IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・ボーイング・カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図1
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図2
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図3
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図4
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図5
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図6
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図7
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図8
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図9
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図10
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図11
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図12
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図13
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図14
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図15
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図16
  • 特許-圧縮式マッチドダイ装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】圧縮式マッチドダイ装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/02 20060101AFI20230713BHJP
   B29C 43/52 20060101ALI20230713BHJP
   B29C 33/38 20060101ALI20230713BHJP
   B29C 64/10 20170101ALI20230713BHJP
   B22F 10/20 20210101ALI20230713BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20230713BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20230713BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20230713BHJP
【FI】
B29C43/02
B29C43/52
B29C33/38
B29C64/10
B22F10/20
B33Y80/00
B64C1/00 B
B64F5/10
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019100194
(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2020019273
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】15/992,465
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルブラン, ラス レナル
(72)【発明者】
【氏名】ピラー, アンドリュー アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】マクイネリー, クリス グレン
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0375609(US,A1)
【文献】米国特許第09902108(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0184432(US,A1)
【文献】特開2004-074271(JP,A)
【文献】国際公開第2018/034949(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/00-43/58
B29C 33/00-33/76
B29C 64/00-64/40
B22F 10/00-10/85
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮式マッチドダイ装置であって、該圧縮式マッチドダイ装置は、
ワークピースの第1の側に輪郭を成形するように構成された第1の中央部を有する、付加製造された第1のダイコンポーネント、
前記ワークピースの第2の側に輪郭を成形するように構成された第2の中央部を有する、付加製造された第2のダイコンポーネント、
前記第1の中央部及び前記第2の中央部を充分に加熱して、前記ワークピースを所望の形状に硬化させるように構成された加熱機構、及び
互いに向かい合わせで前記第1の中央部及び前記第2の中央部に力をかけるように構成された圧縮装置
を備え、前記ダイコンポーネントがそれぞれ、様々な形状のワークピースを成形するために相互に互換可能な複数の中央部を支持するように構成された剛体フレーム構造を有する、圧縮式マッチドダイ装置。
【請求項2】
前記第1の中央部及び前記第2の中央部が、ポリマー材料から構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の中央部及び前記第2の中央部が、金属材料から構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記加熱機構が、前記第1の中央部の底部側に接続された第1の加熱ブランケットと、前記第2の中央部の上部側に接続された第2の加熱ブランケットとを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の中央部及び前記第2の中央部が、第1のワークピースを成形する際に使用した後、ディスポーザブルに構成されている、請求項1から4までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の中央部及び前記第2の中央部が、航空機用インテリアパネルを成形するために構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の中央部及び前記第2の中央部が、ハニカム・コア熱硬化性サンドイッチ状複合材パネルを成形するクラッシュド・コアのために構成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の中央部及び前記第2の中央部、並びに対応する各加熱ブランケットが、前記ワークピースを華氏200~300度の温度にまで加熱するように構成されている、請求項4から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記圧縮装置が、互いに向かい合う前記中央部に1平方インチあたり少なくとも50ポンドの圧力をかけるように構成されたプレス機を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記装置の重量が1000ポンド未満である、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記装置の重量が500ポンド未満である、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
圧縮式マッチドダイ装置であって、
付加製造されたコア部材、
付加製造されたキャビティ部材、
前記コア部材を支持するように構成された第1のフレーム構造、
前記キャビティ部材を支持するように構成された第2のフレーム構造、
を備え、前記コア部材及び前記キャビティ部材は、パネルの両側を協動的に形作るように構成されており、前記第1のフレーム構造及び前記第2のフレーム構造は汎用的であり、様々な形状のワークピースを成形するために相互に互換可能な複数のコア部材及びキャビティ部材を支持するように構成されており、前記コア部材及び前記キャビティ部材は、対応するフレーム構造に選択的に取り付けられており、かつ特定のパネル形状を成形するために構成されている、圧縮式マッチドダイ装置。
【請求項13】
前記コア部材及び前記キャビティ部材は、第1のワークピースを成形する際に使用した後、ディスポーザブルに構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記コア部材及び前記キャビティ部材が、金属材料製である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記コア部材及び前記キャビティ部材が、ポリマー材料製である、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
