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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】カラオケ決済システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230713BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20230713BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q20/32 300
G10K15/04 302D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019084013
(22)【出願日】2019-04-25
(65)【公開番号】P2020181372
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 達也
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-071782(JP,A)
【文献】特開2015-021990(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0063004(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0147070(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G10K 15/04
G06Q 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ店舗に設置されたカラオケ装置と通信可能にペアリングされ、当該カラオケ店舗の店員が操作する店舗端末と、当該カラオケ店舗の利用者が所有する利用者端末と、を有するカラオケ決済システムであって、
前記店舗端末は、
前記利用者がカラオケ歌唱を希望する楽曲の演奏予約を行うよう、前記カラオケ装置に指示する予約指示部と、
前記カラオケ装置から、前記演奏予約を行った楽曲の演奏待機を示す信号を受け付けた場合、当該楽曲のカラオケ演奏に対する支払い金額を示す第1の金額情報、及び前記カラオケ店舗の指定する支払い先を示す第1の支払い先情報に基づいて、第1の決済のための第1のコードを生成する第1の生成部と、
生成した前記第1のコードを前記店舗端末の表示手段に表示させる第1の表示制御部と、
前記第1の決済が行われた場合、前記演奏予約を行った楽曲のカラオケ演奏を開始するよう、前記カラオケ装置に指示する演奏指示部と、
を有し、
前記利用者端末は、
前記店舗端末の表示手段に表示された第1のコードを読み取り、当該第1のコ―ドに含まれる前記第1の金額情報及び前記第1の支払い先情報を取得する第1の取得部と、
取得した前記第1の金額情報及び前記第1の支払い先情報に基づいて、前記第1の決済を行うようサーバ装置に指示する第1の決済指示部と、
を有するカラオケ決済システム。
【請求項2】
前記利用者端末は、
前記利用者の指定する支払い先を示す第2の支払い先情報に基づいて、前記第1の決済で支払われた金額の一部を返金する第2の決済のための第2のコードを生成する第2の生成部と、
生成した前記第2のコードを前記利用者端末の表示手段に表示させる第2の表示制御部と、
を有し、
前記店舗端末は、
楽曲のカラオケ演奏中止を示す信号を受け付けた場合、当該楽曲のカラオケ演奏を中止するよう前記カラオケ装置に指示し、且つ当該楽曲の歌唱区間のうち、カラオケ演奏を中止した歌唱区間に応じて前記利用者に対して返金する返金額を算出する中止処理部と、
前記利用者端末の表示手段に表示された第2のコードを読み取り、当該第2のコ―ドに含まれる前記第2の支払い先情報を取得する第2の取得部と、
算出した前記返金額及び取得した前記第2の支払い先情報に基づいて、前記第2の決済を行うよう前記サーバ装置に指示する第2の決済指示部と、
を有する請求項1記載のカラオケ決済システム。
【請求項3】
前記予約指示部は、楽曲を識別するための楽曲識別情報と、当該楽曲のカラオケ歌唱を希望した利用者を示す利用者識別情報とを紐付けて記憶させ、
前記中止処理部は、楽曲毎に算出した前記返金額を、利用者識別情報と紐付けて記憶させ、
