(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】光レセプタクルおよび光モジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20230713BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
G02B6/42
G02B6/32
(21)【出願番号】P 2019041656
(22)【出願日】2019-03-07
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000208765
【氏名又は名称】株式会社エンプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 悠生
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/048531(WO,A1)
【文献】特開2013-164497(JP,A)
【文献】特開2017-167356(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0190836(US,A1)
【文献】特開2006-064885(JP,A)
【文献】特開2013-182241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/42
G02B 6/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子と光伝送体との間に配置され、前記光電変換素子と前記光伝送体の端面とを光学的に結合するための
一体成形された光レセプタクルであって、
前記光電変換素子から出射された光を入射させるか、前記光伝送体の端面から出射され、前記光レセプタクルの内部を通る光を前記光電変換素子に向けて出射させる第1光学面と、
前記光電変換素子から出射され、前記光レセプタクルの内部を通る光を前記光伝送体に向けて出射させるか、前記光伝送体から出射された光を入射させる第2光学面と、
前記第1光学面と前記第2光学面との間の光路上において互いに対向するように配置された第3光学面および第4光学面と、
を有し、
前記第3光学面および前記第4光学面は、前記光レセプタクルの天面に開口した凹部に形成されており、
前記第3光学面は、前記第1光学面で入射した光を前記光レセプタクルの外部に出射させるか、前記第4光学面から前記光レセプタクルの外部に出射された光を前記光レセプタクルの内部に入射させ、
前記第4光学面は、前記第2光学面で入射した光を前記光レセプタクルの外部に出射させるか、前記第3光学面から前記光レセプタクルの外部に出射された光を前記光レセプタクルの内部に入射させ、
前記第3光学面または前記第4光学面は、レンズ面である、
光レセプタクル。
【請求項2】
前記レンズ面は、回転対称形状である中央部と、前記中央部の周囲に配置された周辺部とを有し、
前記中央部は、その対称軸に垂直な仮想基準面に対する傾きが-0.5°以上0°以下の面を含み、
前記周辺部は、前記仮想基準面に対する傾きが0.3°以上3°以下の面を含む、請求項1に記載の光レセプタクル。
【請求項3】
前記第1光学面で入射した光を前記第3光学面に向けて反射させるか、前記第3光学面で入射した光を第1光学面に向けて反射させる反射面をさらに有する、請求項1または請求項2に記載の光レセプタクル。
【請求項4】
1または2以上の光電変換素子と、請求項1~3のいずれか一項に記載の光レセプタクルとを有する、光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光レセプタクルおよびこれを有する光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバーや光導波路などの光伝送体を用いた光通信には、面発光レーザー(例えば、VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などの発光素子を備えた光モジュールが使用されている。光モジュールは、発光素子から出射された通信情報を含む光を、光伝送体の端面に入射させる光レセプタクルを有する。
【0003】
例えば、特許文献1は、発光素子から出射された光を、光レセプタクルを用いて光ファイバーの端面に入射させることができる光レセプタクルを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、光通信において送受信される情報は大容量化しており、また光通信に用いられる光モジュールが小型化している。