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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】ディスプレイ取付具
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/26 20060101AFI20230713BHJP
【FI】
E01C19/26
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019191541
(22)【出願日】2019-10-18
(65)【公開番号】P2021067037
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000182384
【氏名又は名称】酒井重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 健太
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-002199(JP,A)
【文献】特開平02-120151(JP,A)
【文献】実開平03-125644(JP,U)
【文献】特開2004-034862(JP,A)
【文献】実開平05-091985(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設車両にディスプレイを取り付けるディスプレイ取付具であって、
前記建設車両の被取付部に固定される固定部と、
前記固定部の上に設けられ前記ディスプレイを保持する保持部と、
前記被取付部に対する前記固定部の取付幅を調節する取付幅調節部と、を備え、
前記被取付部と前記取付幅調節部との間に介設され、前記被取付部の角部に当接する断面L字状のアタッチメントを備えることを特徴とするディスプレイ取付具。
【請求項2】
前記固定部に対して、前記保持部の鉛直軸回りの角度を調節する角度調節部を備えることを特徴とする請求項1のディスプレイ取付具。
【請求項3】
前記固定部は、本体板と、前記本体板に設けられ前記ディスプレイが取り付けられる取付板と、前記本体板の両端に設けられる立設板と、を備え、
前記取付板は概ね水平に配置されるとともに、前記本体板は前記被取付部に沿うように前記建設車両の運転席側に向かって下り傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項に記載のディスプレイ取付具。
【請求項4】
前記被取付部に対する前記固定部の高さを調節する高さ調節部を備えることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のディスプレイ取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の道路工事においてはi-Constructionの促進により、施工、検査、維持管理等のプロセスにおいて、ICT(情報伝達技術)導入し、生産性の向上を図る技術が注目されている。例えば、特許文献1には、振動ローラなどに組み込み搭載されているディスプレイを用いて道路の締固め管理を行う締固め管理装置が開示されている。特許文献1に係る発明では、振動ローラに加速度センサ及びGPS受信機等を設けることで、締固めた場所や、締固め度をディスプレイにリアルタイムに表示して出来形管理を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-110111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、新規の建設車両及び販売済みの建設車両にディスプレイを設置することが求められているが、ディスプレイを取り付ける被取付部(例えば、ダッシュボード)の形状、寸法等は各建設車両で異なる。そのため、建設車両にディスプレイを取り付ける作業が煩雑になるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、建設車両にディスプレイを容易に取り付けることができるディスプレイ取付具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として、本発明のディスプレイ取付具は、建設車両にディスプレイを取り付けるディスプレイ取付具であって、前記建設車両の被取付部に固定される固定部と、前記固定部の上に設けられ前記ディスプレイを保持する保持部と、前記被取付部に対する前記固定部の取付幅を調節する取付幅調節部と、を備え、前記被取付部と前記取付幅調節部との間に介設され、前記被取付部の角部に当接する断面L字状のアタッチメントを備えることを特徴とする。
【0007】
前記構成によれば、建設車両の被取付部の寸法に合わせて固定部の取付幅を調節することができる。このため、さまざまな種類の建設車両に対して汎用的にディスプレイを容易に取り付けることができる。