前記第2の決済指示部は、取得した前記第2の支払い先情報、及び前記利用者識別情報に紐付けられた返金額を合計した合計金額に基づいて、前記第2の決済を行うよう前記サーバ装置に指示することを特徴とする請求項2記載のカラオケ決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケボックスのような業態においては、カラオケ装置の利用時間に応じて課金を行う。一方、カラオケ喫茶やカラオケスナックのような業態においては、カラオケ演奏する楽曲の数で課金するニーズがある。
【0003】
たとえば、特許文献1には、コインボックスを備えたカラオケ装置が開示されている。コインボックスは、利用者によるカラオケ利用に供するための入金を受け付ける装置である。コインボックスは、利用者が硬貨投入口から硬貨を投入すると、投入金額を算出して、入金カウンタにおける加算処理を行い、カラオケ楽曲が演奏される毎に、1曲分の課金金額について、入金カウンタにおける減算処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-071782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カラオケ演奏する楽曲の数で課金する場合、楽曲の演奏予約を行った後、カラオケ演奏を開始する前に支払いを完了させること(所謂、先払い)が好ましい。
【0006】
本発明の目的は、楽曲の演奏予約と、カラオケ演奏に対する支払いと、楽曲のカラオケ演奏開始との連携を取ることが可能なカラオケ決済システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一の発明は、カラオケ店舗に設置されたカラオケ装置と通信可能にペアリングされ、当該カラオケ店舗の店員が操作する店舗端末と、当該カラオケ店舗の利用者が所有する利用者端末と、を有するカラオケ決済システムであって、前記店舗端末は、前記利用者がカラオケ歌唱を希望する楽曲の演奏予約を行うよう、前記カラオケ装置に指示する予約指示部と、前記カラオケ装置から、前記演奏予約を行った楽曲の演奏待機を示す信号を受け付けた場合、当該楽曲のカラオケ演奏に対する支払い金額を示す第1の金額情報、及び前記カラオケ店舗の指定する支払い先を示す第1の支払い先情報に基づいて、第1の決済のための第1のコードを生成する第1の生成部と、生成した前記第1のコードを前記店舗端末の表示手段に表示させる第1の表示制御部と、前記第1の決済が行われた場合、前記演奏予約を行った楽曲のカラオケ演奏を開始するよう、前記カラオケ装置に指示する演奏指示部と、を有し、前記利用者端末は、前記店舗端末の表示手段に表示された第1のコードを読み取り、当該第1のコ―ドに含まれる前記第1の金額情報及び前記第1の支払い先情報を取得する第1の取得部と、取得した前記第1の金額情報及び前記第1の支払い先情報に基づいて、前記第1の決済を行うようサーバ装置に指示する第1の決済指示部と、を有するカラオケ決済システムである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、楽曲の演奏予約と、カラオケ演奏に対する支払いと、楽曲のカラオケ演奏開始との連携を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るカラオケ決済システムの概略を示す図である。
図2】第1実施形態に係る店舗端末を示す図である。
図3】第1実施形態に係る利用者端末を示す図である。
図4】第1実施形態に係るカラオケ決済システムの処理を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係る利用者端末を示す図である。
図6】第2実施形態に係る店舗端末を示す図である。
図7】第2実施形態に係るカラオケ決済システムの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1図4を参照して、第1実施形態に係るカラオケ決済システムについて説明する。
【0011】
==カラオケ決済システム==
図1に示すように、カラオケ決済システム1は、店舗端末R、及び利用者端末Mを有する。
【0012】
店舗端末Rは、カラオケ店舗Nに設置されたカラオケ装置Kと通信可能にペアリングされている。店舗端末Rは、カラオケ店舗Nの店員Cが操作する。店舗端末Rは、たとえばカラオケ装置Kに付属するリモコン装置である。なお、リモコン装置とは別の専用端末やカラオケ装置Kを操作可能なアプリケーションソフトウェア(いわゆるカラオケアプリ)がインストールされたスマートフォンを店舗端末Rとして用いてもよい。