このような状況下で、光レセプタクルを光モジュールとして組み立てる際に、発光素子と光レセプタクルとの位置がずれると極端な出力低下が起こることがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光電変換素子と光レセプタクルとの位置ずれが許容される範囲(位置ずれトレランス幅)を広げることができる光レセプタクルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る光レセプタクルは、光電変換素子と光伝送体との間に配置され、前記光電変換素子と前記光伝送体の端面とを光学的に結合するための光レセプタクルであって、前記光電変換素子から出射された光を入射させるか、前記光伝送体の端面から出射され、前記光レセプタクルの内部を通る光を前記光電変換素子に向けて出射させる第1光学面と、前記光電変換素子から出射され、前記光レセプタクルの内部を通る光を前記光伝送体に向けて出射させるか、前記光伝送体から出射された光を入射させる第2光学面と、前記第1光学面と前記第2光学面との間の光路上において互いに対向するように配置された第3光学面および第4光学面と、を有し、前記第3光学面は、前記第1光学面で入射した光を前記光レセプタクルの外部に出射させるか、前記第4光学面から前記光レセプタクルの外部に出射された光を前記光レセプタクルの内部に入射させ、前記第4光学面は、前記第2光学面で入射した光を前記光レセプタクルの外部に出射させるか、前記第3光学面から前記光レセプタクルの外部に出射された光を前記光レセプタクルの内部に入射させ、前記第3光学面または前記第4光学面は、レンズ面である。
【0008】
本発明に係る光モジュールは、1または2以上の光電変換素子と、本発明に係る光レセプタクルとを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光電変換素子と光レセプタクルとの位置ずれが許容される範囲(位置ずれトレランス幅)を広げることができる光レセプタクルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る光モジュールの断面図である。
【
図2】
図2A、Bは、本発明の実施の形態に係る光レセプタクルの斜視図である。
【
図3】
図3A、Bは、シミュレーションに用いたレンズ面の断面の一部をXY平面上に示すグラフである。
【
図4】
図4は、シミュレーションの結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(光モジュールの構成)
図1は、本発明の一実施の形態に係る光モジュール10の断面図である。なお、
図1では、光路を示すために各構成要素の断面のハッチングを省略している。一点鎖線は光束の光軸LAを示しており、破線は光束の外縁を示している。
【0013】
図1に示されるように、光モジュール10は、光電変換素子21と、光レセプタクル30とを有する。光モジュール10は、光レセプタクル30に光伝送体50がフェルールを介して接続された状態で使用される。
【0014】
光モジュール10が送信用の光モジュールの場合、光電変換素子21は、光レセプタクル30に向けて光を出射する発光素子である。発光素子から出射された光は、光レセプタクル30の内部を通って光伝送体50の端面23に到達する。発光素子の種類は、特に限定されない。発光素子は、例えば垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)である。
【0015】
一方、光モジュール10が受信用の光モジュールの場合、光電変換素子21は、光伝送体50の端面23から出射された、光レセプタクル30の内部を通ってきた光を検出する受光素子である。受光素子の種類は、特に限定されない。受光素子は、例えばフォトダイオード(PD)である。
【0016】
光電変換素子21の数は、特に限定されず、1個であってもよく、複数個であってもよい。なお、光電変換素子21の数が複数の場合、複数の光電変換素子21は、一列に配置されていてもよく、2列以上に配列されていてもよい。本実施の形態では、光電変換素子21の数は、1個である。
【0017】
光レセプタクル30は、光電変換素子21と、光伝送体50との間に配置され、光電変換素子21と光伝送体50の端面23とを光学的に結合させる。光レセプタクル30は透光性を有し、光電変換素子21または光伝送体50から出射された光を入射させる。光レセプタクル30は光通信に用いられる波長の光に対して透光性を有する材料を用いて形成される。そのような材料の例には、ポリエーテルイミド(PEI)や環状オレフィン樹脂などの透明な樹脂が含まれる。また、光レセプタクル30は、例えば射出成形により製造される。光レセプタクル30の構成については、別途詳細に説明する。
【0018】
光伝送体50は、フェルールを介して光レセプタクル30に接続される。光伝送体50の種類は、特に限定されない。光伝送体50の例には、光ファイバー、光導波路が含まれる。光ファイバーは、シングルモード方式であってもよいし、マルチモード方式であってもよい。光伝送体50の数も、特に限定されず、1本であってもよく、複数本であってもよい。通常は、光電変換素子21の数と光伝送体50の数は、同じである。本実施の形態では、光伝送体50は、1本の光ファイバーである。なお、光伝送体50の数が複数の場合、複数の光伝送体50は、一列に配置されていてもよく、2列以上に配列されていてもよい。
【0019】
(光レセプタクルの構成)
図2Aおよび
図2Bは、本発明の実施の形態に係る光レセプタクル30の斜視図である。
図2Aは、後述する第3光学面33がレンズ面である光レセプタクル30を示し、
図2Bは、後述する第4光学面34がレンズ面である光レセプタクル30を示す。
【0020】
図1、
図2Aおよび
図2Bに示されているように、光レセプタクル30は、第1光学面31と、第2光学面32と、第3光学面33と、第4光学面34と、反射面35とを有する。
【0021】