互いに向かい合わせで前記コア部材及び前記キャビティ部材に力をかけるように構成された圧縮装置をさらに含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記コア部材の底部側に接続された第1の加熱ブランケットと、前記キャビティ部材の上面側に接続された第2の加熱ブランケットとをさらに含む、請求項12から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
圧縮成形式マッチドダイの製造方法であって、
コア部材を付加製造する工程、
キャビティ部材を付加製造する工程、
前記コア部材に、第1の加熱要素を接続する工程、
前記キャビティ部材に、第2の加熱要素を接続する工程、及び
前記コア部材及び前記キャビティ部材を、ワークピースを成形するために構成されたフレーム構造に取り付ける工程、
を含み、
前記フレーム構造が汎用的であり、前記取り付ける工程が、様々なパネル構成を製造するために前記フレーム構造において様々な複数のコア部材及びキャビティ部材を相互に互換することを含む、製造方法。
【請求項19】
前記コア部材及び前記キャビティ部材は、第1のワークピースを成形する際に使用した後、廃棄される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コア部材及び前記キャビティ部材が、金属材料製であるか、又はポリマー材料製である、請求項18又は19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧縮成形用製造工具のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮成形システムは、多様な産業において部品を製造するために使用される。例えば航空宇宙用途において圧縮成形システムは、熱硬化性材料製の航空機インテリアパネルを製造するために広く用いられている。しかしながら、これらのパネルを製造するために現在用いられる圧縮成形装置コンポーネントは、通常非常に大きくて重く、このため、これらのコンポーネントに関連する製造プロセスは、柔軟性に欠け、高価であり、不便なことがある。例えば、圧縮式ダイコンポーネントをある場所から別の場所へと移動させること、また圧縮式ダイコンポーネントを型内で圧縮することは通常、困難である。さらに、従来の圧縮式ダイ装置を製造するのに必要となる時間及び出費は、多大である。製造するための時間と出費がより少なくて済む、より軽量な圧縮式ダイ装置は、航空機インテリアパネル及びその他の物体の製造にとって、極めて有利になるだろう。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、圧縮式ダイコンポーネントに関連するシステム、装置及び方法を提供する。幾つかの実施形態において、圧縮式マッチドダイ装置は、ワークピースの第1の側に輪郭を成形するように構成された第1の中央部を有する、付加製造された第1のダイコンポーネントと、ワークピースの第2の側に輪郭を成形するように構成された第2の中央部を有する、付加製造された第2のダイコンポーネントと、第1の中央部及び前記第2の中央部を充分に加熱して、ワークピースを所望の形状に成形するように構成された加熱機構と、互いに向かい合う第1の中央部及び第2の中央部をプレスするように構成された圧縮装置とを備える。
【0004】
幾つかの実施形態において、圧縮式マッチドダイ装置は、パネルの両側を協働的に形作るように構成されているコア部材及びキャビティ部材と、コア部材を支持するように構成された第1のフレーム構造と、キャビティ部材を支持するように構成された第2のフレーム構造とを備え、第1のフレーム構造及び第2のフレーム構造のフレーム構造は汎用的であり、コア部材及びキャビティ部材は、対応するフレーム構造に選択的に取り付けられており、かつ特定のパネル形状を成形するために構成されている。
【0005】
幾つかの実施形態において、圧縮成形式マッチドダイの製造方法は、コア部材を付加製造する工程と、キャビティ部材を付加製造する工程と、コア部材に第1の加熱要素を接続する工程と、キャビティ部材に第2の加熱要素を接続する工程と、コア部材及びキャビティ部材を、ワークピースを成形するために構成されたフレーム構造に取り付ける工程とを含む。
【0006】
特徴、機能及び利点は、本開示の様々な実施形態において独立して達成できるか、又は以下の説明及び関連する図面を参照してさらなる詳細を把握可能なさらに別の実施形態において組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の態様に従った例示的な航空機のサンドイッチ状インテリアパネルについて、等角図を示す。
図2図1のサンドイッチ状パネルの断片的な分解図を示す。
図3】本開示の態様に従った例示的な圧縮式ダイ装置について、概略図を示す。
図4】本開示の態様に従った例示的な圧縮式ダイ装置について、等角図を示す。
図5図4の圧縮式ダイ装置について部分的な分解図を示す。
図6図4の圧縮式ダイ装置の圧縮ダイコンポーネントの例示的な中央部について、等角図を示す。
図7図6のダイコンポーネント中央部の平面図を示す。
図8図6のダイコンポーネント中央部の正面図を示す。
図9図7で示した方向に沿った、図6のダイコンポーネント中央部の断面図を示す。
図10図8で示した方向に沿った、図6のダイコンポーネント中央部の断面図を示す。
図11図4の圧縮式ダイ装置の例示的な圧縮ダイコンポーネントについて、等角図を示す。
図12図4の圧縮式ダイ装置の圧縮ダイコンポーネントの中央部について、別の例示的な等角図を示す。
図13図4の圧縮式ダイ装置と連結して使用するための型を示す概略図である。
図14】付加製造の例示的な方法における工程を表すフロー図である。
図15図14の方法を実行するために適した例示的な付加製造装置を示す概略図である。
図16】本開示の態様に従った圧縮成形式マッチドダイの例示的な製造方法における工程を示すフロー図である。
図17】本開示の態様に従った圧縮成形式部品の例示的な製造方法における工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
付加製造されたコンポーネントを有する圧縮式マッチドダイ装置について様々な態様及び例、並びに関連する方法が以下で説明され、添付図面において図示される。特に言及しなければ、本教示に従った圧縮式マッチドダイ装置、及び/又はその様々なコンポーネントは、本明細書に記載され、説明され、及び/又は組み込まれている構造、コンポーネント、機能及び/又はバリエーションのうち少なくとも1つを有することができるが、必ずしもその必要があるわけではない。さらに、特に排除しない限り、本教示との関連で本明細書に記載され、説明され、及び/又は組み込まれているプロセス工程、構造、コンポーネント、機能及び/又はバリエーションは、その他の類似の装置及び方法に含まれていてよく、開示された実施形態の間で相互に互換可能である。様々な例についての以下の説明は、本質的に説明のためのものに過ぎず、決して、本開示、本願又は用途を限定することが意図されているのではない。さらに、以下に示す例及び実施形態によってもたらされる利点は、本質的に説明のためのものであり、全ての例及び実施形態が、同じ利点又は同じ程度の利点をもたらすわけではない。
【0009】
詳細な説明は以下のセクションを含み、この後すぐに始まる:(1)定義、(2)概観、(3)例、コンポーネント、及び代替物、(4)例示的な組み合わせ、及びさらなる例、(5)利点、特徴及びメリット、(6)結論。例、コンポーネント、及び代替物のセクションはさらに、サブセクションAからFに分かれており、これらはそれぞれ、その区分に従って表題が設けられている。
【0010】
定義
特にそうでない旨を示さない限り、本明細書では以下の定義が当てはまる。
【0011】
「実質的に」とは、この語によって修飾された特定の寸法、範囲、形状、概念、又はその他の態様に多かれ少なかれ一致することを意味し、特徴又はコンポーネントが、厳密に一致する必要はない。例えば、「実質的に円筒形」な物体とは、この物体が円筒形に似ているものの、真の円筒形からは幾分逸脱していてもよいことを意味する。
【0012】
「含む(comprising)」、「備える(including)」、及び「有する(having)」(またこれらの活用形)は、含むことを意味するために相互に互換可能に使用されるが、必ずしもこれらに限定されるわけではなく、またこれらの語はオープンエンドの用語であり、言及されていないさらなる要素又は方法の工程を排除することが意図されているわけではない。
【0013】
「第1」、「第2」及び「第3」といった用語は、様々な部材群などを区別又は特定するために使用されているに過ぎず、順序的又は番号的な限定を示すことが意図されているわけではない。
【0014】
概観