【0013】
カラオケ装置Kは、カラオケ店舗Nの利用者Uが、カラオケ歌唱を行うための装置である。カラオケ装置Kは、利用者Uがカラオケ歌唱を希望する楽曲のカラオケ演奏を行うことができる。
【0014】
利用者端末Mは、カラオケ店舗Nの利用者Uが所有するスマートフォンやパーソナルコンピュータである。本実施形態に係る利用者端末Mには、カラオケ決済システム1を利用するための専用アプリケーションソフトウェア(以下、「決済アプリ」)がインストールされている。決済アプリは、サーバ装置Sや、サーバ装置Sが提供するWebサイトからダウンロードすることで入手できる。
【0015】
サーバ装置Sは、店舗端末Rまたは利用者端末Mからの指示に応じて決済処理を行うコンピュータである。本実施形態において、サーバ装置Sが行う決済処理は、モバイル決済に関する公知の技術を利用することができる。
【0016】
==店舗端末==
図2を参照して、店舗端末Rの構成について説明する。図2に示すように、店舗端末Rは、記憶手段10、通信手段11、表示手段12、入力手段13、撮影手段14、及び制御手段15を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0017】
[記憶手段]
記憶手段10は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10は、第1の金額情報、及び第1の支払い先情報を記憶している。
【0018】
第1の金額情報は、楽曲のカラオケ演奏に対する支払い金額を示す。第1の金額情報は、たとえば「100円/1曲」のように、予め所定の金額が設定されている。第1の支払い先情報は、利用者がカラオケ店舗に対して決済を行う際の支払い先を示す。第1の支払い先情報は、たとえばカラオケ店舗Nが契約している銀行の口座番号等である。なお、第1の金額情報及び第1の支払い先情報は、店員Cが入力手段13を介して新たな情報を入力することにより、適宜変更することが可能である。
【0019】
[通信手段、表示手段、入力手段、撮影手段]
通信手段11は、サーバ装置Sや利用者端末Mとの通信を行うためのインターフェースを提供する。表示手段12は、各種情報を表示させるディスプレイである。入力手段13は、店員Cが各種指示入力を行うための構成である。なお、カラオケ装置Kに付属するリモコン装置を店舗端末Rとして利用する場合、タッチパネル形式で構成された表示手段12を入力手段13として用いてもよい。撮影手段14は、店舗端末Rに搭載されたカメラである。
【0020】
[制御手段]
制御手段15は、店舗端末Rにおける各種の制御を行う。制御手段15は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0021】
本実施形態において、制御手段15は、予約指示部15a、第1の生成部15b、第1の表示制御部15c、及び演奏指示部15dとして機能する。
【0022】
(予約指示部)
予約指示部15aは、利用者がカラオケ歌唱を希望する楽曲の演奏予約を行うよう、カラオケ装置に指示する。
【0023】
たとえば、利用者Uが楽曲Xのカラオケ歌唱を希望したとする。この場合、店員Cは、入力手段13を介して楽曲Xを識別するための楽曲識別情報(所謂、楽曲ID)を登録する。予約指示部15aは、登録された楽曲IDをカラオケ装置Kに送信し、楽曲Xの演奏予約を行うよう指示する。カラオケ装置Kは、受信した楽曲IDを予約待ち行列に登録する。
【0024】
(第1の生成部)
第1の生成部15bは、カラオケ装置から、演奏予約を行った楽曲の演奏待機を示す信号を受け付けた場合、当該楽曲のカラオケ演奏に対する支払い金額を示す第1の金額情報、及びカラオケ店舗の指定する支払い先を示す第1の支払い先情報に基づいて、第1の決済のための第1のコードを生成する。
【0025】
第1の決済は、予約した楽曲のカラオケ演奏を開始するために、カラオケ店舗に対して所定の金額を支払うことをいう。第1のコードは、第1の決済のために使用する専用の符号である。第1のコードは、バーコードやQRコード(登録商標)のような一次元コード、或いは二次元コードである。
【0026】