第1光学面31は、光電変換素子21に対向するように配置されており、光電変換素子(発光素子)21から出射された光を入射させるか、光伝送体50の端面23から出射され、光レセプタクル30の内部を通る光を光電変換素子(受光素子)21に向けて出射させる。本実施の形態では、第1光学面31は、光レセプタクル30の底面側に配置されており、光電変換素子21に向かって凸状の凸レンズ面である。本実施の形態では、第1光学面31は、光電変換素子(発光素子)21から出射された光をコリメート光に変換させるか、光レセプタクル30の内部を通った光を光電変換素子(受光素子)21に向けて集光させる。
【0022】
第1光学面31の数は、特に限定されず、1個であってもよく、複数個であってもよい。本実施の形態では、第1光学面31の数は1個である。なお、複数の光電変換素子21が一列に配置されている場合には、光電変換素子21と同じ数の第1光学面31が一列に配置されていてもよい。さらに、光電変換素子21が2列以上に配列されている場合には、第1光学面31も同じ列数で配列されてもよい。
【0023】
第2光学面32は、光伝送体50の端面23に対向するように配置されており、光電変換素子21から出射され、光レセプタクル30の内部を通る光を光伝送体50に向けて出射させるか、光伝送体50から出射された光を入射させる。本実施の形態では、第2光学面32は、光レセプタクル30の正面側に配置されており、光伝送体50に向かって凸状の凸レンズ面である。本実施の形態では、第2光学面32は、光レセプタクル30の内部を通った光を光伝送体50の端面23に向けて集光させるか、光伝送体50の端面23から出射された光をコリメート光に変換させる。
【0024】
第2光学面32の数は、特に限定されず、1個であってもよく、複数個であってもよい。本実施の形態では、第2光学面32の数は1個である。なお、複数の光伝送体50が一列に配置されている場合には、光伝送体50と同じ数の第2光学面32が一列に配置されていてもよい。さらに、光伝送体50が2列以上に配列されている場合には、第2光学面32も同じ列数で配列されてもよい。
【0025】
第3光学面33および第4光学面34は、第1光学面31と第2光学面32との間の光路上において互いに対向するように配置されている。本実施の形態では、光レセプタクル30の天面に開口し、第1光学面31と第2光学面32との間の光路と交わるように、略四角錐台形状の凹部が形成されている。この凹部を構成する5つの面のうち、互いに対向する2つの面が第1光学面31と第2光学面32との間の光路と交わる。これらの2つの面のうち、第1光学面31(反射面35)側の面において光路と交わる領域が第3光学面33であり、第2光学面32側の面において光路と交わる領域が第4光学面34である。第3光学面33および第4光学面34は、凹部内の空間(空気)を挟んで対向している。なお、凹部の形状は、特に限定されず、例えば略直方体などであってもよい。
【0026】
第3光学面33は、第1光学面31で入射した光を光レセプタクル30の外部に出射させるか、第4光学面34から光レセプタクル30の外部に出射された光を光レセプタクル30の内部に入射させる。本実施の形態では、第3光学面33は、光電変換素子21から出射され、第1光学面31で光レセプタクル30に入射し、反射面35で反射した光を、光レセプタクル30の外部に出射させる。あるいは、本実施の形態では、第3光学面33は、光伝送体50の端面23から出射され、第2光学面32で光レセプタクル30に入射し、第4光学面34で光レセプタクル30の外部に出射された光を、光レセプタクル30の内部に入射させる。第3光学面33で光レセプタクル30内に入射した光は、反射面35に向かう。
【0027】
第4光学面34は、第2光学面32で入射した光を光レセプタクル30の外部に出射させるか、第3光学面33から光レセプタクル30の外部に出射された光を光レセプタクル30の内部に入射させる。本実施の形態では、第4光学面34は、光伝送体50の端面23から出射され、第2光学面32で光レセプタクル30に入射した光を、光レセプタクル30の外部に出射させる。あるいは、本実施の形態では、第4光学面34は、光電変換素子21から出射され、第1光学面31で光レセプタクル30に入射し、反射面35で反射し、第3光学面33で光レセプタクル30の外部に出射された光を、光レセプタクル30の内部に入射させる。第4光学面34で光レセプタクル30内に入射した光は、第2光学面32に向かう。
【0028】
本実施の形態に係る光レセプタクル30では、第3光学面33および第4光学面34の少なくとも一方は、レンズ面である(
図2Aおよび
図2B参照)。ここでレンズ面とは、非平面を意味する。レンズ面は、球面であってもよいし、非球面であってもよい。レンズ面に到達した光が所期の位置からずれていた場合に所期の位置に近づくように光の進行方向を制御する観点から、レンズ面の周辺部は、光を中心側に屈折(集光)させるように傾斜していることが好ましい。一方、レンズ面の中央部は、光を中心側に屈折(集光)させる必要は無く、平面または凹面であってもよい。
【0029】
図2A、2Bに示されるように、第3光学面33または第4光学面34はレンズ面であり、レンズ面は、回転対称形状である中央部と、前記中央部の周囲に配置された周辺部とを有し、前記中央部は、その対称軸に垂直な仮想基準面に対する傾きが-0.5°以上0°以下の面を含み、前記周辺部は前記仮想基準面に対する傾きが0.3°以上3°以下の面を含むことが好ましい。ここで、レンズ面の特定の点における傾き(角度)は、レンズ面の中央部の対称軸に近づくにつれて凹部に近づくように傾いているときを正の値(0°超)とし、レンズ面の中央部の対称軸に近づくにつれて凹部から離れるように傾いているときを負の値(0°未満)とする。たとえば、レンズ面全体が凸レンズであった場合、レンズ面の各点における傾きは正の値(0°超)である。レンズ面全体が凹レンズであった場合、レンズ面の各点における傾きは負の値(0°未満)である。