また、前記構成によれば、ディスプレイ取付具に対して被取付部を保護することができる。
【0008】
また、前記固定部に対して、前記保持部の鉛直軸回りの角度を調節する角度調節部を備えることが好ましい。
【0009】
前記構成によれば、建設車両の乗員の位置に応じてディスプレイの画面の方向を変更することができる。
【0012】
また、前記固定部は、本体板と、前記本体板に設けられ前記ディスプレイが取り付けられる取付板と、前記本体板の両端に設けられる立設板と、を備え、前記取付板は概ね水平に配置されるとともに、前記本体板は前記被取付部に沿うように前記建設車両の運転席側に向かって下り傾斜していることが好ましい。
【0013】
前記構成によれば、ディスプレイの視認性を良好に維持しつつ、建設車両の乗員の運転操作を妨げないようにすることができる。
【0014】
また、前記被取付部に対する前記固定部の高さを調節する高さ調節部を備えることが好ましい。
【0015】
前記構成によれば、ディスプレイの高さ位置を、建設車両の乗員にとって最適な位置にすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のディスプレイ取付具によれば、建設車両にディスプレイを容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態のディスプレイ取付具が取り付けられたマカダムローラの側面図である。
図2】第1の実施形態のマカダムローラを運転席後方から視た図である。
図3】第1の実施形態のディスプレイ取付具の側面図である。
図4】第1の実施形態の固定部の平面図である。
図5】第1の実施形態のディスプレイおよび保持部に対する鉛直軸回りの角度調節の説明図である。
図6】第2の実施形態のディスプレイ取付具の側面図である。
図7】第2の実施形態の固定部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。また、説明の便宜上、「前後」、「左右」、「上下」は図1のマカダムローラRの乗員の視認方向に従う。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係るディスプレイ取付具10は、建設車両にディスプレイ6を取り付けるものであって、建設車両としてマカダムローラを例示する。建設車両は、マカダムローラに限定されず、路面を転圧するタンデムローラ、タイヤローラ、コンバインドローラ、振動ローラ等であってもよい。
【0020】
[第1の実施形態]
図1に示すように、マカダムローラRは、前輪2輪のロール2および後輪1輪のロール(図示略)を備えている。マカダムローラRの車体1の上部には、ダッシュボード3および運転席4,5が配置されている。図2に示すように、運転席4,5は、左右一対用意されており、ダッシュボード3の後方に配置されている。
【0021】
ダッシュボード(被取付部)3は、ハンドル、操作ボタン、計器盤7等が設けられる部位であって、概ね直方体を呈する。ダッシュボード3の上部は、操作性を向上させるために乗員に向けて傾斜している。そのため、ダッシュボード3の上面3aは、乗員に向かうにつれて下方に傾斜している。
【0022】
本実施形態のディスプレイ取付具10は、ダッシュボード3の上面3aに取り付けられ、ディスプレイ6を所定の位置に着脱自在に配置することができる。例えば、ディスプレイ取付具10は、ダッシュボード3に取り付けられた計器盤7の左隣りに配置されており、運転席4,5のいずれにも着席した乗員が視認できる位置にディスプレイ6を配置することができる。
【0023】
ディスプレイ6は、所定の情報を表示する機器である。ディスプレイ6の形状は、例えば、板状とすることができるが、これに限定されない。ディスプレイ6が表示する情報は、例えば、出来形管理を示す情報であり、具体的には、締固め度、転圧回数、走行軌跡などがあるが、これらに限定されない。マカダムローラRには、GPSアンテナ(図示略)が取り付けられている。ディスプレイ6は、GPSアンテナとケーブル(図示略)を介して通信可能に接続されているため、マカダムローラRの位置を表示することができる。
【0024】
図3に示すように、ディスプレイ取付具10は、固定部20と、保持部30とを備えている。固定部20は、マカダムローラRのダッシュボード3に固定され、ディスプレイ6および保持部30の土台となる部位である。保持部30は、ディスプレイ6を保持する。固定部20および保持部30は、金属製であるがこれに限定されない。
【0025】
固定部20は、本体板21と、取付板22と、第1立設板23と、第2立設板24と、アタッチメント25とを備えている。
【0026】