上記例において、楽曲Xの演奏順になった場合、カラオケ装置Kは、店舗端末Rに対し、楽曲Xの演奏待機を示す信号を送信する。この場合、第1の生成部15bは、記憶手段10からカラオケ店舗Nにおける第1の金額情報及び第1の支払い先情報を読み出す。第1の生成部15bは、読み出した情報をエンコードし、第1の決済のための第1のコードを生成する。エンコードには、公知の技術を用いることができる。
【0027】
(第1の表示制御部)
第1の表示制御部15cは、生成した第1のコードを店舗端末の表示手段に表示させる。
【0028】
上記例の場合、第1の表示制御部15cは、第1の生成部15bが生成した第1のコードを表示手段12に表示させる。
【0029】
(演奏指示部)
演奏指示部15dは、第1の決済が行われた場合、演奏予約を行った楽曲のカラオケ演奏を開始するよう、カラオケ装置に指示する。
【0030】
サーバ装置Sから第1の決済が行われた旨の通知を受けた場合(後述)、演奏指示部15dは、楽曲Xのカラオケ演奏を開始するよう、カラオケ装置Kに指示する。カラオケ装置Kは、当該指示に基づいて、演奏待機の状態にある楽曲Xのカラオケ演奏を開始する。
【0031】
==利用者端末==
図3を参照して、利用者端末Mの構成について説明する。図3に示すように、利用者端末Mは、記憶手段20、通信手段21、表示手段22、入力手段23、撮影手段24、及び制御手段25を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0032】
[記憶手段、通信手段、表示手段、入力手段]
記憶手段20は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。通信手段21は、サーバ装置Sや店舗端末Rとの通信を行うためのインターフェースを提供する。表示手段22は、各種情報を表示させるディスプレイである。入力手段23は、利用者Uが各種指示入力を行うための構成である。なお、一般的なスマートフォンでは、表示手段22がタッチパネル形式で構成されており、入力手段23として機能する。撮影手段24は、利用者端末Mに搭載されたカメラである。
【0033】
[制御手段]
制御手段25は、利用者端末Mにおける各種の制御を行う。制御手段25は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0034】
本実施形態において利用者Uが決済アプリを起動することにより、制御手段25は、第1の取得部25a、及び第1の決済指示部25bとして機能する。
【0035】
(第1の取得部)
第1の取得部25aは、店舗端末の表示手段に表示された第1のコードを読み取り、当該第1のコ―ドに含まれる第1の金額情報及び第1の支払い先情報を取得する。
【0036】
たとえば、店舗端末Rの表示手段12に第1の生成部15bが生成した第1のコードが表示されているとする。
【0037】
利用者Uは、入力手段23を操作してコードリーダーを起動させ、撮影手段24を介して第1のコードを撮影する。第1の取得部25aは、撮影した画像から第1のコードを読み取る。第1の取得部25aは、読み取った第1のコードをデコードすることで、第1の金額情報及び第1の支払い先情報を取得する。デコードには、公知の技術を用いることができる。
【0038】
(第1の決済指示部)
第1の決済指示部25bは、取得した第1の金額情報及び第1の支払い先情報に基づいて、第1の決済を行うようサーバ装置Sに指示する。
【0039】
サーバ装置Sは、第1の決済指示部25bからの指示に基づき、第1の金額情報が示す支払い金額を、利用者Uの口座から第1の支払い先情報が示すカラオケ店舗Nの口座に入金する処理を行う。サーバ装置Sは、入金する処理が完了した場合、カラオケ店舗Nの店舗端末Rに第1の決済が行われた旨の通知を送信する。演奏指示部15dは、楽曲Xのカラオケ演奏開始をカラオケ装置Kに指示する。カラオケ装置Kは、演奏待機の状態にある楽曲Xのカラオケ演奏を開始する。なお、サーバ装置Sから店舗端末Rへの通知は、第1の支払い先情報に紐付けられている店舗端末Rのアドレス情報に基づいて行われるものとする。
【0040】
==カラオケシステムにおける処理について==
次に、図4を参照して本実施形態に係るカラオケ決済システム1における処理について述べる。図4は、カラオケ決済システム1における処理を示すフローチャートである。この例では、カラオケ店舗Nを利用する利用者Uが、楽曲Xのカラオケ歌唱を希望したとする。
【0041】
カラオケ店舗Nの店員Cは、店舗端末Rの入力手段13を介して楽曲Xの楽曲IDを登録する。予約指示部15aは、登録された楽曲IDをカラオケ装置Kに送信し、楽曲Xの演奏予約を行うよう指示する(演奏予約を指示。ステップ10)。カラオケ装置Kは、受信した楽曲IDを予約待ち行列に登録する。