一般的に、本開示の教示に従った圧縮式マッチドダイ装置は、第1の圧縮式ダイコンポーネントと、第2の圧縮式ダイコンポーネントとを有する。ワークピース(半製品とも呼ぶ)は、第1のダイコンポーネントの中央部と、第2のダイコンポーネント中央部との間に配置される。中央部は、ワークピースを所望の形状に成形するために構成されている。圧縮式マッチドダイ装置はさらに、互いに向かい合う中央部をプレスするように構成された圧縮装置を含む。圧縮式ダイ装置の加熱機構はこれらの中央部を加熱して、ワークピースの成形及び/又は硬化を容易にする。
【0015】
圧縮式マッチドダイ装置の1つ又は複数のコンポーネントは、付加製造され得る。付加製造は通常、原材料(例えば金属、熱可塑性プラスチックなど)をデジタル設計情報に従って順番通りの層状にすることと、この層状体を接合及び/又は融着させて所望の物体を形成することとを含む。付加製造技術には、3Dプリンティング、ラピッドプロトタイピング、ダイレクト・デジタル・マニファクチャリング、積層造形法、付着積層造形加工などが含まれ得る。本開示の圧縮式ダイコンポーネントのうち一方又は双方は、付加製造によって製造され得る。幾つかの例では、圧縮式ダイコンポーネントの中央部のみが、付加製造により製造され、圧縮式ダイコンポーネント及び装置のその他の部分は、従来の手段、例えば機械加工によって製造される。
【0016】
幾つかの例では、圧縮式ダイコンポーネントの付加製造された中央部が、相互に互換可能である。例えば、ワークピースを成形して異なる形状にするようにそれぞれ構成された複数の中央部を、付加製造することができ、また汎用フレーム構造に選択的に取り付けることができる。
【0017】
本明細書に記載する圧縮式マッチドダイ装置は通常、航空機用インテリアパネルを製造するために使用される。例えば、ワークピースを輪郭付けされたパネルに変えるために装置を用いる場合、圧縮式ダイコンポーネントの中央部はそれぞれ、ワークピースの側の輪郭を成形するように構成されていてよい。
【0018】
例、コンポーネント、及び代替物
以下のセクションでは、例示的な圧縮式ダイ装置について選択された態様、また関連するシステム及び方法を記載する。これらのセクションにおける例は、説明のためのものに過ぎず、本開示の範囲全体を限定するものと解釈されるべきではない。各セクションには、1つ又は複数の区別可能な実施形態又は実施例、並びに/又は文脈上又は関連する情報、機能及び/又は構造が含まれ得る。
【0019】
A.例示的なサンドイッチ状パネル
図1~2に示したように、このセクションでは、例示的なサンドイッチ状パネル25を説明する。サンドイッチ状パネル25は、前述のように圧縮式ダイ装置によって作製可能な、航空機インテリアパネルの例である。
【0020】
図1は、サンドイッチ状パネル25の等角図である。1つ又は複数のサンドイッチ状パネル25は、航空機のインテリア部、例えば床、天井、及び/又は壁を形成するために使用され得る。サンドイッチ状パネル25は、複数の層を備えるサンドイッチ状複合材パネルであり、通常は輪郭付けされた形状を有する。サンドイッチ状パネル25の第1の側27及び第2の側(図示せず)は、同じ輪郭を有する(図1参照)ことができるか、又は異なる輪郭を有することができる。
【0021】
図2は、サンドイッチ状パネル25の例示的な層を示す。サンドイッチ状パネル25は、第1の外装層33と第2の外装層34との間に配置されたハニカム・コア32を含む。外装層33及び34はそれぞれ、熱硬化性ポリマーマトリックス、例えばエポキシ樹脂及び/又はフェノール樹脂を含有することができ、これらの外装層には、強化系、例えば炭素繊維、アラミド、グラスファイバ、グラスファイバ織布などを組み込むことができる。さらに、又は代替的に、外装層33及び34は、熱可塑性材料及び/又はその他のポリマーを含有することができる。
【0022】
ハニカム・コア32は、ハニカムパターンに配設された複数の中空カラム36を備え、これらのカラムはそれぞれ、実質的に六角形の断面を有し、外装層33と34との間に延びる。ハニカム・コア32の各側を外装層33及び34に接合するために、接着性フィルム層38及び39が、含まれていてよい。幾つかの例では、パネル25が、1つ又は複数の難燃性コーティング40も備える。コーティング40は、さらに、又は代替的に、装飾材料、例えば塗料を含むことができる。
【0023】
サンドイッチ状パネル25は、前述のように圧縮式ダイ装置によって作製可能な物体の例である。例えば、サンドイッチ状パネル25は、圧縮式ダイ装置を用いて、クラッシュド・コア成形法で作製され得る。圧縮式ダイ装置は、さらに、又は代替的に、その他の種類のパネル及び/又はその他の種類の物体を製造するために使用することができる。
【0024】
B.例示的な圧縮式マッチドダイ装置
図3~13に示したように、このセクションでは、例示的な圧縮式マッチドダイ装置50を説明する。圧縮式マッチドダイ装置50は、前述の圧縮式マッチドダイ装置の例である。図3に概略的に示したように、圧縮式マッチドダイ装置50は、付加製造された第1のダイコンポーネント55、付加製造された第2のダイコンポーネント56、圧縮装置57、及び加熱機構58を備える。
【0025】
図4は、付加製造された第1のダイコンポーネント55と、付加製造された第2のダイコンポーネント56とを備える、圧縮式マッチドダイ装置50を示す。付加製造された第1のダイコンポーネント55は、第1のフレーム構造63によって支持された第1の中央部61を有する。付加製造された第2のダイコンポーネント56は、第2のフレーム構造68によって支持された第2の中央部66を有する。典型的な使用では、付加製造された第1のダイコンポーネント55が、付加製造された第2のダイコンポーネント56の上方に配置され、第1の中央部61及び第2の中央部66は、互いに向かい合っている。
【0026】
第1の中央部61及び第2の中央部66は、第1の中央部と第2の中央部との間に配置されたワークピース70(図5参照)の両側を協働的に形作るように構成される。例えば、第1の中央部61は、ワークピース70の第1の側(図示せず)における輪郭を成形するよう構成されていてよく、第2の中央部66は、ワークピース70の第2の側72における輪郭を成形するよう構成されていてよい。図5は、第1の中央部61と第2の中央部66との間にあるワークピース70の位置を説明する、圧縮式ダイ装置50についての部分的な分解図である。
【0027】
通常、圧縮式ダイ装置50は、航空機用インテリアパネル、例えば中実の熱硬化性フェノール壁面パネル、サンドイッチ状熱硬化性フェノール壁面パネルなどを製造するために構成されている。従って幾つかの例では、第1の中央部61及び第2の中央部66がそれぞれ、ワークピース70をパネルへと成形するように構成された、実質的に平坦でかつ/又は輪郭付けされた第1の成形面73及び第2の成形面76を有する(図11参照)。幾つかの例では、第1の中央部61の第1の成形面73は、凸形状で輪郭付けされており、第2の中央部66の第2の成形面76は、凹形状に輪郭付けされている。これらの例において、第1の中央部61は、コア部材と呼ぶこともでき、第2の中央部66は、キャビティ部材と呼ぶこともできる。本開示の図面において、底部ダイコンポーネントは、コア部材を有するものとして描かれ、上部ダイコンポーネントは、キャビティ部材を有するものとして描かれている。しかしながら、幾つかの例では、底部ダイコンポーネントがキャビティ部材を有し、上部ダイコンポーネントがコア部材を有する。
【0028】
幾つかの例では、第1の中央部61及び第2の中央部66が、類似の湾曲、幾何学的特徴、及び/又は材料成分を有する。これらの例は、両側でオフセット湾曲を適合させる、実質的に厚さが均一な航空機パネルを形成するために適切であり得る。
【0029】
幾つかの例では、第1の中央部61及び第2の中央部66が、相互に互換可能に構成されており、第1のフレーム63及び第2のフレーム68は、汎用的なものであり、かつ/又は様々に互換可能な複数の中央部のうちいずれかを選択的に支持するように構成された固定構造である。様々に互換可能な複数の第1の中央61、及び/又は様々に互換可能な複数の第2の中央部66は、様々な形状のワークピース70を成形するために設けられていてよい。例えば、特定の形状を有する航空機パネルは、特定のパネル形状を成形するために構成された、選択された第1の中央部61と、選択された第2の中央部66とを用いて作製することができる。
【0030】
図6~10は、第1の中央部61を示す。図6は、中央部61の等角図であり、凸部形成面73を示す。図7及び8はそれぞれ順に、中央部61の平面図及び正面図である。図9は、図7で示した方向に沿った断面図であり、図10は、図8で示した方向に沿った断面図である。
【0031】
図11及び12は、付加製造された第1のダイコンポーネント55、及び付加製造された第2のダイコンポーネント56を示す分解図であり、これらのコンポーネントはそれぞれ順に、第1の中央部61及び第2の中央部66を有し、これらの中央部はそれぞれ、第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68に取り付けられている。図11及び12に示した例では、第1の中央部61及び第2の中央部66はそれぞれ、第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68に、ボルトとピンのアセンブリによって固定されている。さらに、又は代替的に、第1の中央部61及び第2の中央部66は、第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68に、ラッチ、クリップ、ねじ、釘、及び/又はその他の適切な固定具によって固定され得る。幾つかの例では、第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68は、第1の中央部61及び第2の中央部66の一部を受容するように構成された溝、スロット及び/又はその他の適切な開口部を備え、これらの中央部は、中央部の一部が、対応する開口部内に受容されるように中央部を配置することによって、各フレーム構造内に取り付けられる。