本体板21は、ディスプレイ取付具10の基部であり、略矩形状を呈している。本体板21は、ディスプレイ取付具10の取付時には、ダッシュボード3の上面3aの上方に、上面3aに対して概ね平行に配置されている。本体板21の前後方向の幅は、ダッシュボード3の前後方向の幅よりも若干大きくなっている。
【0027】
本体板21の裏面には、高さ調節部111~113がネジ止めされている。高さ調節部111~113は、例えば、弾性体であるがこれに限定されない。また、本実施形態では高さ調節部111~113を3つ設けているが、個数も限定されるものではない。高さ調節部111~113の高さを変更することで、ダッシュボード3の上面3aに対する固定部20の高さを調節することができる。
【0028】
取付板22は、本体板21の前端部から前方に延在しており、略矩形状を呈している。取付板22は、本体板21に対して屈曲しており、ディスプレイ6の取付時には概ね水平となっている。取付板22には、ディスプレイ6を保持する保持部30が取り付けられている。
【0029】
図3及び図4に示すように、取付板22には、板厚方向に貫通する孔221,222,223が形成されている。孔223に対応するナットn3が、保持部30の第1ブラケット31の底板311の上面に溶着されている。また、孔221,222にそれぞれ対応するナットn4,n4が、底板311の上面に溶着されている。図5に示すように、孔223は、ノブ付きネジs3が挿入される孔である。孔221,222は、保持部30の鉛直軸回りの角度に応じてノブ付きネジs4が挿入される孔である。孔221,222,223及びノブ付きネジs3,s4で角度調節部が構成されている。
【0030】
図5に示すように、底板311に溶着されているナットn3(図3)を孔223に位置合わせして連通させ、ノブ付きネジs3を挿通させてネジ止めする。角度調整部では、ノブ付きネジs3を回転中心にして、孔221の位置又は孔222の位置で保持部30をネジ止めすることができる。これにより、ディスプレイ6の画面を、右側の運転席4(図2)の方向に向けることができ(図5の実線)、又は左側の運転席5の方向に向けることができる(図5の二点鎖線)。
【0031】
図3に示すように、第1立設板(立設板)23は、側面視L字状の板片であり、第1立設板23の一端部が本体板21の前側の裏面に溶接固定されている。第1立設板23の後面にはゴム板231が貼設されている。ゴム板231は、ダッシュボード3の前面3bに当接している。第1立設板23は、ダッシュボード3の前面3bの上部に配置される。
【0032】
第2立設板(立設板)24は、本体板21の後端部から下方に延在しており、略矩形状を呈している。第2立設板24の前面にはナットn1,n2(図4参照)が溶接固定されている。ノブ付きネジ(取付幅調節部)s1,s2は、第2立設板24の後方から、第2立設板24の板厚方向に貫通する孔(図示略)、および、当該孔に連通するナットn1,n2に挿通することができる。第2立設板24は、ダッシュボード3の後面3cの上部に配置される。
【0033】
アタッチメント25は、側面視L字状の板片であり、ダッシュボード3、および、第2立設板24の間に介設されている。アタッチメント25の内面には、ゴム板251,252が貼設されている。アタッチメント25は、ゴム板251,252を介してダッシュボード3の角部を構成する上面3aおよび後面3cに当接している。
【0034】
図3に示すように、保持部30は、第1ブラケット31と、第2ブラケット32と、第3ブラケット33とを備えている。第1ブラケット31は、保持部30の基部である。第1ブラケット31の底板311、および、固定部20の取付板22は、ノブ付きネジs3,s4、および、底板311に溶接固定されているナットn3,n4によってネジ止めされている。
【0035】
第2ブラケット32は、第1ブラケット31の前面側に位置する略枠板体である。第2ブラケット32は、ディスプレイ6の後面周囲に装着され4隅でネジ止めされている。また、第2ブラケット32のフランジ321,321は、第1ブラケット31の側板312,312とネジ止めされている。
【0036】
第3ブラケット33は、第1ブラケット31の後面側に位置する略矩形板である。第3ブラケット33のフランジ331,331は、第1ブラケット31の側板312,312とネジ止めされている。第3ブラケット33の後面には、コントローラ61が配置されている。コントローラ61は、ディスプレイ6の表示を制御する制御部である。
【0037】
<取付方法>
例えば、乗員は、まず、アタッチメント25をダッシュボード3の後側の角部に当接配置する。その後、乗員は、ディスプレイ取付具10をダッシュボード3に取り付ける。このとき、高さ調節部111~113の下面がダッシュボード3の上面3aに当接し、固定部20の高さが決定する。また、第1立設板23は、ダッシュボード3の前面3bに配置され、第2立設板24は、アタッチメント25よりも後方に配置される。
【0038】