【0042】
カラオケ装置Kから楽曲Xの演奏待機を示す信号を受信した場合、第1の生成部15bは、記憶手段10からカラオケ店舗Nにおける第1の金額情報及び第1の支払い先情報を読み出す。第1の生成部15bは、読み出した情報をエンコードし、第1の決済のための第1のコードを生成する(第1の決済のための第1のコードを生成。ステップ11)。
【0043】
第1の表示制御部15cは、ステップ11で生成した第1のコードを表示手段12に表示させる(第1のコードを表示。ステップ12)。店員Cは、表示された第1のコードを利用者Uに提示する。
【0044】
利用者Uは、利用者端末Mの撮影手段24を介して第1のコードを撮影する。第1の取得部25aは、撮影した画像から第1のコードを読み取り、デコードすることで第1の金額情報及び第1の支払い先情報を取得する(第1の金額情報及び第1の支払い先情報を取得。ステップ13)。
【0045】
第1の決済指示部25bは、第1の金額情報及び第1の支払い先情報に基づいて決済を行うようサーバ装置Sに指示する(第1の決済を指示。ステップ14)。
【0046】
サーバ装置Sは、第1の決済指示部25bからの指示に基づき、決済処理を行う。その後、サーバ装置Sは、カラオケ店舗Nの店舗端末Rに第1の決済が行われた旨の通知を送信する。
【0047】
サーバ装置Sから第1の決済が行われた旨の通知を受けた場合(ステップ15でYの場合)、演奏指示部15dは、楽曲Xのカラオケ演奏を開始するよう、カラオケ装置Kに指示する(カラオケ演奏の開始を指示。ステップ16)。カラオケ装置Kは、当該指示に基づいて、演奏待機の状態にある楽曲Xのカラオケ演奏を開始する。利用者Uは、カラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行うことができる。一方、サーバ装置Sから第1の決済が行われた旨の通知が無い場合(ステップ15でNの場合)、店舗端末Rは、カラオケ装置Kに対してカラオケ演奏を開始する旨の指示を行わない。
【0048】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ決済システム1は、カラオケ店舗Nに設置されたカラオケ装置Kと通信可能にペアリングされ、カラオケ店舗Nの店員Cが操作する店舗端末Rと、カラオケ店舗Nの利用者Uが所有する利用者端末Mとを有する。店舗端末Rは、利用者Uがカラオケ歌唱を希望する楽曲の演奏予約を行うよう、カラオケ装置Kに指示する予約指示部15aと、カラオケ装置Kから、演奏予約を行った楽曲の演奏待機を示す信号を受け付けた場合、当該楽曲のカラオケ演奏に対する支払い金額を示す第1の金額情報、及びカラオケ店舗Nの指定する支払い先を示す第1の支払い先情報に基づいて、第1の決済のための第1のコードを生成する第1の生成部15bと、生成した第1のコードを店舗端末Rの表示手段12に表示させる第1の表示制御部15cと、第1の決済が行われた場合、演奏予約を行った楽曲のカラオケ演奏を開始するよう、カラオケ装置Kに指示する演奏指示部15dと、を有する。利用者端末Mは、店舗端末Rの表示手段12に表示された第1のコードを読み取り、当該第1のコ―ドに含まれる第1の金額情報及び第1の支払い先情報を取得する第1の取得部25aと、取得した第1の金額情報及び第1の支払い先情報に基づいて、第1の決済を行うようサーバ装置Sに指示する第1の決済指示部25bと、を有する。
【0049】
このようなカラオケシステム1によれば、楽曲の演奏予約を行った後、利用者からの支払いがあった場合にのみ、カラオケ演奏が行われる。従って、カラオケ店舗は、確実に「先払い」で課金することができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ決済システム1によれば、楽曲の演奏予約と、カラオケ演奏に対する支払いと、楽曲のカラオケ演奏開始との連携を取ることができる。
【0050】
<第2実施形態>
次に、図5図7を参照して、第2実施形態に係るカラオケ決済システムについて説明する。
【0051】
利用者によっては、ある楽曲の一部(たとえば1番のみ)だけカラオケ歌唱したいといった希望もある。このような場合、利用しているカラオケ店舗が楽曲の数で課金する業態であったとしても、利用者はカラオケ歌唱した分だけ支払いを行いたいと考えることが一般的である。そこで、本実施形態では、一旦支払った金額の一部を返金する構成について説明する。第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0052】