【0030】
図2Aに示されるように、第3光学面33がレンズ面である場合、レンズ面は、例えば
図3AのXY平面に示される線をY軸を中心として回転させることで得られる形状を有している。このXY平面では、上が凹部(第4光学面34)側であり、下が反射面35側である。すなわち、このレンズ面は、凹部側に突出している。一方、
図2Bに示されるように、第4光学面34がレンズ面である場合、レンズ面は、例えば
図3BのXY平面に示される線をY軸を中心として回転させることで得られる形状を有している。このXY平面では、上が凹部(第3光学面33)側であり、下が第2光学面32側である。すなわち、このレンズ面も、凹部側に突出している。
【0031】
図3Aおよび
図3Bに示される第3光学面33および第4光学面34は、略円錐台状の形状を有する。円錐台の天面(上底)が上述の中央部に相当し、円錐台の側面が上述の周辺部に相当する。レンズ面がこのような形状を有することで、レンズ面の中央部を通る光は光軸に沿って直進し、レンズ面の周辺部を通る光は光軸に近づくように屈折する。レンズ面に到達する光束の位置がずれた場合、レンズ面の中央部を通る光が減り、レンズ面の周辺部を通る光が増えるが、レンズ面の周辺部を通る光は光軸に近づくように屈折するため、光束の位置が補正される。このように、第3光学面33および第4光学面34の少なくとも一方を所定形状のレンズ面とすることで、光電変換素子21に対する光レセプタクル30の位置がずれた場合であっても、光レセプタクル30内を進む光束の位置を補正することができる。その結果、光電変換素子21に対する光レセプタクル30の位置ずれトレランス幅を広げることができる。
【0032】
レンズ面の中央部および周辺部の光軸(中心軸)に垂直な方向の大きさは、上記機能を発揮できるように設定されることが好ましい。具体的には、光束の位置ずれがない場合に、光束全体がレンズ面の中央部を通るように、レンズ面の中央部の位置および大きさが設定されることが好ましい。また、光束がずれた場合に、光束の外縁部がレンズ面の周辺部を通るように、レンズ面の周辺部の位置および大きさが設定されることが好ましい。
【0033】
反射面35は、第1光学面31で入射した光を第3光学面33に向けて反射させるか、第3光学面33で入射した光を第1光学面31に向けて反射させる。
【0034】
本実施の形態では、反射面35は、光レセプタクル30の天面側に配置されており、光レセプタクル30の天面から底面に向かうにつれて光伝送体50から離れるように傾斜している。本実施の形態では、反射面35の形状は平面である。反射面35の傾斜角は、第1光学面31で入射した光を第3光学面33に向けて反射させることができれば、特に限定されない。本実施の形態では、第1光学面31で入射した光が全反射するように、反射面35の傾斜角が設定されている。
【0035】
(シミュレーション)
本実施の形態に係る光モジュール10において、光レセプタクル30に対して光電変換素子21を最大結合効率となる位置から光軸に垂直な方向に移動させた場合の、光電変換素子21と光伝送体50との間の結合効率の変化をシミュレーションした。
【0036】
図4は、シミュレーション結果を示すグラフである。横軸は、光電変換素子21の移動量を示し、縦軸は、最大結合効率の変化を示している。実線は、第3光学面33および第4光学面34が平面である光レセプタクル(比較例)のシミュレーション結果である。点線は、第3光学面33を
図3Aに示される形状のレンズ面とした光レセプタクル30(実施例1)のシミュレーション結果である。一点鎖線は、第4光学面34を
図3Bに示される形状のレンズ面とした光レセプタクル30(実施例2)のシミュレーション結果である。
【0037】
図4から明らかなように、第3光学面33または第4光学面34がレンズ面であると、光電変換素子21と光レセプタクル30とが位置ずれをしても、結合効率の低下が抑制されていることがわかる。
【0038】
具体的には、結合効率の低下が0.50dB以下となる光電変換素子21と光レセプタクル30との位置ずれ幅を「位置ずれトレランス幅」と定義した場合、比較例の光レセプタクルでは、位置ずれトレランス幅は約0.02mmであった。一方、第3光学面33または第4光学面34をレンズ面とした実施例1および実施例2の光レセプタクルでは、位置ずれトレランス幅は0.027mmまで広がった。
【0039】
(効果)
以上のように、本発明に係る光レセプタクル30は、従来の光レセプタクルよりも位置ずれトレランス幅が広い。したがって、本発明に係る光レセプタクル30を用いることで、高性能な光モジュール10を低コストで製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る光レセプタクルおよび光モジュールは、例えば、光伝送体を用いた光通信に有用である。
【符号の説明】
【0041】
10 光モジュール
21 光電変換素子
23 端面
30 光レセプタクル
31 第1光学面
32 第2光学面
33 第3光学面
34 第4光学面
35 反射面
50 光伝送体
LA 光軸