その後、乗員は、ノブ付きネジs1,s2を第2立設板24の後方から、第2立設板24の孔、および、当該孔に連通するナットn1,n2に挿通してネジ止めする。このため、ノブ付きネジs1,s2の軸部の先端部がアタッチメント25に当接し、ダッシュボード3に対するディスプレイ取付具10の取り付けが完了する。また、乗員は、ディスプレイ6を、保持部30の第2ブラケット32にネジ止めする。
【0039】
ノブ付きネジs1,s2のネジ締め量を調節することで、ダッシュボード3の前後幅に応じて固定部20の取付幅(前後方向の幅)を調節することができる。ノブ付きネジs1,s2は、固定部20の取付幅を調節する取付幅調節部の一例となる。
【0040】
<作用効果>
以上説明した本実施形態に係るディスプレイ取付具10によれば、ダッシュボード3の寸法に合わせて固定部20の取付幅を調節することができる。このため、マカダムローラRに限らずさまざまな種類の建設車両に対して汎用的にディスプレイ6を容易に取り付けることができる。
【0041】
また、本体板21は、運転席4,5側に向かって下り傾斜しているダッシュボード3の上面3aに沿うように、上面3aと概ね平行に配置されている。よって、ディスプレイ取付具10がマカダムローラRの乗員の視界を妨げず、かつ、乗員の運転操作を妨げないようにすることができる。
【0042】
また、高さ調節部111~113の高さを変更することで、ダッシュボード3に対する保持部30の高さ位置を変更することができる。よって、ディスプレイ6の高さ位置をマカダムローラRの乗員にとって最適な位置にすることができる。また、高さ調節部111~113を、例えば、弾性材とすることで、本体板21とダッシュボード3の上面3aとの接触が回避され、ダッシュボード3の上面3aを保護することができる。
【0043】
また、アタッチメント25を用いることで、ノブ付きネジs1,s2の軸部の先端部がダッシュボード3の後面3cに直接当接することを回避することができる。このため、ダッシュボード3の後面3cを保護することができる。また、アタッチメント25を用いることで、ノブ付きネジs1,s2の締め付け力が分散するため、安定して固定することができる。
【0044】
また、角度調整部を備えているため、ノブ付きネジs4のネジ止めの位置によって、保持部30、および、保持部30に保持されているディスプレイ6の鉛直軸回りの角度を調節することができる。よって、マカダムローラRの乗員の運転位置に応じてディスプレイ6の画面を確実に向けることができる。また、ゴム板231,251,252を設けることで、固定部20とダッシュボード3とのがたつきを抑えることができる。
【0045】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態のディスプレイ取付具10について説明する。第2の実施形態の説明では、第1の実施形態との相違点について主に説明する。図6図7に示すように、第2の実施形態は、第1の実施形態の本体板21に代えて、第1部分本体板40、第2部分本体板50が用いられている点、および、ノブ付きネジs5,s6とナットn5,n6が用いられている点が相違する。
【0046】
第1部分本体板40は、略矩形状を呈している。取付板22は、第1部分本体板40の前端部から前方に延在しており、略矩形状を呈している。取付板22は、第1部分本体板40に対して屈曲しており、ディスプレイ6の取付時には概ね水平となっている。第1立設板23は、第1立設板23の一端部が第1部分本体板40の前側の裏面に溶接固定されている。第1部分本体板40には、長孔41,42が形成されている。長孔41,42は、第1部分本体板40の板厚方向に貫通しており、第1部分本体板40の長手方向に沿って延在している。
【0047】
第2部分本体板50は、略矩形状を呈している。第2立設板24は、第2部分本体板50の後端部から下方に延在している。ディスプレイ取付具10の取付時には、第2部分本体板50の部分に第1部分本体板40の部分が上方から重なっている。第2部分本体板50には、第2部分本体板50の板厚方向に貫通しており、第1部分本体板40の長孔41,42と連通する孔(図示略)が形成されている。第2部分本体板50の裏面には、第2部分本体板50の孔に連通するナットn5,n6が溶接固定されている。
【0048】
<取付方法>
例えば、乗員は、第2部分本体板50に第1部分本体板40を重ね合わせ、ノブ付きネジs5,s6によるネジ止めを少し緩めたディスプレイ取付具10をダッシュボード3に取り付ける。このとき、乗員は、ダッシュボード3の寸法に応じて、第1部分本体板40に対して第2部分本体板50を前後に移動させる。これにより第1立設板23は、ダッシュボード3の前面に配置され、第2立設板24は、アタッチメント25よりも後方に配置される。
【0049】