==利用者端末==
図5を参照して、本実施形態に係る利用者端末Mの構成について説明する。図5に示すように、本実施形態において利用者Uが決済アプリを起動することにより、制御手段25は、第1の取得部25a、第1の決済指示部25b、第2の生成部25c、及び第2の表示制御部25dとして機能する。
【0053】
(第2の生成部)
第2の生成部25cは、利用者の指定する支払い先を示す第2の支払い先情報に基づいて、第1の決済で支払われた金額の一部を返金する第2の決済のための第2のコードを生成する。
【0054】
第2の支払い先情報は、カラオケ店舗が利用者に対して返金を行う際の支払い先を示す。第2の支払い先情報は、たとえば利用者Uが契約している銀行の口座番号等である。第2の支払い先情報は、利用者端末Mの記憶手段20等に記憶されている。第2の決済は、カラオケ店舗が、予約した楽曲のカラオケ演奏を開始する際に支払われた金額の中から、当該楽曲のカラオケ歌唱した利用者に対して一部の金額を返金することをいう。第2のコードは、第2の決済のために使用する専用の符号である。第2のコードは、第1のコード同様の一次元コード等である。
【0055】
たとえば、第1実施形態の例において、利用者Uが楽曲Xのカラオケ演奏の途中でカラオケ演奏を中止したいと考えたとする。この場合、利用者Uは、カラオケ店舗Nの店員Cにカラオケ演奏の中止を指示する。一方、利用者Uは、決済アプリ上で返金処理の指示を行う。この場合、第2の生成部25cは、記憶手段20から第2の支払い先情報を読み出す。第2の生成部25cは、読み出した情報をエンコードし、第2の決済のための第2のコードを生成する。
【0056】
(第2の表示制御部)
第2の表示制御部25dは、生成した第2のコードを利用者端末の表示手段に表示させる。
【0057】
上記例の場合、第2の表示制御部25dは、第2の生成部25cが生成した第2のコードを表示手段12に表示させる。
【0058】
==店舗端末==
図6を参照して、本実施形態に係る店舗端末Rの構成について説明する。図6に示すように、本実施形態において、制御手段15は、予約指示部15a、第1の生成部15b、第1の表示制御部15c、演奏指示部15d、中止処理部15e、第2の取得部15f、第2の決済指示部15gとして機能する。
【0059】
(中止処理部)
中止処理部15eは、楽曲のカラオケ演奏中止を示す信号を受け付けた場合、当該楽曲のカラオケ演奏を中止するようカラオケ装置Kに指示し、且つ当該楽曲の歌唱区間のうち、カラオケ演奏を中止した歌唱区間に応じて利用者に対して返金する返金額を算出する。
【0060】
楽曲の歌唱区間は、カラオケ演奏が行われる演奏区間のうち、歌詞が付与されている区間である。歌唱区間は、たとえば1番の歌唱区間、2番の歌唱区間といったように大まかに分けられていてもよいし、1番のAメロ、1番のBメロ、1番のサビといったように細分化されていてもよい。歌唱区間は、楽曲毎に予め設定されている。なお、以下の説明において、楽曲Xは4つの歌唱区間により構成されているとする。
【0061】
たとえば、第1実施形態の例において、利用者Uが楽曲Xのカラオケ演奏が3つ目の歌唱区間まで行われた時点でカラオケ演奏を中止したいと考えたとする。この場合、利用者Uは、カラオケ店舗Nの店員Cにカラオケ演奏の中止を指示する。店員Cは、店舗端末Rの入力手段13を介してカラオケ演奏中止を入力する。中止処理部15eは、当該入力に基づくカラオケ演奏中止を示す信号を受け付ける。この場合、中止処理部15eは、楽曲Xのカラオケ演奏を中止するようカラオケ装置Kに指示する。カラオケ装置Kは、当該指示に基づいて楽曲Xのカラオケ演奏を中止する。
【0062】
一方、中止処理部15eは、楽曲Xの歌唱区間のうち、カラオケ演奏を中止した歌唱区間に応じて利用者に対して返金する返金額を算出する。
【0063】
たとえば、中止処理部15eは、支払った金額に対し、楽曲の全歌唱区間の文字数のうち、カラオケ演奏が行われなかった歌唱区間に対応する文字数の割合を乗じて返金額を算出することができる。
【0064】
たとえば、第1の決済により利用者Uが支払った金額が100円であったとする。また、4つの歌唱区間の文字数が480文字であり、1の歌唱区間の文字数が120文字であったとする。この場合、中止処理部15eは、100円×(120文字÷480文字)=25円を返金額として算出する。
