3枚目の皿4が載せられると、ステップS101からステップS104までの一連の処理が実行されることにより、載置エリアに載せられた3枚目の皿4は、図4(F)に示すように、待機エリアへ移動する。
【0027】
待機エリアの皿4が3枚になると、注文飲食物搬送装置10の制御装置のメモリのカウンタは上限値となる。よって、この状態で、載置エリアに4枚目の皿4が載せられると、ステップS103の処理で肯定判定が行われ、ステップS104の処理は実行されない。したがって、載置エリアに載せられた4枚目の皿4は、図4(G)に示すように、載置エリアに載った状態を維持する。
【0028】
ベルトコンベア20において実現されるピッチ送り動作の説明については以上である。本実施形態の注文飲食物搬送装置10であれば、ベルトコンベア20に載置されている皿4の状態を光センサSKと光センサSCの2本のセンサ光で把握し、上述のピッチ送り動作を実現できるため、エリアセンサ等の高級なセンサをベルトコンベア20に載置されている皿4の状態の把握のために用いる必要が無い。よって、ベルトコンベア20におけるピッチ送りを、光センサSKと光センサSCという比較的簡単なセンサ構成で実現することができる。
【0029】
次に、搬送開始操作が行われた場合の処理について説明する。
【0030】
<搬送動作>
注文飲食物搬送装置10の制御装置は、ベルトコンベア20付近に設けられた操作パネルにおいて、ベルトコンベア20に載置された飲食物の皿4の搬送先を指定する搬送開始操作が行われると、ベルトコンベア20を作動させ、飲食物の皿4を厨房2からテーブル3へ搬送する。そして、注文飲食物搬送装置10の制御装置は、テーブル3へ搬送された飲食物の皿4がベルトコンベア20から取り除かれるまで、次の搬送開始操作を拒否する。
【0031】
例えば、図4(G)に示すように、ベルトコンベア20に皿4が4枚置かれた状態で搬送開始操作が行われると、注文飲食物搬送装置10の制御装置は、制御装置内のメモリにアクセスして搬送開始操作拒否モードのフラグをセットする。そして、図4(H)に示すように、ゲートGが開いてベルトコンベア20が起動し、指定された搬送先へ向かって皿4が移動する。図4(I)に示すように、ベルトコンベア20に載っていた全ての皿4が厨房2から出ると、ゲートGが閉じる。そして、皿4が指定の搬送先へ到着すると、ベルトコンベア20が停止する。そして、皿4がベルトコンベア20から取り除かれると、ステップS101の処理とステップS106の処理で否定判定が行われ、ピッチ送り禁止モードのフラグやカウンタ値、搬送開始操作拒否モードのフラグがリセットされ、注文飲食物搬送装置104のピッチ送り動作等が再び実行され得る状態になる。
【0032】
上記の注文飲食物搬送装置10であれば、ベルトコンベア20に載っていた皿4が厨房2から出るとゲートGが閉じるため、ベルトコンベア20の作動中に厨房2で他の飲食物の皿4がベルトコンベア20に誤って載せられても、当該飲食物の皿4が客席3へ向かって厨房2から出るのをゲートGが阻む。よって、当該飲食物の皿4が意図しない客席へ誤って搬送されるのを防止することができる。また、上記の注文飲食物搬送装置10であれば、客席3に搬送された飲食物の皿4がベルトコンベア20から取り除かれるまで搬送開始操作拒否モードのフラグがリセットされないため、客席3に搬送された飲食物の皿4がベルトコンベア20から取り除かれる前に搬送開始操作が行われても、当該操作の受け付けが拒否され、次の飲食物の皿4の搬送が開始されることがない。
【0033】
<変形例>
なお、上記実施形態の注文飲食物搬送装置10は、以下のように変形してもよい。図6は、変形例に係る注文飲食物搬送装置10の全体構成図である。本変形例において、上記実施形態の注文飲食物搬送装置10と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0034】