【0032】
前述のように、第1の中央部61及び第2の中央部66は、相互に互換可能に構成されていてよく、第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68は、固定されていてもよい。従って、第1の中央部61及び第2の中央部66を、第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68に取り付けるための機構は、中央部又はフレーム構造を損傷せずに、これらの中央部を各フレーム構造に容易に取り付け可能であるとともに、各フレーム構造から容易に取り外せるように、構成されていてよい。図11~12に示したボルトとピンのアセンブリは、相互に互換可能な第1の中央部61及び第2の中央部66を、第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68に取り付け可能にするとともに、その取り外しを可能にする取り付け機構の例である。
【0033】
前述のように、第1の中央部61及び第2の中央部66は通常、少なくとも部分的に付加製造によって製造される。例えば、第1の中央部61及び第2の中央部66は、例えば金属材料から、及び/又は熱可塑性材料から、付加製造されていてよい。第1の中央部61及び第2の中央部66を付加製造するために必要となるコストと製造時間が相対的に低いため、例えば様々な航空機パネル構成のような製造のために構成された様々な第1の中央部及び第2の中央部を製造することが、容易になる。第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68は、完全に、又は部分的に付加製造されていてよく、かつ/又はその他の手段(例えば機械加工)によって製造されていてよい。第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68は通常、剛体構造である。
【0034】
第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68は、一緒にプレスされてワークピース70を成形する際に、フレーム構造の適切な位置合わせを容易にするよう構成された位置合わせ特徴を有することができる。図11~12に示したように、第1のフレーム構造63は、第1のフレーム構造から突出する1つ又は複数の位置合わせ突出部79を有することができ、第2のフレーム構造68は、この位置合わせ突出部を受容するように構成された対応する位置合わせポケット82を有することができる。任意選択的に、1つ又は複数の位置合わせブロック85(例えばヒールブロック及び/又はスペーサブロック)が、第1のフレーム構造63と第2のフレーム構造68との間での位置合わせ及び/又は垂直方向での間隔を調節するために、位置合わせ突出部79に、及び/又は位置合わせポケット82内に配置されていてよい。
【0035】
図11~12に示したように、第1の加熱ブランケット87は、第1の中央部61に取り付けられており、第2の加熱ブランケット90は、第2の中央部66に取り付けられている。第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90は、前述の圧縮式マッチドダイ装置50のための加熱機構58の例である。通常、第1の加熱ブランケット87は、第1の中央部61の第1の形成面73の反対側にある第1の非形成面93に接続されており(図8~10参照)、第2の加熱ブランケット90は、第2の中央部66の第2の形成面76の反対側にある第2の非形成面96に接続されている(図5参照)。第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90は、第1のダイコンポーネント55及び第2のダイコンポーネント56に熱を供給するように構成されており、これによってワークピース70の成形(例えばワークピースにおける熱可塑性材料及び/又はその他のポリマー材料の成形)が容易になり得る。第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90によって供給される熱は、さらに、又は代替的に、ワークピース内に熱硬化性材料がある場合にはその硬化を容易にし得る。電気的な接続、処理ロジック、熱電対、及び/又はその他の適切な温度センサ、冷却機構、並びにその他のあらゆる適切な設備が、第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90によって供給される熱を制御するために、必要に応じて設けられていてよい。
【0036】
幾つかの例では、第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90が、実際の温度とサセプタのキュリー温度との差異に基づき、誘導加熱により生じる熱量の自動的な変化を用いて、所定の範囲内の温度を維持するように構成された「スマートサセプタ(smart susceptors)」を有する。さらに、又は代替的に、第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90は、抵抗加熱により熱が生じるように構成されていてよい。幾つかの例では、第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90は、例えば抵抗加熱により、熱を産生するように構成されたカーボンナノチューブフィルムを有する。
【0037】
幾つかの例では、第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90が、第1の非形成面93及び第2の非形成面96のそれぞれに相互に隣接して配置された多数の加熱ブランケットを有する。これらの例において、第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90は、マルチゾーン加熱ブランケット及び/又はマルチゾーン加熱ブランケットシステムと呼ぶこともできる。構成要素である加熱ブランケットのそれぞれ、又は構成要素である加熱ブランケットのサブセットは各々、電力供給源、及び熱産生を制御するよう構成された処理ロジックを備えることができる。多数の加熱ブランケットにより、熱の均一性を改善することができ、かつ/又は加熱ブランケットの据付及び/又は交換がより容易になる。
【0038】
第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90は、第1の中央部61及び第2の中央部66に(例えば第1の非形成面93及び第2の形成面96に)、接着剤により接合され得る。接着剤には、樹脂、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂などが含まれ得る。幾つかの例では、第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90から第1の中央部61及び第2の中央部66への伝熱効率を高めるために、高い熱伝導率を有する材料が、接着性樹脂に組み込まれる。
【0039】
図4~5及び11~12に示したように、第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68は、第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90へのアクセスを容易にするため、例えば加熱ブランケットの据付及び/又は維持管理のために、第1の非形成面93及び第2の非形成面96に隣接して実質的に開放されていてよい。第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90へのアクセスが望ましくない場合には、第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68における開口部を覆うために、取り外し可能な蓋を設けることができる。これらの蓋は、損傷及び/又は熱損失を防止することができる。
【0040】
幾つかの例では、第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90が省略され、圧縮式ダイ装置50は、炉内に配置される。幾つかの例においてこの炉は、代替的な加熱源によって圧縮式ダイ装置50を加熱するように構成されていてよい。
【0041】