その後、乗員は、ノブ付きネジs5,s6をネジ止めし、第1部分本体板40および第2部分本体板50の相対位置を決定する。また、乗員は、すでに説明したノブ付きネジs1,s2のネジ止めをすることで、ダッシュボード3に対するディスプレイ取付具10の取り付けが完了する。
【0050】
<作用効果>
本実施形態においても、第1実施形態と概ね同等の効果を奏することができる。また、第1部分本体板40および第2部分本体板50の相対位置を調節することで、ダッシュボード3の前後幅に応じて固定部20の取付幅(前後方向の幅)を調節することができる。第2の実施形態では、長孔41,42の寸法に応じて固定部20の取付幅を調節することができる。このため、第1の実施形態のノブ付きネジs1,s2によるネジ締め量の調節と比較して、調節可能な範囲を広げることができる。このため、ディスプレイ6の取り付けの汎用性をさらに向上させることができる。長孔41,42、ノブ付きネジs5,s6およびナットn5,n6は、固定部20の取付幅を調節する取付幅調節部の例となる。
【0051】
以上、実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態で説明した例に限定されない。
(a):本実施形態では、マカダムローラRにディスプレイ6を取り付ける例を説明したが、さまざまな建設車両にディスプレイ6を取り付けることができる。
【0052】
(b):本実施形態では、ディスプレイ取付具10をダッシュボード3に取り付ける例を説明したが、建設車両のさまざまな構成部品をディスプレイ取付具10を取り付ける被取付部とすることができる。
【0053】
(c):本実施形態では、孔223,222、または、孔223,221にノブ付きネジs3,s4を挿通してネジ止めすることで、鉛直軸回りに対して保持部30の角度を調節した(図5)。しかし、孔223を中心とし、円弧孔を取付板22に形成してもよい。かかる構成により、円弧孔にノブ付きネジs4を挿通してネジ止めすることで、鉛直軸回りに対して保持部30の角度を連続的に調節することができる。
【0054】
(d):本実施形態では、第1立設板23の後面にゴム板231が貼設されている例を説明したが、ゴム板231に代えて任意の材質の弾性体を用いてもよい。また、ゴム板231に代えてマグネットを用いてもよい。かかる構成により、マグネットおよびダッシュボード3が引き合ってディスプレイ取付具10が取り付けられる。このため、ディスプレイ取付具10に不測の衝撃が加わったとしても、ディスプレイ取付具10が取り外されにくくなり、ディスプレイ取付具10の落下を回避することができる。また、マグネットおよびダッシュボード3が引き合うことで、ダッシュボード3に対するディスプレイ取付具10の位置決めも容易になる。
【0055】
(e):本実施形態では、アタッチメント25の内面にゴム板251,252が貼設されている例を説明したが、ゴム板251,252に代えて任意の材質の弾性体を用いてもよい。また、アタッチメント25の内面にマグネットを用いてもよい。また、アタッチメント25は省略してもよい。
【0056】
(f):本実施形態では、保持部30の第1ブラケット31、第2ブラケット32、第3ブラケット33がそれぞれネジ止めされている例を説明した。しかし、第1ブラケット31、第2ブラケット32、第3ブラケット33の各々の相対位置を所定量だけ変位可能となるように、第1ブラケット31、第2ブラケット32、第3ブラケット33を固定してもよい。例えば、第1ブラケット31を貫通する孔、および、第2ブラケット32を貫通する孔の少なくとも一方を長孔とする。乗員は、第1ブラケット31に対する第2ブラケット32の所望の相対位置を適宜決定して、第1ブラケット31の孔および第2ブラケット32の孔の位置合わせをし、双方の孔を挿通するノブ付きネジでネジ止めすることができる。かかる構成によれば、ディスプレイ6の仰角を自在に調節することができる。
【0057】
(g):本実施形態では、取付幅調節部(取付幅調節部の一部材)としてノブ付きネジを例示したが、ダッシュボード(被取付部)3に対して取付幅の調節が可能であり、かつ、固定部20を固定できれば他の部材であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
3 ダッシュボード(被取付部)
4,5 運転席
6 ディスプレイ
10 ディスプレイ取付具
20 固定部
21 本体板
22 取付板
23 第1立設板(立設板)
24 第2立設板(立設板)
25 アタッチメント
30 保持部
40 第1部分本体板
41,42 長孔(取付幅調節部)
50 第2部分本体板
111~113 高さ調節部
221~223 孔(角度調節部)
R マカダムローラ(建設車両)
s1,s2 ノブ付きネジ(取付幅調節部)
s3,s4 ノブ付きネジ(角度調節部)
s5,s6 ノブ付きネジ(取付幅調節部)
n1~n6 ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7