本変形例では、上記実施形態の注文飲食物搬送装置10に、光センサSK1~3(本願でいう「第2光学式センサ」の一例である)が追加されている。光センサSK1~3は、何れも、ベルトコンベア20の左側と右側との間において検出光が受発光される光学式センサであり、各客席付近に設けられている。例えば、光センサSK1であれば、客席3L1,客席3R1の横に設定されたベルトコンベア20の停止ゾーン1における皿4の有無を検知できるように、停止ゾーン1を搬送方向に対しやや斜めに検出光が通るように受発光部を有している。また、例えば、光センサSK2であれば、客席3L2,客席3R2の横に設定されたベルトコンベア20の停止ゾーン2における皿4の有無を検知できるように、停止ゾーン2を搬送方向に対しやや斜めに検出光が通るように受発光部を有している。また、例えば、光センサSK3であれば、客席3L3,客席3R3の横に設定されたベルトコンベア20の停止ゾーン3における皿4の有無を検知できるように、停止ゾーン3を搬送方向に対しやや斜めに検出光が通るように受発光部を有している。
【0035】
そして、本変形例では、光センサSKが皿4を検知していても、光センサSK1~3の何れも皿4を検知していない場合は搬送開始操作拒否モードのフラグがリセットされる。よって、本変形例では、以下のような動作を実現することができる。図7は、変形例に係
る注文飲食物搬送装置10の制御装置が実現する動作の一例を示した図である。
【0036】
例えば、図7(I)に示すように、客席3L1または客席3R1に搬送された飲食物の皿4が停止ゾーン1から取り除かれていない状態において、厨房2で飲食物の皿4が誤ってベルトコンベア20に載置されたと仮定する。この場合、図7(J)に示すように、停止ゾーン1の飲食物が取り除かれても、厨房2で誤って載置された飲食物の皿4がベルトコンベア20に載置された状態のままだと、上記実施形態では、ステップS108の処理が実行されない。よって、厨房2でベルトコンベア20に載置されている皿4を一旦取り除かないと、搬送開始操作拒否モードのフラグがリセットされない。一方、本変形例であれば、停止ゾーン1の飲食物が取り除かれると、光センサSK1~3の何れも皿4を検知しない状態となるため、搬送開始操作拒否モードのフラグがリセットされる。よって、本変形例であれば、厨房2でベルトコンベア20に載置されている皿4を一旦取り除かなくても搬送開始操作が受け付けられ、厨房2でベルトコンベア20に載置されている皿4を客席3へ搬送することができる。
【0037】
なお、本変形例では、各停止ゾーン1~3における皿4の有無の誤検知を抑制するため、例えば、搬送する飲食物の中心が、各停止ゾーン1~3の中心となるように、搬送する皿4の枚数に応じてベルトコンベア20の停止位置を調整するようにしてもよい。例えば、搬送する皿4の枚数が4枚であれば、2枚目の皿4と3枚目の皿4の間が停止ゾーンの中心となるようにベルトコンベア20を停止する。また、例えば、搬送する皿4の枚数が3枚であれば、2枚目の皿4が停止ゾーンの中心となるようにベルトコンベア20を停止する。また、例えば、搬送する皿4の枚数が2枚であれば、1枚目の皿4と2枚目の皿4の間が停止ゾーンの中心となるようにベルトコンベア20を停止する。また、例えば、搬送する皿4の枚数が1枚であれば、皿4が停止ゾーンの中心となるようにベルトコンベア20を停止する。搬送する飲食物の皿4の停止位置がこのように調整されていれば、各停止ゾーン1~3における皿4の有無の誤検知を抑制することができる。
【0038】
<その他の変形例>
また、上記実施形態や変形例の注文飲食物搬送装置10は、複数のベルトコンベアが直列に組み合わされて1本の搬送路を形成するものであってもよい。また、注文飲食物搬送装置10は、厨房2から客席3へ至る搬送路が2つ以上平行に設けられていてもよい。また、注文飲食物搬送装置10は、例えば、皿4の代わりにトレイを載せることが可能な程度の横幅を有する幅広のベルトで搬送路を形成するものであってもよい。
【符号の説明】
【0039】
2・・厨房
3・・客席
4・・皿
5・・トレイ
10・・注文飲食物搬送装置
20・・ベルトコンベア
G・・ゲート
SK,SK1~3,SC・・光センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7