第1の加熱ブランケット87及び第2の加熱ブランケット90、並びに/又はその他のあらゆる加熱機構58は、ワークピース70を華氏150~350度の温度、及び/又は華氏200~300度の温度に加熱するように構成されていてよい。幾つかの例において、加熱機構58は、第1の成形面73及び第2の成形面76のそれぞれにわたる温度が、所定の範囲内で均一(例えば華氏±16度、及び/又は華氏±12度、及び/又は華氏±8度、華氏±4度という許容差内で均一)であるように、第1のダイコンポーネント55及び第2のダイコンポーネント56を加熱するために構成されている。第1のダイコンポーネント55及び第2のダイコンポーネント56が熱可塑性材料製の場合、ダイコンポーネントが加熱される目標温度(例えば熱硬化性ワークピース70にとって適切な温度)は、熱可塑性転移温度よりも低い。熱可塑性材料は、ワークピース70の温度よりも高い温度になるまでは、固体のままである。
【0042】
図13は、互いに向かい合わせで第1の中央部61及び第2の中央部66(例えばコア部材及びキャビティ部材)に力をかけるために構成された例示的なプレス機100を示す。プレス機100は、前述のように圧縮装置57の例である。プレス機100は、第1のプラテン103及び第2のプラテン106、並びに互いに向かい合うこれらのプラテンに力をかけるように構成されたアクチュエータ110を備える。アクチュエータ110は、1つ又は複数の油圧シリンダ、空気圧シリンダなどを備えることができる。第1のダイコンポーネント55及び第2のダイコンポーネント56は、互いに向かい合うプラテンをプレスすることによって互いに向かい合う第1の中央部61及び第2の中央部66もプレスされるように、第1のプラテン103と、第2のプラテン106との間に配置される。例えば、第1のプラテン103は、第1のダイコンポーネント55の底部側に係合することができ、第2のプラテン106は、第2のダイコンポーネント56の上部側に係合することができる。例示的なプレス機100では、第1のプラテン103が、ある位置に固定されており、第2のプラテン106は、フレーム115に摺動可能に取り付けられている。フレーム115により少なくとも部分的に支持されているアクチュエータ110は、第2のプラテン106を第1のプラテン103に向かって押すように構成されている。アクチュエータ110はまた、第2のプラテン106を、第1のプラテン103から離れるように上昇させるために構成されていてよい。これに対して幾つかの例では、第2のプラテン106が或る位置に固定されており、第1のプラテン103が移動可能である。別の例では、これらのプラテンは両方とも、移動可能である。
【0043】
プレス機100は、互いに向かい合う第1の中央部61及び第2の中央部66に、1インチあたり少なくとも50ポンドの圧力(50psi)をかけるように構成されていてよい。幾つかの例において、プレス機100は、互いに向かい合う第1の中央部61及び第2の中央部66に、50~250psiの圧力をかけるように構成されていてよい。
【0044】
前述のように、圧縮式マッチドダイ装置50の少なくとも幾つかのコンポーネントは、付加製造される。幾つかの例において、第1のダイコンポーネント55及び第2のダイコンポーネント56は、完全に付加製造される。幾つかの例では、第1の中央部61及び第2の中央部66が付加製造され、第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68は、別の方法によって製造される。圧縮式マッチドダイ装置50は、少なくとも部分的に付加製造されているため、従来の方法で製造された圧縮式ダイ装置に比べて、相対的に重量が軽いことがある。例えば、圧縮式マッチドダイ装置50の付加製造された部分は、軽量材料製、例えば熱可塑性材料製であり得る。さらに、又は代替的に、付加製造工程によって、圧縮式マッチドダイ装置50の一部を、従来の製造方法で実行可能な量よりも少ない材料で製造することができる。従って、圧縮式マッチドダイ装置50は、付加製造された圧縮式マッチドダイ装置50の一部が慣用の材料、例えば鋼製であったとしても、完全に従来の方法によって製造された装置よりも重量が軽いことがある。幾つかの例において、圧縮式マッチドダイ装置50は、重量が1000ポンド未満である。幾つかの例において、圧縮式マッチドダイ装置50は、重量が500ポンド未満である。これとは対照的に、既知の圧縮式マッチドダイ装置は通常、重量が10,000ポンド超であり、時にはその重量が14,000ポンド超、又は20,000ポンド超であり得る。
【0045】
C.例示的な付加製造法
このセクションでは、付加製造されたワークピース(例えば第1のダイコンポーネント55及び第2のダイコンポーネント56、並びに/又は第1の中央部61及び第2の中央部66)を付加製造する例示的な方法の工程を説明する(図14参照)。図15に示した例示的な付加製造装置の態様は、以下に記載する方法工程で利用され得る。各工程を実施するに際して使用可能なコンポーネント及びシステムは、適宜言及され得る。これらの言及は、説明のためのものに過ぎず、本方法の特定の工程を実施するために可能なやり方を制限することが意図されているわけではない。
【0046】
付加製造は、比較的低コストで迅速な製造方法として、多くの産業で急速に注目を浴びている。付加製造は、3Dモデルから加算的に物体を造形することによって固体の物体を形成るために、使用することができる。付加製造技術では通常、原材料を層状にし、この原材料を選択的に接合させて、所望の物体を形成する。個々の層の厚さは、使用する特定の付加製造技術によって様々である。例示的な技術にはとりわけ、選択的レーザー溶融(SLM)、直接金属レーザー焼結(DMLS)、選択的レーザー焼結(SLS)、熱融解積層(FFF)、ワイヤフィード式付加製造、及び電子ビーム溶解(EBM)などが含まれる。ワイヤフィード式付加製造技術には、ワイヤ・レーザー式付加製造(WLAM)、電子ビーム自由形式製造(EBF3)、ワイヤ・アーク式付加製造(WAAM)などが含まれ得る。
【0047】
図14は、例示的な方法200で行われる工程を説明するフローチャートであり、本方法の完全なプロセス又は全ての工程について言及するものではない。方法200について様々な工程を以下で説明し、また図14に示しているが、幾つかの場合では、これらは同時に、又はここに示した順序とは異なる順序で、行うことができる。
【0048】
工程202では、順序付けされた複数の層に関するデジタル情報が受信される。このデジタル情報は、図15に示したように、付加製造装置310のコンピュータ制御部312によって受信され得る。付加製造装置310は、プリンタ又は製造機と呼ばれることもある。コンピュータ制御部312は、デジタル設計情報及びプリンタ310の制御機能を受信するように構成された任意のデータ処理システムを備えることができる。図15に示した例示的なコンピュータ制御部は、プリンタ機能を制御するためのプロセッサ314と、受信データを記録するためのメモリ316とを備える。
【0049】
受信された情報は、三次元物体の層を構成する複数の二次元パターンについての幾何学的データ及び/又は設計の詳細を含むことができ、ここで三次元物体とは、製造すべき、付加製造されるワークピース328である。これらの層はまた、断面又は切片として説明することもできる。複数の層は、これらの層を最初の層から最後の層へと番号付け又は整理するように、順序付けされている。
【0050】
方法200の工程204は、プリンタ310の造形環境320に位置付けられた造形プラットフォーム318で原材料を堆積させることを含む。造形プラットフォーム318は、コンピュータ制御部312により製造軸322に沿って移動可能な支持部を備えることができる。造形プラットフォーム318は、製造軸322に対して垂直な平面を有することができる。
【0051】
原材料は、付加製造に適した任意の材料であってよく、通常は、流体、粉末及び/又はワイヤであり、これには感光性ポリマー樹脂、熱可塑性材料、熱硬化性材料、そのままの及び/又は強化されたポリマー材料、プラスター、セラミック及び金属が含まれるが、これらに限られない。材料は、原材料供給源324、例えばホッパー、タンク、ワイヤ、又は粉末床から分配され得る。例えば、アルミニウム粉末を、コンピュータ制御部312によって駆動されたブラシ・アームにより、造形プラットフォーム318にわたり粉末床から掃出すことができる。
【0052】
原材料は、造形プラットフォーム318にわたって均一に分配され得るか、又は選択されたパターンで堆積され得る。堆積は、コンピュータ制御部312の制御下で行うことができる。幾つかの例において、造形プラットフォーム318は、原材料に埋まっていてよく、堆積は、重力又は流体圧によって達成され得る。幾つかの例では、原材料供給源324に接続されたプリントヘッド326が、順序付けされた複数の層のうち第1の層に対応するパターンで、原材料を堆積させることができる。
【0053】
工程206では、第1の層を製造するために、原材料を変換する。換言すると、順序付けされた複数の層のうち第1の層に関する設計情報に従って、またコンピュータ制御部312によって方向付けされる通りに、堆積された材料に対して物理的な変化を起こして、第1の層を、造形プラットフォーム318における物理的な物体として具現化する。
【0054】
材料は、コンピュータ制御部312により制御される、プリンタ310のプリントヘッド326によってもたらすことができる。例えば、プリントヘッド326は、光にさらすことにより感光性樹脂を硬化させるレーザー、又は熱にさらすことにより金属粉末を焼結させるレーザーを備えることができる。プリントヘッド326は、コンピュータ制御部312によって方向付けされて、第1の層について受信したデジタル情報で規定された経路に、及び/又は受信したデジタル情報に基づいてプロセッサ314により計算された経路に従うことができる。