【0065】
なお、歌唱区間の文字数では無く、全歌唱区間のうち、カラオケ演奏が行われなかった歌唱区間の割合を用いてもよい。上記例の場合、中止処理部15eは、100円×(カラオケ演奏が行われなかった歌唱区間(1つ)÷全歌唱区間(4つ))=25円を返金額として算出する。
【0066】
(第2の取得部)
第2の取得部15fは、利用者端末の表示手段に表示された第2のコードを読み取り、当該第2のコ―ドに含まれる第2の支払い先情報を取得する。
【0067】
たとえば、利用者端末Mの表示手段22に第2の生成部25cが生成した第2のコードが表示されているとする。
【0068】
カラオケ店舗Nの店員Cは、入力手段13を操作してコードリーダーを起動させ、撮影手段14を介して第2のコードを撮影する。第2の取得部15fは、撮影した画像から第2のコードを読み取る。第2の取得部15fは、読み取った第2のコードをデコードすることで、第2の支払い先情報を取得する。
【0069】
(第2の決済指示部)
第2の決済指示部15gは、算出した返金額及び取得した第2の支払い先情報に基づいて、第2の決済を行うようサーバ装置に指示する。
【0070】
サーバ装置Sは、第2の決済指示部15gからの指示に基づき、返金額に相当する金額を、カラオケ店舗Nの口座から第2の支払い先情報が示す利用者Uの口座に入金する処理を行う。
【0071】
==カラオケシステムにおける処理について==
次に、図7を参照して本実施形態に係るカラオケ決済システム1における処理について述べる。図7は、カラオケ決済システム1における処理を示すフローチャートである。この例では、カラオケ店舗Nを利用する利用者Uが、第1実施形態で説明した処理により、所定の金額を支払ったうえで、楽曲Xのカラオケ歌唱を行っているとする。
【0072】
利用者Uからカラオケ演奏の中止の指示があった場合、カラオケ店舗Nの店員Cは、店舗端末Rの入力手段13を介して楽曲Xのカラオケ演奏中止の指示を行う。
【0073】
中止処理部15eは、楽曲Xのカラオケ演奏中止を示す信号を受け付けた場合、楽曲Xのカラオケ演奏を中止するようカラオケ装置Kに指示する(カラオケ演奏の中止を指示。ステップ20)。カラオケ装置Kは、当該指示に基づいて、楽曲Xのカラオケ演奏を終了する。
【0074】
その後、中止処理部15eは、楽曲Xの歌唱区間のうち、カラオケ演奏を中止した歌唱区間に応じて利用者に対して返金する返金額を算出する(返金額の算出。ステップ21)。
【0075】
一方、カラオケ演奏の中止の指示を行った利用者Uは、決済アプリ上で返金処理の指示を行う。この場合、第2の生成部25cは、記憶手段20から第2の支払い先情報を読み出す。第2の生成部25cは、読み出した情報をエンコードし、第2の決済のための第2のコードを生成する(第2の決済のための第2のコードを生成。ステップ22)。
【0076】
第2の表示制御部25dは、ステップ22で生成した第2のコードを表示手段22に表示させる(第2のコードを表示。ステップ23)。利用者Uは、表示された第2のコードを店員Cに提示する。
【0077】
店員Cは、店舗端末Rの撮影手段14を介して第2のコードを撮影する。第2の取得部15fは、撮影した画像から第2のコードを読み取り、デコードすることで、第2の支払い先情報を取得する(第2の支払い先情報を取得。ステップ24)。
【0078】
第2の決済指示部15gは、算出された返金額及び第2の支払い先情報に基づいて決済を行うようサーバ装置Sに指示する(第2の決済を指示。ステップ25)。
【0079】
サーバ装置Sは、第2の決済指示部15gからの指示に基づき、決済処理を行う。
【0080】
このように、本実施形態に係るカラオケ決済システム1において、利用者端末Mは、利用者Uの指定する支払い先を示す第2の支払い先情報に基づいて、第1の決済で支払われた金額の一部を返金する第2の決済のための第2のコードを生成する第2の生成部25cと、生成した第2のコードを利用者端末Mの表示手段22に表示させる第2の表示制御部25dと、を有する。また本実施形態に係る店舗端末Rは、楽曲のカラオケ演奏中止を示す信号を受け付けた場合、当該楽曲のカラオケ演奏を中止するようカラオケ装置Kに指示し、且つ当該楽曲の歌唱区間のうち、カラオケ演奏を中止した歌唱区間に応じて利用者に対して返金する返金額を算出する中止処理部15eと、利用者端末Mの表示手段22に表示された第2のコードを読み取り、当該第2のコ―ドに含まれる第2の支払い先情報を取得する第2の取得部15fと、算出した返金額及び取得した第2の支払い先情報に基づいて、第2の決済を行うようサーバ装置Sに指示する第2の決済指示部15gと、を有する。