【0055】
工程208は、造形プラットフォーム318を再配置することを含む。幾つかの例において、造形プラットフォーム318は当初、プリントヘッド326から選択された距離だけ離れて、配置され得る。選択された距離は、プリントヘッド326により行われる手順に基づいて決定され得る。層の製造に続いて、造形プラットフォーム318を、コンピュータ制御部312により製造軸322に沿って、層の厚さにほぼ等しい分だけプリントヘッド326から離して再配置することができる。これはつまり、造形プラットフォーム318を、製造された層の上面がプリントヘッド326から選択された距離だけ隔てられているように、移動できるということである。
【0056】
幾つかの例では、造形プラットフォーム318が、プリンタ310の別の要素、例えば原材料分配コンポーネントと位置合わせされた状態で始まり得る。層の製造に続いて、造形プラットフォーム318を、製造された層の上面がプリンタ310のその他の要素と位置合わせされているように、コンピュータ制御部312により製造軸322に沿って再配置することができる。幾つかの例では、工程208においてプリントヘッド326を、造形プラットフォーム318に代えて、又はこれに加えて、再配置することができる。幾つかの例では、工程208を飛ばすことができる。
【0057】
工程210では原材料を、方法200の先行工程で製造された層に堆積させる。工程204について前述のように、原材料は任意の適切な材料であってよく、任意の適切なやり方で堆積させることができる。工程212では、先に工程206について述べたようにして次の層を製造するために、原材料を変換する。
【0058】
工程208から212は、受信したデジタル情報の複数の層のうち各層を製造するために、最後の層が製造されるまで、繰り返すことができる。製造された最初の層から最後の層はこうして、受信したデジタル情報通りに付加製造されたワークピース328を備えることができる。付加製造されたワークピースは、プリンタから取り外して、所望の通り後処理にかけることができる。例えば、付加製造されたワークピースは、造形プラットフォームの造形プレートから機械加工することができ、細部及び/又は平滑面は、機械加工及び/又はその他の方法によって仕上げ加工することができる。
【0059】
D.圧縮成形式マッチドダイの例示的な製造方法
このセクションでは、圧縮成形式マッチドダイを製造する例示的な方法400の工程を説明する(図16参照)。例示的な付加製造装置310及び/又は方法200についての態様は、以下に記載する方法工程で利用され得る。各工程を実施するに際して使用可能なコンポーネント及びシステムは、適宜言及され得る。これらの言及は、説明のためのものに過ぎず、本方法の特定の工程を実施するために可能なやり方を制限することが意図されているわけではない。
【0060】
図16は、例示的な方法400で行われる工程を説明するフローチャートであり、本方法の完全なプロセス又は全ての工程について言及するものではない。方法400について様々な工程を以下で説明し、また図16に示しているが、これらの工程を必ずしも全て行う必要はなく、幾つかの場合では、これらは同時に、又はここに示した順序とは異なる順序で、行うことができる。
【0061】
工程402において方法400は、コア部材を付加製造することを含む。コア部材は例えば、例示的な第1のダイコンポーネント55の第1の中央部61を有することができる。
【0062】
工程404において方法400は、キャビティ部材を付加製造することを含む。キャビティ部材は例えば、例示的な第2のダイコンポーネント56の第2の中央部66を有することができる。
【0063】
付加製造工程402及び404は、付加製造法200の態様を含むことができる。幾つかの例において、コア部材及びキャビティ部材は、金属製である。幾つかの例において、コア部材及びキャビティ部材は、熱可塑性プラスチック材料製、例えばアクリル製、ナイロン製、ポリカーボネート製などである。コア部材及びキャビティ部材は、さらに、又は代替的に、熱硬化性材料製、並びに/又はそのままの及び/若しくは強化されたポリマー材料製であり得る。任意の適切な付加製造技術を、工程402及び404を実施するために使用することができる。
【0064】
工程406において方法400は、第1の加熱要素をコア部材に接続することを含む。第1の加熱要素は、第1の加熱ブランケット87及び/又は任意のその他の適切な加熱機構を備えることができる。第1の加熱要素をコア部材に接続することは、第1の加熱要素をコア部材の表面に、及び/又はコア部材の内部に配置することを含み得る。幾つかの例において、第1の加熱要素をコア部材に接続することは、加熱要素をコア部材の表面(例えば第1の非形成面93)に接続することを含む。
【0065】
工程408において方法400は、第2の加熱要素をキャビティ部材に接続することを含む。第2の加熱要素は、第2の加熱ブランケット90及び/又は任意のその他の適切な加熱機構を備えることができる。第2の加熱要素をキャビティ部材に接続することは、第2の加熱要素をキャビティ部材の表面に、及び/又はキャビティ部材の内部に配置することを含み得る。幾つかの例において、第2の加熱要素をキャビティ部材に接続することは、加熱要素をキャビティ部材の表面(例えば第2の非形成面96)に接続することを含む。
【0066】
工程410において方法400は、コア部材及びキャビティ部材を、ワークピース(例えばワークピース70)を成形するために構成されたフレーム構造に取り付けることを含む。フレーム構造は、第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68、並びに/又はコア部材及びキャビティ部材を支持するのに適した任意のその他の構造を、圧縮装置によってともにプレス可能なように備えることができる。幾つかの例では、フレーム構造が、様々なコア部材及びキャビティ部材を支持するように構成された汎用フレーム構造である。様々なコア部材及びキャビティ部材は、様々なワークピース、例えば航空機パネルの様々な形状を製造するために構成されていてよい。これらの例において、工程410は、様々なパネル構成を製造するためのフレーム構造における様々なコア部材及び/又はキャビティ部材を、相互に交換することを含む。
【0067】
E.圧縮成形式部品の例示的な製造方法
このセクションでは、圧縮成形式部品を製造する例示的な方法500の工程を説明する(図17参照)。例示的な付加製造装置310の態様は、以下に記載する方法工程で利用され得る。各工程を実施するに際して使用可能なコンポーネント及びシステムは、適宜言及され得る。これらの言及は、説明のためのものに過ぎず、本方法の特定の工程を実施するために可能なやり方を制限することが意図されているわけではない。
【0068】
図17は、例示的な方法500で行われる工程を説明するフローチャートであり、本方法の完全なプロセス又は全ての工程について言及するものではない。方法500について様々な工程を以下で説明し、また図17に示しているが、これらの工程は必ずしも全て行う必要はなく、幾つかの場合では、これらは同時に、又はここに示した順序とは異なる順序で、行うことができる。
【0069】
工程502において方法500は、製造すべき第1の圧縮成形部品の第1の形状を決定することを含む。例えば、第1の圧縮成形部品は、航空機インテリアパネル(例えばサンドイッチ状パネル25)であってよく、第1の形状は、航空機設計情報に基づいて決定され得る。
【0070】
工程504において方法500は、第1のワークピース(例えばワークピース70)を工程502で決定された第1の形状へと協動的に圧縮成形するために構成された、第1のコア部材(例えば凸状の圧縮式ダイ中央部、例えば第1の中央部61)と、第1のキャビティ部材(例えば凹状の圧縮式ダイ中央部、例えば第2の中央部66)とを製造することを含む。通常、第1のコア部材及び/又は第1のキャビティ部材は、付加製造技術によって製造される。
【0071】
工程506において方法500は、第1のコア部材及び第1のキャビティ部材をフレーム構造(例えば第1のフレーム構造63及び第2のフレーム構造68を備えるフレーム構造)に取り付けることを含む。フレーム構造は、第1のコア部材及び第1のキャビティ部材を、これらの部材が第1のワークピースを成形するために使用可能であるように、支持する。これらのフレーム構造は、様々なコア部材及びキャビティ部材を支持するように構成された汎用フレーム構造である。
【0072】
工程508において方法500は、第1のコア部材及び第1のキャビティ部材を用いて第1のワークピースを成形して、決定された第1の形状を有する第1の圧縮成形された部品を形成することを含む。例えば、圧縮装置、例えばプレス機100は、第1のキャビティ部材を第1のコア部材に向かって、これらの部材の間にある第1のワークピースとともにプレスするために使用することができ、これによって第1のワークピースが、第1の圧縮成形された部品へと成形される。工程508で第1のワークピースを成形することは通常、加熱機構を用いて第1のワークピースを加熱することを含み、これによって第1のワークピースの成形及び/又は硬化が容易になる。
【0073】
工程510において方法500は、任意選択的に、第1のコア部材及び第1のキャビティ部材を廃棄することを含む。第1のコア部材及び第1のキャビティ部材についての交換は、迅速に、相対的に低いコストで付加製造することができるので、第1のコア部材及び第1のキャビティ部材を使用後に(及び/又は使用しなくなってからすぐ後に)廃棄することが、再び必要となるまで保管するよりも、コスト効率的によいことがある。第1のコア部材及び第1のキャビティ部材を廃棄することは、第1のコア部材及び/又は第1のキャビティ部材をリサイクルすることを含むことができ、これによってコア部材及びキャビティ部材を製造するために使用した材料を、再利用することができる。例えば、第1のコア部材及び第1のキャビティ部材を溶融させて、溶融した材料の少なくとも一部を、別の物体を付加製造するための原材料として再利用することができる。溶融した材料は、再利用する前に、保管及び/又は処理(例えば粉末、流体、ワイヤ、及び/又は任意のその他の形態に変換)することができる。
【0074】
工程512において方法500は任意選択的に、製造すべき第2の圧縮成形部品の第2の形状を決定することを含む。第2の圧縮成形部品は、航空機インテリアパネル(例えばサンドイッチ状パネル25)であってよく、第2の形状は、航空機設計情報に基づいて決定され得る。
【0075】
工程514において方法500は任意選択的に、第2のワークピース(例えばワークピース70)を工程512で決定された第2の形状へと協動的に圧縮成形するために構成された、第2のコア部材(例えば凸状の圧縮式ダイ中央部、例えば第1の中央部61)と、第2のキャビティ部材(例えば凹状の圧縮式ダイ中央部、例えば第2の中央部66)とを製造することを含む。通常、第2のコア部材及び/又は第2のキャビティ部材は、付加製造される。第2のコア部材及び/又は第2のキャビティ部材は、第1のコア部材及び/又は第1のキャビティ部材をリサイクルすることによって得られた材料から部分的に又は完全に製造されたものであり得る。
【0076】
幾つかの例では、第2の圧縮成形された部品の第2の形状が、第1の圧縮成形された部品の第1の形成と同一であるか、又はほぼ同一である。従って、第2のコア部材及びキャビティ部材は、第1のコア部材及びキャビティ部材と同一、又はほぼ同一であり得る。例えば、第1のコア部材及びキャビティ部材を工程510で廃棄した場合、第1の圧縮成形された部品が二重に必要なことは、後に決定され、この場合、第2のコア部材及びキャビティ部材を、必要に応じて(例えばオン・デマンドで)付加製造して、第1の形状と同じ形状を有する第2の部品を圧縮成形することができる。第2のワークピースは、第1のワークピースと同じ材料及び/又は同じ材料のサンドイッチ状層を備えることができる。
【0077】
工程516において方法500は、任意選択的に、第2のコア部材及び第2のキャビティ部材をフレーム構造に取り付けることを含む。これらのフレーム構造は汎用フレーム構造であるため、この汎用フレーム構造は、第1のコア部材及びキャビティ部材とは異なる第2のコア部材及びキャビティ部材を支持するとともに、第1の部材と実質的に同一である第2のコア部材及びキャビティ部材も支持する。
【0078】
工程518において本方法は任意選択的に、第2のコア部材及び第2のキャビティ部材を用いて、第2のワークピースを第2の圧縮成形された部品へと成形することを含む。工程518は通常、圧縮装置及び加熱機構を用いて、第2の部品を圧縮成形することを含む。工程518で用いられる圧縮装置及び/又は加熱機構は、工程508で用いられる圧縮装置及び/又は加熱機構と同じであってよい。
【0079】
方法500は、リーン生産方式の例であり得る。例えば、圧縮式ダイコンポーネントをオン・デマンドで(例えばコンポーネントが必要とされる場合及び/又は場所で)製造することにより、膨大なリストにわたる様々なダイコンポーネントを保管する必要性を削減及び/又は排除することができる。ダイコンポーネントは相対的に短いリードタイムで製造可能なため、これらのコンポーネントは、オーダーメイドすることができる(例えばこれらのコンポーネントは、コンポーネントの必要性が明らかになったときに、その必要性を事前に予測することなく、作製できる)。従って、不必要なダイコンポーネントを作るリスクが、ダイコンポーネントを製造する従来の方法に比して低下する。ダイコンポーネントを、使用される予定の場所で、又はその近くで製造することもできる。例えば、別の場所に移動させることが困難であるか又は不可能な圧縮装置のそばで、ダイコンポーネントを製造することができる。従って、方法500により、この方法によらなければダイコンポーネントを使用される場所へと移すのに費やされることになる時間とエネルギーを、節約することができる。第1のコア部材及びキャビティ部材から材料をリサイクルして、第2のコア部材及びキャビティ部材を少なくとも部分的に形成することによってもまた、リーン生産方式及び環境維持の原則に則って、無駄になる材料が減少する。
【0080】
F.例示的な組み合わせ及びさらなる例
このセクションでは、付加製造されたコンポーネントを有する圧縮式マッチドダイ装置についてさらなる態様及び特徴を記載するが、一連の段落に提示されたように限定されるものではなく、これらのうち幾つか又は全ては、分かりやすさのため、また便宜的にアルファベットと数字で示され得る。これらの段落はそれぞれ、1つ又は複数の別の段落と、及び/又は本願のあらゆる開示とも、適切なやり方で組み合わせることができる。以下に示す段落のうち幾つかは、他の段落に明示的に言及し、さらに限定するが、幾つかの適切な組み合わせの例をもたらすに過ぎず、これらに限定されるものではない。
【0081】
A0
圧縮式マッチドダイ装置であって、ワークピースの第1の側に輪郭を成形するように構成された第1の中央部を有する、付加製造された第1のダイコンポーネントと、ワークピースの第2の側に輪郭を成形するように構成された第2の中央部を有する、付加製造された第2のダイコンポーネントと、前記第1の中央部及び前記第2の中央部を充分に加熱して、前記ワークピースを所望の形状に硬化させるように構成された加熱機構と、互いに向かい合わせで前記第1の中央部及び前記第2の中央部に力をかけるように構成された圧縮装置とを備える、圧縮式マッチドダイ装置。
【0082】
A1
前記第1の中央部及び前記第2の中央部が、ポリマー材料から構成されている、段落A0に記載の装置。
【0083】
A1a
前記ポリマー材料が、そのままの(neat)ポリマー材料及び/又は強化されたポリマー材料を含む、段落A1に記載の装置。
【0084】
A1b
前記ポリマー材料が、そのままの及び/若しくは強化された、熱可塑性材料又は熱硬化性材料を含む、段落A1に記載の装置。
【0085】
A2
前記第1の中央部及び前記第2の中央部が、金属材料から構成されている、段落A0に記載の装置。
【0086】
A3
前記加熱機構が、前記第1の中央部の底部側に接続された第1の加熱ブランケットと、前記第2の中央部の上部側に接続された第2の加熱ブランケットとを備える、段落A0からA2のいずれかに記載の装置。
【0087】
A4
前記ダイコンポーネントがそれぞれ、様々な形状のワークピースを成形するために相互に互換可能な中央部を支持するように構成された剛体フレーム構造を有する、段落A0からA3までのいずれかに記載の装置。
【0088】
A5
前記第1の中央部及び前記第2の中央部が、航空機用インテリアパネルを成形するために構成されている、段落A0からA4までのいずれかに記載の装置。
【0089】
A6
前記第1の中央部及び前記第2の中央部が、ハニカム・コア熱硬化性サンドイッチ状複合材パネルを成形するクラッシュド・コアのために構成されている、段落A0からA5までのいずれかに記載の装置。
【0090】
A6a
前記第1の中央部及び前記第2の中央部が、熱可塑性壁面パネルを成形するために構成されている、段落A0からA5までのいずれかに記載の装置。
【0091】
A7
前記第1の中央部及び前記第2の中央部、並びに対応する加熱ブランケットが、ワークピースを華氏200~300度の温度にまで加熱するように構成されている、段落A0からA6までのいずれかに記載の装置。
【0092】
A8
前記圧縮装置が、互いに向かい合う前記中央部に1平方インチあたり少なくとも50ポンドの圧力をかけるように構成されたプレス機を備える、段落A0からA7までのいずれかに記載の装置。
【0093】
A9
前記装置の重量が1000ポンド未満である、段落A0からA8までのいずれかに記載の装置。
【0094】
A10
前記装置の重量が500ポンド未満である、段落A0からA8までのいずれかに記載の装置。
【0095】
B0
圧縮式マッチドダイ装置であって、パネルの両側を協動的に形作るように構成されているコア部材及びキャビティ部材と、前記コア部材を支持するように構成された第1のフレーム構造と、前記キャビティ部材を支持するように構成された第2のフレーム構造とを備え、前記第1のフレーム構造及び前記第2のフレーム構造は汎用的であり、前記コア部材及び前記キャビティ部材は、対応するフレーム構造に選択的に取り付けられているとともに、特定のパネル形状を成形するために構成されている、圧縮式マッチドダイ装置。
【0096】
B1
前記コア部材及び前記キャビティ部材は、付加製造によって製造されたものである、段落B0に記載の装置。