【0081】
このようなカラオケ決済システム1によれば、カラオケ演奏に対する支払いを一旦行った後、カラオケ演奏を途中で中止した場合には、支払った金額の一部について返金を受けることができる。すなわち、カラオケ演奏を途中で中止した場合であっても、それまでにカラオケ歌唱を行った歌唱区間に応じて適切な金額の支払いが可能となる。
【0082】
<変形例>
第2実施形態では、利用者からのカラオケ演奏中止の指示に応じて、都度、返金を行う例について述べた。一方、利用者によっては、一回のカラオケ店舗Nの利用で、カラオケ演奏を途中で中止する指示を複数回行う場合もありうる。このような場合に利用者端末で、都度、第2のコードを生成したり、店舗端末側で都度、第2のコードを読み取ったりすることは煩雑である。そこで、本変形例におけるカラオケ決済システムによれば、複数回のカラオケ演奏の中止に対する返金を、一回でまとめて行うこともできる。
【0083】
この場合、予約指示部15aは、楽曲を識別するための楽曲識別情報と、当該楽曲のカラオケ歌唱を希望した利用者を示す利用者識別情報とを紐付けて記憶手段10に記憶させる。利用者識別情報は、たとえば店舗端末Rが顧客管理のために備えているものを利用することができる。
【0084】
たとえば、利用者Uが楽曲Xのカラオケ歌唱を希望したとする。この場合、予約指示部15aは、楽曲Xの楽曲IDに利用者Uの利用者IDを紐付けて記憶手段10に記憶させる。同様に、利用者Uが楽曲Yのカラオケ歌唱を希望したとする。この場合、予約指示部15aは、楽曲Yの楽曲IDに利用者Uの利用者IDを紐付けて記憶手段10に記憶させる。
【0085】
中止処理部15eは、楽曲毎に算出した返金額を、利用者識別情報と紐付けて記憶させる。
【0086】
たとえば、利用者Uが楽曲X及び楽曲Yのカラオケ演奏の途中で、演奏中止の指示を行ったとする。この場合、中止処理部15eは、楽曲Xについて返金額RaXを算出し、楽曲Yについて返金額RaYを算出する。中止処理部15eは、返金額RaX及び返金額RaYを利用者Uの利用者IDと紐付けて記憶手段10に記憶させる。
【0087】
第2の決済指示部15gは、取得した第2の支払い先情報、及び利用者識別情報に紐付けられた返金額を合計した合計金額に基づいて、第2の決済を行うようサーバ装置に指示する。
【0088】
たとえば、利用者Uがカラオケ店舗Nから退店する際、利用者Uは、決済アプリ上で返金処理の指示を行う。この場合、第2の生成部25cは、記憶手段20から第2の支払い先情報を読み出す。第2の生成部25cは、読み出した情報をエンコードし、第2の決済のための第2のコードを生成する。第2の表示制御部25dは、第2の生成部25cが生成した第2のコードを表示手段22に表示させる。
【0089】
カラオケ店舗Nの店員Cは、入力手段13を操作してコードリーダーを起動させ、撮影手段14を介して第2のコードを撮影する。第2の取得部15fは、撮影した画像から第2のコードを読み取る。第2の取得部15fは、読み取った第2のコードをデコードすることで、第2の支払い先情報を取得する。
【0090】
また、店員Cは返金処理の指示を行った利用者Uの利用者IDを店舗端末Rで指定し、第2の取得部15fは、利用者Uの利用者IDに紐付いている返金額を記憶手段10から読み出す。上記例であれば、利用者Uの利用者IDには、返金額RaX及び返金額RaYが紐付けられている。第2の取得部15fは、読み出した返金額を合計し、合計金額RaX+RaYを算出する。
【0091】
第2の決済指示部15gは、合計金額及び第2の支払い先情報に基づいて決済を行うようサーバ装置Sに指示する。
【0092】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1 カラオケ決済システム
15a 予約指示部
15b 第1の生成部
15c 第1の表示制御部
15d 演奏指示部
15e 中止処理部
15f 第2の取得部
15g 第2の決済指示部
25a 第1の取得部
25b 第1の決済指示部
25c 第2の生成部
25d 第2の表示制御部
M 利用者端末
R 店舗端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7