【0097】
B2
前記コア部材及び前記キャビティ部材が、金属材料製である、段落B0からB1までのいずれかに記載の装置。
【0098】
B3
前記コア部材及び前記キャビティ部材が、ポリマー材料製である、段落B0からB1までのいずれかに記載の装置。
【0099】
B3a
前記ポリマー材料が、そのままの(neat)ポリマー材料及び/又は強化されたポリマー材料を含む、段落B3に記載の装置。
【0100】
B3b
前記ポリマー材料が、そのままの及び/若しくは強化された、熱可塑性材料又は熱硬化性材料を含む、段落B3に記載の装置。
【0101】
B4
互いに向かい合わせで前記コア部材及び前記キャビティ部材に力をかけるように構成された圧縮装置をさらに備える、段落B0からB3までのいずれかに記載の装置。
【0102】
B5
前記コア部材の底部側に接続された第1の加熱ブランケットと、前記キャビティ部材の上部側に接続された第2の加熱ブランケットとをさらに備える、段落B0からB4までのいずれかに記載の装置。
【0103】
C0
圧縮成形式マッチドダイの製造方法であって、コア部材を付加製造する工程と、キャビティ部材を付加製造する工程と、前記コア部材に第1の加熱要素を接続する工程と、前記キャビティ部材に第2の加熱要素を接続する工程と、前記コア部材及び前記キャビティ部材を、ワークピースを成形するために構成されたフレーム構造に取り付ける工程とを含む、製造方法。
【0104】
C1
前記フレーム構造が汎用的であり、前記取り付ける工程が、様々なパネル構成を製造するために前記フレーム構造において様々なコア部材及びキャビティ部材を相互に互換することを含む、段落C0に記載の方法。
【0105】
C2
前記コア部材及び前記キャビティ部材が、金属材料製である、段落C0からC1までのいずれかに記載の方法。
【0106】
C3
前記コア部材及び前記キャビティ部材が、ポリマー材料製である、段落C0からC1までのいずれかに記載の方法。
【0107】
C3a
前記ポリマー材料が、そのままの(neat)ポリマー材料及び/又は強化されたポリマー材料を含む、段落C3に記載の方法。
【0108】
C3b
前記ポリマー材料が、そのままの及び/若しくは強化された、熱可塑性又は熱硬化性材料を含む、段落C3に記載の方法。
【0109】
D0
圧縮成形部材の製造方法であって、
製造すべき第1の圧縮成形部品の第1の形状を決定すること、
第1のワークピースを、決定された第1の形状へと協動的に圧縮成形するために構成された第1のコア部材及び第1のキャビティ部材を製造すること、
前記第1のコア部材及び前記第1のキャビティ部材を、フレーム構造に取り付けること、及び
前記コア部材及び前記第1のキャビティ部材を用いて前記第1のワークピースを成形して、決定された第1の形状を有する第1の圧縮成形された部品を形成すること、
を含む、製造方法。
【0110】
D1
前記第1のコア部材及び前記第1のキャビティ部材を製造することが、前記第1のコア部材及び前記第1のキャビティ部材を付加製造することを含む、段落D0に記載の方法。
【0111】
D2
プレス工程の後、前記第1のコア部材及び前記第1のキャビティ部材を廃棄することをさらに含む、段落D0からD1のいずれかに記載の方法。
【0112】
D3
前記第1の圧縮成形部品が、航空機用インテリアパネルである、段落D0からD2までのいずれかに記載の方法。
【0113】
D4
製造すべき第2の圧縮成形部品の第2の形状を決定すること、
第2のワークピースを決定された第2の形状へと協動的に圧縮成形するために構成された、第2のコア部材及び第2のキャビティ部材を製造すること、
前記第2のコア部材及び前記第2のキャビティ部材を、フレーム構造に取り付けること、及び
前記第2のコア部材及び前記第2のキャビティ部材を用いて前記第2のワークピースを成形して、決定された第2の形状を有する第2の圧縮成形された部品を形成すること、
をさらに含む、段落D0からD3までのいずれかに記載の製造方法。
【0114】
D5
前記第2のコア部材及び前記第2のキャビティ部材を製造することが、前記第2のコア部材及び前記第2のキャビティ部材を付加製造することを含む、段落D4に記載の方法。
【0115】
D6
前記第2の形状が、前記第1の形状と同一である、段落D4からD5のいずれかに記載の方法。
【0116】
D7
前記第2の圧縮成形部品が、航空機パネルである、段落D4からD6のいずれかに記載の方法。
【0117】
利点、特徴、及びメリット
本明細書に記載された圧縮式マッチドダイ装置についての様々な実施形態及び例によって、熱硬化性航空機パネル及び/又はその他の部品を圧縮成形するための既知の解決法に比べて幾つかの利点がもたらされる。例えば、本明細書に記載された例示的な実施形態及び例により、従来の製造法に比べて、特に圧縮式ダイ工具コンポーネントが、複雑な輪郭を有する部品を圧縮成形するように構成されている場合に比べて、相対的に速い速度で、また相対的に低いコストで、圧縮式ダイ工具コンポーネントを製造することができる。
【0118】
さらに、またその他のメリットの中でもとりわけ、本明細書に記載された例示的な実施形態及び例により、汎用的なフレーム部によって支持可能な、相互に互換可能な中央部を有する圧縮式ダイコンポーネント(例えば相互に互換可能なキャビティ部材及びコア部材)を製造することができる。さらに、本明細書に記載された例示的な実施形態及び例により、様々な部品を成形するために構成された圧縮式ダイ工具を、相対的に迅速かつ容易に製造することができ、また相対的に小さなスペースで保管することができる。
【0119】
さらに、またその他のメリットの中でもとりわけ、本明細書に記載された例示的な実施形態及び例により、圧縮式ダイコンポーネント又はその一部を、ディスポーザブルなものとして取り扱うことができる。付加製造されたダイコンポーネント、及び/又はダイコンポーネントの中央部は、相対的に速く、また安価に製造できるため、幾つかの場合では、コンポーネント(及び/又はコンポーネント中央部)をオン・デマンドで製造し、使用後にはこれらを保管せずに、廃棄することができる。
【0120】
さらに、またその他のメリットの中でもとりわけ、本明細書に記載された例示的な実施形態及び例により、圧縮式ダイコンポーネントが、少数の部品を圧縮成形するために用いられると予測される状況であっても、圧縮式ダイコンポーネントを、コスト効率よく製造することができる。例えば、もはや生産されていない航空機モデル用の交換パネルを少数、圧縮成形するために構成された圧縮式ダイコンポーネントを、製造することができる。これとは対照的に、従来の圧縮式ダイコンポーネントは非常に高価であり、製造するのに時間もかかるため、通常は、少数の部品を成形するためだけに使用されるコンポーネントを製造するために用いるのは、非現実的である。
【0121】
さらに、またその他のメリットの中でもとりわけ、本明細書に記載された例示的な実施形態及び例により、減算式製造技術で通常は無駄になる材料よりも少ない材料で、圧縮式ダイ工具コンポーネントを製造することができる。
【0122】
さらに、またその他のメリットの中でもとりわけ、本明細書に記載された例示的な実施形態及び例により、従来のコンポーネントよりも著しく重量が軽い圧縮式ダイ工具コンポーネントを製造することができる。従って、本開示による圧縮式ダイ工具コンポーネントは、圧縮成形された部品を製造する際に、より高い柔軟性で製造環境を移動させることができる。例えば、圧縮式ダイコンポーネントの相互に互換可能な中央部は、保管スペースから圧縮装置へと容易に移動させることができ、その後、保管場所に戻すことができる。保管スペースは、圧縮装置から遠く離れた保管スペースであり得る。本明細書に記載された圧縮ダイ工具コンポーネントは、従来の工具コンポーネントに必要とされる出力よりも低い出力の圧縮装置によって使用することができ、圧縮装置が、1つ又は複数の工具コンポーネントを上昇させるように構成されている場合は、特にそうである。
【0123】
これらの機能を実行可能なシステム又は装置は、知られていない。しかしながら、本明細書に記載された全ての実施形態及び例が、同じ利点又は同程度の利点をもたらすとは限らない。
【0124】
結論
先に既定した本開示は、独立した有用性を備える区別可能な複数の例を包含し得る。これらはそれぞれ、1つ又は複数の好ましい形態で開示されているものの、本明細書で開示され、本明細書で説明されたそれらの特定の実施形態は、無数のバリエーションがあり得るため、限定的な意味合いで考慮されるべきではない。本開示においてセクションの見出しを用いる場合、このような見出しは、整理を目的としたものに過ぎない。本開示の対象は、本明細書に開示された多様な要素、特徴、機能及び/又は特性について、新規性及び進歩性を有する全ての組み合わせ、並びにそれらの下位組み合わせを含む。添付した特許請求の範囲は、新規性及び進歩性を有するとされた特定の組み合わせ及び下位組み合わせを、特に摘示するものである。特徴、機能、要素及び/又は特性についてのその他の組み合わせ及び下位組み合わせを、本願又は関連出願からの優先権を主張する本願で特許請求することができる。このような請求項群は、当初特許請求の範囲よりも広くても、狭くても、同じであっても、又は異なっていても、本開示の対象内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17